JP7446674B2 - 路面μ推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、路面μ(路面摩擦係数)を推定する装置に関する。
従来、四輪自動車などの車両の4WD(four-wheel-drive:四輪駆動)システムとして、アクティブトルクスプリット4WDシステムが広く知られている。アクティブトルクスプリット4WDシステムの一例では、通常時は、車両の走行のためのトルクが主駆動輪(たとえば、左右の前輪)に伝達される。車両の走行中にタイヤスリップが生じると、走行中の路面のμ(摩擦係数)が推定されて、その推定された路面μなどからタイヤスリップが解消されるように、電子制御カップリングによりトルクが主駆動輪と副駆動輪とに能動的に配分される。
路面μは、各車輪の車輪速(回転速度)を検出する車輪速センサの検出値などから推定される。そのため、車両では、未到着の地点の路面μを推定することはできず、進路上の地点に到着する前に、主駆動輪および副駆動輪へのトルクの配分をその到着前の地点の路面μに応じた配分に変更しておくことはできない。
タイヤスリップの発生の回避を図るための技術として、たとえば、プローブセンタが道路上を走行する各車両(プローブカー)からスリップ履歴をプローブ情報として取得し、タイヤスリップするおそれのあるスリップ地点に関する情報をプローブセンタから各車両に配信するシステムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2014-10461号公報
しかし、スリップ地点に関する情報を受信した車両では、そのスリップ地点の路面μを推定できたとしても、車両の進路上のスリップ地点以外の地点の路面μを到着前に推定することはできない。
本発明の目的は、車両の進路上の各地点の路面μを到着前に推定できる、路面μ推定装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る路面μ推定装置は、車両に搭載される路面μ推定装置であって、他車で推定された路面μに係る他車推定μ情報およびその路面μが推定された地点に係る他車推定地点情報を受信する情報受信手段と、情報受信手段が受信した他車推定地点情報から特定される他車推定地点の路面μを、情報受信手段が受信した他車推定μ情報を基に推定する第1推定手段と、車両の走行により車両から進行方向の所定範囲内に1の他車推定地点である第1他車推定地点が入ったことに応じて、車両の走行地点と当該第1他車推定地点との間の路面μを、走行地点の路面μから第1推定手段により推定される第1他車推定地点の路面μまで変化し、かつ、第1他車推定地点に近い位置ほど第1他車推定地点の路面μに近い値となるように推定する第2推定手段と、を含む。
この構成によれば、他車で推定された路面μおよびその路面μが推定された地点を基に、車両の進路上の各地点の路面μを車両がその地点に到着する前に推定することができる。
すなわち、他車では、走行中に路面μが推定される。車両に搭載される路面μ推定装置では、他車で推定された路面μに係る他車推定μ情報およびその路面μが推定された地点に係る他車推定地点情報を受信可能であり、他車推定μ情報および他車推定地点情報を受信すると、他車推定地点情報から特定される他車推定地点の路面μが他車推定μ情報を基に推定される。車両からその進行方向に最も近い他車推定地点を第1他車推定地点として、第1他車推定地点が車両から進行方向の所定範囲内に入ると、車両の走行地点の路面μと第1他車推定地点の路面μとに基づいて、車両の走行地点から第1他車推定地点までの路面μが推定される。このとき、それらの地点間の路面μは、走行地点の路面μから第1他車推定地点の路面μまで変化し、かつ、第1他車推定地点に近い位置ほど第1他車推定地点の路面μに近い値となるように推定される。
よって、車両の進路上の各地点の路面μをその地点への到着前に推定することができる。
路面μ推定装置は、車両から進行方向の所定範囲内に第1他車推定地点とは別の他車推定地点である第2他車推定地点が入ったことに応じて、第1他車推定地点と第2他車推定地点との間の路面μを、第1他車推定地点の路面μから第1推定手段により推定される第2他車推定地点の路面μまで変化し、かつ、第2他車推定地点に近い位置ほど第2他車推定地点の路面μに近い値となるように推定する第3推定手段をさらに含む構成であってもよい。
