〔第1の実施形態〕
1.構成の説明
以下、第1の実施形態に係る乗車券情報発行管理システム10について主に図1から図3を参照しながら説明する。
本実施形態では、本開示に係る乗車券情報発行管理システム10が、クレジットカード会社1と商業施設3が共同して行う、交通機関5を利用した集客キャンペーンに用いられる例に適用して以降の説明を行う。この集客キャンペーンは、キャンペーンへの申込を行った顧客に対し、その顧客の交通機関5の最寄り駅Aから、商業施設3の交通機関5の最寄り駅Bまでの区間に乗車券として利用可能な乗車券情報を、携帯電話回線やインターネットなどの電子通信回線を利用して顧客の携帯情報端末に配信し、商業施設3の集客の向上を図るものである。
本実施形態では、クレジットカード会社1が、キャンペーンの申込者(以降において「顧客」とも記載する。)が所持するクレジットカードの管理会社であるとともに、乗車券情報発行管理システム10を用いたキャンペーンの管理を行う主催者でもある例に適用して説明を行う。また、乗車券情報発行管理システム10は、クレジットカード会社1に設けられているものとして以降の説明を行う。なお費用の支払は、クレジットカードによる支払に限定される訳ではなく、例えばQRコード(「QRコード」は登録商標。以降において同様。)を用いて行われる公知の決済代行サービスや、その他の種類の公知の決済代行サービスよってそれらの支払いが行われてもよい。この場合においてクレジットカード会社1は、それらの決済代行サービスを行う決済代行会社であってもよい。商業施設3は、デパートやショッピングセンターなど、複数の店舗が集約された商業を目的とした施設である。交通機関5は、公共の旅客輸送機関である。本実施形態では、交通機関5が、鉄道である例に適用して以降の説明を行うが、モノレールや案内軌条式鉄道、バス、タクシーなど、鉄道以外の公知の旅客輸送機関であってもよい。
乗車券情報発行管理システム10は、交通機関5の乗車券として使用可能な乗車券情報の発行管理、及び費用に関する処理を行う機能を主に有したシステムである。乗車券情報発行管理システム10は、乗車券情報サーバ11L、決済サーバ11K、及び通信サーバ18から主に構成されている。本実施形態では、乗車券情報サーバ11L、決済サーバ11K、及び通信サーバ18は、それぞれ公知のサーバ装置に、専用のプログラムがインストールされたものである例に適用して以降の説明を行う。本実施形態において、乗車券情報サーバ11L、決済サーバ11K、及び通信サーバ18などが有する各部の機能は、ハードウェアとインストールされたプログラムが協働して実現されている。
乗車券情報サーバ11Lと決済サーバ11Kは、ネットワークの通信を管理する通信サーバ18を介し、相互に通信可能に接続されている。また乗車券情報サーバ11Lと決済サーバ11Kは、通信サーバ18を介して、インターネットなどの外部のネットワークNに接続されている。
乗車券情報サーバ11Lは、交通機関5の乗車券として使用可能な乗車券情報の発行管理を行う機能を主に有したサーバ装置である。乗車券情報サーバ11Lは、受付部12、乗車券情報発行部13、判定部14、及び顧客情報DB15を主に備えている。
受付部12は、キャンペーンへの参加を希望する顧客20からの参加申込みを受け付け、顧客20に関する情報の登録処理を行う部分である。具体的には、顧客20が所持する携帯情報端末21から、電気通信回線を通じて送信された情報から、顧客20に関する情報や、顧客20が所持するクレジットカード会社1のクレジットカードの識別情報(以降において「カード識別情報」とも記載する。)など所定の情報を取得する部分である。また、受付部12は、取得した情報をそれぞれ関連づけて、詳細は後述する顧客情報DB15に記憶させると共に、顧客20の携帯情報端末21に対して、登録処理が完了した旨を通知する信号を、電気通信回線を介して送信する機能も有している。なお、費用の支払いが公知の決済代行サービスにて行われる場合には、受付部12は、顧客20による支払を識別する情報である支払識別情報などの情報を取得する。
乗車券情報発行部13は、受付部12が登録処理を行った顧客20の携帯情報端末21に、交通機関5からの許諾を受けて、交通機関5を利用する際に利用可能な乗車券情報を、電気通信回線を介して発行する部分である。本実施形態において乗車券情報発行部13は、顧客20が所持する携帯情報端末21の表示部に、詳細は後述する改札機53aの読取装置55が、読取り可能な二次元コード(以降において「QRコード」とも記載する。)を表示させる信号を送信する例に適用して以降の説明を行う。なお、乗車券情報発行部13は、読取装置55が読み取り可能な情報であれば、バーコードなどの他の公知の画像情報として、携帯情報端末21の表示部に表示させる信号を送信してもよい。
判定部14は、顧客20が商業施設3において所定の期間内に支払った費用の合計額(支払額)が、予め設定された金額以上であるか否かを判定する判定処理行う部分である。
顧客情報DB15は、ハードディスクドライブなどの公知の記憶媒体である。顧客情報DB15には、少なくとも受付部12が登録処理を行った顧客20に関する情報が、顧客20のカード識別情報に紐づけられて記憶されている。本実施形態では、顧客20に関する情報には、顧客20を識別する情報と、顧客20の交通機関5の最寄り駅に関する情報が少なくとも含まれている例に適用して以降の説明を行う。
決済サーバ11Kは、費用の支払に関する決済処理を行う機能を有したサーバ装置であり、決済部16と決済情報DB17を主に備えている。決済部16は、主に顧客20が、自身のクレジットカードを用いて行った費用の支払の決済処理を行う部分である。決済部16は、決済処理を行うと、決済に関する情報を、支払に用いられたクレジットカードのカード識別情報と紐づけて決済情報DB17に記憶させる処理を行う。
決済情報DB17は、ハードディスクドライブなどの公知の記憶媒体であり、決済に関する情報を記憶する部分である。本実施形態では、決済情報DB17が、支払に用いられたクレジットカードのカード識別情報に紐づけて、決済処理が行われた時間に関する情報、及び決済処理が行われた金額に関する情報が記憶される例に適用して以降の説明を行う。
商業施設3にある店舗のキャッシュレジスターには、クレジットカード会社1のクレジットカードによる支払を受け付ける公知の決済装置32がそれぞれ配置されている。決済装置32は、商業施設3の設備や通信の管理を行う商業施設サーバ31を介し、外部のネットワークNによって決済サーバ11Kと通信可能に接続されている。
