JP5047659B2 - ニッケル水素蓄電池の調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル水素蓄電池の調整方法に関する。
近年、ポータブル機器や携帯機器などの電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として、様々なニッケル水素蓄電池が提案されている。一般に、ニッケル水素蓄電池では、負極の容量を正極の容量よりも大きくしている。これにより、電池の放電容量は、正極の容量によって制限される(以下、これを正極規制ともいう)。このように、正極規制とすることにより、過充電時及び過放電時における内圧の上昇を抑制することができる。なお、負極を正極と対比して、充電可能な過剰な未充電部分を充電リザーブと呼び、放電可能な過剰な充電部分を放電リザーブと呼んでいる。
ところで、近年の調査により、ニッケル水素蓄電池には、微量の水素ガスが、電池ケースを透過して外部に漏れ続けるものがあることがわかっている。このように、水素ガスが外部に漏出すると、ケース内の水素分圧の平衡を保つべく、水素漏出量に応じて負極の水素吸蔵合金から水素が排出される。これにより、負極の放電リザーブが減少する。この水素の漏出は、非常にゆっくりと進行するため、比較的短い使用期間では問題とならない。 しかしながら、使用期間が長期にわたると、正極と負極の容量のバランスが悪くなると共に負極の容量が減少し、放電リザーブが消滅してしまう。その結果、ニッケル水素蓄電池が負極規制(電池の放電容量が、負極の容量によって制限されることをいう)となり、放電容量が減少してしまい、電池特性が大きく低下してしまう問題があった。ニッケル水素蓄電池を、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として用いる場合には、長期間の寿命が要求されるため、上記のような電池特性の低下が問題となり易い。
このような課題を解決すべく、放電リザーブの減少(消滅)により電池容量が低下したニッケル水素蓄電池を再生する方法が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、電池ケース内に水素ガスを導入し、この水素ガスを負極の水素吸蔵合金に吸蔵させることで、電池容量を回復する技術が開示されている。導入した水素ガスを負極の水素吸蔵合金に吸蔵させることで、減少した放電リザーブを増加させることができると考えられる。また、特許文献1には、他の再生方法として、電池ケース内に、アルカリ金属やアルカリ金属水素化物を導入して、これを電解液と反応させることで水素ガスを発生させ、この水素ガスを負極の水素吸蔵合金に吸蔵させる技術も開示されている。
特開2004−319336号
ところが、特許文献1の水素ガスを導入する手法では、電池ケースの内圧が高いために、電池ケース内に水素ガスを導入することが容易でない。さらに、水素吸蔵合金に水素ガスを吸蔵させるためには、例えば、水素ガスに高圧力をかけなければならず、装置が大がかりとなりコスト高になると共に、危険であった。また、アルカリ金属やアルカリ金属水素化物を導入する手法では、導入したアルカリ金属の成分が電解液に加わるため、電解液の成分構成及び成分比が大きく変動することになる。これが原因で、ニッケル水素蓄電池の特性が大きく低下する虞があった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、放電リザーブの容量を適切に増加させることができる、ニッケル水素蓄電池の調整方法を提供することを目的とする。
その解決手段は、正極及び負極を備えるニッケル水素蓄電池を過充電して、上記正極から発生させた酸素ガスの少なくとも一部を上記ニッケル水素蓄電池の外部に排出して、上記負極の放電リザーブの容量を増加させる負極リザーブ調整工程を備えるニッケル水素蓄電池の調整方法である。
ニッケル水素蓄電池では、過充電すると、正極から電子が放出されると共に、電解液の分解により酸素ガスが発生する。一方、負極では、水の分解により発生した水素が、水素吸蔵合金に吸蔵される。正極から発生した酸素ガスは、通常、水素吸蔵合金に吸蔵された水素との反応により消費される(水が生成される)ため、電池の内圧の上昇は抑制される。
