JP7449737B2 - 金属ベルト及びこれを備えたベルト式無段変速機 - Google Patents

金属ベルト及びこれを備えたベルト式無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP7449737B2
JP7449737B2 JP2020050198A JP2020050198A JP7449737B2 JP 7449737 B2 JP7449737 B2 JP 7449737B2 JP 2020050198 A JP2020050198 A JP 2020050198A JP 2020050198 A JP2020050198 A JP 2020050198A JP 7449737 B2 JP7449737 B2 JP 7449737B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulley
elements
belt
metal belt
continuously variable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020050198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021148246A (ja
Inventor
徹 矢ヶ崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2020050198A priority Critical patent/JP7449737B2/ja
Priority to CN202110228037.XA priority patent/CN113494564B/zh
Publication of JP2021148246A publication Critical patent/JP2021148246A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7449737B2 publication Critical patent/JP7449737B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/20V-belts, i.e. belts of tapered cross-section with a contact surface of special shape, e.g. toothed
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/0006Vibration-damping or noise reducing means specially adapted for gearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H9/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members
    • F16H9/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion
    • F16H9/04Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes
    • F16H9/12Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes engaging a pulley built-up out of relatively axially-adjustable parts in which the belt engages the opposite flanges of the pulley directly without interposed belt-supporting members
    • F16H9/16Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes engaging a pulley built-up out of relatively axially-adjustable parts in which the belt engages the opposite flanges of the pulley directly without interposed belt-supporting members using two pulleys, both built-up out of adjustable conical parts
