JP7440455B2 - アルカリ二次電池の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ二次電池の制御方法に係り、詳細には、低SOCの状態で放電した状態での充電に適したアルカリ二次電池の制御方法に関する。
モータジェネレータを搭載したハイブリッド自動車等は、二次電池に蓄えられた電力により、モータジェネレータを電動機として車両を駆動している。また、二次電池に蓄えられた電力が不足すると車載された内燃機関を駆動してモータジェネレータを発電機として発電し二次電池に電力を蓄える。また、このような電気自動車の特有な機能として、回生制動がある。回生制動は、車両制動時、電動機を発電機として機能させることにより、車両の運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、制動を行うものである。また、得られた電気エネルギーは二次電池に充電され、加速等を行う時に再利用される。このような二次電池においてニッケル水素蓄電池のようなアルカリ二次電池は、大電流の充放電が可能であることから車両用として広く普及している。
このような車両に搭載されたニッケル水素蓄電池は、正極に水酸化ニッケルを用いている。このような構造では、繰り返し特定の充放電条件で充放電を行うことで、電気化学的に不活性なNiH(ニッケル酸化物)が生成されることがある。NiHが発生すると、電池抵抗の上昇や電池容量の低下を引き起こすことが問題とされている。
そのため、特許文献1に記載された発明では、電流密度100A/mでSOC20~80%の範囲内で総電気量10kAhの充放電を実施した際に、NiHが規定量以下になるような電池が提案されている。このような発明であれば、NiHの発生を抑制することができる。
特開2011-233423号公報
しかしながら、NiHは微小でも生成してしまうと、不可逆的に電池の容量が減少する。また、特定の使用履歴の場合に顕著に電池容量が減少するものがあった。しかし、その原因は不明であった。
本発明のアルカリ二次電池の制御方法が解決しようとする課題は、所定の過酷な条件であってもNiHの発生を有効に抑制することにある。
本発明のアルカリ二次電池の制御方法は、上記の課題を解決するため、水酸化ニッケルを主成分とする活物質を含む正極及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するアルカリ二次電池を充放電するアルカリ二次電池の制御方法であって、SOCが設定された低SOC状態における低SOC充電において、充電途中で間欠的な放電である間欠放電を複数回行いながら充電することを特徴とする。
前記低SOC状態は、SOC60%以下であることが望ましい。
前記間欠放電はNiHの発生を目標値以下に抑制するように行う。前記低SOC充電が2C以上の高レートで行われることが望ましい。前記低SOC充電は、目標となるSOCに達した後、一定期間休止することが望ましい。この場合、前記休止は、0.1秒以上休止することが望ましい。前記低SOC充電は、目標となるSOCに達した後、放電レートが1C以下となるように緩慢に放電する緩慢放電を行うことも望ましい。
前記間欠放電は、定期的な間隔で行われるようにしてもよい。また、前記間欠放電は、1回の放電時間が0.1秒以上であることも望ましい。さらに前記間欠放電は、1回の放電時間が1秒以下であることも望ましい。前記間欠放電は、放電レートが1C以上であることも望ましい。
前記アルカリ二次電池の制御方法は、駆動用に車両に搭載されたアルカリ二次電池に対して行われる制御方法であり、前記アルカリ二次電池のSOCが設定した閾値より低下した場合に、前記低SOC充電が実行されることが望ましい。
特に、前記車両が、前記アルカリ二次電池により出力された電流で車両を駆動するとともに、別の駆動源より駆動されて前記アルカリ二次電池を充電するモータジェネレータを有するハイブリッド自動車であり、前記アルカリ二次電池が前記モータジェネレータにより充電されない状態で、前記アルカリ二次電池が放電することで、前記アルカリ二次電池のSOCが設定した閾値より低下した場合に、前記低SOC充電が実行される場合に好適に実施できる。
前記アルカリ二次電池は、ニッケル水素蓄電池である場合に好適に実施できる。
本発明のアルカリ二次電池の制御方法によれば、所定の過酷な条件であってもNiHの発生を有効に抑制することができる。
本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御装置のブロック図。 (a)ニッケル水素蓄電池の正極の活物質の粒子表面の充電時における反応を示す模式図。(b)放電時の正常な正極の主反応と、酸素が発生し、局所的な液枯れを起こした場合の副反応を示す反応式。 間欠放電を含む低SOC充電と休止と放電のSOCを示すタイムチャート。 本実施形態のニッケル水素蓄電池の断面図。 本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法の手順を示すフローチャート。 本実施形態の間欠放電を含む低SOC充電と休止と放電の手順を示すフローチャート。 本実施形態の総放電電気量[Ah]に対する容量[Ah]を示すグラフ。 他の実施形態の間欠放電を含む低SOC充電と緩慢放電のSOCを示すタイムチャート。
