JP7439349B1 - 溶融塩電解による高珪素鋼の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融塩電解による、緻密で均質な高珪素鋼の製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、Si含有量が3.0~4.5wt%である低珪素鋼を基材とする。基材を陰極とし、単結晶/多結晶Siを陽極とし、フッ化物溶融塩中で定電流電解する。本発明は、電流密度、電解温度、時間、及び溶融塩中の珪素イオン濃度などのパラメータを制御することにより、表面と中心部のSi含有量が一致した高珪素鋼薄帯を生産することができ、環境を考慮して溶融塩及び電解質をリサイクルすることを実現し、高珪素鋼の圧延中の脆性割れの問題を回避し、製品の歩留まりを高くし、プロセス全体にわたって連続生産を実現することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、高珪素鋼の製造方法の分野に属し、具体的には、溶融塩電解による高珪素鋼の
製造方法に関する。
高珪素鋼とは一般的にSi含有量が4.5~6.7wt%の珪素-鉄合金のことで、主に
発電機、変圧器、自動車の昇圧コンバータなどの機器の磁性部品に使われている。Si含
有量の異なる珪素鋼は磁気特性が異なる。珪素鋼は、珪素の含有量が増加するに伴い、抵
抗率と透磁率が増加し、磁歪係数と鉄損が減少し、Siの含有量が6.5wt%になると
透磁率が最大となり、磁歪係数がほぼゼロとなり、鉄損が最小となり、磁気特性が最適と
なる。しかし、Si含有量の増加に伴い、高珪素鋼の硬度と脆性が急激に向上し、靭性と
延性率が急激に低下し、機械加工性能が悪くなり、従来の圧延方式による6.5wt%の
Si珪素鋼の大規模生産が困難であり、高珪素鋼の発展と応用が制限されてしまう。
高珪素鋼が脆性のために加工されにくいという問題を解決するために、新しい製造技術の
開発が試みられているが、いずれもいくつかの問題があり、実用化が困難である。現在、
化学気相堆積法(CVD)だけが6.5wt%Si珪素鋼の小ロット工業化生産を実現し
たが、このプロセスにはFe基の損失が大きすぎ、環境汚染が生じ、設備維持費が高いな
どの欠点がある。溶融塩電解技術では、電解副反応が少なく、堆積速度が速く、堆積層が
厚く均一であり、生成物のミクロトポグラフィが制御可能であり、高珪素鋼の生産を実現
することができる。
李慧らが発明した傾斜型珪素鋼の製造方法では、SiOを電解質とし、低珪素鋼と黒鉛
をそれぞれ陰極と陽極として電着を行い、堆積層表面の粒子が細かく、緻密度が良いが、
電流密度が大きいため陽極の不動態化が起こりやすく、堆積生成物の品質に影響し、電解
系で使用する溶融塩電解質はリサイクルができず、珪素系原料の浪費とフッ素塩による環
境汚染を引き起こす。盛敏奇らが発明した常温電着-拡散浸透法による傾斜型珪素鋼の製
造方法では、低珪素鋼を陰極めっき部品として、SiCl、FeCl水溶液系の還元
性雰囲気下で、電着法により陰極表面にFe-Si合金層を製造し、後続の熱処理と合わ
せて低珪素鋼表層へのSi二次添加を実現したが、SiClは毒性と腐食性があり、環
境を汚染すると同時に、鉄資源の浪費を引き起こし、生成物のSi-Fe合金層が陰極表
面に付着することにより、最終的な生成物の厚さを制御することが困難である。そのため
、高珪素鋼の実用的な新型生産技術の開発が急務となっている。
本発明は、Si拡散が不均一で、冷間脆性が深刻であるなど、従来の高珪素鋼の製造プロ
セスにおける問題を解決するために、従来技術の欠点を解決し、高純度鉄又は低珪素鋼を
基材として溶融塩電着法により環境を考慮して珪素鋼帯を製造することである。後続の熱
処理と合わせて結晶粒径を制御可能にすることができ、可塑性が良好で寸法範囲が制御可
