JP2020010542A - 電力制御装置および電力制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の需要家の蓄電池を用いた需給制御を効率的に行う。【解決手段】サーバ8は、電力系統9に連係された複数の需要家1a〜1dに設置された蓄電池を用いて、電力系統における電力の需給制御を行う電力制御装置であり、制御部を備える。蓄電池は、少なくとも需要家の太陽光発電システムが発電した電力が電力系統に逆潮流されているときは放電不能とした第1種類の蓄電池10および需要家の太陽光発電システムが発電した電力が電力系統に逆潮流されているときも放電可能な第2種類の蓄電池20、21のいずれかである。制御部は、需給制御を行う時間帯に応じて、需給制御に使用する蓄電池の種類を決定し、決定した種類の蓄電池が設置された需要家の蓄電池を用いて、電力の需給制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、電力制御装置および電力制御方法に関する。
近年、需要家側に分散して配置された太陽光発電システムや蓄電池を制御し、仮想的な発電所として活用するVPP(Virtual Power Plant)の開発が進められている。特に、VPPとデマンドレスポンスを組み合わせて、電力需給の逼迫時における電力消費の抑制や、供給力の確保を実現する技術が注目されている。
そこで、電力系統における供給力と電力需要に関する情報に基づき、各需要家に設置された蓄電池を制御する技術が開発されている。蓄電池が設置された複数の需要家宅について電力ピークオフを実現する地域内電力需給制御システムも提案されている。
特許第6097592号公報
しかしながら、需要家によって蓄電池の使用条件は異なっている。例えば、一部の需要家の蓄電池では太陽光発電システムの発電電力を逆潮流している間(売電中)は、放電が行われない。他方、別の需要家の蓄電池では、太陽光発電システムの発電電力を逆潮流している間でも、宅内の需要量を上限に放電可能である。また、太陽光発電システムの発電電力を逆潮流しているか否かに関わらず、放電および逆潮流可能な蓄電池(FIT(固定価格買い取り制度)の適用が終了した蓄電池など)もある。上記のシステムでは、このような蓄電池の使用条件については何ら考慮されていない。
本発明は、複数の需要家が保有する蓄電池を用いた需給制御を効率的に行う電力制御装置および電力制御方法を提供する。
本発明に係る電力制御装置は、電力系統に連係された複数の需要家に設置された蓄電池を用いて、前記電力系統における電力の需給制御を行う電力制御装置であり、制御部を備える。前記蓄電池は、少なくとも前記需要家の太陽光発電システムが発電した電力が電力系統に逆潮流されているときは放電不能とした第1種類の蓄電池、および前記需要家の太陽光発電システムが発電した電力が前記電力系統に逆潮流されているときも放電可能な第2種類の蓄電池のいずれかである。前記制御部は、前記需給制御を行う時間帯に応じて、前記需給制御に使用する蓄電池の種類を決定し、前記決定した種類の蓄電池が設置された前記需要家の前記蓄電池を用いて、前記電力の需給制御を行う。
第1の実施形態に係る電力制御システムの構成例を示す図。 第1の実施形態に係る電力制御装置の構成を示したブロック図。 需要家データの例を示した図。 ダックカーブの例を示した図。 FITが適用される需要家の蓄電池の残量をグラフで示した図。 FITが適用されない需要家の蓄電池の残量をグラフで示した図。 デマンドレスポンス要求の内容を確認する処理のフローチャート。 夕方の時間帯にデマンドレスポンスを実行する場合の処理のフローチャート。 朝の時間帯にデマンドレスポンスを実行する場合の処理のフローチャート。 昼の時間帯にデマンドレスポンスを実行する場合の処理のフローチャート。
以下では、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。また、図面において同一の構成要素は、同じ番号を付し、説明は、適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電力制御システムの構成例を示している。図1の電力制御システムは、需要家1a、1b、1c、1dと、電力制御装置(サーバ)8と、電力系統9とを備えている。需要家1aは、電力ケーブル5aを介して電力系統9と連系されている。同様に、需要家1b、1c、1dは、それぞれ電力ケーブル5b、5c、5dを介して電力系統9と連系されている。したがって、需要家1a、1b、1c、1dは電力系統9から電力の供給を受けることができる。また、需要家1a、1b、1c、1dは、電力を電力系統9に逆潮流させることができる。図では電力制御装置(サーバ)8が1台示されているが、電力制御装置8が複数台配置され、複数台の電力制御装置がそれぞれ異なる需要家と連係されてもよい。また、同じ需要家が2台以上の電力制御装置と連係されてもよい。
電力系統9は、発電所、変電所、送電線など発電、変電、送電のための各種設備を含むものとする。電力系統9の例としては、電力会社などの電力系統が挙げられる。ただし、電力系統9を運営管理する主体については特に問わない。例えば、電力系統9は、電力会社の発電所と、その他の事業者が運営管理する発電所との双方に連系されていてもよい。また、複数の電力会社の設備が連系されていてもよい。すなわち、電力系統9は複数の事業者によって運営管理された電力系統の組み合わせであってもよい。また、電力系統9の規模については特に問わない。したがって、電力系統9は複数の都市圏を包含する大規模なものであってもよいし、離島に電力を供給する小規模なものであってもよい。
また、需要家1a、1b、1c、1dはネットワーク6を介して電力制御装置8に接続されている。電力制御装置8はネットワーク7を介して電力系統9に接続されている。電力制御装置8は、電力系統9における電力需要と供給力の状況を監視し、状況に応じて各需要家にデマンドレスポンス(DR:Demand Response)を求める手段を備えていている。ただし、デマンドレスポンスを電力系統9に接続された他の電力制御装置から電力制御装置8が受けて、当該デマンドレスポンスに応じた制御を電力制御装置8が行ってもよい。複数台の電力制御装置8が互いに連係して、デマンドレスポンスを分担して実行してもよい。電力制御装置8の機能と構成については後述する。
ネットワーク6、7の通信媒体の例としては、光ファイバ、LANケーブル、電話回線、同軸ケーブル、無線またはこれらの組み合わせが挙げられる。ただし、通信媒体の種類については特に問わない。ネットワーク6、7の具体例としては、イーサネット(登録商標)または無線LAN等のローカルエリアネットワーク、またはインターネット等の広域ネットワークなどが挙げられるが、ネットワークの種類については特に限定しない。ネットワーク6とネットワーク7は同一のネットワークでもよいし、互いに独立した別々のネットワークであってもよい。
需要家1a、1b、1c、1dは、生活や事業の遂行のために電力を使って各種の機器を稼働させる電力需要家である。需要家1a、1b、1c、1dの例としては、戸建て住宅、集合住宅、ビル、店舗、工場、学校、病院などが挙げられるが、電力需要家の種類については特に問わない。図1では説明のために4戸の需要家が示されているが、実際にはより多くの需要家が存在してよい。例えば、数百戸〜数万戸の需要家が存在してよい。
