JP7434140B2 - 電動作業機 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1の技術では、限られた機体内のスペースにおいて、バッテリサイズを大きくしたり搭載数を増やしたりするのは難しい。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、電動作業機の電力源の電気容量を容易に増加することを目的とする。
まず、第1実施形態の電動作業機1について、図1~図3Bを参照しながら説明する。
図3Aは、第1実施形態の電動作業機1の全体側面図である。
第1実施形態の電動作業機1は、遠隔操作型の電動作業機であり、運転者が搭乗しない無人のバックホーから構成されている。電動作業機1は、機体(旋回台)2と走行装置10と作業装置20等を備えている。
走行装置10は、機体2を走行させる装置であって、走行フレーム11と走行機構12とを有する。走行フレーム(トラックフレーム)11は、周囲に走行機構12を取り付け、且つ上部に機体2を支持する構造体である。
アイドラ13は、走行フレーム11の前部に配置されている。駆動輪14は、走行フレーム11の後部に配置されている。複数の転輪15は、アイドラ13と駆動輪14との間に設けられている。クローラベルト16は、アイドラ13、駆動輪14、及び転輪15に亘って巻掛けられている。
機体2は、走行フレーム11上に旋回ベアリング3を介して、旋回軸心X回りに回転可能に支持されている。機体2の内部には、旋回モータMTが設けられている。旋回モータMTは、油圧モータ(油圧機器Mに含まれる油圧アクチュエータ)から構成されている。機体2は、旋回モータMTの動力により旋回軸心X回りに旋回する。
スイングブラケット24は、機体2内に備えられたスイングシリンダC1の伸縮によって左右に揺動する。ブーム21は、ブームシリンダC2の伸縮によって上下(前後)に揺動する。アーム22は、アームシリンダC3の伸縮によって上下(前後)に揺動する。バケット23は、バケットシリンダ(作業具シリンダ)C4の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作を行う。スイングシリンダC1、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、及びバケットシリンダC4は、油圧シリンダから構成されている。
機体2上には、キャビン6が搭載されている。キャビン6は、支柱6a、梁6b、ルーフ6c、及び側壁6dを有している。支柱6aは、機体2の前後方向(図3AでA1、A2方向)及び左右方向(A1、A2方向に直交する水平方向)に所定の間隔をおいて、機体2上に複数(4本以上)立設されている。
電動作業機1に備わる制御装置7は、CPU7aと記憶部7bとを有している。CPU7aは、電動作業機1に備わる各部の動作を制御する。記憶部7bはメモリ等から構成されている。CPU7aが各部の動作を制御するための情報、データ、及びプログラム等は、記憶部7bに読み書き可能に記憶されている。
ジャンクションボックス39は、インバータ38の他に、バッテリユニット30とDC-DCコンバータ40と充電口41とに接続されている。ジャンクションボックス39は、バッテリユニット30から出力された電力をインバータ38やDC-DCコンバータ40に出力する。ジャンクションボックス39は接続切替装置である。
ジャンクションボックス39は、外部の電源から充電ケーブルを経由して充電口41より入力された電力を、バッテリユニット30に出力する。バッテリユニット30は、その充電口41からジャンクションボックス39を経由して入力された電力で充電される。
各バッテリパック31、32には、接続切替部31a、32aが設けられている。各接続切替部31a、32aは、例えばリレー又はスイッチ等から構成されていて、接続状態と遮断状態とに切り替わり可能である。
ラジエータ35は、電動モータ9、インバータ39、DC/DCコンバータ40、及びバッテリユニット30等の高発熱型の電気機器を冷却するための冷却水を冷却する。高発熱型の電気機器とは、電力で動作することにより、電動作業機1に備わる他の電気機器より高い熱を発する電気機器のことである。冷却水は、単なる水ではなく、例えば寒冷地でも凍らないような液体から構成されている。
