JP6648389B2 - トンネルインバートの施工方法とトンネルインバート用プレキャスト板 - Google Patents

トンネルインバートの施工方法とトンネルインバート用プレキャスト板 Download PDF

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Description

本発明は、トンネルの底部に設けるトンネルインバートの施工方法とトンネルインバート用プレキャスト板に関する。
従来、この種のものとして、トンネルの底部にコンクリート製のインバートを設けるトンネルインバートの施工方法において、前記インバートをトンネルの幅方向に二分割した形状を有するプレキャスト板を複数形成し、前記トンネルの幅方向一側に複数の前記プレキャスト板を設置した後、前記トンネルの幅方向他側に複数の前記プレキャスト板を設置する(例えば特許文献1)ものが知られており、この施工方法では、工期の短縮が可能で、片側交通を確保することができる。
また、NATMトンネル工法において鋼製支保工と吹き付けコンクリート部とロックボルトとを有するアーチ形状の一次支保工の脚部同士を連絡し下に凸のアーチ形状をなすインバートをトンネル底面に施工するインバートの施工方法であって、前記インバートは、前記トンネル底面において前記トンネルの幅方向に複数連結されたプレキャスト板からなるものであり、前記インバートは、L字断面になるように切欠きが設けられた両端部を有する第1プレキャスト板と、逆さL字断面になるように切欠きが設けられ前記第1プレキャスト板の一方の端部に相欠き継ぎで連結された端部を有する第2プレキャスト板と、逆さL字断面になるように切欠きが設けられ前記第1プレキャスト板の他方の端部に相欠き継ぎで連結された端部を有する第3プレキャスト板と、を備えており(例えば特許文献2)、地山からの圧力に起因するインバート構成部分の浮き上がりや脱落を抑制すると共に、良好な施工性を実現することができると記載されている。
特開平10−220186号公報 特開2013−28898号公報
上記特許文献1のようにトンネルのインバートを掘削し、分割したプレキャスト板を敷設する補修方法では、底部の掘削部分から上方に土圧が発生するため、特許文献1では、プレキャスト板の中央側の接合端面に複数の連結部を設けて幅方向両側のプレキャスト板を接合しており、連結部を設けるために製造工程が増え、また、現場での接合作業が煩雑になるという問題がある。
また、上記特許文献2では、プレキャスト板の端部に接合のために切欠きを設けており、同様に構造が複雑になると共に、現場での接合作業が煩雑になるという問題がある。
そこで、本発明は上述した問題点に鑑み、施工性に優れ、土圧に対する強度に優れたトンネルインバートの施工方法とトンネルインバート用プレキャスト板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、既設のトンネルの底部にコンクリート製のインバートを設けるために、トンネルの幅を有する前記インバートをプレキャスト板により形成し、前記プレキャスト板を複数形成し、トンネルの底部を掘削し、この掘削箇所に前記プレキャスト板を設置するトンネルインバートの施工方法であって、前記プレキャスト板はトンネルの幅方向に湾曲しており、前記プレキャスト板の下面には、幅方向両側に水平下面を形成する凸部が設けられ、この凸部に高さ調整手段が設けられており、前記水平下面に対応して前記掘削箇所に支持部材を配置し、前記プレキャスト板の前記水平下面を前記支持部材の水平方向の支持面に載置した後、前記高さ調整手段により前記プレキャスト板の高さを調整することを特徴とする。
また、請求項に係る発明は、前記凸部のトンネル幅方向外側で前記掘削箇所の底面に、前記水平下面より高い突出部が設けられ、前記プレキャスト板を設置し、前記プレキャスト板に穿設した裏込め材用充填孔から前記プレキャスト板の下部に裏込め材を充填することを特徴とする。
また、請求項に係る発明は、トンネルの底部に設けられるコンクリート製のトンネルインバート用プレキャスト板において、トンネルの幅を有する前記インバートを湾曲したプレキャスト板により形成し、前記プレキャスト板の下面には、幅方向両側に水平下面を形成する凸部を設け、この凸部に高さ調整手段を設け、前記プレキャスト板には、その上下を連通する裏込め材用充填孔を穿設したことを特徴とする。
請求項1の構成によれば、既設のトンネルの掘削箇所に複数のプレキャスト板を設置してインバートを形成する。このインバートは、プレキャスト板がトンネルの幅を有する一体物のため、接合部がなく、施工が容易となると共に、施工後に加わる土圧に対して強度的に優れる。
