JP7426620B2 - ウエハ基板の洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウエハ基板の洗浄方法に関する。より詳細には、ウエハ基板上に存在するフォトレジストを短時間で効果的に除去することができるウエハ基板の洗浄方法に関する。
半導体の製造工程は、回路設計工程、マスク製造工程、ウエハ製造工程、ウエハ処理工程、組立工程、検査工程および排出物処理工程などから成り立っている。その中でも、ウエハ基板上に所定の回路パターンを作り込むためのウエハ処理工程は、半導体の製造工程において中核をなすものである。
ウエハ基板上への回路パターンの形成は、ウエハ基板の表面に酸化膜やポリシリコン膜を形成する工程、これらの表面にフォトレジストを塗布する工程、露光によってフォトマスクの回路パターンをフォトレジスト上に転写する工程、現像によってレジストパターンを形成する工程、レジストパターンに従って酸化膜やポリシリコン膜を除去するためのエッチングを行う工程、不要になったフォトレジストを除去する工程などを経て行われ、こうした一連の工程を繰り返すことで、所定の回路パターンがウエハ基板上に作り込まれる。このような一連の工程において、不要になったフォトレジストを除去する工程は、フォトレジストの除去が十分でないと次の一連の工程に悪影響を及ぼし、結果としてウエハ基板上への所定の回路パターンの作り込みに支障をきたすため、高度な洗浄技術が要求される。
今日、半導体製造を取り巻く状況における大きな流れの一つとして、環境への配慮がある。このような流れの中で、ウエハ基板の洗浄方法についても、化学薬品が中心の従来の方法から環境に優しい方法への転換が求められている。こうした事情に鑑み、本発明者の一人である高橋は、オゾンを含有する微小気泡を含む水を用いてウエハ基板を洗浄する方法を特許文献1で提案し、高い評価を得ている。しかしながら、ウエハ基板を1枚毎に処理する枚葉スピン式の洗浄方式を考えた場合、より短時間で不要になったフォトレジストを除去することができる必要がある。
国際公開第2009/099138号
そこで本発明は、枚葉スピン式の洗浄方式を採用した場合でも、短時間で効果的にウエハ基板上に存在するフォトレジストを除去することができる、ウエハ基板の洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記の点に鑑みて鋭意検討を行った結果、本発明者の一人である高橋が特許文献1で提案した、オゾンを含有する微小気泡を含む水を用いてウエハ基板を洗浄する方法において、発生させる微小気泡の総個数に応じた所定量の硫酸またはカルボン酸を添加した水中で微小気泡を発生させた水を用いると、ウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去速度が飛躍的に向上することを見出した。
以上の知見に基づいてなされた本発明のウエハ基板の洗浄方法は、請求項1記載の通り、電気伝導度が1μS/cm以下である純水に、下記の数式を満たす量の硫酸またはカルボン酸を添加した水中で発生させた、粒径が50μm以下で、レーザー光遮断方式の液中パーティクルカウンターによる計測において5~15μmに粒径のピークを有しており、そのピークの領域における個数が1000個/mL以上である、オゾンを含有する微小気泡を含む水を、ウエハ基板の表面に接触させて行う。
(1)硫酸の添加量:発生させる微小気泡の総個数をx個/mLとした場合に硫酸の濃度(vol%)が1500/x~15000/xの範囲になる量
(2)カルボン酸の添加量:発生させる微小気泡の総個数をx個/mLとした場合にカルボン酸が有するカルボキシル基の濃度(mol/L)が250/x~2500/xの範囲になる量
また、請求項2記載の洗浄方法は、請求項1記載の洗浄方法において、カルボン酸が、酢酸、シュウ酸、クエン酸から選択される少なくとも1種である。
また、請求項3記載の洗浄方法は、請求項1または2記載の洗浄方法において、発生させる微小気泡の総個数が1500~10000個/mLである。
また、請求項4記載の洗浄方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の洗浄方法において、洗浄方式が枚葉スピン式である。
本発明のウエハ基板の洗浄方法によれば、枚葉スピン式の洗浄方式を採用した場合でも、短時間で効果的にウエハ基板上に存在するフォトレジストを除去することができる。
