JP7439418B2 - 積層体およびチューブ容器 - Google Patents

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Description

本発明は、バリア層である金属箔を保護するとともに意匠性を高めた積層体、および、このような積層体を用いたチューブ容器に関する。
従来、チューブ容器用の原反となる積層体として、耐内容物性を高めた積層体構成が用いられている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された積層材は、二軸延伸樹脂フィルムからなる中間支持層と、中間支持層の内側に形成されたバリア層と、中間支持層の外側に位置し熱可塑性樹脂層からなる最外層と、直鎖型ポリエチレン樹脂からなる最内層とを備え、最内層とバリア層との間にバリア層側から順に酸コポリマー層と低密度ポリエチレン樹脂層とを備えた構成とすることにより、層間の強度を強め、耐内容物保存性の向上を図っている。
特開平7-195610号公報
チューブ容器を構成する積層体においては、バリア層としてアルミニウム箔等の金属箔が好適に用いられている。しかしながら、従来の積層体では、胴部となる筒状体を形成する際や、胴部に底シール部を形成する際に、ヒートシール時の熱により金属箔が割れてしまい、バリア性が低下するという問題がある。また、チューブ容器の胴部は積層体であるため、外観上、バリア層である金属箔はマット調となってしまい、意匠性が低下するという問題もある。また、チューブ容器は十分な弾性を備えることが望ましいが、同時に内容物を絞り出し易いことも必要となる。
そこで、本発明は、金属箔を保護するとともに意匠性を高め、さらに内容物の絞り出し特性を改善した積層体、および、このような積層体を用いたチューブ容器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
第1シーラント層、印刷基材層、保護層、中間基材層、金属箔、第2シーラント層が、順に積層されてなり、
前記保護層は、金属蒸着フィルムを用いて形成されており、
前記中間基材層の厚みが積層体の総厚の20%以上25%以下であることを特徴とする積層体を提供する。
また、本発明の積層体は、
前記金属箔は、アルミニウム箔であることを特徴とする。
また、本発明の積層体は、
前記金属蒸着フィルムは、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする。
また、本発明の積層体は、
前記印刷基材層、前記保護層の少なくとも一方に植物由来性樹脂が含まれていることを特徴とする。
また、本発明の積層体は、
前記第1シーラント層、前記第2シーラント層、前記中間基材層のいずれか1つ以上に植物由来性樹脂が含まれていることを特徴とする。
また、本発明は、
前記積層体を胴部として用いたことを特徴とするチューブ容器を提供する。
本発明によれば、金属箔を保護するとともに意匠性を高め、さらに内容物の絞り出し特性を改善した積層体、およびこのような積層体を用いたチューブ容器を提供することができる。
キャップを装着した状態のチューブ容器の正面図である。 頭部成形体の部分断面図である。 本発明の一実施形態に係るチューブ容器に装着されるキャップの断面図である。 本発明の一実施形態に係るチューブ容器の筒状の胴部を示す図である。 本発明の一実施形態に係るチューブ容器の上面図である。 頭部成形体にキャップを装着した状態のチューブ容器の部分断面図である。 本発明の一実施形態に係るチューブ容器の胴部の積層体の断面図である。 本発明の一実施形態に係るチューブ容器で用いる密封シールの積層体の断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
但し、本発明はこれら具体的に例示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
本明細書において「外面」、「内面」とは、積層体10を用いてチューブ容器30を作製した場合における「外面」および「内面」を意味する。また「上側」、「下側」とは、チューブ容器30を、口部36及びキャップ60を上向きにした際に、「上側」とは口部36側を、「下側」とは口部の反対側を意味する。
図1は、キャップを装着した状態の本実施形態に係るチューブ容器の正面図である。図1に示すように、本実施形態に係るチューブ容器30は、胴部31と、胴部31に対して圧縮成形、射出成形などの方法により合成樹脂を設けることにより作製される頭部成形体37とを備えている。頭部成形体37は、さらに肩部35、口部36、首部38を備えている。またチューブ容器30の口部36には、密封シール20が接合され、口部36、首部38の全体と肩部35の一部を覆うようにしてキャップ60が装着される。
チューブ容器30は、吐出用の開口を含む筒状体の口部36と、口部36に連設され下側に向うにつれて外周が広がる係止部45を備えた首部38と、首部38に連設され下側に向うにつれて外周が広がる錘台筒状の肩部35とによって構成される頭部成形体37を有する。図2は、頭部成形体37の部分断面図である。図2において、頭部成形体37は、右半分にその正面が示されており、左半分に、その径方向中心を通って正面と平行に切断した面が示されている。図2の左半分においてハッチングがなされた部分は、頭部成形体37の実体を示し、空白部分が空洞である。肩部35は、口部36から離れるほど、チューブ容器30の径方向の外側に広がる例えば円錐台筒状に構成されている。例えば、肩部35は、水平に対して30度の傾きを有している。肩部35は、下側において胴部31に連設されている。
略円筒状の口部36は、上端の環状の天面46と、天面46の径方向の外側(外縁)から首部38、肩部35の方向(軸方向)に延びる外周面47と、天面46の内縁から軸方向に延びる内周面48とを有する。天面46は平坦に形成されている。口部36の内周面48は開口49を規定する。開口49は、内容物を吐出するための吐出口となる。胴部31に収容される中身は、開口49を通過することによってチューブ容器30から吐出される。
首部38は、口部36と肩部35の間に連設されており、口部36から下側に向かうにつれて外周が広がる係止部45を有する。係止部45は、その最大径部分から下側に向うにつれて、外周が狭まる部分を備えている。このような形状の係止部45を備えることにより、キャップ60の内筒9の弾性脚片9Aを係止する構造となっている。
