JP7435161B2 - 金属複合焼結体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属複合焼結体の製造方法に関する。
従来、複数の金属射出成形体を組み立てて成る複合焼結体が知られていた。例えば、特許文献1には、溶剤にて脱脂処理された複数の金属射出成形体を、接着した後に焼結処理を施して接合する金属複合焼結体の製造方法が開示されている。
特開2010-236042号公報
しかしながら、特許文献1に記載の金属複合焼結体の製造方法では、加工性が低下し易く、金属複合焼結体の品質を向上させることが難しいという課題があった。詳しくは、複合成形体を組み立てる前段階で、金属射出成形体に溶剤による脱脂処理を施している。該脱脂処理によってバインダーが除去あるいは減量されるため、金属射出成形体が脆くなり易く、取り扱いが難しくなって加工性が低下する場合があった。また、金属射出成形体が脆くなると、破損が生じ易くなり品質の低下を招く可能性があった。すなわち、加工性に優れ安定した品質が得られる金属複合焼結体の製造方法が求められていた。
金属複合焼結体の製造方法は、金属粉末とバインダーとの混錬物から、第1成形体および第2成形体を射出成形する成形工程と、前記第1成形体と前記第2成形体とを、溶媒脱脂処理を行わずに嵌合させて複合体とする組立工程と、前記複合体に対して、加熱脱脂処理および焼結処理を施す加熱工程と、を備え、前記第1成形体および前記第2成形体は、前記第1成形体の内部に前記第2成形体が没入して互いに嵌合する嵌合部を有し、前記第1成形体の嵌合部および前記第2成形体の嵌合部のうち少なくとも一方は、テーパー形状を有し、前記組立工程において、前記第2成形体が没入される前記第1成形体の前記嵌合部の直径を距離L1とし、前記没入する前記第2成形体の前記嵌合部の直径を距離L2としたときに、前記第1成形体の嵌合部と前記第2成形体の嵌合部とが嵌合するときの最大噛み合い{(L2-L1)/2}は、0.002mm以上0.010mm以下であり、前記混錬物における前記バインダーの含有量は、前記混錬物の総量に対して、2質量%以上20質量%以下であることを特徴とする。
実施形態に係る金属複合焼結体の構成を示す模式断面図。 金属複合焼結体の製造方法を示す工程フロー図。 第1成形体の構成を示す模式断面図。 第2成形体の構成を示す模式断面図。
以下の各図において、必要に応じて相互に直交する座標軸としてXYZ軸を付し、各矢印が指す方向を+方向とし、+方向と反対の方向を-方向とする。なお、+Z方向を上方、-Z方向を下方ということもあり、+Z方向または-Z方向から見ることを平面視あるいは平面的という。また、以下の各図においては、図示の便宜上、各部材の尺度を実際とは異ならせている。
実施形態
1.金属複合焼結体の構成
本実施形態では、第1成形体および第2成形体の2つの部材から成る金属複合焼結体1を例示する。なお、本発明の金属複合焼結体は2つの部材から成ることに限定されず、3つ以上の部材から成るものであってもよい。また、本発明の金属複合焼結体の形状は、以下に例示する形状に限定されるものではない。以下、実施形態に係る金属複合焼結体1の構成について図1を参照して説明する。
図1に示すように、金属複合焼結体1は、第1成形体10と第2成形体20とが組み合わされて成る。第1成形体10は、平面的に略円形の円筒状であって、下方、上方および側面などに開口部を有する。第2成形体20は、下方が平坦に、上方が+Z方向からの平面視にて円形に形成されている。第2成形体20の上方は、第1成形体10の円筒状の内部に下方から没入している。
第2成形体20の上方が第1成形体10の内部に没入して、第1成形体10の略円筒状の内側、すなわち内面と、第2成形体20の上方の側面とが接する。第1成形体10と第2成形体20とが接する領域において、第1成形体10側が嵌合部13であり、第2成形体20側が嵌合部23である、嵌合部13は、第1成形体10の内面の一部である。嵌合部23は、第2成形体20の側面の一部である。すなわち、第1成形体10の嵌合部13と第2成形体20の嵌合部23とは互いに嵌合する。
