JP2000094368A - ロボットアームの制御装置 - Google Patents

ロボットアームの制御装置

Info

Publication number
JP2000094368A
JP2000094368A JP10272985A JP27298598A JP2000094368A JP 2000094368 A JP2000094368 A JP 2000094368A JP 10272985 A JP10272985 A JP 10272985A JP 27298598 A JP27298598 A JP 27298598A JP 2000094368 A JP2000094368 A JP 2000094368A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joint
arm
control
load threshold
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10272985A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroichi Matsuo
博一 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Signal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Signal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Signal Co Ltd filed Critical Nippon Signal Co Ltd
Priority to JP10272985A priority Critical patent/JP2000094368A/ja
Publication of JP2000094368A publication Critical patent/JP2000094368A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アームを統一的に制御することを可能にし、
制御を関節ごとに分散処理して処理速度の向上を図る。 【解決手段】 冗長な構造を有するロボットアームの運
動を制御する制御装置において、アーム先端及び作業対
象の位置を検出する位置検出手段4Eと、アーム先端の
各位置に対応する反応負荷閾値を記憶している記憶手段
と、関節ごとに設けられ、当該関節の負荷量を検出する
手段31 ,32 〜37 と、関節ごとに設けられ、前記位
置検出手段より得た位置情報に対応する反応負荷閾値を
選択し、当該関節の負荷量が前記反応負荷閾値を越えた
か否かを判定し、越えた場合に当該関節のアクチュエー
タに駆動命令を与える制御手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用ロボットの
制御装置、とくにロボットアームの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、ロボットアームの運動制御
は、ロボットアームの与件について、以下のような運動
学及び動力学という枠組みで解析して、各関節のアクチ
ュエータに対する制御量を決定することにより、行って
いる。 1.運動学(kinematics) 位置、速度、加速度を扱い、時間とともに変化するリン
ク機構の幾何学的関係を解析する。 2.動力学(dynamics) 各関節のアクチュエータに適切な力、トルクなどの力学
的関係を動的に解析する。
【0003】ロボットアームのアクチュエータは関節に
取付けられている。従って、基準座標形で表現された作
業対象に届くように手先の位置と姿勢を制御するために
は、逆運動学問題を解く必要がある。すなわち、手先の
位置・姿勢を表すベクトルXが与えられたとき、それを
実現する関節関数qをどのように求めるかである。その
ためには、順運動学の非線形関数 X=f(q) をqに関して解くことが要求される。
【0004】任意の機構のロボットアームについて、上
記の式の一般解を求めることは不可能である。ただし、
特殊な機構のロボットアームについては、解析的に求め
ることができる。そのような構造を可解構造という。た
だし、解は一義に決まらず、何通りも存在する場合もあ
る。
【0005】一般に、物体の位置を3次元空間で決定す
るためには(x、y、z)の3変数が必要であり、さら
に姿勢を決定するためには回転量(α、β、γ)が必要
である。結局、物体の位置と姿勢を特定するためには、
最低限6個の変数、すなわち6自由度が必要である。つ
まり、6自由度以下のアームでなければ解は一義に決ま
らない。6自由度のアームであっても、次の2つの条件
のうち、どちらかを満たさなければ、閉じた解は得られ
