JP7124677B2 - 真空冷却装置 - Google Patents

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本発明は、処理槽内を減圧して食品を冷却する真空冷却装置に関するものである。
従来、たとえば下記特許文献1に開示されるように、蒸気凝縮用の熱交換器と水封式の真空ポンプの他、所望によりさらに蒸気エゼクタを備えた真空冷却装置が知られている。この種の真空冷却装置では、真空ポンプへの給水量は、所定に維持されている。すなわち、所定の能力を満たす規定値として、真空ポンプへの給水量が設定されており、常にその規定値で真空ポンプを運転している。
特開平9-296975号公報
真空ポンプを運転する際、常に真空ポンプへの給水量をフル(前記規定値)で運転したのでは、水の消費を抑えることができない。一方で、真空ポンプへの給水量を抑えただけでは、食品を所望まで冷却できないおそれがある。
また、真空冷却時、通常、処理槽内の食品の温度は、品温センサにより監視されるが、品温センサを使わなかったり、断線などにより品温センサを使えなかったりする場合もあるので、それらの場合を考慮した節水制御が望まれる。
本発明が解決しようとする課題は、品温センサを使わなかったり使えなかったりした場合でも、真空ポンプへの給水量を削減しつつ、食品を所望まで冷却することができる真空冷却装置を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、食品が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出する水封式の真空ポンプを有する減圧手段と、減圧された前記処理槽内へ外気を導入する復圧手段と、前記処理槽内の圧力を検出する圧力センサと、前記真空ポンプへの給水または前記真空ポンプ内の封水の温度を検出する水温センサと、前記各手段を制御する制御手段とを備え、前記減圧手段により前記処理槽内を減圧中、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記水温センサの検出温度+設定値」を下回ると、(a)前記真空ポンプへの給水量を増加させるか、(b)前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記水温センサの検出温度+設定値」以上になるように、前記真空ポンプへの給水量を調整することを特徴とする真空冷却装置である。
請求項1に記載の発明によれば、処理槽内の圧力を検出する圧力センサの他、真空ポンプへの給水または真空ポンプ内の封水の温度を検出する水温センサを備える。そして、減圧手段により処理槽内を減圧中、槽内圧力換算温度(圧力センサの検出圧力における飽和温度)が「水温センサの検出温度+設定値」を下回ると、(a)真空ポンプへの給水量を増加させるか、(b)槽内圧力換算温度が「水温センサの検出温度+設定値」以上になるように、真空ポンプへの給水量を調整することで、処理槽内の減圧をさらに進めることができる。槽内圧力換算温度が「水温センサの検出温度+設定値」を下回るまでは、真空ポンプへの給水量を抑えることで、節水を図ることができる。しかも、品温センサを用いないで制御することができ、品温センサを使わなかったり使えなかったりした場合でも、真空ポンプへの給水量を削減しつつ、食品を所望まで冷却することができる。
請求項2に記載の発明は、前記真空ポンプへの給水路として、第一定流量弁を備えた第一封水路と、第二定流量弁を備えた第二封水路との並列部を備え、前記第一封水路を介して前記真空ポンプに給水しつつ、前記減圧手段により前記処理槽内を減圧中、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記水温センサの検出温度+設定値」を下回ると、前記第一封水路に代えてまたは加えて、前記第二封水路を介して前記真空ポンプに給水することを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置である。
