JP7481304B2 - アルカリ二次電池の制御方法及び制御装置 - Google Patents

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Description

アルカリ二次電池の制御方法及び制御方法に係り、詳しくは、正極の劣化を抑制する車両用のアルカリ二次電池に適した制御方法及び制御装置に関する。
電動機を搭載した電気自動車(ハイブリッド自動車等も含む)は、二次電池に蓄えられた電力により、電動機を駆動している。このような二次電池においてニッケル水素蓄電池のようなアルカリ二次電池は、大電流の充放電が可能であることから車両用として広く普及している。
このようなアルカリ二次電池では、二次電池の正極電位が所定の下限電位よりも低くなったり所定の上限電位よりも高くなったりした場合には、正極での副反応が起こり、正極が劣化し得る。負極についても同様に、負極電位が所定の電位範囲外になることで劣化し得る。よって、正極および負極の劣化抑制を目的に、正極電位および負極電位の各々を算出(監視)し、正極電位および負極電位の各々が所定の電位範囲内で変化するように二次電池の充放電が制御されることが望まれる。
そこで、特許文献1には、正確に正極の電位を推定でき、副反応の発生を抑制する以下の発明が開示されている。
アルカリ二次電池を備えた電池システムにおいて、メモリ効果を考慮して正極電位の算出精度を向上させることが望まれる。そこで、電池システムは、ニッケル水素電池である単電池と、単電池の正極電位V1および負極電位V2を用いて単電池の充放電を制御するECUとを備える。ECUは、単電池の端子間電圧V、正極開放電位U1および負極開放電位U2を入力として含む、単電池の内部挙動を推定するための電池モデルを用いて、正極活物質の内部における水素濃度を算出する。ECUは、水素濃度から、正極開放電位U1の初期電位E1からのメモリ効果による電位変化量であるメモリ量Mを算出し、初期電位E1とメモリ量Mとを用いて正極開放電位U1を算出する。
このような発明によれば、正確に正極の電位を推定でき、副反応の発生を抑制することができる。
また、副反応の中でも、特にニッケル水素電池を含む電池システムにおいては、正極内におけるNiHの生成量が増加すると、不可逆的に電池容量が低下するという問題があった。そこで、特許文献2には、NiHの生成を抑制する以下の発明が開示されている。
ECUは、以下のステップを備える。電圧Vb、電流Ibおよび温度Tbを取得するステップ。正極電位U+を算出するステップ。正極電位U+の上限値Upを算出するステップ。正極電位U+が上限値Upを超えている場合、正極電位U+を所定値以下に制限するようにPCUを制御するステップ。正極電位U+が上限値Up以下である場合、通常制御を実行するステップ。ECUは、これらのステップを含んだ制御処理を実行する。
このような発明であれば、正極電位を適正に抑制することで、NiHの生成の抑制が期待できる。
特開2018-087785号公報 特開2018-10758号公報
しかしながら、本発明者は、NiHの生成は、正極電位の制御のみで完全に抑制できるものでなく、正極電位の制御のみでは、十分にアルカリ二次電池のNiHの生成を抑制できないという問題があることを見出した。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、容量低下を招くNiHの生成を、適正な条件で根本的に抑制し、正極の容量劣化を抑制することである。
上記課題を解決するため、本発明のアルカリ二次電池の制御方法では、水酸化ニッケルを活物質とする正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するアルカリ二次電池の制御方法において、一定のタイミングで正極の電位を算出して取得する正極電位取得のステップと、前記タイミングと同期させてアルカリ二次電池の内圧を算出して取得する内圧取得のステップと、閾値a以下の正極電位であり、かつ閾値b以上の内圧であるときの状態の滞在時間を積算することでダメージ量を算出するダメージ量算出のステップと、前記ダメージ量算出のステップで算出したダメージ量が閾値cに到達した時点で正極を保護する正極保護のステップを備えた。
この場合において、前記正極電位取得のステップでは、セル電圧と負極電位との関係を示すOCVマップを温度、電流毎に備え、前記OCVマップを参照してセル電圧の実測値から負極電位を引くことで、正極電位を推定するようにしてもよい。
また、前記内圧算出のステップでは、電圧、温度、電流値から前記アルカリ二次電池の内圧を推定して算出するようにしてもよい。
前記正極保護のステップは、正極電位をダメージ量に応じた閾値d以下にならないように制御することができる。
前記アルカリ二次電池は、ニッケル水素蓄電池の場合に好適に実施できる。また、前記アルカリ二次電池が、車両の駆動用の車載電池であり、当該電池を制御する電池制御装置により制御する場合に好適に実施できる。
本発明のアルカリ二次電池を制御する制御装置は、車両に搭載された水酸化ニッケルを活物質とする正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するアルカリ二次電池であって、一定のタイミングで正極の電位を算出して取得する正極電位取得装置と、前記タイミングと同期させてアルカリ二次電池の内圧を算出して取得する内圧取得装置と、閾値a以下の正極電位であり、かつ閾値b以上の内圧であるときの状態の滞在時間を積算することでダメージ量を算出するダメージ量算出装置と、前記、ダメージ量算出装置で算出したダメージ量が閾値cに到達した時点で正極を保護する正極保護装置を備えた。
本発明のアルカリ二次電池の制御方法及び制御装置は、容量低下を招くNiHの生成を、適正な条件で根本的に抑制し、正極の容量劣化を効果的に抑制することができる。
図1(a)は、ニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面の充電時の反応を示す模式図である。図1(b)は、放電時の正常な正極の主反応と、酸素が発生し局所的な「液枯れ」を起こした場合の異常な副反応を示す反応式である。 NiHが生成される正極電位[V]と内圧[Pa]の条件の範囲を示すグラフである。 内圧が閾値b以上であって、かつ正極電位が閾値a以下にならないように制御した本実施形態の総放電電気量のグラフL1と、内圧が閾値b以上であって、正極電位が閾値a以下になるかならないかを制御しなかった従来技術の総放電電気量のグラフL2とを比較したグラフである。 実験例の総放電電気量[Ah]に対する容量維持率[%]の変化を示すグラフである。 本実施形態のニッケル水素蓄電池の電池モジュールの一部の断面図である。 本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御装置のブロック図である。 本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法を示すフローチャートである。 本実施形態の正極電位推定の手順を詳細に示すフローチャートである。 本実施形態の内圧推定の手順を詳細に示すフローチャートである。 時間の経過とともにダメージ量が蓄積され、閾値cに到達することを示すグラフである。
