JP7434464B1 - 瞬間的に過大な電流を流すことによる磁気デバイスの品質改善方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気デバイスの品質改善方法及びアニールする工程を簡略化したMRセンサの品質改善方法を提供する。【解決手段】磁気デバイスを磁場中で電流によってアニールする方法であって、電流を流すための一対の電極を設定する第1のステップと、磁場を設定する第2のステップと、一対の電極から、パルス状であって、ピーク値が1×105[A/m2]以上で半値パルス幅が10[s]以下の瞬時の過大電流密度の電流を流すことで、磁気デバイスに一軸異方性を与える第3のステップと、からなる。【選択図】なし

Description

本発明は、瞬間的に過大な電流を流すことによる磁気デバイスの品質改善方法に関する。
例えば、従来の垂直バイアスがSAL(Soft Ajacent Layerの略であって、軟磁性隣接層のことである)バイアス法のAMRヘッドにおいて、予めMR層に水平方向に一軸異方性を与える方法として、MR層を磁場中で成膜する方法があった(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかし、このようなMR層を磁場中で成膜する方法では、水平バイアス方向に弱い一軸異方性がつくだけである。この様な場合、例えば特許文献2の様に永久磁石膜で水平バイアスを与えるものであっても、図1に示すxy平面においてMR層の磁化の角度θ(θについては後述する)がジャストバイアスのθ=45°よりも大きくなり、y方向よりに傾く(図2(C)の層内の矢印参照)。すなわち、オーバーバイアス位置(図4(A)参照)での検出となるため、抵抗変化と外部磁界の大きさとの関係が線形ではなくなる。
よって従来のMR層を磁場中で成膜する方法は、動作時において、検知した抵抗変化からの外部入力磁界の大きさを正確に検出することが出来なくなるという問題があった。
また、外部磁界の中で成膜するため、一軸異方性を与える工程が複雑になるという問題があった。
特開平06-325324 特開平09-161240
本発明はこれら問題点に鑑み、磁気デバイスに強い一軸異方性を与えることで、例えば、動作時において検知した抵抗変化からの外部入力磁界の大きさを正確に検出することが出来るMRセンサを実現するといった、磁気デバイスの品質改善方法を提供することを目的とする。
第1の発明による方法は、磁気デバイスを磁場中で電流によってアニールする方法であって、電流を流すための一対の電極を設定する第1のステップと、磁場を設定する第2のステップと、一対の電極から、パルス状であって、ピーク値が1×10[A/m]以上でパルス幅が10[s]以下の瞬時の過大電流密度の電流を流すことで、磁気デバイスに一軸異方性を与える第3のステップと、からなることを特徴とする。
第2の発明による方法は、第1の発明による方法に記載の方法であって、さらに、磁気デバイスはMRセンサであり、かつ、磁場は、動作時にMRセンサのMR層に対して水平バイアスを供給する、MRセンサに有する一対の永久磁石膜から供給される、ことを特徴とする。
第3の発明による方法は、第1の発明または第2の発明のいずれかに記載の方法であって、さらに、磁気デバイスはMRセンサであり、かつ、一対の電極は、動作時にMRセンサのMR層にセンス電流を供給する、MRセンサに有する一対の電極である、ことを特徴とする。
本発明の、磁気デバイスに対する電流によるアニール方法は、磁気デバイスに強い一軸異方性を与えることが出来、例えば、動作時において検知した抵抗変化からの外部入力磁界の大きさを正確に検出することが出来るMRセンサを実現するといった、磁気デバイスの品質改善方法を提供できるという効果を有する。
本発明の方法であって、磁気デバイスがMRセンサであり、MRセンサに有する一対の永久磁石膜が、動作時に水平バイアスを供給し、非動作時にアニール用の磁場を供給するものは、アニール用に別途外部磁界を用いる必要がない。よって、アニールする工程を簡略化したMRセンサの品質改善方法を提供できるという効果を有する。
本発明の方法であって、磁気デバイスがMRセンサであり、MRセンサに有する一対の電極が、動作時にセンス電流を供給し、非動作時にアニール用の電流を供給するものは、アニール用に別途一対の電極を用いる必要がない。よってアニールする工程を簡略化したMRセンサの品質改善方法を提供できるという効果を有する。
