JP7432272B1 - 太陽光ネットワーク発電所システム及びその運用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】仮想的に一体化されて構成される太陽光ネットワーク発電所に蓄電された電力を、任意の時間に任意の電力量で送電網へより正確且つ適切に放電出力できる太陽光ネットワーク発電所システム及びその運用方法を提供する。【解決手段】末端の単位ユニットとして太陽光蓄電池ユニット10が設けられ、外部管理コンピュータ70によって管理されるように構成された太陽光ネットワーク発電所システムであって、通信制御装置35に付された識別情報と、太陽光蓄電池ユニット10毎の固有情報と、太陽光蓄電池ユニット10毎の蓄電情報と、電力需要情報とが、外部管理コンピュータ70の演算装置にアクセスできるように情報網が設けられ、外部管理コンピュータ70が、前記識別情報、前記固有情報、前記蓄電情報及び前記電力需要情報に基づいて、太陽光蓄電池ユニット10毎に放電出力の計画及び制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の太陽光発電所の各々で、太陽光発電と蓄電がなされる末端の単位ユニットであると共にパワーコンディショナーを介して送電網に接続される単位ユニットとして、太陽光から発電を生じさせる発電ユニットと、該発電ユニットから生じた電力を自動的に充電できる蓄電池と、該蓄電池からの放電出力を外部からの指示で制御できるように装備された通信制御装置とを備える太陽光蓄電池ユニットが設けられ、該太陽光蓄電池ユニットの複数が、各々の前記通信制御装置によって通信ネットワークを介して外部管理コンピュータに接続されることで、太陽光ネットワーク発電所として仮想的に一体化され、前記外部管理コンピュータによって管理されるように構成された太陽光ネットワーク発電所システム及びその運用方法に関する。
従来の太陽光発電所100では、図5に示すように、複数の太陽光発電パネル21が直列に接続されて設けられた発電ユニット20と、その発電ユニット20の複数が並列に接続されたパワーコンディショナー40とを備え、電力会社50に接続されている。
すなわち、太陽光発電所100の基本構成は、先ず、パワーコンディショナー40の受け入れ電圧に適合した電圧になるように、太陽光発電パネル21を複数枚直列に接続して1回路の発電ユニット20としている。また、この発電ユニット20の回路は、パワーコンディショナー40に、複数が並列に接続され、1系統のパワーコンディショナー40系統を構成している。そして、太陽光発電所100の発電出力は、パワーコンディショナー40の出力を並列に接続してその合計となっている。
従来の太陽光発電所の具体例について説明する。
一般的な太陽光発電パネル21は、通常出力300W、最高出力電圧40V、通常発電電圧30V、通常発電電流10Aの直流電力を発生させるものであり、この太陽光発電パネル21が7枚直列に接続されて発電ユニット20が構成され、最高出力電圧280V、通常発電電圧210V、通常発電電流10A、系統発電電力2100W(2.1kW)でパワーコンディショナー40に接続されている。なお、この系統基本構成は、小型から大型の太陽光発電所のいずれであっても、ほぼ標準化されている。パワーコンディショナー40へは、その発電ユニット20の出力に合せて系統数を調整して接続している。例えば、5kwのパワーコンディショナー40であれば、2.1kWの太陽光発電パネル系統(発電ユニット20)を3系統並列に接続している。50kWであれば、30系統が接続され、メガソーラー発電所の1000kWの発電所であれば、600系統が接続されている。そして、パワーコンディショナー40は、太陽光発電パネル系統からの直流入力電力に比例して自動的に交流電力を出力する特性を持っている。
また、主に家庭用の太陽光蓄電装置としては、太陽光パネルからの直流入力端子と、パワコン(直流電源を商用交流電源に変換する装置)への直流出力端子と、電力センサーからの信号線の接続端子を備え、電力センサーの信号により蓄電池への蓄電とパワコンへの直流出力制御をする回路を内蔵した制御盤を蓄電池の外装に固定し、且つ、制御盤の蓄電池接続端子と蓄電池を結線して一体化した(特許文献1参照)太陽光発電用蓄放電装置が開示されている。これによれば、太陽光発電の余剰電力を蓄電し、蓄電した電力を自家消費する事ができ、家庭の電力購入代金を大きく削減出来る太陽光発電用蓄放電装置を提供することができる。