以下、本発明のアルカリ二次電池の制御方法を、ニッケル水素蓄電池1の制御方法の一実施形態を用いて図1~10を参照しながら説明する。
<本実施形態の前提>
本実施形態のニッケル水素蓄電池及びその製造方法は、効果的にNiHの生成を抑制することを目的としている。そのためにまず、NiHの生成の機序について説明する。
<正極活物質の粒子の表面>
図1(a)は、ニッケル水素蓄電池の正極の正極活物質2の粒子2aの粒子表面2bの充電時の反応における酸素を示す模式図である。
図1(b)は、放電時の正常な正極の主反応と、酸素が発生し局所的な「液枯れ」を起こした場合の異常な副反応を示す反応式である。
<放電時の正極における主反応>
正極活物質2の粒子2aは、充放電によりNi(OH)とβ-NiOOHとの間で変化する。なお、説明の便宜上正極活物質をNi(OH)として説明する場合がある。ニッケル水素蓄電池の放電時の正常な主反応は、以下の(1)式のように、HOの存在を前提に、β-NiOOHから、Ni(OH)とOHが生成される。この場合、電解液のHOは消費されて減少することになる。OHは、アルカリ電解液4のアルカリイオンとして働く。この場合は、イオンと電子の遣り取りで、酸素Oや水素Hの気体が発生することはない。
β-NiOOH+HO+e→Ni(OH)+OH……(1)
<副反応による酸素の発生及び「液枯れ」の発生>
正極の電位が低くなることがある。そしてHOの電気分解の電位に達すると、副反応としてHOの電気分解が生じる。HOの電気分解では、正極では、以下の(2)式のような反応によりOが発生する。
4OH→O+2HO+4e……(2)
図1(a)に示すように、正極活物質であるNi(OH)/β-NiOOHの正極活物質の粒子表面2bが充電により低い電位になると、上述した(2)式に示すような副反応を生じて、Oの気泡Aのように正極活物質の粒子表面2bに発生する。充電時の正極でOが発生すると、正極活物質の粒子表面2bにOの気泡Aが付着する。このOの気泡Aは、時間が経過すると、正極活物質の粒子表面2bから離脱する。そうすると気泡Aが離脱した場所は、アルカリ電解液4と接触し、HOやOHが供給される。
ところが、その条件によっては、正極活物質の粒子表面2bに発生したOが気泡Bのように、正極活物質の粒子表面2bから離脱するのに時間がかかる場合がある。このように正極活物質の粒子表面2bに付着した気泡BのようなOの気泡はアルカリ電解液を遮断する。その結果、正極活物質の粒子表面2bのHOやOHを物理的に排除することとなり、その部分は、局所的な「液枯れ」となる。ここにはHOもOHも、物理的に存在しない。
<「液枯れ」によるNiHの生成>
そうすると正常な反応では、図1(b)の式Aに示すように反応にHOが必要であるが、HOが供給されない「液枯れ」の場合、ニッケル水素蓄電池の放電時の異常な副反応が生じ、以下の(3)式のような反応となる。
16β-NiOOH+4e→8NiH+2HO+O+4OH……(3)
つまり、HOを使わずに反応し、逆にHOを生成する。そしてそのときの生成物として、NiHと、Oと、OHとを生成する。このうち、Oは、時間が経過すると以下に示す(4)式のようにセパレータを介し、負極にてスムーズに吸収され(リコンビネーション反応)、密閉系を保っている。OHはアルカリ電解液4に戻る。
4MH+O→4M+2HO……(4)
ここで、NiHについては、電気化学的に不活性な生成物であり、NiHが発生すると、不可逆的に蓄積され、電池抵抗の上昇や電池容量の低下を引き起こすことが問題とされている。そのため、NiHの発生は好ましくないとして通常では抑制される。
<ニッケル水素蓄電池のメモリ効果>
ニッケル水素蓄電池では、低SOCで繰り返し充放電されることでメモリ効果が発生することが知られている。メモリ効果が生じた電池系では、電圧が貴にシフトする。すなわち同じSOCでも充電時に電圧が高くなり、放電時には電圧が低くなることで、特にOが発生しやすくなる。その結果、正極活物質の粒子表面2bで酸素が発生した場所で、瞬間的に局所的に液枯れが発生するため、上記式(3)に示すように不足したHOを生成しようとする反応と同時にNiHが生成される。NiHが生成されると急激な容量低下を招く。
<ニッケル水素蓄電池におけるNiH生成のメカニズム>
上述のように、ニッケル水素蓄電池において、NiHは、充電の際の正極の電位により充電の副反応で酸素Oの気体が発生し二次電池の内圧が上昇する。このOにより「液枯れ」が生じ、NiHが生成するメカニズムを解析した。
このようなNiHの生成のメカニズムによれば、単に正極電位が低下しても、実際に酸素Oが発生していなければ「液枯れ」が生じないため、NiHが生成されない。
一方、単に内圧が上昇したからといって、必ずNiHが生成されるわけではない。二次電池の内圧が上昇するのは、必ずしも酸素Oの気体の発生によるものには限られず、例えば水素Hの気体の発生による場合もある。水素Hの気体が発生して内圧が高まった場合は、やはり、NiHは生成されない。
すなわち、本発明者は、充電の際の正極電位の低下が酸素発生の電位となり、かつ実際に酸素Oの気体が発生して内圧が高い状態のときに、「液枯れ」が生じるものと推定して、これを実証した。
<車載のニッケル水素蓄電池のメモリ効果>
次に、車載のニッケル水素蓄電池のメモリ効果について説明する。電動機を搭載した電気自動車(ハイブリッド自動車等も含む)は、二次電池に蓄えられた電力により、電動機を駆動している。このような二次電池においてニッケル水素蓄電池のようなアルカリ二次電池は、大電流の充放電が可能であることから車両用として広く普及している。このような車載のニッケル水素蓄電池は過酷な使用環境にさらされる場合がある。例えば、低SOC(State Of Charge)の状態で、充放電が繰り返される場合がある。このような使用環境では、メモリ効果が発生することが知られている。メモリ効果が発生すると電池の充電カーブが貴にシフトする。すなわち、同じSOCであっても正極電位が高くなる。一方、放電時には、電池の放電カーブが卑にシフトする。すなわち同じSOCであっても正極電位が低くなる。そうすると、上述したようなメカニズムで、「液枯れ」によるNiHの生成が起こりやすい。
<車載のニッケル水素蓄電池に対する制御の必要性>
NiHが発生すると、不可逆的に蓄積され、ニッケル水素蓄電池の容量の低下が生じる。そのような容量が低下したニッケル水素蓄電池に対しては、その劣化に応じた制御をしなければ、さらに劣化が進行することになる。
<本実施形態の原理>
そこで、本実施形態では、水酸化ニッケルを活物質とする正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有する車載用のニッケル水素蓄電池を例に挙げて説明する。