第1の実施例におけるAMRヘッドの構成図の一例である。水平バイアス方向をx軸、垂直バイアス方向をy軸、層の上下方向をz軸としている。 従来技術のAMRヘッドの各層の磁化の状態を示す図の一例であって、(A)は、非動作時におけるMR層の磁化状態を層内の矢印で示し、(B)は、非動作時におけるSAL膜の磁化状態を層内の矢印で示し、(C)は、動作時におけるMR層の磁化状態を層内の矢印で示し、(D)は、動作時におけるSAL膜の磁化状態を層内の矢印で示している。(A)、(C)のMR層上部の左右の矢印は、MR層における一軸異方性の強さを示す矢印である。 第1の実施例におけるAMRヘッドの各層の磁化の状態を示す図の一例であって、(A)は、アニール後の非動作時のMR層の磁化状態を層内の矢印で示し、(B)は、アニール後の非動作時のSAL膜の磁化状態を層内の矢印で示し、(C)は、アニール後の動作時のMR層の磁化状態を層内の矢印で示し、(D)は、アニール後の動作時のSAL膜の磁化状態を層内の矢印で示す。(A)、C)のMR層上部の左右の矢印は、MR層における一軸異方性の強さを示す矢印である。 AMRヘッドのRH曲線におけるバイアス位置を示す図の一例であって、(A)は、従来技術の動作時のバイアス位置、(B)は、第1の実施例における動作時のバイアス位置、を示す。
以下、図面を参照してAMRヘッドを一例として本発明による磁気デバイスの品質改善の実施例を説明する。
[本発明の適用範囲]
本実施例においては簡単のため、磁気デバイスとしてAMRヘッドを一例として取り上げているに過ぎない。本発明においては、他の磁気デバイスにも適用され得る。
すなわち、本実施例に記載した、パルス状の瞬時の過大電流密度を与えることで品質改善する方法については、本発明においては、本実施例で示すAMRヘッドに限定されるものではない。本発明においては、他の磁気デバイスに対しても適用するものである。
また、本実施例に記載した、デバイスに有する水平バイアス用の永久磁石膜によりアニール用の磁場を供給する方法については、本実施例で示すAMRヘッドに限定されるものではない。本発明においては、永久磁石膜によって水平バイアスを実現している他の磁気デバイスに対しても適用するものである。
さらに、本実施例に記載した、デバイスに有するセンス電流用の電極によりアニール用の電流を供給する方法については、本実施例で示すAMRヘッドに限定されるものではない。本発明においては、他のMRセンサに対しても適用するものである。
[本発明における定義]
本発明において、電流によるアニールとは、磁気デバイスの特定層に電流を流すことによりその特定層に発生するジュール熱、を利用したその特定層に対するアニールのことと定義する。
本発明における磁気デバイスには、MRセンサ、MRヘッドなどが含まれるものとする。
本発明において、動作時とは、MRセンサのMR層にセンス電流を流し外部入力磁界を検出している時のことと定義する。非動作時とは、上記動作を行っていない時のことと定義する。
本発明において、パルスとは、矩形波パルスや台形のパルス、山形のバルス、および、これらを組み合わせた形状のパルスのことと定義する。これらのパルスの形状は、ピーク値の位置に対して左右非対称な形状であっても良いものとする。
[本実施例のAMRヘッドの構成について]
本実施例のAMRヘッドの構成は以下のとおりである。
<本実施例の構成>
図1は、本実施例におけるAMRヘッド1の構成図の一例である。すなわち層の構成と各層の位置関係を示している。図に示す通り、水平バイアス方向をx軸、垂直バイアス方向をy軸、層の上下方向をz軸としている。
図1に示す通り、本実施例におけるAMRヘッド1は、基板(簡単のため図1には示されていない)の上方(上方とは、図1に示すz軸の+方向(z方向)のことをいう。本明細書において以下同様)にあるSAL膜2と、SAL膜2の上方にあるMR層3と、SAL膜2とMR層3との間にあるスペーサ層4と、SAL膜2、スペーサ層4、MR層3、の水平バイアス方向の両端位置に有する一対の永久磁石膜5と、MR層3の両端に接して一対の永久磁石膜5の上部に有する一対の電極6と、からなる。
一対の電極6は、MR層3に電流を流すことで、ジュール熱によってMR層3のアニールを行うためのものである。
一対の永久磁石膜5は、AMRヘッド1の動作時に、MR層3に対して水平バイアスを供給し、AMRヘッド1の非動作時のMR層3に対するアニール時に、MR層3に対して一軸異方性を水平バイアス方向に与えるための磁場を供給するものである。