交通機関5は、顧客20の最寄り駅Aと、商業施設3の最寄り駅Bを少なくともつなぐ鉄道の路線である。駅Aと駅Bには、複数の改札機53a,53b、切符券売機54a、54b、及び改札機53a,53bや切符券売機54a,54bの管理を行う駅管理サーバ52A,52Bが設けられている。なお以降において、改札機53a,53bを総称して「改札機53」と、切符券売機54a,54bを総称して「切符券売機54」と、駅管理サーバ52A,52Bを総称して「駅管理サーバ52」とも記載する。
改札機53は、各駅の改札に配置され、乗客が所持する切符券売機54から発券された切符や、非接触型ICカードから必要な情報を入手するとともに、所定の条件を満たす場合に、図示されていないゲートを開閉する改札処理を行う公知の装置である。改札機53には、乗車券情報発行部13が発行した乗車券情報(QRコード)を読み取る機能を有した読取装置55が備えられている。切符券売機54は、交通機関5の所定区間の乗車に必要な切符を販売する公知の切符の販売機である。なお、切符券売機54にも同様にQRコードの読み取り機能を有した読取装置56が備えられている。なお本実施形態では、切符券売機54が、磁気記憶材料からなる切符を販売する販売機である例に適用して説明を行うが、他の公知の切符を販売するものであってもよい。
駅管理サーバ52は、駅に配置されている改札機53や切符券売機54などの設備の管理を行うためのサーバ装置である。駅管理サーバ52は、改札機53や切符券売機54などの駅内の設備と、LANなどの公知の手段によって接続されている。また駅管理サーバ52は、専用回線などによって、交通機関5の運営会社に設置された総合管理サーバ51に接続されている。
総合管理サーバ51は、各駅の駅管理サーバ52と通信を行って、それぞれの駅に設置されている設備の管理などを行うサーバ装置である。また総合管理サーバ51は、乗車券情報発行管理システム10から乗車券情報の発行要求があった場合に、その内容を確認して、その発行を許諾する機能も有している。
顧客20が所持する携帯情報端末21は、スマートフォンなどの公知の情報通信端末である。携帯情報端末21は、携帯電話回線やWiFi(「WiFi」は登録商標。)など公知の電気通信回線を用いた通信機能の他、QRコードなどの画像情報などが表示可能な図示されていない表示部や、ダウンロードしたプログラムや受信した画像情報などを記憶する図示されていない記憶部等を備えている。本実施形態では、携帯情報端末21には、クレジットカード会社1が提供する専用のアプリケーションGが、インストールされている例に適用して以降の説明を行う。このアプリケーションGは、顧客20に対してキャンペーンへの参加に必要となる情報の入力を求め、入力された情報を、携帯情報端末21が備える公知の通信機能を用いて受付部12に送信する機能を有している。また、アプリケーションGは、乗車券情報発行部13から送信された乗車券情報を、携帯情報端末21の表示部にQRコードとして表示させる機能も有している。
2.情報の流れの説明
次に、乗車券情報発行管理システム10を用いたキャンペーンの流れについて、主に図2を参照して説明を行う。
はじめに、キャンペーンの告知が、クレジットカード会社1や商業施設3などによって、公知のメディアを通じて行われる。当該告知によってキャンペーンを知った顧客20は、自身の携帯情報端末21を操作して、キャンペーンの参加申込を行う。具体的には、所定のサイトにアクセスしてインストールしたアプリケーションGの表示に従って、携帯情報端末21を操作して、参加申込とクレジットカードの登録手続を行う。本実施形態では、顧客20によって、アプリケーションGの表示に従って、自身の氏名やその他の顧客20を識別する情報の他、顧客20の交通機関5の最寄り駅に関する情報(駅A)、及び顧客が有するクレジットカード会社1のクレジットカードHのカード識別情報が、少なくとも入力される例に適用して以降の説明を行う。必要な情報の入力が完了すると、アプリケーションGは、携帯情報端末21の通信機能を用いて、入力された情報を乗車券情報発行管理システム10の受付部12に送信する(S11)。
乗車券情報発行管理システム10の受付部12は、情報が適切であることを確認し、問題が無ければ受信した情報を顧客情報DB15に記憶させる処理を行う。係る処理によって、少なくともクレジットカードHのカード識別情報、顧客20に関する情報、顧客20の交通機関5の最寄り駅が駅Aであることを示す情報などがそれぞれ紐づけられて、乗車券情報発行管理システム10に登録される。受付部12は、係る情報の登録処理が終了すると、携帯情報端末21に、顧客20のクレジットカードがシステムに登録され、参加申込が完了した旨を通知する信号を送信する(S12)。
続いて顧客20が、商業施設3を訪問するために、携帯情報端末21を操作して、乗車券情報の発行の申込を行う。具体的には顧客20が、アプリケーションGの表示に従って携帯情報端末21を操作して、乗車券情報の発行の申込手続きを行う。アプリケーションGは、所定の操作が行われると、携帯情報端末21の通信機能を用いて乗車券情報の発行を求める信号を乗車券情報発行管理システム10に送信する(S20)。アプリケーションGはこの際、顧客20の交通機関5の最寄り駅(駅A)を示す情報を含めて送信してもよい。
乗車券情報の発行を求める信号を受信すると、乗車券情報発行部13は、乗車券情報発行処理を行う。具体的には、乗車券情報発行部13が、交通機関5の総合管理サーバ51と通信を行い、駅Aから駅Bの間の往復の乗車券として利用可能な乗車券情報の発行を要求する信号を送信する(S21)。総合管理サーバ51は、受信した信号が所定の条件を満たす場合には、乗車券情報発行部13に、乗車券情報の発行を許諾する信号を送信する(S22)。
乗車券情報の発行を許諾する信号を受信した乗車券情報発行部13は、駅Aから駅Bの間の往復乗車券として利用可能な乗車券情報を発行する。そして、発行した乗車券情報を、乗車券情報の発行の申込手続を行った携帯情報端末21に送信する(S23)。
本実施形態では、乗車券情報発行部13が、顧客20に対し、駅Aから駅Bに向かう往路の乗車券(以降において「往路乗車券」とも記載する。)、及び駅Bから駅Aに向かう復路の乗車券(以降において「復路乗車券」とも記載する。)として利用可能な乗車券情報Tを発行する例に適用して以降の説明を行う。なお乗車券情報発行部13は、駅Aから駅Bに向かう往路の乗車券として使用される情報と、駅Bから駅Aに向かう復路の乗車券として使用される情報を、それぞれ異なる別個の情報(QRコード)として発行してもよい。
以降において、乗車券情報発行部13が発行する乗車券情報を、「QR乗車券」とも記載する。乗車券情報発行部13は、発行した乗車券情報Tを携帯情報端末21に送信する処理を行うと共に、乗車券情報Tを、少なくともクレジットカードHのカード識別情報と関連付けて、顧客情報DB15に記憶する処理を行う。
