JP7449713B2 - 硬化性樹脂組成物、硬化物及び電子部品 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化物及び電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、硬化物及び電子部品に関する。
電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い、半導体の実装方法もワイヤボンディングからベアチップ実装が主流になっている。そしてベアチップ実装の一種にフリップチップ型半導体装置がある。フリップチップ型半導体装置とは、半導体チップの配線パターン面にバンプといわれる電極を形成し、パッケージ用基板の電極と接合する方式を用いたものである。この場合、接続された半導体チップとパッケージ用基板の隙間にアンダーフィル材と呼ばれる封止材を注入するが、隙間が一般に30μm~100μmと狭いため、流動性の高い、低粘度の封止用組成物が必要である。
一方、このような半導体チップを実装してなる電子部品は、長期間の熱的変化に晒されることになるため、アンダーフィル材には、熱的変化に安定であること、即ちガラス転移温度が高いことが望まれる。さらに、落下等の物理的衝撃を受けても破損しない靭性、半導体チップを固定するために、半導体チップに対する優れた密着性が求められる。
これらの特性を満足するアンダーフィル材の硬化性成分としては、エポキシ系樹脂が汎用されているが、エポキシ系樹脂の硬化反応は、時間を要するため生産性に劣り、組成物の粘度も高くなるという問題があった。これに対し、アクリル系樹脂とラジカル開始剤を含む硬化性組成物は、硬化反応が速やかに進行し、保存安定性にも優れ、組成物の粘度も低いことから、エポキシ系樹脂とアクリル系樹脂の硬化系を組み合せた樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005-200444号公報
しかしながら、最近では、半導体チップの大型化や、半導体チップとパッケージ用基板の隙間の狭小化、生産性の向上が進んでおり、エポキシ系樹脂に由来する問題を伴わない、即ちアクリル系樹脂とラジカル開始剤にて諸特性を満足するアンダーフィル材が希求されている。
そこで、本発明は、低粘度で硬化性に優れ、また、硬化物として、高いガラス転移温度と優れた靭性、半導体チップとの優れた密着性を有する硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
さて、本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究するなかで、α-(アリルオキシメチル)アクリレートが、酸素による重合阻害を受けにくいことから硬化が速く、表面硬化性や薄膜硬化性に優れ、硬化時の収縮が小さく、その硬化物はテトラヒドロフラン環を形成することから、機械特性に優れる、という特性に着目した。
しかしながら、このα-(アリルオキシメチル)アクリレートの重合体(硬化物)は、靭性に優れるものの、半導体チップとの密着性も十分には得られず、電子部品用途での適用に制限があることに新たに気付いた。
そこで、本発明者らは、α-(アリルオキシメチル)アクリレートの硬化物が示す優れた特性を維持しつつ、優れた耐熱性(高ガラス転移温度化)と半導体チップとの密着性を示す硬化性樹脂組成物を提供するために、さらに鋭意研究をした。
その結果、α-(アリルオキシメチル)アクリレートと、2個以上のアリル基を有する化合物と、を含む特定の硬化性樹脂組成物によって前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の通りである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、下式1で表されるα-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物と、
2個以上のアリル基を有する化合物と、
無機フィラーと、
ラジカル開始剤と、を含むことを特徴とする、硬化性樹脂組成物である。
(式1)
Figure 0007449713000001
式中、R1は、メチル基を表し、R、R、R、R及びRは、それぞれ水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。
前記2個以上のアリル基を有する化合物は、アリルエーテル化合物であることを特徴とする硬化性樹脂組成物であってもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化して硬化物としてもよい。
前記硬化物は、電子部品に含まれてもよい。
本発明によれば、α-(アリルオキシメチル)アクリレートと2個以上のアリル基を有する化合物とを併用した硬化系にすることにより、低粘度で硬化性に優れ、また、硬化物として、高いガラス転移温度と優れた靭性、半導体チップとの優れた密着性を有する硬化性樹脂組成物提供することが可能となる。
本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる各成分及び各成分の含有量、並びに、本発明の硬化性樹脂組成物の使用方法について詳述する。
なお、本発明の硬化性樹脂組成物は、公知の方法に従って製造可能であり、例えば、各成分を混合及び分散することにより得られる。
また、本明細書において、固形分とは、硬化性樹脂組成物、又は、各原料の溶媒(特に有機溶媒)以外の組成物を構成する成分、又はその質量や体積を意味する。
本明細書において、単に化合物名を示した場合には、そのすべての異性体を含むものとする。
<<<硬化性樹脂組成物>>>
本発明の硬化性樹脂組成物は、α-(アリルオキシメチル)アクリレートと、2個以上のアリル基を有する化合物と、ラジカル開始剤と、無機フィラーと、を含む。下記に、本発明の硬化性樹脂組成物について詳述する。
<<成分>>
<α-(アリルオキシメチル)アクリレート>
本発明硬化性樹脂組成物は、下式1で表されるα-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物を含む。
(式1)
Figure 0007449713000002
式中、R1は、メチル基を表す。R、R、R、R及びRは、それぞれ水素原子又は炭素数1~6のアルキル基であり、同一であっても異なっていてもよい。R~Rがアルキル基である場合には、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
α-(アリルオキシメチル)アクリレートは、ラジカル付加重合において、アリルラジカルを生じにくく、生長ラジカルとして重合活性の高いアルキレンラジカルを生じるため酸素硬化阻害を起こしにくい。
