JP7438040B2 - 調理済み冷凍食品 - Google Patents

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本発明は、電子レンジ調理により喫食可能状態となる調理済み冷凍食品に関し、詳細には、麺などの主食材の上に、肉などの具材を含む低塩分含有率のペースト調味液が配置され、且つペースト調味液の直下且つ主食材の隙間にオイル調味液が配置されている調理済み冷凍食品に関するものである。
冷凍食品は、保存料を使用することなく長期保存が可能であるため、利便性の高さから近年注目を集めている。なかでも、麺や米などの主食材とスープやタレ等(以下「スープ等」という)とが一体として凍結され、電子レンジ調理のみにより簡単に喫食状態にすることが可能な冷凍食品の需要が近年増加している。
このような調理済み食品において課題となるのが、電子レンジ調理時の加熱斑と、それに伴う主食材の“焼付き”である。極端な場合には、主食材の一部が過加熱により焼付いているにもかかわらず、中心部に凍結部が残存することがあるため、従来から当該分野における長年の課題となっている。
加熱斑を解消する方法としては、(1)麺などの主材に加熱斑を防止する素材を付着させたり、練りこんだりする方法や、(2)主材の形状や調味液の配置を工夫する方法が試みられている。
例えば、主材の表面に加熱斑を防止する素材を付着等させる方法としては、融点が90℃以上である耐熱性ゲルが食品中に分散させる方法、エタノールを含む水中油型乳化物を付着させる方法、グリアジンを混合する方法などが開示されている。
調味液の配置等を工夫する方法としては、大型具材とソースの比率などを調整する方法や、ソースを分割して配置する方法などが開示されている。
しかしながら、好適な風味を実現するという観点においては、加熱斑を防止するための素材は不必要であるし、場合によっては異味の原因になる。また、ソースの比率や配置を変更することでソースの加熱斑は解消できるものの、依然として主食材とソースの加熱効率には差があるため、食品全体としての加熱斑を解消するものではなかった。
特開平10-327773号公報 特開平10-056998号公報 特開2006-020630号公報 特開2011-062116号公報 特開2019-024443号公報
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、冷凍食品を電子レンジ調理する際に生じる加熱斑や、それに伴う麺や米飯の焼付きを抑制することを目的とするものである。
本発明者らは、麺や米などの主食材の上に塩分含有率の低いペースト調味液を配置し、且つペースト調味液の直下且つ主食材の隙間に塩分含有率の高いオイル調味液を配置した冷凍食品により、上記課題を解決することを見出した。
本発明の完成により、冷凍食品を電子レンジ調理する際に生じる加熱斑や、それに伴う麺や米飯の焼付きを抑制することができる。
本発明に係る冷凍食品の上面図及び断面図である。
本発明は、主食材の上にペースト調味液が配置され、且つペースト調味液の直下且つ主食材の隙間にオイル調味液が配置されている電子レンジ調理用冷凍食品であって、ペースト調味液の30℃における粘度が5Pa・s以上であり、オイル調味料の含水率が1重量%以下であり、且つ、オイル調味液の塩分含有率がペースト調味液の塩分含有率よりも高い、ことを特徴とする電子レンジ調理用冷凍食品に関するものである。以下詳細に説明する。
(主食材)
主食材としては、澱粉を含む飯類や麺類が挙げられる。
飯類としては、白米、玄米、麦等を炊飯等によりα化処理したものが該当し、具体的には、米飯、麦飯、おこわなどが挙げられる。米飯や麦飯を炒めた炒飯等も本発明における飯類に該当する。
麺類としては、常法により形成した生麺線を所定の長さに裁断し、蒸煮によりα化処理したものが該当し、具体的には、中華麺、うどん、蕎麦、パスタなどが挙げられる。α化処理した中華麺やうどんを炒めた焼そばや焼うどん等も本発明における麺類に該当する。
(ペースト調味液)
本発明におけるペースト調味液は、30℃における粘度が5Pa・s以上であることが必要であり、10Pa・s以上であることがより好ましい。本発明では、ペースト調味料を主食材の上に配置することでマイクロ波を吸収しやすくしている。また、オイル調味料の直上にペースト調味料を配置することで、オイル調味料に照射されるマイクロ波を抑制している。したがって、食材の隙間にペースト調味料が入り込まないようにするために5Pa・s以上の粘度が必要である。なお、JAS規格によれば濃厚ソース(とんかつソース)の粘度は2Pa・s以上と規定されているため、本発明におけるペースト調味料は濃厚ソースの基準の2倍以上の粘度が必要である。