能でき、緻密で均質な方向性及び無方向性の高珪素鋼板帯材を得ることができる。
上記した発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
本発明は、低珪素鋼を基材として、手順が簡単で条件が温和な溶融塩電着法により高珪素
鋼を製造する方法であって、
フッ化物無機塩と、フッ化物無機塩に対する無機ケイ素塩のモル比が1:9以下であって
NaSiF、KSiF、LiSiF又はSiOを含む無機ケイ素塩とを秤
量し、均一に混合した後、ベークする、電解質を製造するステップ(1)と、
前記電解質を電解容器に入れ、低珪素鋼の陰極と単結晶シリコン又は多結晶シリコンの陽
極を電解質に浸漬し、電解容器を電解質の融点温度以上に昇温し、不活性ガスを導入し、
電極に電源を入れて定電流電解を1~20mA/cm電流密度で24h以下行い、電解
終了後、陰極を取り出し、洗浄してベークする、溶融塩を電解するステップ(2)と、
ベーク後の陰極を焼鈍炉の恒温領域内に置き、保護ガス雰囲気下、5~10℃/minの
昇温速度で目標温度1000~1200℃まで上昇し、保温時間tと目標温度T`との関
数関係が
Figure 0007439349000002
となるように保温し、熱処理終了後、試料を5~10℃/minの速度で室温まで炉冷し
、珪素含有量分布が均一な高珪素鋼を得る、高温焼鈍のステップ(3)と、を含む。
さらに、前記ステップ(1)におけるフッ化物無機塩は、LiF、NaF、KF、又はこ
れらからなる2元又は3元の塩を含む。
さらに、前記フッ化物無機塩及び無機ケイ素塩の純度が共に98%以上である。
さらに、前記ステップ(1)におけるベークとは、具体的には、真空炉で200℃まで昇
温し、12h保温することである。
さらに、前記ステップ(2)における低珪素鋼組成は、3wt%≦Si≦4.5wt%、
Fe≧95wt%を含み、残部が不可避的な残留元素である。
さらに、前記ステップ(2)における陰極の厚さが0.05mm~1mmである。
さらに、ステップ(2)における陰極の純度が98%以上である。
さらに、前記ステップ(2)は、電解質に、陰極及び陽極を浸漬する前に、陰極及び陽極
を洗浄し、70~80℃でベークすることをさらに含む。
さらに、前記ステップ(2)における電解容器は、坩堝と縦型抵抗炉とを含み、電解容器
内に電入れる前記ステップは、具体的には、電解質を坩堝内に入れた後、坩堝を縦
型抵抗炉の恒温領域内に置くことである。

さらに、前記坩堝は、鉄坩堝、石英坩堝、コランダム坩堝、黒鉛坩堝、又はニッケル坩堝
を含む。
さらに、前記ステップ(2)における電解容器の昇温とは、具体的には、抵抗炉を電解質
の融点温度以上に昇温することである。
さらに、前記ステップ(2)における電解質の融点温度以上が550℃~950℃である
さらに、前記ステップ(2)における不活性ガスは、純度99%以上のアルゴンガス又は
窒素ガスである。
さらに、ステップ(3)における保護ガスは、純度99%以上のアルゴンガス又は窒素ガ
スである。
さらに、前記ステップ(3)における珪素含有量分布が均一であるとは、製造された試料
をランダムにサンプリングして珪素含有量試験を行った結果、珪素含有量の差が0.3%
以内であることを意味する。
さらに、前記ステップ(3)における高珪素鋼とは、Si含有量が6%以上であることを
意味する。
本発明は、単結晶/多結晶Siを陽極とし、電解中に陽極Siの溶解と陰極Siの堆積・
拡散を同時に行うことで、溶融塩中の珪素イオン濃度を一定に保持し、環境を考慮して溶
融塩をリサイクルすることを実現することを創造的に提案した。電解溶融塩材料としてN
SiF、KSiF、LiSiF又はSiOを含む無機ケイ素塩を選択す
ることにより、これらの材料がF/Li/Na/K溶媒中に安定に存在して安定なフッ化
