JP7167568B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、目標合計駆動力および目標駆動力差から左側副駆動輪に伝達する目標左側駆動力と右側副駆動輪に伝達する目標右側駆動力とを求める車両の制御装置において、前記目標合計駆動力より前記目標駆動力差が大きい場合に、車両のトラクション性能を維持させつつ車両の旋回性能を好適に向上させる技術に関する。
(a)駆動力源から左右の主駆動輪へ向かう駆動力の一部を左側副駆動輪および右側副駆動輪へそれぞれ伝達する動力伝達経路に、前記左側副駆動輪へ伝達される左側駆動力および前記右側副駆動輪へ伝達される右側駆動力をそれぞれ制御する左側制御カップリングおよび右側制御カップリングが設けられた車両に関して、(b)前記左側駆動力と前記右側駆動力とを足した合計駆動力の目標合計駆動力を算出する目標合計駆動力算出部と、(c)前記左側駆動力と前記右側駆動力との駆動力差の目標駆動力差を算出する目標駆動力差算出部と、を備え、(d)前記目標合計駆動力および前記目標駆動力差から前記左側副駆動輪に伝達する目標左側駆動力と前記右側副駆動輪に伝達する目標右側駆動力とを求める車両の制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両の制御装置がそれである。ここで、上記のような車両の制御装置では、前記目標合計駆動力より前記目標駆動力差が大きい場合に、前記目標左側駆動力または前記目標右側駆動力のうちの一方が実現不能な負のトルクとして求められる場合がある。これに対して、上記特許文献1では、前記目標合計駆動力より前記目標駆動力差が大きい場合に、前記目標合計駆動力より前記目標駆動力差を優先して前記目標左側駆動力および前記目標右側駆動力が正のトルクとなるように求められるようになっている。
国際公開第2012/005256号
ところで、上記特許文献1のような車両の制御装置では、前記目標合計駆動力より前記目標駆動力差が大きい場合に、前記目標駆動力差を優先して前記目標左側駆動力および前記目標右側駆動力が求められており、前記目標合計駆動力が考慮されず前記目標左側駆動力および前記目標右側駆動力が求められるので、前記目標合計駆動力が前記目標合計駆動力算出部で算出された目標値よりも大きくなって例えば主駆動輪に伝達される駆動力を奪って副駆動輪に駆動力を出力させること等があり、車両のトラクション性能が著しく低下する問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、目標合計駆動力より目標駆動力差が大きい場合において、車両のトラクション性能を維持させつつ車両の旋回性能を好適に向上させる車両の制御装置を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)駆動力源から左右の主駆動輪へ向かう駆動力の一部を左側副駆動輪および右側副駆動輪へそれぞれ伝達する動力伝達経路に、前記左側副駆動輪へ伝達される左側駆動力および前記右側副駆動輪へ伝達される右側駆動力をそれぞれ制御する左側制御カップリングおよび右側制御カップリングが設けられた車両に関して、前記左側駆動力と前記右側駆動力とを足した合計駆動力の目標合計駆動力を算出する目標合計駆動力算出部と、前記左側駆動力と前記右側駆動力との駆動力差の目標駆動力差を算出する目標駆動力差算出部と、前記目標合計駆動力および前記目標駆動力差から前記左側副駆動輪に伝達する目標左側駆動力と前記右側副駆動輪に伝達する目標右側駆動力とを求めるカップリング制御部と、を備える車両の制御装置であって、(b)前記カップリング制御部は、前記目標合計駆動力より前記目標駆動力差が大きい場合に、予め設定された、前記車両の左右方向における左右方向加速度と前記車両の前後方向における前後方向加速度と前記駆動力差調整ゲインとの間の3次元マップから実際の左右方向加速度および前後方向加速度に基づいて1より小さい値の駆動力差調整ゲインを算出し、前記1より小さい駆動力差調整ゲインを前記目標駆動力差に乗算することで前記目標駆動力差を前記目標合計駆動力以下に再設定し、(c)前記駆動力差調整ゲインは、前記1より小さい範囲内で前記車両の前記左右方向における左右方向加速度が車両の前後方向における前後方向加速度より大きくなるほど大きくなるように設定されていることにある。