MR層3のアニールを行うための一対の電極6は、MR層3にセンス電流を流すための一対の電極を利用している。すなわち、一対の電極6は、MR層3にアニール用の電流を流す機能と、MR層3にセンス電流を流す機能とを有する。
アニール用の電流として与える波形(時間対電流密度の関数)や条件については後述する。このようなアニール用の電流を与える回路については一般的な技術により実現できるものであるためここでは省略する。
センス電流については、MR層3の抵抗変化を、センス電流の電圧変化として感知することで、外部磁界を検出するものである。このようなセンス用の電流を与える回路は従来技術によって実現できるものであるためここでは省略する。
本実施例においてはアニール用とセンス用の電流を流すための電極6は共用するものである。
また、SAL膜2からスペーサ層4、MR層3に向けてテーパー状になっており、テーパー状の3つの層と永久磁石膜5との間を埋めるように下地層7が両端にある。
さらに、これらの層の上部を保護するための上部絶縁層8、下部を保護するための下部絶縁層9がある。
<各層の説明>
SAL膜2は低保持力で高透磁率の磁性層の膜であって、MR層3に流れるセンス電流を起因としてSAL膜2を介し、MR層3にy方向のバイアス磁界(以下、垂直バイアス磁界と称す。)を発生させるものである。具体的には、例えばセンス電流がMR層3を-x方向に流れるとすると、SAL膜2は-y方向に磁化される。SAL膜2の磁化が変化するとある値の磁極を生じさせるので、この磁極によってMR層3にはy方向のバイアス磁界が印加される。このようなSAL膜による垂直バイアス磁界を生じさせる方法をSALバイアス法という。
MR層3は、y方向に外部磁界(検知すべき磁界)が印加されると、磁気抵抗効果によりセンス電流に対する抵抗値を変化させるものである。したがって、AMRヘッド1では、MR層3の抵抗変化を、センス電流の電圧変化として感知することで、外部入力磁界を検出することができる。
MR層3の磁化はxy面のベクトルとして変化する。上記抵抗変化は、当該ベクトルのx軸からの角度(磁化角度)をθとすると、磁化とセンス電流が平行となるθ=0の時に最大値をとる。ここで、この磁化角度に対する抵抗変化を示す特性曲線はθ=45°で変曲点をもち、この付近で磁化角度が微小に増減した場合、RH曲線(抵抗変化vs磁界曲線)はほぼ線形を保つ。すなわち、抵抗の小さな変化と記録媒体等からの小さな磁界(外部入力磁界)はほぼ正比例し、抵抗変化から外部入力磁界の大きさを正確に検出することが可能となる。
スペーサ層4は、非磁性絶縁体からなり、MR層3からSAL膜2への電気的な分流損を防ぎ、かつ、MR層3とSAL膜2とを磁気的に分離する働きをもつ。
永久磁石膜5は、下地層7の制御によりMR層3にx方向のバイアス磁界(以下、水平バイアス磁界と称す。)を発生させる。この水平バイアス磁界はMR層3の磁化をX方向に向ける働きをし、MR層3の磁化状態を単磁区化することによりMR素子のバルクハウゼンノイズを抑制し、再生特性を安定化させる働きをもつ。このような永久磁石膜による水平バイアス磁界を生じさせる方法を永久磁石膜バイアス法という。
下地層7は、永久磁石膜5の磁気異方性を、MR層3の面内方向に誘導させるための層である。
<本発明における別の構成例>
ここで、MR層のアニールを行うための一対の電極は、MR層にセンス電流を流すための一対の電極を利用したものでなく、別途構成したものであっても良い。
さらに、一対の電極からSAL膜にも電流を流せる構成として、SAL膜についてもジュール熱によってアニールを行える構成としても良い。また、SAL膜についてもジュール熱によるアニールのための一対の電極を別途構成しても良い。
SAL膜をアニールするのは、SAL膜の透磁率を高めることができる等の理由による。
また、供給する磁場として、別途外部磁界を併用しても良く、外部磁界のみで磁場を供給するものであっても良い。
さらには、アニールの効果を高める目的で、予め冷却しておく方法をとっても良い。
[本実施例のMR層に対するアニールについて]
本実施例におけるMR層3に対する電流によるアニールは、パルス状の電流密度を与えるものである。
さらに、このようなパルス状の電流密度は、電流密度のピーク値(Jmax)が1×10[A/m]以上でパルス幅が10[s]以下の瞬時の過大電流密度を与えるものである。