請求項2に記載の発明によれば、第一封水路を介して真空ポンプに給水しつつ処理槽内を減圧中、槽内圧力換算温度が「水温センサの検出温度+設定値」を下回ると、第一封水路に代えてまたは加えて、第二封水路を介して真空ポンプに給水することで、真空ポンプへの給水量を増加させて、処理槽内の減圧をさらに進めることができる。槽内圧力換算温度が「水温センサの検出温度+設定値」を下回るまでは、真空ポンプへの給水量を抑えることで、節水を図ることができる。しかも、簡易な構成および制御で実現することができる。
請求項3に記載の発明は、前記真空ポンプへの給水路として、定流量弁を備えた第一封水路と、流量調整弁を備えた第二封水路との並列部を備え、前記第一封水路を介して前記真空ポンプに給水しつつ、前記減圧手段により前記処理槽内を減圧中、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記水温センサの検出温度+設定値」を下回ると、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記水温センサの検出温度+設定値」以上になるように、前記流量調整弁の開度を調整することを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置である。
請求項3に記載の発明によれば、第一封水路を介して真空ポンプに給水しつつ処理槽内を減圧中、槽内圧力換算温度が「水温センサの検出温度+設定値」を下回ると、槽内圧力換算温度が「水温センサの検出温度+設定値」以上になるように、流量調整弁の開度を調整することで、処理槽内の減圧をさらに進めることができる。槽内圧力換算温度が「水温センサの検出温度+設定値」を下回るまでは、真空ポンプへの給水量を抑えることで、節水を図ることができる。しかも、簡易な構成および制御で実現することができる。
さらに、請求項4に記載の発明は、前記減圧手段として、蒸気エゼクタをさらに備え、前記真空ポンプへの給水量を増加させる前に、前記蒸気エゼクタを作動させる場合、前記蒸気エゼクタの作動時に、前記真空ポンプへの給水量を増加させることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の真空冷却装置である。
請求項4に記載の発明によれば、遅くとも蒸気エゼクタを作動させる際には、真空ポンプへの給水量を増加させる。これにより、蒸気エゼクタを作動させても、封水温度の昇温を防止しつつ、処理槽内の減圧をさらに進めることができる。真空ポンプへの給水量を増加させるまでは、比較的小流量で給水ポンプに給水することができ、節水を図ることができる。
本発明の真空冷却装置によれば、品温センサを使わなかったり使えなかったりした場合でも、真空ポンプへの給水量を削減しつつ、食品を所望まで冷却することができる。
本発明の一実施例の真空冷却装置を示す概略図であり、一部を断面にして示している。 図1の真空冷却装置の運転方法の一例を示すフローチャートである。 図1の真空冷却装置の変形例を示す図であり、真空ポンプへの封水給水路を示している。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の真空冷却装置1を示す概略図であり、一部を断面にして示している。
本実施例の真空冷却装置1は、食品Fが収容される処理槽2と、この処理槽2内の気体を外部へ吸引排出する減圧手段3と、減圧された処理槽2内へ外気を導入する復圧手段4と、これら各手段3,4を制御して処理槽2内の食品Fを冷却する制御手段(図示省略)とを備える。
処理槽2は、内部空間の減圧に耐える中空容器であり、ドア(図示省略)で開閉可能とされる。処理槽2は、典型的には略矩形の箱状に形成され、正面の開口部がドアで開閉可能とされる。ドアを開けることで、処理槽2に食品Fを出し入れすることができ、ドアを閉じることで、処理槽2の開口部を気密に閉じることができる。ドアは、処理槽2の正面および背面の双方に設けられてもよい。なお、図示例では、食品Fは、ホテルパンや番重のような食品容器に入れられて、処理槽2内に収容されている。