この構成によって、第1他車推定地位点から第2他車推定地点までの路面μをさらに推定することができる。
第1推定手段は、所定範囲よりも小さい小範囲内に複数の他車推定地点が含まれる場合、その複数の他車推定地点のうち、路面μが最も低い他車推定地点を第1対象地点とし、他車で路面μが最も新しく推定された他車推定地点を第2対象地点として、小範囲内に含まれる複数の他車推定地点を第1対象地点と第2対象地点との間に中心が配置される1点の他車推定地点としてみなし、第1対象地点および第2対象地点の各路面μを基に、当該他車推定地点の路面μを推定してもよい。
これにより、複数の他車推定地点が互いに近い位置に存在する場合、車両の進路上の各地点の路面μの推定の際には、その複数の他車推定地点を1点の他車推定地点として取り扱うことができる。そして、当該1点の他車推定地点の路面μは、その他車推定地点に集約したとみなされる複数の他車推定地点の路面μのうち、最も低い路面μを優先的に考慮して推定される。そのため、車両の進路上の各地点の路面μを車両のタイヤスリップの発生に対して安全に推定することができる。
本発明によれば、車両の進路上の各地点の路面μをその地点への到着前に推定することができる。
本発明の一実施形態に係る路面μ推定装置が搭載された車両を含む路面μ推定システムの構成を示す図である。 車両の構成を示す図である。 車両における路面μの推定の手法について説明するための図である。 小領域内に複数の他車推定地点が含まれる場合の処理について説明するための図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<路面μ推定システム>
図1は、本発明の一実施形態に係る路面μ推定装置が搭載された車両2を含む路面μ推定システム1の構成を示す図である。
路面μ推定システム1は、路面μ推定装置が搭載された車両2の進路上の各地点の路面μをその地点に車両2が到着する前に、路面μ推定装置により推定可能とするシステムである。
路面μ推定システム1には、路面μ推定装置が搭載された車両2以外に、少なくとも1台の車両3が含まれる。車両3は、プローブ情報を送信するプローブカーである。プローブ情報は、車両3の走行地点(位置)および車速などの情報である。車両3は、走行している路面の路面μを推定する機能を有している。路面μは、公知の手法により、車両3の各車輪の車輪速(回転速度)などから推定される。車両3から送信されるプローブ情報には、車両3で推定された路面μの情報およびその路面μが推定された地点の情報が含まれる。
なお、車両2もプローブカーであってもよいし、車両3に路面μ推定装置が搭載されていてもよい。
また、路面μ推定システム1には、路面μ情報提供サーバ4が含まれる。路面μ情報提供サーバ4は、車両2,3との通信機能を有しており、各車両3から送信されるプローブ情報を収集して蓄積する。そして、路面μ情報提供サーバ4は、蓄積したプローブ情報から、車両3で推定された路面μに係る他車推定μ情報およびその路面μが推定された地点に係る他車推定地点情報を生成し、その生成した他車推定μ情報および他車推定地点情報を車両2に向けて配信する。
<車両の構成>
図2は、車両2の構成を示す図である。
車両2は、アクティブトルクスプリット4WDシステムを採用している。車両2には、エンジン11、変速機12、フロントデファレンシャルギヤ13、トランスファ14およびリヤデファレンシャルギヤ15が含まれる。
エンジン11は、車両2の前後方向に対してクランクシャフトが横向きになるように、つまりクランクシャフトが車幅方向に延びるように、車両2の前部に横置きで搭載(マウント)されている。
変速機12は、たとえば、ラビニヨ型の遊星歯車機構を備える有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)であってもよいし、ベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)であってもよい。また、これらの自動変速機に限らず、変速機12は、手動変速機(MT:Manual Transmission)であってもよい。
