JP2004001101A - ロボット装置に用いられる手部装置及びロボット装置 - Google Patents

ロボット装置に用いられる手部装置及びロボット装置 Download PDF

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Abstract

【課題】手の平に多関節で湾曲可能な指が装備されて指先動作を行なう。
【解決手段】ロボットが転倒又は仰向け、うつぶせの姿勢から起き上がる場面において、ロボットの自重を支えたり、起き上がり動作を可能にする手先・手の甲部分の体重支持構造を提供する。手先の設置箇所に、接地路面の状況をと最適な摩擦係数を持つ素材を配設して、起き上がり動作のときにさまざまな路面状況に対応できるようにする。さらに、手先の先端部に測距センサを装備することで、頭部に搭載したカメラなどの視覚認識システムだけでは感知不能な小さな障害物や路面状況などの外部環境を腕の動作で感知する。
【選択図】 図22

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の関節自由度を持つ脚式移動ロボットに係り、特に、手の甲に多関節で湾曲可能な指が装備されて指先動作を行なう脚式移動ロボット並びにロボットの手の甲構造に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、起き上がりや転倒動作時において手先で機体の体重を支持可能な脚式移動ロボット並びにロボットの手の甲構造に関する。
【0003】
【従来の技術】
電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置のことを「ロボット」という。ロボットの語源は、スラブ語の”ROBOTA(奴隷機械)”に由来すると言われている。わが国では、ロボットが普及し始めたのは1960年代末からであるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなどの産業用ロボット(industrial robot)であった。
【0004】
最近では、イヌやネコのように4足歩行の動物の身体メカニズムやその動作を模したペット型ロボット、あるいは、ヒトのような2足直立歩行を行う動物の身体メカニズムや動作をモデルにしてデザインされた「人間形」若しくは「人間型」と呼ばれるロボット(humanoid robot)など、脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている。
【0005】
ヒトの生体メカニズムや動作をエミュレートした脚式移動ロボットのことを、特に、「人間形」、若しくは「人間型」のロボット(humanoid robot)と呼ぶ。人間型ロボットは、例えば、生活支援、すなわち住環境その他の日常生活上の様々な場面における人的活動の支援などを行うことができる。
【0006】
脚式移動ロボットの用途の1つとして、産業活動・生産活動等における各種の難作業の代行が挙げられる。例えば、原子力発電プラントや火力発電プラント、石油化学プラントにおけるメンテナンス作業、製造工場における部品の搬送・組立作業、高層ビルにおける清掃、火災現場その他における救助といったような危険作業・難作業の代行などである。
【0007】
また、脚式移動ロボットの他の用途として、上述の作業支援というよりも、生活密着型、すなわち人間との「共生」あるいは「エンターティンメント」という用途が挙げられる。この種のロボットは、ヒトあるいはイヌ(ペット)、クマなどの比較的知性の高い脚式歩行動物の動作メカニズムや四肢を利用した豊かな感情表現を忠実に再現する。また、あらかじめ入力された動作パターンを単に忠実に実行するだけではなく、ユーザ(あるいは他のロボット)から受ける言葉や態度(「褒める」とか「叱る」、「叩く」など)に対して動的に対応した、生き生きとした応答表現を実現することも要求される。
【0008】
従来の玩具機械は、ユーザ操作と応答動作との関係が固定的であり、玩具の動作をユーザの好みに合わせて変更することはできない。この結果、ユーザは同じ動作しか繰り返さない玩具をやがては飽きてしまうことになる。これに対し、インテリジェントなロボットは、対話や機体動作などからなる行動を自律的に選択することから、より高度な知的レベルでリアリスティックなコミュニケーションを実現することが可能となる。この結果、ユーザはロボットに対して深い愛着や親しみを感じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
脚式移動ロボットは、胴体部分の左右に均等な可動脚が取り付けられた構造を装備し、人間の住空間で最低限の作業を行うことができる。さらに、作業空間内での物体の把持や特定の対象物の操作、あるいは上半身を用いたジェスチャやダンスなど、より高度な機能や行動を行なう。このとき、上肢の先端の手部において指先動作を備えていれば、表現力がさらに増すであろう。勿論、コップやその他の物理オブジェクトを把持したりするためにも、指先動作は必要になる。
【0010】
多関節湾曲機構は、一般に、可動軸毎にアクチュエータを配設することにより設計・製作される。このため、指のように細長く、且つ、各関節間を接続するリンクの間隔が極めて短い部位の場合には、関節機構が大型で複雑になってしまい、指らしくなくなってしまう。
【0011】
そこで、本出願人に既に譲渡されている特願2001−189764号明細書には、ロボットの指などに適用することができる多関節湾曲機構について提案されている。同明細書に記載の多関節湾曲機構は、入力側のギアと出力側のギアを含む複数個のギアを歯合させて回転可能に支持するリンクどうしを連結させて構成される。各リンクは奇数個のギアを歯合させて回転可能に支持し、入力端のギアに印加された回転方向と同じ回転方法で出力端のギアが回転するように構成されている。隣接するリンクの間では、一方のリンクにおける出力側のギアと他方のリンクにおける入力側のギアとを共有しており、該共有されたギアの回転軸は多関節湾曲機構の関節自由度を構成する。
【0012】