また、太陽電池充電ユニットのネットワークシステムとして、建屋に太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールにより発電された電力を蓄電する蓄電池及び充電用電力を電気自動車に供給する充電器と、を備えた複数の太陽電池充電ユニットと、複数の太陽電池充電ユニットとインターネットを介して相互に通信可能に構成された管理装置と、を有する(特許文献2参照)ものが開示されている。これによれば、太陽光発電を利用する充電スタンドを普及させ、電気自動車等を外出先でも充電が可能となる太陽電池充電ユニットのネットワークシステムを提供することができる。
実用新案登録第3223017号(第1頁) 特開2021-97558号(第1頁)
2012年以降に新設された国のFIT制度(再生可能エネルギー固定価格買取制度)により、太陽光による発電電力の全量を発電と同時に電力会社に売電するもので、その普及と共に発電量が増大して昼間の発電電力が過剰となり、夕方から夜間などの時間帯の電力が不足するという社会的な問題が発生している。これに対して、現状は、過剰電力を防止するために、太陽光発電所の昼間の発電を停止することができるように義務付けられており、発電停止装置を取り付けて発電を停止している。このため、発電事業者は、発電停止中の発電エネルギーの損失に伴い経済的な損失が発生していると共に、社会全体では、昼間の過剰な発電がなされる時間帯以外の電力が不足するという問題を抱えている。
そこで、本発明の目的は、太陽光発電を停止することなく、仮想的に一体化されて構成される太陽光ネットワーク発電所に蓄電された電力を、任意の時間に任意の電力量で送電網へより正確且つ適切に放電出力できる太陽光ネットワーク発電所システム及びその運用方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明に係る太陽光ネットワーク発電所システムの一形態によれば、複数の太陽光発電所の各々で、太陽光発電と蓄電がなされる末端の単位ユニットであると共にパワーコンディショナーを介して送電網に接続される単位ユニットとして、太陽光から発電を生じさせる発電ユニットと、該発電ユニットから生じた電力を自動的に充電できる蓄電池と、該蓄電池からの放電出力を外部からの指示で制御できるように装備された通信制御装置とを備える太陽光蓄電池ユニットが設けられ、該太陽光蓄電池ユニットの複数が、検定電力計を介して電力会社に接続されているネットワークとは別に、各々の前記通信制御装置によって通信ネットワークを介して外部管理コンピュータに接続されることで、太陽光ネットワーク発電所として仮想的に一体化され、前記外部管理コンピュータによって管理されるように構成された太陽光ネットワーク発電所システムであって、前記太陽光蓄電池ユニット毎を識別するように前記通信制御装置に付された識別情報と、前記太陽光蓄電池ユニット毎に係る少なくとも設置場所に関する情報を含むものであって前記識別情報に紐づけられた固有情報と、前記太陽光蓄電池ユニット毎に係る少なくとも蓄電電力量に関する情報を含むものであって前記識別情報に紐づけられた変動情報である蓄電情報と、電力の需要に関する外部の情報であって変動情報である電力需要情報とが、前記外部管理コンピュータの演算装置にアクセスできるように情報網が設けられ、前記太陽光ネットワーク発電所に蓄電された電力を、任意の時間に任意の電力量で送電網へ放電出力できるように、前記外部管理コンピュータが、前記識別情報、前記固有情報、前記蓄電情報及び前記電力需要情報に基づいて、前記太陽光蓄電池ユニット毎に放電出力の計画を作成し、前記太陽光蓄電池ユニット毎に放電出力の制御を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る太陽光ネットワーク発電所システムの一形態によれば、前記蓄電情報は、前記蓄電池の電圧を計測することによって推定される蓄電電力量の情報を含むことを特徴とすることができる。
