JP2020136198A - ニッケル水素二次電池の再生方法及びニッケル水素二次電池の再生装置 - Google Patents

ニッケル水素二次電池の再生方法及びニッケル水素二次電池の再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ニッケル水素二次電池の充電リザーブを回復させることのできるニッケル水素二次電池の再生方法及びニッケル水素二次電池の再生装置を提供する。【解決手段】水酸化ニッケルを主成分とする活物質を含む正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するニッケル水素二次電池を再生する。ニッケル水素二次電池の再生方法は、負極の充電リザーブの消失した電池モジュール90から所定条件の過充電によって水素ガス及び酸素ガスを発生させるとともに、電池モジュール90の角形ケース300の内圧を角形ケース300内のガスを排出する排気弁210の開弁圧まで上昇させて、角形ケース300内のガスを外部に放出させる過充電ステップを備える。過充電ステップでは、所定条件の過充電で生じる酸素分子(O2)の数に対する水素分子(H2)の数の比率であるガス比率を2.5倍以上にする。【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケル水素二次電池の再生方法及びニッケル水素二次電池の再生装置に関する。
ニッケル水素二次電池は、水酸化ニッケルを主成分とした正極と、水素吸蔵合金を主成分とした負極と、アルカリ電解液とから構成されている。一般に、ニッケル水素二次電池は、負極の容量を正極の容量よりも大きくしている。これにより、電池の放電容量は、正極の容量によって制限される(以下、これを正極規制という)。なお、正常なニッケル水素二次電池において正極が満充電のときに負極に残された充電可能な未充電部分を充電リザーブといい、正極の充電部分がないときに負極に残された放電可能な充電部分を放電リザーブという。このように、正極規制とすることにより、過充電時及び過放電時に生じる反応に伴う内部圧力の上昇を抑制することができる。
一方、水素吸蔵合金に吸蔵された水素が不足する事がある。例えば、電池ケースの外部に水素が漏出すると、ケース内の水素分圧を保つべく、水素吸蔵合金から水素が放出されて負極の放電リザーブが減少する。電池の使用期間が長期にわたり、放電リザーブが大幅に減少する場合には、電池の容量が、負極の容量によって制限される負極規制となり低下する可能性がある。例えば、ニッケル水素二次電池の放電リザーブを調整する技術の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の技術は、正極及び負極を備えるニッケル水素二次電池を過充電して、正極から発生させた酸素ガスの少なくとも一部をニッケル水素二次電池の外部に排出して、放電リザーブの容量を増加させる放電リザーブ調整工程を備える。
特開2008−235036号公報
近年、電池の使用用途によってはニッケル水素二次電池の充電リザーブが消失することがある。充電リザーブが消失したニッケ水素二次電池は、電池の充電容量が、充電リザーブが消失した負極の容量によって制限される負極規制となり、正極の容量によって制限される正極規制よりも低下する可能性がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ニッケル水素二次電池の充電リザーブを回復させることのできるニッケル水素二次電池の再生方法及びニッケル水素二次電池の再生装置を提供することにある。
上記課題を解決するニッケル水素二次電池の再生方法は、水酸化ニッケルを主成分とする活物質を含む正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するニッケル水素二次電池を再生するニッケル水素二次電池の再生方法であって、前記負極の充電リザーブの消失した二次電池から所定条件の過充電によって水素ガス及び酸素ガスを発生させるとともに、前記二次電池のケースの内圧を前記ケース内のガスを排出する排気弁の開弁圧まで上昇させて、前記ケース内のガスを外部に放出させる過充電ステップを備え、前記過充電ステップでは、前記所定条件の前記過充電で生じる酸素分子(O)の数に対する水素分子(H)の数の比率であるガス比率を2.5倍以上にする。
上記課題を解決するニッケル水素二次電池の再生装置は、水酸化ニッケルを主成分とする活物質を含む正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するニッケル水素二次電池を再生するニッケル水素二次電池の再生装置であって、所定条件の過充電を行うことによって、前記負極の充電リザーブの消失した二次電池に水素ガス及び酸素ガスを発生させるとともに、前記二次電池のケースの内圧を前記ケース内のガスを排出する排気弁の開弁圧まで上昇させて、前記ケース内のガスを外部に放出させる過充電部を備え、前記過充電部は、前記所定条件の前記過充電で生じる酸素分子(O)の数に対する水素分子(H)の数の比率であるガス比率を2.5倍以上にする。
通常、ニッケル水素二次電池は、過充電で酸素分子の数に対して水素分子の数が2倍となるガス比率で発生する。
