JP7432103B2 - 真空冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、処理槽内を減圧して食品を冷却する真空冷却装置に関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、食品を収容し得る冷却庫(2)と、冷却庫に接続され冷却庫内の気体を排出し得る真空排気手段(3)と、冷却庫内の真空状態を解除する外気導入手段(21)とを備えた真空冷却装置が知られている。この装置では、冷却庫内に温度センサ(8)および圧力センサ(9)が設けられ、温度センサからの連続的検出信号に基づいて、冷却庫内の圧力を制御するように構成されている。具体的には、冷却庫内の食品の温度(品温)が、現在の品温(T1)より所定以上低い温度(T2)となるように、冷却庫内の圧力が調整される。また、冷却庫内の温度と、冷却庫内に配置された食品の温度との差が設定範囲内となるように、圧力が調整される。これにより、突沸を抑制しつつ、食品を真空冷却することができる。
しかしながら、このような圧力調整を伴った徐冷制御を行うにしても、運転開始直後から行うのでは、運転時間が長くなる不都合がある。運転時間が長くなると、真空ポンプや蒸気エゼクタの作動時間が長くなり、無駄に水、蒸気および電力を消費することになる。仮に、まずは処理槽内を所定まで急減圧する初期減圧制御を行い、その後、減圧速度を低下させて徐冷制御を行うにしても、どこまで急減圧すべきかの課題が残る。しかも、たとえば、食品により吹きこぼれのリスクが異なるし、温度によっても吹きこぼれのリスクが異なるので、これらを考慮した制御が望まれる。
その他、初期減圧制御において、品温センサの検出温度に基づき制御するにしても、運転開始時点(スタートボタンを押した時点)での品温を基準にすると、品温センサを差した直後に運転を開始する場合、品温センサの検出温度が上がり切る前の比較的低い温度が基準となり、所期の制御が行われないおそれがある。
特開2002-355020号公報(請求項1、段落0024、0027、図1)
本発明が解決しようとする課題は、突沸を抑制できると共に、運転時間を短縮できる真空冷却装置を提供することにある。また、たとえば食品の種類および/または温度に基づき、徐冷制御前の初期減圧制御の終了条件を変更することで、運転時間の短縮と吹きこぼれの防止とを図ることができる真空冷却装置を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、食品が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段と、減圧された前記処理槽内へ外気を導入する復圧手段と、前記処理槽内の圧力を検出する圧力センサと、前記処理槽内に収容された食品の温度を検出する品温センサと、前記各手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段により、所定の終了条件を満たすまで前記処理槽内を減圧する初期減圧制御と、この初期減圧制御よりも減圧速度を低下させて前記処理槽内をさらに減圧する徐冷制御とを順に実行可能とされ、前記初期減圧制御では、前記品温センサの検出温度を監視し、前記品温センサの検出温度が規定温度以上の場合、前記品温センサの検出温度が第一設定温度になるまで前記処理槽内を減圧する真空冷却装置であって、前記初期減圧制御では、(a)前記品温センサの検出温度が第一設定温度以上の場合、前記品温センサの検出温度が第一設定温度になるまで前記処理槽内を減圧する第一操作を実行する一方、(b)前記品温センサの検出温度が第一設定温度未満の場合、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記品温センサの検出温度+所定値」になるまで、前記処理槽内を減圧する第二操作を実行することを特徴とする真空冷却装置である。
請求項1に記載の発明によれば、減圧速度を下げた徐冷制御により突沸を抑制できると共に、徐冷制御前には減圧速度を上げた初期減圧制御を行うことで、運転時間の短縮を図ることができる。初期減圧制御では、所定の終了条件を満たすまで処理槽内を減圧するが、品温センサの検出温度が規定温度以上の場合、品温センサの検出温度が第一設定温度になるまで処理槽内を減圧して、食品を真空冷却する。第一設定温度以上の比較的高温域では、真空冷却しても食品に沸騰が生じないか、沸騰が生じても細かい沸騰となる。そのため、徐冷制御よりも減圧速度を上げて処理槽内を減圧しても、吹きこぼれのおそれは少ない。しかも、品温センサの検出温度を監視して制御することで、次のような作用効果を奏する。すなわち、仮に運転開始時点(スタートボタンを押した時点)での品温を基準に規定温度以上か否かを判定すると、品温センサを差した直後に運転を開始する場合、品温センサの検出温度が上がり切る前の比較的低い温度に基づき判定されてしまうが、品温センサの検出温度を監視して制御することで、真の品温が規定温度以上の場合のみ、第一設定温度まで真空冷却することができる。
請求項1に記載の発明によれば、初期減圧制御では、品温センサの検出温度が第一設定温度以上の場合、品温センサの検出温度が第一設定温度になるまで処理槽内を減圧して、食品を真空冷却する。第一設定温度以上の比較的高温域では、真空冷却しても食品に沸騰が生じないか、沸騰が生じても細かい沸騰となる。そのため、徐冷制御よりも減圧速度を上げて処理槽内を減圧しても、吹きこぼれのおそれは少ない。一方、品温センサの検出温度が第一設定温度未満の場合、圧力センサの検出圧力における飽和温度が「品温センサの検出温度+所定値」になるまで処理槽内を減圧する。槽内圧力換算温度(処理槽内圧力における飽和温度)が品温よりも低くならない範囲(実質的に減圧沸騰による真空冷却を生じない範囲)で、処理槽内を減圧することで、徐冷工程よりも急速に処理槽内を減圧しても、吹きこぼれを起こすおそれが少ない。
