JP7437394B2 - 選択的ソマトスタチンsst5受容体アゴニストとしてのシクロヘキサペプチド - Google Patents

選択的ソマトスタチンsst5受容体アゴニストとしてのシクロヘキサペプチド Download PDF

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Description

本発明は、あるクラスの新規な環状ペプチド化合物、それらの塩、それらを含む医薬組成物、およびヒトの身体の治療におけるその使用に関する。特に、本発明は、ソマトスタチン受容体(SST)のアゴニストであるあるクラスの化合物を対象とする。より詳細には、本発明は、ソマトスタチン受容体5型(SST)の選択的アゴニストである化合物を対象とする。本発明はまた、これらの化合物および組成物の製造およびソマトスタチン受容体が関与するそのような疾患の予防または処置における使用にも関する。
ソマトスタチンは、ソマトスタチン受容体サブタイプ1~5(SST1~5)のアゴニストとして作用することによってその生理学機能を発揮する遍在的に分布する環状ポリペプチドホルモンである。そのアミノ酸鎖長に基づいてソマトスタチン-14およびソマトスタチン-28と呼ばれるソマトスタチンの2種の生物学的に活性な形態は、92アミノ酸前駆体タンパク質に由来し、異なるSST選択性プロファイルを示す。ソマトスタチン-14はSST1~4へのより高い結合親和性を有する一方、ソマトスタチン-28は、SSTに対してより選択的である。視床下部は、中枢神経系におけるソマトスタチン生成の主な部位であり、下垂体門脈系はSST、SST、SSTおよびSSTの発現が実証されている脳下垂体への直接接触を可能にする。ソマトスタチン-14は、成長ホルモン分泌細胞および副腎皮質刺激ホルモン分泌細胞を含む様々な下垂体細胞型に作用することができ、それぞれ成長ホルモン(GH)および副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)などのホルモンの分泌を調節する。さらに、ソマトスタチンはまた、胃腸管および膵島の粘膜などの末梢領域においても合成され、そこで自己分泌および/または傍分泌方式で局所ホルモンの分泌をモジュレートできる。
5種のSSTサブタイプは、Gタンパク質カップリング受容体(GPCR)スーパーファミリーに属し、1992年に独立した研究において、ソマトスタチン依存性効果のメディエータとしてクローニングされた。SST、SST2AおよびSST2Bの2種のスプライスバリアントは、皮質、海馬、線条体および視床下部を含むマウスの脳領域において同定され、SST2Bをコードする転写物も、ヒト成長ホルモン分泌腺腫から単離された組織において見出されている。SSTはまた、ヒトのいくつかの発現アイソフォームに存在し、これは、潜在的スプライス部位に起因して膜貫通ドメインが2または3つ欠失しているにもかかわらず、機能的である。SSTの発現は、ソマトスタチンの機能活性と同時に起こる種々の組織において実証されている。マウスにおけるGPCR発現の解剖学プロファイリングは、海馬、視床下部および脳下垂体を含む複数の脳領域におけるすべてのSSTサブタイプ発現を強調したが、末梢においてはSSTが、主に発現されるSSTサブタイプであるようである。健康なヒト組織において、SSTは、脳におけるすべてのサブタイプの発現、ならびに眼におけるSST1~3、胃および腎臓におけるSST、膵臓におけるSST1~3およびSSTならびに脳下垂体におけるSSTなどの末梢器官における選択されたサブタイプ発現と同様に分布する。複数の独立した研究はまた、下垂体腫瘍、神経内分泌腫瘍、腎細胞がん、乳がん、髄膜腫、神経膠腫、神経芽細胞腫および結腸直腸がんを含むいくつかのヒト腫瘍におけるSST mRNAおよびタンパク質発現を同定した。SSTがホルモン分泌を弱める能力は、腫瘍の分泌活性の強化を治療により管理するための潜在的な戦略を提供する。さらに、多数のエビデンスが、SSTシグナル伝達が腫瘍細胞に対する抗増殖効果も有することを強調している。
SST活性の主な分子機序は、Gタンパク質のGサブタイプにカップリングするその能力に基づき、これは、アデニル酸シクラーゼへの阻害効果を有し、それによって結果として、cAMP生成が抑制される。さらに、SSTはまた、イオンチャネルシグナル伝達に影響を及ぼす能力を有し、SST活性化は、Kチャネルの活性化およびCa2+チャネルの阻害に関連している。SSTアゴニストによって引き起こされたこれらのシグナル伝達カスケードは、その結果、エキソサイトーシスの阻害をもたらし、これは、ホルモン分泌に対するその阻害効果の基礎を形成する。SST活性化、具体的には腫瘍細胞に存在する受容体の活性化の別のシグナル伝達結果は、増殖の抑制であり、これは、主に、SHP-1およびSHP-2などのタンパク質チロシンホスファターゼへのG依存性カップリングによって媒介される。複数のSSTは、増殖因子受容体シグナル伝達)を弱め、成長ホルモン(GH)およびインスリン様増殖因子1(IGF-1)などの増殖因子の合成を下方調節し、細胞周期進行を遮断し、おそらく一酸化窒素シンターゼ活性を遮断することによって血管新生を阻害し、細胞接着および運動性の調節にも関与する、Na/H交換体の阻害などのアポトーシス誘導経路を活性化することが示されている。
SSTアゴニストが下垂体腫瘍の処置において有益であり得るという仮説を支持する実質的なエビデンスがあるため、SSTアゴニストは、ある範囲の下垂体障害の治療可能性を有する。SST発現は、下垂体腫瘍において実証されており、特定のSSTサブタイプの上方および/または下方調節は可変的であり、かつ腫瘍サブタイプおよび個々の患者に依存するようであるが、SSTR2およびSSTR5は、大半の症例に存在するようである。さらに、SSTアゴニストは、成長ホルモン分泌腺腫および副腎皮質刺激ホルモン分泌腺腫を含む健康およびがん性脳下垂体組織の両方に対して抗分泌作用を有する。利用可能なソマトスタチンアナログ、第1世代のSST選択的アゴニストであるオクトレオチドおよびランレオチド、ならびに第2世代の多受容体アゴニストであるパシレオチドの有効性は、下垂体腺腫から生じる複数の障害の処置において実証されている。オクトレオチドおよびランレオチドの長時間放出(LAR)製剤は、その症状が脳下垂体のGH分泌腺腫と関連する末端肥大症の処置に成功裡に用いられている。44の臨床研究のメタ分析は、最大3分の2の患者が、オクトレオチドLAR処置後、循環GHおよびIGF-1レベルの標準化によって定義される通りの生化学制御を達成し、腫瘍縮小が半分の症例で観察されたことを実証した。医学療法を受けていない、またはオクトレオチドと比較してSST、SSTおよびSSTへの大幅に高い親和性を有する多受容体アゴニストであるパシレオチドと共にオクトレオチドLARによって不適切に制御された末端肥大症患者の処置は、SST選択的アゴニスト処置に抵抗性である患者においてオクトレオチドと比較して改善された生化学制御および有効性を伴う正の結果を示した。
ソマトスタチンアナログは、クッシング病の処置において有効であり、これは、ACTH過分泌によって特徴付けられる。副腎皮質刺激ホルモン分泌腺腫でのSSTR5の優勢発現と一致して、クッシング病患者のパシレオチド処置は、第II相試験において、コルチゾールレベルの顕著な低減および腫瘍縮小をもたらした。さらに、クッシング病患者のパシレオチド処置は、第III相試験において、尿素を含まないコルチゾールレベルの大幅な低減をもたらした。これは、血圧の低下、総コレステロールおよび低密度リポタンパク質-コレステロールの低下、ならびに肥満度指数、体重および腹囲の減少などの疾患特異的兆候および症状の大幅な改善を伴った。さらに、パシレオチドは、ネルソン症候群の患者において血漿ACTHレベルを低下させることが示されている。
選択された症例は、オクトレオチドが下垂体チロトロピノーマからのチロイド刺激ホルモン(TSH)分泌を阻害する能力を報告している。オクトレオチド有効性の程度は、SSTR2対SSTR5の発現レベルに依存するようである。いくつかの前臨床研究において、SSTアゴニストは、プロラクチン分泌プロラクチノーマのin vitro培養物に対する抗分泌作用を示しており、ゴナドトロピン放出腺腫の発現分析は、SSTではなくSSTを標的とするソマトスタチンアナログがおそらくSST選択的アゴニストよりも有効であることを示唆している。
ホルモン過分泌と関連する臨床症状を示す下垂体腺腫に加えて、SSTアゴニストはまた、非機能性下垂体腺腫の処置への適用可能性を有する。パシレオチド投与により、血管内皮細胞増殖因子放出を阻害することによって、in vitroにおいて非機能性腺腫培養物の細胞生存度が低下し、パシレオチドLARは、臨床的非機能性下垂体腺腫の患者の処置におけるその有効性および安全性を評価する第II相研究において評価されている。
したがって、選択的SSTアゴニストは、機能性下垂体腺腫およびGHなどの下垂体ホルモンのレベル変化およびこれに伴う過剰量のIGF-1に関連する障害(これらに限定されないが、末端肥大症、ならびにI型またはII型糖尿病、とりわけその合併症、例えば、血管障害、糖尿病性増殖網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、腎症、神経障害および暁現象、ならびに他のインスリンまたはグルカゴン放出に関連する代謝障害、例えば、病的肥満、視床下部または高インスリン性肥満の処置を含む)、過剰なACTHおよびコルチゾール(これらに限定されないが、クッシング症候群またはクッシング病および関連する状態、例えばネルソン症候群の処置を含む)、過剰なプロラクチン関連障害(これらに限定されないが高プロラクチン血症の処置を含む)、LH/FSH分泌性腺刺激ホルモン分泌下垂体腺腫、TSH分泌甲状腺刺激ホルモン分泌腺腫(これらに限定されないが、チロトロピノーマおよび関連する状態、例えば甲状腺機能亢進を含む)、および臨床的非機能性下垂体腺腫の処置への潜在的有用性を有する。
