JP7442423B2 - 車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に関する。
近年、例えば、ハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)や、プラグインハイブリッド自動車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)など、少なくとも、バッテリ(二次電池)により供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する車両の開発が進んでいる。これらの車両では、バッテリに蓄電された電力量に基づいて電動モータや、内燃機関の駆動を制御している。
これに関して、例えば、特許文献1や特許文献2には、バッテリの蓄電容量の範囲を複数の領域に分割し、それぞれの領域ごとに、電動モータや内燃機関の駆動を異なる制御方法にするハイブリッド電気自動車に関する技術が記載されている。そして、特許文献1には、バッテリの電力の使用可能領域に応じて、内燃機関の出力のアシスト量を補正することが記載されている。一方、特許文献2には、バッテリの蓄電容量を異なる割合で分割した複数の領域マップを設定し、蓄電量の変化の傾向(減少傾向あるいは増加傾向)に応じて領域マップを切り替えることが記載されている。
これらの従来技術に基づいて、車両が高速で走行している場合には、車両が低速で走行しているときよりもバッテリの放電量を多くするように、電動モータや内燃機関を制御することが考えられる。これは、車両が高速で走行している場合には、後に車両が減速したときに、この減速時の車両の運動エネルギーを用いた電動モータの回生で発電した電力を、バッテリに充電できることが期待されるためである。
特開2003-102109号公報 特開2014-004940号公報
しかしながら、従来技術から考えられる制御方法では、例えば、車両が高速で走行している時間が長くなるなどの原因で、期待していた回生による充電を行うことができない場合に、バッテリの充電量が想定を下回ってしまう可能性がある。このように、従来技術では、蓄電装置の充電率を好適に調整することができない場合があった。
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、蓄電装置の充電率を好適に調整することができる車両を提供することを目的の一つとしている。
この発明に係る車両は、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る車両は、蓄電装置と、前記蓄電装置からの電力によって駆動される回転電機と、前記蓄電装置を充電するための動力を発生させる内燃機関と、少なくとも前記回転電機、および前記内燃機関を制御すると共に前記蓄電装置の充電率を取得する制御装置と、車両の速度を検知する車速検知装置と、を備え、前記制御装置は、前記蓄電装置の充電率に応じて、前記蓄電装置が充電傾向および放電傾向を含む複数の傾向のいずれかとなるように、前記回転電機および前記内燃機関の少なくとも一方を制御し、前記車速検知装置が検知した車両の速度が第1領域にある場合と、前記第1領域よりも高い第2領域にある場合とで、少なくとも前記蓄電装置を充電傾向とする前記充電率の範囲を変更する、車両である。
(2):上記(1)の態様において、前記制御装置は、前記車両の速度が前記第2領域にある場合、前記車両の速度が前記第1領域にある場合に比べて、前記蓄電装置を前記充電傾向とする前記充電率の範囲を、高充電率側に変更するものである。
(3):上記(2)の態様において、前記蓄電装置を前記充電傾向とする前記制御は、前記蓄電装置の放電を禁止または制限する制御、前記内燃機関と前記回転電機との両方を駆動して前記蓄電装置を充電する制御、および前記内燃機関を駆動し前記回転電機を停止させて前記蓄電装置を充電する制御のいずれかの制御を含むものである。
(4):上記(2)または(3)の態様において、前記制御装置は、前記車両の速度が前記第2領域にある場合、前記車両の速度が前記第1領域にある場合に比べて、前記蓄電装置を前記放電傾向とする前記充電率の範囲を、低充電率側に変更するものである。
(5):上記(1)から(4)のうちいずれか一態様において、前記制御装置は、前記蓄電装置における全体の充電率の範囲を、少なくとも、低充電率側の放電制限領域と、高充電率側の充電制限領域と、前記放電制限領域と前記充電制限領域との間の制限なし領域との複数の領域に分割し、前記車両の速度が前記第1領域にある場合と前記第2領域にある場合とで、前記放電制限領域と、前記制限なし領域と、前記充電制限領域とのそれぞれの領域に割り当てる前記全体の充電率の範囲を変更するものである。
(6):上記(5)の態様において、前記制御装置は、前記車両の速度が高くなるほど、前記放電制限領域の範囲を前記高充電率側に変更し、前記充電制限領域の範囲を前記低充電率側に変更するものである。
(7):上記(5)の態様において、前記制御装置は、前記車速検知装置が検知した車両の速度が、所定の閾値以上である場合に、前記放電制限領域の範囲を前記高充電率側に変更し、前記充電制限領域の範囲を前記低充電率側に変更するものである。
(8):上記(6)または(7)の態様において、前記制御装置は、前記放電制限領域と前記充電制限領域とのそれぞれの領域の範囲の変更に伴って、前記制限なし領域の範囲を狭めるものである。
上述した(1)~(8)の態様によれば、蓄電装置の充電率を好適に調整することができる。
実施形態に係る車両の構成の一例を示す図である。 実施形態に係る車両が備える制御装置が制御する走行用バッテリのSOCの範囲を模式的に示した一例である。 実施形態に係る車両が備える制御装置が制御する走行用バッテリのSOCの範囲を模式的に示した一例である。 実施形態に係る車両が備える制御装置の構成の一例を示す図である。 実施形態に係る車両が備える制御装置において加速必要エネルギーを算出する方法の一例を説明する図である。 実施形態に係る車両が備える制御装置において低車速のときに走行用バッテリの充放電を制御する制御信号の一例を示す図である。 実施形態に係る車両が備える制御装置において高車速のときに走行用バッテリの充放電を制御する制御信号の一例を示す図である。 実施形態に係る車両が備える制御装置においてSOCの範囲を変更する際に実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る車両が備える制御装置の別の構成の一例を示す図である。 実施形態に係る車両が備える別の構成の制御装置において現在の走行用バッテリのSOCを補正する際に実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照し、本発明の車両の実施形態について説明する。
[車両の構成]
図1は、実施形態に係る車両の構成の一例を示す図である。車両1は、燃料によって稼働する内燃機関の稼働によって供給される電力、あるいは走行用のバッテリ(二次電池)から供給される電力によって駆動される電動機(電動モータ)によって走行するハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)(以下、単に、「車両」という)である。車両1は、例えば、四輪の車両のみならず、鞍乗り型の二輪の車両や、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)の車両、さらには、アシスト式の自転車など、内燃機関の稼働または走行用のバッテリから供給される電力によって駆動される電動モータによって走行する車両の全般が含まれる。
車両1は、例えば、駆動輪10と、駆動システム20と、走行用インバータ30と、発電用インバータ40と、VCU(Voltage Control Unit)50と、走行用バッテリ60と、運転操作子70と、車両センサ80と、制御装置100と、を備える。