請求項2に記載の発明は、前記初期減圧制御として、第一初期減圧制御と第二初期減圧制御との内、いずれかを切り替えて実行可能とされ、前記第一初期減圧制御では、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記品温センサの検出温度+所定値」になるまで、前記処理槽内を減圧し、前記第二初期減圧制御では、(a)前記品温センサの検出温度が第一設定温度以上の場合、前記品温センサの検出温度が第一設定温度になるまで前記処理槽内を減圧する第一操作を実行する一方、(b)前記品温センサの検出温度が第一設定温度未満の場合、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記品温センサの検出温度+所定値」になるまで、前記処理槽内を減圧する第二操作を実行することを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置である。
請求項2に記載の発明によれば、初期減圧制御として、第一初期減圧制御と第二初期減圧制御との内、いずれかを切り替えて実行可能とされる。第一初期減圧制御では、実質的に真空冷却を生じない範囲の減圧に止めることで、吹きこぼれを確実に防止することができる。一方、第二初期減圧制御では、品温が比較的高い場合には、第一設定温度になるまで食品を真空冷却する第一操作を実行する一方、品温が比較的低い場合には、圧力センサの検出圧力における飽和温度が「品温センサの検出温度+所定値」になるまで処理槽内を減圧する。品温に応じて真空冷却(減圧沸騰)の有無を切り替えることで、運転時間の短縮と吹きこぼれの防止とを図ることができる。吹きこぼれしやすい食品の場合には、第一初期減圧制御を実行し、吹きこぼれしにくい食品の場合には、第二初期減圧制御を実行するのがよく、食品に応じて初期減圧制御の減圧方法を選択することができる。
請求項3に記載の発明は、前記第一操作および前記第二操作の実行中、前記品温センサの検出温度を監視し、前記第二操作の実行中、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記品温センサの検出温度+所定値」になる前に、前記品温センサの検出温度が第一設定温度以上に変われば、前記第一操作に切り替えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空冷却装置である。
請求項3に記載の発明によれば、初期減圧制御において品温センサの検出温度を監視し、第二操作から第一操作への切替えを可能とした。これにより、第一操作および第二操作が適正に実行された後、徐冷制御へ移行することができる。
請求項4に記載の発明は、前記徐冷制御として、温度差一定制御を実行可能とされ、この温度差一定制御では、前記品温センサの検出温度と前記圧力センサの検出圧力における飽和温度との温度差が設定温度差になるように、前記処理槽内の圧力を調整しつつ前記処理槽内を減圧することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の真空冷却装置である。
請求項4に記載の発明によれば、徐冷制御として、温度差一定制御を実行可能とされる。温度差一定制御では、品温と槽内圧力換算温度との温度差を設定温度差に抑えることで、食品からの水分蒸発を所定の速度に制御し、突沸を抑制しつつ食品の冷却を図ることができる。
さらに、請求項5に記載の発明は、前記温度差一定制御では、前記品温センサの検出温度の設定時間内の温度下降幅が設定値未満になると、前記設定温度差を増加させることを特徴とする請求項4に記載の真空冷却装置である。
請求項5に記載の発明によれば、温度差一定制御では、品温の低下具合を監視しつつ、それに応じて前記設定温度差を変化させるので、食品に応じた真空冷却を図ることができる。
本発明の真空冷却装置によれば、突沸を抑制できると共に、運転時間を短縮することができる。また、たとえば食品の種類および/または温度に基づき、徐冷制御前の初期減圧制御の終了条件を変更することで、運転時間の短縮と吹きこぼれの防止とを図ることができる。
本発明の一実施例の真空冷却装置を示す概略図であり、一部を断面にして示している。 図1の真空冷却装置の運転例を示すグラフであり、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの変化を示しており、第一初期減圧制御が行われる例を示している。 図1の真空冷却装置の運転例を示すグラフであり、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの変化を示しており、第二初期減圧制御が行われる例を示している。 図1の真空冷却装置による突沸防止用のパルス制御の一例を示すグラフであり、槽内圧力の変化を示している。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の真空冷却装置1を示す概略図であり、一部を断面にして示している。