この点、このような方法又は構成によれば、過電流により発生する酸素ガスに対する水素ガスの比率であるガス比率が、通常のガス比率である2倍よりも高い2.5倍以上になり、このガス比率の高いガスの排出によって水素ガスのケース外への排出がより多くなる。ケース内の水素ガスの減少は、ケース内の水素分圧を保つべく、水素吸蔵合金から水素が放出されて負極の充電リザーブが増加する。これにより、ニッケル水素二次電池の充電リザーブを回復させることができる。
好ましい方法として、前記所定条件は、充電電流及び電池温度の少なくとも一方を含む。
このような方法によれば、所定条件に含まれる充電電流や環境温度を調整することで適切なガス比率にすることができる。
好ましい方法として、前記ガス比率が3.5倍以上である。
このような方法によれば、ケース外により多くの水素ガスを排出して充電リザーブを回復させることができる。
好ましい方法として、前記ガス比率の値を所定の比率とするとき、所定の比率=2.601−0.048×充電電流[C]+0.037×電池温度[℃]の関係式を充足する前記充電電流及び前記電池温度を設定する設定ステップを備える。
このような方法によれば、充電電流、環境温度及び所定の比率を再生処理に適切な値とすることができる。
好ましい方法として、前記充電電流が0.5C以下である。
このような方法によれば、充電電流を定格電流の0.5倍である0.5C以下とすることで過充電により生じるガスに含まれる水素ガスの割合を高くすることができる。
好ましい方法として、前記電池温度が50℃以上である。
このような方法によれば、電池温度を50℃以上とすることで過充電により生じるガスに含まれる水素ガスの割合を高くすることができる。
本発明によれば、ニッケル水素二次電池の充電リザーブを回復させることができる。
ニッケル水素二次電池の再生方法及びニッケル水素二次電池の再生装置の一実施形態において、再生されるニッケル水素二次電池の正面断面構造を示す断面図。 上記ニッケル水素二次電池の正極容量と負極容量のバランスを示す概念図であって、(a)は正極規制の状態を示す図、(b)は充電が負極規制の状態を示す図、(c)は充電の負極規制が解消されて再生された状態を示す図。 上記ニッケル水素二次電池を過充電したとき発生するガスの量を模式的に示す模式図であって、(a)は電池温度が高温かつ小電流で過充電したときの図、(b)は電池温度が低温又は大電流で過充電したときの図。 上記ニッケル水素二次電池を過充電するときの電池温度とH/O比率との関係を示す図。 上記ニッケル水素二次電池を過充電するときの電流値とH/O比率との関係を示す図。 同実施形態において、電流値と電池温度とから適切なH/O比率を選択するためのマップ。 同実施形態において、再生装置の構成を示すブロック図。 同実施形態において、再生方法の手順を示すフローチャート。
図1〜図8を参照して、ニッケル水素二次電池の再生方法及びニッケル水素二次電池の再生装置について説明する。
図1に示すように、ニッケル水素二次電池は、密閉型電池であり、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両の電源として用いられる電池である。車両に搭載されるニッケル水素二次電池としては、所要の電力容量を得るべく、複数の単電池110を電気的に直列接続して構成された電池モジュール90からなる角形密閉式の二次電池が知られている。
電池モジュール90は、複数の単電池110を収容可能な一体電槽100と同一体電槽100を封止する蓋体200とによって構成される直方体状の角形ケース300を有している。なお、この角形ケース300は、樹脂製のものを用いることができる。そして、角形ケース300の表面には電池使用時の放熱性を高めるべく複数の凹凸(図示略)が形成されている。
角形ケース300を構成する一体電槽100は、アルカリ性の電解液に対して耐性を有する合成樹脂材料、例えばポリプロピレンやポリエチレン等により構成されている。そしてこの一体電槽100の内部には、複数の単電池110を区画する隔壁120が形成されており、この隔壁120によって区画された部分が、単電池110毎の電槽130となる。一体電槽100は、例えば、6つの電槽130を有しており、図1には、その一部の4つが示されている。
こうして区画された電槽130内には、極板群140と、その両側に接合された正極の集電板150及び負極の集電板160とが電解液とともに収容されている。
極板群140は、矩形状の正極板141及び負極板142がセパレータ143を介して積層して構成されている。このとき、正極板141、負極板142及びセパレータ143が積層された方向(紙面に鉛直な方向)が、積層方向である。極板群140の正極板141及び負極板142は、板面の方向(紙面に沿う方向)であって互いに反対側の側部に突出されることで正極板141のリード部141a及び負極板142のリード部142aが構成されている。これらリード部141a,142aの側端縁にそれぞれ集電板150,160が接合されている。
