JP7446591B2 - 3-アリールオキシ-3-5員ヘテロアリール-プロピルアミン化合物の調製方法および結晶形 - Google Patents

3-アリールオキシ-3-5員ヘテロアリール-プロピルアミン化合物の調製方法および結晶形 Download PDF

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Description

本発明は、医薬品化学および薬物療法学の分野に関し、具体的には、3-アリールオキシ-3-5員ヘテロアリール-プロピルアミン化合物の調製方法および結晶形に関する。
疼痛は、5番目のバイタルサインとして知られており、体組織への損傷の警告サインである。疼痛は、患者が治療を求める最も一般的な理由の一つであり、持続時間に応じて急性疼痛(突然に発症し、持続時間が短く、持続的な状態にすることができる)および慢性疼痛(発症が遅いか、または急性疼痛から変化し、持続時間が長く、断続的に発症することができ、多くの慢性疼痛は、明らかな損傷を検出できない)。急性疼痛は、術後疼痛、外傷、火傷後疼痛、出産時の疼痛、アンギナ、胆石発作、腎疝痛等の内蔵痛、骨折痛、歯痛、癌性疼痛等を含む、主に組織の外傷によって引き起こされる侵害受容性疼痛である。手術および外傷後疼痛は、最も一般的な臨床的急性疼痛であり、最も緊急に必要な治療法である。慢性疼痛は、主に神経障害性疼痛、痛みを伴う変形性関節症、慢性的な腰痛および血管性疼痛等を含む。三叉神経痛、糖尿病性疼痛、坐骨神経痛または帯状疱疹後神経痛は、神経障害性疼痛の主なタイプである。神経障害性疼痛の世界的な有病率は、約10%であり、発生率が高く、患者の人数が多い。米国では、10%~30%の人が慢性疼痛に苦しんでおり、その結果、年間社会的支出は、約6350億米ドルに上がり、癌および心臓病の合計を上回る。慢性疼痛には複雑な病因があり、難治性の病気であり、薬物治療によって効果的な鎮痛を達成できるのは50%未満のみである。2026年の中国における神経痛薬の総市場規模は、260億元に近く、イオンチャネル神経痛薬の市場規模は、200億元を超えると推定される。
従来の鎮痛薬は、主にオピオイドおよび非ステロイド性抗炎症薬を含む。オピオイドは、強力な鎮痛効果を有するが、長期間使用すると耐性、依存症および和耽溺性になりやすく、呼吸阻害、中枢性鎮静等の副作用がある。非ステロイド性抗炎症薬は、中程度の鎮痛効果を発揮するだけでなく、胃腸出血および心毒性等の反応もある。最近、米国国家安全保障会議は、予防可能な死亡に関連する報告を発表し、米国の歴史上はじめて、オピオイドの過剰摂取による死亡が自動車事故による死亡の割合を上回ったことを示す。委員会は、2017年の事故死データの分析によると、アメリカ人の96人に一人がオピオイドの過剰摂取で死亡し、自動車事故で死亡者数は、アメリカ人の103人に一人である。オピオイドの乱用は、今日米国を席巻する深刻な社会的危機を引き起こしているため、市場は新しいメカニズムの鎮痛剤を必要としている。
TRPA1は、TRPイオンチャネルスーパーファミリーのメンバーであり、TRPAサブファミリーの唯一のメンバーであり、非選択的陽イオンチャネルであり、Na、K、Ca2+およびMg2+に浸透することができる、TRPA1は、主に後根神経(DRG)、三叉神経(TG)および迷走神経(VG)の一次感覚ニューロンに分布している。分布された人体系から、TRPA1は、末梢神経系、呼吸器系、胃腸系および泌尿系デ高度に発現しており、これらの臓器や組織が異常な機能を有する場合、TRPA1チャネルの発現および機能は、通常同時に異常である。TRPA1は、冷刺激、化学的刺激、機械的刺激を内向き電流に変換し、一連の生理学的機能を引き起こし、様々な痛覚の形成に関与することができる。炎症性疼痛は、特定の慢性疾患に共通の問題であり、臨床的にはまだ効果的な治療法が不足している。動物実験では、TRPA1が炎症反応に関与し、炎症性疼痛に収容な役割を果たしていることが示されており、TRPA1特異的遮断剤を使用することにより、ラットの炎症性疼痛反応を大幅に軽減できる。現在の研究から、TRPA1は、喘息および咳の発生に重要な役割を果たし、喘息および咳を誘発する化合物は、細胞の内因性因子であろうと外因性因子であろうと、TRPA1を活性化することができる。TRPA1の拮抗剤は、喘息の症状を軽減し、気道過敏症をブロックすることができる。大腸炎、直腸拡張またはストレス等の内蔵過敏症の様々な動物モデルを通じて、TRPA1が内蔵過敏症の調節に関与し、内蔵痛に重要な役割を果たしていることが確認される。神経性疼痛は、中枢神経系または末梢神経系の損傷または疾患によって引き起こされる疼痛症候群であり、主に痛覚過敏、異痛症および自発痛等として現れる。近年、ますます多くの研究は、TRPA1チャネルが糖尿病性ニューロパシーおよび化学療法薬によって引き起こされるニューロパシー等の異なる神経性疼痛において重要な役割を果たすことを示す。最近の研究では、TRPA1は、歯痛、片頭痛等の疼痛にも媒介効果があり、TRPA1の拮抗剤の投与により、疼痛の症状を大幅に緩和することができることを示す。
TRPA1が人体系に広く分布および発現し、以上のTRPA1が関与する生理学的機能に加えて、現在、報告されたTRPA1阻害剤の適応症の開発は、炎症性腸疾患、慢性閉塞性肺疾患、鎮咳、鎮痒、過敏性鼻炎、耳の疾患、抗糖尿病、尿失禁等にも関与される。TRPA1は、多くの疾患の治療のための証明された新しい標的である。
従って、疼痛治療に対する現在の満たされていない臨床的ニーズおよび既存の治療薬に存在する多くの問題を考慮すると、疾患の治療効果を改善するために、当技術分野において、TRP標的(特にTRPA1標的)のための治療薬を開発することが緊急に必要とされる。
本発明の目的は、TRPチャネルを標的(特にTRPA1標的)とする構造が新しい化合物、ならびにその調製方法、結晶形および用途を提供することである。
本発明の第1の態様は、式Iの化合物の調製方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(1)第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬の存在下で、式aの化合物と式bの化合物とを反応させて、式Iの化合物を得、
ここで、
環Aは、置換または非置換の4~12員炭素環、置換または非置換の4~12員複素環、置換または非置換の5~12員ヘテロ芳香環、置換または非置換のC~C12芳香環であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
XおよびYは、それぞれ独立して、炭素原子、酸素原子、硫黄原子または窒素原子であり、
は、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
は、ハロゲンであり、
、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基,置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
Wは、OまたはSであり、
nは、1、2または3であり、
ここで、前記任意の「置換」とは、基上の1~4個(好ましくは1、2、3または4個)の水素原子が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、=O、C~Cカルボキシル基、C~Cエステル基、C~Cアミド基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、ベンジル基、C~C12アリール基、5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される置換基によって置換されることを指し、
ここで、前記複素環、ヘテロ芳香環およびヘテロアリール基は、それぞれ独立して、N、OおよびSから選択される1~3個(好ましくは1、2または3個)のヘテロ原子を有する。
別の好ましい例において、環Aは、置換または非置換の5~10員炭素環、置換または非置換の5~10員複素環、置換または非置換の5~12員ヘテロ芳香環、置換または非置換のC~C12芳香環である。
別の好ましい例において、環Aは、置換または非置換の5~10員炭素環、置換または非置換の5~10員複素環、置換または非置換の5~12員ヘテロ芳香環である。
別の好ましい例において、環Aは、ベンゼン環ではない。
別の好ましい例において、環Aは、置換または非置換の5~7員炭素環、置換または非置換の5~7員複素環、置換または非置換の5~7員ヘテロ芳香環である。
別の好ましい例において、環Aは、置換または非置換の5~7員炭素環または5~7員ヘテロ芳香環である。
別の好ましい例において、環Aは、置換または非置換の5員炭素環、置換または非置換の6員炭素環または置換または非置換のフラン環である。
別の好ましい例において、環Aは、5員炭素環、6員炭素環またはフラン環である。
別の好ましい例において、環Aは、
である。
別の好ましい例において、環Aと隣接するベンゼン環との結合構造は、
である。
別の好ましい例において、XおよびYのうちの少なくとも一つは、ヘテロ原子である。
別の好ましい例において、Yは、炭素原子または窒素原子である。
別の好ましい例において、Xは、SまたはOである。
別の好ましい例において、Xは、Sである。
別の好ましい例において、Yは、炭素原子である。
別の好ましい例において、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基、置換または非置換の5~10員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基である。
別の好ましい例において、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基である。
別の好ましい例において、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または置換または非置換C~Cアルキル基である。
別の好ましい例において、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、メチル基またはエチル基である。
別の好ましい例において、Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~C0シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基である。
別の好ましい例において、Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基である。
別の好ましい例において、Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~Cアルキル基である。
別の好ましい例において、Rは、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~Cアルキル基である。
別の好ましい例において、Rは、水素原子、塩素原子またはメチル基である。
別の好ましい例において、前記ハロゲンは、F、Cl、BrまたはIである。
別の好ましい例において、Rは、F、Cl、BrまたはIである。
別の好ましい例において、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~C0アルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基,置換または非置換の5~10員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基である。
別の好ましい例において、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基である。
別の好ましい例において、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素である。
別の好ましい例において、Wは、OまたはSである。
別の好ましい例において、Wは、Oである。
別の好ましい例において、nは、1または2である。
別の好ましい例において、nは、1である。
別の好ましい例において、n≧2の場合、各Rは、同じであるか、または異なる。
別の好ましい例において、前記任意の「置換」とは、基上の1~4個(好ましくは1、2、3または4個)の水素原子が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、=O、C~Cカルボキシル基、C~Cエステル基、C~Cアミド基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、ベンジル基、6員アリール基、5員または6員ヘテロアリール基(好ましくはCヘテロアリール基)からなる群から選択される置換基によって置換されることを指す。
別の好ましい例において、前記任意の「置換」とは、基上の1~4個(好ましくは1、2、3または4個)の水素原子が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C~Cカルボキシル基、C~Cエステル基、C~Cアミド基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、ベンジル基、6員アリール基、5員または6員ヘテロアリール基(好ましくはCヘテロアリール基)からなる群から選択される置換基によって置換されることを指す。
別の好ましい例において、前記
構造は、
である。
別の好ましい例において、前記式aの化合物は、式a-1の構造を有する。
別の好ましい例において、前記式bの化合物は、式b-1の構造を有する。
別の好ましい例において、前記式Iの化合物は、式I-Aの構造を有する。
別の好ましい例において、前記式Iの化合物は、以下からなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記式Iの化合物は、以下からなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第1の溶媒は、ジメチルスルホキシド、トルエン、DMF、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第1の溶媒は、ジメチルスルホキシドからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第1の触媒は、ハライド塩、臭化テトラブチルアンモニウム、4-ジメチルアミノピリジン、ジベンゾ18クラウンエーテル6、ピリジン、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記ハライド塩は、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第1の触媒は、ヨウ化カリウムを含む。
別の好ましい例において、前記第1の塩基試薬は、無機塩基、有機塩基、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第1の塩基試薬は、水素ナトリウム、水酸化物、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記水酸化物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第1の塩基試薬は、水酸化物を含む。
別の好ましい例において、前記第1の塩基試薬は、水酸化ナトリウムを含む。
別の好ましい例において、前記段階(1)において、前記反応の温度は、30~90℃、好ましくは、30~80℃、より好ましくは、40~70℃、最も好ましくは、50~60℃である。
別の好ましい例において、前記段階(1)において、前記反応の時間は、10~48時間、好ましくは、16~40時間、より好ましくは、20~35時間、最も好ましくは、22~25時間である。
別の好ましい例において、式aの化合物と式bの化合物とのモル比は、1:1~3、好ましくは、1:1~2、より好ましくは、1:1.2~1.7である。
別の好ましい例において、式aの化合物と第1の塩基試薬とのモル比は、1:2.5~10、好ましくは、1:3~8、より好ましくは、1:4~6である。
別の好ましい例において、式bの化合物と第1の塩基試薬とのモル比は、1~3:2.5~10、好ましくは、1~2:3~8、より好ましくは、1.2~1.7:4~6である。
別の好ましい例において、前記第1の触媒と前記与前記第1の塩基試薬とのモル比は、1:5~70、好ましくは、1:10~60、より好ましくは、1:15~50、より好ましくは、1:20~50、より好ましくは、1:25~40、最も好ましくは、1:28~36である。
別の好ましい例において、前記第1の触媒と前記式aの化合物とのモル比は、1:1~50、好ましくは、1:2~40、より好ましくは、1:3~30、より好ましくは、1:5~25、より好ましくは、1:5~20、最も好ましくは、1:5~15である。
別の好ましい例において、前記段階(1)において、前記反応は、常圧下(例えば、1atm)で行われる。
別の好ましい例において、前記段階(1)において、前記反応は、N保護下で行われる。
別の好ましい例において、前記段階(1)は、以下のような段階を含み:
式aの化合物を第1の溶媒に溶解させ、式bの化合物および第1の触媒を加え、冷却した後に第1の塩基試薬を加え、昇温および反応させて、式Iの化合物を得る。
別の好ましい例において、前記冷却した後の温度は、5~30℃(好ましくは10~20℃)である。
別の好ましい例において、前記昇温後の温度は、30~90℃、好ましくは、30~80℃、より好ましくは、40~70℃、最も好ましくは、50~60℃である。
別の好ましい例において、前記段階(1)において、反応終了後、反応液に水および酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を収集し、分離して式Iの化合物を得る。
別の好ましい例において、前記有機相を酸水溶液で洗浄した後、分離して式Iの化合物を得る。
別の好ましい例において、前記酸水溶液は、シュウ酸水溶液である。
本発明の第2の態様は、式I-1の化合物の調製方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(1)第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬の存在下で、式aの化合物と式bの化合物とを反応させて、式Iの化合物を得、
(2)第2の溶媒において、第2の塩基試薬の存在下で、式Iの化合物と式cに示されるN-脱メチル化試薬とを反応させて、式I-aの化合物を得、
(3)第3の溶媒において、第3の塩基試薬の存在下で、式I-aの化合物を加水分解反応させて、式I-1の化合物を得、
ここで、
環Aは、置換または非置換の4~12員炭素環、置換または非置換の4~12員複素環、置換または非置換の5~12員ヘテロ芳香環、置換または非置換のC~C12芳香環であり、
およびRは、それぞれ独立して、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基であり、
XおよびYは、それぞれ独立して、炭素原子、酸素原子、硫黄原子または窒素原子であり、
は、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
は、ハロゲンであり、
、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基,置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
12は、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換のC~C16アリール基、置換または非置換の5~16員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~Cアルキル-W-、置換または非置換のC~C12シクロアルキル-W-、置換または非置換のC~C16アリール-W-、置換または非置換の5~16員ヘテロアリール-W-であり、
13は、ハロゲンであり、
Wは、OまたはSであり、
nは、1、2または3であり、
ここで、前記任意の「置換」とは、基上の1~4個(好ましくは1、2、3または4個)の水素原子が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、=O、C~Cカルボキシル基、C~Cエステル基、C~Cアミド基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、ベンジル基、C~C12アリール基、5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される置換基によって置換されることを指し、
ここで、前記複素環、ヘテロ芳香環およびヘテロアリール基は、それぞれ独立して、N、OおよびSから選択される1~3個(好ましくは1、2または3個)のヘテロ原子を有する。
別の好ましい例において、環A、X、Y、W、n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、本発明の第1の態様に記載されたとおりである。
別の好ましい例において、前記第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬は、それぞれ独立して、本発明の第1の態様に記載されたとおりである。
別の好ましい例において、式aの化合物、式bの化合物および式Iの化合物は、それぞれ独立して、本発明の第1の態様に記載されたとおりである。
別の好ましい例において、前記段階(1)は、本発明の第1の態様に記載されたとおりである。
別の好ましい例において、前記第2の溶媒は、ジメチルスルホキシド、トルエン、またはDMF、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第2の溶媒は、トルエンである。
別の好ましい例において、前記第2の塩基試薬は、トリエタノールアミン(TEA)、1,8-ジアザビシクロウンデク-7-エン(DBU)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、炭酸ナトリウム、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第2の塩基試薬は、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を含む。
別の好ましい例において、前記段階(2)において、前記反応の温度は、20~80℃、好ましくは、30~70℃、より好ましくは、30~60℃、より好ましくは、40~50℃、最も好ましくは、40~45℃である。
別の好ましい例において、前記段階(2)において、前記反応の時間は、2~16時間、好ましくは、2~10時間、より好ましくは、2~6時間、最も好ましくは、3~5時間である。
別の好ましい例において、前記式cに示されるN-脱メチル化試薬は、クロロギ酸フェニルを含む。
別の好ましい例において、前記段階(2)において、前記式Iの化合物と第2の塩基試薬とのモル比は、1:0.2~10、好ましくは、1:0.5~8、より好ましくは、1:0.8~5、より好ましくは、1:1~3、最も好ましくは、1:1~2である。
別の好ましい例において、前記段階(2)において、前記式Iの化合物と前記式cの化合物とのモル比は、1:0.2~10、好ましくは、1:0.5~8、より好ましくは、1:0.8~5、より好ましくは、1:1~3、より好ましくは、1:1.1~2.5、最も好ましくは、1:1~2である。
別の好ましい例において、前記段階(2)において、前記第2の塩基試薬と前記式cの化合物とのモル比は、0.8~5:0.8~5、好ましくは、1~3:1~3、より好ましくは、1~2:1.1~2.5、最も好ましくは、1~2:1.1~2である。
別の好ましい例において、前記段階(2)において、前記反応は、常圧下(例えば、1atm)で行われる。
別の好ましい例において、前記段階(2)において、前記反応は、N保護下で行われる。
別の好ましい例において、前記段階(2)は、以下のような段階を含み:
式Iの化合物および第2の塩基試薬を第2の溶液に溶解させ、冷却した後に式cに示されるN-脱メチル化試薬を加え、昇温および反応させて、式I-aの化合物を得る。
別の好ましい例において、前記冷却した後の温度は、10~40℃、好ましくは、20~30℃である。
別の好ましい例において、前記昇温後の温度は、20~80℃、好ましくは、30~70℃、より好ましくは、30~60℃、より好ましくは、40~50℃、最も好ましくは、40~45℃である。
別の好ましい例において、前記段階(2)において、反応終了後、反応液に水および酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を収集し、濃縮して、式I-aの化合物を得る。
別の好ましい例において、前記式I-aの化合物は、式I-a-1の構造を有する。
別の好ましい例において、前記第3の溶媒は、ジメチルスルホキシド、トルエン、またはDMF、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第3の溶媒は、ジメチルスルホキシドである。
別の好ましい例において、前記第3の塩基試薬は、無機塩基、有機塩基、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第3の塩基試薬は、カリウムt-ブトキシド、炭酸カリウム、水酸化物、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記水酸化物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記第3の塩基試薬は、水酸化物を含む。