需要家1aは、太陽光発電システム2aと、宅内管理装置(端末)3aと、第3種類の蓄電池(第3蓄電池)30とを備えている。太陽光発電システム2aと第3蓄電池30は、電力ケーブル5aを介して電力系統9と連系されている。宅内管理装置3aは、プロセッサ(CPU)と、記憶部と、通信部とを備えた情報処理装置である。宅内管理装置3aは、通信部を介してネットワーク6に接続されている。宅内管理装置3aは、電力制御装置8とデータ通信を行いながら、需要家1aに設置された各構成要素を制御する。また、宅内管理装置3aは需要家1aに設置された蓄電池の種類を電力制御装置8に通知してもよい。あるいは電力制御装置8にオペレータが需要家1aの蓄電池の種類を登録してもよい。宅内管理装置3aは、蓄電池の種類以外の情報、例えば蓄電池の状態(電力残量など)の情報を電力制御装置8に通知してもよい。太陽光発電システム2aと第3蓄電池30の詳細については後述する。
需要家1bは、太陽光発電システム2bと、宅内管理装置3bと、逆電力継電器4bと、第1種類の蓄電池(第1蓄電池)10とを備えている。太陽光発電システム2bと第1蓄電池10は、電力ケーブル5bを介して電力系統9と連系されている。宅内管理装置3bも、プロセッサ(CPU)と、記憶部と、通信部とを備えた情報処理装置である。宅内管理装置3bも、通信部を介してネットワーク6に接続されている。宅内管理装置3bは、電力制御装置8とデータ通信を行いながら、需要家1bに設置された各構成要素を制御する。また、宅内管理装置3bは需要家1bに設置された蓄電池の種類を電力制御装置8に通知してもよい。あるいは電力制御装置8にオペレータが需要家1bの蓄電池の種類を登録してもよい。宅内管理装置3bは、蓄電池の種類以外の情報、例えば蓄電池の状態(電力残量など)の情報を電力制御装置8に通知してもよい。太陽光発電システム2bと、逆電力継電器4bと、第1蓄電池10の詳細については後述する。
需要家1cは、太陽光発電システム2cと、宅内管理装置3cと、第2種類の蓄電池(第2蓄電池)20とを備えている。太陽光発電システム2cと第2蓄電池20は、電力ケーブル5cを介して電力系統9と連系されている。宅内管理装置3cは、プロセッサ(CPU)と、記憶部と、通信部とを備えた情報処理装置である。宅内管理装置3cは、通信部を介してネットワーク6に接続されている。宅内管理装置3cは、電力制御装置8とデータ通信を行いながら、需要家1cに設置された各構成要素を制御する。また、宅内管理装置3cは需要家1cに設置された蓄電池の種類を電力制御装置8に通知してもよい。あるいは電力制御装置8にオペレータが需要家1cの蓄電池の種類を登録してもよい。宅内管理装置3cは、蓄電池の種類以外の情報、例えば蓄電池の状態(電力残量など)の情報を電力制御装置8に通知してもよい。太陽光発電システム2cと第2蓄電池20の詳細については後述する。
同様に、需要家1dは、太陽光発電システム2dと、宅内管理装置3dと、第2種類の蓄電池(第2蓄電池)21とを備えている。太陽光発電システム2dと第2蓄電池21は、電力ケーブル5dを介して電力系統9と連系されている。宅内管理装置3dは、プロセッサ(CPU)と、記憶部と、通信部とを備えた情報処理装置である。宅内管理装置3dは、通信部を介してネットワーク6に接続されている。宅内管理装置3dは、電力制御装置8とデータ通信を行いながら、需要家1dに設置された各構成要素を制御する。また、宅内管理装置3dは需要家1dに設置された蓄電池の種類を電力制御装置8に通知してもよい。あるいは電力制御装置8にオペレータが需要家1dの蓄電池の種類を登録してもよい。宅内管理装置3dは、蓄電池の種類以外の情報、例えば蓄電池の状態(電力残量など)の情報を電力制御装置8に通知してもよい。太陽光発電システム2dと第2蓄電池21の詳細については後述する。
なお、電力系統9に連系されたすべての需要家が需要家1a、1b、1c、1dのように必ず太陽光発電システムと蓄電池を備えていなくてもよい。例えば、太陽光発電システムが設置されているが、蓄電池を有しない需要家が電力系統9と連系されていてもよいし、蓄電池を設置しているが、太陽光発電システムを有しない需要家が電力系統9と連系されていてもよい。太陽光発電システムと蓄電池のいずれも有しない需要家が電力系統9に連系されていてもよい。風力発電システム、地熱発電システム、バイオマス燃料発電システムなど、その他の電力設備を有する需要家が電力系統9に連系されていてもよい。すなわち、需要家が有する電力設備の組み合わせについては特に問わない。電力系統9に連系されたすべての需要家に太陽光発電システムと蓄電池が設置されていてもよい。
太陽光発電システム2a、2b、2c、2dは、太陽の輻射エネルギーによって発電をする。需要家1a、1b、1c、1dは太陽光発電システムの発電した電力を自家消費できる。自家消費することで、電力会社の電力系統9から供給された電力の使用量を減らすことができる。また、電力系統全体における再生可能エネルギーの利用率を高めることができる。また、固定価格買い取り制度(FIT)の適用がある場合や、任意の売電契約が締結されている場合には、電力会社などの事業者に太陽光発電システムで発電した電力を売却し、収入を得ることができる。
固定価格買い取り制度においては、全量買い取り方式と余剰電力買い取り方式がある。需要家の太陽光発電システムによって発電した電力の全量を事業者が買い取る方式を全量買い取り方式とよばれている。需要家が太陽光発電システムで発電した電力を自家消費し、残りの電力を事業者が買い取る方式を余剰電力買い取り方式とよばれている。以下では、余剰電力買い取り方式の場合を想定して、本実施形態に係る電力制御システムを説明する。ただし、全量買い取り方式の場合でも本発明に係る電力制御システムは可能である。
ここで蓄電池の種類について説明する。
上述のように、FITの適用を受ける需要家の蓄電池、FITの適用を受けない需要家の蓄電池など、様々な条件の蓄電池が存在する。また、後述するように、蓄電池の種類によって、使用形態が異なる傾向があり、例えば各時間帯における蓄電池の残量や、蓄電池の充電の時間帯が異なる傾向がある。本実施形態に係る電力制御システムは、後述するように、電力の需給が逼迫した場合に、各需要家の蓄電池を用いて、デマンドレスポンス(電力の需給制御)を実行する。この際、デマンドレスポンスを行う時間帯に応じて、各種類の蓄電池に、蓄電池の種類に応じた優先度を決定する。決定した優先度に応じた順序で蓄電池の種類の選択し、選択した種類の蓄電池を保有する各需要家の蓄電池を用いて放電や逆潮流を行う。これにより、デマンドレスポンスに効率的に適応し、電力系統の供給力を増強する。
需要家1bの第1蓄電池10と、需要家1aの第3蓄電池30は、いずれも固定価格買い取り制度(FIT)の適用を受けている需要家に設置された蓄電池である。需要家1cの第2蓄電池20、需要家1dの第2蓄電池21は、FIT終了後の蓄電池である。以下では、第1蓄電池10と、第3蓄電池30、第2蓄電池20および第2蓄電池21について詳細に述べる。
