JP7436241B2 - ロボットシステム - Google Patents

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本開示は、ロボットシステムに関する。
第1軸から第3軸までのそれぞれを駆動させるため高駆動力サーボモータと、第4軸から第6軸までのそれぞれを駆動させるための低駆動力サーボモータとを備えたロボットが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、作業者が直接アームに触れて動かすことによってアームの可動を許容するダイレクト教示を行う人間協働ロボットシステムが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11-77571号公報 特開2018-111174号公報
特許文献2に記載された作業者と協働作業を行う協働するロボットは、作業者の安全を確保するために、作業者との接触を検出するための高感度のトルクセンサを各軸に備えている。トルクセンサを各軸に備えてしまうと、高感度のトルクセンサは高価であるため、ロボットが高価になってしまう。
したがって、作業者の安全性を確保しつつ低コスト化を図ることができるロボットシステムが望まれている。
本開示の一態様は、ロボットと、該ロボットを制御する制御装置とを備え、前記ロボットが、複数の手首関節を備える手首部と、該手首部の3次元空間上での位置を決定する複数の基本関節とを備え、該基本関節の全ておよび前記手首関節の一部のみに、各該基本関節および前記手首関節の軸線回りのトルクを検出するトルク検出部が備えられ、前記制御装置が、前記トルク検出部を備えない前記手首関節のみについては、前記ロボットの外表面と該ロボットに装着される装着物との接近距離を検出し、該接近距離の最小値が所定の閾値を超える動作範囲内において前記ロボットを動作させるロボットシステムである。
本開示の一実施形態に係るロボットシステムを示す全体構成図である。 図1のロボットシステムを示すブロック図である。 図1のロボットシステムにおいて検出される手首先端の装着物とロボットの表面との接近距離の一例を示すロボットの側面図である。 図3の他の例を示すロボットの側面図である。 図1のロボットシステムにおいて検出可能な外力の一例を示すロボットの側面図である。 図5のロボットの正面図である。 図1の変形例に係るロボットシステムにおいて検出可能な外力の一例を示すロボットの側面図である。 図7のロボットの正面図である。 図5の他の変形例に係るロボットシステムにおいて検出可能な外力の一例を示すロボットの側面図である。 図9のロボットの正面図である。 図3の他の例を示すロボットの側面図である。
本開示の一実施形態に係るロボットシステム100について、図面を参照しながら以下に説明する。
本実施形態に係るロボットシステム100は、ロボット110と制御装置120とを備えている。ロボット110は、6つの軸線J1~J6回りに回転駆動される6つの関節を備える垂直多関節型ロボットである。
ロボット110は、図1に示されるように、設置面に固定されたベース(基本関節)1と、鉛直な第1軸線(軸線)J1回りにベース1に対して回転可能に支持された旋回胴(基本関節)2とを備えている。また、ロボット110は、水平な第2軸線(軸線)J2回りに旋回胴2に対して回転可能に支持された第1アーム(基本関節)3と、水平な第3軸線(軸線)J3回りに第1アーム3に対して回転可能に支持された第2アーム(基本関節)4とを備えている。さらに、ロボット110は、第2アーム4の先端に取り付けられた手首ユニット(手首部)60を備えている。
手首ユニット60は、第3軸線J3とねじれの位置関係にある第4軸線(軸線)J4回りに第2アーム4に対して回転可能に支持された第1手首要素(手首関節)5を備えている。また、手首ユニット60は、第4軸線J4に直交する第5軸線(軸線)J5回りに第1手首要素5に対して回転可能に支持された第2手首要素(手首関節)6を備えている。
さらに、手首ユニット60は、第5軸線J5に直交する第6軸線(軸線)J6回りに第2手首要素6に対して回転可能に支持された第3手首要素(手首関節)7を備えている。なお、以降では、ベース1から第2アーム4までを基本軸部50ともいう。
また、ロボット110は、ベース1と旋回胴2との間に配置されて第1軸線J1回りのトルクを検出する第1トルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)S1を備えている。また、ロボット110は、旋回胴2と第1アーム3との間に配置されて第2軸線J2回りのトルクを検出する第2トルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)S2を備えている。
また、ロボット110は、第1アーム3と第2アーム4との間に配置されて第3軸線J3回りのトルクを検出する第3トルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)S3を備えている。また、ロボット110は、第2アーム4と第1手首要素5との間に配置されて、第4軸線J4回りのトルクを検出する第4トルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)S4を備えている。
各トルクセンサS1,S2,S3,S4としては、同一のトルクセンサが用いられている。ロボット110は、手首ユニット60の第5軸線J5および第6軸線J6回りのトルクを検出するためのトルクセンサを備えていない。
また、ロボット110は、図2に示されるように、第1軸線J1~第6軸線J6回りに各部を駆動させる各モータMT1~MT6を備えている。図中、符号EN1~EN6は、モータMT1~MT6の第1軸線J1~第6軸線J6回りの回転角度を検出するエンコーダである。