SSTアゴニストの抗分泌および抗増殖効果の治療利益はまた、幅広い範囲の組織に存在する神経内分泌細胞から生じ、過剰なホルモン分泌によって特徴付けられる神経内分泌腫瘍(NET)などのがんの他のクラスにおいても実証されている。独立した研究による様々な組織由来のNETにわたるSST発現の評価は、SSTR2およびSSTR5が、最も幅広く発現されるサブタイプであり、一方、SSTR1、SSTR3およびSSTR4は、特定の組織においてより選択的に発現されるようであることを示唆している(Vitaleら、2018)。しかしながら、膵腫瘍と同様に、それぞれのSSTサブタイプの発現は、おそらく個人間で異なる。NETの第1選択治療は、完全切除を目的とした外科的処置であるが、しかしながら、SSTアゴニストは、独立した前臨床および臨床研究において切除不可能なNETの治療管理における有効性が実証されている。第1世代SSTアゴニストであるランレオチドおよび第2世代のSSTアゴニストであるパシレオチドによる処置は、胃腸管において最も一般に生じる低成長型のNETであるカルチノイド腫瘍によって引き起こされるカルチノイド症候群の症状を緩和することが示されている。さらに、パシレオチドLAR処置は単独またはエベロリムスと組み合わせて、肺および胸腺由来の甲状腺髄様がんおよびカルチノイド腫瘍における第II相試験において、抗腫瘍活性のエビデンスおよび無増悪生存の改善の可能性を示した。NETに加えて、パシレオチドもまた、非神経内分泌腫瘍の処置において臨床利益を実証し、肝細胞癌の第II相試験において患者の45%で疾患進行の制限をもたらし、ゲムシタビンとの併用処置を使用した膵臓がんの第I相試験において68%の疾患制御率を達成した。
したがって、単独でまたは他の治療剤と組み合わせて使用される選択的SSTアゴニストは、これらに限定されないが、皮膚がん(例えば、転移性黒色腫およびメルケル細胞癌)、肺がん(例えば、腺癌および扁平上皮がんを含む小細胞肺がんおよび非小細胞肺がん)、肝臓がん(例えば、肝細胞癌)、膵臓がん、胃腸がん、前立腺がん(選択的膵切除後の術後膵瘻発生の予防を含む)、胸腺がん(例えば、胸腺腫および胸腺癌腫)、および副腎由来のがん;神経内分泌腫瘍;カルチノイド腫瘍および関連するカルチノイド症候群を含む腫瘍および関連障害を処置する潜在的有用性を有する。
実質的なエビデンスは、SSTアゴニストが、グルコース恒常性の調節不全に関連する状態における治療利益を有することを示唆している。SSTの発現は、グルカゴン分泌アルファ細胞、インスリン分泌ベータ細胞およびソマトスタチン分泌デルタ細胞を含む膵臓の内分泌細胞において実証されている。SSTR1、SSTR3およびSSTR4発現は、ヒト膵臓のすべての内分泌細胞型において実証され、一方、SSTR2は、アルファ細胞およびベータ細胞においてより頻繁に発現され、SSTR5は、ベータ細胞およびデルタ細胞において最も発現された。複数の独立した前臨床研究が、SSTまたはSSTのいずれかがインスリン分泌の阻害に寄与する主要なSSTRであることを示唆しており、インスリンの阻害とグルカゴン分泌との間の最適なバランスを達成する標的分子機序は完全には理解されていない。しかしながら、臨床エビデンスは、SSTRアゴニストが、インスリンレベルの上昇および/または血糖レベルの低下に関連する状態の処置に有効であることを示唆している。
オクトレオチドおよびランレオチドのLARは、とりわけ患者がジアゾキシドに応答性ではなかった場合、先天性高インスリン症(CHI)を処置するのに成功裡に用いられている。汎選択的SSTアゴニストであるパシレオチドもまた、CHIの処置において、現在評価されている。これらの製剤の長時間作用する性質により、処置を1ヶ月に1回の注射に減少させることが可能であり、これはまた、生活の質の改善に大幅に寄与する。SSTアゴニストが治療可能性を示した高インスリン性低血糖をもたらす別の状態は、胃バイパス後低血糖であり、これは、ダンピング症候群、膵島細胞増殖症および/またはインスリノーマによって引き起こされ得る。オクトレオチドおよびパシレオチド処置は、独立した症例研究において低血糖を制御することができた。さらに、パシレオチドは、胃バイパス後低血糖の主原因の1つであるダンピング症候群の第II相試験において低血糖の発症率を大幅に低減することができた。
したがって、選択的SSTアゴニストは、これらに限定されないが、先天性高インスリン症、胃バイパス後低血糖、ならびに低血糖につながり得る状態、例えば、ダンピング症候群、膵島細胞増殖症およびインスリノーマを含む高インスリン性低血糖に関連する障害を処置する潜在的有用性を有する。
ソマトスタチンはまた、網膜色素上皮によって生成される重要な神経保護因子の1つであるため、網膜において重要な役割を果たし、複数のSSTが網膜において発現され、SSTR1およびSSTR2が最も優勢である。ソマトスタチン作用の複数の機序が、グルタミン酸放出を阻害するその能力などのその神経保護特性に寄与し、これは、網膜グルタミン酸受容体の過剰な興奮による神経変性にかなり寄与し、虚血性損傷に寄与し得る血管内皮細胞増殖因子の分泌を弱めると考えられる。ソマトスタチンアナログは、様々な眼の状態における有効性を示しており、3年間のオクトレオチド処置は、硝子体出血を低減させることができ、臨床研究のメタ分析は、オクトレオチドが糖尿病性網膜症および甲状腺眼症の様々な段階の処置において有効性を示したことを実証し、オクトレオチド)による処置後、増殖性糖尿病性網膜症の患者の視力改善および嚢胞様黄斑浮腫のいくつかの症例において視力の改善があった。パシレオチドは、臨床現場において眼関連障害におけるその有効性を評価するための試験は、未だなされていないが、前臨床研究は、パシレオチドもまた網膜症における神経保護効果を有することを示している。
したがって、選択的SSTアゴニストは、これらに限定されないが、様々な型の糖尿病性網膜症(例えば、初期および増殖性);黄斑浮腫;および甲状腺眼症を含む神経保護剤から利益を受けると考えられる眼関連障害を処置する潜在的有用性を有する。
SSTアゴニストが、多発性嚢胞腎疾患(PKD)および他の臓器、最も一般には肝臓における嚢腫のPKD関連発症の処置において治療利益を有し得るという前臨床エビデンスが得られつつある。腎尿細管上皮のcAMPレベルの増加は、PKD進行の加速と関連しており、SSTアゴニストによるGi依存性シグナル伝達経路の活性化は、有益な効果を有するはずである。実際、PKDのラットモデルにおいて、オクトレオチドとパシレオチドとの組合せ処置は、腎臓の重量および腎嚢胞面積の減少をもたらし、一方、パシレオチド処置とヒストンデアセチラーゼ6阻害剤との組合せは、同じモデル系において肝腎臓嚢胞増殖の減少を達成した。オクトレオチドが多嚢胞性卵巣症候群の処置に有益であるというエビデンスも存在する。したがって、選択的SSTアゴニストは、PKD、ならびにこれらに限定されないが多嚢胞肝(Polycystic liver disease)および多嚢胞性卵巣症候群を含む他の臓器における関連する嚢腫の発症を処置する潜在的有用性を有する。
前臨床および臨床エビデンスは、SSTアゴニストによる処置が、硬変(cirrhosis)の一般的な合併症である門脈圧亢進症の低減をもたらすことを示唆している。硬変のラットモデルのセレコキシブおよびオクトレオチドの併用処置は、血管新生の阻害による門脈圧亢進症の低減をもたらし、オクトレオチドLAR処置を門脈圧亢進症の患者における経頸静脈的肝内門脈体循環シャント(TIPS)の設置と比較する臨床研究において、オクトレオチドの投与は、TIPS設置と同様に有効に肝臓圧を低減させた。したがって、選択的SSTアゴニストは、門脈圧亢進症および門脈圧亢進症によって引き起こされ得る状態(例えば、腹水)を処置する潜在的有用性を有する。
SSTアゴニストは、胃酸分泌、外分泌および内分泌膵臓分泌、ならびに胃腸ペプチド分泌を阻害する能力を有するため、胃腸障害の処置における治療可能性を有し得る。したがって、選択的SSTアゴニストは、これらに限定されないが、消化性潰瘍、腸管皮膚瘻および膵瘻、過敏性腸症候群および腸管過敏症、水様下痢症候群、AIDS関連下痢、化学療法誘発性下痢、急性または慢性膵炎、ならびに消化管出血の処置を含む胃腸障害を処置する潜在的有用性を有する。
一部の疼痛障害は、選択的SSTアゴニストによる処置を受けることができる場合があり;オクトレオチドは、オピエート鎮痛剤が十分な疼痛管理をもたらさなかったがん患者における疼痛の緩和に成功裡に用いられており、オクトレオチドによる群発性頭痛の迅速な処置はプラセボと比較して大幅に優れた疼痛緩和をもたらした。したがって、選択的SSTアゴニストは、これらに限定されないが、頭痛障害(例えば、偏頭痛、群発性頭痛および緊張型頭痛)、神経障害性疼痛、痛覚過敏、灼熱痛、急性疼痛、火傷疼痛、非定型顔面痛、背部痛、I型およびII型複合性局所疼痛症候群、化学療法後疼痛、発作後疼痛、術後疼痛、ならびに疼痛と関連得する他の状態を含む疼痛障害の処置に有用であり得る。
本発明
本発明は、ソマトスタチン受容体アゴニストとしての活性を有する化合物を提供する。より詳細には、本発明は、ソマトスタチン受容体2型(SST)を含む他のソマトスタチン受容体サブタイプと比べてソマトスタチン受容体5型(SST)について選択性を示す化合物を提供する。
したがって、一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物:
Figure 0007437394000001
またはその塩(式中、
Wは、CHまたはNであり;
XおよびYは、CHまたはOであり、XおよびYの一方はCHであり、XおよびYの他方はOであり;
Zは、CHR、NRまたはOであり;
mは、1または2であり;
nは0~3であり;
各Rは、独立して、ハロ、C~CアルキルおよびC~Cアルコキシから選択され、C~Cアルキルおよびアルコキシ基は、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよく;
qは0~2であり;
は、H、および最大6個のフッ素原子で置換されていてもよいC~Cアルキルから選択され;
は、置換されていてもよいC~Cアルキル、置換されていてもよいC~Cシクロアルキル、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールから選択され;
は、H、または置換されていてもよいC~Cアルキルであり、C~Cアルキル基は、Rと結合して環を形成していてもよく;
は、置換されていてもよいC~Cアルキル、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、Rは、Rと結合して環を形成していてもよく;
は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいO-アリールまたは置換されていてもよいO-ヘテロアリールから選択され;
は、H、置換されていてもよいC~Cアルキル、CONR1011、OCONR1011、OCOR10、OCOOR10、COOR10またはOR12から選択され;
は、H、CONR1011またはCOOR10から選択され;
