JP7444115B2 - サーボパターン記録方法、サーボパターン記録装置、テープ状磁気記録媒体の製造方法、テープ状磁気記録媒体及びサーボライトヘッド - Google Patents

サーボパターン記録方法、サーボパターン記録装置、テープ状磁気記録媒体の製造方法、テープ状磁気記録媒体及びサーボライトヘッド Download PDF

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Description

本技術は、磁性層へサーボパターンを書き込むためのサーボパターン記録方法、サーボパターン記録装置、サーボパターンが記録された磁性層を有するテープ状磁気記録媒体及びその製造方法、並びにサーボライトヘッドに関する。
近年、電子データのバックアップなどの用途で磁気記録媒体が広く利用されている。磁気記録媒体の一つとして、例えば磁気テープカートリッジは、大容量・長期保存が可能なことから、ビッグデータ等の蓄積媒体としてますます注目が集まっている。
例えば、LTO(Linear Tape Open)規格の磁気テープにおける磁性層には、テープ長手方向に平行な複数のデータバンドが設けられており、これら複数のデータバンド内の複数の記録トラックに対してデータが記録される。さらに当該磁気テープには、テープ長手方向に平行な複数のサーボバンドが設けられており、各データバンドは複数のサーボバンド間に挟み込まれるように磁性層に配置される。各サーボバンドには、各記録トラックに対する記録再生ヘッドの位置決め(トラッキング)制御を実行し、更には、テープ情報やデータバンドを特定するためのサーボバンド識別情報が埋め込まれた所定形状のサーボパターンが記録されている。
LTO規格で採用されるタイミングベースサーボ方式のドライブシステムにおいては、非平行サーボパターンと時間変数または距離変数を使用してヘッド位置を識別するサーボ技術が用いられる。非平行サーボパターンとしては、典型的には、テープ長手方向に配列される2個の異なる方位角傾斜(azimuthal slope)を含む。この種のドライブシステムは、サーボパターンを読み取ることで、位置誤差信号(PES:Position Error Signal)を生成し、記録トラックに対してドライブヘッドを適切に位置決めする。
現在のリニアサーペンタイン方式のテープシステムにおいて記録密度を高める必要がある中、データバンド密度の向上が重要な課題となっている。
例えばLTOにおいては、カートリッジ容量が30TBを超えるような記録密度になると、テープ状磁気記録媒体においては、温湿度環境の変化などによりテープ状磁気記録媒体のテープ長さと幅が変形したり、クリープ現象により長時間をかけて形状変形する。このため、容易にテープ状磁気記録媒体のデータバンド密度を上げることが難しい。
テープ状磁気記録媒体の形状変形を少なくするためには、データバンドの幅を狭めることが良いと考えられる。データバンドの幅を狭めるには、データバンドの本数を増やすことになる。データバンドの本数を増やすには、データバンド間のサーボバンドの本数を増やすことになる。
複数のデータバンドのうち何れのデータバンドを走行しているかを認識可能とするため、データバンドと交互に設けられるサーボバンドに、サーボバンドを特定する位置情報が書き込まれる。特許文献1は、複数のサーボバンドに、時間的に位置をずらして(即ち、異なる位相で)同じサーボパターンを書き込む方式を開示する。一方、特許文献2は、複数のサーボバンドに、時間的に位置をずらさずに(即ち、同位相で)異なるサーボパターンを書き込む方式を開示する。
特表2011-523487号公報 特許第6648855号公報
書き込み位置を時間的にずらす方式(特許文献1)で、何れのデータバンドを走行しているかを認識するためには、時間方向に(サーボバンド数/2)通り、(サーボバンド数-1)パターンのサーボ信号が必要になる。このため、10本以上のサーボバンドに位置情報を書き込む場合、このため、何れのデータバンドを走行しているかを確実に認識するのに時間が掛かる。
一方、サーボ信号内にサーボバンド識別情報を書き込む方式(特許文献2)では、各サーボバンドそれぞれ独立にサーボ信号を書きこむ。1/2インチ(テープ状磁気記録媒体の幅の長さ)に対して10個以上の独立した書き込みヘッドを並べることはコイルを巻くという点で物理的に難しい。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、データバンドの増加に容易に対応することができるサーボパターン記録方法、サーボパターン記録装置、テープ状磁気記録媒体の製造方法、テープ状磁気記録媒体及びサーボライトヘッドを提供することにある。
本開示の一形態に係るサーボパターン記録方法は、
テープ状磁気記録媒体の長手方向に沿ってサーボパターンを記録する方法であって、
複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第1のサーボパターンを記録すべき3本以上の第1のサーボバンドで構成された第1のサーボバンド群と、前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第2のサーボパターンを記録すべき3本以上の第2のサーボバンドで構成された第2のサーボバンド群と、を決定し、
隣り合う2本のサーボバンドにおいて、第1のサーボリードヘッドで読み出される一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第1の組と、第2のサーボリードヘッドで読み出される他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第2の組との組み合わせが重複しないように、前記第1のサーボバンド群に前記第1のサーボバンド識別情報を記録し、前記第2のサーボバンド群に前記第2のサーボバンド識別情報を記録する。
前記第1のサーボバンド群は、3本以上の連続する第1のサーボバンドで構成され、前記第2のサーボバンド群は、3本以上の連続する第2のサーボバンドで構成されてもよい。
前記サーボパターン記録方法は、前記第1のサーボバンド識別情報及び前記第2のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第3のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第3のサーボパターンを記録すべき3本以上の第3のサーボバンドで構成された第3のサーボバンド群をさらに決定してもよい。
前記第3のサーボバンド群は、3本以上の連続する第3のサーボバンドで構成されてもよい。
前記サーボパターン記録方法は、前記第1のサーボバンド識別情報、前記第2のサーボバンド識別情報及び前記第3のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第4のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第4のサーボパターンを記録すべき3本以上の第4のサーボバンドで構成された第4のサーボバンド群をさらに決定してもよい。
前記第4のサーボバンド群は、3本以上の連続する第4のサーボバンドで構成されてもよい。
本開示の一形態に係るサーボパターン記録装置は、
テープ状磁気記録媒体の長手方向に沿ってサーボパターンを記録する装置であって、
3本以上の連続する第1のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第1の磁気ギャップであって、前記3個以上の第1の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第1の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第1の磁気ギャップを有する第1のヘッドブロックと、
3本以上の連続する第2のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第2の磁気ギャップであって、前記3個以上の第2の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第2の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第2の磁気ギャップを有する第2のヘッドブロックと、
を有するサーボライトヘッドと、
前記第1のヘッドブロックに対して複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報を記録するための第1の記録信号を、且つ、前記第2のヘッドブロックに対して前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報を記録するための第2の記録信号を、同一のタイミングで出力する駆動部と、
を具備する。
前記サーボライトヘッドは、3本以上の連続する第3のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第3の磁気ギャップであって、前記3個以上の第3の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第3の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第3の磁気ギャップを有する第3のヘッドブロックをさらに有し、
前記駆動部は、前記第3のヘッドブロックに対して前記第1のサーボバンド識別情報及び前記第2のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第3のサーボバンド識別情報を記録するための第3の記録信号を前記同一のタイミングでさらに出力してもよい。
前記サーボライトヘッドは、前記第1のヘッドブロックと隣り合わない別の第1のヘッドブロックをさらに有し、前記別の第1のヘッドブロックは、1本又は2本以上の連続する第1のサーボバンドに対応して配置された1個又は2個以上の前記第1の磁気ギャップを有し、隣り合う2個の前記第1のヘッドブロック、前記第2のヘッドブロック、前記第3のヘッドブロック及び前記別の第1のヘッドブロックの組み合わせが全て異なり、
前記駆動部は、前記別の第1のヘッドブロックに対して前記第1の記録信号を前記同一のタイミングでさらに出力してもよい。
前記第1の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第1のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
前記第2の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第2のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
前記駆動部は、前記第1のサーボバンド識別情報と前記第2のサーボバンド識別情報との違いに応じて、前記第1の記録信号と前記第2の記録信号とを互いに異なるパルス立ち上がり時刻で出力してもよい。
前記第1の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第1のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
前記第2の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第2のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
前記第3の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第3のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第3のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
前記駆動部は、前記第1のサーボバンド識別情報、前記第2のサーボバンド識別情報及び前記第3のサーボバンド識別情報との違いに応じて、前記第1の記録信号、前記第2の記録信号及び前記第3の記録信号を互いに異なるパルス立ち上がり時刻で出力してもよい。
前記第1のヘッドブロックは、前記3個以上の第1の磁気ギャップが形成された1個のヘッドブロックであり、
前記第2のヘッドブロックは、前記3個以上の第2の磁気ギャップが形成された1個のヘッドブロックであってもよい。
本開示の一形態に係るテープ状磁気記録媒体の製造方法は、
長手方向に延在する6本以上のサーボバンドを有する磁性層を備えたテープ状磁気記録媒体の製造方法であって、
複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第1のサーボパターンを記録すべき3本以上の第1のサーボバンドで構成された第1のサーボバンド群と、前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第2のサーボパターンを記録すべき3本以上の第2のサーボバンドで構成された第2のサーボバンド群と、を決定し、
隣り合う2本のサーボバンドにおいて、第1のサーボリードヘッドで読み出される一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第1の組と、第2のサーボリードヘッドで読み出される他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第2の組との組み合わせが重複しないように、前記第1のサーボバンド群に前記第1のサーボバンド識別情報を記録し、前記第2のサーボバンド群に前記第2のサーボバンド識別情報を記録する。
本開示の一形態に係るテープ状磁気記録媒体は、
長手方向に延在する複数本のサーボバンドを有する磁性層を具備し、
前記磁性層は、
複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第1のサーボパターンが記録された3本以上の第1のサーボバンドを含む第1のサーボバンド群と、
前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第2のサーボパターンが記録された3本以上の第2のサーボバンドを含む第2のサーボバンド群と、を有し、
隣り合う2本のサーボバンドにおいて、第1のサーボリードヘッドで読み出される一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第1の組と、第2のサーボリードヘッドで読み出される他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第2の組との組み合わせが全て異なる。
前記磁性層は、前記第1のサーボバンド識別情報及び前記第2のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第3のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第3のサーボパターンが記録された3本以上の第3のサーボバンドを含む第3のサーボバンド群をさらに有してもよい。
前記磁性層は、前記第1のサーボバンド識別情報、前記第2のサーボバンド識別情報及び前記第3のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第4のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第4のサーボパターンが記録された3本以上の第4のサーボバンドを含む第4のサーボバンド群をさらに有してもよい。
前記第1のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
前記第2のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームと、前記第2のサーボバンド識別情報を符号化するサーボフレームとを比較したとき、少なくとも一方の方位角傾斜の配列間隔の一部が相互に相違してもよい。
前記第1のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
前記第2のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
前記第3のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第3のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームと、前記第2のサーボバンド識別情報を符号化するサーボフレームと、前記第3のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームとを比較したとき、少なくとも一方の方位角傾斜の配列間隔の一部が相互に相違してもよい。
前記テープ状磁気記録媒体は、
基材と、
前記基材の一方の主面と前記磁性層との間に設けられた下地層と、
前記基材の他方の主面上に設けられたバック層と、
をさらに具備してもよい。
本開示の一形態に係るサーボライトヘッドは、
テープ状磁気記録媒体の長手方向に沿ってサーボパターンを記録するのに用いられるサーボライトヘッドであって、
3本以上の連続する第1のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第1の磁気ギャップであって、前記3個以上の第1の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第1の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第1の磁気ギャップを有する第1のヘッドブロックと、
3本以上の連続する第2のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第2の磁気ギャップであって、前記3個以上の第2の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第2の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第2の磁気ギャップを有する第2のヘッドブロックと、
を具備し、
前記第1のヘッドブロックに対して複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報を記録するための第1の記録信号が、且つ、前記第2のヘッドブロックに対して前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報を記録するための第2の記録信号が、同一のタイミングで出力される。
本技術の一実施形態に係るサーボパターン記録装置を示す正面図である。 上記サーボパターン記録装置の一部を示す部分拡大図である。 サーボパターンの一部を構成するサーボバンド識別情報を示す磁気テープの上面図である。 (A)はサーボパターンに埋め込まれるLPOSワードのデータ構造を示す図であり、(B)は製造業者ワードを説明する図である。 (A)は上記サーボパターンの配置例を示す概略図であり、(B)はその再生波形を示す図である。 13ch(チャンネル)のサーボバンドの割り当て及び位相の例を示す模式図である。 第1のサーボバンド識別情報及び第2のサーボバンド識別情報の構成例を示す概略図である 上記第1のサーボバンド識別情報及び第2のサーボバンド識別情報の再生波形を示す図である。 17chのサーボバンドの割り当て及び位相の例を示す模式図である。 別の一実施例に係る、13chのサーボバンドの割り当て及び位相の例を示す模式図である。 別の一実施例に係る、13chのサーボバンドの割り当て及び位相の例を示す模式図である。 別の一実施例に係る、13chのサーボバンドの割り当て及び位相の例を示す模式図である。 上記サーボパターン記録装置におけるサーボライトヘッドの構成を概略的に示す斜視図である。 上記サーボライトヘッドを駆動する駆動部の構成を示すブロック図である。 上記サーボライトヘッドに入力される第1のパルス信号及び第2のパルス信号の波形の一部を示す模式図である。 本技術の一実施形態に係るサーボパターン記録方法を説明するフローチャートである。 サーボライトヘッドを磁気テープ側から見た斜視図である。 図15に示すサーボライトヘッドのXZ平面の断面図である。 サーボライトヘッドの上部を側方から見た模式的な部分拡大図である。 記録再生装置におけるサーボリードヘッドの説明図である。