このような小型且つ軽量に製作することが可能な多関節湾曲機構を用いることにより、ヒューマノイドなどの脚式移動ロボットの手部に複数本(5本)の可動指を装備することができる。
【0013】
しかしながら、この種の小型部品は曲げや捻じり、衝撃荷重のような外力に対する耐久性能に欠ける。特に指は手先に配置されることから、機体の転倒・落下時などにおいて外力が印加され易く、破損したり、あるいは部品の変形などにより作動しなくなってしまうと意味がない。
【0014】
例えば、2足歩行の脚式移動ロボットがうつ伏せ状態などの床上姿勢から立ち上がろうとするとき、足底などの機体の接地点と路面の形成する支持多角形をより小さな格好にすることにより、機体を持ち上げる際の外力モーメントの発生量を低減することができ、より低トルクで起き上がり動作を行なうことができると本発明者らは思料する。このように床上姿勢においてより小さな支持多角形を形成する最良の方法は、手先を使うこと、例えば手先を床に着いて状態を起こすことである。ところが、小型部品によって構成される指先がロボットの機体全体を支えるような剛性を持つことはほとんど不可能に等しい。
【0015】
このため、手先を床面に着いて自重を支えて効率的な起き上がり動作を実現できるようにするために指動作を諦めるか、あるいは、指動作機能を装備する代わりに、高い負荷を要する手先を用いた作業を行なわないようにするか、機体設計時にいずれか一方を選択する他ない。
【0016】
また、腕を伸ばすことにより、実際の脚式移動により到達する以前に手が届く。例えば、人間は、腕を伸ばして手で触れたりすることにより、目で見ただけでは判明することができないさまざまな外部環境を取得することができる。これに対し、ロボットの多くは、腕や手は、機体動作の実現手段以外に、このような外部環境情報を取得する機能を備えておらず、その潜在的な能力や用途を充分に活用し切れていない。
【0017】
本発明は上述したような技術的課題を鑑みたものであり、その目的は、手の甲に多関節で湾曲可能な指が装備されて指先動作を行なうことができる、優れた脚式移動ロボット並びにロボットの手の甲構造を提供することにある。
【0018】
本発明のさらなる目的は、起き上がりや転倒動作時において手先で機体の体重を支持可能で、効率的な起き上がり・転倒動作を行なうことができる、優れた脚式移動ロボット並びにロボットの手の甲構造を提供することにある。
【0019】
本発明のさらなる目的は、腕や手が機体動作の実現以外に外部環境情報を取得する機能を備えた、優れた脚式移動ロボット並びにロボットの手の甲構造を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、指先動作を行なう脚式ロボットであって、
1以上の腕部と、
前記腕部の略先端に配設された手の甲形状の支持フレームと、
前記支持フレーム上に取り付けられた1以上の指とを備え、
前記の各指は伸張状態と手の平の内側に湾曲した湾曲状態を持ち、少なくとも湾曲状態では支持フレームの輪郭内に収容される、
ことを特徴とする脚式ロボットである。
【0021】
前記支持フレームは、前記脚式ロボットの自重に耐える強度並びに剛性を備えている。したがって、脚式移動ロボットが床面に手を突く又は手で機体を支える動作を実行時には、各指を手の平内側に向かって湾曲させて、手の甲すなわち支持フレームの輪郭の内側に収容する。この結果、床面に手を突く又は手で機体を支える動作においては、支持フレームによって機体の自重を支えることができ、指先を傷付けることはなくなる。
【0022】
また、前記支持フレームの略先端縁の着床部位に接地路面の状況に適応した摩擦係数を持つ路面条件適応部を配設することにより、起き上がり動作を路面条件に対して汎用性を与えることができる。
【0023】
また、前記手の甲の略先端に測距センサを備えていてもよい。この測距センサは、例えば赤外光を利用したPSD(Position Sensing Device)などの素子で構成することができる。例えば、左右の手先に搭載された測距センサの出力に3次元画像処理を行なうことによって、外部環境下の物体までの距離を測定することができる。
【0024】
手先にセンサを配置する利点として、腕が持つ自由度を用いて、外部環境を探索して障害物までの距離を取得できることが挙げられる。例えば、頭部の目(カメラ)の視野だけでは感知することが困難な、小さな障害物や路面状況などの外部環境を腕の動作で感知することができる。
【0025】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0027】
A.脚式移動ロボットの機械的構成
図1及び図2には本発明の実施に供される「人間形」又は「人間型」の脚式移動ロボット100が直立している様子を前方及び後方の各々から眺望した様子を示している。図示の通り、脚式移動ロボット100は、胴体部と、頭部と、左右の上肢部と、脚式移動を行う左右2足の下肢部とで構成され、例えば胴体に内蔵されている制御部(図示しない)により機体の動作を統括的にコントロールするようになっている。
【0028】
左右各々の下肢は、大腿部と、膝関節と、脛部と、足首と、足平とで構成され、股関節によって体幹部の略最下端にて連結されている。また、左右各々の上肢は、上腕と、肘関節と、前腕とで構成され、肩関節によって体幹部の上方の左右各側縁にて連結されている。また、頭部は、首関節によって体幹部の略最上端中央に連結されている。
【0029】
制御部は、この脚式移動ロボット100を構成する各関節アクチュエータの駆動制御や各センサ(後述)などからの外部入力を処理するコントローラ(主制御部)や、電源回路その他の周辺機器類を搭載した筐体である。制御部は、その他、遠隔操作用の通信インターフェースや通信装置を含んでいてもよい。
【0030】
このように構成された脚式移動ロボット100は、制御部による全身協調的な動作制御により、2足歩行を実現することができる。かかる2足歩行は、一般に、以下に示す各動作期間に分割される歩行周期を繰り返すことによって行われる。すなわち、
【0031】
(1)右脚を持ち上げた、左脚による単脚支持期