別の好ましい例において、前記第3の塩基試薬は、水酸化ナトリウムを含む。
別の好ましい例において、前記段階(3)において、前記反応の温度は、20~100℃、好ましくは、30~90℃、より好ましくは、40~80℃、より好ましくは、50~70℃、最も好ましくは、60~65℃である。
別の好ましい例において、前記段階(3)において、前記反応の時間は、5~16時間、好ましくは、5~10時間、より好ましくは、7~10時間である。
別の好ましい例において、前記段階(3)において、前記式I-aの化合物と第3の塩基試薬とのモル比は、1:1~20、好ましくは、1:2~15、より好ましくは、1:2~10、より好ましくは、1:3.5~8、最も好ましくは、1:6である。
別の好ましい例において、前記段階(3)において、反応終了後、反応液に水および酢酸エチルを加えて抽出し、有機相を収集し、分離して式Iの化合物を得る。
別の好ましい例において、前記有機相を酸水溶液で洗浄した後、分離して式Iの化合物を得る。
別の好ましい例において、前記酸水溶液は、シュウ酸水溶液である。
別の好ましい例において、前記式I-1の化合物は、式I-1-1の構造を有し、
別の好ましい例において、前記方法は、以下のような段階を含み:
(1)第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬の存在下で、式Iの化合物と式iiの化合物とを反応させて、式I-8の化合物を得、
(2)第2の溶媒において、第2の塩基試薬の存在下で、式I-8の化合物とクロロギ酸フェニルとを反応させて、得式iiiの化合物を得、
(3)第3の溶媒において、第3の塩基試薬の存在下で、式iiiの化合物を加水分解反応させて、式I-1の化合物を得る。
本発明の第3の態様は、式I-aの化合物の調製方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(2)第2の溶媒において、第2の塩基試薬の存在下で、式Iの化合物と式cに示されるN-脱メチル化試薬とを反応させて、式I-aの化合物を得、
ここで、
環Aは、置換または非置換の4~12員炭素環、置換または非置換の4~12員複素環、置換または非置換の5~12員ヘテロ芳香環、置換または非置換のC~C12芳香環であり、
およびRは、それぞれ独立して、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基であり、
XおよびYは、それぞれ独立して、炭素原子、酸素原子、硫黄原子または窒素原子であり、
は、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基,置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
12は、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換のC~C16アリール基、置換または非置換の5~16員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~Cアルキル-W-、置換または非置換のC~C12シクロアルキル-W-、置換または非置換のC~C16アリール-W-、置換または非置換の5~16員ヘテロアリール-W-であり、
13は、ハロゲンであり、
Wは、OまたはSであり、
nは、1、2または3であり、
ここで、前記任意の「置換」とは、基上の1~4個(好ましくは1、2、3または4個)の水素原子が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、=O、C~Cカルボキシル基、C~Cエステル基、C~Cアミド基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、ベンジル基、C~C12アリール基、5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される置換基によって置換されることを指し、
ここで、前記複素環、ヘテロ芳香環およびヘテロアリール基は、それぞれ独立して、N、OおよびSから選択される1~3個(好ましくは1、2または3個)のヘテロ原子を有する。
別の好ましい例において、環A、X、Y、W、n、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、本発明の第1の態様に記載されたとおりである。
別の好ましい例において、前記第2の溶媒において、第2の触媒および式cに示されるN-脱メチル化試薬は、それぞれ独立して、本発明の第2の態様に記載されたとおりである。
別の好ましい例において、前記段階(2)は、本発明の第2の態様に記載されたとおりである。
別の好ましい例において、式Iの化合物、式cの化合物および式I-aの化合物は、それぞれ独立して、本発明の第2の態様に記載されたとおりである。
本発明の第4の態様は、式Iの化合物の塩を提供し、
ここで、
環Aは、置換または非置換の5~7員炭素環、置換または非置換の5~7員複素環、置換または非置換の5~7員ヘテロ芳香環であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基であり、
XおよびYは、それぞれ独立して、炭素原子、酸素原子、硫黄原子または窒素原子であり、
Wは、OまたはSであり、
は、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基であり、
、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基であり、
nは、1、2または3であり、
ここで、前記任意の「置換」とは、基上の1~4個(好ましくは1、2、3または4個)の水素原子が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、=O、C~Cカルボキシル基、C~Cエステル基、C~Cアミド基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、ベンジル基、6員アリール基、5員または6員ヘテロアリール基(好ましくはCヘテロアリール基)からなる群から選択される置換基によって置換されることを指し、
前記複素環、ヘテロ芳香環およびヘテロアリール基は、それぞれ独立して、N、OおよびSから選択される1~3個(好ましくは1、2または3個)のヘテロ原子を有する。
別の好ましい例において、環A、X、Y、W、n、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、本発明の第1の態様に記載されたとおりである。
別の好ましい例において、前記式Iの化合物は、式I-Bに示される構造を有する。
別の好ましい例において、前記式Iの化合物は、式I-Dに示される構造を有する。
別の好ましい例において、前記式Iの化合物は、以下からなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記式Iの化合物の塩は、式Iの化合物と、塩酸、粘液酸、D-グルクロン酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはその組み合わせからなる群から選択される酸と形成される塩である。
別の好ましい例において、前記式Iの化合物の塩は、塩酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、粘液酸塩、フマル酸塩、D-グルクロン酸塩、またはその組み合わせからなる群から選択される。
本発明の第5の態様は、式I-1の化合物の塩酸塩または塩酸塩結晶形Aを提供する。
別の好ましい例において、I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aにおいて、前記式I-1の化合物と塩酸との分子モル比は、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3または4:1である。
別の好ましい例において、前記式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aは、無水結晶形である。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形AのX線粉末回折パターンは、18.27±0.2°、21.27±0.2°、22.89±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aは、16.85±0.2°、22.20±0.2°、23.86±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aは、10.09±0.2°、25.40±0.2°、28.18±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aは、10.09±0.2°、16.85±0.2°、22.20±0.2°、23.86±0.2°、25.40±0.2°、28.18±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aは、11.25±0.2°、21.84±0.2°、26.76±0.2°、28.75±0.2°、32.57±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aは、10.09±0.2°、11.25±0.2°、16.85±0.2°、18.27±0.2°、21.27±0.2°、21.84±0.2°、22.20±0.2°、22.89±0.2°、23.86±0.2°、25.40±0.2°、26.76±0.2°、28.18±0.2°、28.75±0.2°、32.57±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形AのX線粉末回折パターンは、一つまたは以下からなる群から選択される2θ値に特徴的なピークおよびピーク強度を有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aは、基本的に図8に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)図は、141.8±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図9に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aの熱重量分析(TGA)図は、120℃に加熱する時に約1.1±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図9に示されたとおりである。
本発明の第6の態様は、本発明の第5の態様に記載の式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aを調製する方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(a)式I-1の化合物と第1の有機溶媒とを混合した後、5~15℃下で塩酸を滴下して、系のpHを6~8に調節し、反応により固体を析出し、ろ過して、式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aを得る。
別の好ましい例において、前記段階(a)において、前記第1の有機溶媒は、酢酸エチルを含む。
別の好ましい例において、前記段階(a)において、前記塩酸は、濃塩酸である。
別の好ましい例において、前記段階(a)において、系のpHは、6.5~7.5、好ましくは、7.0である。
別の好ましい例において、前記段階(a)において、反応の時間は、3~8分間、好ましくは、5分間である。
別の好ましい例において、前記段階(a)において、前記反応は、攪拌条件下で行われる。
別の好ましい例において、前記段階(a)において、前記塩酸は、ゆっくりと加えられる。
別の好ましい例において、前記段階(a)において、式I-1の化合物と第1の有機溶媒との重量対体積比(kg:L)は、0.05~2:1~20、好ましくは、0.05~1:1~10、より好ましくは、0.1~0.5:2~7である。
別の好ましい例において、前記段階(a)において、固体を析出した後、40~45℃の条件下で乾燥させて、式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aを得る。
本発明の第7の態様は、式I-1の化合物のマレイン酸塩またはマレイン酸塩結晶形Bを提供する。
別の好ましい例において、I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形Bにおいて、前記式I-1の化合物とマレイン酸との分子モル比は、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3または4:1である。
別の好ましい例において、前記I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形Bは、無水結晶形である。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形BのX線粉末回折パターンは、19.23±0.2°、24.04±0.2°、24.70±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bは、11.83±0.2°、19.56±0.2°、28.15±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bは、9.70±0.2°、18.23±0.2°、24.93±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bは、9.70±0.2°、11.83±0.2°、18.23±0.2°、19.56±0.2°、24.93±0.2°、28.15±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bは、15.22±0.2°、16.30±0.2°、18.82±0.2°、21.15±0.2°、21.83±0.2°、23.60±0.2°、26.35±0.2°、28.94±0.2°、32.59±0.2°、33.31±0.2°、34.74±0.2°、35.94±0.2°、38.18からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bは、9.70±0.2°、11.83±0.2°、15.22±0.2°、16.30±0.2°、18.23±0.2°、18.82±0.2°、19.23±0.2°、19.56±0.2°、21.15±0.2°、21.83±0.2°、23.60±0.2°、24.04±0.2°、24.70±0.2°、24.93±0.2°、26.35±0.2°、28.15±0.2°、28.94±0.2°、32.59±0.2°、33.31±0.2°、34.74±0.2°、35.94±0.2°、38.18±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形BのX線粉末回折パターンは、一つまたは以下からなる群から選択される2θ値に特徴的なピークおよびピーク強度を有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bは、基本的に図11に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bの示差走査熱量測定(DSC)図は、105.8±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図12に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bの熱重量分析(TGA)図は、80℃に加熱する時に約0.8±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図12に示されたとおりである。
本発明の第8の態様は、本発明の第7の態様に記載の式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形Bを調製する方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(b)式I-1の化合物、マレイン酸および第2の有機溶媒を混合した後、反応により固体を析出し、ろ過して、式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形Bを得る。
別の好ましい例において、前記段階(b)において、前記第2の有機溶媒は、酢酸エチルを含む。
別の好ましい例において、前記段階(b)において、反応の時間は、4~10日、好ましくは、5~7日である。
別の好ましい例において、前記段階(b)において、前記反応は、攪拌条件下で行われる。
別の好ましい例において、前記攪拌の回転速度は、700~800rpmである。
別の好ましい例において、前記段階(b)において、前記反応の温度は、室温である。
別の好ましい例において、前記段階(b)において、式I-1の化合物と第2の有機溶媒との重量対体積比(kg:ml)は、0.05~2:1~10、好ましくは、0.05~1:1~30、より好ましくは、0.1~0.5:1~20である。
別の好ましい例において、前記段階(b)において、式I-1の化合物とマレイン酸との重量は、0.05~2:0.05~0.3、好ましくは、0.05~1:0.05~0.2、より好ましくは、0.1~0.5:0.08~0.16である。
別の好ましい例において、前記段階(b)において、固体を析出した後、室温下で真空乾燥させて、式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形Bを得る。
本発明の第9の態様は、式I-1の化合物のシュウ酸塩またはシュウ酸塩結晶形Cを提供する。
別の好ましい例において、I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形Cにおいて、前記式I-1の化合物とシュウ酸との分子モル比は、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3または4:1である。
別の好ましい例において、前記I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形Cは、無水結晶形である。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形CのX線粉末回折パターンは、14.64±0.2°、22.05±0.2°、25.61±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cは、16.36±0.2°、20.90±0.2°、23.43±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cは、15.27±0.2°、16.07±0.2°、19.52±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cは、15.27±0.2°、16.07±0.2°、16.36±0.2°、17.63±0.2°、19.52±0.2°、20.90±0.2°、23.43±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cは、14.64±0.2°、15.27±0.2°、16.07±0.2°、16.36±0.2°、17.63±0.2°、19.52±0.2°、20.90±0.2°、22.05±0.2°、23.43±0.2°、25.61±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形CのX線粉末回折パターンは、一つまたは以下からなる群から選択される2θ値に特徴的なピークおよびピーク強度を有する。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cは、基本的に図15に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cの示差走査熱量測定(DSC)図は、152.2±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図16に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cの熱重量分析(TGA)図は、100℃に加熱する時に約1.0±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図16に示されたとおりである。
本発明の第10の態様は、本発明の第9の態様に記載の式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形Cを調製する方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(c)式I-1の化合物、シュウ酸および第3の有機溶媒を混合した後、反応により固体を析出し、ろ過して、式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形Cを得る。
別の好ましい例において、前記段階(c)において、前記第3の有機溶媒は、酢酸エチルを含む。
別の好ましい例において、前記段階(c)において、反応の時間は、4~10日、好ましくは、5~7日である。
別の好ましい例において、前記段階(c)において、前記反応は、攪拌条件下で行われる。
別の好ましい例において、前記攪拌の回転速度は、700~800rpmである。
別の好ましい例において、前記段階(c)において、前記反応の温度は、室温である。
別の好ましい例において、前記段階(c)において、式I-1の化合物と第3の有機溶媒との重量対体積比(kg:ml)は、0.05~2:1~10、好ましくは、0.05~1:1~30、より好ましくは、0.1~0.5:1~20である。
別の好ましい例において、前記段階(c)において、式I-1の化合物とシュウ酸との重量は、0.05~2:0.05~0.3、好ましくは、0.08~1:0.05~0.2、より好ましくは、0.1~0.5:0.06~0.13である。
別の好ましい例において、前記段階(c)において、固体を析出した後、室温下で真空乾燥させて、式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形Cを得る。
本発明の第11の態様は、式I-1の化合物の粘液酸塩または粘液酸塩結晶形Dを提供する。
別の好ましい例において、I-1の化合物の粘液酸塩結晶形Dにおいて、前記式I-1の化合物と粘液酸との分子モル比は、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3または4:1である。
別の好ましい例において、前記I-1の化合物の粘液酸塩結晶形Dは、無水結晶形である。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形DのX線粉末回折パターンは、3.79±0.2°、11.28±0.2°、19.48±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dは、15.81±0.2°、20.98±0.2°、23.91±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dは、16.97±0.2°、25.88±0.2°、28.40±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dは、15.81±0.2°、16.97±0.2°、20.98±0.2°、23.91±0.2°、25.88±0.2°、28.40±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dは、14.21±0.2°、17.71±0.2°、27.16±0.2°、29.49±0.2°、30.74±0.2°、32.33±0.2°、34.50±0.2°、35.42±0.2°、36.16±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dは、3.79±0.2°、11.28±0.2°、14.21±0.2°、15.81±0.2°、16.97±0.2°、17.71±0.2°、19.48±0.2°、20.98±0.2°、23.91±0.2°、25.88±0.2°、27.16±0.2°、28.40±0.2°、29.49±0.2°、30.74±0.2°、32.33±0.2°、34.50±0.2°、35.42±0.2°、36.16±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形DのX線粉末回折パターンは、一つまたは以下からなる群から選択される2θ値に特徴的なピークおよびピーク強度を有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dは、基本的に図18に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dの示差走査熱量測定(DSC)図は、140.9±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図19に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dの熱重量分析(TGA)図は、100℃に加熱する時に約1.45±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図19に示されたとおりである。