ない。 1.隣接する3つの関節軸が1点で交わる。 2.隣接する3つの関節軸が互いに平行。
【0006】例えば、図9のPUMAロボットは、この
条件を満たす6自由度の産業用ロボットである。現在市
販されている産業用ロボットの大部分は、上記の条件を
満たすように設計されている。つまり、解析的に答えを
見出だすことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記PUMAロボット
は、一例として図10のように、ロボットアームの手先
をポジション1に移動し、そこでワークをつかみ、ポジ
ション2まで移動してそこにワークを置き、当初の位置
に戻すように制御する場合は、図11のような命令を解
析し、各関節への動作命令を計算している。また、動力
学を考慮してロボットアームを制御することは大変困難
である。その困難さを回避するために、つまり、動力学
的問題を考慮せずに済むように、通常の産業用ロボット
のアームは、剛性の高い構造にする必要がある。
【0008】既存のロボットアーム制御装置において採
用されている、動力学を考慮してのロボットアーム制御
における困難性について、詳述する。アーム先端を作業
目的に向かって動かすには、各関節のアクチュエータか
ら各リンクに駆動力を供給しなければならないが、高精
度に実現するため、サーボ制御が構成される。ロボット
アームの運動制御の方法には、動力学モデルを用いた
制御と、各軸を独立にサーボ機構で制御するサーボ系
制御とがある。は、力学による解析法を用い、各座標
軸に関する動力学方程式を求める必要がある。しかしな
がら、各関節でのトルクは、リンク運動を介して相互に
干渉を受けるという問題がある。また、には、PTP
制御(pose to pose control)と軌道制御がある。PT
P制御は、関節間トルクの干渉を無視し、関節をそれぞ
れ単一のサーボ系として制御(独立関節制御)するもの
であるが、これは重力などの静的な外力に対して誤差を
生じるという問題がある。軌道制御は、関節の駆動力に
動力や他の関節駆動力で引起こされる干渉が加わり、そ
の影響で軌道に誤差が生じるという問題がある。このよ
うな干渉を消す方法として、上記動力学モデル制御が用
いられている。関節間の干渉を無くす方法として、逆動
力学モデルとアクチュエータとを結合する制御装置も知
られている。しかしながら、上記従来装置は、いずれ
も、複雑な方程式を用いる必要があり、その定数や係数
の設定が容易でないのである。
【0009】一方、人間の腕は図5のように肩に3つ、
肘に1つ、手首に3つの計7つの自由度を持つ構造にな
っている。図5において、Roll、Pitch、Ya
wは船の回転方向に由来し、Rollは進行方向と直角
の回転、Pitchは舵方向、Yawはマスト方向の回
転を表す。つまり、人間の腕は、3次元空間で位置と姿
勢を決定することに関しては、冗長性を持った構造にな
っている。しかしながら、冗長な構造は人間の腕に柔軟
性を保証する一方、付加的な拘束を加えない限り、関節
の運動が一義に定められない。つまり、既存のロボット
アーム制御装置には、以下の欠点がある。 1.自由度に冗長性のあるアームの制御を統一的に行え
ない(その都度、冗長性を減らすための拘束条件を設け
なければならない。)。 2.集中管理的な方法で制御を行わなければならないの
で、制御を分散化して処理速度を上げることが困難であ
る。
【0010】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、その課題は、冗長な構造を有するロボットアー
ムを統一的に制御することができ、かつ、制御を関節ご
とに分散処理して処理速度の向上を図ることができるロ
ボットアームの制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】発達心理学の一つのアプ
ローチの中で、ブルートファクトという概念がある。こ
れは、無目的的な粗いオリジナル(原始的)な基本的運
動のことである。例えば、幼児が腕を伸ばして物に触れ
る運動をリーチングというが、この運動はじっとして何
も手を動かさない状態から段々と動かし方を学んで行く
のではなく、腕をぐるぐる回したり、バタバタと上下さ
せたりするといったブルートファクト、つまり、無目的
的なオリジナルな運動の変形と見ることが可能だとい
う。これは人間だけではなく、静的な生き物に見える植
物でも同様である。植物の運動はたえず微少な螺旋運動
を繰返している。この運動をブルーファクトとする運動
のバリエーション(外部要因による増幅、変形)とし
て、根が柔らかい土を探る運動や弦巻運動を行うという
説がある。
【0012】つまり、静的な状態から基本となる要素運
動を積み重ねて、全体の運動が出来上がっているのでは
なく、まず、始まりがあり、粗な全体運動があり、その
全体運動の変形という形で、秩序だった運動を構成する
ことも可能であることを示している。