図1は、本技術の一実施形態に係るサーボパターン記録装置100を示す正面図である。図2は、サーボパターン記録装置100の一部を示す部分拡大図である。図3は、サーボパターン6が記録された磁気テープ1を示す上面図である。
[磁気テープの構成]
まず、図2を参照して磁気テープ1の構成について説明する。磁気テープ1は、テープ状の磁気記録媒体であり、長尺状の基材(基体)41と、基材41の一方の主面(第1の主面)上に設けられた下地層42と、下地層42上に設けられた磁性層43と、基材41の他方の主面(第2の主面)上に設けられたバック層44とを備える。なお、下地層42およびバック層44は、必要に応じて備えられるものであり、無くてもよい。磁気テープ1は、垂直記録型の磁気記録媒体であってもよいし、長手記録型の磁気記録媒体であってもよい。
磁気テープ1は長尺のテープ状を有し、記録再生の際には長手方向に走行される。なお、磁性層43の表面が、図示しない記録再生装置が備える磁気ヘッドが走行される表面となる。磁気テープ1は、記録用ヘッドとしてリング型ヘッドを備える記録再生装置で用いられることが好ましい。磁気テープ1は、1500nm以下または1000nm以下のデータトラック幅でデータを記録可能に構成された記録再生装置に用いられることが好ましい。
(基材)
基材41は、下地層42および磁性層43を支持する非磁性支持体である。基材41は、長尺のフィルム状を有する。基材41の平均厚みの上限値は、好ましくは4.2μm以下、より好ましくは3.8μm以下、さらにより好ましくは3.4μm以下である。基材41の平均厚みの上限値が4.2μm以下であると、1データカートリッジ内に記録できる記録容量を一般的な磁気テープよりも高めることができる。基材41の平均厚みの下限値は、好ましくは3μm以上、より好ましくは3.2μm以上である。基材41の平均厚みの下限値が3μm以上であると、基材41の強度低下を抑制することができる。
基材41の平均厚みは以下のようにして求められる。まず、1/2インチ幅の磁気テープ1を準備し、それを250mmの長さに切り出し、サンプルを作製する。続いて、サンプルの基材41以外の層(すなわち下地層42、磁性層43およびバック層44)をMEK(メチルエチルケトン)または希塩酸等の溶剤で除去する。次に、測定装置としてMitutoyo社製レーザーホロゲージ(LGH-110C)を用いて、サンプル(基材41)の厚みを5点以上の位置で測定し、それらの測定値を単純に平均(算術平均)して、基材41の平均厚みを算出する。なお、測定位置は、サンプルから無作為に選ばれるものとする。
基材41は、ポリエステルを含む。基材41がポリエステルを含むことで、基材41の長手方向のヤング率を低減することができる。したがって、走行時における磁気テープ1の長手方向のテンションを記録再生装置により調整することで、磁気テープ1の幅を一定またはほぼ一定に保つことができる。
ポリエステルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレン-p-オキシベンゾエート(PEB)およびポリエチレンビスフェノキシカルボキシレートのうちの少なくとも1種を含む。基材41が2種以上のポリエステルを含む場合、それらの2種以上のポリエステルは混合されていてもよいし、共重合されていてもよいし、積層されていてもよい。ポリエステルの末端および側鎖の少なくとも一方が変性されていてもよい。
基材41にポリエステルが含まれていることは、例えば、次のようにして確認される。まず、基材41の平均厚みの測定方法と同様にして、サンプルの基材41以外の層を除去する。次に、赤外吸収分光法(Infrared Absorption Spectrometry:IR)によりサンプル(基材41)のIRスペクトルを取得する。このIRスペクトルに基づき、基材41にポリエステルが含まれていることを確認することができる。
基材41は、ポリエステル以外に、例えば、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドおよびポリアミドイミドのうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよいし、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリオレフィン類、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、およびその他の高分子樹脂のうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。ポリアミドは、芳香族ポリアミド(アラミド)であってもよい。ポリイミドは、芳香族ポリイミドであってもよい。ポリアミドイミドは、芳香族ポリアミドイミドであってもよい。
基材41が、ポリエステル以外の高分子樹脂を含む場合、基材41はポリエステルを主成分とすることが好ましい。ここで、主成分とは、基材41に含まれる高分子樹脂のうち、最も含有量(質量比率)が多い成分を意味する。基材41がポリエステル以外の高分子樹脂を含む場合、ポリエステルと、ポリエステル以外の高分子樹脂は、混合されていてもよいし、共重合されていてもよい。
基材41は、長手方向および幅方向に二軸延伸されていてもよい。基材41に含まれる高分子樹脂は、基材41の幅方向に対して斜め方向に配向されていることが好ましい。
(磁性層)
磁性層43は、信号を磁化パターンにより記録するための記録層である。磁性層43は、垂直記録型の記録層であってもよいし、長手記録型の記録層であってもよい。磁性層43は、例えば、磁性粉、結着剤および潤滑剤を含む。磁性層43が、必要に応じて、帯電防止剤、研磨剤、硬化剤、防錆剤および非磁性補強粒子等のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。磁性層43は、磁性材料の塗布膜で構成される場合に限られず、磁性材料のスパッタ膜や蒸着膜で構成されてもよい。
磁性層43の表面の算術平均粗さRaは、2.0nm以下、好ましくは1.8nm以下、より好ましくは1.6nm以下である。算術平均粗さRaが2.0nm以下であると、スペーシングロスによる出力低下を抑制することができるため、優れた電磁変換特性を得ることができる。磁性層43の表面の算術平均粗さRaの下限値は、好ましくは1.0nm以上、より好ましくは1.2nm以上である。磁性層43の表面の算術平均粗さRaの下限値が1.0nm以上であると、摩擦の増大による走行性の低下を抑制することができる。
算術平均粗さRaは次のようにして求められる。まず、磁性層43の表面をAFM(Atomic Force Microscope)により観察し、40μm×40μmのAFM像を得る。AFMとしてはDigital Instruments社製、Nano Scope IIIa D3100を用い、カンチレバーとしてはシリコン単結晶製のものを用い(注1)、タッピング周波数として、200~400Hzのチューニングにて測定を行う。次に、AFM像を512×512(=262、144)個の測定点に分割し、各測定点にて高さZ(i)(i:測定点番号、i=1~262、144)を測定し、測定した各測定点の高さZ(i)を単純に平均(算術平均)して平均高さ(平均面)Zave(=(Z(1)+Z(2)+・・・+Z(262、144))/262、144)を求める。続いて、各測定点での平均中心線からの偏差Z"(i)(=Z(i)-Zave)を求め、算術平均粗さRa[nm](=(Z"(1)+Z"(2)+・・・+Z"(262、144))/262、144)を算出する。この際には、画像処理として、Flattenorder2、ならびに、planefit order 3 XYによりフィルタリング処理を行ったものをデータとして用いる。
(注1)Nano World社製SPMプローブNCH ノーマルタイプPointProbe L
(カンチレバー長)=125μm
磁性層43の平均厚みtmの上限値は、80nm以下、好ましくは70nm以下、より好ましくは50nm以下である。磁性層43の平均厚みtmの上限値が80nm以下であると、記録ヘッドとしてはリング型ヘッドを用いた場合に、反磁界の影響を軽減できるため、さらに優れた電磁変換特性を得ることができる。
磁性層43の平均厚みtmの下限値は、好ましくは35nm以上である。磁性層43の平均厚みtmの下限値が35nm以上であると、再生ヘッドとしてはMR型ヘッドを用いた場合に、出力を確保できるため、さらに優れた電磁変換特性を得ることができる。
磁性層43の平均厚みtmは以下のようにして求められる。まず、測定対象となる磁気テープ1をFIB法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン層およびタングステン層を形成する。当該カーボン層は蒸着法により磁気テープ1の磁性層43側の表面およびバック層44側の表面に形成され、そして、当該タングステン層は蒸着法またはスパッタリング法により磁性層43側の表面にさらに形成される。当該薄片化は磁気テープ1の長さ方向(長手方向)に沿って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気テープ1の長手方向および厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片化サンプルの上記断面を、透過型電子顕微鏡(TransmissionElectron Microscope:TEM)により、下記の条件で観察し、TEM像を得る。なお、装置の種類に応じて、倍率および加速電圧は適宜調整されてよい。
装置:TEM(日立製作所製H9000NAR)
加速電圧:300kV
倍率:100、000倍
次に、得られたTEM像を用い、磁気テープ1の長手方向の少なくとも10点以上の位置で磁性層43の厚みを測定する。得られた測定値を単純に平均(算術平均)して得られた平均値を磁性層43の平均厚みtm[nm]とする。なお、上記測定が行われる位置は、試験片から無作為に選ばれるものとする。
(磁性粉)
磁性粉は、複数の磁性粒子を含む。磁性粒子は、例えば、六方晶フェライトを含む粒子(以下「六方晶フェライト粒子」という。)、イプシロン型酸化鉄(ε酸化鉄)を含む粒子(以下「ε酸化鉄粒子」という。)またはCo含有スピネルフェライトを含む粒子(以下「コバルトフェライト粒子」という。)である。磁性粉は、磁気テープ1の厚み方向(垂直方向)に優先的に結晶配向していることが好ましい。
(六方晶フェライト粒子)
六方晶フェライト粒子は、例えば、六角板状等の板状を有する。本明細書において、六角坂状は、ほぼ六角坂状を含むものとする。六方晶フェライトは、好ましくはBa、Sr、PbおよびCaのうちの少なくとも1種、より好ましくはBaおよびSrのうちの少なくとも1種を含む。六方晶フェライトは、具体的には例えばバリウムフェライトまたはストロンチウムフェライトであってもよい。バリウムフェライトは、Ba以外にSr、PbおよびCaのうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。ストロンチウムフェライトは、Sr以外にBa、PbおよびCaのうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
より具体的には、六方晶フェライトは、一般式MFe1219で表される平均組成を有する。但し、Mは、例えばBa、Sr、PbおよびCaのうちの少なくとも1種の金属、好ましくはBaおよびSrのうちの少なくとも1種の金属である。Mが、Baと、Sr、PbおよびCaからなる群より選ばれる1種以上の金属との組み合わせであってもよい。また、Mが、Srと、Ba、PbおよびCaからなる群より選ばれる1種以上の金属との組み合わせであってもよい。上記一般式においてFeの一部が他の金属元素で置換されていてもよい。
磁性粉が六方晶フェライト粒子粉を含む場合、磁性粉の平均粒子サイズは、好ましくは30nm以下、より好ましくは12nm以上25nm以下、さらにより好ましくは12nm以上22nm以下、特に好ましくは12nm以上19nm以下、最も好ましくは12nm以上16nm以下である。磁性粉の平均粒子サイズが30nm以下であると、高記録密度の磁気テープ1において、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。一方、磁性粉の平均粒子サイズが12nm以上であると、磁性粉の分散性がより向上し、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。
磁性粉の平均アスペクト比が、好ましくは1.0以上3.0以下、より好ましくは1.3以上2.8以下、さらにより好ましくは1.6以上2.7以下である。磁性粉の平均アスペクト比が1.0以上2.5以下の範囲内であると、磁性粉の凝集を抑制することができる。また、磁性層43の形成工程において磁性粉を垂直配向させる際に、磁性粉に加わる抵抗を抑制することができる。したがって、磁性粉の垂直配向性を向上することができる。
磁性粉が六方晶フェライト粒子粉を含む場合、磁性粉の平均粒子サイズおよび平均アスペクト比は以下のようにして求められる。まず、測定対象となる磁気テープ1をFIB法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン層およびタングステン層を形成する。当該カーボン層は蒸着法により磁気テープ1の磁性層43側の表面およびバック層44側の表面に形成され、そして、当該タングステン層は蒸着法またはスパッタリング法により磁性層43側の表面にさらに形成される。当該薄片化は磁気テープ1の長さ方向(長手方向)に沿って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気テープ1の長手方向および厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片サンプルの上記断面を、透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製H-9500)を用いて、加速電圧:200kV、総合倍率500、000倍で磁性層43の厚み方向に対して磁性層43全体が含まれるように断面観察を行い、TEM写真を撮影する。次に、撮影したTEM写真から、観察面の方向に側面を向けており、且つ、粒子の厚みが明らかに確認できる粒子を50個選び出す。その厚みを明らかに確認できる選択された50個の粒子それぞれの最大板厚DAを測定する。このようにして求めた最大板厚DAを単純に平均(算術平均)して平均最大板厚DAaveを求める。続いて、各磁性粉の板径DBを測定する。粒子の板径DBを測定するために、撮影したTEM写真から、粒子の板径が明らかに確認できる粒子を50個選び出す。選択された50個の粒子それぞれの板径DBを測定する。このようにして求めた板径DBを単純平均(算術平均)して平均板径DBaveを求める。平均板径DBaveが、平均粒子サイズである。そして、平均最大板厚DAaveおよび平均板径DBaveから粒子の平均アスペクト比(DBave/DAave)を求める。
磁性粉が六方晶フェライト粒子粉を含む場合、磁性粉の平均粒子体積は、好ましくは3400nm3以下、より好ましくは400nm3以上2600nm3以下、さらにより好ましくは400nm3以上1700nm3以下、特に好ましくは400nm3以上1200nm3以下、最も好ましくは400nm3以上1000nm3以下である。磁性粉の平均粒子体積が3400nm3以下であると、磁性粉の平均粒子サイズを25nm以下とする場合と同様の効果が得られる。一方、磁性粉の平均粒子体積が500nm3以上であると、磁性粉の平均粒子サイズを12nm以上とする場合と同様の効果が得られる。
磁性粉の平均粒子体積は以下のようにして求められる。まず、上記の磁性粉の平均粒子サイズの算出方法に関して述べた通り、平均長軸長DAaveおよび平均板径DBaveを求める。次に、以下の式により、磁性粉の平均体積Vを求める。
Figure 0007444115000001
(ε酸化鉄粒子)
ε酸化鉄粒子は、微粒子でも高保磁力を得ることができる硬磁性粒子である。ε酸化鉄粒子は、球状を有しているか、または立方体状を有している。本明細書において、球状は、ほぼ球状を含むものとする。また、立方体状には、ほぼ立方体状を含むものとする。ε酸化鉄粒子が上記のような形状を有しているため、磁性粒子としてε酸化鉄粒子を用いた場合、磁性粒子として六角板状のバリウムフェライト粒子を用いた場合に比べて、磁気テープ1の厚み方向における粒子同士の接触面積を低減し、粒子同士の凝集を抑制することができる。したがって、磁性粉の分散性を高め、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。
ε酸化鉄粒子は、コアシェル型構造を有する。具体的には、ε酸化鉄粒子は、コア部と、このコア部の周囲に設けられた2層構造のシェル部とを備える。2層構造のシェル部は、コア部上に設けられた第1シェル部と、第1シェル部上に設けられた第2シェル部とを備える。
コア部は、ε酸化鉄を含む。コア部に含まれるε酸化鉄は、ε-Fe23結晶を主相とするものが好ましく、単相のε-Fe23からなるものがより好ましい。
第1シェル部は、コア部の周囲のうちの少なくとも一部を覆っている。具体的には、第1シェル部は、コア部の周囲を部分的に覆っていてもよいし、コア部の周囲全体を覆っていてもよい。コア部と第1シェル部の交換結合を十分なものとし、磁気特性を向上する観点からすると、コア部の表面全体を覆っていることが好ましい。
第1シェル部は、いわゆる軟磁性層であり、例えば、α-Fe、Ni-Fe合金またはFe-Si-Al合金等の軟磁性体を含む。α-Feは、コア部に含まれるε酸化鉄を還元することにより得られるものであってもよい。
第2シェル部は、酸化防止層としての酸化被膜である。第2シェル部は、α酸化鉄、酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素を含む。α酸化鉄は、例えばFe34、Fe23およびFeOのうちの少なくとも1種の酸化鉄を含む。第1シェル部がα-Fe(軟磁性体)を含む場合には、α酸化鉄は、第1シェル部に含まれるα-Feを酸化することにより得られるものであってもよい。
ε酸化鉄粒子が、上述のように第1シェル部を有することで、熱安定性を確保するためにコア部単体の保磁力Hcを大きな値に保ちつつ、ε酸化鉄粒子(コアシェル粒子)全体としての保磁力Hcを記録に適した保磁力Hcに調整できる。また、ε酸化鉄粒子が、上述のように第2シェル部を有することで、磁気テープ1の製造工程およびその工程前において、ε酸化鉄粒子が空気中に暴露されて、粒子表面に錆び等が発生することにより、ε酸化鉄粒子の特性が低下することを抑制することができる。したがって、磁気テープ1の特性劣化を抑制することができる。
ε酸化鉄粒子が単層構造のシェル部を有していてもよい。この場合、シェル部は、第1シェル部と同様の構成を有する。但し、ε酸化鉄粒子の特性劣化を抑制する観点からすると、上述したように、ε酸化鉄粒子が2層構造のシェル部を有していることが好ましい。
ε酸化鉄粒子が、上記コアシェル構造に代えて添加剤を含んでいてもよいし、コアシェル構造を有すると共に添加剤を含んでいてもよい。この場合、ε酸化鉄粒子のFeの一部が添加剤で置換される。ε酸化鉄粒子が添加剤を含むことによっても、ε酸化鉄粒子全体としての保磁力Hcを記録に適した保磁力Hcに調整できるため、記録容易性を向上することができる。添加剤は、鉄以外の金属元素、好ましくは3価の金属元素、より好ましくはAl、GaおよびInのうちの少なくとも1種、さらにより好ましくはAlおよびGaのうちの少なくとも1種である。
具体的には、添加剤を含むε酸化鉄は、ε-Fe2-xx3結晶(但し、Mは鉄以外の金属元素、好ましくは3価の金属元素、より好ましくはAl、GaおよびInのうちの少なくとも1種、さらにより好ましくはAlおよびGaのうちの少なくとも1種である。xは、例えば0<x<1である。)である。
