JP7429296B2 - タービン静翼、及び蒸気タービン - Google Patents

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Description

本開示は、タービン静翼、及び蒸気タービンに関する。本願は、2020年8月12日に出願された特願2020-136246号に対して優先権を主張し、その内容をここに援用する。
蒸気タービンは、軸線回りに回転可能な回転軸と、当該回転軸の外周面上で軸線方向に間隔をあけて配列された複数のタービン動翼翼列と、回転軸、及びタービン動翼翼列を外周側から覆うケーシングと、ケーシングの内周側で内輪と外輪とによって径方向から支持されている複数のタービン静翼翼列と、を備えている。各タービン動翼翼列は、回転軸の周方向に配列された複数の動翼を有しており、各タービン静翼翼列は、回転軸の周方向に配列された複数の静翼を有している。タービン動翼翼列は、タービン静翼翼列と軸線方向の下流側に隣接して配置されることで一つの段落を形成している。ケーシングの上流側には外部から蒸気を取り込む入口配管につながる吸入口が形成され、下流側には排気室が形成されている。ボイラで生成した蒸気は、いくつかの調整弁で圧力と温度が調整され、タービン入口弁で流量を調整されて、タービンへ流入する。入口配管から取り込まれた高温高圧の蒸気は、タービン静翼翼列で流れの方向と速度を調整された後、タービン動翼翼列で回転軸の回転力に変換される。
タービン内を通過する蒸気は、上流側から下流側に向かうにつれてエネルギーを失い、温度(と圧力)が低下する。特に、火力発電用の蒸気タービンは一般的に高圧タービン、中圧タービン、及び低圧タービンで構成されている。低圧タービンの最も下流側から数えて2つの段落(タービン静翼翼列とタービン動翼翼列の対)では、気液二相流環境となっている。したがって、最も下流側の段落では、蒸気の一部が液化して微細な液滴(水滴)として気流中に存在しており、その液滴の一部はタービン静翼の表面に付着する。この液滴は、タービン静翼の表面上で上流側から下流側にかけて存在し、これら液滴が翼面上で集合することで成長して液膜となる。液膜は、常に高速の蒸気流に曝されている。液膜がさらに成長して厚みが増すと、その一部が蒸気流によって引きちぎられて、又は静翼に付着したままの液膜は静翼後縁から下流へ飛散して、粗大液滴として下流側へ飛散する。飛散した液滴は蒸気流により徐々に加速しながら下流側に流れる。大きな液滴ほど慣性力が大きいことから、蒸気流に乗ってタービン動翼の間を通過することができずに、タービン動翼に衝突する。タービン動翼の周速は、先端側に向かうほど大きくなり、音速を超える場合があることから、飛散した液滴がタービン動翼に衝突した場合、タービン動翼の表面にエロージョン(侵食)を発生させることがある。また、液滴の衝突によってタービン動翼の回転が阻害され、制動損失が生じることもある。
このような液滴の付着と成長を防ぐために、これまでに種々の技術が提唱されている。例えば下記特許文献1に記載された装置では、タービン静翼の表面に液膜を吸い込むための抽出口が形成されているとともに、この抽出口に向かってタービン静翼の前縁側から延びる親水性の除去面が形成されている。除去面は、上流側から下流側に向かうに従って幅(径方向の寸法)が次第に狭くなるように構成されている。言い換えると、幅が狭くなるにつれて、親水性の除去面の面積が小さくなっている。この除去面を伝って液膜が移動した後、抽出口によってこれを吸い取ることができるとされている。
特開2017-106451号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、除去面の幅が下流側に向かうに従って狭くなっている場合、当該除去面の下流側に向かうほど液膜が狭い領域に集約され、その厚さが増してしまう。また、除去面内で複数の液滴の流れ(液脈)が形成されている場合には、これら複数の液脈が下流側に向かうに従って集中することで互いに結合し、液膜の厚さが増してしまう。このように抽出口より上流側の液膜の厚さが増すと、蒸気流によってさらに引きちぎられやすくなり、再び液滴が下流側に飛散する虞がある。また、液膜が厚くなると抽出口に吸い込まれ難くなり、抽出口に吸い込まれなかった液膜は抽出口より下流側の静翼後縁に到達して静翼後縁に溜まる液膜の厚さが増すことになる。その結果、下流へ飛散する液滴の径が大きくなるとともに、液滴量も増える虞がある。即ち、上記特許文献1に係る装置には、依然として改良の余地がある。