また、隔壁120の上部には各電槽130の接続に用いられる貫通孔170が形成されている。貫通孔170は、集電板150の上部に突設されている接続突部151、及び集電板160の上部に突設されている接続突部161の2つの接続突部151,161同士が該貫通孔170を介して溶接接続されることで、各々隣接する電槽130の極板群140を電気的に直列接続させる。貫通孔170のうち、両端の電槽130の各々外側に位置する貫通孔170は、一体電槽100の端側壁上方で正極の接続端子152又は負極の接続端子153(図7参照)が装着される。正極の接続端子152は、集電板150の接続突部151と溶接接続される。負極の接続端子153(図7参照)は、集電板160の接続突部161と溶接接続される。こうして直列接続された極板群140、すなわち複数の単電池110の総出力が正極の接続端子152及び負極の接続端子153(図7参照)から取り出される。
一方、角形ケース300を構成する蓋体200には、角形ケース300の内部圧力を開弁圧以下にする排気弁210と、極板群140の温度を検出するためのセンサを装着するセンサ装着穴220とが設けられている。センサ装着穴220は、極板群140の近傍まで電槽130内を延びる穴によって、極板群140の温度を測定可能にしている。
排気弁210は、一体電槽100内の内部圧力を許容されうる閾値以下に維持するためのものであり、内部圧力の値が許容される閾値を超えた開弁圧以上になった場合には、開弁されることで一体電槽100内部に発生したガスを排出する。一体電槽100の内部圧力は、隔壁120に形成された図示しない連通孔で全ての電槽130で均一化されている。これにより、一体電槽100は、全ての電槽130で均一化された内部圧力が開弁圧未満になるまでガスを排出して、その内部圧力が許容されうる開弁圧未満に維持されるようになる。
(極板群の構成)
正極板141は、水酸化ニッケル及びコバルトを活物質として構成されている。詳しくは、水酸化ニッケルに、水酸化コバルトや金属コバルト粉末などの導電剤、そして必要に応じてカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を適量加えてまずはペースト状に加工する。その後、こうしてペースト状になった加工物を、発泡ニッケル三次元多孔体等の芯材に塗布あるいは充填したのちに、これを乾燥、圧延、切断することによって板状の正極板141を形成する。なお、発泡ニッケル三次元多孔体としては、発泡ウレタンのウレタン骨格表面にニッケルメッキを施した後、発泡ウレタンを焼失させたものが用いられる。
負極板142は、例えば、ランタン、セリウム、及びネオジム等の希土類元素の混合物であるミッシュメタル、ニッケル、アルミニウム、コバルトおよびマンガンを構成要素とする水素吸蔵合金を活物質として構成されている。これも詳しくは、この水素吸蔵合金にカーボンブラックなどの導電剤、そして必要に応じてカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤や、スチレン−ブタジエン共重合体などの結着剤を添加してまずはペースト状に加工する。その後、こうしてペースト状に加工された水素吸蔵合金を、パンチングメタル(活物質支持体)などの芯材に塗布あるいは充填した後、これを乾燥、圧延、切断することによって同じく板状の負極板142を形成する。
セパレータ143としては、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の不織布、もしくは必要に応じてこれにスルフォン化などの親水処理を施したものを用いることができる。
こうした正極板141及び負極板142、及びセパレータ143は、正極板141と負極板142とを互いに反対側に突出する態様でセパレータ143を介して交互に積層することで直方体状の極板群140を構成する。そして、一方に突出して積層された各正極板141のリード部141aの外縁と集電板150とがスポット溶接等により接合されるとともに、他方に突出して積層された各負極板142のリード部142aの外縁と集電板160とがスポット溶接等により接合される。
集電板150及び160の溶接された極板群140は、角形ケース300内の各電槽130に収容されて、隣接する極板群140の正極の集電板150と負極の集電板160とがそれらの上部に突設された接続突部151及び161同士のスポット溶接等により接続されることで、互いに隣接する極板群140が電気的に直列接続される。
各電槽130内には、水酸化カリウムを主成分とするアルカリ水溶液(電解液)が所定量注入された状態で、蓋体200で一体電槽100の開口が封止されることで、複数の単電池110(ニッケル水素二次電池)からなる例えば定格容量「6.5Ah」の電池モジュール90が構成されている。
(過充電による充電リザーブの回復)
このニッケル水素二次電池の正極及び負極における充電反応は、活物質の反応が下記の半反応式(1)、(3)のようになり、水の電気分解が下記の半反応式(2)、(4)のようになる。放電時には、逆方向に反応が進行する。負極では、充電時には水素吸蔵合金が水素化し、放電時には水素吸蔵合金が脱水素化する。
(正極)
Ni(OH)+OH→NiOOH+HO+e…(1)
OH→1/4O+1/2HO+e…(2)
(負極)
M+HO+e→MH+OH…(3)
O+e→1/2H+OH…(4)
半反応式(2)、(4)を合わせると、下記反応式(5)に示すように、水の電気分解で酸素ガス(酸素分子:O)と水素ガス(水素分子:H)とが生じる反応となる。このとき、酸素ガスと水素ガスとの比率(H/O比率)であるガス比率は「2」となる。