磁性粉の平均粒子サイズ(平均最大粒子サイズ)は、例えば22nm以下である。磁性粉の平均粒子サイズ(平均最大粒子サイズ)は、好ましくは20nm以下、より好ましくは8nm以上20nm以下、さらにより好ましくは10nm以上18nm以下、特に好ましくは10nm以上16nm以下、最も好ましくは10nm以上14nm以下である。磁気テープ1では、記録波長の1/2のサイズの領域が実際の磁化領域となる。このため、磁性粉の平均粒子サイズを最短記録波長の半分以下に設定することで、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。したがって、磁性粉の平均粒子サイズが22nm以下であると、高記録密度の磁気テープ1(例えば44nm以下の最短記録波長で信号を記録可能に構成された磁気テープ1)において、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。一方、磁性粉の平均粒子サイズが8nm以上であると、磁性粉の分散性がより向上し、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。
磁性粉の平均アスペクト比が、好ましくは1.0以上3.0以下、より好ましくは1.0以上2.5以下、さらにより好ましくは1.0以上2.1以下、特に好ましくは1.0以上1.8以下である。磁性粉の平均アスペクト比が1.0以上3.0以下の範囲内であると、磁性粉の凝集を抑制することができる。また、磁性層43の形成工程において磁性粉を垂直配向させる際に、磁性粉に加わる抵抗を抑制することができる。したがって、磁性粉の垂直配向性を向上することができる。
磁性粉がε酸化鉄粒子粉を含む場合、磁性粉の平均粒子サイズおよび平均アスペクト比は、以下のようにして求められる。まず、測定対象となる磁気テープ1をFIB(Focused Ion Beam)法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護層としてカーボン層およびタングステン層を形成する。当該カーボン層は蒸着法により磁気テープ1の磁性層43側の表面およびバック層44側の表面に形成され、そして、当該タングステン層は蒸着法またはスパッタリング法により磁性層43側の表面にさらに形成される。薄片化は磁気テープ1の長さ方向(長手方向)に沿うかたちで行って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気テープ1の長手方向および厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片サンプルの上記断面を、透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製H-9500)を用いて、加速電圧:200kV、総合倍率500、000倍で磁性層43の厚み方向に対して磁性層43全体が含まれるように断面観察を行い、TEM写真を撮影する。次に、撮影したTEM写真から、粒子の形状を明らかに確認することができる50個の粒子を選び出し、各粒子の長軸長DLと短軸長DSを測定する。ここで、長軸長DLとは、各粒子の輪郭に接するように、あらゆる角度から引いた2本の平行線間の距離のうち最大のもの(いわゆる最大フェレ径)を意味する。一方、短軸長DSとは、粒子の長軸(DL)と直交する方向における粒子の長さのうち最大のものを意味する。続いて、測定した50個の粒子の長軸長DLを単純に平均(算術平均)して平均長軸長DLaveを求める。このようにして求めた平均長軸長DLaveを磁性粉の平均粒子サイズとする。また、測定した50個の粒子の短軸長DSを単純に平均(算術平均)して平均短軸長DSaveを求める。そして、平均長軸長DLaveおよび平均短軸長DSaveから粒子の平均アスペクト比(DLave/DSave)を求める。
磁性粉の平均粒子体積は、好ましくは5600nm3以下、より好ましくは250nm3以上4200nm3以下、さらにより好ましくは600nm3以上3000nm3以下、特に好ましくは600nm3以上2200nm3以下、最も好ましくは600nm3以上1500nm3以下である。一般的に磁気テープ1のノイズは粒子個数の平方根に反比例(すなわち粒子体積の平方根に比例)するため、粒子体積をより小さくすることで、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。したがって、磁性粉の平均粒子体積が5600nm3以下であると、磁性粉の平均粒子サイズを22nm以下とする場合と同様に、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。一方、磁性粉の平均粒子体積が250nm3以上であると、磁性粉の平均粒子サイズを8nm以上とする場合と同様の効果が得られる。
ε酸化鉄粒子が球状を有している場合には、磁性粉の平均粒子体積は以下のようにして求められる。まず、上記の磁性粉の平均粒子サイズの算出方法と同様にして、平均長軸長DLaveを求める。次に、以下の式により、磁性粉の平均体積Vを求める。
V=(π/6)×DLave 3
ε酸化鉄粒子が立方体状を有している場合、磁性粉の平均体積は以下のようにして求められる。磁気テープ1をFIB(Focused Ion Beam)法等により加工して薄片化を行う。FIB法を使用する場合には、後述の断面のTEM像を観察する前処理として、保護膜としてカーボン膜およびタングステン薄膜を形成する。当該カーボン膜は蒸着法により磁気テープ1の磁性層43側の表面およびバック層44側の表面に形成され、そして、当該タングステン薄膜は蒸着法またはスパッタリング法により磁性層43側の表面にさらに形成される。当該薄片化は磁気テープ1の長さ方向(長手方向)に沿って行われる。すなわち、当該薄片化によって、磁気テープ1の長手方向および厚み方向の両方に平行な断面が形成される。
得られた薄片サンプルを透過電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製H-9500)を用いて、加速電圧:200kV、総合倍率500、000倍で磁性層43の厚み方向に対して磁性層43全体が含まれるように断面観察を行い、TEM写真を得る。なお、装置の種類に応じて、倍率および加速電圧は適宜調整されてよい。次に、撮影したTEM写真から粒子の形状が明らかである50個の粒子を選び出し、各粒子の辺の長さDCを測定する。続いて、測定した50個の粒子の辺の長さDCを単純に平均(算術平均)して平均辺長DCaveを求める。次に、平均辺長DCaveを用いて以下の式から磁性粉の平均体積Vave(粒子体積)を求める。
ave=DCave 3
(コバルトフェライト粒子)
コバルトフェライト粒子は、一軸結晶異方性を有することが好ましい。コバルトフェライト粒子が一軸結晶異方性を有することで、磁性粉を磁気テープ1の厚み方向(垂直方向)に優先的に結晶配向させることができる。コバルトフェライト粒子は、例えば、立方体状を有している。本明細書において、立方体状は、ほぼ立方体状を含むものとする。Co含有スピネルフェライトが、Co以外にNi、Mn、Al、CuおよびZnのうちの少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
Co含有スピネルフェライトは、例えば以下の式で表される平均組成を有する。
CoxyFe2Z
(但し、式中、Mは、例えば、Ni、Mn、Al、CuおよびZnのうちの少なくとも1種の金属である。xは、0.4≦x≦1.0の範囲内の値である。yは、0≦y≦0.3の範囲内の値である。但し、x、yは(x+y)≦1.0の関係を満たす。zは3≦z≦4の範囲内の値である。Feの一部が他の金属元素で置換されていてもよい。)
磁性粉がコバルトフェライト粒子粉を含む場合、磁性粉の平均粒子サイズは、22nm以下である。磁性粉の平均粒子サイズ(平均最大粒子サイズ)は、好ましくは20nm以下、より好ましくは8nm以上20nm以下、さらにより好ましくは10nm以上18nm以下、特に好ましくは10nm以上16nm以下、最も好ましくは10nm以上14nm以下である。磁性粉の平均粒子サイズが22nm以下であると、高記録密度の磁気テープ1において、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。一方、磁性粉の平均粒子サイズが8nm以上であると、磁性粉の分散性がより向上し、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。磁性粉の平均粒子サイズの算出方法は、磁性粉がε酸化鉄粒子粉を含む場合における磁性粉の平均粒子サイズの算出方法と同様である。
磁性粉の平均アスペクト比が、好ましくは1.0以上3.0以下、より好ましくは1.0以上2.5以下、さらにより好ましくは1.0以上2.1以下、特に好ましくは1.0以上1.8以下である。磁性粉の平均アスペクト比が1.0以上3.0以下の範囲内であると、磁性粉の凝集を抑制することができる。また、磁性層43の形成工程において磁性粉を垂直配向させる際に、磁性粉に加わる抵抗を抑制することができる。したがって、磁性粉の垂直配向性を向上することができる。磁性粉の平均アスペクト比の算出方法は、磁性粉がε酸化鉄粒子粉を含む場合における磁性粉の平均アスペクト比の算出方法と同様である。
磁性粉の平均粒子体積は、好ましくは5600nm3以下、より好ましくは250nm3以上4200nm3以下、さらにより好ましくは600nm3以上3000nm3以下、特に好ましくは600nm3以上2200nm3以下、最も好ましくは600nm3以上1500nm3以下である。磁性粉の平均粒子体積が5600nm3以下であると、磁性粉の平均粒子サイズを25nm以下とする場合と同様の効果が得られる。一方、磁性粉の平均粒子体積が500nm3以上であると、磁性粉の平均粒子サイズを8nm以上とする場合と同様の効果が得られる。磁性分の平均粒子体積の算出方法は、ε酸化鉄粒子が立方体状を有している場合の平均粒子体積の算出方法と同様である。
(結着剤)
結着剤としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル-塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル-塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステル-エチレン共重合体、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴム等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
上記の全ての結着剤には、磁性粉の分散性を向上させる目的で、-SO3M、-OSO3M、-COOM、P=O(OM)2(但し、式中Mは水素原子またはリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属を表す)や、-NR1R2、-NR1R2R3+-で表される末端基を有する側鎖型アミン、>NR1R2+-で表される主鎖型アミン(但し、式中R1、R2、R3は水素原子または炭化水素基を表し、X-はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素イオン、無機イオンまたは有機イオンを表す。)、さらに-OH、-SH、-CN、エポキシ基等の極性官能基が導入されていてもよい。これら極性官能基の結着剤への導入量は、10-1~10-8モル/gであるのが好ましく、10-2~10-6モル/gであるのがより好ましい。
(潤滑剤)
潤滑剤は、例えば脂肪酸および脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種、好ましくは脂肪酸および脂肪酸エステルの両方を含む。磁性層43が潤滑剤を含むことが、特には磁性層43が脂肪酸および脂肪酸エステルの両方を含むことが、磁気テープ1の走行安定性の向上に貢献する。より特には、磁性層43が潤滑剤を含み且つ細孔を有することによって、良好な走行安定性が達成される。当該走行安定性の向上は、磁気テープ1の磁性層43側表面の動摩擦係数が上記潤滑剤により、磁気テープ1の走行に適した値へ調整されるためと考えられる。
脂肪酸は、好ましくは下記の一般式(1)または(2)により示される化合物であってよい。例えば、脂肪酸として下記の一般式(1)により示される化合物および一般式(2)により示される化合物の一方が含まれていてよく、または両方が含まれていてもよい。
また、脂肪酸エステルは、好ましくは下記一般式(3)または(4)により示される化合物であってよい。例えば、脂肪酸エステルとして下記の一般式(3)により示される化合物および一般式(4)により示される化合物の一方が含まれていてよく、または両方が含まれていてもよい。
潤滑剤が、一般式(1)に示される化合物および一般式(2)に示される化合物のいずれか一方若しくは両方と、一般式(3)に示される化合物および一般式(4)に示される化合物のいずれか一方若しくは両方と、を含むことによって、磁気テープ1を繰り返しの記録または再生による動摩擦係数の増加を抑制することができる。
CH3(CH2kCOOH ・・・(1)
(但し、一般式(1)において、kは14以上22以下の範囲、より好ましくは14以上18以下の範囲から選ばれる整数である。)
CH3(CH2nCH=CH(CH2mCOOH ・・・(2)
(但し、一般式(2)において、nとmとの和は12以上20以下の範囲、より好ましくは14以上18以下の範囲から選ばれる整数である。)
CH3(CH2pCOO(CH2qCH3 ・・・(3)
(但し、一般式(3)において、pは14以上22以下、より好ましくは14以上18以下の範囲から選ばれる整数であり、且つ、qは2以上5以下の範囲、より好ましくは2以上4以下の範囲から選ばれる整数である。)
CH3(CH2rCOO-(CH2sCH(CH32 ・・・(4)
(但し、一般式(4)において、rは14以上22以下の範囲から選ばれる整数であり、sは1以上3以下の範囲から選ばれる整数である。)
(帯電防止剤)
帯電防止剤としては、例えば、カーボンブラック、天然界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等が挙げられる。
(研磨剤)
研磨剤としては、例えば、α化率90%以上のα-アルミナ、β-アルミナ、γ-アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α-酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカ-バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、2硫化モリブデン、磁性酸化鉄の原料を脱水、アニール処理した針状α酸化鉄、必要によりそれらをアルミおよび/またはシリカで表面処理したもの等が挙げられる。
(硬化剤)
硬化剤としては、例えば、ポリイソシアネート等が挙げられる。ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)と活性水素化合物との付加体等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)と活性水素化合物との付加体等の脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。これらポリイソシアネートの重量平均分子量は、100~3000の範囲であることが望ましい。
(防錆剤)
防錆剤としては、例えばフェノール類、ナフトール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複素環化合物等が挙げられる。
(非磁性補強粒子)
非磁性補強粒子として、例えば、酸化アルミニウム(α、βまたはγアルミナ)、酸化クロム、酸化珪素、ダイヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタンカーバイト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ルチル型またはアナターゼ型の酸化チタン)等が挙げられる。
(下地層)
下地層42は、基材41の表面の凹凸を緩和し、磁性層43の表面の凹凸を調整するためのものである。下地層42は、非磁性粉、結着剤および潤滑剤を含む非磁性層である。下地層42は、磁性層43の表面に潤滑剤を供給する。下地層42が、必要に応じて、帯電防止剤、硬化剤および防錆剤等のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。
下地層42の平均厚みは、好ましくは0.3μm以上2.0μm以下、より好ましくは0.5μm以上1.4μm以下である。なお、下地層42の平均厚みは、磁性層43の平均厚みと同様にして求められる。但し、TEM像の倍率は、下地層42の厚みに応じて適宜調整される。下地層42の平均厚みが2.0μm以下であると、外力による磁気テープ1の伸縮性がさらに高くなるため、テンション調整による磁気テープ1の幅の調整がさらに容易となる。
(非磁性粉)
非磁性粉は、例えば無機粒子粉または有機粒子粉の少なくとも1種を含む。また、非磁性粉は、カーボンブラック等の炭素粉を含んでいてもよい。なお、1種の非磁性粉を単独で用いてもよいし、2種以上の非磁性粉を組み合わせて用いてもよい。無機粒子は、例えば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物または金属硫化物等を含む。非磁性粉の形状としては、例えば、針状、球状、立方体状、板状等の各種形状が挙げられるが、これらの形状に限定されるものではない。
(結着剤、潤滑剤)
結着剤および潤滑剤は、上述の磁性層43と同様である。
(添加剤)
帯電防止剤、硬化剤および防錆剤はそれぞれ、上述の磁性層43と同様である。
(バック層)
バック層44は、結着剤および非磁性粉を含む。バック層44が、必要に応じて潤滑剤、硬化剤および帯電防止剤等のうちの少なくとも1種の添加剤をさらに含んでいてもよい。結着剤および非磁性粉は、上述の下地層42と同様である。
非磁性粉の平均粒子サイズは、好ましくは10nm以上150nm以下、より好ましくは15nm以上110nm以下である。非磁性粉の平均粒子サイズは、上記の磁性粉の平均粒子サイズと同様にして求められる。非磁性粉が、2以上の粒度分布を有する非磁性粉を含んでいてもよい。
バック層44の平均厚みの上限値は、好ましくは0.6μm以下である。バック層44の平均厚みの上限値が0.6μm以下であると、磁気テープ1の平均厚みが5.6μm以下である場合でも、下地層42や基材41の厚みを厚く保つことができるので、磁気テープ1の記録再生装置内での走行安定性を保つことができる。バック層44の平均厚みの下限値は特に限定されるものではないが、例えば0.2μm以上である。
バック層44の平均厚みtbは以下のようにして求められる。まず、磁気テープ1の平均厚みtTを測定する。平均厚みtTの測定方法は、以下の「磁気テープの平均厚み」に記載されている通りである。続いて、サンプルのバック層44をMEK(メチルエチルケトン)または希塩酸等の溶剤で除去する。次に、Mitutoyo社製レーザーホロゲージ(LGH-110C)を用いて、サンプルの厚みを5点以上の位置で測定し、それらの測定値を単純に平均(算術平均)して、平均値tB[μm]を算出する。その後、以下の式よりバック層44の平均厚みtb[μm]を求める。なお、測定位置は、サンプルから無作為に選ばれるものとする。
b[μm]=tT[μm]-tB[μm]
バック層44は、多数の突部が設けられた表面を有している。多数の突部は、磁気テープ1をロール状に巻き取った状態において、磁性層43の表面に多数の孔部を形成するためのものである。多数の孔部は、例えば、バック層44の表面から突出された多数の非磁性粒子により構成されている。
(磁気テープの平均厚み)
磁気テープ1の平均厚み(平均全厚)tTの上限値が、5.6μm以下、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは4.6μm以下、さらにより好ましくは4.4μm以下である。磁気テープ1の平均厚みtTが5.6μm以下であると、1データカートリッジ内に記録できる記録容量を一般的な磁気テープよりも高めることができる。磁気テープ1の平均厚みtTの下限値は特に限定されるものではないが、例えば3.5μm以上である。
磁気テープ1の平均厚みtTは以下のようにして求められる。まず、1/2インチ幅の磁気テープ1を準備し、それを250mmの長さに切り出し、サンプルを作製する。次に、測定装置としてMitutoyo社製レーザーホロゲージ(LGH-110C)を用いて、サンプルの厚みを5点以上の位置で測定し、それらの測定値を単純に平均(算術平均)して、平均値tT[μm]を算出する。なお、測定位置は、サンプルから無作為に選ばれるものとする。
