JP7441875B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗型車両に係り、特に、後輪を路面から浮かせて車体を直立状態で保持するセンタスタンドを有する鞍乗型車両に関する。
従来から、後輪を路面から浮かせて車体を直立状態で保持するセンタスタンドを有する鞍乗型車両が知られている。センタスタンドをかける際には、センタスタンドが路面に接地してから車体後部を持ち上げるところで大きな力が必要となり、車重が大きな車両においてはセンタスタンドをかける動作が難しいことがある。
特許文献1には、後輪を支持すると共に車体に対して揺動自在に軸支されるスイングアームを有する自動二輪車において、アクチュエータによってスイングアームの垂れ角を大きくして車高を高くすることで、センタスタンドを容易にかけられるようにした構成が開示されている。
ドイツ特許公開102018126233号公報
しかし、特許文献1の技術では、スイングアームの垂れ角を変更するための専用のアクチュエータが必要となり、部品点数や重量が増加しやすいという課題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、簡単な構成によってセンタスタンドを容易にかけることができる鞍乗型車両を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、後輪(WR)を路面(G)から浮かせて車体を直立状態で保持するセンタスタンド(11)と、前記後輪(WR)軸支すると共にスイングアームピボット(9)によって車体に揺動可能に軸支されるスイングアーム(12)と、該スイングアーム(12)を車体に吊り下げるリヤクッション(14,50)とを有する鞍乗型車両(1)において、前記リヤクッション(14,50)が、アクチュエータ(25,67)の駆動力で全長を変更できるように構成されており、前記アクチュエータ(25,67)を制御する制御部(42)を備え、前記制御部(42)が、作動スイッチ(40)の操作に応じて前記リヤクッション(14)を所定長さまで伸ばすと、前記センタスタンド(11)を全開位置まで展開しても前記センタスタンド(11)が前記路面(G)に接地しない位置まで前記スイングアーム(12)が下方に揺動し、前記スイングアーム(12)が下方に揺動した状態で前記センタスタンド(11)を展開し、その後、前記リヤクッション(14)を元の長さに戻すことで、前記後輪(WR)が前記路面(G)から浮いてセンタスタンドがけが完了する点に第1の特徴がある。
また、前記センタスタンド(11)の展開角度を検知するセンタスタンド角度センサ(43)を備え、前記制御部(42)は、前記センタスタンド(11)が全開位置まで展開したことを検知して、前記リヤクッション(14,50)を元の長さに戻す点に第2の特徴がある。
また、前記制御部(42)は、前記鞍乗型車両(1)のイグニッションスイッチ(41)がオフの場合にのみ、前記作動スイッチ(40)の出力信号を有効とする点に第3の特徴がある。
さらに、前記センタスタンド(11)の展開動作を行うセンタスタンド駆動モータ(44)を備え、前記制御部(42)は、前記作動スイッチ(40)の操作に基づいて前記リヤクッション(14)が所定長さまで伸びたことを検知すると、前記センタスタンド駆動モータ(44)によって前記センタスタンド(11)を展開すると共に、前記センタスタンド(11)が全開位置まで展開したことを検知して前記リヤクッション(14)を元の長さに戻す点に第4の特徴がある。
第1の特徴によれば、後輪(WR)を路面(G)から浮かせて車体を直立状態で保持するセンタスタンド(11)と、前記後輪(WR)軸支すると共にスイングアームピボット(9)によって車体に揺動可能に軸支されるスイングアーム(12)と、該スイングアーム(12)を車体に吊り下げるリヤクッション(14,50)とを有する鞍乗型車両(1)において、前記リヤクッション(14,50)が、アクチュエータ(25,67)の駆動力で全長を変更できるように構成されており、前記アクチュエータ(25,67)を制御する制御部(42)を備え、前記制御部(42)が、作動スイッチ(40)の操作に応じて前記リヤクッション(14)を所定長さまで伸ばすと、前記センタスタンド(11)を全開位置まで展開しても前記センタスタンド(11)が前記路面(G)に接地しない位置まで前記スイングアーム(12)が下方に揺動し、前記スイングアーム(12)が下方に揺動した状態で前記センタスタンド(11)を展開し、その後、前記リヤクッション(14)を元の長さに戻すことで、前記後輪(WR)が前記路面(G)から浮いてセンタスタンドがけが完了するので、通常、センタスタンドをかける際には、センタスタンドが路面に接地してから車体後部を持ち上げるところで大きな力が必要となるところ、リヤクッションが伸びて車高が上がることでほとんど力を使わずにセンタスタンドを全開位置まで展開できる。その後、リヤクッションを元の長さに戻すことでセンタスタンドがけを完了することができる。
