以下の説明においては、各図に適宜示すZ軸と平行な方向を上下方向とする。Z軸の正の側を上側とし、Z軸の負の側を下側とする。各図に適宜示す仮想軸である中心軸J1は、Z軸方向、すなわち上下方向と平行な方向に延びている。以下の説明においては、中心軸J1の軸方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼ぶ。また、特に断りのない限り、中心軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸J1を中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
本実施形態において、軸方向は、所定方向に相当する。また、上側は、所定方向の一方側に相当し、下側は、所定方向の他方側に相当する。なお、上下方向、上側、および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図1に示す本実施形態の電動アクチュエータ10は、車両に取り付けられる。より詳細には、電動アクチュエータ10は、例えば、車両の運転者のシフト操作に基づいて駆動されるパーク・バイ・ワイヤ方式のアクチュエータ装置に搭載される。電動アクチュエータ10は、モータ部40と、減速機構50と、出力部60と、ハウジング11と、バスバーユニット90と、回路基板70と、モータ部センサ71と、磁気センサ72と、仕切部材80と、を備える。
モータ部40の中心軸は、中心軸J1である。モータ部40は、モータシャフト41と、第1ベアリング44aと、第2ベアリング44bと、第3ベアリング44cと、第4ベアリング44dと、ロータ本体42と、ステータ43と、モータ部用センサマグネット45と、保持部材46と、を有する。モータシャフト41は、軸方向に延びている。
本実施形態において、第1ベアリング44a、第2ベアリング44b、第3ベアリング44c、および第4ベアリング44dは、例えば、ボールベアリングである。第1ベアリング44aと第2ベアリング44bと第3ベアリング44cと第4ベアリング44dとは、モータシャフト41に固定されている。第1ベアリング44aと第2ベアリング44bとは、モータシャフト41を中心軸J1回りに回転可能に支持している。
モータシャフト41は、中心軸J1に対して偏心した偏心軸J2を中心とする偏心軸部41aを有する。本実施形態において偏心軸部41aは、モータシャフト41の下側部分の一部である。偏心軸部41aには、第3ベアリング44cが固定されている。偏心軸J2は、中心軸J1と平行である。偏心軸部41aは、偏心軸J2を中心として延びる円柱状である。モータシャフト41のうち偏心軸部41a以外の部分は、中心軸J1を中心として延びる円柱状である。
ロータ本体42は、モータシャフト41に固定されている。ロータ本体42は、モータシャフト41に固定されたロータコアと、ロータコアの外周部に固定されたロータマグネットと、を有する。
ステータ43は、ロータ本体42の径方向外側に隙間を介して配置されている。ステータ43は、ロータ本体42の径方向外側を囲む環状である。ステータ43は、例えば、ステータコア43aと、インシュレータ43bと、複数のコイル43cと、を有する。各々のコイル43cは、インシュレータ43bを介してステータコア43aのティースに装着されている。
保持部材46は、中心軸J1を中心とする円環状である。保持部材46は、モータシャフト41の上側の端部における外周面に固定されている。本実施形態において保持部材46は、モータシャフト41の上端部に締め込まれたナット48によって、モータシャフト41に固定されている。
モータ部用センサマグネット45は、中心軸J1を中心とする円環板状である。モータ部用センサマグネット45の板面は、例えば、軸方向と直交している。モータ部用センサマグネット45は、保持部材46の上面のうち径方向外周縁部に固定されている。これにより、モータ部用センサマグネット45は、保持部材46を介してモータシャフト41に取り付けられている。本実施形態において、モータ部用センサマグネット45は、回路基板70の下側の面と隙間を介して軸方向に対向している。
減速機構50は、モータ部40に連結されている。本実施形態において減速機構50は、モータシャフト41の下側に連結されている。減速機構50は、ロータ本体42およびステータ43の下側に配置されている。減速機構50とステータ43との軸方向の間には、仕切部材80が配置されている。減速機構50は、外歯ギア51と、内歯ギア52と、出力ギア53と、複数の突出部54と、を有する。なお、減速機構50は、モータシャフト41の上側に連結されてもよい。
外歯ギア51は、偏心軸部41aの偏心軸J2を中心として、偏心軸J2の径方向に広がる円環板状である。外歯ギア51の径方向外側面には、歯車部が設けられている。外歯ギア51の歯車部は、外歯ギア51の外周に沿って並ぶ複数の歯部を有する。
外歯ギア51は、モータシャフト41に連結されている。より詳細には、外歯ギア51は、モータシャフト41の偏心軸部41aに第3ベアリング44cを介して連結されている。これにより、モータシャフト41は、減速機構50に連結されている。外歯ギア51は、第3ベアリング44cの外輪に径方向外側から嵌め合わされている。これにより、第3ベアリング44cは、モータシャフト41と外歯ギア51とを、偏心軸J2回りに相対的に回転可能に連結している。
