JP7439662B2 - プラグインハイブリッド車両およびプラグインハイブリッド車両の制御方法 - Google Patents

プラグインハイブリッド車両およびプラグインハイブリッド車両の制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、プラグインハイブリッド車両およびプラグインハイブリッド車両の制御方法に関し、より特定的には、エンジンからの排気中の粒子状物質を捕集するフィルタが設けられたプラグインハイブリッド車両の制御技術に関する。
エンジンからの排気中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集するフィルタが設けられた車両構成が知られている。車両の走行に伴い、フィルタにはPMが堆積し得る。そのため、フィルタにおけるPM堆積量を低減するための技術が提案されている。
たとえば特開2019-151260号公報(特許文献1)に開示されたハイブリッド車両は、バッテリの残存容量(SOC:State Of Charge)が切替閾値を下回ると、CD(Charge Depleting)モードからCS(Charge Sustaining)モードへと切り替わる。このハイブリッド車両は、PM堆積量が所定堆積量以上のときには、PM堆積量が所定堆積量未満のときと比べて、小さな値を切替閾値として用いる(言い換えると切替閾値が引き下げられる)。
特開2019-151260号公報
一般に、ハイブリッド車両は、バッテリのSOCが予め定められた目標値付近に維持されるようにエンジンを制御する。そのため、ハイブリッド車両では、エンジンの駆動と停止とが頻繁に繰り返される(いわゆるHV走行)。
これに対し、プラグインハイブリッド車両は、バッテリのSOCが許容範囲を下回る(許容範囲の下限SOCに達する)までは、エンジンを始動することなくEV走行を行うように構成されている。下限SOCは低い値であることが多い。さらに、典型的なプラグインハイブリッド車両に搭載されるバッテリの容量は、典型的なハイブリッド車両に搭載されるバッテリの容量と比べて、大幅に大きい。したがって、バッテリが満充電された場合、プラグインハイブリッド車両は、長距離に亘るEV走行が可能である。
また、エンジンからのPMの排出は、エンジンの温度が低い冷間始動時に顕著になる。そのため、エンジンを駆動する頻度が高いハイブリッド車両は、システム起動直後にエンジンを暖機する。これにより、PMの発生量を低減できる。一方、プラグインハイブリッド車両においては、エンジンの駆動頻度が低いことから、システム起動直後のエンジン暖機は行われない。したがって、プラグインハイブリッド車両のエンジン始動時には、PMの発生量が大きくなりやすい。すなわち、PMがフィルタに堆積しやすい。
フィルタに堆積したPMは、排気ガスを用いてフィルタを高温にしてPMを燃焼させることで除去可能である。しかし、エンジンの駆動頻度が低いプラグインハイブリッド車両では、PMを除去する機会も少ない。
このような事情により、プラグインハイブリッド車両においてはフィルタの閉塞が進みやすい。フィルタの閉塞が過度に進むと、フィルタが目詰まりを起こしてエンジンの背圧が上昇することでエンジンがダメージを受け得る。また、フィルタに堆積したPMの燃焼時にはフィルタの温度が過度に上昇し、フィルタおよび後段に存在する触媒がダメージを受け得る。エンジンおよび触媒を保護するためには、エンジン出力を低下させざるを得ない。そうすると、プラグインハイブリッド車両のドライバビリティが低下する可能性がある。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、プラグインハイブリッド車両において、エンジンの排気中の粒子状物質(PM)を捕集するフィルタの閉塞を適切に抑制しつつ、ドライバビリティの低下を抑制することである。
(1)本開示にある局面に従うプラグインハイブリッド車両は、エンジンと、フィルタと、蓄電装置と、電気駆動装置と、制御装置とを備える。フィルタは、エンジンの排気中の粒子状物質を捕集する。電気駆動装置は、蓄電装置から放電された電力を用いてプラグインハイブリッド車両の走行トルクを出力可能であるとともに、エンジンのトルクを用いて発電した電力を蓄電装置に充電可能に構成されている。制御装置は、エンジンを制御するとともに、蓄電装置のSOCが所定値よりも低い場合には蓄電装置から出力可能な電力を抑制するように電気駆動装置を制御する。制御装置は、蓄電装置のSOCが許容範囲の下限SOCに達するまでは、エンジンを始動することなく蓄電装置に蓄えられた電力を用いてプラグインハイブリッド車両が走行するように、エンジンおよび電気駆動装置を制御する。制御装置は、フィルタへの粒子状物質の堆積量が大きいほど下限SOCを高くする。
(2)制御装置は、エンジンの始動に先立ち、フィルタへの粒子状物質の堆積量に応じて下限SOCを調整し、蓄電装置のSOCが下限SOCに達してエンジンを始動する場合、エンジンの出力制御を実行する。
上記(1),(2)の構成においては、フィルタへの粒子状物質の堆積量が大きいほど下限SOCを高くする。粒子状物質の堆積量が大きくなるに従ってエンジンからの出力パワーが減少するが、下限SOCを高くする(引き上げる)ことにより、プラグインハイブリッド車両のEV走行からHV走行への切替タイミングが早められる。これにより、蓄電装置に十分な電力が残っているうちにエンジンが始動されるため、蓄電装置からの出力パワーの抑制(後述するWoutの制限)を回避できる。したがって、エンジンからの出力パワーの低下を蓄電装置を用いて補うことが可能になる。また、エンジンからの出力パワーを過度に増加させることなく、PMの発生を抑制可能な温度に至るまでエンジンを暖機することも可能になる。よって、上記(1),(2)の構成によれば、フィルタの閉塞を適切に抑制しつつ、ドライバビリティの低下を抑制できる。
(3)制御装置は、粒子状物質の堆積量に加えてエンジンの温度に応じて、下限SOCを調整する。
エンジンからの粒子状物質の排出量は、エンジンの温度に依存して増減する。したがって、上記(3)の構成によれば、粒子状物質の堆積量に加えて、エンジンの温度を考慮して下限SOCを調整する。これにより、一層適切にフィルタの閉塞を抑制できる。
(4)出力制御は、抑制制御および嵩上げ制御を含む。抑制制御は、エンジンのトルクを抑制し、トルクの抑制による不足トルクを電気駆動装置から出力することで蓄電装置を放電する制御である。嵩上げ制御は、エンジンのトルクを嵩上げし、トルクの嵩上げによる余剰トルクを電気駆動装置に入力することで蓄電装置を充電する制御である。制御装置は、下限SOCを引き上げた場合には抑制制御を実行し、下限SOCを引き下げた場合には嵩上げ制御を実行する。
(5)制御装置は、粒子状物質の堆積量に関し、第1基準量と、第1基準量よりも大きい第2基準量とを有する。制御装置は、粒子状物質の堆積量が第1基準量と第2基準量との間である場合、下限SOCを引き上げ、蓄電装置のSOCが引き上げ後の下限SOCに達すると、抑制制御を実行する。制御装置は、粒子状物質の堆積量が第2基準量を上回った場合、下限SOCを引き下げ、蓄電装置のSOCが引き下げ後の下限SOCに達すると、嵩上げ制御を実行する。
詳細は後述するが、抑制制御により粒子状物質の発生量を抑制し、嵩上げ制御により粒子状物質の堆積量を低減できる。上記(4),(5)の構成においては、抑制制御と下限SOCの引き上げとを組み合わせるとともに、嵩上げ制御と下限SOCの引き下げとを組み合わせる。抑制制御/嵩上げ制御と下限SOCの引き上げ/引き下げとを適切に組み合わせることにより、粒子状物質の発生量抑制および堆積量低減を、より効果的に実現できる。よって、上記(4),(5)の構成によれば、一層適切にフィルタの閉塞を抑制できる。
(6)プラグインハイブリッド車両は、エンジンの温度に関連する温度を検出する温度センサをさらに備える。制御装置は、粒子状物質の堆積量と関連する温度とに応じて、下限SOCを調整する。
(7)制御装置は、粒子状物質の堆積量が第1基準量を上回り、かつ、関連する温度が第1基準温度を下回っているときには、粒子状物質の堆積量が第1基準量を下回り、かつ、関連する温度が第1基準温度を下回っているときと比べて、下限SOCの引き上げ幅を大きくする。
(8)制御装置は、粒子状物質の堆積量が多いほど、また、関連する温度が低いほど、下限SOCの引き上げ幅を大きくする。
(9)温度センサは、エンジンの吸気温およびエンジンの冷却水温のうちの少なくとも一方を関連する温度として検出する。
上記(6)~(9)の構成においては、抑制制御の実行に際し、粒子状物質の堆積量および上記関連する温度に応じて下限SOCの引き上げ幅が設定される。これにより、PMの発生量抑制を一層効果的に実現できる。
(10)制御装置は、粒子状物質の堆積量が第2基準量を上回り、かつ、関連する温度が第2基準温度を下回っているときには、粒子状物質の堆積量が第2基準量を下回り、かつ、関連する温度が第2基準温度を下回っているときと比べて、下限SOCの引き下げ幅を大きくする。
(11)制御装置は、嵩上げ制御の実行条件が成立している場合に、粒子状物質の堆積量が多いほど、また、関連する温度が低いほど、下限SOCの引き下げ幅を大きくする。
(12)温度センサは、エンジンの排気温およびフィルタの温度のうちの少なくとも一方を関連する温度として検出する。