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、液膜の成長をより一層低減して、液膜をより効率的に回収しやすくすることが可能なタービン静翼、及び蒸気タービンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係るタービン静翼は、蒸気の流れ方向に交差する径方向に延びる翼本体と、該翼本体の表面に形成され、他の部分よりも相対的に高い親水性を有するとともに、前記流れ方向の下流側に向かうに従って径方向の寸法が次第に拡大する親水性領域と、前記静翼本体の表面における前記親水性領域に径方向につらなる部分に形成され、前記親水性領域に比べて相対的に高い撥水性を有する撥水性領域と、該親水性領域の下流側に設けられ、該親水性領域に沿って流れる液膜を回収する回収部と、を備える。
本開示によれば、液膜の成長をより一層低減して、液膜をより効率的に回収しやすくすることが可能なタービン静翼、及び蒸気タービンを提供することができる。
本開示の第一実施形態に係る蒸気タービンの構成を示す断面模式図である。 本開示の第一実施形態に係る蒸気タービンの要部拡大断面図である。 本開示の第一実施形態に係る蒸気タービンの変形例を示す要部拡大断面図である。 本開示の第二実施形態に係る蒸気タービンの要部拡大断面図である。 本開示の第三実施形態に係る蒸気タービンの要部拡大断面図である。 本開示の第四実施形態に係る蒸気タービンの要部拡大断面図である。
<第一実施形態>
(蒸気タービンの構成)
以下、本開示の第一実施形態に係る蒸気タービン1(特に、低圧蒸気タービン)、及び静翼10(タービン静翼)について、図1と図2を参照して説明する。図1に示すように、蒸気タービン1は、ロータ2と、ケーシング3と、を備えている。
ロータ2は、軸線Acに沿って延びる円形断面の回転軸6と、この回転軸6の外周面に設けられた複数の動翼翼列7と、を有している。回転軸6は、軸線Ac回りに回転可能である。複数の動翼翼列7は、軸線Ac方向に間隔をあけて配列されている。各動翼翼列7は、軸線Acの周方向に配列された複数の動翼8を有している。動翼8は、回転軸6の外周面から径方向外側に向かって延びている。動翼8の詳細な構成については後述する。
ケーシング3は、上記のロータ2を外周側から覆うケーシング本体3Hと、このケーシング本体3Hの内周側に設けられた外輪21(後述)と内輪23(後述)によって外周側と内周側から支持されている複数の静翼翼列9と、を有している。ケーシング本体3Hは、軸線Acを中心とする筒状をなしている。複数の静翼翼列9は、軸線Ac方向に間隔をあけて配列されている。蒸気タービン1は静翼翼列9と同数の動翼翼列7を備え、軸線Ac方向に隣接する一対の静翼翼列9同士の間には、1つの動翼翼列7が位置している。つまり、動翼翼列7と静翼翼列9は、軸線Ac方向に交互に配列されている。1つの静翼翼列9と1つの動翼翼列7は、1つの「段落」を形成している。各静翼翼列9は、軸線Acの周方向に配列された複数の静翼10を有している。静翼10は、軸線Acに対する径方向に向かって延びている。
ケーシング本体3Hにおける軸線Ac方向一方側には、入口配管から導かれた高温高圧の蒸気をケーシング本体3Hの段落内に取り込むための蒸気流路11が形成されている。ケーシング本体3Hにおける軸線Ac方向他方側には、蒸気の圧力回復を担う排気室12が設けられる。
蒸気流路11に流れこんだ蒸気は、ケーシング本体3H内の段落を流れた後、排気室12を通過して復水器(図示せず)へ送られる。以降の説明では、排気室12から見て、蒸気流路11が位置する側を蒸気の流れ方向における上流側と呼ぶ。蒸気流路11から見て、排気室12が位置する側を下流側と呼ぶ。
(動翼の構成)
図2に示すように、動翼8は、プラットフォーム81と、動翼本体82と、シュラウド83と、を有している。プラットフォーム81は、回転軸6の外周面(回転軸外周面6A)に設置される。プラットフォーム81の外周側には、動翼本体82が設けられている。動翼本体82は、径方向に延びるとともに、径方向から見て翼型の断面形状を有している。動翼本体82は、一例として径方向内側から外側に向かうに従って軸線Ac方向の寸法が次第に減少するように形成されている。動翼本体82の径方向外側の端部にはシュラウド83が設けられている。シュラウド83は、軸線Ac方向を長手方向とする略矩形の断面形状を有している。シュラウド83の外周面は、ケーシング本体3Hの内周面(ケーシング内周面3A)に対して径方向に間隔をあけて対向している。
(静翼の構成)