図2は、NiHが生成される正極電位[V]と内圧[Pa]の条件の範囲を示すグラフである。閾値a[V]は、酸素Oの発生しやすい正極電位[V]の境界値であり、閾値b[Pa]は、ニッケル水素蓄電池内で気体が発生しているか否かを判断するための境界値である。例えば、閾値a[V]は0.3[V]程度、閾値b[Pa]は0.3[Pa]程度が例示できる。但し、電池の形状や活物質等の材料によっては、当該値は変動するものであり、特に、限定されるものではない。
「閾値a以下の正極電位」であり、「閾値b以上の内圧」でない左下の領域VLPLの場合では、内圧が低いことから、酸素Oの発生が少なく「液枯れ」によるNiHの生成が生じる可能性が低い。
また、「閾値a以下の正極電位」ではないが、「閾値b以上の内圧」である右上の領域VHPHの場合は、内圧が高いものの、正極電位が高いことから発生した気体が酸素Oではないと推定され上記した「液枯れ」によるNiHの生成が生じる可能性が低い。
「閾値a以下の正極電位」でもなく「閾値b以上の内圧」でもない左上の領域VHPL場合も、内圧が低いことから、酸素Oの発生が少なく「液枯れ」によるNiHの生成が生じる可能性が低い。
そして、「閾値a以下の正極電位」かつ「閾値b以上の内圧」である状態の右下の領域VLPHでは、上述したメカニズムで、正極電位が酸素Oの発生しやすい電位である。かつ実際に内圧が高く酸素Oが発生しているものと推定され、「液枯れ」によるNiHの生成が生じる可能性が極めて高い。そこで、この「閾値a以下の正極電位」かつ「閾値b以上の内圧」である状態の滞在時間を算出する。正極電位[V]と内圧[Pa]は、車両の運用中は、制御装置10(図7参照)により、一定のタイミング(例えば、本実施形態では1秒間隔)で同時に測定・演算される。すなわち、この1秒間隔で同期した「閾値a以下の正極電位」かつ「閾値b以上の内圧」である状態において所定量のNiHが生成されると仮定する。すなわち、ニッケル水素蓄電池の使用時間において、「閾値a以下の正極電位」かつ「閾値b以上の内圧」のNiHが生成される可能性が極めて高い状態に、どの程度滞在したかというデータである。
本実施形態では、「閾値a以下の正極電位」かつ「閾値b以上の内圧」のNiHが生成される可能性が極めて高い状態に、どの程度の時間滞在したかということに着目している。そこで、実際にこのようなNiHが生成される可能性が極めて高い状態の滞在時間を計測することもできる。しかしながら、上記手順で検出される取得回数である「頻度」の回数に比例して、NiHが生成される可能性が極めて高い時間に長く滞在すると推定できる。そこで、本実施形態では処理の単純化から「滞在時間」を「頻度」で表し、この「頻度」を蓄積し、これを「ダメージ量」と観念している。
このNiHの生成が生じる可能性が極めて高い状態の「頻度」を算出することで、このようなNiHの生成が生じる可能性が極めて高い状態において生成されるNiHの蓄積量を推定して、これを「ダメージ量」とみなすものである。この「ダメージ量」は、NiHの生成を示す変数であり、本実施形態では単位はカウント回数となる。どれだけの回数の「ダメージ量」が蓄積されると、電池の容量が劣化するかという実験を通して閾値cが決定される。
<実験例の正極電位が閾値a以下になった頻度[%]>
図3は、正極電位を制御した場合とそうでない場合を比較するグラフである。グラフL1は、内圧[Pa]が閾値b[Pa]以上であって正極電位[V]が閾値a[V]以下にならないように制御した総放電電気量[Ah]を示す。グラフL2は、内圧[Pa]が閾値b[Pa]以上であって正極電位[V]が閾値a[V]以下になるかならないかを制御しなかった従来技術の総放電電気量を示す。
本発明者は、実験例1と実験例2とで、これらの総放電電気量を比較した。実験例1は、内圧[Pa]が閾値b[Pa]以上の状態で、且つ正極電位[V]が閾値a以下にならないように制御したものである。実験例2は、内圧[Pa]が閾値b[Pa]以上であって、且つ正極電位が閾値a以下になるかならないかを制御しなかった従来技術である。
実験例1では、内圧[Pa]が閾値b[Pa]以上の状態で、正極電位[V]が閾値a[V]以下にならないように制御した。このため、当然ではあるがグラフL1に示すように、総放電電気量[Ah]が大きくなっても、正極電位[V]が閾値a[V]以下になった頻度はゼロである。その結果、実験例1のニッケル水素蓄電池では、総放電電気量[Ah]が6000[Ah]を大きく超すまで、電池寿命が維持できた。
一方、従来技術の実験例2では内圧[Pa]が閾値b以上[Pa]であって正極電位[V]が閾値a[V]以下になるかならないかを制御しなかった。このため、グラフL2に示すように、総放電電気量[Ah]が2000[Ah]を超えるあたりまでは、正極電位[V]が閾値a[V]以下になった頻度[%]はゼロであった。しかしながら、総放電電気量[Ah]が2000[Ah]を超えるあたりから、正極電位[V]が閾値a[V]以下になった頻度[%]が突然高くなる。そして、総放電電気量[Ah]が概ね3000[Ah]超えるあたりで、80%を超す頻度となり、電池寿命が尽きてしまった。これは、一旦NiHが発生すると、発生したNiHにより、さらに急激に液枯れを起こし、加速度的にNiHが生成されるためであると推定できる。
<実験例の電池寿命>
図4は、実験例の総放電電気量[Ah]に対する容量維持率[%]の変化を示すグラフである。
容量維持率[%]は、未使用の電池容量を100%とした場合の電池容量の割合を示す値で、ここでは、例えば70%以下であると電池寿命が尽きたとする。L3で示す実験例1のニッケル水素蓄電池では、総放電電気量[Ah]が2000[Ah]では、容量維持率[%]が90%を割る程度である。さらに総放電電気量[Ah]が多くなると、漸次容量維持率[%]は低下していく。そして、総放電電気量[Ah]がおよそ6000[Ah]になると、この時点で容量維持率[%]は80%を割り込むが、まだ使用可能な容量維持率[%]である。
一方、L4で示す実験例2では、総放電電気量[Ah]が2000[Ah]では、容量維持率[%]が90%を割る程度で、実験例1と大きな差はない。
しかし総放電電気量[Ah]が3000[Ah]になると、容量維持率[%]が70%程度に急速に低下する。この時点で、すでに電池交換が必要な容量維持率[%]となる。
さらに、総放電電気量[Ah]が3000[Ah]を超えると、容量維持率[%]が60%程度に急激に低下し、完全に電池寿命が尽きた状態となる。
<本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法が電池寿命を延命できる理由>
図3、図4からわかるように、従来技術の実験例2において急激に電池容量が低下するのは、一旦NiHが発生すると、急激に液枯れを起こし、加速度的にNiHが生成されるためであると推定できる。したがって、このような急激な液枯れによりNiHの蓄積量が爆発的に発生する前に、NiHが発生しない正極電圧[V]かつ内圧[Pa]にすることで、NiHの発生を確実に抑止する。