上記(10)~(12)の構成においては、嵩上げ制御の実行に際し、粒子状物質の堆積量および上記関連する温度に応じて下限SOCの引き下げ幅が設定される。これにより、PMの堆積量低減を一層効果的に実現できる。
(13)プラグインハイブリッド車両は、蓄電装置の温度を検出する他の温度センサをさらに備える。制御装置は、蓄電装置の温度が基準温度よりも高い場合には、蓄電装置の温度が基準温度よりも低い場合と比べて、下限SOCの引き上げ幅および引き下げ幅を大きくする。
蓄電装置の温度が所定温度よりも低い場合(たとえば極低温の場合)には、蓄電装置を保護する観点から、蓄電装置の充放電電力を抑制することが望ましい。逆に、蓄電装置の温度が所定温度よりも高い場合には、下限SOCの引き上げ幅および引き下げ幅を大きくすることで、蓄電装置の充放電を利用してエンジンの出力を調整できる。よって、上記(13)の構成によれば、蓄電装置の保護と利用とを両立できる。
(14)本開示に他の局面に従うプラグインハイブリッド車両の制御方法において、プラグインハイブリッド車両は、エンジンと、エンジンの排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、蓄電装置と、蓄電装置から放電された電力を用いてプラグインハイブリッド車両の走行トルクを出力可能であるとともに、エンジンのトルクを用いて発電した電力を蓄電装置に充電可能に構成された電気駆動装置とを備える。制御方法は、第1~第3のステップを含む。第1のステップは、蓄電装置のSOCが所定値よりも低い場合には蓄電装置から出力可能な電力を抑制するように電気駆動装置を制御するステップである。第2のステップは、蓄電装置のSOCが許容範囲の下限SOCに達するまでは、プラグインハイブリッド車両がエンジンを始動することなく蓄電装置に蓄えられた電力を用いて走行するステップである。第3のステップは、フィルタへの粒子状物質の堆積量が大きいほど下限SOCを高くするステップである。
上記(14)の方法によれば、上記(1)の構成と同様に、フィルタの閉塞を適切に抑制しつつ、ドライバビリティの低下を抑制できる。
本開示によれば、プラグインハイブリッド車両において、フィルタの閉塞を適切に抑制しつつ、ドライバビリティの低下を抑制できる。
実施の形態1に係る車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。 エンジンおよびエンジンセンサの構成例を示す図である。 ハイブリッド車両の走行パターンとプラグインハイブリッド車両の走行パターンとを対比するための図である。 実施の形態1におけるエンジン出力低下に備えたバッテリ制御の一例を示すタイムチャートである。 エンジン出力低下に備えたバッテリ制御を説明するための概念図である。 バッテリから出力可能な電力の制御上限値(出力上限電力Wout)のSOC依存性の一例を示す図である。 エンジン出力低下に備えたバッテリ制御において使用される制御マップの一例を説明するための概念図である。 実施の形態1においてフィルタへの粒子状物質の堆積量(GPF堆積量D)を低減するために実行されるバッテリ制御の処理手順を示すフローチャートである。 抑制制御を説明するための図である。 通常時の制御を対比のために示す図である。 嵩上げ制御を説明するための図である。 GPF堆積量に応じた下限SOCの調整態様の一例を説明するための概念図である。 下限SOCの調整に伴うSOCの時間推移の一例を示すタイムチャートである。 抑制制御に使用される制御マップの一例を説明するための概念図である。 嵩上げ制御に使用される制御マップの一例を説明するための概念図である。 SOC引き上げマップの他の一例を説明するための概念図である。 実施の形態2においてGPF堆積量Dを低減するために実行されるバッテリ制御の処理手順を示すフローチャートである。 比較例における各パラメータの推移を示すタイムチャートである。 実施の形態2における各パラメータの推移を示すタイムチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一または相当部分には図中、同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
<プラグインハイブリッド車両の構成>
図1は、実施の形態1に係る車両の全体構成を概略的に示すブロック図である。図1を参照して、本実施の形態において、車両1は、プラグインハイブリッド車両(PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)またはPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle))であって、車両1の外部に設けられた充電設備(図示せず)からの供給電力によるプラグイン充電が可能に構成されている。
車両1は、エンジン10と、エンジンセンサ11と、触媒装置20と、触媒温度センサ21と、フィルタ30と、モータジェネレータ(MG:Motor Generator)41,42と、動力分割機構51と、駆動軸52と、減速機53と、駆動輪54と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)60と、インレット71と、充電リレー72と、システムメインリレー(SMR:System Main Relay)73と、バッテリ80と、電池センサ81と、外気温センサ90と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)100とを備える。
エンジン10は、ECU100からの制御指令に従って、車両1が走行するための駆動力を出力する。本実施の形態ではエンジン10にガソリンエンジンが採用される。しかし、エンジン10の燃料はガソリンに限定されるものではなく、たとえばディーゼル燃料、バイオ燃料(エタノールなど)などの他の液体燃料であってもよい。あるいは、エンジン10の燃料は、気体燃料(プロパンガスなど)であってもよい。
エンジンセンサ11は、エンジン10の状態を検出する各種センサを包括的に記載したものである。エンジン10およびエンジンセンサ11については図2にて、より詳細に説明する。
触媒装置20は、エンジン10の排気流路に設けられている。触媒装置20は、たとえば三元触媒コンバータを含む。触媒装置20は、エンジン10から排出される排気ガスに含まれる未燃成分(たとえば炭化水素(HC)または一酸化炭素(CO))を酸化したり、酸化成分(たとえば窒素酸化物(NOx))を還元したりする。
触媒温度センサ21は、触媒装置20の温度(触媒温度)Tcを検出し、その検出結果をECU100に出力する。
フィルタ30は、エンジン10の排気流路において、触媒装置20よりも下流側の位置(後述する図2の例では第1の触媒201の下流側かつ第2の触媒202の上流側の位置)に設けられている。フィルタ30は、エンジン10から排出されたPMを捕集する。本実施の形態ではエンジン10がガソリンエンジンであるので、フィルタ30としてGPF(Gasoline Particulate Filter)が採用される。以下、フィルタ30へのPMの堆積量を「GPF堆積量D」とも記載する。なお、たとえばエンジン10がディーゼルエンジンである場合には、フィルタ30はDPF(Diesel Particulate Filter)である。
エンジン10の排気流路においてフィルタ30よりも上流側には、圧力センサ31が設けられている。圧力センサ31は、フィルタ30よりも上流側の位置の圧力(上流側圧力)Pupを検出する。また、排気流路においてフィルタ30よりも下流側には、圧力センサ32が設けられている。圧力センサ32は、フィルタ30よりも下流側の位置の圧力(下流側圧力)Pdwを検出する。各圧力センサは、その検出結果をECU100に出力する。
モータジェネレータ41,42の各々は、たとえば、永久磁石がロータ(図示せず)に埋設された三相交流回転電機である。モータジェネレータ41,42は、いずれもPCU60によって駆動される。
モータジェネレータ41は、動力分割機構51を介してエンジン10のクランクシャフトに連結されている。モータジェネレータ41は、バッテリ80の電力を用いてエンジン10のクランクシャフトを回転させる。また、モータジェネレータ41は、エンジン10の動力を用いて発電することも可能である。モータジェネレータ41によって発電された交流電力は、PCU60により直流電力に変換されてバッテリ80に充電される。また、モータジェネレータ41によって発電された交流電力は、モータジェネレータ42に供給される場合もある。
モータジェネレータ42は、バッテリ80からの電力およびモータジェネレータ41により発電された電力のうちの少なくとも一方を用いて駆動軸52を回転させる。また、モータジェネレータ42は、回生制動によって発電することも可能である。モータジェネレータ42によって発電された交流電力は、PCU60により直流電力に変換されてバッテリ80に充電される。
なお、車両1が2つのモータジェネレータ41,42を備えることは必須ではない。車両1は、いわゆる1モータ式のハイブリッド車両であってもよい。
動力分割機構51は、エンジン10のクランクシャフト、モータジェネレータ41の回転軸(図示せず)および駆動軸52の三要素を機械的に連結する。動力分割機構51は、たとえば、サンギヤ511と、ピニオンギヤ512と、キャリア513と、リングギヤ514とを含む遊星歯車機構である。