以下、本発明のアルカリ二次電池の製造方法を、ニッケル水素蓄電池1の製造方法の一実施形態を用いて図1~8を参照しながら説明する。
以下、本発明のアルカリ二次電池の制御方法を、ニッケル水素蓄電池の制御方法の実施形態を例に図面を参照して説明をする。
<本実施形態の課題>
従来、ハイブリッド自動車に搭載されたニッケル水素蓄電池において、一定の条件下では、劣化が早いという問題があった。しかしながら、その原因は不明であった。本発明者らは、その原因をNiHの発生であることを実験により突き止めた。そこで、NiHは微小でも生成してしまうと電池の容量が減少するため、NiHの発生を有効に抑制することが必要である。しかしながら、なぜNiHが発生するのかという理由までは解明されていなかった。そこで、本発明者らは、さらに実験を通してそのような機序を明らかにするとともに、NiHの発生を有効に抑制する制御方法を開発した。
<本実施形態の原理>
図1は、本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御装置10の構成を示すブロック図である。
<問題の所在>
前記したように従来、特定の使用状況でのハイブリッド自動車に搭載されたニッケル水素蓄電池1は、NiHの発生により劣化が早いという問題があった。しかしながら、その原因は不明であった。本発明者らは、その原因を以下のようなものであることを実験により突き止めた。
上記のように劣化したニッケル水素蓄電池1の使用履歴を分析すると、特殊な使用方法がなされている。つまり、ドライバーが、車両を停車し、発電用の内燃機関18も停止した状態で待機をすることがある。この待機時間では、負荷16により電力を消費することがある。例えば、夏や冬ではエアコンディショナを運転して電池が放電される。また、夜間では、ライト等が点灯した状態で電池が放電される場合もある。仮に走行中であれば、制御装置10により逐次ニッケル水素蓄電池のSOCが適正範囲(たとえばSOC40~60%)となるように制御される。SOCが低下すれば内燃機関18を駆動してモータジェネレータ17により発電した電流や、回生制動による回生電流で充電される。一方、停車中は、走行中とは異なりニッケル水素蓄電池1のSOCは、過放電のおそれがある下限の閾値(例えばSOCが20%)までは、内燃機関による充電をしない。もちろん回生電流も生じない。その結果、電流が漸次消費されて電池のSOCが低い状態となる。このSOCが下限の閾値より低い状態を制御装置10が検知すると、制御装置10の指令で、内燃機関18が駆動されてモータジェネレータ17が回転して所定のSOC(例えば60%)まで充電される。
<メモリ効果の発現>
ニッケル水素蓄電池1は、その機序は必ずしも明らかではないが、メモリ効果が生じやすいことが知られている。特に、上述のように低SOC状態(例えば20%)から所定のSOC(例えば60%)までの大きなSOCの幅を、高い充電レートで繰り返し充電することで、メモリ効果が発生しやすい。メモリ効果が生じると、電池容量[Ah]に対する電圧[V]が「貴」にシフトする。つまり、低いSOCでも、電池の電圧が高くなる。
<酸素の発生>
メモリ効果により正極の電位が高くなると、水の電気分解の電位に達し、副反応として水の電気分解が生じる。水の電気分解では、正極では、
4OH→O+2HO+4e……(1)
いう反応によりOが発生する。
図2(a)は、ニッケル水素蓄電池の正極の活物質の粒子表面の充電時における反応を示す模式図である。図2(b)は、放電時の正常な正極の主反応と、酸素が発生し、局所的な液枯れを起こした場合の副反応を示す反応式である。
図2(a)に示すように、正極の活物質であるNi(OH)が、充電で高い電位になると、酸素の気泡Bが正極の活物質の粒子表面に発生する。充電時の正極でOが発生すると、正極のNi(OH)の粒子界面に酸素の気泡Bが付着する。正極のNi(OH)粒子界面に付着したOの気泡Bは、正極のNi(OH)粒子界面のHOやOHを物理的に排除することとなり、その部分は、局所的な「液枯れ」となる。ここにはHOもOHも、物理的に存在しない。
<間欠放電IDによる酸素の発生の抑制>
図3は、間欠放電IDを含む低SOC充電LCと休止Pと緩慢放電SDのSOCを示すタイムチャートである。
上述のようなOの発生は、正極の電位の上昇により引き起こされる。また、充電時の分極の発生によりさらに正極の電位が上昇する。これを抑制するためには、分極の解消が必要である。
そこで、図3に示すように、本実施形態のニッケル水素蓄電池1の制御方法では、SOCが設定された低SOC状態における開始SOCから行う低SOC充電LCにおいて、充電途中で間欠的な放電である間欠放電IDを複数回行いながら充電する。なお、図3は実施形態の原理を示す模式的な図であり、実際には多数回の間欠放電IDが行われる。ここで、「低SOC状態」とは、例えば60%以下であり、本実施形態ではSOC20%を開始SOCとしている。