本実施形態では、チューブ容器30は、中身が吐出されないように開口49を封鎖する機能、及び易開封性を有する密封シール20を備えている。具体的には、口部36の天面46に密封シール20が接合されている。図2に示すように、密封シール20は、開口49を覆うようにして天面46に取り付けられる。天面46と、密封シール20の接合は、どのような態様でなされていてもよい。例えば、天面46と、密封シール20とは、接着剤で貼り付けられていてもよく、熱融着、熱圧着等がなされていても良い。密封シール20は、鋭角的な物体が突き刺さることや、指が押し込まれることで破断する構成であってもよい。このような場合に密封シール20は易開封性を必ずしも有していなくても良い。
密封シール20の材料は、チューブ容器30の密封性(バリア性)や天面46との接合強度、突き刺し強度、引き裂き強度等に応じて選択されると良い。このため、密封シール20には、アルミニウム箔、2軸延伸ポリプロピレン(Oriented Polypropylene)等の単層体や、これらの積層体が適用可能である。
頭部成形体37は、上記のような構造により、キャップ60の脱着時に、外側から押圧された際、肩部35に接触させられる外筒8と、外筒8の内側に間隙を有して配されるとともに係止部45に嵌着させるための内筒9と、を有するキャップ60と、上下方向の直線運動のみにより着脱可能になっている。すなわち、頭部成形体37とキャップ60は、いわゆるワンタッチ嵌合により結合されている。図3は、本実施形態で用いるキャップ60を正面側から見た断面図である。図3に示したキャップ60は、実公平1-33483号公報に示されているような従来のワンタッチ嵌合で用いられるキャップと同様の形態であり、上側(上方)から見ると円形状、下側(下方)から見ると円筒状である。
図3に示すように、本実施形態で用いるキャップ60は、全体が可撓性を有する軟質合成樹脂で成形されており、円筒状の外筒8及び内筒9を有する。外筒8は下方裾部8Aの下端面を傾斜面8Bに形成し、内筒9は円周方向に等分した箇所にスリット(図示省略)を穿設して複数の弾性脚片9Aを円状に列設してある。さらに、各弾性脚片9Aの下端部には、内向きのフック状爪片7を設け、フック状爪片7の下端面は傾斜面7Aとなっている。また、内筒9の中央上面には円筒状のアウターリング2が形成されている。
胴部31は、フィルム状の積層体が筒状に成形されたものである。そして、筒状に延びる胴部31の一端が肩部35と接合されている。一方で、筒状の胴部31の内面が重ねられて接合された底シール部39によって胴部31の他端が封止されている(図1参照)。底シール部39は、胴部31に中身が充填された後に接合されれば良い。チューブ容器30の特に胴部31は、多少の粘度を有する中身であっても所望の量を容易に押し出すことが可能な可撓性(柔軟性、スクイズ性)を有するように構成されているとよい。胴部31の寸法は、中身の種類等によって適宜設計されれば良く、例えば、直径が50mmとされている。
上記のような構成からなるチューブ容器30は、以下のような製造工程を経て得られる。まず、図4に示すように、積層体10を用いて、積層体10の一対の貼り合わせ端部(以下、両端部と呼ぶことがある。)33A、33Bを重ね合わせて、その重ね合せ部分の外面と内面とをヒートシールして貼り合わせて胴貼り部32を形成することにより、筒状の胴部31を製造する。
ヒートシールする方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、火炎シールなどの従来公知の方法で行うことができる。
次いで、筒状の胴部31を金型(図示省略)内に装着し、胴部31の一方の開口部(上側)34Aに、例えば、圧縮成形、射出成形などの方法によって、頭部成形体37(肩部35、首部38、口部36)を形成する。このようにして胴部31の一方の開口部(上側)34Aに、頭部成形体37(肩部35、首部38、口部36)が一体に成形されてチューブ容器30が作製される。
一方、包装材料から所定の形状で打ち抜かれて密封シール20が得られる。この密封シール20の密封部20Aをチューブ容器30の口部36の天面46に当てて熱圧着し、密封シール20を口部36に接合する。これにより、開口49が密封シール20により覆われることになる。
図5は、密封シール20の接合前後におけるチューブ容器30の上面図である。図5(a)は、密封シール20の接合前、図5(b)は、密封シール20の接合後を示している。図5(a)に示すように、上側(口部36側)から見ると、吐出用の開口49の周囲に、筒状である口部36の厚みに相当する天面46が形成され、口部36の外周面47からチューブ容器30の下側(図5における奥方向)に向うにつれて外周が広がる係止部45が形成されている。さらに、係止部45を備えた首部38と胴部31を結ぶように、チューブ容器30の下側(図5における奥方向)に向うにつれて外周が広がる肩部35が形成されている。
図5(a)に示した口部36側において開口49を覆うようにして、口部36の上端である天面46に密封シール20を熱圧着する。密封シール20は、図5(b)に示すように、口部36の外周面47で規定される密封部20Aと、密封部20Aから外側に突出する摘み部20Bと、を有する。密封部20Aは、開口49を覆って口部36の上端である天面46に熱圧着される。このため、密封部20Aは、開口49より大きい必要があり、密封部20Aの外周は、天面46の外周と同サイズであることが好ましい。本実施形態では、天面46の外周が円形であるため、密封部20Aも円形となっている。密封シール20を剥離する際に、指で摘まむ部分である摘み部20Bは、矩形状であり、その長手方向が、内側から外側に向かうように、密封部20Aに連設されている。図5(b)に示すように、密封シール20が熱圧着された際には、開口49および天面46が覆われた状態となっている。
そして密封シール20が接合されたチューブ容器30の口部36側にキャップ60が装着される。図6は、頭部成形体37にキャップ60を装着した状態の部分断面図である。図6においても、図2と同様、右半分にその正面が示されており、左半分に、その径方向中心を通って正面と平行に切断した面が示されている。