(2)右足が接地した両脚支持期
(3)左脚を持ち上げた、右脚による単脚支持期
(4)左足が接地した両脚支持期
【0032】
脚式移動ロボット100における歩行制御は、あらかじめ下肢の目標軌道を計画し、上記の各期間において計画軌道の修正を行うことによって実現される。すなわち、両脚支持期では、下肢軌道の修正を停止して、計画軌道に対する総修正量を用いて腰の高さを一定値で修正する。また、単脚支持期では、修正を受けた脚の足首と腰との相対位置関係を計画軌道に復帰させるように修正軌道を生成する。
【0033】
歩行動作の軌道修正を始めとして、機体の姿勢安定制御には、一般に、ZMPに対する偏差を小さくするための位置、速度、及び加速度が連続となるように、5次多項式を用いた補間計算により行う。ZMP(Zero Moment Point)を歩行の安定度判別の規範として用いている。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが路面から歩行系への反作用としての床反力並びに床反力モーメントとバランスするという「ダランベールの原理」に基づく。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形(すなわちZMP安定領域)の辺上あるいはその内側にピッチ軸及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわち「ZMP(Zero Moment Point)」が存在する。
【0034】
図3には、この脚式移動ロボット100が具備する関節自由度構成を模式的に示している。同図に示すように、脚式移動ロボット100は、2本の腕部と頭部1を含む上肢と、移動動作を実現する2本の脚部からなる下肢と、上肢と下肢とを連結する体幹部とで構成された、複数の肢を備えた構造体である。
【0035】
頭部を支持する首関節(Neck)は、首関節ヨー軸1と、第1及び第2の首関節ピッチ軸2A及び2Bと、首関節ロール軸3という4自由度を有している。
【0036】
また、各腕部は、その自由度として、肩(Shoulder)における肩関節ピッチ軸4と、肩関節ロール軸5と、上腕ヨー軸6、肘(Elbow)における肘関節ピッチ軸7と、手首(Wrist)における手首関節ヨー軸8と、手部とで構成される。手部は、複数本の指を含む多関節・多自由度構造体であるが、その詳細については後に詳解する。
【0037】
また、体幹部(Trunk)は、体幹ピッチ軸9と、体幹ロール軸10という2自由度を有する。
【0038】
また、下肢を構成する各々の脚部は、股関節(Hip)における股関節ヨー軸11と、股関節ピッチ軸12と、股関節ロール軸13と、膝(Knee)における膝関節ピッチ軸14と、足首(Ankle)における足首関節ピッチ軸15と、足首関節ロール軸16と、足部とで構成される。
【0039】
B.脚式移動ロボットの制御システム構成
図4には、脚式移動ロボット100の制御システム構成を模式的に示している。同図に示すように、脚式移動ロボット100は、ヒトの四肢を表現した各機構ユニット30,40,50R/L,60R/Lと、各機構ユニット間の協調動作を実現するための適応制御を行う制御ユニット80とで構成される(但し、R及びLの各々は、右及び左の各々を示す接尾辞である。以下同様)。
【0040】
脚式移動ロボット100全体の動作は、制御ユニット80によって統括的に制御される。制御ユニット80は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等の主要回路コンポーネント(図示しない)で構成される主制御部81と、電源回路やロボット100の各構成要素とのデータやコマンドの授受を行うインターフェース(いずれも図示しない)などを含んだ周辺回路82とで構成される。
【0041】
本発明を実現する上で、この制御ユニット80の設置場所は特に限定されない。図4では体幹部ユニット40に搭載されているが、頭部ユニット30に搭載してもよい。あるいは、脚式移動ロボット100外に制御ユニット80を配備して、脚式移動ロボット100の機体とは有線若しくは無線で交信するようにしてもよい。
【0042】
図3に示した脚式移動ロボット100内の各関節自由度は、それぞれに対応するアクチュエータによって実現される。すなわち、頭部ユニット30には、首関節ヨー軸1、第1及び第2の首関節ピッチ軸2A及び2B、首関節ロール軸3の各々を表現する首関節ヨー軸アクチュエータA、第1及び第2の首関節ピッチ軸アクチュエータA2A、A2B、首関節ロール軸アクチュエータAがそれぞれ配設されている。
【0043】
また、体幹部ユニット40には、体幹ピッチ軸9、体幹ロール軸10の各々を表現する体幹ピッチ軸アクチュエータA、体幹ロール軸アクチュエータA10が配備されている。
【0044】
また、腕部ユニット50R/Lは、上腕ユニット51R/Lと、肘関節ユニット52R/Lと、前腕ユニット53R/Lに細分化されるが、肩関節ピッチ軸4、肩関節ロール軸5、上腕ヨー軸6、肘関節ピッチ軸7、手首関節ヨー軸8の各々を表現する肩関節ピッチ軸アクチュエータA、肩関節ロール軸アクチュエータA、上腕ヨー軸アクチュエータA6、肘関節ピッチ軸アクチュエータA、手首関節ヨー軸アクチュエータAが配備されている。
【0045】
また、脚部ユニット60R/Lは、大腿部ユニット61R/Lと、膝ユニット62R/Lと、脛部ユニット63R/Lに細分化されるが、股関節ヨー軸11、股関節ピッチ軸12、股関節ロール軸13、膝関節ピッチ軸14、足首関節ピッチ軸15、足首関節ロール軸16の各々を表現する股関節ヨー軸アクチュエータA11、股関節ピッチ軸アクチュエータA12、股関節ロール軸アクチュエータA13、膝関節ピッチ軸アクチュエータA14、足首関節ピッチ軸アクチュエータA15、足首関節ロール軸アクチュエータA16が配備されている。
【0046】
各関節に用いられるアクチュエータA,A,A…は、より好ましくは、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニット内に搭載したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータ(前述)で構成することができる。