    • F16H9/18Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes engaging a pulley built-up out of relatively axially-adjustable parts in which the belt engages the opposite flanges of the pulley directly without interposed belt-supporting members using two pulleys, both built-up out of adjustable conical parts only one flange of each pulley being adjustable

Description

本発明は、一対のプーリの間に巻き掛けられる無端状の金属ベルトとこれを備えるベルト式無段変速機に関する。
歯車以外の機構を用いて変速比(レシオ)を連続的に変化させる無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)は、車両等の変速手段として用いられている。例えば、車両にはベルト式無段変速機(ベルト式CVT)が用いられる場合がある。このベルト式無段変速機は、駆動側のドライブプーリと従動側のドリブンプーリとの間に無端状の金属ベルトを巻き掛けて構成されており、ドライブプーリとドリブンプーリに油圧によって作用する軸方向の推力を調整することによって、これらのドライブプーリとドリブンブーリへの金属ベルトの巻き掛け径を変化させて変速比を連続的に変化させるものである。
斯かるベルト式無段変速機においては、ドライブプーリ及びドリブンプーリ(以下、単に「プーリ」と称する)と金属ベルトとの接触面における摩擦力によって動力が伝達される。したがって、プーリと金属ベルトとの接触面には所要の摩擦力が発生する必要がある。
また、プーリと金属ベルトとの間には、焼き付き防止や冷却のために潤滑油が供給されるが、この潤滑油が多過ぎるとプーリと金属ベルト間にスリップが発生して動力伝達効率の低下を招くため、余分な潤滑油を効率良く排出する必要がある。そして、高い耐久寿命を確保する観点から、プーリと金属ベルトとの接触面には高い耐磨耗性が要求される。
そこで、金属ベルトを構成する複数のエレメントのプーリとの接触面(フランク面)に複数の山部と溝部をプーリの径方向に沿って交互に形成することが行われている。この場合、山部は、潤滑油の油膜を介してプーリと接触して動力伝達に寄与し、溝部は、潤滑油をプーリの周方向に排出する機能を果たす。
ところで、特許文献1には、金属ベルトとプーリの面圧を下げて両者の摩耗量を小さく抑えるとともに、摩耗量を抑えることによって溝部を確保して潤滑油の排出性を高めるために、金属ベルトのエレメントのフラット比率(山幅と溝幅の合計幅に対する山幅の比率)を、幾何学的形状の製造性が成立する範囲において最大比率に設定し、溝ピッチを、幾何学的形状の製造性が成立するとともに潤滑油の排出性が成立する範囲において、設定したフラット比率にて許容される値に設定する提案がなされている。
また、特許文献2には、ベルト式無段変速機のLOW変速比においては、ドライブプーリの可動シーブの軸方向移動を規制しないでドリブンプーリの可動シーブを閉じストッパに当接させて該可動シーブの閉じ方向の移動を規制し、OD(Over Drive)変速比においては、ドライブプーリの可動シーブの軸方向移動を規制しないで、ドリブンプーリの可動シーブを開きストッパに当接させて該可動シーブの開き方向の移動を規制する提案がなされている。これによれば、可動シーブの移動を規制するストッパに起因して発生する摩擦係数や動力伝達効率の低下、プーリや金属ベルトの摩耗量の増加などの問題を解決することができる。
特許第4641319号公報 特開2018-003952号公報
ところで、特許文献1において提案された構成においては、金属ベルトのエレメントに形成された複数の山部と溝部の配列ピッチは、全てのエレメントに対して同一であるため、LOW変速比やOD変速比において金属ベルトのエレメントがプーリの同じ位置に接触した状態で回転すると、該エレメントの溝部は、プーリに接触しないためにプーリの溝部に対応する位置が摩耗せず、プーリの山部が接触する部分のみが摩耗する。このため、エレメントの溝部に対応するプーリの表面に、複数(溝部と同数)の突起が溝部の配列ピッチで形成されて摩耗段差が発生し、変速時に金属ベルトがプーリの径方向に移動すると、プーリの表面に形成された突起がエレメントの山部によって削られるために異音が発生するという問題がある。また、LOW変速比やOD変速比においては、プーリの表面がエレメントの山部によって削られ続けられるため、プーリ表面の局部的な摩耗が進んで当該プーリの耐久性が低下するという問題もある。