(保磁力Hc)
磁気テープ1の長手方向における磁性層43の保磁力Hc2の上限値が、好ましくは2000Oe以下、より好ましくは1900Oe以下、さらにより好ましくは1800Oe以下である。長手方向における磁性層43の保磁力Hc2が2000Oe以下であると、高記録密度であっても十分な電磁変換特性を有することができる。
磁気テープ1の長手方向に測定した磁性層43の保磁力Hc2の下限値が、好ましくは1000Oe以上である。長手方向に測定した磁性層43の保磁力Hc2が1000Oe以上であると、記録ヘッドからの漏れ磁束による減磁を抑制することができる。
上記の保磁力Hc2は以下のようにして求められる。まず、磁気テープ1が両面テープで3枚重ね合わされた後、φ6.39mmのパンチで打ち抜かれて、測定サンプルが作製される。この際に、磁気テープ1の長手方向(走行方向)が認識できるように、磁性を持たない任意のインクでマーキングを行う。そして、振動試料型磁力計(Vibrating Sample Magnetometer:VSM)を用いて磁気テープ1の長手方向(走行方向)に対応する測定サンプル(磁気テープ1全体)のM-Hループが測定される。次に、アセトンまたはエタノール等が用いられて塗膜(下地層42、磁性層43およびバック層44等)が払拭され、基材41のみが残される。そして、得られた基材41が両面テープで3枚重ね合わされた後、φ6.39mmのパンチで打ち抜かれて、バックグラウンド補正用のサンプル(以下、単に「補正用サンプル」)が作製される。その後、VSMを用いて基材41の垂直方向(磁気テープ1の垂直方向)に対応する補正用サンプル(基材41)のM-Hループが測定される。
測定サンプル(磁気テープ1の全体)のM-Hループ、補正用サンプル(基材41)のM-Hループの測定においては、東英工業社製の高感度振動試料型磁力計「VSM-P7-15型」が用いられる。測定条件は、測定モード:フルループ、最大磁界:15kOe、磁界ステップ:40bit、Time constant of Locking amp:0.3sec、Waiting time:1sec、MH平均数:20とされる。
測定サンプル(磁気テープ1の全体)のM-Hループおよび補正用サンプル(基材41)のM-Hループが得られた後、測定サンプル(磁気テープ1の全体)のM-Hループから補正用サンプル(基材41)のM-Hループが差し引かれることで、バックグラウンド補正が行われ、バックグラウンド補正後のM-Hループが得られる。このバックグラウンド補正の計算には、「VSM-P7-15型」に付属されている測定・解析プログラムが用いられる。得られたバックグラウンド補正後のM-Hループから保磁力Hc2が求められる。なお、この計算には、「VSM-P7-15型」に付属されている測定・解析プログラムが用いられる。なお、上記のM-Hループの測定はいずれも、25℃にて行われるものとする。また、M-Hループを磁気テープ1の長手方向に測定する際の"反磁界補正"は行わないものとする。
(角形比)
磁気テープ1の垂直方向(厚み方向)における磁性層43の角形比S1が、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、さらにより好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上、最も好ましくは85%以上である。角形比S1が65%以上であると、磁性粉の垂直配向性が十分に高くなるため、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。
垂直方向における角形比S1は以下のようにして求められる。まず、磁気テープ1が両面テープで3枚重ね合わされた後、φ6.39mmのパンチで打ち抜かれて、測定サンプルが作製される。この際に、磁気テープ1の長手方向(走行方向)が認識できるように、磁性を持たない任意のインクでマーキングを行う。そして、VSMを用いて磁気テープ1の垂直方向(厚み方向)に対応する測定サンプル(磁気テープ1の全体)のM-Hループが測定される。次に、アセトンまたはエタノール等が用いられて塗膜(下地層42、磁性層43およびバック層44等)が払拭され、基材41のみが残される。そして、得られた基材41が両面テープで3枚重ね合わされた後、φ6.39mmのパンチで打ち抜かれて、バックグラウンド補正用のサンプル(以下、単に「補正用サンプル」)とされる。その後、VSMを用いて基材41の垂直方向(磁気テープ1の垂直方向)に対応する補正用サンプル(基材41)のM-Hループが測定される。
測定サンプル(磁気テープ1の全体)のM-Hループ、補正用サンプル(基材41)のM-Hループの測定においては、東英工業社製の高感度振動試料型磁力計「VSM-P7-15型」が用いられる。測定条件は、測定モード:フルループ、最大磁界:15kOe、磁界ステップ:40bit、Time constant of Locking amp:0.3sec、Waiting time:1sec、MH平均数:20とされる。
測定サンプル(磁気テープ1の全体)のM-Hループおよび補正用サンプル(基材41)のM-Hループが得られた後、測定サンプル(磁気テープ1の全体)のM-Hループから補正用サンプル(基材41)のM-Hループが差し引かれることで、バックグラウンド補正が行われ、バックグラウンド補正後のM-Hループが得られる。このバックグラウンド補正の計算には、「VSM-P7-15型」に付属されている測定・解析プログラムが用いられる。
得られたバックグラウンド補正後のM-Hループの飽和磁化Ms(emu)および残留磁化Mr(emu)が以下の式に代入されて、角形比S1(%)が計算される。なお、上記のM-Hループの測定はいずれも、25℃にて行われるものとする。また、M-Hループを磁気テープ1の垂直方向に測定する際の"反磁界補正"は行わないものとする。なお、この計算には、「VSM-P7-15型」に付属されている測定・解析プログラムが用いられ
る。
角形比S1(%)=(Mr/Ms)×100
磁気テープ1の長手方向(走行方向)における磁性層43の角形比S2が、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、さらにより好ましくは25%以下、特に好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。角形比S2が35%以下であると、磁性粉の垂直配向性が十分に高くなるため、さらに優れた電磁変換特性(例えばSNR)を得ることができる。
長手方向における角形比S2は、M-Hループを磁気テープ1および基材41の長手方向(走行方向)に測定すること以外は角形比S1と同様にして求められる。
(バック面の表面粗度Rb)
バック面の表面粗度(バック層44の表面粗度)Rbが、Rb≦6.0[nm]であることが好ましい。バック面の表面粗度Rbが上記範囲であると、さらに優れた電磁変換特性を得ることができる。
[サーボパターン記録装置の構成]
続いて、サーボパターン記録装置の構成について説明する。
図3に示すように、磁性層43は、複数(本実施形態では12本)のデータバンドd(データバンドd0~d11)と、幅方向(Y軸方向)でデータバンドdを挟み込む位置に配置される複数(本実施形態では13本)のサーボバンドs(サーボバンドs0~s12)とを含む。データバンドdは、長手方向に長い複数の記録トラック5を含み、この記録トラック5毎にデータが記録される。サーボバンドsは、サーボパターン記録装置100によって記録される所定パターンのサーボパターン6を含む。例えば、電子データ等の各種のデータを記録する記録装置(図示せず)の記録ヘッドは、磁気層4に記録されたサーボパターン6を読み取って記録トラック5の位置を認識する。
図1及び図2を参照して、サーボパターン記録装置100は、磁気テープ1の搬送方向の上流側から順番に、送り出しローラ11、前処理部12、サーボライトヘッド13、再生ヘッド部14及び巻き取りローラ15を備える。なお、サーボパターン記録装置100は、後述するように、サーボライトヘッド13を駆動する駆動部20及びコントローラ30を備えている。コントローラ30は、サーボパターン記録装置100の各部を統括的に制御する制御部や、制御部の処理に必要な各種のプログラムやデータが記憶された記録部、データを表示させる表示部、データを入力する入力部などを有する。
送り出しローラ11は、ロール状の磁気テープ1(サーボパターン6記録前)を回転可能に支持することが可能とされている。送り出しローラ11は、モータなどの駆動源の駆動に応じて回転され、回転に応じて磁気テープ1を下流側に向けて送り出す。
巻き取りローラ15は、ロール状の磁気テープ1(サーボパターン6記録後)を回転可能に支持することが可能とされている。巻き取りローラ15は、モータなどの駆動源の駆動に応じて送り出しローラ11と同調して回転し、サーボパターン6が記録された磁気テープ1を回転に応じて巻き取っていく。送り出しローラ11及び巻き取りローラ15は、搬送経路上において磁気テープ1を一定の速度で移動させることが可能とされている。
サーボライトヘッド13は、例えば、磁気テープ1の上方側(磁性層43側)に配置される。なお、サーボライトヘッド13は、磁気テープ1の下側(基材41側)に配置されてもよい。サーボライトヘッド13は、矩形波のパルス信号に応じて所定のタイミングで磁界を発生し、磁気テープ1が有する磁性層43(前処理後)の一部に対して磁場を印加する。
これにより、サーボライトヘッド13は、第1の方向に磁性層43の一部を磁化させて磁性層43にサーボパターン6を記録する(磁化方向は図2中、黒の矢印参照)。サーボライトヘッド13は、サーボライトヘッド13の下側を磁性層43が通過するときに、13本のサーボバンドs0~s12に対してそれぞれサーボパターン6を記録することが可能とされている。
サーボパターン6の磁化方向である第1の方向は、磁性層43の上面に垂直な垂直方向の成分を含む。すなわち、本実施形態では、垂直配向若しくは無配向の磁性粉が磁性層43に含まれるので、磁性層43に記録されるサーボパターン6は、垂直方向の磁化成分を含む。
前処理部12は、例えば、サーボライトヘッド13よりも上流側において、磁気テープ1の下側(基材41側)に配置される。前処理部12は、磁気テープ1の上側(磁性層43側)に配置されてもよい。前処理部12は、Y軸方向(テープ1の幅方向)を回転の中心軸として回転可能な永久磁石12aを含む。永久磁石12aの形状は、例えば、円柱形状や、多角柱形状とされるが、これらに限られない。
永久磁石12aは、サーボライトヘッド13によってサーボパターン6が記録される前に、直流磁界によって磁性層43の全体に対して磁場を印加して、磁性層43全体を消磁する。これにより、永久磁石12aは、サーボパターン6の磁化方向とは反対方向の第2の方向に予め磁性層43を磁化させることができる(図2中、白の矢印参照)。このように、2個の磁化方向をそれぞれ反対方向にさせることで、サーボパターン6を読み取ることで得られるサーボ信号の再生波形を上下方向(±)で対称とすることができる。
再生ヘッド部14は、サーボライトヘッド13よりも下流側において、磁気テープ1の上側(磁性層43側)に配置される。再生ヘッド部14は、前処理部12によって前処理され、かつ、サーボライトヘッド13によってサーボパターン6が記録された磁気テープ1の磁性層43から上記サーボパターン6を読み取る。再生ヘッド部14によって読み取られたサーボパターン6の再生波形は、表示部の画面上に表示される。典型的には、再生ヘッド部14は、再生ヘッド部14の下側を磁性層43が通過するときに、サーボバンドsの表面から発生する磁束を検出する。このとき検出された磁束がサーボ信号としてのサーボパターン6の再生波形となる。
[サーボパターン]
サーボパターン6は、例えば、「ECMA-319規格」に準拠したデータ構造を有する。図4(A)は、サーボパターン6に埋め込まれるLPOSワードのデータ構造を示す図であり、図4(B)は製造業者ワードを説明する図である。
図4(A)に示すように、サーボパターン6には、テープ長手方向に連続的に配置された複数のLPOS(Longitudinal position)ワードLWが埋め込まれている。各LPOSワードLWは、その先頭を意味する8ビットの同期マークSy、テープ長手方向における位置(アドレス)を示す6個の4ビット(計24ビット)からなるLPOS値Ls、及び、4ビットの製造業者データTxを有する36ビットのデータで構成される。
製造業者データTxは、磁気テープ1上に製造業者ワードTWを形成する。製造業者ワードTWは、図4(B)に示すように、97個の製造業者データTxの長さをもち、97個のLPOSワードLWを連続的に読み込むことで得られる。製造業者ワードTWは、次のように構成される。
製造業者ワードTW:D、A0、A1、A0、A1、・・・、A0、A1
最初の製造業者データTxである「D」は、製造業者ワードTWの先頭であることを示すシンボルであり、これには所定のテーブルで変換された4ビットのデータ(典型的には、「0001」)が書き込まれている。
2番目以降の96個の製造業者データTxは「A0」及び「A1」が交互に配列されたものからなり、隣接する2個の「A0」及び「A1」は一組のシンボル対を形成する。各シンボル対「A0」及び「A1」には、「D」以外の任意の13個の基本シンボル(典型的には、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、A、B、C)がそれぞれ書き込まれている。これら13個の基本シンボルもまた、上記所定のテーブルで変換された4ビットのデータからなる。そして、当該13個の基本シンボルのうち特定の2個の基本シンボル(上記シンボル対に相当)の組み合わせに応じて定まる1つのシンボル(以下、LPOS記録値ともいう)が特定される。
LPOS記録値は、8ビットのデータからなる。シンボル対を形成する2個の基本シンボルは、同種の組み合わせ(例えば、0、0)であってもよいし、異種の組み合わせ(例えば、0、1)であってもよい。
以上のように構成される96個の製造業者データTxには、典型的には、LPOS記録値によって表せられる製造者情報、磁気テープの製造日やシリアル番号などの管理情報のほか、サーボバンドを識別するためのサーボバンド識別情報などが埋め込まれている。
図5(A)はサーボパターン6の配置例を示す概略平面図、図5(B)はその再生波形を示す図である。
タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボでは、サーボパターンは、2種以上の異なる形状の複数の方位角傾斜(azimuthal slope)パターンを含む。異種の形状の2個の傾斜パターンを読み取った時間間隔と、同種の形状の2個の傾斜パターンを読み取った時間間隔とにより、サーボライトヘッドの位置を認識する。こうして認識されたサーボライトヘッドの位置に基づき、磁気テープの幅方向における磁気ヘッド(再生ヘッドあるいは記録ヘッド)の位置が制御される。
図5(A)に示すように、サーボパターン6は、第1サーボサブフレームSSF1と、第2サーボサブフレームSSF2とを有するサーボフレームSFを形成する。サーボフレームSFは、テープ長手方向に沿って所定の間隔をおいて連続的に配列される。各サーボフレームSFは、「1」又は「0」の一つのビットを符号化する。つまり、1つのサーボフレームSFは、1ビットに相当する。
第1サーボサブフレームSSF1は、Aバースト6aとBバースト6bとにより構成される。Aバースト6aは、テープ長手方向に対して第1の方向に傾斜した5本の直線パターンからなり、Bバースト6bは、テープ長手方向に上記第1の方向とは逆の第2の方向に傾斜した5本の直線パターンからなる。
一方、第2サーボサブフレームSSF2は、Cバースト6cとDバースト6dとにより構成される。Cバースト6cは、上記第1の方向に傾斜した4本の直線パターンからなり、Dバースト6dは、上記第2の方向に傾斜した4本の直線パターンからなる。
サーボフレームSF及び各サーボサブフレームSSF1、SSF2の長さ、各バースト6a~6dを傾斜する傾斜部の配列間隔等は、磁気テープの種類や仕様等に応じて任意に設定可能である。
サーボパターン6の再生波形は、典型的には図5(B)に示すようなバースト波形を示し、信号S6aはAバースト6aに、信号S6bはBバースト6bに、信号S6cはCバースト6cに、そして、信号S6dはDバースト6dに、それぞれ相当する。
タイミングベースサーボ方式のヘッドトラッキングサーボでは、一のデータバンドに隣接する2個のサーボバンド上のサーボパターン6を読み取ることで、位置誤差信号(PES:Position Error Signal)を生成し、当該データバンド内の記録トラックに対する記録再生ヘッドを適切に位置決めする。典型的には、所定速度で走行する磁気テープからサーボパターン6を読み取り、互いに同種形状の傾斜パターンの配列体であるAバースト6aとCバースト6cとの間の距離(時間間隔)ACと、互いに異種形状の傾斜パターンの配列体であるAバースト6aとBバースト6bとの間の距離(時間間隔)ABとの比(あるいは、Cバースト6cとAバースト6aとの距離CAと、Cバースト6cとDバースト6dとの距離CDとの比)を算出し、その値が記録トラックごとに定められた設定値となるように磁気ヘッドをテープ幅方向に移動させる。
[データバンドの特定]
各サーボバンドs(s0~s12)には、サーボバンド識別情報が書き込まれる。各データバンドについてサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせが異なる。ここでは図3に示すように、各サーボバンドsを、磁気テープ1の一方のエッジ部(図において上縁部)から他方のエッジ部(図において下縁部)に向かって順番にs0、s1、・・・、s12と表記する。
サーボバンドs0~s12のうち、サーボバンドs0、s1、s2には、同じサーボバンド識別情報(第1のサーボバンド識別情報)が書き込まれる。サーボバンドs0、s2に記録されるサーボパターン6の端部(サーボライトヘッドによる書き込み開始位置、あるいは記録再生装置のドライブヘッド部のサーボリードヘッドによる読み込み開始位置。以下同じ)は、テープ幅方向(Y軸方向)に平行な仮想線P1に整列して配置される。これに対して、サーボバンドs0とサーボバンドs2の間に位置するサーボバンドs1に記録されるサーボパターン6の端部は、仮想線P1に対してテープ長手方向に所定距離シフトした仮想線P2上に配置される。なお、以下の説明では、仮想線P1に対応する位置を第1の位相ともいい、仮想線P2に対応する位置を第2の位相ともいう。
サーボバンドs0~s12のうち、サーボバンドs3、s4、s5には、同じサーボバンド識別情報(第2のサーボバンド識別情報)が書き込まれる。サーボバンドs3、s5に記録されるサーボパターン6の端部は、テープ幅方向(Y軸方向)に平行な仮想線P1(第1の位相)に整列して配置される。これに対して、サーボバンドs3とサーボバンドs5の間に位置するサーボバンドs4に記録されるサーボパターン6の端部は、仮想線P1に対してテープ長手方向に所定距離シフトした仮想線P2(第2の位相)上に配置される。
サーボバンドs0~s12のうち、サーボバンドs6、s7、s8には、同じサーボバンド識別情報(第3のサーボバンド識別情報)が書き込まれる。サーボバンドs6、s8に記録されるサーボパターン6の端部は、テープ幅方向(Y軸方向)に平行な仮想線P1(第1の位相)に整列して配置される。これに対して、サーボバンドs6とサーボバンドs8の間に位置するサーボバンドs7に記録されるサーボパターン6の端部は、仮想線P1に対してテープ長手方向に所定距離シフトした仮想線P2(第2の位相)上に配置される。
サーボバンドs0~s12のうち、サーボバンドs9、s10、s11には、同じサーボバンド識別情報(第4のサーボバンド識別情報)が書き込まれる。サーボバンドs9、s11に記録されるサーボパターン10の端部は、テープ幅方向(Y軸方向)に平行な仮想線P1(第1の位相)に整列して配置される。これに対して、サーボバンドs9とサーボバンドs11の間に位置するサーボバンドs10に記録されるサーボパターン6の端部は、仮想線P1に対してテープ長手方向に所定距離シフトした仮想線P2(第2の位相)上に配置される。
サーボバンドs0~s12のうち、サーボバンドs12には、サーボバンド識別情報(第1のサーボバンド識別情報)が書き込まれる。サーボバンドs12に記録されるサーボパターン10の端部は、テープ幅方向(Y軸方向)に平行な仮想線P1(第1の位相)に整列して配置される。