駅Aにて交通機関5に乗車するために、顧客20が携帯情報端末21を操作してアプリケーションGを起動し、所定の操作を行うと、携帯情報端末21の表示画面にQR乗車券(乗車券情報T)が表示される。具体的には、乗車券情報Tが、携帯情報端末21の表示画面にQRコードとして表示される。顧客20は、携帯情報端末21を駅Aの改札機53aに近づけて、表示されているQR乗車券を改札機53aの読取装置55に読み取らせる(S30)。
改札機53aは、読取装置55が読み取った乗車券情報Tを駅Aの駅管理サーバ52Aを介して総合管理サーバ51に送信する(S31)。総合管理サーバ51は、受信した乗車券情報Tを判定する処理(改札判定処理)を行い、その判定結果を改札機53aに送信する(S32)。なお上記のS31、S32の処理は、駅管理サーバ52Aと改札機53aの間にて行われるものであってもよい。
改札判定処理の結果が適切なものであった場合には、改札機53aは、図示されていないゲートを開放するなどして顧客20の入場を許可する(S33)。顧客20は、改札機53aを通過して、所望の列車に乗車する。
顧客20が交通機関5を利用して、駅Bにて降車する際には、顧客20は、再びアプリケーションGを操作してQR乗車券を表示させ、駅Bの改札機53bの読取装置55に読み取らせる。以降S31~S33と同様の処理が行われ、顧客20は駅Bの改札機53bを通過して、駅Bから出場する。
なお、総合管理サーバ51は、改札判定処理の結果を改札機53aに送信すると、A駅からB駅の片道分の乗車券の費用をクレジットカード会社1に請求する処理を行う。総合管理サーバ51は、この時、乗車券情報TがA駅からB駅に向かう往路乗車券として利用されたことを示す情報を図示されていない記憶部に記憶する処理を行ってもよい。
具体的には、総合管理サーバ51が、決済サーバ11Kに、駅Aから駅Bへの乗車に用いられた乗車券情報Tと、その乗車券の費用の支払を請求する信号を送信する(S34)。決済サーバ11Kの決済部16は、乗車券の費用の請求に関する信号を受信すると、交通機関5への費用の支払処理を行う(S35)。この際、決済部16は、クレジットカード会社1の名義にて、費用の支払処理を行う。なお、総合管理サーバ51は、改札判定処理の結果を改札機53bに送信したタイミングで、即ち顧客20が駅Bにて降車したタイミングで、上記の乗車券の費用の請求処理を行ってもよい。
決済部16は、交通機関5へ支払った乗車券の費用に関する情報を、乗車券情報Tと関連付けて決済情報DB17に記憶する処理を行う。更に決済部16は、顧客情報DB15を参照し、乗車券情報Tを使用した顧客20のクレジットカードHのカード識別情報や顧客20に関する情報を取得するとともに、取得した情報を交通機関5へ支払った乗車券の費用に関する情報と関連づけて、決済情報DB17に記憶する処理も行う。また決済部16は、乗車券情報Tが、往路の乗車券として使用されたことを示す情報を、顧客情報DB15、あるいは決済情報DB17に記憶させる処理を行ってもよい。
交通機関5を利用して商業施設3を訪問した顧客20が、商業施設3の店舗にて買い物などを行い、その支払をクレジットカードHにて行うと(S40)、店舗の決済装置32が、支払に関する処理を行う。具体的には、店舗の店員が、顧客のクレジットカードHを決済装置32に読み取らせると、決済装置32がクレジットカードHから読み取った情報と、顧客20への請求金額に関する情報を、商業施設サーバ31を介して決済サーバ11Kに送信する(S41)。
決済部16は、決済装置32から受信した情報について所定の確認処理を行った後、クレジットカードHを用いた当該店舗への請求金額の決済処理を行い、請求金額への支払が行われたことを通知する信号を決済装置32に送信する(S42)。決済装置32は、決済部16からの請求金額への支払が行われたことを通知する信号を受信すると、支払が完了したことを店員に通知する処理を行う(S43)。
決済部16は、請求金額の決済処理を行った際に、請求金額に関する情報と、クレジットカードHのカード識別情報を関連づけて、決済情報DB17に記憶させる処理を行う。更に決済部16は、顧客情報DB15を参照し、クレジットカードHのカード識別情報と関連付けて記憶されている乗車券情報Tや顧客20に関する情報を取得し、決済処理を行った請求金額に関する情報と関連づけて決済情報DB17に記憶する処理を行ってもよい。
商業施設3での買い物を終えた顧客20が、B駅から交通機関5を利用して帰宅するために、携帯情報端末21を操作してアプリケーションGに対して所定の操作を行うと、携帯情報端末21の表示画面にQR乗車券が表示される。顧客20は、携帯情報端末21を駅Bの改札機53bに近づけて、表示されているQR乗車券を改札機53bの読取装置55に読み取らせる(S50)。
改札機53bは、読取装置55が読み取った乗車券情報Tを、総合管理サーバ51に送信する(S51)。総合管理サーバ51は、受信した情報に基づいて改札判定処理を行い、その判定結果を改札機53bに送信する(S52)。改札機53bは、受信した判定結果結に問題がない場合には、図示されていないゲートを開放するなどして顧客20の入場を許可する(S53)。顧客20が交通機関5を利用して駅Aにて降車する際には、顧客20は、QR乗車券を駅Aの改札機53aの読取装置55に読み取らせる。総合管理サーバ51は、上記と同様に改札判定処理を行って、その判定結果を改札機53aに送信する。
総合管理サーバ51は、改札機53bに改札判定処理の結果を送信すると、当該区間の片道分の乗車券の費用の請求をクレジットカード会社1に行う請求処理を行う。この際総合管理サーバ51は、乗車券情報Tが復路乗車券として利用されたことを図示されていない記憶部に記憶する処理を行ってもよい。
具体的には、総合管理サーバ51が、乗車券情報発行管理システム10に対して駅Bから駅Aに向かう片道分の乗車券の費用を請求する信号を、乗車券情報Tとともに送信する(S54)。総合管理サーバ51から費用を請求する信号を受信すると、乗車券情報発行管理システム10の決済部16が、請求のあった費用を交通機関5へ支払う処理を行う(S55)。この支払処理はクレジットカード会社1の名義にて行われる。なお総合管理サーバ51は、改札機53aに改札判定処理の結果を送信した際、即ち顧客20が駅Aにて降車したタイミングで、乗車券の費用の請求処理等を行ってもよい。
決済部16は、交通機関5へ支払った乗車券の費用に関する情報を、乗車券情報Tと関連付けて決済情報DB17に記憶する処理を行う。更に決済部16は、顧客情報DB15を参照し、乗車券情報Tを使用した顧客20に関する情報や、クレジットカードHのカード識別情報を取得するとともに、取得した情報を交通機関5へ支払った乗車券の費用に関する情報と関連づけて、決済情報DB17に記憶させる処理を行う。また決済部16は、乗車券情報Tが復路の乗車券として用いられたことを示す情報を顧客情報DB15、あるいは決済情報DB17に記憶させる処理を行ってもよい。