フロントデファレンシャルギヤ13のデフケース16には、リングギヤ17が固定されている。リングギヤ17には、エンジン11の回転が変速機12で変速されて入力される。リングギヤ17に入力される回転により、デフケース16がリングギヤ17と一体に回転する。そして、デフケース16の回転がピニオンギヤ18を介して各サイドギヤ19の回転に変換されて、各サイドギヤと一体に左右のフロントドライブシャフト21L,21Rが回転し、フロントドライブシャフト21L,21Rの回転がそれぞれ主駆動輪である前輪22L,22Rに伝達される。
トランスファ14は、たとえば、フロントデファレンシャルギヤ13のデフケース16と一体に回転する第1伝達ギヤ23と、第1伝達ギヤ23と噛合する第2伝達ギヤ24と、第2伝達ギヤ24と一体に回転する第1かさ歯車25と、この第1かさ歯車25と噛合する第2かさ歯車26とを含む。第2かさ歯車26の中心には、車両2の前後方向に延びるプロペラシャフト27の前端が接続されている。
リヤデファレンシャルギヤ15のデフケース31には、リングギヤ32が固定されている。リングギヤ32には、かさ歯車33が噛合している。かさ歯車33には、プロペラシャフト27の動力がリヤデファレンシャルギヤ15に内蔵された電子制御カップリング34を介して伝達される。電子制御カップリング34には、トルク伝達を行う多板摩擦クラッチからなるメインクラッチと、メインクラッチのトルク容量を制御する電磁石とを備え、電磁石に供給される励磁電流値(以下、「カップリング電流値」という。)に比例してメインクラッチのトルク容量が増大する構成のものが採用されている。
プロペラシャフト27の動力が電子制御カップリング34を介してかさ歯車33に伝達されると、その動力がかさ歯車33からリングギヤ32に伝達されて、デフケース31がリングギヤ32と一体に回転する。そして、デフケース31の回転がピニオンギヤ35を介して各サイドギヤ36の回転に変換されて、各サイドギヤと一体に左右のリヤドライブシャフト37L,37Rが回転し、リヤドライブシャフト37L,37Rの回転がそれぞれ副駆動輪である後輪38L,38Rに伝達される。
車両2には、マイコン(マイクロコントローラユニット)を含む構成のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が備えられている。マイコンには、たとえば、CPU、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリおよびDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリが内蔵されている。車両2には、各部を制御するため、複数のECUが搭載されている。その複数のECUは、CAN(Controller Area Network)通信プロトコルによる双方向通信が可能に接続されている。
複数のECUには、路面μ推定装置として機能する4WDECU41が含まれる。その他、複数のECUには、たとえば、エンジン/TMECU42、ABSECU43、EPSECU44、メータECU45、ボデーECU46およびDCUECU47が含まれる。
4WDECU41は、他のECUから入力される種々の情報や指令などに基づいて、車両2の進路上の各地点の路面μを推定し、その推定した路面μなどに基づいて、前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rのタイヤスリップが発生しないように、駆動トルクの前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rへの配分を決定する。そして、4WDECU41は、その決定した配分の駆動トルクが前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rに伝達されるように、電子制御カップリング34の係合状態を制御する。
エンジン/TMECU42は、他のECUから入力される種々の情報や指令などに基づいて、エンジン11の始動、停止および出力調整の制御、ならびに変速機12の変速比の制御を実行する。
ABSECU43は、他のECUから入力される種々の情報や指令などに基づいて、車両2の制動時や旋回時に、車両2の姿勢が安定に保たれるように、前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rの各車輪に付与される制動力を制御する。