本発明の第12の態様は、本発明の第11の態様に記載の式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形Dを調製する方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(d)式I-1の化合物、粘液酸および第4の有機溶媒を混合した後、反応により固体を析出し、ろ過して、式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形Dを得る。
別の好ましい例において、前記段階(d)において、前記第4の有機溶媒は、酢酸エチルを含む。
別の好ましい例において、前記段階(d)において、前記反応の温度は、40~60℃である。
別の好ましい例において、前記段階(d)において、前記反応の時間は、1~3日、好ましくは、1.5~2.5日である。
別の好ましい例において、前記段階(d)において、粘液酸と式I-1の化合物との重量対体積比(mg:ml)は、1~20:0.1~1.5、好ましくは、1~15:0.1~1、より好ましくは、5~10:0.2~0.8である。
別の好ましい例において、前記段階(d)において、混合した系において、第4の溶媒における式I-1の化合物の濃度は、20~60mg/mL、好ましくは、30~50mg/mL、より好ましくは、35~45mg/mLである。
別の好ましい例において、前記段階(d)において、固体を析出した後、室温下で真空乾燥させて、式I-1の化合物の粘液酸結晶形Dを得る。
本発明の第13の態様は、式I-1の化合物のフマル酸塩またはフマル酸塩結晶形Eを提供する。
別の好ましい例において、I-1の化合物のフマル酸塩結晶形Eにおいて、前記式I-1の化合物とフマル酸との分子モル比は、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3または4:1である。
別の好ましい例において、前記I-1の化合物のフマル酸塩結晶形Eは、無水結晶形である。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形EのX線粉末回折パターンは、14.17±0.2°、18.95±0.2°、23.76±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eは、4.7±0.2°、22.75±0.2°、26.93±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eは、13.34±0.2°、15.63±0.2°、28.69±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eは、4.7±0.2°、13.34±0.2°、15.63±0.2°、22.75±0.2°、26.93±0.2°、28.69±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eは、9.41±0.2°、17.62±0.2°、25.66±0.2°、31.34±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eは、4.7±0.2°、9.41±0.2°、13.34±0.2°、14.17±0.2°、15.63±0.2°、17.62,18.95±0.2°、22.75±0.2°、23.76±0.2°、25.66±0.2°、26.93±0.2°、28.69±0.2°、31.34±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形EのX線粉末回折パターンは、一つまたは以下からなる群から選択される2θ値に特徴的なピークおよびピーク強度を有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eは、基本的に図21に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eの示差走査熱量測定(DSC)図は、76.5±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図22に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eの熱重量分析(TGA)図は、80℃に加熱する時に約2.17±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図22に示されたとおりである。
本発明の第14の態様は、本発明の第13の態様に記載の式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形Eを調製する方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(e)式I-1の化合物、フマル酸および第5の有機溶媒を混合した後、反応により固体を析出し、ろ過して、式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形Eを得る。
別の好ましい例において、前記段階(e)において、前記第5の有機溶媒は、酢酸エチルを含む。
別の好ましい例において、前記段階(e)において、混合した後、室温下で3~5日間攪拌する。
別の好ましい例において、前記段階(e)において、前記反応の温度は、室温である。
別の好ましい例において、前記段階(e)において、フマル酸与とI-1の化合物との重量対体積比(mg:ml)は、1~20:0.1~1.5、好ましくは、1~15:0.1~1、より好ましくは、5~10:0.2~0.8である。
別の好ましい例において、前記段階(e)において、混合した系において、第5の溶媒における式I-1の化合物の濃度は、20~60mg/mL、好ましくは、30~50mg/mL、より好ましくは、35~45mg/mLである。
別の好ましい例において、前記段階(e)において、固体を析出した後、室温下で真空乾燥させて、式I-1の化合物のフマル酸結晶形Eを得る。
本発明の第15の態様は、式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩またはD-グルクロン酸塩結晶形Fを提供する。
別の好ましい例において、D-グルクロン酸塩結晶形Fにおいて、前記式I-1の化合物とD-グルクロン酸との分子モル比は、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3または4:1である。
別の好ましい例において、前記I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形Fは、無水結晶形である。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形FのX線粉末回折パターンは、4.77±0.2°、16.13±0.2°、19.53±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fは、8.34±0.2°、17.54±0.2°、20.06±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fは、10.87±0.2°、21.25±0.2°、25.93±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fは、8.34±0.2°、10.87±0.2°、17.54±0.2°、20.06±0.2°、21.25±0.2°、23.42±0.2°、25.93±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークをさらに有する。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fは、4.77±0.2°、8.34±0.2°、10.87±0.2°、16.13±0.2°、17.54±0.2°、19.53±0.2°、20.06±0.2°、21.25±0.2°、23.42±0.2°、25.93±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形FのX線粉末回折パターンは、一つまたは以下からなる群から選択される2θ値に特徴的なピークおよびピーク強度を有する。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fは、基本的に図24に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fの示差走査熱量測定(DSC)図は、119.1±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図25に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fの熱重量分析(TGA)図は、100℃に加熱する時に約2.71±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図25に示されたとおりである。
本発明の第16の態様は、本発明の第15の態様に記載の式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形Fを調製する方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(f)式I-1の化合物、D-グルクロン酸および第6の有機溶媒を混合した後、反応により固体を析出し、ろ過して、式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形Fを得る。
別の好ましい例において、前記段階(f)において、前記第6の有機溶媒は、アセトニトリルを含む。
別の好ましい例において、前記段階(f)において、混合した後、室温下で3~5日間攪拌する。
別の好ましい例において、前記段階(f)において、前記反応の温度は、室温である。
別の好ましい例において、前記段階(f)において、D-グルクロン酸と式I-1の化合物との重量対体積比(mg:ml)は、5~30:0.1~2、好ましくは、5~20:0.1~1、より好ましくは、10~16:0.2~0.7である。
別の好ましい例において、前記段階(f)において、混合した系において、第5の溶媒における式I-1の化合物の濃度は、20~60mg/mL、好ましくは、30~50mg/mL、より好ましくは、35~45mg/mLである。
別の好ましい例において、前記段階(f)において、固体を析出した後、室温下で真空乾燥させて、式I-1の化合物のD-グルクロン酸結晶形Fを得る。
本発明の第17の態様は、医薬組成物を提供し、前記組成物は、本発明の第5の態様に記載の式I-1の化合物の塩酸塩結晶形A、本発明の第7の態様に記載の式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形B、本発明の第9の態様に記載の式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形C、本発明の第11の態様に記載の式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形D、本発明の第13の態様に記載の式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形E、または本発明の第15の態様に記載の式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形F、および薬学的に許容されるベクターを含む。
本発明の第18の態様は、(a)一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)阻害剤の調製、および/または(b)一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)に関連する疾患を予防および/または治療するための薬物の調製に使用される、本発明の第5の態様に記載の式I-1の化合物の塩酸塩結晶形A、本発明の第7の態様に記載の式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形B、本発明の第9の態様に記載の式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形C、本発明の第11の態様に記載の式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形D、本発明の第13の態様に記載の式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形E、または本発明の第15の態様に記載の式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形Fの用途を提供する。
別の好ましい例において、前記一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)は、TRPA1である。
別の好ましい例において、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)に関連する疾患は、疼痛、癲癇、炎症、呼吸障害、掻痒、尿路障害、炎症性腸疾患、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記疼痛は、急性疼痛または慢性疼痛である。
別の好ましい例において、前記疼痛は、急性炎症性疼痛、慢性炎症性疼痛、内蔵痛、神経因性疼痛、線維筋痛症、頭痛、神経痛、癌誘発性痛、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記疼痛は、炎症性疼痛である。
別の好ましい例において、前記炎症性疼痛は、急性炎症性疼痛または慢性炎症性疼痛である。
別の好ましい例において、前記頭痛は、片頭痛または筋肉緊張痛である。
別の好ましい例において、前記神経痛は、三叉神経痛、糖尿病性疼痛または帯状疱疹後神経痛である。
別の好ましい例において、前記疼痛は、急性疼痛、線維筋痛症、内蔵痛、炎症性疼痛、神経痛、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記疼痛は、線維筋痛症である。
本発明の第19の態様は、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質または前記タンパク質を発現する細胞を、本発明の第5の態様に記載の式I-1の化合物の塩酸塩結晶形A、本発明の第7の態様に記載の式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形B、本発明の第9の態様に記載の式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形C、本発明の第11の態様に記載の式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形D、本発明の第13の態様に記載の式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形E、または本発明の第15の態様に記載の式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形Fと接触させることにより、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質の活性を阻害する段階を含む、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質活性を阻害するためのインビトロの非治療的および非診断的方法を提供する。
本発明の第20の態様は、必要とする対象に、本発明の第5の態様に記載の式I-1の化合物の塩酸塩結晶形A、本発明の第7の態様に記載の式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形B、本発明の第9の態様に記載の式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形C、本発明の第11の態様に記載の式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形D、本発明の第13の態様に記載の式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形E、または本発明の第15の態様に記載の式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形Fを投与することにより、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)に関連する疾患を予防および/または治療する段階を含む、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質を阻害するか、または一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)に関連する疾患を予防および/または治療する方法を提供する。
別の好ましい例において、前記対象は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物(齧歯類動物、ウサギ、サル、家畜、イヌ、ネコ等)を含む。
本発明の範囲内で、本発明の上記の各技術的特徴と以下(例えば、実施例)に具体的に説明される各技術的特徴との間を、互いに組み合わせることにより、新しいまたは好ましい技術的解決策を構成することができることに理解されたい。スペースに限りがあるため、ここでは繰り返さない。
TRPA1活性を阻害する本発明の化合物I-3、I-4、I-8、I-23およびI-24の用量効果関係の曲線図を示す。 マウスホルマリン疼痛モデルにおける本発明の化合物I-10の鎮痛活性結果を示す。 マウスホットプレート疼痛モデルにおける本発明の化合物I-23の鎮痛活性結果を示す。 マウス線維筋痛症モデルにおける化合物I-1およびデュロキセチンの鎮痛活性結果を示し、平均(Mean)±SD、n=12、**p<0.01、***p<0.001で溶媒対照群と比較する。 マウス酢酸の身もだえ痛のモデルにおける化合物I-1、デュロキセチン、インドメタシンおよびアニソダミンの鎮痛活性結果を示す。 ラットSNLモデルにおける化合物I-1およびガバペンチンの鎮痛活性結果を示す。 マウスホルマリンモデルにおける異なる投与量下での化合物I-1およびデュロキセチンのフェーズII(10~60分間)期間における足舐め時間の統計結果を示す。 式I-1の化合物の塩酸塩結晶形AのXRPD図を示す。 式I-1の化合物の塩酸塩結晶形AのTGA/DSC図を示す。 式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aの可変温度XRPD比較図を示す。 式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形BのXRPD図を示す。 式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形BのTGA/DSC図を示す。 式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形BのH NMRスペクトルを示す。 式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形Bの可変温度XRPD比較図を示す。 式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形CのXRPD図を示す。 式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形CのTGA/DSC図を示す。 式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形Cの可変温度XRPD比較図を示す。 式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形DのXPRD図を示す。 式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形DのTGA/DSC図を示す。 式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形DのH NMRスペクトルを示す。 式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形EのXRPD図を示す。 式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形EのTGA/DSC図を示す。 式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形EのH NMRスペクトルを示す。 式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形FのXRPD図を示す。 式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形FのTGA/DSC図を示す。 式I-1の化合物の塩酸塩結晶形AのDVS図を示す。 式I-1の化合物の塩酸塩結晶形AのDVS試験前後のXRPD比較図を示す。 式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形BのDVS図を示す。 式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形BのDVS試験前後のXRPD比較図を示す。 式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aの安定性試験前後のXRPD比較図を示す。 式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形Bの安定性試験前後のXRPD比較図を示す。 式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aの単結晶回折パターンを示す。
本発明者は、広範かつ詳細な研究を通じて、初めて、式Iの構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩ならびにその調製方法および塩結晶形を予期せずに開発した。実験は、本発明の化合物がTRPチャネルに対して顕著な阻害効果を有することを示す。本発明の化合物は、TRP(特にTRPA1)標的に関連する疼痛等を効果的に治療することができる。これに基づいて、本発明を完成させた。
用語
本明細書に使用されるように、「含む」、「包括」、「含有」という用語は、交換して使用することができ、閉鎖式定義だけでなく、半閉鎖式および開放式の定義をさらに含む。言い換えれば、前記用語は、「からなる」および「基本的にからなる」を含む。
本明細書に使用されるように、「R」、「R」および「R1」は、同じ意味を有し、互い置き換えることができ、他の類似な定義は、同じ意味を有する。
本明細書に使用されるように、「C~C12アルキル基」、「C~Cアルキル基」、「C~Cアルキル基」、「C~Cアルキル基」、または「C~Cアルキル基」という用語は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-イソブチル基、t-ブチル基、または類似の基等の1~12、1~8、1~6、1~4または1~3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を指す。
本明細書に使用されるように、「C-Cアルコキシ基」という用語は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s‐ブトキシ基、t‐ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、または類似の基等の1~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコキシ基を指す。
本明細書に使用されるように、「C~C12ベンゾ脂肪族環基」という用語は、インダニル基、テトラヒドロナフチル基またはジヒドロナフチル基等の類似の基を含む6~12個の炭素原子を有する基を指す。
本明細書に使用されるように、「C~C12シクロアルキル基」または「C~Cシクロアルキル基」という用語は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、メチルシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへプチル基または類似の基等の3~12個または3~7個の炭素原子を有するシクロアルキル基(単環式、二環式または多環式式環系を含む)を指す。
本明細書に使用されるように、「C~Cエステル基」という用語は、CHCOO-、CCOO-、CCOO-、(CHCHCOO-、-COOCH、-COOC、-COOC、または類似の基等のC~Cアルキル-COO-構造を有する基または-COO-C~Cアルキル基構造を有する基を指し、ここで、アルキル基は、直鎖または分岐鎖であり得る。