第1蓄電池10は、太陽光発電システム2bが発電した電力(余剰電力)を電力系統に逆潮流しているときには、放電不能とされる(放電が行われない、もしくは放電が停止される)蓄電池である。したがって、デマンドレスポンスが実行されるタイミングによっては、第1蓄電池10に蓄えられた電力を電力系統9に放電できない場合がある。放電とは需要家内で使用するために電力を蓄電池から出力することを意味する。第1蓄電池10の放電の停止(放電停止機能)は、逆電力継電器(RPR:Reverse Power Relay)4bにより実現される。逆電力継電器は一例であり、その他の種類のデバイスを使って上述の放電停止機能を実現してもよい。第1蓄電池10が放電を行えるのは、太陽光発電システム2bの発電する電力量が需要家によって消費される電力量を上回っていないとき(すなわち、太陽光発電システムの発電する電力が電力系統に逆潮流されないとき)に限られる。日中に太陽光発電システム2bが発電した電力のうち、自家消費されない余剰分の発電電力が電力系統9に逆潮流され、この間、第1蓄電池10は放電を停止する。なお、第1蓄電池10に蓄電されている電力は売電されず、売電の対象となるのは、太陽光発電システム2bが発電した電力のうち宅内消費を上回る余剰分の電力である。
第3蓄電池30は、太陽光発電システム2aが発電した電力が電力系統9に逆潮流されているとき(売電中)でも、需要家内の需要量(需要家内の電力使用量)を上限に放電可能な蓄電池である。例えば、太陽光発電システム2aが発電した電力の全部を売電し、需要量のすべてを第3蓄電池30で補うことが可能である。あるいは、太陽光発電システム2aが発電した電力の一部を売電し、残りの一部と、第3蓄電池30から放電する電力とで、需要家内の需要量を満たすことも可能である。
第1蓄電池10のように、需要家の太陽光発電システムが発電した電力を逆潮流(売電)している間、蓄電池からの放電を行わない形態をシングル発電とよぶ。一方、第3蓄電池30のように、需要家の太陽光発電システムが発電した電力の全部または一部を逆潮流しつつ、当該需要家の蓄電池から放電する形態をダブル発電とよぶ。需要家はダブル発電を行うと、より多くの電力を売電できるため、売電価格(例えばkWhあたりの売電価格)の高い時間帯に売電(逆潮流)を行い、買電価格(例えばkWhあたりの買電価格)の安い時間に蓄電池を充電することで、光熱費を抑制することができる。ダブル発電の場合、蓄電池が放電した電力を需要家で使用しつつ、発電電力の多くを逆潮流できるため、売電量の押し上げ効果が得られる。
なお、設定によって放電停止機能の有効/無効(シングル発電モード/ダブル発電モード)が切り替えられる蓄電池を用いてもよい。このような場合、同一の蓄電池を設定次第で第1蓄電池として使うこともできるし、第3蓄電池として使うこともできる。
第2蓄電池20および第2蓄電池21は、固定価格買い取り制度(FIT)の適用を受けていない需要家に設置された蓄電池(FIT終了後の蓄電池)である。第2蓄電池20および第2蓄電池21を保有している需要家1c、1dは、太陽光発電システムが発電電力を逆潮流しているか否かに拘わらず、第2蓄電池20、21に蓄積している電力(第2蓄電池20、21が放電した電力)を逆潮流または放電可能である。なお、第2蓄電池20および第2蓄電池21の放電電力に関して、第3蓄電池のような宅内使用量を上限とするとの制約はなくてよい。なお、第2蓄電池20または第2蓄電池21に、第1蓄電池10と同様、逆電力継電器を組み合わせて、上記の放電停止機能の有効/無効を切り替え可能に構成してもよい。
需要家1cおよび需要家1dは、第2蓄電池20および第2蓄電池21の放電する電力を自家消費することで、電力系統9から供給される電力の消費を抑えてもよい。また、需要家1cおよび需要家1dは、第2蓄電池20および第2蓄電池21の放電電力を電力系統9に逆潮流させてもよい。逆潮流された電力は需要家と事業者(例えば送配電事業者、小売電気事業者など)との間で締結された契約に基づいて売電されてもよいし、事業者が無償で引き受けてもよい。第2蓄電池20および第2蓄電池21の電力を電力系統9に逆潮流(売電)させると同時に、太陽光発電システム2c、2dの発電電力を逆潮流(売電)させてもよい。したがって、需要家1c、1dは、第2蓄電池20、21の設定次第では、第3蓄電池30が設置された需要家1aと比べより多くの電力を電力系統9に供給することができる場合がある。
各需要家1a〜1dの蓄電池および各需要家1a〜1dの太陽光発電システムには、図示しないパワーコンディショナーシステム(PCS)が設けられている。各蓄電池のPCSは太陽光発電システムのPCSと兼用でもよいし、太陽光発電システムとは別々に設けられたPCSでもよい。ここでは兼用のPCSを想定する。各需要家のPCSは、太陽光の状態(例えば日射強度)、時間帯(発電時間帯)、電力系統9からの指示によって、蓄電池からの放電を抑制する機能を備えていてもよい。電力系統9からの指示の例としては、地域の太陽光発電状態(各需要家の太陽光発電システムの発電状態)が所定の状態より低い場合がある。同様に、電力制御装置8が、地域内の各需要家の太陽光の状態(例えば日射強度)、時間帯(発電時間帯)、電力系統9からの指示によって、各需要家の蓄電池からの放電を抑制する機能を備えていてもよい。
図1の電力制御システムでは、第1蓄電池、第2蓄電池、第3蓄電池のすべての種類の蓄電池が含まれているが、必ずしもすべての種類の蓄電池を含んでいなくてもよく、少なくとも2種類の蓄電池があればよい。
以下の説明では単に蓄電池と述べた場合には、第1蓄電池、第2蓄電池、第3蓄電池のすべてを包含するものとする。
上述のように、蓄電池の種類(第1蓄電池、第2蓄電池、第3蓄電池)は、蓄電池の構成だけでなく、蓄電池の設定や需要家の契約状況などに基づく使用方法によって区別されているため、ある需要家の有する蓄電池の種類が、異なる種類の蓄電池に遷移することもありうる。例えば、FITに基づく契約内容がダブル発電からシングル発電に切り替えられた場合、需要家の蓄電池の種類は第1蓄電池から第3蓄電池に遷移する。FITによる電力の買取期間が終了した蓄電池の種類は、第1蓄電池または第3蓄電池から、第2蓄電池に遷移する。
蓄電池の具体例としては、複数のセルを備えたニッケルイオン二次電池、鉛蓄電池、ニッケル・水素蓄電池などがあるが、蓄電池のセル数と方式については特に問わない。また、それぞれの需要家に設置された蓄電池のセル数、方式、容量は同一であってもよい。また、セル数、方式、容量の少なくともいずれかが異なる蓄電池が設置されていてもよい。
次に、電力制御装置8の詳細について説明する。図2は、第1の実施形態に係る電力制御装置の構成を示したブロック図である。以下では、図2を参照しながら、電力制御装置8の各構成要素を説明する。
電力制御装置8は、通信部11と、処理部12と、記憶部13とを備えたサーバである。処理部12は、内部の構成要素としてDR要求部14と、情報収集部15と、需要予測部16とを含む。記憶部13は、内部の構成要素として電力需要データベース(電力需要DB)17と、需要家データベース(需要家DB)18とを含む。
通信部11は、ネットワーク6を介して、各需要家の宅内管理装置との間でデータの送受信を行う。また、通信部11は、ネットワーク7を介して、電力系統9の電力需要や電力供給量に関する情報を、電力系統9に設置された外部のサーバ(図示せず)との間で受信する。通信部11の例としては、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュールなどの通信デバイスが挙げられるが、通信デバイスの種類については特に問わない。