車両2には、電動モータの動力によりステアリング機構の操舵をアシストする電動パワーステアリング装置(EPS:Electric Power Steering)が搭載されている。EPSECU44は、他のECUから入力される種々の情報や指令などに基づいて、電動パワーステアリング装置の電動モータの駆動を制御する。
また、車両2のインストルメントパネルには、コンビネーションメータが配設されている。コンビネーションメータには、速度計などの計器類のほか、マルチインフォメーションディスプレイなどが組み込まれている。メータECU45は、他のECUから入力される種々の情報や指令などに基づいて、コンビネーションメータの各部の動作(表示)を制御する。
ボデーECU46は、他のECUから入力される種々の情報や指令などに基づいて、車両2の左右の各ウィンカの作動/非作動などを制御する。
DCUECU47には、DCU(Data Communication Unit)48が接続されている。DCU48は、移動体無線データ通信およびインターネットなどを利用して、路面μ情報提供サーバ4とデータ通信を行う装置である。DCUECU47は、他のECUから入力される種々の情報や指令などに基づいて、DCU48によるデータ通信を制御する。
<路面μの推定>
図3は、車両2における路面μの推定の手法について説明するための図である。
車両2では、その走行中、4WDECU41により、車両2の進路上の各地点の路面μが推定される。路面μの推定のため、4WDECU41からDCUECU47に入力される指令に従って、DCUECU47がDCU48を制御することにより、DCU48が路面μ情報提供サーバ4から配信される他車推定μ情報および他車推定地点情報を受信する。前述したように、他車推定μ情報は、車両3で推定された路面μに係る情報であり、他車推定地点情報は、その路面μが推定された地点に係る情報である。DCU48が他車推定μ情報および他車推定地点情報を受信すると、4WDECU41により、他車推定地点情報から他車推定地点が半径Aの円領域として特定される。そして、他車推定μ情報を基に、他車推定地点の路面μが推定される。たとえば、車両3で推定された路面μ(他車推定μ)の値がそのまま他車推定地点の路面μの値として推定され、その推定値には、車両3で路面μが推定された時点からの経過時間に応じた信頼度が設定される。信頼度は、車両3で路面μが推定された時点からの経過時間が長いほど低い値に設定される。
車両2からその進行方向に最も近い他車推定地点を第1他車推定地点P1として、第1他車推定地点P1の中心が車両2から進行方向の所定範囲内、つまり距離Bの範囲内に入ると、車両の走行地点Pの路面μと第1他車推定地点P1の路面μとに基づいて、車両2の走行地点Pから第1他車推定地点P1までの路面μ(自車推定μ)が推定される。このとき、それらの地点P-P1間の路面μは、走行地点Pの路面μ=μ0から第1他車推定地点P1の路面μ=μ1まで直線的に変化(一定の変化率で変化)し、かつ、第1他車推定地点P1に近い位置ほど第1他車推定地点P1の路面μ=μ1に近い値となるように推定される。
車両2が第1他車推定地点P1を抜けた後は、車両2から距離Bの範囲内に新たな他車推定地点が入るか、または、車両2の前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rのいずれかの車輪のタイヤスリップが発生するまで、第1他車推定地点P1の路面μが進路上の各地点の路面μとして推定される。
たとえば、車両2の前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rのいずれかの車輪のタイヤスリップが発生した場合、4WDECU41により、前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rの各車輪速が取得されて、各車輪速などから、車両2の走行地点Pの路面μが推定される。前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rの各車輪ごとに、車輪の回転速度に応じた検出信号(車輪の回転に同期したパルス信号)を出力する車輪速センサが設けられており、各車輪速は、その車輪速センサの検出信号から求められる。各車輪速から走行地点Pの路面μ=μ2が推定されると、車両2から距離Bの範囲内に新たな他車推定地点が入るか、または、車両2の前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rのいずれかの車輪のタイヤスリップが再び発生するまで、その走行地点Pの路面μ=μ2が進路上の各地点の路面μとして推定される。