第2の特徴によれば、前記センタスタンド(11)の展開角度を検知するセンタスタンド角度センサ(43)を備え、前記制御部(42)は、前記センタスタンド(11)が全開位置まで展開したことを検知して、前記リヤクッション(14,50)を元の長さに戻すので、センタスタンドの展開が不十分な状態で車高を下げることを防ぎ、センタスタンドがけを確実に完了させることが可能となる。
第3の特徴によれば、前記制御部(42)は、前記鞍乗型車両(1)のイグニッションスイッチ(41)がオフの場合にのみ、前記作動スイッチ(40)の出力信号を有効とするので、例えば、走行中に誤って作動スイッチを操作した場合でも車高が変化することがなく、乗員の安心感を高めることができる。
第4の特徴によれば、前記センタスタンド(11)の展開動作を行うセンタスタンド駆動モータ(44)を備え、前記制御部(42)は、前記作動スイッチ(40)の操作に基づいて前記リヤクッション(14)が所定長さまで伸びたことを検知すると、前記センタスタンド駆動モータ(44)によって前記センタスタンド(11)を展開すると共に、前記センタスタンド(11)が全開位置まで展開したことを検知して前記リヤクッション(14)を元の長さに戻すので、作動スイッチを1回操作するのみで、自動的にセンタスタンドがけを完了させることが可能となる。
本実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 リヤクッションの斜視図である。 リヤクッションの断面図である。 リヤクッションの制御系統を示すブロック図である。 リヤクッションが伸びて車高が上がった状態の自動二輪車の左側面図である。 センタスタンドを全開位置まで展開した状態の自動二輪車の左側面図である。 リヤクッションを元の長さに戻した状態の自動二輪車の左側面図である。 センタスタンドがけ制御1の手順を示すフローチャートである。 本実施形態の変形例に係るリヤクッションの制御系統を示すブロック図である。 センタスタンドがけ制御2の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 センタスタンドを全開位置まで展開してリヤクッションを縮めた状態を示す自動二輪車の左側面図である。 センタスタンドかけ制御3の手順を示すフローチャートである。 油圧式の伸縮機構を有するリヤクッションの構成を示す断面図である。 センタスタンドがけ制御4の手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る自動二輪車1の左側面図である。自動二輪車1は、パワーユニットPの駆動力をドライブチェーン13を介して後輪WRに伝達して走行する鞍乗型車両である。車体フレームFを構成するメインフレームF2の前端部には、ステアリングステム(不図示)を回動自在に軸支するヘッドパイプF1が設けられている。
ステアリングステムの上部にはトップブリッジ4が固定されており、ステアリングステムの下部にはボトムブリッジ6が固定されている。トップブリッジ4の上部には、前輪WFを操舵する操向ハンドル3が固定されている。トップブリッジ4およびボトムブリッジ6によって支持される左右一対のフロントフォーク7の下端部には、前輪WFが回転自在に軸支されている。フロントフォーク7には、前輪WFの上方を覆うフロントフェンダ8が取り付けられている。
ヘッドパイプF1から後方に伸びるメインフレームF2と、ヘッドパイプF3から急傾斜で後方下方に伸びるアンダフレームF3との間には、エンジンと変速機とを一体に構成したパワーユニットPが配設されている。左右一対のアンダフレームF3は、パワーユニットPの下部で後方に延伸した後、後方上方に伸びて左右一対のリヤフレームF4に連結される。リヤフレームF4には、左右一対のリヤクッション14の上端部を支持するためのリヤクッション支持部F5が設けられている。