【0047】
頭部ユニット30、体幹部ユニット40、腕部ユニット50、各脚部ユニット60などの各機構ユニット毎に、アクチュエータ駆動制御用の副制御部35,45,55,65が配備されている。
【0048】
機体の体幹部40には、加速度センサ95と姿勢センサ96が配設されている。加速度センサ95は、X,Y,Z各軸方向に配置する。機体の腰部に加速度センサ95を配設することによって、質量操作量が大きな部位である腰部を制御目標点として設定して、その位置における姿勢や加速度を直接計測して、ZMPに基づく姿勢安定制御を行なうことができる。
【0049】
また、各脚部60R,Lには、接地確認センサ91及び92と、加速度センサ93,94がそれぞれ配設されている。接地確認センサ91及び92は、例えば足底に圧力センサを装着することにより構成され、床反力の有無により足底が着床したか否かを検出することができる。また、加速度センサ93,94は、少なくともX及びYの各軸方向に配置する。左右の足部に加速度センサ93,94を配設することにより、ZMP位置に最も近い足部で直接ZMP方程式を組み立てることができる。
【0050】
主制御部80は、各センサ91〜93の出力に応答して制御目標をダイナミックに補正することができる。より具体的には、副制御部35,45,55,65の各々に対して適応的な制御を行い、脚式移動ロボット100の上肢、体幹、及び下肢が協調して駆動する全身運動パターンを実現する。
【0051】
ロボット100の機体上での全身運動は、足部運動、ZMP(Zero Moment Point)軌道、体幹運動、上肢運動、腰部高さなどを設定するとともに、これらの設定内容に従った動作を指示するコマンドを各副制御部35,45,55,65に転送する。そして、各々の副制御部35,45…では、主制御部81からの受信コマンドを解釈して、各アクチュエータA,A,A…に対して駆動制御信号を出力する。ここで言う「ZMP」とは、歩行中の床反力によるモーメントがゼロとなる床面上の点のことであり、また、「ZMP軌道」とは、例えばロボット100の歩行動作期間中にZMPが動く軌跡を意味する。
【0052】
また、左右の各手先には、測距センサ97,98が装備されている。この測距センサ97,98は、例えば赤外光を利用したPSD(Position Sensing Device)などの素子で構成されており、主制御部81がこれらのセンサ出力により3次元画像処理を行なうことによって、外部環境下の物体までの距離を測定することができる。例えば、手の自由度(図3を参照のこと)を用いて、外部環境を探索して障害物までの距離を得たりすることができる。
【0053】
C.指部の構造
ロボットが可動指を装備することにより、多彩な指先動作により表現力を増したり、コップやその他の物理オブジェクトを把持したりすることが可能となる。この項では、ロボットの指先として適用することができる多関節湾曲機構について説明する。
【0054】
図5、図6、及び図7には、本発明の一実施形態に係る多関節湾曲機構が略直線状に伸展した様子をそれぞれ正面、側面、及び斜視した図を示している。同様に、図8、図9、及び図10には、この多関節湾曲機構が屈曲した様子をそれぞれ正面、側面、及び斜視した図を示している。
【0055】
各図に示すように、この多関節湾曲機構は、直列的に連結される7個のリンク111〜117と、この連結されたリンクの終端に連結された末端部118とで構成される。また、連結されたリンクの他端には、この多関節湾曲機構に対して湾曲並びに伸展するための駆動力を供給する駆動ユニット120が取り付けられている。
【0056】
各図に示すように、この多関節湾曲機構は、直列的に連結される7個のリンク111〜117と、この連結されたリンクの終端に連結された末端部118とで構成される。また、連結されたリンクの他端には、この多関節湾曲機構に対して湾曲並びに伸展するための駆動力を供給する駆動ユニット120が取り付けられている。
【0057】
駆動ユニット120は、電磁気的作用によって回転運動を生じるモータ121と、このモータ121の回転軸に一体的に取り付けられたピニオン122と、ピニオン122と歯合して回転軸を直交方向に変換するウォーム・ギア123と、ウォーム・ギア123から得られる回転力を所定の減速比で減速しながら多関節湾曲機構まで伝達する4個のギア24〜27とで構成される。
【0058】
多関節湾曲機構を構成する各リンク111〜117は、それぞれ3個若しくは奇数個のギアを回転可能に収容している。隣接する各ギアどうしは歯合している。奇数個のギアで回転力を伝達することにより、入力側のギアと出力側のギアとで回転方向を一致させることができる。また、隣接する各リンク間では、一方の入力側のギアを他方の出力側のギアとして共有することによって、この共有されるギアの回転軸回りの自由度を持つ関節を構成している。
【0059】
リンク111は、3個のギア131,132,及び133を回転可能に直列的に支持している。一端のギア131は、駆動ユニット120の出力ギア127と歯合することによって回転駆動力を入力する。ギア131の回転軸は、多関節湾曲機構の第0関節を構成する。そして、ギア131とは歯合するギア132を経て、ギア133に同じ回転方向の回転力が伝達される。
【0060】
また、リンク112は、3個のギア133,134,及び135を回転可能に直列的に支持している。一端のギア133は、隣り合うリンク111と共有されており、ギア133の回転軸は多関節湾曲機構の第1関節を構成する。そして、ギア133に印加された回転力は、ギア133とは歯合するギア134を経て、ギア135に同じ回転方向の回転力が伝達される。
【0061】
また、リンク113は、3個のギア135,136,及び137を回転可能に直列的に支持している。一端のギア135は、隣り合うリンク112と共有されており、ギア135の回転軸は多関節湾曲機構の第2関節を構成する。そして、ギア35に印加された回転力は、ギア35とは歯合するギア36を経て、ギア37に同じ回転方向の回転力が伝達される。