本明細書に使用されるように、「C~Cアミド基」という用語は、例えば、CH-CO-NH-、C-CO-NH-、C-CO-NH-、-COOCH、-CO-NH-C、-CO-NH~C、または類似の基等のC~Cアルキル基-CO-NH-構造を有する基または-CO-NH-C~Cアルキル基構造を有する基を指し、ここで、アルキル基は、直鎖または分岐鎖であり得る。
本明細書に使用されるように、「C~Cアシル基」という用語は、例えば、CH-CO-、C-CO-、C-CO-、または類似の基等のC~Cアルキル基-CO-構造を有する基を指し、ここで、アルキル基は、直鎖または分岐鎖であり得る。
本明細書に使用されるように、「C-Cヘテロシクロアルキル基」という用語は、例えば、ピペリジン基、テトラヒドロピロリル基、または類似の基等の3~7個のシクロ炭素原子および1~3個のヘテロ原子(好ましくは、一つの窒素原子、すなわち、RおよびRに共同に隣接する窒素原子を含み)を有する単環式および多環式複素環(好ましくは、単環式複素環)を指す。
本明細書に使用されるように、「4~12員炭素環」、「5~10員炭素環」または「5~7員炭素環」という用語は、任意の安定的な4、5、6、7、8、9、10、11または12員単環式、二環式または多環式であり、炭素環は、飽和、部分的飽和、不飽和の環であることができるが、芳香族の環であることはできない。前記炭素環の例としては、シクロプロピル環、シクロブチル環、シクロブテン環、シクロペンチル環、シクロペンテン環、シクロヘキシル環、シクロヘキセン環、シクロへプチル環、シクロヘプテン環、アダマンタン環、シクロオクタン環、シクロオクテン環、シクロオクタジエン環、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、ビシクロ[4.4.0]デカン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、フルオレニル基、インダン環等を含むが、これらに限定されない。
本明細書に使用されるように、「複素環」という用語は、任意の安定的な単環式、二環式または多環式(例えば、5、6または7員)であり、複素環には、N、OおよびSから選択される一つまたは複数(例えば、1~3)のヘテロ原子が含まれ、複素環は、飽和、部分的飽和、または不飽和の環であることができるが、芳香族の環であることはできない。複素環の前の員数は、環原子の数を指し、例えば、4~12員複素環は、4~12個の環原子を有する。
本明細書に使用されるように、「ヘテロ芳香環」という用語は、N、OおよびSから選択される一つ以上(好ましくは1、2または3個)のヘテロ原子を有する芳香族複素環系を指す。ヘテロ芳香環の前の員数は、環原子の数を指し、例えば、5~7員ヘテロ芳香環は、5~7個の環原子を有する。複数のヘテロ原子を含む場合、ヘテロ原子は同じであるか、部分的に同じであるか、または完全に異なる可能性があることを理解されたい。例えば、5員ヘテロ芳香環の例としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環等を含み(これらに限定されない)、6員ヘテロ芳香環の例としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、または類似基等を含む(これらに限定されない)。
本明細書に使用されるように、「C~Cハロゲン化アルキル基」および「C~Cハロゲン化アルキル基」という用語は、1~6個および1~3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基の一つまたは複数の水素原子が、モノクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロプロパン、または類似基等のハロゲン基によって置換されることを指す。
本明細書に使用されるように、「C~Cハロゲン化アルコキシ基」という用語は、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルコキシ基の一つまたは複数の水素原子が、モノクロロメトキシ、ジクロロオキシ、または類似基等のハロゲン基によって置換されることを指す。
本明細書に使用されるように、「C~Cカルボキシ基」という用語は、例えば、CHCOOH、CCOOH、CCOOH、(CHCHCOOH、または類似の基等のC~Cアルキル基-COOH構造の基を指し、ここで、アルキル基は、直鎖または分岐鎖であり得る。
本明細書に使用されるように、「C~C12アリール基」という用語は、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、または類似の基等の環部分に6から12個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族炭化水素基を指す。
本明細書に使用されるように、「芳香環」という用語は、芳香環系を指す。芳香環の前の炭素の数は、環原子の数を指し、例えば、「C~C12芳香環」とは、環部分に6~12個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香環を指し、代表的には、C~C12芳香環は、ベンゼン環またはナフタレン環である。
本明細書に使用されるように、「ヘテロアリール基」という用語は、任意に置換された芳香族基を指し、例えば、それは、5~7員単環式環系であり、前記環系は、少なくとも一つのヘテロ原子および少なくとも一つの炭素原子を含む環を有する。ヘテロアリール基の前の員数は、環原子の数を指し、例えば、5~12員ヘテロアリール基とは、ピロリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、フリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、または類似基等を含む(これらに限定されない)、5~12個の環原子を有するヘテロアリール基を指す。
本明細書に使用されるように、「ハロゲン」という用語は、F、Cl、BrおよびIを指す。
本明細書に使用されるように、「置換」という用語は、基上の水素原子が非水素原子基によって置換されるが、その原子価要件を満たし、かつ置換によって化学的に安定な化合物を精製する必要がある。本明細書において、本明細書において「置換された」と明確に記載されない限り、すべての置換基は、非置換と解釈されるべきである。
本明細書に使用されるように、
は、同じ意味を指し、両方とも、非置換または1~5個(好ましくは、1~3個)のR置換基を有するテロアリール基を指す。
本明細書に使用されるように、「
」は、結合部位である。
同様に、本発明において、置換基は、結合が原子価要件に違反しない限り、任意の原子上で親基または基質に結合することができ、親基または基質の水素原子は、同じ原子にあることができ、異なる原子にあることもできることを理解されたい。
本明細書に使用されるように、室温とは、25±5℃を指す。
本明細書に使用されるように、数値範囲P1~P2の場合、当該範囲は、端点P1およびP2だけでなく、端点P1とP2との間の任意の数値店も含む。さらに、P1およびP2がすべて正の数である場合、一つの整数nに対して、当該数値範囲は、端点P1とP2との間の任意の整数値ポイントを含む。例えば、一つの整数整数nに対して、その数値範囲が1~10である場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10を含み、3~7の数値範囲は、3、4、5、6、7を含む。代表的には、基の場合、C~Cは、C、C、C、C、およびCを含む。
有効成分
本明細書に使用されるように、「本発明の化合物」、「本発明の3-アリールオキシ-3-アリール-プロピルアミン化合物」、または「式Iの化合物」は、交換可能に使用され、式Iの構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩を指す。当該用語は、上記成分の混合物をさらに含むことを理解されたく、
ここで、
環Aは、置換または非置換の4~12員炭素環、置換または非置換の4~12員複素環、置換または非置換の5~12員ヘテロ芳香環、置換または非置換のC~C12芳香環であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
XおよびYは、それぞれ独立して、炭素原子、酸素原子、硫黄原子または窒素原子であり、
は、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
Wは、OまたはSであり、
nは、1、2または3であり、
ここで、前記任意の「置換」とは、基上の1~4個(好ましくは1、2、3または4個)の水素原子が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、=O、C~Cカルボキシル基、C~Cエステル基、C~Cアミド基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、ベンジル基、C~C12アリール基、5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される置換基によって置換されることを指す。
ここで、前記複素環、ヘテロ芳香環およびヘテロアリール基は、それぞれ独立して、N、OおよびSから選択される1~3個(好ましくは1、2または3個)のヘテロ原子を有する。
別の好ましい例において、環A、X、Y、W、n、R、R、R、R、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、上記の本発明の第1の態様に記載されたとおりである。
本発明の化合物は、TRPA1に対して阻害効果を有するだけでなく、TRPファミリーの他のメンバーに対しても一定の阻害効果を有する。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物と薬物として使用に適した酸または塩基によって形成される塩を指す。薬学的に許容される塩は、無機塩と有機塩とを含む。好ましいタイプの塩は、本発明の化合物と酸とによって形成される塩であり、塩の形成に適した酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸等の有機酸、および例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸等の酸性アミノ酸を含むが、これらに限定されない。好ましいタイプの塩は、本発明の化合物と塩基によって形成される金属塩であり、塩の形成に適した塩基は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムおよびリン酸ナトリウム等の無機塩基、例えば、アンモニア、トリエチルアミンおよびジエチルアミン等の有機塩基を含むが、これらに限定されない。
本発明に記載の式Iに示されるような化合物は、従来の方法によってその薬学的に許容される塩に変換することができ、例えば、対応する酸の溶液を上記の化合物の溶液に加え、塩形成が完了後に減圧下で溶媒を除去して、本発明に記載の化合物の対応する塩を得ることができる。
別の好ましい例において、前記式Iの化合物は、以下の表1に示されたとおりである。
調製方法
本発明は、式Iの構造の化合物、またはその薬学的に許容される塩の調製方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(1)第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬の存在下で、式aの化合物と式bの化合物とを反応させて、式Iの化合物を得、
ここで、前記段階(1)における各反応パラメーター(例えば、第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬)は、上記の本発明の第1の態様に記載されたとおりである。
好ましくは、本発明は、式I-1の化合物の調製方法を提供し、前記方法は、以下のような段階を含み:
(1)第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬の存在下で、式Iの化合物と式iiの化合物とを反応させて、式I-8の化合物を得、
(2)第2の溶媒において、第2の塩基試薬の存在下で、式I-8の化合物とクロロギ酸フェニルとを反応させて、得式iiiの化合物を得、
(3)第3の溶媒において、第3の塩基試薬の存在下で、式iiiの化合物を加水分解反応させて、式I-1の化合物を得る。
ここで、前記段階(1)における各反応パラメーター(例えば、第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬)は、上記の本発明の第2の態様に記載されたとおりである。
結晶形
本発明は、式I-1の化合物の塩結晶形を提供する。
本明細書に使用されるように、「式I-1の化合物の塩酸塩結晶形A」、「塩酸塩結晶形A」および「結晶形A」という用語は、交換可能に使用される。
本明細書に使用されるように、「式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形B」、「マレイン酸塩結晶形B」および「結晶形B」という用語は、交換可能に使用される。
本明細書に使用されるように、「式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形C」、「シュウ酸塩結晶形C」および「結晶形C」という用語は、交換可能に使用される。
本明細書に使用されるように、「式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形D」、「粘液酸塩結晶形D」および「結晶形D」という用語は、交換可能に使用される。
本明細書に使用されるように、「式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形E」、「フマル酸塩結晶形E」および「結晶形E」という用語は、交換可能に使用される。
本明細書に使用されるように、「式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形F」、「D-グルクロン酸塩結晶形F」および「結晶形F」という用語は、交換可能に使用される。
代表的には、本発明は、式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aを提供し、前記塩酸塩結晶形Aは、10.09±0.2°、11.25±0.2°、16.85±0.2°、18.27±0.2°、21.27±0.2°、21.84±0.2°、22.20±0.2°、22.89±0.2°、23.86±0.2°、25.40±0.2°、26.76±0.2°、28.18±0.2°、28.75±0.2°、32.57±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aは、基本的に図8に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)図は、141.8±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図9に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aの熱重量分析(TGA)図は、120℃に加熱する時に約1.1±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記塩酸塩結晶形Aの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図9に示されたとおりである。
代表的には、本発明は、式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形Bを提供し、前記マレイン酸塩結晶形Bは、9.70±0.2°、11.83±0.2°、15.22±0.2°、16.30±0.2°、18.23±0.2°、18.82±0.2°、19.23±0.2°、19.56±0.2°、21.15±0.2°、21.83±0.2°、23.60±0.2°、24.04±0.2°、24.70±0.2°、24.93±0.2°、26.35±0.2°、28.15±0.2°、28.94±0.2°、32.59±0.2°、33.31±0.2°、34.74±0.2°、35.94±0.2°、38.18±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
マレイン酸の構造は、以下のとおりである。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bは、基本的に図11に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bの示差走査熱量測定(DSC)図は、105.8±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図12に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bの熱重量分析(TGA)図は、80℃に加熱する時に約0.8±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記マレイン酸塩結晶形Bの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図12に示されたとおりである。
代表的には、本発明は、式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形Cを提供し、前記シュウ酸塩結晶形Cは、14.64±0.2°、15.27±0.2°、16.07±0.2°、16.36±0.2°、17.63±0.2°、19.52±0.2°、20.90±0.2°、22.05±0.2°、23.43±0.2°、25.61±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
Oxalic acidとも呼ばれるシュウ酸の構造は、以下のとおりである。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cは、基本的に図15に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cの示差走査熱量測定(DSC)図は、152.2±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図16に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cの熱重量分析(TGA)図は、100℃に加熱する時に約1.0±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記シュウ酸塩結晶形Cの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図16に示されたとおりである。
代表的には、本発明は、式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形Dを提供し、別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dは、3.79±0.2°、11.28±0.2°、14.21±0.2°、15.81±0.2°、16.97±0.2°、17.71±0.2°、19.48±0.2°、20.98±0.2°、23.91±0.2°、25.88±0.2°、27.16±0.2°、28.40±0.2°、29.49±0.2°、30.74±0.2°、32.33±0.2°、34.50±0.2°、35.42±0.2°、36.16±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
粘液酸の構造式は、以下のとおりである。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dは、基本的に図18に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dの示差走査熱量測定(DSC)図は、140.9±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図19に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dの熱重量分析(TGA)図は、100℃に加熱する時に約1.45±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記粘液酸塩結晶形Dの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図19に示されたとおりである。
代表的には、本発明は、式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形Eを提供し、前記フマル酸塩結晶形Eは、4.7±0.2°、9.41±0.2°、13.34±0.2°、14.17±0.2°、15.63±0.2°、17.62、18.95±0.2°、22.75±0.2°、23.76±0.2°、25.66±0.2°、26.93±0.2°、28.69±0.2°、31.34±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
フマル酸の構造式は、以下のとおりである。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eは、基本的に図21に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eの示差走査熱量測定(DSC)図は、76.5±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図22に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eの熱重量分析(TGA)図は、80℃に加熱する時に約2.17±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記フマル酸塩結晶形Eの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図22に示されたとおりである。
代表的には、本発明は、式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形Fを提供し、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fは、4.77±0.2°、8.34±0.2°、10.87±0.2°、16.13±0.2°、17.54±0.2°、19.53±0.2°、20.06±0.2°、21.25±0.2°、23.42±0.2°、25.93±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有する。
D-グルクロン酸の構造式は、以下のとおりである。
D-グルクロン酸
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fは、基本的に図24に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fの示差走査熱量測定(DSC)図は、119.1±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始める。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に図25に示されたとおりである。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fの熱重量分析(TGA)図は、100℃に加熱する時に約2.71±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有する。
別の好ましい例において、前記D-グルクロン酸塩結晶形Fの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図25に示されたとおりである。
一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)
一過性受容体電位型チャンネルタンパク質は、細胞フィルム上に存在する重要な陽イオンチャネルで構成されるタイプのタンパク質スーパーファミリーである。一過性受容体電位型チャンネルタンパク質は、例えば、TRPA、TRPC、TRPM、TRPV、TRPMLおよびTRPPサブファミリー等の複数のサブファミリーを含む。
研究によると、TRPA1チャネルタンパク質は、疼痛、癲癇、炎症、呼吸障害、そう痒症、尿路障害および炎症性腸疾患等の疾患に関連し、TRPA1は、疼痛、癲癇、炎症、呼吸障害、そう痒症、尿路障害および炎症性腸疾患等の疾患を治療する標的である。
本発明の好ましい例において、前記一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)は、TRPA1である。
別の好ましい例において、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)に関連する疾患は、疼痛、癲癇、炎症、呼吸障害、掻痒、尿路障害、炎症性腸疾患、またはその組み合わせを含む(これらに限定されない)。
代表的には、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)に関連する疾患は、疼痛である。
