JP7436286B2 - 車載表示システム - Google Patents

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Description

本発明は、車載表示システムに関する。
自動車などの車両においては、運転者にとって快適に運転できる環境や、安全な運転ができる環境を用意しておくことが重要である。そのため、運転席の前方に配置されるメータユニットや、コクピットが表示する情報により、運転者に快適性を提供しつつ、運転者に状況を適切に把握させることが必要とされる。
例えば、特許文献1の車両の照明装置は、間接照明による装飾効果と運転者の走行視認性とを両立させるための技術を示している。インパネ照明装置は、インストルメントパネルの段差部に設けられ、車幅方向に細長く延びるように形成された間接照明の機能を有している。また、前照灯の点灯、車両の走行、ドア開、車幅灯点灯、車速などの車両の状態に応じて照明の光量を自動的に調整することを示している。
特許文献2の車両用表示制御装置は、道路状況についてのドライバへの情報伝達をより速やか且つより正確に行うための技術を示している。また、ヘッドアップディスプレイ(HUD)を利用して投影した虚像を、車両前方の風景に重畳した状態で表示させる。具体的には、道路標識などに相当する交通マークのアイコンを重畳表示することを示している。
特許文献3の車両用意思疎通装置は、ドライバ間の意思疎通を確実にするための技術を示している。車両に搭載された車両用意思疎通装置は、他車両に搭載された意思疎通装置と通信を行うための通信部と、車両のドライバの操作に基づいて、他車両に対し、ドライバの意思を伝達する制御部と、他車両からの返信信号を受信してドライバに通知するディスプレイとを備えている。これにより、他車両のドライバに自らの意思が理解されたか否かのレスポンスを得ることができる。
特許文献4の情報表示装置は、緊急度が高い情報や重要度が高い情報を確実に運転者へ伝達するための技術を示している。具体的には、車両と接触する可能性のある物体を識別し、その危険度に応じて二種類の警告表示を行う。そして、危険度が閾値よりも低い場合は、二次元の矢印を運転者に認識させて警告を行い、危険度が閾値よりも高い場合は、運転者に向く三次元の矢印を運転者に認識させて警告を行う。
特許文献5の車両用夜間視界支援装置は、運転者に違和感を覚えさせず、より安全運転に寄与するための技術を示している。具体的には、車両前方を撮像する赤外線カメラと、赤外線カメラにより撮像された画像が表示されるメインディスプレイと、メインディスプレイと異なるサブディスプレイと、メインディスプレイに表示されている画像中に歩行者が存在するか否かを判定し、歩行者が存在すると判定した場合に、注意喚起表示を行なうようにサブディスプレイを制御する制御手段とを備えている。制御手段は、メインディスプレイに表示されている画像上に存在しなくなった歩行者が運転者の視野範囲内に存在するか否かを推定又は検知し、メインディスプレイに表示されている画像中に存在しなくなった歩行者が運転者の視野範囲内に存在すると推定又は検知した場合にも注意喚起表示を行なうようにサブディスプレイを制御する。
特許文献6の車両用透過表示装置は、車外景色への視界を妨げることなく、かつ、運転者の視線が注意対象そのものに向くような注意喚起を行うための技術を示している。この車両用透過表示装置は、透過率が変更可能な透過性を有する透明ディスプレイと、注意対象検出部が検出した注意対象物体の情報に応じて透明ディスプレイの透過率を制御する表示制御部とを備える。表示制御部は、透明ディスプレイの画面中で注意対象物体を含む領域がそれ以外の他の領域よりも相対的に高い明度で見えるように、注意対象物体を含む領域の透過率が他の領域の透過率よりも相対的に高くなるように制御する。
特許文献7の衝突判定装置は、移動する障害物と車両との接近および衝突を判定するための技術を示している。障害物位置判定部は、距離センサが測定した車両から障害物までの距離と距離センサ位置推定部が推定した距離センサの位置とに基づいて車両に対する障害物の位置を判定する。障害物移動軌跡推定部は、障害物の位置から移動軌跡を推定する。障害物の移動軌跡と車両の移動軌跡とに基づいて、接近判定部が接近を判定し、衝突判定部が衝突の可能性を判定する。
特開2006-151005号公報 特開2018-200626号公報 特開2014-134897号公報 特開2006-350934号公報 特開2011-91549号公報 特開2016-88187号公報 特開2015-191441号公報
例えば、特許文献1の車両の照明装置の場合には、車幅方向に細長く延びる間接照明を利用できるので、車室内のインパネにおいて広い範囲の照明が可能になる。また、表示の視認性を改善するために役立つと考えられる。
しかしながら、単純に広い範囲で照明の明るさだけを調整する場合には、運転者の意識を集中させる観点からは逆効果になる可能性もある。例えば、運転者の前方に配置されているメータユニット内に重要な警告が表示されているにもかかわらず、運転者の意識が散漫になり警告表示に気づきにくくなる可能性がある。
一方、メータユニット内だけに様々な種類の情報を表示する場合には、運転者が視線を大きく移動しなくても、メータユニットの狭い範囲内を集中的に監視するだけで運転者は様々な状況の把握が可能になる。しかし、例えばメータユニット内に何らかの警告が表示された場合に、それがどの箇所で発生した警告なのかを運転者が把握することは容易ではない。すなわち、事前に表示される図形や文字の意味を全て理解していない限り、運転者はそれぞれの警告表示が何を意味しているのか把握できない。また、運転中に運転者がメータユニット内などの狭い範囲に視線を移動している時間が長くなると、前方から目をそらすことになるので運転の安全性を確保するのが困難になる。例えば、自車両に相対的に接近する他車両、歩行者などに気づきにくくなる。
また、例えば特許文献2のようにヘッドアップディスプレイを利用する場合には、運転者は通常の運転状態で前方を視認したまま、視線を移動することなく重要な情報を把握することが可能になる。しかし、ヘッドアップディスプレイの場合には表示可能な情報の種類や同時に表示可能な情報量が限られるし、表示可能な空間の面積も比較的狭い範囲に限られるので、ヘッドアップディスプレイと共にメータユニットも同時に利用する必要がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転者の状況把握を容易にするための視線誘導が可能な車載表示システムを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る車載表示システムは、下記(1)~()を特徴としている。
(1) 車両乗員の着座位置前方に配置されたメインメータ表示部と、
一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の左側から前記メインメータ表示部の左側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な左ライン照明部と、
一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の右側から前記メインメータ表示部の右側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な右ライン照明部と、
前記メインメータ表示部、前記左ライン照明部、及び前記右ライン照明部の表示を連携して前記車両乗員の視線を誘導する表示制御部と、
を備えた車載表示システムであって、
前記表示制御部は、前記車両乗員の視線を誘導する照明光が、前記メインメータ表示部の一部分と、前記左ライン照明部、又は前記右ライン照明部の一部分との間を跨がった状態になる連携機能を有する、
ことを特徴とする車載表示システム。
) 自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて警告を発生する警告発生部を有し、
前記表示制御部は、前記警告発生部が発生した警告の種類に応じて、前記左ライン照明部及び前記右ライン照明部の少なくとも一方を制御して、前記車両乗員の視線の方向又はその移動を誘導する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の車載表示システム。
) 前記表示制御部は、自車両の駆動に関する信号がオンになると、前記メインメータ表示部、前記左ライン照明部、及び前記右ライン照明部の表示を連携させる演出を行うとともに、前記自車両の状態に対する診断結果を表す信号を取得し、当該診断結果に前記自車両の状態が通常の状態と異なることを表す情報が含まれている場合には、前記メインメータ表示部に前記自車両の状態が通常の状態と異なることを表す情報を表示する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の車載表示システム。
) ヘッドアップディスプレイを備え、
前記ヘッドアップディスプレイが投影した映像を表示するHUD表示面が前記メインメータ表示部の画面近傍に形成され、
前記表示制御部は、自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて、前記車両乗員の視線の方向が、前記メインメータ表示部の画面と前記HUD表示面との間で移動するように誘導する、