駆動輪10には、ブレーキ装置12が配置されている。ブレーキ装置12は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、を備える。ブレーキ装置12は、ブレーキペダル(不図示)に対する車両1の利用者(運転者)による操作によって発生した油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてもよい。ブレーキ装置12は、上記説明した構成に限らず、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
駆動システム20は、車両1の走行に関わる機構システムである。駆動システム20は、例えば、走行用モータ21と、減速機22と、エンジン23と、駆動力伝達機構24と、発電用モータ25と、を備える。
走行用モータ21は、車両1の走行用の回転電機である。走行用モータ21は、例えば、三相交流電動機である。走行用モータ21の回転子(ロータ)は、減速機22に連結されている。走行用モータ21は、走行用バッテリ60からVCU50および走行用インバータ30を介して供給される電力、または/および発電用インバータ40により出力された電力によって駆動(回転)される。走行用モータ21は、自身の回転動力を減速機22に伝達させる。走行用モータ21は、車両1の減速時の運動エネルギーを用いた回生ブレーキとして動作して発電してもよい。走行用モータ21は、特許請求の範囲における「回転電機」の一例である。
減速機22は、例えば、デファレンシャルギアである。減速機22は、駆動輪10が連結された車軸に、走行用モータ21または/およびエンジン23が連結された軸の駆動力、つまり、走行用モータ21の回転動力または/およびエンジン23の回転動力を伝達させる。
エンジン23は、例えば、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関である。エンジン23は、車両1の燃料タンク(不図示)に蓄えられた燃料を使用して稼働(回転)する。エンジン23の回転動力は、発電用モータ25に伝達される。さらに、エンジン23の回転動力は、駆動力伝達機構24を介して減速機22に伝達される。エンジン23は、特許請求の範囲における「内燃機関」の一例である。
駆動力伝達機構24は、例えば、クラッチ機構である。駆動力伝達機構24は、エンジン23の回転動力を減速機22に直接的に連結または分離する。駆動力伝達機構24は、例えば、複数の歯車や軸が組み合わされ、エンジン23の回転速度を変速して減速機22に伝達させる変速機、いわゆる、トランスミッション機構であってもよい。
発電用モータ25は、車両1における発電用の発電機である。発電用モータ25は、例えば、三相交流発電機である。発電用モータ25の回転子(ロータ)は、エンジン23の軸に連結されている。発電用モータ25は、エンジン23の回転動力を動力源として回転することにより、電力を発生(発電)する。発電用モータ25は、発電した電力を発電用インバータ40に出力する。
走行用インバータ30は、例えば、AC―DCコンバータである。走行用インバータ30は、VCU50を介して走行用バッテリ60により供給された直流の電力や、発電用インバータ40により出力された直流の電力を、走行用モータ21を駆動するための交流の電力に変換して走行用モータ21に出力する。走行用インバータ30は、回生ブレーキとして動作した走行用モータ21により発電された交流の電力を直流の電力に変換して、VCU50に出力する。
発電用インバータ40は、例えば、AC―DCコンバータである。発電用インバータ40は、発電用モータ25により出力された電力を、走行用モータ21を駆動するための電力に変換して走行用インバータ30、または/およびVCU50に出力する。より具体的には、発電用インバータ40は、発電用モータ25により出力された電力を、VCU50が走行用バッテリ60から供給された電力を走行用インバータ30に出力する電圧と同様の電圧に昇圧して、走行用インバータ30、または/およびVCU50に出力する。
VCU50は、例えば、DC―DCコンバータである。VCU50は、走行用バッテリ60から供給(放電)された電力を昇圧して走行用インバータ30に出力する。VCU50は、走行用インバータ30により出力された、回生ブレーキとして動作した走行用モータ21が発電した電力を降圧して走行用バッテリ60に出力し、蓄電(充電)させる。VCU50は、発電用インバータ40により出力された、エンジン23の稼働に応じて発電用モータ25が発電した電力を降圧して走行用バッテリ60に出力し、蓄電(充電)させる。
走行用バッテリ60は、例えば、リチウムイオン電池など、充電と放電とを繰り返すことができる二次電池を蓄電部として備えるバッテリパックである。走行用バッテリ60は、例えば、カセット式のバッテリパックなど、車両1に対して容易に着脱可能な構成であってもよいし、車両1に対する着脱が容易ではない据付式の構成であってもよい。走行用バッテリ60が備える二次電池は、例えば、リチウムイオン電池である。走行用バッテリ60が備える二次電池としては、例えば、鉛蓄電池、ニッケル・水素電池、ナトリウムイオン電池などの他、電気二重層キャパシタなどのキャパシタ、または二次電池とキャパシタとを組み合わせた複合電池なども考えられるが、二次電池の構成は、いかなるものであってもよい。走行用バッテリ60は、車両1の外部の充電器(不図示)から導入される電力を蓄え(充電し)、蓄えた電力を、車両1を走行させるために放電してVCU50に出力する。走行用バッテリ60は、走行用インバータ30およびVCU50を介して供給された、回生ブレーキとして動作した走行用モータ21が発電した電力を蓄え(充電し)、蓄えた電力を車両1の走行(例えば、加速)のために放電することもできる。走行用バッテリ60は、発電用インバータ40およびVCU50を介して供給された、エンジン23の稼働に応じて発電用モータ25が発電した電力を蓄える(充電する)こともできる。走行用バッテリ60は、特許請求の範囲における「蓄電装置」の一例である。
走行用バッテリ60には、バッテリセンサ62が接続されている。バッテリセンサ62は、走行用バッテリ60の電圧や、電流、温度などの物理量を検出する。バッテリセンサ62は、例えば、電圧センサ、電流センサ、温度センサを備える。バッテリセンサ62は、電圧センサによって走行用バッテリ60の電圧を検出し、電流センサによって走行用バッテリ60の電流を検出し、温度センサによって走行用バッテリ60の温度を検出する。バッテリセンサ62は、検出した走行用バッテリ60の電圧値、電流値、温度などの情報(以下、「バッテリ情報」という)を制御装置100に出力する。
運転操作子70は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイール、異形ステア、ジョイスティック、その他の操作子を含む。運転操作子70には、車両1の利用者(運転者)によるそれぞれの操作子に対する操作の有無、あるいは操作量を検出するセンサが取り付けられている。運転操作子70は、センサの検出結果を、制御装置100に出力する。例えば、アクセルペダルには、アクセル開度センサが取り付けられ、運転者によるアクセルペダルの操作量を検出し、検出した操作量をアクセル開度として制御装置100に出力する。例えば、ブレーキペダルには、ブレーキ踏量センサが取り付けられ、運転者によるブレーキペダルの操作量を検出し、検出した操作量をブレーキ踏量として制御装置100に出力する。
車両センサ80は、例えば、車速センサ82と、加速度センサ84と、を備える。車速センサ82は、車両1の速度を検出し、検出した車両1の車速の情報(以下、「車速情報」という)を制御装置100に出力する。車速センサ82は、例えば、車両1の各駆動輪10に取り付けられた車輪速センサと速度計算機とを備え、車輪速センサにより検出された車輪速を統合することにより、車両1の速度(車速)を導出(検出)する。加速度センサ84は、車両1の加速度を検出し、検出した車両1の加速度の情報(以下、「加速度情報」という)を制御装置100に出力する。車両センサ80は、例えば、車両1の鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサや、車両1の向きを検出する方位センサなどを備えてもよい。この場合、それぞれのセンサは、検出した検出結果を制御装置100に出力する。車速センサ82は、特許請求の範囲における「車速検知装置」の一例である。