制御装置120は、ハードウェアを含むプロセッサ、例えば、CPUと、ROMおよびRAM等のメモリ10を含んでいる。CPUが、ROMに格納されたプログラムを、RAMに展開することにより、制御装置120は各プログラム機能を実行する。
制御装置120は、図2に示されるように、ロボット110に備えられた各モータMT1~MT6に対して駆動電流を出力しモータMT1~MT6を駆動する。
制御装置120は、モータMT1~MT6への駆動電流を検出する電流検出部11を備えている。また、制御装置120は、エンコーダEN1~EN6により検出された回転角度による位置フィードバックおよび電流検出部11により検出された駆動電流による電流フィードバックを実施する制御部12を備えている。また、制御部12は、トルクセンサにより検出された検出トルクに基づいてモータMT1~MT6を制御する。
また、制御部12は、手首ユニット60または装着物9に加わった外力により各基本関節1,2,3,4の軸線J1,J2,J3,J4回りに発生したトルクがトルクセンサS1,S2,S3,S4により検出された場合に、外力の向きと同方向に各基本関節1,2,3,4を駆動する。これにより、ロボット110に外力を加えることにより3次元空間上における手首ユニット60の位置を容易に変更できる。一方で、制御部12が手首ユニット60に対して外力による制御を行わないため、外力を受けても装着物9の姿勢を維持できる。
さらに、制御装置120は、メモリ10に、ロボット110の形状情報およびロボット110の手首ユニット60先端に取り付けるハンド8およびハンド8により把持するワークW等の装着物9の外形情報を記憶している。制御部12は、ロボット110の各関節に備えられたエンコーダEN1~EN6により検出される角度情報に基づいてロボット110の姿勢を算出する。そして、制御部12は、メモリ10に記憶されている外形情報に基づいて、各時点において算出された姿勢におけるロボット110各部の外面と装着物9の外面との接近距離を算出する。
さらに、制御部12は、ロボット110と装着物9との接近距離の内の最小値を算出し、算出された最小値が所定の閾値以下か否かを判定する。
図3に示す例では、手首ユニット60の先端に装着したハンド8と第1手首要素5の外面との距離が最小の接近距離となっている。また、図4に示す例では、ハンド8によって把持したワークWと旋回胴2の外面との距離が最小の接近距離となっている。
所定の閾値は、ロボット110に実施させる作業の環境により異なる。所定の閾値としては、挟まれる可能性のある人の体の部位の大きさ、例えば、成人男性の平均的な腕の直径よりも大きな値が設定される。
そして、制御部12は、判定の結果、接近距離の最小値が所定の閾値以下であると判定されたときには、接近距離をさらに小さくする方向への第5軸線J5回りの第2手首要素6の動作および第6軸線J6回りの第3手首要素7の動作を制限する。
このように構成された本実施形態に係るロボットシステム100の作用について以下に説明する。
基本軸部50の3つの基本関節2,3,4が回転駆動されることにより、手首ユニット60の3次元空間上の位置が決定される。そして、手首ユニット60の3つの手首関節5,6,7が回転駆動されることにより、手首ユニット60の先端に取り付けられているハンド8等の装着物9の姿勢が決定される。
作業者がロボット110の任意の外表面に接触した場合には、トルクセンサS1~S4のいずれかによって、第1軸線J1~第4軸線J4回りのトルクとして、外力がロボット110に加わっていると判定される。特に、第4軸線J4回りのトルクを検出するトルクセンサS4を備えることにより、基本軸部50の3つのトルクセンサS1,S2,S3のみでは検出困難な外力を検出することができるという利点がある。
例えば、ロボット110が、図5および図6に示される姿勢となった場合に、手首ユニット60に作用する、第1軸線J1を含む平面に沿い、かつ、第2軸線J2および第3軸線J3に平行な方向の外力を検出できる。
すなわち、手首ユニット60が第1軸線J1上に配置される姿勢でも、手首ユニット60を第1軸線J1および第2軸線J2に平行な方向に移動させる動作が可能となり、広い動作範囲を確保することができる。そして、手首ユニット60の3つの手首関節5,6,7の内の2つの手首関節6,7にトルクセンサを設けないことにより、ロボット110のコストを低減することができる。
一方、トルクセンサが設けられていない第5軸線J5および第6軸線J6回りの手首関節6,7に関しては、手首ユニット60に加わる外力は他のトルクセンサS1~S4によって検出することができる。さらに、本実施形態によれば、ロボット110の外表面と装着物9との間の接近距離を監視して、所定の閾値以上に近接させない。したがって、ロボット110の自らの外表面、例えば、ベース1、旋回胴2、第1アーム3および第2アーム4と手首ユニット60あるいは装着物9との間における挟み込みも効果的に防止することができるという利点がある。
また、4つのトルクセンサS1~S4として同一のトルクセンサを用いることにより、部品の種類を少なくしてコストを削減することができる。
なお、本実施形態においては、手首ユニット60に、第4軸線J4回りのトルクを検出するトルクセンサS4のみを設け、第5軸線J5および第6軸線J6回りのトルクを検出するトルクセンサを設けていない。これに代えて、第4軸線J4~第6軸線J6のいずれか1つまたは2つの軸線回りのトルクを検出可能なトルクセンサを設けることにしてもよい。