本実施例の真空冷却装置1は、食品Fが収容される処理槽2と、この処理槽2内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段3と、減圧された処理槽2内へ外気を導入する復圧手段4と、これら各手段を制御して処理槽2内の食品Fを冷却する制御手段(図示省略)とを備える。
処理槽2は、内部空間の減圧に耐える中空容器であり、ドア(図示省略)で開閉可能とされる。処理槽2は、典型的には略矩形の箱状に形成され、正面の開口部がドアで開閉可能とされる。ドアを開けることで、処理槽2に食品Fを出し入れすることができ、ドアを閉じることで、処理槽2の開口部を気密に閉じることができる。ドアは、処理槽2の正面および背面の双方に設けられてもよい。
減圧手段3は、処理槽2内の気体(空気や蒸気)を外部へ吸引排出して、処理槽2内を減圧する手段である。本実施例では、減圧手段3は、処理槽2内からの排気路5に、蒸気エゼクタ6、蒸気凝縮用の熱交換器7、逆止弁8、および水封式の真空ポンプ9を順に備える。
蒸気エゼクタ6は、吸引口6aが処理槽2に接続されて設けられ、入口6bから出口6cへ向けて、エゼクタ給蒸路10からの蒸気がノズルで噴出可能とされる。入口6bから出口6cへ向けて蒸気を噴出させることで、処理槽2内の気体も吸引口6aを介して出口6cへ吸引排出される。エゼクタ給蒸路10に設けたエゼクタ給蒸弁11の開閉を操作することで、蒸気エゼクタ6の作動の有無を切り替えることができる。
熱交換器7は、排気路5内の流体と冷却水とを混ぜることなく熱交換する間接熱交換器である。熱交換器7により、排気路5内の蒸気を、冷却水により冷却し凝縮させることができる。
真空ポンプ9は、本実施例では水封式であり、周知のとおり、封水と呼ばれる水が供給されつつ運転される。そのために、真空ポンプ9の給水口9aには、封水給水路12を介して水が供給される。封水給水路12には封水給水弁13が設けられており、封水給水弁13を開けることで、真空ポンプ9に封水を供給することができる。封水給水弁13を開けた状態で真空ポンプ9を作動させると、真空ポンプ9は、吸気口9bから気体を吸入し、排気口9cへ排気および排水する。真空ポンプ9は、オンオフ制御されてもよいし、インバータ制御されてもよい。
熱交換器7および真空ポンプ9への給水系統について説明すると、本実施例では、熱交換器7および真空ポンプ9には、常温水と冷水とを切り替えて供給可能とされる。冷水とは、チラー(図示省略)により所定温度に冷却を図られた水であり、常温水とは、そのような冷却を図られない水である。
図示例の場合、常温水と冷水の切り替えは、常温水給水路14に設けられた常温水給水弁15と、冷水給水路16に設けられた冷水給水弁17で行われる。常温水給水弁15より下流の常温水給水路14と、冷水給水弁17より下流の冷水給水路16とは、合流して共通給水路18とされている。そして、この共通給水路18は、熱交換器7への熱交給水路19と、真空ポンプ9への封水給水路12とに分岐されている。封水給水路12には、封水給水弁13が設けられている。常温水給水弁15または冷水給水弁17を開けることで、熱交換器7に給水され、さらに封水給水弁13を開けると、真空ポンプ9に給水される。
熱交換器7は、熱交給水路19を介して水が供給され、熱交排水路20を介して水が排出される。熱交排水路20は、冷水タンク(チラーの給水源)への冷水戻し路21と、外部への排水出口路22とに分岐されており、冷水戻し路21には冷水戻し弁23が設けられ、排水出口路22には排水出口弁24が設けられている。冷水戻し弁23および排水出口弁24により、熱交換器7を通過後の水を、冷水タンクへ戻すか、排水出口路22から排出するか、あるいはいずれも行わずに熱交換器7の通水を阻止するか(つまり熱交換器7の冷却水出口側を閉じるか)を切り替えることができる。
熱交換器7に冷水を供給する場合、排水出口弁24を閉じると共に冷水戻し弁23を開けることで、熱交換器7を通過後の冷水は冷水タンクへ戻される。冷水タンク内の貯留水は、チラーで冷却されて再び冷水給水路16へ供給可能とされる。一方、熱交換器7に常温水を供給する場合、冷水戻し弁23を閉じると共に排水出口弁24を開けることで、熱交換器7を通過後の常温水は排水出口路22から排出される。
復圧手段4は、減圧された処理槽2内へ外気を導入して、処理槽2内を復圧する手段である。本実施例では、復圧手段4は、処理槽2内への給気路25に、エアフィルタ26および給気弁27を順に備える。給気弁27は、電動弁のように、開度調整可能な弁から構成される。処理槽2内が減圧された状態で給気弁27を開けると、外気がエアフィルタ26を介して処理槽2内へ導入され、処理槽2内を復圧することができる。減圧手段3を作動させた状態で、給気弁27の開度を制御して、処理槽2内の圧力を調整することができる。
処理槽2には、さらに、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ28と、処理槽2内に収容された食品Fの温度(品温)を検出する品温センサ29とが設けられる。
制御手段は、前記各センサ28,29の検出信号や経過時間などに基づき、前記各手段3,4を制御する制御器(図示省略)である。具体的には、真空ポンプ9、エゼクタ給蒸弁11、封水給水弁13、常温水給水弁15、冷水給水弁17、冷水戻し弁23、排水出口弁24、給気弁27の他、圧力センサ28および品温センサ29などは、制御器に接続されている。そして、制御器は、以下に述べるように、所定の手順(プログラム)に従い、処理槽2内の食品Fの真空冷却を図る。