制御装置100は、運転操作子70が備えるそれぞれのセンサにより出力された検出結果、つまり、車両1の利用者(運転者)によるそれぞれの操作子に対する操作に応じて、車両1における走行モードを決定する。制御装置100は、決定した走行モードに応じて、駆動システム20が備えるエンジン23や駆動力伝達機構24、走行用インバータ30、発電用インバータ40、およびVCU50の稼働や動作を制御する。このとき、制御装置100は、それぞれの走行モードにおける走行用バッテリ60からの電力の放電と、走行用バッテリ60への電力の充電とを制御する。車両1の走行モードには、例えば、EV走行モードと、ハイブリッド走行モードと、エンジン走行モードとの少なくとも三つの走行モードがある。EV走行モードは、走行用バッテリ60から供給(放電)された電力のみによって走行用モータ21を駆動して、車両1を走行させる走行モードである。ハイブリッド走行モードは、エンジン23を稼働させて発電用モータ25に発電させ、発電用モータ25が発電した電力で走行用モータ21を駆動させることにより、車両1を走行させる走行モードである。エンジン走行モードは、駆動力伝達機構24によってエンジン23を減速機22に直接的に連結させることにより、エンジン23の回転動力によって車両1を走行させる走行モードである。
制御装置100は、例えば、エンジン制御部、駆動力伝達機構制御部、モータ制御部、およびバッテリ・VCU制御部というような、それぞれ別体の制御装置で構成されてもよい。制御装置100は、例えば、エンジンECU(Electronic Control Unit)、駆動力伝達機構ECU、モータECU、バッテリECUといった制御装置に置き換えられてもよい。
制御装置100や、制御装置100を構成するエンジン制御部と、駆動力伝達機構制御部と、モータ制御部と、バッテリ・VCU制御部とは、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、専用のLSIによって実現されてもよい。プログラムは、予め車両1が備えるHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が車両1が備えるドライブ装置に装着されることで車両1が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
EV走行モードのとき、制御装置100は、VCU50に、走行用バッテリ60に蓄電されている電力を走行用インバータ30に出力させる。このとき、制御装置100は、駆動力伝達機構24を、エンジン23と減速機22とを分離した状態にさせ、エンジン23を停止にさせる。これにより、車両1は、走行用インバータ30から出力された電力のみによって駆動した走行用モータ21の回転動力によって走行する。
ハイブリッド走行モードのとき、制御装置100は、駆動力伝達機構24を、エンジン23と減速機22とを分離した状態にさせてエンジン23を稼働させ、発電用インバータ40に、発電用モータ25が発電した電力を走行用インバータ30に出力させる。このとき、制御装置100は、エンジン23を、効率が高い状態(例えば、燃費がよい状態)で稼働させる。これにより、車両1は、走行用インバータ30から出力された、発電用モータ25が発電した電力によって駆動した走行用モータ21の回転動力によって走行する。このような方式のハイブリッド走行モードは、シリーズ走行モードともいわれる。ハイブリッド走行モードにおいて制御装置100は、例えば、稼働させるエンジン23の回転数を高くするなどによって、車両1の走行に用いる電力よりも多くの電力を意図的に発電用モータ25に発電させ、VCU50に、発電用モータ25が発電した電力の内、車両1の走行に用いない余剰の電力を走行用バッテリ60に蓄電(充電)させるようにしてもよい。一方、車両1を走行させるための電力が発電用モータ25によって発電した電力では不足する場合、制御装置100は、VCU50に、走行用バッテリ60に蓄電されている電力を走行用インバータ30に出力させて、車両1の走行に不足する分の電力を補わせるようにしてもよい。つまり、制御装置100は、発電用モータ25における発電を、走行用バッテリ60からの放電で補助(アシスト)させてもよい。これにより、車両1は、走行用インバータ30から出力された、発電用モータ25が発電した電力と走行用バッテリ60を放電させてアシストさせた電力とを合わせた電力によって駆動した走行用モータ21の回転動力によって走行する。以下の説明においては、ハイブリッド走行モードにおいて、発電用モータ25が発電した電力を走行用バッテリ60に充電させることを「ハイブリッド充電」といい、発電用モータ25における発電を走行用バッテリ60の放電でアシストさせることを、「ハイブリッドアシスト」という。
エンジン走行モードのとき、制御装置100は、駆動力伝達機構24を、エンジン23と減速機22とを連結した状態にさせ、エンジン23を稼働させる。これにより、車両1は、エンジン23の回転動力によって走行する。エンジン走行モードにおいて制御装置100は、走行用インバータ30に、減速機22に連結された走行用モータ21がエンジン23の回転動力によって回転することにより発電した電力をVCU50に出力させ、あるいは、発電用インバータ40に、発電用モータ25がエンジン23の回転動力によって回転することにより発電した電力をVCU50に出力させ、VCU50に、この電力を走行用バッテリ60に蓄電(充電)させるようにしてもよい。一方、例えば、車両1を加速させる場合など、より回転動力を必要とする場合、制御装置100は、VCU50に、走行用バッテリ60に蓄電されている電力を走行用インバータ30に出力させて、必要な回転動力を走行用モータ21の回転動力で補わせるようにしてもよい。つまり、制御装置100は、エンジン23の回転動力を、走行用バッテリ60からの放電で補助(アシスト)させてもよい。これにより、車両1は、エンジン23の回転動力と走行用モータ21によってアシストさせた回転動力とを合わせた回転動力によって走行する。このような方式のエンジン走行モードは、パラレル走行モードともいわれ、ハイブリッド走行モードに分類される場合もある。エンジン走行モードでは、発電用インバータ40に、発電用モータ25がエンジン23の回転動力で発電した電力を走行用インバータ30に出力させて、エンジン23の回転動力を走行用モータ21の回転動力で補わせるようにしてもよいが、本実施形態では、この方式によるエンジン23の回転動力のアシストは行わないものとする。以下の説明においては、エンジン走行モードにおいて、発電用モータ25が発電した電力を走行用バッテリ60に充電させることを「エンジン充電」といい、エンジン23の回転動力を走行用バッテリ60の放電でアシストさせることを、「エンジンアシスト」という。
このように、制御装置100は、車両1の走行モードに応じてそれぞれの構成要素を制御するとともに、それぞれの走行モードにおいて行う走行用バッテリ60からの電力の放電と、走行用バッテリ60への電力の充電とを制御する。このとき、制御装置100は、バッテリセンサ62により出力されたバッテリ情報に基づいて走行用バッテリ60のSOC(State Of Charge:充電率)を求め、求めたSOCと、車速センサ82により出力された車速情報、および加速度センサ84により出力された加速度情報とに基づいて、走行用バッテリ60の充放電を制御する。より具体的には、制御装置100は、走行用バッテリ60のSOCが低い場合には充電を行うように制御(充電制御)し、走行用バッテリ60のSOCが高い場合には放電を行うように制御(放電制御)する。
[走行用バッテリの充電率の制御]
ところで、一般的なバッテリ(二次電池)では、蓄電されている電力が全体の蓄電容量に対して所定の範囲内である方が、バッテリのSOH(State Of Health:健全度)の低下を抑える(劣化の進行を抑える)ことができ、バッテリの長寿命化を図ることができる。これは、走行用バッテリ60も同様である。このため、制御装置100は、走行用バッテリ60の蓄電容量の中央から所定の範囲を、SOCを収束させる目標の範囲(以下、「SOC収束目標範囲」という)として、走行用バッテリ60のSOCがSOC収束目標範囲の中央に収束するように、走行用バッテリ60に対する充放電を制御する。このとき、制御装置100は、SOC収束目標範囲を走行モードに対応する複数の範囲(領域)に分割して、走行用バッテリ60に対する充放電を、それぞれの走行モードごとに制御する。