【0013】本発明者は、上記のような知見に基づい
て、次のようなロボットアームの制御方法を考案した。 (a)先ず、上記オリジナルな運動の概念に対応する、
基本となるアームの運動(要素運動)を設定した。これ
は、各関節が同様なことを行う方が望ましい。そこで、
(b)各関節が以下のアルゴリズムで要素運動を動作し
続けることにした。全関節を一斉に動作させると、腕を
回旋するような運動が発生する。(c)負荷に対して反
応する閾値(以下、反応負荷閾値という。反応負荷閾値
とは、関節に加わる負荷量がある値以上ならば動作し、
未満ならば動作しないという値である。)を上下させる
ことで、回旋の動作速度を調整するようにした。
【0014】つまり、関節全体に共通な一つの反応負荷
閾値を設け、その反応負荷閾値を所定の条件を元に調節
することで、7関節で作りだし得る運動を表現できる。
例えば、図6のようなアームの構造の場合は、7つの関
節の各々の相対角度と動作速度、加速度によって、各関
節のトルク負荷量が違うので、反応負荷閾値が同じでも
全体として多様な動きを作り出せる。図6において、A
はロボットアーム全体、A1 〜A3 はそれぞれAのa1
〜a3 部分の詳細図である。
【0015】反応負荷閾値の上下調整による作用効果を
図7に基づき説明すると、図5の7自由度のロボットア
ームのおける各関節〜の負荷量(力覚センサ値)β
が図7(a)に示すような状態の時に、反応負荷閾値α
を同図の鎖線で示す位置α1に設定された場合は、関節
のみが動作することを意味する。また、各関節〜
の負荷量(力覚センサ値)βが図7(b)に示すような
状態の時に、反応負荷閾値を同図の鎖線で示す位置α2
に設定された場合は、関節とが動作することを意味
する。すなわち、反応負荷閾値を適時変化させることに
より、閾値を越えた負荷値βを示す関節のみを動作させ
るようにしてある。
【0016】つまり、図8(1)のように1関節j1 の
場合は、点線maの動きが可能である。図8(2)のよ
うに2関節j2 ,j2 の場合は、点線mbの動きが可能
である。それぞれの関節の動作速度、加速度が違えば、
より複雑な曲線を描くことができる。図8(3)は後述
される図3のフローチャート中のワープモードの場合の
動きを表現している。ここで、ワープモードとは、当該
関節の回転角度がその関節において設定されている最大
値と最小値のいずれにも達しない範囲で、アクチュエー
タを動作させるモードをいう。動作途中で角度変化方向
が変更されると、それから先の回転をすることがなくな
る。つまり、ある時点から先の運動を省略することがで
きる。この機能がアームのより複雑な動きを保証する。
【0017】ある運動を無から要素運動を元に構成しよ
うとすると、その要素の次元分の制御を意識しなければ
ならないが、静止状態は発現しようしようとする、ある
オリジナルの運動が抑制されていると見ると、アームの
移動・静止は、[運動を抑制する]−[運動を抑制しな
い]という二項関係に換言できる。本発明では、上記の
ように全関節に対して反応負荷閾値を設け、その反応負
荷閾値を上下させることを[運動を抑制する]−[運動
を抑制しない]に対応させるようにした。反応負荷閾値
を下げれば下げるほど、容易に負荷に反応し、オリジナ
ルな運動が発現するようにする。アームはその構えで発
生する自重によって、静止状態でも各関節に加わる負荷
量が違う。よって、反応負荷閾値を全関節一様に変化さ
せても、関節が動作を始めるタイミングは、関節ごとに
異なる。逆に、アームのその時々の構え、形を検出し
て、検出結果を元に運動を制御することができる。
【0018】本発明によれば、次のような効果が得られ
る。 1.任意の自由度を持った冗長性アームを統一的視点で
制御することができる。 すなわち、反応負荷閾値と
いう一つのパラメータの上げ下げで、複数の関節 を
同時に制御することができる。 2.中央制御部は、各関節の制御部に反応負荷閾値とい
う一つのパラメータを与えるだけで良いので、各関節の
制御部は、自己の負荷量その他の検出結果に対応した処
理・制御をすることができるので、分散処理に適してお
り、処理を高速に行うことができる。 3.アームの構造が変わっても、制御アルゴリズムを変
更する必要がない。 4.各関節の負荷量の変化に応じて運動制御の是非が決
定されるので、移動範囲内に人その他の障害物が偶然存
在する場合は、その障害物に軽く当った後に運動軌道が
変更されるため、障害物などに強い衝撃を与えることが
ない。 従って、安全性が向上される。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、主として図1ないし図4の図面に基づいて説明す
る。図1は産業用ロボットの一般的な構成の概略を示す
ブロック図、図2は本発明によるロボット制御装置の構
成を示すブロック図、図3は一つの関節に対応する動作
制御部の動作を説明するフローチャート、図4は本発明