図2に示したような頭部成形体37の口部36に、図3に示したようなキャップ60を装着すると、図6に示したような状態となる。具体的には、キャップ60を、チューブ容器30の上側から装着する際、まず、キャップ60の内筒9が、口部36の外周に位置するように、位置決めする。そして、その状態からキャップ60を下側に移動させる。すると、下側に進むほど外側に広がる係止部45に沿って、弾性脚片9Aが下側に移動され、弾性脚片9Aが外側に広がる。そして、弾性脚片9Aのフック状爪片7が係止部より下側に移動した際に、フック状爪片7が内側に移動し、図6に示すように、キャップ60がチューブ容器30に装着される。
図6に示したように、キャップ60の装着がなされた際、口部36の外周面47は、アウターリング2に接して囲まれた状態となる。この際、密封シール20の摘み部20Bは、アウターリング2に抑えられるようにして、下側に曲げられて、口部36の外周面47に接する状態となる。しかし、キャップ60のアウターリング2の内側と外周面47のいずれにもネジ山のような凹凸がないため、摘み部20Bが破損する惧れが極めて低い。
次にチューブ容器30の筒状の胴部31の他方の開口部(下側)34Bから、例えば、練り歯磨き、練り辛子、練りわさび、その他の内容物が適量分だけ充填される。その後、開口部(下側)34Bを溶着して底シール部39を形成して、内容物を充填包装したチューブ容器30を含む包装製品30Aが得られる。
頭部成形体37の詳細についてさらに説明する。頭部成形体37には、口部36、首部38、肩部35が適度の硬さとなるように成形することができ、胴部31の材料との接着性が高く、中身の品質に影響を与えず、中身に接触しても衛生的に支障のない材料が用いられる。このような材料として頭部成形体37には熱可塑性樹脂が用いられ、より具体的には高密度ポリエチレンが用いられる。
更に、頭部成形体37には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン、ブロック状ポリプロピレン、ランダムポリプロピレン)等のポリオレフィン樹脂や、オレフィンと、ビニル系モノマー、アクリル系モノマー、不飽和カルボン酸等の共重合性モノマーとの共重合体やこれらのブレンド組成物等のポリオレフィン系樹脂、及び上述の樹脂が、高密度ポリエチレンにブレンドされた樹脂等が用いられても良い。更に、耐熱性や、胴部31との熱接着性の観点からは頭部成形体37には、直鎖状低密度ポリエチレンに高密度ポリエチレンがブレンドされた樹脂が用いられると良い。更に、頭部成形体37の特に肩部35には、酸素等の気体の透過を防止するためにバリア材としての円錐台状筒体が積層されていても良い。肩部35には、植物由来性樹脂が含まれてもよい。
頭部成形体37の肩部35の形成に用いる高密度ポリエチレンは化石原料由来のものを使用してもよいが、環境負荷の低減のためカーボンニュートラル材料として知られるバイオマス由来の高密度ポリエチレンを使用してもよい。頭部やキャップはチューブ容器に占める質量割合が大きいため、頭部成形体37をバイオマス由来の高密度ポリエチレンを用いて成形することにより、チューブ容器全体として化石原料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、チューブ容器30の頭部成形体37は、従来の化石原料から得られる原料から製造された頭部と比べて、機械的特性等の物性面で遜色がないため、従来の頭部を代替することができる。
環境負荷低減の観点からは、バイオマス由来のポリエチレンのみを用いることが好ましいと言えるが、製造コスト等を考慮して、化石原料由来のポリエチレンとバイオマス由来のポリエチレンとをブレンドしたものを用いてもよい。ここで、バイオマス由来のポリエチレンとは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマー重合体である。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレンを用いているため、重合されてなるポリエチレンはバイオマス由来となる。原料モノマー中のバイオマス由来のエチレンの含有量は、100質量%である必要は無く、例えば、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。
原料モノマーには、化石原料由来のエチレンが含まれていてもよく、ブチレン、ヘキセン、およびオクテン等のα-オレフィンのモノマーが含まれていてもよい。このような場合であっても、得られた重合体をバイオマスポリエチレンと呼ぶ。バイオマス由来のポリエチレンを使用する場合、異なるバイオマス度のポリオレフィンを2種以上含むものであってもよい。また、化石原料由来のポリエチレンとバイオマス由来のポリエチレンとをブレンドする場合、混合方法は特に限定されず、ドライブレンドやメルトブレンドでもよい。また、両者を混合する場合の化石原料由来のポリエチレンとバイオマス由来のポリエチレンとの混合割合は、質量比において1:9~9:1が好ましく、より好ましくは2:8~8:2である。
例えば、バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。すなわち、植物由来性樹脂を用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、およびマニオクを挙げることができる。
本発明において、バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物またはその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、および抽出等の従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、または膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。
そして、これらのような樹脂が用いられる頭部成形体37の厚さは0.5 mm以上、2.0 mm以下であることが好ましい。本実施形態では、頭部成形体37は、圧縮成形(コンプレッション成形)によって作製される。このため、コンプレッション成形物である頭部成形体37では、天面46等の厚肉の部分にも、成形時の収縮によって生じるくぼみ、いわゆるヒケが生じないようにすることができる。更に、ゲート部のような材料の無駄も削減することができる。なお、頭部成形体37を射出成形(インジェクション成形)によって作製してもよい。