【0062】
また、リンク114は、3個のギア137,138,及び139を回転可能に直列的に支持している。一端のギア137は、隣り合うリンク113と共有されており、ギア137の回転軸は多関節湾曲機構の第3関節を構成する。そして、ギア137に印加された回転力は、ギア137とは歯合するギア138を経て、ギア139に同じ回転方向の回転力が伝達される。
【0063】
また、リンク115は、3個のギア139,140,及び141を回転可能に直列的に支持している。一端のギア139は、隣り合うリンク114と共有されており、ギア139の回転軸は多関節湾曲機構の第4関節を構成する。そして、ギア139に印加された回転力は、ギア139とは歯合するギア140を経て、ギア141に同じ回転方向の回転力が伝達される。
【0064】
また、リンク116は、3個のギア141,142,及び143を回転可能に直列的に支持している。一端のギア141は、隣り合うリンク115と共有されており、ギア141の回転軸は多関節湾曲機構の第5関節を構成する。そして、ギア141に印加された回転力は、ギア141とは歯合するギア142を経て、ギア143に同じ回転方向の回転力が伝達される。
【0065】
また、リンク117は、3個のギア143,144,及び145を回転可能に直列的に支持している。一端のギア143は、隣り合うリンク116と共有されており、ギア143の回転軸は多関節湾曲機構の第6関節を構成する。そして、ギア143に印加された回転力は、ギア143とは歯合するギア144を経て、ギア145に同じ回転方向の回転力が伝達される。
【0066】
リンク117の他端には、末端部118が取り付けられている。後述するように、末端部118の内壁には、終端のギア145と歯合する歯形118Aが形設されている。したがって、リンク117の出力側のギア145をこの末端部118の歯形118Aと噛み合わせて終端処理することによって、15個の各ギア131〜145に印加された回転力は、各ギア131〜145をそれぞれの回転軸131A〜145A回りに空回りさせずに、各リンク111〜117に対して回転力を付与することができる。
【0067】
なお、駆動ユニット120における出力端のギア127には、所定値以上の回転反力が印加されると回転軸が解放されるクラッチ機構が内蔵されている。したがって、多関節湾曲機構に異常な反力が印加されても、ギア127が解放されることにより、モータ121まで反力が伝達されず、機器の破壊を防止することができる。この場合、多関節湾曲機構は、ギア131の回転軸で定義される第1関節が解放された恰好となる。
【0068】
図11には、リンク111の6面図、断面図、並びに斜視図を示している。また、図12には、リンク111の部品分解図を示している。また、図13には、リンク111の組立図を示している。他のリンク112〜117については図示しないが、リンク111と略同一構造であると理解されたい。
【0069】
図11、図12、及び図13に示すように、リンク111は、略平行に上板111Aと下板111Bとが、ギア131〜133を収容するに充分な間隙を保って、壁部111C及び壁部111Dによって支持されている。
【0070】
上板111Aと下板111Bには、各ギア131〜133の回転軸131A,132A,133Aを挿通させるための3個の開口111E,111F,111G並びに111E’,111F’,111G’がそれぞれ対向して穿設されている。
【0071】
各ギア131〜133は、上板111Aと下板111Bの間に直列的に配置され、且つ、それぞれの回転軸131A,132A,133Aを貫挿させることによって、隣接するギアどうしが歯合するような状態で、リンク111の上板111A及び下板111Bの間に形成された空間内に収容されている。
【0072】
入力側のギア131に付与された回転は、これに隣接するギア132に反対方向の回転として伝達される。さらに、ギア132に隣接する出力側のギア133には、その反対方向すなわち元の回転方向と同じ向きの回転として伝達され、これが後続のリンク112側に出力される。1つのリンク111内に収容されるギアの個数は3個には限定されないが、奇数個であれば、入力側と同じ回転方向で出力することができる。
【0073】
上板111Aと下板111Bには、略中央に上板111A及び下板111Bそれぞれの肉厚程度の厚みを持つ段差部111A’並びに111B’が形設されており、リンク111は、入力側半分に比し出力側の方の幅が狭くなるように構成されている。したがって、リンク111に隣接するリンク112の入力側の上板112Aと下板112Bの間隙に、リンク111の出力側の上板111Aと下板111Bを挿入することによって(図14並びに図15を参照のこと)、隣り合うリンク111及びリンク112を連結させることができる。
【0074】
壁部111Cは、上板111A及び下板111Bのフットプリントから突出している。壁部111Cの左右の各端縁は、隣り合うリンクと連結させて、これら連結されたリンクを真直ぐに伸ばしたときには、他方のリンク側の壁部の端縁と当接して、それ以上関節が曲がらないようにするストッパとして機能することができる(後述)。
【0075】
図14〜図16には、リンク116を隣接するリンク117と連結させた様子を図解している。但し、図14には、リンク116及びリンク117が真直ぐに伸びた状態を示しており、また、図15には、リンク117がリンク116に対して回転している様子を示している。また、図16には、リンク117がリンク116に対してさらに回転している様子を示している。
【0076】
図14〜図16に示すように、リンク116の出力側の開口116G,116G’とリンク112の入力側の開口117E,117E’が一致するようにして、隣接するリンク111とリンク112が連結される。このような状態では、リンク116の出力側のギア143並びにその回転軸143Aを、リンク115の入力側のギア及び回転軸として共有することができる。このとき、回転軸143Aは、多関節湾曲機構の第6関節を構成する。
【0077】