本実施形態において外歯ギア51は、複数の穴部51aを有する。本実施形態において穴部51aは、外歯ギア51を軸方向に貫通している。複数の穴部51aは、周方向に沿って配置されている。より詳細には、複数の穴部51aは、偏心軸J2を中心とする周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。穴部51aは、軸方向に見て円形状である。穴部51aは、内径が突出部54の外径よりも大きい。なお、穴部51aは、底部を有する穴であってもよい。
内歯ギア52は、外歯ギア51の径方向外側に位置し、外歯ギア51を囲む環状である。本実施形態において内歯ギア52は、中心軸J1を中心とする円環状である。内歯ギア52は、ハウジング11に固定されている。内歯ギア52は、外歯ギア51と噛み合っている。内歯ギア52の径方向内側面には、歯車部が設けられている。内歯ギア52の歯車部は、内歯ギア52の内周に沿って並ぶ複数の歯部を有する。本実施形態において内歯ギア52の歯車部は、周方向の一部のみにおいて外歯ギア51の歯車部と噛み合っている。
出力ギア53は、外歯ギア51および内歯ギア52の上側に配置されている。すなわち、出力ギア53は、軸方向に見て外歯ギア51と重なって配置されている。出力ギア53は、モータシャフト41に第4ベアリング44dを介して接続されている。図示は省略するが、出力ギア53は、例えば、軸方向に見て、中心軸J1を中心とする円環状である。出力ギア53の径方向外側面には、歯車部が設けられている。出力ギア53の歯車部は、出力ギア53の外周に沿って並ぶ複数の歯部を有する。
出力ギア53の内周縁部は、第4ベアリング44dの外輪に取り付けられた止め輪49の下側に対向して配置されている。止め輪49は、第4ベアリング44dよりも径方向外側に突出している。止め輪49によって、出力ギア53が第4ベアリング44dに対して上側に移動することが抑制されている。
複数の突出部54は、出力ギア53から外歯ギア51に向かって軸方向に突出している。複数の突出部54は、出力ギア53の下面から下側に突出する円柱状である。本実施形態において複数の突出部54は、出力ギア53と一体成形されている。複数の突出部54は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。
突出部54の外径は、穴部51aの内径よりも小さい。複数の突出部54は、複数の穴部51aのそれぞれに上側から挿入されている。突出部54の外周面は、穴部51aの内側面と内接している。複数の突出部54は、穴部51aの内側面を介して、外歯ギア51を中心軸J1回りに揺動可能に支持している。上述したように、本実施形態において出力ギア53は止め輪49によって上側への移動が抑制されているため、出力ギア53に設けられた突出部54が穴部51aから上側に抜け出ることが抑制されている。
出力部60は、電動アクチュエータ10の駆動力を出力する部分である。出力部60は、モータ部40の径方向外側に配置されている。出力部60は、出力シャフト61と、駆動ギア62と、マグネット63と、マグネットホルダ64と、を有する。すなわち、電動アクチュエータ10は、出力シャフト61と、駆動ギア62と、マグネット63と、マグネットホルダ64と、を備える。
出力シャフト61は、モータシャフト41の軸方向に延びる筒状である。このように、出力シャフト61がモータシャフト41と同じ方向に延びているため、モータシャフト41の回転を出力シャフト61に伝達する減速機構50の構造を簡単化できる。出力シャフト61は、減速機構50を介してモータシャフト41に連結されている。本実施形態において出力シャフト61は、出力中心軸J3を中心とする円筒状である。
出力中心軸J3は、中心軸J1と平行であり、中心軸J1から径方向に離れて配置されている。すなわち、モータシャフト41と出力シャフト61とは、軸方向と直交する方向に互いに離れて配置されている。そのため、モータシャフト41と出力シャフト61とが軸方向に並んで配置される場合に比べて、電動アクチュエータ10を軸方向に小型化できる。図1において出力中心軸J3は、例えば、中心軸J1の右側に位置する。なお、出力中心軸J3を中心とする径方向を「出力径方向」と呼ぶ。出力径方向は、出力シャフト61の径方向である。
出力シャフト61は、モータシャフト41の径方向においてロータ本体42と重なる位置に配置されている。図1から図4に示すように、出力シャフト61は、本体部61aと、取付部61cと、を有する。本体部61aは、上側に頂壁部61jを有し、下側に開口する筒状である。本体部61aは、例えば、出力中心軸J3を中心とする円筒状である。本体部61aの下側部分には、本体部61aの外周面から径方向外側に広がるシャフトフランジ部61bが設けられている。
取付部61cは、本体部61aの上側に段差を介して繋がっている。取付部61cの外径は、本体部61aの外径よりも小さい。図4に示すように、取付部61cは、頂壁部61jから上側に突出している。取付部61cは、例えば、出力中心軸J3を中心とする円柱状である。取付部61cの軸方向の寸法は、本体部61aの軸方向の寸法よりも小さい。図1に示すように、本実施形態において取付部61cは、第2ベアリング44bの径方向外側に位置する。図3および図4に示すように、取付部61cは、取付部本体61dと、突出部61eと、を有する。取付部本体61dは、出力中心軸J3を中心として軸方向に延びる円柱状である。