次に、図7により、筒状の胴部31を形成する積層体10について説明する。チューブ容器30の胴部31を形成する積層体10は、図7に示すように、外面から内面に向かって順に配置された第1シーラント層12と、印刷基材層13と、保護層19と、中間基材層17と、金属箔18と、第2シーラント層15とを有する積層体である。
印刷基材層13の内面には印刷インキを用いて所望の模様を含む内面印刷部13Aが形成されている。なお、印刷基材層13の外面に印刷インキを用いて、内面印刷部13Aを設けても良い。
また、第1シーラント層12と印刷基材層13とは、押出しラミネートにより接合されている。また、印刷基材層13と保護層19とはドライラミネートにより接合されている。また、保護層19と中間基材層17とは押出しラミネートにより接合されている。また、中間基材層17と金属箔18とは押出しラミネートにより接合されている。また、金属箔18と第2シーラント層15とは押出しラミネートにより接合されている。金属箔18と第2シーラント層15の層間において、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)等の酸共重合体を用いて押出しラミネートにて積層される。
ドライラミネートにより2層を接着する場合、積層しようとする層の表面に、接着剤を塗布して乾燥させることにより形成される接着剤層とすることができる。接着剤としては、例えば、1液型あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などの接着剤を用いることができる。2液硬化型の接着剤としては、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を用いることができる。上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で積層体を構成する層の塗布面に塗布することができる。
押出しラミネートに使用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂、またはこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、または、混合体(アロイを含む)を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、上記したポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン-α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン・マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。また、ポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂などを用いることができる。
これらの材料は、一種単独または二種以上を組み合わせて使用することができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィンなどを用いることができる。これらの樹脂は、単独または複数を組み合せて使用できる。なお、上記したポリエチレン系樹脂としては、上記したバイオマス由来のエチレンをモノマー単位として用いたものを使用して、バイオマス度をさらに向上させることができる。
押出しラミネート法により接着樹脂層を積層する場合には、積層される側の層の表面に、アンカーコート剤を塗布して乾燥させることにより形成されるアンカーコート(AC)層を設けてもよい。アンカーコート剤としては、耐熱温度が135℃以上である任意の樹脂、例えばビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンイミン等からなるアンカーコート剤が挙げられるが、特に、構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂(ポリオール)と、硬化剤としてのイソシアネート化合物との硬化物であるアンカーコート剤を、好ましく使用することができる。また、これに添加剤としてシランカップリング剤を併用してもよく、また、硝化綿を、耐熱性を高めるために併用してもよい。
乾燥後のアンカーコート層は、0.1μm以上1μm以下、好ましくは0.3μm以上0.5μm以下の厚さを有するものである。乾燥後の接着剤層は、好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは2μm以上5μm以下の厚さを有するものである。接着樹脂層は好ましくは5μm以上50μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下の厚さを有するものである。
次に、筒状の胴部31の積層体10を構成する各部分の材料について説明する。
第1シーラント層12および第2シーラント層15は例えばポリエチレン(PE)を含んでいてもよい。具体的には、第1シーラント層12および第2シーラント層15を以下の材料から作製してもよい。
第1シーラント層12および第2シーラント層15としては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。
また、印刷基材層13としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)層を用いることができ、PET層13に印刷を施すことによってPET層13に印刷インキからなる内面印刷部13Aを設けることができる。また、印刷基材層13は、中間基材層17とともにチューブ容器の剛性保持を担っている。
また、印刷基材層13としてPET層を用いる代わりに、ナイロン層を用いてもよい。ナイロン層を用いた場合は、PET層よりも機械的強度が優れる場合が多い。また、PET、ナイロン以外では、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用いることもできる。
