JP7441812B2 - 仮組構造、連結手段およびインバート施工方法 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、トンネル周方向(断面方向)に対して複数に分割されたインバートブロックを、トンネル内に設置することでインバートを形成する施工方法が開示されている。
ところが、従来のインバート施工方法では、一つのリング毎に複数のインバートブロックを個別に輸送するため、輸送に手間がかかる。また、各インバートブロックは、個別に位置決めを行う必要があり、位置決めにも手間がかかる。すなわち、仮置きしてから位置合わせを行う必要があり、また、位置決めにはインバートブロックの吊り上げおよび吊り下しの作業を複数回行う必要がある。
かかる仮組構造によれば、連結手段およびサポート部材により一対のプレキャスト部材同士が仮組みされており、連結手段を吊持することで、一対のプレキャスト部材を組み合わせた状態で輸送できるため、プレキャスト部材を個別に輸送する場合に比べて、輸送や位置決めに要する手間を低減できる。また、プレキャスト部材同士の間にサポート部材が横架されているため、吊り上げた際にプレキャスト部材同士の間隔が変化せず、所定の位置関係を保持した状態で輸送することができ、その結果、プレキャスト部材の位置決めが容易となる。
また、前記連結手段は、一対の前記プレキャスト部材の間に横架された複数の第一部材と、複数の前記第一部材同士を連結する複数の第二部材とにより、平面視井桁状を呈しているのが望ましい。かかる連結手段によれば、吊り上げる際の強度を確保できるとともに、バランスよくプレキャスト部材を吊持できる。
かかる連結手段は、プレキャスト部材同士を連結した状態で輸送するための吊具として機能し、また、プレキャスト部材同士の位置関係を決定するための位置決め用の定規としても機能する。また、連結手段は、井桁状に形成されているため、プレキャスト部材を吊持するために必要な強度を確保しつつ、バランスよくプレキャスト部材を支持することができる。さらに、凸部により、他のプレキャスト部材を上載することが可能である。
かかるインバート施工方法によれば、連結手段を使用することで、インバートブロックの移送、設置および位置決めを容易に行うことができる。また、プレキャスト部材であるインバートブロックを使用しているため、現場でのコンクリート打設量を最小限に抑え、コンクリート打設に要する手間を低減できる。
また、図2に示すように、インバートブロック3のトンネル中央側の側面(他のインバートブロック3側の側面)にも、上下2段のインサート31が開口している。図3に示すように、インバートブロック3の側面には、インバートブロック3のトンネル軸方向両端部において、それぞれ2カ所ずつインサート31,31が設けられている。すなわち、インバートブロック3の側面には、合計8個のインサート31,31,…が設けられている。
なお、本実施形態のインバートブロック3のトンネル軸方向端面には、トンネル軸方向に隣接する他のインバートブロック3と連結するための複数のジョイント32,32が形成されている。
インバートブロック3を輸送して所定の位置に設置する際には、図6(a)および(b)に示すように、インバートブロック3に連結手段7を固定した状態で、連結手段7を吊持することにより行う。図6は、インバートブロック3に連結手段7が取り付けられた状態(仮組構造8)を示す図である。図6(a)に示すように、連結手段7は、間隔をあけて配設された一対のインバートブロック3,3を連結するものである。連結手段7は、インバートブロック3,3の間隔がトンネル坑内に配設した際の間隔と同じになるように、一対のインバートブロック3,3の上面に取り付ける。このとき、インバートブロック3同士の間には、サポート部材5を横架する。一対のインバートブロック3,3は、連結手段7およびサポート部材5が設けられた仮組構造8の状態で輸送および載置する。
第一部材71は、直線状の鋼材(本実施形態では角鋼管)からなる。一対の第一部材71,71は、平行である。第一部材71は、図6(a)に示すように、一対のインバートブロック3,3に取り付けた状態で、両端がインバートブロック3の外側の端部よりも内側に位置する長さを有している。図7(b)に示すように、第一部材71の底部には、取付板77が固定されている。取付板77は、インバートブロック3の上面に開口するインサート31の位置に応じた位置に固定されていて、図7(a)に示すように、連結手段7の外側(他の第一部材71と反対側の側面)に張り出している。取付板77の第一部材71から張り出した部分には貫通孔77aが形成されている。第一部材71(連結手段7)は、取付板77の貫通孔77aを貫通してインサート31に螺合したボルトにより、インバートブロック3の上面に固定する(図6参照)。なお、図7(b)に示すように、第一部材71の中央側に設けられた取付板77は、第一部材71の両端部に設けられた取付板77よりも低い位置に配設されている。すなわち、連結手段7を取り付けるインバートブロック3の上面の傾斜に応じて取付板77の高さ位置を設定する。また、取付板77の上面と第一部材71の側面との角部には、補強材として一対の縦リブ77b,77bが固定されている。
現場内に搬入した仮組構造8は、輸送時と同様に、複数の仮組構造8を積み重ねた場外で仮置きする。
コンクリート4の養生を行い、所定の強度が発現したら、連結手段7をインバートブロック3から撤去する。なお、連結手段7は、コンクリート4の打設前に撤去してもよく、連結手段7を撤去するタイミングは限定されない。