静翼10は、外輪21と、静翼本体22と、内輪23とを有している。また、静翼本体22は、撥水性領域30と、親水性領域40と、スリットSと、を有している。外輪21は、軸線Acを中心とする円環状をなしている。外輪21は、ケーシング本体3Hに対して支持部材(図示せず)を介して支持されている。静翼本体22は、外輪21と内輪23の間に固設されている。静翼本体22は、外輪内周面21Aから径方向内側に向かって延びるとともに、径方向から見て翼型の断面形状を有している。つまり、静翼本体22は、蒸気の流れ方向に交差する方向に延びている。静翼本体22は、一例として径方向外側から内側に向かうに従って、軸線Ac方向の寸法が次第に減少している。静翼本体22の径方向内側の端部には、内輪23が設けられている。内輪23は、軸線Ac方向を長手方向とする略矩形の断面形状を有している。内輪23の内周面は、回転軸外周面6Aに対して径方向に間隔をあけて対向している。
静翼本体22の表面(より具体的には、静翼本体22の厚さ方向の両面のうち、上流側を向く面:腹面)には、撥水性領域30と、親水性領域40と、スリットSとが形成されている。一例として、撥水性領域30は、静翼本体22の外周側の端部から径方向における1/2から2/3程度の領域にかけて形成されていることが望ましい。撥水性領域30は、静翼本体22の上流側の端縁(前縁Le)から、下流側の端縁(後縁Te)までの全域にわたって形成されている。
撥水性領域30は、静翼本体22の表面における親水性領域40(後述)に比べて高い撥水性を有する。例えば静翼本体22の表面に撥水性の向上する微細加工を施したり、撥水性のシートを貼付したりすることによって、撥水性領域30を形成する。このように撥水性領域30を形成すれば、付着した液滴の接触角を90°以上にすることができる。なお、撥水性領域30は、少なくとも親水性領域40との間で親水性の差異が生じていれば足りる。このため、親水性領域40のみを静翼本体22の表面に形成し、撥水性領域30を形成しない構成を採ることも可能である。
上記の撥水性領域30における後縁Te側には、後述する親水性領域40に沿って流れてきた液膜を回収する回収部CとしてのスリットSが形成されている。スリットSは、後縁Teに沿って延びている。スリットSは、静翼本体22の内部に連通する1つ以上の長孔である。つまり、この静翼本体22は中空とされている。静翼本体22の内部空間は、図示しない装置によって負圧状態とされることが望ましい。
静翼本体22の前縁LeからスリットSにかけての部分には、複数(一例として4つ)の親水性領域40が形成されている。親水性領域40は、上記の撥水性領域30や、撥水性領域30以外の領域に比べて、相対的に高い親水性を有している。つまり、親水性領域では、付着した液滴の接触角が、撥水性領域に付着した液滴の接触角より小さい状態となる。これにより、液滴は親水性領域40の表面になじむように広がり、薄い液膜の状態で保持される。
本実施形態では、複数の親水性領域40が、径方向に配列されている。また、それぞれの親水性領域40は、上流側(前縁Le側)から下流側(スリットS側)に向かうに従って、幅(つまり、径方向の寸法)が次第に拡大している。なお、図2の例では、この親水性領域40の幅の拡大率は一定である。つまり、同図は、親水性領域40の径方向外側の端縁と内側の端縁とがいずれも直線状に延びている例を示している。しかしながら、設計や仕様に応じて、親水性領域40の幅の拡大率が、下流側に向かうに従って次第に増加、又は減少する構成を採ることも可能である。
スリットSの上流側の端縁では、複数の親水性領域40が互いに連続している。言い換えれば、スリットSの上流側の端縁は、全域にわたって親水性領域40に接続されている。さらに言い換えれば、スリットSの上流側の端縁は、撥水性領域30に接していない。
(作用効果)
続いて、本実施形態に係る蒸気タービン1の動作、及び静翼10における液滴の挙動について説明する。蒸気タービン1を運転するに当たっては、まず蒸気流路11を通じてケーシング本体3Hの内部に高温高圧の蒸気を導入する。蒸気は、ケーシング本体3Hの内部を下流側に向かって流通する中途で、上述の静翼翼列9、及び動翼翼列7を交互に通過する。静翼翼列9は、蒸気の流れを整流して、下流側に隣接する動翼翼列7に流入する。動翼翼列7に蒸気が作用することによって、当該動翼翼列7を通じて回転軸6にトルクが与えられる。このトルクによって、ロータ2が軸線Ac回りに回転する。ロータ2の回転エネルギーは、軸端から取り出されて、発電機(不図示)の駆動等に用いられる。