さらに、ペースト調味料は、30℃における粘度が200Pa・s以下であることが好ましい。ペースト調味料の粘度が高すぎると、ポンプによって輸送しにくいため生産性が低い。また、凍結時、主食材とペースト調味料はアンカー効果によって接着しているが、ペースト調味料の粘度が固すぎるとペースト調味料が主食材に食い込まないため充分に接着せず、小さな衝撃で欠損しやすくなる。
ペースト調味料に粘度を付ける方法としては、でんぷん、ゼラチン、カラギーナン、寒天、アルギン酸等の増粘剤を添加する方法や、マヨネーズのように乳化させて粘度を付ける方法などを適宜選択できる。
ペースト調味料に用いられる食用塩としては、塩化ナトリウム(食塩)、又は塩化カリウムや塩化マグネシウムのような食塩の代替品が挙げられる。
また、詳細については後述するが、ペースト調味料の含水率が10重量%を超える場合に本発明の効果が顕著である。
ペースト調味料には、必要に応じてグルタミン酸ナトリウム、イノシン酸などのうまみ成分、乳酸、クエン酸、酢酸、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムなどの酸味成分、グルコース、フルクトース、スクロース、トレハロース、ガラクトース、オリゴ糖、グリセリン、キシリトール、ソルビトール等の甘未成分、ナツメグ、ターメリック、山椒、唐辛子等の香辛料等を添加することができる。
(オイル調味料)
本発明におけるオイル調味料は少なくとも食用油脂と食用塩を含む。
オイル調味料に用いられる食用油脂に特に限定はないが、菜種油、パーム油、大豆油、コーン油、米油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、ピーナッツオイル、牛脂、豚脂、鶏脂、魚油、又はトリ/ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等により得られる油脂等が挙げられる。
食用油脂の配合量は、オイル調味料全量に対して20重量%以上であることが好ましく、30重量以上であることがより好ましい。また、99重量%以下であることが好ましく、95重量%以下であることがより好ましい。食用油脂の添加量が不足している場合には、オイル調味料の流動性が悪く、生産性が低下する。
ペースト調味料と同様に、オイル調味料に用いられる食用塩としては、塩化ナトリウム(食塩)、又は塩化カリウムや塩化マグネシウムのような食塩の代替品が挙げられる。
本発明におけるオイル調味料の含水率は1重量%以下である。詳細は後述するが、含水率が1重量%を超えると、主食材が焼付く原因になる。
オイル調味料には、必要に応じてグルタミン酸ナトリウム、イノシン酸などのうまみ成分、乳酸、クエン酸、酢酸、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムなどの酸味成分、グルコース、フルクトース、スクロース、トレハロース、ガラクトース、オリゴ糖、グリセリン、キシリトール、ソルビトール等の甘未成分、ナツメグ、ターメリック、山椒、唐辛子等の香辛料等を添加することができる。また、粘度が低すぎる場合には、でんぷん、ゼラチン、カラギーナン、寒天、アルギン酸等の増粘剤を添加することができる。
(塩分含有率)
本発明においては、ペースト調味液の塩分含有率が、オイル調味液の塩分含有率よりも低いことが必要である。なお、本発明においては、調味料中に溶解している食用塩(溶質)の割合を“塩分濃度”、溶解しているかどうかにかかわらず調味料中に含まれている食用塩の割合を“塩分含有率”と区別して説明する。
主食材の“焼付き“について説明する。
主食材(麺、米等)の塩分濃度は、濃度が高すぎると喫食に向かないため塩分が含まれていない、又は含まれていたとしても4重量%程度であることが多い。一方、主食材の味付けに使用する調味料は、主食材と比べると配合量が少なかったり、希釈されることを前提としているため塩分濃度が4重量%以上であることが一般的であり、10重量%を超えることも多い。そして、このように塩分濃度に差のある主食材と調味料とを長時間加熱調理すると、塩分濃度が低い媒体(主食材)から塩分濃度の高い媒体(調味料)への水分移行が起こることが知られている。