別の好ましい例において、前記疼痛は、急性疼痛または慢性疼痛である。
別の好ましい例において、前記疼痛は、急性炎症性疼痛、慢性炎症性疼痛、内蔵痛、神経因性疼痛、線維筋痛症、頭痛、神経痛、癌誘発性痛、またはその組み合わせを含む(これらに限定されない)。
別の好ましい例において、前記疼痛は、炎症性疼痛である。
別の好ましい例において、前記炎症性疼痛は、急性炎症性疼痛または慢性炎症性疼痛である。
別の好ましい例において、前記頭痛は、片頭痛または筋肉緊張痛である。
別の好ましい例において、前記神経痛は、三叉神経痛、糖尿病性疼痛または帯状疱疹後神経痛である。
別の好ましい例において、前記疼痛は、急性疼痛、線維筋痛症、内蔵痛、炎症性疼痛、神経痛、またはその組み合わせを含む(これらに限定されない)。
別の好ましい例において、前記疼痛は、線維筋痛症である。
用途
本発明は、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TPR)を阻害する方法、ならびに一過性受容体電位型チャンネルタンパク質に関連する疾患を治療する方法をさらに提供する。
本発明の上記の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、ならびに式Iの化合物の塩酸塩結晶形A、マレイン酸塩結晶形B、シュウ酸塩結晶形C、粘液酸塩結晶形D、フマル酸塩結晶形EおよびD-グルクロン酸塩結晶形Fは、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質を阻害することにより、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質に関連する疾患を予防または治療するために使用される。
本発明において、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質に関連する疾患の例としては、疼痛、癲癇、炎症、呼吸障害、掻痒、尿路障害、炎症性腸疾患を含む(これらに限定されない)。代表的には、前記疼痛は、急性炎症性疼痛、慢性炎症性疼痛、内蔵痛、神経因性疼痛、線維筋痛症、頭痛(例えば、片頭痛、筋肉緊張痛等)、神経痛(例えば、三叉神経痛、糖尿病性疼痛、帯状疱疹後神経痛等)、または癌誘発性痛を含む(これらに限定されない)。
好ましい実施例において、本発明は、例えば、インビトロ培養系において、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質または前記タンパク質を発現する細胞を、本発明に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、または式Iの化合物の塩酸塩結晶形A、マレイン酸塩結晶形B、シュウ酸塩結晶形C、粘液酸塩結晶形D、フマル酸塩結晶形EまたはD-グルクロン酸塩結晶形Fと接触させることにより、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質の活性を阻害する段階を含む、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質活性を阻害するためのインビトロの非治療的方法を提供する。
本発明は、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質を阻害する方法をさらに提供し、当該方法は、治療性的または非治療的であり得る。通常、当該方法は、必要とする対象に、本発明に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、または式Iの化合物の塩酸塩結晶形A、マレイン酸塩結晶形B、シュウ酸塩結晶形C、粘液酸塩結晶形D、フマル酸塩結晶形EまたはD-グルクロン酸塩結晶形Fを投与する段階を含む。
好ましくは、前記対象は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物(齧歯類動物、ウサギ、サル、家畜、イヌ、ネコ等)を含む。
組成物および投与方法
本発明は、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質の活性を阻害するための組成物を提供する。
本発明に記載の組成物は、医薬組成物、食品組成物、栄養補助食品、飲料組成物等を含む(これらに限定されない)。
代表的には、前記組成物は、医薬組成物であり、前記医薬組成物は、本発明に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容されるベクターを含む。
代表的には、典型的には、前記組成物は、医薬組成物であり、前記医薬組成物は、本発明に記載の式Iの化合物、式Iの化合物の塩酸塩結晶形A、マレイン酸塩結晶形B、シュウ酸塩結晶形C、粘液酸塩結晶形D、フマル酸塩結晶形EまたはD-グルクロン酸塩結晶形F、ならびに薬学的に許容されるベクターを含む。
本発明において、医薬組成物の剤形は、経口製剤、注射剤、外用製剤を含む(これらに限定されない)。
代表的には、錠剤、注射剤、輸液剤、軟膏剤、ゲル剤、溶液剤、ミクロスフェア、フィルム剤を含む(これらに限定されない)。
「薬学的に許容されるベクター」という用語は、ヒトまたは動物の使用に適しており、必ず十分な純度および十分に低い毒性を有する、一つまたは複数の相容性固体、半固体、液体またはグル充填剤を指す。「相容性」とは、薬物の効力を著しく低下させることなく、薬物組成物中の各成分および薬物の有効成分、ならびにそれらの相互混合を指す。
本発明において、前記ベクターは、特に限定されず、本技術分野で一般的に使用される材料を選択するか、または従来の方法で調製するか、または市場から購入することができることを理解されたい。薬学的に許容されるベクターの部分的例は、セルロースおよびその誘導体(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロース等)、ゼラチン、タルク(talc)、固形潤滑剤(例えば、ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(例えば、大豆油、ごま油、落花生油およびオリーブ油等)、ポリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、マンニトールおよびソルビトール等)、乳化剤(例えば、トゥイーン(Tween))、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、緩衝剤、キレート剤、増粘剤、pH調整剤、浸透促進剤、着色剤、香料、安定剤、抗酸化剤、防腐剤、抗菌剤およびパイロジェンフリー水等を含む。
代表的に、薬物の有効成分に加えて、液体剤型は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤等の当技術分野で従来から使用されている不活性希釈剤を含むことができ、例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジメチルホルムアミドおよび油、特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、蓖麻子油およびごま油またはこれらの物質の混合物等を含む。これらの不活性希釈剤に加えて、組成物は、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤等の補助剤も含むことができる。
薬物製剤は、投与方法と一致する必要がある。本発明の薬剤は、他の併用治療剤とともに使用(使用前、使用中または使用後を含み)することができる。薬物組成物または製剤を使用する場合、安全かつ有効な量の薬物を、所望の対象(例えば、ヒトまたは非ヒト哺乳動物)に投与され、前記安全かつ有効量は、通常、少なくとも約10μg/kg体重であり、ほとんどの場合、約8mg/kg体重以下であり、好ましくは、当該用量は、約10μg/kg体重~約1mg/kg体重である。もちろん、具体的投与量は、投与経路、患者の健康状態等の要因も考慮する必要があり、これらのすべては、熟練した医師のスキル範囲内にある。
本発明の主な利点は、以下のとおりである。
(1)本発明は、構造が新規で、優れたTRPチャネル阻害活性を有する式Iの化合物を提供する。本発明の化合物は、優れた鎮痛等のインビボ有効性、低毒性、高活性、大きな安全ウィンドウ、良好な創薬可能性、ならびに優れた薬物動態特性を有する。
(2)本発明は、式Iの化合物および式I-aの化合物の調製方法をさらに提供し、前記方法は、簡単で、操作が容易で、収率および純度が高く、工業性腺に適する。
(3)本発明は、式I-1の化合物の塩酸塩結晶形A、マレイン酸塩結晶形B、シュウ酸塩結晶形C、粘液酸塩結晶形D、フマル酸塩結晶形EおよびD-グルクロン酸塩結晶形F等の、式I-1の化合物の塩結晶形をさらに提供し、前記式I-1の化合物の塩結晶形は、固体形態であり、遊離した式I-1の化合物の油状物と比較して、固体形態のI-1の化合物の塩結晶形は、保存、輸送および創薬可能性に強く、溶解度が高く、安定性が強い(特に優れた熱安定性および高湿度安定性を有する)。
以下、本発明は、具体的実施例と併せてさらに説明される。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例において、具体的条件を示さない実験方法は、通常従来の条件または製造業者によって提案された条件に従う。特に明記されない限り、パーセンテージと部数とは、重量で計算される。
実施例1
式I-1の化合物の調製
(1)(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-N,N-ジメチル-3-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-アミン(I-8)の調製
室温下で1kg(7.35mol)の7-フルオロベンゾフラン(式Iの化合物)を8Lのジメチルスルホキシド溶液に溶解させ、攪拌条件下で2.04kg(11.02mol)の(S)-3-(ジメチルアミノ)-1-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オール(式iiの化合物)および0.18kg(1.10mol)のヨウ化カリウムを加え、反応フラスコに窒素ガス保護を導入し、氷水浴で10~20℃に冷却し、系に1.47kg(36.13mol)の水酸化ナトリウムを加え、原料を添加完了後に反応系を50~60℃に加熱し、当該温度下で22時間反応させ、HPLCによって反応終了をモニターリングした後に、氷水浴で25~30℃に冷却し、系に5Lの水をゆっくりと加え、系の温度を45℃以下に制御し、5Lの酢酸エチルを加えて抽出し、水層を2Lの酢酸エチルで洗浄し、有機層を合わせ、有機層を飽和食塩水で洗浄する。有機層に5Lの水を加え、攪拌条件下で0.66kgのシュウ酸をゆっくりと加え、40分間攪拌し続け、10分間静置および分層し、有機層に1.70kgの10%シュウ酸水溶液を加え、10分間攪拌し、分層し、水相を合わせ、水相に5Lの酢酸エチルを加え、攪拌条件下で系に飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えて、pHを8に調節し、20分間攪拌する。ろ過し、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄し、ろ液を分層し、有機相を収集し、水相を酢酸エチルで洗浄し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、褐色油状の目的生成物である1.12kgの式I-8の化合物を得、収率は、50.6%であり、純度は、95.6%である。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.62(d、J=2.0Hz、1H)、7.23(d、J=5.0Hz、1H)、7.17(d、J=7.8Hz、1H)、7.03(t、J=7.9Hz、2H)、6.96-6.87(m、1H)、6.82(d、J=7.9Hz、1H)、6.74(d、J=2.1Hz、1H)、5.88-5.79(m、1H)、2.60(t、J=6.9Hz、2H)、2.47(dt、J=21.7、7.4Hz、1H)、2.32(s、6H)、2.22(dt、J=20.5、6.8Hz、1H)。MS(ESI、m/z):301.88(M+H)
(2)(S)-フェニル(3-(ベンゾフラン-7-オキシ)-3-(チオフェン-2-イル)プロピル)(メチル)カルバメート(I-a-1-1)の調製

1.12kg(3.65mol)の(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-N,N-ジメチル-3-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-アミン(I-8)を5.5Lのトルエン溶液に溶解させ、攪拌条件下で系に0.71kg(5.48mol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミンを加え、窒素ガスを通し、氷水浴で反応系の温度を20~30℃に冷却し、系に0.86kg(5.48mol)のクロロギ酸フェニルをゆっくりと滴下し、温度を≦35℃に制御し、原料を加えた後に系を40~45℃に加熱して3時間反応させる。HPLCによって反応終了をモニターリングし、氷水浴で温度を25~30℃に冷却する。反応系に4.4Lの水をゆっくりと加え、4.41Lの酢酸エチルで抽出し、有機相を収集し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、濃縮して、黄色油状の目的生成物である1.89kgの式iiiの化合物を得、収率は、127.1%であり、純度は、80.5%である。
H NMR(500MHz、DMSO)δ 7.91(t、J=24.3Hz、1H)、7.45(d、J=5.0Hz、1H)、7.39-7.26(m、2H)、7.24-7.13(m、3H)、7.06(dd、J=23.8、15.4Hz、2H)、6.98-6.85(m、4H)、5.93(d、J=40.9Hz、1H)、3.63(dd、J=31.9、6.1Hz、1.5H)、3.44(t、J=23.1Hz、0.5H)、2.96(t、J=35.7Hz、3H)、2.48-2.38(m、1H)、2.26(dd、J=60.2、26.5Hz、1H)。MS(ESI、m/z):407.90(M+H)
(3)(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-N-メチル-3-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-アミンの調製(I-1)
1.89kg(4.63mol)の(S)-フェニル(3-(ベンゾフラン-7-オキシ)-3-(チオフェン-2-イル)プロピル)(メチル)カルバメート(iii)を7.54Lのジメチルスルホキシド溶液に加え、攪拌条件下で系に質量分率が19.1%である5.76kgの水酸化ナトリウム水溶液を加え、系の温度を60~65℃に加熱して7時間反応させる。HPLCによって反応終了をモニターリングし、氷水浴で反応系の温度を15~20℃に冷却する。系に水および酢酸エチルをゆっくりと加えて抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、有機相に0.415kg(4.63mol)のシュウ酸を加え、系を40分間攪拌した後にろ過し、フィルターケーキを酢酸エチルで2回洗浄する。フィルターケーキに水を加え、5分間攪拌した後にろ過し、フィルターケーキを水で1回洗浄し、2回繰り返した後、フィルターケーキに酢酸エチルおよび水を加え、攪拌条件下で系に20~30%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pHを10~11に調節し、10分間攪拌する。反応系をろ過し、フィルターケーキを酢酸エチルで2回洗浄し、分層し、水相を酢酸エチルで1回洗浄し、有機相を合わせ、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、油状物の目的生成物である0.73kgのI-1の化合物を得、収率は、54.9%であり、純度は、98.3%である。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.63(d、J=2.0Hz、1H)、7.20(t、J=6.6Hz、2H)、7.08-6.99(m、2H)、6.88(dd、J=4.9、3.6Hz、1H)、6.80(d、J=7.9Hz、1H)、6.75(d、J=2.0Hz、1H)、5.93(dd、J=8.2、4.4Hz、1H)、3.30(t、J=7.0Hz、2H)、2.82-2.69(m、4H)、2.65-2.54(m、1H)。MS(ESI、m/z):287.87(M+H)
実施例2
(S)-7-(3-クロロ-1-(チオフェン-2-イル)プロポキシ)ベンゾフラン(中間体II-1)
480mgの(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オール、364mgの7-ヒドロキシベンゾフランおよび784mgのトリフェニルホスフィンを20mLの無水テトラヒドロフランに溶解させ、氷浴条件下で系に589μLのアゾジカルボン酸ジイソプロピルをゆっくりと滴下し、滴下完了後に系を室温に移して一晩反応させる。反応終了後、系を直接スピン乾燥させ、残留物をカラムクロマトグラフィーによって分離および精製して、無色油状である600mgの表題化合物を得、収率は、75.4%である。
H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.61(t、J=3.1Hz、1H)、7.39(dd、J=1.7、0.7Hz、1H)、7.21(dt、J=8.2、1.9Hz、1H)、7.11-7.06(m、1H)、6.88(d、J=7.9Hz、1H)、6.76(dd、J=8.1、2.1Hz、1H)、6.33(d、J=3.2Hz、1H)、6.30(dd、J=3.3、1.8Hz、1H)、5.70(dd、J=8.4、5.1Hz、1H)、3.89(ddd、J=11.1、8.2、5.4Hz、1H)、3.73-3.65(m、1H)、2.80-2.70(m、1H)、2.51-2.42(m、1H)。MS(ESI、m/z):293(M+H)
実施例3
(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-N-メチル-3-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-アミン(化合物I-1)
600mgの中間体II-1を飽和ヨウ化ナトリウムのアセトン溶液に溶解させ、一晩還流させる。反応終了後、溶媒をスピン乾燥させ、系に水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、残留物を20mLのテトラヒドロフラン溶液に溶解させ、2mLの40%メチルアミン水溶液を加え、一晩反応させる。反応終了後、溶媒をスピン乾燥させ、系に水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1:15)によって分離して、無色油状物である200mgの表題化合物を得、収率は、34.0%である。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.63(d、J=2.0Hz、1H)、7.20(t、J=6.6Hz、2H)、7.08-6.99(m、2H)、6.88(dd、J=4.9、3.6Hz、1H)、6.80(d、J=7.9Hz、1H)、6.75(d、J=2.0Hz、1H)、5.93(dd、J=8.2、4.4Hz、1H)、3.30(t、J=7.0Hz、2H)、2.82-2.69(m、4H)、2.65-2.54(m、1H)。MS(ESI、m/z):287.87(M+H)
実施例4
(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-N-メチル-3-(チオフェン-3-イル)プロパン-1-アミン(化合物I-2)
(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オールを(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-3-イル)プロパン-1-オールに置き換えることに加え、他の必要な原料、試薬および調製方法は、実施例2~3と同じであり、黄色油状物である200mgの表題化合物を得、収率は、33.9%である。H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.63(d、J=2.1Hz、1H)、7.27(dd、J=5.0、3.0Hz、1H)、7.24(d、J=2.1Hz、1H)、7.18-7.11(m、2H)、7.01(t、J=7.9Hz、1H)、6.75(d、J=2.1Hz、1H)、6.72(d、J=7.8Hz、1H)、5.64(dd、J=8.0、5.0Hz、1H)、2.94-2.81(m、2H)、2.48(s、3H)、2.46-2.32(m、1H)、2.24-2.13(m、1H)。MS(ESI、m/z):287.76(M+H)
実施例5
(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-N-メチル-3-(フラン-3-イル)プロパン-1-アミン(化合物I-3)
(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オールを(R)-3-クロロ-1-(フラン-3-イル)プロパン-1-オールに置き換えることに加えて、他の必要な原料、試薬および調製方法は、実施例2~3と同じであり、無色油状物である100mgの表題化合物を得、収率は、9.9%である。H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.62(d、J=2.1Hz、1H)、7.40(s、1H)、7.35(t、J=1.7Hz、1H)、7.17(dd、J=7.8、0.8Hz、1H)、7.05(t、J=7.9Hz、1H)、6.80(d、J=7.7Hz、1H)、6.75(d、J=2.1Hz、1H)、6.46(d、J=1.1Hz、1H)、5.56(dd、J=7.7、5.4Hz、1H)、2.90-2.78(m、2H)、2.46(s、3H)、2.35(td、J=13.9、7.4Hz、1H)、2.13(dtd、J=12.4、7.0、5.5Hz、1H)。MS(ESI、m/z):271.88(M+H)
実施例6
(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-N-メチル-3-(フラン-2-イル)プロパン-1-アミン(化合物I-4)
(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オールを(R)-3-クロロ-1-(フラン-2-イル)プロパン-1-オールに置き換えることに加えて、他の必要な原料、試薬および調製方法は、実施例2~3と同じであり、無色油状物である30mgの表題化合物を得、収率は、3.2%である。H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.61(d、J=2.1Hz、1H)、7.36(d、J=1.1Hz、1H)、7.20(d、J=7.7Hz、1H)、7.06(dd、J=10.5、5.3Hz、1H)、6.82(d、J=7.7Hz、1H)、6.74(dd、J=7.8、2.1Hz、1H)、6.31(d、J=3.2Hz、1H)、6.27(dd、J=3.2、1.8Hz、1H)、5.60(dd、J=7.9、5.3Hz、1H)、3.13-2.99(m、2H)、2.63-2.56(m、4H)、2.44(ddd、J=14.1、12.4、7.0Hz、1H)。MS(ESI、m/z):271.88(M+H)
実施例7
(S)-3-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-4-イル)オキシ)-N-メチル-3-(2-チエニル)プロパン-1-アミン(化合物I-10)
7-ヒドロキシベンゾフランを4-インダノールに置き換えることに加えて、他の必要な原料、試薬および調製方法は、実施例2~3と同じであり、褐色油状である16mgの表題化合物を得、収率は、9.9%である。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.21(dd、J=5.0、1.2Hz、1H)、7.03-6.96(m、2H)、6.92(dd、J=5.0、3.5Hz、1H)、6.81(d、J=7.3Hz、1H)、6.65(d、J=8.0Hz、1H)、5.57(dd、J=7.8、5.0Hz、1H)、2.87(dt、J=19.9、7.3Hz、6H)、2.47(s、3H)、2.41-2.30(m、1H)、2.25-2.14(m、1H)、2.06(p、J=7.0Hz、2H)。MS(ESI、m/z):287.87(M+H)
実施例8
(S)-2-(3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-3-(チオフェン-2-イル)プロピル)イソインドリン-1,3-ジオン(中間体III-1)
160mgの中間体II-1、303mgのフタルイミドカリウムおよび25mgのヨウ化ナトリウムを5mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、窒素ガス保護条件下で90℃下で一晩反応させる。反応終了後、系に水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、水で洗浄し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1:5)によって分離して、黄色固体である140mgの表題化合物を得、収率は、63.5%である。