減圧手段3は、処理槽2内の気体(空気や蒸気)を外部へ吸引排出して、処理槽2内を減圧する手段である。本実施例では、減圧手段3は、処理槽2内からの排気路5に、蒸気エゼクタ6、蒸気凝縮用の熱交換器7、逆止弁8、および水封式の真空ポンプ9を順に備える。
蒸気エゼクタ6は、吸引口6aが処理槽2に接続されて設けられ、入口6bから出口6cへ向けて、エゼクタ給蒸路10からの蒸気がノズルで噴出可能とされる。入口6bから出口6cへ向けて蒸気を噴出させることで、処理槽2内の気体も吸引口6aを介して出口6cへ吸引排出される。エゼクタ給蒸路10に設けたエゼクタ給蒸弁11の開閉を操作することで、蒸気エゼクタ6の作動の有無を切り替えることができる。
熱交換器7は、排気路5内の流体と冷却水とを混ぜることなく熱交換する間接熱交換器である。熱交換器7により、排気路5内の蒸気を、冷却水により冷却し凝縮させることができる。
真空ポンプ9は、本実施例では水封式であり、周知のとおり、封水と呼ばれる水が供給されつつ運転される。そのために、真空ポンプ9の給水口9aには、封水給水路12(12a~12d)を介して水が供給される。封水給水路12から給水しつつ真空ポンプ9を作動させると、真空ポンプ9は、吸気口9bから気体を吸入し、排気口9cへ排気および排水する。真空ポンプ9は、オンオフ制御されてもよいし、出力を調整可能とされてもよい。たとえば、真空ポンプ9は、インバータを用いて、モータの駆動周波数ひいては回転数を変更可能とされる。
真空ポンプ9への給水量は、変更可能とされる。本実施例では、次のように構成されている。すなわち、まず、封水給水路12は、第一封水路12aと第二封水路12bとの並列部を備える。具体的には、給水源からの上流側封水路12cは、第一封水路12aと第二封水路12bとに分岐した後、再び合流して下流側封水路12dとして、真空ポンプ9に接続される。そして、上流側封水路12c(または第一封水路12a)には、第一封水弁13が設けられる一方、第二封水路12bには、第二封水弁14が設けられる。また、第一封水路12aには、第一定流量弁15が設けられる一方、第二封水路12bには、第二定流量弁16が設けられる。各定流量弁15,16は、周知のとおり、一定の流量で通水可能に構成される。各定流量弁15,16の設定流量は、互いに同一でも異なってもよいが、本実施例では、第一定流量弁15は、第二定流量弁16よりも小流量に設定されている。なお、各封水弁13,14は、電磁弁から構成されている。
第二封水弁14を閉じた状態で第一封水弁13を開けると、第一封水路12aを介して、比較的小流量(第一設定水量)で、真空ポンプ9に封水を供給することができる。さらに第二封水弁14も開けると、第一封水路12aおよび第二封水路12bを介して、比較的大流量(前記第一設定水量よりも大きな第二設定水量)で、真空ポンプ9に封水を供給することができる。つまり、両封水弁13,14を開けると、各定流量弁15,16の設定流量の合算値で、真空ポンプ9に封水が供給される。なお、第一設定水量は、第二封水弁14を開けるまで、所期の減圧速度を維持できる最低流量に設定しておくのが好ましい。
熱交換器7および真空ポンプ9への給水系統について、さらに説明すると、本実施例では、熱交換器7および真空ポンプ9には、常温水と冷水とを切り替えて供給可能とされる。冷水とは、チラー(図示省略)により所定温度に冷却を図られた水であり、常温水とは、そのような冷却を図られない水である。
図示例の場合、常温水と冷水の切り替えは、常温水給水路17に設けられた常温水給水弁18と、冷水給水路19に設けられた冷水給水弁20で行われる。常温水給水弁18より下流の常温水給水路17と、冷水給水弁20より下流の冷水給水路19とは、合流して共通給水路21とされている。そして、この共通給水路21は、熱交換器への熱交給水路22と、真空ポンプ9への封水給水路12(上流側封水路12c)とに分岐されている。常温水給水弁18または冷水給水弁20を開けることで、熱交換器7に給水され、さらに第一封水弁13(所望によりさらに第二封水弁14)を開けると、真空ポンプ9に給水される。
