JP2004049224A - 調味液付き冷凍食品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】調味液付き冷凍麺は、凍結された麺塊1上面のほぼ中央に、前記麺塊1よりも平面視における大きさが小さい調味液塊2が配置されている。調味液塊2は、自重により、一部が麺塊1内に陥没した状態となっている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、調味液付き冷凍食品およびその製造方法に関し、特に、解凍・加熱調理を電子レンジ等で行うのに適した調味液付き冷凍食品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、調味液付き冷凍食品、例えば、調味液付きの冷凍麺や冷凍米飯等は、麺塊又は米飯塊と、調味液とが、混ざって一体化した状態で冷凍されている。このような調味液付き冷凍食品は、電子レンジ等を用いた加熱により、解凍・加熱調理されて食される。
【0003】
例えば、冷凍スパゲティでは、茹で麺とソースとが混ざった状態で冷凍されている。このような冷凍スパゲティの製造方法としては、所定の成型容器に茹で麺を投入した後、この茹で麺の中心部付近に、充填機を用いて、上からソースをスポット状に滴下する。それにより、茹で麺とソースとが混ざり合って一体化する。そして、この一体化した茹で麺とソースとを冷凍する方法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2610124号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の製造方法により製造された冷凍スパゲティでは、ソースが麺の隙間に流れ込んだ状態で冷凍されるので、麺塊の中心部が氷の塊となる。このため、電子レンジで解凍・加熱調理した際に、前記中心部が解凍しがたく解凍むらが生じる。また、ソースが麺の隙間に入り込んでしまうので、ソースが麺塊の上面に広がらず、よって、できあがりの見栄えが悪くなる。さらに、製造時に、凍結していない状態の麺とソースとが接触してソースが麺にしみ込んだり、あるいは、製品の流通中に、混ざり合って一体化した麺およびソースの一部が溶けてソースが麺にしみ込むため、外観、食味、および食感が悪くなる。このような課題は、冷凍スパゲティ等の冷凍麺に限らず、調味液付きの冷凍食品全般、例えば冷凍カレー等の冷凍米飯にも生じる。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、外観、食味および食感が良好で、調理後のできあがりの見栄えが良く、かつ、解凍むらを生じることなく容易に解凍・加熱調理を行うことが可能な調味液付き冷凍食品およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る調味液付き冷凍食品およびその製造方法は、凍結させてなる主食材塊の上に、凍結させてなる調味液塊が配置されてなる調味液付き冷凍食品であって、前記調味液塊の主面の大きさが前記主食材塊の主面の大きさよりも小さく、平面視において前記調味液塊が前記主食材塊内に収まり、かつ、前記調味液塊の外周と前記主食材塊の外周とが一致しないように配置され、前記調味液塊の底部が前記主食材塊に埋め込まれるとともに、前記調味液塊の上面が前記主食材塊の周縁上面より突出したものである(請求項1,5)。例えば、主食材塊が麺塊であってもよく、また、主食材塊が米飯塊であってもよい(請求項2,3,6,7)。
【0008】
かかる構成によれば、主食材塊と調味液塊とが個々に独立した非混合状態でかつ一体化されているため、主食材塊の内部に調味液塊、具体的には、調味液塊が溶けて液状となった調味液がしみ込むのを防止することが可能となる。それにより、調味液が主食材塊内にしみ込んで氷の塊を形成するのを防止することが可能となるので、解凍むらを生じることなく容易に電子レンジ等で解凍・加熱調理することが可能となる。このような冷凍食品を電子レンジ等で解凍・加熱調理すると、良好な外観、食味および食感を実現することが可能となる。