H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.81-7.78(m、2H)、7.68(dd、J=5.5、3.0Hz、2H)、7.45(d、J=2.1Hz、1H)、7.18(dd、J=5.0、1.1Hz、1H)、7.14(dd、J=7.8、0.8Hz、1H)、7.06(d、J=3.0Hz、1H)、7.04-6.97(m、1H)、6.86(dt、J=10.3、5.2Hz、1H)、6.78(d、J=7.4Hz、1H)、6.68(d、J=2.1Hz、1H)、5.82(dd、J=7.8、5.2Hz、1H)、4.07-3.89(m、2H)、2.66(td、J=14.4、7.3Hz、1H)、2.47-2.36(m、1H)。MS(ESI、m/z):404(M+H)
実施例9
(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-3-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-アミン(化合物I-23)
140mgの中間体III-1および87mgのヒドラジン水和物を5mLのメタノール溶液に溶解させ、室温下で一晩反応させる。反応終了後、溶媒をスピン乾燥させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1:15)によって分離して、無色油状物である30mgの表題化合物を得、収率は、31.6%である。
H NMR(500MHz、DMSO)δ 7.97(d、J=2.1Hz、1H)、7.49(dd、J=5.0、1.1Hz、1H)、7.24-7.17(m、2H)、7.11-7.03(m、1H)、6.99(dd、J=5.0、3.5Hz、1H)、6.95(d、J=7.5Hz、1H)、6.93(d、J=2.1Hz、1H)、6.04(dd、J=7.8、5.5Hz、1H)、2.99-2.86(m、2H)、2.44-2.35(m、1H)、2.21(ddt、J=11.5、9.3、5.8Hz、1H)。MS(ESI、m/z):273.77(M+H)
実施例10
(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-3-(フラン-3-イル)プロパン-1-アミン(化合物I-24)
(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オールを(R)-3-クロロ-1-(フラン-3-イル)プロパン-1-オールに置き換えることに加えて、他の必要な原料、試薬および調製方法は、実施例2、8~9と同じであり、無色油状物である90mgの表題化合物を得、収率は、12.7%である。
H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.62(d、J=2.1Hz、1H)、7.42-7.37(m、1H)、7.35(t、J=1.7Hz、1H)、7.18(dd、J=7.8、0.9Hz、1H)、7.08-7.01(m、1H)、6.79(dd、J=7.9、0.7Hz、1H)、6.75(d、J=2.2Hz、1H)、6.45(dd、J=1.7、0.7Hz、1H)、5.57(dd、J=8.1、5.0Hz、1H)、3.03-2.91(m、2H)、2.31(ddt、J=14.1、8.1、6.4Hz、1H)、2.06(dtd、J=9.4、7.1、5.1Hz、1H)。MS(ESI、m/z):257.77(M+H)
実施例11
(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-3-(フラン-2-イル)プロパン-1-アミン(化合物I-25)
(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オールを(R)-3-クロロ-1-(フラン-2-イル)プロパン-1-オールに置き換えることに加えて、他の必要な原料、試薬および調製方法は、実施例2、8~9と同じであり、無色油状物である85mgの表題化合物を得、収率は、16.5%である。
H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.62(d、J=2.1Hz、1H)、7.37(dd、J=1.6、1.0Hz、1H)、7.20(dd、J=7.8、0.9Hz、1H)、7.06(t、J=7.9Hz、1H)、6.87-6.80(m、1H)、6.75(d、J=2.1Hz、1H)、6.33-6.24(m、2H)、5.59(dd、J=8.0、5.5Hz、1H)、3.09-2.93(m、2H)、2.43(dq、J=7.9、6.4Hz、1H)、2.22(qd、J=12.5、6.9Hz、1H)。MS(ESI、m/z):257.64(M+H)
実施例12
(S)-3(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-3-(チオフェン-3-イル)プロパン-1-アミン(化合物I-26)
(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オールを(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-3-イル)プロパン-1-オールに置き換えることに加えて、他の必要な原料、試薬および調製方法は、実施例2、8~9と同じであり、黄色油状物である60mgの表題化合物を得、収率は、14.6%である。
H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.62(d、J=1.9Hz、1H)、7.25-7.22(m、2H)、7.13(t、J=7.4Hz、1H)、7.09(d、J=4.6Hz、1H)、6.97(t、J=7.9Hz、1H)、6.71(d、J=2.0Hz、1H)、6.67(d、J=8.0Hz、1H)、5.65(dd、J=7.9、4.2Hz、1H)、3.30-3.11(m、2H)、2.49(dd、J=14.1、7.4Hz、1H)、2.34(dd、J=12.9、5.8Hz、1H)。MS(ESI、m/z):273.77(M+H)
実施例13
(S)-3-(ベンゾフラン-7-イルオキシ)-N-メチル-3-(オキサゾール-5-イル)プロパン-1-アミン(化合物I-29)
(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オールを(R)-3-クロロ-1-(オキサゾール-5-イル)プロパン-1-オールに置き換えることに加えて、他の必要な原料、試薬および調製方法は、実施例2~3と同じであり、黄色油状である63mgの表題化合物を得、収率は、21.0%である。H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.83(s、1H)、7.62(d、J=2.1Hz、1H)、7.23(dd、J=7.8、0.9Hz、1H)、7.08(dd、J=10.4、5.3Hz、1H)、7.03(s、1H)、6.87-6.81(m、1H)、6.76(d、J=2.2Hz、1H)、5.74(dd、J=8.0、5.4Hz、1H)、3.00-2.87(m、2H)、2.53-2.49(m、4H)、2.36-2.26(m、1H)。MS(ESI、m/z):272.76(M+H)
比較例1
以下の式Cの化合物の簡単な調製提供する。
(R)-3-クロロ-1-(チオフェン-2-イル)プロパン-1-オールを(R)-3-クロロ-1-フェニルプロパン-1-オールに置き換えることに加えて、他の必要な原料、試薬および調製方法は、実施例7と同じであり、14mgの化合物Cを得、収率は、18.1%である。
H NMR(400MHz、CDCl)δ 7.46-7.14(m、5H)、6.90(t、J=7.7Hz、1H)、6.77(d、J=7.4Hz、1H)、6.41(d、J=8.1Hz、1H)、5.33(dd、J=8.0、4.4Hz、1H)、3.13(dd、J=13.5、6.0Hz、2H)、2.91(dt、J=12.3、7.5Hz、4H)、2.62(s、3H)、2.52-2.36(m、2H)、2.13-2.00(m、2H)。MS(ESI、m/z):282.20(M+H)
実施例14
TRPA1的阻害活性
本実施例において、一過性受容体電位型チャンネルタンパク質TRPA1に対する本発明のいくつかの実施例の化合物の阻害活性を試験する。ここで、陽性対照化合物は、式aの化合物(WO2010075353)を採用する。
方法は、以下のとおりである。
IonWorks Barracuda (IWB)自動パッチクランプ検出による試験方法:TRPA1を安定的に発現するHEK293細胞を、15μg/mLのブラストサイジン(Blasticidin) S HCl、200μg/mLのハイグロマイシン(Hygromycin) Bおよび10%のFBS血清を含むDMEM培地を使用し、T175のインキュベーターに入れ、37℃、5%のCOのインキュベーターに入れて培養し、細胞密度が~80%に達したら、培養液を取り除き、カルシウムとマグネシウムを含まないリン酸緩衝液(PBS)で1回リンスし、3mLのトリプシン(Trypsin)を加えて2分間消化し、7mLの培養液を加えて消化を終了する。15mLの遠心分離チューブに細胞を集め、800rpmで3分間遠心分離し、上澄みを除去した後、細胞を適量の細胞外液に再懸濁し、細胞密度を2~3×10/mLに制御し、IWB実験に使用する。細胞外液処方(in mM):140 NaCl、5 KCl、1 MgCl、10 HEPES、0.5 EGTA、10Glucose (pH 7.4)、細胞内部溶液処方(in mM):140 CsCl、10 HEPES、5 EGTA、0.1 CaCl、1 MgCl(pH 7.2)。アンホテリシンBと実験当日用DMSOを使用して28mg/mLを調製し、次に細胞内部溶液を使用して最終濃度0.1mg/mLを調製する。
IWB実験において、ポピュレーションパッチクランプ(population patch clamp、PPC)プレートを使用し、すべての検出プロセスは、機器によって自動的に完了し、即ち、PPCプレートの384ウェルに細胞外液を追加し、PPCプレート下、即ち、プレナム(plenum)に細胞内部溶液を加えた後、6Lの細胞液を加えて密封試験を行い、最後にプレナムの細胞内部溶液を、アンホテリシンBを含む細胞内部溶液に置き換え、密封された細胞に穴を開けた後、細胞全体の記録モードを形成する。TPRA1電流を記録するためのサンプリング周波数は、10kHzであり、細胞は、0mVでクランプされ、電圧刺激コマンド(チャネルプロトコル(channel protocol))は、-100mVから+100mVまでの300msのランプ(ramp)電圧であり、この電圧刺激は、10秒ごとに与えられ、mTRPA1電流は、300M AITCによって誘導される。
データ記録および電流振幅測定の導出は、IWBソフトウェア完成(version 2.5.3、Molecular Devices Corporation、Union City、CA)によって完了する。密封インピーダンスが20MΩ未満のウェルは、記録データに統計されない。元の電流データは、ソフトウェアによってリーク低減の修正が行なわれ、TRPA1電流振幅は、+100mVで測定される。実験の各PPCプレートには、陽性対照としてHC030031の投与量効果データがあり、例えば、HC030031のIC50値は、過去に各プレートで得られたIC50の平均値の3倍を超えた場合、再測定される。化合物の投与量効果曲線とIC50とは、GraphPad Prism 5.02(GraphPad Software、San Diego、CA)によってフィッティング計算される。
実験結果
本発明の実施例で調製されたいくつかの化合物は、IonWorks Barracuda (IWB)自動パッチクランプ検出の試験方法により、IC50阻害活性試験を行い、活性データは、表2に示されたとおりであり、TRPA1活性をいくつかの代表的な化合物するいくつかの代表的な化合物用量効果関係は、図1 A-1Eに示されたとおりである。
ここで、活性:IC50(μM):
50~100:+
20~50:++
10~20:+++
5~10:++++
1~5:+++++
結果によると、本発明の化合物がTRPA1に対して強力な阻害活性を示し、そのうち11個の化合物がTRPA1に対して1~10μMの間に半分の有効阻害濃度IC50を有し、図1A~1Eから、TRPA1に対するI-3、I-4、I-8、I-23、I-24化合物の半分の有効阻害濃度IC50は、<5μMであるため、本発明の式Iの化合物がTRPA1に対して強力な阻害活性を有することが分かる。
さらに、化合物I-10(ヘテロアリール基
を含む)と化合物C(フェニル基を含む)との活性比(化合物CのIC50/化合物I-10のIC50)は、約2.5倍であり、これは、ヘテロアリール基を含む本発明の化合物(例えば、I-10)がTRPA1に対してより高い阻害活性を有することを示す。
さらに、A基がナフタレン環である化合物(例えば、デュロキセチン)と比較して、化合物I-10(A基がベンゾ脂肪式環である)、化合物I-3、化合物I-23および化合物I-1(ここで、A基がすべてベンゾヘテロアリール基)のIC50値は、顕著に減少する。具体的には、化合物I-10、化合物I-3、化合物I-23または化合物I-1のいずれか一つの化合物のIC50に対するS型デュロキセチンのIC50の比は、約2.8~6.8である。これは、A基がベンゾ脂肪式環またはヘテロアリール基である本発明の化合物が、TRPA1に対してより高い阻害活性を有することを示す(約2.8~6.8倍向上させる)。
同様に、本発明者らは、S型デュロキセチンおよび化合物I-10に対して、手動パッチクランプ試験法によって、TRPA1阻害活性を測定する。自動パッチクランプ試験法の試験結果と同様に、手動パッチクランプ試験法において、S型デュロキセチンのIC50と化合物I-10のIC50との比は、4.36/1.12=3.9である。
同様に、本発明者らは、化合物I-1に対して、手動パッチクランプ試験法によってTRPA1阻害活性を測定し、測定方法は、以下のとおりである。
ヒトTRPA1チャネルを安定的に発現するHEK293安定トランスフェクト細胞株を、15μg/mLのブラストサイジンS HCl、200μg/mLのハイグロマイシンBおよび10%FBS血清を含むDMEM培地で、T75インキュベーターに入れ、37℃、5%COインキュベーターで培養し、細胞密度が~80%に達したら、培養液を取り除き、カルシウムとマグネシウムを含まないリン酸緩衝液(PBS)で1回リンスし、2mLのTrypsinを加えて2分間消化し、8mLの培養液を加えて消化を停止する。細胞を15mLの遠心チューブに収集して以800rmpで3分間遠心分離し、上澄みを除去した後に細胞に適量の細胞外液を加えて再懸濁する。
手動パッチクランプ検出は、室温条件下で、HEKAシステム(Patch Masterソフトウェア)を使用してEPC~10アンプと組み合わせて、TRPA1安定トランスフェクト細胞株の全細胞電流を記録することである。全細胞記録用の内部溶液処方(mM):140 CsCl、10 HEPES、5 EGTA、0.1 CaCl、1mgCl(pH7.2、浸透圧295~300mOsm)、記録用外液は、Ca2+を含まない設定(mM):140 NaCl、5 KCl、0.5 EGTA、1mgCl、10 Glucose、10 HEPES(pH7.4、浸透圧300~310mOsm)を使用する。パッチクランプ記録で使用されるガラス微小電極抵抗2~4MΩ、サンプリング周波数10kHz、フィルター周波数2.9kHzであり、細胞は、0mVでクランプされ、電圧刺激コマンド(channel protocol)は、100mVから+100mVまでの300msの線形電圧であり、その後0mVのクランプ電位に戻り、この記録は、2秒ごとに実行され、hTRPA1電流は、100μM AITCによって誘導され、電流記録の精度を確保するために、記録中に直列抵抗を60%補償する。
データ記録および電流振幅測定の導出は、Patch Masterソフトウェアによって行われる。密封インピーダンスが500MΩ未満の細胞は、データ統計に含まれない。元の電流データは、ソフトウェアによってリーク減算のために修正され、hTRPA1電流振幅は、+100mVで測定される。化合物の投与量効果曲線およびIC50は、GraphPad Prism 5.02(GraphPad Software、San Diego、CA)によってフィッティングして計算される。
手動パッチクランプ試験結果
自動パッチクランプ試験法の試験結果と同様に、手動パッチクランプ試験法において、S型デュロキセチンのIC50と化合物I-1のIC50との比は、4.36μM/0.43μM=10.14である。
実施例15
細胞毒性試験
本実施例において、実施例で調製されたI-10およびI-1の化合物の肝臓細胞毒性および神経細胞毒性を測定する実験であり、方法は、以下のとおりである。
HepG-2およびSH-SY5Y細胞を用意し、37℃、5%のCO細胞インキュベーター内で10cmdishで培養し、トリプシンで細胞を消化して再懸濁し、カウントし、100μl/ウェルのシステムで、8000cellsの量で、96ウェルプレートに細胞を移す。37℃、5%のCO細胞インキュベーター内で24時間培養し、化合物勾配濃度システムを用意し、2倍希釈し、システムは、100μl/ウェルである。第1日目に96ウェルプレート細胞培養システムの上清を除去し、新しく構成された薬物濃度システムを、培養細胞の培養プレートウェル内(二重の複数のウェルを設定)に対応追加する。37℃、5%のCO細胞インキュベーター内で72時間培養する。細胞培養が完了した後、96ウェルプレートの細胞培養システムの上清を除去し、100μlの検出溶液(10%のCCK-8を含む培地)を各ウェルに加え、37℃、5%のCO細胞インキュベーター内で1時間インキュベートし、完了後、取り出し、Enzyme-labeled instrumentで450nmの吸光度を測定する。データを処理し、細胞毒性を計算し、GraphPad PrismでIC50を計算し、細胞毒性の計算公式は、以下のとおりである。細胞毒性(%)=[A(0投与)-A(投与)]/[A(0投与)-A(空白)]×100
A(投与):細胞、CCK-8溶液および薬物溶液を有するウェルの吸光度
A(空白):培地およびCCK-8溶液を有するが、細胞を有さないウェルの吸光度
A(0投与):細胞およびCCK-8溶液を有するが、薬物溶液を有さないウェルの吸光度
実験結果
-10およびI-1の化合物の肝臓細胞毒性(HepG2細胞)および神経細胞(SH-SY5Y)毒性の結果は、以下のとおりである:
デュロキセチンは、肝臓細胞毒性および神経細胞毒性(IC50、μM)に対して、それぞれ33μMおよび28μMであり、本発明のI-1およびI-10化合物は、肝臓細胞毒性および神経細胞毒性(IC50、μM)に対して、約60~120μMであり、これは、本発明の化合物の毒性副作用が顕著に低く、化合物は、デュロキセチンの毒性副作用の約1/2または1/3にすぎない。これは、本発明の化合物が優れた安全性を有することを示唆する。
実施例16
鎮痛活性試験実験
本実施例において、マウスホルマリン疼痛モデルによって、本発明の実施例で調製された化合物I-10、化合物の鎮痛活性実験を試験し、方法は、以下のとおりである。
30匹のC57BL/6マウス(オス、9週齢)を、それぞれ溶媒対照群(ビヒクル(vehicle)、生理食塩水)、デュロキセチン群(デュロキセチン(Duloxetine)、5-HT再取り込みおよびNE再取り込み阻害剤)およびI-10群(本発明の化合物I-10)等の3つのグループにランダムに分ける。実験開始前に、マウスを実験環境に72時間順応させ、その期間中に飲食を禁止する必要はない。腹腔内注射により被験薬を投与し、投与量は、20mg/kgであり、次にマウスを透明で、換気できる有機ガラスシリンダーに1時間入れた後、各群において、マウスの左後足裏に、マイクロインジェクターで20μlの4%ホルマリン溶液を注射し、マイクロカメラでマウスの足の疼痛反応をリアルタイムに記録する。マウスの左足を持ち上げ(1分間/回)、振り(2分間/回)および舐める(3分間/回)回数、および左足舐めの時間の長さを疼痛反応の指標とし、それぞれ0~10分間(フェーズI、急性疼痛期)および10~60分間(フェーズII、炎症性疼痛期)の二つの期間での累積スコアおよび足舐め時間を観察および記録し、統計学的分析を実行する。
実験結果
マウスホルマリン疼痛モデルにおける本発明の化合物I-10の鎮痛活性結果は、図2に示されたとおりである。結果から、足舐め時間統計検出指標において、20mg/kgの投与量下で、本発明の化合物I-10は、フェーズI(0~10分間)およびフェーズII(10~60分間)の両方で明確かつ強力な鎮痛活性を示し、生理食塩水群と比較して、疼痛によるマウスの足舐め行為をほぼ完全に阻害し、臨床用薬のデュロキセチンの鎮痛活性に匹敵する。
実施例17
マウスホットプレート痛覚試験実験
本実施例において、C7マウスホットプレート疼痛モデルによって、本発明の実施例で調製された化合物I-23、I-10、I-1等の化合物の鎮痛活性実験を試験し、方法は、以下のとおりである。
1.動物スクリーニング
SPFグレードC57オスマウスを取り、ホットプレートの温度を55±0.1℃で一定になるように調節し、10~30秒以内に足舐め等の疼痛反応のあるマウスをスクリーニングする(逃げるか、またはジャンプするものは捨てる)。疼痛反応がある場合にすぐに取り出して、マウスが火傷するのを防ぐ。
2.動物のグループ分け
スクリーニングした40匹の動物を秤量し、動物を、それぞれ生理食塩水対照群(空白対照)、デュロキセチン群(陽性対照群)、ガバペンチン群(陽性対照群)およびI-23群(本発明の化合物)の4グループに分ける。
3.サンプルの配置
被験化合物は、投与日に新たに調製する。0.9%NaCl生理食塩水溶液を溶媒備蓄用として調製し、適切な量の被験化合物を必要な量の生理食塩水に加え、十分に懸濁し、薬物濃度を1mg/mlに調整する。マウスの標準投与量は、10mL/kg(即ち、0.1mL/10g)である。
4.動物への投与
腹腔投与し、投与前に動物に飲食を禁止する必要はない。投与量は、10mL/kgである。デュロキセチンおよびI-23の投与量は、10mg/kgであり、ガバペンチンの投与量は、100mg/kgである。
5.ホットプレート実験の観察
ホットプレートの観察指標:55±0.1℃でのホットプレート上のマウスの反応時間(Time latency)。投与3時間前、および投与15分後、30分後、60分後にそれぞれ1回測定しかつ記録する。
6.データの統計および分析
最大可能鎮痛効果%(maximum possible effect、MPE)を使用して、各化合物の鎮痛効果を評価し、即ち、MPE%=[(Post drug latency-baseline latency)/(30-baseline latency)]×100。異なる時点でのMPE%を統計する。MPE%の数値が大きいほど、化合物の鎮痛有効性が強いことを示す。
実験結果
マウスホットプレート疼痛モデルにおける本発明の化合物I-23の鎮痛活性の結果は、図3に示されたとおりである。結果から、生理食塩水対照群と比較して、本発明の化合物I-23は、10mg/kgの投与量下で非常に強力な鎮痛効果を示し、有意差があることが分かる。陽性対照群と比較して、本発明の化合物I-23の鎮痛活性は、60分以内に、100mg/kgのガバペンチンよりも有意に良好であり、10mg/kgのデュロキセチンの鎮痛効果よりも優れる。
さらに、同じ投与量(10mg/kg)下で、化合物I-10およびI-1の鎮痛活性は、すべてガバペンチンおよびデュロキセチンよりも優れる。
ホットプレート疼痛モデルは、急性疼痛に対する薬物の有効性を評価するための古典的なモデルであるため、本発明の化合物は、急性疼痛に対して優れた治療効果を有する。
実施例18
-1薬物動態学試験
本実施例において、デュロキセチンおよび実施例1で調製されたI-1等の化合物のラット薬物動態学特性を試験し、方法は、以下のとおりである。
試験方法:
一定量のサンプルを秤量して脱イオン水に溶解させ、濃度が1mg/mLである溶液を調製する。オスのSDラットを試験動物として使用する。単回静脈内(IV)注射用量は、2mg/kgであり、経口(PO)の投与量は、10mg/kgであり、1グループあたり3匹のラットに投与する。経口群は、投与前に10~14時間絶食させる。投与4時間後に食事を再開する。動物採血時点:静脈内、投与前、投与5分後、15分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後および24時間後、経口、投与前、投与15分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後および24時間後。各動物から毎回約0.25mLの血液を頸静脈から収集し、ヘパリンナトリウムで抗凝固処理する。血液サンプルを収集した後に氷上に置き、遠心分離により血漿を分離する(遠心分離条件:8000rpm、6分間、4℃)。収集した血漿を分析まで~80℃で保存する。50μLの血漿サンプルを1.5mLの遠心チューブに取り、250μLの内部標準溶液を加え(空白群は、内部標準溶液を加えず、同量のメタノールを加える)、ボルテックスで混合し、14000rpmで5分間遠心分離し、200μLの上澄みを96ウェルサンプル注入プレートに加え、LC-MS/MSによってサンプル注入分析する。線形回帰分析は、ピーク面積をy軸、薬物濃度をx軸とする。ピーク面積比と濃度との間の線形関係は、化合物の回帰式から得られる相関係数(R)で表される。薬物の血中濃度データに基づいて、薬物動態学計算ソフトウェアWinNonlin7.0非コンパートメントモデルを使用して、それぞれ被験物質の薬物動態学パラメーターを計算する。