乗車券情報Tが復路乗車券として利用されてから所定の期間経過後に、判定部14が、所定の期間の間に顧客20が、商業施設3の店舗にてクレジットカードHを使用して支払った費用の総額(以降において「支払額」とも記載する。)が、予め定められている所定の金額以上であるか否かの判定処理を行う。本実施形態では、判定部14が、乗車券情報Tが往路乗車券として使用されてから復路乗車券として使用されるまでの間に、顧客20が支払を行った支払額が、所定の金額を超えているか否かを判定する処理を行う。
判定部14が、支払額が所定の金額を上回っていると判定すると、受付部12は、携帯情報端末21に、交通機関5の駅Aから駅Bの往復の乗車券の費用が無料として処理された旨を通知する信号を送信する(S60)。
一方判定部14が、顧客20の支払額が所定の金額を上回っていない(顧客20の支払額が所定の金額未満である)と判定すると、決済部16が、駅Aから駅Bの往復の乗車券の費用を、顧客20の費用として決済する決済処理を行う。具体的には、顧客20のクレジットカードHによって、駅Aから駅Bの往復の乗車券の費用を支払う処理を行う(S61)。
決済部16が、乗車券の費用の決済処理を行うと、受付部12は、携帯情報端末21に交通機関5の乗車券の費用の支払がクレジットカードHによって行われたことを通知する信号を送信する(S62)。
3.乗車券情報発行管理システム10にて行われる処理の説明
続いて主に図3を参照し、乗車券情報発行管理システム10にて行われる処理の説明を行う。
顧客20の携帯情報端末21から、キャンペーンへの参加申込に関する情報が送信されると、受付部12が、その参加申込を受け付ける処理と、顧客20のクレジットカードHを登録する処理を行う(S100)。具体的には、受付部12は、送信された情報が適切であることを確認し、問題が無ければ、受信した情報を顧客情報DB15に記憶させる処理を行う。顧客情報DB15には、顧客20に関する情報に紐づけられて、顧客20が所持するクレジットカードHのカード識別情報が記憶される。
顧客20の携帯情報端末21から、乗車券情報の発行の申込手続きが行われると、乗車券情報発行部13が、乗車券情報を発行する処理を行う(乗車券情報発行ステップ)(S110)。具体的には、乗車券情報発行部13が、総合管理サーバ51に対し、駅Aと駅Bとの間の往復の乗車券として使用可能な乗車券情報の発行の許可を求める信号を送信する。総合管理サーバ51から、発行を許諾することを通知する信号を受信したら、乗車券情報発行部13は、駅Aと駅Bの往復の乗車券として使用可能な乗車券情報Tを発行し、携帯情報端末21に送信する処理を行う。また、乗車券情報発行部13は、乗車券情報Tを少なくともクレジットカードHのカード識別情報と紐付けて顧客情報DB15に記憶する処理も行う。
顧客20が商業施設3にて、商品などの購入費用の支払いをクレジットカードHにて行うと、決済部16が、顧客20の費用の支払の決済処理を行う(S120)。具体的には、決済部16は、店舗の決済装置32から送信された請求金額に関する情報や、クレジットカードHのカード識別情報に基づいて、所定の確認処理を行った後に、請求金額を顧客20による支払として決済する処理を行う。
本実施形態では、顧客20が、クレジットカードHを用いて商業施設3の店舗33aにて3,000円の支払を行い、続いて商業施設3の店舗33bにて2,000円の支払を行う例に適用して以降の説明を行う。決済部16は、店舗33aの決済装置32から3,000円の費用の支払に関する情報を受信すると、顧客20による支払として、3,000円を店舗33aに支払う処理を行う。決済部16は、支払を行った請求費用(3,000円)に関する情報、及びその決済処理を行った時間に関する時間情報を、クレジットカードHのカード識別情報と関連づけて決済情報DB17に記憶させる処理を行う。また、店舗33bの決済装置32から2,000円の費用の支払に関する情報を受信すると、顧客20による支払として、2,000円を店舗33bに支払う処理を行う。決済部16は、支払を行った費用(2,000円)に関する情報、及びその決済処理を行った時間に関する時間情報を、クレジットカードHのカード識別情報と関連づけて決済情報DB17に記憶させる処理を行う。
乗車券情報Tが復路乗車券として使用されると、判定部14が、所定の期間の間に顧客20が行った支払額が、予め定められている所定の金額以上であるか否かの判定処理を行う(判定処理ステップ)(S130)。本実施形態では、決済部16が、復路乗車券に関する費用の支払処理を行ったタイミングで、判定部14が判定処理を行う例に適用して以降の説明を行う。
はじめに判定部14は、顧客20が商業施設3の店舗にてクレジットカードHを使用して支払った費用の総額を求める処理を行う。具体的には、判定部14は、クレジットカードHのカード識別情報や顧客20を識別する情報に基づいて、顧客情報DB15、及び決済情報DB17を参照し、顧客20による商業施設3の店舗への支払に関する情報を抽出する。更に抽出した情報の中から、乗車券情報Tが往路乗車券として使用されてから、復路乗車券として使用されるまでの時間に、決済処理が行われた情報を抽出して、その総額を算出する。そして算出した総額(顧客20の支払額)と、クレジットカード会社1などによって予め定められた所定の金額を比較し、判定処理を行う。
本実施形態では、所定の金額として、3,000円がクレジットカード会社1によって予め定められている例に適用して説明を行う。顧客20は、店舗33aにて3,000円の支払を行い、店舗33bにて2,000円の支払を行っている。このため判定部14は、顧客20の支払額(5,000円)は、所定の金額(3,000円)以上であると判定する(S130にてYes)。この場合、判定部14は、受付部12に、交通機関5の駅Aから駅Bの往復の乗車券の費用が無料として処理された旨を通知する信号を、携帯情報端末21に送信させる処理を行う。(S140)。
一方、顧客20の支払額が3,000円未満であった場合には、判定部14は、顧客20の支払額が、所定の金額(3,000円)未満であると判定する(S130にてNo)。この場合判定部14は、決済部16に対して判定の結果を送信する。決済部16は、その判定結果に基づいて、駅Aから駅Bの往復の乗車券にかかる費用を、顧客20のクレジットカードHによって決済する処理を行う(乗車券費用決済ステップ)(S150)。更に決済部16は、受付部12に、交通機関5の駅Aから駅Bの往復の費用の支払がクレジットカードHによって行われたことを通知する信号を、携帯情報端末21に送信させる処理を行う。