ことを特徴とする上記(1)乃至()のいずれかに記載の車載表示システム。
車両乗員の着座位置前方に配置されたメインメータ表示部と、
一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の左側から前記メインメータ表示部の左側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な左ライン照明部と、
一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の右側から前記メインメータ表示部の右側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な右ライン照明部と、
前記メインメータ表示部、前記左ライン照明部、及び前記右ライン照明部の表示を連携して前記車両乗員の視線を誘導する表示制御部と、
を備えた車載表示システムであって、
ヘッドアップディスプレイを備え、
前記ヘッドアップディスプレイが投影した映像を表示するHUD表示面が前記メインメータ表示部の画面近傍に形成され、
前記表示制御部は、自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて、前記車両乗員の視線の方向が、前記メインメータ表示部の画面と前記HUD表示面との間で移動するように誘導し、
前記メインメータ表示部の画面側方に配置されたサブモニタ表示部を備え、
前記表示制御部は、自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて、前記メインメータ表示部の画面表示内容、又は前記HUD表示面の表示内容と、前記サブモニタ表示部の画面表示内容とが連携するように制御する、
ことを特徴とする載表示システム。
車両乗員の着座位置前方に配置されたメインメータ表示部と、
一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の左側から前記メインメータ表示部の左側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な左ライン照明部と、
一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の右側から前記メインメータ表示部の右側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な右ライン照明部と、
前記メインメータ表示部、前記左ライン照明部、及び前記右ライン照明部の表示を連携して前記車両乗員の視線を誘導する表示制御部と、
を備えた車載表示システムであって、
ヘッドアップディスプレイを備え、
前記ヘッドアップディスプレイが投影した映像を表示するHUD表示面が前記メインメータ表示部の画面近傍に形成され、
前記表示制御部は、自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて、前記車両乗員の視線の方向が、前記メインメータ表示部の画面と前記HUD表示面との間で移動するように誘導し、
他車両が自車両の前方に進路を変更したことを検知する進路変更検知部と、
前記自車両の運転操作を検知する運転操作検知部と、を有し、
前記進路変更検知部によって他車両の進路の変更が検知されたときに、前記運転操作検知部によって前記他車両の進路の変更を容易にする運転操作が検知された場合には、前記表示制御部は、前記ヘッドアップディスプレイに肯定的なメッセージを投影させる、
ことを特徴とする載表示システム。
上記(1)の構成の車載表示システムによれば、メインメータ表示部、左ライン照明部、及び右ライン照明部の表示が連携するように制御するので、左ライン照明部と右ライン照明部を用いて装飾性を高めつつ、運転者などの乗員の視線を必要に応じて適切に誘導することが可能になる。例えば、運転者が確認すべき重要な情報がメインメータ表示部内に表示されている場合に、左ライン照明部、又は右ライン照明部からメインメータ表示部に向かう方向に視線を誘導すれば、運転者が重要な情報を確認するように支援することができる。また、例えば運転者が確認すべき事象が車体の左側で発生している場合に、メインメータ表示部から左ライン照明部に向かう方向に視線を誘導すれば、事象を運転者が確認するように支援することができる。
更に、上記()の構成の車載表示システムによれば、運転者等の乗員の視線をより効果的に誘導することが可能になる。例えば、車体の左側からメインメータ表示部に向かうように視線を誘導する場合に、左ライン照明部の端部からメインメータ表示部に跨がる箇所のように複数の表示デバイス間を跨ぐ位置でも、途切れなく連続的に視線を誘導できるので、運転者は違和感を感じることなく照明に従って視線を移動することができる。また、広い範囲に亘って滑らかに照明光を移動できるので、高級感のある演出効果を得ることも可能になる。
上記()の構成の車載表示システムによれば、発生した警告の種類に合わせて、運転者などの視線を適切に誘導することが可能になる。例えば、自車両の左側に他車両や歩行者が接近しているような状況で、左ライン照明部の照明を利用して視線を左側に誘導すれば、他車両や歩行者を運転者が確認するように支援することができる。また、例えば右側ドアの開閉状態に異常が発生している場合に、右ライン照明部の照明を利用して視線を右側に誘導すれば、問題の発生している箇所を運転者に知らせることが可能になる。
上記()の構成の車載表示システムによれば、自車両の始動時に連携表示を用いて運転者など乗員に歓迎感のような快適性を提供しつつ乗員の視線をメインメータ表示部に誘導でき、その状態で車両に何らかの問題が発生している場合にはその問題をメインメータ表示部に表示できるので、乗員は、走行開始前に車両の問題を確実に把握でき、走行開始の取り止めやディーラーへの目的地変更を行うことができる。
上記()の構成の車載表示システムによれば、運転者など乗員の視線を適切に誘導して安全を確保することが容易になる。例えば、メインメータ表示部の画面と前記HUD表示面とを連携し、メインメータ表示部の画面中に表示されている特定の対象物(例えば道路標識)の位置を前記HUD表示面まで移動すると、運転者が対象物を注視している状態で、その視線を実際の前方の風景と重なるより安全な位置まで誘導することができる。
上記()の構成の車載表示システムによれば、メインメータ表示部に表示しきれない詳細な情報、例えば車載カメラで撮影した映像や地図情報などをサブモニタ表示部に表示できる。また、HUD表示面の表示内容と、サブモニタ表示部の画面表示内容とが連携するように表示できるので、運転者にとって状況の把握が容易な表示を実現できる。例えば、HUD表示面の中に他車両などの障害物の進路等を表示する場合に、その表示が何を意味しているのかを、サブモニタ表示部の画面を利用して表示できる。
上記()の構成の車載表示システムによれば、車線譲渡を管理する機能を提供することにより、車両が道路を走行する際の車線の譲り合いを促進することができ、割り込み行為などに起因する車両間のトラブルを未然に防止するために役立つ機能が実現する
本発明の車載表示システムによれば、運転者の状況把握を容易にするための視線誘導が可能になる。例えば、運転者が確認すべき重要な情報が前記メインメータ表示部内に表示されている場合に、左ライン照明部、又は右ライン照明部からメインメータ表示部に向かう方向に視線を誘導すれば、運転者が重要な情報を確認するように支援することができる。また、例えば運転者が確認すべき事象が車体の左側で発生している場合に、メインメータ表示部から左ライン照明部に向かう方向に視線を誘導すれば、事象を運転者が確認するように支援することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、車載表示システムを搭載した車両のコックピット外観の例を示す正面図である。 図2(a)は左側のライン照明装置とインパネ表示部の境界近傍を示す拡大図、図2(b)は右側のライン照明装置とインパネ表示部の境界近傍を示す拡大図である。 図3は、車載表示システムの構成例を示すブロック図である。 図4は、車載表示システムにおけるイグニッションオン時の動作例を示すフローチャートである。 図5は、車載表示システムの構成例を示すブロック図である。 図6(a)及び図6(b)は、HUD表示領域における表示例を示す正面図である。 図7(a)、図7(b)、図7(c)、及び図7(d)は、MM表示画面の表示例を示す正面図である。 図8は、車両の走行中における車載表示システムの動作例を示すフローチャートである。 図9は、車載表示システムの構成例を示すブロック図である。 図10(a)、図10(b)、図10(c)、図10(d)、及び図10(e)は、HUD表示領域において前方の景色及び投影された表示情報が重畳された状態の例を示す正面図である。 図11は、車載表示システムにおける車線譲渡動作の例を示すフローチャートである。 図12は、車載表示システムの構成例を示すブロック図である。 図13は、車載表示システムにおける連携制御の動作例を示すフローチャートである。 図14は、運転者の前方視界に映る情景の例を示す正面図である。 図15(a)、図15(b)、及び図15(c)は、それぞれHUD表示領域の例、メータユニットの表示面の例、及びMM表示ユニットの表示面の例を示す正面図である。 図16は、道路上における自車両と様々な障害物との位置関係の例を示す平面図である。 図17は、道路上における自車両の進路と障害物の予想進路との関係の具体例を示す平面図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<第1実施形態>