その後、車両2から距離Bの範囲内に新たな第2他車推定地点P2が入った場合、車両の走行地点Pの路面μ=μ2と第2他車推定地点P2の路面μ=μ3とに基づいて、車両2の走行地点Pから第2他車推定地点P2までの路面μが推定される。このとき、それらの地点P-P2間の路面μは、走行地点の路面μ=μ2から第2他車推定地点P2の路面μ=μ3まで直線的に変化(一定の変化率で変化)し、かつ、第2他車推定地点P2に近い位置ほど第2他車推定地点P2の路面μ=μ3に近い値となるように推定される。
また、車両3で第2他車推定地点P2の路面μ=μ3が推定された時点からの経過時間が長いため、たとえば、第2他車推定地点P2の路面μ=μ3の信頼度が0.5に設定されている場合、第2他車推定地点P2の路面μ=μ3は、第2他車推定地点P2の路面μ=μ3と走行地点Pの路面μ=μ2との偏差に信頼度の0.5を乗じた値(μ3-μ2)×0.5を走行地点Pの路面μ=μ2に加えた値に補正される。そして、地点P-P2間の路面μは、走行地点の路面μ=μ2から補正後の第2他車推定地点P2の路面μ=μ2+(μ3-μ2)*0.5まで直線的に変化し、かつ、第2他車推定地点P2に近い位置ほど第2他車推定地点P2の路面μ=μ2+(μ3-μ2)×0.5に近い値となるように推定される。
車両2が第2他車推定地点P2に到達する前に、車両2から距離Bの範囲内に新たな第3他車推定地点P3が入った場合、第2他車推定地点P2の路面μ=μ3と第3他車推定地点P3の路面μ=μ4とに基づいて、第2他車推定地点P2から第3他車推定地点P3までの路面μが推定される。このとき、それらの地点P2-P3間の路面μは、第2他車推定地点P2の路面μ=μ3から第3他車推定地点P3の路面μ=μ4まで直線的に変化し、かつ、第3他車推定地点P3に近い位置ほど第3他車推定地点P3の路面μ=μ4に近い値となるように推定される。
また、車両2から距離Bの範囲内に新たな第4他車推定地点P4が入り、車両2が少し走行した後、第4他車推定地点P4の半径Aの円領域内に中心を有する第5他車推定地点P5が車両2から距離Bの範囲内に入った場合、車両2の走行地点Pから第4他車推定地点P4までの路面μは、走行地点の路面μ=μ4から第4他車推定地点P4の路面μ=μ5まで直線的に変化し、かつ、第4他車推定地点P4に近い位置ほど第4他車推定地点P4の路面μ=μ5に近い値となるように推定される。さらに、第4他車推定地点P4を抜けてから第5他車推定地点P5の円領域を抜けるまでの路面μは、その範囲内で路面μが走行地点の路面μ=μ4から第4他車推定地点P4の路面μ=μ5まで一定の変化率以下で直線的に変化するように推定される。
なお、車両2のイグニッションスイッチがオフにされると、その時点での車両2の走行地点Pの路面μが4WDECU41の不揮発性メモリに記憶される。そして、次にイグニッションスイッチがオンにされて、車両2が発進されたときには、その不揮発性メモリに記憶されている路面μが車両2の進路上の各地点の路面μの推定に用いられる。
<作用効果>
以上のように、他の車両3で推定された路面μおよびその路面μが推定された地点を基に、車両2の進路上の各地点の路面μを車両2がその地点に到着する前に推定することができる。
よって、4WDECU41は、車両2の進路上の各地点における駆動トルクの前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rへの駆動トルクの配分をその地点の路面μに応じた配分に決定して、車両2が進路上の各地点に到達する直前に、その到達する地点の路面μに応じた配分で駆動トルクが前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rに伝達されるように、電子制御カップリング34の係合状態を制御することができる。その結果、路面μが低い地点では、副駆動輪である後輪38L,38Rへの駆動トルクの配分を大きくして、前輪22L,22Rおよび後輪38L,38Rのタイヤスリップの発生を抑制できる。一方、路面μが高い地点では、主駆動輪である前輪22L,22Rのみに駆動トルクが伝達される2輪駆動状態として、車両2の走行燃費の向上を図ることができる。