すなわち、図1に示す一対の電極6からMR層3に、パルス状となる様な、瞬時の過大電流密度の電流を流すことにより、MR層3をアニールする。ここで瞬時といえるのはパルス幅を10[s]以下とするからであり、過大電流密度といえるのは電流密度のピーク値(Jmax)を1×10[A/m]以上とするからである。
アニール時の一対の永久磁石膜5が与える磁場の働きにより、MR層3に対して水平バイアス方向に一軸異方性が与えられる。
なお、電流密度とパルス幅の組み合わせは、マトリックスに組んで効果と信頼性試験等の結果から条件を決めればよい。
[本実施例によるアニールの効果について]
<従来技術の磁化とバイアス>
図3は、従来技術のAMRヘッド1の各層の磁化の状態を示す図の一例であって、(A)は、非動作時におけるMR層の磁化状態を層内の矢印で示し、(B)は、非動作時におけるSAL膜の磁化状態を層内の矢印で示し、(C)は、動作時におけるMR層の磁化状態を層内の矢印で示し、(D)は、動作時におけるSAL膜の磁化状態を層内の矢印で示す。(A)、(C)のMR層上部の左右の矢印は、MR層における一軸異方性の強さを示す矢印である。
図3(A)、図3(C)のMR層上部の左右の矢印の線分は破線で示され、これは一軸異方性が弱いことを示している。
このように、磁場中での成膜により一軸異方性を形成するという従来技術では、MR層を十分に高温にできない、急冷できずに十分な磁場中冷却効果が得られない、十分な磁界を印加できない、等の理由から、MR層には図3(A)、図3(C)で示すような弱い一軸異方性しかつかない。
図5は、AMRヘッドのRH曲線におけるバイアス位置を示す図の一例であって、(A)は、従来技術の動作時のバイアス位置を示す。
上述の様にMR層には弱い一軸異方性しかつかないため、図1に示すxy平面上のMR層の磁化の角度θがジャストバイアスのθ=45°よりも大きくなり、y方向よりに傾く(図3(C)参照)。すなわち、オーバーバイアス位置(図5(A)参照)での外部入力磁界の検出となるため、抵抗変化と外部入力磁界の大きさとの関係が線形ではなくなる。ここでSAL膜2の磁化は、MR層の磁化がy方向よりに傾くため、-y方向からずれx方向よりに傾く(図3(D)参照)。
よって従来技術の場合、動作時において、検知した抵抗変化からの外部入力磁界の大きさを正確に検出することが出来ない。
<本実施例の磁化とバイアス>
図4は、本実施例におけるAMRヘッド1の各層の磁化の状態を示す図の一例であって、(A)は、アニール後の非動作時におけるMR層3の磁化状態を層内の矢印で示し、(B)は、アニール後の非動作時におけるSAL膜2の磁化状態を層内の矢印で示し、(C)は、アニール後の動作時におけるMR層3の磁化状態を層内の矢印で示し、(D)は、アニール後の動作時におけるSAL膜2の磁化状態を層内の矢印で示す。(A)、(C)のMR層3上部の左右の矢印は、MR層3における一軸異方性の強さを示す矢印である。
図4(A)、図4(C)のMR層3上部の左右の矢印の線分は太い実線で示され、これは一軸異方性が強いことを示している。
ここでいうアニール後の非動作時とは、MR層3を電流によりアニールしその後アニールのための電流が切れた後であって、かつ、非動作時のことをいう。アニール後の動作時とは、MR層3を電流によりアニールしその後アニールのための電流が切れた後であって、かつ、その後の動作時のことをいう。
本実施例は、永久磁石膜5による磁場中で、MR層3にパルス状の瞬時の過大電流密度の電流を流すジュール熱によるアニールを行い、一軸異方性を形成するものである。
よってアニール時において、目的とするMR層3をターゲットとして局所的に高温になる、急冷でき磁場中冷却効果が大きい、アニール用電流による磁界は発生せず永久磁石膜5による磁界のみ効く、という作用を有する。アニール用電流による磁界が発生しないのは、アニール用電流が瞬時に切れた後だからである。
これらの作用により、MR層3には強い一軸異方性がつくという効果を有する。
図5は、AMRヘッド1のRH曲線におけるバイアス位置を示す図の一例であって、(B)は、本実施例における動作時のバイアス位置を示す。
上述の様にMR層3には強い一軸異方性がつくため、図1に示すxy平面上のMR層3の磁化の角度θがジャストバイアスθ=45°となる(図4(C)参照)。ここでSAL膜2の磁化は、MR層3の磁化がx方向、y方向の中間となるため、より-y方向に向くことになる(図4(D)参照)。