によるアームの各種運動制御の例を示す模写図である。
【0020】ロボット制御装置1は、図1に示すよう
に、上位システム2から与えられる、又は内蔵している
作業プログラムに基づき、第1種のロボットセンサであ
る内界センサ3から作業実行時におけるロボット内部の
状態の情報を検出し、また、第2種のロボットセンサで
ある外界センサ4から作業環境に関する情報を検出し
て、ロボットアームを作業対象に対応して移動させるた
め、アクチュエータ5の運動を制御し、サーボ機構によ
るフィードバックにより誤差を修正しながら目標位置に
到達させる。
【0021】本発明に係るロボットのアームの構造は、
図5に例示するように、ベースBに回動自在又は揺動自
在に設けられた肩関節と、交互に接続された複数のリン
ク及び肘関節と、先端の手首関節とを有し、肩関節から
手首関節まで計7自由度を有している。
【0022】そして、図2に示すように、各関節にサー
ボモータからなるアクチュエータ(AC)51 ,52 ,
〜57 を備えており、また、各関節には、アクチュエー
タが動作されたときの負荷トルク量(負荷量)を常時検
出するための負荷量検出部31 ,32 ,〜37 が設けら
れている。負荷量検出部31 ,32 ,〜37 は、ストレ
インゲージなどの力覚センサが用いられる。また、この
ロボットには、その時々のアーム先端(手先)の位置
と、作業対象の位置を検出するための位置検出部4Eが
設けられている。位置検出部4Eには、好ましくは、C
CDカメラなどの、アーム全体の構え、形を撮像して画
像処理に適するディジタル画像信号を出力するものが用
いられる。CCDカメラを用いる場合は、画像処理によ
り被写体の位置、移動方向、速度などの情報を得ること
ができ、アームの速度制御、ステアリング制御、距離制
御などに利用することができる利点がある。しかし、ア
ーム先端及び作業対象の位置の検出は、他の既知の技術
を用いることもできる。
【0023】本発明によるロボット制御装置1は、図2
に示すように、システム管理部11と、システム制御部
12と、動作制御部13と、サーボ制御部141 ,14
2 ,〜147 とからなっている。
【0024】システム管理部11は、プログラミング、
プログラム実行管理、作業進行の監視(モニタ)、通
信、データベースなどの諸機能と、その実行を支援する
下位システム及び周辺装置(図示省略)を管理するもの
であり、基本的には、従来のロボットアーム制御装置に
おけるものと同様である。しかし、本発明では、後述さ
れるように、作業目的の位置、アームの構え、形などに
応じてその時々の各関節の負荷量に対して最適なパター
ンでアーム全体の運動制御を実現するための反応負荷閾
値を設定するための入力部(人間−ロボットインタフェ
ース部)を有する。入力部を備える代わりに、上位シス
テム2から複数の反応負荷閾値をロボット制御装置1に
入力して、記憶部(図示省略)に格納しておき、アーム
の姿勢に基づいて所要の反応負荷閾値を自動的に選択す
るようにしても良い。
【0025】システム制御部12は、システム管理部1
1から定期的に、あるいは一定条件の成就に基づいて与
えられる作業プログラムを解読し、その進行を司り、前
記外界センサに相当する位置検出部4Eから与えられる
位置情報による判断と意思決定を行って、プログラムで
表されているモデルとしての状態と作業空間での現実の
状態とが一致するように、所定の反応負荷閾値を選択し
てこれを動作制御部13に与えて、アームの運動制御を
するものであり、これには、外部機器との間の情報転
送、外部機器との同期やインタロックも含まれる。換言
すると、システム制御部12は、定期的に位置検出部4
Eからの画像信号を処理して、アーム先端の位置、移動
方向、速度などの情報、少なくとも手先の位置情報及び
作業対象の位置情報を生成し、その位置情報に基づき、
アーム先端が作業目的に到達するように、動作制御部1
3に与えるべき反応負荷閾値を選択し、これを動作制御
部13に与える作用を行う。
【0026】動作制御部13は、プログラムの作業内容
に合ったアームの動きを実現するための制御を実行する
ものであるが、本発明においては、ロボットアームの動
きに応じてその時々に変化する各関節の負荷量を前記内
界センサに相当する負荷量検出部31 ,32 〜37 によ
り常時検出し、その検出値がシステム管理部12から定
期的に与えられる反応負荷閾値を越えたか否かにより、
各関節のアクチュエータに対する制御を決定する。すな
わち、動作制御部13は、システム制御部12から与え
られた反応負荷閾値をメモリに一時的に格納し、負荷量
検出部31 ,32 〜37 から与えれる負荷量をその予め
設定されている反応負荷閾値と比較する機能を有してい
る。そして、負荷量が反応負荷閾値よりも大きくなった
と判定したときに、関節の回転角度に基本変化量を付加
するように働く。このようにして、動作制御部13は、