ここで、タービンの主流路内の段落を通過する蒸気は、上流側から下流側に向かうにつれて段落を通過する度にエネルギーが回転エネルギーに変換され、温度(と圧力)が低下する。したがって、最も下流側の静翼翼列9では、蒸気の一部が液化して微細な液滴として気流中に存在しており、その液滴の一部は静翼10(静翼本体22)の表面に付着する。この液滴が成長して液膜となる。さらに、液滴が増え続けることによって、液膜が下流に流れていくに伴い厚みが増すと、その一部が蒸気流によって引きちぎられて、又は、静翼翼列9に付着したままの液膜は静翼後縁から粗大液滴として飛散する。飛散した液滴は蒸気流により徐々に加速しながら下流側に流れる。粗大液滴が下流側の動翼8に衝突すると、当該動翼8の表面にエロージョン(侵食)を発生させることがある。また、液滴の衝突によって動翼8(ロータ2)の回転が阻害され、制動損失が生じることもある。
そこで、本実施形態では、上述のように静翼本体22の表面に親水性領域40が形成されている。静翼本体22に付着した液滴は、親水性領域40になじむように薄く広がり、液膜となる。親水性領域40と他の部分との境界では親水性の差異があることから、液膜は親水性領域40の内側に保持される。この液膜は、蒸気の流れに乗って親水性領域40を下流側に流れる。
ここで、当該親水性領域40は下流側に向かうに従って径方向の寸法が次第に拡大している。このため、液膜は下流側に流れるに従って親水性領域40内でその面積が拡大し、より薄い液膜となる。これにより、液膜が厚いまま維持されてしまう場合に比べて、液膜表面がより安定的な状態になる。このため、液膜表面に波が立ちにくくなり、当該蒸気流によって液膜が引きちぎられる可能性が低減される。その結果、液膜は、親水性領域40に沿って下流側に流れ、回収部CとしてのスリットSによって回収されやすくなる。これにより、スリットSの上流側で蒸気流によって引きちぎられる粗大液滴と、スリットSを飛び超えて静翼本体22の後縁から飛散する粗大液滴の発生とが抑えられる。そのため、静翼10の下流側に位置する動翼8に液滴が飛散する可能性を低減することができる。一方で、液膜が厚いために当該液膜が蒸気によって引きちぎられた場合、粗大液滴として下流側に飛散し、又は、静翼翼列9に付着したままの液膜は静翼後縁から粗大液滴として飛散し、動翼8に衝突することでエロージョンを生じてしまう虞がある。上記構成によれば、このようなエロージョンの発生を抑制することができる。
さらに、上記構成によれば、複数の親水性領域40が径方向に複数配列されている。これにより、径方向のより広い範囲で液滴を親水性領域40に導くことができる。また、一般的に蒸気タービン1は定格条件で継続的に運転されることから、静翼本体22の表面で液膜が形成される領域、経路はほぼ定常的で、液膜は径方向内側よりも外側(主に静翼本体22の外周側の端部から径方向における1/2から2/3程度の領域にかけて)に形成される傾向がある。例えばこのような領域や経路を予め特定した上で、複数の親水性領域40を当該経路に沿って形成すれば、親水性領域40の面積を最小限に抑えることができる。すなわち、撥水性領域30よりも静翼本体22の内周側の表面の撥水性が高くても構わないが、過剰な加工コストが発生するため撥水性領域30は前述のように親水性領域40の形成される外周側のみに形成することが望ましい。このように、静翼本体22の全体に親水性領域40を形成した場合に比べて、製造コストやメンテナンスコストを削減することができる。
加えて、上記構成によれば、親水性領域40が静翼本体22の前縁Leから回収部CとしてのスリットSにかけて延びている。これにより、静翼本体22の前縁Leから回収部Cまでの全域にわたって親水性領域40によって安定的に液膜を案内し、当該液膜を回収することができる。
また、上記構成によれば、回収部CとしてのスリットSが静翼本体22の後縁Te側に形成されている。このスリットSにより、液膜をより安定的に捕捉・回収することが可能となる。
さらに、上記構成によれば、スリットSの上流側の端縁では、複数の親水性領域40が互いに連続している。言い換えれば、当該端縁は全域にわたって親水性領域40に接続されている。これにより、例えば当該端縁の一部分が親水性領域40と接続されていない場合に比べて、回収部Cに導ける液膜の量を増やすことができ、より効率的かつ安定的に当該液膜を捕捉・回収することができる。
さらに加えて、上記構成によれば、親水性領域40に径方向につらなる部分が撥水性領域30とされている。これにより、親水性領域40と撥水性領域30との境界における親水性の差異をより大きくすることができる。その結果、親水性領域40に付着している液膜が、上記の境界を乗り越えて撥水性領域30側に移動する可能性を低減することができる。つまり、液膜が親水性領域40の内側で保持されやすくなる。その結果、液膜が親水性領域40から逸脱してしまう可能性がより一層低減され、回収部CとしてのスリットSに当該液膜をより円滑に導くことが可能となる。