<外観の具体例>
車載表示システムを搭載した車両のコックピット外観の例を図1に示す。すなわち、図1は車両の運転席に着座した状態の運転者の運転時の視点から通常見える前方視界を表している。
図1に示すように、運転者の前方のコックピット50に車両のステアリングホイール51が配置されている。また、ステアリングホイール51の先にあるダッシュボード52の上部にインパネ表示部53が配置されている。図1のインパネ表示部53は左右方向に細長い形状で形成されている。また、このインパネ表示部53にはメータユニット11、及びMM表示ユニット12が備わっている。
メータユニット11は、車両の運転に必要な様々な主要計器類を表示するための機能を有し、運転者の正面に配置されている。MM表示ユニット12は、メータユニット11の左側にそれと隣接する状態で配置されている。MM表示ユニット12は、マルチメディア(MM)情報を表示するためのディスプレイであり、例えば車載カメラで撮影された映像、カーナビゲーション装置が出力する映像、動画、写真、地図、案内情報などを必要に応じて表示するために利用できる。
なお、メータユニット11のディスプレイ、及びMM表示ユニット12については、それら全体を一体化した1つのディスプレイとして構成することもできるし、独立した2つ、又はそれ以上の数のディスプレイを並べて配置してもよい。
コックピット50の前方にウインドシールド55、すなわちフロントの窓ガラスがある。また、ウインドシールド55の左右端部にAピラー54がある。運転者は、図1のようにウインドシールド55を透過した光により前方の景色56を視認することができる。
運転者が運転状態で正面を向いたまま視線をほとんど動かすことなく運転に役立つ重要な情報を視認できるように、ウインドシールド55の一部分にHUD表示領域57が形成されている。このHUD表示領域57は、ヘッドアップディスプレイが投射した光像が表示される領域を意味している。
実際には、ダッシュボード52の内部に格納されているヘッドアップディスプレイの本体からダッシュボード52の開口部を介してウインドシールド55の表面に投射される光像が、ウインドシールド55の表面で反射して運転者の目の位置まで届く。したがって、この光像はウインドシールド55よりも前方に存在するかのように運転者が視認できる虚像として結像される。そのため、運転者は視線を移動することなく、ウインドシールド55を透過して見える前方の景色56と、HUD表示領域57に表示された像とを重ね合わせた状態で同時に視認することができる。
一方、インパネ表示部53の左側に左ライン照明装置14が配置され、インパネ表示部53の右側に右ライン照明装置15が配置されている。左ライン照明装置14及び右ライン照明装置15は、いずれも滑らかな曲線でライン状に細長く延びる形状の間接照明であり、主に環境照明や演出効果の用途のために利用される。左ライン照明装置14は、車体の左端側の領域を前後方向に延び、更に車体の左端側からダッシュボード52の形状に沿ってインパネ表示部53の左端に隣接する位置まで延びるように配置されている。また、右ライン照明装置15は車体の右端側の領域を前後方向に延び、更に車体の右端側からダッシュボード52の形状に沿ってインパネ表示部53の右端に隣接する位置まで延びるように配置されている。
左ライン照明装置14及び右ライン照明装置15は、それぞれ多数のフルカラーLED(発光ダイオード素子)などをライン状に1列以上並べて配置した光源を有し、素子毎に、又は複数素子で構成されるグループ毎に点灯/消灯、明るさ、発光色などを個別に制御できるように構成されている。実際には、光源や拡散板などの光学部材をライン状の凹部に埋め込んだり、直接光を遮るフードで覆うことにより、間接照明を構成することができる。
<ライン照明の詳細>
図1中に示した左ライン照明装置14とインパネ表示部53との境界近傍を拡大した状態を図2(a)に示し、右ライン照明装置15とインパネ表示部53との境界近傍を拡大した状態を図2(b)に示す。
図2(a)に示すように、車体の左側からインパネ表示部53に向かって延びている左ライン照明装置14の先端14aは、インパネ表示部53左端の下側の縁と隣接する位置に接続されている。したがって、左ライン照明装置14の照明とMM表示ユニット12の表示とが連携するように制御すれば、左ライン照明装置14とMM表示ユニット12の画面表示領域との間で区切りのない連続的な表示を実現することができる。
例えば、左側からMM表示ユニット12の画面表示領域に向かう光の演出を行う場合には、図2(a)中に示した各照明光L01、L02、L03の箇所を順番に点灯/消灯等の制御を実施することで、矢印の方向、つまり左側からMM表示ユニット12に向かう方向に流れる照明の演出を実現できる。
ここで、例えば照明光L03は、左ライン照明装置14上の一部分とMM表示ユニット12との間に跨がった状態になっているが、左ライン照明装置14の制御と、MM表示ユニット12の表示制御とを同時に行って表示位置を合わせることで、両者に跨がる照明光L03も実現できる。これにより、左ライン照明装置14とMM表示ユニット12との間で区切りなしに滑らかに繋がる一体的な表示が可能になる。
一方、図2(b)に示すように車体の右側からインパネ表示部53に向かって延びている右ライン照明装置15の先端15aは、途中で2つに分岐し、一方の先端15aはインパネ表示部53右端の下側の縁と隣接する位置に、もう一方の先端15aはインパネ表示部53右端の上側の縁と隣接する位置にそれぞれ接続されている。したがって、右ライン照明装置15の照明とメータユニット11の表示とが連携するように制御すれば、右ライン照明装置15とメータユニット11の画面表示領域との間で区切りのない連続的な表示を実現することもできる。
例えば、右側からメータユニット11の画面表示領域に向かう光の演出を行う場合には、図2(b)中に示した各照明光L11、L12、L13の箇所を順番に点灯/消灯等の制御を実施することで、矢印の方向、つまり右側からメータユニット11に向かう方向に流れる照明の演出を実現できる。
ここで、例えば照明光L13は、右ライン照明装置15上の一部分とメータユニット11との間に跨がった状態になっているが、右ライン照明装置15の制御と、メータユニット11の表示制御とを同時に行って表示位置を合わせることで、両者に跨がる照明光L13も実現できる。これにより、右ライン照明装置15とメータユニット11との間で区切りなしに滑らかに繋がる一体的な表示が可能になる。
<車載表示システムの構成例>
本実施形態における車載表示システム100の構成例を図3に示す。
図3に示した車載表示システム100は、メータユニット11、MM表示ユニット12、HUD装置13、左ライン照明装置14、右ライン照明装置15、及び連携制御部16を備えている。
メータユニット11は、車両の運転に必要な様々な情報、例えば車速、エンジン回転速度、燃料残量、変速機のシフト位置、冷却水温度、バッテリー残量などをそれぞれ計器としてリアルタイムで表示したり、様々な種類の警報のそれぞれについて異常の有無を表すインジケータを表示することができる。また、メータユニット11はフルカラー液晶パネルなどで構成される二次元表示画面を有し、状況に応じて画像、図形、文字情報など様々な情報を表示することができる。
MM表示ユニット12は、フルカラー液晶パネルなどで構成される二次元表示画面を有し、状況に応じて画像、図形、文字情報など様々な情報を表示することができる。例えば、車載カメラで撮影された車外の映像、カーナビゲーション装置が出力する地図、様々なマルチメディア機器が出力する映像などをMM表示ユニット12に入力して、複数種類の情報を選択的に、あるいは重ね合わせた状態で表示することができる。
HUD装置13は、これに内蔵されているフルカラー液晶パネルなどの表示デバイスで表示した可視像の光をウインドシールド55のHUD表示領域57に投射することにより、ヘッドアップディスプレイの機能を実現する。すなわち、運転者はウインドシールド55を透過して見える前方の景色56とHUD装置13が投射し反射した光像とを重ね合わせた状態で同時に視認することができる。HUD装置13は、通常は現在の車速のように運転の際に必要な特に重要な情報だけを表示する。また、必要に応じて様々な情報を表示するためにHUD装置13が利用される。
左ライン照明装置14及び右ライン照明装置15は、図1、図2(a)、及び図2(b)に示したように、ライン状に形成された間接照明をそれぞれ実現する。左ライン照明装置14及び右ライン照明装置15は、点灯/消灯、明るさ、色相などを複数の領域のそれぞれについて個別に制御することができる。
連携制御部16は、マイクロコンピュータなどで構成される制御部を内蔵し、メータユニット11、MM表示ユニット12、HUD装置13、左ライン照明装置14、及び右ライン照明装置15を連携させるための様々な制御を実施することができる。なお、連携制御部16の機能については、メータユニット11等に内蔵してもよいし、独立した電子制御ユニット(ECU)として構成した連携制御部16を所定の車載通信ネットワークを経由してメータユニット11等のデバイスにそれぞれ接続することも考えられる。