メインフレームF2の後端でアンダフレームF3と合流する部分には、スイングアーム12を揺動自在に軸支するスイングアームピボット9が設けられている。後輪WRを回転自在に軸支するスイングアーム12の後部は、リヤクッション14によってリヤクッション支持部F5に吊り下げられている。
メインフレームF2の上部には、メインフレームF2を跨ぐ形状を有する燃料タンク2が配設されており、燃料タンク2の後方にはシート17が配設されている。シート17の下方を覆う左右一対のリヤカウル16には、後輪WRの上方を覆うリヤフェンダ15が取り付けられている。
スイングアームピボット9の下方で、アンダフレームF3の後端下部の位置には、センタスタンド11を揺動自在に軸支する揺動軸10が配設されている。停車時に後輪WRを路面Gから浮かせて車体を直立状態で保持するためのセンタスタンド11には、センタスタンド11を展開する際に乗員が足で踏む踏部11aと、路面Gに接地する接地部11bとが設けられる。センタスタンド11は、収納位置と全開位置との間を展開可能とされると共に、リターンスプリングによって収納方向への付勢力が与えられている。
リヤクッション14は、アクチュエータの駆動力で長さを調整する機能を有する。本実施形態に係る自動二輪車1は、リヤクッション14の長さを変更することにより、センタスタンド11をかける動作を容易にする点に特徴がある。図1では、リヤクッション14が通常時の長さである状態を示す。
図2は、リヤクッション14の斜視図である。また、図3はリヤクッション14の断面図である。リヤクッション14の本体部は、ダンパシャフト30が挿通するダンパボディ28の外側にコイルばね29を巻回した周知の構造とされる。リヤクッション14の上端部には、リヤクッション支持部F5に軸支される上側支持部20が設けられ、リヤクッション14の下端部には、スイングアーム12に軸支される下側支持部31が設けられる。
リヤクッション14の長さ調整機構は、上側支持部20とダンパボディ28との間に設けられる。上側支持部20の下部に形成される上側外筒21の内周面と、ダンパボディ28の上部に設けられる下側外筒33の内周面には、それぞれ、雌ねじが切られている。一方、上側外筒21と下側外筒33との間には、正ねじが切られた上側内筒26aおよび逆ねじが切られた下側内筒26bが一体に形成された第3ギヤ26が螺合している。これにより、第3ギヤ26を回転させることで、上側外筒21と下側外筒33との距離が変化し、リヤクッション14の全長が伸縮することとなる。
ダンパボディ28の上端部に取り付けられる下側支持板24には、アクチュエータとしてのモータ25が固定されている。下側支持板24と上側支持板22との間には、モータ軸32に固定された第1ギヤ23および第2ギヤ27が配設されており、モータ25の駆動力は、第1ギヤ23および第2ギヤ27を介して第3ギヤ26に伝達される。
図4は、リヤクッション14の制御系統を示すブロック図である。制御部42には、リヤクッション作動スイッチ40、自動二輪車1の主電源をオンオフするイグニッションスイッチ41、センタスタンド11の展開角度を検知するセンタスタンド角度センサ43の出力信号が入力される。リヤクッション作動スイッチ40は、センタスタンド11をかける際に、乗員が任意のタイミングで操作するスイッチである。制御部42は、これらの出力信号に基づいてリヤクッション14のモータ25を駆動し、リヤクッション14の長さを変更する。リヤクッション作動スイッチ40は、例えば、操向ハンドル2やリヤクッション支持部F5等に配設することができる。
図5は、リヤクッション14が伸びて車高が上がった状態の自動二輪車1の左側面図である。本実施形態では、停車してイグニッションスイッチ41がオフの間にリヤクッション作動スイッチ40を操作することで、リヤクッション14が所定長さまで伸びてスイングアーム12が下方に揺動し、これにより、車高が所定高さまで上がるように構成されている。
図6は、センタスタンド11を全開位置まで展開した状態の自動二輪車1の左側面図である。リヤクッション14が所定長さまで伸びて車高が所定高さまで上がった状態では、センタスタンド11を展開させても路面Gに接地しない。これにより、わずかな力でセンタスタンド11を全開位置まで展開させることができる。