これに対し、本発明の負極リザーブ調整工程では、ニッケル水素蓄電池を過充電して、正極から発生させた酸素ガスの少なくとも一部を、ニッケル水素蓄電池の外部に排出する。これにより、電池内部では、過充電に伴って負極の水素吸蔵合金に吸蔵された水素が、酸素ガスに対し過剰となる。この結果、過充電して負極の水素吸蔵合金に吸蔵された水素の少なくとも一部を、発生した酸素ガスと反応させることなく水素吸蔵合金に吸蔵されたまま残存させる(これが放電リザーブとなる)ことができる。従って、本発明のニッケル水素蓄電池の調整方法によれば、適切に、放電リザーブの容量を増加させることができる。
さらに、上記のニッケル水素蓄電池の調整方法であって、調整前の前記負極は、放電リザーブの初期値より小さな容量の前記放電リザーブを有し、上記負極リザーブ調整工程は、上記放電リザーブの容量を上記初期値に近づけるニッケル水素蓄電池の調整方法とすると良い。
本発明の負極リザーブ調整工程では、初期値より小さな容量の放電リザーブとなった負極を備えるニッケル水素蓄電池を過充電して、正極から発生させた酸素ガスの少なくとも一部をニッケル水素蓄電池の外部に排出することで、放電リザーブの容量を増加させて初期値に近づける。これにより、放電リザーブの容量と充電リザーブの容量とのバランスを整えることができる。
なお、放電リザーブの初期値とは、使用前(新品)または使用初期の段階での放電リザーブの容量をいう。
また、「初期値より小さな容量の放電リザーブ」とは、初期値より小さな容量の放電リザーブが残存している場合のほか、放電リザーブが消滅した場合(放電リザーブが0の場合)、さらには、放電リザーブの容量がマイナスの場合(放電容量が負極規制となる場合)も含む。
また、「放電リザーブの容量を初期値に近づける」とは、放電リザーブの容量を調整する前に比べて、放電リザーブの容量を初期値に近い値にすることであり、初期値との大小関係は問わない。
さらに、上記のニッケル水素蓄電池の調整方法であって、前記負極リザーブ調整工程は、調整後の前記放電リザーブが前記初期値以下となる範囲で、前記ニッケル水素蓄電池を過充電するニッケル水素蓄電池の調整方法とすると良い。
放電リザーブを初期値より大きくすると、負極の充電リザーブを減少させることになる。このように調整されたニッケル水素蓄電池は、過充電すると、負極から大量の水素ガス等が発生して、内圧上昇を引き起こし易くなるので好ましくない。これに対し、本発明の調整方法では、調整後の放電リザーブが初期値以下となる範囲でニッケル水素蓄電池を過充電するので、上記のような状態になるのを防止できる。
さらに、上記いずれかのニッケル水素蓄電池の調整方法であって、前記負極リザーブ調整工程に先立って、前記正極から発生する酸素ガスの少なくとも一部を前記ニッケル水素蓄電池の外部に排出するガス排出孔を形成する排出孔形成工程と、上記負極リザーブ調整工程の後に、上記ガス排出孔を閉塞する排出孔閉塞工程と、を備えるニッケル水素蓄電池の調整方法とすると良い。
本発明の調整方法では、負極リザーブ調整工程に先立って、正極から発生する酸素ガスの少なくとも一部をニッケル水素蓄電池の外部に排出するガス排出孔を形成する。これにより、過充電により発生した酸素ガスの少なくとも一部を、適切に、ガス排出孔を通じて外部に排出することができる。さらに、負極リザーブ調整工程の後に、形成したガス排出孔を閉塞するので、放電リザーブを調整したニッケル水素蓄電池を、適切に使用することができる。
さらに、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のニッケル水素蓄電池の調整方法であって、前記ニッケル水素蓄電池は、通気孔を封止する安全弁であって、当該ニッケル水素蓄電池の内圧が所定値を超えると、上記安全弁を開放して上記通気孔を通じて当該ニッケル水素蓄電池の内部のガスを排出し、上記内圧を低減させる安全弁を備え、前記負極リザーブ調整工程は、上記ニッケル水素蓄電池を過充電する前に、または過充電している途中で、上記安全弁による上記通気孔の封止を強制的に開放させる安全弁開放工程と、上記ニッケル水素蓄電池を過充電した後に、上記安全弁を復帰させて、上記安全弁により上記通気孔を封止する安全弁復帰工程と、を含むニッケル水素蓄電池の調整方法とするのが好ましい。