また、本発明に係る太陽光ネットワーク発電所システムの一形態によれば、前記太陽光蓄電池ユニット毎の前記放電出力の情報として、前記蓄電池の出力電圧と出力電流を経時的に計測することによって得ることができる出力電力量の情報が、前記外部管理コンピュータにアクセスできるように、前記情報網が設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る太陽光ネットワーク発電所システムの運用方法一形態によれば、前記の太陽光ネットワーク発電所システムを、前記外部管理コンピュータによる制御によって運用する方法であって、前記太陽光蓄電池ユニット毎からの蓄電情報によって蓄電電力量を前記外部管理コンピュータで把握するステップと、前記電力需要情報によって予測される電力需要量を前記外部管理コンピュータで把握するステップと、前記太陽光ネットワーク発電所から前記送電網へ電力を供給するための電力供給計画として、前記識別情報、前記固有情報、前記蓄電情報及び前記電力需要情報に基づいて、前記外部管理コンピュータで前記太陽光蓄電池ユニット毎に関する放電出力の計画を作成するステップと、前記放電出力の計画に基づいて、前記太陽光蓄電池ユニット毎に前記外部管理コンピュータからの指示によって放電出力を行うステップとを含むことを特徴とすることができる。
また、本発明に係る太陽光ネットワーク発電所システムの運用方法の一形態によれば、前記太陽光蓄電池ユニット毎に計画された放電出力の計画情報から推定される推定出力電力量の情報と、前記蓄電池の出力電圧と出力電流を経時的に計測することによって得ることができる情報であって前記太陽光蓄電池ユニット毎に放電出力の制御が行われることで送電網へ放電出力された出力電力量の情報とを、前記外部管理コンピュータによって照合することで前記太陽光蓄電池ユニット毎の運転状況を把握し、前記太陽光蓄電池ユニット毎の放電出力に係る計画や制御が前記外部管理コンピュータによって修正されるステップを含むことを特徴とすることができる。
また、本発明に係る太陽光ネットワーク発電所システムの運用方法の一形態によれば、前記太陽光発電所毎に設けられた検定電力計によって計測されることで把握される前記太陽光発電所から前記送電網へ出力された電力供給量の情報と、前記太陽光蓄電池ユニット毎からの前記出力電力量の情報を積算することによって推定される前記太陽光発電所の推定電力供給量の情報とを、前記外部管理コンピュータによって照合することで前記太陽光発電所の運転状況を把握し、前記太陽光蓄電池ユニット毎の放電出力に係る計画や制御が前記外部管理コンピュータによって修正されるステップを含むことを特徴とすることができる。
本発明の太陽光ネットワーク発電所システム及びその運用方法によれば、太陽光発電を停止することなく、仮想的に一体化されて構成される太陽光ネットワーク発電所に蓄電された電力を、任意の時間に任意の電力量で送電網へより正確且つ適切に放電出力できるという特別有利な効果を奏する。
本発明の太陽光ネットワーク発電所システムに係る形態例を説明する構成図である。 本発明の太陽光ネットワーク発電所システムの運用例に係る情報のアクセスを説明する説明図である。 図1の形態例の各太陽光発電所に係る形態例を示す単線結線図である。 図1の形態例の各蓄電池ユニットに係る形態例を示す単線結線図である。 従来の太陽光発電所に係る形態例を示す単線結線図である。
以下、本発明に係る太陽光ネットワーク発電所システム及びその運用方法の形態例を、添付図面(図1~4)に基づいて詳細に説明する。
本発明に係る太陽光ネットワーク発電所システムでは、図1~4で示すように、複数の太陽光発電所100の各々で、太陽光発電と蓄電がなされる末端の単位ユニットであると共にパワーコンディショナー40を介して送電網55に接続される単位ユニットとして、太陽光から発電を生じさせる発電ユニット20と、その発電ユニット20から生じた電力を自動的に充電できる蓄電池31(図4参照)と、その蓄電池31からの放電出力を外部からの指示で制御できるように装備された通信制御装置35(図4参照)とを備える太陽光蓄電池ユニット10が設けられている。
また、その太陽光蓄電池ユニット10の複数が、各々の通信制御装置35によって通信ネットワーク(例えばインターネット60)を介して外部管理コンピュータ70に接続されることで、太陽光ネットワーク発電所として仮想的に一体化され、外部管理コンピュータ70によって管理されるように構成された太陽光ネットワーク発電所システムになっている。
さらに、本発明に係る太陽光ネットワーク発電所システムでは、太陽光蓄電池ユニット10毎を識別するように通信制御装置35に付された識別情報と、太陽光蓄電池ユニット10毎に係る少なくとも設置場所に関する情報を含むものであって前記識別情報に紐づけられた固有情報と、太陽光蓄電池ユニット10毎に係る少なくとも蓄電電力量に関する情報を含むものであって前記識別情報に紐づけられた変動情報である蓄電情報と、電力の需要に関する外部の情報であって変動情報である電力需要情報とが、外部管理コンピュータ70の演算装置にアクセスできるように情報網が設けられている。