2HO→2H+O…(5)
本実施形態では、発生するガスのガス比率を「2」よりも大きくし、かつ、発生したガスを電槽130から排出することで、ニッケル水素二次電池における水素を減少させる。ニッケル水素二次電池から水素が減少すると、電槽130内の水素分圧の平衡を保つべく、水素減少量に応じて負極の水素吸蔵合金から水素が排出される。これらのことから、発明者らは、ニッケル水素二次電池は、負極の放電リザーブが減少する一方で、負極の充電リザーブが増加するようになる挙動を利用して、負極で消失した充電リザーブを回復させることができることを見出した。
ニッケル水素二次電池の充電容量の例について説明する。
図2(a)に示す単電池110は、負極容量が正極容量よりも大きく、充電容量が正極容量P21によって規制される正極規制とされている。また、出荷時等における初期状態では、負極容量M21には、正極が満充電L1であるときの残りの充電容量である充電リザーブR2と、正極のSOCが0%に到達した容量L0であるときの残りの放電容量である放電リザーブR1が確保されている。また初期状態においては、各単電池110の正極容量P21と負極容量M21とのバランスが揃った状態になっている。なお、ここでいう正極の「満充電」とは、単電池110において正極活物質の未充電部分がなくなった状態(満充電L1)をいう。このとき正極のSOCは100%である。また、正極のSOCが0%に達した状態、即ち正極活物質の充電部分がなくなった状態(容量L0)を、単電池110のSOCが0%である状態とし、正極のSOCが100%に達した状態を、単電池110のSOCが100%である状態とする。このように負極容量M21に充電リザーブR2を設けることによって、過充電時における負極からの水素の発生を抑制することができる。また、負極容量M21に放電リザーブR1を設けることによって、過放電時における負極からの酸素の発生を抑制することができる。
図2(b)は、使用用途によって単電池110の正極容量P21と負極容量M21との相対関係において、負極の充電リザーブR2が消滅するとともに、正極のSOC100%である満充電L1を負極の100%がマイナス充電リザーブR3の値だけ下回る状態になることがある。このとき単電池110は、正極のSOCが100%未満であっても、負極のSOCが100%になることで充電ができなくなるため、充電が負極規制となる。よって、単電池110の充電容量は、放電で正極規制(容量L0)となり、充電で負極規制(満充電L1−マイナス充電リザーブR3)となり、正極規制であるときよりも小さくなる。なお、このとき負極は、負極容量M21が放電側にシフトした状態、つまり、放電リザーブR1に充電側からなくなった充電リザーブR2及びマイナス充電リザーブR3が増えた状態になっている。よって、負極容量M21を充電側にシフトさせることで単電池110の充電容量を正極規制に戻すことができる。
図2(c)に示すように、充電が負極規制となった単電池110のマイナス充電リザーブR3が消失すれば、単電池110の充電容量を正極規制の状態にする事ができる。つまり、負極容量M21のうちのSOC100%を、正極容量P21のうちのSOC100%(満充電L1)に一致させることで、単電池110の充電容量を正極のSOC0%から100%までの正極規制の状態に回復させることができる。
なお、単電池110に対して所定条件の過充電を行うことで、マイナス充電リザーブR3を消失させるようにする。
(過充電で発生する酸素ガスと水素ガスとの比率)
図3〜図6を参照して、マイナス充電リザーブR3を消失させる所定条件の過充電について説明する。
図3は、正極容量P21のSOC100%よりも、負極容量M21のSOC100%が低い状態を示している。
まず、図3(b)に示すように、従来の過充電が行われたときについて説明する。従来の動作保証温度範囲である電池温度が低温な場合や、従来の短時間での充電を目的とする大電流での充電を行った場合、過充電された単電池110は、正極で生じる酸素ガスの量31Bと、負極で生じる水素ガスの量32Bとの比率が反応式(5)に示す値に近い2倍より大きく2.5倍未満の値になることが知られている。なお、図3において、酸素ガスの量31Bの大きさと、水素ガスの量32Bの大きさとが同様であるのはバランスが取れていることを示している。このとき、過充電とともに電解液が減少することも知られている。
一方、図3(a)に示すように、本実施形態での再生のための過充電について説明する。動作保証温度範囲よりも電池温度を高温にした場合や、充電目的では選択されない小電流での充電を行った場合、過充電された単電池110は、正極で生じる酸素ガスの量31Aと、負極で生じる水素ガスの量32Aとの比率が反応式(5)に示す値である2倍から離れた2.5倍以上の値になることを見出した。また、このとき過充電に伴う電解液の減少が少ないことも見出した。
高温のとき、及び、小電流のときの少なくとも一方で、酸素ガスの量31Aと、水素ガスの量32Aとの比率が2.5倍以上となる理由は、以下のように推測される。
高温であることに起因する理由:
・水素平衡圧が上昇することによって、過充電領域で負極から水素ガスが発生しやすい状態になる。
・上記反応式(1)〜(4)以外に生じている反応である、酸素ガスの負極への吸収反応が高温で促進される。