第1成形体10の嵌合部13は、側面に設けられた開口部を除き、Z軸に沿う円筒の中心軸に対して回転対象な形状を有する。また、第2成形体20の嵌合部23は、同じくZ軸に沿う中心軸に対して回転対象な立体の側面の一部が切り取られた形状を有する。そのため、第1成形体10と第2成形体20とは、ぞれぞれの中心軸が一致するように嵌合する。
第1成形体10および第2成形体20はそれぞれ金属粉末を含む。詳細は後述するが、第1成形体10および第2成形体20は、金属複合焼結体1の部材として、金属粉末の射出成形によって個別に作製された後に組み立てられる。
2.金属複合焼結体の製造方法
本実施形態に係る金属複合焼結体1の製造方法について、図2、図3および図4を参照して説明する。ここで、図3および図4は、第1成形体10および第2成形体20が組み立てられる前の部材単体の状態を示す。また、図3および図4では、上述した第1成形体10および第2成形体20の回転中心軸を含み、XZ平面に沿う断面を示している。
図2に示すように、金属複合焼結体1の製造方法は、工程S1から工程S3を備える。なお、図2に示した工程フローは一例であって、これに限定されるものではない。
工程S1は成形工程である。工程S1では、金属粉末とバインダーとの混錬物から、第1成形体10および第2成形体20を射出成形する。射出成形の方法には金属射出成形(MIM:Metal Injection Mold)を採用することが好ましい。金属射出成形によれば、比較的小型の部材や、複雑で微細な形状を有する部材を成形することが可能となる。
金属粉末は、後述する焼結処理によって焼結され得るものであって、金属射出成形に採用可能な公知の形成材料であれば特に限定されない。このような形成材料としては、例えば、Fe、Ni、Co、Cr、Mn、Zn、Pt、Au、Ag、Cu、Pd、Al、W、Ti、V、Mo、Nb、Zr、Pr、Nd、およびSmなどの単体、またはこれらのうちの1種類以上を主成分とする合金が挙げられる。
Fe系の合金としては、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、析出硬化系ステンレス鋼などのステンレス鋼、低炭素鋼、炭素鋼、耐熱鋼、ダイス鋼、高速度工具鋼、Fe-Ni合金、およびFe-Ni-Co合金などが挙げられる。
Ni系合金としては、例えば、Ni-Cr-Fe系合金、Ni-Cr-Mo系合金、およびNi-Fe系合金などが挙げられる。
Co系合金としては、例えば、Co-Cr系合金、Co-Cr-Mo系合金、およびCo-Al-W系合金などが挙げられる。
Ti系合金としては、例えば、TiとAl、V、Nb、Zr、Ta、およびMoなどの金属元素との合金が挙げられ、具体的には、Ti-6Al-4VおよびTi-6Al-7Nbなどが挙げられる。
金属粉末としては、単一の形成材料を単体で用いてもよく、異なる形成材料が含まれる2種類以上を混合して用いてもよい。
金属粉末の製造には、還元法、カルボニル法、および粉砕法などを採用してもよいが、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、高速回転水流アトマイズ法のようなアトマイズ法を採用することが好ましい。これによれば、平均粒子径が比較的に小さな金属粉末を、製造コストを抑えて製造することができる。金属粉末には、前処理として、加熱処理、プラズマ処理、オゾン処理、還元処理などを施してもよい。
金属粉末の平均粒子径は、特に限定されず、混錬物を作製する際の流動性、射出成形時の成形性、および金属複合焼結体1の寸法安定性などに応じて適宜選択される。具体的には、例えば3μm以上30μm以下とする。なお、本明細書における平均粒子径とは、体積基準粒度分布(50%)を指していう。平均粒子径は、JIS Z8825に記載の動的光散乱法やレーザー回折光法で測定される。具体的には、例えば動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計が採用可能である。