物イオン錯体を形成することができ、拡散抑制効果の低減に寄与し、さらに、高ケイ素鋼
の表面粗さの増大、多孔質化、樹枝状又は粉末状の生成物の発生を回避することができる
本発明は、堆積速度と拡散速度が同等である場合、製造された高珪素鋼の表面にSi堆積
層がなく、電解前後で陰極基材の厚さが変化せず、Si拡散層の表面が平滑で、拡散層内
のSi分布が均一で、濃度勾配が小さく、電流効率がより高いことを創造的に提案した。
本発明の反応系によれば、電流密度を1~20mA/cmに制御することで、Si4+
の還元速度を下地内のSiの拡散速度と同等にすることができ、陰極還元生成物が全て下
地内に拡散し、これによって、高濃度のSiを下地内に拡散させることができ、高珪素鋼
を得ることができる。
本発明は、本発明の系によれば、電解液中に含まれるケイ素イオンのモル濃度が10%を
超えると、得られた生成物のSi拡散層の粗さが急激に向上し、表面が平滑な状態になる
ことが困難であることを創造的に提案した。珪素の拡散係数が鉄よりも大きく、溶融塩中
の珪素イオン濃度が高いため、珪素の拡散速度が鉄の拡散速度よりもはるかに速く、珪素
-鉄相互拡散過程で激しいカーケンドール効果が起こりやすく、珪素浸透層内に孔の欠陥
が発生する。このため、珪素イオン電解質のモル濃度が0~10%の範囲であることが好
ましく、溶融塩中の珪素イオン濃度を制御することにより、欠陥の発生を回避することが
できる。
本発明は、下地中の浸透珪素含有量(浸透Si質量/基材の総質量)(y/wt%)と電
解温度(T/℃)、時間(t/h)、電流密度(J/mA・cm-2)、珪素イオン濃度
(c/mol%)とは正の相関を示し、以上の電解パラメータを制御することにより、S
i質量含有量が6%以上の高珪素鋼基材を製造できることを創造的に提案した。目標Si
含有量の計算式は次のとおりである。
(浸透層中のSi平均含有量×浸透層の厚さ×2)/総厚さ+下地中のSi含有量=目標
Si含有量
本発明は、電解後に拡散焼鈍ステップを追加することで、さらに下地表層のSiの内部へ
の拡散を促進することができるが、焼鈍温度が1250℃を超えると、基材が部分的に溶
融し、高珪素鋼の製造を実現することができず、温度が900℃未満の場合、拡散速度は
遅く、不均一であり、本発明の反応系によれば、拡散プロセスパラメータとして、焼鈍温
度を1000~1200℃、保温時間tと前記目標温度T’との関数関係を
Figure 0007439349000003
にするのが好ましい。保温時間が上記の関数関係からずれている場合、基体内部での珪素
の拡散が不均一になる。
本発明は、以下の顕著な特徴と顕著な効果を有する。
(1)本発明は、高純度鉄又は低珪素鋼薄帯を直接基材とすることにより、圧延時の高珪
素鋼の脆性割れの問題を回避すると同時に、表面品質が悪く、寸法仕様が小さいという問
題を解決する。
(2)本発明は、電流密度、電解温度、時間及び珪素イオン濃度を制御することにより、
結晶粒の偏析がなく、安定した特性を有し、Si含有量が均一な高珪素鋼(ランダムにサ
ンプリングして検出した結果、Si含有量分布の差が0.3wt%未満)を製造すること
ができ、本発明の態様によれば、Si含有量が6%以上の均一な高珪素鋼を得ることがで
き、珪素の浸透深さが150μmに達する。
(3)本発明では、陽極にSiロッドを使用することにより、電解中に陽極のSi溶解と
陰極のSi堆積・拡散が同時に行われるため、溶融塩中の珪素イオン濃度が変化せず、溶
融塩のリサイクルが可能である。操作が簡単で、低コストで汚染がなく、プロセス全体に
わたって連続生産が可能である。
実施例1の電解生成物の走査型電子顕微鏡像である。 実施例1の熱処理生成物の走査型電子顕微鏡像である。 実施例1の電解・熱処理生成物のSi含有量分布図である。
実施例1
純度99.5%のLiF 30g、純度99.9%のKF共晶塩68g、及び純度99.