そして、本発明では、太陽光ネットワーク発電所に蓄電された電力を、任意の時間に任意の電力量で送電網55へ放電出力できるように、外部管理コンピュータ70が、前記識別情報、前記固有情報、前記蓄電情報及び前記電力需要情報に基づいて、前記太陽光蓄電池ユニット10毎に放電出力の計画を作成し、前記太陽光蓄電池ユニット10毎に放電出力の制御を行う太陽光ネットワーク発電所システムになっている。
これによれば、仮想的に一体化された太陽光ネットワーク発電所を合理的に管理でき、太陽光発電所100を停止することなく無駄なく利用でき、太陽光ネットワーク発電所に蓄電された電力を、任意の時間に任意の電力量で送電網へより正確且つ適切に放電出力できるという特別有利な効果を奏する。また、それぞれの太陽光蓄電池ユニット10を個別に管理するため、発電性能、蓄電池性能の低下や機器不良が最小単位で把握できるようになり、太陽光発電所100全体を停止することなく、問題点を把握して対処できる。
なお、本発明に係る識別情報とは、外部管理コンピュータ70によって管理できるように付与される識別コードなどの識別手段であり、その識別コードとしては、例えば数字のみの識別番号を用いることができる他、文字や符号などを用いたものであっても良いのは勿論である。
また、本発明に係る固有情報とは、固定的な情報であって、位置情報などの設置場所の情報の他に、経年に劣化する太陽光発電パネル21(発電ユニット20を構成する発電装置の形態例)や蓄電池31の個別の情報を含ませることができる。
また、本発明に係る蓄電情報とは、例えば、蓄電池31の電圧を計測することによって推定される蓄電電力量の情報や、気象条件によって地域毎(太陽光発電所100毎)に予測される蓄電電力量の情報など、太陽光蓄電池ユニット10毎において変動する蓄電電力状況を把握するための情報を含ませることができる。
さらに、本発明に係る電力需要情報とは、JEPX(一般社団法人日本卸電力取引所)で決定されているFIT制度以外の電力の市場価格や、気象条件によって地域毎に変化する需要予測などの変動情報を含ませることができる。
そして、これらの情報は、例えば、放電出力がなされる太陽光蓄電池ユニット10の優先順を決定するため、または放電出力が特定の時間や地域によってなされる太陽光蓄電池ユニット10を選択或いは除外するために用いることができる。例えば、電力需要の高い場所に近い太陽光蓄電池ユニット10から優先的に放電するように制御することや、蓄電電力量が高い太陽光蓄電池ユニット10から優先的に放電するように制御することなど、太陽光ネットワーク発電所システムに係る運用を最適化できる。
また、本形態例では、太陽光蓄電池ユニット10毎の前記放電出力の情報として、蓄電池31の出力電圧と出力電流を経時的に計測することによって得ることができる出力電力量の情報が、外部管理コンピュータ70にアクセスできるように、前記情報網を設けることができる。これによれば、後述するように太陽光ネットワーク発電所システムの運転状況を適切に把握でき、その運用を適切に修正して最適化できる。
次に、以上の太陽光ネットワーク発電所システムに係る運用方法の実施例について、図2に基づいて説明する。この運用方法の実施例では、太陽光ネットワーク発電所システムが外部管理コンピュータ70による制御によって運用され、蓄電電力量を把握するステップ(ステップ1)と、電力需要量を把握するステップ(ステップ2)と、放電出力の計画を作成するステップ(ステップ3)と、放電出力を行うステップ(ステップ4)と、さらに放電出力を比較照合するステップとが含まれている。そして、放電出力を比較照合するステップには、太陽光蓄電池ユニット10毎の出力電力量の計画情報と、太陽光蓄電池ユニット10毎の出力電力量の情報とを照合するステップ(ステップ5)や、太陽光蓄電池ユニット10毎の出力電力量の情報から積算される太陽光発電所100の推定電力供給量の情報と、太陽光発電所100毎に設けられた検定電力計45によって計測される電力供給量の情報とを照合するステップ(ステップ6)を含ませることができる。