オイルクーラ37は、前述した油圧アクチュエータML、MR、MT、C1~C5や、後述する油圧ポンプP1、P2及びコントロールバルブV(図2等に図示)といった油圧機器を通過した作動油を冷却する。オイルクーラ37は、ファンモータ37aと、当該ファンモータ37aの動力により回転駆動するオイルクーラファン(図示省略)と、熱交換部(図示省略)とを有している。オイルクーラファンは、オイルクーラ37の熱交換部に冷却風を送風する。ファンモータ37aは、低圧バッテリ33の電力で駆動する。
電磁弁58、PV1、PV2、PV3、PV4、PV5、PV6は、それぞれ内蔵するソレノイドに対して励磁又は消磁されることにより作動する。
油温検出装置47は、作動油の温度(油温)を検出するセンサから成る。室温検出装置48は、キャビン6の内部の温度(室温)を検出するセンサから成る。水温検出装置49は、冷却水の温度(水温)を検出するセンサから成る。
通信装置17が遠隔操作装置19からの遠隔操作信号を受信すると、制御装置7は、当該遠隔操作信号に基づいて、電動モータ9、油圧ポンプP1、P2、及び油圧アクチュエータC1~C5、ML、MR、MT等を駆動して、作業装置20と走行装置10の動作を制御する。また、制御装置7は、遠隔操作装置19から送信されて通信装置17により受信した遠隔操作信号、又は検出装置47~49の検出結果等に基づいて、電動作業装置1に備わる電装品やその他各部の動作を制御する。
電動作業機1に備わる油圧回路Kには、油圧アクチュエータC1~C5、ML、MR、MT、コントロールバルブV、油圧ポンプP1、P2、作動油タンクT、オイルクーラ37、操作弁PV1~PV6、アンロード弁58、及び油路50等の油圧機器が設けられている。
作動用油圧ポンプP1は、作動油タンクTに貯留された作動油を吸引した後、コントロールバルブVに向かって作動油を吐出する。図2では、便宜上、作動用油圧ポンプP1を1つ図示しているが、これに限らず、各油圧アクチュエータC1~C5、ML、MR、MTに作動油を供給可能に作動用油圧ポンプP1を適宜数設ければよい。
コントロールバルブVは、複数の制御弁V1~V8を有している。各制御弁V1~V8は、油圧ポンプP1、P2から各油圧アクチュエータC1~C5、ML、MR、MTに出力する作動油の流量を制御(調整)を調整する。
第1吸引油路54は、作動用油圧ポンプP1が作動油タンクTから吸引した作動油を流す流路である。第2吸引油路55は、コントロール用油圧ポンプP2が作動油タンクTから吸引した作動油を流す流路である。
第2油路52は、制御弁V1~V8を通過した作動油を作動油タンクTに向かって流す流路である。作動油タンクTは作動油を貯留する。第2油路52には、往復油路52aと排出油路52bとが含まれている。
制限油路57は、コントロール用油圧ポンプP2が吐出した作動油を操作弁PV1~PV6に流す流路である。制限油路57の一端部は、コントロール用油圧ポンプP2に接続され、他端側は複数に分岐して、各操作弁PV1~PV6の一次側のポート(一次ポート)に接続されている。
制御装置7は、操作弁PV1~PV6とアンロード弁58の作動を制御することにより、制御弁V1~V8を動作させて、作動用油圧ポンプP1から油圧アクチュエータC1~C5、ML、MR、MTに対して作動油を供給し又は供給停止して、作業装置20や走行装置10を制御する。
電動作業機1は、遠隔操作型の無人の作業機であるため、キャビン6の内部に運転席や操作装置を搭載しなくてもよい。そこで、電動作業機1では、キャビン6の内部に運転席や操作装置が搭載される代わりに、図3Bに示すように複数のバッテリパック31、32がキャビン6の内部に搭載されている。
各端子部31c、32cは、複数の接続端子(詳細図示省略)を有している。そのうち、各バッテリパック31、32内蔵されたバッテリや接続切替部31a、32aと接続された一方の接続端子には、給電用ハーネス(図示省略)の一端が接続されている。当該給電用ハーネスの他端は、ジャンクションボックス39(図1)に接続されている。また、各バッテリパック31、32内蔵されたBMU31b、32bと接続された他方の接続端子には、信号用ハーネス(図示省略)の一端が接続されている。当該信号用ハーネスの他端は、制御装置7(図1)に接続されている。
各バッテリパック31、32と上記他の装置39、7とは、端子部31c、32cと上記ハーネスを介して電力あるいは各種信号を入出力する。キャビン6のドア6fを開けた状態で、出入口6eを通じて上記ハーネスを端子部31c、32cに着脱可能なキャビン6の内部の位置に、各バッテリパック31、32が搭載されている。より詳しくは、端子部31c、32cが出入口6eを向くように、各バッテリパック31、32はキャビン6の内部に搭載されている。