このように、充電途中で短時間の間欠放電IDを行うことで、逆向きの電流が流れて分極が解消する。分極が解消することで正極の電位が低下して、酸素の発生を抑制することができる。この間欠放電IDは、2回以上行うことが好ましい。なお、間欠放電IDの状態から再び低SOC充電LCに戻ると、再び分極の影響で正極の電位が上昇する。したがって、一定時間経過したら再び間欠放電IDを行う必要が生じる。間欠放電IDの間隔の時間t2は、例えば、1~230秒が例示でき、本実施形態ではt2=10秒である。この時間t2は、充電レートや放電レートなどの条件で、NiHの発生を目標値以下に抑制するよう設定される。基本的には、分極の解消が目的であるため、回数は多ければ多いほど良いので時間t2は短い方がよいが、充電の遅延が生じないことが考慮される。また、間隔の長さ自体は重要ではなく、また間欠放電IDは必ずしも等間隔で行う必要はない。このように間欠放電IDを複数回繰り返し行うことにより、NiHの発生を抑制できるので、低SOC充電LCが2C以上の高レートで行うことができる。
間欠放電IDは、分極の解消が目的であるため、一回の放電時間は、0.1秒以上が望ましい。一方、長すぎる放電時間は、充電の遅延を招くため、1秒以下であることが望ましい。また、効果的に分極を解消するためには、ある程度大きな電流が望ましいため、例えば1C以上の放電レートが好ましい。
<休止P及び緩慢放電SDによるNiHの抑制>
ここで、図3を参照して、休止P及び緩慢放電SDについて説明する。ニッケル水素蓄電池1の充電時には、以下のような主反応が生じる。なお、「NiOOH」には、「β-NiOOH」のほか「γ-NiOOH」も発現するが、ここでは説明を省略する。
Ni(OH)+OH→β-NiOOH+HO+e……(2)
このとき、正極の電位が高いと、水の電気分解が生じ、正極では
4OH→O+2HO+4e……(1)
いう反応によりOが発生し、正極活物質の粒子表面にOの気泡が付着する。
一方、ニッケル水素蓄電池1の放電時には、以下のような正常な主反応が生じる。
β-NiOOH+HO+e→Ni(OH)+OH……(3)
しかしながら、正極活物質の粒子表面にOの気泡が付着している場合は、その部分の電解液が局所的に枯渇し、HO、OHが存在しない。
そうすると、β-NiOOHは、HOなしで反応し、
16β-NiOOH+4e→8NiH+2HO+O+4OH…(4)
という異常な副反応となり、NiHが不可逆的に生成されてしまう。
<休止P及び緩慢放電SDの作用>
図3に示すように、本実施形態では、間欠放電IDを挟みながら低SOC充電LCにより電池のSOCが目標SOC(例えば60%)に達したら、時間t3の間、充放電をしない休止Pとなる。
図2(a)に示すように、低SOC充電LC直後では、正極の活物質の粒子の表面には、Oの気泡Bが付着している。このOの気泡Bは、正極の活物質の粒子の表面においてHO、OHとの反応を妨げる。そうすると、その結果、図2(b)のBに示す式のような異常な反応でNiHが生成されていた。
しかしながらこのOの気泡Bは、時間の経過とともに、気泡Aのように正極の活物質の粒子の表面から離脱する。したがって休止Pにより気泡Aのように正極の活物質の粒子の表面から離脱させることで、正極の活物質の粒子の表面においてHOが供給されて、図2(b)のAの正常な式のようにNiHが生成しない正常な反応とすることができる。
<本実施形態の概略>
以下図3を参照して本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法を説明する。図3に示すように、開始SOC、つまり制御装置10が下限の閾値(例えばSOCが20%)を検知すると充電を開始する。この充電は、低いSOCから開始するので、本願では「低SOC充電LC」という。低SOC充電LCは、少なくともSOCが60%以下で開始される。また、2C以上のハイレートの充電を行う。
時間t0から低SOC充電LCを開始して時間t2を経過すると、時間t1の間、放電が行われる。その後、このような充電と放電が繰り返される。このため、これらの放電は、本願では「間欠放電ID」という。
<間欠放電IDの理由>
具体的には、充電開始SOCから目標SOCまで到達する低SOC充電LCにおいて、小刻みに間欠放電IDすることで充電中に生じる充電分極を解消し、酸素発生を抑制する。その後は休止P、または緩慢放電SDで、Ni(OH)又はβ-NOOHからなる正極活物質の粒子の界面に発生する局所的な液枯れに対して電解液中のHO、OHが補填する時間的猶予を与えることができる。その結果、局所的な液枯れ状態を早く解消できるため、放電時の副反応時に生成するNiHを抑制できる。
(本実施形態の構成)
以下、本実施形態の制御方法を実施する構成を詳細に説明する。
<ニッケル水素蓄電池1>
図4は、本実施形態のニッケル水素蓄電池の電池モジュール90の一部の断面図を示す。図4に示すように、ニッケル水素蓄電池は、密閉型電池であり、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両の電源として用いられる電池である。車両に搭載されるニッケル水素蓄電池としては、所要の電力容量を得るべく、複数の単電池110を電気的に直列接続して構成された電池モジュール90からなる角形密閉式の二次電池が知られている。
電池モジュール90は、複数の単電池110を収容可能な一体電槽100と、この一体電槽100を封止する蓋体200とによって構成される直方体状の角形ケース300を有している。なお、この角形ケース300は、樹脂製のものを用いることができる。
角形ケース300を構成する一体電槽100は、アルカリ性の電解液に対して耐性を有する合成樹脂材料、例えばポリプロピレンやポリエチレン等により構成されている。そしてこの一体電槽100の内部には、複数の単電池110を区画する隔壁120が形成されており、この隔壁120によって区画された部分が、単電池110毎の電槽130となる。一体電槽100は、例えば、6つの電槽130を有しており、図1には、その一部の4つが示されている。