なお、制御器は、予め登録された所定の演算式(またはテーブル等)に基づき、圧力センサ28の検出圧力から飽和温度としての槽内圧力換算温度TSを求めることができる。また、図示しないが、制御器には、さらに、冷却運転のスタートボタンやストップボタンなどの他、設定器(たとえばタッチパネル)が接続されている。作業者は、この設定器を用いて、後述する各種の温度、時間、その他の値の設定(変更)が可能とされる。たとえば、後述する第一設定温度TA、第二設定温度TB、冷却目標温度TZ、設定時間、所定値、設定値などは、所望により変更可能とされる。
以下、本実施例の真空冷却装置1の運転方法の具体例について説明する。
図2および図3は、本実施例の真空冷却装置1の運転例を示すグラフであり、品温TFと槽内圧力換算温度(処理槽内圧力における飽和温度)TSとの変化を示しており、縦軸は温度T、横軸は運転開始からの経過時間tを示している。詳細は後述するが、図2と図3は、初期減圧制御S1の内容が異なり、図2は第一初期減圧制御S1aの場合、図3は第二初期減圧制御S1bの場合を示している。
いずれの場合も、運転開始前、給気弁27は開けられた状態にある一方、その他の前記各弁は閉じられた状態にあり、真空ポンプ9は停止している。その状態で、処理槽2内に食品Fが収容され、処理槽2のドアは気密に閉じられる。そして、スタートボタンが押されるなど運転開始が指示されると、制御器は、給気弁27を閉じると共に減圧手段3を作動させて、品温TFが予め設定された冷却目標温度TZになるまで、処理槽2内を減圧する。この際、本実施例では、初期減圧制御S1(第一初期減圧制御S1aまたは第二初期減圧制御S1b)、温度差一定制御S2、および最終減圧制御S3を順次に実行する。なお、初期減圧制御S1の実行中を初期減圧工程、温度差一定制御(徐冷制御)S2の実行中を徐冷工程、最終減圧制御S3の実行中を最終減圧工程ということができる。
減圧手段3による処理槽2内の減圧中、熱交換器7および真空ポンプ9への給水や、蒸気エゼクタ6の作動は、たとえば次のように制御される。すなわち、冷却運転の開始時には、熱交換器7の通水を停止した状態で、真空ポンプ9に常温水を供給しつつ、真空ポンプ9により処理槽2内を減圧する。この段階では、エゼクタ給蒸弁11は閉じられており、蒸気エゼクタ6は作動していない。その後、通水開始条件として、たとえば品温センサ29の検出温度が通水開始温度(たとえば60℃)以下になると、熱交換器7の通水を開始する。この際、熱交換器7および真空ポンプ9には、冷水が供給される。その後、エゼクタ作動条件として、たとえば品温センサ29の検出温度がエゼクタ作動温度(たとえば30℃)以下で且つ圧力センサ28の検出圧力がエゼクタ作動圧力(たとえば45hPa)以下になると、エゼクタ給蒸弁11を開けて蒸気エゼクタ6を作動させる。
前述したとおり、本実施例の真空冷却装置1は、初期減圧制御S1、温度差一定制御S2、および最終減圧制御S3を順次に実行する。この内、初期減圧制御S1として、第一初期減圧制御S1aと第二初期減圧制御S1bとの内、いずれかを切り替えて実行可能とされるのがよい。その場合、運転開始前の設定器による設定により、第一初期減圧制御S1aと第二初期減圧制御S1bとの内、いずれを実行するかが予め設定される。第一初期減圧制御S1aと第二初期減圧制御S1bとは、終了条件が異なるだけである。いずれの場合も、所定の終了条件を満たすまで処理槽2内を減圧する初期減圧制御S1(第一初期減圧制御S1aまたは第二初期減圧制御S1b)を実行した後、減圧速度を低下させて処理槽2内をさらに減圧する徐冷制御として温度差一定制御S2を実行し、再び減圧速度を高めて処理槽2内を減圧する最終減圧制御S3を実行する。以下、各工程について説明する。
≪初期減圧制御≫
第一初期減圧制御S1aを実行する場合、品温センサ29の検出温度と圧力センサ28の検出温度とを監視して、圧力センサ28の検出圧力における飽和温度が「品温センサ29の検出温度+所定値」になるまで、減圧手段3により処理槽2内を減圧する。所定値は、たとえば3℃以下で設定され、本実施例では2℃とされる。なお、所定値は、通常、0℃を超える温度で設定されるが、場合により0℃などとしてもよい。
図2に示すように、品温センサ29の検出温度がTF1の場合、圧力センサ28の検出圧力における飽和温度が「TF1(たとえば50℃)+所定値(たとえば2℃)」のTF1´(52℃)になるまで、処理槽2内を減圧する。後述するように、第一初期減圧制御S1aでは実質的に真空冷却される直前までの減圧であるから、放熱を無視すれば、前記品温TF1は、真空冷却前の初期品温ということができる。
第一初期減圧制御S1aでは、減圧中、給気弁27を閉鎖しておくことで、処理槽2内を迅速に減圧することができる。圧力センサ28の検出圧力における飽和温度が「品温センサ29の検出温度+所定値」以下になると、次工程へ移行する。
第一初期減圧制御S1aでは、槽内圧力換算温度TSが品温TFよりも低くならない範囲(実質的に減圧沸騰による真空冷却を生じない範囲)で処理槽2内を減圧するので、給気弁27を閉じた状態で処理槽2内を急減圧しても、(減圧沸騰が生じないので)吹きこぼれを起こすおそれが少ない。また、槽内圧力換算温度TSを品温TF付近まで急低下させ、品温より少し高い温度から温度差一定制御S2へ移行することができ、次工程への移行を円滑に図ることができる。さらに、最初から温度差一定制御S2を行う場合(つまり第一初期減圧制御S1aがない場合)と比較して、運転時間を短縮でき、減圧手段3に用いる水、蒸気および電力の消費を削減することができる。