駆動軸52は、減速機53を介して駆動輪54に連結されている。減速機53は、動力分割機構51またはモータジェネレータ42からの動力を駆動輪54に伝達する。また、駆動輪54が受けた路面からの反力は、減速機53および動力分割機構51を介してモータジェネレータ42に伝達される。これにより、モータジェネレータ42が回生制動時に発電する。
PCU60は、バッテリ80に蓄えられた直流電力を交流電力に変換し、その交流電力をモータジェネレータ41,42に供給する。また、PCU60は、モータジェネレータ41,42により発電された交流電力を直流電力に変換し、その直流電力をバッテリ80に供給する。PCU60は、たとえば、モータジェネレータ41に対応して設けられたコンバータと、モータジェネレータ42に対応して設けられたコンバータと、インバータ(いずれも図示せず)とを含む。なお、モータジェネレータ41,42、動力分割機構51およびPCU60は、本開示に係る「電気駆動装置」に相当する。
インレット71は、嵌合等の機械的な連結を伴って充電ケーブルの充電コネクタ(図示せず)を挿入することが可能に構成されている。充電コネクタのインレット71への挿入に伴い、車両1と充電設備との間の電気的な接続が確保される。また、車両1のECU100と充電設備の制御装置とがCAN(Controller Area Network)等の通信規格に従う通信によって、信号およびデータ等の各種情報を相互に送受信することが可能になる。
充電リレー72は、インレット71とPCU60との間、および、インレット71とSMR73との間に電気的に接続されている。SMR73は、PCU60とバッテリ80との間に電気的に接続されている。充電リレー72およびSMR73の閉成/開放は、ECU100からの指令に応じて制御される。SMR73が閉成されることで、PCU60とバッテリ80との間での電力伝送が可能となる。充電リレー72が閉成され、かつSMR73が閉成されることで、インレット71とバッテリ80との間での電力伝送が可能となる。
バッテリ80は、モータジェネレータ41,42を駆動するための電力を放電する。また、バッテリ80は、モータジェネレータ41,42により発電された電力により充電される。バッテリ80としては、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池などの二次電池を採用できる。なお、バッテリ80は、本開示に係る「蓄電装置」に相当する。電気二重層キャパシタなどのキャパシタを「蓄電装置」として用いてもよい。
電池センサ81は、電圧センサと、電流センサと、温度センサ(いずれも図示せず)とを含む。電圧センサは、バッテリ80の電圧Vbを検出する。電流センサは、バッテリ80に入出力される電流Ibを検出する。温度センサは、バッテリ80の温度(バッテリ温度)Tbを検出する。各センサは、その検出結果をECU100に出力する。ECU100は、バッテリ80の電圧Vb、電流Ibおよびバッテリ温度Tbに基づいて、バッテリ80のSOCを推定できる。なお、この温度センサは、本開示に係る「他の温度センサ」に相当する。
外気温センサ90は、車両1の外気の温度(外気温)Taを検出し、その検出結果をECU100に出力する。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ101と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリ102と、入出力ポート(図示せず)と、カウンタ(図示せず)とを含む。プロセッサ101は、制御プログラムを実行する。メモリ102は、各種の制御プログラムおよびマップ等を格納する。入出力ポートは各種信号の送受を制御する。カウンタは時間を計測する。
ECU100は、各センサからの信号ならびにメモリ102に格納されたマップおよびプログラムに基づいて、車両1が所望の状態となるように機器類を制御する。より詳細には、まず、ECU100は、アクセル開度および車速等に応じて車両1の要求駆動力を決定し、その要求駆動力からエンジン10の要求パワーを算出する。ECU100は、エンジン10の要求パワーに対するシステム効率が最適となるように、エンジン10の要求パワーから、たとえばエンジン10の燃料消費量が最小となるエンジン動作点(エンジン回転速度NeとエンジントルクTeとの組合せ)を決定する。そして、ECU100は、エンジン10が当該エンジン動作点で動作するように、モータジェネレータ41,42を駆動するためのトルク指令を生成してPCU60に制御するとともに、エンジン10の各部(後述するスロットル弁14、インジェクタ17、点火プラグ18など)を制御する。
なお、ECU100は、複数のECUに機能毎に分割して構成されていてもよい。たとえば、ECU100は、エンジン10を制御するエンジンECUと、バッテリ80を管理する電池ECUと、車両1全体を統合的に制御する統合ECUとを含み得る。
<エンジン構成>
図2は、エンジン10およびエンジンセンサ11の構成例を示す図である。図2を参照して、実際のエンジン10には複数本のシリンダ(気筒)が設けられている。しかし、図面が煩雑になるのを防ぐため、図2には1本のシリンダのみが代表的に示されている。
エンジン10は、エンジンセンサ11に加えて、エアクリーナ12と、吸気ダクト13と、スロットル弁14と、サージタンク15と、吸気マニホールド16と、インジェクタ17と、点火プラグ18と、排気マニホールド19とを含む。エンジンセンサ11は、エアフローメータ111と、吸気温センサ112と、スロットル開度センサ113と、冷却水温センサ114と、ノックセンサ115と、クランクポジションセンサ116と、空燃比センサ117とを含む。
エアクリーナ12は、車外から吸入された空気(吸気)に含まれる塵埃などの異物を除去する。
吸気ダクト13は、エアクリーナ12とサージタンク15との間を接続するとともに、その内部にスロットル弁14を格納する。
スロットル弁14は、ユーザによるアクセルペダル(図示せず)の踏み込みに連動して、吸気ダクト13を開閉するように制御される。
サージタンク15は、吸気ダクト13と吸気マニホールド16との間に設けられ、車外からの吸気の流量変化を緩和して各シリンダに安定した空気を供給するための空間を与える。
吸気マニホールド16は、複数のシリンダにそれぞれ対応して設けられた複数の吸気枝管を含み、サージタンク15と各シリンダとを接続する。
インジェクタ17は、この例ではシリンダの燃焼室に設けられ、燃焼室内に向けて燃料を噴射する(直噴式)。エアクリーナ12から吸入された空気とインジェクタ17から噴射される燃料とが混合することで、混合気が燃焼室内に生成する。
点火プラグ18は、燃焼室の頂部に設けられ、燃焼室内の混合気に点火する。混合気が点火されて燃焼すると、燃焼室内の圧力が増大してピストンが押し下げられ、クランクシャフトが回転する。燃焼後の混合気(排気ガス)は、排気バルブが開いた際に燃焼室から排出される。
排気マニホールド19は、各シリンダと触媒装置20(より詳細には第1の触媒201)との間に設けられている。燃焼室から排出された排気ガスは、触媒装置20(第1の触媒201および第2の触媒202)により浄化された後、メインマフラ(消音器)22から車外に排出される。
エアフローメータ111は、エアクリーナ12からの吸気量を検出する。吸気温センサ112は、エンジン10に吸入される空気の温度(エンジン吸気温)を検出する。スロットル開度センサ113は、スロットル弁14の開度(スロットル開度)を検出する。冷却水温センサ114は、エンジン10の冷却水の冷却経路(図示せず)に設けられ、冷却水の温度(冷却水温)Twを検出する。ノックセンサ115は、シリンダブロックに設けられ、エンジン10の振動の大きさを検出する。クランクポジションセンサ116は、クランクシャフトの回転速度(エンジン回転速度)Neを検出する。空燃比センサ117は、排気マニホールド19に設けられ、排気ガス中の酸素濃度を検出する。各センサは、その検出結果をECU100に出力する。
<エンジンの出力低下に備えたバッテリ制御>
図3は、ハイブリッド車両の走行パターンとプラグインハイブリッド車両の走行パターンとを対比するための図である。図3において、横軸は経過時間を表し、縦軸はバッテリのSOCを表す。図3上部がハイブリッド車両の走行パターンを示し、下部がプラグインハイブリッド車両の走行パターンを示している。
一般に、ハイブリッド車両は、バッテリのSOCが予め定められた目標値(SOC制御中心とも呼ばれる)を含む所定範囲内に維持されるように、エンジンを制御する。そのため、ハイブリッド車両では、エンジンの駆動と停止とが頻繁に繰り返され(HV走行)、エンジンの駆動頻度が高い。また、エンジンからのPMの排出は、エンジンの温度が低い冷間始動時に顕著になる。そのため、エンジンの駆動頻度が高いハイブリッド車両は、システム起動直後にエンジンを暖機することで、PMの発生量を低減する。さらに、後に詳細に説明するように、フィルタに堆積したPMは、排気ガスを用いてフィルタを高温にし、PMを燃焼させることで除去可能である(フィルタの再生)。