一方、電子レンジ調理の特徴としては、外側に配置された食材ほどマイクロ波を吸収しやすく加熱されやすいこと、及び水や油と比較して氷の加熱効率(マイクロ波の吸収効率)が著しく低いことが挙げられる。このため、電子レンジ調理の場合には、外側に配置されている主食材及び調味料は一早く溶けてそのあと長時間加熱され続けるが、中心部に配置されている主食材は凍結したままという状態になりやすい。そして、外側に配置されて、長時間加熱され続けた主食材では焼付きが起こる。
詳細は定かではないが、“焼付き”は以下のようなメカニズムで起こると推測されている。なお、本発明における“焼付き”とは、以下に示す“主食材の硬化”及び/又は“主食材同士の結着”が発生することをいう。
主食材と調味料が解凍され、温度が上昇すると、塩分濃度の差により主食材から調味料への水分移行が起こる。
この現象は主食材と調味料が接触している領域において発生しやすい。
次に、水分移行が起こった領域の主食材を電子レンジで加熱し続けると100℃を超える。これは、主食材をオーブンや過熱水蒸気で焼いているのと同じ状況であり、主食材の硬化を招く。
一方、主食材の表面には、接着剤の一種である澱粉が流出している。このため、主食材の硬化が起こる領域においては、澱粉を介して隣接する主食材同士が結着する。
そこで本発明においては、調味料を、塩分含有率の低いペースト調味料と、塩分含有率はペースト調味料よりも高いが含水率の低いオイル調味料とに分けて、水分移行やそれに伴う“焼付き”を防止した。以下詳細に説明する。
ペースト調味料の塩分含有率
ペースト調味料の塩分含有率は3重量%以下であることが好ましく、0重量%に近いほど好ましい。本発明では、オイル調味料の含水率を1重量%以下に制限しているため、調味料全体(ペースト調味料及びオイル調味料)として必要な水分のほとんどはペースト調味料から供給される。言い換えると、ペースト調味料はオイル調味料と比較して含水率が高い。したがって、塩分含有率が高いと、塩分濃度も高まり、水分移行及び主食材が焼付く原因になる。したがって、ペースト調味料については、塩分含有率を低く抑える必要がある。
一方、オイル調味料については、含水率を1重量%以下に制限しているため食用塩はほとんど溶解しない。したがって、オイル調味料については、塩分含有率が高かったとしても、塩分濃度は一定以上に上昇せず、水分移行や主食材の焼き付きにはほとんど影響しない。
ペースト調味液の塩分含有率は、オイル調味液の塩分含有率よりも低いことが必要である。ペースト調味液の塩分含有率がオイル調味液の塩分含有率と同等、又はペースト調味液の塩分含有率がオイル調味液の塩分含有率よりも高い場合には、わざわざペースト調味液とオイル調味液を分けて調整する必要がない。
また、ペースト調味液の塩分含有率は、オイル調味液の塩分含有率よりも3重量%以上低いことが好ましく、5重量%以上低いことが好ましい。ペースト調味液の塩分含有率とオイル調味液の塩分含有率の間隔が小さい場合には、焼付きを抑制する効果が小さいため、本発明の効果が明確に現れない場合がある。
(含水率)
ペースト調味料の含水率
ペースト調味料の含水率が、オイル調味料の含水率よりも高いことが必要である。ペースト調味料の含水率がオイル調味料の含水率(1重量%)を下回る場合には、オイル調味料と同様にペースト調味料の塩分濃度も上昇しないため、わざわざペースト調味液とオイル調味液を分けて調整する必要がない。なお、ペースト調味料の含水率が10重量%を超える場合において、本発明の効果が顕著である。ペースト調味料の含水率がオイル調味料の含水率を少し上回る程度の水準(例えば2重量%程度)では、食用塩が溶け残ることが多く、塩分濃度も上昇しにくいため、本発明の効果が明確に現れない場合がある。
オイル調味料の含水率
オイル調味料の含水率は1重量%以下であり、0.5重量%以下であることがより好ましい。含水率が1重量%を超えると、オイル調味料中の食用塩が溶解し、塩分濃度が上昇するため、主食材が焼付く原因となる。
(ペースト調味料とオイル調味料の配置)
主食材の上にペースト調味液が配置され、且つペースト調味液の直下且つ主食材の隙間にオイル調味液が配置されていることが必要である。電子レンジ調理においては、水や油と比較して氷の加熱効率(マイクロ波の吸収効率)が著しく低い。このため、本発明においては、凍結時に氷をより多く含むペースト調味料を、マイクロ波を吸収しやすい外面側に配置して加熱効率を高めている。
一方、オイル調味料については、含水率が低く、加熱効率の良い食用油脂をより多く含むため、マイクロ波の届きにくい中心部に配置しでも加熱効率はさほど低下しない。むしろ、オイル調味料を中心部に配置することで、温度の上昇しやすいオイル調味料から、主食材やペースト調味料へ熱が伝わる(伝熱)。このため、オイル調味料を冷凍食品の中心部に配置することにより、解凍しにくい主食材の中心部やペースト調味料の下部を効率よく加熱することができる。