この調整方法では、ニッケル水素蓄電池を過充電する前に、または過充電している途中で、安全弁による通気孔の封止を強制的に開放させ、ニッケル水素蓄電池を過充電した後に、安全弁を復帰させて安全弁により通気孔を封止する。これにより、過充電して正極から発生させた酸素ガスの少なくとも一部を、通気孔を通じて、ニッケル水素蓄電池の外部に排出することができる。このように、初めから形成されている通気孔を利用して酸素ガスを排出するので、電池ケースに別途ガス排出孔を形成し、酸素ガスを排出後、そのガス排出孔を別途閉塞部材で閉塞する等の手間がない。このため、低コストで且つ簡易に、負極の放電リザーブを調整することができる。
(実施形態)
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態にかかるニッケル水素蓄電池100を用意した。このニッケル水素蓄電池100は、図1,図2に示すように、電槽102及び蓋体103を有する電池ケース101を備える、角形密閉式のニッケル水素蓄電池である。
蓋体103は、樹脂からなり、矩形略板形状を有している。この蓋体103には、安全弁装置120が設けられている。安全弁装置120は、図3に示すように、通気孔105を封止するゴム製の安全弁122を有している。この安全弁装置120は、ニッケル水素蓄電池100(電池ケース101)の内圧が所定値を超えると、その圧力で安全弁122の底部122cが押し上げられることで、通気孔105の封止を開放する。これにより、通気孔105を通じてニッケル水素蓄電池100(電池ケース101)の内部のガスを排出することができる。電槽102は、樹脂からなり、矩形略箱形状を有している。
電池ケース101(電槽102)の内部は、図3に示すように、隔壁部130によって、6つのセル110に仕切られている。それぞれのセル110内には、極板群150と、電解液(図示しない)とが配置されている。
極板群150は、正極151と負極152と袋状のセパレータ153とを備えている。このうち、正極151は袋状のセパレータ153内に挿入されており、セパレータ153内に挿入された正極151と、負極152とが交互に積層されている。各セル110内に位置する正極151及び負極152は、それぞれ集電されて、これらが直列に接続されると共に、正極端子141及び負極端子142に接続されている。
正極151としては、例えば、水酸化ニッケルを含む活物質と、発泡ニッケルなどの活物質支持体とを備える電極板を用いることができる。負極152としては、例えば、水素吸蔵合金を負極構成材として含む電極板を用いることができる。セパレータ153としては、例えば、親水化処理された合成繊維からなる不織布を用いることができる。電解液としては、例えば、KOHを含む比重1.2〜1.4のアルカリ水溶液を用いることができる。
なお、本実施形態のニッケル水素蓄電池100では、正極容量を6.5Ah、負極容量を11Ahとしている。従って、本実施形態のニッケル水素蓄電池100は、正極規制の状態であり、電池容量を6.5Ahとしている。すなわち、SOC(State Of Charge)100%=6.5Ahである。
(放電リザーブ容量の初期値の測定)
まず、未使用のニッケル水素蓄電池100を用意し、このニッケル水素蓄電池100について、負極152の放電リザーブDRの容量の初期値を測定した。具体的には、電池電圧が1Vになるまで放電した後、電池上部(例えば、蓋体103)に孔を空け、この孔から電解液を補充して電解液が過剰に存在する状態とした。次いで、各セル110内の電解液中に、図示しないHg/HgO参照極を配設して、放電容量を測定しながら過放電させた。
ここで、放電リザーブDRの容量は、次式に基づいて算出した。(放電リザーブDRの容量)=(参照極の電位に対する負極152の電位が−0.7Vになるまでの放電容量)−(参照極に対する正極151の電位が−0.5Vになるまでの放電容量)。このようにして測定したところ、各セル110内の負極152の放電リザーブDRの初期値は、平均して約2.5Ahであった(図4参照)。