こうして区画された電槽130内には、極板群140と、その両側に接合された正極の集電板150及び負極の集電板160とが電解液とともに収容されている。
極板群140は、矩形状の正極板141及び負極板142がセパレータ143を介して積層して構成されている。このとき、正極板141、負極板142及びセパレータ143が積層された方向(紙面に鉛直な方向)が、積層方向である。極板群140の正極板141及び負極板142は、板面の方向(紙面に沿う方向)であって互いに反対側の側部に突出されることで正極板141のリード部141a及び負極板142のリード部142aが構成されている。これらリード部141a,142aの側端縁にそれぞれ集電板150,160が接合されている。
また、隔壁120の上部には各電槽130の接続に用いられる貫通孔170が形成されている。貫通孔170は、集電板150の上部に突設されている接続突部151、及び集電板160の上部に突設されている接続突部161の2つの接続突部151,161同士が該貫通孔170を介して溶接接続される。このことで、各々隣接する電槽130の極板群140を電気的に直列接続させる。貫通孔170のうち、両端の電槽130の各々外側に位置する貫通孔170は、一体電槽100の端側壁上方で正極の接続端子152又は負極の接続端子153(図示略)が装着される。正極の接続端子152は、集電板150の接続突部151と溶接接続される。負極の接続端子153は、集電板160の接続突部161と溶接接続される。こうして直列接続された極板群140、すなわち複数の単電池110の総出力が正極の接続端子152及び負極の接続端子153から取り出される。
一方、角形ケース300を構成する蓋体200には、角形ケース300の内部圧力を開弁圧以下にする排気弁210と、極板群140の温度を検出するためのセンサを装着するセンサ装着穴220が設けられている。センサ装着穴220は、極板群140の近傍まで電槽130内を延びる穴によって、極板群140の温度を測定可能にしている。
排気弁210は、一体電槽100内の内部圧力を許容されうる閾値以下に維持するためのものであり、内部圧力の値が許容される閾値を超えた開弁圧以上になった場合には、開弁されることで一体電槽100内部に発生したガスを排出する。一体電槽100の内部圧力は、隔壁120に形成された図示しない連通孔で全ての電槽130で均一化されている。これにより、一体電槽100は、全ての電槽130で均一化された内部圧力が開弁圧未満になるまでガスを排出して、その内部圧力が許容されうる開弁圧未満に維持されるようになる。
<極板群140の構成>
<正極板141>
正極板141は、水酸化ニッケル及びコバルトを活物質として構成されている。詳しくは、水酸化ニッケルに、水酸化コバルトや金属コバルト粉末などの導電剤、そして必要に応じてカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を適量加えてまずはペースト状に加工する。その後、こうしてペースト状になった加工物を、発泡ニッケル三次元多孔体等の芯材に塗布あるいは充填したのちに、これを乾燥、圧延、切断することによって板状の正極板141を形成する。なお、発泡ニッケル三次元多孔体としては、発泡ウレタンのウレタン骨格表面にニッケルメッキを施した後、発泡ウレタンを焼失させたものが用いられる。
<負極板142>
負極板142は、例えば、ランタン、セリウム、及びネオジム等の希土類元素の混合物であるミッシュメタル、ニッケル、アルミニウム、コバルトおよびマンガンを構成要素とする水素吸蔵合金を活物質として構成されている。これも詳しくは、この水素吸蔵合金にカーボンブラックなどの導電剤、そして必要に応じてカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤や、スチレン-ブタジエン共重合体などの結着剤を添加してまずはペースト状に加工する。その後、こうしてペースト状に加工された水素吸蔵合金を、パンチングメタル(活物質支持体)などの芯材に塗布あるいは充填した後、これを乾燥、圧延、切断することによって同じく板状の負極板142を形成する。
<セパレータ143>
セパレータ143としては、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の不織布、もしくは必要に応じてこれにスルフォン化などの親水処理を施したものを用いることができる。
<ニッケル水素蓄電池1の組み立て>
こうした正極板141及び負極板142、及びセパレータ143は、正極板141と負極板142とを互いに反対側に突出する態様でセパレータ143を介して交互に積層することで直方体状の極板群140を構成する。そして、一方に突出して積層された各正極板141のリード部141aの外縁と集電板150とがスポット溶接等により接合されるとともに、他方に突出して積層された各負極板142のリード部142aの外縁と集電板160とがスポット溶接等により接合される。
集電板150及び160の溶接された極板群140は、角形ケース300内の各電槽130に収容される。隣接する極板群140の正極の集電板150と負極の集電板160とがそれらの上部に突設された接続突部151及び161同士のスポット溶接等により接続される。そのため、互いに隣接する極板群140が電気的に直列接続される。