10およびR11は、独立して、H、置換されていてもよいC~Cアルキルおよび置換されていてもよいC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキル基のいずれか1個の原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子により交換されているか、またはR10およびR11は、結合して環を形成していてもよく;
12は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールである)
を提供する。
特定の化合物はまた、式(1a)の化合物:
Figure 0007437394000002
またはその塩(式中、W、X、Y、Z、m、n、q、R、R、R、R、RおよびRは、上で定義されている通りである)も含む。
特定の化合物はまた、式(1b)の化合物:
Figure 0007437394000003
またはその塩(式中、W、Z、m、q、RおよびRは、上で定義されている通りである)も含む。
本明細書の化合物は、ソマトスタチン受容体5型(SST)のアゴニストとして使用され得る。化合物は、医薬の製造において使用され得る。化合物または医薬は、クッシング病、クッシング症候群、末端肥大症、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍を含む)、チロトロピノーマ、プロラクチノーマ、非機能性下垂体腺腫、ネルソン症候群、先天性高インスリン症、胃バイパス後低血糖、ダンピング症候群、高インスリン性肥満、インスリノーマ、多発性嚢胞腎疾患、多嚢胞肝、門脈圧亢進症、腹水、膵臓がん、膵瘻、急性または慢性膵炎、肝細胞癌、過敏性腸症候群/腸管過敏症、頭痛障害(偏頭痛、群発性頭痛、緊張型頭痛を含む)、膵島細胞増殖症、神経障害性疼痛、痛覚過敏、灼熱痛、急性疼痛、火傷疼痛、非定型顔面痛、背部痛、I型およびII型複合性局所疼痛症候群、化学療法後疼痛、発作後疼痛、術後疼痛、I型糖尿病、II型糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、甲状腺眼症、嚢胞様黄斑浮腫、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、消化性潰瘍、腸管皮膚瘻、水様下痢症候群、AIDS関連下痢、化学療法誘発性下痢、ならびに消化管出血を含むソマトスタチン受容体と関連する障害を処置、予防、改善、制御またはそのリスクを低減するために使用され得る。
本発明は、新規化合物に関する。本発明はまた、SST受容体のアゴニストとしての新規化合物の使用に関する。本発明は、SST受容体アゴニストとして使用するためまたはソマトスタチン受容体と関連する障害の処置のための医薬の製造における新規化合物の使用にさらに関する。本発明は、選択的SST受容体アゴニストである化合物、組成物および医薬にさらに関する。
本発明は、クッシング病、クッシング症候群、末端肥大症、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍を含む)、チロトロピノーマ、プロラクチノーマ、非機能性下垂体腺腫、ネルソン症候群、先天性高インスリン症、胃バイパス後低血糖、ダンピング症候群、高インスリン性肥満、インスリノーマ、多発性嚢胞腎疾患、多嚢胞肝、門脈圧亢進症、腹水、膵臓がん、膵瘻、急性または慢性膵炎、肝細胞癌、過敏性腸症候群/腸管過敏症、頭痛障害(偏頭痛、群発性頭痛、緊張型頭痛を含む)、膵島細胞増殖症、神経障害性疼痛、痛覚過敏、灼熱痛、急性疼痛、火傷疼痛、非定型顔面痛、背部痛、I型およびII型複合性局所疼痛症候群、化学療法後疼痛、発作後疼痛、術後疼痛、I型糖尿病、II型糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、甲状腺眼症、嚢胞様黄斑浮腫、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、消化性潰瘍、腸管皮膚瘻(Enterocutaneous)、水様下痢症候群、AIDS関連下痢、化学療法誘発性下痢、ならびに消化管出血の処置に有用な化合物、組成物および医薬にさらに関する。
本発明の化合物は、式(1)の化合物:
Figure 0007437394000004
またはその塩(式中、
Wは、CHまたはNであり;
XおよびYは、CHまたはOであり、XおよびYの一方はCHであり、XおよびYの他方はOであり;
Zは、CHR、NRまたはOであり;
mは、1または2であり;
nは0~3であり;
各Rは、独立して、ハロ、C~CアルキルおよびC~Cアルコキシから選択され、C~Cアルキルおよびアルコキシ基は、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよく;
qは0~2であり;
は、H、および最大6個のフッ素原子で置換されていてもよいC~Cアルキルから選択され;
は、置換されていてもよいC~Cアルキル、置換されていてもよいC~Cシクロアルキル、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールから選択され;
は、H、または置換されていてもよいC~Cアルキルであり、C~Cアルキル基は、Rと結合して環を形成していてもよく;
は、置換されていてもよいC~Cアルキル、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、Rは、Rと結合して環を形成していてもよく;
は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいO-アリールまたは置換されていてもよいO-ヘテロアリールから選択され;
は、H、置換されていてもよいC~Cアルキル、CONR1011、OCONR1011、OCOR10、OCOOR10、COOR10またはOR12から選択され;
は、H、CONR1011またはCOOR10から選択され;
10およびR11は、独立して、H、置換されていてもよいC~Cアルキルおよび置換されていてもよいC~Cアルキルから選択され、C~Cアルキル基のいずれか1個の原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子により交換されているか、またはR10およびR11は、結合して環を形成していてもよく;
12は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールである)
を含む。
Wは、CHまたはNであってもよい。Wは、CHであってもよい。Wは、Nであってもよい。
XおよびYは、CHまたはOであってもよく、XおよびYの一方はCHであり、XおよびYの他方はOである。
Xは、CHであってもよい。Xは、Oであってもよい。
Yは、CHであってもよい。Yは、Oであってもよい。
Zは、CHR、NRまたはOであってもよい。Zは、CHRであってもよい。Zは、NRであってもよい。Zは、Oであってもよい。
mは、1または2であってもよい。mは、1であってもよい。mは、2であってもよい。
nは、0~3であってもよい。nは、0であってもよい。nは、1であってもよい。nは、2であってもよい。nは、3であってもよい。
の各出現は、ハロ、C~CアルキルまたはC~Cアルコキシであってもよく、C~Cアルキルおよびアルコキシ基は、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよい。Rは、メトキシまたはメチルであってもよい。Rは、メトキシであってもよい。Rは、メチルであってもよい。Rは、OMeまたはMeであってもよい。Rは、OMeであってもよい。Rは、Meであってもよい。
qは、0~2であってもよい。qは、0であってもよい。qは、1であってもよい。qは、2であってもよい。
は、H、または最大6個のフッ素原子で置換されていてもよいC~Cアルキルであってもよい。Rは、水素であってもよい。Rは、Hであってもよい。Rは、メチルであってもよい。Rは、Meであってもよい。
は、置換されていてもよいC~Cアルキル、置換されていてもよいC~Cシクロアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであってもよい。Rは、置換されていてもよいC~Cアルキル、置換されていてもよいC~Cシクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールであってもよく、任意選択の置換基は、ハロ、C~CアルキルおよびC~Cアルコキシから選択され、C~Cアルキルおよびアルコキシ基は、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよい。Rは、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいシクロヘキシル、置換されていてもよいシクロペンチルまたは置換されていてもよいシクロブチルであってもよく、任意選択の置換基は、クロロ、ブロモおよびフルオロから選択される。Rは、クロロ、ブロモまたはフルオロで置換されていてもよいフェニルであってもよい。Rは、フェニルであってもよい。
は、H、または置換されていてもよいC~Cアルキルであってもよく、C~Cアルキル基は、Rと結合して環を形成していてもよい。Rは、水素であってもよい。Rは、Hであってもよい。Rは、置換されていてもよいC~Cアルキルであってもよい。Rは、C~Cアルキルであってもよい。Rは、Rと結合して環を形成することができる。
は、置換されていてもよいC~Cアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであってもよく、Rは、Rと結合して環を形成していてもよい。Rは、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであってもよく、任意選択の置換基は、ハロ、C~CアルキルおよびC~Cアルコキシから選択され、C~Cアルキルおよびアルコキシ基は、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよい。Rは、置換されていてもよいフェニルまたは置換されていてもよいピリジルであってもよく、任意選択の置換基は、クロロ、ブロモ、フルオロおよびOMeから選択される。Rは、フェニルであってもよい。Rは、ピリジルであってもよい。
は、Rと結合して環を形成することができる。RおよびRは、結合して、
Figure 0007437394000005