処理部12は、各種の演算および制御を含む情報処理を実行し、電力制御装置8の機能を実現する。処理部12は、例えばCPUなどのプロセッサ、ASIC、CPLDなどのハードウェア回路、OS(Operating System)やアプリケーションなどのプログラムまたはこれらの組み合わせによって実装される。
記憶部13は、各種データや電力制御装置8で動作するプログラムなどを保存する記憶領域を有する。記憶部13は、例えばSRAM、DRAMなどの揮発性メモリであってもよいし、NAND、MRAM、FRAMなどの不揮発性メモリでもよい。またハードディスク、SSDなどのストレージ装置や、外部の記憶装置であってもよく、デバイスの種類については特に限定しない。また、記憶部13は複数の種類のメモリデバイスやストレージデバイスの組み合わせであってもよい。
次に、処理部12に含まれる各構成要素について説明する。
DR要求部14は、DR判定部14Aと、優先度決定部14Bと、制御部14Cとを備える。DR判定部14Aは、電力需要データベース17を参照し、電力系統9における電力需要と供給力に基づき、需要家にデマンドレスポンスを発行する必要があるか否かを判定する。電力系統9における電力の需給が逼迫していると判定したら、DR判定部14Aは、需要家にデマンドレスポンス(DR:Demand Response)を発行する必要があると判断する。DR判定部14Aは、デマンドレスポンスを発行する必要があると判断した場合、需要家に対してデマンドレスポンスを発行する。
例えば、DR判定部14Aは、電力系統9の供給予備力(現在の電力需要に対する供給力の余裕)がしきい値以下となったときに電力の需給が逼迫していると判定してもよい。また、現時点における電力系統9の供給予備力と供給力の比率がしきい値以下となったときに電力の需給が逼迫していると判定してもよい。季節、時間帯によって異なるしきい値を用いてもよいし、その他の条件と組み合わせて判定を行ってもよい。これらの判定方法はあくまでも例であり、DR判定部14Aが電力系統9の需給が逼迫していると判定する基準については特に問わない。
なお、デマンドレスポンスを発行する必要があるか否かの判定は、電力制御装置8の処理部12が実行するプログラムで行ってもよい。また、オペレータがデマンドレスポンスの必要性を判断した上で電力制御装置8を操作し、デマンドレスポンスの必要性の有無を入力してもよい。電力の需給が逼迫するか否かの判定を一定時間毎に行ってもよい。この場合、一定時間毎にデマンドレスポンスの発行有無を判断する。ここでは電力制御装置8でデマンドレスポンスを発行したが、デマンドレスポンスを電力制御装置8の上位サーバ(図示せず)が発行し、発行したデマンドレスポンスを電力制御装置8が受信することで、電力制御装置8が当該デマンドレスポンスの実行を決定してもよい。
上述したように、蓄電池の種類によって、需要家における使用条件の制約が異なっており(例えば第1蓄電池では、太陽光発電システムの発電電力の逆潮流中、放電が停止される)、時間帯によって期待される残量にも差がある。そこで、DR要求部14の優先度決定部14Bは、デマンドレスポンスを発行するタイミング(時間帯)や、電力の需給が逼迫すると予想される期間の長さに基づき、優先的に使用する蓄電池の種類を特定する。すなわち、デマンドレスポンスを行う時間帯に応じて、蓄電池の種類に応じた優先度を決定する。優先度決定部14Bは、予め時間帯ごとに各種類の蓄電池の優先度を定めたデータを用いて、蓄電池の優先度を決定してもよい。または、予め時間帯ごとの各種類の蓄電池の優先度が、優先度決定部14Bの動作を規定するプログラムにパラメータとして含まれていてもよい。
DR要求部14の制御部14Cは、デマンドレスポンスを行う時間帯に応じて、使用する蓄電池を選択する。具体的には、優先度決定部14Bにより決定された優先度に基づき使用する蓄電池を選択する。制御部14Cは、選択した蓄電池を用いて、デマンドレスポンスを実行する。制御部14Cは、デマンドレスポンスの情報(需要家に対する要求)を含む要求信号を、当該需要家の宅内管理装置に送信する。これによって、電力系統における電力の需給が逼迫したときに、需要家の蓄電池に蓄えられた電力を効率的に使用し、電力系統の供給力を増やすことができる。デマンドレスポンスの実行により行われる処理の詳細については、後述する。
情報収集部15は、電力制御システムに含まれる需要家に関する情報である需要家データを取得し、需要家データベース18に保存する。図3のテーブル40は、需要家データの例を示している。テーブル40の第1列(一番左の列)には、各需要家を一意に識別する識別子が格納される。識別子の例としては、需要家の位置を示す座標情報、需要家の住所、電話番号、需要家側の契約責任者のID、IPアドレス、MACアドレスまたはこれらの組み合わせなどが挙げられるが、識別子の形式については特に問わない。
テーブル40の第2列には、各需要家に設置された蓄電池の種類(第1蓄電池、第2蓄電池、第3蓄電池)が格納される。テーブル40の第3列には、該当する需要家の過去の消費電力の値が格納されている。過去の消費電力の値は前日の値でもよいし、過去1週間、1ヶ月、1年、数年などの一定期間分の値でもよい。テーブル40は需要家データの一例であり、需要家データは図3とは異なる項目を含んでいてもよいし、図に示した項目の一部が無くてもよい。例えば、需要家データが、需要家の前日の消費電力に関する情報を含んでいなくてもよい。
また、情報収集部15は、ネットワーク7を介して、外部のサーバ(例えば、電力会社のサーバ)から電力系統9における電力の供給力に関する情報を取得する。情報収集部15は、電力系統9の供給力に関する情報(供給力データ)を電力需要データベース17に保存する。
蓄電池の種類の変更や、電力系統の構成に変更があった場合、需要家データベース18内の需要家データや、電力需要データベース17内の供給力データを更新する。
需要予測部16は、予測対象の日における時系列の電力需要の値を予測する。需要予測部16が予測した需要予測データは、電力需要データベース17に保存される。例えば、当日における電力系統9の供給力に関する情報を含む供給力データと、当日における電力需要の予測である需要予測データの双方が得られている場合、DR要求部14のDRDR判定部14Aは、当日において電力の需給が逼迫しそうであるか否かを予測することができる。例えば供給力から、予測した需要量を減算した値が一定値以下であれば、電力の需給が逼迫しそうであると判断する。判断の結果、ある時間帯の電力の需給が逼迫しそうであると判断した場合、当該時間帯を対象にデマンドレスポンスを発行する。DR要求部14の制御部14Cは、上述の優先度決定部14Bにより決定された種類の蓄電池を用いて、デマンドレスポンスを実行して、不足する電力量を補うための需給制御を行う(例えば、宅内の蓄電池の電力を逆潮流させて供給力を増やしたり、宅内使用の電力を宅内の蓄電池の放電で補わせて電力系統から需要家への電力供給を低減したりするなど)。
需要予測部16が電力需要の予測に用いる手法の例としては、回帰、ニューラルネットワークまたは各種の機械学習的手法が挙げられるが、手法の種類については特に問わない。なお、外部のサーバ(例えば、電力会社のサーバ)が電力需要の予測を行っている場合、電力制御装置8で電力需要の予測を行わずに、外部のサーバから電力需要の予測結果を取得してもよい。