【0009】
また、主食材塊から突出した調味液塊の部分が解凍されて、調味液が主食材塊上を流れて適度に広がって行くので、主食材塊のほぼ全体に渡って調味液を付着させることが可能となるとともに、できあがりの見栄えが良好となる。
【0010】
さらに、主食材塊に形成された凹部の側壁により、調味液塊の底部外周部が支持されるため、凍結工程後の製品の包装工程や輸送時等において、調味液塊が主食材塊からずれたり分離するのを防止することが可能となる。また、調味液塊が埋め込まれた分だけ製品全体の薄型化が図られるため、物流コストの低減化を図ることが可能となるとともに、製品の包装材の消費を抑えて製造コストの低減化を図ることが可能となる。さらに、薄型化により、解凍・加熱調理時に、全体を短時間で均一に加熱することが可能となる。
【0011】
前記主食材塊の少なくとも上面が食用油で処理されてもよい(請求項4,8)。
【0012】
かかる構成によれば、主食材塊と調味液塊との間で生じる水分の移動を効果的に抑制することが可能となるため、良好な外観、食味および食感を実現することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。実施の形態においては、調味液付き冷凍食品として冷凍麺を例に挙げ、その具体例として、冷凍スパゲティについて説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態に係る冷凍食品たる冷凍スパゲティの模式的な側面図であり、図2は図1の模式的な平面図である。
【0015】
図1および図2に示すように、冷凍スパゲティは、凍結させた麺塊であり主面がほぼ長方形形状を有する板状の麺塊1と、調味液を凍結させたものであり主面が麺塊1とほぼ相似な長方形形状を有し平面視における主面の縦および横の長さが前述の麺塊1よりも小さい板状の調味液塊2とから構成される。ここでは、麺塊1が主食材塊に相当する。
【0016】
調味液塊2は、麺塊1の主面の各辺からほぼ等距離に位置して麺塊1の表面全体をほぼ覆うように配置されており、図2に示すように、平面視において麺塊1内に収まっている。そして、図1に示すように、調味液塊2の一部、すなわち底部から所定深さまでの部分が、自重により、麺塊1内に陥没しているとともに、調味液塊2の上面が麺塊1の周縁上面より突出している。それにより、麺塊1に形成された凹部内に調味液塊2が埋め込まれた状態となり、この凹部の側壁によって、調味液塊2の周辺部が支持されている。
【0017】
麺塊1は、常法により茹でてα化処理したスパゲティの麺を冷凍して凍結させたものである。また、調味液塊2は、例えば、ミートソース、ホワイトソース、ナポリタンソース、ボンゴレソース、和風ソース等のソースが冷凍されて板状に凍結されたものである。
【0018】
このような冷凍スパゲティは、以下の製造方法により製造される。
【0019】
まず、常法により得られたスパゲティの麺を茹でてα化処理した後、冷却または放冷する。そして、この茹で麺を所定量ずつ凍結成型用容器に入れる。このように1つの塊を形成した麺を、以下においては麺塊と呼ぶ。ここでは、凍結成型用容器として、一端に開口部を有するほぼ直方体形状の麺用トレーを用いる。この麺用トレーは耐冷凍性を有する材料、例えば、ポリエチレン等のプラスティックや紙、あるいはそれらのラミネート材等から構成される。
【0020】
一方、所定の調理方法によりスパゲティのソース(以下、調味液と呼ぶ)を用意し、これを所定量ずつ凍結ソース用成型容器に入れる。ここで、凍結ソース用成型容器としては、一端に開口部を有するほぼ直方体形状で、前述の麺用トレーよりも底面の長方形の縦および横の長さが短いソース用トレーを用いる。このようなソース用トレーは、前述の麺用トレーと同様の材料から構成される。このようにしてソース用トレーに調味液を入れた後、ソース用トレーごと調味液を冷凍して凍結させる。それにより、調味液塊2たる板状の凍結ソースが得られる。