記録再生装置のドライブヘッド部について図18を参照して説明する。図18に示すように、ドライブヘッド部36は、磁気テープ1のデータバンド(記録トラック5)にデータ信号の記録/再生を行う複数のデータライト/リードヘッド133と、サーボバンドに記録されたサーボパターン6を読み込む2つのサーボリードヘッド132a,132bとを有する。ドライブヘッド部36がデータ信号の記録/再生を行うとき、2つのサーボリードヘッド132a,132bのうち一方のサーボリードヘッド132aは、隣接する2つのサーボバンドsのうち一方のサーボバンドs(sa)上に位置し、このサーボバンドs(sa)上のサーボパターン6を読み取るように構成される。また、2つのサーボリードヘッド132a,132bのうち他方のサーボリードヘッド132bは、隣接する2つのサーボバンドsのうち他方のサーボバンドs(sb)上に位置し、このサーボバンドs(sb)上のサーボパターン6を読み取るように構成される。
データバンドの特定に際しては、記録再生装置のドライブヘッド部36に取り付けられた2つのサーボリードヘッド132a,132bにより読み出される2本のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とそのテープ長手方向の位相との組み合わせが参照される。ここでは、一方のサーボリードヘッド132aで読み出される一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその位相との組(第1の組)と、他方のサーボリードヘッド132bで読み出される他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその位相との組(第2の組)との間の組み合わせは、全てのサーボバンドにわたって異なり、個々のデータバンドに対応付けられた固有のものである。したがって以下のように、隣り合う2つのサーボバンドのサーボバンド識別情報と位相との組どうしの組み合わせを参照することで、データバンドの特定が可能となる。
データバンドd11に隣接する2本のサーボバンドs0、s1のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第1のサーボバンド識別情報、第1の位相)及び(第1のサーボバンド識別情報、第2の位相)である。
データバンドd9に隣接する2本のサーボバンドs1、s2のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第1のサーボバンド識別情報、第2の位相)及び(第1のサーボバンド識別情報、第1の位相)である。
データバンドd7に隣接する2本のサーボバンドs2、s3のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第1のサーボバンド識別情報、第1の位相)及び(第2のサーボバンド識別情報、第1の位相)である。
データバンドd5に隣接する2本のサーボバンドs3、s4のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第2のサーボバンド識別情報、第1の位相)及び(第2のサーボバンド識別情報、第2の位相)である。
データバンドd3に隣接する2本のサーボバンドs4、s5のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第2のサーボバンド識別情報、第2の位相)及び(第2のサーボバンド識別情報、第1の位相)である。
データバンドd1に隣接する2本のサーボバンドs5、s6のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第2のサーボバンド識別情報、第1の位相)及び(第3のサーボバンド識別情報、第1の位相)である。
データバンドd0に隣接する2本のサーボバンドs6、s7のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第3のサーボバンド識別情報、第1の位相)及び(第3のサーボバンド識別情報、第2の位相)である。
データバンドd2に隣接する2本のサーボバンドs7、s8のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第3のサーボバンド識別情報、第2の位相)及び(第3のサーボバンド識別情報、第1の位相)である。
データバンドd4に隣接する2本のサーボバンドs8、s9のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第3のサーボバンド識別情報、第1の位相)及び(第4のサーボバンド識別情報、第1の位相)である。
データバンドd6に隣接する2本のサーボバンドs9、s10のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第4のサーボバンド識別情報、第1の位相)及び(第4のサーボバンド識別情報、第2の位相)である。
データバンドd8に隣接する2本のサーボバンドs10、s11のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第4のサーボバンド識別情報、第2の位相)及び(第4のサーボバンド識別情報、第1の位相)である。
データバンドd10に隣接する2本のサーボバンドs11、s12のサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせは、(第4のサーボバンド識別情報、第1の位相)及び(第1のサーボバンド識別情報、第1の位相)である。
このように、本実施形態によれば、同じサーボバンド識別情報がそれぞれ記録された3本以上(本例では3本)の連続するサーボバンドsにおいて、隣り合う2本のサーボバンドsに記録されるサーボバンド識別情報の長手方向の位相の組み合わせが全て異なる。例えば、第1のサーボバンド識別情報がそれぞれ記録された3本の連続するs0、s1、s2において、隣り合う2本のサーボバンド(s0、s1)及び(s1、s2)の位相の組み合わせ(第1の位相、第2の位相)及び(第2の位相、第1の位相)が全て異なる。
さらに、異なるサーボバンド識別情報が記録される隣り合う2本のサーボバンド間においてサーボバンド識別情報の組み合わせが全て異なる。例えば、2本のサーボバンドs2、s3のサーボバンド識別情報の組み合わせは、(第1のサーボバンド識別情報、第2のサーボバンド識別情報)である。2本のサーボバンドs5、s6のサーボバンド識別情報の組み合わせは、(第2のサーボバンド識別情報、第3のサーボバンド識別情報)である。2本のサーボバンドs8、s9のサーボバンド識別情報の組み合わせは、(第3のサーボバンド識別情報、第4のサーボバンド識別情報)である。2本のサーボバンドs11、s12のサーボバンド識別情報の組み合わせは、(第4のサーボバンド識別情報、第1のサーボバンド識別情報)である。これらのサーボバンド識別情報の組み合わせは全て異なる。
このように、本実施形態によれば、同じサーボバンド識別情報がそれぞれ記録された3本以上(本例では3本)の連続するサーボバンドsにおいて、隣り合う2本のサーボバンドsに記録されるサーボバンド識別情報の長手方向の位相の組み合わせが全て異なる。且つ、異なるサーボバンド識別情報が記録される隣り合う2本のサーボバンド間においてサーボバンド識別情報の組み合わせが全て異なる。その結果、隣り合う2本のサーボバンドsに記録されるサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせが、全て異なる。これにより、1本のデータバンドdに隣接する2本のサーボバンドsから得られるサーボバンド識別情報及び位相の組み合わせを、他のデータバンドに隣接する2本のサーボバンドから得られるサーボバンド識別情報と異ならせることにより、個々のデータバンドの特定が可能となる。
さらに本実施形態においては、記録再生するべきデータバンドd0~d11を特定するために、4種類のサーボバンドが用いられる。上述のように、サーボバンドには、サーボバンド識別情報が埋め込まれる。サーボバンド識別情報は、複数ビットの情報であり、製造業者ワードTWにおける2番目以降の96個の製造業者データTxの所定位置に埋め込まれる。サーボバンド識別情報は、典型的には、4ビットであるが、8ビット(シンボル対「A0」及び「A1」の組み合わせ)であってもよいし、4ビット及び8ビット以外の他の複数ビットであってもよい。以下、サーボバンド識別情報が4ビットである場合を例に挙げて説明する。
[サーボバンド識別情報]
本実施形態において、上記4種類のサーボバンドは、第1のサーボバンド識別情報が記録される第1のサーボバンドと、第2のサーボバンド識別情報が記録される第2のサーボバンドと、第3のサーボバンド識別情報が記録される第3のサーボバンドと、第4のサーボバンド識別情報が記録される第4のサーボバンドとを有する。第1のサーボバンド識別情報は、4ビットの情報(例えば「1001」)である。第2のサーボバンド識別情報は、第1のサーボバンド識別情報とは異なる4ビットの情報(例えば、「0111」)である。第3のサーボバンド識別情報は、第1及び第2のサーボバンド識別情報とは異なる4ビットの情報(例えば「0110」)である。第4のサーボバンド識別情報は、第1、第2及び第3のサーボバンド識別情報とは異なる4ビットの情報(例えば「0101」)である。
第1乃至第4のサーボバンド識別情報を構成する符号「0」、「1」の組み合わせは、サーボパターン6の再生波形から識別される。つまり、サーボパターン6の再生波形は、符号「0」、「1」の変調波に相当し、当該再生波形を復調し、且つ、例えば4ビット組み合わせることで、第1乃至第4のサーボバンド識別情報が読み出される。以下、例として、第1乃至第4のサーボバンド識別情報のうち、第1及び第2のサーボバンド識別情報について、図7及び図8を参照して説明する。
図7(A)、(B)は、第1のサーボバンド識別情報が埋め込まれるサーボパターン(以下、第1のサーボパターン61ともいう)及び第2のサーボバンド識別情報が埋め込まれるサーボパターン(以下、第2のサーボパターン62ともいう)の構成例を示す概略図である。同図に示すように、第1のサーボパターン61及び第2のサーボパターン62はいずれも、一方の符号(例えば「1」)を表すサーボフレームSF1と、他方の符号(例えば「0」)を表すサーボフレームSF0とを含む2種のサーボフレームSFの組み合わせからなる。各サーボフレームSF1、SF0は、第1サーボサブフレームSSF1及び第2サーボサブフレームSSF2からなるサーボフレームSFを構成単位とする点で共通するが、第1サーボサブフレームSSF1(Aバースト6a及びBバースト6b)が相互に異なる。
図7(A)に示すように、符号「1」を表すサーボフレームSF1においては、Aバースト6a及びBバースト6bをそれぞれ構成する5本の傾斜パターンを図中左側から順に第1傾斜部、第2傾斜部、第3傾斜部、第4傾斜部及び第5傾斜部としたとき、第2、第4傾斜部がそれぞれ第1、第5傾斜部側に偏った位置に配置される。これに対して、図7(B)に示すように、符号「0」を表すサーボフレームSF0においては、Aバースト6a及びBバースト6bを構成する傾斜パターンの一部の配列間隔がサーボフレームSF1と異なっている。図示の例では、Aバースト6a及びBバースト6bをそれぞれ構成する5本の傾斜パターンは、第2、第4傾斜部がそれぞれ第3傾斜部側に偏った位置に配置される。このため、サーボフレームSF0におけるAバースト6a及びBバースト6bについては、第2傾斜部と第3傾斜部、並びに第3傾斜部と第4傾斜部との間隔が最も小さく、第1傾斜部と第2傾斜部、並びに第4傾斜部と第5傾斜部との間隔が最も大きくなっている。
図8(A)、(B)は、第1のサーボパターン61及び第2のサーボパターン62の再生波形SP1、SP2をそれぞれ示している。各サーボフレームSF1、SF0の再生波形は、各バースト6a~6d各々の傾斜部に対応する位置にピークを有するバースト信号で構成される。上述のように、サーボフレームSF0については、Aバースト6a及びBバースト6bの構成がサーボフレームSF1のAバースト6a及びBバースト6bと異なるため、その異なる傾斜部の間隔に対応してバースト信号S6a及びS6bのピーク位置にずれが生じる。したがって、このピーク位置のずれが生じている部位とそのずれ量、ずれ方向を検出することにより、サーボフレームSFに書き込まれた情報の読み出しが可能となる。ここでは例えば、図8(A)に示すサーボフレームSF1が1つのビット「1」を表し、図8(B)に示すサーボフレームSF0が他の1つのビット「0」を表す。これら2個のサーボフレームSF1、SF0を任意に例えば4ビット組み合わせることで、第1及び第2のサーボバンド識別情報を構成することができる。
以上の説明では、Aバースト及びBバースト6bの第2、第4傾斜部の記録位置を異ならせたが、これに限られず、Aバースト6a、Bバースト6b、Cバースト6c及びDバースト6dの少なくとも1つを異ならせればよいし、記録位置を異ならせる傾斜部も第2、第4傾斜部に限られない。すなわち、サーボフレームSFを構成する2種以上の異なる複数の方位角傾斜の少なくとも一部の配列間隔が異なっていれば、ビットの識別が可能となる。これらの例えば4ビットのビット列がサーボフレームSF1とサーボフレームSF0との間で異なっていればよい。
サーボフレームSF1、SF0を構成する方位角傾斜の角度や配列間隔は特に限定されず、テープ幅やサーボバンドの数等に応じて任意に設定可能である。例えば、距離AB及びACは、30μm以上100μm以下、各方位角傾斜のテープ幅方向に対する傾斜角は、6°以上25°以下、各方位角傾斜のテープ幅方向における長さは、30μm以上192μm以下とすることができる。
本実施形態の磁気テープ1は、第1のサーボバンド識別情報が記録された3本の第1のサーボバンドA(第1のサーボバンド群SB1)と、第2のサーボバンド識別情報が記録された3本の第2のサーボバンドB(第2のサーボバンド群SB2)と、第3のサーボバンド識別情報が記録された3本の第3のサーボバンドC(第3のサーボバンド群SB3)と、第4のサーボバンド識別情報が記録された3本の第4のサーボバンドD(第4のサーボバンド群SB4)と、第1のサーボバンド識別情報が記録された1本の別の第1のサーボバンドAと、を有する(図6参照)。図3の例では、サーボバンドs0、s1、s2が第1のサーボバンドAに相当し、サーボバンドs3、s4、s5が第2のサーボバンドBに相当し、サーボバンドs6、s7、s8が第3のサーボバンドCに相当し、サーボバンドs9、s10、s11が第4のサーボバンドDに相当し、サーボバンドs12が別の第1のサーボバンドAに相当する。
図6は、図3に示した13ch(チャンネル。サーボバンドの本数)のサーボバンドを有する磁気テープ1におけるサーボバンドA、B、C、Dの割り当てと、第1及び第2の位相P1、P2とを示す模式図である。同図に示すように、隣り合うサーボバンドA、B、C、D及び位相P1、P2の組み合わせが、以下の様に、それぞれ、データバンドd11、d9、d7、d5、d3、d1、d0、d2、d4、d6、d8、d10に相当する。下記の通り、隣り合うサーボバンドA、B、C、D及び位相P1、P2の組み合わせは、全て異なる。つまり、上述のように、隣り合う2つのサーボバンドのうち、一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報と位相との組(第1の組)と、他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報と位相との組(第2の組)どうしの組み合わせが、重複しないように設定される。
第1の組(A、P1)、第2の組(A、P2)=d11
第1の組(A、P2)、第2の組(A、P1)=d9
第1の組(A、P1)、第2の組(B、P1)=d7
第1の組(B、P1)、第2の組(B、P2)=d5
第1の組(B、P2)、第2の組(B、P1)=d3
第1の組(B、P1)、第2の組(C、P1)=d1
第1の組(C、P1)、第2の組(C、P2)=d0
第1の組(C、P2)、第2の組(C、P1)=d2
第1の組(C、P1)、第2の組(D、P1)=d4
第1の組(D、P1)、第2の組(D、P2)=d6
第1の組(D、P2)、第2の組(D、P1)=d8
第1の組(D、P1)、第2の組(A、P1)=d10
図9は、一実施例に係る、17chのサーボバンドを有する磁気テープ1の場合における図6と同様な模式図である。
17chの場合は、第1乃至第4のサーボバンドA、B、C、Dのほか、これら第1乃至第4のサーボバンドA、B、C、Dとは異なるサーボバンド識別情報が記録される3本の第5のサーボバンドE(第5のサーボバンド群SB5)及び2本の第6のサーボバンドF(第6のサーボバンド群SB6)を有する。第5のサーボバンドEには、第5のサーボバンド識別情報として、第1乃至第4のサーボバンド識別情報とは異なる4ビットの情報(例えば「0100」)を含む第5のサーボパターンが記録される。第6のサーボバンドFには、第6のサーボバンド識別情報として、第1乃至第5のサーボバンド識別情報とは異なる4ビットの情報を含む第6のサーボパターンが記録される。第5及び第6のサーボバンド識別情報は、サーボフレームSF1及びサーボフレームSF0の組み合わせを第1乃至第4のサーボバンド識別情報のそれらと異ならせることで任意に設定することができる。17chのサーボバンドを有する磁気テープ1の場合も、下記の通り、隣り合うサーボバンドA、B、C、D、E、F及び位相P1、P2の組み合わせは、全て異なる。
第1の組(A、P1)、第2の組(A、P2)=d15
第1の組(A、P2)、第2の組(A、P1)=d13
第1の組(A、P1)、第2の組(B、P1)=d11
第1の組(B、P1)、第2の組(B、P2)=d9
第1の組(B、P2)、第2の組(B、P1)=d7
第1の組(B、P1)、第2の組(C、P1)=d5
第1の組(C、P1)、第2の組(C、P2)=d3
第1の組(C、P2)、第2の組(C、P1)=d1
第1の組(C、P1)、第2の組(D、P1)=d0
第1の組(D、P1)、第2の組(D、P2)=d2
第1の組(D、P2)、第2の組(D、P1)=d4
第1の組(D、P1)、第2の組(E、P1)=d6
第1の組(E、P1)、第2の組(E、P2)=d8
第1の組(E、P2)、第2の組(E、P1)=d10
第1の組(E、P1)、第2の組(F、P1)=d12
第1の組(F、P1)、第2の組(F、P1)=d14
図10Aは、別の一実施例に係る、13chのサーボバンドを有する磁気テープ1の場合における図6と同様な模式図である。
本実施例は、図6と同じ13chである。図6との違いは、同じサーボバンド識別情報がそれぞれ記録されたサーボバンドが、3本ではなく4本連続する点である。例えば、同じ第1のサーボバンド識別情報が記録される第1のサーボバンドAが4本連続する。その結果、同じ13chであっても、第4のサーボバンドDが不要となり、第1乃至第3のサーボバンドA、B、Cの3種類で足りる。この場合も、下記の通り、隣り合うサーボバンドA、B、C及び位相P1、P2の組み合わせは、全て異なる。
第1の組(A、P2)、第2の組(A、P1)=d11
第1の組(A、P1)、第2の組(A、P1)=d9
第1の組(A、P1)、第2の組(A、P2)=d7
第1の組(A、P2)、第2の組(B、P2)=d5
第1の組(B、P2)、第2の組(B、P1)=d3
第1の組(B、P1)、第2の組(B、P1)=d1
第1の組(B、P1)、第2の組(B、P2)=d0
第1の組(B、P2)、第2の組(C、P2)=d2
第1の組(C、P2)、第2の組(C、P1)=d4
第1の組(C、P1)、第2の組(C、P1)=d6
第1の組(C、P1)、第2の組(C、P2)=d8
第1の組(C、P2)、第2の組(A、P2)=d10
図10Bは、別の一実施例に係る、13chのサーボバンドを有する磁気テープ1の場合における図6と同様な模式図である。
本実施例は、図10Aと同じ13chである。図10Aと同じく、同じサーボバンド識別情報がそれぞれ記録されたサーボバンドが、3本ではなく4本連続する。図10Aとの違いは、位相がP1、P2、P3の3種類である点である。この場合も、下記の通り、隣り合うサーボバンドA、B、C及び位相P1、P2、P3の組み合わせは、全て異なる。
第1の組(A、P2)、第2の組(A、P1)=d11
第1の組(A、P1)、第2の組(A、P1)=d9