図4は、半径Cの円領域内に複数の他車推定地点が含まれる場合の処理について説明するための図である。
他車推定地点は、半径Aの円領域として特定される。そのため、その半径Aの円領域よりも小さい円領域内に複数の他車推定地点が含まれる場合、車両2が進行方向手前側の他車推定地点を抜けてから次の他車推定地点を抜けるまでの路面μを、手前の他車推定地点の路面μから次の他車推定地点の路面μまで一定の変化率以下で変化させることができない場合が生じ得る。
そこで、図4に示されるように、半径Aよりも小さい半径Cの円領域内に複数の他車推定地点11,12,13,14が含まれる場合、それらの他車推定地点11,12,13,14は、1点の他車推定地点(以下、この点を「集約点」という。)として取り扱われてもよい。
この場合、それらの他車推定地点11,12,13,14のうち、路面μが最も低い他車推定地点が第1対象地点とされ、車両3で路面μが最も新しく推定された他車推定地点が第2対象地点とされる。そして、車両2の進路上の各地点における路面μの推定では、半径Cの円領域内に含まれる他車推定地点11,12,13,14が第1対象地点と第2対象地点との間に中心が配置される集約点として取り扱われる。
たとえば、図4に示される例では、路面μが最も低い他車推定地点が他車推定地点13,P14であるから、そのうち、路面μの信頼度が高い他車推定地点13が第1対象地点とされる。また、車両3で路面μが最も新しく推定されることにより路面μの信頼度が最も高い他車推定地点12が第2対象地点とされる。他車推定地点11,12,13,14は、第1対象地点13と第2対象地点12との間に中心が配置される1点の集約点として取り扱われる。
そして、半径Cの中心から他車推定地点12までの距離D1と他車推定地点12の路面μの信頼度とが乗算され、半径Cの中心から他車推定地点13までの距離D2と他車推定地点13の路面μの信頼度とが乗算され、それらの乗算値の加算値が他車推定地点12の路面μの信頼度と他車推定地点13の路面μの信頼度との和で除算される。この演算により得られる値は、半径Cの円領域の中心から集約点の中心までの距離とされる。
たとえば、半径Cの中心から他車推定地点12までの距離D1が1mであり、半径Cの中心から他車推定地点13までの距離D2が10mである場合、距離D1=1と他車推定地点12の路面μの信頼度「1.0」とが乗算され、距離D2=10と他車推定地点13の路面μの信頼度「0.5」とが乗算され、それらの乗算値の加算値が他車推定地点12の路面μの信頼度「1.0」と他車推定地点13の路面μの信頼度「0.5」との和で除算される。この演算により得られる値(1*1.0+10*0.5)/(1.0+0.5)=4(m)は、半径Cの円領域の中心から集約点の中心までの距離とされる。
また、他車推定地点12の路面μとその路面μの信頼度とが乗算され、他車推定地点13の路面μとその信頼度とが乗算され、それらの乗算値の加算値が他車推定地点12の路面μの信頼度と他車推定地点13の路面μの信頼度との和で除算される。この演算により得られる値は、集約点の路面μとされる。
たとえば、他車推定地点12の路面μ=0.3とその路面μの信頼度「1.0」とが乗算され、他車推定地点13の路面μ=0.2とその信頼度「0.5」とが乗算され、それらの乗算値の加算値が他車推定地点12の路面μの信頼度「1.0」と他車推定地点13の路面μの信頼度「0.5」との和で除算される。この演算により得られる値(0.3*1.0+0.2*0.5)/(1.0+0.5)=0.267は、集約点の路面μとされる。
集約点の路面μは、その集約点に集約したとみなされる複数の他車推定地点11,12,13,14の路面μのうち、最も低い路面μを優先的に考慮して推定される。そのため、車両2の進路上の各地点の路面μを車両のタイヤスリップの発生に対して安全に推定することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、車両2は、アクティブトルクスプリット4WDシステムを採用し、リヤデファレンシャルギヤ15には、電子制御カップリング34が内蔵されているとした。しかしながら、本発明は、主駆動輪と副駆動輪とに駆動トルクを配分可能な構成であれば、電子制御カップリング34を採用していない構成を搭載した車両に適用することもできる。