【0021】
次に、麺用トレーに入れた前述の凍結させていない麺塊の上面に食用油を均一に付着させ、麺塊の上面を食用油で被覆する。食用油は特に限定されるものではなく、例えば、サラダ油、ナタネ油、ゴマ油、オリーブ油等の植物油を用いても良く、あるいは、ラード、牛脂等の動物油を用いても良い。また、食用油を麺塊の上面に付着させる方法としては、スプレーや塗布等の方法が挙げられる。
【0022】
続いて、ソース用トレーから板状の調味液塊2を取り出し、これを麺用トレー内の麺塊の上面の各辺からほぼ等距離に位置するように配置する。このように麺塊の上面に調味液塊2を載せると、調味液塊2の自重により、麺塊に凹部が形成されて調味液塊2の一部が麺塊内に陥没した状態となる。それにより、麺塊に形成された凹部の側壁によって調味液塊2の外周が支持される。なお、麺塊の上面に調味液塊2を載せる際には、ソース用トレーの底面に接して凍結した調味液塊2の表面を下にして載せてもよく、ソース用トレーの底面と反対側で凍結した調味液塊2の表面を下にして載せてもよい。ソース用トレーの底面に接して凍結した調味液塊2の表面は、他方の表面に比べて平坦となっている。
【0023】
上記のようにして調味液塊2を配置した後、麺用トレーごと麺塊および調味液塊2を冷凍して凍結させる。麺塊が凍結して麺塊1が形成されたら、調味液塊2が載った麺塊1を麺用トレーから取り出し、これを包装用容器に入れる。包装用容器としては、電子レンジ用パウチ等の袋や、トレーや皿等の容器が使用されるが、ここでは例えば一端に開口部を有する直方体形状のトレーを用いている。このような包装用容器の構成材料としては、電子レンジ加熱に耐え得る耐熱性、冷凍保管に耐え得る耐寒性、耐水性等が求められことから、ポリエチレンやポリプロピレン等のプラスティック、各種紙材、あるいはそれらのラミネート材等のマイクロ波透過可能な材料が用いられる。
【0024】
このようにして製造された本実施の形態の冷凍スパゲティでは、麺塊1と調味液塊2とが個々に独立した非混合状態でかつ一体化されて冷凍されているため、麺塊1の内部に、調味液塊2(具体的には、調味液塊2が溶けて液状となった調味液)がしみ込むのを防止することが可能となる。それにより、以下の効果が得られる。
【0025】
すなわち、調味液が麺塊1内にしみ込んで氷の塊を形成するのを防止することが可能となるので、解凍むらを生じることなく容易に電子レンジで解凍・加熱調理することが可能となる。また、このような冷凍スパゲティを電子レンジで解凍・加熱調理すると、茹でたての麺に調味液をかけたものと同様の良好な見栄え・外観を実現できるとともに、良好な食味および食感を実現できる。
【0026】
また、調味液塊2の大きさを麺塊1よりも小さくするとともに、自重により調味液塊2の一部を麺塊1内に陥没させているため、以下のような効果が得られる。
【0027】
すなわち、調味液塊2の外周部が麺塊1に形成された凹部の側壁により支持されているため、凍結工程後の製品の包装工程や輸送時等において、調味液塊2が麺塊1からずれたり分離するのを防止することが可能となり、壊れにくい製品を実現できる。
【0028】
また、調味液塊2が麺塊1内に陥没した分だけ、製品全体の薄型化が図られる。ここでは、内部の隙間を確保しつつ麺塊1の厚みを薄くすることができるとともに、調味液塊2も板状とすることにより厚みを薄くすることができるため、製品の冷凍スパゲティは、薄型でコンパクトになる。したがって、物流コストの低減化を図ることが可能になるとともに、製品の陳列数も増える。また、薄型化した分だけ製品の包装材の消費が少なくて済むため、製造コストの低減化を図ることが可能となる。さらに、薄型になった冷凍スパゲティでは、電子レンジ加熱を行うと、全体を均一に加熱することが可能となる。このため、短時間で容易に加熱することが可能となる。
【0029】