上述では、電力系統全体の需給(需要と供給)に関する情報に基づき、デマンドレスポンスの必要性が判断される場合を説明した。すなわち、情報収集部15は、電力系統9全体の供給力に関する情報を取得し、需要予測部16は、電力系統9全体における電力需要を予測していた。ただし、この処理は一例にしか過ぎない。例えば、電力系統9の一部(電力系統9に連系された需要家の一部)の需給に関する情報に基づいてデマンドレスポンスの必要性を判定してもよい。例えば、電力系統9のうち、ある特定の地域の部分の需給に関する情報を用いてもよいし、需要家1a、1b、1c、1dのように太陽光発電システムと蓄電池を備えた需要家の需給に関する情報を用いてもよい。
ここで電力系統においてダックカーブと呼ばれているグラフについて説明する。図4は、電力系統におけるダックカーブの例を示している。図4のグラフの縦軸は実質電力需要(Net Load)を示している。また、図4のグラフの横軸は時刻を示している。
実質電力需要とは、電力会社の電力需要量から、電力会社の供給地域における太陽光発電の発電量を引いた値のことをいう。本実施形態に係る電力制御システムの需要家は太陽光発電システムを備えている。太陽光発電システムの普及が進むと、太陽輻射による発電が行われる昼間の実質電力需要が大きく低下する(図4の7:00〜17:00頃)。したがって、太陽光発電システムの普及率が低かった時代に比べ、昼間に稼働するベースロード発電所からの出力が低く設定されている。
一方、日没後に太陽光発電システムから電力が供給されなくなると、発電所から供給されている電力が夕刻の電力需要に対して大きく不足する状態となる。したがって、停止していた火力発電所を稼働させたり、稼働している火力発電所の出力を増やしたりして、短時間で大幅に電力系統の供給力を増やす必要がある。
実質電力需要の曲線がアヒルの体形に類似した形状となっていることから、このグラフはダックカーブと呼ばれている。具体的には、昼の時間帯がアヒルの腹部、夕方の時間帯における実質電力需要のピークがアヒルの首に相当している。このような一日における実質電力需要の推移はダックカーブ現象とよばれる。ダックカーブ現象が顕著になると、供給力の増加が需要に対して追従できず、電力系統の周波数が不安定化するおそれがある。また、夕方の時間帯における実質電力需要の増大に対応するため、化石燃料の消費量が増えてしまう。
そこで、各需要家の太陽光発電システムと蓄電池を併用して、電力需給の改善を図ることができる。例えば、夕方の時間帯にデマンドレスポンスを発行して、蓄電池に蓄えられた電力を電力系統に供給(逆潮流)して供給力を増やしたり、蓄電池を放電したりする。このような操作を実現するために、各需要家で、蓄電池を夜間電力で充電したり、日中、太陽光発電システムで生成された電力で蓄電池を充電したりすることが期待される。
図5は需要家に設置された蓄電池(ここでは第1蓄電池)の時系列の残量を示したグラフの例である。図5の縦軸は蓄電池の残量を示している。図5の横軸は時刻を示している。図5のグラフにはある期間(例えば1月1日〜1月31日)における蓄電池の残量が示されている。図5の例における需要家は固定価格買い取り制度(FIT)の適用を受けている。図5の例では夜間電力(例えば昼間よりも買電価格が低い)を用いて蓄電池を充電している。朝には蓄電池が充電されているため、朝に火力発電所などがランプアップするときに供給予備力を提供できる。したがって、冬季の朝などに電力の需給が逼迫しときには、蓄電池に蓄えられた電力を放電して、電力系統の供給力を確保することができる。
また日中には第1蓄電池に蓄えられた電力により、需要家に設置された機器を稼働させている(買電価格の高い時間帯に系統からの買電を抑制できる)。FIT契約により、日中に太陽光発電システムによって生成された発電電力の一部は宅内消費され、残り(余剰分)は電力系統に逆潮流される。すなわち、余剰分の発電電力は、事業者に売電される。
気象条件や宅内の電気機器の使用条件によって、蓄電池の残量の傾向が異なったりもする。第1蓄電池の場合、太陽光発電システムで生成された電力が売電(逆潮流)されている間、蓄電池の放電は停止される。したがって、天気のよい日では昼の時間帯に蓄電池の残量が減らず、グラフの線はフラットになる傾向がある。
図6は需要家に設置された蓄電池(ここでは第2蓄電池)の時系列の残量を示したグラフである。図6のグラフも図5と同一期間(例えば1月1日〜1月31日)における蓄電池の残量を示している。図6の需要家は固定価格買い取り制度(FIT)の適用を受けていない。このため、需要家は、状況に応じて蓄電池に蓄えられた電力の自家消費と電力系統への逆潮流を選択することもできる。
図6の例では、各需要家の太陽光発電システムによって日中に生成された電力は、各需要家に設置された蓄電池の充電に使われている。これにより、太陽光発電システムが発電した電力を無条件に電力系統へ逆潮流させる場合と比べて、電力系統の周波数調整が困難となるリスクを減らすことができる。また売電価格の高い時間帯に電力を売ることも可能である。日中に充電した電力を、電力の需給が逼迫したときに(デマンドレスポンスが発行されたときに)、電力系統に逆潮流し、電力系統の供給力を増やすこともできる。需要家の蓄電池(第2蓄電池)を活用すれば、図4のようなダックカーブ現象が発生する場合において、夕方の時間帯に充分な供給力を確保し、化石燃料の消費を抑制することができる。
以下では、図1の電力制御システムにおいてデマンドレスポンスの発行時に実行される処理について説明する。
図7は、DR要求部14の制御部14Cが、DR判定部14Aにより発行されたデマンドレスポンスの内容を確認する処理のフローチャートである。以下では、図7を参照しながら処理を説明する。なお、デマンドレスポンスは、一例として対象とする時間帯の一定時間前(例えば1〜3時間前)に発行されるものとするが、発行されるタイミングに関しては、特に問わない。例えば対象とする時間帯内に発行される形態も可能である。
最初に、制御部14Cは、現在の時刻が夕方の時間帯であるか否かを判定する(ステップS10)。夕方の時間帯の例としては、17:00〜19:00が挙げられる。ただし、夕方の時間帯としてこれとは異なる定義を使用してもよい。例えば季節、地域、または国等によって、夕方の時間帯の定義が異なってもよい。夕方の時間帯は、日の出から日の入りまでの時間を複数の時間帯に分割した場合に最も早い時間帯よりも遅い時間帯(第2時間帯)の一例、または日の出から日の入りまでの時間を複数に分割した場合に最も遅い時間帯(第2時間帯)の一例である。現在の時刻が夕方の時間帯であると判定された場合(ステップS10のYES)、後述の図8の処理を実行する(ステップS11)。
現在の時刻が夕方の時間帯ではないと判定された場合(ステップS10のNO)、電力制御装置8の制御部14Cは、現在の時刻が朝の時間帯であるか否かを判定する(ステップS12)。朝の時間帯の例としては、7:00〜9:00が挙げられる。ただし、朝の時間帯としてこれとは異なる定義を使用してもよい。例えば季節、地域、または国等によって、朝の時間帯の定義が異なってもよい。朝の時間帯は、日の出から日の入りまでの時間を複数に分割した場合に時間的に最も早い時間帯(第1時間帯)の一例である。現在の時刻が朝の時間帯であると判定された場合(ステップS12のYES)、後述の図9の処理を実行する(ステップS13)。