例えば、第5軸線J5回りのトルクを検出可能なトルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)S5を設け、第4軸線J4および第6軸線J6回りのトルクを検出するトルクセンサを設けないことにしてもよい。この場合には、例えば、図7および図8に示されるロボット110の姿勢において、第1軸線J1を含む平面に沿い、かつ、第2軸線J2および第3軸線J3に直交する方向に手首ユニット60に作用する外力を検出することができる。
この方向の外力は、基本軸部50の3つのトルクセンサS1,S2,S3のみによっては検出できないが、第5軸線J5回りのトルクを検出するトルクセンサS5により検出できる。この場合にも、外力を検出困難な姿勢をなくして、広い動作範囲を確保することができるという利点がある。
また、例えば、第6軸線J6回りのトルクを検出可能なトルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)S6を設け、第4軸線J4および第5軸線J5回りのトルクを検出するトルクセンサを設けないことにしてもよい。この場合には、例えば、図9および図10に示されるロボット110の姿勢において、第1軸線J1を含む平面に沿い、かつ、第2軸線J2および第3軸線J3に平行な方向に手首ユニット60に作用する外力を検出することができる。
この方向の外力も、基本軸部50の3つのトルクセンサS1,S2,S3のみによっては検出できないが、第6軸線J6回りのトルクを検出するトルクセンサS6により検出できる。この場合にも、外力を検出困難な姿勢をなくして、広い動作範囲を確保することができるという利点がある。
また、本実施形態においては、ロボット110が各関節2,3,4,5に配置したトルクセンサS1,S2,S3,S4によって、第1軸線J1~第4軸線J4回りのトルクを検出することとした。これに代えて、制御部12が、電流検出部11により検出された駆動電流から各関節2,3,4,5に作用するトルクを推定してもよい。また、手首関節についてのみ、トルクセンサに代えて、駆動電流からトルクを推定してもよい。
また、本実施形態においては、接近距離の最小値として、ロボット110の自らの外表面とロボット110に装着される装着物9との距離を検出するものを例示したが、これに代えて、図11に示されるように、ロボット110の外表面に取り付けられたエリアセンサ等の機器と装着物9との接近距離の最小値を検出するものを採用してもよい。この場合、ロボット110の外表面としては、ロボット110の自らの外表面だけでなく、ロボット110の外表面に取り付けられた機器の表面も含まれる。
また、本実施形態においては、ロボット110として、直立多関節型ロボットを例示したが、これに限定されるものではなく、任意の形態のロボットに適用することができる。
1 ベース(基本関節)
2 旋回胴(基本関節)
3 第1アーム(基本関節)
4 第2アーム(基本関節)
5 第1手首要素(手首関節)
6 第2手首要素(手首関節)
7 第3手首要素(手首関節)
9 装着物
60 手首ユニット(手首部)
100 ロボットシステム
110 ロボット
120 制御装置
S1 第1トルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)
S2 第2トルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)
S3 第3トルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)
S4 第4トルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)
S5 第5トルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)
S6 第6トルクセンサ(トルクセンサ、トルク検出部)
J1 第1軸線(軸線)
J2 第2軸線(軸線)
J3 第3軸線(軸線)
J4 第4軸線(軸線)
J5 第5軸線(軸線)
J6 第6軸線(軸線)
MT1,MT2,MT3,MT4,MT5,MT6 モータ

Claims (5)

  1. ロボットと、
    該ロボットを制御する制御装置とを備え、
    前記ロボットが、複数の手首関節を備える手首部と、該手首部の3次元空間上での位置を決定する複数の基本関節とを備え、
    該基本関節の全ておよび前記手首関節の一部のみに、各該基本関節および前記手首関節の軸線回りのトルクを検出するトルク検出部が備えられ、
    前記制御装置が、前記トルク検出部を備えない前記手首関節のみについては、前記ロボットの外表面と該ロボットに装着される装着物との接近距離を検出し、該接近距離の最小値が所定の閾値を超える動作範囲内において前記ロボットを動作させるロボットシステム。
  2. 前記トルク検出部がトルクセンサである請求項1に記載のロボットシステム。
  3. 前記基本関節の全ての前記トルク検出部がトルクセンサであり、
    前記手首関節の前記トルク検出部が、前記手首関節を駆動させるモータに供給される電流を検出し、検出された電流に基づいて、前記手首関節の前記軸線回りのトルクを算出する請求項1に記載のロボットシステム。
  4. 前記制御装置が、前記ロボットおよび前記装着物の外形情報を記憶し、前記ロボットの姿勢と前記外形情報とに基づいて前記接近距離を検出する請求項1から請求項3のいずれかに記載のロボットシステム。
  5. 前記制御装置は、外力により各前記基本関節の前記軸線回りに発生したトルクが前記トルク検出部により検出された場合に、検出されたトルクと同方向に各前記基本関節を動作させる請求項1から請求項4のいずれかに記載のロボットシステム。
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