また、α-(アリルオキシメチル)アクリレートは、重合時、テトラヒドロフラン環を形成しながら重合する。テトラヒドロフラン環は、いわゆるLewis塩基(孤立電子対の供与体)としての作用があり、テトラヒドロフラン環と被着体表面の官能基とが相互作用しやすくなるため、良好な密着性を発現すると考えられる。テトラヒドロフラン環の両隣にあるアルキレン基は、重合体鎖の柔軟性を向上させ、上記の相互作用がより効果的に生じる。さらに、その硬化物は、耐熱性、分散性、相溶性、機械物性にも優れる。
<2個以上のアリル基を有する化合物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、2個以上のアリル基を有する化合物を含む。2個以上のアリル基を有する化合物としては、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されないが、例えば、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、ジフェン酸ジアリル、2,3-ナフタレンカルボン酸ジアリル、ジフェニルジアリルシラン、2,2’-ジアリルビスフェノールA、N,N-ジアリルアクリルアミド、ジアリルアミン、ジアリルメタクリルアミド、等のジアリル化合物;
トリメリット酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルフォスフェート等のトリアリル化合物;
ピロメリット酸テトラアリル等のテトラアリル化合物;等が挙げられる。これらは単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。これらのうち、α-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物の重合により得られる靭性(例えば、破断伸び)及び密着性(接着性)を損なうことなく、ガラス転移温度を顕著に向上できることから、アリルエーテル化合物が好ましく、アリルフタル酸ジアリル、テトラフタル酸ジアリル、トリアリルシアヌレートがより好ましく、フタル酸ジアリルがさらに好ましい。
<ラジカル開始剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は、ラジカル開始剤を含む。ラジカル開始剤は、熱又は紫外線などの光照射によって、ラジカルを発生させる作用を有する化合物である。このようなラジカル開始剤としては、熱によりラジカルを発生する熱ラジカル開始剤、又は、光照射によってラジカルを発生する光ラジカル開始剤のいずれを用いることができる。
熱ラジカル開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシドなどのケトンパーオキシド;
1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-2-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;
p-メンタンヒドロパーオキシドなどのヒドロパーオキシド;
α、α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシド;
オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド;
ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ-3-メトキシブチルパーオキシカーボネートなどのパーオキシカーボネート;t-ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウリレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシアセテートなどのパーオキシエステル;
2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2’-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;等を挙げることができる。これらは単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
光ラジカル開始剤としては、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オンなどのベンゾインケタール;
1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オンなどのα-ヒドロキシケトン;2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、1,2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンなどのα-アミノケトン;
1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタジオン-2-(ベンゾイル)オキシムなどのオキシムエステル;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド;
2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体などの2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;
ベンゾフェノン、N,N,N’,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’-テトラエチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;
2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノンなどのキノン化合物;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル;
ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾイン化合物;
ベンジルジメチルケタールなどのベンジル化合物;
9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9、9’-アクリジニルヘプタン)などのアクリジン化合物;
N-フェニルグリシン;クマリン;等を挙げることができる。これは単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。また、公知の増感剤と組み合わせて用いることができる。