熱交換器7は、熱交給水路22を介して水が供給され、熱交排水路23を介して水が排出される。熱交排水路23は、冷水タンク(チラーの給水源)への冷水戻し路24と、外部への排水出口路25とに分岐されており、冷水戻し路24には冷水戻し弁26が設けられ、排水出口路25には排水出口弁27が設けられている。冷水戻し弁26および排水出口弁27により、熱交換器7を通過後の水を、冷水タンクへ戻すか、排水出口路25から排出するか、あるいはいずれも行わずに熱交換器7の通水を阻止するか(つまり熱交換器7の冷却水出口側を閉じるか)を切り替えることができる。
熱交換器7に冷水を供給する場合、排水出口弁27を閉じると共に冷水戻し弁26を開けることで、熱交換器7を通過後の冷水は冷水タンクへ戻される。冷水タンク内の貯留水は、チラーで冷却されて再び冷水給水路19へ供給可能とされる。一方、熱交換器7に常温水を供給する場合、冷水戻し弁26を閉じると共に排水出口弁27を開けることで、熱交換器7を通過後の常温水は排水出口路25から排出される。その他、冷水戻し弁26および排水出口弁27を閉じることで、熱交換器7の通水を停止することができる。
復圧手段4は、減圧された処理槽2内へ外気を導入して、処理槽2内を復圧する手段である。本実施例では、復圧手段4は、処理槽2内への給気路28に、エアフィルタ29および給気弁30を順に備える。処理槽2内が減圧された状態で、給気弁30を開けると、外気がエアフィルタ29を介して処理槽2内へ導入され、処理槽2内を復圧することができる。給気弁30は、好ましくは開度調整可能な弁から構成される。
真空冷却装置1は、さらに、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ31と、真空ポンプ9への給水の温度を検出する水温センサ32とを備える。本実施例では、図1において、水温センサ32は、封水給水路12の内、上流側封水路12cに設けられているが、下流側封水路12dまたは第一封水路12aに設けられてもよいし、場合により共通給水路21などに設けられてもよい。
なお、真空冷却装置1は、さらに、処理槽2内に収容された食品Fの温度(品温)を検出する品温センサ(図示省略)が設けられてもよい。但し、本実施例の真空冷却装置1では、品温センサの設置は必須ではないし、品温センサを備えるにしても、後述するように、品温センサを使わなかったり、断線などにより品温センサを使えなかったりしても、食品Fを所望まで冷却可能とされる。
制御手段は、前記各センサ31,32の検出信号や経過時間などに基づき、前記各手段3,4を制御する制御器(図示省略)である。具体的には、真空ポンプ9、エゼクタ給蒸弁11、第一封水弁13、第二封水弁14、常温水給水弁18、冷水給水弁20、冷水戻し弁26、排水出口弁27、給気弁30の他、圧力センサ31および水温センサ32などは、制御器に接続されている。そして、制御器は、以下に述べるように、所定の手順(プログラム)に従い、処理槽2内の食品Fの真空冷却を図る。なお、制御器は、予め登録された所定の演算式(またはテーブル)に基づき、圧力センサ31の検出圧力から飽和温度としての槽内圧力換算温度を求めることができる。
以下、本実施例の真空冷却装置1の運転方法の具体例について説明する。
図2は、本実施例の真空冷却装置1の運転方法の一例を示すフローチャートである。
運転開始前、給気弁30は開けられた状態にある一方、その他の前記各弁は閉じられた状態にあり、真空ポンプ9は停止している。その状態で、処理槽2内に食品Fが収容され、処理槽2のドアは気密に閉じられる。そして、スタートボタンが押されるなど運転開始が指示されると、制御器は、給気弁30を閉じると共に、減圧手段3により処理槽2内の減圧を開始する。
減圧の開始時、まずは、熱交換器7の通水を停止した状態で、真空ポンプ9に常温水を供給しつつ、真空ポンプ9により処理槽2内を減圧する(ステップS1)。この際、第二封水弁14を閉じた状態で、第一封水弁13を開けて、真空ポンプ9には小流量で給水される。また、エゼクタ給蒸弁11は閉じられており、蒸気エゼクタ6は作動していない。