加えて、請求項の構成によれば、プレキャスト板の水平下面を支持部材の水平方向の支持面に載置するため、支持部材の角部などにプレキャスト板の下面に部分的に当たることがなく、プレキャスト板を安定して仮置きすることができ、この後高さ調整を行うことができる。
請求項の構成によれば、予め掘削箇所に突出部が設けられており、トンネル幅方向に湾曲するプレキャスト板において、その幅方向両側下方の充填空間を小さくでき、裏込め材の充填量及び充填時間を削減することができる。
請求項の構成によれば、プレキャスト板の水平下面を支持部材の水平方向の支持面に載置することができ、施工性に優れ、土圧に対する強度に優れたトンネルインバートを構築することができる。
本発明の実施例1を示すトンネルの断面図である。 同上、プレキャスト板の正面図である。 同上、トンネル長さ方向に並設したプレキャスト板の平面図である。 同上、トンネル幅方向外側の断面図である。 同上、高さ調整手段の断面図である。 同上、台座の正面図である。 同上、台座の平面図である。 同上、目地部の断面図である。 同上、目地部の平面図である。 同上、施工を説明する側面図である。 同上、施工を説明する平面図である。 本発明の実施例2を示すトンネルの断面図である。 同上、支持部材の正面図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規なトンネルインバートの施工方法とトンネルインバート用プレキャスト板を採用することにより、従来にないトンネルインバートの施工方法とトンネルインバート用プレキャスト板が得られ、そのトンネルインバートの施工方法とトンネルインバート用プレキャスト板について記述する。
以下、図面を参照して、本発明のトンネルインバートの施工方法とトンネルインバート用プレキャスト板の実施例1について説明する。
図1〜図11は本発明の実施例1を示す。図1は既設あるいは既設のトンネルを拡張したアーチ形トンネル1の断面を示し、アーチ形に組んだ山側壁体(図示せず)と内壁体(図示せず)とによりアーチ形構造体4を形成しており、それら山側壁体及び内壁体は現場打ちコンクリートあるいはプレキャストコンクリート板により形成される。また、前記アーチ形構造体4の下部をインバート5により連結し、このインバート5はトンネル1の底部の幅を有する湾曲状のプレキャスト板6により形成されている。また、アーチ形構造体4はロックアンカー7により地山8に固定され、ロックアンカー7は地山8に打ち込まれている。
前記プレキャスト板6はコンクリートからなり、図1などに示すように、前記プレキャスト板6はトンネル幅に対応した形状をなすと共に、湾曲状をなす。そして、前記プレキャスト板の上面11と下面12は円弧状をなし、プレキャスト板6は略一定の厚さTをなし、前記下面12の曲率半径は、前記上面11の曲率半径より前記厚さTだけ大きい。
前記プレキャスト板6の下面12の幅方向両側(左右両側)には、横方向の水平下面13を形成する凸部14が設けられ、この凸部14の左右方向外側には、前記下面12に連続する縦方向の凸部側面15が設けられている。また、前記水平下面13は、前記プレキャスト板6の下面12の最下部より高い位置にある。尚、前記プレキャスト板6の下面12の最下部は、プレキャスト板6のトンネル幅中央にある。
に示すように、前記プレキャスト板6の左右の端面16,16には、その下部に垂直方向の下端面17と、この下端面17の上部から中央側に斜めに形成された上端面18とが設けられている。前記下端面17から横方向外側に下連結部たる下鉄筋17Tが突設され、前記上端面18から斜め上外側に上連結部たる上鉄筋18Tが突設されている。また、アーチ形構造体4の下端面4Tには、斜め下向きに連結部たる連結鉄筋20が突設されている。
前記プレキャスト板6には、複数の裏込め材用充填孔19が穿設され、この充填孔19はプレキャスト板6の中央左右と、前記水平下面13の位置より中央側左右と、前記凸部側面15と前記端面16の略中央で左右とに設けられており、プレキャスト板6の接線方向に対して略垂直に穿設されている。
また、前記プレキャスト板6には、前記左右の凸部14,14に高さ調整手段21が設けられている。この高さ調整手段21は、前記プレキャスト板6の前記凸部14箇所に垂直方向の段付き孔22を形成し、この段付き孔22は、上下に径大部22Aと径小部22Bとを連続して設け、前記径小部22Bには雌螺子部23Aが設けられている。この例では、前記径小部22Bにナット体23をインサート成形により設けられており、そのナット体23の雌螺子部23Aに螺合する高さ調整ボルト24を備え、この高さ調整ボルト24の頭部24Tは、前記径大部22A内に収納される。尚、図5に示すように、プレキャスト板6にはトンネル長さ方向に複数(2つ)の高さ調整手段21が設けられている。また、段付き孔22は、プレキャスト板6の高さ調整後に、充填材を充填することにより埋められる。