さらに、麺塊1から突出した調味液塊2の部分が解凍されると麺上を流れて適度に広がって行くため、調味液塊2が配置されていなかった麺塊1の周辺部にも調味液を付着させることが可能となる。したがって、麺のほぼ全体に調味液を付着させることが可能となり、できあがりの見栄えが良好となる。また、調味液塊2が麺塊1よりも小さいため、解凍・加熱調理した際に、調味液が麺以外の部分にたれるのを抑制することが可能となる。
【0030】
また、麺塊1の上面が食用油により被覆されているため、以下のような効果が得られる。
【0031】
すなわち、麺塊1の上に調味液塊2を載せても、食用油により、冷凍工程時や包装工程時や製品の流通時等において麺塊1と調味液塊2との間で生じる水分の移動を効果的に抑制することが可能となる。このため、水分の移動により調味液が麺にしみ込んで外観や食味を悪くするのを防止することが可能となるとともに、麺が調味液の水分を吸収して伸びる等により食感が悪くなるのを防止することが可能となる。
【0032】
本発明において用いられる凍結成型用容器および包装用容器の形状は、上記の実施の形態における形状に限定されるものではない。例えば、凍結成型用容器および包装用容器として、円筒状のトレーや皿を用いてもよく、あるいは、開口部に向かって断面が広くなるようにテーパになっているトレーや皿を用いてもよい。
【0033】
また、調味液塊2の大きさが麺塊1よりも小さくなるように両者を成型することが可能であれば、調味液用の凍結成型用容器および麺用の凍結成型容器として、同一の容器を用いてもよい。例えば、凍結後に型抜きしやすいように開口部に向かって断面が広くなるようにテーパになっている逆円錐台形状の凍結成型容器を、麺および調味液の凍結の際に共通して用いてもよい。この場合、容器に充填する調味液の高さを麺塊の高さよりも低くすることにより、調味液塊2および麺塊1において容器の底面と反対側に形成される凍結表面の大きさが、調味液塊2の方が麺塊1よりも小さくなる。したがって、麺塊1の表面形状に対応し、かつ、麺塊1よりも大きさの小さい調味液塊2を、共通の凍結成型用容器により容易に製造することが可能となる。
【0034】
また、調味液塊2は、必ずしも麺塊1と相似な形状に限定されるものではない。麺塊1よりも大きさが小さく、かつ、平面視において麺塊1内に収まる形状であれば、調味液塊2の形状が麺塊1と異なってもよい。例えば、平面視において、長方形形状の麺塊1上に、円形の調味液塊2が配置された構成も可能である。なお、麺全体に調味液を付着させるには麺塊1の表面をなるべく広く調味液塊2で覆うことが好ましいことから、上記の実施の形態のように調味液塊2の形状を麺塊1と相似とするのが好ましい。
【0035】
上記の実施の形態においては、本発明に係る調味液付き冷凍麺として冷凍スパゲティについて説明したが、本発明は、冷凍スパゲティ以外の調味液付き冷凍麺、例えば、そば、うどん、焼きそば、皿うどん、あんかけ麺等にも適用可能である。本発明に係る調味液付き冷凍麺の麺としては、α化処理された麺であれば茹で麺、蒸し麺等であってもよく、例えば、スパゲティ、マカロニ等のパスタ類、うどん、そば、中華麺等が用いられる。また、調味液としては、例えば、ミートソース等のソース類、麺つゆ、中華風等のスープ等が用いられ、これらは具材を含んでいてもよい。
【0036】
また、上記の実施の形態においては、麺塊1の上面のみを食用油で処理して被覆しているが、食用油での処理は麺塊1上面に限定されるものではない。工程の容易さの点では、上面のみ処理することが好ましい。なお、焼きそばやあんかけ麺においては、麺線表面全体を食用油で処理することが好ましい。また、麺塊1の上面を食用油で処理するかわりに、麺塊1と調味液塊2との間における水分移行を抑制可能なもの、例えば可食性シート等を、麺塊1と調味液塊2との間に配置しても良い。可食性シートとして、加熱により溶解するオブラート、プルラン、ゼラチン等から構成されるシートを用いても良い。
【0037】