第1発明によれば、(b)前記カップリング制御部は、前記目標合計駆動力より前記目標駆動力差が大きい場合に、予め設定された、前記車両の左右方向における左右方向加速度と前記車両の前後方向における前後方向加速度と前記駆動力差調整ゲインとの間の3次元マップから実際の左右方向加速度および前後方向加速度に基づいて1より小さい値の駆動力差調整ゲインを算出し、前記1より小さい駆動力差調整ゲインを前記目標駆動力差に乗算することで前記目標駆動力差を前記目標合計駆動力以下に再設定し、(c)前記駆動力差調整ゲインは、前記1より小さい範囲内で前記車両の前記左右方向における左右方向加速度が車両の前後方向における前後方向加速度より大きくなるほど大きくなるように設定される。このため、前記目標合計駆動力より前記目標駆動力差が大きい場合には、前記駆動力差調整ゲインを用いて前記目標駆動力差が前記目標合計駆動力以下に再設定されるので、前記目標合計駆動力および再設定された目標駆動力差から、負のトルクとならないように前記目標左側駆動力と前記目標右側駆動力とが求められる。また、前記駆動力差調整ゲインによって、前記目標合計駆動力を変えずに前記目標駆動力差が、前記左右方向加速度が前記前後方向加速度より大きくなるほど大きくなるように再設定されるので、車両のトラクション性能を維持させつつ車両の旋回性能を好適に向上させることができる。
本発明が好適に適用された四輪駆動車両の構成を概略的に説明する骨子図である。 駆動力差調整ゲインを算出するために用いられる3次元マップを示す図である。 図1の電子制御装置において、四輪駆動状態で例えば四輪駆動車両が右旋回中において算出された目標合計駆動力および目標駆動力差から目標左側駆動力と目標右側駆動力とを求めるまでの一例を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用された四輪駆動車両(車両)10の構成を概略的に説明する図である。図1において、四輪駆動車両10は、エンジン12を駆動力源とし、エンジン12の駆動力(駆動トルク)を主駆動輪に対応する左右一対の左側前輪14Lおよび右側前輪14Rに伝達する第1の動力伝達経路と、エンジン12の駆動力を副駆動輪に対応する左右一対の左側後輪(左側副駆動輪)16Lおよび右側後輪(右側副駆動輪)16Rに伝達する第2の動力伝達経路と、を備えているFFベースの四輪駆動装置を有している。この四輪駆動車両10の二輪駆動状態では、エンジン12から自動変速機18を介して伝達された駆動力が、差動装置である前輪用駆動力配分ユニット20および左右の前輪車軸22L、22Rを通して左右一対の左側前輪14Lおよび右側前輪14Rへ伝達される。この二輪駆動状態では、第1噛合式クラッチ24および第2噛合式クラッチ32のうちの少なくとも第1噛合式クラッチ24が解放され、トランスファ26、プロペラシャフト28、後輪用駆動力配分ユニット30、および、左右一対の左側後輪16Lおよび右側後輪16Rへは駆動力が伝達されない。しかし、四輪駆動状態では、上記二輪駆動状態に加えて、第1噛合式クラッチ24および第2噛合式クラッチ32が共に係合されるとともに、左側制御カップリング34Lにより後輪車軸36Lおよび左側後輪16Lへの伝達トルクが制御され、且つ、右側制御カップリング34Rにより後輪車軸36Rおよび右側後輪16Rへの伝達トルクが制御されるようになっている。すなわち、四輪駆動走行時には、エンジン12からの駆動力の一部が左右一対の左側後輪16Lおよび右側後輪16Rに伝達されるようになっており、左側制御カップリング34Lはエンジン12から左側後輪16Lに伝達する左側駆動力tout_lを制御し、右側制御カップリング34Rはエンジン12から右側後輪16Rに伝達する右側駆動力tout_rを制御する。
差動装置である前輪用駆動力配分ユニット20は、図1に示すように、第1回転軸線C1まわりに回転可能に設けられ自動変速機18の出力歯車18aに噛み合うリングギヤ20rと、リングギヤ20rが固定されたデフケース(デファレンシャルケース)20cと、デフケース20c内に収容された差動歯車機構20dと、を備えており、左右の前輪車軸22L、22Rにそれらの差回転を許容しつつエンジン12からの駆動力を伝達する。なお、デフケース20cには、トランスファ26に設けられた第1回転部材38において左側前輪14L側の端部に形成された外周噛合歯38aに噛み合う内周噛合歯20aが形成されている。
トランスファ26は、図1に示すように、前述した第1回転部材38と、プロペラシャフト28の前輪14L、14R側の端部に形成されたドリブンピニオン28aに噛み合うリングギヤ40aが形成された第2回転部材40と、それら第1回転部材38と第2回転部材40との間の動力伝達経路を選択的に連結する噛合式のドグクラッチである第1噛合式クラッチ24と、を備えており、第1噛合式クラッチ24により第1回転部材38と第2回転部材40との間が動力伝達可能に連結されることによって、エンジン12から左右の左側前輪14Lおよび右側前輪14Rへ向かう駆動力の一部、すなわちエンジン12からデフケース20cに出力される駆動力の一部が、後輪16L、16Rすなわちプロペラシャフト28へ伝達される。