蓄電電力量を把握するステップ(ステップ1)では、太陽光蓄電池ユニット10毎からの蓄電情報によって蓄電電力量を外部管理コンピュータ70で把握する。これによれば、太陽光ネットワーク発電所の全体の蓄電電力量を把握することができる共に、太陽光発電と蓄電がなされる末端の単位ユニットである太陽光蓄電池ユニット10毎の蓄電電力量を把握することができるため、最も効率的な送電網55への電力供給を行うことができるように、管理することができる。
電力需要量を把握するステップ(ステップ2)では、例えばJEPX(一般社団法人日本卸電力取引所)による電力需要情報によって予測される電力需要量を外部管理コンピュータ70で把握する。これによれば、例えば、電力需要が蓄電電力量よりも大きい場合は、太陽光ネットワーク発電所全体の全ての蓄電電力量を送電網55へ供給するように全ての太陽光蓄電池ユニット10から放電出力することができる。また、電力需要が蓄電電力量よりも小さい場合は、例えば前述したように太陽光蓄電池ユニット10毎に放電出力に係る優先度を決定するように管理することができる。
放電出力の計画を作成するステップ(ステップ3)では、太陽光ネットワーク発電所から送電網55へ電力を供給するための電力供給計画として、前記識別情報、前記固有情報、前記蓄電情報及び前記電力需要情報に基づいて、外部管理コンピュータ70で太陽光蓄電池ユニット10毎に関する放電出力の計画を作成する。これによれば、より正確且つ適切な放電出力の計画を立てることができる。
そして、放電出力を行うステップ(ステップ4)では、前記放電出力の計画に基づいて、太陽光蓄電池ユニット10毎に外部管理コンピュータ70からの指示によって放電出力を行う。これによれば、太陽光ネットワーク発電所に蓄電された電力を、任意の時間に任意の電力量で送電網へより正確且つ適切に放電出力できる。
また、本実施例では、図2に示すように、太陽光蓄電池ユニット10毎に計画された放電出力の計画情報から推定される推定出力電力量の情報と、蓄電池31の出力電圧と出力電流を経時的に計測することによって得ることができる情報であって太陽光蓄電池ユニット10毎に放電出力の制御が行われることで送電網55へ放電出力された出力電力量の情報とを、外部管理コンピュータ70によって照合することで太陽光蓄電池ユニット10毎の運転状況を把握し、太陽光蓄電池ユニット100毎の放電出力に係る計画や制御が外部管理コンピュータ70によって修正されるステップ(ステップ5)を含ませることができる。これによれば、太陽光ネットワーク発電所に蓄電された電力を、任意の時間に任意の電力量で送電網55へ放電出力する制御をフィードバック(ステップ7)でき、太陽光発電所100毎や太陽光蓄電池ユニット10毎の管理を、より正確且つ適切に行うことができる。
さらに、本実施例では、図2に示すように、太陽光発電所100毎に設けられた検定電力計45によって計測されて外部管理コンピュータ70に送信されることで把握される太陽光発電所100から送電網55へ出力された電力供給量の情報と、太陽光蓄電池ユニット10毎からの前記出力電力量の情報を積算することによって推定される前記太陽光発電所の推定電力供給量の情報とを、外部管理コンピュータ70によって照合することで太陽光発電所100の運転状況を把握し、前記太陽光蓄電池ユニット毎の放電出力に係る計画や制御が前記外部管理コンピュータによって修正されるステップ(ステップ6)を含ませることができる。これによっても、太陽光ネットワーク発電所に蓄電された電力を、送電網55へ放電出力する制御をフィードバック(ステップ7)でき、太陽光発電所100毎や太陽光蓄電池ユニット10毎の管理を、より正確且つ適切に行うことができる。
また、本実施例では、図2に示すように、ステップ5やステップ6で発電電力の照合を行った発電データについて、その発電データを保存するステップ(ステップ8)を含ませることができる。この発電データは、AI学習を行うための情報として用い、そのAI学習によって得られた情報は、太陽光蓄電池ユニット10毎、太陽光発電所100毎や太陽光ネットワーク発電所としての運転をより適正に制御するために用いることができる。
また、図3に示す形態例の太陽光発電所100では、発電ユニット20毎に、発電ユニット20とパワーコンディショナー40との間に、蓄電池31と通信制御装置35を備える蓄電池ユニット30(図4参照)が接続されることで、発電ユニット20と蓄電池ユニット30とによって太陽光蓄電池ユニット10が設けられている。この蓄電池ユニット30によれば、発電ユニット20で発電された電力を充電できると共に蓄電された電力をパワーコンディショナー40へ任意に放電できるように外部管理コンピュータ70によって管理できる(図2参照)。