他の例として、これらの電装品38、39、40、42、46のうち、バッテリパック31、32と接続する必要があるジャンクションボックス39を少なくともキャビン6の内部に搭載し、これ以外の電装品38、40、42、46を機体2の内部(機体2の筐体を構成するボンネットの内側)に搭載してもよい。また、ジャンクションボックス39も機体2の内部に搭載してもよい。比較的大型であるバッテリパック31、32が機体2の内部に搭載されていないので、電動作業機1に備わるその他の電装品(図1参照)を機体2の内部に配置し易くなる。
上述した第1実施形態では、2つのバッテリパック31、32をキャビン6の内部に搭載した例を示したが、これ以外に、例えば図4に示す第2実施形態や図5に示す第3実施形態のように、3つ以上のバッテリパック31、32、31x、32xをキャビン6の内部に搭載してもよい。バッテリパック31x、32xの機能や用途や構造等は、バッテリパック31、32と同様である。
図5は、第3実施形態の電動作業機1Cの要部(機体2とキャビン6)の概略平面図である。第3実施形態では、キャビン6の内部において、バッテリパック31とバッテリパック32が、機体2の左右方向に並ぶように搭載されている。また、バッテリパック31、32の後方に、バッテリパック31xが搭載されている。
また、図6に示す第4実施形態の電動作業機1Dのように、キャビン6の内部にバッテリパック31、32を搭載するだけでなく、機体2の内部にもバッテリパック31y、32yを搭載してもよい。バッテリパック31y、32yは、機体2の内部で左右方向に並んで搭載されている。バッテリパック31y、32yの機能や用途や構造等は、バッテリパック31、32と同様である。
電動作業機1Eは、自律型の電動作業機であって、運転者が搭乗しない無人のバックホーから構成されている。電動作業機1Eは監視装置25を備えている。監視装置25は、電動作業機1Eの周囲を監視する装置であって、カメラ25aとセンサ25bとを有している。カメラ25aは、電動作業機1Eの周囲を撮像する撮像装置である。センサ25bは、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)等から構成され、電動作業機1の周囲にある物や人等を検出する。
電動作業機1Eの制御装置7は、予め記憶部7bに記憶された操作情報と監視装置25の監視結果とに基づいて、電動モータ9、油圧ポンプP1、P2、及び油圧アクチュエータC1~C5、ML、MR、MT等を駆動して、作業装置20、10の動作を制御する。また、制御装置7は、監視装置25の監視結果と検出装置47~49の検出結果等とに基づいて、電動作業装置1に備わる電装品やその他各部の動作を制御する。
電動作業機1Fは、遠隔操作型若しくは自律型の無人の電動作業機、又は有人の電動作業機である。電動作業機1Fのキャビン6の内部には、運転席4と操作装置5が搭載されている。操作装置5は、運転席4に着座した運転者が操作可能になっている。操作装置5が有する操作レバーや操作スイッチを操作することで、作業装置20や走行装置10やその他の電動作業機1Fの各部が動作する。
他の例として、キャビン6の内部に、運転席4や操作装置5と共に、複数のバッテリパックを搭載し、機体2の内部には、バッテリパックを搭載しないようにしてもよい。
また、図7に示したような自律型の電動作業機において、作業装置に設けるアクチュエータのうち一部又は全部を電動アクチュエータで構成し、当該電動アクチュエータをバッテリパック31、32の電力で駆動させて、当該電動アクチュエータの動力で作業装置を駆動させる構成にしてもよい。そして、当該自律型の電動作業機に備わる複数のバッテリパックのうち少なくとも1つをキャビン6の内部に搭載してもよい。
本実施形態の電動作業機1、1B~1F、1Gは、機体2と、機体2に搭載されたキャビン6と、少なくとも1つのバッテリパック31、32、31x、32x、31y、32yと、バッテリパック31、32、31x、32x、31y、32yから供給される電力を用いて駆動される作業装置と、を備え、バッテリパック31、32、31x、32xの少なくとも1つがキャビン6の内部に搭載されている。
また、図1~図3Bに示した実施形態では、電動作業機1は、作業装置20、10を遠隔操作する遠隔操作装置19を備え、制御装置7は、遠隔操作装置19から送信されて通信装置17により受信した遠隔操作信号(操作情報)に基づいて、電動モータ9、油圧ポンプP1、P2、及び油圧アクチュエータC1~C5、ML、MR、MTを駆動して、作業装置20、10の動作を制御する。これにより、遠隔操作型の電動作業機1の電力源の電気容量を容易に増大することができ、稼働時間を延長することが可能となる。