第1噛合式クラッチ24は、図1に示すように、第1回転部材38の右側前輪14R側の端部に形成された第1クラッチ歯38bと、第2回転部材40の左側前輪14L側の端部に形成された第2クラッチ歯40bと、第1クラッチ歯38bと第1回転軸線C1方向の相対移動可能に常時噛み合い且つ第2クラッチ歯40bにも噛合可能な内周歯42aが形成された第1可動スリーブ42と、第1可動スリーブ42を、第2クラッチ歯40bに噛み合う第1噛合位置と第2クラッチ歯40bに噛み合わない第1非噛合位置とに第1回転軸線C1方向に移動させる第1アクチュエータ44と、を備えている。なお、第1アクチュエータ44は、電子制御装置(制御装置)100から供給される第1クラッチ駆動電流Ic1によって、第1可動スリーブ42を前記第1噛合位置と前記第1非噛合位置とに選択的に移動させる。また、第1噛合式クラッチ24では、第1可動スリーブ42が前記第1噛合位置に移動させられると第1噛合式クラッチ24が係合し、第1可動スリーブ42が前記第1非噛合位置に移動させられると第1噛合式クラッチ24が解放する。
後輪用駆動力配分ユニット30は、図1に示すように、左右の後輪車軸36L、36Rにそれらの差回転を許容しつつプロペラシャフト28に伝達された駆動力を左右一対の左側後輪16Lおよび右側後輪16Rに伝達するデファレンシャル機構46と、デファレンシャル機構46とプロペラシャフト28との間の動力伝達経路を選択的に連結する第2噛合式クラッチ32と、を備えている。
デファレンシャル機構46は、図1に示すように、左側後輪16Lに伝達する左側駆動力tout_lを制御する左側制御カップリング34Lと、右側後輪16Rに伝達する右側駆動力tout_rを調整する右側制御カップリング34Rと、左側制御カップリング34Lと右側制御カップリング34Rとの間に配設され、それら左側制御カップリング34Lと右側制御カップリング34Rとに連結された軸状の中央車軸48と、を有している。なお、左側制御カップリング34Lおよび右側制御カップリング34Rは、第1噛合式クラッチ24および第2噛合式クラッチ32がそれぞれ係合されたときにおいて、エンジン12から左右の左側前輪14Lおよび右側前輪14Rへ向かう駆動力の一部を左側後輪16Lおよび右側後輪14Rへそれぞれ伝達する動力伝達経路にそれぞれ設けられている。また、左側制御カップリング34Lおよび右側制御カップリング34Rは、例えば、図示しないが、電磁コイルおよびボールカムを含み電気的に制御可能なアクチュエータと、そのアクチュエータによってクラッチドラムCdに設けられた入力側摩擦部材(図示しない)とクラッチハブChに設けられた出力側摩擦部材(図示しない)との摩擦力すなわち締結力が調節される湿式多板クラッチと、がそれぞれ備えられた電磁カップリングである。このため、電子制御装置100から左側制御カップリング34Lに設けられた前記電磁コイルに供給される左側カップリング駆動電流Icplにより発生する磁力によって、左側制御カップリング34Lにおいて前記入力側摩擦部材と前記出力側摩擦部材との締結力が増加させられて、左側後輪16Lに伝達される左側駆動力tout_lが制御されるようになっている。また、電子制御装置100から右側制御カップリング34Rに設けられた前記電磁コイルに供給される右側カップリング駆動電流Icprにより発生する磁力によって、右側制御カップリング34Rにおいて前記入力側摩擦部材と前記出力側摩擦部材との締結力が増加させられて、右側後輪16Rに伝達される右側駆動力tout_rが制御されるようになっている。
また、後輪用駆動力配分ユニット30には、図1に示すように、第2回転軸線C2まわりに回転可能に設けられ、プロペラシャフト28に動力伝達可能に連結された第1回転部材50と、第2回転軸線C2まわりに回転可能に設けられ、中央車軸48に一体的に固定された第2回転部材52と、が備えられている。なお、第2噛合式クラッチ32は、それら第1回転部材50と第2回転部材52との間の動力伝達経路すなわちプロペラシャフト28と中央車軸48との間の動力伝達経路を選択的に連結する噛合式のドグクラッチである。つまり、第2噛合式クラッチ32は、左側制御カップリング34Lおよび右側制御カップリング34Rがそれぞれ係合されているときにおいて、プロペラシャフト28と左右一対の後輪16L、16Rとの間の動力伝達経路を選択的に連結する噛合式のドグクラッチである。なお、第1回転部材50の左側後輪16L側の端部には、プロペラシャフト28の後輪16L、16R側の端部に形成されたドライブピニオン28bに噛み合うリングギヤ50aが形成されている。
第2噛合式クラッチ32は、図1に示すように、第1回転部材50の右側後輪16R側の端部に形成された第1クラッチ歯50bと、第2回転部材52に形成された第2クラッチ歯52aと、第2クラッチ歯52aと第2回転軸線C2方向の相対移動可能に常時噛み合い且つ第1クラッチ歯50bにも噛合可能な内周歯54aが形成された第2可動スリーブ54と、第2可動スリーブ54を、第1クラッチ歯50bに噛み合う第2噛合位置と第1クラッチ歯50bに噛み合わない第2非噛合位置とに第2回転軸線C2方向に移動させる第2アクチュエータ56と、を備えている。なお、第2アクチュエータ56は、電子制御装置100から供給される第2クラッチ駆動電流Ic2によって、第2可動スリーブ54を前記第2噛合位置と前記第2非噛合位置とに選択的に移動させる。また、第2噛合式クラッチ32では、第2可動スリーブ54が前記第2噛合位置に移動すると第2噛合式クラッチ32が係合し、第2可動スリーブ54が前記第2非噛合位置に移動すると第2噛合式クラッチ32が解放する。