小電流であることに起因する理由:
・上記反応式(2)の反応(正極の副反応)が抑制される。
図4は、負極にマイナス充電リザーブR3のある単電池110を過充電したときに発生するガスの酸素ガスと水素ガスとの比率(ガス比率)を電池温度との関係で示す図である。例えば、ここでマイナス充電リザーブR3は「−1.35Ah」である。
グラフL41及びL42に示すように、ガス比率は、電池温度が相対的に低温であると低く、相対的に高温であると高い。つまり、温度が上昇するに応じて、単電池110で生じるガスにおいて水素ガスの割合が多くなる。よって、ガス比率が大きくなるのは、電池温度が高いときである。
なお、グラフL41及びL42に示すように、ガス比率は、充電電流が2A(0.3C)のときが、充電電流が158A(24.3C)のときに比べて高いことも分かる。これらのことから、ガス比率をより高くするには、電池温度を高くし、かつ、充電電流値を小さくすとよい。
例えば、大変好適なガス比率を3.5以上とした場合、電池温度は、大きい方が好ましいことから、30[℃]が好ましく、40[℃]がより好ましく、50[℃]がより一層好ましい。
図5は、負極にマイナス充電リザーブR3のある単電池110を過充電したときに発生するガスのガス比率を充電電流値との関係で示す図である。例えば、ここでマイナス充電リザーブR3は「−1.35Ah」である。
グラフL51及びL52に示すように、ガス比率は、電流値が相対的に大きいと低く、相対的に小さいと高い。つまり、電流値が小さくなるに応じて、単電池110で生じるガスにおいて水素ガスの割合が多くなる。よって、ガス比率が大きくなるのは、充電電流値が小さいときである。
なお、グラフL51及びL52に示すように、ガス比率は、電池温度が45℃のときが、電池温度が25℃のときに比べて高いことも分かる。これらのことからも、上述したように、ガス比率をより高くするには、電流値を小さくし、かつ、電池温度を高くするとよい。
例えば、大変好適なガス比率を3.5以上とした場合、充電電流値[C]は、小さい方が好ましいことから、0.5[C]が好ましく、0.3[C]がより好ましく、0.1[C]がより一層好ましい。
(電池温度、電流値及びガス比率)
図6は、電池温度、電流値及びガス比率の関係を示すマップ60である。マップ60は、マイナス充電リザーブR3の消失に適するガス比率が得られる条件を示している。ガス比率が2.0以下であればマイナス充電リザーブR3の消失はあり得ない。そこで、マップ60は、ガス比率が大変好適である3.5倍以上のときを「◎」、より好適である3.0倍以上3.5倍未満のときを「○」、好適である2.5倍以上3.0倍未満のときを「△」、従来と同程度である2.5倍未満のときを「×」で示している。
詳述すると、充電電流値[C]と電池温度[℃]との関係は、充電電流値が「0.1C」に対して、「−5℃」のとき「×」、「5℃」のとき「△」、「15℃」のとき「○」、「25℃、35℃、45℃、55℃及び65℃」のとき「◎」である。
また、充電電流値が「0.3C及び0.5C」に対して、「−5℃」のとき「×」、「5℃」のとき「△」、「15℃」のとき「○」、「25℃、35℃、45℃、55℃及び65℃」のとき「◎」である。
また、充電電流値が「1C」に対して、「−5℃」のとき「×」、「5℃」のとき「△」、「15℃及び25℃」のとき「○」、「35℃、45℃、55℃及び65℃」のとき「◎」である。
また、充電電流値が「5C」に対して、「−5℃」のとき「×」、「5℃及び15℃」のとき「△」、「25℃」のとき「○」、「35℃、45℃、55℃及び65℃」のとき「◎」である。
また、充電電流値が「10C」に対して、「−5℃及び5℃」のとき「×」、「15℃」のとき「△」、「25℃及び35℃」のとき「○」、「45℃、55℃及び65℃」のとき「◎」である。
また、充電電流値が「24.3C」に対して、「−5℃、5℃、15℃及び25℃」のとき「×」、「35℃」のとき「△」、「45℃」のとき「○」、「55℃及び65℃」のとき「◎」である。
つまり、負極にマイナス充電リザーブR3を有する単電池110の充電容量を回復させるためには、大変好適とするには、充電電流値[C]の値と電池温度[℃]の値とを、マップ60の「◎」に対応する値にするとよい。また、より好適とするには、マップ60の「○」に対応する値にするとよく、好適とするには、マップ60の「△」に対応する値にするとよい。
また、発明者らは、これらのことから電池温度、電流値及びガス比率の関係を下記関係式(6)で示すことができることを見出した。
ガス比率(H/O比率)=
2.601−0.048×充電電流[C]+0.037×電池温度[℃]…(6)
つまり、負極にマイナス充電リザーブR3を有する単電池110の充電容量を回復させるためには、目標とするガス比率になるように、充電電流値[C]の値と電池温度[℃]の値とを定めればよい。
(ニッケル水素二次電池の再生処理)
図7及び図8を参照して、ニッケル水素二次電池の再生装置1及びニッケル水素二次電池の再生方法について説明する。なお、ここでは、単電池110を複数含む電池モジュール90を再生させる場合について説明する。電池モジュール90の全体を単電池110と見なすことで上記説明した関係に基づいて電池モジュール90を再生させることができる。なお、電池モジュール90が1つの単電池110で構成されていたとしてもよい。