混錬物における金属粉末の含有量は、特に限定されず、混錬物を作製する際の流動性、および金属複合焼結体1の機械的強度や寸法安定性などに応じて適宜選択される。具体的には、例えば混錬物の総量に対して、80質量%以上98質量%以下であり、好ましくは85質量%以上96質量%以下である。
バインダーとしては、金属粉末と化学反応しなければ特に限定されない。具体的には、例えばシリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂などの各種樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステルやワックスエステル、長鎖脂肪酸アミド、およびパラフィンなどの有機材料が挙げられる。バインダーには、加熱脱脂の容易さなどの製造工程における各種要求に応じて、これらのうちの1種類以上を採用する。
混錬物におけるバインダーの含有量は、混錬物の総量に対して、2質量%以上20質量%以下であり、好ましくは4質量%以上15質量%以下である。これによれば、後述する加熱脱脂処理までの第1成形体10および第2成形体20の機械的強度が確保される。また、バインダーの含有量が過剰でないことから、加熱脱脂処理におけるバインダーの除去が容易になる。
混錬物は、金属粉末およびバインダーの他に、焼結助剤、セラミックス粉末、ガラス粉末などの無機粉末、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、脱脂促進剤、および界面活性剤などの各種添加剤を含んでもよい。
混錬物は、上述の金属粉末およびバインダーなどを予めドライブレンドしてから、ニーダーなどの混錬機にて混錬して作製される。混錬機における混錬条件は、特に限定されないが、例えば混錬温度を50℃以上200℃以下とし、混錬時間を15分間以上3.5時間以下とする。次いで、混錬物を造粒してペレットに加工する。混錬物からペレットへの加工には、ペレタイザーなどの公知の装置が採用可能である。
次に、金属射出成形にて上記ペレットから第1成形体10および第2成形体20を作製する。金属射出成形には公知の金属射出成形機が採用可能である。第1成形体10および第2成形体20の形状に対応した成形金型を使用する。
金属射出成形における成形条件は、特に限定されず、金属粉末やバインダーの種類や含有量などに応じて適宜変更が可能である。具体的には、例えば、材料温度を80℃以上200℃以下とし、射出圧力を20kgf/cm2以上1500kgf/cm2以下とする。
ここで、金属射出成形にて作製された第1成形体10および第2成形体20の詳細な形状について説明する。
嵌合部13を含む、第1成形体10の内面にはテーパーが設けられる。具体的には、図3に示すように、嵌合部13は、勾配角θ1で下方が広くなるテーパー面に配置される。第1成形体10を下方から平面視した場合に、嵌合部13の下端は円となる。ここで該円の直径を距離L1とする。
嵌合部23を含む、第2成形体20の側面にもテーパーが設けられる。具体的には、図4に示すように、嵌合部23は、勾配角θ2で上方が細くなるテーパー面に配置される。第2成形体20を上方から平面視した場合に、嵌合部23の下端は円となる。ここで該円の直径を距離L2とする。
距離L2は距離L1より大きい。後段の工程S2において、嵌合部13と嵌合部23とが嵌合するときの最大噛み合い{(L2-L1)/2}は、0.002mm以上0.010mm以下である。
第1成形体10の嵌合部13に対する第2成形体20の嵌合部23における勾配角の差(θ2-θ1)は、0.5°以上5.0°以下であり、好ましくは1.0°以上3.0°以下である。これによれば、工程S2において、第1成形体10と第2成形体20とをより着実に組み立てることができる。
ここで、本実施形態では、嵌合部13および嵌合部23が共にテーパー形状を有する形態を例示したが、これに限定されない。嵌合部13,23のうちの少なくとも一方がテーパー形状を有していればよい。