以上のように構成された四輪駆動車両10では、電子制御装置100で例えば二輪駆動モードが選択されると、第1噛合式クラッチ24、第2噛合式クラッチ32、左側制御カップリング34L、および右側制御カップリング34Rがそれぞれ解放させられ、エンジン12から前輪用駆動力配分ユニット20を介して左右一対の右側前輪14Lおよび左側前輪14Rへ駆動力を伝達する二輪駆動状態が形成される。また、四輪駆動車両10では、電子制御装置100で例えば四輪駆動モードが選択されると、第1噛合式クラッチ24、第2噛合式クラッチ32、左側制御カップリング34L、および右側制御カップリング34Rがそれぞれ係合させられ、エンジン12から前輪用駆動力配分ユニット20を介して左右一対の左側前輪14Lおよび右側前輪14Rへ駆動力を伝達し且つエンジン12からプロペラシャフト28等を介して左右一対の左側後輪16Lおよび右側後輪16Rへも駆動力を伝達する四輪駆動状態が形成される。
また、四輪駆動車両10は、四輪駆動状態において、中央車軸48の回転速度が左側前輪14Lと右側前輪14Rとの平均回転速度よりも速くなるように、すなわち後輪16L、16R側に設けられたリングギヤ50aの回転速度が前輪14L、14R側に設けられたリングギヤ40aの回転速度よりも速くなるように、プロペラシャフト28に設けられたドリブンピニオン28aとリングギヤ40aとのギヤ比と、プロペラシャフト28に設けられたドライブピニオン28bとリングギヤ50aとのギヤ比と、に差が設けられている。
図1に示すように、電子制御装置100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより四輪駆動車両10の各種制御を実行する。電子制御装置100は、四輪駆動車両10に設けられた各センサにより検出された各種入力信号が供給されるようになっている。例えば、第1ポジションセンサ60により検出される第1噛合式クラッチ24が係合状態であるか否かを表すON、OFF信号、すなわち第1可動スリーブ42が前記第1噛合位置にいるか否かを表すON、OFF信号と、第2ポジションセンサ62により検出される第2噛合式クラッチ32が係合状態であるか否かを表すON、OFF信号、すなわち第2可動スリーブ54が前記第2噛合位置にいるか否かを表すON、OFF信号と、車輪速センサ64により検出される車輪速度W(rpm)すなわち左側前輪14L、右側前輪14R、左側後輪16L、右側後輪16Rの車輪速度Wfl、Wfr、Wrl、Wrr(rpm)を表す信号と、車速センサ66により検出される車速V(km/h)を表す信号と、アクセル開度センサ68により検出されるアクセル開度θacc(%)を表す信号と、ステアリングセンサ70により検出される操舵角Φ(°)を表す信号と、路面勾配センサ72により検出される路面の勾配θr(°)を表す信号と、前後加速度センサ74により検出される四輪駆動車両10の前後方向における加速度すなわち前後方向加速度Gx(m/s)を表す信号と、左右加速度センサ76により検出される四輪駆動車両10の車幅方向すなわち左右方向における加速度すなわち左右方向加速度Gy(m/s)を表す信号と、が電子制御装置100に入力される。
また、電子制御装置100から、四輪駆動車両10に設けられた各装置に各種出力信号が供給されるようになっている。例えば、エンジン12から左側後輪16Lに伝達する左側駆動力tout_lを制御するために、すなわち前記入力側摩擦部材と前記出力側摩擦部材との締結力を制御するために、左側制御カップリング34Lに設けられたアクチュエータの電磁コイルに供給される左側カップリング駆動電流Icplと、エンジン12から右側後輪16Rに伝達する右側駆動力tout_rを制御するために、すなわち前記入力側摩擦部材と前記出力側摩擦部材との締結力を制御するために、右側制御カップリング34Rに設けられたアクチュエータの電磁コイルに供給される右側カップリング駆動電流Icpr等と、が電子制御装置100から各部へ供給される。
図1に示すように、電子制御装置100には、例えば、4WD判定部80と、カップリング制御部82と、が備えられている。
4WD判定部80は、エンジン12からの駆動力を左右一対の左側前輪14Lおよび右側前輪14Rと左右一対の左側後輪16Lおよび右側後輪16Rとに伝達する四輪駆動状態であるか否かを判定する。例えば、4WD判定部80は、第1ポジションセンサ60によって第1可動スリーブ42が前記第1噛合位置にあると検出され、且つ第2ポジションセンサ62により第2可動スリーブ54が前記第2噛合位置にあると検出されると、四輪駆動状態であると判定する。