図2および図3は、実施形態に係る車両1が備える制御装置100が制御する走行用バッテリ60のSOCの範囲を模式的に示した一例である。図2および図3に示した走行用バッテリ60のSOCの範囲では、SOC=0%から100%までの範囲を、放電制限領域、制限なし領域、および充電制限領域とのそれぞれの領域に分割した場合の一例を示している。放電制限領域は、車両1の走行させる際に走行用バッテリ60から放電させる電力を制限して、走行用バッテリ60がより充電される傾向(以下、「充電傾向」という)となるようにするSOCの範囲である。放電制限領域には、放電禁止領域と、ハイブリッドアシスト制限領域と、エンジンアシスト制限領域とを含む。放電禁止領域は、SOCが0%とならないように、走行用バッテリ60を放電させた場合において蓄電容量に余裕(マージン)を持たせるために、放電の下限値を定めたSOCの範囲である。ハイブリッドアシスト制限領域は、ハイブリッド走行モードで車両1を走行させているときに、ハイブリッドアシストによる発電用モータ25が発電した電力のアシストを制限して、走行用バッテリ60を充電傾向にさせるSOCの範囲である。エンジンアシスト制限領域は、エンジン走行モードで車両1を走行させているときに、エンジンアシストによるエンジン23の回転動力のアシストを制限して、走行用バッテリ60を充電傾向にさせるSOCの範囲である。制限なし領域は、走行用バッテリ60の充放電に制限を設けないSOCの範囲である。つまり、制限なし領域は、制御装置100において走行用バッテリ60のSOCを制御しないSOCの範囲である。充電制限領域は、車両1を走行させているとき走行用バッテリ60に充電させる電力を制限して、走行用バッテリ60がより放電される傾向(以下、「放電傾向」という)となるようにするSOCの範囲である。充電制限領域には、ハイブリッド充電/エンジン充電制限領域と、回生エネルギー制御領域と、充電禁止領域とを含む。ハイブリッド充電/エンジン充電制限領域は、ハイブリッド走行モードで車両1を走行させているときのハイブリッド充電や、エンジン走行モードで車両1を走行させているときのエンジン充電を制限して、走行用バッテリ60を放電傾向にさせるSOCの範囲である。回生エネルギー制御領域は、回生ブレーキとして動作した走行用モータ21が発電した電力(回生エネルギー)の走行用バッテリ60への充電を制御して、走行用バッテリ60が放電傾向となるようにするSOCの範囲である。回生エネルギー制御領域では、回生エネルギーの充電あるいは廃電を制御する。ここで、廃電とは、電力を熱や(車両1の駆動エネルギー以外の)運動エネルギーなどに変換して消費することにより、走行用バッテリ60の過充電を防ぐことをいう。回生エネルギーの廃電は、例えば、回生エネルギーでエンジン23を駆動させることにより行われてもよいし、その他の方法で行われてもよい。充電禁止領域は、SOCが100%とならないように、走行用バッテリ60を充電させた場合において蓄電容量に余裕(マージン)を持たせるために、充電の上限値を定めたSOCの範囲である。
制御装置100は、走行用バッテリ60の現在のSOC(以下、「バッテリSOC」という)がSOCの範囲のいずれの領域内であるかによって、車両1の現在の走行モードにおける走行用バッテリ60の充放電を制御する。ところで、車両1が高速で走行している、つまり、車両1の車速が高い高車速である場合、その後に起こる車両1の減速時に走行用モータ21が発電する回生エネルギーが、車両1の車速が低い低車速である場合よりも大きくなることがあり得る。つまり、走行用バッテリ60に充電する回生エネルギーが多くなることがあり得る。ここで、低車速と高車速とは、例えば、80[km/h]未満と、80[km/h]以上というように、その速度の範囲が互いに重ならない車両1の車速である。しかしながら、走行用バッテリ60には、蓄電容量以上の電力を蓄電(充電)させることはできないため、上述したように、制御装置100では、回生エネルギー制御領域において回生エネルギーを廃電するように制御することになる。多くの回生エネルギーの廃電は、車両1におけるエネルギー効率(電力エネルギー効率や燃費)を低下させてしまう要因となり得る。このため、車両1の車速が高車速である場合、制御装置100は、その後の減速時の回生エネルギーを走行用バッテリ60に充電することを期待して、分割したそれぞれのSOCの範囲(以下、「SOC範囲」という)を変更することが考えられる。より具体的には、高車速である場合、低車速である場合に比べて走行用バッテリ60が放電傾向となるように、低車速である場合におけるそれぞれのSOC範囲を、期待できる回生エネルギーを充電する分だけ低い側(低SOC側)に変更することが考えられる。低車速は、特許請求の範囲における「車両の速度が第1領域にある場合」の一例であり、高車速は、特許請求の範囲における「車両の速度が第2領域にある場合」の一例である。
図2には、この場合におけるそれぞれのSOC範囲の一例を、高車速(参考例)として示している。分割するそれぞれのSOC範囲を高車速(参考例)のように変更することにより、高車速で走行した後の車両1の減速により得られる大きな回生エネルギーを充電する際に、走行用バッテリ60の蓄電容量に余裕を持つことができるようになる。しかしながら、図2から分かるように、SOC範囲を高車速(参考例)のように変更すると、放電禁止領域は狭くなる。このため、例えば、車両1が高車速で走行している時間が長くなり、期待していた回生エネルギーが得られなかった場合には、走行用バッテリ60が放電過多となってしまうこともあり得る。さらには、走行用バッテリ60に蓄電されている電力が枯渇して、車両1が走行を継続することができなくなってしまうこともあり得る。そして、走行用バッテリ60の放電過多の状態が多くなると、走行用バッテリ60のSOHが低下し(車両1の走行可能距離が短くなり)、車両1の商品性の悪化を招く要因となり得る。これを回避するために、制御装置100は、放電制限領域においてエンジン23を稼働させ、ハイブリッド充電やエンジン充電を行うことが考えられる。しかしながら、この場合、早急に走行用バッテリ60を充電させる、あるいはより多くの電力を発電用モータ25に発電させるために、稼働させるエンジン23の回転数と高くしたり、エンジン23の稼働時間を長くしたりする必要があり、エンジン23における稼働音の増大や効率の低下(例えば、燃費の悪化)など、車両1の商品性が悪化してしまう別の要因が発生してしまうこともあり得る。
そこで、制御装置100は、図3に示した高車速のSOC範囲の一例のように、低SOC側の放電制限領域はSOCが高い側(高SOC側)に変更し、高SOC側の充電制限領域は低SOC側に変更する。つまり、制御装置100は、図2に示した高車速(参考例)のように全て低SOC側に変更するのではなく、放電制限領域は充電傾向となるように変更して、充電制限領域は、高車速(参考例)と同様に、放電傾向となるように変更する。言い換えれば、制御装置100は、放電制限領域と充電制限領域とを制限なし領域側に変更する。これに伴い、制御装置100は、制限なし領域は狭める。これにより、制御装置100は、走行用バッテリ60のSOCを好適に調整することができる。このことにより、期待していた回生エネルギーが得られなかったことによる走行用バッテリ60の放電過多(電力の枯渇)や、放電制限領域においてエンジン23を稼働させたことを要因とする車両1の商品性の悪化を防止することができる。
[制御装置の構成]
図4は、実施形態に係る車両1が備える制御装置100の構成の一例を示す図である。制御装置100は、例えば、SOC算出部101と、車速判定部102と、エネルギー算出部103と、SOC閾値補正部104と、制限モード設定部105と、を備える。図4には、走行用バッテリ60の充放電の制御に関連する制御装置100の構成要素を示している。
SOC算出部101は、バッテリセンサ62により出力されたバッテリ情報に基づいて、走行用バッテリ60における現在のSOC(バッテリSOC)を算出する。SOC算出部101は、算出した走行用バッテリ60のバッテリSOCの情報を、制限モード設定部105に出力する。