図14〜図16に示すような隣接するリンクどうしの組み立て方法は、他の隣接するリンク111及び111間、リンク112及び113間、リンク113及び114間、リンク114及び115間、並びにリンク115及び116間においても、同様に当てはまる。
【0078】
図14に示すように、隣り合うリンク116及びリンク117が長手方向に真直ぐ伸びている状態で、リンク116の入力側のギア141に、時計回りの回転を付与する。すると、その隣のギア142には反時計回りの回転として伝達され、さらに、出力側のギア143にはさらに反対方向すなわち時計回りの回転として伝達される。ギア143は、リンク117の入力側のギアとして共有され、また、その回転軸143Aは多関節湾曲機構の第6関節を構成する。したがって、ギア141の時計回りの回転により、第6関節には紙面上で時計回りの回転力が印加され、これに追従して、図14に示すようにリンク117は、回転軸143Aを中心として時計回りに回転する。
【0079】
また、このような回転は、そもそも第1関節、第2関節、第3関節…から同様に順次伝達されてきて、多関節湾曲機構全体としては、図8〜図10に示すような湾曲した状態に変化することになる。また、図16に示すようにギア141をさらに時計回りに回転させることにより、リンク117は、回転軸143Aを中心として時計方向への回転をさらに続ける。
【0080】
また、図14に示すように、隣り合うリンク116及びリンク117が長手方向に真直ぐ伸びている状態では、リンク116側の壁部116Cの右端縁は、リンク117側の壁部117Cの左端縁と当接しており、第6関節における可動角を規制している。このため、リンク117が第1関節すなわち回転軸143A回りにこれ以上は反時計方向に回転して、多関節湾曲機構が真直ぐよりも反時計回りに湾曲していくことを防止することができる。
【0081】
これまで、リンクの構造、並びに、リンクが隣接するリンクと連結する構造について説明してきた。本実施形態に係る多関節湾曲機構は、同じ構成の7個のリンク111〜117を同様に連結することで、細長状の湾曲構造を形成することができる。そして、既に述べたように、この多関節湾曲機構の先端には、末端部118が取り付けられている。
【0082】
図17には、末端部118の6面図、断面図、並びに斜視図を示している。図16中の断面図に示すように、末端部118の内壁には、終端のギア145と歯合する歯形118Aが形設されている。
【0083】
リンク117の出力側のギア145をこの末端部118の歯形118Aと噛み合わせることによって、ギア145を終端処理することができる。前述した図13〜図15には、末端部118をリンク117の先端に取り付けて終端処理した様子を併せて示している。
【0084】
このようなギアの終端処理を施すことにより、15個の各ギア131〜145に印加された回転力は、各ギア131〜145をそれぞれの回転軸131A〜145A回りに空回りさせずに、各リンク111〜117に対して回転力を付与することができる。この結果、モータ121の回転力がピニオン122、ウォーム・ギア123、並びに、ギア124〜127を経て多関節湾曲機構に伝達されると、各ギア131〜145が空転することなく、図7〜図9に示すように多関節湾曲機構を正しく湾曲させることができる。
【0085】
D.手の甲構造
B項で示したような多関節湾曲機構をロボットの指部に適用することにより、多彩な指先動作により表現力を増したり、コップやその他の物理オブジェクトを把持したりすることが可能となる。
【0086】
しかしながら、この種の小型部品は曲げや捻じり、衝撃荷重のような外力に対する耐久性能に欠ける。特に指は手先に配置されることから外力が印加され易く、簡単に破損したり、あるいは部品の変形などにより作動しなくなってしまう。
【0087】
そこで、本実施形態では、指の関節可動部分に動きを制限しない相対関係で、緩衝部材を介して指部を手の甲に取り付けることにより、指部における曲げや捻じり、衝撃荷重のような外力に対する耐久性能の向上を図っている。
【0088】
図18には、上述した5本の多関節湾曲機構をそれぞれ親指、人差し指、中指、薬指、並びに小指として適用して、手の甲を構成した例を示している。
【0089】
同図に示すように、手部150は、手の甲を構成する支持フレーム151に、親指、人差し指、中指、薬指、並びに小指をそれぞれ構成する5本の多関節湾曲機構152〜156が、板ばね状の緩衝部162〜166を介して取り付けられている。
【0090】
但し、人差し指、中指、薬指、並びに小指は、フレーム151の手の平側を湾曲方向とし、また親指はその他の指側を湾曲方向とするように取り付けられている。また、親指、人差し指、中指、薬指、並びに小指それぞれの目的や機能、実際の人の手と比較考量して、各多関節湾曲機構152〜156の、長さや太さの比率を決定することが好ましい。
【0091】
各多関節湾曲機構152〜156はそれぞれ、3個のリンクと1個の末端部とで構成され、3個の関節を備えている。第1関節までを構成する根元のリンクは、機能並びに手の甲の構造上、残りのリンクよりも寸法が長いことが好ましい。このような場合、リンク内に収容するギアの個数を3個から5個に拡張することによって、同じ太さで長い寸法をとることができる。
【0092】
図18に示すように、上述した多関節湾曲機構を用いて手部の指を構成した場合、各指毎に1つの駆動アクチュエータを配備すればよい。すなわち、指の各関節軸毎にアクチュエータを配設する必要がないので、通常の指のように細長く、且つ、各関節間を接続するリンクの間隔が極めて短い部位を、小型のままで設計・製作することができる。
【0093】
図19には、支持フレーム151に板ばね163を介して人差し指53を取り付ける様子を図解している。
【0094】
板ばね163は、薄板を屈曲させた断面略L字形状の弾性体であり、支持フレーム151に螺着される第1の取り付け面163Aと、多関節湾曲機構153に螺着される第2の取り付け面163Bからなる。
【0095】