第一初期減圧制御S1aでは、運転開始時点(スタートボタンを押した時点)の品温ではなく、減圧中も品温を常時(所定周期を含む(以下同様))監視して、その時々刻々と変化し得る品温に基づき終了条件(次工程への移行条件)を満たすか否かが判定される。仮に、運転開始時点の品温に基づき制御する場合には、食品Fに品温センサ29を差した直後に運転を開始すると、品温センサ29の検出温度が上がり切る前の比較的低い温度が採用されるおそれがある。そして、その場合、実際の品温よりも低い温度まで急減圧され食品Fに突沸を起こすおそれがあるが、本実施例のように常時品温を監視することで、そのような不都合を防止することができる。
一方、第二初期減圧制御S1bを実行する場合、図3に示すように、下記第一操作と第二操作との内、いずれかの終了条件を満たすまで、いずれかの操作を実行する。いずれの場合も、第二初期減圧制御S1bでの減圧は、第一初期減圧制御S1aの場合と同様に、給気弁27を閉じた状態で、温度差一定制御S2よりも速い減圧速度で、処理槽2内を急減圧する。なお、ここでは、後述する規定温度(第一操作を実行するか第二操作を実行するかを場合分けする温度)が、第一設定温度TAとして設定された例について説明する。
(a)品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA以上の場合、品温センサ29の検出温度が第一設定温度TAになるまで処理槽2内を減圧する第一操作を実行する。つまり、処理槽2内を減圧中、品温センサ29の検出温度を常時監視して、この温度が第一設定温度TA以上であれば、品温センサ29の検出温度が第一設定温度TAになるまで、処理槽2内を減圧する。たとえば、品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA(たとえば60℃)よりも高いTF2(たとえば75℃)の場合、品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA(60℃)になるまで、処理槽2内を減圧する。品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA以下になると、次工程へ移行する。
第一設定温度TAは、設定器を用いて変更可能とされるのが好ましい。第一設定温度TAは、好ましくは60℃以上で設定され、処理槽2内への初期品温(たとえば90℃程度)を考慮して、たとえば70℃未満で設定される。本実施例では、第一設定温度TAは、たとえば60℃である。
第一設定温度TA以上の比較的高温域では、真空冷却しても食品Fに沸騰が生じないか、沸騰が生じても細かい沸騰となる。そのため、給気弁27を閉じた状態で処理槽2内を急減圧しても、吹きこぼれを起こすおそれが少ない。
(b)品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA未満の場合、圧力センサ28の検出圧力における飽和温度が「品温センサ29の検出温度+所定値」になるまで、処理槽2内を減圧する第二操作を実行する。つまり、第一初期減圧制御S1aと同様の制御を実行する。たとえば、品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA(たとえば60℃)よりも低いTF1(たとえば50℃)の場合、圧力センサ28の検出圧力における飽和温度が「TF1(たとえば50℃)+所定値(たとえば2℃)」のTF1´(52℃)になるまで、処理槽2内を減圧する。圧力センサ28の検出圧力における飽和温度が「品温センサ29の検出温度+所定値」以下になると、次工程へ移行する。
この場合、第一初期減圧制御S1aの場合と同様、槽内圧力換算温度TSが品温TFよりも所定値高い状態までの減圧に止めることで、食品Fの沸騰を防止することができる。また、槽内圧力換算温度TSを品温TF付近まで急減圧し、品温より少し高い温度から温度差一定制御S2へ移行することができ、次工程への移行を円滑に図ることができる。さらに、最初から温度差一定制御S2を行う場合(つまり第二初期減圧制御S1bがない場合)と比較して、運転時間を短縮できると共に、水、蒸気および電力の消費を削減することができる。
第二初期減圧制御S1bの各操作も、第一初期減圧制御S1aの場合と同様に、品温センサ29の検出温度を監視してなされる。食品Fに品温センサ29を差した直後に運転を開始する場合、品温センサ29の検出温度が上がり切る前の比較的低い温度から真の品温まで一旦上昇後、冷却運転の経過に伴い品温が低下していく場合がある。この場合、運転開始直後には、品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA未満ならば、まずは第二操作が実行される。ところが、第二操作の実行中、第二操作の終了条件を満たす前、つまり圧力センサ28の検出圧力における飽和温度が「品温センサ29の検出温度+所定値」になる前に、品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA以上に変われば、第一操作に切り替えられる。そして、第一操作の終了条件として、品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA以下になれば、次工程へ移行すればよい。もちろん、最初から品温が第一設定温度TA以上ならば、第一設定温度TAになるまで処理槽2内が減圧されて(つまり第一操作のみが実行されて)、次工程へ移行し、最初から品温が継続して第一設定温度TA未満ならば、槽内圧力換算温度TSが「品温センサ29の検出温度+所定値」になるまで処理槽2内が減圧されて(つまり第二操作のみが実行されて)、次工程へ移行する。