各電槽130内には、水酸化カリウムを主成分とするアルカリ水溶液(電解液)が所定量注入された状態で、蓋体200で一体電槽100の開口が封止される。このことで、複数の単電池110(ニッケル水素蓄電池)からなる例えば定格容量「6.5Ah」の電池モジュール90が構成されている。このような電池モジュール90がさらに組み合わされて、樹脂ケースに収納され、制御装置や各種センサなどが装着されて車載用の電池パック24(図1参照)として車両の駆動用電池として搭載される。
<ニッケル水素蓄電池の制御装置10>
図1に示すニッケル水素蓄電池1の制御装置10のブロック図を参照して、制御装置10について説明する。なお、ここでは、ニッケル水素蓄電池1は、電池モジュール90を収容した電池パック24の状態で制御する場合について説明する。
<ハイブリッド自動車の車両の構成>
本実施形態のニッケル水素蓄電池の電池モジュール90が搭載されるハイブリッド自動車は、モータとジェネレータ(発電機)の機能を併せ持つモータジェネレータ17を備える。モータジェネレータ17は、電池モジュール90から電力の供給を受けてモータとして車両を駆動して走行させる。また、車両の制動時には、回生制動を行ってモータジェネレータ17により力学エネルギーを電気エネルギーに変換する。回生した電気エネルギーを電池モジュール90に蓄える。また、ガソリンエンジンからなる内燃機関18は、モータジェネレータ17を回転駆動して発電する。インバータ20は、モータジェネレータ17からの電流の入出力を行う。また、インバータ20は、電池モジュール90に対する充放電を行う。さらに、エアコンディショナや照明などの負荷に電力を供給する。このインバータ20は、インバータのみならずコンバータとしても機能し、かつ入出力の電気の最適化を行う。
<制御装置10>
制御装置10は、車両に搭載して(オンボード)で、リアルタイム又は蓄積データに基づいて車両の電池モジュール90を制御することができる。
制御装置10は、発電機としてのモータジェネレータ17からの電流を、電池モジュール90を充電させる充電装置としてのインバータ20を制御して充電する。また、制御装置10は、負荷となる駆動用モータとしてのモータジェネレータ17に、電池モジュール90からの電流を電力供給装置としてのインバータ20を制御して放電する。
制御装置10は、電池モジュール90の電流を測定する電流検出器21と、電池モジュール90の端子間電圧を測定する電圧検出器22と、電池モジュール90の温度を測定する温度検出器23とを備えている。
温度検出器23は、図4に示すセンサ装着穴220に配置された温度センサを備えている。温度センサは、電池モジュール90のうちの対応する単電池110の極板群140の近傍の温度を測定するとともに、測定した温度値を制御装置10に電気信号で出力する。
<制御部11>
制御装置10の制御部11は、制御装置10全体の制御を行うCPU、RAM、ROM、インタフェイスを備えたコンピュータとして構成されている。
<記憶部12>
記憶部12は、制御装置10のプログラムや、必要なデータが記憶される記憶媒体を備える。プログラムは、本実施形態のニッケル水素蓄電池の充放電制御のステップを実行するプログラム、SOCを算出するプログラムなどを備える。
<情報取得部13>
情報取得部13は、逐次電流検出器21から充電電流値を取得し、電圧検出器22から電圧値を取得し、温度検出器23から電池温度を取得して記憶する。
<SOC算出部14>
SOC算出部14は、電圧検出器22で測定した電圧などから電池モジュール90のSOCを推定する。また、さらに、ここから正極SOCや負極SOCなどを、マップなどを参照して推定する。
<充放電制御部15>
充放電制御部15は、電池モジュール90の電圧を監視して、SOCが閾値より低下している場合は、モータジェネレータ17により発電してインバータ20を介し電池モジュール90を充電する。一方、車両の制動時にモータジェネレータ17からの回生電流を、インバータ20を介し電池モジュール90を充電する。この場合、過大な電流や、電池モジュール90のSOCが高すぎる場合は、充電を制限する。このときの閾値などは、記憶部12に記憶されている。
一方、車両の駆動時では、車両のECU(Electronic Control Unit)からの指令で、電池モジュール90から必要な電流を、インバータ20を介しモータジェネレータ17に供給する。なお、このような機能を用いて、本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法を実施する。
<ニッケル水素蓄電池1の制御方法>
図5は、本実施形態のニッケル水素蓄電池1の制御方法の手順を示すフローチャートである。以下、図5に沿って本実施形態のニッケル水素蓄電池1の制御方法の手順を説明する。
<開始>
車両の電源をONすると、本実施形態のニッケル水素蓄電池1の制御方法が開始される(開始)。前提として、ここでは車両は、電源はONされたが、走行はしないで停止した「待機状態」となっている。この待機状態では車両のエアコンディショナや照明などの負荷により電池モジュール90からの電力を消費している。一方、内燃機関18は停止した状態である。したがって、電池モジュール90のSOCは漸次低下する。
したがって、車両がそのまま走行に供せされた場合は、本実施形態のニッケル水素蓄電池1の制御方法は開始されない。