また、再生装置1は、車両に搭載して(オンボード)で、リアルタイム又は蓄積データに基づいて車両の電池モジュール90を再生処理することができる。
図7に示すように、ニッケル水素二次電池の再生装置1は、充電容量が負極規制になっている電池モジュール90の充電容量を再生させる。再生装置1は、電池モジュール90の各単電池110のマイナス充電リザーブR3を消失させることで充電容量を回復させる。
再生装置1は、電池モジュール90を充電させる充電装置20と、充電装置20からの電流を測定する電流検出器21と、電池モジュール90の端子間電圧を測定する電圧検出器22と、電池モジュール90の温度を測定する温度検出器23と、電池モジュール90の温度を調整する温度調整装置24とを備えている。また、再生装置1は、充電装置20による充電を制御する制御装置10を備えている。
充電装置20は、電池モジュール90の正極の接続端子152と負極の接続端子153との間に接続されている。充電装置20の充電回路は、充電用電源と充電用電源に直列接続された開閉器とを有し、制御装置10からの指示信号に基づいて開閉器を開閉させる。充電回路は、充電電流量を指定された値に調整することができる。充電回路は、開閉器を開くことで電池モジュール90との電気的な接続が遮断される一方、開閉器を閉じることで電気的に接続する電池モジュール90を充電することができる。
電流検出器21は、正側配線PLと負側配線MLとを介して、電池モジュール90と充電装置20とに直列接続されている。電流検出器21は、充電装置20からの電流を測定するとともに、測定した電流値を制御装置10に電気信号で出力する。
電圧検出器22は、正側配線PLと負側配線MLとを介して、電池モジュール90と充電装置20とにそれぞれ並列接続されている。電圧検出器22は、電池モジュール90の端子間電圧を測定するとともに、測定した電圧値を制御装置10に電気信号で出力する。
温度検出器23は、センサ装着穴220に配置された温度センサを備えている。温度センサは、電池モジュール90のうちの対応する単電池110の極板群140の近傍の温度を測定するとともに、測定した温度値を制御装置10に電気信号で出力する。
温度調整装置24は、電池モジュール90を加熱等することで電池温度を再生に適した温度にすることができる。
制御装置10は、演算部や記憶部15を有するコンピュータを含み構成されており、記憶部15等に記憶されたプログラムの演算部での演算処理を通じて二次電池の電池状態を判定したり、二次電池を再生したりする処理等の各種処理を行う。制御装置10は、入力される各電気信号から電池モジュール90の充電電流値、端子間電圧値、及び電池温度を得る。また、制御装置10は、充電装置20を制御可能であり、たとえば、定電流(CC)での充電や、定電圧(CV)での充電を実行させる。よって、電池モジュール90を充電して所定のSOC、例えばSOCを「100%」に調整したり、過充電させたりすることができる。
制御装置10は、外部情報を取得する情報取得部11と、電池SOCを算出するSOC算出部12と、充電装置20を制御する充電制御部13とを備える。また、制御装置10は、電池モジュール90の再生処理を行う過充電部としての再生部14と、演算処理等に要する情報を記憶している記憶部15と、温度調整装置24の温度を調整する温度調整部16とを備える。
情報取得部11は、電流検出器21から充電電流値を取得し、電圧検出器22から電圧値を取得し、温度検出器23から電池温度を取得する。
SOC算出部12は、電池モジュール90の充放電履歴などから電池モジュール90のSOCを算出する。なお、SOC算出部12は、電池モジュール90の端子間電圧からSOCを算出する等、周知の方法で電池モジュール90のSOCを算出してもよい。
充電制御部13は、充電装置20を制御して電池モジュール90を充電させる。
再生部14は、充電制御部13を制御して過充電を行いマイナス充電リザーブR3を消失させることで電池モジュール90の充電容量を回復させる処理、いわゆる再生処理を行う。
温度調整部16は、温度調整装置24の温度調整を通じて、電池モジュール90の電池温度を再生処理に適した温度にする。
記憶部15は、制御装置10の演算処理に必要な情報等を記憶している。例えば、記憶部15は、マイナス充電リザーブR3を消失させるための電池温度と放電用電流値との関係を示す、上記マップ60及び上記関係式(6)の少なくとも一方が記憶されている。
(再生処理の動作)
図8を参照して、負極規制になっている電池モジュール90の充電容量を再生装置1で再生処理の動作手順について説明する。
再生処理では、再生対象の電池モジュール90が正側配線PLと負側配線MLとを介して再生装置1に電気的に接続される。
再生装置1は、電気的に接続された電池モジュール90の充電リザーブ量を取得する(ステップS10)。充電リザーブ量は、SOC算出部12で算出する。SOC算出部12は、充電リザーブ量を、正極のSOC100%に対する負極のSOC100%の相対的な容量差として算出する。充電リザーブ量は、正常であれば相対的に増量である充電リザーブR2として取得され、負極規制であれば相対的に減量であるマイナス充電リザーブR3として取得される。