≪温度差一定制御≫
温度差一定制御S2は、所定の終了条件を満たすまで行われる。たとえば、品温TFが第二設定温度TB(たとえば25℃)になるまで、温度差一定制御S2が行われる。温度差一定制御S2では、品温TF(処理槽2内の食品温度)と槽内圧力換算温度TS(処理槽内圧力における飽和温度)との温度差ΔTが設定温度差(たとえば2℃)になるように、処理槽2内の圧力を調整しつつ処理槽2内を減圧する。つまり、品温センサ29の検出温度TFと圧力センサ28の検出圧力における飽和温度TSとの温度差ΔTが設定温度差になるように、処理槽2内の圧力を調整しつつ処理槽2内を減圧する。
処理槽2内の圧力の調整は、典型的には、減圧手段3を作動させた状態で、復圧手段4による給気量を調整すればよい。具体的には、減圧手段3(少なくとも真空ポンプ9)を作動させた状態で、給気弁27の開度を調整すればよい。但し、これに代えてまたはこれに加えて、減圧手段3による減圧能力を調整してもよい。
温度差一定制御S2において、槽内圧力換算温度TSが品温TFよりも設定温度低くなるように、処理槽2内の圧力を調整すると、品温TFが低下してくるので、その品温TFの低下に合わせて、槽内圧力(槽内圧力換算温度TS)を低下させていけばよい。品温TFと槽内圧力換算温度TSとの温度差ΔTを設定温度差に抑えることで、食品Fからの水分蒸発を所定の速度に制御し、突沸を抑制しつつ食品Fの冷却を図ることができる。つまり、仮に前記温度差ΔTを考慮せずに減圧した場合、品温TFが槽内圧力換算温度TSに追従できず、温度差ΔT(圧力差)が大きくなると、突然一気に沸騰する突沸を生じさせるおそれがあるが、温度差ΔTを設定温度差に抑えることで、突沸の発生を抑えることができる。
温度差一定制御S2中、品温センサ29の検出温度を監視し、この検出温度の設定時間Δt内の品温の温度下降幅が設定値未満になると、前記設定温度差を所定温度(たとえば0.5~1℃)増加させるのがよい。これにより、冷えにくい食品でも、設定温度差を増加させつつ食品Fの冷却を図ることができ、冷却が完了しなかったり、冷却時間が長くなり過ぎたりするのを防止できる。
たとえば、品温TFと槽内圧力換算温度TSとの温度差ΔTが第一温度差ΔT1(たとえば2℃)となるように圧力制御中、品温TFの低下速度が遅くなり、設定時間Δt(たとえば1分)内の品温TFの温度下降幅が設定値(たとえば1℃)未満になると、前記温度差ΔTを第一温度差ΔT1よりも大きな第二温度差ΔT2(たとえば3℃)となるように圧力制御することで、品温TFの低下を促すことができる。その後、再び、品温TFの低下速度が遅くなり、設定時間Δt内の品温TFの温度下降幅が設定値未満になると、前記温度差ΔTを第二温度差ΔT2よりも大きな第三温度差ΔT3(たとえば4℃)となるように圧力制御して、品温TFの低下を促すということを繰り返せばよい。
≪最終減圧制御≫
最終減圧制御S3は、所定の終了条件を満たすまで行われる。たとえば、品温TFが冷却目標温度TZ(たとえば10℃)になるまで、最終減圧制御S3が行われる。最終減圧制御S3では、給気弁27を閉じた状態で、減圧手段3により処理槽2内を減圧する。品温が第二設定温度TBを下回った冷却終盤は、沸騰(突沸を含む)しにくいが、冷却時間が延びると突沸発生リスクが大きくなるため、急冷により冷却時間の短縮を図ることで、突沸の発生を抑制することができる。そのために、初期減圧制御S1と同様に、給気弁27を全閉した状態で、減圧手段3により処理槽2内の圧力を迅速に低下させるのがよい。
そして、品温センサ29の検出温度が冷却目標温度TZ(たとえば10℃)以下になると、処理槽2内の減圧を停止する。具体的には、エゼクタ給蒸弁11、封水給水弁13および冷水給水弁17などを閉じて、蒸気エゼクタ6および真空ポンプ9を停止すると共に、熱交換器7の通水を停止する。その後、給気弁27を開けて、処理槽2内を大気圧まで復圧すればよい。この際、給気弁27の開度を調整しつつ、処理槽2内を徐々に復圧することができる。
ところで、温度差一定制御S2と並行して、突沸防止用のパルス制御S4を実行してもよい。図4は、突沸防止用のパルス制御S4の一例を示すグラフであり、槽内圧力の変化を示しており、縦軸は圧力P、横軸は時間tを示している。なお、図4において、槽内圧力の低下は便宜上直線で示しているが、実際には図2や図3のように緩やかな曲線となる。
パルス制御S4を行う場合、復圧手段4として、前述した給気弁(第一給気弁)27と並列に第二給気弁30を備えるのが好ましい。具体的には、復圧手段4は、処理槽2内への第一給気路25に、第一エアフィルタ26および第一給気弁27を順に備えると共に、処理槽2内への第二給気路31に、第二エアフィルタ32および第二給気弁30を順に備える。第一給気弁27は、開度調整可能な弁(たとえば電動弁)から構成される一方、第二給気弁30は、オンオフで開閉切替可能な弁(たとえば電磁弁)から構成される。なお、図示例では、各給気路25,31が処理槽2に接続されているが、場合により、各給気弁25,31よりも下流側で合流して処理槽2に接続されてもよい。また、第二給気路31(たとえば第二エアフィルタ32と第二給気弁30との間)には、オリフィスを設けてもよい。