そして、このような問題は、特許文献2において提案された構成によっても解決することができない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、プーリ表面の摩耗段差に起因する異音の発生と、偏摩耗に伴うプーリの耐久性の低下を防ぐことができる金属ベルト及びこれを備えたベルト式無段変速機を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、複数のエレメント(10)を環状に連結して構成されてベルト式無段変速機(1)の一対のプーリ(3,5)の間に巻き掛けられ、前記各エレメント(10)の前記プーリ(3,5)との接触面(3a,3b,5a,5b)に複数の山部(10a)と溝部(10b)を前記プーリ(3,5)の径方向に交互に形成して成る無端状の金属ベルト(6)であって、前記各エレメント(10)において前記山部(10a)が外周端から開始されるとともに、その開始点の位置が全エレメント(10)について同じであり、前記溝部(10b)の配列ピッチ(p)が同一でかつ同溝部(10b)の位置が前記プーリ(3,5)の径方向に互いに異なる少なくとも2種類のエレメント(10A,10B)を備えることを特徴とする。
本発明によれば、金属ベルトは、溝部の配列ピッチが同一でかつ同溝部の位置がプーリの径方向に互いに異なる少なくとも2種類のエレメントを備えるため、異なる種類のエレメントにおいては、プーリの径方向において、一方のエレメントの山部が他方のエレメントの溝部によってプーリ表面に形成された突起を必ず通過して該突起を削り取る。したがって、LOW変速比やOD変速比において、金属ベルトがプーリに対して同じ位置で回転しても、プーリ表面は均一に摩耗して突起が発生することがない。このため、変速時に金属ベルトがプーリの径方向に移動しても、該金属ベルトのエレメントがプーリ表面の突起を乗り越えることがなく、変速時の異音の発生が防がれるとともに、偏摩耗によるプーリの耐久性の低下が防がれる。
また、各エレメントにおいて山部が外周端から開始されるとともに、その開始点の位置が全エレメントについて同じであるため、各エレメントの山部によって削られるプーリの接触面に盛り上がりが発生することがなく、接触面がきれいな平滑面状に仕上げられる。
ここで、少なくとも2種類の前記エレメント(10A,10B)は、連結方向に1枚ずつ交互に或いは同種の複数枚の組が連結方向に交互に配置されていることが望ましい。
上記構成によれば、連結方向に1枚ずつ交互に或いは同種の複数枚の組が連結方向に交互に配置されるエレメントの山部が別の種類のエレメントの溝部によってプーリ表面に形成された突起を通過して該突起を確実に削り取るため、異音の発生が防がれるとともに、プーリの耐久性が高められる。
また、前記金属ベルト(6)において、少なくとも2種類の前記エレメント(10A,10B)のうちの少なくとも1種類のエレメント(10A)は、他の種類のエレメント(10B)とは板厚が異なるクリアランス調整用であってもよい。
上記構成によれば、他の種類のエレメントとは板厚が異なるクリアランス調整用のエレメントによって金属ベルトのエレメント間のクリアランスを適正に保つことができる。
また、本発明に係るベルト式無段変速機(1)は、ドライブシャフト(2)に固定された固定シーブ(3A)と軸方向に移動可能な可動シーブ(3B)を備えるドライブプーリ(3)と、ドリブンシャフト(4)に固定された固定シーブ(5A)と軸方向に移動可能な可動シーブ(5B)を備えるドリブンプーリ(5)との間に、前記金属ベルト(6)を巻き掛けて構成されることを特徴とする。
本発明によれば、金属ベルトにおける異音の発生防止とプーリの耐久性向上によってベルト式無段変速機の静粛性と耐久寿命が高められる。
上記ベルト式無段変速機(1)において、LOW変速比における前記ドライブプーリ(3)の可動シーブ(3B)の開きを規制する開きストッパ(9)を設けてもよい。
上記構成によれば、LOW変速比におけるドライブプーリの可動シーブの開きを規制する開きストッパを設けた方がドリブンプーリの可動シーブの閉じを規制すると閉じストッパを設けた場合よりもスリップ率が大きくなるが、構造的にドリブンプーリ側に閉じストッパを設けることができない場合であっても、ドライブプーリ側に開きストッパを設けることによって、多少のスリップ率を犠牲にしても前記効果を得ることができる。
本発明によれば、プーリ表面の摩耗段差に起因する異音の発生と、偏摩耗に伴うプーリの耐久性の低下を防ぐことができる金属ベルト及びこれを備えたベルト式無段変速機を得ることができる。