再生装置1は、充電リザーブ量が「0Ah」未満であるか否かを判定する(ステップS11)。充電リザーブ量は、充電リザーブR2があれば「0Ah」以上であり、マイナス充電リザーブR3であれば「0Ah」未満として得られる。
再生装置1は、充電リザーブ量が「0Ah」未満ではないと判定した場合(ステップS11でNO)、続いて、電池再生の必要が無いとする(ステップS12)。そして、再生装置1は、再生処理を終了する。
逆に、再生装置1は、充電リザーブ量が「0Ah」未満であると判定した場合(ステップS11でYES)、電池温度を取得する(ステップS13)。
再生装置1は、取得した電池温度が「25℃」以上であるか否かを判定する(ステップS14)。「25℃」は、その他の再生に適した温度に変更してもよい。電池温度は、充電反応が生じる極板群140の内部の温度が好ましいが、測定することが困難である。そこで、電池温度は、温度検出器23で測定した温度値を利用してもよいし、測定した温度値を電池モジュール90や電槽130の構造を考慮して補正等して利用してもよい。
再生装置1は、電池温度が「25℃」以上ではないと判定した場合(ステップS14でNO)、電池温度が「25℃」以上になるように設定する(ステップS15)。つまり、再生装置1は、電池モジュール90の電池温度が再生に適した「25℃」以上の温度になるように温度調整装置24の設定温度を調節する。そして、再生装置1は、所定時間経過後、電池温度を取得する処理(ステップS13)に処理を戻す。なお、再生装置1は、生成処理を中止する条件が成立するような場合、例えば、電池温度が所定時間内に上昇しない場合等には、再生処理を終了してもよい。
再生装置1は、電池温度が「25℃」以上であると判定した場合(ステップS14でYES)、ガス比率が3.5倍以上となる充電電流を決定する(ステップS16)。ガス比率が3.5倍以上となる充電電流は、マップ60に基づく選択、及び、関係式(6)に基づく算出の少なくとも一方によって決定される。
続いて、再生装置1の再生部14は、決定した充電電流値を定電流(CC)で電池モジュール90に供給する(ステップS17)とともに、この充電電流値の供給で電池モジュール90を目標充電量まで充電する(ステップS18)。過充電ステップは、ステップS17及びステップS18より構成される。目標充電量は、電池モジュール90が過充電となる量である。なお、過充電となるまでは、決定した充電電流値よりも大きい電流が供給されてもよい。
上記供給により、電池温度が比較的高温、及び、充電電流が比較的小電流であることの少なくとも一方が充足された過充電が行われる。ここで決定された充電電流による過充電は、電池モジュール90のマイナス充電リザーブR3を消失させる。
このとき、電池モジュール90は、過充電になると、酸素ガスよりも水素ガスのほうが多い状態で電槽130内にガスが発生し、当該ガスのガス圧が開弁圧を越えることで排気弁210からガス比率が3.5倍以上のガスが放出される。これにより、電池モジュール90内の水素ガス濃度が相対的に低下して、負極の水素吸蔵合金から水素が離脱する。水素が離脱することで負極の水素吸蔵合金の充電状態が解消されて未充電領域が拡大し、負極のSOCが低下することで正極のSOCに対する相対的な充電容量が増加する。そして、図2(c)に示す、負極のSOCの負極容量M21と正極のSOCの正極容量P21との相対関係のように、負極のSOCが正極のSOC以上になるようにする。これにより、電池モジュール90は、放電側が正極のSOC「0%」で規制されるとともに、充電側が正極のSOC「100%」で規制される正極規制となり、充電容量が正極容量P21に等しくなるように回復する。
再生装置1は、電池モジュール90を目標充電量まで充電することで、充電電流の供給を停止し(ステップS19)、再生処理を終了する。
これにより、マイナス充電リザーブR3が消失して、電池モジュール90の充電容量が回復する。
本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)通常、ニッケル水素二次電池は、過充電で酸素分子の数に対して水素分子の数が2倍となるガス比率で発生する。この点、過電流により発生する酸素ガスに対する水素ガスの比率であるガス比率が、通常のガス比率である2倍よりも高い2.5倍以上になるので、このガス比率の高いガスの排出によって水素ガスの角形ケース300外への排出がより多くなる。角形ケース300内の水素ガスの減少は、角形ケース300内の水素分圧を保つべく、水素吸蔵合金から水素が放出されて負極の充電リザーブが増加する。これにより、ニッケル水素二次電池の充電リザーブを回復させることができる。
(2)所定条件に含まれる充電電流や環境温度を調整することで適切なガス比率にすることができる。
(3)ガス比率が3.5倍以上であるので、角形ケース300外により多くの水素ガスを排出して充電リザーブを回復させることができる。
(4)関係式(6)に基づいて、充電電流、環境温度及び所定の比率を再生処理に適切な値とすることができる。
(5)充電電流を定格電流の0.5倍である0.5C以下とすることで過充電により生じるガスに含まれる水素ガスの割合を高くすることができる。
また、充電電流が0.5C以下であれば、電池温度が高温ではない範囲にあってもガス比率を再生処理に適切な値とすることができる。