本実施形態では、このようなNiHの蓄積量をダメージ量として管理することで、対象となるニッケル水素蓄電池に蓄積されたNiHの量を正確に推定して、このダメージ量に応じた適正な制御を行う。このような制御で、ニッケル水素蓄電池の正極の容量寿命を延命することができる。
<本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御装置>
以下、本実施形態の前提となるニッケル水素蓄電池及びその制御装置の一例について簡単に説明する。
<ニッケル水素蓄電池>
図5は、本実施形態のニッケル水素蓄電池の電池モジュール90の一部の断面図を示す。図5に示すように、ニッケル水素蓄電池は、密閉型電池であり、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両の電源として用いられる車載電池である。車両に搭載されるニッケル水素蓄電池としては、所要の電力容量を得るべく、複数の単電池110を電気的に直列接続して構成された電池モジュール90からなる角形密閉式の二次電池が知られている。
電池モジュール90は、複数の単電池110を収容可能な一体電槽100と、この一体電槽100を封止する蓋体200とによって構成される直方体状の角形ケース300を有している。なお、この角形ケース300は、樹脂製のものを用いることができる。
角形ケース300を構成する一体電槽100は、アルカリ性の電解液に対して耐性を有する合成樹脂材料、例えばポリプロピレンやポリエチレン等により構成されている。そしてこの一体電槽100の内部には、複数の単電池110を区画する隔壁120が形成されており、この隔壁120によって区画された部分が、単電池110毎の電槽130となる。一体電槽100は、例えば、6つの電槽130を有しており、図5には、その一部の4つが示されている。
こうして区画された電槽130内には、極板群140と、その両側に接合された正極の集電板150及び負極の集電板160とが電解液とともに収容されている。
極板群140は、矩形状の正極板141及び負極板142がセパレータ143を介して積層して構成されている。このとき、正極板141、負極板142及びセパレータ143が積層された方向(紙面に鉛直な方向)が、積層方向である。極板群140の正極板141及び負極板142は、板面の方向(紙面に沿う方向)であって互いに反対側の側部に突出されることで正極板141のリード部141a及び負極板142のリード部142aが構成されている。これらリード部141a,142aの側端縁にそれぞれ集電板150,160が接合されている。
また、隔壁120の上部には各電槽130の接続に用いられる貫通孔170が形成されている。貫通孔170は、集電板150の上部に突設されている接続突部151、及び集電板160の上部に突設されている接続突部161の2つの接続突部151,161同士が該貫通孔170を介して溶接接続される。このことで、各々隣接する電槽130の極板群140を電気的に直列接続させる。貫通孔170のうち、両端の電槽130の各々外側に位置する貫通孔170には、一体電槽100の端側壁上方で正極の接続端子152又は負極の接続端子(図示略)が装着される。正極の接続端子152は、集電板150の接続突部151と溶接接続される。負極の接続端子は、集電板160の接続突部161と溶接接続される。こうして直列接続された極板群140、すなわち複数の単電池110の総出力が正極の接続端子152及び負極の接続端子から取り出される。
一方、角形ケース300を構成する蓋体200には、角形ケース300の内部圧力を開弁圧以下にする排気弁210と、極板群140の温度を検出するためのセンサを装着するセンサ装着穴220が設けられている。センサ装着穴220は、極板群140の近傍まで電槽130内を延びる穴によって、極板群140の温度を測定可能にしている。
排気弁210は、一体電槽100内の内部圧力を許容されうる閾値以下に維持するためのものであり、内部圧力の値が許容される閾値を超えた開弁圧以上になった場合には、開弁されることで一体電槽100内部に発生したガスを排出する。一体電槽100の内部圧力は、隔壁120に形成された図示しない連通孔で全ての電槽130で均一化されている。これにより、一体電槽100は、全ての電槽130で均一化された内部圧力が開弁圧未満になるまでガスを排出して、その内部圧力が許容されうる開弁圧未満に維持されるようになる。
<極板群140の構成>
<正極板141>
正極板141は、基材となる正極基材として、多孔性金属であるNi若しくはNi合金からなる発泡ニッケル三次元多孔体が用いられる。正極基材は、立体的な網状の構造を有した骨部と、この骨部に囲まれた孔部を有する。正極基材は、例えば発泡ウレタンのウレタン骨格表面にニッケルメッキを施した後、発泡ウレタンを焼失させて製造される。正極板141は、Ni(OH)及びCoを活物質として含有している正極合材層を備えている。詳しくは、粒状の水酸化ニッケルに、水酸化コバルトや金属コバルト粉末などの導電剤、そして必要に応じてカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を適量加えてまずはペースト状に加工する。その後、こうしてペースト状になった加工物を、正極基材の網目状の孔部bに充填して正極合材層を形成する。その後、これを乾燥、圧延、切断することによって板状の正極板141を形成する。
<負極板142>
負極板142は、例えば、ランタン、セリウム、及びネオジム等の希土類元素の混合物であるミッシュメタル、ニッケル、アルミニウム、コバルトおよびマンガンを構成要素とする水素吸蔵合金を活物質として構成されている。これも詳しくは、この水素吸蔵合金にカーボンブラックなどの導電剤、そして必要に応じてカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤や、スチレン-ブタジエン共重合体などの結着剤を添加してまずはペースト状に加工する。その後、こうしてペースト状に加工された水素吸蔵合金を、パンチングメタル(活物質支持体)などの芯材に塗布あるいは充填した後、これを乾燥、圧延、切断することによって同じく板状の負極板142を形成する。
<セパレータ143>
セパレータ143としては、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の不織布、もしくは必要に応じてこれにスルフォン化などの親水処理を施したものを用いることができる。
本実施形態のニッケル水素蓄電池の電池モジュール90は以上のような構成を備えている。
<ニッケル水素蓄電池の制御装置10>
図6は、本実施形態のニッケル水素蓄電池1の制御装置10のブロック図である。次に、図6を参照して、ニッケル水素蓄電池1の制御装置10について説明する。なお、ここでは、ニッケル水素蓄電池1は、電池モジュール90を収容した電池パック24の状態で制御する場合について説明する。