各関節に対応する負荷量検出部31 ,32 〜37 からの
検出値に対応して、基本変化量を付加して、その制御量
を各関節のサーボ制御部141 ,142 ,〜147 に与
えるようになっている。
【0027】各サーボ制御部141,142 〜147
は、ロボットの各関節を上記制御量どおりに駆動するた
めのフィードバック制御機能を有する。そして、当該関
節の現在の回転角度が最大になっているか否か、また、
当該関節の現在の回転角度が最小になっているか否か
を、アクチュエータ51 ,52 〜57 にすでに与えてい
るパルス数に基づき判断する機能と、角度判定の結果に
応じて、前記角度に付加される基本変化量の符号を正又
は負に決定する機能とを有している。高速・高精度、感
応制御、感覚制御などの高度な運動機能を実現する本発
明の場合は、運動制御と明確に分離することなく、運動
制御と融合した形をとる。
【0028】要約すると、本発明においては、図2に示
すように、位置検出部4Eからアーム先端(手先)及び
作業対象の位置情報を受信し、システム制御部12は、
作業プログラムの実行により定期的に手先の位置を観察
しながら、適切な反応負荷閾値αを動作制御部13に与
え、動作制御部13はその反応負荷閾値と各関節におけ
る負荷量との比較結果に基づき、各関節のアクチュエー
タ51 ,52 〜57 に与える制御内容を決定するように
なっている。すなわち、アーム先端が作業対象に向かう
ように反応負荷閾値をプラスした場合に、位置検出部4
Eからの位置情報に基づいて、手先が作業対象から離れ
たと判断した場合は、反応負荷閾値をマイナスして、対
象に接近させる。逆の場合も同様に制御する。そして、
システム制御部12は、各関節の負荷量検出部31 ,3
2 〜37 からの検出値に基づいて手先を作業対象に接近
するように制御するために、作業プログラムの実行によ
り手先が原点(初期位置)Aから所定の通過点A,B,
C…に到達するたびに、目標点Zに達するまで、アーム
全体の負荷量が最低になるように、定期的に反応負荷閾
値を上下する。
【0029】以上に説明した実施の形態は、基本的にシ
ステム管理部11において作業プログラムを走らせ、定
期的に位置検出部4Eからの手先及び作業対象の位置情
報を取込み、これをモデルと比較して、適切な反応負荷
閾値を選択して、動作制御部13によりその時々の各関
節の負荷量との比較結果に基づき、所要のアクチユエー
タのみを駆動させて、最小のトルクでアームを目標位置
まで運動させるように制御するものである。しかし、本
発明は、作業プログラムの実行支援の形で、位置情報及
び反応負荷閾値と負荷量との比較結果を用いるのではな
く、作業プログラムを用いずに、手先及び作業対象の位
置情報及び反応負荷閾値と負荷量との比較結果に基づい
て、直接に動作制御部にサーボ制御部を制御させて、初
期位置Aから目標位置Zまで随時反応負荷閾値を上げ下
げして、最小トルクで目標点に到達させるように、運動
制御を実現することもできる。この場合、当該ロボット
のアームのいかなる姿勢の時に、閾値テーブルに格納し
ている反応負荷閾値のうち、どの反応負荷閾値を用いる
かの運動制御パターンは、テスト使用の経験又は当該ロ
ボットの最短距離運動を実現する学習能力により、決定
することができる。
【0030】このシステム管理部による作業プログラム
の実行を伴わないアーム運動制御の例を、続いて、説明
する。
【0031】ロボット制御装置1は、その時々に位置検
出部4から入力される手先及び作業目的の位置情報に応
じて、記憶部の閾値テーブルらか適切な反応負荷閾値を
選択して、動作制御部13に与えるようになっている。
【0032】動作制御部13は、与えられた反応負荷閾
値をメモリに一時的に格納する機能及び負荷量検出部7
1 〜77 から逐次与えれる負荷量βを反応負荷閾値αと
比較する機能を有している。そして、負荷量βが反応負
荷閾値αよりも大きいと判定したときに、関節の回転角
度に基本変化量を付加するように働く。このようにし
て、動作制御部13は、上述したように、設定された反
応負荷閾値と各関節に対応する負荷量検出部71 〜77
からの検出値とに対応して、基本変化量を付加して、適
正な制御量を各関節のサーボ制御部141 〜147 に与
える。
【0033】サーボ制御部141 〜147 は、それぞれ
各関節を目標どおりに駆動するためのフィードバック制
御機能を有するものであり、図示されていない回転角セ
ンサによりその回転角度を検出して、ワープモードにあ
るか否かを判定し、また、当該関節の現在の回転角度が
最大になっているか否か、また、当該関節の現在の回転
角度が最小になっているか否かを、アクチュエータ51
〜57 にすでに与えているパルス数に基づき判断する機
能と、角度判定の結果に応じて、前記角度に付加される
基本変化量の符号を正又は負に決定する機能とを有して
いる。
【0034】要約すると、本発明においては、図2に示