これに対し、プラグインハイブリッド車両である車両1は、バッテリ80のSOCが許容範囲の下限値(以下、「下限SOC」と記載する)に達するまでは、エンジン10を始動することなくEV走行を行うように構成されている。下限SOCは、車種によって異なるものの、10%~20%程度の低い値であることが多い。さらに、車両1に搭載されるバッテリ80の容量は、典型的なハイブリッド車両に搭載されるバッテリの容量と比べて、大幅に(たとえば10倍程度)大きい。したがって、バッテリ80が満充電された場合、車両1は、長距離(たとえば数十キロメートル)に亘るEV走行が可能である。よって、車両1のエンジン10の駆動頻度は低い。
車両1のエンジン10は、その駆動頻度が低いことから、システム起動直後には必ずしも暖機されない。そのため、車両1がエンジン10を始動する場合(EV走行を停止してHV走行に移行する場合)には、PMの発生量が大きくなり、PMがフィルタ30に堆積しやすい。また、エンジン10の駆動頻度が低いことで、車両1では堆積したPMを除去する機会も少ない。
このように、車両1においては、フィルタ30の閉塞が進みやすい。フィルタ30の閉塞が過度に進むと、フィルタ30が目詰まりを起こして排気マニホールド19内の圧力(背圧または排圧とも呼ばれる)が上昇することでポンプアップと呼ばれる状態となり、エンジン10(特にエキゾーストバルブ)がダメージを受け得る。具体的には、エキゾーストバルブが完全に閉塞せず、上昇してきたピストンと物理的に衝突することでダメージ(破損)が引き起こされ得る。また、フィルタ30に堆積したPMの燃焼時にフィルタ30の温度が過度に上昇し、フィルタ30と、フィルタ30の後段に設けられた触媒装置20とがダメージを受け得る。エンジン10および触媒装置20を保護するためにはエンジン出力を低下させざるを得ない。このような事情に鑑み、実施の形態1においては、エンジン10の始動に先立ち、エンジン10の出力低下を見越した上で、エンジン10の出力低下をバッテリ80を用いて補う構成を採用する。
以下では、車両1全体での要求される出力を「車両要求パワー」と記載する。エンジン10からの出力を「エンジンパワーPe」とも記載する。バッテリ80からの放電電力を用いたモータジェネレータ42の出力を「モータパワーPm」とも記載する。
実施の形態1では、フィルタ30へのPMの堆積量(GPF堆積量D)の増加度合いを表す指標である「GPF堆積レベル」が定められている。GPF堆積レベルは、たとえば4段階に分けられる。フィルタ30が全く閉塞していない状態がレベル0に相当し、フィルタ30が完全に閉塞した状態がレベル3に相当する。ただし、GPF堆積レベルの区分を4段階にすることは例示に過ぎず、2段階または3段階に分けてもよいし、5段階以上に分けてもよい。後述する実施の形態2にて説明する例においても同様である。
図4は、実施の形態1におけるエンジン出力低下に備えたバッテリ制御の一例を示すタイムチャートである。図4において、横軸は経過時間を表す。縦軸は上から順に、GPF堆積量D、エンジン10からの最大出力、GPF堆積量レベル、および、バッテリ80の下限SOC(車両1がEV走行を停止してエンジン10を始動するSOC)を表す。
図4に示す例では、初期時刻t0ではフィルタ30にはPMが堆積しておらず(GPF堆積量D=0)、GPF堆積レベル=0であるとする。GPF堆積量Dは、基本的には時間が時刻t1,t2,t3と経過するに従って単調に増加する。PMがフィルタ30に堆積した場合、たとえ少量であっても、その堆積度合いに応じてエンジンパワーPeが減少する。したがって、GPF堆積量Dの単調増加に伴い、エンジン10からの最大出力も単調に減少していく。
GPF堆積レベルは、GPF堆積量Dの増加とともに段階的に上昇していく。実施の形態1においては、車両1のEV走行中(すなわち、バッテリ80のSOCが下限SOCを上回っている期間中)、下限SOCをGPF堆積レベルと連動させて段階的に引き上げる。これにより、以下に説明するように、エンジンパワーPeの低下をモータパワーPmによって補うことが可能になる。
なお、下限SOCをステップ的に引き上げることは必須ではない。たとえばGPF堆積レベルの区分数を十分に大きな数とすることで、下限SOCを滑らかに(実質的に連続的に)引き上げることが可能である。
図5は、エンジン出力低下に備えたバッテリ制御を説明するための概念図である。図5には、車両要求パワーに対するエンジンパワーPeとモータパワーPmとの分担割合が模式的に示されている。図3を参照して、GPF堆積レベルが上昇するとともに、エンジンパワーPeの分担割合(ENGと記載する)が減少し、その分を補うようにモータパワーPmの分担割合(BATと記載する)が増加する。なお、図5には、GPF堆積レベル=3の場合の一例として、エンジンパワーPeとモータパワーPmとを足し合わせても車両要求パワーに不足する状況が図示されている。
図6は、バッテリ80から出力可能な電力の制御上限値(出力上限電力)WoutのSOC依存性の一例を示す図である。図6において、横軸はバッテリ80のSOCを表し、縦軸はバッテリ80の出力上限電力Woutを表す。
図6を参照して、バッテリ80のSOCがSc1よりも大きく、かつ、Sc2未満の場合(Sc1<SOC<Sc2)には、バッテリ80のSOCがSc2以上の場合(Sc2≦SOC)と比べて、出力上限電力Woutが小さい。また、バッテリ80のSOCがSc1よりも大きく、かつ、Sc2未満の場合には、バッテリ80のSOCが低下するに従って出力上限電力Woutも低下する。出力上限電力Woutの低下は、バッテリ80からの出力がより厳しく制限されることを意味する。なお、Sc2は、本開示に係る「所定値」に相当する。
前述のように、下限SOCは十分に低い値(たとえば10%~20%)であり、Sc1とSc2との間のSOC範囲内(あるいは、その近傍)に含まれ得る。そのため、エンジン10を始動した際に、バッテリ80からの出力が出力上限電力Woutによる制限を受ける可能性がある。したがって、実施の形態1では、GPF堆積レベルの上昇に合わせて下限SOCを引き上げ、出力上限電力Woutによるバッテリ80からの出力制限を緩和する。これにより、エンジンパワーPeの不足分をモータパワーPmで補うことが可能なように、バッテリ80から十分な電力を出力することが可能になる。
<制御マップ>
エンジン10からのPMの排出量は、エンジン10の温度に対して強い温度依存性を示す(PMの発生メカニズムの詳細については図9参照)。そのため、下限SOCを設定する際には、エンジン10の温度を考慮することが好ましい。具体的には、エンジン10の冷却水温Twを用いることができる。そして、GPF堆積レベルに加えて冷却水温Twを下限SOCと関連付けた制御マップを準備することができる。
図7は、エンジン出力低下に備えたバッテリ制御において使用される制御マップの一例を説明するための概念図である。図7を参照して、制御マップMPは、GPF堆積レベルと冷却水温Twとをパラメータとして含む2次元マップである。
冷却水温Twも、たとえば、-20℃(極低温)、0℃(低温)、25℃(常温)、40℃(高温)の4段階に分けられる。ただし、冷却水温Twの区分を4段階とすることも例示に過ぎないことを確認的に記載する。
制御マップMPにおいては、PMの堆積量が多くGPF堆積レベルが高いほど(図中、右に行くほど)、下限SOCが高い。また、冷却水温Twが低いほど(上に行くほど)、下限SOCが高い。たとえば、GPF堆積レベルが0であり、かつ、冷却水温Twが40℃である場合の下限SOCが最も低いベース値である(たとえば20%)。GPF堆積レベルが3であり、かつ、冷却水温Twが-20℃である場合の下限SOCが最も高い(たとえば36%)。
実施の形態1では、GPF堆積レベルが上昇し、フィルタ30が閉塞に近づくに従って、下限SOCを引き上げる。これにより、出力上限電力Woutによるバッテリ80の出力制限を弱めることができるので、エンジン10の出力が低下しても、その低下分をバッテリ80の出力によって、より効果的に補うことが可能になる。
また、冷却水温Twが低く、PMが発生しやすい状況であるほど、下限SOCの引き上げ量を大きくする。そうすると、EV走行中の車両1が早い段階でHV走行に移行することとなる。そのため、エンジン10が始動されてエンジン10の暖機が開始した時点では、ある程度の電力がバッテリ80に残っている。これにより、バッテリ80の出力によって車両要求パワーを満足可能であるうちに、エンジン10の暖機を完了することが可能になる。したがって、PMの発生を抑制できる。このように、エンジン10の温度を下限SOCに反映可能な制御マップを使用することで、より好適な下限SOCを設定することが可能になる。
<制御フロー>
図8は、実施の形態1においてGPF堆積量Dを低減するために実行されるバッテリ制御の処理手順を示すフローチャートである。図8(および後述する図17)に示すフローチャートは、たとえば、バッテリ80のSOCが下限SOCを上回っている場合に車両1のシステム起動以降、所定の演算周期毎にメインルーチン(図示せず)から呼び出されて繰り返し実行される。これらのフローチャートに含まれる各ステップは、基本的にはECU100によるソフトウェア処理によって実現されるが、ECU100内に作製された電子回路によるハードウェア処理によって実現されてもよい。以下、ステップを「S」と略す。