からなる群から選択される環を形成することができ、前記環部分は、ハロ、C~CアルキルおよびC~Cアルコキシから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、C~Cアルキルおよびアルコキシ基は、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよい。
は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいO-アリールまたは置換されていてもよいO-ヘテロアリールであってもよい。Rは、フェニルであってもよい。
は、H、置換されていてもよいC~Cアルキル、CONR1011、OCONR1011、OCOR10、OCOOR10、COOR10またはOR12であってもよい。Rは、OCONR1011、COOR10またはOR12であってもよく;R10およびR11は、C~Cアルキルであり、C~Cアルキル基のいずれか1個の原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子で交換されており、R10およびR11は、CHを介して環を形成していてもよい。
は、
Figure 0007437394000006
であってもよい。
は、
Figure 0007437394000007
であってもよい。
は、
Figure 0007437394000008
であってもよい。
は、H、CONR1011またはCOOR10であってもよい。Rは、水素であってもよい。Rは、Hであってもよい。
は、
Figure 0007437394000009
であってもよい。
10は、H、置換されていてもよいC~Cアルキルまたは置換されていてもよいC~Cアルキルであってもよく、C~Cアルキル基のいずれか1個の原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子で交換されている。R10は、水素であってもよい。R10は、Hであってもよい。R10は、-CHCHNHであってもよい。
11は、H、置換されていてもよいC~Cアルキルまたは置換されていてもよいC~Cアルキルであってもよく、C~Cアルキル基のいずれか1個の原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子で交換されている。R11は、水素であってもよい。R11は、Hであってもよい。R11は、-CHCHNHであってもよい。
10およびR11は、結合して環を形成することができる。
12は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであってもよい。R12は、ピリジルであってもよい。
Zおよびmによって形成される部分は、
Figure 0007437394000010
から選択されてもよい。
Zおよびmによって形成される部分は、
Figure 0007437394000011
であってもよい。
Zおよびmによって形成される部分は、
Figure 0007437394000012
であってもよい。
本発明の特定の化合物はまた、式(1a)の化合物:
Figure 0007437394000013
またはその塩(式中、W、X、Y、Z、m、n、q、R、R、R、R、RおよびRは、上で定義されている通りである)も含む。
本発明の特定の化合物はまた、式(1b)の化合物:
Figure 0007437394000014
またはその塩(式中、W、Z、m、q、RおよびRは、上で定義されている通りである)も含む。
化合物は、表1に示される実施例1~79のうちのいずれか1種から選択されてもよい。
化合物の具体例には、ソマトスタチン受容体アゴニスト活性を有する化合物が含まれる。
化合物の具体例には、SST受容体アゴニスト活性を有する化合物が含まれる。
化合物の具体例には、SST受容体と比較してSST受容体に対する選択性を示す化合物が含まれる。
本発明の化合物は、本発明の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物において使用され得る。
本発明の化合物は、医薬において使用され得る。
本発明の化合物は、ソマトスタチン受容体と関連する障害の処置に使用され得る。
本発明の化合物は、SST受容体と関連する障害の処置に使用され得る。
本発明の化合物は、クッシング病、クッシング症候群、末端肥大症、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍を含む)、チロトロピノーマ、プロラクチノーマ、非機能性下垂体腺腫、ネルソン症候群、先天性高インスリン症、胃バイパス後低血糖、ダンピング症候群、高インスリン性肥満、インスリノーマ、多発性嚢胞腎疾患、多嚢胞肝、門脈圧亢進症、腹水、膵臓がん、膵瘻(Pancreatic fistula)、急性または慢性膵炎、肝細胞癌、過敏性腸症候群/腸管過敏症、頭痛障害(偏頭痛、群発性頭痛、緊張型頭痛を含む)の処置に使用され得る。
本発明の態様には、以下も含まれる。
態様1
式(1)の化合物:
またはその塩(式中、
Wは、CHまたはNであり;
XおよびYは、CH またはOであり、XおよびYの一方はCH であり、XおよびYの他方はOであり;
Zは、CHR 、NR またはOであり;
mは、1または2であり;
nは0~3であり;
各R は、独立して、ハロ、C ~C アルキルおよびC ~C アルコキシから選択され、C ~C アルキルおよびアルコキシ基は、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよく;
qは0~2であり;
は、H、および最大6個のフッ素原子で置換されていてもよいC ~C アルキルから選択され;
は、置換されていてもよいC ~C アルキル、置換されていてもよいC ~C シクロアルキル、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールから選択され;
は、H、または置換されていてもよいC ~C アルキルであり、C ~C アルキル基は、R と結合して環を形成していてもよく;
は、置換されていてもよいC ~C アルキル、置換されていてもよいアリールおよび置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、R は、R と結合して環を形成していてもよく;
は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいO-アリールまたは置換されていてもよいO-ヘテロアリールから選択され;
は、H、置換されていてもよいC ~C アルキル、CONR 10 11 、OCONR 10 11 、OCOR 10 、OCOOR 10 、COOR 10 またはOR 12 から選択され;
は、H、CONR 10 11 またはCOOR 10 から選択され;
10 およびR 11 は、独立して、H、置換されていてもよいC ~C アルキルおよび置換されていてもよいC ~C アルキルから選択され、C ~C アルキル基のいずれか1個の原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子により交換されているか、またはR 10 およびR 11 は、結合して環を形成していてもよく;
12 は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールである)。
態様2
式(1a)の化合物:
(式中、W、X、Y、Z、m、n、q、R 、R 、R 、R 、R およびR は、請求項1で定義されている通りである)である、態様1に記載の化合物、またはその塩。
態様3
式(1b)の化合物:
(式中、W、Z、m、q、R およびR は、態様1で定義されている通りである)である、態様1に記載の化合物、またはその塩。
態様4
WがCHである、態様1から3のいずれかに記載の化合物。
態様5
WがNである、態様1から3のいずれかに記載の化合物。
態様6
XがOであり、YがCH である、態様1または態様2に記載の化合物。
態様7
ZがCHR である、態様1から6のいずれかに記載の化合物。
態様8
が、OMeまたはMeである、態様1から7のいずれかに記載の化合物。
態様9
がHである、態様1または態様2に記載の化合物。
態様10
が、置換されていてもよいC ~C アルキル、置換されていてもよいC ~C シクロアルキルまたは置換されていてもよいアリールであり、任意選択の置換基が、ハロ、C ~C アルキルおよびC ~C アルコキシから選択され、C ~C アルキルおよびアルコキシ基が、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよい、態様1から9のいずれかに記載の化合物。
態様11
が、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいシクロヘキシル、置換されていてもよいシクロペンチルまたは置換されていてもよいシクロブチルであり、任意選択の置換基が、クロロ、ブロモおよびフルオロから選択される、態様10に記載の化合物。
態様12
がHである、態様1または態様2に記載の化合物。
態様13
が、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり、任意選択の置換基が、ハロ、C ~C アルキルおよびC ~C アルコキシから選択され、C ~C アルキルおよびアルコキシ基が、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよい、態様1または態様2に記載の化合物。
態様14
が、置換されていてもよいフェニルまたは置換されていてもよいピリジルであり、任意選択の置換基が、クロロ、ブロモ、フルオロおよびOMeから選択される、態様13に記載の化合物。
態様15
およびR が一緒に結合して環を形成している、態様1または態様2に記載の化合物。
態様16
およびR によって形成される環部分が、
からなる群から選択され;
前記環部分が、ハロ、C ~C アルキルおよびC ~C アルコキシから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、C ~C アルキルおよびアルコキシ基は、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよい、態様15に記載の化合物。
態様17