さらに、上記においては、本発明に係る調味液付き冷凍食品として調味液付き冷凍麺(具体的には冷凍スパゲティ)について説明したが、本発明は冷凍麺に限定されるものではなく、調味液付き冷凍米飯であってもよい。例えば、冷凍カレー、冷凍ハヤシライス、冷凍丼物、冷凍ドリア等であってもよい。この場合、凍結された米飯塊1上に、凍結された調味液塊2が、前述の冷凍麺の場合の麺塊1及び調味液塊2の配置と同様に配置される(図1及び図2)。ここでは、米飯塊1が主食材塊に相当する。調味液付き冷凍米飯の米飯塊1を構成する米飯としては、例えば、白米、玄米、もち米等であって常法により炊飯してα化処理したものが用いられる。また、調味液塊2を構成する調味液としては、例えば、カレー、ハヤシソース等のソース類、丼物やドリアの種等が用いられ、これらは具材を含んでいてもよい。調味液付き冷凍米飯において、米飯塊1の上面を食用油で処理してもよく、あるいは、米飯表面全体を処理してもよい。また、米飯塊1の上面を食用油で処理する代わりに、可食性シート等を配置してもよい。また、解凍・加熱調理は、電子レンジによる方法に限定されるものではなく、例えば、冷凍ドリア等については、オーブンにより解凍・加熱調理を行う。
【0038】
【実施例】
本発明を、その好適な実施例に基づいて以下に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきではない。
(実施例1)
常法により得られたスパゲティ(太さ1.7mm)を9分間茹でた後、水を切り、放冷して室温まで冷却した。そして、この茹で麺を200gずつ計量して小分けにし、各々を、底面が長方形形状(155mm×115mm)を有するプラスティック製の凍結用トレーに入れた。
【0039】
一方、所定の方法により調理したミートソースを125gずつ計量して小分けにし、各々を、前述の麺凍結用トレーよりも小さな大きさを有するトレー、すなわち底面が前述の麺凍結用トレーにほぼ相似な長方形形状(145mm×105mm)を有するプラスティック製の凍結用トレーに入れた。そして、これをトレーごと急速冷凍して凍結させた。
【0040】
麺凍結用トレー内において麺塊が均一な厚さになるように平らにならした後、麺塊上面にオリーブオイル10gを均一にスプレーした。そして、この麺塊の上面に、ソース凍結用トレーから取り出した前述の凍結ミートソース(調味液塊2)を載せた。ここでは、図1および図2に示すように、麺塊1の上面の各辺からほぼ等距離に位置し麺塊1の上面全体をほぼ均一に覆うように凍結ミートソース(調味液塊2)を配置した。次に、ミートソース(調味液塊2)が載った麺塊をトレーごと急速冷凍して凍結させ、図1,2に示すように、凍結させた麺塊(すなわち麺塊1)の上に凍結ミートソース(調味液塊2)が配置されてなる冷凍スパゲティを得た。その後、これをトレーから取り出して所定の方法に従って電子レンジパウチに封入した。
【0041】
上記の製造方法により得られた冷凍スパゲティを、家庭用電子レンジ(500w)にて電子レンジパウチごと6分30秒間加熱して解凍・加熱調理を行い、皿に移して試食した。解凍後のスパゲティでは、冷凍スパゲティによく見られるように麺にソースの色がしみ込むことはなく、また、茹でたてのスパゲティにミートソースをかけた直後のものと同様の食感が得られた。
(実施例2)
常法により得られた焼きそば用中華麺(太さ1.3mm)を5分間蒸した後、放冷して室温まで冷却した。そして、この蒸し麺を200gずつ計量して小分けにし、各々にサラダ油30gを全体に均一にまぶしてよく混ぜ合わせた。そして、各々を、底面が長方形形状(170mm×115mm)を有するプラスティック製の凍結用トレーに投入した。
【0042】
一方、所定の方法により調理した中華風あんかけソースを120gずつ計量して小分けにし、各々を、前述の麺塊を投入した凍結用トレーよりも小さな大きさを有するトレー、すなわち底面が前述の麺凍結用トレーにほぼ相似な長方形形状(160mm×105mm)を有するプラスティック製の凍結用トレーに入れた。そして、これをトレーごと急速冷凍して凍結させた。
【0043】