(6)電池温度を50℃以上とすることで過充電により生じるガスに含まれる水素ガスの割合を高くすることができる。
また、電池温度が50℃以上であれば、充電電流が小さくない範囲にあってもガス比率を再生処理に適切な値とすることができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、再生装置1が車両に搭載されて(オンボード)、リアルタイム又は蓄積データに基づいて車両の電池モジュール90を再生処理する場合について例示した。しかしこれに限らず、車両から取り外された電池モジュールや単電池を再生処理したりしてもよい。
・上記実施形態では、充電装置20は、充電回路を有している場合について例示したが、これに限らず、放電回路を有していてもよい。充放電を行うことができれば、電池モジュールのSOCの調整範囲が広げられる。
・上記実施形態では、ガスを排気弁210から排出する場合について例示した。しかしこれに限らず、電池モジュールや単電池に排気用の孔を開けてガス比率が2.5倍以上のガスを排気させてもよい。車両から取り外された電池モジュールや単電池であれば、再生処理で開けた孔を、再生処理後に塞ぐことができる。
・上記実施形態では、電池モジュール90の単電池110の負極規制を回復する場合について例示したが、これに限らず、単体の単電池の充電における負極規制を解消させるようにしてもよいし、複数の単電池を有する電池モジュールを1つの電池と見なして充電における負極規制を解消させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、電池モジュール90が電気自動車やハイブリッド自動車の動力源として用いられる電池モジュールに適用したが、これに限らず、充電において負極規制となるおそれのある使用用途であれば、その他の装置の電源として適用されるものであってもよい。
1…再生装置、10…制御装置、11…情報取得部、12…SOC算出部、13…充電制御部、14…再生部、15…記憶部、16…温度調整部、20…充電装置、21…電流検出器、22…電圧検出器、23…温度検出器、24…温度調整装置、60…マップ、90…電池モジュール、100…一体電槽、110…単電池、120…隔壁、130…電槽、140…極板群、141…正極板、141a…リード部、142…負極板、142a…リード部、143…セパレータ、150,160…集電板、151,161…接続突部、152,153…接続端子、170…貫通孔、200…蓋体、210…排気弁、220…センサ装着穴、300…角形ケース。

Claims (7)

  1. 水酸化ニッケルを主成分とする活物質を含む正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するニッケル水素二次電池を再生するニッケル水素二次電池の再生方法であって、
    前記負極の充電リザーブの消失した二次電池から所定条件の過充電によって水素ガス及び酸素ガスを発生させるとともに、前記二次電池のケースの内圧を前記ケース内のガスを排出する排気弁の開弁圧まで上昇させて、前記ケース内のガスを外部に放出させる過充電ステップを備え、
    前記過充電ステップでは、前記所定条件の前記過充電で生じる酸素分子(O)の数に対する水素分子(H)の数の比率であるガス比率を2.5倍以上にする
    ニッケル水素二次電池の再生方法。
  2. 前記所定条件は、充電電流及び電池温度の少なくとも一方を含む
    請求項1に記載のニッケル水素二次電池の再生方法。
  3. 前記ガス比率が3.5倍以上である
    請求項1又は2に記載のニッケル水素二次電池の再生方法。
  4. 前記ガス比率の値を所定の比率とするとき、
    所定の比率=2.601−0.048×充電電流[C]+0.037×電池温度[℃]
    の関係式を充足する前記充電電流及び前記電池温度を設定する設定ステップを備える
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のニッケル水素二次電池の再生方法。
  5. 前記充電電流が0.5C以下である
    請求項4に記載のニッケル水素二次電池の再生方法。
  6. 前記電池温度が50℃以上である
    請求項4に記載のニッケル水素二次電池の再生方法。
  7. 水酸化ニッケルを主成分とする活物質を含む正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するニッケル水素二次電池を再生するニッケル水素二次電池の再生装置であって、
    所定条件の過充電を行うことによって、前記負極の充電リザーブの消失した二次電池に水素ガス及び酸素ガスを発生させるとともに、前記二次電池のケースの内圧を前記ケース内のガスを排出する排気弁の開弁圧まで上昇させて、前記ケース内のガスを外部に放出させる過充電部を備え、
    前記過充電部は、前記所定条件の前記過充電で生じる酸素分子(O)の数に対する水素分子(H)の数の比率であるガス比率を2.5倍以上にする
    ニッケル水素二次電池の再生装置。
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