図7は、リヤクッション14を元の長さに戻した状態の自動二輪車1の左側面図である。センタスタンド11が全開位置まで展開した状態でリヤクッション14を元の長さに戻すと、後輪WRが路面Gから浮いて、センタスタンド11をかける動作が完了する。本実施形態では、センタスタンド11を全開位置まで展開した状態でリヤクッション作動スイッチ40を操作することで、リヤクッション14が元の長さに戻るように設定されている。一方、センタスタンド11が全開位置まで展開したことを検知して自動的に元の長さに戻るように設定してもよい。
図8は、センタスタンドがけ制御1の手順を示すフローチャートである。ステップS1では、リヤクッション作動スイッチ40がオンにされる。ステップS2では、イグニッションスイッチ41がオフであるか否かが判定される。ステップS2で肯定判定されると、ステップS3に進んで、リヤクッション14が所定長さまで伸ばされる。
一方、ステップS2で否定判定されると、そのまま一連の制御を終了する。すなわち、制御部42は、イグニッションスイッチ41がオフの場合にのみ、リヤクッション作動スイッチ40の出力信号を有効とする。これにより、例えば、走行中に誤ってリヤクッション作動スイッチ40を操作した場合でも車高が変化することがなく、乗員の安心感を高めることができる。
続くステップS4では、乗員がセンタスタンド11を全開位置まで展開し、ステップS5では、リヤクッション作動スイッチ40がオンにされる。そして、ステップS6では、センタスタンド11が全開位置まで展開されているか否かが判定され、肯定判定されると、ステップS7に進む。ステップS7では、リヤクッション14が元の長さに戻されて、一連の制御を終了する。
なお、ステップS6で否定判定されると、ステップS4に戻る。すなわち、制御部42は、センタスタンド11が全開位置まで展開したことを検知して、リヤクッション14を元の長さに戻すことを許可するので、センタスタンド11の展開が不十分な状態で車高を下げることを防ぎ、センタスタンドがけを確実に完了させることが可能となる。
図9は、本実施形態の変形例に係るリヤクッション14の制御系統を示すブロック図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。本変形例では、図4に示した構成に比して、センタスタンド11の展開動作を行うセンタスタンド駆動モータ44と、リヤクッション14の長さを検知する長さセンサ45とが追加されている点が異なる。
図10は、センタスタンドがけ制御2の手順を示すフローチャートである。ステップS10では、リヤクッション作動スイッチ40がオンにされる。ステップS11では、イグニッションスイッチ41がオフであるか否かが判定される。ステップS11で肯定判定されると、ステップS12に進んで、リヤクッション14が所定長さまで伸ばされる。一方、ステップS11で否定判定されると、そのまま一連の制御を終了する。
続くステップS13では、長さセンサ45によって、リヤクッション14が所定長さまで伸びたことが検知される。ステップS14では、リヤクッション14が所定長さまで伸びたことをトリガとして、センタスタンド駆動モータ44によってセンタスタンド11の展開が行われる。
そして、ステップS15では、センタスタンド11が全開位置まで展開されているか否かが判定され、肯定判定されると、ステップS16に進む。ステップS16では、リヤクッション14が元の長さに戻されて、一連の制御を終了する。一方、ステップS15で否定判定されると、ステップS13に戻る。
図11は、本発明の第2実施形態に係る自動二輪車1aの左側面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。本実施形態では、展開時の上下長が短いセンタスタンド110が適用されると共に、リヤクッション作動スイッチ40の操作に応じてリヤクッション14が所定長さまで縮むように構成されている点に特徴がある。図示するように、本実施形態では、上下長が短いセンタスタンド110を適用しているので、リヤクッション14が通常長さであっても、路面Gに接地することなくセンタスタンド110を全開位置まで展開することができる。
図12は、センタスタンド110を全開位置まで展開してリヤクッション14を縮めた状態を示す自動二輪車1aの左側面図である。センタスタンド110を展開した状態で、リヤクッション14を所定長さまで縮めると、後輪WRが路面Gから浮いてセンタスタンドがけが完了する。これにより、センタスタンド110をかける動作が容易となる。