図3に示した連携制御部16は、車両側から入力される信号IG-ONを監視することにより、イグニッションのオンオフを識別できる。そして、イグニッションがオンに切り替わった時にオープニング、すなわち運転開始の演出効果を得るための特別な表示制御を実施したり、イグニッションがオフに切り替わった時に運転終了に伴う演出効果を得るための特別な表示制御を実施することができる。
<動作例-1>
図3に示した車載表示システム100におけるイグニッションオン時の動作例を図4に示す。すなわち、信号IG-ONがオンに切り替わった時に、連携制御部16がメータユニット11、MM表示ユニット12、HUD装置13、左ライン照明装置14、及び右ライン照明装置15と連携して図4の動作を実施する。
連携制御部16は、イグニッションがオンになると、車両に異常が無いかどうかを確認するための診断を開始する(S11)。
車両の診断を行いながら、連携制御部16はオープニングの演出のための制御を最初に左ライン照明装置14及び右ライン照明装置15を用いて実施する(S12)。例えば、図2(a)に示した照明光L01、L02、L03のように、部分的に発光する光の領域が車両の後方から前方に向かい、更に左から右側へ向かって流れるような光を用いて演出する。同時に、図2(b)に示した照明光L11、L12、L13のように、部分的に発光する光の領域が車両の後方から前方に向かい、更に右から左側へ向かって流れるような光を用いて演出する。
次に、連携制御部16はメータユニット11及びMM表示ユニット12の画面内の表示を用いたオープニングの演出をステップS13で開始するが、S12の演出が終了する前にS13の演出を開始する。これにより、例えば図2(a)に示した照明光L03や、図2(b)に示した照明光L13を実現できる。
すなわち、左ライン照明装置14の一部分の発光と、MM表示ユニット12画面中の一部分の発光との位置を組み合わせることにより、これらのデバイス間を跨いで連続する照明光L03を形成することができる。また、右ライン照明装置15の一部分の発光と、メータユニット11画面中の一部分の発光との位置を組み合わせることにより、これらのデバイス間を跨いで連続する照明光L13を形成することができる。つまり、シームレスで左ライン照明装置14からMM表示ユニット12の画面側に流れる光や、シームレスで右ライン照明装置15からメータユニット11の画面側に流れる光の演出を実現できる。
メータユニット11及びMM表示ユニット12の画面内の表示によるオープニングの演出が終了した後、又は終了する前に、連携制御部16はHUD装置13を制御してHUD表示領域57におけるオープニングの演出をS14で開始する。
S12~S14で表示の演出を行っている間に車両の診断が完了するので、連携制御部16はその診断結果をS15で取得して異常の有無を次のS16で識別する。異常なしの場合は、S12とは反対に、インパネ表示部53のMM表示ユニット12から左に向かって、更に車体の前方から後方に向かって流れるように、連携制御部16が左ライン照明装置14を制御して照明光の演出を実施する。同時にインパネ表示部53のメータユニット11から右に向かって、更に車体の前方から後方に向かって流れるように、連携制御部16が右ライン照明装置15を制御して照明光の演出を実施する(S17)。
更に、連携制御部16はメータユニット11、MM表示ユニット12、HUD装置13、左ライン照明装置14、及び右ライン照明装置15の全体の照明が互いに連携した状態でオープニングの演出を実施する(S18)。この演出が終了すると、連携制御部16は次のS22でエンジンを始動する。
一方、車両の診断で異常が検知された場合には、連携制御部16はS16からS19の処理に進む。そして、該当する異常を表すインジケータを、メータユニット11の画面、及びHUD表示領域57の表示を用いて表示する。更に、発生した異常に関する解説をメータユニット11の画面を用いて表示する。また、故障の内容に応じた提案(補足情報)をメータユニット11の画面に表示し、例えば修理工場やディーラーの名称、所在、地図、道順などもMM表示ユニット12の画面を用いて表示する。
また、連携制御部16は発生した故障の種類や内容が自車両の安全な走行に支障のないものか否かを次のS20で識別する。走行可能な状態であれば、連携制御部16は次のS21で、左ライン照明装置14及び右ライン照明装置15の両方がアンバー色で点滅表示するように制御する。これにより、故障の点検や修理が必要な状態であることを運転者に確実に知らせることができる。例えば、メータユニット11画面内のインジケータ表示だけだと、表示が小さくて運転者が故障表示を見落とす可能性も考えられるが、左ライン照明装置14及び右ライン照明装置15は広い範囲を照明できるので、運転者は自車両が故障していることを確実に認識できる。
なお、例えば故障箇所が特定できる場合には、その故障箇所に近い位置だけを、その周囲に比べて強調した照明光で表示してもよいし、左ライン照明装置14及び右ライン照明装置15のいずれか一方の照明光だけで故障箇所を表示してもよい。
また、自車両が走行不可能な故障が発生している場合には、連携制御部16はS20からS23の処理に進み、左ライン照明装置14及び右ライン照明装置15の両方が赤色で点灯するように制御する。これにより、自車両が走行不能な状態であることを運転者に確実に知らせることができる。
なお、信号IG-ONがオフに切り替わった時にも、図4と似た動作を実施することにより、運転終了に伴う演出効果を得ることができる。更に、自車両の走行中であっても、例えば自動運転中のような状況であれば、乗員をリラックスさせるためにオープニングと同様の演出表示を必要に応じて実施することが考えられる。また、例えば何らかの異常を表すインジケータがメータユニット11内で表示された場合に、運転者の視線をメータユニット11内まで誘導するために左ライン照明装置14及び右ライン照明装置15の流れる照明光を利用することもできる。
<第2実施形態>
<車載表示システムの構成>
本実施形態における車載表示システム100Aの構成例を図5に示す。
図5に示した車載表示システム100Aは、メータユニット11、MM表示ユニット12、HUD装置13、連携制御部16A、及びカーナビユニット17を備えている。
図5に示したメータユニット11、MM表示ユニット12、及びHUD装置13の構成及び基本的な機能は既に説明した第1実施形態と同様である。図5に示した車載表示システム100Aの外観についても、例えば図1のように構成することが想定される。
カーナビユニット17は、自車両の現在位置の情報を逐次取得し、予め用意されている道路地図の情報に基づいて、運転を支援するためのナビゲーション情報を生成することができる。カーナビユニット17が生成したナビゲーション情報はMM表示ユニット12の画面に表示される。
カーナビユニット17が生成するナビゲーション情報については、運転者の視点から実際に視認できる前方の景色56と同様の立体的な映像を地図データの変換により生成し、その上に更に進路などの情報を付加したものとすることもできるし、平面的な道路地図と自車両との位置関係及び方向を表すものとして表示することもできる。また、例えば車載カメラで撮影したリアルタイムの映像の上に、更に進路などの情報を付加したものをナビゲーション情報として表示することもできる。
連携制御部16Aは、マイクロコンピュータを主体とする電子制御ユニットとして構成されており、メータユニット11、MM表示ユニット12、HUD装置13、及びカーナビユニット17を連携した特別な処理を行うための機能を有している。特別な処理については後で説明する。
なお、連携制御部16Aは例えばメータユニット11に内蔵してもよいし、独立した電子制御ユニットとして所定の車載通信ネットワークを経由してメータユニット11、MM表示ユニット12、HUD装置13、及びカーナビユニット17と接続してもよい。
<HUD画面表示の例>
HUD表示領域57における表示例を図6(a)及び図6(b)に示す。
図6(a)の例では、HUD表示領域57に車速表示像57aが表示されている。この車速表示像57aは、メータユニット11等が把握している現在の車速「5km/h」の情報の文字パターンをHUD装置13が投影した内容を表している。
図6(b)の例では、HUD表示領域57に車速表示像57aの他に標識表示像57bが表示されている。標識表示像57bは、自車両が現在走行している道路に存在する特定の道路標識について、連携制御部16Aが認識した結果を、それと同等の図形パターンとしてHUD装置13が投影した内容を表している。
標識表示像57bは、HUD装置13によりAR(拡張現実)として前方の景色56に重ねて表示されるので、実在の標識の場所を自車両が既に通り過ぎた後でも必要に応じて表示できる。そのため、運転者が標識を見落とすのを防止するために役立つ。しかも、運転者の前方視界の中央に近い位置に表示できるので、標識の視認が容易になる。
<MM画面表示の例>
MM表示ユニット12の画面における表示例を図7(a)、図7(b)、図7(c)、及び図7(d)に示す。
図7(a)の例では、MM表示ユニット12の画面であるMM表示画面61内に、前方の景色56と同等の状態で、道路情報62が表示され、更に道路標識63も表示されている。ここで、道路情報62は地図データと現在位置とに基づいて生成された三次元画像、又は所定の車載カメラで撮影されたリアルタイムの映像に相当する。