図1、図2および図8を参照して、S101において、ECU100は、バッテリ80の充放電が可能な状態であるかどうかを判定する。たとえば、バッテリ温度Tbが非常に低い場合(たとえば極低温である場合)にはバッテリ80の充放電が禁止され得る。また、図6に示したように、バッテリ80のSOCが過度に低い場合にはバッテリ80の放電が禁止され得る。図示しないが、バッテリ80のSOCが過度に高い場合にはバッテリ80の充電が禁止され得る。このような事情が存在せず、バッテリ80が充電も放電も可能な状態である場合(S101においてYES)、ECU100は、処理をS102に進める。なお、バッテリ80が充放電可能な状態でない場合(S101においてNO)には、処理がメインルーチンに戻され、図示しない別処理が実行される。
S102において、ECU100は、フィルタ30へのPMの堆積量(GPF堆積量D)を算出する。GPF堆積量Dが増加するに従ってフィルタ30の上流側圧力Pupと下流側圧力Pdwとの間の差圧(=Pup-Pdw)が増大する。したがって、ECU100は、圧力センサ31,32からPup,Pdwを取得し、その差圧を算出することによって、現在のGPF堆積量Dを算出できる。
S103において、ECU100は、冷却水温センサ114から冷却水温Twを取得する。なお、冷却水温Twは、エンジン10の温度を推定するために使用可能なパラメータの一例であり、他のパラメータを用いてもよい。たとえば、冷却水温Twに加えてまたは代えて、吸気温センサ112により検出されるエンジン吸気温、および、外気温センサ90により検出される外気温Taなどに基づいて、エンジン10の温度を推定してもよい。
S104において、ECU100は、制御マップMP(図7参照)を参照することによって下限SOCを引き上げる。より具体的には、ECU100は、S102にて算出したGPF堆積量DからGPF堆積量レベルを決定する。そして、ECU100は、GPF堆積レベルと、S103にて取得した冷却水温Twとに応じて下限SOCを設定し、その下限SOCに向けて現在の下限SOCを引き上げる。これにより、GPF堆積レベルが高いほど(GPF堆積量Dが大きいほど)下限SOCを高くすることができる。
以上のように、実施の形態1においては、GPF堆積レベルが高いほど下限SOCを高くする(図4参照)。GPF堆積レベルが高くなるに従ってエンジンパワーPeが減少するが、下限SOCをGPF堆積レベルと連動させて引き上げることにより、EV走行からHV走行への切替タイミングが早められる。これにより、バッテリ80に十分な電力が残っているうちにエンジン10が始動され、出力上限電力Woutによるバッテリ出力の制限を回避できる。したがって、エンジンパワーPeの低下をモータパワーPmによって補うことが可能になる。また、エンジンパワーPeを過度に増加させることなく、PMの発生を抑制可能な温度に至るまでエンジン10を暖機できる。その結果、エンジン10からのPM排出量を抑制できる。よって、実施の形態1によれば、フィルタ30の閉塞を適切に抑制しつつ、ドライバビリティの低下を抑制できる。
[実施の形態2]
実施の形態2においては、フィルタ30へのPMの堆積を防止しつつ、フィルタ30に堆積したPMを適宜除去すべく、エンジン10とバッテリ80とが協調的に制御される。なお、実施の形態2に係るプラグインハイブリッド車両の全体構成は、実施の形態1に係る車両1の全体構成(図1参照)と同様であるため、説明は繰り返さない。
<抑制制御および嵩上げ制御>
車両1においては、エンジン10の駆動時に「抑制制御」と「嵩上げ制御」と「モータリング制御」とが実行される。以下に詳細に説明するように、抑制制御とは、エンジン10からのPM排出量を低減するための制御である。嵩上げ制御およびモータリング制御とは、フィルタ30に堆積したPMを除去する(すなわちフィルタ30を再生する)ための制御である。
図9は、抑制制御を説明するための図である。図9を参照して、抑制制御とは、GPF堆積量Dが第1基準量REF1を超えた場合に、エンジントルクTeを抑制することで、エンジン10からのPM排出量を低減する制御である。
より詳細には、ECU100は、抑制制御の実行時には、抑制制御の非実行時と比べて、インジェクタ17からの燃料噴射量を減少させるとともに、点火プラグ18による点火タイミングを遅角側に制御する。燃料噴射量を減少させることで、シリンダ壁面(ボア壁面)に付着する燃料を低減できる。それに加えて、点火タイミングを遅角させることで、エンジン10の熱効率を意図的に低下させることができる。そうすると、エンジン10における熱損失が増大し(つまり、エンジン10が速やかに暖機し)、シリンダ壁面の温度が上昇する。その結果、シリンダ壁面に付着した燃料が揮発しやすくなる。
このように、抑制制御においては、燃料噴射量の減少によりシリンダ壁面への燃料の付着を抑制するとともに、点火タイミングの遅角によりシリンダ壁面からの燃料の揮発を促進する。これにより、エンジン10からのPMの排出量を低減できる。
抑止制御を実行中のECU100は、車両1を走行(たとえば一定速度での定常走行)させるのに要求されるエンジントルクTeがT0である場合、エンジントルクTeをT0よりもΔT1だけ小さな値に設定する(Te=T0-ΔT1)。それとともに、ECU100は、エンジントルクTeを低下させた分だけモータトルクが増加するように、モータジェネレータ42へのトルク指令を生成する。これにより、不足したトルクΔT1を補うトルク(いわばアシストトルク)がモータジェネレータ42から出力される。車両1の駆動力の落ち込みをアシストトルクにより補填することで、ユーザ操作(アクセル開度)に応じた要求駆動力を実現できる。抑制制御の実行時には、モータジェネレータ42にアシストトルクを出力させるための電力がバッテリ80から放電される。
なお、図2および図9では、インジェクタ17が直噴式である構成を例に説明した。直噴式では、燃料がシリンダ壁面に付着しやすいため、付着した燃料を除去するニーズが大きく、また抑制制御の効果も高い。しかし、燃料の噴射方式は、直噴式に限定されるものではなく、吸気ポートまたは吸気枝管内に向けて燃料を噴射するポート噴射式であってもよく、直噴式とポート噴射式とを併用したデュアルインジェクタ式であってもよい。
図10は、通常時(嵩上げ制御の非実行時)の制御を対比のために示す図である。図11は、嵩上げ制御を説明するための図である。図10および図11を参照して、嵩上げ制御とは、GPF堆積量Dが第2基準量REF2(REF2>REF1)を超えた場合に、フィルタ30を再生するためにエンジントルクTeを増加させる(言い換えると嵩上げする)ことで、フィルタ30におけるPMの堆積量を低減する制御である。
より詳細には、ECU100は、嵩上げ制御の実行時には、嵩上げ制御の非実行時と比べて、車外からの吸気量が増加するようにスロットル開度を調整するとともに、インジェクタ17からの燃料噴射量を増加させる。さらに、ECU100は、吸気量、燃料噴射量および冷却水温Tw等に応じた最適な点火タイミングが実現されるように点火プラグ18を制御する。そうすると、エンジン出力が増加するため、エンジン10から排出される排気ガスの温度が上昇する。フィルタ30の温度を上昇させ、フィルタ30の温度を再生可能温度(たとえば500℃~600℃)以上にすることで、フィルタ30に堆積したPMを二酸化窒素(NO)等との燃焼反応によって酸化させて除去できる。
このように、嵩上げ制御においては、吸気量、燃料噴射量、点火タイミング等の制御により、エンジン10における燃料の燃焼を促進する。これにより、フィルタ30におけるPMの堆積量を低減できる。
嵩上げ制御を実行中のECU100は、車両1を走行(定常走行等)させるのに要求されるエンジントルクTeがT0である場合、エンジントルクTeをT0よりもΔT2だけ大きな値に設定する(Te=T0+ΔT2)。増加したトルクΔT2は、動力分割機構51を介してモータジェネレータ42に伝達する。車両1の走行に必要とされる駆動力に対して過剰な駆動力(余剰トルク)をモータジェネレータ42による回生に割り振ることで、ユーザ操作に応じた要求駆動力を実現できる。嵩上げ制御の実行時には、余剰トルクを用いてモータジェネレータ42により発電された電力がバッテリ80に充電される。
モータリング制御(図9参照)とは、モータジェネレータ41のトルクを用いて、燃焼を停止した状態のエンジン10のクランクシャフト(図示せず)を回転させる制御である。クランクシャフトの回転に伴ってエンジン10に空気が吸入される。吸入された空気中の酸素は、エンジン10では燃焼されずにフィルタ30へと供給される。そのため、フィルタ30におけるPMの燃焼状態が向上するので、フィルタ30に堆積したPMの除去を促進できる。モータリング制御の実行時には、モータジェネレータ41にエンジン10のクランクシャフトを回転させるための電力がバッテリ80から放電される。
なお、抑制制御および嵩上げ制御は、本開示に係る「出力制御」に相当する。フィルタ30を再生するための制御として嵩上げ制御とモータリング制御とを組み合わせることができるが、本開示においてモータリング制御は必須の制御ではない。
<下限SOCの調整>
実施の形態2において、ECU100は、抑制制御と嵩上げ制御とを適宜使い分けることにより、フィルタ30の閉塞を抑制する。既に説明したように、抑制制御では、バッテリ80に蓄えられた電力がモータジェネレータ42を駆動するために消費される。一方、嵩上げ制御では、エンジン10の余剰トルクを用いてモータジェネレータ42により発電された電力がバッテリ80に蓄えられる。したがって、抑制制御を実行可能な期間の長さ(およびエンジン10のトルク低下量)と、嵩上げ制御を実行可能な期間の長さ(およびエンジン10のトルク増加量)とは、いずれもバッテリ80のSOCに依存する。よって、抑制制御および嵩上げ制御は、下限SOCの調整と関連付けて実行される。