カップリング制御部82は、4WD判定部80で四輪駆動状態であると判定されると、左右一対の左側制御カップリング34Lおよび右側制御カップリング34Rにそれぞれ設けられた前記入力側摩擦部材と前記出力側摩擦部材との締結力を制御、すなわち左側制御カップリング34Lにおいて左側後輪16Lに伝達する左側駆動力tout_lを制御し、右側制御カップリング34Rにおいて右側後輪16Rに伝達する右側駆動力tout_rを制御する。
カップリング制御部82には、目標合計駆動力算出部82aと、目標駆動力差算出部82bと、再設定判定部82cと、が備えられている。目標合計駆動力算出部82aは、4WD判定部80で四輪駆動状態であると判定されると、四輪駆動車両10の発進性能や加速性能を向上すなわちトラクション性能を向上させるために、左側駆動力tout_lと右側駆動力tout_rとを足した合計駆動力T_Sumの目標値である目標合計駆動力T_Sum_tgを算出する。
例えば、目標合計駆動力算出部82aは、左側前輪14Lおよび右側前輪14Rのスリップ量S、アクセル開度θacc、自動変速機18のギヤ段等をそれぞれ含む予め設定された関係式から、車両走行中の実際のスリップ量S、アクセル開度θacc、自動変速機18のギヤ段等を用いて目標合計駆動力T_Sum_tgを算出する。なお、前記関係式では、例えば、スリップ量Sまたはアクセル開度θaccが大きいほど、目標合計駆動力T_Sum_tgが大きくなるように設定されている。また、スリップ量Sは、たとえば、左側前輪14Lと右側後輪14Rとの平均回転速度((Wfl+Wfr)/2)すなわち前輪平均回転速度Vavf(rpm)と、左側後輪16Lと右側後輪16Rとの平均回転速度((Wrl+Wrr)/2)すなわち後輪平均回転速度Vavr(rpm)と、の差(Vavf-Vavr)である。
目標駆動力差算出部82bは、4WD判定部80で四輪駆動状態であると判定されると、四輪駆動車両10の旋回性能を向上させるために、左側駆動力tout_lと右側駆動力tout_rとの差すなわち駆動力差T_Difの目標値である目標駆動力差T_Dif_tgを算出する。
例えば、目標駆動力差算出部82bは、定常制御分駆動力差cΔT_Difと過渡制御分駆動力差dΔT_Difとを足すことによって、目標駆動力差T_Dif_tg(cΔT_Dif+dΔT_Dif)を算出する。なお、定常制御分駆動力差cΔT_Difは、四輪駆動車両10のアンダーステア状態、すなわち目標旋回挙動に対して実際の旋回挙動が不足する状態を解消させるために必要な駆動力差T_Difであり、定常制御分駆動力差cΔT_Difは、例えば、前後加速度センサ74から検出される前後方向加速度Gxと、左右加速度センサ76から検出される左右方向加速度Gyとから予め定められたマップによって算出する。なお、前記マップに用いられる前後方向加速度Gxは、前後加速度センサ74から検出される前後方向加速度Gxだけではなく、例えばエンジントルクTeと自動変速機18のギヤ比等とから推定される前後方向加速度Gxが用いられても良い。また、前記マップに用いられる左右方向加速度Gyは、左右加速度センサ76から検出される左右方向加速度Gyだけではなく、例えば操舵角Φと車速V等とから推定される左右方向加速度Gyが用いられても良い。また、過渡制御分駆動力差dΔT_Difは、例えば、運転者がハンドルを操作する操舵角Φの変化速度により過度的に要求している旋回要求を満たすために必要な駆動力差T_Difであり、操舵角Φと車速Vとから求められる目標ヨーレートから予め定められたマップによって算出する。なお、前記マップでは、例えば、前記目標ヨーレートが大きいほど、過渡制御分駆動力差dΔT_Difが大きくなるように設定されている。
再設定判定部82cは、目標合計駆動力算出部82aで目標合計駆動力T_Sum_tgが算出され、且つ、目標駆動力差算出部82bで目標駆動力差T_Dif_tgが算出されると、目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgを再設定する必要があるか否かを判定する。例えば、再設定判定部82cは、目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgが目標合計駆動力算出部82aで算出された目標合計駆動力T_Sum_tgよりも大きい(T_Dif_tg>T_Sum_tg)と、目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgを再設定する必要があると判定する。また、例えば、再設定判定部82cは、目標駆動力差T_Dif_tgが目標合計駆動力T_Sum_tg以下(T_Dif_tg≦T_Sum_tg)であると、目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgを再設定する必要がないと判定する。
カップリング制御部82は、再設定判定部82cで目標駆動力差T_Dif_tgを再設定する必要がないと判定すると、目標合計駆動力算出部82aで算出された目標合計駆動力T_Sum_tgおよび目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgから、左側後輪16Lに伝達する目標左側駆動力tout_l_tgと右側後輪16Rに伝達する目標右側駆動力tout_r_tgとを求める。