また、嵌合部13,23には、後段の工程S2における嵌合時のずれを防ぐための位置決め部をそれぞれ設けてもよい。位置決め部の例としてはDカットが挙げられる。具体的には、嵌合部23にDカットを設け、該Dカットと対応する平面部を嵌合部13に設ける。なお、位置決め部の形状は上記に限定されない。位置決め部によれば、工程S2において、第1成形体10と第2成形体20との位置決めが容易になると共に、第1成形体10と第2成形体20とをずれ難くすることができる。第1成形体10および第2成形体20を個別に作製した後、工程S2へ進む。
工程S2は組立工程である。工程S2では、第1成形体10と第2成形体20とを、溶媒脱脂処理を行わずに複合体とする。第1成形体10と第2成形体20とは、脱脂処理を施されずに複合体に組み立てられるため、脱脂処理されてから組み立てられる場合と比べて、強度が高く取り扱いが容易になる。また、組みたてられた複合体も、後段の工程S3における加熱脱脂処理が施されるまでは、同様にして強度が維持されて取り扱いが容易になる。
第1成形体10および第2成形体20は、上述した特徴を有することから、当工程S2における組み立ての作業性が良好となることに加え、第1成形体10と第2成形体20とが、緩過ぎず且つきつ過ぎず適度に嵌合する。そして工程S3へ進む。
工程S3は加熱工程である。工程S3では複合体に対して、まず加熱脱脂処理を施す。加熱脱脂処理は、加熱によって、複合体に含まれるバインダーを除去または削減する。加熱脱脂処理は、有機溶剤などによる溶媒脱脂処理と比べて、使用した溶媒の廃液処理が不要などの点で簡便である。
加熱脱脂処理によって複合体中のバインダーが揮散する。加熱脱脂処理が終了した時点で、バインダーの一部が複合体中に残留していてもよい。このような残留分は、続いて実施される焼結処理における、より高温の加熱によって除去される。
加熱脱脂処理は、複合体に対して、400℃以上550℃以下の加熱を、30分間以上6時間以下の範囲で施す。加熱温度は430℃以上520℃以下であることが好ましく、加熱時間は1時間以上4時間以下であることが好ましい。これによれば、第1成形体10および第2成形体20に含まれるバインダーを効率よく除去または低減することができる。
加熱脱脂処理の雰囲気は、特に限定されないが、窒素ガスおよびアルゴンガスなどを含む不活性ガス雰囲気、任意のガスを減圧した減圧雰囲気などが挙げられる。これらのうち、減圧雰囲気であることが好ましい。これによれば、複合体に含まれる金属粉末の酸化が抑えられる。
次に、加熱脱脂処理の後に焼結処理を施す。加熱脱脂処理された複合体は、焼結処理によって金属複合焼結体1となる。詳しくは、複合体中の金属粉末が、拡散、粒成長して結晶粒となり、全体として高密度で低空孔率の金属複合焼結体1が得られる。このとき、嵌合部13,23を含む、第1成形体10と第2成形体20とが接していた領域において、上述の拡散、粒成長が進行するため、第1成形体10と第2成形体20とが拡散接合によって一体化される。
焼結処理は、複合体に対して、900℃以上1500℃以下の加熱を、30分間以上8時間以下の範囲で施す。加熱温度は950℃以上1450℃以下であることが好ましく、加熱時間は1時間以上5時間以下であることが好ましい。これによれば、第1成形体10と第2成形体20とにおいて、焼結による拡散接合が促進される。そのため、第1成形体10と第2成形体20とを、脱離などの発生を抑えて強固に一体化させることができる。
焼結処理の雰囲気は、特に限定されないが、酸素ガスおよび空気などを含む酸化性ガス雰囲気、水素ガスおよびアンモニア分解ガスなどを含む還元性ガス雰囲気、窒素ガスおよびアルゴンガスなどを含む不活性ガス雰囲気、任意のガスを減圧した減圧雰囲気などが挙げられる。これらのうち、還元性ガス雰囲気または不活性ガス雰囲気であることが好ましく、減圧雰囲気であることがより好ましい。これによれば、複合体に含まれる金属粉末の酸化が抑えられる。