図12は、GPF堆積量Dに応じた下限SOCの調整態様の一例を説明するための概念図である。図12において、横軸はGPF堆積量Dを表す。縦軸は下限SOCを表す。図13は、下限SOCの調整に伴うSOCの時間推移の一例を示すタイムチャートである。図13において、横軸は経過時間を表す。縦軸はバッテリ80のSOCを表す。
図12および図13を参照して、この例においては前述のように、GPF堆積量Dが十分に少なく、第1基準量REF1未満である場合、通常時の制御(通常制御)が実行される。通常制御における下限SOCをL0とする。バッテリ80のSOCがL0まで低下すると、車両1は走行態様をEV走行からHV走行に切り替え、エンジン10が駆動され得る状態となる(時刻t10参照)。エンジン10を駆動することで、バッテリ80のSOCを下限SOCよりも高い状態に高いさせることが可能となる。
一方、GPF堆積量Dが増加し、第1基準量REF1以上かつ第2基準量REF2未満になると、抑制制御を実行する条件が成立し得る。実施の形態2においては、抑制制御の実行開始に先立ち、下限SOCがL0からL1(L0<L1)に引き上げられる(時刻t11参照)。
バッテリ80のSOCが過度に低い場合には、バッテリ80からモータジェネレータ42に必要な電力を供給できず、抑制制御を効果的に実行できなくなる可能性がある。抑制制御の開始に先立ちSOC制御範囲の下限SOCをL0からL1に引き上げておくことで、通常時と比べてバッテリ80の蓄電電力が増加し、バッテリ80からモータジェネレータ42に供給可能な電力量が増加する。このことは、エンジン10の不足トルクをモータジェネレータ42からのアシストトルクによって補填するための電力を、抑制制御の実行に備えてバッテリ80に準備しておくことに相当する。これにより、下限SOCをL0に維持したままとする場合と比べて、抑制制御を実行可能な時間を長くしたり、エンジン10のトルク低下量を大きくしたりすることが可能になる。言い換えると、より効果的に抑制制御を実行できる。
さらに、この例ではGPF堆積量Dがさらに増加し、第2基準量REF2以上になると、嵩上げ制御を実行する条件が成立し得る。実施の形態2においては、嵩上げ制御の実行開始に先立ち、抑制制御の実行準備とは逆に、下限SOCがL0からL2(L2<L0)に引き下げられる(時刻t12参照)。
バッテリ80のSOCが過度に高い場合には、モータジェネレータ41により発電された電力を充電するための余裕がバッテリ80にないことで、嵩上げ制御を効果的に実行できなくなる可能性がある。嵩上げ制御の開始に先立ちSOC制御範囲の下限SOCをL0からL2に引き下げておくことで、通常時と比べてバッテリ80の蓄電電力が減少し、モータジェネレータ41からバッテリ80に充電可能な電力量が増加する。このことは、エンジン10の余剰トルクによるモータジェネレータ42の発電電力を充電するための空き容量を、嵩上げ制御の実行時に備えてバッテリ80に準備しておくことに相当する。これにより、下限SOCをL0に維持したままとする場合と比べて、嵩上げ制御を実行可能な時間を長くしたり、エンジントルクTeの増加量を大きくしたりすることが可能になる。言い換えると、より効果的に嵩上げ制御を実行できる。
なお、図12には、GPF堆積量Dの増加とともに、まず抑制制御を実行し、その後、嵩上げ制御を実行する例が記載されている。しかし、GPF堆積量Dが増加するに従って抑制制御、嵩上げ制御の順に実行することは必須ではない。たとえば、GPF堆積量Dが第1基準量REF1と第2基準量REF2との間である場合であっても、適宜(たとえば定期的に)嵩上げ制御を実行してもよい。
図14は、抑制制御に使用される制御マップの一例を説明するための概念図である。図14を参照して、抑制制御の開始に先立つ下限SOCの引き上げでは、SOC引き上げマップMP1が用いられる。SOC引き上げマップMP1は、この例では、GPF堆積レベルと冷却水温Twとをパラメータとして含む2次元マップである。
SOC引き上げマップMP1においては、PMの堆積量が多くGPF堆積レベルが高いほど、下限SOCであるL1は高い。また、冷却水温Twが低いほど、L1は高い。たとえば、GPF堆積レベルが0であり、かつ、冷却水温Twが40℃である場合のL1が最も低いベース値である(一例として、L1(レベル0,40℃)=20%)。GPF堆積レベルが3であり、かつ、冷却水温Twが-20℃である場合のL1が最も高い(L1(レベル3,-20℃)=36%)。このように、GPF堆積レベルが高くてフィルタ30が閉塞に近い状態であるほど、また、冷却水温Twが低くて新たなPMがフィルタ30に堆積しやすい状態であるほど、下限SOC(=L1)の引き上げ幅を大きくすることで、抑制制御の効果を一層高めることができる。
図15は、嵩上げ制御に使用される制御マップの一例を説明するための概念図である。図15を参照して、嵩上げ制御の開始に先立つ下限SOCの引き下げにおいては、SOC引き下げマップMP2が用いられる。SOC引き下げマップMP2は、SOC引き上げマップMP1と同様に、GPF堆積レベルと冷却水温Twとをパラメータとして含む2次元マップである。
SOC引き下げマップMP2においては、PMの堆積量が多くGPF堆積レベルが高いほど、下限値であるL2は低い。また、冷却水温Twが低いほど、L2は低い。たとえば、GPF堆積レベルが0であり、かつ、冷却水温Twが40℃である場合のL2が最も高いベース値である(一例として、L2(レベル0,40℃)=25%)。GPF堆積レベルが3であり、かつ、冷却水温Twが-20℃である場合のL2が最も低い(たとえばL2(レベル3,-20℃)=20%)。このように、GPF堆積レベルが高くてフィルタ30が閉塞に近い状態であるほど、また、冷却水温Twが低くて新たなPMがフィルタ30に堆積しやすい状態であるほど、下限SOC(=L2)の引き下げ幅を大きくすることで、嵩上げ制御の効果を一層高めることができる。
図14および図15では、SOC引き上げマップMP1およびSOC引き下げマップMP2のいずれにおいても冷却水温Twが用いられると説明した。しかし、SOC引き上げマップMP1では、冷却水温Twに代えてまたは加えて、エンジン吸気温を用いてもよい。つまり、SOC引き上げマップMP1は、GPF堆積レベルとエンジン吸気温とを含む2次元マップであってもよいし、GPF堆積レベルと冷却水温Twとエンジン吸気温とを含む3次元マップであってもよい。
また、SOC引き下げマップMP2では、冷却水温Twに代えてまたは加えて、フィルタ30の温度を用いてもよい。つまり、SOC引き下げマップMP2は、GPF堆積レベルとフィルタ30の温度とを含む2次元マップであってもよいし、GPF堆積レベルと冷却水温Twとフィルタ30の温度とを含む3次元マップであってもよい。フィルタ30の温度は、フィルタ30に温度センサを設けることで直接測定してもよいし、外気温Ta等から推定してもよい。
なお、この例では、複数に区分されたGPF堆積レベルのうちの任意のレベルが本開示に係る「第1基準量」または「第2基準量」に相当する。また、複数に区分された冷却水温Twのうちの任意の温度が本開示に係る「第1基準温度」または「第2基準温度」に相当する。
図16は、SOC引き上げマップMP1の他の一例を説明するための概念図である。図16に示すように、SOC引き上げマップMP1は、GPF堆積レベルと、冷却水温Twに加えて、バッテリ温度Tbをパラメータとして含んでもよい。バッテリ温度Tbが所定温度よりも低い場合(たとえば極低温の場合)には、バッテリ80を保護するため、バッテリ80の充放電電力(入出力)を抑制することが望ましい。逆に、バッテリ温度Tbが所定温度よりも高い場合には、下限SOCの引き上げ幅および引き下げ幅を大きくすることで、バッテリ80の充放電を利用してエンジン出力を調整できる。よって、バッテリ温度Tbをさらに考慮することにより、バッテリ80の保護と利用とを両立しつつ、より有効に抑制制御を実行することが可能になる。ここではSOC引き上げマップMP1を例に説明したが、SOC引き下げマップMP2に関しても同様に、バッテリ温度Tbをパラメータに含めることができる。
<制御フロー>
図17は、実施の形態2においてGPF堆積量Dを低減するために実行されるバッテリ制御の処理手順を示すフローチャートである。図17を参照して、S201において、ECU100は、バッテリ80の充放電が可能な状態であるかどうかを判定する。この処理は、実施の形態1におけるS101の処理(図8参照)と同様であるため、説明は繰り返さない。
S202において、ECU100は、実施の形態1におけるS102の処理と同様に、フィルタ30へのPMの堆積量(GPF堆積量D)を算出する。そして、ECU100は、算出したGPF堆積量Dが第1基準量REF1以上であるかどうかを判定する(S203)。GPF堆積量Dが第1基準量REF1以上である場合(S203においてYES)、ECU100は、処理をS204に進める。
なお、GPF堆積量Dが第1基準量REF1未満である場合(S203においてNO)には、抑制制御または嵩上げ制御のために下限SOCを調整する必要が生じていないとして、ECU100は、以降の処理を実行することなく処理をメインルーチンに戻す。