麺凍結用トレー内において麺塊が均一な厚さになるように平らにならした後、麺塊の上面に、ソース凍結用トレーから取り出した前述の凍結あんかけソース(調味液塊2)を載せた。ここでは、図1および図2に示すように、麺塊1の各辺からほぼ等距離に位置し麺塊1の上面全体をほぼ均一に覆うように凍結あんかけソース(調味液塊2)を配置した。次に、あんかけソース(調味液塊2)が載った麺塊をトレーごと急速冷凍し、図1,2に示すように、凍結させた麺塊(すなわち麺塊1)の上に凍結あんかけソース(調味液塊2)が配置されてなる冷凍中華風あんかけ焼きそばを得た。その後、これをトレーから取り出し、底面が長方形形状(200mm×140mm)の紙製皿型容器に入れた。
【0044】
上記の製造方法により得られた冷凍中華風あんかけ焼きそばを、家庭用電子レンジ(500w)にて、耐熱性ラップで包んで前述の紙製皿型容器ごと5分30秒間加熱し解凍・加熱調理を行った。解凍後のあんかけ焼きそばでは、麺がふやけたり伸びることはなく、良好な食感が得られた。
(実施例3)
常法により得られたうどん(太さ3mm)を10分間茹でた後、水洗して冷却した。そして、水切りした茹で麺を200gずつ計量して小分けにし、各々を、底面が円筒形(直径120mm)のプラスティック製の凍結用トレーに入れた。
【0045】
一方、所定の方法により調理した肉うどん用スープを250gずつ計量して小分けにし、各々を、前述の麺凍結用トレーよりも小さな大きさを有するトレー、すなわち前述の麺凍結用トレーにほぼ相似なプラスティック製の凍結用トレー(直径100mm)に入れた。そして、これをトレーごと急速冷凍して凍結させた。
【0046】
麺凍結用トレー内において麺塊が均一な厚さになるように平らにならした後、麺塊上面に、スープ凍結用トレーから取り出した前述の肉うどん用凍結スープ(調味液塊2)を載せた。ここでは、図1および図2に示すように、麺塊1の外周からほぼ等距離に位置し麺塊1の上面全体をほぼ均一に覆うように肉うどん用凍結スープ(調味液塊2)を配置した。次に、凍結スープ(調味液塊2)が載った麺塊をトレーごと急速冷凍し、図1,2に示すように、凍結させた麺塊(すなわち麺塊1)の上に凍結スープ(調味液塊2)が配置されてなる冷凍肉うどんを得た。
【0047】
上記の製造方法により得られた冷凍肉うどんを、丼に入れ家庭用電子レンジ(500w)にて、耐熱性ラップで包んで9分間加熱して解凍・加熱調理を行った。解凍後の肉うどんでは、具材付き冷凍うどんによく見られるようにつゆの色が麺にしみ込むことはなく、良好な外観および食感が得られた。
(実施例4)
精白米700gを洗米して60分間水に浸漬し、その後、水切りを行うとともにこの精白米に800gの加水を行い、常法により炊飯を行った。そして、ここで得られた炊飯米210gを計量し、これを、底面が長方形形状(155mm×115mm)を有するプラスティック製の米飯凍結用トレーに入れた。
【0048】
一方、所定の方法により調理したカレーソースを150g計量し、これを、前述の米飯凍結用トレーよりも小さな大きさを有するトレー、すなわち底面が前述の米飯凍結用トレーにほぼ相似な長方形形状(145mm×105mm)を有するプラスティック製のソース凍結用トレーに入れた。そして、これをトレーごと急速冷凍して凍結させた。
【0049】
米飯凍結用トレー内において米飯塊が均一な厚さになるように平らにならした後、米飯塊上面に、ソース凍結用トレーから取り出した前述の凍結カレーソース(調味液塊2)を載せた。ここでは、図1および図2に示すように、米飯塊1の上面の各辺からほぼ等距離に位置し米飯塊1の上面全体をほぼ均一に覆うように凍結カレーソース(調味液塊2)を配置した。次に、カレーソース(調味液塊2)が載った米飯塊をトレーごと急速冷凍して凍結させ、図1,2に示すように、凍結させた米飯塊(すなわち米飯塊1)の上に凍結カレーソース(調味液塊2)が配置されてなる冷凍カレーを得た。その後、これをトレーから取り出して所定の方法に従って電子レンジパウチに封入した。
【0050】