なお、図4では、正極151及び負極152の容量を、それぞれ、縦長の帯の長さで示しており、このうち充電部分の容量をハッチングで示している(白抜き部分は、未充電部分の容量を示す)。また、図4〜図8では、放電リザーブDRの容量を、ゼロ基準線B1(正極151の下端、すなわち正極151が完全放電する位置に対応した位置)より下方をプラス方向、上方をマイナス方向として矢印で示しており、放電リザーブDRの容量が正の値である場合は、DR(+)と表記し(図4参照)、負の値である場合はDR(−)と表記している(図5参照)。また、放電リザーブ容量の初期値を測定した、未使用のニッケル水素蓄電池100は、図4にハッチングで示すように、SOC50%としている。
(高温放置)
次に、未使用のニッケル水素蓄電池100を、SOC60%まで充電した後、65℃の恒温槽内に6ヶ月間放置した。なお、恒温槽内の温度を65℃と比較的高温としたのは、負極の水素吸蔵合金の腐食を促進させると共に、水素漏出量を増加させるためである。また、恒温槽内に放置している間は、電池の深放電を防止するため(電池電圧が1Vを下回り劣化するのを防止するため)に、1ヶ月ごとに、SOC60%まで再充電している。
その後、このニッケル水素蓄電池100について、前述のようにして、負極152の放電リザーブDRの容量を測定したところ、各セル110内の負極152の放電リザーブDRの容量は、図5に示すように、平均して約−3.0Ahであった。すなわち、この高温放置により、放電リザーブDRがマイナス容量となり、放電容量が負極規制となっていた。
次に、本実施形態のニッケル水素蓄電池の調整方法について説明する。
(排出孔形成工程)
まず、図9に示すように、ステップS1(排出孔形成工程)において、上述のように高温放置したニッケル水素蓄電池100に、ニッケル水素蓄電池100(電池ケース101)の内部のガスを外部に排出するガス排出孔107を形成した。具体的には、図10に示すように、注液口108を閉塞する樹脂製の閉塞蓋106に、これを貫通する1.5cm×3cmの矩形状のガス排出孔107を形成した。これにより、図10に矢印で示すように、ニッケル水素蓄電池100の各セル110内で発生したガスを、注液口108を経由してガス排出孔107を通じて、外部に排出することができる。
(負極リザーブ調整工程)
次に、図9に示すように、ステップS2(負極リザーブ調整工程)に進み、ガス排出孔107を形成したニッケル水素蓄電池100を過充電して、正極151から酸素ガスO2を発生させた。なお、ニッケル水素蓄電池100を過充電すると、通常は、次のような反応が生じる。
(正極)OH- → 1/4O2+1/2H2O+e- …(1)
(負極)M+H2O+e- → MH+OH- …(2)
MH+1/4O2 → M+1/2H2O …(3)
ところが、本実施形態では、前述のように、ステップS2(負極リザーブ調整工程)に先立って、ステップS1においてガス排出孔107を形成しているので、式(1)の正極151から発生した酸素ガスO2を、ガス排出孔107を通じて電池外部に排出することができる(図10参照)。これにより、負極152では、式(2)の反応が進行して水素Hが吸蔵される一方、式(3)の反応が抑制されることで水素Hの放出を抑制することができる。従って、図6に破線のハッチングで示すように、過充電すると、負極152の充電部分の容量を増加させることができる。
本実施形態では、正極端子141及び負極端子142を通じて、電流値2A(約1/3Cの電流値)で、SOC100%まで充電した後、さらに続けて、11Ahの電気量を過剰に充電(過充電)した。これにより、図7に示すように、各セル110内の負極152の放電リザーブDRの容量を増加させることができ、放電リザーブDRの容量を平均して約2.0Ahにまで回復させることができた。すなわち、本実施形態の負極リザーブ調整工程において、放電リザーブDRの容量を増加させて、初期値(本実施形態では、2.5Ah)に近づけることができた。これにより、図7に示すように、放電リザーブDRの容量と充電リザーブCRの容量とのバランスを整えることができた。
なお、図7では、充電リザーブCRの容量を、ゼロ基準線B2(正極151の上端、すなわち正極151が満充電する位置に対応した位置)より上方をプラス方向、下方をマイナス方向として矢印で示している。図7では、充電リザーブCRの容量が正の値であるため、これをCR(+)と表記している。