すなわち、θ=45°の付近で磁化角度が微小に増減した場合、RH曲線(抵抗変化vs磁界曲線)はほぼ線形を保つので、抵抗の小さな変化と記録媒体等からの小さな磁界(外部入力磁界)はほぼ正比例する。よって動作時に、検知した抵抗変化から外部入力磁界の大きさを正確に検出することが可能となる。
[AMRヘッドの効果について]
このような第1の実施例により、アニールとしてパルス状の瞬時の過大電流密度の電流を流すので、MR層に強い一軸異方性がつく。よって、動作時において検知した抵抗変化から外部入力磁界の大きさを正確に検出することが可能となるAMRヘッドの品質改善方法を提供できるという効果を奏する。
これは、アニール時において、目的とするMR層をターゲットとして局所的に高温になる、急冷でき磁場中冷却効果が大きい、アニール用電流による磁界は発生せず永久磁石膜による磁界のみ効く、という作用を有する。よって、これらの作用により、MR層には強い一軸異方性がつくという効果を有し、MR層の磁化の角度θがジャストバイアスθ=45°となる。よって動作時に、検知した抵抗変化から外部入力磁界の大きさを正確に検出することが可能となるためである。
第1の実施例においては記載されていないが、他の磁気デバイスにおいても上記の方法を用いることで、磁気デバイスに強い一軸異方性がつくという効果を奏する。
このような第1の実施例により、AMRヘッドに有する一対の永久磁石膜が、動作時に水平バイアスを供給し、非動作時にアニール用の磁場を供給するので、アニール用に別途外部磁界を用いる必要がない。よって、アニールする工程を簡略化したAMRヘッドの品質改善方法を提供できるという効果を奏する。
それは、本AMRヘッドは、本AMRヘッドを構成する永久磁石膜による磁場中で、MR層に電流を流すジュール熱によるアニールを行ってMR層に一軸異方性を形成するものであるため、外部からの磁場付加やアニール用の外部環境設定、などの必要性がないからである
第1の実施例においては記載されていないが、永久磁石膜によって水平バイアスを実現している他の磁気デバイス(例えば、他のAMRセンサ、GMRセンサ、TMRセンサ、GMRヘッド、TMRヘッドなど)においても上記と同様の構成とすることで、同様の効果を奏する。
このような第1の実施例により、AMRヘッドに有する一対の電極が、動作時にセンス電流を供給し、非動作時にアニール用の電流を供給するので、アニール用に別途一対の電極を用いる必要がない。よってアニールする工程を簡略化した磁気デバイスの品質改善方法を提供できるという効果を奏する。
第1の実施例においては記載されていないが、他の磁気デバイス(例えば、他のAMRセンサ、GMRセンサ、TMRセンサ、GMRヘッド、TMRヘッドなど)においても上記と同様の構成とすることで、同様の効果を奏する。
以上のように本発明による磁気デバイスは、磁気デバイスに強い一軸異方性がつくため、例えば、動作時において検知した抵抗変化から外部入力磁界の大きさを正確に検出することが可能となるMRセンサを実現するといった、磁気デバイスの品質改善方法を提供できる点で有用である。また、アニールする工程を簡略化した磁気デバイスの品質改善方法を提供できる点で有用である。
1 AMRヘッド
2 SAL膜
3 MR層
4 スペーサ層
5 永久磁石膜
6 電極
7 下地層
8 上部絶縁層
9 下部絶縁層

Claims (2)

  1. 磁気デバイスを磁場中で電流によってアニールする方法であって、
    前記電流を流すための一対の電極を設定する第1のステップと、
    前記磁場を設定する第2のステップと、
    前記一対の電極から、パルス状であって、ピーク値が1×105[A/m2]以上でパルス幅が10[s]以下の瞬時の過大電流密度の前記電流を流すことで、前記磁気デバイスに一軸異方性を与える第3のステップと、
    からなり、
    前記磁気デバイスはMRヘッドを含むMRセンサであり、かつ、
    前記磁場は、動作時に前記MRセンサのMR層に対して水平バイアスを供給する、前記MRセンサに有する一対の永久磁石膜から供給される、
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、さらに、
    前記一対の電極は、動作時に前記MRセンサのMR層にセンス電流を供給する、前記MRセンサに有する一対の電極である、ことを特徴とする方法。
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