なお、判定処理は、乗車券情報Tが復路乗車券として使用された後であれば、上記とは異なるタイミングで行われてもよい。例えば、乗車券情報Tが発行された日の、交通機関5の運行が終了した後の任意の時間に判定処理が行われたり、あるいは翌日の任意の時間に判定処理が行われたりしてもよい。
上記の様な乗車券情報発行管理システム10では、乗車券情報発行部13が、交通機関5の乗車券として利用可能な乗車券情報を、顧客20が商業施設3を訪問する前に発行する。このため、顧客20に対して、商業施設3を訪問する直接的なインセンティブを付与することができ、より大きな集客効果が得られることが期待できる。また顧客20は、商業施設3において購買した費用などの支払をクレジットカード会社1のクレジットカードで行うことが期待されるため、商業施設3の売上げの向上に寄与することや、クレジットカード会社1のクレジットカードの利用率の向上に寄与することが期待できる。また、顧客20は、商業施設3を訪問するにあたり交通機関5を利用することになるため、交通機関5の利用者数の増加にも寄与することが期待できる。
更に発行された乗車券情報(QR乗車券)が、顧客20の携帯情報端末21の表示画面に、読取装置55が読取り可能な二次元情報(QRコード)として表示される。このため顧客20は、携帯情報端末21に表示されたQR乗車券を読取装置55に読み取らせるだけで、交通機関5を利用することができる。
なお上記の実施形態では、乗車券情報サーバ11L、決済サーバ11K、及び通信サーバ18が、それぞれ別個のサーバ装置から構成されている例に適用して説明を行った。一方、乗車券情報サーバ11L、決済サーバ11K、及び通信サーバ18は、それぞれ通信可能に接続された複数のサーバ装置やPCから構成され、各機能を実現するようにされたものであってもよい。あるいは、1台のサーバ装置が、乗車券情報サーバ11L、決済サーバ11K、及び通信サーバ18の各機能を実現する様に構成されていてもよい。
〔第2の実施形態〕
以下、本開示の第2の実施形態について、主に図4及び図5を参照して説明を行う。本実施形態では、本開示にかかる乗車券情報発行管理システム10Aが、商業施設3を運営する事業会社4が行う、集客キャンペーンの管理に用いられる例に適用して以降の説明を行う。なお、本実施形態に係る乗車券情報発行管理システム10Aの基本構成は、第1の実施形態とほぼ同一であるため、以降の説明では、相違する点について主に説明を行い、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る乗車券情報発行管理システム10Aは、クレジットカード会社1に設けられている決済サーバ11KAと、商業施設3の運営を主に行う事業会社4に配置されている乗車券情報サーバ11LAから主に構成されている。
乗車券情報サーバ11LAは、交通機関5の乗車券として使用可能な乗車券情報の発行管理を主に行う機能を有したサーバ装置であり、受付部12、乗車券情報発行部13、判定部14、顧客情報DB15、及び外部ネットワークと通信を行う通信部18Aを主に備えている。乗車券情報サーバ11LAは、通信部18Aを介して、外部のネットワークNに接続されている。
決済サーバ11KAは、費用の支払に関する決済処理を行う機能を有したサーバ装置であり、決済部16、決済情報DB17、及び通信部18Bを主に備えている。決済サーバ11KAは、通信部18Bを介して、外部のネットワークNに接続されている。
以下、図5を参照して本実施形態に係る乗車券情報発行管理システム10Aの動作について説明を行う。なお、上記実施形態と同一の処理については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、携帯情報端末21には、事業会社4が提供するアプリケーションGAがインストールされており、キャンペーンの申込や乗車券情報の発行の申込は、アプリケーションGAによって行われる。
顧客20が携帯情報端末21を操作して手続を行うと、乗車券情報サーバ11LAの受付部12が登録処理を行う(S11a)。受付部12は、登録処理が完了するとその旨を通知する信号を携帯情報端末21に送信する(S12a)。そして、顧客20が乗車券情報サーバ11LAに乗車券情報の発行申込を行うと(S20a)、乗車券情報発行部13が、総合管理サーバ51と通信を行い(S21a~S22a)、乗車券情報Tを発行する(S23a)。
乗車券情報Tが、往路乗車券として利用されると(S30~S33)、総合管理サーバ51が、その乗車券の費用を請求する信号を乗車券情報サーバ11LAに送信する(S34a)。当該信号を受信した乗車券情報サーバ11LAは、乗車券の費用を支払う処理を行う(S35a)。なおこの費用の支払は、事業会社4の名義にて行われる。
乗車券情報Tが、復路乗車券として利用された場合(S50~S53)も同様に、総合管理サーバ51が、その乗車券の費用を請求する信号を乗車券情報サーバ11LAに送信し(S54a)、乗車券情報サーバ11LAが、乗車券の費用を支払う処理を行う(S55a)。なおこの費用の支払処理は、事業会社4の名義にて行われる。
乗車券情報Tが復路乗車券として利用されてから所定期間経過後に、判定部14が判定処理を行う。判定部14が、顧客20の支払額が、所定の金額以上であると判定すると、受付部12が、駅Aから駅Bの往復の乗車券の費用が無料として処理された旨を通知する信号を携帯情報端末21に送信する(S60a)。一方、判定部14が、顧客20の支払額が、所定の金額未満であると判定すると、判定部14は、決済サーバ11KAに対し、駅Aから駅Bの往復の乗車券の費用を、顧客20の支払として決済することを依頼する信号を出力する(S61a)。決済サーバ11KAの決済部16は、顧客20のクレジットカードHにて、その乗車券の費用の決済処理を行うとともに、決済処理が完了したことを乗車券情報サーバ11LAに通知する信号を送信する(S62a)。そして受付部12が、駅Aから駅Bの往復の乗車券の費用が、クレジットカードHにて支払われたことを通知する信号を、携帯情報端末21に送信する(S63a)。
上記の構成からなる乗車券情報発行管理システム10Aでは、乗車券情報サーバ11LAが事業会社4に配置され、決済サーバ11KAがクレジットカード会社1に配置されている。即ち、乗車券情報サーバ11LAと決済サーバ11KAが、それぞれ異なる場所に配置されている。このため、乗車券情報発行管理システム10Aを用いて、より多彩なサービス等を提供可能なキャンペーンの運営が行うことができるようになることが期待できる。例えば、アプリケーションGAによって収集した顧客20の情報を、事業会社4がアクセス可能な商業施設3の他の情報と紐づけることによって、更に集客力をある異なるキャンペーンを行ったりできることが期待できる。あるいは、アプリケーションGAを、商業施設3の会員カードに関するサービスなどと連携させた、事業会社4独自のサービスを提供したりすることも可能となる。また、決済サーバ11KAの有する主な機能は、クレジットカード会社1が通常備える決済機能を備えたサーバを利用することが可能である。このため、乗車券情報発行管理システム10Aを導入するためのコストを低額に抑えることができることも期待できる。