図7(b)の例では、MM表示画面61中の道路標識63を囲むように、矩形パターン64が重ねて表示されている。矩形パターン64の内側の領域は着色の変更などによりその周囲と区別しやすい状態で表示されている。矩形パターン64の大きさは該当する道路標識63のサイズより僅かに大きい程度である。
この矩形パターン64は、MM表示画面61中の道路標識63を1つの標識として連携制御部16Aが認識していることを意味している。したがって、運転者はMM表示画面61の表示内容から、道路標識63が認識されていることを把握できる。
図7(c)の例では、MM表示画面61中の道路標識63と隣接する場所に、標識アイコン65が更に表示されている。この標識アイコン65は、連携制御部16AがMM表示画面61中の道路標識63を認識した結果を記憶することにより得られる表示パターンである。したがって、自車両の走行に伴ってMM表示画面61上から道路標識63が見えなくなった場合でも、標識アイコン65は継続的にMM表示画面61で表示することができる。これにより、運転者が道路標識63を見落とすのを防止するために役立つ。
図7(d)の例では、MM表示画面61中の標識アイコン65の表示位置が、右上端部まで移動し、その表示状態は継続している。図1のように、MM表示ユニット12のMM表示画面61は運転者の通常の視線の中心位置から左側にかなり離れた位置に存在するので、図7(c)の状態の小さい標識アイコン65を運転者が視認するためには視線をある程度移動しなければならない。しかし、図7(d)のようにMM表示画面61の右上端部に標識アイコン65を移動することにより、その視認が容易になる。
<動作例-2>
車両の走行中における車載表示システム100Aの動作例を図8に示す。
すなわち、車載表示システム100Aの連携制御部16Aがメータユニット11、MM表示ユニット12、HUD装置13、及びカーナビユニット17と連携して図8の動作を実施することにより、図7(a)中の道路標識63などを運転者が認識するのを支援することができる。図8の動作について以下に説明する。
連携制御部16Aは、カーナビユニット17が出力する道路等の映像を取り込んで画像処理を行い、パターン認識を実行する(S31)。例えば、図7(a)に示したような道路情報62の映像をカーナビユニット17が出力する場合には、既存のパターンマッチングなどの手法を用いて道路情報62中の道路標識63を認識することができる。
道路標識63などのパターン認識に成功した場合には、連携制御部16AはステップS32からS33の処理に進む。そして、連携制御部16Aは認識に成功したパターンの対象物を囲むように、図7(b)のような矩形パターン64を生成しMM表示画面61に表示する。
連携制御部16Aは、予め用意されている様々な標識アイコンの中から、S31で認識した道路標識の種類に対応する特定の標識アイコンをS34で選択する。そして、この標識アイコン65を連携制御部16Aが図7(c)のように実在の道路標識63の近傍に表示する(S35)。
更に、連携制御部16AはS35でMM表示画面61中に表示した標識アイコン65の位置を、運転者にとって見やすい位置まで移動する(S36)。すなわち、運転者の視線の中央に比べてMM表示ユニット12のMM表示画面61は左下に離れた位置に存在しているので、僅かな視線移動だけで運転者がMM表示画面61上の標識アイコン65を認識できるように、図7(d)のようにMM表示画面61の右上端部に標識アイコン65を移動する。
また、図5に示した車載表示システム100Aの場合には、MM表示画面61の他にHUD装置13も利用できる。したがって、この場合はS37からS38の処理に進む。そして連携制御部16Aは、S35で選択した標識アイコン65の表示位置を、MM表示画面61上からHUD表示領域57に移動する。
連携制御部16AがS38を実行すると、例えば図6(a)中のHUD表示領域57の表示内容が、図6(b)のように変化し、標識表示像57bがHUD表示領域57内に表示される。つまり、標識表示像57bは標識アイコン65と同等のパターンである。図6(b)中の標識表示像57bは、現在走行中の道路区間における各車両の制限速度上限が60km/hであることを表している。
図6(b)のようにHUD表示領域57に標識表示像57bが表示されている状態では、運転者は視線を移動することなく、いつでも制限速度上限などを視認することが可能であり、安全な運転を支援することができる。
<第3実施形態>
<車載表示システムの構成>
本実施形態における車載表示システム100Bの構成例を図9に示す。
図9の車載表示システム100Bは、前述のメータユニット11、HUD装置13の他に、障害物センサ21、障害物位置算出部22、表示パターン生成部23、車両間通信モジュール24、車載カメラ25、パターン認識部26、及び車線譲渡管理部16Bを備えている。
障害物センサ21は、例えばLiDAR(Light Detection and Ranging)のようなセンサにより構成され、レーザ光などの反射を利用して自車両周囲の様々な障害物の有無、方向、距離などを計測するための機能を有している。
障害物位置算出部22は、障害物センサ21の出力に基づき、検出した障害物毎の位置、方向、大きさ、自車両との相対的な移動速度などを算出する機能を有する。
表示パターン生成部23は、運転支援のためにHUD装置13でHUD表示領域57に表示する様々な表示パターンを、障害物位置算出部22の出力、及び車線譲渡管理部16Bの出力に従って生成する。
車両間通信モジュール24は、自車両とその近傍に存在する他車両との間で所定のメッセージを送受信するための無線通信機能を有している。
車載カメラ25は、自車両の車室内に設置され、運転者の視界と同等の前方の景色56を常時撮影する機能を有している。
パターン認識部26は、車載カメラ25が出力するフレーム毎の映像を定期的に画像処理して様々なパターンを認識する機能を有している。具体的には、道路の領域、路面の境界に標示されている白線、他車両、他車両上のウインカー(方向指示器)などを認識する機能を有している。
車線譲渡管理部16Bは、他車両が自車両の前方に割り込んだり、車線変更した場合の運転を支援するための機能を有している。車線譲渡管理部16Bの詳細な機能については後で説明する。
なお、図9中の車線譲渡管理部16B、障害物位置算出部22、表示パターン生成部23、車両間通信モジュール24、及びパターン認識部26については、メータユニット11に内蔵することもできるし、独立した電子制御ユニットとしてメータユニット11、及びHUD装置13に接続することも考えられる。
<表示例>
HUD表示領域57において前方の景色56及び投影された表示情報が重畳された状態の例を図10(a)、図10(b)、図10(c)、図10(d)、及び図10(e)に示す。
図10(a)~図10(e)の例では、2車線の道路の右側の車線を自車両が走行している状況を想定している。そしてHUD表示領域57内の前方の景色56の中にも2車線の道路が現れている。
また、図10(a)の例では、自車両が走行している車線に隣接する左側の車線を走行している他車両71も前方の景色56の一部分として見えている。
図10(a)の状態から、他車両71が右側に車線変更して自車両の前方に割り込んだ状況が図10(b)に現れている。このような場合には、他車両71が車線変更を実行する前に、車線譲渡管理部16Bの制御により図10(b)のような矢印の割り込み予告パターン74を、他車両71の近傍位置にHUD装置13が表示する。
ここで、自車両と他車両71との距離が比較的小さい場合には、自車両が減速して他車両71との間に前後方向の車間距離を十分に空けないと他車両71が車線変更できない可能性がある。そこで、自車両が他車両71に車線を譲るための運転操作、すなわち減速等を行った場合には、図10(c)に示すように他車両71の近傍に「Thanks !」の文字を含むメッセージ72がHUD装置13により表示する。
その後、図10(d)に示すように、「いいね」のパターンを含む評価ポイント表示73がHUD装置13により表示される。図10(d)の例では、更新する前の評価ポイントとして「×15」が評価ポイント表示73に付加されている。この後、今回の評価として「1」のポイントが加算されるので、図10(e)に示す例では更新後の評価ポイントとして「×16」が評価ポイント表示73に付加されている。つまり、自車両の運転者は自分の運転操作があたかも他車両に評価されたかのように認識することができ、安全運転を心掛けることができる。
<動作例-3>
図9の車載表示システム100Bにおける車線譲渡動作の例を図11に示す。すなわち、車載表示システム100Bの車線譲渡管理部16Bがメータユニット11、HUD装置13等と連携し、図11のような制御を実施することにより、図10(a)~図10(e)のような表示を実現できる。図11に示した動作について以下に説明する。
車線譲渡管理部16Bは、障害物センサ21や車載カメラ25を利用して他車両71等の監視を開始する(S41)。例えば、車載カメラ25が撮影した映像の中からパターン認識部26が車両の特徴を有するパターンを抽出することにより他車両71の存在を認識できる。また、他車両71におけるウインカーの点滅状態や、点滅しているウインカーが左右どちらであるかなども認識可能である。また、他車両71が走行している車線を認識することもできるし、自車両と他車両71との距離を把握することも可能である。車間距離が小さい状態で自車両の前に割り込もうとしている他車両71がある場合には、他車両71の接近を検知することにより、ウインカーの点滅が無くても割り込みの可能性を事前に予想することができる。