図13は、センタスタンドかけ制御3の手順を示すフローチャートである。ステップS20では、乗員がセンタスタンド110を全開位置まで展開し、ステップS21では、リヤクッション作動スイッチ40がオンにされる。ステップS22では、イグニッションスイッチ41がオフであるか否かが判定される。ステップS22で肯定判定されると、ステップS3に進んで、リヤクッション14が所定長さまで縮められてセンタスタンドがけが完了し、一連の制御を終了する。
一方、ステップS22で否定判定されると、そのまま一連の制御を終了する。これにより、例えば、走行中に誤ってリヤクッション作動スイッチ40を操作した場合でも車高が変化することがなく、乗員の安心感を高めることができる。なお、本実施形態でも、センタスタンド110が全開位置まで展開されたことをトリガとして、リヤクッション14を自動的に縮めるように構成することができる。
図14は、油圧式の伸縮機構を有するリヤクッション50の構成を示す断面図である。前記した実施形態では、機械式の伸縮機構を有するリヤクッション17を適用していたが、伸縮機構には油圧式を適用してもよい。リヤクッション50の本体部は、ダンパボディ57の外側にコイルばね56を巻回した周知の構造とされる。リヤクッション50の上端部には、リヤクッション支持部F5に支持される上側支持部51が設けられる。
リヤクッション50の長さ調整機構は、上側支持部51とダンパボディ57との間に設けられる。上側支持部51の下部に形成される外筒53には、ダンパボディ57の上部に設けられる内筒54が摺動可能に挿入されており、外筒53と内筒54との間に、作動油で満たされた第1油圧室52が形成される。第1油圧室52には、外筒53と内筒54との距離を離間させる方向に付勢するコイルばね55が収納されている。
一方、油圧発生装置60は、アクチュエータとしてのオイルポンプ67を有しており、オイルポンプ67を作動させることで油圧ピストン66が押圧されて、第2油圧室65に油圧が発生する。油圧発生装置60の第1バルブ61に連結される第1ホース63は、リヤクッション50の第1油圧室52に連結されている。一方、第2バルブ62に連結される第2ホース64は、サイドスタンド11を展開させるための油圧式のセンタスタンド展開装置68に連結されている。
図15は、センタスタンドがけ制御4の手順を示すフローチャートである。このフローチャートでは、図14を用いて説明した油圧システムによって標準長さのサイドスタンド11をかける手順を示す。ステップS40では、リヤクッション作動スイッチ40がオンにされる。ステップS41では、イグニッションスイッチ41がオフであるか否かが判定される。ステップS41で肯定判定されると、ステップS42に進んで、第1バルブ61が開いているか否かが判定される。
ステップS42で肯定判定されるとステップS43に進み、第2バルブ62が閉じているか否かが判定される。ステップS43で肯定判定されると、ステップS44に進む。ステップS44では、オイルポンプ67の作動によりリヤクッション50が所定長さまで伸ばされる。一方、ステップS41,S42,S43で否定判定されると、そのまま一連の制御を終了する。
ステップS45では、長さセンサ45によりリヤクッション50が所定長さまで伸びたことが検知される。続くステップS46では、第2バルブ46が開いているか否かが判定される。ステップS46で肯定判定されると、ステップS47に進み、オイルポンプ67が作動することでセンタスタンド展開装置68がサイドスタンド11を展開する。一方、ステップS46で否定判定されると、ステップS46の判定に戻る。
続くステップS48では、センタスタンド11が全開位置まで展開されているか否かが判定され、肯定判定されると、ステップS49に進む。ステップS49では、オイルポンプ67の停止によりリヤクッション50が元の長さに戻されて、一連の制御を終了する。一方、ステップS48で否定判定されると、ステップS45に戻る。
上記したように、本発明に係る鞍乗型車両によれば、アクチュエータの駆動力によって長さを変更できるリヤクッションを備えることで、リヤクッションを伸ばした状態でセンタスタンドを展開し、リヤクッションを元の長さに戻すことでセンタスタンドがけが完了するので、センタスタンドをかける動作を容易とし、車両の利便性を高めることができる。