本発明のウエハ基板の洗浄方法は、電気伝導度が1μS/cm以下である純水に、下記の数式を満たす量の硫酸またはカルボン酸を添加した水中で発生させた、粒径が50μm以下で、レーザー光遮断方式の液中パーティクルカウンターによる計測において5~15μmに粒径のピークを有しており、そのピークの領域における個数が1000個/mL以上である、オゾンを含有する微小気泡を含む水を、ウエハ基板の表面に接触させて行うものである。
(1)硫酸の添加量:発生させる微小気泡の総個数をx個/mLとした場合に硫酸の濃度(vol%)が1500/x~15000/xの範囲になる量
(2)カルボン酸の添加量:発生させる微小気泡の総個数をx個/mLとした場合にカルボン酸が有するカルボキシル基の濃度(mol/L)が250/x~2500/xの範囲になる量
本発明のウエハ基板の洗浄方法は、本発明者の一人である高橋が特許文献1で提案した方法を基礎とする。従って、水中にオゾンを含有する微小気泡を発生させる方法は、特許文献1に記載の方法に準じて行えばよい。具体的には、例えば、自体公知の二相流旋回方式や加圧溶解方式による微小気泡発生装置を利用して発生させることができる。二相流旋回方式を採用する場合、回転子などを利用して半径が10cm以下の渦流を強制的に生じせしめ、壁面などの障害物や相対速度の異なる流体にオゾンを含んだ気液混合物を打ち当てることにより、渦流中に獲得したオゾンを含んだ気体成分を渦の消失とともに分散させることで、所望のオゾンを含有する微小気泡を大量に発生させることができる。また、加圧溶解方式を採用する場合、2気圧以上の高圧下でオゾンを含んだ気体を水中に溶解させた後、これを大気圧に開放することにより生じたオゾンを含んだ溶解気体の過飽和条件からオゾンを含んだ気泡を発生させることができる。この場合、圧力の開放部位において、水流と障害物を利用して半径が1mm以下の渦を多数発生させ、渦流の中心域における水の分子揺動を起因として多量の気相の核(気泡核)を形成させるとともに、過飽和条件に伴ってこれらの気泡核に向かって水中のオゾンを含んだ気体成分を拡散させ、気泡核を成長させることにより、所望のオゾンを含有する微小気泡を大量に発生させることができる。こうして発生させた微小気泡は、粒径が50μm以下で、レーザー光遮断方式の液中パーティクルカウンターによる計測において5~15μmに粒径のピークを有しており、そのピークの領域における微小気泡の個数は1000個/mL以上であって、粒径が50μm以下の微小気泡の総個数は概ね1500~10000個/mLである(必要であれば特開2000-51107号公報や特開2003-265938号公報などを参照のこと)。
オゾンを含有する微小気泡を発生させる水は、電気伝導度が1μS/cm以下である純水に、発生させる微小気泡の総個数に応じた所定量の硫酸またはカルボン酸を添加した酸性水である。具体的には、発生させる微小気泡の総個数をx個/mLとした場合、硫酸の添加量は、硫酸の濃度(vol%)が1500/x~15000/xの範囲になる量であり、カルボン酸の添加量は、カルボン酸が有するカルボキシル基の濃度(mol/L)が250/x~2500/xの範囲になる量である。例えば、発生させる微小気泡の総個数を3000~7000個/mLとした場合、硫酸の添加量は、硫酸の濃度が0.2~5vol%の範囲になる量であり、カルボン酸の添加量は、カルボン酸が有するカルボキシル基の濃度が0.04~0.8mol/Lの範囲になる量である。こうした酸性水のpHは0~4の範囲である。
発生させる微小気泡の総個数をx個/mLとした場合、硫酸の添加量は、硫酸の濃度(vol%)が3000/x~7500/xの範囲になる量が望ましく、カルボン酸の添加量は、カルボン酸が有するカルボキシル基の濃度(mol/L)が500/x~1250/xの範囲になる量が望ましい。
添加するカルボン酸の具体例としては、酢酸、シュウ酸、クエン酸などが挙げられる。
オゾンを含有する微小気泡を含む水は、室温程度(例えば10~40℃)のものであってもよいが、50~80℃に加温したものであってもよい。
本発明のウエハ基板の洗浄方法は、ウエハ基板を1枚毎に処理することから、ウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去速度の向上がとりわけ求められる枚葉スピン式の洗浄方式に対して効果を発揮するが、オゾンを含有する微小気泡を含む水をウエハ基板の表面に接触させる方法は、枚葉スピン式の洗浄方式に限定されるわけではない。