車線譲渡管理部16Bは、他車両71におけるウインカーの点滅などによりその車線変更や割り込みが予想される場合には、S42からS43の処理に進む。その場合、図10(b)のように割り込み予告パターン74をHUD装置13が表示する。その後で、車線譲渡管理部16Bは他車両71に車線を譲るための自車両の減速操作や、車間距離を大きくする操作などの有無を識別する(S43)。
車線を譲るための自車両の運転操作を検知した場合は、S43からS44の処理に進み、あたかも車線を譲ったことに対し他車から感謝されたようなメッセージを生成し、HUD装置13の表示に反映する(S44)。すなわち、図10(c)に示すようにメッセージ72を他車両71の近傍に表示する。
車線譲渡管理部16Bは、自車両、又は運転者個人に割り当てて保持している評価ポイントの値を、「いいね」の表示パターンと共に評価ポイント表示73としてHUD装置13で表示する(S45)。これにより、例えば図10(d)のように評価ポイント表示73が表示される。
車線譲渡管理部16Bは、自車両の評価ポイントを加算してそれを更新する(S46)。更に、更新後の評価ポイントをHUD装置13の表示に反映する。これにより、例えば図10(e)に示すように数値が「×15」から「×16」に更新された評価ポイント表示73が表示される。
上述のように車線譲渡を管理する機能を提供することにより、車両が道路を走行する際の車線の譲り合いを促進することができ、割り込み行為などに起因する車両間のトラブルを未然に防止するために役立つ機能が実現する。
なお、車両間通信モジュール24を用いて、他車両71が自車両に対し車線を譲ったことに対する感謝のメッセージを送信するようにし、自車両で当該メッセージを受信した場合に、これをHUD装置13で表示したり、評価ポイントを加算するようにしてもよい。
<第4実施形態>
<車載表示システムの構成>
本実施形態における車載表示システム100Cの構成例を図12に示す。
図12に示した車載表示システム100Cは、前述のメータユニット11、MM表示ユニット12、HUD装置13、左ライン照明装置14、右ライン照明装置15の他に、カーナビユニット17A、車載カメラ25、25A、パターン認識部26A、障害物位置算出部22A、表示パターン生成部23A、及び連携制御部16Cを備えている。
カーナビユニット17Aは、道路地図などの情報をデータベースとして予め保持しており、自車両の現在位置の情報を逐次取得して、運転支援に役立つ情報を生成することができる。例えば自車両の進行方向前方における道路の形状、交差点の状況、進路などの情報を生成する。
一方の車載カメラ25は、自車両の車室内などに搭載され、自車両前方の情景を撮影できる方向に向けて設置してある。もう一方の車載カメラ25Aは、自車両の車室内などに搭載され、自車両後方の情景を撮影できる方向に向けて設置してある。
パターン認識部26Aは、車載カメラ25、及び25Aのそれぞれの撮影により得られるリアルタイムの映像を画像処理してパターン認識を行い、道路、車線、標識や、他車両などの様々な障害物をそれぞれ認識することができる。
障害物位置算出部22Aは、パターン認識部26Aが認識したそれぞれの障害物の位置を特定すると共に、自車両との相対的な位置関係、障害物毎の予想進路、移動速度などを算出する機能を有している。
表示パターン生成部23Aは、HUD装置13がHUD表示領域57に表示すべき各種の表示パターンを、カーナビユニット17A、障害物位置算出部22A、及び連携制御部16Cと連携して生成することができる。
連携制御部16Cは、メータユニット11や障害物位置算出部22Aから取得可能な各種情報に基づいて適切な表示制御を行うと共に、メータユニット11、MM表示ユニット12、HUD装置13、左ライン照明装置14、及び右ライン照明装置15の表示を効果的に連携させるための制御を実施する。この制御の詳細については後述する。
<動作例-4>
車載表示システム100Cにおける連携制御の動作例を図13に示す。すなわち、図12中の連携制御部16C等がメータユニット11、障害物位置算出部22A、MM表示ユニット12、HUD装置13、左ライン照明装置14、及び右ライン照明装置15と連携して、図13の動作を実現する。図13の動作について以下に説明する。
連携制御部16Cは、各車載カメラ25、25Aの出力する映像に基づく障害物の監視をS51で開始する。これにより、パターン認識部26Aが各映像の中から、道路上に存在する自動車、二輪車、歩行者などの障害物のパターンをリアルタイムでそれぞれ認識することが可能になる。
1つ以上の障害物を検知した場合はS52からS53に進む。そして、障害物位置算出部22Aは、パターン認識部26Aが認識した障害物毎に、現在位置、移動速度、進行方向を把握し記憶する(S53)。
MM表示ユニット12は、通常は車載カメラ25、25Aのいずれか一方の出力する映像を画面上に表示する。連携制御部16Cは、障害物位置算出部22Aが把握している障害物毎に、それを表すマーカーと、自車両から各障害物までの距離の情報を、MM表示ユニット12の画面上に重ねて表示する(S54)。
また、連携制御部16Cは障害物毎の距離の大小を区別して、各マーカーの表示色を変更する(S55)。すなわち、距離が近い障害物は強調表現が可能な表示色(例えばオレンジ色)のマーカーで表示し、距離が離れている障害物は強調しない通常の表示色のマーカーで表示する。
連携制御部16Cは、自車両の進路と各障害物の予想進路とをS56で比較して、衝突の可能性を障害物毎に判定する。各障害物の予想進路については、障害物毎の位置の変化傾向から推定できる。また、例えば自車両が前方の交差点で左折する場合には、左折の合図を表す情報をメータユニット11から取得できるので、連携制御部16Cがメータユニット11と連携することで自車両の進路を正しく特定できる。
自車両と1つ以上の障害物との衝突可能性がある場合には、S57からS58に進む。そして連携制御部16Cは、左ライン照明装置14又は右ライン照明装置15の照明を制御して衝突の警告を出力する(S58)。例えば自車両が前方の交差点で左折する場合には、該当する障害物の存在する左側に運転者が意識を集中するように、左ライン照明装置14がオレンジ色の照明光で発光して警告するように制御する。また、同時にメータユニット11が警告音を出力するように制御する。
また、自車両が左折する場合には、自車両の進行方向を表す左向きの矢印パターンを、HUD装置13がHUD表示領域57に表示するように、連携制御部16CがS59で制御する。
連携制御部16Cは、衝突の可能性がある特定の障害物について、その予想進路を表すパターン(直線など)を、オレンジ色の警告色を用いてHUD装置13がHUD表示領域57に表示するようにS60で制御する。
<運転者の前方視界、及び各部の表示例>
運転者の前方視界に映る情景の例を図14に示す。また、HUD表示領域57の例、メータユニット11の表示例、及びMM表示ユニット12の表示例を、それぞれ図15(a)、図15(b)、及び図15(c)に示す。
図14に示す例では、運転席に着座した状態の運転者の前方のインパネ表示部53にメータユニット11の表示画面が配置され、その上方の前方の景色56と重なる状態で中央付近にHUD表示領域57が形成されている。
例えば図15(a)に示した例では、HUD表示領域57の中に、交差点パターン141、自車進路パターン142、障害物の予想進路パターン143、車速表示パターン144、標識表示パターン145などが表示されている。これらのパターンは全てHUD装置13で投影された光像であり、虚像として運転者に視認される。
交差点パターン141は、自車両の現在位置及び進行方向と、カーナビユニット17Aが保持している道路地図の情報とに基づいて表示パターン生成部23Aで生成することができる。
自車進路パターン142は、自車進路、及び現在位置とカーナビユニット17Aが保持している道路地図の情報とに基づいて表示パターン生成部23Aで生成することができる。例えば運転者が左折の方向指示操作を実施した場合には、メータユニット11が出力する情報により左折予定であることを連携制御部16Cが把握できる。その場合は、図15(a)のように前方の交差点での左折を示す矢印状の自車進路パターン142が表示される。
障害物の予想進路パターン143は、各障害物の現在位置及びその変化の傾向から連携制御部16Cが推定した予想進路に沿った直線パターンなどとして、表示パターン生成部23Aが生成する。図15(a)の例では、自車進路パターン142と障害物の予想進路パターン143とが交差するので、衝突の可能性があることを明示するようにHUD装置13の表示内容が制御される。
車速表示パターン144は、メータユニット11から取得した現在の車速(km/h)を表す文字情報として表示パターン生成部23Aが生成し、HUD装置13がHUD表示領域57に表示する。
標識表示パターン145は、車載カメラ25、25Aの映像の中からパターン認識部26Aが認識したそれぞれの道路標識を表す図形情報として表示パターン生成部23Aが生成し、HUD装置13がHUD表示領域57に表示する。