なお、自動二輪車の形態、センタスタンドの形状や配置、リヤクッションの構造、リヤクッションの伸縮機構の構造、リヤクッションの制御系統の構成等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、機械式の伸縮機構を有するリヤクッションと油圧式のサイドスタンド展開装置とを組み合わせたり、油圧式の伸縮機構を有するリヤクッションと機械式のサイドスタンド展開装置とを組み合わせてもよい。本発明に係るリヤクッションの伸縮構造は、2本のリヤクッションを備える自動二輪車に限られず、1本のリヤクッションでスイングアームを支持する自動二輪車や、2つの前輪を有する三輪車等に適用することが可能である。
1…自動二輪車(鞍乗型車両)、11…センタスタンド、12…スイングアーム、14,50…リヤクッション、25…モータ(アクチュエータ)、40…作動スイッチ、43…センタスタンド角度センサ、41…イグニッションスイッチ、44…センタスタンド駆動モータ、67…オイルポンプ(アクチュエータ)、WR…後輪、42…制御部、G…路面

Claims (5)

  1. 後輪(WR)を路面(G)から浮かせて車体を直立状態で保持するセンタスタンド(11)と、前記後輪(WR)軸支すると共にスイングアームピボット(9)によって車体に揺動可能に軸支されるスイングアーム(12)と、該スイングアーム(12)を車体に吊り下げるリヤクッション(14,50)とを有する鞍乗型車両(1)において、
    前記リヤクッション(14,50)が、アクチュエータ(25,67)の駆動力で全長を変更できるように構成されており、
    前記リヤクッション(14,50)の長さを調整する前記アクチュエータ(25,67)を前記リヤクッション(14,50)に備え、
    前記アクチュエータ(25,67)を制御する制御部(42)を備え、
    前記制御部(42)が、作動スイッチ(40)の操作に応じて前記リヤクッション(14)を所定長さまで伸ばすと、前記センタスタンド(11)を全開位置まで展開しても前記センタスタンド(11)が前記路面(G)に接地しない位置まで前記スイングアーム(12)が下方に揺動し、
    前記スイングアーム(12)が下方に揺動した状態で前記センタスタンド(11)を展開し、その後、前記リヤクッション(14)を元の長さに戻すことで、前記後輪(WR)が前記路面(G)から浮いてセンタスタンドがけが完了することを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記センタスタンド(11)の展開角度を検知するセンタスタンド角度センサ(43)を備え、
    前記制御部(42)は、前記センタスタンド(11)が全開位置まで展開したことを検知して、前記リヤクッション(14,50)を元の長さに戻すことを許可することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記制御部(42)は、前記鞍乗型車両(1)のイグニッションスイッチ(41)がオフの場合にのみ、前記作動スイッチ(40)の出力信号を有効とすることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両。
  4. 前記センタスタンド(11)の展開動作を行うセンタスタンド駆動モータ(44)を備え、
    前記制御部(42)は、前記作動スイッチ(40)の操作に基づいて前記リヤクッション(14)が所定長さまで伸びたことを検知すると、前記センタスタンド駆動モータ(44)によって前記センタスタンド(11)を展開すると共に、前記センタスタンド(11)が全開位置まで展開したことを検知して前記リヤクッション(14)を元の長さに戻すことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  5. 前記リヤクッション(14,50)は、コイルばね(29)および該コイルばね(29)を挿通するダンパボディ(28)を有する本体部と、車体に接続される支持部(20,31)とを備え、
    前記リヤクッション(14,50)の長さを調整する長さ調整機構が、前記本体部と前記支持部(20,31)との間に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の鞍乗型車両。
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