突出部61eは、取付部本体61dの外周面から、出力径方向の外側に突出している。突出部61eは、出力中心軸J3を囲む円環状である。突出部61eは、本体部61aの上側の端部よりも上側に離れて配置されている。図4に示すように、突出部61eの上側の面は、出力中心軸J3を中心とするテーパ面61gである。テーパ面61gは、出力径方向の外側に向かうに従って下側に位置する。テーパ面61gにおいて取付部61cの外径は、上側から下側に向かうに従って大きくなっている。突出部61eの下側の面は、軸方向と直交する平坦面61hである。平坦面61hは、出力中心軸J3を中心とする円環状の面である。平坦面61hは、頂壁部61jの上面の上側に隙間を空けて対向している。
突出部61eが設けられることで、取付部61cの下端部には、出力径方向の内側に窪む溝61iが設けられている。溝61iは、出力中心軸J3を中心とする円環状の溝である。溝61iの溝底面は、取付部本体61dのうち突出部61eよりも上側に位置する部分の外周面よりも、出力径方向の内側に位置する。
図3に示すように、突出部61eは、第1位置決め溝61fを有する。第1位置決め溝61fは、突出部61eの外周面に設けられている。第1位置決め溝61fは、突出部61eを軸方向に貫通している。第1位置決め溝61fは、軸方向に見て、出力径方向の内側に凹となる半円弧状である。
出力シャフト61の上側の端部は、回路基板70よりも下側に位置する。出力シャフト61は、出力シャフト61の上側の端部に設けられた工具連結穴66を有する。本実施形態において工具連結穴66は、取付部61cに設けられている。工具連結穴66は、出力シャフト61の上側の端面から下方に窪む。工具連結穴66は、下側に底部を有する穴である。工具連結穴66は、上側に開口している。
本実施形態において工具連結穴66は、軸方向に見て多角形状の穴である。工具連結穴66は、例えば、軸方向に見て正六角形状の穴である。図4に示すように、工具連結穴66は、工具Wが挿入されて連結される穴である。工具Wは、例えば、六角レンチである。工具連結穴66は、軸方向に見て回路基板70の外側に位置する。「工具連結穴66が軸方向に見て回路基板70の外側に位置する」とは、工具連結穴66が、軸方向に見て、回路基板70と重なっていなければよい。工具連結穴66の下側の端部は、頂壁部61jよりも上側に位置する。
出力シャフト61は、工具連結穴66よりも下側に被駆動体連結部67を有する。被駆動体連結部67は、被駆動体DSが下側から連結される部分である。本実施形態において被駆動体連結部67は、出力シャフト61の下側から上側に窪む穴である。被駆動体連結部67は、例えば、出力中心軸J3を中心とし、下側に開口する円形状の穴である。被駆動体連結部67は、上側に底部を有する穴である。
本実施形態において被駆動体連結部67は、本体部61aによって構成されている。すなわち、被駆動体連結部67の内部は、本体部61aの内部である。被駆動体連結部67の上側の底部は、本体部61aの頂壁部61jによって構成されている。図1に示すように、被駆動体連結部67は、内周面に、複数のスプライン溝67aを有する。被駆動体連結部67の内周面は、本体部61aの内周面である。
被駆動体DSは、軸方向に延びるシャフトである。被駆動体連結部67には、下側から被駆動体DSが挿入されて連結される。より詳細には、被駆動体DSの外周面に設けられたスプライン部が、被駆動体連結部67の内周面に設けられたスプライン溝67aに嵌め合わされることで、被駆動体連結部67に被駆動体DSが連結される。これにより、出力シャフト61と被駆動体DSとが連結される。被駆動体連結部67に連結されることで、被駆動体DSには、出力シャフト61の回転が伝達される。これにより、被駆動体DSには、出力シャフト61を介して電動アクチュエータ10の駆動力が伝達される。このようにして、電動アクチュエータ10は、被駆動体DSを出力中心軸J3回りに回転させる。
駆動ギア62は、出力シャフト61に固定され出力ギア53と噛み合っている。本実施形態において駆動ギア62は、出力シャフト61の外周面に固定されている。駆動ギア62は、出力シャフト61から出力ギア53に向かって延びている。駆動ギア62は、先端部に出力ギア53の歯車部と噛み合う歯車部を有する。
マグネットホルダ64は、軸方向両側に開口する筒状である。マグネットホルダ64は、例えば、出力中心軸J3を中心として軸方向に延びる円筒状である。マグネットホルダ64は、出力シャフト61の上部に固定されている。本実施形態においてマグネットホルダ64は、モータ部40の第2ベアリング44bの径方向外側に配置されている。
図3および図4に示すように、マグネットホルダ64は、大径部64aと、小径部64bと、を有する。大径部64aは、マグネットホルダ64の下側部分である。大径部64aの外径は、本体部61aの外径以下である。そのため、マグネットホルダ64が出力シャフト61に対して出力径方向の外側に出っ張ることがない。これにより、マグネットホルダ64が他の部品と干渉しにくくできる。大径部64aの外径は、例えば、本体部61aの上側部分の外径と同じである。
小径部64bは、マグネットホルダ64の上側部分である。小径部64bは、大径部64aの上側に段差を介して繋がっている。小径部64bの外径は、大径部64aの外径よりも小さい。図4に示すように、小径部64bの内径は、大径部64aの内径よりも小さい。
小径部64bは、小径部64bの外周面に設けられた収容凹部64cを有する。図3に示すように、本実施形態において収容凹部64cは、小径部64bの外周面の全周に亘って設けられた環状の溝である。収容凹部64cは、例えば、出力中心軸J3を中心とする円環状である。収容凹部64cの上側の縁部は、小径部64bの上側の端部よりも下側に離れた位置に位置する。収容凹部64cの下側に縁部は、小径部64bの下側の端部に位置する。図4に示すように、収容凹部64cには、マグネットホルダ64とマグネット63とを固定する接着剤68が収容されている。