一方、図15(b)に示した例では、メータユニット11の画面の中に自車両パターン146、レーン端部表示パターン147L、147R、左折インジケータ148、車速表示パターン149など様々な可視情報が表示されている。この画面中の表示内容は、状況に応じて様々に変化する。
自車両パターン146は、自車両の各部の状態やその周囲との相対的な位置関係などを表すために利用される。
レーン端部表示パターン147Lは自車両が走行している車線(レーン)の左端側の境界位置を表すパターンであり、通常は直線で表示される。また、レーン端部表示パターン147Rは自車両が走行している車線の右端側の境界位置を表すパターンであり、通常は直線で表示される。
左折インジケータ148は、運転者による左折方向指示操作に連動して表示され、左側ウインカーの点滅と連動するように点滅する。
車速表示パターン149は、自車両に搭載されている車速センサが出力する速度パルス信号に基づいてメータユニット11が算出した現在の車速(km/h)の数値を表している。
図15(c)の例では、MM表示ユニット12の画面中に、車載カメラ映像151、障害物152、矩形パターン153等が現れている。
図15(c)中の車載カメラ映像151は、自車両の前方を撮影している車載カメラ25が出力する映像である。なお、入力信号を切り替えることにより、後方を撮影している車載カメラ25Aの映像をMM表示ユニット12で表示することもできる。
図15(c)中の障害物152は、自車両よりも左側で同じ道路を同じ方向に向かって走行している自転車及びその運転者を表している。図15(c)の映像をパターン認識部26Aがパターン認識することにより、この障害物152を認識することができ、障害物152の存在する現在位置や走行速度、予想進路も推定できる。
図15(c)中の矩形パターン153は、この障害物152をパターン認識部26Aが認識していることを表している。運転者が注意すべき障害物152の存在を知らせるために、この矩形パターン153は障害物152の全体を囲むように形成され、その内側は周囲と異なる色で表示される。したがって、運転者はMM表示ユニット12の画面を参照することにより、注意すべき障害物152の位置を矩形パターン153により容易に把握できる。
<自車両と障害物との位置関係>
道路の路面31上における自車両34と様々な障害物との位置関係の例を図16に示す。図16は、道路を上方から見下ろした平面における各部の位置関係を表している。
図16の例では、レーン間白線32で区切られた2車線の道路の左側車線を自車両34が前方に向かって走行している状況を表している。また、自車両34と道路左端部33との間で同じ車線内を自転車である他車両35が同じ方向に向かって走行し、更に左側の歩道上に複数の歩行者38A、38B、38Cが存在している状況を表している。また、自車両34の右側に隣接する他の車線上に、自車両34と同じ向きに向かって走行している複数の他車両36、37が存在している。
図16中に示した前方カメラ撮影範囲AFは車載カメラ25の水平面における撮影範囲を表し、後方カメラ撮影範囲ARは車載カメラ25Aの水平面における撮影範囲を表している。したがって、パターン認識部26Aは車載カメラ25の映像に基づき図16中の他車両35、36、歩行者38A、38Bをそれぞれ認識することができ、同時に車載カメラ25Aの映像に基づき図16中の他車両37、歩行者38Cをそれぞれ認識することができる。
図16のような状況においては、自車両34からの距離が近い位置に存在している他車両35及び他車両36は、それぞれ強調した状態で表示するために、赤色のマーカーで表示される。例えば、図15(c)中に示した障害物152を囲む矩形パターン153が1つのマーカーであり、この範囲内が赤色で強調されてMM表示ユニット12の画面内に表示される(S54、S55)。
また、図16のような状況においては、自車両34からの距離が大きい他車両37や、歩道上の各歩行者38A~38Cはそれぞれ黄色のマーカーで囲んだ状態で表示される(S54、S55)。
<各車両の進路の例>
道路の路面31上における自車両34の進路と障害物である他車両35の予想進路との関係の具体例を図17に示す。
図17の例では、自車両34が前方の交差点31aで左折を予定している状況を想定している。したがって、自車両進路34Aは前方の交差点31aで左折することになる。一方、他車両予想進路35Aは他車両35の現在の進行方向の先にそのまま延長した直線として予想することができる。
したがって、図17の状況では、図13のステップS56で他車両予想進路35Aと自車両進路34Aとを比較したときに、これらが交差するため自車両34と他車両35との衝突の可能性が考えられる。そのため、図13中のS58~S60が実行される。
例えば、図15(a)のHUD表示領域57に示されている障害物の予想進路パターン143は強調のためにオレンジ色で表示される(S60)。これにより、自車両34との衝突の可能性について運転者に注意喚起することができる。また、これと同時に左ライン照明装置14の照明光もオレンジ色の発光に切り替わる(S58)。更に、メータユニット11の画面中においても、自車両パターン146の左側に警告のためのオレンジ色のラインが表示される。
<車載表示システムの利点>
前述の各車載表示システム100、100A、100B、100Cにおいては、メータユニット11やHUD表示領域57だけでなく、左ライン照明装置14、右ライン照明装置15も含めたダッシュボード52の全体を連携した状態で表示を実行することができる。そのため、表示された警告などを運転者が見落とすのを確実に防止できる。
また、自車両の安全な運転上注意が必要な近傍の他車両などを、例えば図15(c)中の矩形パターン153のようなマーカーで見やすく表示することにより、他車両などの見落としを防止できる。
また、例えば図17のように衝突の可能性がある場合に、左ライン照明装置14などを用いて見やすい状態で警告することにより、衝突を予防して安全を確保することが容易になる。
また複数の車載カメラ25、25Aを用いて自車両34の前方及び後方における各障害物を監視する場合には、自車両の後方から接近する他車両に対しても注意を払い安全を確保することが容易になる。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る車載表示システムの特徴をそれぞれ以下[1]~[7]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両乗員の着座位置前方に配置されたメインメータ表示部(インパネ表示部53)と、
一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の左側から前記メインメータ表示部の左側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な左ライン照明部(左ライン照明装置14)と、
一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の右側から前記メインメータ表示部の右側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な右ライン照明部(右ライン照明装置15)と、
前記メインメータ表示部、前記左ライン照明部、及び前記右ライン照明部の表示を連携して前記車両乗員の視線を誘導する表示制御部(連携制御部16)と、
を備えたことを特徴とする車載表示システム。
[2] 前記表示制御部は、前記車両乗員の視線を誘導する照明光が、前記メインメータ表示部の一部分と、前記左ライン照明部、又は前記右ライン照明部の一部分との間を跨がった状態になる連携機能を有する(図2(a)、図2(b)、S12、S13)、
ことを特徴とする上記[1]に記載の車載表示システム。
[3] 自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて警告を発生する警告発生部(S19)を有し、
前記表示制御部は、前記警告発生部が発生した警告の種類に応じて、前記左ライン照明部及び前記右ライン照明部の少なくとも一方を制御して、前記車両乗員の視線の方向又はその移動を誘導する(S21、S23)、
ことを特徴とする上記[1]に記載の車載表示システム。
[4] 前記表示制御部は、自車両の駆動に関する信号がオン(IG-ON)になると、前記メインメータ表示部、前記左ライン照明部、及び前記右ライン照明部の表示を連携させる演出を行うとともに、前記自車両の状態に対する診断結果を表す信号を取得し、当該診断結果に前記自車両の状態が通常の状態と異なることを表す情報が含まれている場合には、前記メインメータ表示部に前記自車両の状態が通常の状態と異なることを表す情報を表示する、
ことを特徴とする上記[1]に記載の車載表示システム。
[5] ヘッドアップディスプレイ(HUD装置13)を備え、
前記ヘッドアップディスプレイが投影した映像を表示するHUD表示面(HUD表示領域57)が前記メインメータ表示部の画面近傍に形成され、
前記表示制御部は、自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて、前記車両乗員の視線の方向が、前記メインメータ表示部の画面と前記HUD表示面との間で移動するように誘導する(S36~S38)、