が、OCONR 10 11 、COOR 10 またはOR 12 であり;R 10 およびR 11 が、C ~C アルキルであり、C ~C アルキル基のいずれか1個の原子が、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子で交換されており、R 10 およびR 11 が、CH を介して環を形成していてもよく;R 12 がピリジルである、態様1から16のいずれかに記載の化合物。
態様18
Zおよびmによって形成される部分が、
から選択される、態様1から3のいずれかに記載の化合物。
態様19
がフェニルである、態様1または態様2に記載の化合物。
態様20
からなる群から選択される、態様1に記載の化合物。
態様21
からなる群から選択される、態様1に記載の化合物。
態様22
SST 受容体アゴニスト活性を有する、態様1から21のいずれかに記載の化合物。
態様23
SST 受容体と比較して、SST 受容体に対して選択性を示す、態様22に記載の化合物。
態様24
態様1から23のいずれかに記載の化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
態様25
クッシング病、クッシング症候群、末端肥大症、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍を含む)、チロトロピノーマ、プロラクチノーマ、非機能性下垂体腺腫、ネルソン症候群、先天性高インスリン症、胃バイパス後低血糖、ダンピング症候群、高インスリン性肥満、インスリノーマ、多発性嚢胞腎疾患、多嚢胞肝、門脈圧亢進症、腹水、膵臓がん、膵瘻、急性もしくは慢性膵炎、肝細胞癌、過敏性腸症候群/腸管過敏症、または頭痛障害(偏頭痛、群発性頭痛、緊張型頭痛を含む)の処置に使用するための態様1から24のいずれかに記載の化合物または組成物。
定義
本出願では、特に示さない限り、以下の定義が適用される。
用語「アルキル」、「アリール」、「ハロ」、「アルコキシ」、「シクロアルキル」および「ヘテロアリール」は、特に示さない限り、それらの慣用的な意味(例えば、IUPAC Gold Bookに定義されている通り)で使用される。
式(1)、式(1a)または式(1b)の化合物を含む本明細書に記載されている化合物のうちの任意のものの使用に関する、用語「処置」は、問題としている疾患または障害に罹患している対象、またはこれらに罹患するリスクのある対象、またはこれらに罹患するリスクが可能性としてある対象に、化合物が投与される介入の形態を記載するために使用される。したがって、用語「処置」は、予防的(防止的)処置および疾患または障害の測定可能なまたは検出可能な症状が示されている処置の両方を包含する。
本明細書で使用する(例えば、障害、疾患または状態の処置の方法に関する)場合、用語「治療有効量」とは、所望の治療効果を生じるのに有効な化合物の量を指す。例えば、状態が疼痛である場合、治療有効量とは、所望のレベルの疼痛緩和を実現するのに十分な量のことである。所望のレベルの疼痛緩和は、例えば、疼痛の完全な消滅、または疼痛の重症度の軽減とすることができる。
記載されている化合物のうちの任意のものがキラル中心を有する範囲で、本発明は、ラセミ体の形態であれ、または分割された鏡像異性体の形態であれ、そのような化合物のすべての光学異性体に拡大される。本明細書に記載されている本発明は、どのように調製されたものであれ、本開示の化合物の任意のもののすべての結晶形、溶媒和物および水和物に関する。本明細書に開示されている化合物のうちの任意のものが、カルボキシレートまたはアミノ基などの酸性または塩基性中心を有する範囲で、前記化合物のすべての塩形態が本明細書に含まれる。医薬使用の場合、塩は、薬学的に許容される塩であるとみなされるべきである。
言及され得る塩または薬学的に許容される塩には、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。そのような塩は、従来の方法によって、例えば、場合により溶媒中、または塩が不溶性である媒体中で遊離酸または遊離塩基形態の化合物を1種または複数の当量の適切な酸または塩基と反応させ、続いて、標準技術を使用して(例えば、真空で、凍結乾燥によって、またはろ過によって)、前記溶媒または前記媒体を除去することによって、形成され得る。塩はまた、例えば、好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製され得る。
薬学的に許容される塩の例には、鉱酸および有機酸から誘導された酸付加塩、ならびにナトリウム、マグネシウム、カリウムおよびカルシウムなどの金属から誘導された塩が含まれる。
酸付加塩の例には、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸)、アスコルビン酸(例えば、L-アスコルビン酸)、L-アスパラギン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)樟脳酸、カンファー-スルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸(例えば、D-グルコン酸)、グルクロン酸(例えばD-グルクロン酸)、グルタミン酸(例えば、L-グルタミン酸)、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩化水素酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)-L-乳酸および(±)-DL-乳酸)、ラクトビオ酸、マレイン酸、リンゴ酸(例えば、(-)-L-リンゴ酸)、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタリン酸、メタンスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸(例えば、(+)-L-酒石酸)、チオシアン酸、ウンデシレン酸および吉草酸で形成される酸付加塩が含まれる。
化合物の任意の溶媒和物およびそれらの塩もまた包含される。好ましい溶媒和物は、非毒性の薬学的に許容される溶媒の分子の、本発明の化合物の固体状態構造(例えば、結晶構造)への組込みによって形成される溶媒和物である(以下において、溶媒和する溶媒と称される)。このような溶媒の例には、水、アルコール(エタノール、イソプロパノールおよびブタノールなど)およびジメチルスルホキシドが含まれる。溶媒和物は、本発明の化合物を、溶媒和する溶媒を含有する溶媒または溶媒の混合物と共に再結晶することによって調製することができる。溶媒和物が、所与のいずれかの例で形成されているか否かは、化合物の結晶を、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)およびX線結晶学などの周知な標準技法を使用する分析に施すことによって決定され得る。
溶媒和物は、化学量論量の溶媒和物とすることができるか、または非化学量論量の溶媒和物とすることができる。特定の溶媒和物は水和物であり得、水和物の例には、半水和物、一水和物および二水和物が含まれる。溶媒和物、および溶媒和物を作製し特徴付けるために使用される方法の一層詳細な考察に関しては、SSCI,Inc of West Lafayette、IN、米国により出版された、Brynら、Solid-State Chemistry of Drugs、第2版、1999年、ISBN 0-967-06710-3を参照されたい。
本発明の文脈における用語「医薬組成物」は、活性剤を含み、1種または複数の薬学的に許容される担体を追加的に含む組成物を意味する。組成物は、投与方式および剤形の性質に応じて、例えば、希釈剤、アジュバント、賦形剤、ビヒクル、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分散剤から選択される成分をさらに含有し得る。組成物は、例えば、懸濁液、スプレー剤、吸入剤、錠剤、ロゼンジ剤、乳剤、溶液剤、カシェ剤、顆粒剤、カプセル剤および坐剤ならびにリポソーム調剤を含む注射用液体調剤を含む、錠剤、ドラジェ剤、散剤、エリキシル剤、シロップ剤、液体調剤の形態であり得る。
本発明の化合物は、1種または複数の同位体置換を含有してもよく、特定の元素を言う場合、その元素のすべての同位体をその範囲内に含む。例えば、水素を言う場合、その範囲内に、H、H(D)およびH(T)を含む。同様に、炭素および酸素を言う場合、それぞれ、その範囲内に、12C、13Cおよび14C、ならびに16Oおよび18Oを含む。同様に、特定の官能基を言う場合はやはり、文脈が特に示さない限り、その範囲内に、同位体変形体を含む。例えば、エチル基などのアルキル基、またはメトキシ基などのアルコキシ基を言う場合、基中の1個または複数の水素原子が、例えば、5個の水素原子がすべて、重水素同位体形態にあるエチル基(パージュウテロエチル基)、または3個の水素原子がすべて、重水素同位体形態にあるメトキシ基(トリジュウテロメトキシ基)のように、重水素またはトリチウム同位体の形態にある変形体もまた包含する。同位体は、放射活性であってもよく、または非放射活性であってもよい。
治療投薬量は、患者の要求、処置されている状態の重症度および用いられている化合物に応じて様々であり得る。特定の状況についての適切な投薬量の決定は、当分野の技術の範囲内である。一般に、処置は、化合物の最適用量未満であるより少ない投薬量で開始される。その後、投薬量は、その状況下で最適効果に達するまで小増分ずつ増加される。便利なように、総1日投薬量は、分割され、所望の場合、1日の間に少しずつ投与されてもよい。
化合物の有効用量の大きさは、当然のことながら、処置される状態の重症度の性質ならびに特定の化合物およびその投与経路により様々である。適切な投薬量の選択は、過度な労力の必要のない、当業者の能力の範囲内である。一般に、1日用量範囲は、ヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約10μg~約30mg、好ましくはヒトおよびヒトではない動物の体重1kg当たり約50μg~約30mg、例えば、ヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約50μg~約10mg、例えば、ヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約100μg~約30mg、例えば、ヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約100μg~約10mg、ならびに最も好ましくは、ヒトおよび非ヒト動物の体重1kg当たり約100μg~約1mgであり得る。
医薬製剤