車速判定部102は、車速センサ82により出力された車速情報に基づいて、車両1の車速を判定する。車速判定部102は、例えば、予め定めた車速の閾値(例えば、80[km/h])に基づいて、車両1の車速が高車速であるか、低車速であるかを判定する。より具体的には、車速判定部102は、車速センサ82により出力された車速情報が、予め定めた車速の閾値以上である場合には高車速であり、予め定めた車速の閾値未満である場合には低車速であると判定する。車速判定部102は、判定した車両1の車速の情報を、SOC閾値補正部104に出力する。
エネルギー算出部103は、加速度センサ84により出力された加速度情報に基づいて、車両1が加速するために必要なエネルギー(以下、「加速必要エネルギー」という)や、期待できる回生エネルギーを算出する。エネルギー算出部103は、算出した加速必要エネルギーや回生エネルギーの情報を、SOC閾値補正部104に出力する。
ここで、エネルギー算出部103が加速必要エネルギーを算出する方法の一例について説明する。図5は、実施形態に係る車両1が備える制御装置100において、エネルギー算出部103が加速必要エネルギーを算出する方法の一例を説明する図である。図5には、車両1が、隣接する車線を同じ車速で走行している車両Mを追い越す場面において必要な加速必要エネルギーを算出する場合の一例を示している。より具体的には、巡航区間において車両1が一定の車速で走行しているときに、時刻T1において運転者が運転操作子70が備えるアクセルペダルの操作を開始(アクセルオン)し、時刻T2においてアクセルペダルの操作を終了(アクセルオフ)するまでの間に、車両1が一定加速度で加速する場合の加速必要エネルギーを算出する場合の一例を示している。図5に示した車速Vと時刻Tとのグラフにおいて車速Vが一定加速度で増加している期間中の電力を積分した電力量(電力Pと時刻Tとのグラフにおいて電力が増加している分の面積に相当する電力量)が、加速必要エネルギーである。
エネルギー算出部103は、図5に示した場面において加速度センサ84により出力された加速度情報に基づいて、下式(1)により加速必要エネルギーE[wh]を算出する。
Figure 0007442423000001
上式(1)において、Pは加速に必要な分の電力値[w]を表し、電力値Pは、巡航区間における電力値と加速中の電力値との差分である。上式(1)において、Fは加速時に必要な走行用モータ21の駆動力[N]を表す。上式(1)において、Vは車両1の車速を表し、ΔVは巡航区間の車速と加速が終了して再び車両1が巡航する加速後の車速との差である。上式(1)において、tは加速区間の時間を表し、例えば、車両1と車両Mとの間の車間距離、車両Mの車長、加速前(巡航区間)に運転者に加わっている重力[G]と加速中に運転者に加わる重力[G]との差などに基づいて算出する。車間距離は、例えば、予め定められた規定に基づいて、運転者が運転操作子70が備えるブレーキペダルを操作する際の安全距離を考慮して、車速ごとに算出した距離である。安全距離は、例えば、予め定められた規定において定義されている、人間の反応時間(0.3~1.7[sec])とブレーキペダルの操作時間(0.36[sec])との合計(2.06[sec])に基づいて算出する。車両Mの車長は、例えば、乗用車における軽自動車から大型車までの範囲を包含するように、予め定める長さである。例えば、軽自動車の車長は約3.4[m]、大型車は約5.21[m]などと定義する。加速中に運転者に加わる重力は、追い越し加速度として、常用の加速度の範囲(0.04~0.08[G])を包含して定めた重力値であり、例えば、追い越し加速度=0.1[G]と定義する。
エネルギー算出部103は、上述したような方法で算出した加速必要エネルギーの情報をSOC閾値補正部104に出力する。エネルギー算出部103における回生エネルギーの算出は、上述した加速必要エネルギーの算出方法や既存の技術に基づいて同様に行うことができるため、詳細な説明は省略する。エネルギー算出部103は、算出した回生エネルギーの情報をSOC閾値補正部104に出力する。以下の説明においては、エネルギー算出部103が算出した加速必要エネルギーと回生エネルギーとを区別しない場合には、単に「エネルギー」ともいい、加速必要エネルギーの情報および回生エネルギーの情報を、「エネルギー情報」ともいう。
図4に戻り、SOC閾値補正部104は、車速判定部102により出力された車速の情報と、エネルギー算出部103により出力された加速必要エネルギーの情報および回生エネルギーの情報とに基づいて、走行用バッテリ60に対する充放電を制御する際のSOC範囲を変更(補正)する。より具体的には、車速の情報が車両1の車速が高車速であることを表している場合、低車速である場合におけるそれぞれのSOC範囲の閾値(以下、「SOC閾値」という)を、加速必要エネルギーまたは回生エネルギーに対応する分だけ補正する(図3参照)。SOC閾値は、隣接するSOC範囲と区切るSOCの値であり、低車速である場合のSOC範囲のSOCの値が、初期値として予め設定されているものである。SOC閾値補正部104は、変更(補正)したSOC閾値の情報を、制限モード設定部105に出力する。
制限モード設定部105は、SOC算出部101により出力されたバッテリSOCの情報と、SOC閾値補正部104により出力されたSOC閾値の情報とに基づいて、それぞれの走行モードにおいて走行用バッテリ60の充放電を制御するための制御信号を生成する。制限モード設定部105は、生成した制御信号を、例えば、決定した走行モードで駆動システム20が備えるエンジン23や駆動力伝達機構24、走行用インバータ30、発電用インバータ40、およびVCU50の稼働や動作を制御する制御部(不図示)に出力する。
制御装置100が備える不図示の制御部は、決定した走行モードでそれぞれの構成要素の稼働や動作を制御する際に、制限モード設定部105により出力された制御信号に従って、走行用バッテリ60の充放電を制御する。
ここで、制限モード設定部105が出力する制御信号の一例について説明する。図6および図7は、実施形態に係る車両1が備える制御装置100において走行用バッテリ60の充放電を制御する制御信号の一例を示す図である。図6には、車両1の車速が低車速である場合に制限モード設定部105が出力する制御信号の一例を示し、図7には、車両1の車速が高車速である場合に制限モード設定部105が出力する制御信号の一例を示している。
まず、図6を用いて、車両1が低車速で走行している場合における走行用バッテリ60の充放電の制御について説明する。制限モード設定部105が出力する制御信号には、例えば、ハイブリッドアシスト制御信号と、ハイブリッド充電制御信号と、EV走行制御信号と、エンジンアシスト制御信号と、エンジン充電制御信号とが含まれる。それぞれの制御信号は、Highレベルが、対応する動作を許可することを表し、Lowレベルが、対応する動作を許可しない(不許可である)ことを表している。
ハイブリッドアシスト制御信号は、ハイブリッドアシストを許可するか否かを表す信号である。ハイブリッドアシスト制御信号は、放電禁止領域ではLowレベルであり、ハイブリッドアシスト制限領域では、放電禁止領域との分割位置からエンジンアシスト制限領域との分割位置にかけてLowレベルからHighレベルまで変化し、以降のSOC範囲のそれぞれの領域ではHighレベルである。ハイブリッドアシスト制御信号は、ハイブリッドアシスト制限領域内の信号レベルで、ハイブリッドアシストを制限する度合いを表している。制限モード設定部105は、SOC算出部101により出力されたバッテリSOCの情報に基づいて、ハイブリッドアシスト制御信号が表すハイブリッドアシストの制限度合いを連続的に変更する。これにより、車両1では、走行用バッテリ60の現在のSOCに応じて、ハイブリッドアシストする場合に走行用バッテリ60から放電させる電力が制限される。