例えば、カップリング制御部82は、ステアリングセンサ70から検出される操舵角Φから四輪駆動車両10が左旋回中であると判定されると、目標合計駆動力算出部82aで算出された目標合計駆動力T_Sum_tgおよび目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgから、式(1)および式(2)を用いて目標左側駆動力tout_l_tgと目標右側駆動力tout_r_tgとを求める。
tout_l_tg=(T_Sum_tg-T_Dif_tg)/2 ・・・(1)
tout_r_tg=(T_Sum_tg+T_Dif_tg)/2 ・・・(2)
また、例えば、カップリング制御部82は、ステアリングセンサ70から検出される操舵角Φから四輪駆動車両10が右旋回中であると判定されると、目標合計駆動力算出部82aで算出された目標合計駆動力T_Sum_tgおよび目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgから、式(3)および式(4)を用いて目標左側駆動力tout_l_tgと目標右側駆動力tout_r_tgとを求める。
tout_l_tg=(T_Sum_tg+T_Dif_tg)/2 ・・・(3)
tout_r_tg=(T_Sum_tg-T_Dif_tg)/2 ・・・(4)
カップリング制御部82は、再設定判定部82cで目標駆動力差T_Dif_tgを再設定する必要があると判定すると、駆動力差調整ゲインKtを算出して、その算出された駆動力差調整ゲインKtを用いて、目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgが目標合計駆動力T_Sum_tg以下になるように再設定する。
例えば、カップリング制御部82は、図2に示す3次元マップに形成されたゲイン算出平面F1を用いて、前後加速度センサ74から検出される前後方向加速度Gxと左右加速度センサ76から検出される左右方向加速度Gyとから算出する。なお、駆動力差調整ゲインKtは、目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgが目標合計駆動力算出部82aで算出された目標合計駆動力T_Sum_tgよりも大きい場合には目標合計駆動力T_Sum_tg以下(T_Dif_tg>T_Sum_tg)になるように、予め実験等により設定された1より小さい値であり、駆動力差調整ゲインKtは、図2に示す3次元マップに示すように、左右方向加速度Gyが前後方向加速度Gxより大きくなるほど大きくなるように設定されている。また、図2の3次元マップに示された領域Sは、前後方向加速度Gxと左右方向加速度Gyとを示すxy平面F2において左右方向加速度Gyが前後方向加速度Gxより大きく(Gy>Gx)なっている箇所を示す領域であり、前述したゲイン算出平面F1は領域S上に配置されている。また、図2の3次元マップに示された一点鎖線Lは、xy平面F2において左右方向加速度Gyと前後方向加速度Gxとが同じ(Gy=Gx)である箇所を示す線である。
また、例えば、カップリング制御部82は、駆動力差調整ゲインKtを用いてすなわち式(5)を用いて、目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgを再設定する。但し、式(5)に示された「T_Dif_tg_r」は、再設定した後の目標駆動力差である。
T_Dif_tg_r=Kt×T_Dif_tg ・・・(5)
カップリング制御部82は、駆動力差調整ゲインKtを用いて目標駆動力差算出部82bで算出された目標駆動力差T_Dif_tgが再設定されると、その再設定された目標駆動力差T_Dif_tg_rおよび目標合計駆動力算出部82aで算出された目標合計駆動力T_Sum_tgから、目標左側駆動力tout_l_tgと目標右側駆動力tout_r_tgとを求める。
例えば、カップリング制御部82は、ステアリングセンサ70から検出される操舵角Φから四輪駆動車両10が左旋回中であると判定されると、再設定された目標駆動力差T_Dif_tg_rおよび目標合計駆動力算出部82aで算出された目標合計駆動力T_Sum_tgから、式(6)および式(7)を用いて目標左側駆動力tout_l_tgと目標右側駆動力tout_r_tgとを求める。
tout_l_tg=(T_Sum_tg-T_Dif_tg_r)/2 ・・・(6)
tout_r_tg=(T_Sum_tg+T_Dif_tg_r)/2 ・・・(7)
また、例えば、カップリング制御部82は、ステアリングセンサ70から検出される操舵角Φから四輪駆動車両10が右旋回中であると判定されると、再設定された目標駆動力差T_Dif_tg_rおよび目標合計駆動力算出部82aで算出された目標合計駆動力T_Sum_tgから、式(8)および式(9)を用いて目標左側駆動力tout_l_tgと目標右側駆動力tout_r_tgとを求める。