上述した実施形態では、本発明をバックホー等の電動作業機に適用する場合の例について説明したが、本発明の適用対象はこれに限らず、例えば、ホイールローダ、コンパクトトラックローダ、スキッドステアローダ等の他の電動建設機械に適用してもよく、トラクター、コンバイン、田植機、芝刈機等の電動農業機械に適用してもよい。
2 機体
4 運転席
5 操作装置
6 キャビン
6e 出入口
6f ドア
7 制御装置
9 電動モータ
10 走行装置(作業装置)
17 通信装置
20 作業装置
25a カメラ(撮像装置)
31、31x、31y、32、32x、32y バッテリパック
31c、32c 端子部
38 インバータ
39 ジャンクションボックス(接続切替装置)
42 電動暖房装置(空調装置)
46 電動冷房装置(空調装置)
C1~C5、ML、MR、MT 油圧アクチュエータ
P1、P2 油圧ポンプ
V コントロールバルブ
V1~V8 制御弁
10a、20a 電動アクチュエータ
Claims (9)
- 機体と、
前記機体に搭載されたキャビンと、
少なくとも1つのバッテリパックと、
前記バッテリパックから供給される電力を用いて駆動される作業装置と、
予め設定された操作情報又は外部から受信する操作情報に基づいて前記作業装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
前記キャビンに運転者が搭乗することなく動作する遠隔操作型又は自律型の電動作業機であって、
前記キャビンの内部は、複数の側壁とルーフによって外部と仕切られ、
前記キャビンは、当該キャビンの内部に対して出入りするための出入口と、前記出入口を開閉するドアと、を有し、
前記ドアが開いた状態で露わになる前記キャビンの内部の位置に、前記バッテリパックが1つ以上搭載されている電動作業機。 - 前記キャビンの内部に、運転者が着座する運転席又は前記運転席に着座した運転者によって操作される操作装置が搭載される代わりに、前記バッテリパックが1つ以上搭載されている請求項1に記載の電動作業機。
- 前記キャビンの内部に搭載される前記バッテリパックは、前記ドアが開いた状態で前記出入口を通じて前記キャビンの内部に対して搬入出可能に構成されている請求項1又は2に記載の電動作業機。
- 外部の電源から前記バッテリパックに充電するための充電ケーブルが着脱される充電口を備え、
前記充電口は、前記ドアが開いた状態で前記出入口を通じて前記充電ケーブルを着脱可能な前記キャビンの内部の位置に配置されている請求項1~3のいずれか1項に記載の電動作業機。 - 前記バッテリパックは、当該バッテリパックを他の装置と接続するための電気配線が接
続される端子部を有し、
前記キャビンの内部に搭載された前記バッテリパックは、前記ドアが開いた状態で前記出入口を通じて前記電気配線を前記端子部に着脱可能な位置に搭載されている請求項1~4のいずれか1項に記載の電動作業機。 - 前記バッテリパックからの電力を調整するインバータと、
前記バッテリパックと前記インバータとを接続状態と切断状態とに切り替える接続切替装置と、を備え、
前記インバータ及び前記接続切替装置のうち少なくとも一方が前記キャビンの内部に搭載されている請求項1~5のいずれか1項に記載の電動作業機。 - 前記バッテリパックから前記インバータを介して供給される電力により駆動される電動モータと、
前記電動モータの動力により駆動される油圧ポンプと、
前記油圧ポンプが吐出する作動油により駆動されて前記作業装置を動作させる油圧アクチュエータと、
前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータへの作動油の供給状態を制御する制御弁を有したコントロールバルブと、を備え、
前記制御装置は、前記操作情報に基づいて前記電動モータ、前記油圧ポンプ、および前記制御弁の動作を制御する請求項6に記載の電動作業機。 - 前記バッテリパックから供給される電力を所定の低電圧に変換する電圧変換装置と、
前記電圧変換装置から供給される電力により充電される低圧バッテリと、
前記低圧バッテリから供給される電力により駆動される電装品と、を備え、
前記電圧変換装置は、前記キャビンの内部に搭載されている請求項1~7のいずれか1項に記載の電動作業機。 - 前記キャビンの内部の空調を行う空調装置を備えた請求項1~4のいずれか1項に記載の電動作業機。
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