〔第3の実施形態〕
以下、本開示の第3の実施形態について、主に図1及び図6を参照して説明を行う。本実施形態にかかる乗車券情報発行管理システム10Bの構成は、第1の実施形態と同一であるが、乗車券情報発行部13が、切符券売機54の読取装置56が、読み取り可能な乗車券情報を発行する点が相違する。このため、以降の説明では、第1の実施形態と相違する点について主に説明を行い、第1の実施形態と同一の部分については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
顧客20が、携帯情報端末21を操作して、乗車券情報の発行の申込手続きを行うと(S20b)、乗車券情報発行部13が、総合管理サーバ51から発行の許諾を得た後に(S21b,S22b)、乗車券情報T2を発行する。そして、顧客20の携帯情報端末21に送信する(S23b)。この乗車券情報T2は、携帯情報端末21の表示部に、切符券売機54の読取装置56が読み取り可能なQRコードとして表示される情報である。
顧客20が、駅Aの切符券売機54aの読取装置56に携帯情報端末21の表示部に表示された乗車券情報T2読み取らせると(S300)、切符券売機54aから、駅Aから駅Bに乗車するための切符が発券される(S310)。切符券売機54aは、切符を乗車券情報T2に基づいて切符を発券した事を通知する信号を、駅管理サーバ52Aを介して総合管理サーバ51に送信する。なお、切符券売機54aは発券の前に駅管理サーバ52Aを介して総合管理サーバ51と通信を行い、読み取った乗車券情報T2を確認する処理を行ってもよい。
顧客20が、発券された切符を改札機53aの図示されていない切符投入口に挿入すると、改札機53aは投入された切符から読み取った情報を総合管理サーバ51に送信する(S330)。総合管理サーバ51は、送信された情報に基づいて改札判定処理を行い、その判定結果を改札機53aに送信する(S340)。なお、上記のS320、S330の処理は、駅管理サーバ52Aと改札機53aの間で行われてもよい。
改札機53aは、受信した判定結果が適切な場合には、図示されていないゲートを開放するなどして顧客20の通過を許可する(S350)。改札機53aはこの際、投入された切符に、駅Aの改札機53aを通過したことを示す情報などを追加で記録させる処理を行ってもよい。顧客20が交通機関5を利用して、駅Bにて降車する際には、顧客20は、入場した際に使用した切符を、改札機53bの図示されていない切符投入口に挿入する。改札機53bは、投入された切符から所定の情報を読み取って、総合管理サーバ51に送信し(S330)、総合管理サーバ51から受信した(S340)判定結果が適切な場合には、図示されていないゲートを開放するなどして顧客20の退場を許可する(S350)。なお、改札機53a,53bにて行われる上記の処理は、切符を使用する公知の改札機等にて行われる公知の処理であってもよい。
総合管理サーバ51は、切符券売機54aが切符を発券したタイミングや、あるいはその切符が、改札機53aや改札機53bに投入されたタイミングで、当該切符の費用を請求する信号を、乗車券情報発行管理システム10Bに送信する(S34b)。決済部16は、切符の費用を交通機関5に支払う処理を行う(S35b)。
顧客20が、交通機関5を利用して帰宅する場合にも、上記S300~S350と同様の処理が行われる。即ち、顧客20が、駅Bの切符券売機54bの読取装置56に乗車券情報T2を読み取らせると(S500)、切符券売機54bから、駅Bから駅Aに乗車するための切符が発券される(S510)。切符券売機54bは、乗車券情報T2に基づいて切符を発券した事を通知する信号を総合管理サーバ51に送信する。そして顧客20が、発券された切符を改札機53bの図示されていない切符投入口に挿入すると、改札機53bは投入された切符から読み取った情報を総合管理サーバ51に送信し(S520)、送信された判定結果が適切である場合には(S540)、図示されていないゲートを開放するなどして、顧客20の通過を許可する(S550)。そして駅Aにおいても同様の処理が行われ、顧客20は、駅Aから出場する。
総合管理サーバ51は、切符券売機54bが切符を発券したタイミングや、あるいはその切符が、改札機53bや改札機53aに投入されたタイミングで、当該切符の費用を請求する信号を、乗車券情報発行管理システム10Bに送信する(S54b)。決済部16は、切符の費用を交通機関5に支払う処理を行う(S55b)。
切符券売機54bが復路の切符を発券してから、あるいは発券された切符が改札機53b、あるいは改札機53aに投入されてから、所定の期間経過後に、判定部14が判定処理を行う。判定部14が、支払額が所定の金額を上回っていると判定した場合には、受付部12は、駅Aから駅Bの往復の切符の費用が無料として処理された旨を通知する信号を、携帯情報端末21に送信する(S60)。一方判定部14が、顧客20の支払額が所定の金額を上回っていないと判定した場合には、決済部16が駅Aから駅Bの往復の切符の費用を、顧客20の費用として決済する決済処理を行う(S61)。この際、受付部12は、交通機関5の乗車券の費用の支払がクレジットカードHによって行われたことを通知する信号を携帯情報端末21に送信する(S62)。
本実施形態に係る乗車券情報発行管理システム10Bでは、切符券売機54が乗車券情報T2を読み取って、交通機関5で使用されている既存の切符が発券される。このため、交通機関5の各駅は、読取装置56を備えた切符券売機54を備えるだけで、乗車券情報発行管理システム10Bを用いたキャンペーンを行うことができる。即ち、読取装置55を備えた改札機53を、各駅に設けることなく、乗車券情報発行管理システム10Bを用いたキャンペーンを行うことができる。このため、安価な設備投資で、乗車券情報発行管理システム10Bを利用したキャンペーンを行うことが可能となる。
なお、第2の実施形態に係る乗車券情報発行管理システム10Aの乗車券情報発行部13が、切符券売機54の読取装置56が読取り可能な乗車券情報を発行する構成としてもよい。
〔第4の実施形態〕