パルス制御S4は、所定の開始タイミングで開始される。パルス制御S4の開始タイミングは、適宜に設定されるが、本実施例では、次のように設定される。すなわち、パルス制御S4は、温度差一定制御S2の開始に伴い開始されるか、品温センサ29の検出温度がパルス制御開始温度以下になると開始される。パルス制御S4では、処理槽2内を減圧する過程で、処理槽2内を設定回復圧力または設定回復時間だけ復圧することを繰り返す。この復圧中、減圧手段3は、作動させたままでよい。
本実施例では、処理槽2内を減圧中(典型的には温度差一定制御S2中)、パルス制御S4を開始すると、まず、初回は、圧力センサ28の検出圧力を監視して、処理槽2内の圧力が現在の圧力よりも設定回復圧力α(たとえば5hPa)だけ回復するまで、第二給気弁30を開ける。第二給気弁30は電磁弁から構成されるので、処理槽2内を比較的短時間(典型的には瞬時)に復圧することができる。そして、設定回復圧力αだけ復圧後、第二給気弁30を閉じることで、再び処理槽2内は減圧される。制御器は、この初回の復圧時、設定回復圧力αだけ復圧するのに要した復圧時間(第二給気弁30の開放時間)を計測し、この復圧時間を、以後のパルス制御S4の復圧時間(設定回復時間)として設定(保存)する。
第二給気弁30を閉じることで処理槽2内の圧力が下がり、直前の復圧開始時の圧力よりも設定圧力ΔP(たとえば5hPa)下がると、第二給気弁30を設定回復時間だけ開けて処理槽2内を復圧後、第二給気弁30を閉じる。以後、同様に、処理槽2内の圧力が、直前の復圧開始時の圧力よりも設定圧力ΔP下がるごとに、第二給気弁30を設定回復時間だけ開けて、処理槽2内を一時的に復圧することを繰り返す。処理槽2内の圧力を低下させる過程で、同一時間(設定回復時間)だけ第二給気弁30を開けることで、処理槽2内の減圧が進むほど、第二給気弁30を開けた際の圧力回復幅(戻り圧力)は大きくなる。つまり、減圧が進むほど、圧力の振れ幅を大きくすることができる。
パルス制御S4では、処理槽2内を減圧する過程で、処理槽2内を一時的に所定に復圧するのを繰り返すことで、突沸や吹きこぼれを抑制することができる。すなわち、パルス制御S4では、圧力変動による食品Fの撹拌(流動)により、局所的な過熱部をなくして突沸を抑制すると共に、一時的な復圧による泡面の低下により、吹きこぼれを抑制することができる。温度差一定制御S2とパルス制御S4とにより、突沸や吹きこぼれを抑制して、歩留まりの向上を図ることができる。
なお、ここでは、処理槽2内の圧力が所定圧力(設定圧力ΔP)下がるごとに、第二給気弁30を開けることを繰り返したが、処理槽2内の減圧中、所定時間ごとに、第二給気弁30を開けることを繰り返してもよい。
本発明の真空冷却装置1は、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。特に、所定の終了条件を満たすまで処理槽2内を減圧する初期減圧制御S1と、この初期減圧制御S1よりも減圧速度を低下させて処理槽2内をさらに減圧する徐冷制御S2とを順に実行可能とされ、初期減圧制御S1では、品温センサ29の検出温度を監視し、品温センサ29の検出温度が規定温度以上の場合、品温センサ29の検出温度が第一設定温度TAになるまで処理槽2内を減圧するのであれば、その他の構成は適宜に変更可能である。この場合において、前記規定温度は、第一設定温度TAと同じ温度でもよいし、異なる温度でもよい。規定温度を第一設定温度TAと異なる温度とする場合、規定温度は第一設定温度TA+10℃の範囲に抑えるのが好ましく、+5℃の範囲に抑えるのがより好ましい。つまり、前記規定温度は、第一設定温度TA以上で且つ「第一設定温度TA+10℃(好ましくは5℃)」以下で設定されるのがよい。たとえば、規定温度が65℃とされる一方、第一設定温度TAが60℃とされる。なお、前記実施例と同様に、品温センサ29の検出温度が一旦規定温度以上の状態にあるのなら、食品の真空冷却に伴い、品温センサ29の検出温度が規定温度未満となっても、第一設定温度TAになるまで処理槽2内を減圧して、次工程へ移行する。
また、前記実施例では、初期減圧制御S1、温度差一定制御S2および最終減圧制御S3を順に実行したが、最終減圧制御S3は必須ではない。あるいは、最終減圧制御S3に代えて、他の制御(たとえば圧力保持制御)を行ってもよい。
また、前記実施例では、徐冷制御として温度差一定制御S2を行ったが、初期減圧制御S1よりも減圧速度を低下させて処理槽2内を減圧するのであれば、徐冷制御は温度差一定制御S2に限定されない。たとえば、経過時間と槽内圧力との関係が冷却パターン(徐冷曲線)として予め制御器に設定されており、制御器は、冷却パターンに沿うように処理槽2内の圧力を調整(典型的には給気弁27の開度を調整)しつつ、処理槽2内を減圧して食品Fを冷却してもよい。
また、前記実施例では、初期減圧制御S1として、第一初期減圧制御S1aと第二初期減圧制御S1bとの内のいずれを実行するかを変更可能とされたが、いずれか一方のみを実行可能な構成としてもよい。たとえば、第二初期減圧制御S1bのみを実行可能としてもよい。その場合、初期減圧制御S1(第二初期減圧制御S1b)では、(a)品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA以上の場合、品温センサ29の検出温度が第一設定温度TAになるまで処理槽2内を減圧する第一操作を実行する一方、(b)品温センサ29の検出温度が第一設定温度TA未満の場合、圧力センサ28の検出圧力における飽和温度が「品温センサ29の検出温度+所定値」になるまで、処理槽2内を減圧する第二操作を実行する。但し、第二操作の内容(終了条件)は、変更可能である。