図20には、板ばね163を多関節湾曲機構153に取り付けた様子を示している。同図に示すように、板ばね163を第2の取り付け面で多関節湾曲機構153に螺着した場合、第1の取り付け面163Aと多関節湾曲機構153の対向面との間には間隙が形成される。この間隙は、第1の取り付け面163Aにとって、弾性変形が可能な空間となる。
【0096】
したがって、この多関節湾曲機構153を支持フレーム151に取り付けた状態で、多関節湾曲機構153に対して曲げや捻じり、衝撃荷重のような外力が印加された場合、板ばね163の第1の取り付け面163Aが変形することにより外力が吸収される。すなわち、多関節湾曲機構153は、支持フレーム151の剛性により外力を直接受容することがなくなるので、指としての耐久性能が向上する。
【0097】
また、多関節湾曲機構153には、所定値以上の回転反力が印加されると回転軸が解放されるクラッチ機構が内蔵されている(前述)。したがって、多関節湾曲機構に異常な反力が印加されても、ギアが解放されることにより、指駆動用モータまで反力が伝達されないので、多関節湾曲機構153の破壊を防止することができる。
【0098】
E.手の甲ガード
図1〜図2に示すような脚式移動ロボット100の場合、歩行やその他の脚式作業の途中で、姿勢の安定性を失ってしまい、転倒すなわち床面への落下という事態を避けることは不可能に近い。また、一旦転倒してしまった場合やその他の床上姿勢から脚式作業へ復帰するために起き上がり動作が必要である。
【0099】
前者の転倒時においては、床面との衝突時における衝撃分散のために、手を突くという動作が積極的に利用される。また、後者の起き上がり動作時(特にうつぶせ姿勢からの起き上がり時)においては、より多くの関節角の駆動を利用してアクチュエータの負荷分散を図るために、手で機体を支えるという動作が積極的に利用される。
【0100】
図21には、脚式移動ロボット100が床面に手を突く又は手で機体を支える動作を示している。
【0101】
このように手を突く又は手で機体を支えるという姿勢において、D項で説明したような指先152〜156が床面に直接触れていると、機体の荷重を支えることができず、これら指先152〜156が破損してしまうとともに、床面に手を突く又は手で機体を支えるという動作自体が実現不可能となる。
【0102】
本実施形態においては、5本の多関節湾曲機構をそれぞれ適用して構成された親指、人差し指、中指、薬指、並びに小指を、マグネシウム合金を一体成形した支持フレーム(ブラケット)51に取り付けている。この支持フレーム151は、機体の自重を支えるだけの充分な強度と剛性を備えている。
【0103】
したがって、図21に示したように脚式移動ロボット100が床面に手を突く又は手で機体を支える動作を実行時には、図22に示すように各指を手の平内側に向かって湾曲させて、手の甲すなわち支持フレーム151の輪郭の内側に収容する。この結果、床面に手を突く又は手で機体を支える動作においては、支持フレーム151によって機体の自重を支えることができ、指先を傷付けることはなくなる。
【0104】
また、支持フレーム151の先端には、接地路面の状況に適応した摩擦係数を持つ素材からなるガード材を貼設することによって、起き上がり動作を路面条件に対して汎用性を与えることができる。
【0105】
F.手先を利用した障害物探索
本実施形態に係る脚式移動ロボット100が、左右の各手先に測距センサ97,98を搭載しているということは既に述べた通りである。
【0106】
この測距センサ97,98は、例えば赤外光を利用したPSD(Position Sensing Device)などの素子で構成されており、外部環境下の物体までの距離を測定することができる。手先にセンサを配置する利点として、腕が持つ自由度(図3を参照のこと)を用いて、外部環境を探索して障害物までの距離を取得できることが挙げられる。例えば、頭部の目(カメラ)の視野だけでは感知することが困難な、小さな障害物や路面状況などの外部環境を腕の動作で感知することができる。
【0107】
図22に示すように、手の甲は、PC製の保護カバー171で内部が覆い隠されている。手の甲の先端部には、ABS製の透明材質の窓部172が配設されている。
【0108】
図23には、保護カバー171及び窓部172を取り外した状態の手部の構造を示している。同図に示すように、PSDなどの測距センサ97又は98が、受光部及び発光部を手先に向けた姿勢で支持フレーム151上に搭載されている。
【0109】
主制御部81がこれらのセンサ出力により3次元画像処理を行なうことによって、外部環境下の物体までの距離を測定することができる。例えば、手の自由度を用いて、外部環境を探索して障害物までの距離を得たりすることができる。
【0110】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0111】
本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と称される製品には限定されない。すなわち、電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行う機械装置であるならば、例えば玩具等のような他の産業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用することができる。
【0112】
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0113】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、手の甲に多関節で湾曲可能な指が装備されて指先動作を行なうことができる、優れた脚式移動ロボット並びにロボットの手の甲構造を提供することができる。
【0114】
また、本発明によれば、起き上がりや転倒動作時において手先で機体の体重を支持可能で、効率的な起き上がり・転倒動作を行なうことができる、優れた脚式移動ロボット並びにロボットの手の甲構造を提供することができる。
【0115】