9%のKSiF 5.0gを秤量し、遊星式高エネルギーボールミルにより300r
/minで1h混合して取り出し、アルコールで拭き取って乾燥した鉄坩堝に入れ、坩堝
を横型炉に入れ、高純度Arを導入し、200℃まで昇温して12h保温し、混合塩中の
自由水と結合水を除去した。
直径5mm、長さ50mmの単結晶Siロッドを陽極とし、厚さ0.5mmの低珪素鋼板
を陰極とし、電極表面を脱イオン水と無水エタノールで順次洗浄した後、70℃のオーブ
ンに入れて乾燥しておいた。低珪素鋼板の化学組成及び質量%は、Si:3.0%、C:
0.0022%、Als:0.55%、Mn:0.31%、O:0.0060%、P:0
.011%、S:0.0017%、N:0.0019%、Ti:0.0018%、V:0
.0014%、Nb:0.0015%、B:0.0049%、Sn:0.105%とし、
残部はFe元素とした。
上記塩を入れた鉄坩堝を坩堝鉗子で縦型抵抗炉の恒温領域内に置き、坩堝を水平に保ち、
ステンレス鋼ロッドの一端に低珪素鋼板の陰極を固定し、抵抗炉の上炉蓋の管開口から炉
管の中部に挿入し、Siロッド陽極も同様の操作を行い、抵抗炉の気密性が良好であるこ
とを確認した後、高純度Arガスと循環水を導入して抵抗炉を5℃/minで600℃ま
で昇温し、目標温度にしたら15min保温し、混合塩を完全に溶融させた。
両電極の上をマルチメーターで接続し、溶融塩の位置と電極の溶融塩への浸漬深さを決め
、陽極と陰極をすべて2cm浸漬した。電極位置を固定した後、電極に電源を接続し、定
電流を14.10mA(5mA/cm)、電解時間6hに設定し。
電解終了後、電極をゆっくりと持ち上げた後、冷却速度5℃/minで室温まで降温した
。電極板を炉内から取り出し、洗浄後70℃のオーブンに入れて乾燥した。電解生成物の
走査型電子顕微鏡像を図1に示す。
上記拡散焼鈍の具体的な過程は以下のとおりである。
電解生成物を焼鈍炉の恒温領域に入れ、気密性を検査した後、焼鈍炉を高純度Arガスで
3回洗浄して炉体内の残留酸素を除去し、最後に高純度Arを導入し、5℃/minの昇
温速度で1150℃まで昇温し、30min保温し、熱処理終了後、試料を5℃/min
の速度で室温まで炉冷し、Si含有量分布の差が0.3wt%未満の高珪素鋼を得た。熱
処理生成物の走査型電子顕微鏡像を図2、電解・熱処理生成物のSi含有量分布図を図3
に示す。
測定した結果、本実施例の態様で得られた高珪素鋼では、最終的なSi含有量は6.5%
であり、鉄損P10/50=0.51W・kg-1、P10/400=8.8W・kg-1
、B=1.34Tであった。本実施例では、電流効率は77.3%であった。試料断面
でランダムに検出した20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.23wt
%であり、誤差範囲内であった。製品の孔は少なく、明らかな隙間は観察されず、緻密度
は高かった。
実施例2
電流を6.24mA(3mA/cm)、電解時間を8hに設定した以外、本実施例の製
造方法は実施例1と同様であった。
測定した結果、本実施例の態様で得られた高珪素鋼では、最終的なSi含有量は6.1%
であり、鉄損P10/50=0.58/W・kg-1、P10/400=9.2W・kg-
、B=1.33Tであった。本実施例では、電流効率は81.1%であった。試料断
面でランダムに検出した20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.20w
t%であり、誤差範囲内であった。製品の孔は少なく、明らかな隙間は観察されず、緻密
度は高かった。
実施例3
低珪素鋼板の化学組成及び質量%はSi:4.5%、C:0.0022%、Als:0.