保護層19は、金属箔18を保護するとともに、積層体10全体の外観の意匠性を高めるための層である。特に、金属箔18がアルミニウム箔である場合に、ヒートシール時に金属箔18が割れるのを抑止することにより、金属箔18を保護するものである。保護層19は、必ずしも金属箔18が割れることを防止することはできないが、一定程度保護することができる。保護層19としては、金属蒸着フィルムを用いることができる。金属蒸着フィルムのベースとなるフィルムとしては、印刷基材層13と同様、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等を用いることができる。ベースとなるフィルムに蒸着する金属としては、銅、すず等、一般に金属蒸着に用いられる様々なものを用いることができるが、アルミニウムを用いることが好ましい。本実施形態では、保護層19の金属蒸着フィルムとしてアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いている。保護層19として金属蒸着フィルムを用いることにより、外側から第1シーラント層12、印刷基材層13を通して見た場合に、メタリック調の外観を維持することができる。また、保護層19を金属箔18より外面側に形成することにより、金属箔18の破損を抑止することができる。アルミニウム箔等の金属箔は、金属膜であるため、膜が固く、ヒートシール時に熱と圧力で割れ易く、外観では黒い筋が見え易くなる。一方、アルミニウム蒸着PETのアルミニウム蒸着層は、40nm程度のため、基本的には膜が柔らかく、PET等の印刷基材層13に追従する。このため、アルミニウム蒸着PET等の保護層19の方が同じ熱と圧力を加えても割れにくい要因となる。
中間基材層17としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系のフィルムを用いることができる。ポリエチレン(PE)としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)等を用いることができる。中間基材層17は、耐内容物性を一層高める機能を備えるとともに、チューブ容器の胴部31の剛性保持を担っている。第1シーラント層12および第2シーラント層15として用いられるポリオレフィン系のフィルムと同一のものを用いてもよい。
中間基材層17の積層体10に対する厚みの比率は、20%以上25%以下(0.20以上0.25以下)であることが好ましく、21%以上23%以下(0.21以上0.23以下)であることがより好ましい。中間基材層17の積層体10に対する厚みの比率が小さ過ぎると、保護層19および金属箔18を備えた積層体10に十分なコシの強さが得られずに胴部31の弾性が低くなり、中間基材層17の積層体10に対する厚みの比率が大き過ぎると、柔軟性が弱まるため、チューブ容器に用いた際に、内容物を絞り出し難くなる。
金属箔18としては、水蒸気その他のガスバリア性など、必要とされる機能に応じて、適切なものが選択される。金属箔としては、例えば、銅、すず等、バリア性を有する様々な金属箔を用いることができるが、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
第1シーラント層12、印刷基材層13、保護層19、中間基材層17、第2シーラント層15に用いられる材料として上記した樹脂は、化石原料由来のものだけでなく、バイオマス由来の樹脂を用いてもよい。例えば、上記したバイオマス由来のポリエチレン樹脂の他、特開2012-116082号公報に記載されているようなバイオマス由来のエチレングリコールをジオール成分として使用したバイオマスポリエステルや、ポリ乳酸樹脂、セロハン、でんぷん、セルロース等を使用することができる。バイオマス由来の樹脂としては植物由来性樹脂を用いることが好ましい。第1シーラント層12、印刷基材層13、保護層19、中間基材層17、第2シーラント層15に植物由来性樹脂が含まれていることにより、チューブ容器全体として化石原料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
印刷基材層13の内面に設けられた内面印刷部13Aは、平滑でかつ透明性が優れる印刷基材層13に印刷されることから、美粧性に秀でた印刷をすることが可能である。
次に、筒状の胴部31の積層体10の製造方法について図7により説明する。
まず、印刷基材層13の内面に印刷が施されて、このようにして印刷基材層13の内面に印刷インキからなる内面印刷部13Aが設けられる。
次に、印刷基材層13の内面に、保護層19がドライラミネート(DL)にて接合される。
次に、保護層19の内面に中間基材層17が押出しラミネートにより接合される。
次に、中間基材層17の内面に金属箔18が押出しラミネートにより接合される。
次に、金属箔18の内面に第2シーラント層15が押出しラミネートにより接合される。
次に、印刷基材層13の外面に第1シーラント層12が押出しラミネートにより形成される。上記のようにして、胴部31の積層体10が得られる。なお、所望の積層体10が得られるようであれば、上記の製造方法には限られない。
このようにして得られた胴部31の積層体10は円筒状に巻かれ、上述のようにその両端部33A、33Bが重ね合わされて、両端部33A、33Bにおいて積層体10の外面と内面がヒートシールされて、胴貼り部32が形成され、筒状の胴部31が作製される。この場合、積層体10の外面側に設けられた第1シーラント層12と、内面側に設けられた第2シーラント層15とが溶融して接合され、筒状の胴部31が得られる。
なお、上記では胴貼り部32は、重ね合わせにより形成されるが、両端部33A、33Bのそれぞれの端面を、突き合わせて接合してもよい。さらに、上記にて付き合わせて接合した接合線を、筒状の胴部31の内面または外面にフィルムを貼付して保護してもよい。また、内側となる端部33Bには、端面保護のための加工をしてもよい。例えばテープ貼りによる保護や、端部33Bを容器の外側方向に折り曲げる加工(ヘミング加工)などがある。
次に、筒状の胴部31の開口部(上側)34Aが金型(図示省略)内に挿着され、筒状の胴部31に圧縮成形、射出成形などの方法を用いて、筒状の胴部31の開口部(上側)34Aに肩部35と口部36が形成される。そして、筒状の胴部31の他方の開口部(下側)34Bから、例えば、内容物としてペースト状の練り歯磨き(歯磨き粉)を適量分だけ充填する。その後、開口部(下側)34Bを溶着して底シール部39を形成して、内容物を充填包装したチューブ容器30が得られる(図1参照)。