本発明に係るベルト式無段変速機の基本構成を示す模式図である。 本発明に係るベルト式無段変速機のLOW変速比における状態を示す要部模式図である。 本発明に係るベルト式無段変速機のOD変速比における状態を示す要部模式図である。 本発明に係る金属ベルトの部分斜視図である。 本発明に係る金属ベルトを構成するエレメント単体の斜視図である。 (a),(b)は種類の異なるエレメントとプーリ表面との関係を示す図である。 (a),(b)は本発明の参考例を示す図6と同様の図である。 本発明に係る金属ベルトの部分側面図である。 ベルト式無段変速機においてドリブンプーリ側に閉じストッパを設けた場合とドライブプーリ側に開きストッパを設けた場合の入力トルクとベルトスリップ率との関係を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[ベルト式無段変速機]
図1は本発明に係るベルト式無段変速機の基本構成を示す模式図、図2は同ベルト式無段変速機のLOW変速比における状態を示す要部模式図、図3は同ベルト式無段変速機のOD変速比における状態を示す要部の模式図である。
図1に示すベルト式無段変速機1は、回転可能なドライブシャフト2上に設けられたドライブプーリ3と回転可能なドリブンシャフト4上に設けられたドリブンプーリ5との間に無端状の金属ベルト6を巻き掛けて構成されている。
ここで、上記ドライブシャフト2とドリブンシャフト4は、互いに平行且つ回転可能に配されており、ドライブプーリ3は、ドライブシャフト2に固定された固定シーブ(固定プーリ半体)3Aと、ドライブシャフト2に沿って軸方向(図1の左右方向)に摺動可能な可動シーブ(可動プーリ半体)3Bとを軸方向に対向配置して構成されている。そして、このドライブプーリ3の可動シーブ3Bの背面側には油室S1が形成されている。同様に、ドリブンプーリ5は、ドリブンシャフト4に固定された固定シーブ(固定プーリ半体)5Aと、ドリブンシャフト4に沿って軸方向に摺動可能な可動シーブ(可動プーリ半体)5Bとを軸方向に対向配置して構成されており、可動シーブ5Bの背面側には油室S2が形成されている。
そして、ドライブプーリ3の可動シーブ3Bの背面側に形成された油室S1とドリブンプーリ5の可動シーブ5Bの背面側に形成された油室S2には、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)U1からの指令によって作動する油圧制御ユニットU2から延びる油路7,8がそれぞれ接続されている。
ところで、ドライブプーリ3の固定シーブ3Aと可動シーブ3Bの軸方向に相対向する円錐状の斜面は、金属ベルト6との接触面3a,3bをそれぞれ構成しており、これらの接触面3a,3bの間にはV溝が形成されている。同様に、ドリブンプーリ5の固定シーブ5Aと可動シーブ5Bの軸方向に相対向する円錐状の斜面は、金属ベルト6との接触面5a,5bをそれぞれ構成しており、これらの接触面5a,5bの間にはV溝が形成されている。そして、ドライブプーリ3に形成されたV溝とドリブンプーリ5に形成されたV溝には、金属ベルト6が挟持された状態で巻き掛けられている。
以上のように構成されたベルト式無段変速機1において、例えば、エンジンや電動モータなどの駆動源の回転がドライブシャフト2に入力されて該ドライブシャフト2が回転駆動されると、このドライブシャフト2の回転は、ベルト式無段変速機1の作用によって無段階に変速されて金属ベルト6を介してドリブンシャフト4へと伝達され、このドリブンシャフト4が所定の速度で回転する。
すなわち、ベルト式無段変速機1においては、ドライブプーリ3とドリブンプーリ5に設けられた各油室S1,S2内の油圧が、電子制御ユニット(ECU)U1からの指令によって作動する油圧制御ユニットU2によって制御されることによって変速比(レシオ)が無段階に調整される。具体的には、ドライブプーリ3の油室S1の油圧に対してドリブンプーリ5の油室S2の油圧を相対的に増加させれば、ドリブンプーリ5の可動シーブ5Bに軸方向に作用する推力(プーリ推力)がドライブプーリ3の可動シーブ3Bに軸方向に作用する推力(プーリ推力)よりも相対的に大きくなる。このため、ドリブンプーリ5の固定シーブ5Aと可動シーブ5B間のV溝幅が減少して金属ベルト6のドリブンプーリ5への巻き掛け径(有効半径)が増加する一方、ドライブプーリ3の固定シーブ3Aと可動シーブ3B間のV溝幅が増加して金属ベルト6のドライブプーリ3への巻き掛け径(有効半径)が減少するため、当該ベルト式無段変速機1の変速比(レシオ)が減速(LOW)方向に向かって無段階に変化する。
ここで、ベルト式無段変速機1が最大の変速比であるLOW変速比(LOWレシオ)に設定されている状態を図2に示す。この状態では、ドライブプーリ3の可動シーブ3Bがドライブシャフト2に沿って開き方向(図2の左方)に摺動し、この可動シーブ3Bは、開きストッパ9に当接してその位置が規制される。このときの金属ベルト6のドライブプーリ3への巻き掛け径は最小となる。