前記プレキャスト板6の設置箇所たる掘削箇所31の平坦な底面32の両側には、突出部たる階段状の段差面33,33が設けられ、この段差面33の上部外側に平坦面34が設けられ、この平坦面34の上部に前記アーチ形構造体4の下端面4Tが位置し、前記下端面4Tと平坦面34との間には凹部35が設けられ、この凹部35の外側には縦方向の側面36が設けられている。この例では、前記段差面33は2段に形成され、下段の上面33Aは前記水平下面13より高く形成されている。
前記底面32の左右には、前記左右の水平下面13,13に対応して、支持部材たるプレキャストコンクリート製ブロック38が設けられ、このブロック38はトンネル長さ方向に長い長方形形状をなす。前記プレキャスト板6のトンネル長さ方向の長さが500mmの場合、その長さより前記ブロック38の同長さは大きく、例えば900mm程度である。また、前記ブロック38はトンネル長さ方向に連続して配置されたり、トンネル長さ方向に隣合うブロック38,38間に間隔を置いて配置されたりし、複数のブロック38の合計長さは、施工区間のトンネル長さ方向の0.8倍以上とすることが好ましい。そして、この例では、隣り合うブロック38,38の間に100mmの間隔を設けている。尚、1つのブロック38が2枚のプレキャスト板6,6の下方に配置される。
そして、ブロック38は、プレキャスト板6を掘削箇所31に吊り下す前に底面32に配置される。尚、ブロック38が支持部材であり、そのブロック38の水平方向の上面が支持面38Aである。
そして、施工においては、前記左右の支持面51Aに左右の前記水平下面13を載置するようにしてプレキャスト板6を仮置きした後、高さ調整ボルト24を使用して支持面38Aと水平下面13の間隔を調整し、プレキャスト板6の高さを調整することができる。従って、支持面38Aの角部がプレキャスト板6の下面12に部分的に当たることがなく、高さ調整前にプレキャスト板6を安定してブロック38に載置することができる。
トンネル1の周方向に彎曲をなす同一形状の前記プレキャスト板6が、トンネル1の長さ方向に並設され、図8及び図9に示すように、該プレキャスト板6の長さ方向端面間に目地部55が設けられる。また、トンネル1の長さ方向に隣合うプレキャスト板6,6は、複数の連結具56により連結される。前記連結具56は、連結具本体たる矩形の連結板57を前記目地部55に跨って配置すると共に、その連結板57をプレキャスト板6,6の上面11に配置し、プレキャスト板6の両側を固定手段たる螺子式締め具58によりプレキャスト板6,6に螺着してなる。また、前記連結板57にはトンネル長さ方向に長い長孔59が穿設され、この長孔59に前記螺子式締め具58が挿通されている。さらに、連結板57は10mm以下の薄い板であり、連結板57を収納する凹部は上面11には形成されていない。尚、螺子式締め具58には、ボルトを用いたり、螺子棒とナットの組み合わせを用いたりすることができる。
既設のトンネル1の底部を掘削した後、必要に応じて、台座60が用いられ、この台座60は、地山8と前記アーチ形構造体4の下端面4Tとの間に配置され、該アーチ形構造体4を支持する。図4に示すように、地山8には、前記アーチ形構造体4の下端面4Tの下方に、支持面たる水平方向の前記平坦面34を設ける。この平坦面34を有する前記凹部35は、地山8を掘削して形成したり、掘削後、平坦面34をコンクリートなどにより形成したりすることができ、その平坦面34に前記台座60が載置される。
前記台座60は、上板部61と下板部62の間にH形鋼などの縦部63を設け、上板部61に複数(4つ)の透孔64,64,64,64を設けると共に、前記透孔64に連通するナット65を設けている。このように上板部6にナット65を設けることにより雌螺子部65Aを設け、下方から前記雌螺子部65Aに高さ調整具たる高さ調整ボルト66を螺合している。また、前記アーチ形構造体4の下端面4Tに配置する板状の載置部67を備え、この載置部67の下面には、前記高さ調整ボルト66の先端が係入する受筒部68が設けられ、また、前記載置部67の外縁には、前記アーチ形構造体4の外周面下部に係止する係止部69が突設されている。
そして、前記平坦面34に複数の前記台座60,60・・・を載置し、台座60をトンネル1の長さ方向に等間隔で配置すると共に、前記係止部69を前記アーチ形構造体4の外周面下部に沿うように配置し、高さ調整ボルト66を操作して載置部67によりアーチ形構造体4を支持する。