以上、本開示の第一実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、第一実施形態では、複数(4つ)の親水性領域40が径方向に配列されている構成について説明した。しかしながら、親水性領域40の構成はこれに限定されず、他の例として図3に示す構成を採ることも可能である。同図の例では、1つのみの親水性領域40bが前縁LeからスリットSにかけて形成されている。また、この親水性領域40bも、上流側から下流側に向かうに従って幅(径方向の寸法)が次第に拡大している。このような構成によっても上記と同様の作用効果を得ることが可能である。
<第二実施形態>
次に、本開示の第二実施形態について、図4を参照して説明する。なお、上記の第一実施形態、及びその変形例と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。同図に示すように、本実施形態では、各親水性領域40内に、分離帯50が形成されている。
分離帯50は、上述の撥水性領域30と同様に撥水性を有する。分離帯50は、親水性領域40における前縁Le側よりも下流側の位置から下流側に向かって三角形状に延びている。より具体的には、分離帯50は、前縁Le側からスリットS側に向かうに従って径方向の寸法が次第に拡大している。これにより、親水性領域40は、径方向に複数(2つ)の領域に区画され、上流側から下流側に向かって帯状に延びる一対の領域を形成する。これら一対の領域は、上流側から下流側に向かうに従って、互いに径方向両側に離間するように延びている。
上記構成によれば、親水性領域40内に分離帯50が形成されている。この分離帯50の形状や寸法を、実際の蒸気タービン1における液膜の挙動に合わせて適宜調節することで、親水性領域40内の液膜の進行方向をさらに精緻にコントロールすることができる。言い換えれば、分離帯50が形成されていることで、親水性領域40の幅(径方向の寸法)が相対的に小さくなり、かつ上下流方向の長さが相対的に大きくなる。これにより、上流側から下流側に向かって液膜が案内される際に、液膜の流れが径方向に逸脱してしまう可能性が低減され、より安定的に下流側の回収部Cに液滴を導くことが可能となる。これにより、液膜が成長して下流側の動翼8に向かって飛散してしまう可能性をさらに低減することができる。
以上、本開示の第二実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。例えば、上記第二実施形態では、1つの親水性領域40内に1つのみの分離帯50が形成されている例について説明した。しかしながら、分離帯50の態様はこれに限定されず、他の例として2つ以上の分離帯50を各親水性領域40に形成することも可能である。
<第三実施形態>
続いて、本開示の第三実施形態について、図5を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。同図に示すように、本実施形態では、親水性領域40cの形状が上記の各実施形態と異なっている。さらに、本実施形態では、静翼本体22にスリットSが形成されていない。
親水性領域40cは、静翼本体22の前縁Leから外輪21の内周面(外輪内周面21A)に向かって延びている。つまり、親水性領域40cは、上流側から下流側に向かうに従って、径方向外側に向かって延びている。外輪内周面21Aは、親水性領域40cに沿って流れてきた液膜を回収する回収部Cを形成する。親水性領域40cでは、下流側(外輪内周面21A側)に向かうに従って、幅(径方向の寸法)が次第に拡大している。このような親水性領域40cが、径方向に間隔をあけて複数(一例として3つ)形成されている。
上記構成によれば、外輪内周面21Aが回収部Cとして機能する。つまり、静翼本体22に付着した液滴は、親水性領域40cで液膜となった後、外周側に向かい、外輪内周面21Aに流れる。これにより、蒸気の流れ方向(主流方向)の下流側に向かう液膜の流れが低減され、下流側の動翼8に液滴が飛散する可能性をさらに低減することができる。これにより、動翼8におけるエロージョンの発生を抑制することができる。
以上、本開示の第三実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。
<第四実施形態>