その後、所定の通水開始条件を満たすと、熱交換器7の通水を開始する。本実施例では、槽内圧力換算温度(圧力センサ31の検出圧力における飽和温度)が通水開始温度(たとえば60℃)以下になると、熱交換器7の通水を開始する(S2,S3)。この際、熱交換器7および真空ポンプ9への給水は、冷水に切り替えられる。
その後、槽内圧力換算温度に応じて所定のタイミングで、真空ポンプ9への給水量を増加させたり、蒸気エゼクタ6を作動させたりしながら、所定の終了条件を満たすまで処理槽2内を減圧する。本実施例では、槽内圧力換算温度が冷却目標温度(たとえば10℃)以下になるまで、処理槽2内を減圧する。そして、この減圧中、下記[A](または[B])の制御により、真空ポンプ9への給水量を増加可能とされると共に、下記[B]の制御により、蒸気エゼクタ6を作動可能とされる。
[A]第二封水弁14が閉じられ且つ蒸気エゼクタ6が停止した状態で、処理槽2内を減圧中、槽内圧力換算温度が「給水温度+設定値(第一設定値)」を下回れば、第二封水弁14を開けて、真空ポンプ9への給水量を増加させる(S4,S5)。つまり、圧力センサ31の検出圧力における飽和温度が「水温センサ32の検出温度+第一設定値」を下回ると、現状の給水量での到達限界(到達可能な真空度の限界)に達した(または近づいた)として、第二封水弁14を開けることで、真空ポンプ9への給水量を大流量にする。これにより、処理槽2内の減圧をさらに進めることができる。なお、第一設定値が大きすぎると、後述する節水効果が薄れる一方、第一設定値が小さすぎると、食品を所望に冷却できない。この点を考慮して、第一設定値は5~10℃、好ましくは6~8℃の範囲で設定される。本実施例では、第一設定値は、たとえば7℃に設定される。
[B]蒸気エゼクタ6が停止した状態で、処理槽2内を減圧中、エゼクタ作動条件を満たすと、蒸気エゼクタ6を作動させる。本実施例では、槽内圧力換算温度がエゼクタ作動温度(たとえば30℃)以下になると、エゼクタ給蒸弁11を開けて、蒸気エゼクタ6を作動させる(S6,S7)。この際、第二封水弁14が閉じられた状態にあったならば、蒸気エゼクタ6の作動時、第二封水弁14を開けて、真空ポンプ9への給水量を増加させる。つまり、蒸気エゼクタ6の作動前に真空ポンプ9への給水量を増加させなかった場合、蒸気エゼクタ6の作動時に真空ポンプ9への給水量を増加させる。
このように、処理槽2内の減圧中、第二封水弁14が閉鎖状態で且つ蒸気エゼクタ6が停止状態の場合は、上記[A]および[B]を監視しながら、槽内圧力換算温度が冷却目標温度になるまで処理槽2内を減圧する。一方、第二封水弁14が開放状態で且つ蒸気エゼクタ6が停止状態の場合は、上記[B]を監視しながら、槽内圧力換算温度が冷却目標温度になるまで処理槽2内を減圧する。そして、上記[B]を実行後(つまり蒸気エゼクタ6が作動中)の場合は、以後、単に槽内圧力換算温度が冷却目標温度以下になったかを監視しながら、処理槽2内を減圧すればよい。
槽内圧力換算温度が冷却目標温度(たとえば10℃)になると、処理槽2内の減圧を停止する(S8,S9)。具体的には、エゼクタ給蒸弁11、各封水弁13,14および冷水給水弁20などを閉じて、蒸気エゼクタ6および真空ポンプ9を停止すると共に、熱交換器7の通水を停止する。その後、給気弁30を開けて、処理槽2内を大気圧まで復圧すればよい。
ところで、減圧手段3の作動中、給気弁30の開度ひいては処理槽2内の圧力を調整して、食品Fを徐冷できる(徐冷制御)。たとえば、運転開始からの経過時間と槽内圧力との関係(冷却パターン)が予め制御器に設定されており、制御器は、その冷却パターンに沿うように処理槽2内の圧力を調整しつつ、食品Fを冷却する。その際、冷却パターンとして複数種が登録されており、その内のいずれかを設定器から選択して実行可能に構成されてもよい。
本実施例の真空冷却装置1によれば、槽内圧力換算温度が「水温センサ32の検出温度+第一設定値」を下回るまでは、真空ポンプ9への給水量を抑えることで、節水を図ることができる。しかも、品温センサを用いないで制御することができ、品温センサを使わなかったり使えなかったりした場合でも、真空ポンプ9への給水量を削減しつつ、食品Fを所望まで冷却することができる。