図2および図4に示すように、マグネットホルダ64は、出力シャフト61に嵌め合わされている。本実施形態においてマグネットホルダ64は、出力シャフト61の上側の端部に嵌め合わされている。すなわち、本実施形態においてマグネットホルダ64は、取付部61cに嵌め合わされている。マグネットホルダ64は、例えば、圧入により取付部61cに固定されている。図4に示すように、大径部64aの内側に、突出部61eが圧入されている。これにより、マグネットホルダ64は、出力シャフト61に固定されている。
マグネットホルダ64を出力シャフト61に固定する作業者等は、マグネットホルダ64を出力シャフト61に上側から近づけて、大径部64aの内側に取付部61cの上端部を挿入する。そして、作業者等は、マグネットホルダ64を下側に押して、突出部61eを大径部64aの内側に圧入する。ここで、突出部61eの上側の面は、下側に向かうに従って外径が大きくなるテーパ面61gである。そのため、マグネットホルダ64をテーパ面61gに沿って下側に移動させやすい。これにより、マグネットホルダ64を出力シャフト61に対して圧入して固定しやすい。
また、突出部61eの下側の面は、軸方向と直交する平坦面61hである。そのため、例えば、圧入により突出部61eの外周面が僅かにでも大径部64aの内周面に食い込むような場合、平坦面61hは、大径部64aの内周面に対して上側から引っ掛かる。これにより、マグネットホルダ64が出力シャフト61に対して上側に抜けることを抑制できる。なお、マグネットホルダ64は、圧入に加えて接着剤によって出力シャフト61に固定されてもよいし、圧入されずに接着剤によって出力シャフト61に固定されてもよい。
なお、本明細書において「作業者等」とは、各作業を行う作業者および組立装置等を含む。各作業は、作業者のみによって行われてもよいし、組立装置のみによって行われてもよいし、作業者と組立装置とによって行われてもよい。
マグネットホルダ64の下側の端部は、本体部61aの上側の面に接触している。これにより、マグネットホルダ64は、本体部61aによって下側から支持されている。本実施形態においてマグネットホルダ64の下側の端部は、大径部64aの下側の端部である。すなわち、本体部61aは、大径部64aを下側から支持している。本体部61aの上側の面は、頂壁部61jの上側の面であり、かつ、本体部61aと取付部61cとの間の段差における上側を向く段差面である。
マグネットホルダ64の上側の端部は、取付部61cの上側の端部よりも上側に位置する。すなわち、出力シャフト61の上側の端部は、マグネットホルダ64の上側の端部よりも下側に位置する。これにより、工具連結穴66の上側の開口部は、マグネットホルダ64の上側の開口部よりも下側に位置する。マグネットホルダ64の上側の端部は、回路基板70よりも下側に位置する。マグネットホルダ64の一部は、回路基板70の下側に位置する。すなわち、マグネットホルダ64は、軸方向に見て、回路基板70と部分的に重なっている。
図3に示すように、マグネットホルダ64は、マグネットホルダ64の内周面に設けられた第2位置決め溝64eを有する。第2位置決め溝64eは、マグネットホルダ64の内周面の上端部から下端部まで延びている。第2位置決め溝64eは、例えば、軸方向に見て、出力径方向の外側に凹となる半円弧状である。第2位置決め溝64eは、第1位置決め溝61fと対向して配置されている。第1位置決め溝61fの内部と第2位置決め溝64eの内部とは、互いに繋がり、円形状の穴を構成している。この穴にピン等を挿し込むことにより、マグネットホルダ64と出力シャフト61とを、出力中心軸J3回りの周方向に位置決めできる。
マグネットホルダ64は、マグネットホルダ64の外周面に設けられた第3位置決め溝64dを有する。本実施形態において第3位置決め溝64dは、小径部64bの外周面に設けられている。第3位置決め溝64dは、小径部64bの外周面の上端部から下端部まで延びている。第3位置決め溝64dは、例えば、軸方向に見て、出力径方向の内側に凹となる半円弧状である。第3位置決め溝64dは、第2位置決め溝64eとの間で出力中心軸J3を挟む位置に設けられている。
マグネット63は、小径部64bに外側から嵌め合わされた環状である。マグネット63は、例えば、出力中心軸J3を中心とする円環状である。図4に示すように、マグネット63の内周面は、小径部64bの外周面と接触している。マグネット63の内周面は、収容凹部64cの開口を塞いでいる。マグネット63は、マグネットホルダ64に接着剤68で固定されている。出力シャフト61にマグネットホルダ64が固定されることで、マグネット63は、マグネットホルダ64を介して出力シャフト61に固定されている。
マグネット63の下側の端部は、大径部64aの上側の面と接触している。これにより、大径部64aは、マグネット63を下側から支持している。マグネット63の外径は、大径部64aの外径よりも大きい。すなわち、マグネット63の外周面は、出力シャフト61の径方向において大径部64aの外周面よりも外側に位置する。マグネット63の一部は、回路基板70の下側の面と隙間を介して対向している。マグネット63の軸方向の寸法は、例えば、小径部64bの軸方向の寸法と同じである。マグネット63の上側の端面は、例えば、小径部64bの上側の端面と軸方向において同じ位置に位置する。