本発明においては、主食材、ペースト調味料、オイル調味料の他に、鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉等の畜肉、ネギ、タマネギ、ニンジン、ナス、トマト、ゴボウ、タケノコ等の野菜、シイタケ、マッシュルーム、しめじ等のキノコ類等、芋類、豆類などのその他具材を加えてもよい。なお、その他食材からペースト調味料やオイル調味料にりゅうしゅつしたエキス(水分、脂質、旨味成分、塩身成分など)は、それぞれの調味料の成分に含める。例えば、豚ひき肉を加えたペースト調味料を作る場合には、豚ひき肉に含まれる水分、脂質、旨味成分の多くはペースト調味料に流出するため、その他具材に該当する部位は僅かである。
(主食材の製造方法)
飯類
主食材に使用される飯類については、常法に従って製造することができる。具体的には、米、麦等を、炊き干し法、湯立て法、炒め煮、蒸し等により炊飯し、必要に応じてさらに炒めることにより飯類を製造する。この飯類を型詰めし、次の併合工程(調味料と合わせる工程)に移行する。なお、併合工程の前に、飯類の温度を20~40℃に冷却しておくことが好ましい。高温のまま次工程に移行すると、飯類の熱によって調味料の粘度が大きく変化するため品質を管理しにくい。
麺類
主食材に使用される麺類については、常法に従って製造することができる。以下に具体的な製造例を挙げる。
小麦粉、必要に応じて澱粉、そば粉、その他穀粉を加えて主原料粉とし、これに食塩、かんすい、重合リン酸塩、卵白、グルテン、乳化剤、油脂等の副原料を必要に応じて添加し、練り水と共によく混練する。副原料は主原料に粉末で添加しても、練り水に加えて添加しても良い。
よく混練して麺生地を作成した後、複合麺帯機等を用いて麺帯に成型し、これを数回圧延ロ-ルに通して薄く延ばし、最終麺帯厚とした後、切刃ロ-ルで切り出して麺線化(生麺線)する。なお、スパゲティのようにエクストル-ダで押出して麺線とする等の方法でもよい。
この生麺線を、蒸煮によりα化処理し、1食分にカットし、型詰めする。なお、次の併合工程(調味料と合わせる工程)の前に麺線を20~40℃に冷却しておくことが好ましい。高温のまま次工程に移行すると、麺線の熱によって調味料の粘度が大きく変化するため品質を管理しにくい。
(併合工程)
型詰めされた主食材の隙間にオイル調味料を入れる。オイル調味料の粘度が高く、主食材の空隙に入り込むのに時間が掛かる場合には、オイル調味料を加温して粘度を下げてから投入してもよい。ただし、オイル調味料の熱によって、主食材の品質が劣化しないように留意する必要がある。
次に、ペースト調味料を主食材の上、且つオイル調味料の直上に載せる。ペースト調味料を載せた後は、速やかに冷却工程に移行することが好ましい。冷却工程に移行するまでの間隔が長すぎると、ペースト調味料とオイル調味料が混ざり合う恐れがある。
その他具材については、ペースト調味料とあらかじめ混ぜ合わせたうえで投入してもよい。ただし、その他具材の存在によってペースト調味料の粘度が200Pa・sを超える場合には、ペースト調味料とは別のタイミングでその他具材を投入する必要がある。
(冷却工程)
最後に、これら食品を凍結させて冷凍食品を製造する。凍結条件としては、-35℃以下で急速凍結することが好ましい。緩慢凍結をした場合、凍結するまでに調味料が剥離したり、ペースト調味料とオイル調味料が混ざり合い、本発明の目的を実現できない可能性がある。また、緩慢凍結をした場合には、最大氷結晶生成温度帯(-1~-5℃の間)の通過に時間がかかり、冷凍食品の組織が破壊され、食感が悪化するためである。
以下に実施例を示す。
(麺)
準強力粉950gにアセチル化タピオカ澱粉を50g、卵白粉5g、グルテン5gを粉体混合し、食塩15g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム50:炭酸カリウム45:重合リン酸塩5)15g、クチナシ色素1gを水340gに溶解した練水を加え、真空ミキサーにて常圧下で4分間混捏した後、減圧下で8分間混捏し、ドウを作製した。
作製したドウを複合して麺帯を作製し、ロール圧延にて1.4mmまで麺帯を圧延した後、18番角のロール切刃にて麺帯を切断し、麺線とした後、約30cmとなるように麺線をカットした。
カットした麺線130gをボイル用のバケットに入れ、100℃の沸騰水で120秒間ボイルした。ボイル後20秒間湯切りをし、流水で洗って粗熱を取ってから冷却用トレーに厚みが20mmとなるように充填した。