他方、ドリブンプーリ5においては、可動シーブ5Bがドリブンシャフト4に沿って閉じ方向(図2の右方)へと摺動するため、金属ベルト6のドリブンプーリ5への巻き掛け径は最大となる、したがって、当該ベルト式無段変速機1における変速比は、最小のLOW変速比に設定され、ドライブシャフト2の回転がベルト式自動変速機1によって減速されてドリブンシャフト4へと伝達される。
ベルト式無段変速機1が最小の変速比であるOD変速比(ODレシオ)に設定されている状態を図3に示す。この状態では、ドライブプーリ3の可動シーブ3Bがドライブシャフト2に沿って閉じ方向(図3の右方)に摺動し、このときの金属ベルト6のドライブプーリ3への巻き掛け径は最大となる。
他方、ドリブンプーリ5においては、可動シーブ5Bがドリブンシャフト4に沿って開き方向(図3の左方)へと摺動するため、金属ベルト6のドリブンプーリ5への巻き掛け径は最小となる、したがって、当該ベルト式無段変速機1における変速比は、最大のOD変速比に設定され、ドライブシャフト2の回転がベルト式無段変速機1によって増速されてドリブンシャフト4へと伝達される。
[金属ベルト]
次に、本発明に係る金属ベルト6の詳細を図4~図8に基づいて以下に説明する。
図4は本発明に係る金属ベルトの部分斜視図、図5は同金属ベルトを構成するエレメント単体の斜視図、図6(a),(b)は種類の異なるエレメントとプーリ表面との関係を示す図、図7(a),(b)は本発明の参考例を示す図6と同様の図、図8は金属ベルトの部分側面図である。
本発明に係る金属ベルト6は、図4に示すように、金属プレート製の複数のエレメント10を無端状の一対の金属製フープ11によって環状に連結して構成されており、各エレメント10は、図5に示すような形状に成形されている。
ここで、図5に示すように、エレメント10のドライブプーリ3とドリブンプーリ5(以下、「プーリ3,5」と称する)に接触する面(以下、「フランク面」と称する)には、複数の山部10aと溝部10bが所定のピッチでプーリ3,5の径方向(図5の上下方向)に沿って形成されている。なお、先の図4では、山部10aと溝部10bの図示を省略している。
ところで、本実施の形態では、エレメント10においては、そのフランク面に形成される複数の溝部10bの配列ピッチpは同一であるが、図6に示すように、溝部10bの位置が異なる2種類のエレメント10A,10Bを用いる。具体的には、図6に示す2種類のエレメント10A,10Bにおいては、これらのフランク面に形成される複数の溝部10bのピッチpは同じであるが、溝部10bのプーリ3,5の径方向(図6の上下方向)の位置がエレメント10A,10Bにおいて互いに異なっている。すなわち、本実施の形態においては、2種類のエレメント10A,10Bの溝部10bのプーリ3,5の径方向の位置が半ピッチp/2ずつ互いにズレており、一方のエレメント10Aの溝部10bが他方のエレメント10Bの山部10aの中央(プーリ3,5の径方向中央)に位置するとともに、他方のエレメント10Bの溝部10bが一方のエレメント10Aの山部10aの中央に位置している。なお、一方のエレメント10A(10B)の溝部10bが他方のエレメント10B(10A)の山部10aの中央に必ずしも位置する必要はなく、少なくとも一方のエレメント10A(10B)の溝部10bが他方のエレメント10B(10A)の山部10aの領域に位置していればよい。
そして、本実施の形態に係る金属ベルト6においては、図6に示すように、各エレメント10において山部10aが外周端(図6の上端部)から開始されるとともに、その開始点の位置(上下方向の位置)が全エレメント10について同じである。
ところで、例えば、図6に示す2種類のエレメント10A,10Bは、これらの連結方向に1枚ずつ交互に配置されていてもよく、或いは図8に示すように同種の複数枚の組が連結方向に交互に配置されてもよい。すなわち、図8に示す例では、同種の4枚のエレメント10Aの組の次に別の種類の3枚のエレメント10Bの組が配置され、以後はこの配列が繰り返されている。
そして、図8に示す例では、エレメント10Bの板厚t(=1.6mm)は、他のエレメント10Aの板厚t(=1.5mm)よりも大きく、これらのエレメント10Bは、金属ベルト6のクリアランス調整用としての機能も果たしている。これらのクリアランス調整用のエレメント10Bを用いることによって、金属ベルト6のエレメント10(10A,10B)間のクリアランスを適正に保つことができる。