また、本発明によれば、腕や手が機体動作の実現以外に外部環境情報を取得する機能を備えた、優れた脚式移動ロボット並びにロボットの手の甲構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直立している様子を前方から眺望した様子を示した図である。
【図2】本発明の実施に供される脚式移動ロボットが直立している様子を後方から眺望した様子を示した図である。
【図3】脚式移動ロボットが具備する関節自由度構成を模式的に示した図である。
【図4】脚式移動ロボット100の制御システム構成を模式的に示した図である。
【図5】多関節湾曲機構が略直線状に伸展した様子を示した正面図である。
【図6】多関節湾曲機構が略直線状に伸展した様子を示した側面図である。
【図7】多関節湾曲機構が略直線状に伸展した様子を示した斜視図である。
【図8】多関節湾曲機構が屈曲した様子を示した正面図である。
【図9】多関節湾曲機構が屈曲した様子を示した側面図である。
【図10】多関節湾曲機構1が屈曲した様子を示した斜視図である。
【図11】リンク111の6面図、断面図、並びに斜視図を示した図である。
【図12】リンク111の部品分解図である。
【図13】リンク111の組立図である。
【図14】リンク116を隣接するリンク117と連結させた様子を示した図である。
【図15】リンク116を隣接するリンク117と連結させた様子を示した図である。
【図16】リンク116を隣接するリンク117と連結させた様子を示した図である。
【図17】末端部118の6面図、断面図、並びに斜視図を示した図である。
【図18】5本の多関節湾曲機構をそれぞれ親指、人差し指、中指、薬指、並びに小指として適用して、手の甲を構成した例を示した図である。
【図19】支持フレーム151に人差し指53を取り付ける様子を示した図である。
【図20】板ばね63を多関節湾曲機構53に取り付けた様子を示した図である。
【図21】脚式移動ロボット100が床面に手を突く又は手で機体を支える動作を示した図である。
【図22】各指を手の平内側に向かって湾曲させて、支持フレーム151の持つ手の甲の輪郭の内側に収容している様子を示した図である。
【図23】保護カバー171及び窓部172を取り外した状態の手部の構造を示した図である。
【符号の説明】
1…首関節ヨー軸
2A…第1の首関節ピッチ軸
2B…第2の首関節(頭)ピッチ軸
3…首関節ロール軸
4…肩関節ピッチ軸
5…肩関節ロール軸
6…上腕ヨー軸
7…肘関節ピッチ軸
8…手首関節ヨー軸
9…体幹ピッチ軸
10…体幹ロール軸
11…股関節ヨー軸
12…股関節ピッチ軸
13…股関節ロール軸
14…膝関節ピッチ軸
15…足首関節ピッチ軸
16…足首関節ロール軸
30…頭部ユニット,40…体幹部ユニット
50…腕部ユニット,51…上腕ユニット
52…肘関節ユニット,53…前腕ユニット
60…脚部ユニット,61…大腿部ユニット
62…膝関節ユニット,63…脛部ユニット
80…制御ユニット,81…主制御部
82…周辺回路
91,92…接地確認センサ
93,94…加速度センサ
95…姿勢センサ
96…加速度センサ
97,98…測距センサ
100…脚式移動ロボット
111〜117…リンク
118…末端部
120…駆動ユニット
121…モータ
122…ピニオン
123…ウォーム・ギア
124〜127…減速ギア
131〜145…ギア
150…手の甲
151…支持フレーム
152〜156…指
162〜166…緩衝部
171…保護カバー
172…窓部

Claims (10)

  1. 指先動作を行なう脚式ロボットであって、
    1以上の腕部と、
    前記腕部の略先端に配設された手の甲形状の支持フレームと、
    前記支持フレーム上に取り付けられた1以上の指とを備え、
    前記の各指は伸張状態と手の平の内側に湾曲した湾曲状態を持ち、少なくとも湾曲状態では支持フレームの輪郭内に収容される、
    ことを特徴とする脚式ロボット。
  2. 前記支持フレームは、前記脚式ロボットの自重に耐える強度並びに剛性を持つ、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  3. 機体の転倒及び/又は起き上がりの動作を制御する動作制御部をさらに備え、
    機体の転倒及び/又は起き上がりの動作は、各指の湾曲状態において支持フレームからなる手先を床面に着く姿勢を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  4. 前記支持フレームの略先端縁の着床部位に接地路面の状況に適応した摩擦係数を持つ路面条件適応部が配設されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  5. 前記手の甲の略先端に測距センサを備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  6. 前記測距センサにより外部環境を感知するための腕の動作を制御する探索動作制御部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脚式移動ロボット。
  7. 指先動作を行なうロボットの手の甲構造であって、
    手の甲形状の支持フレームと、
    前記支持フレーム上に取り付けられた1以上の指とを備え、
    前記の各指は伸張状態と手の平の内側に湾曲した湾曲状態を持ち、少なくとも湾曲状態では支持フレームの輪郭内に収容される、
    を具備することを特徴とするロボットの手の甲構造。
  8. 前記支持フレームは、前記ロボットの自重に耐える強度並びに剛性を持つ、
    を特徴とする請求項7に記載のロボットの手の甲構造。
  9. 前記支持フレームの略先端縁の着床部位に接地路面の状況に適応した摩擦係数を持つ路面条件適応部が配設されている、
    ことを特徴とする請求項7に記載のロボットの手の甲構造。
  10. 前記手の甲の略先端に測距センサを備える、
    ことを特徴とする請求項7に記載のロボットの手の甲構造。
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