オゾンを含有する微小気泡を含む水を用いてウエハ基板を洗浄する方法において、発生させる微小気泡の総個数に応じた所定量の硫酸またはカルボン酸を添加した水中で微小気泡を発生させた水を用いると、ウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去速度が飛躍的に向上する理由は、必ずしも明確ではないが、本発明者は次のように考えている。本発明のウエハ基板の洗浄方法において用いる洗浄液の主体は水である。水は水分子の集合体であり、水分子はダイポールと呼ばれる極性を有している。これは酸素原子を中心に2つの水素原子が104°程度の角度で結びついていることに起因している。酸素原子は高い電気陰性度を持ち、水素原子との共有結合を仲立ちする電子を自身の方に強く引き付ける。これに対して水素原子は非常に小さいため、酸素原子との共有結合において、水素原子近辺における電子の存在確率が希薄になる。その結果、一つの分子内で電荷にバラツキが生じる。即ち、プラス側に電荷を帯びた水素原子と、マイナス側に電荷を帯びた酸素原子である。1つの酸素原子と2つの水素原子が、水素原子-酸素原子-水素原子と直線的に空間配置されていたならば、分子全体としては極性を生じない。ところが、これらは104°程度の角度をもって空間配置されているため、結果的にダイポールを形成する。ダイポールによって発生した電場は周囲に拡散する。液体としての「水」は水分子が大量に集合したものであり、各水分子から発生した電場は周囲の水分子と強く影響し合う。その結果、他の水分子との間で水素結合と呼ばれる結合関係を作り上げ、水素結合ネットワークを形成する。この水素結合は共有結合の1/10程度の強さを持ち、分子間の結合としては非常に強い。この条件下で、水分子やその構成要素である酸素原子と水素原子が激しい熱分子運動を行う。その結果、水素結合はピコ秒よりも早い速度で分裂と結合を繰り返し、なおかつ共有結合そのものも分裂や結合、水素結合との置き換わりを繰り返す。この様な水の動的な現象が、水素イオンや水酸化物イオンの発生(いわゆる自動電離)をもたらすと考えられている。ところが、このバルクとしての水の中に気液界面が存在すると水素結合ネットワークの構成そのものが大きく変化して、水素イオンや水酸化物イオンの発生、さらには発生したそれらイオンの存在形態などにも重大な影響を及ぼす。特にマイクロバブルと呼ばれる粒径が50μm以下の微小気泡は水中で急激に縮小するため、その気液界面における水の結合構造が、気液界面そのものの縮小という激しい動的な環境の中で著しく乱される。オゾンを含有する粒径が50μm以下の微小気泡は、水中で急激に縮小し、最後に消滅する際、大量の水酸基ラジカルを発生させることが知られているが、この現象は、微小気泡に含有されるオゾンが、気液界面の活性化した水分子と反応するためである。所定量の硫酸やカルボン酸は、気液界面に集積することで、微小気泡の気液界面にさらなる刺激を与え、水分子の構造の破壊と再生の活発化を図るとともに、これらそのものが原材料となって、過硫酸や硫酸ラジカルや過カルボン酸などの活性種を発生させ、水酸基ラジカルとこれらの活性種がプラスに相互作用することで、結果としてウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去を促進させるようである。こうした硫酸やカルボン酸の作用の基本となる要因の一つとして、気液界面における両者のプロトン化は重要であると考えられる。硫酸やカルボン酸の多くは水中で共役塩基として電離したイオン状態で存在しているが、気液界面ではプロトン(水素イオン)と結合して分子状態で存在する。イオン状態のこれらは、プロトンと結合して分子状態になるために、気液界面のプロトンを強制的に奪い取り、気液界面での水分子や水素結合ネットワークの離散や合体を極限的な状況まで高める。また、これらは分子状態になることにより、周囲の水分子との相互作用が軽微になるため、活性種からの攻撃に対して非常に脆弱な状態になる。同時に、この気液界面には微小気泡からの連続的なオゾンの供給がある。この様な環境下で、これらとオゾンとの急激な反応が成し遂げられ、バルクとは全く異なった反応促進場が形成されることで、過硫酸や硫酸ラジカルや過カルボン酸などの活性種が発生する。硫酸やカルボン酸の添加量が、所定量よりも少ない場合、硫酸やカルボン酸を添加することによる上記の効果が得られないが、所定量よりも多い場合にも上記の効果が得られないのは、気液界面における硫酸やカルボン酸の分子の存在量に対する水分子の存在量が相対的に減少することで、水分子による水素結合ネットワークの活性化の程度が減じられてしまい、その結果として水酸基ラジカルや各種の活性種の発生量や作用が低下するためであると考えられる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