例えば、図6に示す2種類のエレメント10A,10Bによって構成される金属ベルト6を用いた場合、図6(a)に示すように、一方のエレメント10Aの複数の溝部10bは、プーリ3,5の接触面3a,3b,5a,5bを摩耗させる作用はなく、山部10aのみがプーリ3,5の接触面3a,3b,5a,5bを摩耗させる。このため、エレメント10Aが通過した後のプーリ3,5の接触面3a,3b,5a,5bには、図6(a)に示す突起(実際には極微小な突起3c(5c)が形成される。
ところが、プーリ3,5の接触面3a,3b,5a,5bに形成される突起3c(5c)は、次に通過するエレメント10Bの山部10aによって削り取られるため、プーリ3,5の接触面3a,3b,5a,5bは、図6(b)に示すように平坦なものとなる。
また、本実施の形態に係る金属ベルト6においては、図6に示すように、各エレメント10において山部10aが外周端(図6の上端部)から開始されるとともに、その開始点の位置が全エレメント10について同じであるため、各エレメント10の山部10aによって削られるプーリ3,5の接触面3a,3b,5a,5bに盛り上がりが発生することがなく、これらの接触面3a,3b,5a,5bがきれいな平滑面状に仕上げられる。
因みに、図7に示すように、隣接する2つのエレメント10において山部10aの開始点の位置(図7の上端からの各山部10aの開始点位置)が異なると、各山部10aによって削られるプーリ3,5の接触面3a,3b,5a,5bに部分的な盛り上がりが発生するため、これらの接触面3a,3b,5a,5bがきれいな平滑面に仕上げられないという問題が発生する。
したがって、図1に示すベルト式無段変速機1におけるLOW変速比またはOD変速比において金属ベルト6がプーリ3,5の接触面3a,3b,5a,5bの同じ位置で回転したとしても、プーリ3,5の表面は均一に摩耗して突起が発生することがない。このため、変速時に金属ベルト6がプーリ3,5の径方向に移動しても、該金属ベルト6のエレメント10A,10Bがプーリ3,5の接触面3a,3b,5a,5bの突起3c(5c)を乗り越えることがなく、変速時の異音の発生が防がれるとともに、偏摩耗によるプーリ3,5の耐久性の低下が防がれる。
そして、以上のように金属ベルト6により異音の発生とプーリ3,5の偏摩耗による耐久性の低下が防がれるため、該金属ベルト6を備えるベルト式無段変速機1の静粛性と耐久寿命が高められる。
ところで、本実施の形態に係るベルト式無段変速機1においては、前述のようにLOW変速比におけるドライブプーリ3の可動シーブ3Bの開きを規制する開きストッパ9を設けたが、図9にドリブンプーリ側に閉じストッパを設けた場合とドライブプーリ側に開きストッパを設けた場合の入力トルクとベルトスリップ率との関係を示す。
図9に示す結果から明らかなように、LOW変速比におけるドライブプーリの可動シーブの開きを規制する開きストッパを設けた方がドリブンプーリの可動シーブの閉じを規制する閉じストッパを設けた場合よりもスリップ率が大きくなるが、構造的にドリブンプーリ側に閉じストッパを設けることができない場合であっても、本実施の形態のようにドライブプーリ3側に開きストッパ9(図2参照)を設けることによって、多少のスリップ率を犠牲にしても前記効果を得ることができる。
なお、以上の実施の形態では、溝部の位置が異なる2種類のエレメントを用いたが、3種類以上のエレメントを用いても良く、各エレメントの溝部が山部とプーリの径方向において互いにオーバーラップしていれば前記効果を得ることができる。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
1 ベルト式無段変速機
3 ドライブプーリ
3A ドライブプーリの固定シーブ
3B ドライブプーリの可動シーブ
5 ドリブンプーリ
5A ドリブンプーリの固定シーブ
5B ドリブンプーリの可動シーブ
6 金属ベルト
9 ドライブプーリの開きストッパ
10 金属ベルトのエレメント
10A~10E 種類の異なるエレメント
10a エレメントの山部
10b エレメントの溝部
p 溝部の配列ピッチ
S1,S2 油室
,t エレメントの板厚
U1 電子制御ユニット(ECU)
U2 油圧制御ユニット

Claims (6)

  1. 複数のエレメントを環状に連結して構成されてベルト式無段変速機の一対のプーリの間に巻き掛けられ、前記各エレメントの前記プーリとの接触面に複数の山部と溝部を前記プーリの径方向に交互に形成して成る無端状の金属ベルトであって、
    前記各エレメントにおいて前記山部が外周端から開始されるとともに、その開始点の位置が全エレメントについて同じであり、
    前記溝部の配列ピッチが同一でかつ同溝部の位置が前記プーリの径方向に互いに異なる少なくとも2種類のエレメントを備え、
    少なくとも2種類の前記エレメントは、連結方向に1枚ずつ交互に或いは同種の複数枚の組が連結方向に交互に配置され、