ところで、放電リザーブDRを初期値より大きくすると、充電リザーブCRを減少させることになる。このように調整されたニッケル水素蓄電池は、過充電すると、負極152から大量の水素ガス等が発生して、内圧上昇を引き起こし易くなるので好ましくない。
これに対し、本実施形態の負極リザーブ調整工程では、前述のように、調整後の放電リザーブDRの容量が初期値以下となる範囲で、ニッケル水素蓄電池100を過充電しているので、上記のような状態になるのを防止できる。
また、ニッケル水素蓄電池100を過充電する際の電流値が小さいと、酸素ガスO2の発生速度が小さくなるため、負極152の水素吸蔵合金に吸蔵された水素Hと反応し易くなる。すなわち、式(3)の反応が進行し易くなる。これにより、正極151から発生した酸素ガスO2を、ニッケル水素蓄電池100の外部に排出し難くなるので、放電リザーブDRの容量を増加させ難くなる(放電リザーブDRを増加させるのに時間がかかる)。
これに対し、本実施形態では、ニッケル水素蓄電池100を過充電する際の電流値を、2A(約1/3C)と比較的大きくしている。これにより、酸素ガスO2の発生速度が大きくなり、電池外部に排出される酸素ガスO2の割合が大きくなるので、酸素ガスO2と負極152の水素吸蔵合金に吸蔵された水素Hとの反応の割合を抑制することができる。すなわち、式(3)の反応を抑制することができる。このため、放電リザーブDRの容量を、効率良く増加させることができた。
(排出孔閉塞工程)
次に、ステップS3(排出孔閉塞工程)に進み、ガス排出孔107を閉塞した。具体的には、図11に示すように、矩形板状の樹脂からなる閉塞部材109を、ガス排出孔107を穿孔した閉塞蓋106に対し、ガス排出孔107を閉塞する位置で熱溶着した。これにより、ニッケル水素蓄電池100を密閉することができた。このため、負極152の放電リザーブDRの容量が回復したニッケル水素蓄電池100を、適切に使用することができる。
(変形形態)
本変形形態のニッケル水素蓄電池200は、実施形態のニッケル水素蓄電池100と比較して、安全弁装置の構造が異なり、その他の部分は同様である。具体的には、図12に示すように、本変形形態の安全弁装置220は、実施形態の安全弁装置120と異なり、安全弁122の上方に位置する環状の通気口125の中心軸の位置に、貫通孔226が穿孔されている。さらに、本変形形態の安全弁222は、実施形態の安全弁122と比較して、中心軸の位置にねじ孔223が形成されている点のみが異なっている。なお、ねじ孔223と貫通孔226とは、同一軸線C1上に配置されている。
さらに、本変形形態の調整方法は、実施形態の調整方法と比較して、過充電して正極151から発生させた酸素ガスを、ニッケル水素蓄電池200の外部に排出する手法が異なり、その他については同様である。
具体的には、実施形態では、過充電して正極151から発生させた酸素ガスを、ニッケル水素蓄電池100の外部に排出するために、負極リザーブ調整工程に先立って、排出孔形成工程においてガス排出孔107を穿孔した。さらに、負極リザーブ調整工程の後、排出孔閉塞工程において、閉塞部材109によりガス排出孔107を閉塞した。
これに対し、本変形形態では、ガス排出孔107を穿孔することなく(排出孔形成工程を設けることなく)、負極リザーブ調整工程内の安全弁開放工程において、ニッケル水素蓄電池200を過充電する前に、安全弁222による通気孔105の封止を強制的に開放させる。具体的には、図13に示すように、安全弁装置220の上方から、先端側にねじ部231を有するボルト230を、ねじ部231側から貫通孔226内に進入させ、さらに、ねじ部231をねじ孔223に螺挿する。次いで、図13に矢印で示すように、ボルト230を、図中上方に引き上げる。
すると、図14に示すように、安全弁222の上端部222bが弾性的に圧縮するので、安全弁222の底面222cが安全弁装置220の底部228から離間する。これにより、安全弁222による通気孔105の封止を開放することができる。従って、その後、実施形態と同様にしてニッケル水素蓄電池200を過充電すれば、図14に矢印で示すように、正極151から発生した酸素ガスO2を、通気孔105及び通気口125を通じて、ニッケル水素蓄電池200の外部に排出することができる。