現在の時刻が朝の時間帯ではないと判定された場合(ステップS12のNO)、電力制御装置8の制御部14Cは、現在の時刻が昼の時間帯であるか否かを判定する(ステップS14)。昼の時間帯とは、朝の時間帯と、夕方の時間帯の間の時間帯のことをいうものとする。昼の時間帯は、日の出から日の入りまでの時間を複数に分割した場合に時間的に最も早い時間帯よりも遅い時間帯(第2時間帯)の一例、または日の出から日の入りまでの時間を複数に分割した場合に最も早い時間帯(第1時間帯)と最も遅い時間帯(第2時間帯)の間の時間帯(第3時間帯)の一例である。現在の時刻が昼の時間帯であると判定された場合(ステップS14のYES)、後述の図10の処理を実行する(ステップS15)。現在の時刻が昼の時間帯ではないと判定された場合(ステップS14のNO)、図7の処理を終了する。
図8は、夕方の時間帯にデマンドレスポンスを実行する場合の電力制御装置8の処理を示したフローチャートである。以下では、図8を参照しながら処理を説明する。
夕方の時間帯に対するデマンドレスポンスを実行する場合(ステップS101のYES)、優先度決定部14Bは、1番目に高い優先度の蓄電池の種類として第2蓄電池を決定する。制御部14Cは、需要家データベース18(図3のテーブル40)を参照し、第2蓄電池が設置された需要家を特定する。そして、当該需要家に設置された第2蓄電池に蓄えられた電力を電力系統9に逆潮流させる(ステップS102)。より詳細には、制御部14Cは該当する需要家の宅内管理装置に第2蓄電池の逆潮流要求を送信する。なお、逆潮流要求ではなく、第2蓄電池の電力を宅内使用するための放電要求を送信することも排除されない。
図1の構成例では、第2蓄電池20、21を設置している需要家1c、1dが存在している。したがって、需要家1cに設置されている第2蓄電池20と、需要家1dに設置されている第2蓄電池21に蓄えられた電力を電力系統9に供給(逆潮流)させる。なお、第2蓄電池を設置している需要家が存在しない場合、本ステップS102はスキップされる。
そして、電力制御装置8の制御部14Cは電力需要データベース17を参照し、電力系統9の需給状況を確認する(ステップS103)。第2蓄電池による逆潮流によって電力系統9の供給力に余裕があると判定した場合、他の種類の蓄電池の使用は不要と判断する(ステップS103のNO)。供給力に余裕がないと判定した場合(ステップS103のYES)、優先度決定部14Bは、2番目に高い優先度の蓄電池の種類として第3蓄電池を決定する。制御部14Cは、第3蓄電池を設置した需要家を特定し、当該需要家に設置された第3蓄電池に蓄えられた電力を放電させる(ステップS104)。より詳細には、ステップS104において、制御部14Cは需要家データベース18(図3のテーブル40)を参照し、第3蓄電池を設置している需要家を特定する。そして電力制御装置8の制御部14Cは該当する需要家の宅内管理装置に第3蓄電池の放電要求を送信する。
図1の構成例では、第3蓄電池30を設置している需要家1aが存在している。したがって、需要家1aに設置されている第3蓄電池30に蓄えられた電力を放電させる。これにより宅内で使用される電力の全部または一部を第3蓄電池30が放電する電力でまかない、太陽光発電システムの発電電力をより多く電力系統9に供給できる、もしくは、電力系統9からの宅内へ電力する供給を低減できる。なお、第3蓄電池を設置している需要家が存在しない場合、本ステップS104はスキップされる。
電力制御装置8の制御部14Cは、再び電力系統9の需給状況を確認する(ステップS105)。ステップS102、S104の結果として電力系統9の供給力に余裕があると判定された場合、図8の処理を終了する(ステップS105のNO)。当該供給力に余裕がないと判定した場合(ステップS105のYES)、優先度決定部14Bは、3番目に高い優先度の蓄電池の種類として第1蓄電池を決定する。制御部14Cは、第1蓄電池を設置した需要家を特定し、当該需要家に設置された第1蓄電池を放電させる(ステップS106)。
ただし、第1蓄電池は、太陽光発電システムによる逆潮流の間(売電中)、放電できない(放電が停止される)ため、太陽光発電システムによる逆潮流が行われていない需要家内の第1蓄電池が、放電の対象となる。より詳細には、ステップS106において、制御部14Cは需要家データベース18(図3のテーブル40)を参照し、第1蓄電池を設置している需要家を特定する。そして電力制御装置8の制御部14Cは該当する需要家があれば、需要家の宅内管理装置に第1蓄電池の放電要求を送信する。放電要求を受信した宅内管理装置は、第1蓄電池が放電停止中であるか否かを確認する。第1蓄電池が放電停止中でない場合、第1蓄電池の電力が放電される。例えば、悪天候などのため、需要家の太陽光発電システムが発電中でない場合は、第1蓄電池の放電停止機能が動作しないため、第1蓄電池に蓄えられた電力を放電させることができる。これにより電力系統9からの宅内への電力供給が低減される。一方、発電に十分必要な日射量があり、太陽光発電システムが余剰分の電力を逆潮流している場合(例えば宅内の電力需要を太陽光発電システムの発電電力でまかない、かつ余剰分の電力を逆潮流している場合)は、放電停止機能が動作するため、第1蓄電池に蓄えられた電力を放電させることはできない。ただし、太陽光発電システムの発電電力が宅内の電力需要に満たない場合は、第1蓄電池に放電させて、不足分の電力を第1蓄電池の電力で補うことができる。
図1の構成例では、第1蓄電池を設置している需要家1bが存在している。従って、需要家1bに設置されている第1蓄電池10が放電停止中でなければ、第1蓄電池10の電力が放電される。第1蓄電池を設置している需要家が存在しない場合、ステップS106はスキップされる。
図8の処理では、第2蓄電池、第3蓄電池および第1蓄電池の順の優先度で、蓄電池を使用した。これは、日中に多くの電力量を充電していることが期待される第2蓄電池を優先的に使用することを考慮したものである。また、売電中でも放電可能な第3蓄電池を第1蓄電池より優先的に使用して、より確実な電力の確保を図っている。
図9は、朝の時間帯にデマンドレスポンスを実行する場合の電力制御装置8の処理を示したフローチャートである。以下では、図9を参照しながら処理を説明する。
朝の時間帯に対するデマンドレスポンスの実行を決定した場合(ステップS111のYES)、優先度決定部14Bは、1番目に高い優先度の蓄電池の種類として第1蓄電池を決定する。制御部14Cは需要家データベース18を参照し、第1蓄電池を設置した需要家を特定する。そして当該需要家に設置された第1蓄電池のうち、放電停止となっていない第1蓄電池に蓄えられた電力を放電させる(ステップS112)。本ステップS112において実行される処理は図6のステップS106で実行される処理と同様である。
図1の構成例では、第1蓄電池を設置している需要家1bが存在している。需要家1bに設置されている第1蓄電池10が放電停止中でなければ、第1蓄電池10を放電させる。第1蓄電池を設置している需要家が存在しない場合、本ステップS112はスキップされる。