また、前述の実施形態では、動力の非分配時に動力が伝達される主駆動輪が前輪22L,22Rである構成を取り上げたが、本発明は、動力の非分配時に動力が伝達される主駆動輪が後輪38L,38Rである構成の車両に用いることもできる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2:車両
3:車両(他車)
41:4WDECU(路面μ推定装置、情報受信手段、第1推定手段、第2推定手段、第3推定手段)

Claims (3)

  1. 車両に搭載される路面μ推定装置であって、
    他車で推定された路面μに係る他車推定μ情報およびその路面μが推定された地点に係る他車推定地点情報を受信する情報受信手段と、
    前記情報受信手段が受信した前記他車推定地点情報から特定される他車推定地点の路面μを、前記情報受信手段が受信した前記他車推定μ情報を基に推定する第1推定手段と、
    前記車両の走行により前記車両から進行方向の所定範囲内に1の前記他車推定地点である第1他車推定地点が入ったことに応じて、前記車両の走行地点と当該第1他車推定地点との間の路面μを、前記走行地点の路面μから前記第1推定手段により推定される前記第1他車推定地点の路面μまで一定の変化率で直線的に変化し、かつ、前記第1他車推定地点に近い位置ほど前記第1他車推定地点の路面μに近い値となるように推定する第2推定手段と、を含
    前記第1推定手段は、前記所定範囲よりも小さい小範囲内に複数の前記他車推定地点が含まれる場合、その複数の前記他車推定地点のうち、路面μが最も低い前記他車推定地点を第1対象地点とし、前記他車で路面μが最も新しく推定された前記他車推定地点を第2対象地点として、前記小範囲内に含まれる複数の前記他車推定地点を前記第1対象地点と前記第2対象地点との間に中心が配置される1点の他車推定地点としてみなし、前記第1対象地点および前記第2対象地点の各路面μを基に、当該他車推定地点の路面μを推定する、路面μ推定装置。
  2. 前記車両から前記進行方向の前記所定範囲内に前記第1他車推定地点とは別の前記他車推定地点である第2他車推定地点が入ったことに応じて、前記第1他車推定地点と前記第2他車推定地点との間の路面μを、前記第1他車推定地点の路面μから前記第1推定手段により推定される前記第2他車推定地点の路面μまで一定の変化率で直線的に変化し、かつ、前記第2他車推定地点に近い位置ほど前記第2他車推定地点の路面μに近い値となるように推定する第3推定手段、をさらに含む、請求項1に記載の路面μ推定装置。
  3. 車両に搭載される路面μ推定装置であって、
    他車で推定された路面μに係る他車推定μ情報およびその路面μが推定された地点に係る他車推定地点情報を受信する情報受信手段と、
    前記情報受信手段が受信した前記他車推定地点情報から特定される他車推定地点の路面μを、前記情報受信手段が受信した前記他車推定μ情報を基に推定する第1推定手段と、
    前記車両の走行により前記車両から進行方向の所定範囲内に1の前記他車推定地点である第1他車推定地点が入ったことに応じて、前記車両の走行地点と当該第1他車推定地点との間の路面μを、前記走行地点の路面μから前記第1推定手段により推定される前記第1他車推定地点の路面μまで変化し、かつ、前記第1他車推定地点に近い位置ほど前記第1他車推定地点の路面μに近い値となるように推定する第2推定手段と、を含み、
    前記第1推定手段は、前記所定範囲よりも小さい小範囲内に複数の前記他車推定地点が含まれる場合、その複数の前記他車推定地点のうち、路面μが最も低い前記他車推定地点を第1対象地点とし、前記他車で路面μが最も新しく推定された前記他車推定地点を第2対象地点として、前記小範囲内に含まれる複数の前記他車推定地点を前記第1対象地点と前記第2対象地点との間に中心が配置される1点の他車推定地点としてみなし、前記第1対象地点および前記第2対象地点の各路面μを基に、当該他車推定地点の路面μを推定する、路面μ推定装置。
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