    前記少なくとも2種類のエレメントのうち一方の前記溝部は、前記プーリの径方向において、前記少なくとも2種類のエレメントのうち他方の前記山部の領域内に位置する
    ことを特徴とする金属ベルト。
  2. 前記少なくとも2種類のエレメントのうち一方の前記山部が前記プーリとの前記接触面に突起を形成した場合、前記少なくとも2種類のエレメントのうち他方の前記山部は、前記突起を削り取ることができる
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属ベルト。
  3. 少なくとも2種類の前記エレメントのうちの少なくとも1種類のエレメントは、他の種類のエレメントとは板厚が異なるクリアランス調整用である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の金属ベルト。
  4. 複数のエレメントを環状に連結して構成されてベルト式無段変速機の一対のプーリの間に巻き掛けられ、前記各エレメントの前記プーリとの接触面に複数の山部と溝部を前記プーリの径方向に交互に形成して成る無端状の金属ベルトであって、
    前記各エレメントにおいて前記山部が外周端から開始されるとともに、その開始点の位置が全エレメントについて同じであり、
    前記複数のエレメントは、少なくとも1つのエレメントを含む第1エレメント群と、前記第1エレメント群と隣り合う、少なくとも1つのエレメントを含む第2エレメント群を含み、
    前記第1エレメント群の各エレメントは、前記溝部が互いに共通の所定ピッチで形成され、かつ当該溝部の前記プーリの径方向の位置が互いに共通しており、
    前記第2エレメント群の各エレメントは、前記溝部が前記共通の所定ピッチで形成され、かつ当該溝部の前記プーリの径方向の位置が互いに共通しており、
    前記第2エレメント群の各エレメントの前記溝部は、前記プーリの径方向において、前記第1エレメント群の各エレメントの前記山部の領域内に位置する
    ことを特徴とする金属ベルト。
  5. ドライブシャフトに固定された固定シーブと軸方向に移動可能な可動シーブを備えるドライブプーリと、ドリブンシャフトに固定された固定シーブと軸方向に移動可能な可動シーブを備えるドリブンプーリとの間に、請求項1~4の何れかに記載の金属ベルトを巻き掛けて構成される
    ことを特徴とするベルト式無段変速機。
  6. LOW変速比における前記ドライブプーリの可動シーブの開きを規制する開きストッパを設けた
    ことを特徴とする請求項5に記載のベルト式無段変速機。
JP2020050198A 2020-03-19 2020-03-19 金属ベルト及びこれを備えたベルト式無段変速機 Active JP7449737B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020050198A JP7449737B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 金属ベルト及びこれを備えたベルト式無段変速機
CN202110228037.XA CN113494564B (zh) 2020-03-19 2021-03-02 金属带以及包括此金属带的带式无级变速机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020050198A JP7449737B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 金属ベルト及びこれを備えたベルト式無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021148246A JP2021148246A (ja) 2021-09-27
JP7449737B2 true JP7449737B2 (ja) 2024-03-14

Family

ID=77848158

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020050198A Active JP7449737B2 (ja) 2020-03-19 2020-03-19 金属ベルト及びこれを備えたベルト式無段変速機

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7449737B2 (ja)
CN (1) CN113494564B (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000002301A (ja) 1998-06-15 2000-01-07 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機用vベルト