ここで、太陽光発電所100の具体的な構成例を、図3に基づいて説明すると、300Wの太陽光発電パネル21が7枚で、2.1kW、直流電圧280V、直流電流7.5Aで発電回路(発電ユニット20)が構成されている。この発電ユニット20の3回路を、パワーコンディショナー40に並列接続して5kWのパワコン系統が構成されている。そして、この3回路の発電ユニット20の各々に蓄電池ユニット30が接続されている。なお、昼間の発電のほとんどを充電するためには、各蓄電池ユニット30によれば、10kWhの蓄電池31(図4参照)を備えるとよいことになる。
また、図4に示す形態例の蓄電池ユニット30では、充電回路32と、発電ユニット20で発電された電力の全量が充電回路32によって自動的に充電される蓄電池31と、蓄電池31に蓄電された電力をパワーコンディショナー40へ放電する放電回路33と、その放電回路33を遠隔操作するための通信制御装置35とが設けられている。そして、蓄電池31には、蓄電量を把握するために電圧を計測する電圧計(図示せず)と、その電圧計で計測される出力電圧と共に電力量を算出するための出力電流を計測する電流計(図示せず)とが接続されて設けられ、その蓄電量に係る電圧や出力電圧の情報と出力電流の情報とが外部管理コンピュータ70へ通信できるように通信制御装置35に接続された形態とすることができる。
これによれば、例えば、太陽光によって発電された電力の全てを、蓄電池31に蓄電でき、季節によっても異なるが、例えば午後の3時ごろには、その日のおおよその蓄電量を、太陽光蓄電池ユニット10毎に把握することができる。これに基づいて、例えば、太陽光による発電量が低下するのと反対に、午後5時ごろから増加が予想される電力需要量に合わせて、選択された複数(多数)の太陽光蓄電池ユニット10を個別に制御することによって、太陽光ネットワーク発電所システムから、必要な時間帯に必要な電力量を自在に放電できる。これによれば、昼間の過剰電力を防止するために太陽光発電所の発電を停止する必要がなくなり、太陽エネルギーを有効に活用できる。
また、発電ユニット20と蓄電池ユニット30とによって構成される太陽光蓄電池ユニット10が多数設置されることになるが、この太陽光蓄電池ユニット10は、大量生産によって低コストで製造できることになり、太陽光ネットワーク発電所システムの設備費(初期コスト)を低減できる。さらに、この蓄電池ユニット30は、発電ユニット20毎に設置するので、太陽光発電所100内に分散設置ができ、新たなスペースを必要としないという利点がある。
また、発電ユニット20(例えば太陽光発電パネル21)とパワーコンディショナー40は多くのメーカーがあるが、発電回路の基本的な仕様は同一である。このため、既に設置されている発電ユニット20に後付けで蓄電池ユニット30を接続する場合も、その蓄電池ユニット30を標準化でき、既存の太陽光発電所100においても容易に設置できる。このため、蓄電池ユニット30は、大量生産が可能になり、コストダウンをすることができる。
本形態例の情報網は、通信ネットワークとして例えばインターネット60を用いるものであって、各太陽光発電所100においては、無線LAN(Local Area Network)を用いることができる。この無線LANとしては、汎用されているWi-Fiを用いることで、簡単且つ低コストで設置できる。
本発明は太陽光発電に関する発電所システムに関するものであるが、以上に説明した構成に加えて、風力や水力などの他の自然エネルギーを用いた発電システムを付加することができるのは勿論である。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
10 太陽光蓄電池ユニット
20 発電ユニット
21 太陽光発電パネル
30 蓄電池ユニット
31 蓄電池
32 充電回路
33 放電回路
35 通信制御装置
40 パワーコンディショナー
45 検定電力計
50 電力会社
55 送電網
60 インターネット
70 外部管理コンピュータ
100 太陽光発電所

Claims (6)

  1. 複数の太陽光発電所の各々で、太陽光発電と蓄電がなされる末端の単位ユニットであると共にパワーコンディショナーを介して送電網に接続される単位ユニットとして、太陽光から発電を生じさせる発電ユニットと、該発電ユニットから生じた電力を自動的に充電できる蓄電池と、該蓄電池からの放電出力を外部からの指示で制御できるように装備された通信制御装置とを備える太陽光蓄電池ユニットが設けられ、