<SOC監視(S1)>
制御が開始されると、制御装置10の制御部11は、情報取得部13により電流検出器21、電圧検出器22、温度検出器23により電池モジュール90の状態を測定し、情報を収集する。また、SOC算出部14は、これらの情報に基づいて電池モジュール90のSOCを算出する。制御部11は、この算出された電池モジュール90のSOCを常時監視する。
<SOC≦閾値?(S2)>
制御装置10の制御部11は、電池モジュール90のSOCを常時監視しながら、SOCの下限の閾値minと比較をする(S2)。SOCの下限の閾値minは、例えば、過放電の可能性が生じるSOC20%に設定されて、閾値minとして記憶部12に記憶されている。
<充放電制御実行なし(S3)>
「SOC>閾値」であるときは(S2:NO)、電池モジュール90の充電の必要がないと判断して、充放電制御は実施せず(S3)、引き続きSOC監視(S1)、SOC≦閾値の判断(S2)を行う。
<充放電制御(S4)>
「SOC≦閾値」であるときは(S2:YES)、電池モジュール90の充電の必要があると判断して、本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法である充放電制御を実施する(S4)。この詳細な手順は、サブルーチンとして図6で詳細に説明する。
<運用終了?(S5)>
車両の電源がOFFされると運用が終了したと判断し、本実施形態のニッケル水素蓄電池1の制御方法が終了される(終了)。あるいは、車両が走行したりして待機状態を脱した場合も本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法は終了する。
<低SOC充電と休止と緩慢放電>
図6は、本実施形態の間欠放電IDを含む低SOC充電LCと休止Pと緩慢放電SDの手順を示すフローチャートである。以下、充放電制御(S4)の手順を、図3を参照しながら詳細に説明する。
<開始>
図5において、「SOC≦閾値」であるときは(S2:YES)、電池モジュール90の充電の必要があると判断して、充放電制御(S4)を開始する(開始)。
<低SOC充電(S41)>
充放電制御(S4)では、まず図3に示すように下限の閾値(本実施形態では、SOC20%)を「開始SOC」とする。そして制御装置10の充放電制御部15は、内燃機関18を駆動してモータジェネレータ17を回転させ発電を開始する。モータジェネレータ17で発電された交流電流は、インバータ20のコンバータの機能を用いて直流電流で電池モジュール90を充電する。本実施形態の充電レートは2Cである。
<所定間隔経過?(S42)>
低SOC充電LCが開始されると、制御部11によりタイマがカウントされ、所定時間(本実施形態では、10秒)が経過前は、低SOC充電LCが継続される(S42:NO)。所定時間が経過すると(S42:YES)、制御部11は低SOC充電LCを停止する。
<SOC<上限閾値(S43)>
制御部11は、1サイクルの低SOC充電(S41)が完了した時点で、電池モジュール90のSOCを監視し、図3に示す目標SOC(本実施形態では60%)である上限閾値に達していない場合(S43:NO)は、間欠放電ID(S44)に移行する。
<間欠放電(S44)>
低SOC充電(S41)が終了して、まだ上限閾値に達していない場合は(S43:NO)、間欠放電ID(S44)が行われる。間欠放電IDは、例えば、本実施形態では放電レートが1Cで、0.1秒放電される。この間欠放電IDにより電池モジュール90の正極の分極が解消されて、正極の電位が低下し、Oの発生を抑制する。
<所定時間経過?(S45)>
間欠放電IDが開始されると、制御部11によりタイマがカウントされ、所定時間(例えば本実施形態では、0.1秒)が経過前は、間欠放電IDが継続される(S45:NO)。所定時間が経過すると(S45:YES)、制御部11は間欠放電IDを停止する。そして、次のサイクルの低SOC充電(S41)を行う。
<SOC≧上限閾値(S43)>
制御部11は、電池モジュール90のSOCを監視する。低SOC充電(S41)が終わった段階で(S42:YES)、「SOC≧上限閾値」となる。図3に示す目標SOCである上限閾値(本実施形態では60%)に達したと判断した場合は(S43:YES)、充放電サイクルを休止する。
<休止(S46)>
休止Pは(S46)は、すべての充放電を止める。休止Pは、例えば、本実施形態では、図3に示すようにt3=1秒間行われる。
<緩慢放電(S47)>
休止P(S46)後は、緩慢放電SDが行われる(S47)。緩慢放電SDは、例えば1C以下の低い放電レートで放電が行われる。時間は、例えば本実施形態では、放電レートが1Cであれば、10秒継続する。本実施形態では、休止P(S47)で、図2(a)に示す、Oの気泡Aが、すでに概ね分離していると推定できるため、必ずしも設けなくてもよい。
<終了>
緩慢放電SD(S47)が終了したら、図6の本実施形態の充放電制御(S4)が終了する。
ここで図5に戻り手順の説明を続ける。本実施形態の充放電制御(S4)が終了したら、車両の電源をOFFにしたり、走行を開始したりするなどして運用を終了しない限り(S5:NO)、図5のフローチャートを繰り返し実施する。車両の電源をOFFにすると(S5:YES)、本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法を終了する(終了)。