次に、電力制御装置8のDR要求部14は電力需要データベース17を参照し、電力系統9の需給状況を確認する(ステップS113)。ステップS112の処理の結果、供給力に余裕があると判定された場合、図9の処理を終了する(ステップS113のNO)。供給力に余裕がないと判定された場合(ステップS113のYES)、優先度決定部14Bは2番目に高い優先度の蓄電池の種類として第3蓄電池を決定する。制御部14Cは、第3蓄電池を設置した需要家を特定し、当該需要家に設置された第3蓄電池に蓄えられた電力を放電させる(ステップS114)。本ステップS114において実行される処理は、図6のステップS104で実行される処理と同様である。
図1の構成例では、第3蓄電池を設置している需要家1aが存在している。したがって、需要家1aに設置されている第3蓄電池30に蓄えられた電力を放電させる。第3蓄電池を設置している需要家が存在しない場合、本ステップS114はスキップされる。
このように本フローチャートでは第1蓄電池および第3蓄電池の順位で優先度を設定し、第2蓄電池を使用していない。この理由について以下に説明する。図5のグラフのように、電力系統9から供給される夜間電力で第1蓄電池および第3蓄電池の充電が行われていることが期待される場合、朝の時間帯には第1蓄電池および第3蓄電池の残量がある可能性が高い。したがって、朝の時間帯に対してデマンドレスポンスを発行する場合には、優先的に第1蓄電池および第3蓄電池に蓄えられた電力を使った方が供給予備力を確保しやすくなる。この際、第3蓄電池は第1蓄電池よりも夕方のデマンドレスポンスでの使用の優先度が高いため、夕方のデマンドレスポンスに備えて、第1蓄電池よりも優先度を低くしている。すなわち、実質電力需要にダックカーブ現象の発生する可能性ある午後において供給予備力を確保しやすくしている。一方、図6のグラフのように、日中に太陽光発電システムによって生成した電力で第2蓄電池が充電されていることが期待される場合、朝の時間帯には第2蓄電池に蓄えられた電力量が充分でない可能性がある。また、夕方にデマンドレスポンスを発行するときに備えて、電力系統の供給予備力として最優先で使用される第2蓄電池の電力を確保しておきたい。そのため、本フローチャートでは第2蓄電池を使用しないこととしている。ただし、第3順位の優先度を第2蓄電池に設定し、第2蓄電池に蓄えられた電力を朝の時間帯のデマンドレスポンスで使うことを妨げるものではない。
次に、昼の時間帯にデマンドレスポンスを実行する場合の電力制御システムの処理について説明する。
図10は、昼の時間帯にデマンドレスポンスを実行する場合の電力制御装置8の処理を示したフローチャートである。以下では、図10を参照しながら処理を説明する。
昼の時間帯に対するデマンドレスポンスの実行を決定した場合(ステップS121)、電力制御装置8の制御部14CまたはDR判定部14Aは、電力の需給が逼迫すると予想される期間の長さを判定する(ステップS122)。より詳細には、夕方の時間帯(次の時間帯)まで電力の需給が逼迫することが予想されるかを判定する。夕方の時間帯まで電力の需給逼迫が予測される場合には(S122のYES)、図8のステップS102〜S106と同様の処理を実行する(ステップS123)。すなわち、第2蓄電池、第3蓄電池、第1蓄電池の優先度で、蓄電池を使用する。
昼間から夕方まで電力の需給が逼迫する例としては、気温の高い猛暑が続き、冷房使用による電力需要の増大する場合、寒気が到来し、暖房使用による電力需要が増大する場合、複数の事業所が繁忙期に突入しており、機器の稼働に伴う電力需要が増大する場合などが挙げられる。
電力制御装置8の制御部14CまたはDR判定部14Aは、夕方の時間帯まで電力の需給逼迫が予想されるか否かを判定するために、過去(例えば、過去数年)の電力消費量の履歴を用いてもよい。また、電力制御装置8のDR要求部14は、各需要家における最近(例えば、過去数日ないし過去数週間)の電力消費量に基づいて、夕方の時間帯まで電力の需給逼迫が予測されるか否かを判定してもよい。電力制御装置8の需要予測部16は上述の情報に加え、季節、気温、湿度などの情報を加味して電力需要の予測を行ってもよい。
一方、夕方になる前に電力の需給の逼迫が解消されることが予測される場合には(S122のNO)、第3蓄電池および第2蓄電池の順の優先度で需要家の蓄電池を使用する(S124〜S126)。より詳細には、以下の通りである。
まず、電力制御装置8の優先度決定部14Bは、1番目に高い優先度の蓄電池の種類として第3蓄電池を決定する。制御部14Cは、需要家データベース18を参照し、第3蓄電池を設置した需要家を特定し、当該需要家に設置された第3蓄電池に蓄えられた電力を放電させる(ステップS124)。ステップS124において実行される処理は、図8のステップS104で実行される処理と同様である。
図1の構成例では、第3蓄電池を設置している需要家1aが存在している。したがって、需要家1aに設置されている第3蓄電池30に蓄えられた電力を放電させる。第3蓄電池を設置している需要家が存在しない場合、本ステップS124はスキップされる。
次に、電力制御装置8の制御部14Cは電力系統9の需給状況を確認し、ステップS124の処理の結果として、供給力に余裕があるかを判定する(ステップS125)。供給力に余裕があると判定した場合、図10の処理を終了する(ステップS125のNO)。供給力に余裕がないと判定された場合(ステップS125のYES)、優先度決定部14Bは、2番目に高い優先度の蓄電池の種類として第2蓄電池を決定する。制御部14Cは、第2蓄電池を設置している需要家を特定し、当該需要家に設置された第2蓄電池に蓄えられた電力を電力系統9に逆潮流させる(ステップS126)。逆潮流される電力は、例えば太陽光発電システムの発電電力と第2蓄電池の放電電力とを合わせた電力から宅内消費分の電力を引いた余剰分の電力である。ステップS126において実行される処理は、図6のステップS102で実行される処理と同様である。
図1の構成例では、第2蓄電池を設置している需要家1c、1dが存在している。したがって、需要家1cに設置されている第2蓄電池20と、需要家1dに設置されている第2蓄電池21に蓄えられた電力を電力系統9に供給する。第2蓄電池を設置している需要家が存在しない場合、本ステップS126はスキップされる。
このようにステップS124〜S126では、第3蓄電池、および第2蓄電池の順位で優先度を設定し、第1蓄電池を使用していない。この理由について以下に説明する。第3蓄電池は、図5のグラフの例のように電力系統9から供給された夜間電力で充電されていることが期待されるため、昼の時間帯に残量が残っている可能性が高い。一方、第2蓄電池は、図6のグラフの例のように日中、太陽光発電システムによって生成された電力を使って充電されることが期待される。図6の一部の曲線のように、悪天候などの理由で必要な日射量が確保できない場合、第2蓄電池に充分な残量がない可能性もある。したがって、上記の夕方になる前に電力の需給逼迫の解消が予測されるケースでは第2蓄電池より第3蓄電池を優先して使用している。なお、悪天候でない場合は、太陽光発電システムの電力が売電(逆潮流)されていることが期待されるため、昼の時間帯は第1蓄電池が放電停止中となる可能性が高い。このため、当該ケースでは第1蓄電池を使用対象から除外している。ただし、第3順位の優先度の蓄電池として第1蓄電池を用いることを妨げるものではない。