活性化合物は、単独で投与することが可能であるが、医薬組成物(例えば、製剤)として供給されることが好ましい。
したがって、本発明の別の実施形態では、上で定義されている式(1)のうちの少なくとも1つの化合物と少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を一緒に含む医薬組成物が提供される。
組成物は、注射に好適な組成物であり得る。注射は、静脈内(IV)または皮下であり得る。組成物は、滅菌緩衝溶液、注射用滅菌緩衝剤に懸濁もしくは溶解できる固体として供給され得る。
薬学的に許容される賦形剤は、例えば、担体(例えば、固体、液体または半固体担体)、アジュバント、希釈剤(例えば、充填剤または増量剤などの固体希釈剤;ならびに溶媒および共溶媒などの液体希釈剤)、造粒剤、結合剤、流動助剤、コーティング剤、放出制御剤(例えば放出抑制もしくは遅延ポリマーまたはワックス)、結合剤、崩壊剤、緩衝化剤、滑沢剤、保存剤、抗真菌剤および抗菌剤、抗酸化剤、緩衝化剤、張度調節剤、増粘剤、香味剤、甘味剤、顔料、可塑剤、味覚マスキング剤、安定剤、または医薬組成物に慣用的に使用される任意の他の賦形剤から選択され得る。
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される」は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、対象(例えば、ヒト対象)の組織と接触して使用するのに好適な、妥当な医療的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に対応する、化合物、物質、組成物および/または剤形を意味する。各賦形剤はまた、製剤の他の成分と適合可能であるという意味において、「許容される」ものでなければならない。
式(1)の化合物を含有する医薬組成物は、公知技術に従い製剤化することができ、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PA、米国を参照されたい。
好適な製剤は、通常、0~20%(w/w)の緩衝剤、0~50%(w/w)の共溶媒および/または0~99%(w/w)の注射用水(WFI)(用量に依存し、凍結乾燥の場合)を含有する。筋肉内デポ剤用の製剤は、0~99%(w/w)の油も含有してもよい。
式(1)の化合物は、一般に、単位剤形中で供給され、したがって、所望のレベルの生物活性を実現するのに十分な化合物を通常、含有する。例えば、製剤は、1ナノグラム~2グラムの活性成分、例えば1ナノグラム~2ミリグラムの活性成分を含有することができる。これらの範囲内における、化合物の特定のサブ範囲は、0.1ミリグラム~2グラムの活性成分(さらに典型的には、10ミリグラム~1グラム、例えば50ミリグラム~500ミリグラム)、または1マイクログラム~20ミリグラム(例えば1マイクログラム~10ミリグラム、例えば0.1ミリグラム~2ミリグラムの活性成分)である。
活性化合物は、所望の治療効果(有効量)を実現するのに十分な量で、それを必要とする患者(例えば、ヒトまたは動物患者)に投与される。投与される化合物の正確な量は、標準手順に従い、監督医師によって決定され得る。
本発明は、これより、以下に限定されないが、以下の実施例に記載されている特定の実施形態を参照することによって例示される。
実施例1~79
下の表1に示されている実施例1~79の化合物を調製した。それらのNMRおよびLCMS特性、ならびにそれらを調製するために使用した方法を表2および3に記載する。実施例のそれぞれに関する出発原料は、示さない限り、市販されている。
Figure 0007437394000032
Figure 0007437394000033
Figure 0007437394000034
Figure 0007437394000035
Figure 0007437394000036
Figure 0007437394000037
Figure 0007437394000038
Figure 0007437394000039
Figure 0007437394000040
一般手順
調製経路が含まれていない場合、関連する中間体は市販されている。市販試薬は、さらに精製することなく利用した。室温(rt)は、約20~27℃を指す。H NMRスペクトルは、600MHzで、Bruker機器で記録した。ケミカルシフト値は、百万分率(ppm)、すなわち(δ)値で表す。NMRシグナルの多重度について、以下の略称を使用する:s=シングレット、br=ブロード、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、quint=クインテット、td=ダブレットのトリプレット、tt=トリプレットのトリプレット、qd=ダブレットのカルテット、ddd=ダブレットのダブレットのダブレット、ddt=トリプレットのダブレットのダブレット、m=マルチプレット。カップリング定数は、Hzで測定したJ値として列挙する。NMRおよび質量分光法の結果は、バックグラウンドピークを考慮して補正した。クロマトグラフィーとは、60~120メッシュのシリカゲルを使用して行い、窒素加圧(フラッシュクロマトグラフィー)条件下で実施したカラムクロマトグラフィーを指す。
分析方法
化合物のLCMS分析を、エレクトロスプレー条件下で実施した。
LCMS方法A
Water Acquity UPLC-H Class、カラム:Waters BEH C18 1.7μm、2.1×50mm。グラジエント[時間(分)/溶媒B(%)]:0.0/10、0.5/10、2.5/90、3.0/90。(溶媒A - 水中の0.025% HCOOH;溶媒B - MeCN中の0.025% HCOOH);注入量0.1μL(変動し得る);UV検出210nm;カラム温度30℃;0.3mL/分。
分析方法B
MSイオンはエレクトロスプレー条件下で以下のLCMS法を使用して決定し、HPLC保持時間(R)は以下のHPLC法を使用して決定し、示さない限りHPLCによる純度>95%である。
LCMS:Water Acquity UPLC-H Class、カラム:Waters BEH C18 1.7μm、2.1×50mm。グラジエント[時間(分)/溶媒B(%)]:0.0/10、0.5/10、2.5/90、3.0/90。(溶媒A - 水中の0.025% HCOOH;溶媒B - MeCN中の0.025% HCOOH);注入量0.1μL(変動し得る);UV検出210nm;カラム温度30℃;0.3mL/分。
HPLC:Agilent Technologies 1200、Water SunFire C18、3.5μm、4.6×150mm、30℃、1mL/分;移動相A:水中の0.025% TFA、移動相B:MeCN。a:グラジエント、5~75%(MeCN:H2O、15分)、b:グラジエント、10~90%(MeCN:H2O、15分);c:20~90%(MeCN:H2O、15分)。
分析方法C
MSイオンはエレクトロスプレー条件下で以下のLCMS法を使用して決定し、HPLC保持時間(R)は以下のHPLC法を使用して決定し、示さない限りHPLCによる純度>95%である。
LCMS:Agilent 1200 HPLC&6410B Triple Quad、カラム:Xbridge C18 3.5um 2.1×30mm。グラジエント[時間(分)/溶媒B(%)]:0.0/10、0.9/80、1.5/90、8.5/5、1.51/10。(溶媒A=1000mLの水中の1mLのTFA;溶媒B=1000mLのMeCN中の1mLのTFA);注入量5μL(変動し得る);UV検出220nm 254nm 210nm;カラム温度25℃;1.0mL/分。
HPLC:Agilent Technologies 1200、カラム:Gemini-NX C18 5um 110A 150×4.6mm。グラジエント[時間(分)/溶媒B(%)]:0.0/30、20/60、20.1/90、23/90。(溶媒A=1000mLの水中の1mLのTFA;溶媒B=1000mLのMeCN中の1mLのTFA);注入量5μL(変動し得る);UV検出220nm 254nm;カラム温度25℃;1.0mL/分
分析方法D
機器:Thermo Scientific Orbitrap Fusion;カラム:Phenomenex Kinetex Biphenyl 100Å、2.6μm、2.1×50mm;グラジエント[時間(分)/溶媒A中のB(%)]:0.00/10、0.30/10、0.40/60、1.10/90、1.70/90、1.75/10、1.99/10、2.00/10;溶媒:溶媒A=水中の0.1%ギ酸、溶媒B=アセトニトリル中の0.1%ギ酸;注入量5μL;カラム温度25℃;流速0.8mL/分。
中間体の合成
Fmoc-D-Trp(4-Me)の合成
Figure 0007437394000041
手順
N-Boc-4-メチルインドール(1)
4-メチルインドール(5.0g、38mmol)およびジメチルアミノピリジン(1.04g、8.54mmol)を、アセトニトリル(60mL)に溶解し、次いで、アセトニトリル(10mL)中のジ-tert-ブチルジカルボネート(14.0g、64mmol)の溶液をゆっくり添加した。反応を、N雰囲気下、室温で18時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をEtOAc(100mL)で希釈し、1N HCl(100mL×3)、飽和NaHCO(100mL×3)、水(100mL×1)およびブライン(100mL×1)で洗浄し、次いで乾燥した(MgSO4)。ろ過後、溶媒を除去して、化合物1(8.3g、定量的収率)を得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
N-Boc-3-ブロモ-4-メチルインドール(2)
N-ブロモスクシンイミド(8.3g、47mmol)を、THF(100mL)中のN-Boc-インドール(8.3g、38mmol)の溶液にすべて一度に添加し、反応を室温で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(100mL)で希釈し、飽和水性二亜硫酸ナトリウム(100mL×3)、飽和NaHCO水溶液(100mL×3)およびブラインで洗浄した。有機相を乾燥し(MgSO4)、濃縮して、化合物2(8.7g、収率74%)を黄色油状物として得た。
(S)-メチル2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヨードプロパノエート(3)