<制御装置10>
電池制御装置である制御装置10は、車両に搭載し、いわゆるオンボードでリアルタイム又は蓄積データに基づいて車両の電池モジュール90を制御することができる。
制御装置10は、発電機としてのモータジェネレータ17からの電流を、電池モジュール90を充電させる充電装置としてのインバータ20を制御して充電する。また、制御装置10は、負荷となる駆動用モータとしてのモータジェネレータ17に、電池モジュール90からの電流を電力供給装置としてのインバータ20を制御して放電する。
制御装置10は、電池モジュール90の電流を測定する電流検出器21と、電池モジュール90の端子間電圧を測定する電圧検出器22と、電池モジュール90の温度を測定する温度検出器23とを備えている。
温度検出器23は、図5に示すセンサ装着穴220に配置された温度センサを備えている。温度センサは、電池モジュール90のうちの対応する単電池110の極板群140の近傍の温度を測定するとともに、測定した温度値を制御装置10に電気信号で出力する。
<制御部11>
制御装置10の制御部11は、制御装置10全体の制御を行うCPU、RAM、ROM、インタフェイスを備えたコンピュータとして構成されている。なお、この制御部11は、ダメージ量算出装置及び正極保護装置として機能する。
<情報取得部12>
情報取得部12は、逐次電流検出器21から充電電流値を取得し、電圧検出器22から電圧値を取得し、温度検出器23から電池温度を取得して記憶する。
<記憶部13>
記憶部13は、制御装置10のプログラムや、必要なデータが記憶される記憶媒体を備える。プログラムは、図7~図9に示すフローチャートの以下のステップを実行するプログラムを備える。例えば図7の正極電位推定(S2)、内圧推定(S4)、正極保護制御(S9)のプログラムを記憶する。さらに、以下の図9のプログラムを記憶する。充電リザーブとガス吸収速度との関係取得のステップ(S401)。測定のステップ(S402)。内圧増加速度算出のステップ(S403)。充電リザーブ量推定のステップ(S404)。内圧低下速度補正値算出のステップ(S405)。内圧低下速度算出のステップ(S406)。補正内圧低下速度算出のステップ(S407)。推定内圧算出のステップ(S408)。負極SOC推定のステップ(S409)。水素平衡圧算出のステップ(S410)。補正負極水素平衡圧算出のステップ(S411)。補正推定内圧算出のステップ(S412)。
また、記憶部13には、制御の前提のデータとして、正極電位推定部14において使用される温度[°C]、電流[A]ごとに、「セル電圧[V]と負極電位[V]の関係を取得したOCVマップに基づくテーブルデータ」が記憶されている。また、内圧推定部15で用いられる「充電リザーブとガス吸収速度の関係」の実測データに基づいたマップも記憶される。また、「温度と内圧増加速度の関係」、「温度と内圧低下速度の関係」のマップも記憶される。これ以外に、「電池の電圧と負極SOCの関係」のマップも記憶される。「負極SOCと水素平衡圧の関係」のマップも記憶される。「温度と水素平衡圧の関係」のマップも記憶される。
また、「ニッケル水素蓄電池1の使用履歴から推定される電池の劣化状態」及び「ニッケル水素蓄電池1の劣化状態と充電リザーブ量の関係」のマップも記憶される。
<正極電位推定部14>
正極電位推定部14は、電圧検出器22で測定したセル電圧から、予め記憶部13に記憶されている「セル電圧と負極電位に関係を取得したテーブルデータ」から、負極の電位を推定する。そして正極電位推定部14は、セル電圧から負極電位との差から正極電位の推定を行う。この正極電位推定部14が、制御装置10を正極電位取得装置として機能させる。
<内圧推定部15>
内圧推定部15は、情報取得部12によって取得され蓄積された車載のニッケル水素蓄電池の温度、電圧、電流などに基づいて図8に示すフローチャートの手順で電池の内圧の推定が行う。詳細は、後述する。この内圧推定部15が、制御装置10を内圧取得装置として機能させる。
<充放電制御部16>
充放電制御部16は、電池モジュール90の電圧を監視して、SOCが閾値より低下している場合は、モータジェネレータ17により発電してインバータ20を介し電池モジュール90を充電する。一方、車両の制動時にモータジェネレータ17からの回生電流を、インバータ20を介して供給することで電池モジュール90を充電する。この場合、充放電制御部16は、過大な電流や、電池モジュール90のSOCが高すぎる場合は、充電を制限する。このときの閾値などは、記憶部13に記憶されている。また、図8に示す正極保護制御(S9)においても、正極の電位が閾値dを下回らないように充放電を制御する。
一方、充放電制御部16は、車両の駆動時では、車両のECU(Electronic Control Unit)からの指令で、電池モジュール90から必要な電流を、インバータ20を介しモータジェネレータ17に供給する。
<本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法の手順>
図7は、本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法の手順を示すフローチャートである。図7を参照して本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法の手順を説明する。
上記したとおり本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法の手順を実施する前に、制御装置10の記憶部13には、正極電位推定(S2)や内圧推定(S4)で使用されるテーブルデータやマップなどのデータが記憶されている。
車両の運用が開始されると(開始)、まず、制御が続行されているか否かが判断される(S0)。車両の運用が終了するなどで制御が終了場合は(S0:YES)、ニッケル水素蓄電池の制御方法も終了する(終了)。制御が続行される場合は(S0;NO)、正極電位推定(S2)や内圧推定(S4)を行う所定のタイミングである場合には、ニッケル水素蓄電池の電圧[V]、電流[A]、温度[°C]などが測定される(S1)。このタイミングは、制御装置10のカウンタにより、例えば1秒ごとの一定のタイミングで測定される。そこで、この測定タイミングか否かが例えば100msごとに判定され(S1)、この測定のタイミング前では(S1:NO)、待機のループ(S0:NO→S1:NO→S0)となる。そして、所定の測定のタイミングが到来したら(S1:YES)、ニッケル水素蓄電池の電圧[V]、電流[A]、温度[°C]を測定し、正極電位推定(S2)と内圧推定(S4)の手順が同時に並行して処理される。
<正極電位推定の手順(S2)>
図8は、本実施形態の正極電位推定(S2)の手順のサブルーチンを詳細に示すフローチャートである。以下、図8に示すフローチャートを参照して正極電位推定(S2)の手順を詳細に説明する。