tout_l_tg=(T_Sum_tg+T_Dif_tg_r)/2 ・・・(8)
tout_r_tg=(T_Sum_tg-T_Dif_tg_r)/2 ・・・(9)
カップリング制御部82は、目標左側駆動力tout_l_tgおよび目標右側駆動力tout_r_tgが求められると、左側駆動力tout_lが目標左側駆動力tout_l_tgとなるように左側制御カップリング34Lの電磁コイルに供給する左側カップリング駆動電流Icplを制御し、右側駆動力tout_rが目標右側駆動力tout_r_tgとなるように右側制御カップリング34Rの電磁コイルに供給する右側カップリング駆動電流Icprを制御する。
図3は、電子制御装置100において、四輪駆動状態で例えば四輪駆動車両10が右旋回中において算出された目標合計駆動力T_Sum_tgおよび目標駆動力差T_Dif_tgから目標左側駆動力tout_l_tgと目標右側駆動力tout_r_tgとを求めるまでの一例を説明するフローチャートである。
先ず、目標合計駆動力算出部82aの機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、目標合計駆動力T_Sum_tgが算出される。次に、目標駆動力差算出部82bの機能に対応するS2において、目標駆動力差T_Dif_tgが算出される。次に、再設定判定部82cの機能に対応するS3において、S2で算出された目標駆動力差T_Dif_tgを再設定するか否かが判定される。S3の判定が肯定される場合すなわち目標合計駆動力T_Sum_tgが目標駆動力差T_Dif_tg以上(T_Sum_tg≧T_Dif_tg)である場合には、カップリング制御部82の機能に対応するS4が実行されるが、S3の判定が否定される場合すなわち目標合計駆動力T_Sum_tgより目標駆動力差T_Dif_tgが大きい場合(T_Dif_tg>T_Sum_tg)には、カップリング制御部82の機能に対応するS5が実行される。
S4では、S1で算出された目標合計駆動力T_Sum_tgおよびS2で算出された目標駆動力差T_Dif_tgから、目標左側駆動力tout_l_tgと目標右側駆動力tout_r_tgとが求められる。S5では、駆動力差調整ゲインKtが算出される。次に、カップリング制御部82の機能に対応するS6において、S5で算出された駆動力差調整ゲインKtを用いて、S2で算出された目標駆動力差T_Dif_tgが目標合計駆動力T_Sum_tg以下になるように再設定される。次に、カップリング制御部82の機能に対応するS7において、S1で算出された目標合計駆動力T_Sum_tgおよびS6で再設定された目標駆動力差T_Dif_tg_rから、目標左側駆動力tout_l_tgと目標右側駆動力tout_r_tgとが求められる。
本実施例では、図3のフローチャートに示すように、S3で目標合計駆動力T_Sum_tgより目標駆動力差T_Dif_tgが大きい場合には、S6で駆動力差調整ゲインKtを用いて目標駆動力差T_Dif_tgが目標合計駆動力T_Sum_tg以下になるように再設定されるので、S7において、S1で算出された目標合計駆動力T_Sum_tgおよびS6で再設定された目標駆動力差T_Dif_tg_rから、負のトルクとならないように目標左側駆動力tout_l_tgと目標右側駆動力tout_r_tgとが求められる。また、本実施例では、駆動力差調整ゲインKtによって、図2の3次元マップに示すように、目標合計駆動力T_Sum_tgを変えずに目標駆動力差T_Dif_tgが、左右方向加速度Gyが前後方向加速度Gxより大きくなるほど大きくなるように再設定されるので、四輪駆動車両10のトラクション性能を維持させつつ四輪駆動車両10の旋回性能を好適に向上させることができる。なお、従来では、目標合計駆動力T_Sum_tgより目標駆動力差T_Dif_tgが大きい場合に、目標駆動力差T_Dif_tgを優先して目標左側駆動力tout_l_tgおよび目標右側駆動力tout_r_tgが求められるので、目標合計駆動力T_Sum_tgが目標合計駆動力算出部82aで算出された目標値より大きくなって例えば主駆動輪すなわち左側前輪14Lおよび右側前輪14Rに伝達される駆動力を奪って副駆動輪すなわち左側後輪16Lおよび右側後輪16Rに駆動力を出力させていた。このため、従来では、車両のトラクション性能が著しく低下するが、例えば、前記主駆動輪から駆動力が奪われ負トルクになる場合には、車両の旋回性能も低下、例えば左旋回中において右側前輪14Rが負トルクになるとアンチアシストになり車両の旋回性能が低下することがある。本実施例では、従来に比較して、四輪駆動車両10のトラクション性能および旋回性能を好適に向上させることができる。