さらに、本変形形態では、負極リザーブ調整工程内の安全弁復帰工程において、ニッケル水素蓄電池200を過充電した後に、安全弁222を復帰させて、安全弁222により通気孔105を封止する。具体的には、上方に引き上げているボルト230に加えている力を開放して、引き上げる前の自然状態(図13に示す状態)に戻す。これにより、弾性的に圧縮していた安全弁222が元の状態に復元して、底面222cが安全弁装置220の底部228に当接するので、通気孔105を封止することができる。これにより、ニッケル水素蓄電池200を密閉することができる。その後、ねじ孔223に螺挿しているボルト230を取り外せば、負極152の放電リザーブDRの容量が回復したニッケル水素蓄電池200を得ることができる。
本変形形態では、実施形態と異なり、初めから形成されている通気孔105を利用して酸素ガスを排出するので、電池ケース101に別途ガス排出孔107を形成し、酸素ガスを排出後、そのガス排出孔107を別途閉塞部材109で閉塞する等の手間がない。このため、低コストで且つ簡易に、負極152の放電リザーブDRを調整することができる。
以上において、本発明を実施形態及び変形形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態等では、樹脂製の電池ケースを備えるニッケル水素蓄電池100,200について、放電リザーブDRの容量を調整した。しかしながら、本発明の調整方法は、いずれの材質の電池ケースを備えるニッケル水素蓄電池にも適用することができる。
実施形態にかかる二次電池100の上面図である。 実施形態にかかる二次電池100の側面図である。 実施形態にかかる二次電池100の内部を示す図であり、図1のA−A断面図に相当する。 負極152の放電リザーブDRを説明する説明図である。 負極152の放電リザーブDRを説明する説明図である。 負極152の放電リザーブDRを説明する説明図である。 負極152の放電リザーブDRを説明する説明図である。 負極152の放電リザーブDRを説明する説明図である。 実施形態にかかるニッケル水素蓄電池の調整方法のフローチャートである。 実施形態にかかる負極リザーブ調整工程を説明する説明図である。 実施形態にかかる負極リザーブ調整工程を説明する説明図である。 変形形態にかかる二次電池200の安全弁装置220の拡大断面図である。 変形形態にかかる負極リザーブ調整工程を説明する説明図である。 変形形態にかかる負極リザーブ調整工程を説明する説明図である。
符号の説明
100,200 ニッケル水素蓄電池
105 通気孔
107 ガス排出孔
109 閉塞部材
120,220 安全弁装置
122,222 安全弁
151 正極
152 負極
DR 放電リザーブ

Claims (4)

  1. 正極及び負極を備えるニッケル水素蓄電池を過充電して、上記正極から発生させた酸素ガスの少なくとも一部を上記ニッケル水素蓄電池の外部に排出して、上記負極の放電リザーブの容量を増加させる負極リザーブ調整工程を備える
    ニッケル水素蓄電池の調整方法。
  2. 請求項1に記載のニッケル水素蓄電池の調整方法であって、
    調整前の前記負極は、放電リザーブの初期値より小さな容量の前記放電リザーブを有し、
    上記負極リザーブ調整工程は、上記放電リザーブの容量を上記初期値に近づける
    ニッケル水素蓄電池の調整方法。
  3. 請求項2に記載のニッケル水素蓄電池の調整方法であって、
    前記負極リザーブ調整工程は、
    調整後の前記放電リザーブが前記初期値以下となる範囲で、前記ニッケル水素蓄電池を過充電する
    ニッケル水素蓄電池の調整方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のニッケル水素蓄電池の調整方法であって、
    前記負極リザーブ調整工程に先立って、前記正極から発生する酸素ガスの少なくとも一部を前記ニッケル水素蓄電池の外部に排出するガス排出孔を形成する排出孔形成工程と、
    上記負極リザーブ調整工程の後に、上記ガス排出孔を閉塞する排出孔閉塞工程と、を備える
    ニッケル水素蓄電池の調整方法。
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