ハイブリッド充電制御信号は、ハイブリッド充電を許可するか否かを表す信号である。ハイブリッド充電制御信号は、充電制限領域よりも前のSOC範囲のそれぞれの領域ではHighレベルであり、ハイブリッド充電/エンジン充電制限領域では、制限なし領域との分割位置から回生エネルギー制御領域との分割位置にかけてHighレベルからLowレベルまで変化し、以降のSOC範囲のそれぞれの領域ではLowレベルである。ハイブリッド充電制御信号も、ハイブリッドアシスト制御信号と同様に、ハイブリッド充電/エンジン充電制限領域内の信号レベルで、ハイブリッド充電を制限する度合いを表している。制限モード設定部105は、SOC算出部101により出力されたバッテリSOCの情報に基づいて、ハイブリッド充電制御信号が表すハイブリッド充電の制限度合いを連続的に変更する。これにより、車両1では、走行用バッテリ60の現在のSOCに応じて、ハイブリッド充電する場合に走行用バッテリ60に充電させる電力が制限される。
EV走行制御信号は、EV走行モードによる車両1の走行を許可するか否かを表す信号である。EV走行制御信号は、ハイブリッドアシスト制限領域とエンジンアシスト制限領域との分割位置で、LowレベルとHighレベルとが切り替えられる。
エンジンアシスト制御信号は、エンジンアシストを許可するか否かを表す信号である。エンジンアシスト制御信号は、放電禁止領域とハイブリッドアシスト制限領域とではLowレベルであり、エンジンアシスト制限領域では、ハイブリッドアシスト制限領域との分割位置から制限なし領域との分割位置にかけてLowレベルからHighレベルまで変化し、以降のSOC範囲のそれぞれの領域ではHighレベルである。エンジンアシスト制御信号は、エンジンアシスト制限領域内の信号レベルで、エンジンアシストを制限する度合いを表している。制限モード設定部105は、SOC算出部101により出力されたバッテリSOCの情報に基づいて、エンジンアシスト制御信号が表すエンジンアシストの制限度合いを連続的に変更する。これにより、車両1では、走行用バッテリ60の現在のSOCに応じて、エンジンアシストする場合に走行用バッテリ60から放電させる電力が制限される。
エンジン充電制御信号は、エンジン充電を許可するか否かを表す信号である。エンジン充電制御信号は、ハイブリッド充電制御信号と同様に、充電制限領域よりも前のSOC範囲のそれぞれの領域ではHighレベルであり、ハイブリッド充電/エンジン充電制限領域では、制限なし領域との分割位置から回生エネルギー制御領域との分割位置にかけてHighレベルからLowレベルまで変化し、以降のSOC範囲のそれぞれの領域ではLowレベルである。エンジン充電制御信号も、エンジンアシスト制御信号と同様に、エンジン充電/エンジン充電制限領域内の信号レベルで、エンジン充電を制限する度合いを表している。制限モード設定部105は、SOC算出部101により出力されたバッテリSOCの情報に基づいて、エンジン充電制御信号が表すエンジン充電の制限度合いを連続的に変更する。これにより、車両1では、走行用バッテリ60の現在のSOCに応じて、エンジン充電する場合に走行用バッテリ60に充電させる電力が制限される。
次に、図7を用いて、車両1が高車速で走行している場合における走行用バッテリ60の充放電の制御について説明する。車両1が高車速で走行している場合においても、制限モード設定部105は、車両1が低車速で走行している場合と同様の制御信号を出力する。ただし、上述したように、車両1が高車速で走行している場合には、SOC閾値補正部104が、加速必要エネルギーまたは回生エネルギーに対応する分だけ、それぞれのSOC範囲のSOC閾値を変更する。これに伴って、制限モード設定部105が出力するそれぞれの制御信号における変化のタイミングも変わることになる。より具体的には、図7に示すように、ハイブリッドアシスト制御信号、EV走行制御信号、およびエンジンアシスト制御信号の変化のタイミングは、破線で示した低車速のときの変化のタイミングから、加速必要エネルギーに対応する分だけ高SOC側に変わることになる。一方、ハイブリッド充電制御信号およびエンジン充電制御信号の変化のタイミングは、破線で示した低車速のときの変化のタイミングから、回生エネルギーに対応する分だけ低SOC側に変わることになる。
[制御装置におけるSOC範囲を変更する処理]
次に、制御装置100がSOC範囲を変更する処理の流れの一例について説明する。図8は、実施形態に係る車両1が備える制御装置100においてSOCの範囲を変更する際に実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、車両1が走行している間、繰り返し実行される。
SOC算出部101は、バッテリセンサ62により出力されたバッテリ情報を取得し、取得したバッテリ情報に基づいて、走行用バッテリ60における現在のSOC(バッテリSOC)を算出する(ステップS100)。SOC算出部101は、算出した走行用バッテリ60のバッテリSOCの情報を、制限モード設定部105に出力する。
次に、車速判定部102は、車速センサ82により出力された車速情報を取得する(ステップS102)。さらに、エネルギー算出部103は、加速度センサ84により出力された加速度情報を取得する(ステップS104)。
次に、車速判定部102は、取得した車速情報に基づいて、車両1の車速Vが、予め定めた低車速と高車速とを判定するための車速の閾値Vth以上であるか否かを判定する(ステップS106)。車速判定部102は、判定した車両1の車速の情報を、SOC閾値補正部104に出力する。
ステップS106において車速判定部102が、車速Vが車速の閾値Vth以上であると判定した場合、エネルギー算出部103は、取得した加速度情報に基づいて、車両1におけるエネルギー(加速必要エネルギーおよび回生エネルギー)を算出する(ステップS108)。エネルギー算出部103は、算出したエネルギー情報(加速必要エネルギーの情報および回生エネルギーの情報)を、SOC閾値補正部104に出力する。
SOC閾値補正部104は、車速判定部102により出力された車速の情報と、エネルギー算出部103により出力されたエネルギー情報とに基づいて、SOC範囲のSOC閾値を補正(変更)する(ステップS110)。SOC閾値補正部104は、補正したSOC閾値を、制限モード設定部105に出力する。
一方、ステップS106において車速判定部102が、車速Vが車速の閾値Vth未満であると判定した場合、SOC閾値補正部104は、SOC閾値を補正せずに、つまり、低車速のときのSOC閾値をそのまま、制限モード設定部105に出力する。
制限モード設定部105は、SOC閾値補正部104により出力されたSOC閾値に応じたそれぞれの制御信号を、例えば、不図示の制御部に出力する(ステップS112)。
そして、不図示の制御部は、駆動システム20が備えるエンジン23や駆動力伝達機構24、走行用インバータ30、発電用インバータ40、およびVCU50のそれぞれに、制限モード設定部105により出力された制御信号に従った充放電が行われるように制御される走行モードを設定する(ステップS200)。
このような処理の流れによって、制御装置100では、車両1の車速に応じて、それぞれの走行モードで走行しているときに走行用バッテリ60が充電傾向あるいは放電傾向となるようにSOC閾値を補正(変更)して、SOCの範囲を好適に調整することができる。これにより、制御装置100は、車両1が高車速で走行した後の減速時に得られる多くの回生エネルギーを廃電するように制御することなく、さらに、期待していた回生エネルギーが得られなかったことによる走行用バッテリ60の放電過多(電力の枯渇)を招くことないように、走行用バッテリ60のSOCを好適に調整することができる。
[制御装置の別の構成]
上述した制御装置100の構成では、走行用バッテリ60における全体の蓄電容量に対して設定したそれぞれのSOCの範囲のSOC閾値を変更(補正)することにより、車両1が低車速で走行しているときと高車速で走行しているときとでそれぞれのSOCの範囲を変更する構成について説明した。言い換えれば、車両1の車速に応じてSOCの範囲を切り替える構成について説明した。しかし、SOCの範囲は、上述したように直接的に変更せずとも、SOCの範囲を変更した(切り替えた)のと等価にすることもできる。以下に、その場合の一例について説明する。以下の説明においては、別の構成の制御装置を「制御装置110」といい、制御装置100と区別する。