図3に示すように、マグネット63は、マグネット63の内周面に設けられた第4位置決め溝63aを有する。第4位置決め溝63aは、マグネット63の内周面の上端部から下端部まで延びている。第4位置決め溝63aは、例えば、軸方向に見て、出力径方向の外側に凹となる半円弧状である。第4位置決め溝63aは、第3位置決め溝64dと対向して配置されている。図2に示すように、第3位置決め溝64dの内部と第4位置決め溝63aの内部とは、互いに繋がり、円形状の穴を構成している。この穴にピン等を挿し込むことにより、マグネットホルダ64とマグネット63とを、出力中心軸J3回りの周方向に位置決めできる。
マグネット63を固定する際、作業者等は、未硬化の接着剤68をマグネット63の内周面、または小径部64bの外周面に塗布する。そして、作業者等は、マグネット63を小径部64bに上側から近づけ、マグネット63を小径部64bに嵌め合わせ、かつ、マグネット63の下端部を大径部64aの上端部に突き当てる。このとき、塗布された接着剤68は、マグネット63と大径部64aとの軸方向の隙間から出力径方向の外側に漏れ出る場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、マグネット63の外周面は、出力シャフト61の径方向において大径部64aの外周面よりも外側に位置する。そのため、接着剤68が出力径方向の外側に漏れ出ても、硬化した接着剤68がマグネット63よりも出力径方向の外側に出っ張ることを抑制できる。これにより、漏れ出た接着剤68が他の部品と接触することを抑制できる。したがって、マグネット63を固定する硬化した接着剤68が剥がれ落ちることを抑制できる。そのため、硬化した接着剤68が電動アクチュエータ10内部の電子部品等に付着することを抑制できる。
また、図4に示すように、マグネット63と大径部64aとの軸方向の間から漏れ出た接着剤68は、マグネット63の下側の面と大径部64aの外周面とに接触した状態となりやすい。そのため、接着剤68による接着面積を大きくしやすく、マグネットホルダ64とマグネット63とをより強固に固定できる。また、マグネットホルダ64よりも出力径方向の外側に突出した部分に対して下側から上側に力を加えることで、マグネット63の接着強度について容易に試験を行うこともできる。
また、本実施形態によれば、小径部64bの外周面には、接着剤68が収容される収容凹部64cが設けられている。そのため、接着剤68による接着面積をより大きくできる。これにより、マグネットホルダ64とマグネット63とをより強固に固定できる。また、接着剤68の一部が収容凹部64cに収容されるため、マグネット63と大径部64aとの軸方向の間から接着剤68が漏れにくくできる。また、大径部64aの上端面ではなく、小径部64bの外周面に収容凹部64cを設けることで、大径部64aの上端面のうちマグネット63を下側から支持する部分の面積が低減することを抑制できる。そのため、マグネット63を大径部64aによって下側から安定して支持することができる。また、大径部64aの上端面よりも、小径部64bの外周面の方が加工しやすく、収容凹部64cを作りやすい。
本実施形態のようにマグネット63の外周面が大径部64aの外周面よりも出力径方向の外側に位置する場合、大径部64aの上端面の面積が小さくなりやすい。そのため、マグネット63を下側から支持する部分の面積が低減することを抑制できる効果は、マグネット63の外周面が大径部64aの外周面よりも出力径方向の外側に位置する場合に特に有用である。
また、本実施形態によれば、収容凹部64cは、小径部64bの外周面の全周に亘って設けられた環状の溝である。そのため、小径部64bの全周において、接着剤68による接着面積を大きくでき、マグネットホルダ64にマグネット63をより強固に固定できる。また、マグネット63と大径部64aとの軸方向の間から接着剤68が漏れ出ることを全周において抑制できる。
モータシャフト41が中心軸J1回りに回転されると、偏心軸部41aは、中心軸J1を中心として周方向に公転する。偏心軸部41aの公転は第3ベアリング44cを介して外歯ギア51に伝達され、外歯ギア51は、穴部51aの内周面と突出部54の外周面との内接する位置が変化しつつ、揺動する。これにより、外歯ギア51の歯車部と内歯ギア52の歯車部との噛み合う位置が、周方向に変化する。したがって、内歯ギア52に、外歯ギア51を介してモータシャフト41の回転力が伝達される。
ここで、本実施形態では、内歯ギア52はハウジング11に固定されているため回転しない。そのため、内歯ギア52に伝達される回転力の反力によって、外歯ギア51が偏心軸J2回りに回転する。このとき外歯ギア51の回転する向きは、モータシャフト41の回転する向きと反対向きとなる。外歯ギア51の偏心軸J2回りの回転は、穴部51aと突出部54とを介して、出力ギア53に伝達される。これにより、出力ギア53が中心軸J1回りに回転する。出力ギア53には、モータシャフト41の回転が減速されて伝達される。
出力ギア53が回転すると、出力ギア53に噛み合う駆動ギア62が出力中心軸J3回りに回転する。これにより、駆動ギア62に固定された出力シャフト61が出力中心軸J3回りに回転する。このようにして、出力シャフト61には、減速機構50を介してモータ部40の回転が伝達される。このような減速機構50の構成によれば、モータシャフト41の回転に対して、出力シャフト61の回転を比較的大きく減速できる。そのため、出力シャフト61の回転トルクを比較的大きくできる。したがって、電動アクチュエータ10を小型化しつつ、電動アクチュエータ10の出力を確保しやすい。本実施形態の電動アクチュエータ10において出力シャフト61は、1周しない範囲内で双方向に回転させられる。