上述の説明では、電力制御装置8が、電力需要と電力系統の供給力に基づいてデマンドレスポンスを発行する必要性の有無を判定していた。ただし、電力制御装置8が電力会社のサーバなど外部からのデマンドレスポンス要求を受信し、デマンドレスポンスの処理を開始してもよい。
また、上述の処理では蓄電池に使用条件に基づく種類(第1蓄電池、第2蓄電池、第3蓄電池)を定義し、それぞれの蓄電池の種類に優先度を設定し、優先度に基づく順位で蓄電池を使用した。同一優先度の蓄電池を使用する際、同一の優先度に設定された蓄電池のすべてを使用してもよいし、同一の優先度に設定された蓄電池の一部のみ使用してもよい。
例えば、ある日のデマンドレスポンスの要求(1回目のDR要求)において、同一優先度の蓄電池(例えば、第2蓄電池)のうち一部の蓄電池を逆潮流すれば、デマンドレスポンスで指定された供給力が得られる場合には、一部の蓄電池を用いて逆潮流すればよい。同じ日に、再びデマンドレスポンス要求(2回目のDR要求)があり、同一優先度の蓄電池を使う場合には、前回のデマンドレスポンス要求(1回目のDR要求)において使用していない蓄電池を使うようにする。これにより複数の需要家の電池を公平に使用できる。このような制御を行う場合、蓄電池における逆潮流の実施有無の列をテーブル40に追加し、当該列(逆潮流の要求)を参照することによって、逆潮流の実施有無を確認できるようにしてもよい。
また、蓄電池から電力系統9に逆潮流された電力の用途については特に限定しない。蓄電池から逆潮流した電力を電力会社の運営管理する電力系統全体の供給力として使い、大規模な電力系統における需給バランスの調整を行ってもよい。また、蓄電池から逆潮流した電力を特定の需要家への供給力として使ってもよい。例えば、蓄電池から逆潮流した電力を、通常より多くの電力を消費する需要家(工場などの事業所)の供給力として使ってもよい。このように、蓄電池の逆潮流によって増えた供給力を特に電力消費量が増える見込みの需要家へ優先的に配分してもよい。
本実施形態に係る電力制御システムを用いることにより、需要家によって使用条件の異なる蓄電池が使われており、各時刻において使用できる蓄電池の残量や放電可能なタイミングが異なっていても、電力系統の需給が逼迫し、デマンドレスポンスの実行を求められたときに、確実に蓄電池に蓄えられた電力を逆潮流させ、電力系統の供給力を増やすことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1a、1b、1c、1d 需要家
2a、2b、2c、2d 太陽光発電システム
3a、3b、3c、3d 宅内管理装置
4b、4d 逆電力継電器
5a、5b、5c、5d 電力ケーブル
6、7 ネットワーク
8 電力制御装置
9 電力系統
10 第1蓄電池(第1種類の蓄電池)
11 通信部
12 処理部
13 記憶部
14 DR要求部
14A DR判定部
14B 優先度決定部
14C 制御部
15 情報収集部
16 需要予測部
17 電力需要データベース
18 需要家データベース
20、21 第2蓄電池(第2種類の蓄電池)
30 第3蓄電池(第3種類の蓄電池)
40 テーブル

Claims (11)

  1. 電力系統に連係された複数の需要家に設置された蓄電池を用いて、前記電力系統における電力の需給制御を行う電力制御装置であって、
    前記蓄電池は、少なくとも前記需要家の太陽光発電システムが発電した電力が電力系統に逆潮流されているときは放電不能とした第1種類の蓄電池、および前記需要家の太陽光発電システムが発電した電力が前記電力系統に逆潮流されているときも放電可能な第2種類の蓄電池のいずれかであり、
    前記需給制御を行う時間帯に応じて、前記需給制御に使用する蓄電池の種類を決定し、前記決定した種類の蓄電池が設置された前記需要家の前記蓄電池を用いて、前記電力の需給制御を行う制御部
    を備えた電力制御装置。
  2. 前記需給制御を行う時間帯に応じて、前記第1種類の蓄電池および前記第2種類の蓄電池の優先度を決定する優先度決定部を備え、
    前記制御部は、前記優先度に基づいて前記需給制御に使用する蓄電池の種類を決定する
    請求項1に記載の電力制御装置。
  3. 前記優先度決定部は、日の出から日没までの時間を分割した複数の時間帯のうち最も早い第1時間帯では、前記第1種類の蓄電池の優先度を最も高くする
    請求項2に記載の電力制御装置。
  4. 前記優先度決定部は、前記複数の時間帯のうち前記第1時間帯よりも遅い第2時間帯では、前記第2種類の蓄電池の優先度を最も高くする
    請求項3に記載の電力制御装置。
  5. 前記第1時間帯は、朝の時間帯であり、
    前記第2時間帯は、夕方の時間帯および昼の時間帯のうちの少なくとも一方である
    請求項4に記載の電力制御装置。
  6. 前記蓄電池は、前記第1種類の蓄電池、前記第2種類の蓄電池、および第3種類の蓄電池のいずれかであり、
    前記第2種類の蓄電池を設置した前記需要家は、前記第2種類の蓄電池が放電した電力を逆潮流可能であり、
    前記第3種類の蓄電池は、前記需要家の太陽光発電システムが発電した電力が前記電力系統に逆潮流されているときも、前記需要家の電力使用量に応じた電力を放電可能である
    請求項1に記載の電力制御装置。
  7. 前記需給制御を行う時間帯に応じて、前記第1種類の蓄電池、前記第2種類の蓄電池および前記第3種類の蓄電池の優先度を決定する優先度決定部を備え、
    前記制御部は、前記優先度に基づいて前記需給制御に使用する蓄電池の種類を決定する
    請求項6に記載の電力制御装置。
  8. 前記優先度決定部は、日の出から日没までの時間を分割した複数の時間帯のうち最も早い第1時間帯では、前記第1種類の蓄電池の優先度を最も高くし、
    前記複数の時間帯のうち最も遅い第2時間帯では、前記第2種類の蓄電池の優先度を最も高くし、
    前記第1時間帯と前記第2時間帯との間の第3時間帯では、前記第3種類の蓄電池の優先度を最も高くする
    請求項7に記載の電力制御装置。
  9. 前記第1時間帯は、朝の時間帯であり、
    前記第2時間帯は、夕方の時間帯であり
    前記第3時間帯は、昼の時間帯である
    請求項8に記載の電力制御装置。
  10. 他の電力制御装置と連携して前記電力系統における電力の需給制御を実行する
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の電力制御装置。
  11. 電力系統に連係された複数の需要家に設置された蓄電池を用いて、前記電力系統における電力の需給制御を行う電力制御方法であって、
    前記蓄電池は、少なくとも前記需要家の太陽光発電システムが発電した電力が電力系統に逆潮流されているときは放電不能とした第1種類の蓄電池、および前記需要家の太陽光発電システムが発電した電力が前記電力系統に逆潮流されているときも放電可能な第2種類の蓄電池のいずれかであり、
    前記需給制御を行う時間帯に応じて、前記需給制御に使用する蓄電池の種類を決定するステップと、
    前記決定した種類の蓄電池が設置された前記需要家の前記蓄電池を用いて、前記電力の需給制御を行うステップと
    を備えた電力制御方法。
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