DCM(600mL)中のトリフェニルホスフィン(131g、0.50mol)およびイミダゾール(34g、0.50mol)の混合物を0℃に冷却し、ヨウ化物(127g、0.50mol)を0.5時間かけて少しずつ添加した。冷却浴を取り除き、混合物を0.5時間撹拌した。混合物を0℃に再度冷却した後、DCM(300mL)中の化合物2(73g、0.33mol)の溶液を滴下添加した。完了したら、冷却浴を取り除き、混合物を室温に加温し、1.5時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ液を濃縮して溶媒の大部分を除去した。MTBE(400mL)を残渣に添加し、混合物をろ過して、トリフェニルホスフィンオキシドを除去した。ろ液を濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、3(74.0g、68%収率)を黄色固体として得た。
(R)-tert-ブチル3-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メトキシ-3-オキソプロピル)-4-メチル-1H-インドール-1-カルボキシレート(4)
DMF(30mL)中の化合物3(7.5g、26mmol)およびヨウ素(0.5g)の溶液を、DMF(50mL)中の亜鉛(4.5g、77mmol)の懸濁液に添加した。混合物を窒素下、30℃で30分間撹拌し、次いで、室温に冷却した。化合物2(8.0g、25.8mol)、S-Phos(200mg)およびPd(dba)(400mgl)を添加した。反応混合物を窒素下、50℃で終夜撹拌し、次いで、室温に冷却した。ブライン(500mL)を添加し、得られた混合物をEtOAc(300mL×3)で抽出した。有機物を合わせ、ブラインで洗浄し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100:1~40:1)によって精製して、4を粘性油状物(3.3g、30%収率)として得た。
D-Trp(4-Me)-OH(5)
水/メタノール(30mL、2:1)の混合物中の化合物4(3.3g、7.6mmol)の溶液に、水酸化リチウム水和物(1.3g、30mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで濃縮してメタノールの大部分を除去した。残渣をEtOAc(30mL×3)で抽出し、ブライン(20mL×2)で洗浄し、乾燥し、濃縮して、酸を得た。
上記の酸をDCM(20mL)に溶解し、TFA(5mL)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで、濃縮して、5をTFA塩として得、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
Fmoc-D-Trp(4-Me)
化合物5(7.6mmol)をアセトン(100mL)および飽和NaHCO水溶液(100mL)の混合物に溶解した。Fmoc-OSu(2.5g、7.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応をH2O(100mL)で希釈し、ヘキサン(100mL×2)で洗浄した。水性相を1N HClでpH3に酸性化し、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせたEtOAc相を1N HCl(100mL×3)およびブライン(100mL×1)で洗浄し、次いで、MgSO4で乾燥した。ろ過後、溶媒を濃縮によって除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:1~20:1)によって精製して、Fmoc-D-Trp(4-Me)(2.3g、化合物4から68%収率)を白色固体として得た。
LCMS(方法A):m/z 441.7[M+H](ES+)
以下の化合物を、同じ方法を使用して合成した。
Fmoc-Tyr(O-シクロヘキシルメチル)の合成
手順
Fmoc-L-Tyr(O-シクロヘキシルメチル)-OMe(1)
THF(100mL)中のFmoc-Tyr-OMe(1.5g、3.6mmol)、シクロヘキシルメタノール(500mg、4.4mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.13g、4.3mol)の混合物を0℃に冷却し、DEAD(800mg、4.3mol)を添加した。混合物を室温に加温し、終夜撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物1(0.9g、48%収率)を得た。
Fmoc-L-Tyr(O-シクロヘキシルメチル)
水/メタノール(30mL、10:1)中の化合物1(0.9g、1.7mmol)の溶液に、水酸化リチウム水和物(100mg、2.4mmol)を添加した。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、次いで、1N HClでpH3に酸性化した。次いで、混合物をEtOAc(30mL×3)で抽出し、抽出物をブライン(20mL×2)で洗浄し、乾燥し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:1~20:1)によって精製して、Fmoc-L-Tyr(O-シクロヘキシルメチル)(630mg、74%収率)を白色固体として得た。
LCMS(方法A):m/z 500.9[M+H](ES+)。
以下の化合物を、同じ方法を使用して合成した。
シクロヘキサペプチドの合成 実施例1~79
標準Fmoc固相ペプチド合成(SPPS)を使用して、直鎖状ペプチドを合成し、次いでこれを、樹脂から切断し、環化してシクロヘキサペプチドを得た。この直鎖合成は、6マー配列の任意の位置で開始することができ、次いで、環化を実施して、最終シクロヘキサペプチドを得ることができる。2つの方法を以下に略述する。
方法a
ペプチド合成
1)CTC樹脂(0.4mmol)およびFmoc-trans-4-HYP-OH(282.7mg、0.8mmol、2.0当量)を含有する容器に、N(g)の通気下でDCM(10mL)を添加した。
2)DIEA(263.9μL、1.6mmol、4.0当量)を滴下添加し、反応を2時間撹拌した。
3)MeOH(0.8mL)を添加し、反応を30分間撹拌した。
4)樹脂から液体を除去し、DMF(×5)で洗浄した。
5)Bis(p-ニトロフェニル)カルボネート(730.0mg、2.4mmol、6.0当量)およびDIEA(0.8mL、4.8mmol、12.0当量)を容器に添加し、反応を4時間継続した。反応が完了した後、樹脂をDMF(×5)で洗浄した。
6)N-Boc-エチレンジアミン(770.0mg、4.8mmol、12.0当量)およびDIEA(0.8mL、4.8mmol、12.0当量)をそれぞれDMF(10mL)中の樹脂に添加した。反応を室温で終夜混合した。
7)樹脂から液体を除去し、DMF(×5)で洗浄した。
8)DMF(ピペリジン:DMF、1:4)中のピペリジンの溶液を添加し、反応を30分間継続した。
9)樹脂から液体を除去し、DMF(×5)で洗浄した。
10)Fmoc-アミノ酸溶液(0.8mmol、2.0当量)を樹脂に添加し、30秒間混合し、続いて、HATU(2.0当量)およびDIEA(4.0当量)を添加した。混合物にN(g)を1時間通気した。
11)樹脂から液体を除去し、DMF(×5)で洗浄した。
12)ステップ8~11を次のアミノ酸カップリングのために繰り返す。
ペプチド切断、環化および精製
1)側鎖保護ペプチドを含有するフラスコにrtで切断緩衝液(DCM中の1% TFA、10mL)を添加し、得られた混合物を0.5時間撹拌した。
2)反応混合物をろ過し、ろ液を無水DCMで1mMに希釈した。DIEAを添加して、pHを8に調節した。溶液にTBTU(385.2mg、1.2mmol、3.0当量)およびHOBT(162.9mg、1.2mmol、3.0当量)を添加し、得られた溶液を3~4時間反応させた。
3)完了したら、反応混合物を1N HCl(200mL)で洗浄し、有機相を真空下で乾燥して、粗製ペプチドを得、これを、TFA:HO:TIPS、95:2.5:2.5で10分~1時間さらに処理した。
4)粗製ペプチドを、メチルtert-ブチルエーテルの添加によって沈殿させた。
5)粗製ペプチドをHPLCによって精製して、最終生成物を得た。分取HPLC条件:機器:Gilson281。溶媒:A - H2O中の0.1% TFA、B - アセトニトリル、カラム:Luna C18(200×25分;10μm)およびGemini C18(150×30mm;5μm)、直列。グラジエント[時間(分)/溶媒B(%)]:実施例17について0.0/25、60.0/55、60.1/90、70/90、70.1/10。
方法b
ペプチド合成
1)CTC樹脂(1当量)をDMF(10×)中で2時間膨張させ、DMF(10×)で3回、DCM(10×)で3回、およびDMF(10×)で3回洗浄した。
2)Fmoc保護アミノ酸(3当量)をDMFに溶解し、次いで、DIC(2.9当量)、HOBt(2.9当量)およびNMM(5.6当量)を添加した。得られた混合物を1分間振とうし、樹脂に移した。
3)反応を1~2時間振とうし、Kaiser法によってモニタリングした。
4)カップリング後、樹脂をDMFで洗浄した。
5)Fmoc基を、DMF中のピペリジン(ピペリジン:DMF、1:4)の溶液を使用して2回(2分間、8分間)除去した。
6)樹脂をDMF(10×)で3回、DCM(10×)で3回、およびDMF(10×)で3回、注意深く洗浄した。
注記:Fmoc-フェニルグリシンをその活性化HOBt-エステルに変換した[固相合成の前にDIC(3.0当量、0℃、20分)の存在下でFmoc-Phg(3.0当量)およびHOBt(3.0当量)から新たに調製した。
ペプチド切断、環化および精製
1)ペプチド樹脂を1:1(v:v)TFE/DCM(10vol/gの乾燥樹脂)中で4時間膨張および振とうすることによって、全長直鎖状ペプチドを樹脂から切断した。
2)切断溶液をろ過し、液体を除去した樹脂を追加のDCM(5vol/gの初期乾燥ペプチド樹脂)で洗浄して、切断されたペプチドを樹脂から完全に抽出した。合わせたろ液中の溶媒を蒸発させ、残渣を乾燥した。
3)粗製ペプチドをDMF/DCM(30vol/g、1/5)の混合物に溶解し、0℃に冷却し、DIC(5当量)およびHOBt(5当量)を添加した。完了したら、反応を、水性飽和NaCO(2×)およびブライン(1×)で洗浄した。有機層を乾燥し、ろ過し、濃縮して、粗製シクロペプチドを得た。