図10に示すように、前記プレキャスト板6の上面11の左右には、アンカー体71,71がインサート成形により設けられ、これら左右のアンカー体71,71に吊り具72が着脱可能に連結される。前記吊り具72は横方向の吊り具本体73と、この吊り具本体73の下面左右に設けられ前記アンカー体71に着脱自在に連結される連結部74と、前記吊り具本体73の中央上面に設けられ吊り上げ手段たるクレーン75に連結される連結受部76とを備え、この連結受部76にはクレーン75の索条77に設けたフック(図示せず)が着脱自在に連結される。
次に、前記プレキャスト板6を用いたトンネルインバートの施工方法につき説明する。まず、既設のトンネル1の道路81を、ブレーカーやバックホーなどの掘削機械により掘削し、前記掘削箇所31を形成する。この後、図10及び図11に示すように、掘削箇所31の一側の道路81に、運搬手段たる運搬車両82によりプレキャスト板6を運搬し、掘削箇所31の他側の道路81に、前記クレーン75を配置する。
図10に示すように、プレキャスト板6に吊り具72を連結し、吊り具72にクレーン75の索条77を連結する。尚、吊り具72は、運搬車両82がトンネル1に入る前にプレキャスト板6に連結しておいてもよい。据え付け作業においては、前記プレキャスト板6を前記底面32に並べ、まず、プレキャスト板6の左右の水平下面13,13を、ブロック38の支持面38Aに載置し、この後、高さ調整ボルト24によりプレキャスト板6の高さを調整する。
プレキャスト板6は、図11に示すように、長手方向をトンネル長さ方向に向けて運搬されてくるが、クレーン75により、幅寸法が最大となるトンネル1の高さ方向中央側まで吊り上げることより、略90度旋回することができる。また、吊り下す際は、端面16に上下方向の下端面17が設けられ、左右の下端面17,17の間隔がアーチ形構造体4の左右の下端の間隔より狭いから、スムーズに吊り下すことができる。尚、プレキャスト板6を掘削箇所31に据え付ける前に、ブロック38及び台座60を掘削箇所31に配置しておく。
複数のプレキャスト板6,6・・・を道路81の長さ方向に並設し、高さ調整を行い、目地部55を形成すると共に、隣り合うプレキャスト板6,6・・・を連結具56により連結する。この場合、連結具56による連結作業はプレキャスト板6の上面11において、簡便に行うことができる。
このようにして複数のプレキャスト板6,6・・・をトンネル長さ方向に並設して底面32に配置した後、裏込め材用充填孔19からプレキャスト板6と掘削箇所31との間の前記充填空間39に裏込め材83を充填し、この裏込め材83としては速硬性のグラウト材などが用いられる。また、前記目地部55にも前記裏込め材83や目地材が充填され、前記裏込め材83等の充填後、道路81を埋戻すことができる。
また、充填空間39と共に、充填空間39に連続する凹部35に裏込め材83又は硬化性の充填材を充填し、裏込め材83により上,下鉄筋18T,17Tと連結鉄筋20Tとを一体化することができ、これによりアーチ形構造体4とプレキャスト板6とが連結される。
この場合、充填空間39の幅方向左右には、階段状の段差面33が設けられているため、対応箇所の空間が小さくなり、充填を短時間で行うことができる。そして、プレキャスト板6が裏込め材83の型枠となるため、その裏込め材83の充填後、この裏込め材83の養生期間が不要とあり、直ぐに埋戻し部84の施工を行うことができる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、既設のトンネル1の底部にコンクリート製のインバート5を設けるために、トンネル1の底部の幅を有するインバート5をプレキャスト板6により形成し、プレキャスト板6を複数形成し、トンネル1の底部を掘削し、この掘削箇所31にプレキャスト板6を設置するから、既設のトンネル1の掘削箇所31に複数のプレキャスト板6を設置してインバート5を形成できる。このインバート5は、プレキャスト板6がトンネル1の幅を有する一体物のため、接合部がなく、施工が容易となると共に、施工後に加わる土圧に対して強度的に優れる。