次に、上記のようにして製造されたチューブ容器30の口部36に、密封シール20が熱融着された後、キャップ60が装着され、キャップ60が装着されたチューブ容器30は複数まとめてダンボール箱内に収納される。その後、キャップ60が装着された複数のチューブ容器30は、ダンボール箱毎に搬送される。
<実施例1>
印刷基材層13として厚み12μmのPETフィルム、保護層19として厚み12μmのVM-PETフィルム、中間基材層17として厚み60μmのPEフィルム、金属箔18として厚み10μmのアルミニウム箔を用いた。
具体的には、まず、印刷基材層13となる厚みが12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの内面側に内面印刷部13Aを形成した。
次に、印刷基材層13であるPETフィルムの内面印刷部13Aが形成された内面側において、接着剤を用いたドライラミネートにより、保護層19となる厚み12μmのVM-PETフィルムを貼り合わせた。
次に、保護層19の内面側にアンカーコート層を形成して、押出しラミネートにより熱可塑性樹脂であるPEを厚み20μmの接着層として、中間基材層17となる厚み60μmのPEフィルムを貼り合わせた。
次に、中間基材層17の内面側にアンカーコート層を形成して、押出しラミネートにより熱可塑性樹脂であるエチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)を厚み20μmの接着層として、金属箔18となる厚み10μmのアルミニウム箔を貼り合わせた。
さらに、金属箔18となる厚み10μmのアルミニウム箔の内面側に、厚さ35μmのEMAA樹脂を押出しラミネートし、さらに、このEMAA樹脂面に対し、2つの工程の押出しラミネートにより、第2シーラント層15となる厚み50μmのPE層を形成した。
次に、内面印刷部13Aが形成されていない印刷基材層13の外面側にアンカーコート層を形成して、第1シーラント層12となる厚み50μmのPE層を2つの工程の押出しラミネートにより形成した。
この結果、PE30μm/PE20μm/AC/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM-PET12μm/AC/PE20μm/PE60μm/AC/EMAA20μm/ALM箔10μm/EMAA35μm/PE25μm/PE25μmの構成となる積層体10が得られた。
さらに、積層体10を円筒状に巻き、上述のようにその両端部33A、33Bが重ね合わせ、両端部33A、33Bにおいて積層体10の外面と内面をヒートシールして胴貼り部32を形成し、筒状の胴部31を作製した。チューブ形状を特定する筒状の胴部31の内径は、38mmとした。次に、筒状の胴部31の開口部34Aを金型内に挿着し、筒状の胴部31に圧縮成形にて、筒状の胴部31の開口部34Aに肩部35と口部36を形成した。そして、筒状の胴部31の他方の開口部34Bから、内容物としてペースト状の練り歯磨き(歯磨き粉)を90g充填した。その後、開口部34Bを溶着して底シール部39を形成して、内容物を充填包装したチューブ容器30を形成した。
<実施例2>
印刷基材層13として厚み12μmのバイオPETフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、PE30μm/PE20μm/AC/バイオPET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM-PET12μm/AC/PE20μm/PE60μm/AC/EMAA20μm/ALM箔10μm/EMAA35μm/PE25μm/PE25μmの構成となる積層体10を用いたチューブ容器30を得た。印刷基材層13のバイオPETフィルムとしては、東洋紡社製「DE024」を用いた。
<実施例3>
保護層19として厚み12μmの金属蒸着バイオPET(バイオVM-PET)フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、PE30μm/PE20μm/AC/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/金属蒸着バイオPET12μm/AC/PE20μm/PE60μm/AC/EMAA20μm/ALM箔10μm/EMAA35μm/PE25μm/PE25μmの構成となる積層体10を用いたチューブ容器30を得た。保護層19の金属蒸着バイオPETフィルムとしては、DNPテクノパック社製「IB-PET-PBIR」を用いた。
<実施例4>
中間基材層17として厚み60μmのバイオPEフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、PE30μm/PE20μm/AC/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM-PET12μm/AC/PE20μm/バイオPE60μm/AC/EMAA20μm/ALM箔10μm/EMAA35μm/PE25μm/PE25μmの構成となる積層体10を用いたチューブ容器30を得た。中間基材層17のバイオPEフィルムとしては、大日本印刷社製「BDP-401」を用いた。
中間基材層17の積層体10に対する厚みの比率は、実施例1~4のいずれにおいても同一であり、0.223(22.3%)である。実施例1~4のいずれにおいても中間基材層17の厚みは60μmであり、積層体10全体の厚み、すなわち積層体10の総厚は269μmである。
層構成のそれぞれの層は、上下に10%の厚みの製造上の許容度(誤差)はありうる。そこで、中間基材層17が取り得る最大値を中間基材層MAXとし、最小値を中間基材層MINとすると、それぞれ以下のようになる。
中間基材層MAX=60×1.1=66μm
中間基材層MIN=60×0.9=54μm
また、積層体10の総厚から中間基材層17の厚みを除いた残りの厚みは、269μm-60μm=209μmである。10%の誤差を考慮すると、それぞれ以下のようになる。
残りの厚みMAX=209×1.1=229.9μm
残りの厚みMIN=209×0.9=188.1μm
そして、積層体10の総厚に対する中間基材層17の厚みの比率である中間基材層/積層体は、中間基材層の厚みが中間基材層MAXである場合に、最も高い値である(中間基材層/積層体)MAXをとる。具体的には、以下のようになる。
(中間基材層/積層体)MAX
=中間基材層MAX/(残りの厚みMIN+中間基材層MAX)