次に、本実施例の真空冷却装置1の変形例について説明する。
図3は、真空ポンプ9への封水給水路12(12a~12d)の変形例を示す図であり、これ以外の箇所は、図1と同様である。
前記実施例では、第二封水路12bには、第二封水弁14および第二定流量弁16が設置されたが、本変形例では、第二封水路12bには、第二定流量弁16は設置されず第二封水弁14が設置される。また、前記実施例では、第二封水弁14は、オンオフで開閉切替される電磁弁から構成されたが、本変形例では、第二封水弁14は、開度調整可能な電動弁(流量調整弁)から構成される。さらに、前記実施例では、水温センサ32は、封水給水路12に設けられて真空ポンプ9への給水の温度を監視したが、本変形例では、水温センサ32は、真空ポンプ9に設けられて真空ポンプ9内の封水の温度を監視する。
本変形例の場合も、第二封水弁14を開ける際、所定開度(たとえば全開)まで開放することで、前記実施例と同様に制御することができる。但し、本変形例の場合、次のように制御することもできる。
具体的には、本変形例でも、基本的には図2に基づき制御されるが、次の点が異なる。すなわち、前記[A]の制御では、第二封水弁14が閉じられ且つ蒸気エゼクタ6が停止した状態で、処理槽2内を減圧中、槽内圧力換算温度が「封水温度+設定値(第二設定値)」を下回れば、第二封水弁14を開けて、真空ポンプ9への給水量を増加させる。この際、「槽内圧力換算温度≧封水温度+第二設定値」を満たすように、給水量を制御するのがよい。つまり、圧力センサ31の検出圧力における飽和温度が「水温センサ32の検出温度+第二設定値」を下回ると、圧力センサ31の検出圧力における飽和温度が「水温センサ32の検出温度+第二設定値」以上になるように(典型的には「水温センサ32の検出温度+第二設定値」になるように)、第二封水弁14の開度を調整すればよい。このような第二封水弁14の開度調整制御は、前記[B]において、蒸気エゼクタ6を作動させた後も実行可能である。但し、蒸気エゼクタ6を作動させた後は、前記実施例と同様に、第二封水弁14を所定開度(たとえば全開)としてもよい。なお、給水に凝縮水とモータ発熱が加わる封水の温度は、給水温度より上昇する。このため、本変形例の第二設定値は、前記実施例の第一設定値よりも小さく設定され、たとえば0~5℃、好ましくは2~3℃に設定される。その他の構成および制御は、前記実施例と同様のため、説明を省略する。
本発明の真空冷却装置1は、前記実施例(変形例を含む)の構成(制御を含む)に限らず適宜変更可能である。特に、食品Fが収容される処理槽2と、この処理槽2内の気体を外部へ吸引排出する水封式の真空ポンプ9を有する減圧手段3と、減圧された処理槽2内へ外気を導入する復圧手段4と、処理槽2内の圧力を検出する圧力センサ31と、真空ポンプ9への給水または真空ポンプ9内の封水の温度を検出する水温センサ32と、前記各手段3,4を制御する制御手段とを備え、減圧手段3により処理槽2内を減圧中、圧力センサ31の検出圧力における飽和温度が「水温センサ32の検出温度+設定値」を下回ると、(a)真空ポンプ9への給水量を増加させるか、(b)圧力センサ31の検出圧力における飽和温度が「水温センサ32の検出温度+設定値」以上になるように、真空ポンプ9への給水量を調整するのであれば、その他の構成は適宜に変更可能である。
また、前記実施例では、減圧手段3として蒸気エゼクタ6を備えたが、場合により蒸気エゼクタ6の設置を省略してもよい。その場合、図2において、ステップS6,S7を省略すればよい。
また、前記実施例において、真空ポンプ9への給水流量は、第一封水弁13と第二封水弁14との内、第一封水弁13のみを開けるか、第二封水弁14も開けるかにより、二段階で流量を切り替えたが、多段階あるいは無段階で変更してもよい。また、第一封水弁13を上流側封水路12cではなく第一封水路12aに設けておき、第一定流量弁15と第二定流量弁16とが異なる流量のものであるならば、第一封水弁13と第二封水弁14とを択一的に開くことで、流量を切り替えてもよい。