すように、ロボット制御装置1は、位置検出部4からア
ーム先端(手先)の位置情報及び作業対象の位置情報を
受信し、その位置情報に対応する反応負荷閾値を動作制
御部13に与え、動作制御部13では、各関節の負荷量
βと反応負荷閾値αとを比較し、その結果に応じて、各
関節のアクチュエータ51 〜57 の制御をする、しない
を決定し、サーボ制御部141 ,142 〜147 にそれ
ぞれ制御信号を与え、また、その制御信号に基づく各ア
クチュエータの動作による各関節の負荷量の変化に基づ
き、同様に、負荷量βと反応負荷閾値αとの比較を行
い、目標位置に到達するまで、位置検出と負荷量及び反
応負荷閾値の比較と、運動制御とが繰り返されるように
なっている。すなわち、アーム先端が作業対象に向かう
ように反応負荷閾値を+符号にして付加した場合に、手
先が作業対象から離れた場合は、反応負荷閾値を−符号
に変更して、対象に接近させる。逆の場合も同様に制御
する。そして、反応負荷閾値は、各関節の負荷量検出部
31 〜37 からの検出値に基づいて手先を作業対象に接
近するように、上下される。
【0035】図2において、AC57 は肩関節のアクチ
ュエータ、147 は肩関節のアクチュエータの運動を制
御するためのサーボ制御部、AC51 〜56 は肩以外の
関節のアクチュエータ、141 〜146 は、肩以外の各
アクチュエータの運動を制御するためのサーボ制御部で
あり、肩以外の関節の動作を引き起こす元になる動き
は、肩を動かすことによって行われ、肩を動かしている
最中に、変化する各関節の負荷量の変化が腕の動作を引
き起こす。
【0036】肩関節に対しても反応負荷閾値による運動
制御を適用する場合は、手先の位置情報及び作業対象の
位置情報に対応する肩関節の運動パターンをプログラム
化し、その時々の実際の位置情報に対応する運動パター
ンを読出して、まず、肩関節の動きを種運動として、こ
れに基づき他の関節の運動制御を行うことができるの
で、腕(肘、手首)関節のみに適用する場合よりも格段
に大きい多様性をアームの動きにもたらすことができる
利点がある。
【0037】続いて、一つの関節に対応する動作制御部
13による制御動作を、図3に示すフローチャートに基
づいて説明する。ロボット制御装置1が起動されると、
まず、動作制御部13は、当該関節の現状把握、すなわ
ち、当該関節に対する制御が現在ワープモードになって
いるか否かを判断する(S1)。第1ステップ(S1)
の判断結果が肯定(Y)の場合は、当該関節についての
角度変化量の符号を変える(ステップS2)。すなわ
ち、当該関節のアクチュエータがその関節の角度を例え
ば正方向(又は負方向)に駆動している場合は、その角
度変化量をインクリメント(又はデクリメント)する処
理を行う。そして、第3ステップ(S3)に移行する。
第1ステップ(S1)の判断結果が否定(N)の場合
も、第3ステップ(S3)に移行し、第3ステップ(s
3)においては、そのときの当該関節の負荷量検出部3
1 〜37 の検出値から得られる負荷量βが現在設定され
ている反応負荷閾値αよりも大きいか否かを判断する。
その判断結果が肯定(Y)の場合は、当該関節の現在の
角度に基本変化量を加える処理(現在角度+基本変化
量)を行う(ステップS4)。基本変化量は、このプロ
グラムの実行が1順して同一ステップ(S4)に来るま
での間にモータが回転可能な単位角度である。
【0038】そして、その加える基本変化量の符号は、
その時の関節の角度が、当該関節において可能な最大角
度か最小角度かによって、負又は正に決定されるように
なっている。すなわち、第5ステップ(S5)におい
て、現在の角度が最大か否かを判定し、肯定(Y)の場
合は、第4ステップ(S4)において加えられるべき基
本変化量の符号を負にする(S6)。これにより、その
関節の角度が縮小する方向にアクチュエータが駆動制御
される。また、第5ステップ(S5)における判定結果
が否定(N)の場合、及び第6ステップ(S6)におい
て基本変化量の符号を負にした後は、現在の角度が最小
か否かを判定し(S7)、判定結果が肯定(Y)の場合
は、第4ステップ(S4)において加えられるべき基本
変化量の符号を正にする(ステップ8)。これにより、
その関節の角度が拡大する方向にアクチュエータが駆動
制御される。そして、第3ステップ(S3)における判
断結果が否定(N)の場合、第7ステップにおける判定
結果が否定(N)の場合、及び第8ステップにおいて基
本変化量の符号を正にした後は、第1ステップ(S1)
に戻って、再び、当該関節の現状把握が繰り返される。
【0039】第3ステップ(S3)における反応負荷閾
値αは、上述したように、位置検出部4Eからの位置情
報に対応するものが記憶部の閾値テーブルから読出され
て、第3ステップ(S3)において、当該関節の負荷量
検出部31 〜37 から得られるその時々の負荷量βと比