<無機フィラー>
本発明の硬化性樹脂組成物は、無機フィラーを含む。無機フィラーは、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されず、例えば、シリカ(無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ等)、アルミナ、酸化チタンなどの金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物;タルク、マイカなどの粘土鉱物;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどのフェロブスカイト型結晶構造を有するフィラー;窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。無機フィラーを含むことにより、硬化時の体積収縮を低減できるとともに、各種の無機フィラーが有する公知の特性を硬化物に付与することができる。
無機フィラーは、比重が小さく、硬化性樹脂組成物中に高い割合で配合可能であり、低誘電正接、低熱膨張性に優れる点から、好ましくはシリカであり、特に好ましくは球状シリカである。
無機フィラーの平均粒径は3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。なお、無機フィラーの平均粒径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。
<その他添加物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、用途に応じて、上述した必須成分以外のその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されないが、エラストマー、着色剤、消泡剤・レベリング剤、密着性付与剤、揺変剤、カップリング剤、難燃剤などが挙げられる。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤を含むことができる。
エラストマーとしては、熱硬化性及び/又は光硬化性を有さない樹脂及び/又はエラストマーが挙げられ、例えば、ポリエステル系樹脂、フェノキシ系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂又はフッ素樹脂等を挙げることができる。
着色剤としては、例えば、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
増粘剤としては、例えば、アスベスト、オルベン、ベントン等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤、フッ素系消泡剤、高分子系消泡剤等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
密着性付与剤としては、例えば、チアゾール系密着性付与剤、トリアゾール系密着性付与剤、シランカップリング剤等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
<<硬化性樹脂組成物の製造方法>>
<α-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物の製造方法>
本発明にかかるα-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物は、例えば、WO2010/114077A1に開示されている方法により製造することができる。α-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物は市販品を用いることができる。
<配合量>
硬化性樹脂組成物中、α-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物、2個以上のアリル基を有する化合物、無機フィラー、ラジカル開始剤、その他の成分の配合量は特に限定されない。
α-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物と、2個以上のアリル基を有する化合物とは、固形分換算による質量比で、例えば、9:1~1:9とすることができ、8:2~9:1が好ましく、7:3~9:1がより好ましく、5:5~9:1がさらに好ましい。α-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物と、2個以上のアリル基を有する化合物とは、固形分換算による質量比がかかる範囲にある場合には、硬化物の靭性(高破断伸びなど)と、優れた耐熱性(高ガラス転移温度)及び半導体チップとの密着性(接着性)を有するものとすることができる。
α-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物と、2個以上のアリル基を有する化合物との配合量の和としては、例えば、硬化性樹脂組成物全体に対し、固形分換算で、20~95質量%とすることができ、25~90質量%が好ましく、30~80質量%がより好ましい。
ラジカル開始剤の含有量は、例えば、硬化性樹脂組成物全体に対し、固形分換算で、0.01~10質量%とすることができる。ラジカル開始剤の含有量がかかる範囲にある場合には、重合成分の反応が十分に進行し易い。
無機フィラーの配合量は、例えば、硬化性樹脂組成物全体に対し、固形分換算で、20~95質量%とすることができ、25~90質量%が好ましく、30~80質量%がより好ましい。無機フィラーの配合量がかかる範囲にある場合には、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎず、かつ、硬化物の硬さ(高弾性率など)と、靭性(高破断伸びなど)が両立でき、半導体チップに対し密着性(接着性)を有するものとすることができる。
<<<使用方法>>>
次に、本発明の硬化性樹脂組成物の具体的な使用方法について説明する。
<<硬化物>>
硬化物は、上述した本発明の硬化性樹脂組成物を硬化することで得ることができる。
硬化性樹脂組成物を硬化させる方法は、特に限定されず、硬化性樹脂組成物の組成に応じて適宜変更することができる。例えば、対象物上に硬化性樹脂組成物を塗布(例えば、アプリケーター等による塗布)する工程を経た後、必要に応じて硬化性樹脂組成物を乾燥させる乾燥工程を実施し、加熱(例えば、イナートガスオーブン、ホットプレート、真空オーブン、真空プレス機等による加熱)により熱硬化する工程を実施することができる。なお、各工程における実施の条件(例えば、塗布膜厚、乾燥温度及び時間、加熱硬化温度及び時間等)は、硬化性樹脂組成物の組成や用途等に応じて適宜変更することができる。