また、インバートブロック3を連結手段7およびサポート部材5により仮組みした仮組構造8として、輸送するため、インバートブロック3を個別に輸送する場合に比べて、輸送や位置決めに要する手間を低減できる。仮組構造8を吊持する際は、連結手段7を吊持するため、インバートブロック3への負担を低減できる。また、インバートブロック3同士の間にサポート部材5が横架されているため、吊り上げた際にインバートブロック3同士の間隔が変化せず、所定の位置関係を保持した状態で輸送することができ、その結果、インバートブロック3の位置決めが容易となる。
また、連結手段7は、一対のインバートブロック3,3の間に横架された複数の第一部材71と、複数の前記第一部材同士を連結する複数の第二部材とにより、平面視井桁状を呈しているため、吊り上げる際の強度を確保しつつ、バランスよくインバートブロック3を吊持できる。
また、連結手段7は、一対のインバートブロック3を、所定の間隔をあけた状態で連結するため、吊具として機能するとともに、インバートブロック3同士の位置関係を決定するための位置決め用の定規としても機能する。そのため、一対のインバートブロック3,3を同時に所定の位置に接地することができ、インバートブロック3の位置決め時の手間の低減化を図ることができる。
撤去後の連結手段7を他の仮組構造8(インバートブロック3)に転用することで、コスト低減化を図ることができる。
前記実施形態では、一対のインバートブロック3を輸送および設置するために連結手段7を使用する場合について説明したが、仮組構造8を構成するプレキャスト部材はインバートブロックに限定されるものではない。また、仮組構造8を構成するプレキャスト部材の数は2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。
前記実施形態では、第二部材72と凸部73とを個別に設けたが、凸部73は、第二部材72に一体に形成されていてもよい。
前記実施形態では、インバートブロック3の上面の傾斜に応じて中央の取付板77の高さ位置をその他の取付板77の高さ位置よりも低くしたが、取付板77の高さ位置は連結手段7を設置する部材または場所に応じて決定すればよく、連結手段7の設置箇所が平坦な場合には、複数の取付板77の高さ位置は一定とする。
サポート部材5は、コンクリート4打設前に撤去してもよい。
コンクリート4の打設高さ(上面の高さ)は、インバートブロック3の上端高さと異なってもよい。コンクリート4の打設高さをインバートブロック3の上面よりも低くすることで、水路として利用することができる。
サポート部材5,連結金具6および連結手段7は、伸縮機能を備えていてもよい。サポート部材5,連結金具6および連結手段7が伸縮可能であれば、インバートブロック3同士を連結(一体化)する際や位置決め時等における微調整が可能となる。
2 インバート
3 インバートブロック(プレキャスト部材)
31 インサート
4 コンクリート
5 サポート部材
6 連結金具
7 連結手段
71 第一部材
72 第二部材
73 凸部
8 仮組構造
T トンネル
Claims (5)
- 間隔をあけて配設された一対のプレキャスト部材と、
前記プレキャスト部材同士を連結する連結手段と、
前記プレキャスト部材同士の間に横架されたサポート部材と、を備える仮組構造であって、
前記プレキャスト部材には、当該プレキャスト部材の上面に開口するインサートが埋め込まれており、
前記連結手段は、前記インサートに締結されたボルトを介して前記プレキャスト部材の上面に固定されていて、
前記サポート部材は、前記プレキャスト部材同士の対向する面の下部において、前記プレキャスト部材間に横架されていることを特徴とする、仮組構造。 - 前記連結手段の上面に、複数の凸部が間隔をあけて形成されており、
前記凸部の上端の高さは、前記プレキャスト部材の下面形状に応じた高さに設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の仮組構造。 - 前記連結手段は、一対の前記プレキャスト部材の間に横架された複数の第一部材と、複数の前記第一部材同士を連結する複数の第二部材とにより、平面視井桁状を呈していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の仮組構造。
- 複数のプレキャスト部材を連結する連結手段であって、
前記プレキャスト部材同士の間に横架された複数の第一部材と、
前記第一部材同士を連結する複数の第二部材と、により平面視井桁状を呈しており、
前記第一部材上面には、前記プレキャスト部材の底面形状に応じた高さを有する複数の凸部が形成されていることを特徴とする、連結手段。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仮組構造を利用したインバート施工方法であって、
前記連結手段を吊持して、前記プレキャスト部材であるインバートブロックを所定の位置まで輸送する作業と、
前記インバートブロックを所定の位置に載置する作業と、
前記インバートブロック同士の隙間にコンクリートを打設する作業と、
前記連結手段を撤去する作業と、を備えていることを特徴とするインバート施工方法。
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JP2015045202A (ja) | 2013-08-29 | 2015-03-12 | 株式会社ヤマックス | アーチカルバートおよびその製造方法 |
JP2019157397A (ja) | 2018-03-08 | 2019-09-19 | 日本サミコン株式会社 | トンネルインバートの施工方法とトンネルインバート用プレキャスト板 |
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