図1に示すように、ハウジング11は、モータ部40、減速機構50、出力シャフト61を含む出力部60、回路基板70、およびバスバーユニット90を収容している。ハウジング11は、上側に開口するハウジング本体12と、ハウジング本体12の上側の開口部12aに固定された第1蓋部13と、ハウジング本体12の下側の開口部12bに固定された第2蓋部14と、を有する。
本実施形態においてハウジング本体12は、金属製である。図示は省略するが、ハウジング本体12は、例えば、軸方向に見て、多角形状である。ハウジング本体12は、電動アクチュエータ10の筐体を構成する角筒状の外壁部30と、外壁部30の下側の端部から径方向内側に広がる底壁部31と、底壁部31に設けられたモータケース部32および出力シャフト保持部33と、を有する。
図示は省略するが、本実施形態において外壁部30は、軸方向に見て五角形の角筒状である。外壁部30は、モータケース部32を径方向外側から囲む。外壁部30の上側の開口部が、ハウジング本体12の上側の開口部12aである。底壁部31は、下側に開口する開口部を有する。底壁部31の開口部の周縁に、底壁部31から下側に突出する筒状の筒状壁38が設けられている。筒状壁38に囲まれた開口部が、ハウジング本体12の下側の開口部12bである。
モータケース部32および出力シャフト保持部33は、底壁部31の上面に設けられている。モータケース部32は、モータ部40を径方向外側から囲む筒状である。本実施形態においてモータケース部32は、中心軸J1を中心とし、下側に開口する円筒状である。モータケース部32は、モータ部40を内側に保持している。より詳細には、モータケース部32の内周面に、モータ部40のステータ43が固定されている。モータケース部32は、底壁部31から上側に延びる筒状部32bと、筒状部32bの上側の端部から径方向内側に広がる円環板状の区画壁32aと、を有する。
区画壁32aは、軸方向に見た中央に、ベアリング保持部32cを有する。ベアリング保持部32cは、軸方向に沿って延びる円筒状である。ベアリング保持部32cの内周面に、第2ベアリング44bが保持されている。区画壁32aがベアリングホルダを兼ねることにより、電動アクチュエータ10が軸方向に大型化することを抑制できる。
出力シャフト保持部33は、出力中心軸J3を中心とする円筒状である。出力シャフト保持部33は、底壁部31よりも下側に突出している。出力シャフト保持部33の側面の一部は、モータケース部32の側面に繋がっている。出力シャフト保持部33は、出力シャフト保持部33を軸方向に貫通する孔部33aを有する。孔部33aの内側には、円筒状のブッシュ65が嵌め合わされている。
ブッシュ65は、下側の端部に出力中心軸J3を中心とする径方向の外側に突出するフランジ部を有する。ブッシュ65のフランジ部は、駆動ギア62の上面によって下側から支持されている。ブッシュ65の内側には、出力シャフト61が嵌め合わされている。ブッシュ65は、出力シャフト61を出力中心軸J3回りに回転可能に支持している。
第1蓋部13は、下側に開口する凹部13bを有する容器状の部材である。本実施形態において第1蓋部13は、金属製である。第1蓋部13とハウジング本体12とは、第1蓋部13を軸方向に貫通する複数のボルトにより締結されている。図示は省略するが、凹部13bには、回路基板70の上面に実装された電子部品が収容されている。凹部13bには、例えば、回路基板70に実装されたキャパシタ、トランジスタなどが収容されている。本実施形態において第1蓋部13は、出力シャフト61を所定方向の一方側から覆う蓋部に相当する。第1蓋部13は、出力シャフト61を上側から覆っている。
第1蓋部13は、出力シャフト61の上側に位置する貫通孔13cを有する。貫通孔13cは、軸方向に見て工具連結穴66と重なっている。貫通孔13cには、取り外し可能な栓部材15が取り付けられている。栓部材15は、例えば外周面に設けられた雄ネジ部が貫通孔13cの内周面に設けられた雌ネジ部に締め込まれることで、貫通孔13cに着脱可能に取り付けられている。これにより、貫通孔13cは、着脱可能に取り付けられた栓部材15によって開放可能に閉塞されている。したがって、電動アクチュエータ10の内部に貫通孔13cから異物が侵入することを抑制できる。
一方、図4に示すように、栓部材15を取り外すことにより、貫通孔13cを介して、電動アクチュエータ10の外部から工具連結穴66に工具Wを挿入することが可能となる。これにより、工具Wを出力シャフト61に連結することができる。工具Wが出力シャフト61に連結された状態において、工具Wを出力中心軸J3回りに回転させることで、出力シャフト61を回転させることが可能である。
このように、本実施形態によれば、出力シャフト61を手動等で回転させるための工具を連結する部分が、工具を挿し込む穴となっている。そのため、出力シャフト61を手動等で回転させるための工具としてソケットレンチを用いる必要がない。これにより、出力シャフト61のうち工具連結穴66が設けられた部分の周囲にソケットレンチが入る空間を空けておく必要がない。したがって、回路基板70を、軸方向に見て工具連結穴66の外側となる範囲内、すなわち工具連結穴66を上から覆わない範囲内で、出力シャフト61に近づけて配置することもできる。また、ソケットレンチが入る空間を確保するために回路基板70に切り欠き等を設ける必要もない。以上により、本実施形態によれば、回路基板70の形状および配置の自由度を向上できる。