第1の組(A、P1)、第2の組(A、P3)=d7
第1の組(A、P3)、第2の組(B、P2)=d5
第1の組(B、P2)、第2の組(B、P1)=d3
第1の組(B、P1)、第2の組(B、P1)=d1
第1の組(B、P1)、第2の組(B、P3)=d0
第1の組(B、P3)、第2の組(C、P2)=d2
第1の組(C、P2)、第2の組(C、P1)=d4
第1の組(C、P1)、第2の組(C、P1)=d6
第1の組(C、P1)、第2の組(C、P3)=d8
第1の組(C、P3)、第2の組(A、P2)=d10
図10Cは、別の一実施例に係る、13chのサーボバンドを有する磁気テープ1の場合における図6と同様な模式図である。
本実施例は、図6と同じ13chである。図6と同じく、同じサーボバンド識別情報がそれぞれ記録されたサーボバンドが、3本連続する。図6との違いは、位相がP1、P2、P3の3種類である点である。位相P3は、位相P2に対して位相P1とは反対側にテープ長手方向に所定量シフトした位置に設定される。この場合も、下記の通り、隣り合うサーボバンドA、B、C、D及び位相P1、P2、P3の組み合わせは、全て異なる。
第1の組(A、P1)、第2の組(A、P3)=d11
第1の組(A、P3)、第2の組(A、P2)=d9
第1の組(A、P2)、第2の組(B、P1)=d7
第1の組(B、P1)、第2の組(B、P3)=d5
第1の組(B、P3)、第2の組(B、P2)=d3
第1の組(B、P2)、第2の組(C、P1)=d1
第1の組(C、P1)、第2の組(C、P3)=d0
第1の組(C、P3)、第2の組(C、P2)=d2
第1の組(C、P2)、第2の組(D、P1)=d4
第1の組(D、P1)、第2の組(D、P3)=d6
第1の組(D、P3)、第2の組(D、P2)=d8
第1の組(D、P2)、第2の組(A、P2)=d10
第1乃至第6のサーボバンドA~Fの割り当て例は図9、図10A、図10B及び図10Cに示す例に限られない、例えば、13chの場合において、図10A及び図10Bの様にサーボバンドを図中上からAAAABBBBCCCCAとする代わりに、AAAABBBBCCCCBとしてもよい。
図6、図9、図10A、図10B及び図10Cの例から明らかなように、本実施形態によれば、サーボバンド識別情報の数は、サーボバンドの数の半分未満の数((サーボバンド数/2)-1)で足りる。サーボバンド識別情報の数は、13chの場合は例えば3個(図10A、図10B)又は4個(図6、図10C)、17chの場合は例えば6個(図9)である。
以上のように本実施形態の磁気テープ1は、第1のサーボバンド識別情報が記録された3本以上の連続する第1のサーボバンドAと、第2のサーボバンド識別情報が記録された3本以上の連続する第2のサーボバンドBとを少なくとも有する。3本以上の連続する第1のサーボバンドAに含まれる隣り合う2本の第1のサーボバンドAに記録される第1のサーボバンド識別情報の長手方向の位相Pの組み合わせが全て異なる。3本以上の連続する第2のサーボバンドBに含まれる隣り合う2本の第2のサーボバンドBに記録される第2のサーボバンド識別情報の長手方向の位相Pの組み合わせが全て異なる。その結果、隣り合うサーボバンドs及び位相Pの組み合わせが全て異なる。これにより、本実施形態の磁気テープ1は、データバンドdを挟む一対のサーボバンドsのサーボバンド識別情報及び位相Pの組み合わせの相違に基づいてデータバンドdが特定されるように構成される。これにより、データバンド数の増加に伴うサーボバンド識別情報の増加が抑えられ、データバンドの増加に容易に対応することが可能となる。また、個々のサーボバンドに固有のサーボバンド識別情報を付する必要がないため、サーボバンド識別情報の種類の増加が抑えられるとともに、各サーボバンドへのサーボバンド識別情報の割り当てを容易に行うことができる。
[サーボパターン記録装置の詳細]
続いて、サーボパターン記録装置100の詳細について説明する。
サーボパターン記録装置100は、図1に示すように、サーボライトヘッド13を駆動する駆動部20を有する。図11は、サーボライトヘッド13の構成を概略的に示す斜視図、図12は、駆動部20の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、サーボライトヘッド13は、磁気テープ1(図3、図6)の各サーボバンドs0~s12にサーボパターン6を記録するための複数のヘッドブロックh0~h4を有する。各ヘッドブロックh0~h4は、接着層hsを介して相互に接合される。
第1のヘッドブロックh0は、磁気テープ1の3本の連続する第1のサーボバンドs0、s1、s2(図6のA)に対応して配置され、第1のサーボバンドs0、s1、s2に第1のサーボパターンを記録するための3個の第1の磁気ギャップg1を有する。3個の第1の磁気ギャップg1に含まれる隣り合う2個の第1の磁気ギャップg1の長手方向(X方向)の位相P1、P2の組み合わせが全て異なるように、3個の第1の磁気ギャップg1が配置される。
第2のヘッドブロックh1は、磁気テープ1の3本の連続する第2のサーボバンドs3、s4、s5(図6のB)に対応して配置され、第2のサーボバンドs3、s4、s5に第2のサーボパターンを記録するための3個の第2の磁気ギャップg2を有する。3個の第2の磁気ギャップg2に含まれる隣り合う2個の第2の磁気ギャップg2の長手方向(X方向)の位相P1、P2の組み合わせが全て異なるように、3個の第2の磁気ギャップg2が配置される。
第3のヘッドブロックh2は、磁気テープ1の3本の連続する第3のサーボバンドs6、s7、s8(図6のC)に対応して配置され、第3のサーボバンドs6、s7、s8に第3のサーボパターンを記録するための3個の第3の磁気ギャップg3を有する。3個の第3の磁気ギャップg3に含まれる隣り合う2個の第3の磁気ギャップg3の長手方向(X方向)の位相P1、P2の組み合わせが全て異なるように、3個の第3の磁気ギャップg3が配置される。
第4のヘッドブロックh3は、磁気テープ1の3本の連続する第4のサーボバンドs9、s10、s11(図6のD)に対応して配置され、第4のサーボバンドs9、s10、s11に第4のサーボパターンを記録するための3個の第4の磁気ギャップg4を有する。3個の第4の磁気ギャップg4に含まれる隣り合う2個の第4の磁気ギャップg4の長手方向(X方向)の位相P1、P2の組み合わせが全て異なるように、3個の第4の磁気ギャップg4が配置される。
別の第1のヘッドブロックh4は、磁気テープ1の1本の別の第1のサーボバンドs12(図6のA)に対応して配置され、第1のサーボバンドs12に第1のサーボパターンを記録するための1個の第1の磁気ギャップg1を有する。
磁気ギャップgは、相互に逆方向に傾斜する一対の直線部(「/」及び「\」)からなり、一方の直線部「/」はAバースト6a及びCバースト6cを、他方の直線部「\」はBバースト6b及びDバースト6dをそれぞれ記録する。各ヘッドブロックh0~h4の磁気ギャップgは、サーボライトヘッド13の長手方向に平行な軸線P1、P2上に整列するように配置される。各ヘッドブロックh0~h4は相互に磁気的に分離されており、2個以上のサーボバンドに同一のタイミングで異なる種類のサーボパターンを記録可能に構成される。
駆動部20は、コントローラ30(図1参照)からの出力に基づき、サーボ情報をパルス情報に変換する変換器21と、変換器21の出力に基づいてパルス信号を生成する信号生成部22と、生成されたパルス信号を増幅する増幅器23とを有する。信号生成部22及び増幅器23は、各ヘッドブロックh0~h4に対応して複数ずつ設けられており、各ヘッドブロックh0~h4に固有のパルス信号を出力することが可能に構成される。
コントローラ30は、第1のサーボバンド識別情報を記録するべき第1のサーボバンドの位置(本例では、s0、s1、s2)と、第2のサーボバンド識別情報を記録するべき第2のサーボバンドの位置(本例では、s3、s4、s5)と、第3のサーボバンド識別情報を記録するべき第3のサーボバンドの位置(本例では、s6、s7、s8)と、第4のサーボバンド識別情報を記録するべき第4のサーボバンドの位置(本例では、s9、s10、s11)と、第1のサーボバンド識別情報を記録するべき別の第1のサーボバンドの位置(本例では、s12)とに関するデータを格納したメモリを備える。コントローラ30は、当該メモリに格納されたデータに基づいて、駆動部20を制御する。
変換器21は、各サーボバンドs0~s12に記録するべきサーボバンド識別情報に対応する情報を各ヘッドブロックh0~h4に対応する信号生成部22へ個々に出力する。本実施形態では、変換器21は、第1のサーボバンドs0、s1、s2、s12に対応する第1のヘッドブロックh0及びh4に第1のサーボバンド識別情報を含む第1のサーボパターン61(図7(A))を記録するための第1のパルス信号PS1(第1の記録信号)を出力する。変換器21は、第2のサーボバンドs3、s4、s5に対応する第2のヘッドブロックh1に第2のサーボバンド識別情報を含む第2のサーボパターン62(図7(B))を記録するための第2のパルス信号PS2(第2の記録信号)を出力する。変換器21は、第3のサーボバンドs6、s7、s8に対応する第3のヘッドブロックh2に第3のサーボバンド識別情報を含む第3のサーボパターン(図3)を記録するための第3のパルス信号(第3の記録信号)を出力する。変換器21は、第4のサーボバンドs9、s10、s11に対応する第4のヘッドブロックh3に第4のサーボバンド識別情報を含む第4のサーボパターン(図3)を記録するための第4のパルス信号(第4の記録信号)を出力する。以下、例として、第1乃至第4のパルス信号のうち、第1及び第2のパルス信号について、図13(A)、(B)を参照して説明する。
図13(A)、(B)に、第1のパルス信号PS1及び第2のパルス信号PS2における第1サーボサブフレームSSF1の記録信号波形をそれぞれ模式的に示す。同図に示すように、第1及び第2のパルス信号PS1、PS2は、5つのパルス群からなる第1パルス群SPF1と、4つのパルス群からなる第2パルス群SPF2とを含む。第1パルス群SPF1は、Aバースト6aの各傾斜部を記録するための信号であり、第2パルス群SPF2は、Bバースト6bの各傾斜部を記録するための信号である。
同図に示すように、第1のパルス信号PS1と第2のパルス信号PS2との間には、第1パルス群SPF1における2番目及び4番目のパルスの立ち上がり時刻が異なっており、パルス信号PS2の方がパルス信号PS1よりも2番目のパルスの立ち上がり時刻が遅く、4番目のパルスの立ち上がり時刻が早い。これにより、図7(A)、(B)に示したようなAバースト6aの傾斜部の配列間隔の一部が相互に相違する第1サーボサブフレームSSF1が形成される。第1のサーボバンド識別情報乃至第4のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを比較したとき、少なくとも一方の方位角傾斜の配列間隔の一部が相互に相違する。
さらに、第1のパルス信号PS1と第2のパルス信号PS2は、それぞれ同一のタイミングでヘッドブロックh0、h4とヘッドブロックh1に送信される。これにより、各ヘッドブロックh0、h1、h4において第1のサーボバンドs0、s1、s2、s12には第1のサーボパターン61(第1のサーボバンド識別情報)が、第2のサーボバンドs3、s4、s5には第2のサーボパターン62(第2のサーボバンド識別情報)が同一のタイミングで記録される。
以上に、例として、第1及び第2のパルス信号について説明したが、第3及び第4のパルス信号も同様である。即ち、第3のパルス信号の一部のパルスの立ち上がり時刻は、第1、第2及び第4のパルス信号の、このパルスの立ち上がり時刻と異なる。第4のパルス信号の一部のパルスの立ち上がり時刻は、第1、第2及び第3のパルス信号の、このパルスの立ち上がり時刻と異なる。第1乃至第4のパルス信号は、それぞれ同一のタイミングで各ヘッドブロックh0乃至h4に送信される。これにより、各ヘッドブロックh0乃至h4において第1乃至第4のサーボバンドs0-s12に、第1乃至第4のサーボパターン(サーボバンド識別情報)が同一のタイミングで記録される。
図11に示すように、第1のヘッドブロックh0において、3個の第1の磁気ギャップg1に含まれる隣り合う2個の第1の磁気ギャップg1の長手方向(X方向)の位相P1、P2の組み合わせが全て異なるように、3個の第1の磁気ギャップg1が配置される。第2のヘッドブロックh1において、3個の第2の磁気ギャップg2に含まれる隣り合う2個の第2の磁気ギャップg2の長手方向(X方向)の位相P1、P2の組み合わせが全て異なるように、3個の第2の磁気ギャップg2が配置される。第3のヘッドブロックh2において、3個の第3の磁気ギャップg3に含まれる隣り合う2個の第3の磁気ギャップg3の長手方向(X方向)の位相P1、P2の組み合わせが全て異なるように、3個の第3の磁気ギャップg3が配置される。第4のヘッドブロックh3において、3個の第4の磁気ギャップg4に含まれる隣り合う2個の第4の磁気ギャップg4の長手方向(X方向)の位相P1、P2の組み合わせが全て異なるように、3個の第4の磁気ギャップg4が配置される。
このため、第1乃至第4のパルス信号がそれぞれ同一のタイミングで各ヘッドブロックh0乃至h4に巻かれたコイルに送信される場合、その誘導磁場で各ヘッドブロックh0乃至h4が同一のタイミングで磁化される。第1のヘッドブロックh0に着目すると、磁化されたヘッドブロックh0に形成された3個の第1の磁気ギャップg1から同一のタイミングで漏れ磁界が発生する。3個の第1の磁気ギャップg1の長手方向(X方向)の位相P1、P2が異なることから、サーボバンドs0、s1、s2に第1のサーボパターン61(第1のサーボバンド識別情報)が異なる位相P1、P2で、同一のタイミングで記録される。他のヘッドブロックh1乃至h4も同様である。即ち、磁化されたヘッドブロックh0乃至h4に形成された13個の磁気ギャップg1乃至g4から同一のタイミングで漏れ磁界が発生する。13個の磁気ギャップg1乃至g4の長手方向(X方向)の位相P1、P2が異なることから、サーボバンドs0乃至s12に第1乃至第4のサーボパターン(第1乃至第4のサーボバンド識別情報)が異なる位相P1、P2で、同一のタイミングで記録される。
図14は、上述したサーボパターン記録方法を説明するフローチャートである。
まず、サーボライトヘッド13を準備する(ST100)。サーボライトヘッド13は、複数のヘッドブロックh0~h4を有する。各ヘッドブロックh0~h4は、3個以上の磁気ギャップgを有する。3個以上の磁気ギャップgに含まれる隣り合う2個の磁気ギャップgの長手方向(X方向)の位相P1、P2の組み合わせが全て異なるように、3個以上の磁気ギャップgが配置される。
サーボバンドの数(ch数)及びヘッドブロックhの数に応じたサーボパターンが決定される(ST101)。本実施形態では、13chのサーボバンドs0~s12を有する磁気テープ1に5個のヘッドブロックh0~h4を有するサーボライトヘッド13を用いてサーボパターンを記録するため、サーボバンド識別情報が相互に異なる4種類のサーボパターン(第1乃至第4のサーボパターンが決定される。サーボパターンの決定は、例えば、コントローラ30に備えられた入力部を介して入力され、上記メモリへ格納される。
続いて、第1乃至第4のサーボバンド識別情報が記録される3個以上の連続する第1乃至第4のサーボバンドA乃至Dを決定する(ST102)。本実施形態では、上述のように、サーボバンドs0、s1、s2、s12を第1のサーボバンドAとして決定し、サーボバンドs3、s4、s5を第2のサーボバンドBとして決定し、サーボバンドs6、s7、s8を第3のサーボバンドCとして決定し、サーボバンドs9、s10、s11を第4のサーボバンドDとして決定される。各サーボバンドA乃至Dの決定は、例えば、コントローラ30に備えられた入力部を介して入力される。
続いて、駆動部20によりサーボライトヘッド13へ第1乃至第4のパルス信号が同一のタイミングで入力されることで、第1乃至第4のサーボバンドA乃至Dに第1乃至第4のサーボバンド識別情報を含む第1乃至第4のサーボパターンが記録される(ST103)。上述のように、各ヘッドブロックh0~h4が有する13個の磁気ギャップg1乃至g4の長手方向(X方向)の位相P1、P2が異なることから、サーボバンドs0乃至s12に第1乃至第4のサーボパターン(第1乃至第4のサーボバンド識別情報)が異なる位相P1、P2で、同一のタイミングで記録される。これにより、図3に示した磁気テープ1が作製される。
[サーボライトヘッド]
次に、サーボライトヘッド13の具体的な構成について詳細に説明する。図15は、サーボライトヘッド13を磁気テープ1側から見た斜視図である。図16は、図15に示すサーボライトヘッド13のXZ平面の断面図である。図17は、サーボライトヘッド13の上部を側方から見た模式的な部分拡大図である。
サーボライトヘッド13において、長さ方向(Y軸方向)は、磁気テープ1の幅方向に対応し、幅方向(X軸方向)は、磁気テープ1の長さ方向及び磁気テープ1の走行方向に対応する。また、サーボライトヘッド13において、高さ方向(Z軸方向)は、磁気テープ1の厚さ方向に対応する。
これらの図に示すように、サーボライトヘッド13は、ヘッドブロック20と、シールドケース50と、複数のコイル60とを備えている。
シールドケース50は、サーボライトヘッド13が有するコイル60から発生する磁界が外部の他の部品に悪影響を与えないように、コイル60からの磁界をシールドする。また、シールドケース50は、外部の他の部品から発生する磁界がコイル60に悪影響を与えないように、外部からの磁界をシールドする。
シールドケース50の上部には、ヘッドブロック20をシールドケース50から露出させるための開口51が設けられている。また、シールドケース50の下部には、コイル60と繋がる導線61をシールドケース50の外部に引き出すための開口が設けられている。
ヘッドブロック20の上部において、幅方向(X軸方向)の中央近傍には、長さ方向(Y軸方向)に沿って、磁気テープ1に対向する対向部21が設けられている。対向部21の表面は、平坦面とされている。この対向部21の表面を本明細書中において、記録面22と呼ぶ。この記録面22は、走行する磁気テープ1に対向して、記録面22に設けられた磁気ギャップgにより磁気テープ1に対してサーボパターン6を記録する。
ヘッドブロック20は、ヘッドブロック20の核となるコア部40と、磁気ギャップgが形成されるベースとなるベース部45と、対向部21の表面を構成する薄膜部46とを備えている(特に、図16、図17参照)。薄膜部46は、金属磁性膜である。なお、上述の記録面22は、実際には、薄膜部46の表面に対応する。
コア部40の上部における幅方向(X軸方向)の中央近傍には、長さ方向(Y軸方向)に沿って上下方向に貫通する開口49が形成されている。ベース部45は、コア部40の上部に形成された開口49を埋めるように、この開口49に配置されている。
ベース部45の材料としては、ヘッドブロック20製造時において各種の接合のためや、薄膜部46の磁気特性確保のために熱処理が施されることを考慮して、高融点である硬質の非磁性材料(各種ガラス材料、各種セラミック材料)が用いられる。
薄膜部46は、対向部21の全領域に設けられている。薄膜部46は、例えば、Fe系微結晶、NiFe、あるいは、これらに類似した高飽和磁束密度を有するその他の軟磁性合金によって構成されている。また、薄膜部46の厚さは、数μmとされている。
薄膜部46には、磁気ギャップgに対応する位置に、磁気ギャップgに対応する形状の開口27が設けられている。この開口27は、薄膜部46を上下方向に貫通するように薄膜部46に設けられている。この開口27には、非磁性材料が埋め込まれており、この非磁性材料の上面は、薄膜部46の表面(記録面22)と同じ高さとなっており、また、非磁性材料の下面は、ベース部45の上面と接続されている。薄膜部46に埋め込まれたこの非磁性材料により、磁気ギャップgが形成される。
コイル60によりコア部40が励磁されると、薄膜部46に埋め込まれた非磁性材料(磁気ギャップg)が、薄膜部46を通過しようとする磁束を妨げることにより、磁気ギャップgの位置で漏れ磁界が発生する。この漏れ磁界によってサーボバンドsに対してサーボパターン6を書き込むことが可能とされている。