ことを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の車載表示システム。
[6] 前記メインメータ表示部の画面側方に配置されたサブモニタ表示部(MM表示ユニット12)を備え、
前記表示制御部は、自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて、前記メインメータ表示部の画面表示内容、又は前記HUD表示面の表示内容と、前記サブモニタ表示部の画面表示内容とが連携するように制御する(S54、S55、S59、S60)、
ことを特徴とする上記[5]に記載の車載表示システム。
[7] 他車両が自車両の前方に進路を変更したことを検知する進路変更検知部(S41)と、
前記自車両の運転操作を検知する運転操作検知部(S43)と、を有し、
前記進路変更検知部によって他車両の進路の変更が検知されたときに、前記運転操作検知部によって前記他車両の進路の変更を容易にする運転操作が検知された場合には、前記表示制御部は、前記ヘッドアップディスプレイに肯定的なメッセージを投影させる、
ことを特徴とする上記[5]または[6]に記載の車載表示システム。
11 メータユニット
12 MM表示ユニット
13 HUD装置
14 左ライン照明装置
15 右ライン照明装置
16,16A,16C 連携制御部
16B 車線譲渡管理部
17,17A カーナビユニット
21 障害物センサ
22,22A 障害物位置算出部
23,23A 表示パターン生成部
24 車両間通信モジュール
25,25A 車載カメラ
26,26A パターン認識部
31 路面
31a 交差点
32 レーン間白線
33 道路左端部
34 自車両
34A 自車両進路
35,36,37 他車両
35A 他車両予想進路
38A,38B,38C 歩行者
50 コックピット
51 ステアリングホイール
52 ダッシュボード
53 インパネ表示部
54 Aピラー
55 ウインドシールド
56 前方の景色
57 HUD表示領域
57a 車速表示像
57b 標識表示像
61 MM表示画面
62 道路情報
63 道路標識
64 矩形パターン
65 標識アイコン
71 他車両
72 メッセージ
73 評価ポイント表示
74 割り込み予告パターン
100,100A,100B,100C 車載表示システム
141 交差点パターン
142 自車進路パターン
143 障害物の予想進路パターン
144 車速表示パターン
145 標識表示パターン
146 自車両パターン
147L,147R レーン端部表示パターン
148 左折インジケータ
149 車速表示パターン
151 車載カメラ映像
152 障害物
153 矩形パターン
AF 前方カメラ撮影範囲
AR 後方カメラ撮影範囲
L01,L02,L03,L11,L12,L13 照明光

Claims (6)

  1. 車両乗員の着座位置前方に配置されたメインメータ表示部と、
    一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の左側から前記メインメータ表示部の左側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な左ライン照明部と、
    一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の右側から前記メインメータ表示部の右側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な右ライン照明部と、
    前記メインメータ表示部、前記左ライン照明部、及び前記右ライン照明部の表示を連携して前記車両乗員の視線を誘導する表示制御部と、
    を備えた車載表示システムであって、
    前記表示制御部は、前記車両乗員の視線を誘導する照明光が、前記メインメータ表示部の一部分と、前記左ライン照明部、又は前記右ライン照明部の一部分との間を跨がった状態になる連携機能を有する、
    ことを特徴とする車載表示システム。
  2. 自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて警告を発生する警告発生部を有し、
    前記表示制御部は、前記警告発生部が発生した警告の種類に応じて、前記左ライン照明部及び前記右ライン照明部の少なくとも一方を制御して、前記車両乗員の視線の方向又はその移動を誘導する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車載表示システム。
  3. 前記表示制御部は、自車両の駆動に関する信号がオンになると、前記メインメータ表示部、前記左ライン照明部、及び前記右ライン照明部の表示を連携させる演出を行うとともに、前記自車両の状態に対する診断結果を表す信号を取得し、当該診断結果に前記自車両の状態が通常の状態と異なることを表す情報が含まれている場合には、前記メインメータ表示部に前記自車両の状態が通常の状態と異なることを表す情報を表示する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車載表示システム。
  4. ヘッドアップディスプレイを備え、
    前記ヘッドアップディスプレイが投影した映像を表示するHUD表示面が前記メインメータ表示部の画面近傍に形成され、
    前記表示制御部は、自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて、前記車両乗員の視線の方向が、前記メインメータ表示部の画面と前記HUD表示面との間で移動するように誘導する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の車載表示システム。
  5. 車両乗員の着座位置前方に配置されたメインメータ表示部と、
    一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の左側から前記メインメータ表示部の左側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な左ライン照明部と、
    一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の右側から前記メインメータ表示部の右側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な右ライン照明部と、
    前記メインメータ表示部、前記左ライン照明部、及び前記右ライン照明部の表示を連携して前記車両乗員の視線を誘導する表示制御部と、
    を備えた車載表示システムであって、
    ヘッドアップディスプレイを備え、
    前記ヘッドアップディスプレイが投影した映像を表示するHUD表示面が前記メインメータ表示部の画面近傍に形成され、
    前記表示制御部は、自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて、前記車両乗員の視線の方向が、前記メインメータ表示部の画面と前記HUD表示面との間で移動するように誘導し、
    前記メインメータ表示部の画面側方に配置されたサブモニタ表示部を備え、
    前記表示制御部は、自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて、前記メインメータ表示部の画面表示内容、又は前記HUD表示面の表示内容と、前記サブモニタ表示部の画面表示内容とが連携するように制御する、
    ことを特徴とする載表示システム。
  6. 車両乗員の着座位置前方に配置されたメインメータ表示部と、
    一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の左側から前記メインメータ表示部の左側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な左ライン照明部と、
    一端が前記メインメータ表示部と隣接する状態で配置され、車体の右側から前記メインメータ表示部の右側に向かう方向に前記車両乗員の視線を誘導可能な右ライン照明部と、
    前記メインメータ表示部、前記左ライン照明部、及び前記右ライン照明部の表示を連携して前記車両乗員の視線を誘導する表示制御部と、
    を備えた車載表示システムであって、
    ヘッドアップディスプレイを備え、
    前記ヘッドアップディスプレイが投影した映像を表示するHUD表示面が前記メインメータ表示部の画面近傍に形成され、
    前記表示制御部は、自車両の状態又は自車両周囲の状況に応じて、前記車両乗員の視線の方向が、前記メインメータ表示部の画面と前記HUD表示面との間で移動するように誘導し、
    他車両が自車両の前方に進路を変更したことを検知する進路変更検知部と、
    前記自車両の運転操作を検知する運転操作検知部と、を有し、
    前記進路変更検知部によって他車両の進路の変更が検知されたときに、前記運転操作検知部によって前記他車両の進路の変更を容易にする運転操作が検知された場合には、前記表示制御部は、前記ヘッドアップディスプレイに肯定的なメッセージを投影させる、
    ことを特徴とする載表示システム。
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