=66/(188.1+66)=0.260
したがって、中間基材層17の積層体10に対する厚みの比率が取り得る最大値は、0.26(26%)である。
そして、積層体10の総厚に対する中間基材層17の厚みの比率である中間基材層/積層体は、中間基材層の厚みが中間基材層MINである場合に、最も低い値である(中間基材層/積層体)MINをとる。具体的には、以下のようになる。
(中間基材層/積層体)MIN
=中間基材層MIN/(残りの厚みMAX+中間基材層MIN)
=54/(229.9+54)=0.190
したがって、中間基材層17の積層体10に対する厚みの比率が取り得る最小値は、0.19(19%)である。
上記の誤差を考慮すると、実施例1~4は、中間基材層17の厚みが積層体10の総厚の0.20以上0.25以下(20%以上25%以下)である範囲の特性を示しているものとみなすことができる。
<比較例1>
中間基材層として厚み40μmのPEフィルムを用いた。実施例1と比較すると、中間基材層の厚みが2/3である点が主な相違である。第1シーラント層、印刷基材層、保護層、金属箔、第2シーラント層については、実施例1と同一である。中間基材層として厚み40μmのPEフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてチューブ容器を得た。
この結果、PE30μm/PE20μm/AC/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM-PET12μm/AC/PE20μm/PE40μm/AC/EMAA20μm/ALM箔10μm/EMAA35μm/PE25μm/PE25μmの構成となる積層体を用いたチューブ容器が得られた。比較例1では、中間基材層の厚みは積層体の総厚の約16%である。
<比較例2>
中間基材層として厚み130μmのPEフィルムを用いた。実施例1と比較すると、中間基材層の厚みが2倍以上である点、第1シーラント層が若干厚い点が主な相違である。印刷基材層、保護層、金属箔、第2シーラント層については、実施例1と同一である。中間基材層として厚み130μmのPEフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にしてチューブ容器を得た。
この結果、PE35μm/PE25μm/AC/PET12μm/印刷層(インキ)/DL/VM-PET12μm/AC/PE20μm/PE130μm/AC/EMAA20μm/ALM箔10μm/EMAA35μm/PE25μm/PE25μmの構成となる積層体を用いたチューブ容器が得られた。比較例2では、中間基材層の厚みは積層体の総厚の約37%である。
<評価>
実施例1~4、比較例1、2の計6つの積層体を用いたチューブ容器について、絞り出し特性の評価を行った。絞り出しは、現実の使用時に合わせて手で圧力を加えることにより行った。絞り出し特性の評価の指標として、絞り出し易さ、絞り出した後の内容物残量(単位:g)、形状復元性、中間基材層/積層体、ループステフネスの5つを用いた。総合評価は、絞り出し易さと形状復元性に基づいて決定した。評価結果を表1に示す。
Figure 0007439418000001

絞り出し易さとしては、チューブ容器30の胴部31を押して絞り出す際の官能評価を行った。官能評価の結果、以下のような状態で、〇、△、×の3段階で評価した。
・柔らかい 〇
・どちらともいえない △
・硬い ×
内容物残量としては、チューブ容器30の胴部31を押して、1分以内に可能な限り絞り出すという条件で内容物を絞り出し、絞り出し後の内容物の重量(単位:g)を測定し、チューブ容器自体の重量を差し引いて、内容物残量を求めた。それぞれ5回行い、その平均値を記録した。
形状復元性としては、チューブ容器30の胴部31を押して内容物を絞り出した後1分間放置し、胴部31の状態を目視観察した。目視観察の結果、以下のような状態で、〇、△、×の3段階で評価した。
・胴部形状が絞る前の状態に復元した 〇
・胴部形状が一部へこんだまま △
・胴部形状の多くがへこんだまま ×
中間基材層/積層体は、積層体の総厚に対する中間基材層の厚みの比率である。
ループステフネスとしては、以下の測定条件でそれぞれ3回測定し、平均値を記録した。
・装置「ループステフネステスタ DA型(東洋精機製作所)」
・ループ長:60mm
・サンプル巾:20mm
・保持時間:3sec(秒)
総合評価は、絞り出し易さと形状復元性に基づいて決定した。具体的には、絞り出し易さと形状復元性のうち、悪い方の評価を記録した。比較例1では、絞り出し易さは〇、形状復元性は△であるため、悪い方の評価である△を総合評価としている。
表1に示すように、絞り出し易さについては、実施例1~4、比較例1の積層体では、いずれも柔らかい(〇)ものであったが、比較例2の積層体では、硬い(×)という感触であった。これは、比較例2では、中間基材層17の厚みが積層体の総厚の約37%であり、25%を超えた厚みであるためであると思われる。
また、表1に示すように、内容物残量については、実施例1~4、比較例1の積層体において、比較例2の積層体に比べて半分以下の値となった。すなわち、実施例1~4、比較例1の積層体においては、比較例2の積層体に比べて、内容物を十分に絞り出すことができた。
表1に示すように、形状復元性については、実施例1~4、比較例2の積層体では、いずれも胴部形状が絞る前の状態に復元した(〇)が、比較例1の積層体では、胴部形状が一部へこんだまま(△)であった。これは、比較例1では、中間基材層17の厚みが積層体の総厚の約15%であり、20%に満たない厚みであるためであると思われる。
表1に示した評価結果より、第1シーラント層12、印刷基材層13、保護層19、中間基材層17、金属箔18、第2シーラント層15が、順に積層されてなり、保護層19として、金属蒸着フィルムを用い、中間基材層17の厚みが積層体10の総厚の20%以上25%以下(0.20以上0.25以下)である積層体10は、それ以外の積層体に比較して、絞り出し易さ、絞り出した後の内容物残量、形状復元性のいずれの指標も良好であるということが分かった。すなわち、本実施形態に係る積層体10は、それ以外の積層体に比較して、絞り出し特性が良好であることが明らかになった。