正極電位推定(S2)が開始されると、まず測定したセル電圧[V]、温度[°C]、電流[A]が読み込まれる(S201)。次に、記憶部13に温度[°C]、電流[A]ごとに記憶されている「セル電圧と負極電位の関係を取得したテーブルデータ」を読み出す(S202)。読み込まれたセル電圧[V]を、該当する温度[°C]、電流[A]の「セル電圧と負極電位に関係を取得したテーブルデータ」を参照して、負極電位[V]を推定する(S203)。次に、推定した負極電位に基づき、
セル電圧[V]-負極電位[V]=正極電位[V]
という関係に基づき、正極電位[V]を推定する(S204)。
以上のような手順で、正極電位[V]を推定し、正極電位推定(S2)の手順を終了し(終了)、図7の正極電位[V]が閾値a[V]以下か否かを判定する手順(S3)に進む。
<正極電位[V]が閾値a[V]以下か否かを判定する手順(S3)>
正極電位推定(S2)の手順で推定した正極電位[V]は、予め対象となるニッケル水素蓄電池の特性に合わせて酸素発生のおそれが生じる正極電位[V]が、「閾値a[V]」として設定され制御装置10の記憶部13に記憶されている。制御部11は、記憶部13に記憶されている閾値a[V]を読みだして、正極電位推定(S2)の手順で推定した正極電位[V]が、この閾値a[V]以下であるか否かを判断する(S3)。正極電位推定(S2)の手順で推定した正極電位[V]が、この閾値a[V]以下でない場合(S3:NO)、S0に戻り、制御終了か否かが判断され(S0)、次の測定タイミングまで待機する(S0:NO→S1:NO→S0)。
一方、正極電位推定(S2)の手順で推定した正極電位[V]が、この閾値a[V]以下である場合は(S3:YES)、S6での処理をするため、情報取得部12にフラグを立てておく。
<内圧推定の手順(S4)>
制御部11は、正極電位推定の手順(S2)と並行して、内圧推定の手順(S4)を実行する。
図9は、本実施形態の内圧を推定する手順(S4)の詳細を示すサブルーチンのフローチャートである。この図9に示すフローチャートを参照して内圧推定の手順(S4)を説明する。
まず、制御装置10(図6参照)は、測定のステップ(S402)で、ニッケル水素蓄電池1の電圧、電流、及び温度を測定する。そして、内圧低下速度算出のステップ(S406)で、測定した温度に基づいて負極のガス吸収速度に基づく「内圧低下速度」を算出する。並行して、充電リザーブ量推定のステップ(S404)で、測定した電圧、電流、及び温度に基づいて「充電リザーブ量」の推定をする。内圧低下速度補正値算出のステップ(S405)では、推定した「充電リザーブ量」に基づいて「内圧低下速度補正値」を算出する。なお、この推定のために、予め充電リザーブと負極のガス吸収速度の関係などが、制御装置10の記憶部13(図6参照)に読み込まれている(S401)。そして、補正内圧低下速度算出のステップ(S407)では、内圧低下速度補正値算出のステップ(S405)で算出した「内圧低下速度」を、「内圧低下速度補正値」に基づいて補正してより正確な「補正内圧低下速度」を算出する。
次に、推定内圧算出のステップ(S408)により、「補正内圧低下速度」と、温度に基づいて算出した「内圧増加速度」とから「推定内圧」を算出する。
さらに、負極SOC推定のステップ(S409)で、負極SOCを推定する。また、水素平衡圧算出のステップ(S410)で、温度から負極の「水素平衡圧」を算出する。一方、補正水素平衡圧算出のステップ(S411)で、負極SOCと負極の水素平衡圧の関係から「補正水素平衡圧」を算出する。
そして、補正推定内圧を算出のステップ(S412)において、「水素平衡圧」に基づいてより正確な「補正推定内圧」を算出する。
このように「補正推定内圧」を算出したら、内圧推定の手順(S4)を終了する。
以上のような手順で、内圧[Pa]を推定し、内圧推定(S4)の手順を終了し(終了)、図7の内圧[Pa]が閾値b[Pa]以上か否かを判定する手順(S5)に進む。
<内圧が閾値b以上か否かを判定する手順(S5)>
内圧推定(S4)の手順で推定した内圧は、予め対象となるニッケル水素蓄電池の特性に合わせて気体発生による内圧[Pa]が液枯れを生じるおそれのある内圧[Pa]である「閾値b[Pa]」として設定され制御装置10の記憶部13に記憶されている。制御部11は、記憶部13に記憶されている閾値b[Pa]を読み出して、内圧推定(S4)の手順で推定した内圧[Pa]が、この閾値b[Pa]以上であるか否かを判断する(S5)。内圧推定(S4)の手順で推定した内圧[Pa]が、この閾値b[Pa]以上でない場合(S5:NO)、S0に戻り、制御終了か否かが判断され(S0)、次の測定タイミングまで待機する(S0:NO→S1:NO→S0)。
一方、内圧推定(S4)の手順で推定した内圧[Pa]が、この閾値b[Pa]以上である場合は(S5:YES)、S6での処理をするため、情報取得部12にフラグを立てておく。
<正極電位の閾値a[V]以下、かつ内圧の閾値b[Pa]以上の場合の処理(S6)>
制御部11は、情報取得部12に、正極電位の閾値a[V]以下のフラグと、内圧の閾値b[Pa]以上のフラグが同時に立っていた場合は、正極電位の閾値a[V]以下かつ内圧の閾値b[Pa]以上の場合と認定する。そして、このサイクルの測定をNiHが発生したことが推定されるとして、「頻度1回」と認定する。
<頻度の積算(S7)>
制御部11は、S6で認定された「頻度」を情報取得部12に、回数を積算して「頻度積算値」として記憶していく(S7)。この「頻度積算値」を本実施形態では、「ダメージ量」と称する。単位は回数となる。すなわち、正極電位閾値a[V]以下かつ内圧閾値b[Pa]以上の場合に発生が推定されるNiHが蓄積した総量と観念される。
<頻度積算値≧閾値cか否かの判断(S8)>
S7で積算された頻度積算値が、予め対象となるニッケル水素蓄電池の寿命を著しく短くするNiHが蓄積した総量を実験などを通じて閾値cとして設定する。そしてS7で求めた頻度積算値を閾値cと比較する(S8)。ここで、頻度積算値≧閾値cではない、すなわち頻度積算値が閾値c未満の場合は(S8:NO)、対象となるニッケル水素蓄電池の正極に問題がないとして、S0に戻り、次の測定タイミングまで待機する(S0:NO→S1:NO→S0)。この場合は、現在行っている正極の電位の制御で問題がないと判断して、現在行っている正極の電位の制御を変更せず、そのまま現在行っている正極の電位の制御を続行する。
図10は、時間の経過とともにダメージ量が不可逆的に蓄積され、閾値cに到達することを示すグラフである。頻度積算値≧閾値cか否かの判断(S8)において、「頻度積算値≧閾値c」か否かを判断する。頻度積算値が閾値c以上の場合は(S8:YES)、対象となるニッケル水素蓄電池の正極にNiHが蓄積され、現在行っている正極の電位の制御では問題があると判断する。すなわち、図10に示すように、このままの制御であるとダメージ量、すなわちNiHの蓄積量が、図3、図4の実験例2に示すような雪崩的に容量低下を起こす状態に近づいていることを示している。