コア部40は、複数のヘッドブロックh0~h4を含む。複数のヘッドブロックh0~h4は、磁性体材料により構成されている。磁性体材料としては、例えば、単結晶フェライトや多結晶フェライトなどのフェライト材料、センダストなどの軟磁性合金材料が用いられる。フェライト材料としては、例えば、Mn-Zn系フェライト等が挙げられる。
5個のヘッドブロックh0~h4の下部には、それぞれ個別の導線61がコイル状に巻回されて、ヘッドブロックh0~h4毎にそれぞれ個別のコイル60が形成されている。
5個のコイル60に対しては、それぞれ個別のパルス信号が供給可能とされており、5個のヘッドブロックh0~h4を個別に励磁することが可能とされている。これにより、5個のヘッドブロックh0~h4は、それぞれ、サーボバンドsに対して異なるタイミングでサーボパターン6を書き込むことが可能とされている。
[結語]
以上のように本実施形態によれば、各サーボバンドs0~s12に記録されるサーボパターン6及び位相P1、P2の組み合わせは、全て異なる。これにより、本実施形態の磁気テープ1は、データバンドdを挟む一対のサーボバンドsのサーボバンド識別情報及び位相Pの組み合わせの相違に基づいてデータバンドdが特定されるように構成される。これにより、データバンド数の増加に伴うサーボバンド識別情報の増加が抑えられ、データバンドの増加に容易に対応することが可能となる。また、個々のサーボバンドに固有のサーボバンド識別情報を付する必要がないため、サーボバンド識別情報の種類の増加が抑えられるとともに、各サーボバンドへのサーボバンド識別情報の割り当てを容易に行うことができる。このため、データバンドの増加に伴うサーボバンドの増加にも十分に対応することが可能となる。また、13chの場合、位相は2種類だけで足りるため、PESが有する位相差の影響を最小限に抑えつつ、各サーボバンドs0~s12上のサーボパターン6を高精度に検出することができる。
また、サーボバンドの本数の増加により個々のデータバンドの幅を狭めることができるため、温湿度環境の変化などによる磁気テープ1の形状変化が抑制される。これにより、長期にわたって安定したデータの読み出し又は書き込みが可能になる。
また本実施形態によれば、サーボサブフレームSSF1内の傾斜部の一部の配列間隔を異ならせることで複数種類のサーボフレームSF1、SF0を形成するようにしているため、トラッキング制御に支障を来すことなく、各サーボバンドに対応するサーボバンド識別情報を適切に取得することができる。
さらに本実施形態によれば、サーボバンド識別情報の種類をサーボバンドの数の半分未満の数とすることができるため、記録情報の簡素化を図ることが可能となり、これにより、サーボバンドに関する情報の書き込み及び読み取りに必要なメモリの使用量を低減することができる。
また、高記録密度を達成するためには、小さく磁気特性が高い磁性粒子を使うことになるが、そのような磁性粉を使った磁性層にサーボ信号を記録するためには、記録ヘッドに大きな電流を流す必要がある。大きな電流を流すためには太いコイル電線にして、巻き数を増やす必要があるため、サーボバンドは、できるだけまとめてコイルの本数を減らして、大きな電流を流せるようにすることが重要になる。本実施形態では、1個のコイルを用いて、3本以上の連続するサーボバンドに同一のタイミングで異なる位相のサーボバンドを記録するため、コイルの本数が少なくて済む。
具体的には、ヘッドブロックの数を1/2インチ(テープ状磁気記録媒体の幅の長さ)当たり最大でも6個として、1個のヘッドブロックあたり3トラック以上を1個のコイルで書き込めるようにすることで、10本以上のサーボバンドを書き込めるサーボライトヘッドを実現できる。
サーボ信号内にサーボバンド識別情報を信号の形で書き込むことと、記録位置を長手方向にずらし位相を変える方法の両方を使うことで10本以上のサーボバンドを同一のタイミングで書き込むサーボライトヘッドを作成することができる。10本以上のデータバンドでも確実に位置を特定することが可能になる。
現在のリニアサーペンタイン方式のテープシステムにおいて記録密度を高める必要がある中、トラック密度の向上が重要な課題となっている。例えばLTOにおいて、カートリッジ容量が30TBを超えるような記録密度である場合、本実施形態によれば、以下のスペックを実現することが可能である。
線記録密度:580kfci以上
トラック密度:25ktpi以上
テープ全厚:5.1um以下
Bit体積:3600000立方nm以下
[変形例]
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、サーボパターン6を構成するサーボフレームSFの方位角傾斜(アジマス角)は、例えば11°以上36°以下、好ましくは、11°以上26°以下とすることができる。また、上記方位角傾斜を「/」及び「\」の2種類としたが、これらとは傾斜角が異なる方位角傾斜がサーボパターンにさらに含まれてもよい。
以上の実施形態では、テープ状磁気記録媒体として、LTO規格に準拠した磁気テープを例に挙げて説明したが、他の規格の磁気テープにも同様に適用可能である。
以上の実施形態では、典型的には、各ヘッドブロックh0~h4は、3個の磁気ギャップgが形成された1個のヘッドブロックである。これに代えて、各ヘッドブロックh0~h4は、3個の磁気ギャップgがそれぞれ形成された3個の分割ヘッドブロック(不図示)が接合されて作成されてもよい。この場合、接合された3個の分割ヘッドブロックが共通のコイルで巻かれ、コイルからの誘導磁界で3個の分割ヘッドブロックが同一のタイミングで磁化される。
また、4個の磁気ギャップgが形成された1個のヘッドブロックを、2個の磁気ギャップgが形成された2個の分割ヘッドブロック(不図示)が接合されて作成されてもよい。この場合、接合された2個の分割ヘッドブロックが個別にコイルで巻かれ、各コイルからの誘導磁界で4個の分割ヘッドブロックが異なるタイミングで磁化されてもよい。これにより、例えば、13chの場合において、図10A及び図10Bの様にサーボバンドを図中上からAAAABBBBCCCCAとする代わりに、AAAABBBBAACCB、AAAABBBBCCBBA等とすることができる。
本開示は、以下の各構成を有してもよい。
(1) テープ状磁気記録媒体の長手方向に沿ってサーボパターンを記録する方法であって、
複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第1のサーボパターンを記録すべき3本以上の第1のサーボバンドで構成された第1のサーボバンド群と、前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第2のサーボパターンを記録すべき3本以上の第2のサーボバンドで構成された第2のサーボバンド群と、を決定し、
隣り合う2本のサーボバンドにおいて、第1のサーボリードヘッドで読み出される一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第1の組と、第2のサーボリードヘッドで読み出される他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第2の組との組み合わせが重複しないように、前記第1のサーボバンド群に前記第1のサーボバンド識別情報を記録し、前記第2のサーボバンド群に前記第2のサーボバンド識別情報を記録する
サーボパターンの記録方法。
(2)上記(1)に記載のサーボパターンの記録方法であって、
前記第1のサーボバンド群は、3本以上の連続する第1のサーボバンドで構成され、
前記第2のサーボバンド群は、3本以上の連続する第2のサーボバンドで構成される
サーボパターンの記録方法。
(3)上記(1)又は(2)に記載のサーボパターンの記録方法であって、
前記第1のサーボバンド識別情報及び前記第2のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第3のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第3のサーボパターンを記録すべき3本以上の第3のサーボバンドで構成された第3のサーボバンド群をさらに決定する
サーボパターンの記録方法。
(4)上記(3)に記載のサーボパターンの記録方法であって、
前記第3のサーボバンド群は、3本以上の連続する第3のサーボバンドで構成される
サーボパターンの記録方法。
(5)上記(3)又は(4)に記載のサーボパターンの記録方法であって、
前記第1のサーボバンド識別情報、前記第2のサーボバンド識別情報及び前記第3のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第4のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第4のサーボパターンを記録すべき3本以上の第4のサーボバンドで構成された第4のサーボバンド群をさらに決定する
サーボパターンの記録方法。
(6)上記(5)に記載のサーボパターンの記録方法であって、
前記第4のサーボバンド群は、3本以上の連続する第4のサーボバンドで構成される
サーボパターンの記録方法。
(7) テープ状磁気記録媒体の長手方向に沿ってサーボパターンを記録する装置であって、
3本以上の連続する第1のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第1の磁気ギャップであって、前記3個以上の第1の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第1の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第1の磁気ギャップを有する第1のヘッドブロックと、
3本以上の連続する第2のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第2の磁気ギャップであって、前記3個以上の第2の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第2の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第2の磁気ギャップを有する第2のヘッドブロックと、
を有するサーボライトヘッドと、
前記第1のヘッドブロックに対して複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報を記録するための第1の記録信号を、且つ、前記第2のヘッドブロックに対して前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報を記録するための第2の記録信号を、同一のタイミングで出力する駆動部と、
を具備するサーボパターン記録装置。
(8)上記(7)に記載のサーボパターン記録装置であって、
前記サーボライトヘッドは、3本以上の連続する第3のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第3の磁気ギャップであって、前記3個以上の第3の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第3の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第3の磁気ギャップを有する第3のヘッドブロックをさらに有し、
前記駆動部は、前記第3のヘッドブロックに対して前記第1のサーボバンド識別情報及び前記第2のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第3のサーボバンド識別情報を記録するための第3の記録信号を前記同一のタイミングでさらに出力する
サーボパターン記録装置。
(9)上記(8)に記載のサーボパターン記録装置であって、
前記サーボライトヘッドは、前記第1のヘッドブロックと隣り合わない別の第1のヘッドブロックをさらに有し、前記別の第1のヘッドブロックは、1本又は2本以上の連続する第1のサーボバンドに対応して配置された1個又は2個以上の前記第1の磁気ギャップを有し、隣り合う2個の前記第1のヘッドブロック、前記第2のヘッドブロック、前記第3のヘッドブロック及び前記別の第1のヘッドブロックの組み合わせが全て異なり、
前記駆動部は、前記別の第1のヘッドブロックに対して前記第1の記録信号を前記同一のタイミングでさらに出力する
サーボパターン記録装置。
(10)上記(7)に記載のサーボパターン記録装置であって、
前記第1の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第1のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
前記第2の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第2のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
前記駆動部は、前記第1のサーボバンド識別情報と前記第2のサーボバンド識別情報との違いに応じて、前記第1の記録信号と前記第2の記録信号とを互いに異なるパルス立ち上がり時刻で出力する
サーボパターン記録装置。
(11)上記(8)に記載のサーボパターン記録装置であって、
前記第1の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第1のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
前記第2の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第2のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
前記第3の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第3のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第3のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
前記駆動部は、前記第1のサーボバンド識別情報、前記第2のサーボバンド識別情報及び前記第3のサーボバンド識別情報との違いに応じて、前記第1の記録信号、前記第2の記録信号及び前記第3の記録信号を互いに異なるパルス立ち上がり時刻で出力する
サーボパターン記録装置。
(12)上記(7)に記載のサーボパターン記録装置であって、
前記第1のヘッドブロックは、前記3個以上の第1の磁気ギャップが形成された1個のヘッドブロックであり、
前記第2のヘッドブロックは、前記3個以上の第2の磁気ギャップが形成された1個のヘッドブロックである
サーボパターン記録装置。
(13)上記(7)に記載のサーボパターン記録装置であって、
前記第1のヘッドブロックは、前記3個以上の第1の磁気ギャップがそれぞれ形成された3個以上の第1の分割ヘッドブロックが接合されてなり、
前記第2のヘッドブロックは、前記3個以上の第2の磁気ギャップがそれぞれ形成された3個以上の第2の分割ヘッドブロックが接合されてなる
サーボパターン記録装置。
(14) 長手方向に延在する6本以上のサーボバンドを有する磁性層を備えたテープ状磁気記録媒体の製造方法であって、
複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第1のサーボパターンを記録すべき3本以上の第1のサーボバンドで構成された第1のサーボバンド群と、前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第2のサーボパターンを記録すべき3本以上の第2のサーボバンドで構成された第2のサーボバンド群と、を決定し、
隣り合う2本のサーボバンドにおいて、第1のサーボリードヘッドで読み出される一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第1の組と、第2のサーボリードヘッドで読み出される他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第2の組との組み合わせが重複しないように、前記第1のサーボバンド群に前記第1のサーボバンド識別情報を記録し、前記第2のサーボバンド群に前記第2のサーボバンド識別情報を記録する
テープ状磁気記録媒体の製造方法。
(15) 長手方向に延在する複数本のサーボバンドを有する磁性層を具備し、
前記磁性層は、
複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第1のサーボパターンが記録された3本以上の第1のサーボバンドを含む第1のサーボバンド群と、
前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第2のサーボパターンが記録された3本以上の第2のサーボバンドを含む第2のサーボバンド群と、を有し、
隣り合う2本のサーボバンドにおいて、第1のサーボリードヘッドで読み出される一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第1の組と、第2のサーボリードヘッドで読み出される他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第2の組との組み合わせが全て異なる
テープ状磁気記録媒体。
(16)上記(15)に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
前記第1のサーボバンド群は、3本以上の連続する第1のサーボバンドで構成され、
前記第2のサーボバンド群は、3本以上の連続する第2のサーボバンドで構成される
テープ状磁気記録媒体。
(17)上記(15)又は(16)に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
前記磁性層は、前記第1のサーボバンド識別情報及び前記第2のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第3のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第3のサーボパターンが記録された3本以上の第3のサーボバンドを含む第3のサーボバンド群をさらに有する
テープ状磁気記録媒体。
(18)上記(17)に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
前記第3のサーボバンド群は、3本以上の連続する第3のサーボバンドで構成される
テープ状磁気記録媒体。
(19)上記(17)又は(18)に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
前記磁性層は、前記第1のサーボバンド識別情報、前記第2のサーボバンド識別情報及び前記第3のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第4のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第4のサーボパターンが記録された3本以上の第4のサーボバンドを含む第4のサーボバンド群をさらに有する
テープ状磁気記録媒体。
(20)上記(19)に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
前記第4のサーボバンド群は、3本以上の連続する第4のサーボバンドで構成される
テープ状磁気記録媒体。
(21)上記(15)~(20)のいずれか1つに記載のテープ状磁気記録媒体であって、
前記第1のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
前記第2のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームと、前記第2のサーボバンド識別情報を符号化するサーボフレームとを比較したとき、少なくとも一方の方位角傾斜の配列間隔の一部が相互に相違する
テープ状磁気記録媒体。
(22)上記(17)に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
前記第1のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
前記第2のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