試験例1:
(試験方法)
半導体製造設備としての条件を満たしたクリーンルーム内にて、電気伝導度が約0.06μS/cmの超純水中で、加圧溶解型のマイクロバブル発生装置を用い、オゾンを含有する粒径が50μm以下の微小気泡を発生させた。用いたマイクロバブル発生装置はオールテフロン(登録商標)製とし、半導体製造において存在が問題となる固体微粒子や金属イオンなどを発生させないようにした。マイクロバブル発生装置への超純水の供給量は約2L/分とした。超純水に供給するオゾンガスの濃度は約350g/Nm、供給量は約1L/分とした。水温25℃において発生させたオゾンを含有する微小気泡は、レーザー光遮断方式の液中パーティクルカウンター(SPM社製のLiQuilaz-E20)による計測において約10μmに粒径のピークを有しており、そのピークの領域における微小気泡の個数は3000個/mL以上であって、50μm以下の微小気泡の総個数は約5000個/mLであった。この条件設定の下で、マイクロバブル発生装置に供給する超純水に硫酸を様々な濃度で添加し、得られたオゾンを含有する微小気泡を含む水(pH:0~1.5)を用いたウエハ基板の洗浄効果(ウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去効果)を調べた。洗浄対象は、全面にKrF用のフォトレジストを約1.0μmの膜厚で形成した後、ホウ素をE14レベルで打ち込んだ、直径が200mmのウエハ基板とした。ウエハ基板の洗浄方式として枚葉スピン式を採用し、洗浄対象のウエハ基板を、ターンテーブル上で約200回転/分の速度で回転させながらその中心部にオゾンを含有する微小気泡を含む水を掛け流すことで洗浄した。なお、マイクロバブル発生ノズルの直前で供給する超純水を急速加熱することで、オゾンを含有する微小気泡を含む水の温度を約70℃とした。
(試験結果)
硫酸を添加しない超純水中で発生させたオゾンを含有する微小気泡を含む水を用いてウエハ基板を洗浄した場合、ウエハ基板上に存在するフォトレジストを完全に除去するために要した時間は約6分であったが、濃度が0.3~3vol%の範囲になるように超純水に硫酸を添加した水中で発生させたオゾンを含有する微小気泡を含む水を用いてウエハ基板を洗浄した場合、ウエハ基板上に存在するフォトレジストを完全に除去するために要した時間は約1分であった。ホウ素を打ち込んだフォトレジストの表面の少なくとも一部には硬化変質層が形成されていると考えられるにもかかわらず、約1分という短時間で完全に除去することができたのは驚きであった。しかしながら、硫酸の濃度が0.3vol%よりも薄くても3vol%よりも濃くても、ウエハ基板上に存在するフォトレジストを完全に除去するために要する時間は1分よりも長くなった。
上記の試験結果を踏まえ、超純水に添加する硫酸の濃度、発生させる微小気泡の総個数、ウエハ基板の洗浄効果の関係を精査したところ、発生させる微小気泡の総個数をx個/mLとした場合に濃度(vol%)が1500/x~15000/xの範囲になる量の硫酸を超純水に添加した水中で発生させたオゾンを含有する微小気泡を含む水を用いてウエハ基板を洗浄した場合、ウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去速度が飛躍的に向上することを明らかにできた(少なくとも発生させる微小気泡の総個数が3000~7000個/mLの範囲において上記の数式の妥当性を確認した)。上記の数式の妥当性は、オゾンを含有する微小気泡を含む水の温度によって異なるものではなかった。硫酸の代わりに塩酸を超純水に添加して同様の試験を行い、ウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去速度が飛躍的に向上する添加量を見出そうとしたが、見出すことはできなかった。この理由としては、塩化物イオン(Cl)が、ウエハ基板上に存在するフォトレジストを除去する主体となる水酸基ラジカルや各種の活性種を捕捉して失活させてしまうスカベンジャーとして作用することが考えられた。また、オゾンを含有する微小気泡を含む水に二酸化炭素が溶存している場合(例えば二酸化炭素濃度が0.01ppm以上の場合)、ウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去速度は低下した。この理由としてもまた、炭酸イオン(CO 2-)が、ウエハ基板上に存在するフォトレジストを除去する主体となる水酸基ラジカルや各種の活性種を捕捉して失活させてしまうスカベンジャーとして作用することが考えられた。