    該太陽光蓄電池ユニットの複数が、検定電力計を介して電力会社に接続されているネットワークとは別に、各々の前記通信制御装置によって通信ネットワークを介して外部管理コンピュータに接続されることで、太陽光ネットワーク発電所として仮想的に一体化され、前記外部管理コンピュータによって管理されるように構成された太陽光ネットワーク発電所システムであって、
    前記太陽光蓄電池ユニット毎を識別するように前記通信制御装置に付された識別情報と、
    前記太陽光蓄電池ユニット毎に係る少なくとも設置場所に関する情報を含むものであって前記識別情報に紐づけられた固有情報と、
    前記太陽光蓄電池ユニット毎に係る少なくとも蓄電電力量に関する情報を含むものであって前記識別情報に紐づけられた変動情報である蓄電情報と、
    電力の需要に関する外部の情報であって変動情報である電力需要情報とが、前記外部管理コンピュータの演算装置にアクセスできるように情報網が設けられ、
    前記太陽光ネットワーク発電所に蓄電された電力を、任意の時間に任意の電力量で送電網へ放電出力できるように、前記外部管理コンピュータが、前記識別情報、前記固有情報、前記蓄電情報及び前記電力需要情報に基づいて、前記太陽光蓄電池ユニット毎に放電出力の計画を作成し、前記太陽光蓄電池ユニット毎に放電出力の制御を行うことを特徴とする太陽光ネットワーク発電所システム。
  2. 前記蓄電情報は、前記蓄電池の電圧を計測することによって推定される蓄電電力量の情報を含むことを特徴とする請求項1記載の太陽光ネットワーク発電所システム。
  3. 前記太陽光蓄電池ユニット毎の前記放電出力の情報として、前記蓄電池の出力電圧と出力電流を経時的に計測することによって得ることができる出力電力量の情報が、前記外部管理コンピュータにアクセスできるように、前記情報網が設けられていることを特徴とする請求項1記載の太陽光ネットワーク発電所システム。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の太陽光ネットワーク発電所システムを、前記外部管理コンピュータによる制御によって運用する方法であって、
    前記太陽光蓄電池ユニット毎からの蓄電情報によって蓄電電力量を前記外部管理コンピュータで把握するステップと、
    前記電力需要情報によって予測される電力需要量を前記外部管理コンピュータで把握するステップと、
    前記太陽光ネットワーク発電所から前記送電網へ電力を供給するための電力供給計画として、前記識別情報、前記固有情報、前記蓄電情報及び前記電力需要情報に基づいて、前記外部管理コンピュータで前記太陽光蓄電池ユニット毎に放電出力の計画を作成するステップと、
    前記放電出力の計画に基づいて、前記太陽光蓄電池ユニット毎に前記外部管理コンピュータからの指示によって放電出力を行うステップとを含むことを特徴とする太陽光ネットワーク発電所システムの運用方法。
  5. 前記太陽光蓄電池ユニット毎に計画された放電出力の計画情報から推定される推定出力電力量の情報と、前記蓄電池の出力電圧と出力電流を経時的に計測することによって得ることができる情報であって前記太陽光蓄電池ユニット毎に放電出力の制御が行われることで送電網へ放電出力された出力電力量の情報とを、前記外部管理コンピュータによって照合することで前記太陽光蓄電池ユニット毎の運転状況を把握し、前記太陽光蓄電池ユニット毎の放電出力に係る計画や制御が前記外部管理コンピュータによって修正されるステップを含むことを特徴とする請求項4記載の太陽光ネットワーク発電所システムの運用方法。
  6. 前記太陽光発電所毎に設けられた検定電力計によって計測されることで把握される前記太陽光発電所から前記送電網へ出力された電力供給量の情報と、前記太陽光蓄電池ユニット毎からの前記出力電力量の情報を積算することによって推定される前記太陽光発電所の推定電力供給量の情報とを、前記外部管理コンピュータによって照合することで前記太陽光発電所の運転状況を把握し、前記太陽光蓄電池ユニット毎の放電出力に係る計画や制御が前記外部管理コンピュータによって修正されるステップを含むことを特徴とする請求項5記載の太陽光ネットワーク発電所システムの運用方法。
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