なお、本明細書において「手動等」とは、人力の場合と、電動アクチュエータ10とは別の装置による動力である場合と、を含む。すなわち、工具連結穴66に連結された工具Wは、人力で回転させられてもよいし、他の装置によって回転させられてもよい。
また、本実施形態によれば、出力シャフト61のうち上側の端部は、回路基板70よりも下側に位置する。そのため、回路基板70の一部を、工具連結穴66を覆わない範囲で、出力シャフト61の上側に配置することができる。したがって、回路基板70の形状および配置の自由度をより向上できる。
また、本実施形態によれば、出力シャフト61のうち上側の端部は、マグネットホルダ64のうち上側の端部よりも下側に位置する。そのため、図4に示すように、工具連結穴66に上側から工具Wを挿し込む際に、マグネットホルダ64の上端部における内縁部によって、工具Wを工具連結穴66へと導きやすい。これにより、工具Wを工具連結穴66に挿し込みやすく、工具Wを出力シャフト61に連結しやすい。また、例えば工具Wがずれて工具連結穴66に挿入されない場合であっても、ずれた工具Wをマグネットホルダ64の上端部における内縁部によって受けることができる。そのため、工具Wが出力シャフト61の上端部からずれ落ちることを抑制できる。これにより、工具Wが電動アクチュエータ10の内部に深く挿し込まれること等を抑制できる。したがって、工具Wが電動アクチュエータ10の内部を傷つけることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、工具連結穴66は、軸方向に見て多角形状の穴である。そのため、多角柱状のレンチを工具Wとして用いることで、出力シャフト61を手動等で容易に回転させることができる。
図1に示すように、第2蓋部14は、減速機構50を下側から覆っている。本実施形態において第2蓋部14は、金属製である。第2蓋部14は、例えば、ダイカストによって成形されている。第2蓋部14は、保持筒部14aと、底壁部14fと、円筒部14bと、フランジ部14cと、を有する。すなわち、ハウジング11は、保持筒部14aと、底壁部14fと、円筒部14bと、フランジ部14cと、を有する。
保持筒部14aは、中心軸J1を中心とする円筒状である。保持筒部14aは、上側に開口し、下側に底部14dを有する。保持筒部14aは、円筒部14bよりも内径が小さく、円筒部14bよりも下側に位置する。保持筒部14aの径方向内側には、第1ベアリング44aが保持されている。第1ベアリング44aと底部14dとの軸方向の間には、予圧部材47が配置されている。予圧部材47は、例えば、周方向に沿って延びる円環状のウェーブワッシャである。予圧部材47は、底部14dの上側の面と第1ベアリング44aの外輪の下側の端部とに接触している。予圧部材47は、第1ベアリング44aの外輪に対して上向きの予圧を加えている。
底壁部14fは、保持筒部14aの上側の端部から径方向外側に広がっている。底壁部14fは、中心軸J1を中心とする円環状である。円筒部14bは、底壁部14fの外周縁部から上側に延びている。円筒部14bは、保持筒部14aよりも径方向外側に位置する。円筒部14bは、中心軸J1を中心とする円筒状である。円筒部14bは、上側に開口している。円筒部14bの内部には、内歯ギア52が嵌め合わされている。本実施形態において円筒部14bの内部には、内歯ギア52が圧入されている。
フランジ部14cは、第2蓋部14の上端部に設けられている。フランジ部14cは、径方向外側に広がっている。フランジ部14cの上面は、筒状壁38の下端面と接触している。フランジ部14cは、例えば、筒状壁38とネジで固定されている。これにより、第2蓋部14がハウジング本体12に固定されている。
第2蓋部14は、出力部60と軸方向に重なる開口部14eを有する。出力シャフト61の下側の端部は、第2蓋部14の開口部14eを通じて下側に露出している。第2蓋部14は、シャフトフランジ部61bを下側から支持している。
バスバーユニット90は、区画壁32aの上面に配置されている。バスバーユニット90は、円環板状のバスバーホルダ91と、バスバーホルダ91に保持された複数のバスバー92と、を有する。バスバー92は、例えば、6本設けられている。本実施形態においてバスバーホルダ91は、バスバー92をインサート部材とするインサート成形によって作られている。バスバーホルダ91は、例えば、複数のボルト95によって、モータケース部32の区画壁32aに固定されている。ボルト95は、例えば、3つ設けられている。
バスバー92の一方側の端部92aは、バスバーホルダ91の上面から上側へ突出している。本実施形態においてバスバー92の一方側の端部92aは、回路基板70を下側から上側に貫通している。端部92aは、回路基板70を貫通する位置で、はんだ付け、溶接、圧入などの接続方法によって回路基板70と電気的に接続されている。図示は省略するが、バスバー92の他方側の端部は、ステータ43のコイル43cから引き出されるコイル引出線を把持し、半田付けまたは溶接によりコイル43cと接続されている。これにより、ステータ43と回路基板70とが、バスバー92を介して電気的に接続されている。