さらに、前記実施例では、真空冷却装置1は、冷却専用機として説明したが、真空冷却機能を有するのであれば、適宜に変更可能である。たとえば、蒸気による加熱手段を備えることで、蒸煮冷却装置や飽和蒸気調理装置のように構成されてもよい。あるいは、冷凍機やファンを用いた冷風冷却手段を備えることで、冷風真空複合冷却装置のように構成されてもよい。
1 真空冷却装置
2 処理槽
3 減圧手段
4 復圧手段
5 排気路
6 蒸気エゼクタ(6a:吸引口、6b:入口、6c:出口)
7 熱交換器
8 逆止弁
9 真空ポンプ(9a:給水口、9b:吸気口、9c:排気口)
10 エゼクタ給蒸路
11 エゼクタ給蒸弁
12 封水給水路(12a:第一封水路、12b:第二封水路、12c:上流側封水路、12d:下流側封水路)
13 第一封水弁
14 第二封水弁
15 第一定流量弁
16 第二定流量弁
17 常温水給水路
18 常温水給水弁
19 冷水給水路
20 冷水給水弁
21 共通給水路
22 熱交給水路
23 熱交排水路
24 冷水戻し路
25 排水出口路
26 冷水戻し弁
27 排水出口弁
28 給気路
29 エアフィルタ
30 給気弁
31 圧力センサ
32 水温センサ

Claims (4)

  1. 食品が収容される処理槽と、この処理槽内の気体を外部へ吸引排出する水封式の真空ポンプを有する減圧手段と、減圧された前記処理槽内へ外気を導入する復圧手段と、前記処理槽内の圧力を検出する圧力センサと、前記真空ポンプへの給水または前記真空ポンプ内の封水の温度を検出する水温センサと、前記各手段を制御する制御手段とを備え、
    前記減圧手段により前記処理槽内を減圧中、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記水温センサの検出温度+設定値」を下回ると、(a)前記真空ポンプへの給水量を増加させるか、(b)前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記水温センサの検出温度+設定値」以上になるように、前記真空ポンプへの給水量を調整する
    ことを特徴とする真空冷却装置。
  2. 前記真空ポンプへの給水路として、第一定流量弁を備えた第一封水路と、第二定流量弁を備えた第二封水路との並列部を備え、
    前記第一封水路を介して前記真空ポンプに給水しつつ、前記減圧手段により前記処理槽内を減圧中、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記水温センサの検出温度+設定値」を下回ると、前記第一封水路に代えてまたは加えて、前記第二封水路を介して前記真空ポンプに給水する
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置。
  3. 前記真空ポンプへの給水路として、定流量弁を備えた第一封水路と、流量調整弁を備えた第二封水路との並列部を備え、
    前記第一封水路を介して前記真空ポンプに給水しつつ、前記減圧手段により前記処理槽内を減圧中、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記水温センサの検出温度+設定値」を下回ると、前記圧力センサの検出圧力における飽和温度が「前記水温センサの検出温度+設定値」以上になるように、前記流量調整弁の開度を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空冷却装置。
  4. 前記減圧手段として、蒸気エゼクタをさらに備え、
    前記真空ポンプへの給水量を増加させる前に、前記蒸気エゼクタを作動させる場合、前記蒸気エゼクタの作動時に、前記真空ポンプへの給水量を増加させる
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の真空冷却装置。
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