内部標準作業溶液:濃度が490000ng/mLである一定量のトルブタミド内部標準原液を一定量のピペットで取り、メタノールを氷銭まで加えて混合し、濃度が200ng/mLである内部標準作業溶液を調製する。
実験結果
表3に示されるように、各薬物群の平均血中濃度データに従って、薬物動態学計算ソフトウェアWinNonlin7.0非コンパートメントモデルを使用して、それぞれ化合物の各群の薬物動態学パラメーターを計算する。
表3から、2mg/kgの投与量でI-1を静脈内注射した後、サンプリングの最初の時点でピーク濃度(Cmax、170ng/mL)にたっしたのは0.083時間であり、消失半減期(T1/2)は、2.97時間であり、AUC(0~∞)は、449時間*ng/mLであり、5倍量(10mg/kg)で強制経口投与後、3時間でピーク濃度(Cmax、266ng/mL)に達し、消失半減期(T1/2)は、5.69時間であり、AUC(0~∞)は、4016時間*ng/mLであることが分かる。AUC(0~∞)で計算すると、経口バイオアベイラビリティは、179%である。
デュロキセチンが2mg/kgの投与量で静脈内注射された後、0.083時間でピーク濃度(Cmax、177ng/mL)に達し、消失半減期(T1/2)は、1.77時間であり、AUC(0~∞)は、449時間*ng/mLであり、5倍量(10mg/kg)で強制経口投与後、0.83時間でピーク濃度(Cmax、76ng/mL)に達し、消失半減期(T1/2)は、1.81時間であり、AUC(0~∞)は、222h*ng/mLである。AUC(0~∞)で計算すると、経口バイオアベイラビリティは、9.9%である。
上記の結果から、式Iの構造を有する本発明の化合物(例えば、化合物I-1)は、デュロキセチンよりも優れた薬物動態学特性を有し、その半減期が長く、血漿中の露出が高く、バイオアベイラビリティが優れ、経口投与適する薬物の開発に適し、良好な創薬の見通しを有することが分かる。
実施例19
マウスICSモデルによって、線維筋痛症に対する実施例1で調製された化合物I-1の治療効果を観察する。
実験方法
1.実験のグループ分け
実験群は、溶媒対照群、10mg/kgデュロキセチン群(陽性対照群)および10mg/kg化合物I-1群(実施例1で調製された化合物)に分ける。
2.化合物の調製
10mg/kgデュロキセチン:17mgのデュロキセチンを秤量し、生理食塩水で溶解させて8.5mLに希釈し、完全に溶解後に強制経口投与し、投与量は、5mL/kgである。
10mg/kgI-1:17mgのI-1を秤量し、生理食塩水で溶解させて8.5mLに希釈し、完全に溶解後に強制経口投与し、投与量は、5mL/kgである。
3.動物
オスのC57BL/6マウスを選択し、実験開始時の体重は、18~22gであり、各ケージに4匹のマウスを割り当て、自由に飲食摂取できる。各実験組は、12匹のマウスであり、動物テールマーキング法によって実験マウスをマーキングする。
4.実験方法
4.1.モデルの構築
0日目:午後4時30分に、マウスをステンレスメッシュ付きの有機ガラスボックスに入れ、次に有機ガラスボックスを冷庫(温度4±2℃)に一晩入れる。自由に飲食し、かつ寒天ブロックで水を代替する。
1日目:午前10時、マウスを室温(温度24±2℃)環境に移し、30分間置き、その後冷庫に移して30分間置く。上記の段階を午後4時30分まで繰り返し、マウスを冷庫に一晩入れる。
2日目:1日目の操作を繰り返す。
3日目:午前10時に冷庫からマウス移す。
4.2.投与
化合物は、実験スケジュールで経口投与し、投与量は、10mg/kgである。
4.3.機械的アロディニア試験
モデリングご4日目に、動物を投与前に機械的アロディニアについて試験し、PWT値が0.5gを超える動物を正式な実験から除外する。モデリング後5日目に、化合物投与後0.5時間、1時間、2時間で、動物に対して機械的アロディニア試験を行う。
機械的アロディニア試験方法は、以下のとおりである。
マウスを有機ガラスボックスに別個に置き、マウスの足を試験できるように、ボックスの底にグリッドがある。試験前にマウスを15分間順応する。順応完了後、試験線維を使用してマウスの左後足の裏の中心で試験する。試験線維は、2.36(0.02g)、2.44(0.04g)、2.83(0.07g)、3.22(0.16g)、3.61(0.4g)、3.84(0.6g)、4.08(1g)、4.17(1.4g)の八つの試験強度を含む。試験中に、試験線維を皮膚に対して垂直に押し付け、線維を6~8秒間曲げ、各試験の間隔は、5秒である。試験中に、動物を足を素早く引き込む反応を疼痛反応と記録する。試験線維が動物の皮膚から離れた時に足を収縮する反応を疼痛反応と記録する。動物が移動または歩行する場合、疼痛反応と記録せず、試験を繰り返す必要がある。試験する時は、まず3.22(0.16g)を使用し、動物に疼痛反応がある場合、次の試験は、強度の低い試験線維を使用し、動物に疼痛反応がない場合、次の試験は、強度の高い試験線維を使用する(Chaplan et al.1994)。試験線維の最大の強度は、4.17(1.4g)である。
試験結果は、以下の表4に記録されたとおりであり、疼痛反応がある場合にXと記録し、疼痛反応がない場合にOと記録する。
機械的アロディニアは、次の式を使用して計算する。
50%反応閾値(g)=(10(Xf+k))/10000
Xf=試験で使用される最終的な試験線維値
k=表の値(Chaplan et al.1994、page62)
d=平均差
5.データの収集および分析
Excelソフトウェアを使用してデータを収集し、Prismソフトウェアを使用してデータを分析する。足引っ込め閾値(PWT)の数値が高いほど、化合物の鎮痛有効性が強くなることを示す。
実験結果
マウスICSモデルにおける化合物I-1の鎮痛活性結果は、表5および図4に示されたとおりである。
表5および図4から、本発明の化合物I-1は、10mg/kgの投与量下で非常に強力な鎮痛効果を示し、1時間および2時間の経口投与後にICSモデルによって誘発される機械的アロディニアを阻害することができることが分かる。陽性対照群と比較して、化合物I-1は、0.5時間、1時間および2時間の試験時間で、デュロキセチンよりも優れた鎮痛効果を示す。マウスICSモデルは、線維筋痛症治療の効果を評価するための古典的なモデルであるため、本発明の化合物I-1は、線維筋痛症に対して優れた治療効果を有する。
実施例.20
マウス酢酸の身もだえ痛のモデルによって、内蔵痛、炎症性疼痛に対する実施例1で調製された化合物I-1の治療効果を観察する。
実験方法
22~25gであるオスのICRマウスを取り、投与前に2時間絶食し、水を禁止ない、すべてのICRマウスを秤量し、ランダムグループ分けし、各動物群の数は、>10匹である。陰性対照群は、生理食塩水群(ビヒクル、空白対照)であり、陽性対照群は、投与量10mg/kgのインドメタシン(非ステロイド抗炎症薬)、投与量10mg/kgのアニソダミン(臨床上で鎮痛活性を有する鎮痙薬)、投与量10mg/kgおよび20mg/kgのデュロキセチンに設定される。試験化合物は、I-1(実施例1で調製された化合物)であり、投与量は、5mg/kgおよび10mg/kgとする。マウスの体重に応じて強制経口投与する。投与1時間後に1.5%酢酸溶液を腹腔内注射し(0.1ml/10g)、その後30分間内の各群のマウスの内蔵痛の回数を観察し、マウスに、腹部の凹み、体幹および後足の伸長、臀部の上りを1回と記録し、30分内に上記の現象の回数を最終的に統計する。投与後のマウスの内蔵痛の回数が少ないほど、化合物の鎮痛有効性が強力であることを示す。
実験結果
マウス酢酸の身もだえ痛のモデル試験は、図5に示されたとおりであり、図5から、本発明の化合物I-1(5mg/kgおよび10mg/kg)の1回の強制経口投与は、酢酸によって引き起こされるマウスの身もだえ反応の回数を顕著に減少させることができ、生理食塩水群(ビヒクル、空白対照)(49回)と比較して有意差がある。化合物I-1の5mg/kgの投与量では、マウスの身もだえ反応の回数は、20階であり、生理塩対照群の49回の50%よりも低く、化合物I-1の当該モデルの半有効量(ED50)は、5mg/kg未満である。10mg/kg投与量での化合物I-1の鎮痛効果(17回)は、同じ投与量での陽性薬物のインドメタシン(28回)、アニソダミン(27回)およびデュロキセチン(27回)よりも優れ、5mg/kg投与量での化合物I-1の鎮痛効果(20回)は、20mg/kgのデュロキセチンの鎮痛効果に匹敵する(21回)。当該実験は、マウス酢酸の身もだえ痛のモデルにおいて、本発明の化合物I-1の鎮痛活性は、陽性対照薬物よりも有意に優れることを示す。マウス酢酸の身もだえ痛のモデルは、内蔵痛および炎症性疼痛に対する薬物治療有効性を評価する古典的なモデルであるため、本発明の化合物I-1は、内蔵痛および炎症性疼痛に対して優れた治療効果を有する。
実施例21
ラットSNLモデルによって、神経疼痛に対する実施例1で調製された化合物I-1の治療効果を観察する。
実験方法
質量が150g~180gであるSPFグレードのオスのSDラットを取って手術する。手術過程は、無菌的に行われる。ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg、腹腔内注射)で動物を麻酔する。動物の腰の手術部位を剃毛し、ヨードフォアおよび70%エタノールで皮膚を3回消毒する。皮膚が乾いてから手術を開始する。メスを使用して動物の後部腰椎仙骨に縦方向の切開を行い、左傍脊柱筋を露出させ、スペーサーを使用して筋肉組織を分離し、椎骨を露出させる。左の脊髄神経L5およびL6を分離し、6~0シルクで結紮し、傷を縫合する。手術後、動物を電気毛布に置き、脱水を防ぐために5mLの生理食塩水を皮下注射する。動物が完全に目覚めたら(自由に動くことができる)、動物をケージに戻す。
手術後、動物を実験環境で15分間/日、3日間順応させる。投与1日前に、ラットを機械的アロディニアのベースライン試験にかけ、機械的アロディニアを示さない動物(足引っ込め閾値は、5gを超える)を除外し、一つの対照群および二つの実験群にランダムに分ける。
動物の体重を秤量し、投与量で計算し、二つの実験群は、それぞれ100mg/kgガバペンチン(ガバペンチンは、現在臨床現場で神経治療薬の第一選択薬である)および10mg/kgの化合物I-1(実施例1で調製された化合物)を強制経口投与し、対照群は、等量の生理食塩水を強制経口投与する。投与1時間後に、機械的アロディニア試験を行う。ラットを有機ガラスボックスに別個に置き、ラットの足を試験できるように、ボックスの底にグリッドがある。試験前にマウスを15分間順応する。順応完了後、試験線維を使用してラットの左後足の裏の中心で試験する。試験線維は、3.61(0.4g)、3.84(0.6g)、4.08(1g)、4.31(2g)、4.56(4g)、4.74(6g)、4.93(8g)、5.18(15g)の八つの試験強度を含む。試験中に、試験線維を皮膚に対して垂直に押し付け、線維を6~8秒間曲げ、各試験の間隔は、5秒である。試験中に、動物が足を素早く引き込む反応を疼痛反応と記録する。試験線維が動物の皮膚から離れた時に足を収縮する反応を疼痛反応と記録する。動物が移動または歩行する場合、疼痛反応と記録せず、試験を繰り返す必要がある。試験する時は、まず4.31(2g)を使用し、動物に疼痛反応がある場合、次の試験は、強度の低い試験線維を使用し、動物に疼痛反応がない場合、次の試験は、強度の高い試験線維を使用する。試験線維の最大の強度は、5.18(15g)である。
機械的アロディニアは、ラット行動試験における足引っ込め閾値(PWT)として表され、次の式に従って計算される。
50%反応閾値(g)=(10(Xf+k))/10000
Xf=試験で使用される最終的な試験線維値
k=表の値
d=平均差
Excelソフトウェアを使用してデータを収集し、Prism6.01(Graph pad software、Inc.)ソフトウェアを使用してデータを分析する。足引っ込め閾値(PWT)の数値が高いほど、化合物の鎮痛有効性が強くなることを示す。
実験結果
ラットSNLモデルにおける鎮痛活性結果は、表6および図6に示されたとおりである。
表6および図6の結果から、生理食塩水対照群と比較して、本発明の化合物I-1は、10mg/kgの投与量下で非常に強力な鎮痛効果を示し、有意差があることが分かる。陽性対照群と比較して、本発明の化合物I-1の鎮痛活性は、投与後1時間で100mg/kgのガバペンチンの鎮痛効果に匹敵する。ラットSNLモデルは、神経疼痛を治療する薬物の有効性を評価するための古典的なモデルであるため、本発明の化合物I-1は、神経疼痛に対して優れた治療効果を有する。
実施例22
マウスホルマリン疼痛モデルによって、急性疼痛、炎症性疼痛に対する実施例1で調製された化合物I-1の治療効果を監査する。
実験方法
100匹のC57BL/6マウス(オス、9週齢)を取り、マウスを10匹/群、10グループにランダムに分け、マウスホルマリン疼痛モデルにおける二つの化合物鎮痛活性試験を使用され、それぞれ、デュロキセチン群および化合物I-1群(実施例1で調製された化合物)である。実験開始前に、マウスを実験環境に72時間順応させ、期間中に飲食を禁止する必要はない。腹腔内注射方式を使用して被験薬を投与し、投与量は、それぞれ以下のとおりである。
デュロキセチン群:空白ビヒクル(空白生理食塩水対照)、1mg/kg、5mg/kg、10mg/kgおよび20mg/kg。
化合物I-1群:空白ビヒクル(空白生理食塩水対照、デュロキセチン空白群と同じである)、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、5mg/kgおよび10mg/kg。
投与後に、マウスを透明な通気性のある有機ガラスシリンダーに入れ、1時間後に、20μlの4%ホルマリン溶液をマイクロインジェクターで各群のマウスの左後足の裏に駐車し、マイクロカメラリアルタイムでマウスの足部の疼痛反応をリアルタイムで記録する。左足をなめる時間の長さを疼痛反応の指標と視、それぞれ0~10分間(フェーズI)および10~60分間(フェーズII)の二つの期間の足舐め時間を観察および記録し、統計学的分析を行い、三つの化合物の半有効量(ED50)を計算し、ED50とは、空白対照群と比較して、足舐め時間を半分に減少させる薬物投与量を指す。ED50数値が小さいほど、化合物の鎮痛有效投与量が低く、その鎮痛効果が優れることを示す。
実験結果
マウスホルマリンモデルにおける様々な投与量(10~60分間)での化合物I-1およびデュロキセチンの足舐め時間の統計結果は、表7および図7に示されたとおりであり、
表7および図7から、本発明の化合物I-1の1mg/kgの投与量下で、そのフェーズII(10~60分間)足舐め時間は、空白ビヒクルと比較して、50%以上減少し、フェーズII疼痛における鎮痛有効性ED50は、2.22mg/kgであり、フェーズII疼痛におけるデュロキセチンのED50は、8.00mg/kgであることが分かる。同じ投与量下で、本発明の化合物I-1の鎮痛活性は、デュロキセチンよりも顕著に優れる。上記のデータから、,本発明の化合物I-1は、マウスホルマリン疼痛モデルにおいて、極めて強力な鎮痛活性を示すことが分かる。マウスホルマリンモデルは、急性疼痛および炎症性疼痛に対する薬物評価の古典的なモデルであるため、本発明の化合物I-1は、急性疼痛および炎症性疼痛に対して優れた治療効果を有する。
実施例23
実施例1で調製された式I-1の化合物の塩結晶形
XRPD:X線粉末回折、DSC:示差走査熱量測定、TGA:熱重量分析、DVS:動的水分吸着、X線粉末回折分析方法は、PANalytical X線粉末回折分析装置であり、作動電圧:45kVであり、作動電流:40mAであり、Cuターゲットを用いて、X線粉末回折パターンを得る。
示差走査熱量(DSC)分析:装置は、TA Q2000/Discovery DSC500であり、走査速度:10℃/minであり、保護ガスは、窒素ガスである。
熱重量分析(TGA)分析:装置は、TA Q5000/ Discovery TGA5500であり、走査速度:10℃/minであり、保護ガスは、窒素ガスである。
動的水分吸着(DVS)分析:装置は、SMS会社(Surface Measurement Systems)製のDVS Intrinsicであり、温度は、25℃であり、キャリアガス、流速:窒素ガス、200mL/分間であり、単位時間当たりの質量変化:0.002%/分間であり、相対湿度範囲:0%RH~95%RHである。
核磁気共鳴分析:装置は、Bruker 400M核磁気共鳴装置である。
高速液体クロマトグラフィー純度(HPLC)は、Agilent 1260高速液体クロマトグラフで収集される。
モル比を決定するための対イオンのイオンクロマトグラフィー(IC)試験は、Thermo ICS1100によって収集される。
実施例1で調製された式I-1の化合物は、油状物であり、式I-1の化合物の固体形態を得て、油状物のI-1の化合物によって引き起こされる製薬プロセスの困難を克服するために、本発明者らは、懸濁および攪拌の方法によって、塩酸、硫酸、L-アスパラギン酸、マレイン酸、L-ピログルタミン酸、リン酸、L-グルタミン酸、粘液酸、L-(+)-酒石酸、フマル酸、クエン酸、D-グルクロン酸、L-(-)-リンゴ酸、馬尿酸、D-グルコン酸、グリコール酸、乳酸、L-アスコルビン酸、コハク酸、アジピン酸、ラウリン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、マロン酸、安息香酸、S-(+)-マンデル酸、および式I-1の化合物の塩を試験し、結果は、酸配位子によって形成される塩のほとんどが油状またはコロイド状であるのに対し、塩酸、マレイン酸、シュウ酸、粘液酸、フマル酸およびD-グルクロン酸は、固体結晶を形成し、スクリーニングによって得られるこの六つの結晶塩は、TGA、DSC、HPLC、ICまたはH NMRによってさらに特徴付けられる。
式I-1の化合物の遊離塩基の特徴付け:
式I-1の化合物の遊離塩基を出発物質として使用して、他の塩の形態を得る。式I-1の化合物の遊離塩基は、油状物であり、室温条件下で、式I-1の化合物の遊離塩基の11種の一般的な溶媒への溶解度を試験する。実験中に、約2mgのI-1の化合物の油状サンプルを3-mLのバイアルに秤量し、対応する溶媒を徐々に加え(50、50、200、700μL)、溶液が透明になるまで振とうする。溶媒を1mLに加えても溶解させない場合、溶媒を加えない。固体サンプルの質量、添加した溶媒の量、および観察された溶解現象に基づいて計算された大まかな溶解範囲は、表8に示されたとおりであり、当該データは、スクリーニング実験での溶媒の選択の参照になる。
式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aの調製方法:
292gの式I-1の化合物の遊離塩基を秤量し、4.4Lの酢酸エチル溶液に加え、攪拌し、氷水浴で5~15℃に冷却し、37%の濃塩酸をゆっくりと滴下し、系のpHを7に調節し、攪拌しながら5分間反応させ、固体が析出され、ろ過し、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄し、フィルターケーキをオーブン(40~45℃)に入れて、重量が一定になるまで乾燥させ、193gの塩酸塩結晶を得、収率は、58.88%である。
本実施例で得られた式I-1の化合物の塩酸塩結晶形AのX線粉末回折データは、表9に示されたとおりであり、XRPD図は、図8に示されたとおりであり、TGA/DSCオーバーレイ図は、図9に示されたとおりである。
図9から、示差走査熱量測定図は、式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aが141.8℃付近まで加熱すると、吸熱ピークを示し始めることを示し、熱重量分析図は、結晶形Aが120℃に加熱すると、約1.1%の重量損失を有することが分かる。
塩酸塩結晶形Aの可変温度XRPD試験結果は、図10に示されたとおりである。塩酸塩結晶形Aに対して、窒素ガスでパージし、窒素ガス保護下で高温に加熱し、かつ30℃に冷却した後に結晶形の変化は観察されず、塩酸塩結晶形Aは、無水結晶形であることを示す。さらなるHPLC/IC結果は、遊離塩基/酸のモル比が1:1であることを示す。
式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形Bの調製方法:
1)298.7mgのI-1の化合物の遊離塩基および124.7mgのマレイン酸を、20mLのガラスバイアルに秤量する。
2)15mLの酢酸エチルを加えて懸濁液を形成し、室温下でマグネチックスターラーに置き、750rpmの速度で6日間攪拌する。
3)懸濁液を吸引ろ過し、室温で真空乾燥させて、約224.2mgの固体を収集し、収率は、53.0%である。
本実施例で得られた式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形BのX線粉末回折データは、表10に示されたとおりであり、XRPD図は、図11に示されたとおりであり、TGA/DSCオーバーレイ図は、図12に示されたとおりである。
図12から、示差走査熱量測定図は、式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形Bが105.8℃付近に加熱すると吸熱ピークを示し始めることを示し、熱重量分析図は、結晶形Bが80℃に加熱すると約0.8%の重量損失を有することが分かる。式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形BのH NMRスペクトルは、図13に示されたとおりであり、結果は、遊離塩基/酸のモル比が1:1であることを示す。マレイン酸塩結晶形Bの可変温度XRPD試験結果は、図14に示されたとおりである。マレイン酸塩結晶形Bに対して窒素ガスでパージし、窒素ガス保護下で80℃に加熱した後結晶形変化が観察されず、マレイン酸塩結晶形Bは、無水結晶形であることを示す。
式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形Cの調製方法:
1)300.2mgの式I-1の化合物の遊離塩基および94.2mgのシュウ酸を、20mLのガラスバイアルに秤量する。
2)15mLの酢酸エチルを加えて懸濁液を形成し、室温下でマグネチックスターラーに置いて、750rpmの速度で6日間攪拌する。
3)懸濁液を吸引ろ過し、室温下で真空乾燥させた後に収集して、約309.5mgの固体を得、収率は、78.5%である。
本実施例で得られたI-1の化合物のシュウ酸塩結晶形CのX線粉末回折データは、表11に示されたとおりであり、XRPD図は、図15に示されたとおりであり、TGA/DSCオーバーレイ図は、図16に示されたとおりである。
図16から、示差走査熱量測定図は、式I-1の化合物の結晶形Cが152.2℃付近に加熱すると吸熱ピークを示し始めることを示し、熱重量分析図は、結晶形Cが100℃に加熱すると約1.0%の重量損失を有することが分かる。
HPLC/IC結果は、当該サンプルにおける遊離塩基/酸のモル比は、1:1であることを示す。シュウ酸塩結晶形Cの可変温度XRPD試験結果は、図17に示されたとおりである。シュウ酸塩結晶形Cに対して、窒素ガスをパージし、窒素ガス保護下で100℃に加熱した後に結晶形変化は観察されない。
式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形Dの調製方法:
1)約7.4mgの粘液酸をHPLCバイアルに秤量し、0.5mLの式I-1の化合物の遊離状態サンプルのEtOAcストック溶液(40mg/mL)を加えた後、于50℃の温度下で1日間磁気攪拌し、固体が析出された後、遠心分離し、室温下で真空乾燥させて、式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形Dを得る。
本実施例で得られた式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形DのX線粉末回折データは、表12に示されたとおりであり、XRPD図は、図18に示されたとおりであり、TGA/DSCオーバーレイ図は、図19に示されたとおりである。
図19から、示差走査熱量測定図は、式I-1の化合物の結晶形Dが140.9℃付近に加熱すると吸熱ピークを示し始めることを示し、熱重量分析図は、結晶形Dが100℃に加熱すると約1.45%の重量損失を有することが分かる。
式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形DのH NMRスペクトルは、図20に示されたとおりであり、結果は、当該サンプルにおける遊離状態と粘液酸とのモル比が2:1であることを示す。
式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形Eの調製方法:
1.約8.3mgのフマル酸をHPLCバイアルに秤量し、0.5mLの式I-1の化合物の遊離状態サンプルのEtOAcストック溶液(40mg/mL)を加えた後、室温下で約4日間磁気攪拌する。
2.遠心分離により固体を分離し、室温下で真空乾燥させる。
本実施例で得られた結晶形EのX線粉末回折データは、表13に示されたとおりであり、XRPD図は、図21に示されたとおりであり、TGA/DSCオーバーレイ図は、図22に示されたとおりである。
図22から、示差走査熱量測定図は、式I-1の化合物の結晶形Eは、76.5℃付近に加熱すると吸熱ピークを示し始めることを示し、熱重量分析図は、結晶形Eが80℃に加熱すると約2.17%の重量損失を有することが分かる。