S204において、ECU100は、抑制制御の実行条件が成立しているかどうかを判定する。ECU100は、たとえば、GPF堆積量Dが第1基準量REF1以上かつ第2基準量REF2未満である場合(REF1≦D<REF2)に抑制制御の実行条件が成立していると判定できる。
ただし、抑制制御の実行条件が成立する状況は、これに限定されるものではなく、たとえば、抑制制御の前回実行時から現在までの経過時間が所定期間を超えた場合に抑制制御の実行条件が成立したとしてもよい。これにより、GPF堆積量Dの多寡に拘わらず、抑制制御を定期的に実行することが可能になる。なお、抑制制御の実行条件は、GPF堆積量Dに関する条件と、抑制制御の前回実行時からの経過時間に関する条件とを適宜組み合わせてもよい。
抑制制御の実行条件が成立している場合(S204においてYES)、ECU100は、冷却水温センサ114から冷却水温Twを取得する(S205)。ECU100は、冷却水温Twに代えてまたは加えて、エンジン吸気温を取得してもよい。
S206において、ECU100は、SOC引き上げマップMP1(図14参照)を参照することによって、GPF堆積量Dに応じて定まるGPF堆積レベルと、冷却水温Twとから、下限SOC(=L1)を算出する。ECU100は、ベース値を基準とした下限SOCの引き上げ幅を算出してもよい。そして、ECU100は、算出した値に下限SOCを設定する。すなわち、ECU100は、下限SOCをL0からL1に引き上げる。
その後、ECU100は、抑制制御の開始条件が成立しているかどうかを判定する(S207)。具体的には、ECU100は、バッテリ80のSOCがS206にて設定した下限SOC(=L1)まで低下した場合に抑制制御の開始条件が成立したと判定できる。なお、ECU100は、抑制制御の開始条件が成立するまでは処理をS205に戻し、最新の冷却水温Twに応じた値に下限SOCを更新してもよい。
抑制制御の開始条件が成立した場合(S207においてYES)、ECU100は、抑制制御を開始する(S208)。抑制制御については図9にて詳細に説明したため、ここでの説明は繰り返さない。
S209において、ECU100は、抑制制御の終了条件が成立しているかどうかを判定する。たとえば、抑制制御を開始してから規定時間(たとえば10分~15分)が経過した場合に、ECU100は、抑制制御の終了条件が成立したと判定できる。
ECU100は、抑制制御の終了条件が成立するまでは(S209においてNO)処理をS208に戻し、下限SOCを引き上げた状態のまま抑制制御を継続する。抑制制御の終了条件が成立すると(S209においてYES)、ECU100は、抑制制御を終了するとともに、下限SOCの引き上げを終了し、下限SOCを通常値(=L0)に戻す(S210)。
S204にて抑制制御の実行条件が成立していない場合(S204においてNO)、ECU100は、処理をS211に進め、嵩上げ制御の実行条件が成立しているかどうかを判定する。ECU100は、たとえば、GPF堆積量Dが第2基準量REF2以上である場合(REF2≦D)に嵩上げ制御の実行条件が成立していると判定できる。ただし、嵩上げ制御の実行条件が成立する状況は、これに限定されるものではなく、たとえば、嵩上げ制御の前回実行時から現在までの経過時間が所定期間を超えた場合に嵩上げ制御の実行条件が成立したとしてもよい。これにより、GPF堆積量Dの多寡に拘わらず、嵩上げ制御を定期的に実行することが可能になる。なお、嵩上げ制御の実行条件は、GPF堆積量Dに関する条件と前回実行時からの経過時間に関する条件とを組み合わせてもよい。
嵩上げ制御の実行条件が成立している場合(S211においてYES)、ECU100は、冷却水温センサ114から冷却水温Twを取得する(S212)。ECU100は、外気温Ta等からエンジン10の温度を推定してもよい。
S213において、ECU100は、SOC引き下げマップMP2(図15参照)を参照することによって、GPF堆積レベルと冷却水温Twとから下限SOC(=L2)を算出する。そして、ECU100は、下限SOCをL0からL2に引き下げる。
その後、ECU100は、嵩上げ制御の開始条件が成立しているかどうかを判定する(S214)。具体的には、ECU100は、バッテリ80のSOCがS213にて設定した下限SOC(=L2)まで低下した場合に嵩上げ制御の開始条件が成立したと判定できる。なお、ECU100は、嵩上げ制御の開始条件が成立するまでは処理をS212に戻し、最新の冷却水温Twに応じた値に下限SOCを更新してもよい。
嵩上げ制御の開始条件が成立した場合(S214においてYES)、ECU100は、嵩上げ制御を開始する(S215)。嵩上げ制御については図10および図11にて説明したため、説明は繰り返さない。
S216において、ECU100は、嵩上げ制御の終了条件が成立しているかどうかを判定する。たとえば、嵩上げ制御を開始してから規定時間が経過した場合に、ECU100は、嵩上げ制御の終了条件が成立したと判定できる。
ECU100は、嵩上げ制御の終了条件が成立するまでは(S216においてNO)処理をS215に戻し、下限SOCを引き上げた状態のまま嵩上げ制御を継続する。嵩上げ制御の終了条件が成立すると(S216においてYES)、ECU100は、嵩上げ制御を終了するとともに、下限SOCの引き上げを終了し、下限SOCを通常値(=L0)に戻す(S217)。通常時には下限SOCを引き上げ前の値に戻すことで、車両1の燃費悪化を防止できる。
<抑制制御の効果>
最後に、実施の形態2における抑制制御の効果について説明する。以下では理解を容易にするため、抑制制御を実行しない比較例と対比する。
図18は、比較例における各パラメータの推移を示すタイムチャートである。図19は、実施の形態2における各パラメータの推移を示すタイムチャートである。図18および図19において、横軸は経過時間を表す。縦軸は、上から順に、車速、バッテリ80のSOC、バッテリ80からの放電電力(バッテリ出力)、エンジン回転速度Neおよび冷却水温Twを表す。
まず図18を参照して、比較例では、車両1のEV走行に伴いバッテリ80のSOCが次第に低下し、時刻t90において下限SOC(=L0)に達する。これにより、車両1はEV走行からHV走行に移行し、エンジン10が始動される。ただし、エンジン10が十分に暖機されるまでには、ある程度の時間を要する。
バッテリ80のSOCが低下した場合、バッテリ80のSOCが十分に高い場合と比べて、バッテリ80からの出力上限電力Woutが抑制される(図6参照)。この例では、バッテリ80のSOCがL0に達した時点から出力上限電力Woutの抑制が始まり、出力上限電力Wout(絶対値)が小さくなる。バッテリ出力が出力上限電力Woutによって制限されることで、バッテリ80からモータジェネレータ42に必要な電力を供給できなくなる。
その一方で、車両1は、ドライバビリティ向上の観点から、ユーザ操作に応じた要求駆動力に見合う駆動力(実駆動力)を確保しようとする。そのため、バッテリ80からモータジェネレータ42に必要な電力を供給できなくなると、たとえエンジン10が暖機に至る前であってもエンジン出力を増加させることになり得る。そうすると、エンジン10からのPM排出量が増加し、GPF堆積量Dが増加する可能性がある。
これに対し、実施の形態2においては、図19に示すように、バッテリ80の下限SOCがL0からL1に引き上げられる。これにより、バッテリ80のSOCは、比較例と比べて早いタイミングで下限SOCに達する(時刻t20参照)。つまり、EV走行からHV走行への切替タイミングが早くなる。この時点ではバッテリ80のSOCが相対的に高いため、バッテリ出力が出力上限電力Woutによって制限されることはない。そうすると、バッテリ出力の制限を補うためにエンジン出力を増加させなくて済むので、エンジン10からのPM排出量を抑制し、GPF堆積量Dを低減できる。
以上のように、実施の形態2において、ECU100は、フィルタ30におけるPMの堆積量(GPF堆積量D)と、エンジン10から発生し得るPM量またはフィルタ30から除去し得るPM量に関連する温度指標(冷却水温Tw、エンジン吸気温、外気温Ta等)とに応じて、下限SOCを調整する。そして、ECU100は、下限SOCを引き上げた場合には抑制制御を実行し、下限SOCを引き下げた場合には嵩上げ制御を実行する。
車両1においても、抑制制御および嵩上げ制御のどちらを実行するかに拘わらず(あるいは、特許文献1のように抑制制御も嵩上げ制御も実行せずに単に)下限SOCを引き下げることで、バッテリ80のSOC低下に伴うEV走行からHV走行への切替タイミングを遅らせることも考えられる。そうすると、下限SOCを引き下げない場合と比べて、エンジン10を停止した状態での走行距離(EV走行距離)が長くなる分だけ、PM排出量を低減できる。このように下限SOCを引き下げるとの制御は、PM排出量を低減すべく、車両1がエンジン10の始動に至る条件を厳しくするとの技術思想に基づくものである。
これに対し、実施の形態2においては、抑制制御と下限SOCの引き上げとを組み合わせるとともに、嵩上げ制御と下限SOCの引き下げとを組み合わせる。より詳細には、エンジン10から発生し得るPM量を低減することを目的とする場合には、抑制制御と下限SOCの引き上げとを組み合わせ、EV走行からHV走行への切替タイミングを敢えて早める。そうすると、バッテリ80に十分な電力が残っているうちにエンジン10が始動されるので、それ以上のSOC低下を防止できる。これにより、出力上限電力Woutによるバッテリ出力の制限を回避できるので、エンジン出力を過度に増加させることなく、PMの発生を抑制可能な温度に至るまでエンジン10を暖機できる。その結果、エンジン10からのPM排出量を抑制し、GPF堆積量Dを低減できる。