<<電子部品>>
本発明の硬化性樹脂組成物は、回路に接する保護膜や接着剤として広く利用することが可能である。中でも、プリント配線板における層間絶縁材料、半導体素子のアンダーフィル材といった電子部品に用いられる。
<<<実施例及び比較例>>>
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。なお、表中の配合量は固形分成分としての質量部を示す。
硬化性樹脂組成物の原料として、以下のものを使用した。
<<原料>>
<樹脂成分>
・α-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物
α-アリルオキシメチルアクリレート(日本触媒社製 製品名:AOMA)
・2個以上のアリル基を有する化合物
フタル酸ジアリル(東京化成社製)
イソフタル酸ジアリル(東京化成社製)
テレフタル酸ジアリル(東京化成社製)
トリアリルシアヌレート(東京化成社製)
・無機フィラー
アドマファインSV-C10(アドマテックス社製)球状シリカ(平均粒径0.5μm)
DAW-03(デンカ社製)球状アルミナ(平均粒径4.0μm)
ショウビーエヌUHP-S2(昭和電工社製)鱗片状窒化ホウ素(平均粒径0.7μm)
TOYAL TecFiller TFZ-N01P(東洋アルミ社製)不定形窒化アルミニウム(平均粒径1.2μm)
・ラジカル開始剤
パーヘキサHC(日油社製)
<<硬化性樹脂組成物の調製>>
上述した各原料を、表1に示される配合量にて配合し、各実施例及び各比較例にかかる硬化性樹脂組成物を製造した。
<<評価>>
各硬化性樹脂組成物を用い、以下の手順に従って各評価を行った。
<<粘度測定>>
各実施例及び比較例の硬化性樹脂組成物の調製直後の粘度[mPa・s]を25℃、50rpmの条件にてコーンプレート型粘度計(東機産業社製TVH-33H)で測定した。結果を表1に示した。
<<弾性率測定>>
ガラス板の片面全面にガラスクロス入りのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)テープ(日東電工社製NITOFLON粘着テープNo.903UL-S/厚み0.13mm)とガラスクロス無しのPTFEテープ(日東電工社製NITOFLON粘着テープNo.903UL/厚み0.13mm)を順に重ねて貼って硬化膜作製用の基板を作製した。硬化膜作製用の基板は2枚作製し、その内1枚の基板のPTFEテープ貼付面にて、向い合う2辺の端部にガラスクロス無しのPTFEテープにて2枚重ねしたスペーサー(幅20mm)を設けた。
スペーサーを備える基板のPTFEテープ貼付面に各実施例及び比較例の硬化性樹脂組成物を適量滴下し、スペーサーの無い基板のPTFEテープ貼付面が硬化性組成物に触れるように重ねた。硬化性組成物が硬化膜作製用の基板間で濡れ広がった後に、スペーサー部をクリップで固定し、熱風循環式乾燥にて110℃1時間硬化させた。その後、硬化膜を硬化膜作製用の基板から剥がし、硬化膜を幅5mm、長さ70mmにカットし、引張試験を下記条件にて行い、試験応力が0.5MPaから1.0MPaにかけての応力-歪み曲線の傾きから弾性率を求めた。結果を表1に示した。
[測定条件]
試験機:引張試験機EZ-SX(株式会社島津製作所製)
チャック間距離:50mm
試験速度:1mm/min
伸び計算:(引張移動量/チャック間距離)×100
<<破断伸び測定>>
各実施例及び比較例の樹脂組成物について、弾性率測定の硬化膜と同様にして評価試料を作製し、引張試験を下記条件にて行い、破断伸びを測定した。結果を表1に示した。
[測定条件]
試験機:引張試験機EZ-SX(株式会社島津製作所製)
チャック間距離:50mm
試験速度:1mm/min
伸び計算:(引張移動量/チャック間距離)×100
<<ガラス転移温度>>
各実施例及び比較例の樹脂組成物について、弾性率測定の硬化膜と同様に作製した硬化膜を、幅5mm、長さ30mmにカットし、動的粘弾性試験(DMA)を下記条件にて行い、ガラス転移温度を測定した。結果を表1に示した。
[測定条件]
試験機:G2 RSA (ティー・エイ・インスツルメント社製)
測定モード:引張モード
チャック間距離:10mm
温度条件:窒素雰囲気下、30℃~250℃まで5℃/分で昇温
<<接着性>>
厚さ1.5mmの銅張積層板上に各硬化性樹脂組成物を5μL滴下した後、厚さ0.62mm、2mm角のシリコンウエハを乗せ、熱風循環式乾燥炉にて160度で1時間硬化させ、密着性評価基板を作製した。密着性評価基板をボンドテスター(Nordson DAGE社製4000Plus Bondtester)にて、レンジ10kg、テスト高さ100μm、テスト速さ100μm/sの測定条件にてシェアテストを行い、密着性を評価した。
<<架橋密度測定>>
上述のガラス転移温度の測定にて得られた動的粘弾性試験(DMA)の結果より、各実施例及び比較例の樹脂組成物について、硬化膜の架橋密度を算出した。結果を表1に示した。算出方法としては、得られた動的粘弾性試験(DMA)の貯蔵弾性率の平坦領域の値を用いて下記式により架橋密度を算出した。
n=E’/3RT
式中、nは架橋密度(mol/cm)、Rは気体定数(8.31J/k・mol)、Tは平坦領域貯蔵弾性率の絶対温度(K)、E’は平坦領域貯蔵弾性率(dyne/cm)である。
Figure 0007449713000003
なお、表中のa)は、硬化膜が脆く、サンプル取得が不可能であったため、測定ができなかったことを示す。
以上詳述した通り、各実施例及び比較例の評価結果から、本願発明の効果が理解できる。

Claims (4)

  1. 下式1で表されるα-(アリルオキシメチル)アクリレート化合物と、
    2個以上のアリル基を有する化合物と、
    無機フィラーと、
    ラジカル開始剤と、を含むことを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
    (式1)
    Figure 0007449713000004
    式中、R1は、メチル基を表し、R、R、R、R及びRは、それぞれ水素原子又は炭素数1~6のアルキル基である。
  2. 前記2個以上のアリル基を有する化合物は、アリルエーテル化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  4. 請求項3に記載の硬化物を含む、電子部品。

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