加えて、このように本実施例では、請求項に対応して、プレキャスト板6はトンネル1の幅方向に湾曲しており、プレキャスト板6の下面12には、幅方向両側に水平下面13を形成する凸部14が設けられ、この凸部14に高さ調整手段21が設けられており、水平下面13に対応して掘削箇所31に支持部材たるブロック38を配置し、プレキャスト板6の水平下面13をブロック38の水平方向の支持面38Aに載置した後、高さ調整手段21の高さ調整具たる高さ調整ボルト24によりプレキャスト板6の高さを調整するから、プレキャスト板6の水平下面13をブロック38の水平方向の支持面38Aに載置するため、ブロック38の角部などにプレキャスト板6の下面12に部分的に当たることがなく、プレキャスト板6を安定して仮置きすることができ、この後、高さ調整を行うことができる。
また、このように本実施例では、請求項に対応して、凸部14のトンネル幅方向外側で掘削箇所31の底面32に、水平下面13より高い突出部たる段差面33が設けられ、プレキャスト板6を設置し、プレキャスト板6に穿設した裏込め材用充填孔19からプレキャスト板6の下部に裏込め材83を充填するから、予め掘削箇所31に段差面33が設けられており、トンネル幅方向に湾曲するプレキャスト板6において、その幅方向両側下方の充填空間39を小さくでき、裏込め材83の充填量及び充填時間を削減することができる。
また、このように本実施例では、請求項に対応して、トンネル1の底部に設けられるコンクリート製のトンネルインバート用プレキャスト板において、トンネル1の底部の幅を有するインバート5を湾曲したプレキャスト板6により形成し、プレキャスト板6は略一定厚さをなし、プレキャスト板6の下面12には、幅方向両側に水平下面13,13を形成する凸部14を設け、この凸部14に高さ調整手段21を設け、プレキャスト板6には、その上下を連通する裏込め材用充填孔19を穿設したから、プレキャスト板6の水平下面13をブロック38などの支持面38Aに載置することができ、施工性に優れ、土圧に対する強度に優れたトンネルインバートを構築することができる。
以下、実施例上の効果として、プレキャスト板6に高さ調整手段21を設けることにより、掘削箇所31に敷設した後、プレキャスト板6の高さ合わせを容易に行うことができる。さらに、端面16に上下方向の下端面17が設けられ、左右の下端面17,17の間隔がアーチ形構造体4の左右の下端の間隔より狭いから、スムーズに吊り下すことができる。また、連結具56による連結作業を、プレキャスト板6の上面11において、簡便に行うことができる。
図12〜図13は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、突出部と支持部材の変形例を示す。
前記プレキャスト板6の設置箇所たる掘削箇所31の底面32の両側には、立ち上がり面たる傾斜面37,37が設けられ、この傾斜面37の上部外側に前記平坦面34が設けられている。
前記底面32の左右には、前記傾斜面37の近傍に複数のプレキャストコンクリート製ブロック88が設けられ、このブロック88はトンネル長さ方向に長い長方形形状をなす。前記プレキャスト板6のトンネル長さ方向の長さが500mmの場合、その長さより前記ブロック88の同長さは大きく、例えば900mm程度であり、上下2段に重ね合され、上のブロック88は下のブロック88よりトンネル幅方向外側に位置する。このようにブロック88を重ね合わせて突出部40を構成している。
前記ブロック88を運搬車両82などにより掘削箇所31に運搬し、前記ブロック88はトンネル長さ方向に連続して配置されたり、トンネル長さ方向に隣合うブロック88,88間に間隔を置いて配置されたりし、複数のブロック88の合計長さは、施工区間のトンネル長さ方向の0.8倍以上とすることが好ましい。
そして、ブロック88は、プレキャスト板6を掘削箇所31に吊り下す前に底面32に配置され、掘削箇所31とプレキャスト板6の下面12との間の充填空間39において、前記凸部側面15と前記傾斜面37との間に前記ブロック88が配置される。
前記底面32には前記高さ調整ボルト24を支持する金属製の支持部材41が載置されている。前記支持部材41は、上下に間隔を置いて配置した上,下板部42,43を備えるH型鋼などの下部材44を備え、上,下板部42,43の間には縦部材45が設けられ、前記下部材44をトンネル長さ方向に複数間隔を置いて配置している。また、前記支持部材41は、複数の下部材44,44・・・上に架け渡すトンネル長さ方向の上部材47を備え、この上部材47は前後方向の上,下板部48,49を備え、これら上,下板部48,49の間に一対の縦部材50,50を設けている。さらに、前記上板部48の上には、複数枚の高さ調整板51,51を重ねて配置し、最上部の調整板51の上面が前記高さ調整ボルト24の先端が当接する支持面51Aであり、この支持面51Aは水平方向に設けられている。
このように本実施例では、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