(ペースト調味料A)
上白糖25部、ラード8.3部、コーンスターチ3.9部、キサンタンガム0.3部、水62.5部を、ミキサーを用いてよく混合・攪拌し、30℃における粘度が7Pa・sのペースト調味料Aを調整した。なお、全ての調味料の粘度測定にはB型粘度計を用いた。
(ペースト調味料B)
上白糖を9部、ラード3部、コーンスターチ5部、キサンタンガム0.1部、水82.9部を、ミキサーを用いてよく混合・攪拌し、30における粘度が20Pa・sのペースト調味料Bを調整した。
(ペースト調味料C)
微粒化した食塩(表1においては「塩」と記載する)2部、上白糖を7部、ラード3部、コーンスターチ5部、キサンタンガム0.1部、水82.9部を、ミキサーを用いてよく混合・攪拌し、30℃における粘度が20Pa・sのペースト調味料Cを調整した。
(ペースト調味料D)
上白糖8部、ラード8部、コーンスターチ3.5部、トマトペースト40部、冷凍玉ねぎダイス33.0部、水7.5部を、ミキサーを用いてよく混合・攪拌し、30℃における粘度が20Pa・sのペースト調味料を調整した。なお、ペースト調味料Dについては固形物が残存していたため、30メッシュの金網で裏ごしした後に粘度を測定した。
(オイル調味料)
微粒化した食塩17部、ラー油1部、ゴマ油17部、ラード65部を、ミキサーを用いてよく混合・攪拌し、オイル調味料を調整した。オイル調味料の水分は0.1%未満だった。
ペースト調味料A75部と、オイル調味料25部とを混合して混合調味料を調整した。
Figure 0007438040000001
トレーに入った麺の中央部にオイル調味料を25部充填し、続いて麺とオイル調味料の直上にペースト調味料Aを75部を積載した。最後に、トレーごと急速冷凍して、冷凍食品1(実施例1)を製造した。
ペースト調味料Aをペースト調味料B~Dに変更し、それ以外は冷凍食品1と同様の方法で、冷凍食品2~4(実施例2~4)を製造した。
トレーに入った麺の中央部に混合調味料100部を充填し、トレーごと急速冷凍して、冷凍食品5(実施例5)を製造した。
(焼付き評価)
冷凍食品1を電子レンジ(シャープ社製「RE-S26A」、500W、8分)で解凍し、その後70℃のお湯で調味料を洗い流して評価用のサンプル1を準備した。同様の条件で冷凍食品2~5を電子レンジで解凍してサンプル2~5を準備した。
お湯(300ml)の入った鍋に冷凍食品1を入れて沸騰するまで加熱して冷凍食品1を解凍し、その後70℃のお湯で調味料を洗い流して比較サンプル1を準備した。同様の条件で冷凍食品2~5を鍋調理で解凍して比較サンプル2~5を準備した。
サンプル1~4について、以下の基準で評価した。評価結果は表2の通りである。
○:麺線の焼付きが全く発生していない。
×:10本以上の麺線において焼付きが発生している。
△:〇と×の間の評価
Figure 0007438040000002
なお、鍋調理で解凍した比較サンプル1~5についてはいずれも焼付きは発生していなかった。
サンプル1については、実用性のある範囲ではあるもののペースト調味料とオイル調味料の接触領域において一部焼付きが発生していた。これはペースト調味料とオイル調味料が混ざり合い、塩分濃度の高い調味料が部分的に形成されたためだと思われる。また、サンプル3については、ペースト調味料と主食材の接触領域において一部焼付きが発生した。これは、ペースト調味料が食塩を含むためだと思われる。
1 ペースト調味料
2 麺塊
3 オイル調味料

Claims (3)

  1. 主食材の上にペースト調味液が配置され、且つペースト調味液の直下且つ主食材の隙間にオイル調味液が配置されている電子レンジ調理用冷凍食品であって
    ペースト調味液の30℃における粘度が5Pa・s以上であり、
    ペースト調味液の塩分含有率が3重量%以下であり、
    オイル調味料の含水率が1重量%以下であり、
    且つ、オイル調味液の塩分含有率がペースト調味液の塩分含有率よりも高い、
    ことを特徴とする電子レンジ調理用冷凍食品。
  2. オイル調味液の塩分含有率が、ペースト調味液の塩分含有率よりも5重量%以上高いことを特徴とする請求項1に記載の電子レンジ調理用冷凍食品。
  3. ペースト調味液の含水率が10重量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子レンジ調理用冷凍食品。
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