(実施形態の作用)
本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法は、図5、図6に示すような手順で制御するため、以下のような作用を奏する。
低いSOCから開始する低SOC充電LCにおいて、間欠放電IDを定期的に行う。このため、ニッケル水素蓄電池1の正極の分極がその都度解消されて、正極の電位の上昇を抑制することができる。そのため、比較的高レートの充電でも、Oの発生しやすい電位を回避し、Oの発生を抑制できる。このため、正極の活物質の粒子の表面が局所的にアルカリ電解液から遮断された、いわゆる液枯れ状態となることがない。
ニッケル水素蓄電池1は、過酷な使用履歴からNiHの発生が生成されて劣化し、かつメモリ効果で正極の電位が同じSOCでも上昇傾向にある。そのような過酷な使用履歴のニッケル水素蓄電池のような場合であっても、本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法によれば、さらに、NiHが生成されることを抑制し、ニッケル水素蓄電池1の劣化を効果的に防止することができる。
図7は、本実施形態の総放電電気量[Ah]に対する容量[Ah]を示すグラフである。図7に示すように、従来の制御方法により制御したニッケル水素蓄電池1の総放電電気量[Ah]の増加に対する容量[Ah]の低下率は、本実施形態のニッケル水素蓄電池1の制御方法で制御したニッケル水素蓄電池においては、低下が極めて少ない。すなわち、従来から課題となっていたニッケル水素蓄電池の劣化の問題が解決されていることがわかる。
(実施形態の効果)
本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法では、上記のような構成を備えるため、以下のような効果を奏する。
(1)本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法は、ニッケル水素蓄電池が過酷な条件で使用されても、NiHの発生を有効に抑制し、効果的に劣化を抑制することができる。
(2)例えばSOC20%のような低SOCからハイレートの低SOC充電LCを行っても、間欠放電IDを行うことで、正極の分極を効果的に抑制することができる。正極の分極を解消することで、メモリ効果を生じ電位が貴にシフトしたニッケル水素蓄電池であっても、正極の電位の上昇を抑制することができる。正極の電位を抑制するため、正極におけるOの発生を抑制することができる。その結果、発生したOの気泡の付着により正極の活物質の粒子の表面と、電解液が局所的に隔離される液枯れを抑制することができる。このような液枯れを抑制することで、NiHを生成する副反応を抑制することができる。
(3)また、低SOC充電LC直後に、充放電を停止する休止Pを設けたため、正極の活物質の粒子の表面に付着したOの気泡を離脱させて、液枯れの状態を効果的に解消することができる。
(4)また、放電レートを1C以下に抑制する緩慢放電SDにより、低SOC充電LC後の急激な放電を回避し、正極の活物質の粒子の表面に付着したOの気泡による液枯れの状態をより確実に抑制することができる。
(5)このように低SOCからの充電によるニッケル水素蓄電池のNiHの生成を抑制することで電池の劣化を抑制し、さらなるNiHの生成を抑制することができる。
(6)ニッケル水素蓄電池1に対する制御は、車載のコンピュータである制御装置10により自動で実施されるため、運転者等は、特に操作などしなくても適切に実施される。
(7)ニッケル水素蓄電池1の制御装置10は、一般的なECUにおいて実施が可能である。このため特別な装置なしで、プログラムの導入だけで容易に実施できる。また、本実施形態の制御方法の実施について、特別のコストも生じない。
(8)本実施形態は、新車に限定されず、既存の車両において導入することも可能である。
(変形例)
上記実施形態は、以下のようにしても実施することができる。
○図8は、上記実施形態とは別の実施形態であり、低SOC充電LC後に休止を含まない場合のSOCを示すタイムチャートである。
上述した実施形態では、低SOC充電LC直後に、充放電を停止する休止を設けていた。しかしながら、車両の待機状態では、エアコンディショナや照明などの負荷16を完全に停止することは困難で、負荷16による放電が避けられない。そこで、本変形例では休止Pの時間は設けない。これに替えて上記実施形態と同様に緩慢放電SDを設ける。ただし、上記実施形態よりも放電レートは極力低いものとすることが望まれる。例えば、放電レートは1C以下に制限される。たとえ、負荷16による大きな電力消費が生じても、負荷に供給する電流を1C以下に制限する。
このように放電レートを抑制した緩慢放電SDを設けることで、休止Pの時間がなくても、NiHの生成を抑制することができる。
○図3、図8に示すタイムチャートは、発明の原理を示す例示であり、間欠放電IDの回数、時間、SOCは、このタイムチャートに限定されない。基本的には、分極を抑制するためには、多数回間欠放電を行うことが望ましい。また、充電の効率を考慮すれば、放電時間は分極が解消されるに必要十分な時間であればよい。
○本実施形態では、ハイブリッド自動車を例に説明したが、例えば燃料電池により発電し、その電力をアルカリ二次電池に蓄えるような燃料電池自動車などでも実施することができる。