55%、Mn:0.31%、O:0.0060%、P:0.011%、S:0.0017
%、N:0.0019%、Ti:0.0018%、V:0.0014%、Nb:0.00
15%、B:0.0049%、Sn:0.105%であり、残部はFe元素であり、電流
は20.8mA(10mA/cm)、電解時間は3hに設定された以外、本実施例の製
造方法は実施例1と同様であった。
測定した結果、本実施例の態様で得られた高珪素鋼では、最終的なSi含有量は6.7%
であり、鉄損P10/50=0.53W・kg-1、P10/400=9.0W・kg-1
、B=1.35Tであった。本実施例では、電流効率は55.6%であった。試料断面
でランダムに検出した20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.21wt
%であり、誤差範囲内であった。製品の孔は少なく、明らかな隙間は観察されず、緻密度
は高かった。
実施例4
SiF含有量が2.6g(0.5mol%)で純度99.9%のKSiFを含
み、電流を2.06mA(1mA/cm)、電解時間を20hに設定した以外、本実施
例の製造方法は実施例1と同様であった。
測定した結果、本実施例の態様で得られた高珪素鋼では、最終的なSi含有量は6.0%
であり、鉄損P10/50=0.56W・kg-1、P10/400=9.3W・kg-1
、B=1.30Tであった。本実施例では、電流効率は62.1%であった。試料断面
でランダムに検出した20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.21wt
%であり、誤差範囲内であった。製品の孔は少なく、明らかな隙間は観察されず、緻密度
は高かった。
実施例5
電解温度を700℃、電流を6.28mA(3mA/cm)、電解時間を4hに設定し
た以外、本実施例の製造方法は実施例1と同様であった。
測定した結果、本実施例の態様で得られた高珪素鋼では、最終的なSi含有量は6.4%
であり、鉄損P10/50=0.54W・kg-1、P10/400=8.9W・kg-1
、B=1.34Tであった。本実施例では、電流効率は88.9%であった。試料断面
でランダムに検出した20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.25wt
%であり、誤差範囲内であった。製品の孔は少なく、明らかな隙間は観察されず、緻密度
は高かった。
実施例6
電解温度を800℃、電流を2.08mA(1mA/cm)、電解時間を4hに設定し
た以外、本実施例の製造方法は実施例1と同様であった。
測定した結果、本実施例の態様で得られた高珪素鋼では、最終的なSi含有量は6.5%
であり、鉄損P10/50=0.50W・kg-1、P10/400=9.0W・kg-1
、B=1.34Tであった。本実施例では、電流効率は95.3%であった。試料断面
でランダムに検出した20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.21wt
%であり、誤差範囲内であった。製品の孔は少なく、明らかな隙間は観察されず、緻密度
は高かった。
実施例7
熱拡散焼鈍温度を1200℃、焼鈍時間を15minに設定した以外、本実施例の製造方
法は実施例1と同様であった。
測定した結果、本実施例の態様で得られた高珪素鋼で、最終的なSi含有量は6.5%で
あり、鉄損P10/50=0.50W・kg-1、P10/400=8.9W・kg-1
=1.32Tであった。本実施例では、電流効率は77.3%であった。試料断面で
ランダムに検出した20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.21wt%
であり、誤差範囲内であった。製品の孔は少なく、明らかな隙間は観察されず、緻密度は
高かった。
比較例1
電流を41.6mA(20mA/cm)、電解時間を4hに設定した以外、本比較例の
製造方法は実施例1と同様であった。
測定した結果、本実施例の態様で得られた高珪素鋼では、最終的なSi含有量は4.9%
であり、鉄損P10/50=1.02W・kg-1、P10/400=15.2W・kg-
、B=1.28Tであった。本実施例では、電流効率は46.6%である。試料断面
でランダムに検出した20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.27wt
%であり、誤差範囲内であったが、製品は微細孔が多く、数十ミクロンの隙間が観察され
、緻密度が劣っていた。
比較例2
SiFの添加量が31.2g(12mol%)で純度が99.9%であった以外、
本比較例の製造方法は実施例1と同様であった。