本実施形態において回路基板70は、モータ部40およびバスバーユニット90の上側に配置されている。回路基板70は、板面が軸方向と直交する板状である。回路基板70には、モータ部センサ71および磁気センサ72が取り付けられている。図示は省略するが、回路基板70の軸方向に見た形状は、概ね正方形状である。回路基板70は、バスバーユニット90を介して、ステータ43のコイル43cと電気的に接続されている。すなわち、回路基板70は、モータ部40と電気的に接続されている。本実施形態において回路基板70は、ハウジング本体12における開口部12aの内側に収容されている。回路基板70は、第1蓋部13によって上側から覆われている。回路基板70は、例えば、複数のボルト96によって、モータケース部32の区画壁32aに固定されている。ボルト96は、例えば、3つ設けられている。
モータ部センサ71は、回路基板70の下面に固定されている。より詳細には、モータ部センサ71は、回路基板70の下側の面のうちモータ部用センサマグネット45と隙間を介して軸方向に対向する部分に固定されている。モータ部センサ71は、モータ部用センサマグネット45の磁界を検出可能である。モータ部センサ71は、例えば、ホールIC等のホール素子である。図示は省略するが、モータ部センサ71は、例えば、周方向に沿って3つ設けられている。モータ部センサ71は、モータ部用センサマグネット45の磁界を検出することでモータ部用センサマグネット45の回転位置を検出してモータシャフト41の回転を検出する。
磁気センサ72は、回路基板70の下面に固定されている。より詳細には、磁気センサ72は、回路基板70の下側の面のうちマグネット63と隙間を介して軸方向に対向する部分に固定されている。これにより、磁気センサ72は、マグネット63の上側に隙間を介して対向して配置されている。磁気センサ72は、マグネット63の磁界を検出可能なセンサである。磁気センサ72は、例えば、ホールIC等のホール素子である。磁気センサ72は、マグネット63の磁界を検出することでマグネット63の回転位置を検出して出力シャフト61の回転を検出する。
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成を採用することもできる。工具連結穴は、工具が挿入されることで、工具と出力シャフトとが連結されるならば、どのような形状であってもよい。工具と出力シャフトとが連結されるとは、工具を介して出力シャフトを回転できればよい。すなわち、工具と出力シャフトとが連結されるとは、例えば、工具と出力シャフトとが出力シャフトの中心軸を中心とする周方向に引っ掛かり合って、工具の回転を出力シャフトに伝達可能となっていればよい。工具連結穴は、六角形以外の多角形状の穴であってもよい。工具連結穴は、例えば、Dカット形状の穴であってもよい。工具連結穴は、設けられていなくてもよい。出力シャフトには、工具連結穴の代わりに、ソケットレンチが連結される柱状の工具連結部が設けられてもよい。
出力シャフトのうち所定方向の一方側の端部は、回路基板より所定方向の一方側に位置してもよいし、回路基板と所定方向において同じ位置に位置してもよい。すなわち、上述した実施形態では、出力シャフト61がより上側に延びて、出力シャフト61の上側の端部が、回路基板70より上側に位置してもよいし、回路基板70と軸方向において同じ位置に位置してもよい。
出力シャフトのうち所定方向の一方側の端部は、マグネットホルダのうち所定方向の一方側の端部よりも所定方向の一方側に位置してもよいし、マグネットホルダのうち所定方向の一方側の端部と所定方向において同じ位置に位置してもよい。すなわち、上述した実施形態では、出力シャフト61がより上側に延びて、出力シャフト61の上側の端部が、マグネットホルダ64より上側に位置してもよいし、マグネットホルダ64の上側の端部と軸方向において同じ位置に位置してもよい。回路基板の一部は、軸方向に見て、出力シャフトと重ならなくてもよい。被駆動体連結部は、穴でなくてもよい。被駆動体連結部は、被駆動体が連結される柱状であってもよい。
マグネットホルダの小径部における外周面に設けられた収容凹部は、どのような形状であってもよい。収容凹部は、出力シャフトの中心軸を中心とする周方向に沿って間隔を空けて複数設けられていてもよい。収容凹部は、設けられていなくてもよい。収容凹部が設けられる代わりに、マグネットホルダの大径部に接着剤が収容される凹部が設けられてもよい。例えば、上述した実施形態では、大径部64aの上端面に接着剤が収容される凹部が設けられてもよい。マグネットホルダにおける大径部の外径は、出力シャフトの本体部の外径より大きくてもよい。
減速機構の構造は、特に限定されない。減速機構の突出部は外歯ギアに設けられ、減速機構の穴部は出力ギアに設けられてもよい。この場合、突出部は、外歯ギアから出力ギアに向かって突出し、穴部に挿入される。
本発明が適用される電動アクチュエータは、電力が供給されることで対象となる物体を動かすことができる装置であればよく、減速機構を備えないモータであってもよい。また、電動アクチュエータは、モータ部によって駆動されるポンプ部を備える電動ポンプであってもよい。電動アクチュエータの用途は、特に限定されない。電動アクチュエータは、運転者のシフト操作に基づいて駆動されるシフト・バイ・ワイヤ方式のアクチュエータ装置に搭載されてもよい。また、電動アクチュエータは、車両以外の機器に搭載されてもよい。なお、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。