上記の製造方法により得られた冷凍カレーを、家庭用電子レンジ(500w)にて電子レンジパウチごと8分間加熱して解凍・加熱調理を行い、皿に移して試食した。解凍後のカレーでは、冷凍カレーによく見られるように米飯にソースの色がしみ込むことはなく、また、炊きたての米飯にカレーソースをかけた直後のものと同様の食感が得られた。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下のような効果を奏する。
(1)むらを生じることなく短時間で容易に解凍することが可能となるとともに、解凍・加熱調理した際に、主食材たる麺や米飯等において良好な外観、食味、および食感を実現できるとともに、できあがりの見栄えが良好となる。
(2)包装工程や輸送時において、調味液塊の位置がずれるのを防止することが可能となる。また、このようにプレート化された冷凍食品では、製品全体を薄型化することが可能となり、物流コスト等の低減化が図られる。
(3)解凍・加熱調理した際に、主食材たる麺や米飯等の周辺部にも調味液を付着させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る調味液付き冷凍食品、すなわち調味液付き冷凍麺(具体的には冷凍スパゲティ)及び調味液付き冷凍米飯の模式的な側面図である。
【図2】図1の調味液付冷凍食品、すなわち調味液付き冷凍麺(具体的には冷凍スパゲティ)及び調味液付き冷凍米飯の平面図である。
【符号の説明】
1 麺塊又は米飯塊
2 調味液塊
Claims (8)
- 凍結させてなる主食材塊の上に、凍結させてなる調味液塊が配置されてなる調味液付き冷凍食品であって、
前記調味液塊の主面の大きさが前記主食材塊の主面の大きさよりも小さく、平面視において前記調味液塊が前記主食材塊内に収まり、かつ、前記調味液塊の外周と前記主食材塊の外周とが一致しないように配置され、前記調味液塊の底部が前記主食材塊に埋め込まれるとともに、前記調味液塊の上面が前記主食材塊の周縁上面より突出したことを特徴とする調味液付き冷凍食品。 - 前記主食材塊が、凍結させた麺塊である請求項1記載の調味液付き冷凍食品。
- 前記主食材塊が、凍結させた米飯塊である請求項1記載の調味液付き冷凍食品。
- 前記主食材塊の少なくとも上面が食用油で処理されている請求項1〜3のいずれかに記載の調味液付き冷凍食品。
- α化処理して凍結させた主食材塊の上に、凍結させた調味液塊が配置されてなる調味液付き冷凍食品の製造方法であって、
調味液を調味液凍結成型用容器に収容して冷凍し、前記凍結させた調味液塊を得る工程と、
α化処理した主食材を主食材凍結成型用容器に収容する工程と、
前記主食材凍結成型用容器内に収容された主食材塊上に、前記調味液凍結成型用容器から取り出した前記凍結させた調味液塊を配置する工程と、
前記凍結された調味液塊が配置された前記主食材塊を前記主食材凍結成型用容器ごと冷凍する工程とを含み、
前記主食材の収容工程において、前記主食材凍結成型用容器として、主面の大きさが前記凍結させた調味液塊の主面の大きさよりも大きい前記凍結させた主食材塊を形成することが可能な容器を用いるとともに、前記凍結させた調味液塊を配置する工程において、前記凍結させた調味液塊が平面視において前記主食材塊内に収まり、かつ、前記凍結させた調味液塊の外周が前記主食材塊の外周と一致せず、前記凍結させた調味液塊の底部が前記主食材塊に埋め込まれるとともに、前記凍結させた調味液塊の上面が前記主食材塊の周縁上面より突出するように、前記凍結させた調味液塊を配置することを特徴とする調味液付き冷凍食品の製造方法。 - 前記主食材塊が、麺塊である請求項5記載の調味液付き冷凍食品の製造方法。
- 前記主食材塊が、米飯塊である請求項5記載の調味液付き冷凍食品の製造方法。
- 凍結させていない前記主食材の少なくとも上面を食用油で処理する請求項5〜7のいずれかに記載の調味液付き冷凍食品の製造方法。
Priority Applications (1)
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