測定した結果、本実施例の態様で得られた高珪素鋼では、最終的なSi含有量は5.7%
であり、鉄損P10/50=0.81W・kg-1、P10/400=14.5W・kg-
、B=1.39Tであった。本実施例では、電流効率は39.8%であった。試料断
面でランダムに検出した20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.52w
t%であり、許容誤差を超えていた。製品は微細孔が多く、数十ミクロンの隙間が観察さ
れ、緻密度が劣っていた。
比較例3
電解温度を540℃に設定した以外、本比較例の製造方法は実施例1と同様であった。
測定した結果、本実施例の態様で得られた高珪素鋼では、最終的なSi含有量は4.5%
であり、鉄損P10/50=0.98W・kg-1、P10/400=16.6W・kg-
、B=1.35Tであった。本実施例では、電流効率は45.5%であった。試料断
面でランダムに検出した20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.65w
t%であり、許容誤差を超えていた。製品は微細孔が多く、十数~数十ミクロンの隙間が
観察され、緻密度が劣っていた。
比較例4
SiFをKSiClに置換した以外、本比較例の製造方法は実施例1と同様で
あった。
本実施例の態様で得られた高珪素鋼では、Si含有量は5.7%であり、鉄損P10/5
=1.05W・kg-1、P10/400=19.8W・kg-1、B=1.40Tで
あった。本実施例では、電流効率は67.7%であった。試料断面でランダムに検出した
20点において、Si含有量の最高値と最低値の差は0.72wt%であり、許容誤差を
超えていた。電解前に溶融塩中に安定して存在する珪素イオンがなく、電解初期に非珪素
堆積反応が起こり、溶融塩中の不純物が陰極表面に堆積され、試料表面に樹枝状のものが
発生しており、十数ミクロンの大きさの孔が観察され、緻密度が劣っていた。
前記実施例は、本発明の好適な実施例にすぎず、本発明を限定するものではなく、当業者
が本発明に基づいて行う同等の代替又は置換はすべて本発明の特許範囲内である。

Claims (4)

  1. 溶融塩電解による高珪素鋼の製造方法であって、
    フッ化物無機塩無機ケイ素塩とを秤量し、前記無機ケイ素塩と前記フッ化物無機塩と
    モル比が1:9以下でり、前記無機ケイ素塩はNa SiF 、KSiF、Li
    SiF又はSiOみ、一に混合した後、ベークする、電解質を製造するステッ
    (1)であってフッ物無機塩は、LiF、NaF、KF又はこれらからなる2
    元又は3元の塩含み、前記フッ化物無機塩及び無機ケイ素塩の純度が共に98%以上で
    ステップ(1)と、
    前記電電解容器に入れ、低珪素鋼の陰極と単結晶珪素又は多結晶珪素の陽極を電
    浸漬し、電解容器550~950℃昇温し、不活性ガスを導入し、電極に電源を
    入れて定電流電解を110mA/cm 電流密度で24h以下行い、電解終了後、陰極
    を取り出し、洗浄してベークする、溶融塩を電解するステップ(2)であって前記低珪
    素鋼組成は、3wt%≦Si≦4.5wt%、Fe≧95wt%を含み、残部が不可避的
    な残留元であるステップ(2)と
    ベーク後の陰極を焼鈍炉の恒温領域内に置き、保護ガス雰囲気下、5~10℃/minの
    昇温速度で目標温度1000~1200℃まで上昇し、保温時間tと目標温度T`との関
    数関係が

    Figure 0007439349000004
    となるように保温し、前記関数関係において、tの単位はmin、T`の単位は℃であり
    処理終了後、試料を5~10℃/minの速度で室温まで炉冷し、珪素含有量分布が
    均一な高珪素鋼を得る、高温焼鈍のステップ(3)と、を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記ステップ(1)におけるベークとは、具体的には、真空炉内で200~300℃に昇
    温し、12h以上保温することであることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記ステップ(2)における陰極の厚さが0.05mm~1mmであることを特徴とする
    請求項1~2のいずれか1項に記載の製造方法。
  4. 前記ステップ(2)は、電解質に陰極及び陽極を浸漬する前に、陰極及び陽極を洗浄し、
    70~80℃でベークすることをさらに含むことを特徴とする請求項1~2のいずれか1
    項に記載の製造方法。
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