○さらに、アルカリ二次電池にメモリ効果が発現したEVにおいて、SOCが低下した場合に、電力ステーションで電力をチャージする場合の制御に適用することもできる。
○さらに、太陽光発電システムや風力発電システム等の発電設備を備えた住宅の蓄電池の制御に適用することもできる。
〇本実施形態のニッケル水素蓄電池1は、車載用の電池モジュール90を備えた組電池を例示したが、その目的は、車載用に限定するものではない。また、形状も限定されず円柱状のものなど限定されない。
〇また、制御対象となるニッケル水素蓄電池1は電池モジュール90に限定されず、単電池でもよい。
○本実施形態では、アルカリ二次電池の例としてニッケル水素蓄電池1により説明したが、ニッカド蓄電池など、正極にNiOOHを用いアルカリ電解液から構成されるアルカリ電池などで実施することができる。
〇本実施形態に例示されたSOC値[%]や、充放電レート[C]や、電流値[A]や、電圧値[V]、時間[s]等は、例示であり、対象となる電池の特性に合わせて当業者により最適化される。閾値も同様に最適化される。
〇図5、図6に示すフローチャートは一例であり、当業者であればそれらの手順の順序を変えたり、手順を追加したり、省略して実施することができる。
○また、当業者であれば、特許請求の範囲を逸脱しない限り、構成を付加し、削除し、変更して実施できることは言うまでもない。
1…ニッケル水素蓄電池
10…ニッケル水素蓄電池の制御装置
11…制御部
12…記憶部(プログラム)
13…情報取得部(マップ・電池使用履歴)
14…SOC算出部
15…充電制御部
16…負荷(エアコンディショナ等)
17…モータジェネレータ
18…内燃機関(駆動源)
20…インバータ
21…電流検出器
22…電圧検出器
23…温度検出器
24…電池パック
90…電池モジュール
100…一体電槽
110…単電池
120…隔壁
130…電槽
140…極板群
141…正極板
141a…リード部
142…負極板
142a…リード部
143…セパレータ
150…集電板
151…接続突部
152…接続端子
153…接続端子
160…集電板
161…接続突部
170…貫通孔
200…蓋体
210…排気弁
220…センサ装着穴
300…角形ケース
A、B…酸素の気泡
LC…低SOC充電
ID…間欠放電
P…休止
SD…緩慢放電
t0~t4…時間
min…下限閾値

Claims (9)

  1. 水酸化ニッケルを主成分とする活物質を含む正極及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するアルカリ二次電池を充放電するアルカリ二次電池の制御方法であって、
    SOC60%以下の低SOC状態における2C以上の高レートで行われる充電である低SOC充電において、充電途中でNi Hの発生を目標値以下に抑制するように放電レートが1C以上で0.1秒以上放電する間欠的な放電である間欠放電を複数回行いながら充電することを特徴とするアルカリ二次電池の制御方法。
  2. 前記低SOC充電は、目標となるSOCに達した後、一定期間休止することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
  3. 前記休止は、0.1秒以上休止することを特徴とする請求項2に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
  4. 前記低SOC充電は、目標となるSOCに達した後、放電レートが1C以下となるように緩慢に放電する緩慢放電を行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
  5. 前記間欠放電は、定期的な間隔で行われることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
  6. 前記間欠放電は、1回の放電時間が1秒以下であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
  7. 前記アルカリ二次電池の制御方法は、駆動用に車両に搭載されたアルカリ二次電池に対して行われる制御方法であり、
    前記アルカリ二次電池のSOCが設定した閾値より低下した場合に、前記低SOC充電が実行されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
  8. 前記車両が、前記アルカリ二次電池により出力された電流で車両を駆動するとともに、別の駆動源より駆動されて前記アルカリ二次電池を充電するモータジェネレータを有するハイブリッド自動車であり、
    前記アルカリ二次電池が前記モータジェネレータにより充電されない状態で、前記アルカリ二次電池が放電することで、前記アルカリ二次電池のSOCが設定した閾値より低下した場合に、前記低SOC充電が実行されることを特徴とする請求項7に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
  9. 前記アルカリ二次電池が、ニッケル水素蓄電池であることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
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