較される。各関節に対するこのような運動制御は、位置
検出部4Eにより検出されるアーム先端の位置情報が目
標値と合致するまで、反応負荷閾値αを全関節に共通に
上下調整しながら反復され、最終的にアーム先端が作業
目的に到達する。
【0040】以上の制御フローにより、次のようなアー
ムの運動制御が可能である。 1.各自由度の回転は負荷トルクがある反応負荷閾値α
を越えた場合のみ基本単位角度回転する任意数の関節を
持つアームを考える。 2.図4(1)の場合は、オペレータが反応負荷閾値α
を上下させることにより、時には素早く反応負荷閾値α
を変化させることにより、また別なときは緩やかにαを
変化させることにより、各関節に係る負荷トルクを調整
してアームを制御する。 3.これを図4(2)のようにアームの関節を増やし、
アームの構造が変わった場合でも、各関節が行う処理は
同じ。そして、オペレータが行うことも基本的に同様で
ある。 4.また、このアームを自律的に動くロボットに取付け
た場合も、各関節の行う処理は同じでよい。ただし、オ
ペレータが行っていた処理は、ロボット自体が行わなけ
ればならない。その場合でも、ロボットが調整しなけれ
ばならないことは、目的としたアームの動きに応じた反
応負荷閾値αの上げ下げだけでよい。 5.図4(4)のようにアームの構造を変えた場合も、
動作制御部13による各関節の処理、ロボットが反応負
荷閾値αを変更させる処理をする必要はない。
【0041】以上のように、本発明の特徴点を上げる
と、次の通りである。 1.静止状態から各関節に演算結果としての運動司令を
行うことでアームの運動を制御するのではなく、各関節
の要素運動、それら全体で作られる運動を元にして、各
関節の負荷量が反応負荷閾値を越えたか否かを基準とし
て、運動を適時抑制するという方法でアームの運動を制
御すること。 2.運動を抑制する方法として、各関節に係る負荷トル
ク量を用い、それに閾値を設けて、抑制、抑制解除を行
わせること。 3.反応負荷閾値という唯一のパラメータの上げ下げ
で、複数の制御対象を制御可能であること。
【図面の簡単な説明】
【図1】産業用ロボットの一般的な構成の概略を示すブ
ロック図。
【図2】本発明によるロボット制御装置の主要構成要素
を示すブロック図。
【図3】一つの関節に対応する動作制御部の動作を説明
するフローチャート。
【図4】各種構造のアームの制御例を示す説明図。
【図5】7自由度を有する腕関節の説明図。
【図6】7自由度のロボットアームの分解図。
【図7】反応負荷閾値と負荷量による運動制御の原理説
明図。
【図8】関節の数と手先の運動範囲の関係の説明図。
【図9】PUMA型ロボットアームの斜視図。
【図10】従来の制御装置による運動制御の際の制御条
件の説明図。
【図11】従来の制御装置による運動制御の際の命令解
読処理の説明図。
【符号の説明】
1 ロボット制御装置 13 動作制御部 141 ,142 〜147 サーボ制御部 31 ,32 ,〜37 負荷量検出部 4E 位置検出部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冗長な構造を有するロボットアームの運動
    を制御する制御装置において、 アーム先端及び作業対象の位置を検出する位置検出手段
    と、 前記アーム先端の各位置に対応する反応負荷閾値を記憶
    している記憶手段と、 関節ごとに設けられ、当該関節の負荷量を検出する手段
    と、 関節ごとに設けられ、前記位置検出手段より得た位置情
    報に対応する反応負荷閾値を選択し、当該関節の負荷量
    が前記反応負荷閾値を越えたか否かを判定し、越えた場
    合に当該関節のアクチュエータに駆動命令を与える制御
    手段とを備えたことを特徴とするロボットアームの制御
    装置。
  2. 【請求項2】制御手段は、位置検出手段より与えられる
    初期のアーム先端及び作業対象の位置情報に基づいて、
    アーム先端を作業対象位置に到達させるまでの通過点を
    決定し、起動時は、設定された反応負荷閾値に基づく運
    動制御を行い、各通過点において当該通過点の位置と位
    置検出手段より与えられるアーム先端の位置とを比較
    し、偏差がある場合は、その偏差をなくするように反応
    負荷閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載さ
    れたロボットアームの制御装置。