また、前記実施例において、減圧手段3の構成は、適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、減圧手段3として蒸気エゼクタ6を備えたが、場合により蒸気エゼクタ6の設置を省略してもよい。
さらに、前記実施例では、真空冷却装置1は、冷却専用機として説明したが、真空冷却機能を有するのであれば、適宜に変更可能である。たとえば、蒸気による加熱手段を備えることで、蒸煮冷却装置や飽和蒸気調理装置のように構成されてもよい。あるいは、冷凍機やファンを用いた冷風冷却手段を備えることで、冷風真空複合冷却装置のように構成されてもよい。
1 真空冷却装置
2 処理槽
3 減圧手段
4 復圧手段
5 排気路
6 蒸気エゼクタ(6a:吸引口、6b:入口、6c:出口)
7 熱交換器
8 逆止弁
9 真空ポンプ(9a:給水口、9b:吸気口、9c:排気口)
10 エゼクタ給蒸路
11 エゼクタ給蒸弁
12 封水給水路
13 封水給水弁
14 常温水給水路
15 常温水給水弁
16 冷水給水路
17 冷水給水弁
18 共通給水路
19 熱交給水路
20 熱交排水路
21 冷水戻し路
22 排水出口路
23 冷水戻し弁
24 排水出口弁
25 給気路(第一給気路)
26 エアフィルタ(第一エアフィルタ)
27 給気弁(第一給気弁)
28 圧力センサ
29 品温センサ
30 第二給気弁
31 第二給気路
32 第二エアフィルタ
S1 初期減圧制御(S1a:第一初期減圧制御、S1b:第二初期減圧制御)
S2 温度差一定制御(徐冷制御)
S3 最終減圧制御
S4 パルス制御
TA 第一設定温度
TB 第二設定温度
TF 品温
TS 槽内圧力換算温度
TZ 冷却目標温度

Claims (5)

  1. 食品が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段と、減圧された前記処理槽内へ外気を導入する復圧手段と、前記処理槽内の圧力を検出する圧力センサと、前記処理槽内に収容された食品の温度を検出する品温センサと、前記各手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段により、所定の終了条件を満たすまで前記処理槽内を減圧する初期減圧制御と、この初期減圧制御よりも減圧速度を低下させて前記処理槽内をさらに減圧する徐冷制御とを順に実行可能とされ、
    前記初期減圧制御では、前記品温センサの検出温度を監視し、前記品温センサの検出温度が規定温度以上の場合、前記品温センサの検出温度が第一設定温度になるまで前記処理槽内を減圧する真空冷却装置であって、
    前記初期減圧制御では、
    (a)前記品温センサの検出温度が第一設定温度以上の場合、前記品温センサの検出温度が第一設定温度になるまで前記処理槽内を減圧する第一操作を実行する一方、
    (b)前記品温センサの検出温度が第一設定温度未満の場合、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記品温センサの検出温度+所定値」になるまで、前記処理槽内を減圧する第二操作を実行する
    ことを特徴とする真空冷却装置。
  2. 前記初期減圧制御として、第一初期減圧制御と第二初期減圧制御との内、いずれかを切り替えて実行可能とされ、
    前記第一初期減圧制御では、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記品温センサの検出温度+所定値」になるまで、前記処理槽内を減圧し、
    前記第二初期減圧制御では、
    (a)前記品温センサの検出温度が第一設定温度以上の場合、前記品温センサの検出温度が第一設定温度になるまで前記処理槽内を減圧する第一操作を実行する一方、
    (b)前記品温センサの検出温度が第一設定温度未満の場合、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記品温センサの検出温度+所定値」になるまで、前記処理槽内を減圧する第二操作を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置。
  3. 前記第一操作および前記第二操作の実行中、前記品温センサの検出温度を監視し、
    前記第二操作の実行中、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記品温センサの検出温度+所定値」になる前に、前記品温センサの検出温度が第一設定温度以上に変われば、前記第一操作に切り替える
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空冷却装置。
  4. 前記徐冷制御として、温度差一定制御を実行可能とされ、
    この温度差一定制御では、前記品温センサの検出温度と前記圧力センサの検出圧力における飽和温度との温度差が設定温度差になるように、前記処理槽内の圧力を調整しつつ前記処理槽内を減圧する
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の真空冷却装置。
  5. 前記温度差一定制御では、前記品温センサの検出温度の設定時間内の温度下降幅が設定値未満になると、前記設定温度差を増加させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の真空冷却装置。
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