そこで、頻度積算値≧閾値cである場合(S8:YES)、正極保護制御の手順(S9)を行う。つまり、閾値cは、ニッケル水素蓄電池の容量が正常な範囲で維持できる限界の頻度である。
<正極保護制御(S9)>
正極保護制御の手順(S9)は、正極保護制御の手順を変更する。現在の制御では、NiHの蓄積量を少なく見積もっており、想定外のNiHの生成を許していたことになる。そこで、さらにNiHの生成を抑制するために、制御の基準をもっと厳しいものとする。具体的には、酸素O生成の正極電位[V]の閾値d[V]と見積もっていたのを、現在の正極電位[V]の閾値d[V]より引き上げ、閾値d[V]に替えてより高い正極電位[V]の閾値d+α[V]とする。そして制御装置10は、より高く設定した正極電位[V]の閾値d+α[V]に基づいて正極電位[V]が閾値d+α[V]未満にならないように制御する。具体的には、制御部11は常時電池モジュール90のセル電圧[V]を監視する。そして正極電位[V]を推定し、モータジェネレータ17が大電力を消費したり、長時間モータジェネレータ17による発電がなされていないエアコンや灯火などの負荷により電力を消費してセル電圧[V]が低下したりした場合を検出する。このような場合、推定した正極電位[V]が、新たに設定した閾値d+α[V]未満にならないように、モータジェネレータ17により発電したり、出力の制限をすることで正極電位[V]が新たに設定した閾値d+α[V]未満にならないようにする。このような制御により、NiHの生成を効果的に抑制することで、ニッケル水素蓄電池の容量寿命を延命することが可能となる。正極保護制御の手順(S9)が完了したら、S0に戻る。
(実施形態の作用)
本実施形態は上記のような構成を備えるため、車両に搭載されたニッケル水素蓄電池においてNiHが生成され、蓄積されることによる容量低下をダメージ量として正確に推定することができる作用がある。
具体的な作用は、閾値a[V]以下の正極電位であり、かつ閾値b[Pa]以上の内圧であるときの状態の頻度を積算する(S7)。この頻度を積算することでニッケル水素蓄電池の正極に蓄積されたNiHの量を「ダメージ量」として正確に推定することができる。
このダメージ量を監視し、所定の閾値である閾値cを超えた場合(S8:YES)は、ニッケル水素蓄電池が急激な容量の低下を招かないように、正極保護のステップ(S9)を実施する。正極保護のステップ(S9)の作用は、正極電位をよりNiHが生成しにくい電位となるように制御することで、ニッケル水素蓄電池が急激な容量低下を起こさないようにする作用がある。
(実施形態の効果)
本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法では、以下のような効果がある。
(1)本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法では、容量低下を招くNiHの生成を、適正な条件で根本的に抑制し、正極の容量劣化を抑制することができる。
(2)本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法では、制御装置10が車両に搭載されたコンピュータから構成され、いわゆるオンボードで車両上の構成のみで完結するシステムである。そのため、車両の運用に際して、自律的に本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法を実施して車載のニッケル水素蓄電池を保護することができる。
(3)特に、車両の運用中に、急激に正極容量が低下することで、急に車両が運用できないような事態を回避することができる。
(4)正極の電位を算出して取得する正極電位取得のステップと、アルカリ二次電池の内圧を算出して取得する内圧取得のステップとを備えている。これらの手順からNiHの生成する条件を複合的に解析して条件を決定したため、NiHの生成する条件を正確に特定することができる。そのため、確実にNiHの生成を推定することができる。
(5)正極電位の条件と、内圧の条件は、それぞれ実験などにより導かれた閾値a、閾値bにより判断するので、正確な判定をすることができる。
(6)正極電位取得のステップでは、セル電圧と負極電位との関係を示すOCVマップを温度、電流毎に備え、OCVマップを参照してセル電圧の実測値から負極電位を引くことで、正極電位を推定する。このため、車載の制御装置10においても、迅速に処理することができる。
(7)内圧算出のステップでは、電圧、温度、電流値からアルカリ二次電池の内圧を推定して算出する。このため、内圧をいろいろな条件を加味して正確に推定することができる。
(8)NiHの蓄積状態をダメージ量に置き換え、閾値dで判断することで容易に電池が急速に劣化する危険な状態であることを推定することができ、NiHが加速度的に一気に生成される状態を回避することができる。
(9)NiHの蓄積が大きく、電池の容量が危険な状態である場合に、正極保護のステップにより、それ以上のNiHを蓄積させないようにすることができる。
(10)正極保護のステップによれば、正極電位をダメージ量に応じた閾値d以下にならないように制御する。そのため、それ以上のNiHを蓄積させないようにすることができる。
(11)本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法では、既存の電池を制御するためのECUなどを使用して実施することができる。そのため、ソフトウエアだけで、本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法を実施できる。そのため、既存の車両を改造することなく本実施形態のニッケル水素蓄電池の制御方法を実施できる。
(変形例)
上記実施形態は、以下のようにしても実施することができる。
〇本実施形態では、本実施形態では、「閾値a以下の正極電位」かつ「閾値b以上の内圧」のNiHが生成される可能性が極めて高い状態に、どの程度の時間滞在したかということを「頻度」の回数によって判断している。しかしながら、「頻度」によらず、実際にこのようなNiHが生成される可能性が極めて高い状態の滞在時間を計測して、積算することもできる。
〇また、本実施形態では、図2に示すように、閾値aと閾値bにより、4つの領域に分けて、「閾値a以下の正極電位」かつ「閾値b以上の内圧」のNiHが生成される可能性が極めて高い状態を判断している。しかし、閾値をNiHが生成される可能性に応じて複数設定し、それぞれの領域において重みづけをした値を積算するようにしてもよい。
○本実施形態では、「正極電位」は、セル電圧から所定の方法で推定している。しかしながら、他の推定方法に基づくような方法で推定してもよい。さらに、推定でなく「正極電位」を実測するような方法でももちろん良い。