式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形EのH NMRスペクトルは、図23に示されたとおりであり、結果は、当該サンプルにおける遊離状態とフマル酸とのモル比が1:1であることを示す。
式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形Fの調製方法:
約13.5mgのD-グルクロン酸をHPLCバイアルに秤量し、0.5mLの遊離状態I-1の化合物のアセトニトリルストック溶液(40mg/mL)を加えた後、室温下で約4日間磁気攪拌し、遠心分離により固体を分離し、室温下で真空乾燥させる。
本実施例で得られた結晶形FのX線粉末回折データは、表14に示されたとおりであり、XRPD図は、図24に示されたとおりであり、TGA/DSCオーバーレイ図は、図25に示されたとおりである。
図25から、示差走査熱量測定図は、式I-1の化合物の結晶形Fが119.1℃付近に加熱すると吸熱ピークを示し始めることを示し、熱重量分析図は、結晶形Fが100℃に加熱すると約2.71%の重量損失を有することを示す。
実施例24
本実施例は、実施例23で調製された式I-1の化合物の塩結晶形の特性を観察する。
式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aおよびマレイン酸塩結晶形Bの吸湿性実験:
動的水分吸着(DVS)装置によってその吸湿性を試験し、結果は、図26および図28に示されたとおりであり、塩酸塩結晶形Aおよびマレイン酸結晶形Bの25℃/80RH条件下での重量変化は、0.2%未満であり、それは、両方とも吸湿性がないことを示し、塩の形態は、保存が簡単で、乾燥した状態で保存する必要がないことを示す(2015年版中国薬典(医薬品吸湿性試験ガイドライン)を参考する)。さらなるXPRD試験の結果は、図27および図29に示されるように、塩酸塩結晶形Aおよびマレイン酸塩結晶形Bは、DVS試験前後で結晶形の変化が観察されないことを示し、これは、I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aおよびマレイン酸結晶形Bは、高湿度環境において安定であることを示す。
式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aおよびマレイン酸塩結晶形Bの動的溶解度:
式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aおよびマレイン酸塩結晶形Bは、それぞれpH1.9 SGF(胃液を模擬する)、pH6.5 FaSSIF(空腹時の人工腸液を模擬する)、pH5.0 FeSSIF(接触状態の人工腸液を模擬する)および水で飽和溶液を調製し、37℃下での動的溶解度を試験する。実験中に、H2O、SGF、FaSSIF中の塩酸塩結晶形Aの初期投与量は、約20mg/mLであり、FeSSIF中の初期投与量は、約40mg/mLである。HO、SGF、FaSSIFおよびFeSSIF中のマレイン酸塩結晶形Bの初期投与量は、約10mg/mLである。サンプルを密封して回転速度が25rpmである回転ディスクに固定し、回転ディスクを37℃のインキュベーターに入れる。サンプルをそれぞれ平衡化の1、4および24時間の時点で採取し、ろ液を分離してHPLC濃度を試験する。結果は、表15に示されたとおりである。
式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aおよびマレイン酸塩結晶形Bは、優れた溶解度を有し、水への溶解度は、遊離形態のI-1の化合物よりも有意に高く、薬物の吸収および創薬性を向上させるのに有益であることが分かる。
式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aおよびマレイン酸塩結晶形Bの固体安定性研究:
式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aおよび式I-1の化合物のマレイン酸結晶形Bをそれぞれ約10mg秤量して、HPLCバイアルに加え、瓶の口をシールで密閉し、膜に10個の小さな穴を開け、バイアルを25℃/60%RHおよび40℃/75%RHの環境に4週間置き、1週間目および4週間目にそれぞれサンプルを採取し、サンプルの純度(HPLC分析を使用する)および結晶形(X線粉末回折分析を使用する)を観察する。二つの塩の形態の結晶を1週間および4週間置いた後、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)純度は、有意に低下せず、かつ結晶形の変化は観察されず、物理的および科学的安定性は、良好である。配置前後の安定性サンプルのXRPD比較図は、図30~図31に示されたとおりである。
式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aの水中の平衡溶解度試験
室温条件下で、式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aに対して、水中で24時間平衡溶解度試験を行い、~300mg/mLの固体供給量で供給し、水中で24時間磁気攪拌(750rpm)して懸濁液を得、遠心分離した後に上澄みを0.22ミクロンのPTFEフィルター膜でろ過してからHPLC試験を行い、得られた固体をXRPD試験を行う。結果は、固体結晶形が平衡溶解度試験後に変化しないことを示す。水での塩酸塩結晶形Aの溶解度は、210.5mg/mLである(遊離状態濃度、塩酸塩に換算する濃度は、237.3mg/mLである)。
実施例25
本実施例は、実施例23で調製された式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aの絶対配置を観察する。
検出装置:D8 Venture
装置モデル:D8 Venture
装置のパラメーター:
光源:Moターゲット
X線:Mo-Kα(=0.71073A)
検出器:CMOS表面検出器
解像度:0.80A
電流電圧:50kV、1.4A
露出時間:3秒
表面検出器からサンプルまでの距離:40mm
試験温度:173(2)K
構造の解析および改良のプロセス:
SAINTプログラムを使用して、回折データを統合および復元した後、SADABSプログラムを使用して、データを経験的に吸収および修正し、SHELXT2014を用いて直接法により単結晶構造を解析し、最小二乗法により構造を精密化し、水素原子の精密化過程は、等方性計算で求め、N上の水素原子は、残留電子密度で求め、C-H上の水素原子は、計算水素化で求め、ライディングモデルを用いて精密化する。Flack定数は、-0.09(5)であり、実施例23で調製された式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aの手性中心C4は、S配置であることが確認できる(図32に示されたとおりである)。
実施例26
TRPM8、TRPV1およびTRPV4チャネルに対する実施例1で調製された式I-1の化合物の効果の手動パッチクランプ検出
(1)細胞の培養および処理
TRPM8細胞を直径35mmの細胞培養皿で培養し、37℃、5%COのインキュベーターに入れて培養し、48時間ごとに1:5の比率で継代し、培地処方:90%DMEM(Invitrogen)、10%ウシ胎児血清(Gibco)、2mMのL-グルタミン(glutamine)、50μg/mLのハイグロマイシンB(Invitrogen)および5μg/mLのブラストサイジンHCl(Invitrogen)。電気生理学的パッチクランプ試験の前に、細胞培養液を1μg/mLのDoxycyclinEを含む培地に置き換えて、少なくとも16時間培養してTRPM8発現を誘導する。
TRPV1細胞を直径35mmの細胞培養皿に培養し、37℃、5%COのインキュベーターに入れて培養し、48時間ごとに1:5の比率で継代し、培地処方:90%DMEM(Invitrogen)、10%ウシ胎児血清(Gibco)、2mMのL-グルタミン、50μg/mLのハイグロマイシンB(Invitrogen)および5μg/mLのブラストサイジンHCl(Invitrogen)。電気生理学的パッチクランプ試験の前に、細胞培養液を1μg/mLのDoxycyclinEを含む培地に置き換えて、少なくとも16時間培養してTRPV1発現を誘導する。
TRPV4細胞を直径35mmの細胞培養皿に培養し、37℃、5%COのインキュベーターにいれて培養し、48時間ごとに1:5の比率で継代し、培地処方:90%DMEM(Invitrogen)、10%ウシ胎児血清(Gibco)、2mMのL-グルタミン、50μg/mLのハイグロマイシンB(Invitrogen)および5μg/mLのブラストサイジンHCl(Invitrogen)。電気生理学的パッチクランプ試験の前に、細胞培養液を1μg/mLのDoxycyclinEを含む培地に置き換えて、少なくとも16時間培養してTRPV4発現を誘導する。
試験当日、細胞培養液を吸引し、細胞外液で1回すすいだ後、0.25%Trypsin-EDTA(Invitrogen)溶液を加え、室温下で1~2分間消化する。消化液を吸引し、細胞を細胞外液で再懸濁した後に電気生理学的記録のために細胞を実験皿に移して備蓄する。
(2)化合物の準備
メンソール(Menthol)の準備:100.00mMのメンソールDMSOストック溶液を細胞外液に加え、1000倍に希釈して100.00μMのメンソール溶液にする。
AMTBの準備:5μLの20.00mM AMTB DMSOストック溶液を4995μLの100.00μM メンソール溶液に加え、1000倍希釈して試験に必要とする20.00μM AMTBの最終濃度を得る。
カプサイシン(Capsaicin)の準備:1.00mMのカプサイシンDMSOストック溶液を細胞外液に加え、1000倍希釈して1.00μMのカプサイシン溶液にする。
カプサゼピン(Capsazepine)の準備:5μLの10.00mM カプサゼピンDMSOストック溶液を取って4995μLの1.00μM カプサイシン溶液に加え、1000倍希釈して試験に必要とする10.00μM カプサゼピン溶液の最終濃度を得る。
GSK1016790Aの準備:30.00μMのGSK1016790A DMSOストック溶液を取って細胞外液に加え、1000倍希釈して30.00nM GSK1016790A溶液にする。
RR(Ruthenium Red(ルテニウムレッド))の準備:20μLの10.00mM RR ddHOストック溶液を取って4980μLの30.00 nM GSK1016790A溶液に加え、250倍希釈して試験に必要とする40.00μMのRR溶液の最終濃度を得る。
-1の準備:20.00mMまたは10.00mMのI-1ストック溶液を取って対応するチャネルのアゴニスト溶液に加え、1000または2000倍希釈して試験に必要とする10.00mM LDS溶液の最終濃度を得る。
最終試験濃度におけるDMSOの含有量は、0.2%を超えず、この濃度のDMSOは、チャネル電流に対して影響を与えない。
(3)電気生理学的記録プロセス
TRPチャネルを安定的に発現するHEK293細胞では、室温下で全細胞パッチクランプ技術によって、対応するアゴニスト誘発性チャネル電流を記録する。ガラス微小電極は、ガラス電極ブランク(BF150-86-10、Sutter)から描画機(P97、Sutter)によって描画され、電極駅の灌流後の先端抵抗は、約2~5MΩであり、ガラス微小電極をアンププローブに挿入することでパッチクランプアンプに接続できる。クランプ電圧およびデータ記録は、pClamp 11ソフトウェアを介してコンピューターによって制御および記録され、サンプリング周波数は、10kHzであり、フィルター周波数は、2kHzである。全細胞記録を得た後、細胞は、0mVでクランプされ、300msのランプ電圧は、~100mVから+100mVであり、2秒ごとにこの電圧刺激を印加し、アゴニストによってチャネル電流を誘導し、電流が40秒以上誘導された後、薬物投与プロセスが開始され、減衰が確認される。各試験濃度は、少なくとも20秒間与えられ、濃度ごとに少なくとも三つの細胞が試験される(n≧3)。
(4)データ処理
データ分析および処理は、pClamp11、GraphPad Prism5およびExcelソフトウェアを使用する。異なる化合物濃度によるTRPチャネル電流(+100mV時に誘発される電流振幅)の阻害程度は、次の式を使用して計算される。
阻害(Inhibition)%=[1-(I/Io)]×100%
ここで、阻害%は、化合物による電流の阻害率を表し、IおよびIoは、それぞれ投与前後の電流の振幅を表す。
(5)試験結果
TRPM8、TRPV1およびTRPV4チャネルを安定的に発現するHEK293細胞では、10.00μM濃度での三つのチャネル電流に対する式I-1の化合物の阻害率は、それぞれ41.07%、22.48%および4.68%であり(50%未満の阻害率は、化合物がTRPM8に対して10μMを超えるIC50を有することを示す)、対応する陽性化合物AMTB、カプサゼピンおよびRRの阻害率は、すべて90%以上である。上記の結果から、化合物I-1は、TRPA1特異的阻害剤であることが分かる。
本発明で言及されたすべての文書は、あたかも各文書が個別に参照として引用されたかのように、本出願における参照として引用される。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も、本出願の添付の請求範囲によって定義される範囲に含まれる。

Claims (15)

  1. 式Iの化合物の調製方法であって、
    前記方法は、以下のような段階を含み:
    (1)第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬の存在下で、式aの化合物と式bの化合物とを反応させて、式Iの化合物を得、
    ここで、
    環Aは、置換または非置換の4~12員炭素環、置換または非置換の4~12員複素環、置換または非置換の5~12員ヘテロ芳香環、置換または非置換のC~C12芳香環であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
    XおよびYは、それぞれ独立して、炭素原子、酸素原子、硫黄原子または窒素原子であり、
    は、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
    は、ハロゲンであり、
    、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基,置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
    Wは、OまたはSであり、
    nは、1、2または3であり、
    ここで、前記任意の「置換」とは、基上の1~4個(好ましくは1、2、3または4個)の水素原子が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、=O、C~Cカルボキシル基、C~Cエステル基、C~Cアミド基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、ベンジル基、C~C12アリール基、5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される置換基によって置換されることを指し、
    ここで、前記複素環、ヘテロ芳香環およびヘテロアリール基は、それぞれ独立して、N、OおよびSから選択される1~3個(好ましくは1、2または3個)のヘテロ原子を有し、
    第1の触媒は、ヨウ化カリウムであることを特徴とする、前記式Iの化合物の調製方法。
  2. 式I-1の化合物の調製方法であって、
    前記方法は、以下のような段階を含み:
    (1)第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬の存在下で、式aの化合物と式bの化合物とを反応させて、式Iの化合物を得、
    (2)第2の溶媒において、第2の塩基試薬の存在下で、式Iの化合物と式cに示されるN-脱メチル化試薬とを反応させて、式I-aの化合物を得、
    (3)第3の溶媒において、第3の塩基試薬の存在下で、式I-aの化合物を加水分解反応させて、式I-1の化合物を得、
    ここで、
    環Aは、置換または非置換の4~12員炭素環、置換または非置換の4~12員複素環、置換または非置換の5~12員ヘテロ芳香環、置換または非置換のC~C12芳香環であり、
    およびRは、それぞれ独立して、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~Cシクロアルキル基であり、
    XおよびYは、それぞれ独立して、炭素原子、酸素原子、硫黄原子または窒素原子であり、
    は、水素、ハロゲン、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
    は、ハロゲンであり、
    、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC~C12アルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基,置換または非置換の5~12員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~C12アリール基であり、
    12は、置換または非置換のC~Cアルキル基、置換または非置換のC~C12シクロアルキル基、置換または非置換のC~C16アリール基、置換または非置換の5~16員ヘテロアリール基、置換または非置換のC~Cアルキル-W-、置換または非置換のC~C12シクロアルキル-W-、置換または非置換のC~C16アリール-W-、置換または非置換の5~16員ヘテロアリール-W-であり、
    13は、ハロゲンであり、
    Wは、OまたはSであり、
    nは、1、2または3であり、
    ここで、前記任意の「置換」とは、基上の1~4個(好ましくは1、2、3または4個)の水素原子が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cシクロアルキル基、C~Cハロゲン化アルキル基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシル基、=O、C~Cカルボキシル基、C~Cエステル基、C~Cアミド基、C~Cアルコキシ基、C~Cハロゲン化アルコキシ基、ベンジル基、C~C12アリール基、5~10員ヘテロアリール基からなる群から選択される置換基によって置換されることを指し、
    ここで、前記複素環、ヘテロ芳香環およびヘテロアリール基は、それぞれ独立して、N、OおよびSから選択される1~3個(好ましくは1、2または3個)のヘテロ原子を有し、
    第1の触媒は、ヨウ化カリウムであることを特徴とする、前記式I-1の化合物の調製方法。
  3. 前記方法は、以下のような段階を含み:
    (1)第1の溶媒において、第1の触媒および第1の塩基試薬の存在下で、式iの化合物と式iiの化合物とを反応させて、式I-8の化合物を得、
    (2)第2の溶媒において、第2の塩基試薬の存在下で、式I-8の化合物とクロロギ酸フェニルとを反応させて、式iiiの化合物を得、
    (3)第3の溶媒において、第3の塩基試薬の存在下で、式iiiの化合物を加水分解反応させて、式I-1の化合物を得ることを特徴とする
    請求項2に記載の方法。
  4. 式I-1の化合物の塩酸塩または塩酸塩結晶形Aであって、
    前記塩酸塩結晶形AのX線粉末回折パターンは、18.27±0.2°、21.27±0.2°、22.89±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記式I-1の化合物の塩酸塩または塩酸塩結晶形A。
  5. 前記塩酸塩結晶形Aは、10.09±0.2°、11.25±0.2°、16.85±0.2°、18.27±0.2°、21.27±0.2°、21.84±0.2°、22.20±0.2°、22.89±0.2°、23.86±0.2°、25.40±0.2°、26.76±0.2°、28.18±0.2°、28.75±0.2°、32.57±0.2°からなる群から選択される一つまたは複数の2θ値に特徴的なピークを有することを特徴とする
    請求項4に記載のI-1の化合物の塩酸塩または塩酸塩結晶形A。
  6. 前記塩酸塩結晶形AのX線粉末回折パターンは、一つまたは以下からなる群から選択される2θ値に特徴的なピークおよびピーク強度を有することを特徴とする
    請求項4に記載のI-1の化合物の塩酸塩または塩酸塩結晶形A。
  7. 前記塩酸塩結晶形Aは、基本的に以下の図8に示されるような特徴的なX線粉末回折ピークを有することを特徴とする
    請求項4に記載のI-1の化合物の塩酸塩または塩酸塩結晶形A。
  8. 前記I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aは、以下からなる群から選択される一つまたは複数の種の特徴的なピークを有し、
    前記塩酸塩結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)図は、141.8±5℃(好ましくは±4℃、±3℃、±2℃または±1℃)に加熱すると吸熱ピークを示し始め、
    前記塩酸塩結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)図は、基本的に以下の図9に示されたとおりであり、
    前記塩酸塩結晶形Aの熱重量分析(TGA)図は、120℃に加熱した時に約1.1±0.5%(好ましくは±0.4%、±0.3%、0.2%または0.1%)の重量損失を有し、および/または
    前記塩酸塩結晶形Aの熱重量分析(TGA)図は、基本的に図9に示されたとおりであることを特徴とする
    請求項4に記載のI-1の化合物の塩酸塩または塩酸塩結晶形A。
  9. 請求項4に記載のI-1の化合物の塩酸塩結晶形Aを調製する方法であって、
    前記方法は、以下のような段階を含み:
    (a)式I-1の化合物と第1の有機溶媒とを混合した後、5~15℃下で塩酸を滴下して、系のpHを6~8に調節し、反応により固体を析出し、ろ過して、式I-1の化合物の塩酸塩結晶形Aを得、
    前記第1の有機溶媒は、酢酸エチルを含むことを特徴とする、前記請求項4に記載のI-1の化合物の塩酸塩結晶形Aを調製する方法。
  10. 式I-1の化合物のマレイン酸塩またはマレイン酸塩結晶形Bであって、
    前記マレイン酸塩結晶形BのX線粉末回折パターンは、19.23±0.2°、24.04±0.2°、24.70±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記式I-1の化合物のマレイン酸塩またはマレイン酸塩結晶形B。
  11. 式I-1の化合物のシュウ酸塩またはシュウ酸塩結晶形Cであって、
    前記シュウ酸塩結晶形CのX線粉末回折パターンは、14.64±0.2°、22.05±0.2°、25.61±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記式I-1の化合物のシュウ酸塩またはシュウ酸塩結晶形C。
  12. 式I-1の化合物の粘液酸塩または粘液酸塩結晶形Dであって、
    前記粘液酸塩結晶形DのX線粉末回折パターンは、3.79±0.2°、11.28±0.2°、19.48±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記式I-1の化合物の粘液酸塩または粘液酸塩結晶形D。
  13. 式I-1の化合物のフマル酸塩またはフマル酸塩結晶形Eであって、
    前記フマル酸塩結晶形EのX線粉末回折パターンは、14.17±0.2°、18.95±0.2°、23.76±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記式I-1の化合物のフマル酸塩またはフマル酸塩結晶形E。
  14. 式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩またはD-グルクロン酸塩結晶形Fであって、
    前記D-グルクロン酸塩結晶形FのX線粉末回折パターンは、4.77±0.2°、16.13±0.2°、19.53±0.2°の2θ角に特徴的なピークを有することを特徴とする、前記式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩またはD-グルクロン酸塩結晶形F。
  15. 請求項4に記載の式I-1の化合物の塩酸塩結晶形A、請求項10に記載の式I-1の化合物のマレイン酸塩結晶形B、請求項11に記載の式I-1の化合物のシュウ酸塩結晶形C、請求項12に記載の式I-1の化合物の粘液酸塩結晶形D、請求項13に記載の式I-1の化合物のフマル酸塩結晶形E、または請求項14に記載の式I-1の化合物のD-グルクロン酸塩結晶形Fの使用であって、
    (a)一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)阻害剤の調製、および/または(b)一過性受容体電位型チャンネルタンパク質(TRP)に関連する疾患を予防および/または治療するための薬物の調製に用いられることを特徴とする、前記使用。
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