4)粗製シクロペプチドを、TFA/DCM(50vol/g、1/1)の混合物中で1時間撹拌することによって脱保護した。生成物を冷ジエチルエーテルから沈殿させ、ろ過して、粗製ペプチドを得、これを分取HPLCによって精製して、環状ヘキサペプチドを得た。分取HPLC条件:機器:Water Auto-P 2545/2489/515。溶媒:A - 水中の0.1%TFA、B - MeCN、カラム:SunFire Prep C18 OBD、5μm、30×100mm。グラジエント[時間(分)/溶媒B(%)]:0.0/30、1.0/30、9.0/45、9.5/95、13.0/95。UV検出210nm&MS検出;カラム温度25℃;30mL/分。
Figure 0007437394000047
生物活性
Hit Hunter(登録商標)cAMP XS+アッセイを使用して、Gi Gタンパク質によるSSTおよびSSTの活性化をモニタリングした。細胞をホルスコリンで予備刺激してcAMP反応を誘発し、cAMPを低減するソマトスタチンアゴニストの効力および有効性を測定した。簡潔に述べると、細胞(10,000個の細胞/ウェル)を、EC80ホルスコリン(20μM SSTおよび15μM SST)の存在下、培地(2:1 HBSS/10mM Hepes:cAMP XS+Ab試薬)中、化合物(10μM~10fM)でインキュベートした(37℃;30分)。シグナルを、20μL cAMP XS+ED/CL溶解物カクテルでのインキュベーション(60分;RT)、続いて、20μL cAMP XS+EA試薬によるインキュベーション(180分;RT)により検出した。マイクロプレートを化学発光シグナル検出用のPerkinElmer Envision(商標)機器で読み取った。化合物活性をソマトスタチン28(基底0%、100%=50nMソマトスタチン28で達成されるシグナル)の活性に対して標準化し、データを、4パラメーターロジスティックフィットを使用するDotmatics Browserを使用して分析して、効力(pEC50)および有効性(%)を決定した。
Figure 0007437394000055
Figure 0007437394000056

Claims (21)

  1. 式(1)の化合物:
    またはその塩(式中、
    (i)Zは、CHR 、NR またはOであり;かつmは、1または2であり;および/または
    (ii)Zおよびmによって形成される部分が、

    から選択され;
    ここで、Wは、CHまたはNであり;
    XおよびYは、CHまたはOであり、XおよびYの一方はCHであり、XおよびYの他方はOであり;
    nは0~3であり;
    各Rは、独立して、ハロ、C~CアルキルおよびC~Cアルコキシから選択され、C~Cアルキルおよびアルコキシ基は、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよく;
    qは0~2であり;
    は、H、および最大6個のフッ素原子で置換されていてもよいC~Cアルキルから選択され;
    は、置換されていてもよいC~Cアルキル、置換されていてもよいC~Cシクロアルキル、および置換されていてもよいアリールから選択され、ここで、任意選択の置換基が、ハロ、C ~C アルキルおよびC ~C アルコキシから選択され、C ~C アルキルおよびアルコキシ基が、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよく;
    は、H、または ~C アルキルであり、C~Cアルキル基は、Rと結合して環を形成していてもよく;
    は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、ここで、任意選択の置換基が、ハロ、C ~C アルキルおよびC ~C アルコキシから選択され、C ~C アルキルおよびアルコキシ基が、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよく、またはR は、R と結合して環を形成していてもよく;
    は、アリール、ヘテロアリール、O-アリールまたはO-ヘテロアリールから選択され;
    は、H、 ~C アルキル、CONR1011、OCONR1011、OCOR10、OCOOR10、COOR10またはOR12から選択され;
    は、H、CONR1011またはCOOR10から選択され;
    10およびR11は、独立して、H、 ~C アルキルおよび ~C アルキルから選択され、C~Cアルキル基のいずれか1個の原子は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子により交換されているか、またはR10およびR11は、結合して環を形成していてもよく;
    12は、アリールまたはヘテロアリールであり;
    とR が結合して環を形成する場合、R およびR によって形成される環部分が
    からなる群から選択され;
    前記環部分が、ハロ、C ~C アルキルおよびC ~C アルコキシから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、C ~C アルキルおよびアルコキシ基は、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよい)。
  2. 式(1a)の化合物:
    (式中、W、X、Y、Z、m、n、q、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義されている通りである)である、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
  3. 式(1b)の化合物:
    (式中、W、Z、m、q、RおよびRは、請求項1で定義されている通りである)である、請求項1に記載の化合物、またはその塩。
  4. WがCHである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
  5. WがNである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
  6. XがOであり、YがCHである、請求項1または請求項2に記載の化合物またはその塩
  7. ZがCHRである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
  8. が、OMeまたはMeである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
  9. がHである、請求項1または請求項2に記載の化合物またはその塩
  10. が、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいシクロヘキシル、置換されていてもよいシクロペンチルまたは置換されていてもよいシクロブチルであり、任意選択の置換基が、クロロ、ブロモおよびフルオロから選択される、請求項に記載の化合物またはその塩
  11. がHである、請求項1または請求項2に記載の化合物またはその塩
  12. が、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり、任意選択の置換基が、ハロ、C~CアルキルおよびC~Cアルコキシから選択され、C~Cアルキルおよびアルコキシ基が、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよい、請求項1または請求項2に記載の化合物またはその塩
  13. が、置換されていてもよいフェニルまたは置換されていてもよいピリジルであり、任意選択の置換基が、クロロ、ブロモ、フルオロおよびOMeから選択される、請求項12に記載の化合物またはその塩
  14. およびRが一緒に結合して環を形成していて、RおよびRによって形成される環部分が、
    からなる群から選択され;
    前記環部分が、ハロ、C~CアルキルおよびC~Cアルコキシから選択される1つまたは複数の基で置換されていてもよく、C~Cアルキルおよびアルコキシ基は、それ自体、最大6個のフッ素原子で置換されていてもよい、請求項1または請求項2に記載の化合物またはその塩
  15. が、OCONR1011、COOR10またはOR12であり;R10およびR11が、C~Cアルキルであり、C~Cアルキル基のいずれか1個の原子が、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子で交換されており、R10およびR11が、CHを介して環を形成していてもよく;R12がピリジルである、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
  16. Zおよびmによって形成される部分が、
    から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物またはその塩
  17. がフェニルである、請求項1または請求項2に記載の化合物またはその塩
  18. からなる群から選択される、化合物またはその塩
  19. からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその塩
  20. 請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物またはその塩、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  21. クッシング病、クッシング症候群、末端肥大症、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍を含む)、チロトロピノーマ、プロラクチノーマ、非機能性下垂体腺腫、ネルソン症候群、先天性高インスリン症、胃バイパス後低血糖、ダンピング症候群、高インスリン性肥満、インスリノーマ、多発性嚢胞腎疾患、多嚢胞肝、門脈圧亢進症、腹水、膵臓がん、膵瘻、急性もしくは慢性膵炎、肝細胞癌、過敏性腸症候群/腸管過敏症、または頭痛障害(偏頭痛、群発性頭痛、緊張型頭痛を含む)の処置に使用するための請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物または組成物。
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