また、この例では、プレキャスト板6はトンネル1の幅方向に湾曲すると共に、略一定厚さをなしており、プレキャスト板6の下面12には、幅方向両側に水平下面13を形成する凸部14が設けられ、この凸部14に高さ調整手段21が設けられており、水平下面13に対応して掘削箇所31に支持部材41を配置し、プレキャスト板6の水平下面13を支持部材41の水平方向の支持面51Aに載置した後、高さ調整手段2によりプレキャスト板6の高さを調整するから、プレキャスト板6の水平下面13を支持部材41の水平方向の支持面51Aに載置するため、支持部材41の角部などがプレキャスト板6の下面12に部分的に当たることがなく、プレキャスト板6を安定して仮置きすることができ、この後高さ調整を行うことができる。
以下、実施例上の効果として、さらに、ブロック88の長さがトンネル長さの0.8倍以上で、下段のブロック88の上面88Aが水平下面13より上方に位置するから、他より高さ寸法の高いトンネル幅方向両側の充填空間39を狭くすることができ、幅方向両側が中央より充填時間が掛かるという問題を解消できる。
また、支持部材41のトンネル方向の外側で掘削箇所31に複数のブロック88を配置した後、プレキャスト板6の水平下面13を支持部材41の水平方向の支持面51Aに載置し、プレキャスト板6の高さを調整した後、裏込め材用充填孔19からプレキャスト板6の下部に裏込め材83を充填するから、湾曲したプレキャスト板6の下面12と掘削箇所31との隙間をブロック88により埋め、充填空間39を小さくすることにより、充填作業の時間短縮を図ることができる。また、内側が階段状になるようにブロック88を重ね合わせたから、充填空間39を効果的に小さくすることができ、また、ブロック88の配置作業の容易となる。
尚、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の容易の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例においては、既設のトンネルに適用する例で説明したが、請求項のプレキャスト板は、新設のトンネルに用いることもできる。また、アーチ形構造体の下端面に対応する地山に所定の強度がある場合は、台座を用いずに地山によりアーチ形構造体を支持することができる。さらに、実施例では同一形状のブロックを複数段に重ねたが、1個のブロックでもよく、この場合もブロックの上面は水平下面より上方に位置するようにすることが好ましい。また、異なるブロックを複数段に重ねて設けてもよい。
1 アーチ形トンネル
4 アーチ形構造体
5 インバート
6 プレキャスト板
8 地山
11 上面
12 下面
13 水平下面
14 凸部
19 裏込め材用充填孔
21 高さ調整手段
31 掘削箇所(設置箇所)
38 ブロック
39 充填空間
41 支持部材
51A 支持面(上面)
83 裏込め材

Claims (3)

  1. 既設のトンネルの底部にコンクリート製のインバートを設けるために、トンネルの幅を有する前記インバートをプレキャスト板により形成し、前記プレキャスト板を複数形成し、トンネルの底部を掘削し、この掘削箇所に前記プレキャスト板を設置するトンネルインバートの施工方法であって、
    前記プレキャスト板はトンネルの幅方向に湾曲しており、前記プレキャスト板の下面には、幅方向両側に水平下面を形成する凸部が設けられ、この凸部に高さ調整手段が設けられており、
    前記水平下面に対応して前記掘削箇所に支持部材を配置し、前記プレキャスト板の前記水平下面を前記支持部材の水平方向の支持面に載置した後、前記高さ調整手段により前記プレキャスト板の高さを調整することを特徴とするトンネルインバートの施工方法。
  2. 前記凸部のトンネル幅方向外側で前記掘削箇所の底面に、前記水平下面より高い突出部が設けられ、前記プレキャスト板を設置し、前記プレキャスト板に穿設した裏込め材用充填孔から前記プレキャスト板の下部に裏込め材を充填することを特徴とする請求項記載のトンネルインバートの施工方法。
  3. トンネルの底部に設けられるコンクリート製のトンネルインバート用プレキャスト板において、トンネルの幅を有する前記インバートを湾曲したプレキャスト板により形成し、前記プレキャスト板の下面には、幅方向両側に水平下面を形成する凸部を設け、この凸部に高さ調整手段を設け、前記プレキャスト板には、その上下を連通する裏込め材用充填孔を穿設したことを特徴とするトンネルインバート用プレキャスト板。
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