一方、フィルタ30から除去し得るPM量を増加させることを目的とする場合には、嵩上げ制御と下限SOCの引き下げとを組み合わせ、EV走行からHV走行への切替タイミングを遅らせる。そうすると、バッテリ80のSOC低下が進み、バッテリ80に十分な充電マージンを確保してからエンジン10を始動できる。これにより、エンジン10からの余剰トルクを用いてモータジェネレータ41により発電された電力を、より多くかつ長時間、バッテリ80に充電することが可能になる。その結果、フィルタ30からのPM除去量を増加させ、GPF堆積量Dを低減できる。よって、実施の形態2によれば、抑制制御および嵩上げ制御と下限SOCの調整とを適切に組み合わせることにより、フィルタ30の閉塞を適切に抑制しつつ、ドライバビリティの低下を抑制できる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、10 エンジン、11 エンジンセンサ、111 エアフローメータ、112 センサ、113 スロットル開度センサ、114 冷却水温センサ、115 ノックセンサ、116 クランクポジションセンサ、117 空燃比センサ、12 エアクリーナ、13 吸気ダクト、14 スロットル弁、15 サージタンク、16 吸気マニホールド、17 インジェクタ、18 点火プラグ、19 排気マニホールド、20 触媒装置、201 第1の触媒、202 第2の触媒、21 触媒温度センサ、22 メインマフラ、30 フィルタ、31,32 圧力センサ、41,42 モータジェネレータ、51 動力分割機構、511 サンギヤ、512 ピニオンギヤ、513 キャリア、514 リングギヤ、52 駆動軸、53 減速機、54 駆動輪、60 PCU、71 インレット、72 充電リレー、80 バッテリ、81 電池センサ、90 外気温センサ、100 ECU、101 プロセッサ、102 メモリ。

Claims (12)

  1. プラグインハイブリッド車両であって、
    エンジンと、
    前記エンジンの排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
    蓄電装置と、
    前記蓄電装置から放電された電力を用いて前記プラグインハイブリッド車両の走行トルクを出力可能であるとともに、前記エンジンのトルクを用いて発電した電力を前記蓄電装置に充電可能に構成された電気駆動装置と、
    前記エンジンを制御するとともに、前記蓄電装置のSOCが所定値よりも低い場合には前記蓄電装置から出力可能な電力を抑制するように前記電気駆動装置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記蓄電装置のSOCが許容範囲の下限SOCに達するまでは、前記エンジンを始動することなく前記蓄電装置に蓄えられた電力を用いて前記プラグインハイブリッド車両が走行するように、前記エンジンおよび前記電気駆動装置を制御し、
    前記フィルタへの粒子状物質の堆積量が大きいほど前記下限SOCを高くし、
    前記エンジンの始動に先立ち、前記フィルタへの粒子状物質の堆積量に応じて前記下限SOCを調整し、
    前記下限SOCを引き上げ、かつ、前記蓄電装置のSOCが前記下限SOCに達して前記エンジンを始動する場合には抑制制御を実行する一方で、前記下限SOCを引き下げ、かつ、前記蓄電装置のSOCが前記下限SOCに達して前記エンジンを始動する場合には嵩上げ制御を実行し、
    前記抑制制御は、前記エンジンのトルクを抑制し、トルクの抑制による不足トルクを前記電気駆動装置から出力することで前記蓄電装置を放電する制御であり、
    前記嵩上げ制御は、前記エンジンのトルクを嵩上げし、トルクの嵩上げによる余剰トルクを前記電気駆動装置に入力することで前記蓄電装置を充電する制御である、プラグインハイブリッド車両。
  2. 前記制御装置は、前記粒子状物質の堆積量に加えて前記エンジンの温度に応じて、前記下限SOCを調整する、請求項に記載のプラグインハイブリッド車両。
  3. 前記制御装置は、
    前記粒子状物質の堆積量に関し、第1基準量と、前記第1基準量よりも大きい第2基準量とを有し、
    前記粒子状物質の堆積量が前記第1基準量と前記第2基準量との間である場合、前記下限SOCを引き上げ、前記蓄電装置のSOCが引き上げ後の前記下限SOCに達すると、前記抑制制御を実行し、
    前記粒子状物質の堆積量が前記第2基準量を上回った場合、前記下限SOCを引き下げ、前記蓄電装置のSOCが引き下げ後の前記下限SOCに達すると、前記嵩上げ制御を実行する、請求項1に記載のプラグインハイブリッド車両。
  4. 前記エンジンの温度に関連する温度を検出する温度センサをさらに備え、
    前記制御装置は、前記粒子状物質の堆積量と前記関連する温度とに応じて、前記下限SOCを調整する、請求項に記載のプラグインハイブリッド車両。
  5. 前記制御装置は、
    前記粒子状物質の堆積量に関し、第1基準量と、前記第1基準量よりも大きい第2基準量とを有し、
    前記粒子状物質の堆積量が前記第1基準量を上回り、かつ、前記関連する温度が第1基準温度を下回っているときには、前記粒子状物質の堆積量が前記第1基準量を下回り、かつ、前記関連する温度が前記第1基準温度を下回っているときと比べて、前記下限SOCの引き上げ幅を大きくする、請求項に記載のプラグインハイブリッド車両。
  6. 前記制御装置は、前記粒子状物質の堆積量が多いほど、また、前記関連する温度が低いほど、前記下限SOCの引き上げ幅を大きくする、請求項に記載のプラグインハイブリッド車両。
  7. 前記温度センサは、前記エンジンの吸気温および前記エンジンの冷却水温のうちの少なくとも一方を前記関連する温度として検出する、請求項またはに記載のプラグインハイブリッド車両。
  8. 前記制御装置は、
    前記粒子状物質の堆積量に関し、第1基準量と、前記第1基準量よりも大きい第2基準量とを有し、
    前記粒子状物質の堆積量が前記第2基準量を上回り、かつ、前記関連する温度が第2基準温度を下回っているときには、前記粒子状物質の堆積量が前記第2基準量を下回り、かつ、前記関連する温度が前記第2基準温度を下回っているときと比べて、前記下限SOCの引き下げ幅を大きくする、請求項に記載のプラグインハイブリッド車両。
  9. 前記制御装置は、前記嵩上げ制御の実行条件が成立している場合に、前記粒子状物質の堆積量が多いほど、また、前記関連する温度が低いほど、前記下限SOCの引き下げ幅を大きくする、請求項に記載のプラグインハイブリッド車両。
  10. 前記温度センサは、前記エンジンの排気温および前記フィルタの温度のうちの少なくとも一方を前記関連する温度として検出する、請求項またはに記載のプラグインハイブリッド車両。
  11. 前記蓄電装置の温度を検出する他の温度センサをさらに備え、
    前記制御装置は、前記蓄電装置の温度が基準温度よりも高い場合には、前記蓄電装置の温度が前記基準温度よりも低い場合と比べて、前記下限SOCの引き上げ幅および引き下げ幅を大きくする、請求項1~10のいずれか1項に記載のプラグインハイブリッド車両。
  12. プラグインハイブリッド車両の制御方法であって、
    前記プラグインハイブリッド車両は、
    エンジンと、
    前記エンジンの排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
    蓄電装置と、
    前記蓄電装置から放電された電力を用いて前記プラグインハイブリッド車両の走行トルクを出力可能であるとともに、前記エンジンのトルクを用いて発電した電力を前記蓄電装置に充電可能に構成された電気駆動装置とを備え、
    前記制御方法は、
    前記蓄電装置のSOCが所定値よりも低い場合には前記蓄電装置から出力可能な電力を抑制するステップと、
    前記蓄電装置のSOCが許容範囲の下限SOCに達するまでは、前記プラグインハイブリッド車両が前記エンジンを始動することなく前記蓄電装置に蓄えられた電力を用いて走行するステップと、
    前記フィルタへの粒子状物質の堆積量が大きいほど前記下限SOCを高くするステップと
    前記エンジンの始動に先立ち、前記フィルタへの粒子状物質の堆積量に応じて前記下限SOCを調整するステップと、
    前記下限SOCを引き上げ、かつ、前記蓄電装置のSOCが前記下限SOCに達して前記エンジンを始動する場合には抑制制御を実行する一方で、前記下限SOCを引き下げ、かつ、前記蓄電装置のSOCが前記下限SOCに達して前記エンジンを始動する場合には嵩上げ制御を実行するステップとを含み、
    前記抑制制御は、前記エンジンのトルクを抑制し、トルクの抑制による不足トルクを前記電気駆動装置から出力することで前記蓄電装置を放電する制御であり、
    前記嵩上げ制御は、前記エンジンのトルクを嵩上げし、トルクの嵩上げによる余剰トルクを前記電気駆動装置に入力することで前記蓄電装置を充電する制御である、プラグインハイブリッド車両の制御方法。
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