○また、本実施形態の「内圧」も、電圧、電流、温度などの情報から推定するようにしている。この推定方法は一例であり、もっと簡略化したようなものでもよいし、別のデータから推定するような方法でもよい。さらに、推定でなく「内圧」を実測するような方法でももちろん良い。
○図5に示すニッケル水素蓄電池の電池モジュール90、図6に示す制御装置10は、一例であり、このような構成に限定されるものではない。制御装置10は、車両のECUによってその機能を行ってもよい。また、電池パック24に独立して設けることもできる。
〇本実施形態では、電気自動車に搭載されるニッケル水素蓄電池を一例に、本発明を説明したが、船舶用、航空機用の電池にも好適に適用できる。さらに、定置用の電池に応用することも可能である。
〇アルカリ二次電池は、ニッケル水素蓄電池に限定されるものではなく、他のアルカリ二次電池においても実施できる。
○図7~9に示すフローチャートは、本実施形態の実施の一例であり、当業者によりその手順の順序を変更し、手順を付加し、削除し、又は変更して実施することができることは言うまでもない。
○本実施形態に例示された数値範囲は具体例であり、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者により対象となるアルカリ二次電池に応じて適宜最適化がなされるものである。
○本発明は、実施形態に記載されていない場合でも、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、当業者によりその構成を付加し、削除し、又は変更して実施することができることは言うまでもない。
1…ニッケル水素蓄電池
2…正極活物質
2a…粒子
2b…粒子表面
4…アルカリ電解液
10…ニッケル水素蓄電池の制御装置
11…制御部
12…情報取得部
13…記憶部(プログラム、マップ・電池使用履歴等)
14…正極電位推定部
15…内圧推定部
16…充放電制御部
17…モータジェネレータ
20…インバータ
21…電流検出器
22…電圧検出器
23…温度検出器
24…電池パック
90…電池モジュール
100…一体電槽
110…単電池
120…隔壁
130…電槽
140…極板群
141…正極板
141a…リード部
142…負極板
142a…リード部
143…セパレータ
150…集電板
151…接続突部
152…接続端子
160…集電板
161…接続突部
170…貫通孔
200…蓋体
210…排気弁
220…センサ装着穴
300…角形ケース

Claims (7)

  1. 水酸化ニッケルを活物質とする正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するアルカリ二次電池の制御方法において、
    一定のタイミングで正極の電位を算出して取得する正極電位取得のステップと、
    前記タイミングと同期させてアルカリ二次電池の内圧を算出して取得する内圧取得のステップと、
    閾値a以下の正極電位であり、かつ閾値b以上の内圧であるときの状態の滞在時間を積算することでダメージ量を算出するダメージ量算出のステップと、
    前記ダメージ量算出のステップで算出したダメージ量が閾値cに到達した時点で正極を保護する正極保護のステップを備え
    前記正極電位取得のステップでは、セル電圧と負極電位との関係を示すOCVマップを温度、電流毎に備え、前記OCVマップを参照してセル電圧の実測値から負極電位を引くことで、正極電位を推定することを特徴とするアルカリ二次電池の制御方法。
  2. 水酸化ニッケルを活物質とする正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するアルカリ二次電池の制御方法において、
    一定のタイミングで正極の電位を算出して取得する正極電位取得のステップと、
    前記タイミングと同期させてアルカリ二次電池の内圧を算出して取得する内圧取得のステップと、
    閾値a以下の正極電位であり、かつ閾値b以上の内圧であるときの状態の滞在時間を積算することでダメージ量を算出するダメージ量算出のステップと、
    前記ダメージ量算出のステップで算出したダメージ量が閾値cに到達した時点で正極を保護する正極保護のステップを備え
    前記正極保護のステップは、正極電位をダメージ量に応じた閾値d以下にならないように制御することを特徴とするアルカリ二次電池の制御方法。
  3. 前記内圧取得のステップでは、電圧、温度、電流値から前記アルカリ二次電池の内圧を推定して算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
  4. 前記アルカリ二次電池は、ニッケル水素蓄電池であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
  5. 前記アルカリ二次電池が、車両の駆動用の車載電池であり、
    当該アルカリ二次電池を制御する電池制御装置により制御する
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のアルカリ二次電池の制御方法。
  6. 車両に搭載された水酸化ニッケルを活物質とする正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するアルカリ二次電池を制御する制御装置であって、
    一定のタイミングで正極の電位を算出して取得する正極電位取得装置と、
    前記アルカリ二次電池の内圧を算出して取得する内圧取得装置と、
    閾値a以下の正極電位であり、かつ閾値b以上の内圧であるときの状態の滞在時間を積算することでダメージ量を算出するダメージ量算出装置と、
    前記ダメージ量算出装置で算出したダメージ量が閾値cに到達した時点で正極を保護する正極保護装置を備え
    前記正極電位取得装置では、セル電圧と負極電位との関係を示すOCVマップを温度、電流毎に備え、前記OCVマップを参照してセル電圧の実測値から負極電位を引くことで、正極電位を推定するアルカリ二次電池の制御装置。
  7. 車両に搭載された水酸化ニッケルを活物質とする正極、水素吸蔵合金を含む負極、及びアルカリ水溶液からなる電解液を有するアルカリ二次電池を制御する制御装置であって、
    一定のタイミングで正極の電位を算出して取得する正極電位取得装置と、
    前記アルカリ二次電池の内圧を算出して取得する内圧取得装置と、
    閾値a以下の正極電位であり、かつ閾値b以上の内圧であるときの状態の滞在時間を積算することでダメージ量を算出するダメージ量算出装置と、
    前記ダメージ量算出装置で算出したダメージ量が閾値cに到達した時点で正極を保護する正極保護装置を備え
    前記正極保護装置は、正極電位をダメージ量に応じた閾値d以下にならないように制御するアルカリ二次電池の制御装置。
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