図9は、実施形態に係る車両1が備える制御装置100の別の構成(制御装置110)の一例を示す図である。制御装置110は、例えば、SOC算出部101と、車速判定部102と、エネルギー算出部103と、SOC補正部114と、制限モード設定部115と、を備える。以下の説明においては、制御装置110が備える構成要素において、制御装置100と同様の構成要素には同一の符号を付与し、それぞれの構成要素に関する再度の説明は省略する。図9には、走行用バッテリ60の充放電の制御に関連する制御装置110の構成要素を示している。
SOC算出部101は、算出した走行用バッテリ60のバッテリSOCの情報を、SOC補正部114に出力する。車速判定部102は、判定した車両1の車速の情報を、SOC補正部114に出力する。エネルギー算出部103は、算出したエネルギー情報(加速必要エネルギーや回生エネルギーの情報)を、SOC補正部114に出力する。
SOC補正部114は、車速判定部102により出力された車速の情報と、エネルギー算出部103により出力されたエネルギー情報とに基づいて、SOC算出部101により出力されたバッテリSOCの情報が表す走行用バッテリ60における現在のSOCを補正する。このとき、SOC補正部114は、車速の情報が車両1の車速が高車速であることを表している場合、例えば、予め定めた低SOC側の閾値、および高SOC側の閾値に基づいて、走行用バッテリ60の現在のSOCを判定する。低SOC側の閾値は、例えば、車両1の車速が高車速である場合に放電制限領域であるか否かを判定するためのSOC閾値であり、放電制限領域と制限なし領域との分割位置のSOC閾値である(図3参照)。高SOC側の閾値は、例えば、車両1の車速が高車速である場合に充電制限領域であるか否かを判定するためのSOC閾値であり、制限なし領域と充電制限領域との分割位置のSOC閾値である(図3参照)。SOC補正部114は、バッテリSOCが低SOC側の閾値以下であると判定した場合、バッテリSOCを加速必要エネルギーに対応する分だけ低く補正する。SOC補正部114は、バッテリSOCが高SOC側の閾値以上であると判定した場合、バッテリSOCを回生エネルギーに対応する分だけ高く補正する。これにより、SOC補正部114が補正したバッテリSOC(以下、「補正バッテリSOC」という)を図2および図3に示した低車速の場合の走行用バッテリ60のSOCの範囲のみで判定しても、低車速と高車速とでSOC範囲のSOC閾値を変更した(切り替えた)のと等価にすることができる。SOC補正部114は、補正バッテリSOCの情報を、制限モード設定部115に出力する。
制限モード設定部115は、低車速である場合におけるそれぞれのSOC範囲のSOC閾値と、SOC補正部114により出力された補正バッテリSOCの情報とに基づいて、それぞれの走行モードにおいて走行用バッテリ60の充放電を制御するためのそれぞれの制御信号を生成する。制限モード設定部115が生成するそれぞれの制御信号は、図6に示した、車両1が低車速で走行している場合において制御装置100が走行用バッテリ60の充放電の制御をするためのそれぞれの制御信号と同様である。そして、車両1が高車速である場合には、SOC補正部114が補正した補正バッテリSOCが出力されているため、この場合のそれぞれの制御信号は、図7に示した、車両1が高車速で走行している場合において制御装置100が走行用バッテリ60の充放電の制御をするためのそれぞれの制御信号と同様となる。制限モード設定部115は、生成した制御信号を、例えば、決定した走行モードで駆動システム20が備えるエンジン23や駆動力伝達機構24、走行用インバータ30、発電用インバータ40、およびVCU50の稼働や動作を制御する制御部(不図示)に出力する。
制御装置110が備える不図示の制御部は、決定した走行モードでそれぞれの構成要素の稼働や動作を制御する際に、制限モード設定部115により出力された制御信号に従って、走行用バッテリ60の充放電を制御する。
[別の構成の制御装置におけるバッテリSOCを補正する処理]
次に、制御装置110がバッテリSOCを補正する処理の流れの一例について説明する。図10は、実施形態に係る車両1が備える別の構成の制御装置110において現在の走行用バッテリ60のSOCを補正する際に実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、車両1が走行している間、繰り返し実行される。図10に示したフローチャートにおけるステップS100~ステップS108の処理は、図8に示したフローチャートにおける同じステップ番号の処理と同様である。従って、再度の説明を省略する。
SOC補正部114は、ステップS102において車速判定部102により出力された車速の情報と、ステップS108においてエネルギー算出部103により出力されたエネルギー情報とに基づいて、ステップS100においてSOC算出部101により出力されたバッテリSOCの情報が表す走行用バッテリ60における現在のSOCが、高SOC側の閾値SOC-H以上であるか否かを判定する(ステップS300)。ステップS300において現在のSOCが高SOC側の閾値SOC-H以上であると判定した場合、SOC補正部114は、現在のSOCを回生エネルギーに対応する分だけ高く補正する(ステップS302)。SOC補正部114は、補正した補正バッテリSOCの情報を、制限モード設定部115に出力する。
一方、ステップS300において現在のSOCが高SOC側の閾値SOC-H未満であると判定した場合、SOC補正部114は、走行用バッテリ60における現在のSOCが、低SOC側の閾値SOC-L以下であるか否かを判定する(ステップS304)。ステップS304において現在のSOCが低SOC側の閾値SOC-L以下であると判定した場合、SOC補正部114は、現在のSOCを加速必要エネルギーに対応する分だけ低く補正する(ステップS306)。SOC補正部114は、補正した補正バッテリSOCの情報を、制限モード設定部115に出力する。
一方、ステップS106において車速判定部102が、車速Vが車速の閾値Vth未満であると判定した場合、あるいは、ステップS300において現在のSOCが高SOC側の閾値SOC-H未満であり、ステップS304において現在のSOCが低SOC側の閾値SOC-Lを超えると判定した場合、SOC補正部114は、現在のSOCを補正せずに制限モード設定部115に出力する。つまり、SOC補正部114は、SOC算出部101により出力されたバッテリSOCをそのまま、補正バッテリSOCとして制限モード設定部115に出力する。
制限モード設定部115は、低車速である場合におけるそれぞれのSOC範囲のSOC閾値と、SOC補正部114により出力された補正バッテリSOCの情報とに基づいたそれぞれの制御信号を、例えば、不図示の制御部に出力する(ステップS308)。
そして、不図示の制御部は、駆動システム20が備えるエンジン23や駆動力伝達機構24、走行用インバータ30、発電用インバータ40、およびVCU50のそれぞれに、制限モード設定部115により出力された制御信号に従った充放電が行われるように制御される走行モードを設定する(ステップS400)。
このような処理の流れによって、制御装置110では、車両1の車速に応じて、それぞれの走行モードで走行しているときに走行用バッテリ60が充電傾向あるいは放電傾向となるように現在のSOCを補正する。これにより、制御装置110でも、制御装置100と同様に、車両1の車速に応じて、それぞれの走行モードで走行しているときに走行用バッテリ60が充電傾向あるいは放電傾向となるようにSOCの範囲を好適に調整することができる。これにより、制御装置110でも、車両1が高車速で走行した後の減速時に得られる多くの回生エネルギーを廃電するように制御することなく、さらに、期待していた回生エネルギーが得られなかったことによる走行用バッテリ60の放電過多(電力の枯渇)を招くことないように、走行用バッテリ60のSOCを好適に調整することができる。
上記に述べたとおり、実施形態の車両1によれば、制御装置100あるいは制御装置110が、車両1の車速に応じて、それぞれの走行モードで走行しているときの走行用バッテリ60の充放電を制御して、走行用バッテリ60のSOCを好適に調整する。これにより、実施形態の車両1では、商品性の悪化を招くような走行用バッテリ60の充放電の制御が行われてしまう要因の発生を少なくすることができる。つまり、実施形態の車両1では、走行用バッテリ60を早急に充電するために回転数を高くしてエンジン23を稼働させたり、多くの回生エネルギーを廃電するように制御したりするような状況に陥ってしまう可能性を低くすることができる。