以下、本開示の第4の実施形態について、主に図1及び図7を参照して説明を行う。本実施形態にかかる乗車券情報発行管理システム10Cの構成は、第1の実施形態と同一であるが、判定処理が行われるタイミングが、上記の実施形態とは相違する。具体的には、判定部14が、1ヶ月毎など、複数の日数にわたる所定の期間毎に判定処理を行う点が相違する。このため、以降の説明では、第1の実施形態と相違する部分について主に説明を行い、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、乗車券情報発行管理システム10Cが、所定の期間の間に商業施設3にて支払われた支払額に基づいて、当該期間中に利用した交通機関5の乗車券の費用が、無料となるキャンペーンに用いられる例に適用して以降の説明を行う。具体的には、1ヶ月の間の顧客20による商業施設3での支払額が、所定の金額以上であった場合に、その期間の間に商業施設3を訪問するために顧客20が利用した、交通機関5の乗車券の費用が無料となるキャンペーに用いられる例に適用して説明を行う。なお、以下、顧客20が、乗車券情報発行管理システム10Cを用いたキャンペーンに参加し、所定の期間(1ヶ月)の間に、複数回、交通機関5を利用して商業施設3を訪問する例に適用して以降の説明を行う。
顧客20は、携帯情報端末21を利用して乗車券情報T3を取得し(S20~S23)、交通機関5を利用して商業施設3を訪問し(S20~S33)、商業施設3にてクレジットカードHを用いて支払を行う(S40~S43)。そして再び交通機関5を利用して帰宅する(S50~S53)。なお、総合管理サーバ51は、乗車券情報T3が使用される毎に、乗車券に関する費用を求める処理を行い、決済部16は、その都度、支払処理を行う(S34~S35、S54~S55)。顧客20が所定の期間の間、商業施設3を複数回訪問すると、上記のS20~S55の処理が繰り返される。なお、顧客20が、乗車券情報T3を利用して交通機関5を利用した費用に関する情報は、顧客20に関する情報、及び利用された乗車券情報T3に紐づけられて、顧客情報DB15、あるいは決済情報DB17に記憶される。
所定の期間が経過したタイミングで、判定部14Cが判定処理を行う。例えば、その月の最終日などに判定部14Cが判定処理を行う。判定部14Cは、顧客20が1ヶ月の間に商業施設3でクレジットカードHを用いて支払った費用の総額(支払額)が、所定の金額以上であるか否かを判定する処理を行う。
具体的には、はじめに判定部14Cが、顧客情報DB15、及び決済情報DB17を参照し、1ヶ月の間に顧客20が、商業施設3にてクレジットカードHを用いて行った支払に関する情報を抽出し、その総額を算出する。そして、その算出した額(支払額)と予め定められた所定の金額を比較し、判定処理を行う。判定部14Cが、この所定期間内の支払額が、所定の金額以上であると判定する場合には、受付部12は、この期間内に顧客20が商業施設3を訪問するために利用した交通機関5の乗車券に関する費用が無料として処理された旨を通知する信号を携帯情報端末21に送信する(S600)。
一方、判定部14Cが、所定期間内の支払額が、所定の金額未満であると判定する場合には、決済部16が、1ヶ月の期間内に、顧客20が商業施設3を訪問するために利用した交通機関5の乗車券の費用を、顧客20のクレジットカードHによって決済する処理を行う(S610)。そして受付部12が、この期間内の交通機関5の駅Aから駅Bの往復の費用の支払がクレジットカードHによって行われたことを通知する信号を携帯情報端末21に送信する(S620)。
上記の構成からなる乗車券情報発行管理システム10Cによれば、判定部14Cが、顧客20が所定の期間内に商業施設3でクレジットカードHを用いて支払った費用の総額(支払額)に基づいて判定処理を行う。このため、例えば一回の商業施設3への訪問による支払の額が、所定の金額未満であったとしても、次回以降の訪問にて支払を行った額との総額で所定金額以上となれば、乗車券の費用が無料として処理される。このため、顧客20に対して、複数回、商業施設3を訪問するインセンティブを付与することが可能となる。また、判定処理を、顧客20が交通機関5を利用する度に行う必要がないため、判定処理や乗車券の費用の決済処理を簡易に行うことが可能となる。
なお第2の実施形態の乗車券情報サーバ11LAの判定部14が、所定の期間内に商業施設3でクレジットカードHを用いて支払った費用の総額(支払額)に基づいて判定処理を行う構成としてもよい。あるいは上記実施形態において、判定部14が、顧客20が交通機関5を利用した日の商業施設3における支払額を所定の金額が所定金額以上であるか否かの判定処理を所定の期間毎に行い、支払額が所定の金額以上である日については、その日の乗車券の費用を無料として処理を行う構成としてもよい。
〔第5の実施形態〕
次に、第5の実施形態について主に図4、及び図8を参照しながら説明する。本実施形態の乗車券情報発行管理システム10Dの基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、顧客20の費用として乗車券費用の支払が行われる際に、その支払が、公知の前払式キャッシュレス決済システムによって行われる点が、第2の実施形態と相違する。よって、本実施形態においては、上記の実施形態と相違する点について主に説明を行い、他の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の乗車券情報発行管理システム10Dは、クレジットカード会社1に設けられている決済サーバ11KDと、事業会社4に設けられている乗車券情報サーバ11LDから主に構成されている。事業会社4は、商業施設3の運営を主に行う他、携帯情報端末を利用した、公知の前払式のキャッシュレス決済システムJの運営も行っている。この事業会社4が運営するキャッシュレス決済システムJは、事業会社4が提供するアプリケーションGDを利用して行われるものである。なお以降の説明において、アプリケーションGDは、顧客20の携帯情報端末21にインストールされ、キャンペーンの申込や乗車券情報の申込にも利用される例に適用して以降の説明を行う。また、顧客20がキャッシュレス決済システムJを利用するためにチャージする前払い金の支払は、顧客20のクレジットカードHによって行われる例に適用して説明を行う。
乗車券情報サーバ11LDの受付部12Dは、携帯情報端末21を用いて行われる、顧客20からのキャンペーンの申込や乗車券情報の申込を受け付ける機能の他、キャッシュレス決済システムJに関する手続の受付や、関連する処理を行う機能も有している。具体的に受付部12Dは、顧客20からのキャッシュレス決済システムJの利用開始申込や、前払い金のチャージの受付、その支払い処理などを行う機能を有している。また、乗車券情報サーバ11LDの顧客情報DB15には、受付部12が登録処理を行った顧客20に関する情報の他、顧客20のクレジットカードHのカード識別情報に紐づけられて、顧客20がチャージしたチャージ金額に関する情報やその残高情報など、キャッシュレス決済システムJに関する情報も記憶されている。