前記第3のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第3のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームと、前記第2のサーボバンド識別情報を符号化するサーボフレームと、前記第3のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームとを比較したとき、少なくとも一方の方位角傾斜の配列間隔の一部が相互に相違する
テープ状磁気記録媒体。
(23)上記(15)~(22)のいずれか1つに記載のテープ状磁気記録媒体であって、
基材と、
前記基材の一方の主面と前記磁性層との間に設けられた下地層と、
前記基材の他方の主面上に設けられたバック層と、
をさらに具備するテープ状磁気記録媒体。
(24) テープ状磁気記録媒体の長手方向に沿ってサーボパターンを記録するのに用いられるサーボライトヘッドであって、
3本以上の連続する第1のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第1の磁気ギャップであって、前記3個以上の第1の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第1の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第1の磁気ギャップを有する第1のヘッドブロックと、
3本以上の連続する第2のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第2の磁気ギャップであって、前記3個以上の第2の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第2の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第2の磁気ギャップを有する第2のヘッドブロックと、
を具備し、
前記第1のヘッドブロックに対して複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報を記録するための第1の記録信号が、且つ、前記第2のヘッドブロックに対して前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報を記録するための第2の記録信号が、同一のタイミングで出力される
サーボライトヘッド。
1…磁気テープ
4…磁性層
6…サーボパターン
13…サーボライトヘッド
20…駆動部
30…コントローラ
61…第1のサーボパターン
62…第2のサーボパターン
100…サーボパターン記録装置
d0~d11…データバンド
s0~s12…サーボバンド
SF、SF1、SF0…サーボフレーム

Claims (24)

  1. テープ状磁気記録媒体の長手方向に沿ってサーボパターンを記録する方法であって、
    複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第1のサーボパターンを記録すべき3本以上の第1のサーボバンドで構成された第1のサーボバンド群と、前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第2のサーボパターンを記録すべき3本以上の第2のサーボバンドで構成された第2のサーボバンド群と、を決定し、
    隣り合う2本のサーボバンドにおいて、第1のサーボリードヘッドで読み出される一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第1の組と、第2のサーボリードヘッドで読み出される他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第2の組との組み合わせが重複しないように、前記第1のサーボバンド群に前記第1のサーボバンド識別情報を記録し、前記第2のサーボバンド群に前記第2のサーボバンド識別情報を記録する
    サーボパターンの記録方法。
  2. 請求項1に記載のサーボパターンの記録方法であって、
    前記第1のサーボバンド群は、3本以上の連続する第1のサーボバンドで構成され、
    前記第2のサーボバンド群は、3本以上の連続する第2のサーボバンドで構成される
    サーボパターンの記録方法。
  3. 請求項1に記載のサーボパターンの記録方法であって、
    前記第1のサーボバンド識別情報及び前記第2のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第3のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第3のサーボパターンを記録すべき3本以上の第3のサーボバンドで構成された第3のサーボバンド群をさらに決定する
    サーボパターンの記録方法。
  4. 請求項3に記載のサーボパターンの記録方法であって、
    前記第3のサーボバンド群は、3本以上の連続する第3のサーボバンドで構成される
    サーボパターンの記録方法。
  5. 請求項3に記載のサーボパターンの記録方法であって、
    前記第1のサーボバンド識別情報、前記第2のサーボバンド識別情報及び前記第3のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第4のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第4のサーボパターンを記録すべき3本以上の第4のサーボバンドで構成された第4のサーボバンド群をさらに決定する
    サーボパターンの記録方法。
  6. 請求項5に記載のサーボパターンの記録方法であって、
    前記第4のサーボバンド群は、3本以上の連続する第4のサーボバンドで構成される
    サーボパターンの記録方法。
  7. テープ状磁気記録媒体の長手方向に沿ってサーボパターンを記録する装置であって、
    3本以上の連続する第1のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第1の磁気ギャップであって、前記3個以上の第1の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第1の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第1の磁気ギャップを有する第1のヘッドブロックと、
    3本以上の連続する第2のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第2の磁気ギャップであって、前記3個以上の第2の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第2の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第2の磁気ギャップを有する第2のヘッドブロックと、
    を有するサーボライトヘッドと、
    前記第1のヘッドブロックに対して複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報を記録するための第1の記録信号を、且つ、前記第2のヘッドブロックに対して前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報を記録するための第2の記録信号を、同一のタイミングで出力する駆動部と、
    を具備するサーボパターン記録装置。
  8. 請求項7に記載のサーボパターン記録装置であって、
    前記サーボライトヘッドは、3本以上の連続する第3のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第3の磁気ギャップであって、前記3個以上の第3の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第3の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第3の磁気ギャップを有する第3のヘッドブロックをさらに有し、
    前記駆動部は、前記第3のヘッドブロックに対して前記第1のサーボバンド識別情報及び前記第2のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第3のサーボバンド識別情報を記録するための第3の記録信号を前記同一のタイミングでさらに出力する
    サーボパターン記録装置。
  9. 請求項8に記載のサーボパターン記録装置であって、
    前記サーボライトヘッドは、前記第1のヘッドブロックと隣り合わない別の第1のヘッドブロックをさらに有し、前記別の第1のヘッドブロックは、1本又は2本以上の連続する第1のサーボバンドに対応して配置された1個又は2個以上の前記第1の磁気ギャップを有し、隣り合う2個の前記第1のヘッドブロック、前記第2のヘッドブロック、前記第3のヘッドブロック及び前記別の第1のヘッドブロックの組み合わせが全て異なり、
    前記駆動部は、前記別の第1のヘッドブロックに対して前記第1の記録信号を前記同一のタイミングでさらに出力する
    サーボパターン記録装置。
  10. 請求項7に記載のサーボパターン記録装置であって、
    前記第1の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第1のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
    前記第2の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第2のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
    前記駆動部は、前記第1のサーボバンド識別情報と前記第2のサーボバンド識別情報との違いに応じて、前記第1の記録信号と前記第2の記録信号とを互いに異なるパルス立ち上がり時刻で出力する
    サーボパターン記録装置。
  11. 請求項8に記載のサーボパターン記録装置であって、
    前記第1の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第1のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
    前記第2の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第2のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
    前記第3の磁気ギャップは、前記複数のサーボバンドに2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第3のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを、前記第3のサーボバンド識別情報として記録することが可能であり、
    前記駆動部は、前記第1のサーボバンド識別情報、前記第2のサーボバンド識別情報及び前記第3のサーボバンド識別情報との違いに応じて、前記第1の記録信号、前記第2の記録信号及び前記第3の記録信号を互いに異なるパルス立ち上がり時刻で出力する
    サーボパターン記録装置。
  12. 請求項7に記載のサーボパターン記録装置であって、
    前記第1のヘッドブロックは、前記3個以上の第1の磁気ギャップが形成された1個のヘッドブロックであり、
    前記第2のヘッドブロックは、前記3個以上の第2の磁気ギャップが形成された1個のヘッドブロックである
    サーボパターン記録装置。
  13. 請求項7に記載のサーボパターン記録装置であって、
    前記第1のヘッドブロックは、前記3個以上の第1の磁気ギャップがそれぞれ形成された3個以上の第1の分割ヘッドブロックが接合されてなり、
    前記第2のヘッドブロックは、前記3個以上の第2の磁気ギャップがそれぞれ形成された3個以上の第2の分割ヘッドブロックが接合されてなる
    サーボパターン記録装置。
  14. 長手方向に延在する6本以上のサーボバンドを有する磁性層を備えたテープ状磁気記録媒体の製造方法であって、
    複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第1のサーボパターンを記録すべき3本以上の第1のサーボバンドで構成された第1のサーボバンド群と、前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第2のサーボパターンを記録すべき3本以上の第2のサーボバンドで構成された第2のサーボバンド群と、を決定し、
    隣り合う2本のサーボバンドにおいて、第1のサーボリードヘッドで読み出される一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第1の組と、第2のサーボリードヘッドで読み出される他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第2の組との組み合わせが重複しないように、前記第1のサーボバンド群に前記第1のサーボバンド識別情報を記録し、前記第2のサーボバンド群に前記第2のサーボバンド識別情報を記録する
    テープ状磁気記録媒体の製造方法。
  15. 長手方向に延在する複数本のサーボバンドを有する磁性層を具備し、
    前記磁性層は、
    複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第1のサーボパターンが記録された3本以上の第1のサーボバンドを含む第1のサーボバンド群と、
    前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第2のサーボパターンが記録された3本以上の第2のサーボバンドを含む第2のサーボバンド群と、を有し、
    隣り合う2本のサーボバンドにおいて、第1のサーボリードヘッドで読み出される一方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第1の組と、第2のサーボリードヘッドで読み出される他方のサーボバンドにおけるサーボバンド識別情報とその前記長手方向の位相との組である第2の組との組み合わせが全て異なる
    テープ状磁気記録媒体。
  16. 請求項15に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
    前記第1のサーボバンド群は、3本以上の連続する第1のサーボバンドで構成され、
    前記第2のサーボバンド群は、3本以上の連続する第2のサーボバンドで構成される
    テープ状磁気記録媒体。
  17. 請求項15に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
    前記磁性層は、前記第1のサーボバンド識別情報及び前記第2のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第3のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第3のサーボパターンが記録された3本以上の第3のサーボバンドを含む第3のサーボバンド群をさらに有する
    テープ状磁気記録媒体。
  18. 請求項17に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
    前記第3のサーボバンド群は、3本以上の連続する第3のサーボバンドで構成される
    テープ状磁気記録媒体。
  19. 請求項17に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
    前記磁性層は、前記第1のサーボバンド識別情報、前記第2のサーボバンド識別情報及び前記第3のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第4のサーボバンド識別情報が埋め込まれる第4のサーボパターンが記録された3本以上の第4のサーボバンドを含む第4のサーボバンド群をさらに有する
    テープ状磁気記録媒体。
  20. 請求項19に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
    前記第4のサーボバンド群は、3本以上の連続する第4のサーボバンドで構成される
    テープ状磁気記録媒体。
  21. 請求項15に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
    前記第1のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
    前記第2のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
    前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームと、前記第2のサーボバンド識別情報を符号化するサーボフレームとを比較したとき、少なくとも一方の方位角傾斜の配列間隔の一部が相互に相違する
    テープ状磁気記録媒体。
  22. 請求項17に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
    前記第1のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
    前記第2のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第2のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
    前記第3のサーボバンド識別情報は、2種以上の異なる複数の方位角傾斜を含み前記第3のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームを有し、
    前記第1のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームと、前記第2のサーボバンド識別情報を符号化するサーボフレームと、前記第3のサーボバンド識別情報を符号化する複数のサーボフレームとを比較したとき、少なくとも一方の方位角傾斜の配列間隔の一部が相互に相違する
    テープ状磁気記録媒体。
  23. 請求項15に記載のテープ状磁気記録媒体であって、
    基材と、
    前記基材の一方の主面と前記磁性層との間に設けられた下地層と、
    前記基材の他方の主面上に設けられたバック層と、
    をさらに具備するテープ状磁気記録媒体。
  24. テープ状磁気記録媒体の長手方向に沿ってサーボパターンを記録するのに用いられるサーボライトヘッドであって、
    3本以上の連続する第1のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第1の磁気ギャップであって、前記3個以上の第1の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第1の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第1の磁気ギャップを有する第1のヘッドブロックと、
    3本以上の連続する第2のサーボバンドに対応して配置された3個以上の第2の磁気ギャップであって、前記3個以上の第2の磁気ギャップに含まれる隣り合う2個の第2の磁気ギャップの前記長手方向の位相の組み合わせが全て異なるように配置された3個以上の第2の磁気ギャップを有する第2のヘッドブロックと、
    を具備し、
    前記第1のヘッドブロックに対して複数ビットからなる第1のサーボバンド識別情報を記録するための第1の記録信号が、且つ、前記第2のヘッドブロックに対して前記第1のサーボバンド識別情報とは異なる複数ビットからなる第2のサーボバンド識別情報を記録するための第2の記録信号が、同一のタイミングで出力される
    サーボライトヘッド。
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