具体的な焼結処理の雰囲気としては、1.3×10-3Paから1.3Paの減圧雰囲気、1.3×102Paから1.0×104Paの窒素ガス雰囲気やアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気、1.3×104Paから1.0×106Paの水素ガス雰囲気などが挙げられる。
焼結処理の雰囲気は、処理の途中で変化してもよく、例えば、1.3×10-4Paから1.0×104Paの減圧雰囲気とした後に、上記の不活性ガス雰囲気に切り替えてもよい。
焼結処理は、2段階以上の段階的処理としてもよい。例えば、処理条件の異なる1次処理と2次処理とを組み合わせて行ってもよい。この場合、2次処理の加熱温度を、1次処理の加熱温度より高くする。また、加熱脱脂処理と焼結処理とは、個別に実施してもよく、連続的に実施してもよい。以上の製造工程を経て、金属複合焼結体1が製造される。
本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
金属複合焼結体1において、加工性を向上させると共に品質を安定化させることができる。詳しくは、溶媒脱脂処理を行わずに第1成形体10と第2成形体20とを組み立てるため、バインダーが除去されずに強度が維持されて取り扱いが容易になる。そして、組立工程である工程S2の後に加熱脱脂処理および焼結処理が施されることから、破損などの発生が抑えられる。
嵌合部13,23のテーパー形状、および嵌合部13,23の最大噛み合いが所定の範囲にあることから、第1成形体10と第2成形体20とが、緩過ぎず且つきつ過ぎず適度に嵌合する。そのため、第1成形体10と第2成形体20とが着実に組み立てられると共に、嵌合による割れなどの破損の発生が抑えられる。以上から、加工性に優れ安定した品質が得られる金属複合焼結体1を提供することができる。
1…金属複合焼結体、10…第1成形体、13,23…嵌合部、20…第2成形体、θ1,θ2…勾配角。

Claims (5)

  1. 金属粉末とバインダーとの混錬物から、第1成形体および第2成形体を射出成形する成形工程と、
    前記第1成形体と前記第2成形体とを、溶媒脱脂処理を行わずに嵌合させて複合体とする組立工程と、
    前記複合体に対して、加熱脱脂処理および焼結処理を施す加熱工程と、を備え、
    前記第1成形体および前記第2成形体は、前記第1成形体の内部に前記第2成形体が没入して互いに嵌合する嵌合部を有し、
    前記第1成形体の嵌合部および前記第2成形体の嵌合部のうち少なくとも一方は、テーパー形状を有し、
    前記組立工程において、前記第2成形体が没入される前記第1成形体の前記嵌合部の直径を距離L1とし、前記没入する前記第2成形体の前記嵌合部の直径を距離L2としたときに、前記第1成形体の嵌合部と前記第2成形体の嵌合部とが嵌合するときの最大噛み合い{(L2-L1)/2}は、0.002mm以上0.010mm以下であり、
    前記混錬物における前記バインダーの含有量は、前記混錬物の総量に対して、2質量%以上20質量%以下であることを特徴とする金属複合焼結体の製造方法。
  2. 前記第1成形体の嵌合部に対する前記第2成形体の嵌合部における勾配角の差は、0.5°以上5.0°以下である、請求項1に記載の金属複合焼結体の製造方法。
  3. 前記第1成形体の嵌合部および前記第2成形体の嵌合部には、前記組立工程における嵌合時のずれを防ぐ位置決め部が夫々設けられる、請求項1または請求項2に記載の金属複 合焼結体の製造方法。
  4. 前記加熱脱脂処理は、400℃以上550℃以下の加熱を、30分間以上6時間以下の範囲で施す、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の金属複合焼結体の製造方法。
  5. 前記焼結処理は、900℃以上1500℃以下の加熱を、30分間以上8時間以下の範囲で施す、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金属複合焼結体の製造方法。
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