このように、絞り出し易さ、絞り出した後の内容物残量、形状復元性のいずれの指標も良好な積層体10をチューブ容器30の胴部31として用いることにより、金属箔を保護してバリア機能を十分に発揮するとともに意匠性を高め、さらに内容物の絞り出し特性を改善することができた。
次に図8により、密封シール20の層構成について説明する。密封シール20は、図8に示すように、上側から下側に向かって順に配置された第1基材層21と、第2基材層22と、シーラント層23とを有する積層体である。
第1基材層21の下側には印刷インキを用いて所望の模様を含む内面印刷部21Aが形成されている。
また、第1基材層21と第2基材層22とは、ドライラミネートにより接合されている。さらに第2基材層22とシーラント層23とはドライラミネートにより接合されている。
次に密封シール20を構成する各部分の材料について説明する。
シーラント層23は例えばポリエチレン(PE)を含んでいてもよい。具体的には、シーラント層23を以下の材料から作製してもよい。
シーラント層23としては、熱によって溶融し、チューブ容器30の口部36と相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。
また第1基材層21、第2基材層22としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)層を用いることができる。第1基材層21としてPET層を用いた場合、PET層に印刷を施すことによってPET層に印刷インキからなる内面印刷部21Aを設けることができる。
また、第1基材層21としてPET層を用いる代わりに、ナイロン層を用いてもよく、また少なくとも一方の面に金属蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面に金属蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
また、少なくとも一方の面にシリカ蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面にシリカ蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
また、少なくとも一方の面に酸化アルミ蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層を用いてもよく、また少なくとも一方の面に酸化アルミ蒸着膜を有しガスバリア性をもったナイロン層を用いてもよい。
また第2基材層22としてPET層を用いる代わりに、ナイロン層を用いてもよい。
ナイロン層を用いた場合は、PET層よりも機械的強度が優れる場合が多い。また、各種蒸着膜を備えたフィルムは、基材となるフィルムよりもガスバリア性が優れる。
密封シール20の好ましい一例としては、第1基材層21として上側に金属蒸着膜を有しガスバリア性をもったPET層、第2基材層22としてPET層、シーラント層23としてポリエチレン(PE)を用い、VM-PET12μm/インキ/接着剤/PET25μm/接着剤/PE30μm、の積層体とした構成が挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、チューブ容器30を密封するように、密封シール20を、口部36に接合するようにしたが、必ずしも密封シール20を備える必要はない。
また、上記実施形態では、キャップとして、上下方向の直線運動のみにより容器に対してキャップを着脱させるような、いわゆるワンタッチ嵌合により結合されるタイプのものを用いたが、口部の外周面にネジ条を設け、ネジ条に螺合するように、キャップ内面にネジ溝を備えたスクリュータイプのもの等、他のタイプのものを用いてもよい。
2・・・アウターリング
7・・・フック状爪片
7A・・・傾斜面
8・・・外筒
8A・・・下方裾部
8B・・・傾斜面
9・・・内筒
9A・・・弾性脚片
10・・・(チューブ容器30の胴部31の)積層体
12・・・第1シーラント層
13・・・印刷基材層
15・・・第2シーラント層
17・・・中間基材層
18・・・金属箔
19・・・保護層
20・・・密封シール
20A・・・密封部
20B・・・摘み部
21・・・第1基材層
22・・・第2基材層
23・・・シーラント層
30・・・チューブ容器
31・・・胴部
32・・・胴貼り部
33A・・・胴貼りの際に外側となる貼り合わせ端部
33B・・・胴貼りの際に内側となる貼り合わせ端部
34A・・・開口部(上側)
34B・・・開口部(下側)
35・・・肩部
36・・・口部
37・・・頭部成形体
38・・・首部
39・・・底シール部
45・・・係止部
46・・・天面
47・・・外周面
48・・・内周面
49・・・開口
60・・・キャップ

Claims (5)

  1. 第1シーラント層、印刷基材層、保護層、接着性樹脂層、中間基材層、接着性樹脂層、金属箔、第2シーラント層が、順に積層された積層体であって、
    前記保護層は、金属蒸着フィルムを用いて形成されており、
    前記中間基材層の厚みが積層体の総厚の20%以上25%以下であり、
    前記金属箔は、アルミニウム箔であり、
    前記積層体のループスティフネスが2050mN以上であり、
    前記第1シーラント層および前記第2シーラント層は、2層の押出ラミネート樹脂層であることを特徴とする積層体。
  2. 前記金属蒸着フィルムは、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記印刷基材層、前記保護層の少なくとも一方に植物由来性樹脂が含まれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体。
  4. 前記第1シーラント層、前記第2シーラント層、前記中間基材層のいずれか1つ以上に植物由来性樹脂が含まれていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層体を胴部として用いたことを特徴とするチューブ容器。
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JP2019516575A (ja) 2016-05-26 2019-06-20 キムパイ ラミチューブ カンパニー、リミテッド 高鏡面光沢を有する多層柔軟性シート

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