JP2002048194A (ja) 2000-08-03 2002-02-15 Honda Motor Co Ltd 無段変速機用ベルトの組立方法
JP2015165153A (ja) 2014-02-04 2015-09-17 本田技研工業株式会社 無段変速機のベルト

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4641319B2 (ja) * 2008-05-12 2011-03-02 ジヤトコ株式会社 無段変速機用ベルト
JP5818807B2 (ja) * 2009-12-23 2015-11-18 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh 凸面状のプーリシーブを備えたトランスミッションのための駆動ベルト
JP5678588B2 (ja) * 2010-11-04 2015-03-04 トヨタ自動車株式会社 無段変速機用ベルト
JP5730180B2 (ja) * 2011-11-29 2015-06-03 ジヤトコ株式会社 無段変速機用のベルト
JP2018003952A (ja) * 2016-07-01 2018-01-11 本田技研工業株式会社 ベルト式無段変速機

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000002301A (ja) 1998-06-15 2000-01-07 Nissan Motor Co Ltd 無段変速機用vベルト
JP2002048194A (ja) 2000-08-03 2002-02-15 Honda Motor Co Ltd 無段変速機用ベルトの組立方法
JP2015165153A (ja) 2014-02-04 2015-09-17 本田技研工業株式会社 無段変速機のベルト

Also Published As

Publication number Publication date
CN113494564B (zh) 2023-04-18
JP2021148246A (ja) 2021-09-27
CN113494564A (zh) 2021-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100527269B1 (ko) 연속 가변 변속 풀리
KR100267820B1 (ko) 무단 변속기용 벨트
JP3319995B2 (ja) 無段変速機用ベルト
US9279475B2 (en) Element for metallic belt
KR100301916B1 (ko) 무단변속기
WO2018212138A1 (ja) 無段変速機および伝動ベルト
EP0984198B1 (en) Continuously variable transmission
JP4690738B2 (ja) 金属ベルト
JP5877900B2 (ja) 金属ベルト用エレメント
JP7449737B2 (ja) 金属ベルト及びこれを備えたベルト式無段変速機
WO2018221714A1 (ja) 伝動ベルト用エレメントおよび伝動ベルト
AU2001245820A1 (en) Drive ring CVT belt
WO2001069105A1 (en) Drive ring cvt belt
JP3912150B2 (ja) 無段変速機用ベルト
JP2005321066A (ja) 動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置
JP3907261B2 (ja) Vベルト式無段変速機
JP2004190829A (ja) 動力伝達用チェーンおよび動力伝達装置
US11585415B2 (en) Continuously variable transmission
JP3675329B2 (ja) ベルト式無段変速装置
US20230184312A1 (en) Variable pitch pulley
JP4590850B2 (ja) 平行溝と多重環状溝を備えたベルト/プーリ式無段変速装置
JP6958191B2 (ja) 伝達ベルトおよび無段変速機
JP6711184B2 (ja) チェーン式無段変速伝動機構
JP2006226401A (ja) 動力伝達用チェーン及びそれを用いた動力伝達装置
JP2018204793A (ja) 伝動ベルト用エレメント、伝動ベルト、伝動ベルト用エレメントの製造方法および無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7449737

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150