以下、乗車券情報発行管理システム10Dを用いたキャンペーンの流れについて、主に図8を参照して説明を行う。はじめに顧客20は、自身の携帯情報端末21を用いて、キャンペーンの参加申込を行う。具体的には、携帯情報端末21の表示部に表示されるアプリケーションGDに従って、クレジットカードHのカード識別情報や顧客20に関する情報の入力を行う。更に顧客20は、キャッシュレス決済システムJの申込に必要な情報の入力も行う。必要な情報が入力されると、アプリケーションGDは、携帯情報端末21が備える公知の通信機能を用いて、入力された情報を乗車券情報発行管理システム10の受付部12Dに送信する(S11d)。
受付部12Dは、情報が適切であることを確認し、問題が無ければ受信した情報を顧客情報DB15Dに記憶させる処理を行う。受付部12Dは、携帯情報端末21に、顧客20のクレジットカードHの登録、及び参加申込が完了した旨を通知する信号、及びキャッシュレス決済システムJの利用が可能となったことを通知する信号を送信する(S12d)。
続けて顧客20は、キャッシュレス決済システムJを利用するために、所望の金額をチャージする処理を行う。具体的には、アプリケーションGDの表示に従って所望の金額を入力し、それを前払い金としてチャージする処理を行う。なおアプリケーションGDは、顧客20に対して、少なくとも交通機関5の駅Aと駅Bの一回分の往復乗車券の費用の支払が可能な費用のチャージを求める処理を行ってもよい。
必要な情報が入力されると、アプリケーションGDは、携帯情報端末21が備える公知の通信機能を用いて、入力されたチャージに関する情報を受付部12Dに送信する(S13d)。受付部12Dは、決済サーバ11Kに対し、受信したチャージに関する情報を送信する(S14d)。決済サーバ11KDの決済部16は、顧客20が所望する金額(以降において「チャージ金額」とも記載する。)を、顧客20のクレジットカードHにて決済する処理を行い、チャージ金額がクレジットカードHにて決済されたことを通知する信号を、受付部12Dに送信する(S15d)。そして受付部12Dは、チャージ金額がキャッシュレス決済システムJにて利用可能となったことを通知する信号を携帯情報端末21に送信する(S16d)。
所定の期間が経過すると、判定部14が判定処理を行う。判定部14が、顧客20の支払額が所定の金額を上回っていると判定すると、受付部12は、携帯情報端末21に対して、商業施設3を訪問するために利用した交通機関5の駅Aから駅Bの往復の乗車券の費用が無料として処理された旨を通知する信号を送信する(S60d)。
一方判定部14が、顧客20の支払額が所定の金額未満であると判定すると、受付部12Dは、駅Aから駅Bの往復の乗車券の費用を、顧客20のチャージ金額から減額する処理を行う(S61d)。具体的には、顧客情報DB15Dに対して、顧客20のチャージ金額から乗車券の費用を減額した金額を、顧客20の最新のチャージ金額として記憶させる処理を行う。受付部12Dは、乗車券の費用を、顧客20のチャージ金額から減額する処理を行うと、その旨を通知する信号を携帯情報端末21に送信する(S62d)。
上記の構成からなる乗車券情報発行管理システム10Dによれば、顧客20の支払額が所定の金額未満である場合に、往復の乗車券の費用が、顧客20のチャージ金額から減額される。このため、乗車券情報サーバ11LDは、決済サーバ11KDと通信を行って往復の乗車券の費用をクレジットカードHによって決済を行わせる必要がなく、往復の乗車券の費用の支払に関する処理を簡易に行うことができる。また、前払い金から往復の乗車券の費用の支払が行われるため、クレジットカードHの利用可能状況にかかわらず、往復の乗車券の費用の決済処理を行うことができる。
なお、本開示の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、判定部14が、予め定められた所定の金額に対する顧客20の支払額の割合を算出し、乗車券に関する費用としてその算出された割合に応じた金額を顧客20の費用として決済する処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、顧客20に対し、商業施設3にいて購買を行うことの更なるインセンティブを与えることができる。
あるいは第4の実施形態において、判定処理に用いられる所定の費用を段階的に複数設け、判定部14Cが、その段階的に設けられた所定の費用に基づいて判定処理を行うようにしてもよい。例えば、所定の費用として、1,000円、3,000円、5,000円のように、複数の金額を予め設定し、支払額が1,000円以上の場合には1回分の往復の乗車券を無料、3,000円以上の場合には2回分の往復の乗車券を無料、5,000円以上の場合には5回分の往復の乗車券を無料とするといった処理が行われるようにしてもよい。このようにすれば、顧客に対して、商業施設3を訪問する更なるインセンティブを付与することができる。
また第5の実施形態において、商業施設3での支払が、キャッシュレス決済システムJで行われた場合に、判定部14が、キャッシュレス決済システムJによる支払額に基づいて判定処理を行ってもよい。このようにすれば、判定処理の際に決済サーバ11Kと通信を行う必要がないため、簡易な方法で判定処理が可能な乗車券情報発行管理システム10Dを提供することができる。
上記実施形態では、顧客20が、自身の携帯情報端末21にインストールされている専用のアプリケーションを用いて操作等を行う例に適用して説明を行った。一方、例えば、顧客20が、携帯情報端末21に予めインストールされている公知のWebブラウザなどを用いて専用のサイトをアクセスすることによって、操作や所定の表示が行われる構成としてもよい。
また、上記の実施形態に適用したものに限られることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。例えば第3の実施形態における乗車券情報発行管理システム10Bの判定部14が、1ヶ月毎など、複数の日数にわたる所定の期間毎に判定処理を行う構成としてもよい。あるいは、第5の実施形態にかかる乗車券情報発行管理システム10Dが、切符券売機54の読取装置56が読み取り可能な乗車券情報を発行する構成としてもよい。あるいは第2の実施形態に係る乗車券情報サーバ11LAが、切符券売機54の読取装置56が読み取り可能な乗車券情報を発行する構成したり、その判定部14が、1ヶ月毎など、複数の日数にわたる所定の期間毎に判定処理を行ったりする構成としてもよい。