実施形態においては、制御装置100あるいは制御装置110が、車両1の車速が低車速であるか高車速であるかによって、SOCの範囲を変更して、走行用バッテリ60を充電傾向あるいは放電傾向にする場合について説明した。より具体的には、制御装置100あるいは制御装置110は、高車速の場合には、低車速の場合よりも、放電制限領域を高SOC側に変更して充電傾向となるようにし、充電制限領域を低SOC側に変更して放電傾向となるようにし、制限なし領域は狭めるように変更する場合について説明した。しかし、SOCの範囲の変更は、上述した低車速と高車速とでの変更に限定されない。例えば、車両1の車速が、低車速であるか、車速が低車速よりも高く高車速よりも低い中車速であるか、高車速であるかによって、SOCの範囲が上述した実施形態における高車速のときのSOCの範囲(図3参照)となる傾向が強くなるようにしてもよい。この場合も、低車速と、中車速と、高車速とのそれぞれの速度の範囲は、互いに重ならない車両1の車速である。例えば、車両1の車速が高くなるほど、SOCの範囲が図3に示した高車速のSOCの範囲となる傾向が強くなるように、車両1の車速に応じて段階的、あるいは連続的にSOCの範囲を連続的に変更するようにしてもよい。この場合も、互いの速度の範囲は重ならない車両1の車速である。
実施形態においては、車両1が、駆動システム20に走行用モータ21と発電用モータ25とを備える構成、いわゆる、2モータの構成である場合について説明した。しかし、ハイブリッド電気自動車には、例えば、走行用モータのみを備える構成、いわゆる、1モータの構成もある。この場合のハイブリッド電気自動車では、走行用モータが、走行用バッテリから供給される電力、または/およびエンジンから伝達された回転動力によって駆動(回転)される。このような1モータの構成のハイブリッド電気自動車であっても、走行用バッテリに対する充放電の制御を、上述した実施形態と同様の制御にすることもできる。この場合における制御装置100あるいは制御装置110の構成、動作、および処理などは、上述した実施形態の構成、動作、および処理と等価なものになるようにすればよい。
以上説明した実施形態の車両1によれば、走行用バッテリ60と、走行用バッテリ60からの電力によって駆動される走行用モータ21と、走行用バッテリ60を充電するための動力を発生させるエンジン23と、少なくとも走行用モータ21、およびエンジン23を制御すると共に走行用バッテリ60の充電率(SOC)を取得する制御装置100と、車両1の速度を検知する車速センサ82と、を備え、制御装置100は、走行用バッテリ60の充電率に応じて、走行用バッテリ60が充電傾向および放電傾向を含む複数の傾向のいずれかとなるように、走行用モータ21およびエンジン23の少なくとも一方を制御し、車速センサ82が検知した車両1の速度が第1領域(低車速)にある場合と、第1領域よりも高い第2領域(高車速)にある場合とで、少なくとも走行用バッテリ60を充電傾向とする充電率の範囲を変更することにより、走行用バッテリ60の充電率を好適に調整することができる。これにより、実施形態の車両1では、それぞれの走行モードで走行しているときに、走行用バッテリ60を充電するために高い回転数でエンジン23を稼働させたり、多くの回生エネルギーを廃電するように制御したりするような走行用バッテリ60の充放電の制御が行われてしまう要因の発生を抑えることができ、商品性を高めることができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
1・・・車両
10・・・駆動輪
12・・・ブレーキ装置
20・・・駆動システム
21・・・走行用モータ
22・・・減速機
23・・・エンジン
24・・・駆動力伝達機構
25・・・発電用モータ
30・・・走行用インバータ
40・・・発電用インバータ
50・・・VCU
60・・・走行用バッテリ
62・・・バッテリセンサ
70・・・運転操作子
80・・・車両センサ
82・・・車速センサ
84・・・加速度センサ
100・・・制御装置
101・・・SOC算出部
102・・・車速判定部
103・・・エネルギー算出部
104・・・SOC閾値補正部
105・・・制限モード設定部
110・・・制御装置
114・・・SOC補正部
115・・・制限モード設定部

Claims (7)

  1. 蓄電装置と、
    前記蓄電装置からの電力によって駆動される回転電機と、
    前記蓄電装置を充電するための動力を発生させる内燃機関と、
    少なくとも前記回転電機、および前記内燃機関を制御すると共に前記蓄電装置の充電率を取得する制御装置と、
    車両の速度を検知する車速検知装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記蓄電装置の充電率に応じて、前記蓄電装置が充電傾向および放電傾向を含む複数の傾向のいずれかとなるように、前記回転電機および前記内燃機関の少なくとも一方を制御し、
    前記車速検知装置が検知した車両の速度が第1領域よりも高い第2領域にある場合前記蓄電装置を前記充電傾向とする前記充電率の範囲を高充電率側に変更し、前記蓄電装置を前記放電傾向とする前記充電率の範囲を低充電率側に変更する、
    車両。
  2. 前記蓄電装置を前記充電傾向とする前記制御は、前記蓄電装置の放電を禁止または制限する制御、前記内燃機関と前記回転電機との両方を駆動して前記蓄電装置を充電する制御、および前記内燃機関を駆動し前記回転電機を停止させて前記蓄電装置を充電する制御のいずれかの制御を含む、
    請求項に記載の車両。
  3. 前記蓄電装置を前記充電傾向とする前記充電率の範囲は、前記蓄電装置の放電を禁止する範囲と、前記内燃機関と前記回転電機との両方を駆動して前記蓄電装置を充電する範囲と、前記内燃機関を駆動し前記回転電機を停止させて前記蓄電装置を充電する範囲とを含み、
    前記蓄電装置を前記放電傾向とする前記充電率の範囲は、前記蓄電装置の充電を禁止する範囲と、前記回転電機の回生による発電電力の前記蓄電装置への充電を制限する範囲と、前記内燃機関または/および前記回転電機による発電電力の前記蓄電装置への充電を制限する範囲とを含み、
    前記制御装置は、
    前記蓄電装置を前記充電傾向とする前記充電率の範囲の高充電率側への変更に際して、前記蓄電装置の放電を禁止する範囲を前記高充電率側に変更し、
    前記蓄電装置を前記放電傾向とする前記充電率の範囲の低充電率側への変更に際して、前記蓄電装置の充電を禁止する範囲を前記低充電率側に変更する、
    請求項1に記載の車両。
  4. 前記制御装置は、
    前記蓄電装置における全体の充電率の範囲を、少なくとも、低充電率側の放電制限領域と、高充電率側の充電制限領域と、前記放電制限領域と前記充電制限領域との間の制限なし領域との複数の領域に分割し、
    前記車両の速度が前記第2領域にある場合前記放電制限領域の範囲を前記高充電率側に変更し、前記充電制限領域の範囲を前記低充電率側に変更する、
    請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の車両。
  5. 前記制御装置は、前記車両の速度が高くなるほど、前記放電制限領域の範囲を前記高充電率側に変更し、前記充電制限領域の範囲を前記低充電率側に変更する、
    請求項に記載の車両。
  6. 前記制御装置は、前記車速検知装置が検知した車両の速度が、所定の閾値以上である場合に、前記放電制限領域の範囲を前記高充電率側に変更し、前記充電制限領域の範囲を前記低充電率側に変更する、
    請求項に記載の車両。
  7. 前記制御装置は、前記放電制限領域と前記充電制限領域とのそれぞれの領域の範囲の変更に伴って、前記制限なし領域の範囲を狭める、
    請求項または請求項に記載の車両。
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