上述のように、本実施例の四輪駆動車両10の電子制御装置100によれば、カップリング制御部82は、目標合計駆動力T_Sum_tgより目標駆動力差T_Dif_tgが大きい場合に、目標駆動力差T_Dif_tgが目標合計駆動力T_Sum_tg以下になるように調整する駆動力差調整ゲインKtを用いて目標駆動力差T_Dif_tgを再設定し、駆動力差調整ゲインKtは、四輪駆動車両10の左右方向における左右方向加速度Gyが四輪駆動車両10の前後方向における前後方向加速度Gxより大きくなるほど大きくなるように設定される。このため、目標合計駆動力T_Sum_tgより目標駆動力差T_Dif_tgが大きい場合には、駆動力差調整ゲインKtを用いて目標駆動力差T_Dif_tgが目標合計駆動力T_Sum_tg以下に再設定されるので、目標合計駆動力T_Sum_tgおよび再設定された目標駆動力差T_Dif_tg_rから、負のトルクとならないように目標左側駆動力tout_l_tgと目標右側駆動力tout_r_tgとが求められる。また、駆動力差調整ゲインKtによって、目標合計駆動力T_Sum_tgを変えずに目標駆動力差T_Dif_tgが、左右方向加速度Gyが前後方向加速度Gxより大きくなるほど大きくなるように再設定されるので、四輪駆動車両10のトラクション性能を維持させつつ四輪駆動車両10の旋回性能を好適に向上させることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例において、駆動力差調整ゲインKtは、例えば図2の3次元マップから算出されたが、例えば前後方向加速度Gxと左右方向加速度Gyとを含む予め定められたゲイン算出式から算出されても良い。また、前述の実施例において、図2の三次元マップに用いられる前後方向加速度Gxは、前後加速度センサ74から検出される前後方向加速度Gxであったが、例えばエンジントルクTeと自動変速機18のギヤ比等とから推定される前後方向加速度Gxが用いられても良い。また、前述の実施例において、図2の三次元マップに用いられる左右方向加速度Gyは、左右加速度センサ76から検出される左右方向加速度Gyであったが、例えば操舵角Φと車速V等とから推定される左右方向加速度Gyが用いられても良い。
また、前述の実施例において、四輪駆動車両10には、第1噛合式クラッチ24と第2噛合式クラッチ32とが備えられていたが、必ずしも、第1噛合式クラッチ24と第2噛合式クラッチ32とを備える必要はない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:四輪駆動車両(車両)
12:エンジン(駆動力源)
14L:左側前輪(主駆動輪)
14R:右側前輪(主駆動輪)
16L:左側後輪(左側副駆動輪)
16R:右側後輪(右側副駆動輪)
34L:左側制御カップリング
34R:右側制御カップリング
82:カップリング制御部
82a:目標合計駆動力算出部
82b:目標駆動力差算出部
82c:再設定判定部
100:電子制御装置(制御装置)
Gx:前後方向加速度
Gy:左右方向加速度
Kt:駆動力差調整ゲイン
T_Dif:駆動力差
T_Dif_tg:目標駆動力差
tout_l:左側駆動力
tout_l_tg:目標左側駆動力
tout_r:右側駆動力
tout_r_tg:目標右側駆動力
T_Sum:合計駆動力
T_Sum_tg:目標合計駆動力

Claims (1)

  1. 駆動力源から左右の主駆動輪へ向かう駆動力の一部を左側副駆動輪および右側副駆動輪へそれぞれ伝達する動力伝達経路に、前記左側副駆動輪へ伝達される左側駆動力および前記右側副駆動輪へ伝達される右側駆動力をそれぞれ制御する左側制御カップリングおよび右側制御カップリングが設けられた車両に関して、前記左側駆動力と前記右側駆動力とを足した合計駆動力の目標合計駆動力を算出する目標合計駆動力算出部と、前記左側駆動力と前記右側駆動力との駆動力差の目標駆動力差を算出する目標駆動力差算出部と、前記目標合計駆動力および前記目標駆動力差から前記左側副駆動輪に伝達する目標左側駆動力と前記右側副駆動輪に伝達する目標右側駆動力とを求めるカップリング制御部と、備える車両の制御装置であって、
    前記カップリング制御部は、前記目標合計駆動力より前記目標駆動力差が大きい場合に、前記車両の左右方向における左右方向加速度と前記車両の前後方向における前後方向加速度と前記駆動力差調整ゲインとの間の3次元マップから実際の左右方向加速度および前後方向加速度に基づいて1より小さい値の駆動力差調整ゲインを算出し、前記1より小さい駆動力差調整ゲインを前記目標駆動力差に乗算することで前記目標駆動力差を前記目標合計駆動力以下に再設定し、
    前記駆動力差調整ゲインは、前記1より小さい範囲内で前記車両の前記左右方向加速度が前記前後方向加速度より大きくなるほど大きくなるように設定されている
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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