試験例2:
(試験方法と試験結果)
硫酸の代わりに、カルボン酸として、酢酸、シユウ酸、クエン酸のいずれかを、様々な濃度でマイクロバブル発生装置に供給する超純水に添加すること以外は試験例1と同様にして、得られるオゾンを含有する微小気泡を含む水(pH:2~4)を用いたウエハ基板の洗浄効果(ウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去効果)を調べたところ、いずれのカルボン酸の場合も、カルボキシル基の濃度が0.05~0.5mol/L(酢酸の濃度として0.3~3wt%、シユウ酸の濃度として0.23~2.3wt%、クエン酸の濃度として0.32~3.2wt%に相当)の範囲になるように超純水にカルボン酸を添加した水中で発生させたオゾンを含有する微小気泡を含む水を用いてウエハ基板を洗浄した場合、ウエハ基板上に存在するフォトレジストを完全に除去するために要した時間は約1分であった。しかしながら、いずれのカルボン酸の場合も、カルボキシル基の濃度が0.05mol/Lよりも薄くても0.5mol/Lよりも濃くても、ウエハ基板上に存在するフォトレジストを完全に除去するために要する時間は1分よりも長くなった。
上記の試験結果を踏まえ、超純水に添加するカルボン酸が有するカルボキシル基の濃度、発生させる微小気泡の総個数、ウエハ基板の洗浄効果の関係を精査したところ、発生させる微小気泡の総個数をx個/mLとした場合にカルボン酸が有するカルボキシル基の濃度(mol/L)が250/x~2500/xの範囲になる量のカルボン酸を超純水に添加した水中で発生させたオゾンを含有する微小気泡を含む水を用いてウエハ基板を洗浄した場合、ウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去速度が飛躍的に向上することを明らかにできた(少なくとも発生させる微小気泡の総個数が3000~7000個/mLの範囲において上記の数式の妥当性を確認した)。上記の数式の妥当性は、オゾンを含有する微小気泡を含む水の温度によって異なるものではなかった。オゾンを含有する微小気泡を含む水に二酸化炭素が溶存している場合(例えば二酸化炭素濃度が0.01ppm以上の場合)、ウエハ基板上に存在するフォトレジストの除去速度は低下した。この理由としては、炭酸イオン(CO 2-)が、ウエハ基板上に存在するフォトレジストを除去する主体となる水酸基ラジカルや各種の活性種を捕捉して失活させてしまうスカベンジャーとして作用することが考えられた。
本発明は、枚葉スピン式の洗浄方式を採用した場合でも、短時間で効果的にウエハ基板上に存在するフォトレジストを除去することができる、ウエハ基板の洗浄方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。

Claims (4)

  1. 電気伝導度が1μS/cm以下である純水に、下記の数式を満たす量の硫酸またはカルボン酸を添加した水中で発生させた、粒径が50μm以下で、レーザー光遮断方式の液中パーティクルカウンターによる計測において5~15μmに粒径のピークを有しており、そのピークの領域における個数が1000個/mL以上である、オゾンを含有する微小気泡を含む水を、ウエハ基板の表面に接触させて行うウエハ基板の洗浄方法。
    (1)硫酸の添加量:発生させる微小気泡の総個数をx個/mLとした場合に硫酸の濃度(vol%)が1500/x~15000/xの範囲になる量
    (2)カルボン酸の添加量:発生させる微小気泡の総個数をx個/mLとした場合にカルボン酸が有するカルボキシル基の濃度(mol/L)が250/x~2500/xの範囲になる量
  2. カルボン酸が、酢酸、シュウ酸、クエン酸から選択される少なくとも1種である請求項1記載の洗浄方法。
  3. 発生させる微小気泡の総個数が1500~10000個/mLである請求項1または2記載の洗浄方法。
  4. 洗浄方式が枚葉スピン式である請求項1乃至3のいずれかに記載の洗浄方法。


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