次に、本開示の第四実施形態について、図6を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。同図に示すように、本実施形態では、親水性領域40dが、上記の第三実施形態で説明した親水性領域40cと同様の構成を有する第一領域A1と、この第一領域A1の内周側に形成された第二領域A2と、を有している。
第一領域A1は、前縁Leから外輪内周面21Aに向かって延びている。一方で、第二領域A2は、上流側から下流側に向かうに従って径方向内側に延びている。第二領域A2は、径方向に間隔をあけて複数(一例として3つ)配列されている。また、第二領域A2の上流側の端部は、第一領域A1の延在方向(軸線Ac方向成分を含む方向)における中途に位置している。第二領域A2の下流側の端部は、後縁Teに位置している。
上記構成によれば、第一領域A1によって液膜の大部分を外輪21に向かって案内することができるとともに、当該第一領域A1によって捕捉しきれなかった液滴の成分や、第一領域A1から逸脱した成分を、第二領域A2によって捕捉することができる。第二領域A2は、下流側に向かうに従って径方向内側に延びている。これにより、静翼本体22の径方向中央部に液や液膜が留まる可能性が低減される。また、たとえ第二領域A2の液膜が引きちぎられて粗大液滴が生じた場合であっても、下流側の動翼8における内周側の部分に向かって飛散させることができる。動翼8の内周側では外周側の端部に比べて周速が低いことから、粗大液滴との相対速度が低く抑えられる。その結果、粗大液滴が衝突した場合であっても、エロージョンが生じる可能性を最低限に抑えることが可能となる。
以上、本開示の第四実施形態について説明した。なお、本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、上記の構成に種々の変更や改修を施すことが可能である。
<付記>
各実施形態に記載のタービン静翼(静翼10)、及び蒸気タービン1は、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係るタービン静翼(静翼10)は、蒸気の流れ方向に交差する径方向に延びる静翼本体22と、該静翼本体22の表面に形成され、他の部分よりも相対的に高い親水性を有するとともに、前記流れ方向の下流側に向かうに従って径方向の寸法が次第に拡大する親水性領域40,40b,40c,40dと、該親水性領域40,40b,40c,40dの下流側に設けられ、該親水性領域40,40b,40c,40dに沿って流れる液膜を回収する回収部Cと、を備える。
上記構成によれば、静翼本体22の表面に親水性領域40,40b,40c,40dが形成されている。これにより、静翼本体22に付着した液滴は、親水性領域40,40b,40c,40dになじむように薄く広がり、液膜となる。親水性領域40,40b,40c,40dと他の部分との境界では親水性の差異があることから、液膜は親水性領域40の内側に保持される。この液膜は、蒸気の流れに乗って親水性領域40,40b,40c,40dを下流側に流れる。ここで、当該親水性領域40,40b,40c,40dは下流側に向かうに従って径方向の寸法が次第に拡大している。このため、液膜は下流側に流れるに従って親水性領域40,40b,40c,40d内でその面積が拡大し、より薄い液膜となる。これにより、液膜が厚いまま維持されてしまう場合に比べて、蒸気の流れによって液膜が引きちぎられる可能性が低減される。その結果、液膜を回収部Cにより効率的に回収することが可能となり、タービン静翼の下流側に位置するタービン動翼(動翼8)に液滴が飛散する可能性を低減することができる。
(2)第2の態様に係るタービン静翼は、前記径方向に配列された複数の前記親水性領域40,40c,40dを有する。
上記構成によれば、複数の親水性領域40,40c,40dが径方向に複数配列されている。これにより、径方向のより広い範囲で液滴を親水性領域40,40c,40dに導くことができる。また、一般的に蒸気タービン1は定格条件で継続的に運転されることから、静翼本体22の表面で液膜が形成される領域、経路はほぼ定常的である。例えばこのような領域や経路を予め特定した上で、複数の親水性領域40,40c,40dを当該経路に沿って形成すれば、親水性領域40,40c,40dの面積を最小限に抑えることができる。これにより、静翼本体22の全体に親水性領域40,40c,40dを形成した場合に比べて、製造コストやメンテナンスコストを削減することができる。
(3)第3の態様に係るタービン静翼では、前記親水性領域40,40b,40c(又は親水性領域40dの第一領域A1)は、前記静翼本体22の前縁Leから前記回収部Cにかけて延びている。
上記構成によれば、親水性領域40,40b,40c(又は親水性領域40dの第一領域A1)が静翼本体22の前縁Leから回収部Cにかけて延びている。これにより、静翼本体22の前縁Leから回収部Cまでの全域にわたって親水性領域40,40b,40c(又は親水性領域40dの第一領域A1)によって安定的に液膜を案内し、当該液膜をより効率的に回収することができる。
(4)第4の態様に係るタービン静翼は、前記親水性領域40における前縁Le側よりも下流側の位置から下流側に向かって延びることで、該親水性領域40を複数に区画する分離帯50をさらに有する。
上記構成によれば、親水性領域40内に分離帯50が形成されている。この分離帯50の形状や寸法を適宜変えることで、親水性領域40内における液膜の進行方向をさらに精緻にコントロールすることができる。言い換えれば、分離帯50が形成されていることで、親水性領域40の幅(径方向の寸法)が相対的に小さくなり、かつ上下流方向の長さが相対的に大きくなる。これにより、上流側から下流側に向かって液膜が案内される際に、径方向に逸脱してしまう可能性が低減され、より安定的に下流側の回収部Cに液滴を導くことが可能となる。
(5)第5の態様に係るタービン静翼では、前記回収部Cは、前記静翼本体22の後縁Te側に形成され、該後縁Teに沿って延びるとともに該静翼本体22の内部に連通するスリットSである。
上記構成によれば、回収部CとしてのスリットSが静翼本体22の後縁Te側に形成されている。このスリットSにより、液膜をより安定的に捕捉・回収することが可能となる。
(6)第6の態様に係るタービン静翼は、前記径方向に配列された複数の前記親水性領域40を有し、前記スリットSの上流側の端縁では、前記複数の親水性領域40が互いに連続している。
上記構成によれば、スリットSの上流側の端縁では、複数の親水性領域40が互いに連続している。言い換えれば、当該端縁は全域にわたって親水性領域40に接続されている。これにより、例えば当該端縁の一部分が親水性領域40と接続されていない場合に比べて、回収部Cに到達しない液膜が低減され、より効率的かつ安定的に当該液膜を捕捉・回収することができる。
(7)第7の態様に係るタービン静翼は、前記静翼本体22の外周側に設けられた外輪21をさらに備え、前記回収部Cは、前記外輪21の内周面(外輪内周面21A)である。
上記構成によれば、外輪21の内周面が回収部Cとして機能する。つまり、静翼本体22に付着した液滴は、親水性領域40c(又は親水性領域40dの第一領域A1)で液膜となった後、外周側に向かい、外輪21の内周面に流れる。これにより、蒸気の流れ方向(主流方向)の下流側に向かう液膜の流れが低減され、下流側のタービン動翼に液滴が飛散する可能性をさらに低減することができる。
(8)第8の態様に係るタービン静翼では、前記親水性領域40c(又は親水性領域40dの第一領域A1)は、上流側から下流側に向かうに従って径方向外側に延びることで前記外輪21の内周面に接続されている。
上記構成によれば、親水性領域40c(又は親水性領域40dの第一領域A1)に沿って、液膜を外輪21の内周面に安定的かつ円滑に導くことができる。
(9)第9の態様に係るタービン静翼では、前記親水性領域40dは、前記外輪21の内周面に向かって延びる第一領域A1と、該第一領域A1の内周側に形成され、上流側から下流側に向かうに従って径方向内側に延びる第二領域A2と、を有する。
上記構成によれば、第一領域A1によって液膜の大部分を外輪21に向かって案内することができるとともに、当該第一領域A1によって捕捉しきれなかった液滴の成分を第二領域A2によって捕捉することができる。第二領域A2は、下流側に向かうに従って径方向内側に延びている。これにより、静翼本体22の径方向中央部に形成された液膜が留まる可能性が低減される。また、たとえ第二領域A2の液膜に由来して後縁側で粗大液滴を生じた場合であっても、下流側のタービン動翼における内周側の部分に向かって飛散させることができる。タービン動翼の内周側では外周側の端部に比べて周速が低いことから、粗大液滴との相対速度が低く抑えられる。その結果、粗大液滴が衝突した場合であっても、エロージョンが生じる可能性を最低限に抑えることが可能となる。
(10)第10の態様に係るタービン静翼では、前記静翼本体22の表面における少なくとも前記親水性領域40,40b,40c,40dにつらなる部分は、該親水性領域40,40b,40c,40dに比べて相対的に高い撥水性を有する撥水性領域30である。
上記構成によれば、親水性領域40,40b,40c,40dにつらなる部分が撥水性領域30とされている。これにより、親水性領域40,40b,40c,40dと撥水性領域30との境界における親水性の差異がより大きくなる。その結果、液膜は親水性領域40,40b,40c,40dの内側で保持されやすくなり、当該液膜が親水性領域40,40b,40c,40dから逸脱してしまう可能性をより一層低減することができる。
(11)第11の態様に係る蒸気タービン1は、軸線Ac回りに回転可能な回転軸6と、該回転軸6の外周面(回転軸外周面6A)に前記軸線Ac方向に対する周方向に配列された複数のタービン動翼(動翼8)と、前記回転軸6、及び前記タービン動翼を外周側から覆うケーシング本体3Hと、該ケーシング本体3Hの内周面に前記軸線Acに対する周方向に配列されるとともに、前記タービン動翼と前記軸線Ac方向に隣接して設けられた複数のタービン静翼(静翼10)と、を備える。
上記構成によれば、液膜の成長が抑えられることで、粗大液滴による性能低下やエロージョン現象を低減することが可能となり、より高効率かつ高信頼性の蒸気タービン1を提供することができる。
本開示は、タービン静翼、及び蒸気タービンに関する。本開示によれば、液膜の成長をより一層低減して、液膜をより効率的に回収しやすくすることが可能なタービン静翼、及び蒸気タービンを提供することができる。
1 蒸気タービン
2 ロータ
3 ケーシング
3A ケーシング内周面
3H ケーシング本体
6 回転軸
6A 回転軸外周面
7 動翼翼列
8 動翼(タービン動翼)
9 静翼翼列
10 静翼(タービン静翼)
11 蒸気流路
12 排気室
21 外輪
21A 外輪内周面
22 静翼本体
23 内輪
30 撥水性領域
40,40b,40c,40d 親水性領域
50 分離帯
81 プラットフォーム
82 動翼本体
83 シュラウド
A1 第一領域
A2 第二領域
Ac 軸線
C 回収部
Le 前縁
S スリット
Te 後縁

Claims (10)

  1. 蒸気の流れ方向に交差する径方向に延びる静翼本体と、
    該静翼本体の表面に形成され、他の部分よりも相対的に高い親水性を有するとともに、前記流れ方向の下流側に向かうに従って径方向の寸法が次第に拡大する親水性領域と、
    前記静翼本体の表面における前記親水性領域に径方向につらなる部分に形成され、前記親水性領域に比べて相対的に高い撥水性を有する撥水性領域と、
    該親水性領域の下流側に設けられ、該親水性領域に沿って流れる液膜を回収する回収部と、
    を備えるタービン静翼。
  2. 前記径方向に配列された複数の前記親水性領域を有する請求項1に記載のタービン静翼。
  3. 前記親水性領域は、前記静翼本体の前縁から前記回収部にかけて延びている請求項1又は2に記載のタービン静翼。
  4. 前記親水性領域における前縁側よりも下流側の位置から下流側に向かって延びることで、該親水性領域を複数に区画する分離帯をさらに有する請求項1から3のいずれか一項に記載のタービン静翼。
  5. 前記回収部は、前記静翼本体の後縁側に形成され、前記静翼本体の後縁に沿って延びるとともに該静翼本体の内部に連通するスリットである請求項1から4のいずれか一項に記載のタービン静翼。
  6. 前記径方向に配列された複数の前記親水性領域を有し、
    前記スリットの上流側の端縁では、前記複数の親水性領域が互いに連続している請求項5に記載のタービン静翼。
  7. 前記静翼本体の外周側に設けられた外輪をさらに備え、
    前記回収部は、前記外輪の内周面である請求項1から6のいずれか一項に記載のタービン静翼。
  8. 前記親水性領域は、上流側から下流側に向かうに従って径方向外側に延びることで前記外輪の内周面に接続されている請求項7に記載のタービン静翼。
  9. 前記親水性領域は、
    前記外輪の内周面に向かって延びる第一領域と、
    該第一領域の内周側に形成され、上流側から下流側に向かうに従って径方向内側に延びる第二領域と、
    を有する請求項8に記載のタービン静翼。
  10. 軸線回りに回転可能な回転軸と、
    該回転軸の外周面に前記軸線方向に対する周方向に配列された複数のタービン動翼と、
    前記回転軸、及び前記タービン動翼を外周側から覆うケーシング本体と、
    該ケーシング本体の内周面に前記軸線に対する周方向に配列されるとともに、前記タービン動翼と前記軸線方向に隣接して設けられた複数の請求項1からのいずれか一項に記載のタービン静翼と、
    を備える蒸気タービン。
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