JP10272985A 1998-09-28 1998-09-28 ロボットアームの制御装置 Pending JP2000094368A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10272985A JP2000094368A (ja) 1998-09-28 1998-09-28 ロボットアームの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10272985A JP2000094368A (ja) 1998-09-28 1998-09-28 ロボットアームの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000094368A true JP2000094368A (ja) 2000-04-04

Family

ID=17521545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10272985A Pending JP2000094368A (ja) 1998-09-28 1998-09-28 ロボットアームの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000094368A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5191738B2 (ja) * 2006-03-24 2013-05-08 パナソニック株式会社 マニピュレータの制御方法および制御システム
CN105911967B (zh) * 2016-05-16 2018-07-20 西北工业大学 一种考虑多约束的分布式多执行器控制指令分配方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5191738B2 (ja) * 2006-03-24 2013-05-08 パナソニック株式会社 マニピュレータの制御方法および制御システム
CN105911967B (zh) * 2016-05-16 2018-07-20 西北工业大学 一种考虑多约束的分布式多执行器控制指令分配方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9616564B2 (en) Event-based redundancy angle configuration for articulated-arm robots
JP7411012B2 (ja) 産業用ロボットおよびその運転方法
JP4508164B2 (ja) 多関節ロボット及びその制御プログラム
JP6312264B2 (ja) 冗長自由度を伴うロボットマニピュレータの制約
CN104608127B (zh) 对冗余的工业机器人的运动过程的编程方法和工业机器人
EP2406041B1 (en) Robot apparatus and control method therefor
JP5191738B2 (ja) マニピュレータの制御方法および制御システム
US8483877B2 (en) Workspace safe operation of a force- or impedance-controlled robot
KR101537039B1 (ko) 로봇 및 그 제어방법
US9193072B2 (en) Robot and control method thereof
US9014854B2 (en) Robot and control method thereof
JP2016028842A (ja) アクチュエータシステム
CN111712356A (zh) 机器人系统和操作方法
US8805583B2 (en) Robot and control method thereof
JP2010076058A (ja) 多関節型マニピュレータの制御装置及び多関節型マニピュレータの手先動作軌道生成方法
JP2010247309A (ja) ロボットアーム、及びその制御方法
JP2000094368A (ja) ロボットアームの制御装置
Hirzinger Robot systems completely based on sensory feedback
JP2004001101A (ja) ロボット装置に用いられる手部装置及びロボット装置
Park et al. Signal processing of direct teaching data for human-robot cooperation
JP7436241B2 (ja) ロボットシステム
JP2021121451A (ja) 教示方法およびロボットシステム
JP7327991B2 (ja) 制御方法、制御プログラム、記録媒体、ロボットシステム、物品の製造方法および入力装置
WO2023171281A1 (ja) ロボット、ロボット制御方法、及び、ロボット制御プログラム
JP2004148491A (ja) ロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法、並びにコンピュータ・プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees