JP7425309B2 - バーリング加工方法、バーリング加工部品製造方法、及びバーリング加工装置 - Google Patents

バーリング加工方法、バーリング加工部品製造方法、及びバーリング加工装置 Download PDF

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この発明は、バーリング加工方法、バーリング加工部品製造方法、及びバーリング加工装置に関する。
周知のように、複数の対象物を連結する構造部品として、その端部や中間位置に結合部が形成されたリンク構造部品が実用化されている。これらリンク構造部品は、例えば、建築構造用や自動車のサスペンション用など、種々の用途に用いられている。
例えば、自動車のサスペンション装置においては、ロアリンク、アッパーリンク、ラテラルリンク等のサスペンションリンクが用いられている。これらリンク構造部品は、他の構造部品との結合部のためにバーリング加工穴を有するものがある。このバーリング加工穴によれば、単純な打ち抜き穴の場合と比べて、例えばブッシュ等の他の構造部品を保持する保持面積を大きく確保することができる。
バーリング加工穴を加工するためのバーリング加工方法及び装置の一例が、下記特許文献1に開示されている。同バーリング加工方法及び装置によれば、互いに対向する第1壁部及び第2壁部のそれぞれに対して、同一軸線を中心軸線として共有するバーリング加工穴を、精度良く且つ効率的に形成することが可能である。
特許第6202110号公報
一方、バーリング加工穴の加工精度向上に加えて、生産性をさらに高めることが求められている。また、多種多様な形状の構造部品への対応も求められており、例えば、上述した第1壁及び第2壁部間の間隔が狭い薄いリンク部の場合であっても、適切なバーリング加工を行えることが求められている。これら2つの要求は相反するものであり、両立させることは容易ではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、薄いリンク部を有する構造部品であっても生産性を損なうことなく高い加工精度でバーリング加工穴を加工できる、バーリング加工方法、バーリング加工部品製造方法、及びバーリング加工装置の提供を目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。(1)本発明の一態様に係るバーリング加工方法は、互いに対向する第1壁部及び第2壁部を有する中間部品に対し、前記第1壁部に形成された第1下穴と前記第2壁部に形成されて前記第1下穴と同軸をなす第2下穴とのうち、前記第1下穴のみ、又は、前記第1下穴及び前記第2下穴の双方、に対してバーリング加工穴を形成する方法であって、第1金型穴を有し前記第1壁部の外壁面に当たる第1金型と、第2金型穴を有し前記第2壁部の外壁面に当たる第2金型との間に、前記第1金型穴、前記第1下穴、前記第2下穴、前記第2金型穴、が互いに同軸をなすように、前記第1壁部及び前記第2壁部を拘束する拘束工程と;第1中子穴を有する第1分割中子及び第2中子穴を有する第2分割中子を、前記第1中子穴と前記第2中子穴とが互いに同軸をなすように重ね合わせた状態で、前記第1中子穴及び前記第2中子穴が前記第1金型穴及び前記第2金型穴と同軸の位置に至るまで前記第1壁部及び前記第2壁部間に圧入することで、前記第1壁部が前記第1金型に密着し前記第2壁部が前記第2金型に密着するように、前記第1壁部及び前記第2壁部を弾性変形させる中子挿入工程と;前記第1金型穴よりバーリングパンチを通して、前記第1下穴のみ、又は前記第1下穴及び前記第2下穴の双方に、バーリング加工を施すバーリング工程と;前記第1分割中子を残したまま前記第2分割中子を前記第1壁部と前記第2壁部との間から引き抜き、前記第1分割中子と前記第1金型との間の相対位置をずらして、前記第1壁部に形成された前記バーリング加工穴から前記第1分割中子を離間させ、前記第1分割中子を前記第1壁部と前記第2壁部との間から引き抜く、中子外し工程と;を有する。
上記(1)に記載の態様によれば、従来よりも少ない金型数及び工程数でバーリング加工を行えるため、生産性が高い。また、中子を第1分割中子及び第2分割中子に分け、これらをバーリング加工後の中間部品より抜く際に2回に分けて抜くようにしているため、第1壁部及び第2壁部間の間隔が比較的狭い中間部品に対しても、十分な高さのバーリング加工穴を形成することができる。加えて、第1壁部を第1金型に密着させ、第2壁部を第2金型に密着させるように、第1分割中子及び第2分割中子を圧入しているので、第1壁部及び第2壁部それぞれの壁面の撓みを減じ、さらにはこれら第1壁部第2壁部間の間隔や平行度も規制することができる。従って、バーリングパンチを打つ前の第1壁部及び第2壁部の形状を適切な状態に固定できるため、バーリング加工穴の加工精度を高めることもできる。よって、本態様によれば、多種多様な形状の中間部品に対し、高い生産性及び高い加工精度を両立させた上でバーリング加工を施すことが可能である。
(2)上記(1)に記載の態様では、前記中子外し工程で前記相対位置をずらす際、前記第1分割中子の位置を固定し、前記第1金型及び前記第2金型の方を移動させてもよい。 上記(2)の場合、第1壁部に形成された前記バーリング加工穴から第1分割中子を離間させる工程及び機構を省くことができる。よって、第1金型及び第2金型の位置を固定して第1分割中子の方を移動させる場合よりも容易に自動化することができる。
(3)上記(1)又は(2)に記載の態様では、前記中子挿入工程で、前記第1分割中子及び前記第2分割中子の挿入により、前記第1壁部及び前記第2壁部を、前記弾性変形を超えて塑性変形させてよい。
上記(3)の場合も、上記(1)の態様と同じ作用効果を得ることができる。
(4)本発明の一態様に係るバーリング加工部品製造方法は、管材を加工して前記中間部品を得る準備工程と;前記中間部品に対して上記(1)~(3)の何れか1項に記載のバーリング加工方法によるバーリング加工を行って、前記中間部品からバーリング加工部品を得るバーリング工程と;を有する。
上記(4)に記載の態様によれば、管材からなる中間部品より、加工精度が高いバーリング加工穴を有するバーリング加工部品を製造することができる。
(5)上記(4)に記載の態様では、前記中子挿入工程で、前記中間部品の長手方向の管端開口より、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を同軸に圧入してもよい。
上記(5)によれば、管材からなる中間部品の管端開口を利用して、第1分割中子及び前記第2分割中子を挿抜できる。
(6)本発明の他の態様に係るバーリング加工部品製造方法は、板材を加工して前記中間部品を得る準備工程と;前記中間部品に対して上記(1)~(3)の何れか1項に記載のバーリング加工方法によるバーリング加工を行って、前記中間部品からバーリング加工部品を得るバーリング工程と;を有する。
上記(6)に記載の態様によれば、板材からなる中間部品より、加工精度が高いバーリング加工穴を有するバーリング加工部品を製造することができる。
(7)上記(6)に記載の態様では、以下のようにしてもよい:前記準備工程で、前記第1壁部及び前記第2壁部間が部分的に離間した開断面形状を持つ前記中間部品を得て;前記バーリング工程で、前記第1壁部及び前記第2壁部間の離間部分より、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を圧入する。
上記(7)に記載の態様によれば、板材からなる中間部品の離間部分を利用して、第1分割中子及び前記第2分割中子を挿抜できる。
(8)本発明の一態様に係るバーリング加工装置は、互いに対向する第1壁部及び第2壁部を有する中間部品に対し、前記第1壁部に形成された第1下穴と前記第2壁部に形成されて前記第1下穴と同軸をなす第2下穴とのうち、前記第1下穴のみ、又は、前記第1下穴及び前記第2下穴の双方に対してバーリング加工穴を形成する装置であって、第1金型穴を有し前記第1壁部の外壁面に対向する第1金型、及び、第2金型穴を有し前記第2壁部の外壁面に対向する第2金型と;第1中子穴を有する第1分割中子、及び、第2中子穴を有し前記第1分割中子に対してスライド自在に重ね合わされた第2分割中子と;前記第1分割中子及び前記第2分割中子を個別に、前記第1金型及び前記第2金型間に挿抜する第1駆動機構と;前記第1金型穴、前記第1中子穴、前記第2中子穴、前記第2金型穴、が同軸にある状態で、前記第1金型穴より挿抜されるバーリングパンチと;前記バーリングパンチを前記第1金型穴より挿抜させる第2駆動機構と;前記第1金型及び前記第2金型間の開閉動作、及び、前記第1分割中子に対する前記第1金型及び前記第2金型の、前記バーリングパンチの挿抜方向に沿った相対移動、を行う第3駆動機構と;前記第1駆動機構、前記第2駆動機構、及び前記第3駆動機構、のそれぞれを制御する制御部と;を備え、前記第1中子穴及び前記第2中子穴が同軸をなすように前記第1分割中子及び前記第2分割中子を重ね合わせた状態で、少なくとも、前記第1分割中子及び前記第2分割中子の重ね合わせ方向における外形寸法の和が、前記第1壁部及び前記第2壁部間の隙間間隔よりも大きい。
上記(8)に記載の態様によれば、制御部により以下の制御が行われる。すなわち、第1金型穴、第1下穴、第2下穴、第2金型穴、が互いに同軸をなした状態で、第3駆動機構により中間部品を第1金型及び第2金型間に挟み込んで保持及び固定する。続いて、第1中子穴及び第2中子穴が同軸をなすように第1中子及び第2中子を重ね合わせた状態で、これらを第1駆動機構により第1壁部及び第2壁部間に圧入する。その際、第1中子穴及び第2中子穴が第1金型穴及び第2金型穴と同軸をなすようにする。続いて、第2駆動機構によりバーリングパンチを、第1金型穴を通して第1下穴より打ち込むことでバーリング加工を行う。その結果、第1壁部のみ、または第1壁部及び第2壁部の双方にバーリング加工穴が形成される。バーリングパンチを第2駆動機構によって抜いた後、まず先に、第1駆動機構により第2分割中子を抜く。その後、第3駆動機構により、第1金型及び第2金型を第1分割中子に対して相対移動させ、第1壁部のバーリング加工穴から第1分割中子を外す。その後、第1駆動機構により第1分割中子を引き抜く。
このように、本態様によれば、従来よりも少ない金型数及び工程数でバーリング加工を行うことができるため、生産性が高い。また、中子を第1分割中子及び第2分割中子に分け、これらをバーリング加工後の中間部品より抜く際に2回に分けて抜くようにしているため、第1壁部及び第2壁部間の間隔が比較的狭い中間部品に対しても、高さの高いバーリング加工穴を形成することができる。加えて、第1分割中子及び第2分割中子の重ね合わせ方向における外形寸法が、第1壁部及び第2壁部間の隙間間隔よりも大きい。そのため、第1壁部を第1金型に密着させ、第2壁部を第2金型に密着させるように、第1分割中子及び第2分割中子を圧入できるので、第1壁部及び第2壁部それぞれの壁面の撓みを減じ、さらにはこれら第1壁部第2壁部間の間隔や平行度も規制することができる。従って、バーリングパンチを打つ前の第1壁部及び第2壁部の形状を適切な状態に維持できるため、バーリング加工穴の加工精度を高めることもできる。よって、本態様によれば、多種多様な形状の中間部品に対し、高い生産性及び高い加工精度を両立させた上でバーリング加工を施すことが可能である。
(9)上記(8)に記載の態様では、前記第3駆動機構が、前記第2金型を、前記第1金型に向かって付勢する付勢部と;前記第1金型を、前記付勢部の付勢力に抗して前記第2金型に向かって押し付け可能な金型駆動部と;を備えてもよい。
上記(9)の場合、付勢部により第2金型を第1金型に向けて押し付ける力と、金型駆動部により第1金型を第2金型に押し付ける力とを等しくすることにより、第1金型と第2金型との間に挟まれる中間部品を定位置に保持することができる。そして、バーリングパンチによってバーリング加工を施した後、まず先に第2分割中子のみを抜き出す。続いて、金型駆動部の押し付け力を前記付勢力よりも下げることにより、第1金型及び第2金型が第1分割中子に対して相対移動し、もって第1分割中子の第1中子穴が第1壁部に形成されたバーリング加工穴から外れる。よって、第1分割中子を容易に抜き出すことができる。このように、よりシンプルな装置構成及び工程により、バーリング加工穴を形成することが可能である。
(10)上記(8)又は(9)に記載の態様では、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を互いに重ね合わせた状態で、前記第1中子穴及び前記第2中子穴の軸線を含んでかつ前記第1分割中子及び前記第2分割中子の挿抜方向に直交する断面での、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を重ね合わせた外形の周長が、前記中間部品における前記第1下穴及び前記第2下穴の軸線を含んでかつ前記第1分割中子及び前記第2分割中子の挿抜方向に直交する断面での、前記中間部品の内周面における周長より長くてもよい。
上記(10)によれば、中間部品が管材からなる場合、より確実に、第1壁部を第1金型に密着させ、第2壁部を第2金型に密着させるように、第1分割中子及び第2分割中子を圧入することができる。
(11)上記(8)~(10)の何れか1項に記載の態様では、前記第1金型及び前記第2金型のそれぞれが、前記中間部品を受け入れる凹部の長手方向の端部に、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を挿抜する第1開口を有してもよい。
上記(11)によれば、中間部品が管材からなる場合に、第1開口より、中間部品の管端開口に第1分割中子及び前記第2分割中子を挿抜できる。
(12)上記(8)~(10)の何れか1項に記載の態様では、前記第1金型及び前記第2金型のそれぞれが、前記中間部品を受け入れる凹部の長手方向に交差する方向に、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を挿抜する第2開口を有してもよい。
上記(12)によれば、中間部品が板材からなるものであって第1壁部及び第2壁部間が部分的に離間した開断面形状を持つ場合に、第2開口より、中間部品の開断面内に第1分割中子及び前記第2分割中子を挿抜できる。
上記各態様によれば、薄いリンク部を有する構造部品であっても生産性を損なうことなく高い加工精度でバーリング加工穴を加工できる、バーリング加工方法、バーリング加工部品製造方法、及びバーリング加工装置が提供可能である。
本発明の第1実施形態でバーリング加工される中間部品を示す斜視図である。 同第1実施形態に係るバーリング加工装置の構成を模式的に示す図である。 同バーリング加工装置の金型と中間部品との配置関係を示す斜視図である。 同バーリング加工装置の金型を示す斜視図であり、(a)が上型で、(b)が下型である。 同バーリング加工装置を用いたバーリング加工方法を説明する斜視図であり、(a)~(e)の順に加工が行われる。 同バーリング加工方法の詳細を説明する要部断面図であり、(a)~(d)の順に加工が行われる。 同バーリング加工方法により形成されたバーリング加工穴の形状を示す要部断面図であって、(a)が一対の下穴(ピアス穴)の両方に対してバーリング加工を施した場合を示し、(b)が一対の下穴(ピアス穴)の片方のみに対してバーリング加工を施した場合を示す。 上記第1実施形態のバーリング加工装置に備わる分割中子の変形例を示す図であって、図3のA-A断面で見た場合の断面図である。 上記第1実施形態の変形例を示す図であって、バーリング加工部品の斜視図である。 上記第1実施形態の他の変形例を示す図であって、バーリング加工部品の斜視図である。 本発明の第2実施形態を示す斜視図であって、(a)がバーリング加工前の中間部品であり、(b)がバーリング加工後のバーリング加工部品である。 同第2実施形態で用いられるバーリング加工装置の金型及び上中子及び下中子と、中間部品との配置関係を示す斜視図である。 上記第2実施形態における中間部品の変形例を示す斜視図であって、(a)がバーリング加工前の中間部品であり、(b)がバーリング加工後のバーリング加工部品である。 図13の変形例で用いられるバーリング加工装置の金型及び上中子及び下中子と、中間部品との配置関係を示す斜視図である。
本発明のバーリング加工方法、バーリング加工部品製造方法、及びバーリング加工装置の各実施形態について、図面を参照しながら以下に説明を行う。
[第1実施形態]
まず始めに、本第1実施形態のバーリング加工方法、バーリング加工部品製造方法、及びバーリング加工装置によってバーリング加工を行う中間部品Wについて説明する。
図1に示す中間部品Wは、管材を加工して得たものである。この中間部品Wは、互いに対向する上壁W1及び下壁W2と、これら上壁W1及び下壁W2の両側縁間を接続する一対の側壁W3,W4とを備えている。
上壁W1は、平面視で、矩形状に形成された一端部W1aと、同じく矩形状に形成された他端部W1bと、これら一端部W1a及び他端部W1b間を繋ぎ緩やかなS字形状をなす中間部W1cと、を有する。
一端部W1aと中間部W1cとの境目位置に、第1下穴W1dが形成されている。この第1下穴W1dは、一端部W1aの幅方向中央位置において上壁W1の上面に対し直交する軸線CLを中心とする貫通穴である。言い換えれば、第1下穴W1dは、軸線CLを中心とする円形を有し、上壁W1をその板厚方向に貫く穴である。また、一端部W1aは、側面視した場合の高さがその延在方向に沿って一定である。
中間部W1cは、平面視において幅寸法が一端部W1aの幅寸法よりも少し小さくかつ、その延在方向に沿って一定である。平面視で、一端部W1aと中間部W1cとの接続部分においてはその幅寸法が一端部W1aから中間部W1cに向かって緩やかに小さくなっている。また、中間部W1cは、側面視した場合の高さが一端部W1aとの接続部分から離れるに従って徐々に高くなり、その頂部を超えたところより徐々に低くなっている。そして、中間部W1cのうちで最も低くなる部分において前記他端部W1bに繋がっている。
他端部W1bの幅寸法は、平面視において中間部W1cの幅寸法と同じでかつ、その延在方向に沿って一定である。また、他端部W1bは、側面視した場合の高さがその延在方向に沿って一定であるが、中間部W1cとの接続部分では、他端部W1bから中間部W1cに向かうにつれて高さが徐々に低くなっている。
下壁W2は、底面視した形状が上壁W1と同一形状を有するが、側面視した形状が上壁W1と異なっている。下壁W2は、底面視で、矩形状に形成された一端部W2aと、同じく矩形状に形成された他端部W2bと、これら一端部W2a及び他端部W2b間を繋ぎ緩やかなS字形状をなす中間部W2cと、を有する。
一端部W2aと中間部W2cとの境目位置に、第2下穴W2dが形成されている。この第2下穴W2dは、一端部W2aの幅方向中央位置において下壁W2の下面に対し直交する軸線(前記軸線CLに同じ)を中心とする貫通穴である。言い換えれば、第2下穴W2dは、軸線CLを中心とする円形を有し、下壁W2をその板厚方向に貫く穴である。第2下穴W2dと前記第1下穴W1dは、互いに同一直径を有してかつ同軸に形成されている。また、一端部W2aは、側面視した場合の高さがその延在方向に沿って一定である。
中間部W2cは、底面視において幅寸法が一端部W2aの幅寸法よりも少し小さくかつ、その延在方向に沿って一定である。底面視で、一端部W2aと中間部W2cとの接続部分においてはその幅寸法が一端部W2aから中間部W2cに向かって緩やかに小さくなっている。また、中間部W2cは、側面視した場合の高さが一端部W2aとの接続部分から離れるに従って徐々に低くなっている。そして、中間部W1cのうちで高さが最も低くなる部分において前記他端部W2bと繋がっている。
他端部W2bの幅寸法は、底面視において中間部W2cの幅寸法と同じでかつ、その延在方向に沿って一定である。また、他端部W2bは、側面視した場合の高さがその延在方向に沿って一定であるが、中間部W2cとの接続部分では、他端部W2bから中間部W2cに向かうにつれて徐々に高くなっている。
側壁W3は、側面視で、矩形状に形成された一端部W3aと、同じく矩形状に形成された他端部W3bと、これら一端部W3a及び他端部W3b間を繋ぎ緩やかなS字形状をなす中間部W3cと、を有する。
一端部W3aは、前記一端部W1a,W2a間を上下に繋ぎ、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、一端部W3aの高さ寸法は、中間部W3cとの接続部分において、一端部W3aから中間部W3cに向かって徐々に大きくなっている。
中間部W3cは、前記中間部W1c,W2c間を上下に繋ぎ、その高さ寸法が延在方向の各位置で略一定である。
他端部W3bは、前記他端部W1b,W2b間を上下に繋ぎ、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、他端部W3bの高さ寸法は、中間部W3cとの接続部分において、他端部W3bから中間部W3cに向かって徐々に小さくなっている。
側壁W4は、側面視で、矩形状に形成された一端部W4aと、同じく矩形状に形成された他端部W4bと、これら一端部W4a及び他端部W4b間を繋ぎ緩やかなS字形状をなす中間部W4cと、を有する。
一端部W4aは、前記一端部W1a,W2a間を上下に繋ぎ、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、一端部W4aの高さ寸法は、中間部W4cとの接続部分において、一端部W4aから中間部W4cに向かって徐々に大きくなっている。
中間部W4cは、前記中間部W1c,W2c間を上下に繋ぎ、その高さ寸法が延在方向の各位置で略一定である。
他端部W4bは、前記他端部W1b,W2b間を上下に繋ぎ、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、他端部W4bの高さ寸法は、中間部W4cとの接続部分において、他端部W4bから中間部W4cに向かって徐々に小さくなっている。
以上説明の形状を有する中間部品Wは、鋼管(円筒形状の素管)をプレス成形した後、ピアッシング加工によって第1下穴W1d及び第2下穴W2dを同軸に形成した、加工途中の部品である。ピアッシング加工は、ポンチによる打ち抜きで形成してもよいし、またはレーザー切断等その他の方法により形成してもよい。
中間部品Wは、その延在方向に直交する断面形状がその延在方向の各位置で矩形をなしている。より具体的には、他端部W1b,W2b,W3b,W4bの4面によって形成された他端位置においては、前記断面形状が正方形をなしている。一方、中間部W1c,W2c,W3c,W4cの4面によって形成された中央位置においては、前記断面形状が、鉛直方向よりも水平方向に幅広な長方形形状をなしている。同様に、一端部W1a,W2a,W3a,W4aの4面によって形成された一端位置においては、前記断面形状が、鉛直方向よりも水平方向に幅広な長方形形状をなしている。
前記軸線CLを含んでかつ前記一端位置の延在方向に直交する断面において、一端部W3a,W4aの各内壁面間の幅寸法をwとし、一端部W1a,W2aの各内壁面間の高さ寸法をhとする。この場合、現実的なバーリング高さを考えると、高さ寸法hの下限値としては10mmが例示される。また、幅寸法wの上限値としては100mmが例示できる。
以上説明のように互いに対向する上壁W1(第1壁部)及び下壁W2(第2壁部)を有する中間部品Wに対し、上壁W1の一端部W1aに形成された第1下穴W1dと下壁W2(第2壁部)に形成されて第1下穴W1dと同軸をなす第2下穴W2dとの双方に対してバーリング加工穴を形成するバーリング加工装置を、図2に示す。
このバーリング加工装置は、金型ユニット10と、バーリングパンチユニット60と、中子ユニット70と、制御部110と、を備えている。
図2に示すように、金型ユニット10は、上型20(第1金型)及び下型30(第2金型)と、クッション40(付勢部)と、金型駆動部50(第3駆動機構)と、を備えている。
図4(a)に示すように、上型20は、下型30の上方に配置された上壁面21と、その両側縁より下方に向かって形成された一対の側壁面22,23とを有する。
上壁面21は、底面視で、矩形状に形成された一端部21aと、同じく矩形状に形成された他端部21bと、これら一端部21a及び他端部21b間を繋ぎ緩やかなS字形状をなす中間部21cと、を有する。なお、一端部21a、中間部21c、他端部21bは、それぞれ、上型20内に形成された凹溝の一部を構成する内壁面を示す。
一端部21aと中間部21cとの境目位置に、第1金型穴21dが形成されている。この第1金型穴21dは、一端部21aの幅方向中央位置において上壁面21に対し直交する軸線CL1を中心とする貫通穴である。言い換えれば、第1金型穴21dは、軸線CL1を中心とする円形を有し、上壁面21をその板厚方向に貫く穴である。第1金型穴21dは、前記第1下穴W1d及び第2下穴W2dよりも内径が大きい。また、一端部21aは、縦断面視した場合の高さがその延在方向に沿って一定である。
中間部21cは、底面視において幅寸法が一端部21aの幅寸法よりも少し小さくかつ、その延在方向に沿って一定である。底面視で、一端部21aと中間部21cとの接続部分においてはその幅寸法が一端部21aから中間部21cに向かって緩やかに小さくなっている。また、中間部21cは、縦断面視した場合の高さが一端部21aとの接続部分から離れるに従って徐々に高くなり、その頂部を超えたところより徐々に低くなっている。そして、中間部21cのうちで最も低くなる部分において前記他端部21bに繋がっている。
他端部21bの幅寸法は、底面視において中間部21cの幅寸法と同じでかつ、その延在方向に沿って一定である。また、他端部21bは、縦断面視した場合の高さがその延在方向に沿って一定であるが、中間部21cとの接続部分では、他端部21bから中間部21cに向かうにつれて高さが徐々に低くなっている。
側壁面22は、縦断面視で、矩形状に形成された一端部22aと、同じく矩形状に形成された他端部22bと、これら一端部22a及び他端部22b間を繋ぎ緩やかなS字形状をなす中間部22cと、を有する。なお、一端部22a、中間部22c、他端部22bは、それぞれ、上型20内に形成された凹溝の一部を構成する内壁面を示す。
一端部22aは、前記一端部21aの側縁より鉛直下方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、一端部22aの高さ寸法は、中間部22cとの接続部分において、一端部22aから中間部22cに向かって徐々に大きくなっている。
中間部22cは、前記中間部21cの側縁より鉛直下方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で略一定である。
他端部22bは、前記他端部21bの側縁より鉛直下方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、他端部22bの高さ寸法は、中間部22cとの接続部分において、他端部22bから中間部22cに向かって徐々に小さくなっている。
側壁面23は、縦断面視で、矩形状に形成された一端部23aと、同じく矩形状に形成された他端部23bと、これら一端部23a及び他端部23b間を繋ぎ緩やかなS字形状をなす中間部23cと、を有する。なお、一端部23a、中間部23c、他端部23bは、それぞれ、上型20内に形成された凹溝の一部を構成する内壁面を示す。
一端部23aは、前記一端部21aの他方の側縁より鉛直下方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、一端部23aの高さ寸法は、中間部23cとの接続部分において、一端部23aから中間部23cに向かって徐々に大きくなっている。
中間部23cは、前記中間部21cの他方の側縁より鉛直下方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で略一定である。
他端部23bは、前記他端部21bの他方の側縁より鉛直下方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、他端部23bの高さ寸法は、中間部23cとの接続部分において、他端部23bから中間部23cに向かって徐々に小さくなっている。
図4(b)に示すように、下型30は、上型20の下方に配置された下壁面31と、その両側縁より下方に向かって形成された一対の側壁面32,33とを有する。
下壁面31は、平面視で、矩形状に形成された一端部31aと、同じく矩形状に形成された他端部31bと、これら一端部31a及び他端部31b間を繋ぎ緩やかなS字形状をなす中間部31cと、を有する。なお、一端部31a、中間部31c、他端部31bは、それぞれ、下型30内に形成された凹溝の一部を構成する内壁面を示す。
一端部31aと中間部31cとの境目位置に、第2金型穴31dが形成されている。この第2金型穴31dは、一端部31aの幅方向中央位置において下壁面31に対し直交する軸線CL2を中心とする貫通穴である。言い換えれば、第2金型穴31dは、軸線CL2を中心とする円形を有し、下壁面31をその板厚方向に貫く穴である。第2金型穴31dは、前記第1下穴W1d及び第2下穴W2dよりも内径が大きく、かつ前記第1金型穴21dと同じ内径を有する。また、一端部31aは、縦断面視した場合の高さがその延在方向に沿って一定である。
さらに、下壁面31には、第2金型穴31dに連なりその下方に向かって延在する円筒面31eが一体に形成されている。この円筒面31eは、第2金型穴31dと同軸かつ同じ内径を有する。すなわち、円筒面31eは、第2下穴W2dよりも大きめの内径寸法を有する。
中間部31cは、平面視において幅寸法が一端部31aの幅寸法よりも少し小さくかつ、その延在方向に沿って一定である。平面視で、一端部31aと中間部31cとの接続部分においてはその幅寸法が一端部31aから中間部31cに向かって緩やかに小さくなっている。また、中間部31cは、縦断面視した場合の高さが一端部31aとの接続部分から離れるに従って徐々に高くなり、その頂部を超えたところより徐々に低くなっている。そして、中間部31cのうちで最も低くなる部分において前記他端部31bに繋がっている。
他端部31bの幅寸法は、平面視において中間部31cの幅寸法と同じでかつ、その延在方向に沿って一定である。また、他端部31bは、縦断面視した場合の高さがその延在方向に沿って一定であるが、中間部31cとの接続部分では、他端部31bから中間部31cに向かうにつれて高さが徐々に高くなっている。
側壁面32は、縦断面視で、矩形状に形成された一端部32aと、同じく矩形状に形成された他端部32bと、これら一端部32a及び他端部32b間を繋ぎ緩やかなS字形状をなす中間部32cと、を有する。なお、一端部32a、中間部32c、他端部32bは、それぞれ、下型30内に形成された凹溝の一部を構成する内壁面を示す。
一端部32aは、前記一端部31aの側縁より鉛直上方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、一端部32aの高さ寸法は、中間部32cとの接続部分において、一端部32aから中間部32cに向かって徐々に大きくなっている。
中間部32cは、前記中間部31cの側縁より鉛直上方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で略一定である。
他端部32bは、前記他端部31bの側縁より鉛直上方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、他端部32bの高さ寸法は、中間部32cとの接続部分において、他端部32bから中間部32cに向かって徐々に小さくなっている。
側壁面33は、縦断面視で、矩形状に形成された一端部33aと、同じく矩形状に形成された他端部33bと、これら一端部33a及び他端部33b間を繋ぎ緩やかなS字形状をなす中間部33cと、を有する。なお、一端部33a、中間部33c、他端部33bは、それぞれ、下型30内に形成された凹溝の一部を構成する内壁面を示す。
一端部33aは、前記一端部31aの他方の側縁より鉛直上方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、一端部33aの高さ寸法は、中間部33cとの接続部分において、一端部33aから中間部33cに向かって徐々に大きくなっている。
中間部33cは、前記中間部31cの他方の側縁より鉛直下上方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で略一定である。
他端部33bは、前記他端部31bの他方の側縁より鉛直上方に向かって形成され、その高さ寸法が延在方向の各位置で一定である。ただし、他端部33bの高さ寸法は、中間部33cとの接続部分において、他端部33bから中間部33cに向かって徐々に小さくなっている。
以上説明の構成を有する上壁面21及び下壁面31は、前記中間部品Wの外形寸法よりも少しだけ大きめの内形寸法を有しており、バーリング加工を行う際、図3に示すように、中間部品Wをその上下より挟み込んで保持する。その際、各軸線CL,CL1,CL2が同軸をなす。すなわち、平面視において、第1金型穴21d、第1下穴W1d、第2下穴W2d、第2金型穴31d、円筒面31eが、上から下に向かってこの順に同軸配置される。また、一端部22a,32a間が隙間無く合致する。同様に、中間部22c,32c間が隙間無く合致する。同様に、他端部22b,32b間が隙間無く合致する。さらに、一端部23a,33a間は、互いに隙間無く合致する。同様に、中間部23c,33c間も、互いに隙間無く合致する。同様に、他端部23b,33b間も、互いに隙間無く合致する。
クッション40は、図2に示すように、下型30を上下方向にガイドするガイドシャフト41と、下型30を上方の上型20に向けて付勢するスプリング42と、ストッパ43とを有する。
金型駆動部50は、上型20及び下型30間の開閉動作、及び、これら上型20及び下型30の双方を下方に向かわせる押し下げ動作を行う。より具体的に言うと、金型駆動部50は上型20に接続されており、上型20を、油圧駆動又はモータ駆動により上下動させる。下型30上に中間部品Wを載置した状態で、金型駆動部50によって上型20を押し下げると下型30に合致する。そして、金型駆動部50の押し下げ力により、上型20及び下型30をスプリング42の付勢力に抗して押し下げていき、下型30の底面がストッパ43に当接することで、中間部品Wを上下方向の定位置に保持固定することができる。
なお、上型20及び下型30が比較的大きい場合には、上型20及び下型30をクッション40によって上方に付勢する代わりに、下型30内に図示しないクッション(スプリング等の付勢部材)を配置しておき、このクッションにより中間部品Wを押し上げるようにしてもよい。この場合も、図5等を用いて後述する中子外し工程において、バーリング加工穴Wb1を形成する円形壁面から、上中子80を確実に外すことができる。
バーリングパンチユニット60は、図2に示すように、バーリングパンチ61と、パンチ駆動部62(第2駆動機構)とを有する。
図3に示すように、バーリングパンチ61は、上下方向に軸線を持つ円柱形状の外形を有する。バーリングパンチ61の外径寸法は、前記第1金型穴21d、前記第2金型穴31d、前記円筒面31eの内径寸法に対して所定クリアランス分だけ小さめになっている。一方、バーリングパンチ61の外径寸法は、前記第1下穴W1d及び前記第2下穴W2dの内形寸法よりも大きめになっている。この外径寸法及び内形寸法間の径寸法差の部分をバーリングパンチ61によって下方に倒すことにより、所定高さのバーリング加工穴が形成される。
図2に示すように、パンチ駆動部62は、バーリングパンチ61に接続されており、油圧駆動又はモータ駆動によりバーリングパンチ61を上下動させる。
中子ユニット70は、図2に示すように、上中子80(第1分割中子)、下中子90(第2分割中子)、中子駆動部100(第1駆動機構)を有する。
上中子80は、図3に示すように、略矩形の平板である基部81と、この基部81の先端側に連なり平面視において先細りとなる先端部82とを有する。先端部82は平面視で台形をなしており、基部81から離れるに従ってその幅寸法が狭くなっている。基部81と先端部82は、同一かつ一定の板厚寸法を有する。そして、これら基部81と先端部82との境目の位置に、板厚方向に貫く円形の貫通穴83(第1中子穴)が形成されている。貫通穴83の内径寸法は、第1金型穴21dの内径寸法よりも大きく、なおかつ第1下穴W1dの内径寸法及び第2下穴W2dの内径寸法よりも大きい。
下中子90は、上中子80と略同一形状を有している。すなわち、図3に示すように、下中子90は、略矩形の平板である基部91と、この基部91の先端側に連なり平面視において先細りとなる先端部92とを有する。先端部92は平面視で台形をなしており、基部91から離れるに従ってその幅寸法が狭くなっている。基部91と先端部92は、同一かつ一定の板厚寸法を有する。そして、これら基部91と先端部92との境目の位置に、板厚方向に貫く円形の貫通穴93(第2中子穴)が形成されている。貫通穴93の内径寸法は、貫通穴83の内径寸法と同じである。すなわち、貫通穴93の内径寸法は、第1金型穴21dの内径寸法よりも大きく、なおかつ第1下穴W1dの内径寸法及び第2下穴W2dの内径寸法よりも大きい。下中子90の厚みは、上中子80の厚みと同じである。
下中子90の上に上中子80を隙間無く重ね合わせた状態での、外形の最大幅寸法は、図1に示した前記幅寸法w以上になっている。同様に、外形の最大高さ寸法は、図1に示した前記高さ寸法h以上になっている。
上中子80及び下中子90を互いに重ね合わせた状態で、貫通穴83,93の軸線を含んでかつ上中子80及び下中子90の挿抜方向に直交する断面での、上中子80及び下中子90を重ね合わせた外形の周長の最大値をC1とする。そして、中間部品Wにおける第1下穴W1d及び第2下穴W2dの軸線CLを含んでかつ上中子80及び下中子90の挿抜方向に直交する断面での、中間部品Wの内周面における周長の最大値をC2とする。この場合、上中子80及び下中子90の周長C1が、中間部品Wの周長C2よりも長くなっている。例えば、C1/C2の上限値として1.25、C1/C2の下限値として1.00、より好ましくは1.02を採用することができる。
図3及びその変形例である図8に示すように、上中子80と下中子90とでは、それらの両側部の形状が互いに異なっている。
すなわち、上中子80の両側部は、挿抜方向に直交する断面形状が上縁及び下縁ともに、挿抜方向に沿った各位置で凸型のアール形状を有している(図8の符号R1,R2参照)。これらアール形状のうち、上縁の方に形成されたアール形状(符号R1)により、上中子80の上面を中間部品Wの一端部W1aの下面に対して隙間無く当接させることができる。すなわち、図1に示したように、中間部品Wの内部空間を形成する4壁面間の各角部は、凹型のアール形状を有している。上中子80を中間部品Wに挿入した際、この凹型のアール形状に対して上中子80の凸型のアール形状が合致するため、上中子80の上面が中間部品Wの一端部W1aの下面に対して隙間無く当接できる。
また、上中子80の詳しい使い方については後述するが、上中子80を中間部品W内より引き抜く際、上中子80に対して中間部品Wを相対的に上方に移動させる。この時、下縁の方に形成されたアール形状(符号R2)により、上中子80の下面を中間部品Wの一端部W2aの上面に対して隙間無く当接させることができる。すなわち、上中子80に対して中間部品Wを上方に移動させた際、中間部品Wの凹型のアール形状に対して上中子80の凸型のアール形状(符号R2)が合致するため、上中子80の下面が中間部品Wの一端部W2aの上面に対して隙間無く当接できる。これにより、上中子80を中間部品Wより引き抜く際の、中間部品W内における上中子80の高さ位置を最も低く出来る。中間部品W内における上中子80の高さ位置が低くなることにより、後述するバーリング加工穴Wb1から上中子80を遠ざけることができる。よって、バーリング加工穴Wb1の高さ寸法を大きくすることが可能である。
加えて、上中子80の両側部の上縁及び下縁を直角形状とする場合に比べて、アール形状(符号R1,R2)を採用することにより、中間部品Wの内側面が上縁及び下縁との擦れにより傷ついてしまうことも防げる。
一方、下中子90の両側部は、挿抜方向に直交する断面形状が、挿抜方向の各位置において、上縁では直角形状(図8の符号E1参照)を有し、下縁では凸型のアール形状(図8の符号R3参照)を有している。
凸型のアール形状(符号R3)により、下中子90の下面を中間部品Wの一端部W2aの上面に対して隙間無く当接させることができる。すなわち、下中子90を中間部品Wに挿入した際、前記凹型のアール形状に対して下中子90の凸型のアール形状が合致するため、下中子90の下面が中間部品Wの一端部W2aの上面に対して隙間無く当接できる。 一方、下中子90の上縁を直角形状(符号E1)とすることにより、中間部品Wの内側面との当接面積を大きくとることができる。これにより、中間部品Wの両側壁をより確実に上型20及び下型30の内側面に押し付けることが可能である。なお、下中子90を中間部品W内に入れたまま中間部品Wを相対的に上下動させることはないので、直角形状(符号E1)を有していても、中間部品Wの内側面を傷つけることがない。
図2に示すように、中子駆動部100は、上中子80を中間部品Wに対して水平方向に沿って挿抜させる上中子駆動部101と、下中子90を中間部品Wに対して水平方向に挿抜させる下中子駆動部102とを備える。これら上中子駆動部101及び下中子駆動部102は、油圧またはモータを駆動源とする。
前記金型駆動部50、前記パンチ駆動部62、上中子駆動部101、下中子駆動部102は、制御部110によって個別に制御される。
以上説明の構成を有するバーリング加工装置を用いたバーリング加工方法について、図5~図7を用いて工程毎に説明する。
なお、本バーリング加工方法を行う前に、準備工程が行われる。この準備工程では、直管形状を有する素管対し、プレス加工を加え、その後にピアッシング加工を加えることにより、図1に示した形状の中間部品Wを得る。この中間部品Wに対し、以下に説明するバーリング加工方法によってバーリング加工が行われる。
[拘束工程]
前記準備工程に続く拘束工程では、図5(a)に示すように、下型30の凹溝内に中間部品Wを配置する。その際、中間部品Wの第1下穴W1d及び第2下穴W2dと、第2金型穴31dとが同軸をなすように、中間部品Wを位置決めする。この時点の下型30はスプリング42の付勢力によって押し上げられているため、ストッパ43から離間している。
続いて、図5(b)及び図2に示すように、下型30の上方に配置された上型20を金型駆動部50の駆動力により鉛直下方に向かって押し下げていく。すると、上型20が下型30に対して合致し、同時に、上型20及び下型30によってこれらの内部に形成される空間内に、中間部品Wが保持される。
金型駆動部50の駆動力をさらに増していくと、上型20,中間部品W,下型30が一体となって、ガイドシャフト41に案内されながら、スプリング42の付勢力に抗して押し下げられていく。そして、下型30の下面がストッパ43の上面に当接して支持されることにより、上型20,中間部品W,下型30が定位置に固定される。この時、中間部品Wの一端部W1a,W2a間に形成される入口空間の高さ位置と、互いに重ね合わされた上中子80及び下中子90の高さ位置とが一致している。このように、中間部品Wが上型20及び下型30間に拘束された状態のまま、その高さ位置が固定される。また、第1金型穴21d,第1下穴W1d,第2下穴W2d,第2金型穴31dが互いに同軸をなしている。
[中子挿入工程]
上記拘束工程に続く中子挿入工程では、上中子80及び下中子90を一体に重ね合わせたまま、上中子駆動部101及び下中子駆動部102を同期して駆動する。すると、図5(b)の状態から図5(c)の状態に示すように、上中子80及び下中子90が、中間部品Wの一端部W1a,W2a間に形成される入口空間内に圧入されていく。そして、貫通穴83,93が第1金型穴21d,第1下穴W1d,第2下穴W2d,第2金型穴31dと同軸位置に至ったときに、上中子駆動部101及び下中子駆動部102による駆動を止める。
本工程により、中間部品Wの一端部W1aの内壁面が上中子80の外壁面によって押圧され、同一端部W1aの外壁面が上型20の一端部21aに隙間無く密着する。同様に、一端部W2aの外壁面が下型30の一端部31aに隙間無く密着する。さらに、一端部W3aの外壁面が上型20の一端部22a及び下型30の一端部32aに隙間無く密着する。同様に、一端部W4aの外壁面が上型20の一端部23a及び下型30の一端部33aに隙間無く密着する。このようにして、中間部品Wの一端部W1a,W2a,W3a,W4aが弾性変形する。なお、必要に応じて、中間部品Wの一端部W1a,W2a,W3a,W4aを、弾性変形を超えて塑性変形(例えば拡管率で言うと1%~2%の塑性変形)させてもよい。
以上により、一端部W1aが一端部21a及び上中子80間に挟み込まれ、一端部W2aが一端部31a及び下中子90間に挟み込まれる。
[バーリング工程]
上記中子挿入工程に続くバーリング工程では、図5(d)及び図2に示すように、バーリングパンチ61をパンチ駆動部62の駆動力によって押し下げていく。バーリングパンチ61は、第1金型穴21d,第1下穴W1d,第2下穴W2d,第2金型穴31dをこの順に通過していき、その過程でバーリング加工穴が形成される。
この過程の詳細について、図6を用いて説明する。
まず、図6(a)は、図5(c)の状態における要部拡大断面図である。この状態では、バーリングパンチ61が、第1金型穴21d,第1下穴W1d,貫通穴83,貫通穴93,第2下穴W2d,第2金型穴31dの上方に同軸配置されている。バーリングパンチ61の圧入はまだ開始されていない。
続く図6(b)では、パンチ駆動部62を駆動させてバーリングパンチ61を押し下げていき、そして上壁W1のうち、第1下穴W1dの周囲部分を下方に向かって折り曲げていく。この折り曲げの過程において、上壁W1はその上下面を上型20と上中子80との間に挟持されているため、上壁W1に撓みを生じることがない。そして、上壁W1のうち、上中子80によって支持されていない部分がバーリングパンチ61の押圧力を受け、貫通穴83の形状に沿うように折り曲げられていく。
続く図6(c)では、バーリングパンチ61が第1下穴W1dを完全に貫通し、バーリング加工穴Wb1が上壁W1に形成される。バーリング加工穴Wb1は、上下方向に所定の幅寸法を持つ円形壁面によって形成される。同円形壁面の高さ寸法は、その周方向の各位置で略一定である。
バーリングパンチ61は、バーリング加工穴Wb1を形成した後、今度は下壁W2のうち、第2下穴W2dの周囲部分を下方に向かって折り曲げていく。この折り曲げの過程において、下壁W2はその上下面を下型30と下中子90との間に挟持されているため、下壁W2に撓みを生じることがない。そして、下壁W2のうち、下型30によって支持されていない部分がバーリングパンチ61の押圧力を受け、第2金型穴31d及び円筒面31eの形状に沿うように折り曲げられていく。
続く図6(d)では、バーリングパンチ61が第2下穴W2dを完全に貫通し、バーリング加工穴Wb2が下壁W2に形成される。バーリング加工穴Wb2は、上下方向に所定の高さ寸法を持つ円形壁面によって形成される。同円形壁面の高さ寸法は、その周方向の各位置で略一定である。バーリング加工穴Wb1,Wb2は、互いに同じ内径と同じ高さ寸法を有し、そして互いに同軸配置されている。
このようにして形成されたバーリング加工穴Wb1,Wb2を図7(a)に示すが、本発明は、上壁W1及び下壁W2の双方にバーリング加工をする形態のみに限られない。例えば、第2下穴W2dの内径を第1下穴W1dよりも予め大きくしておき、バーリングパンチ61が当たらずに通過できるような中間部品Wを前記準備工程で用意しておくこともできる。この場合、図7(b)の変形例に示すように、上壁W1及び下壁W2のうちの一方である上壁W1のみにバーリング加工を施し、他方である下壁W2は第2下穴W2dのままとすることができる。
図6(d)は、図5(d)における時点と同じである。図5(d)に続く図5(e)では、前記パンチ駆動部62の駆動力によりバーリングパンチ61を上方に移動させ、中間部品Wより完全に引き抜く。この時点では、図6(d)に示したように、上中子80がバーリング加工穴Wb1を形成する壁体の外周面に係止しており、上中子80を中間部品Wより引き抜くことが出来ない。
[中子外し工程]
そこで、バーリングパンチ61を引き抜いた後、今度は図5(e)に示すように、上中子80はそのまま残した状態で、下中子90のみを先に中間部品Wから引き抜く(矢印P1参照)。続いて、図2に示した金型駆動部50の押し下げ力を少し弱める。これにより、上型20,中間部品W,下型30が一体となってガイドシャフト41に案内されながら、スプリング42の付勢力によって押し上げられ、ストッパ43の上面から離れる。すなわち、図5(e)の矢印P2に示すように、中間部品Wが上方に少しだけ持ち上げられる。このときの上昇高さとしては、バーリング加工時の高さ位置を基準(ゼロ)として、バーリング加工穴Wb1の最大高さ寸法よりも高く、なおかつ、下中子90の厚み寸法を超えないようにする必要がある。前記上昇高さがバーリング加工穴Wb1の最大高さ寸法よりも低いと、後の工程で上中子80を中間部品Wより引き抜くことができない。逆に、前記上昇高さが下中子90の厚み寸法を超えると、上中子80の下面が下壁W2の上面によって過度に押し上げられる。すると、上中子80が傾いて抜けなくなったり、または、上中子80を駆動する上中子駆動部101に不要な曲げモーメントを加えたりする虞がある。よって、前記上昇高さとしては、上述の範囲とする必要がある。
中間部品Wが上方に持ち上げられたことにより、図6(d)を参照すると、上中子80を残してその他が紙面上方に移動するので、バーリング加工穴Wb1を形成する壁体も紙面上方に移動する。その結果、バーリング加工穴Wb1を形成する壁体が上中子80の貫通穴83から自然に抜け出て、係止状態が解かれる。この状態で残っている上中子80を中間部品Wより引き抜くことで、中子外し工程が完了する。
[製品取り出し工程]
中子外し工程に続く製品取り出し工程では、図2に示した金型駆動部50の駆動力によって上型20を下型30から離間させることで型開きが行われ、バーリング加工を終えた中間部品Wを取り出すことが出来る。
以上により、本第1実施形態のバーリング加工装置を用いたバーリング加工方法の各工程が完了する。
本第1実施形態では、管材からなる中間部品Wが予め準備されている状態より、バーリング加工を始めるバーリング加工方法について説明した。一方、このバーリング加工方法を用いたバーリング工程と、このバーリング工程の前に管材を加工して中間部品Wを得る準備工程と、を含むバーリング加工部品製造方法を採用してもよい。
この場合、準備工程では、直線状の管材(円筒形状あるいは矩形筒状の鋼管)を所定の長さに切断した後、プレス加工、曲げ加工、ピアッシング加工などを加えることで、図2に示した中間部品Wを得る。さらに、この準備工程に続いて、図5で説明したバーリング加工方法によるバーリング工程を行うことにより、バーリング加工部品が得られる。
以下に、本第1実施形態の骨子を纏める。
このバーリング加工方法は、互いに対向する上壁W1及び下壁W2を有する中間部品Wに対し、上壁W1に形成された第1下穴W1dと下壁W2に形成されて第1下穴W1dと同軸をなす第2下穴W2dとのうち、第1下穴W1dのみ、又は、第1下穴W1d及び第2下穴W2dの双方、に対してバーリング加工穴Wb1(又はWb1,Wb2)を形成する方法であって、第1金型穴21dを有し上壁W1の外壁面に当たる上型20と、第2金型穴31dを有し下壁W2の外壁面に当たる下型30との間に、第1金型穴21d、第1下穴W1d、第2下穴W2d、第2金型穴31d、が互いに同軸をなすように、上型20及び下型30を拘束する拘束工程と;貫通穴83を有する上中子80及び貫通穴93を有する下中子90を、貫通穴83と貫通穴93とが互いに同軸をなすように重ね合わせた状態で、貫通穴83及び貫通穴93が第1金型穴21d及び第2金型穴31dと同軸の位置に至るまで上壁W1及び下壁W2間に圧入することで、上壁W1が上型20に密着し下壁W2が下型30に密着するように、上壁W1及び下壁W2を弾性変形させる中子挿入工程と;第1金型穴21dよりバーリングパンチ61を通して、第1下穴W1dのみ、又は、第1下穴W1d及び第2下穴W2dの双方に、バーリング加工を施すバーリング工程と;上中子80を残したまま下中子90を上壁W1と下壁W2との間から引き抜き、上中子80と上型20との間の相対位置をずらして、上壁W1に形成されたバーリング加工穴Wb1から上中子80を離間させ、上中子80を上壁W1と下壁W2との間から引き抜く、中子外し工程と;を有する。
前記中子外し工程で前記相対位置をずらす際、上中子80の位置を固定し、上型20及び下型30の方を移動させてもよい。逆に、中子外し工程で前記相対位置をずらす際、上型20及び下型30の方を固定し、上中子80の方を移動させてもよい。この場合、上中子駆動部101を下げることによって上中子80を下げ、これにより上中子80を、バーリング加工穴Wbを形成する壁体より外すことになる。
前記中子挿入工程で、上中子80及び下中子90の挿入により、上壁W1及び下壁W2を、前記弾性変形を超えて塑性変形させてよい。
管材を加工して中間部品Wを得る準備工程と;中間部品Wに対して前記バーリング加工方法によるバーリング加工を行って、中間部品Wからバーリング加工部品を得るバーリング工程と;を有するバーリング加工部品製造方法を採用してもよい。このバーリング加工部品製造方法によれば、リンク部が薄くてもバーリング加工穴の加工精度が高いバーリング加工部品を製造することができる。
前記中子挿入工程で、中間部品Wの長手方向の管端開口より、上中子80(第1分割中子)及び下中子90(第2分割中子)の組み合わせを同軸に圧入してもよい。本第1実施形態のように、中間部品Wが管材からなる場合に、その管端開口を利用して上中子80及び下中子90を挿抜できる。
本実施形態のバーリング加工装置は、互いに対向する上壁W1及び下壁W2を有する中間部品Wに対し、上壁W1に形成された第1下穴W1dと下壁W2に形成されて第1下穴W1dと同軸をなす第2下穴W2dとのうち、第1下穴W1dのみ、又は、第1下穴W1d及び第2下穴W2dの双方、に対してバーリング加工穴Wb1(又はWb1,Wb2)を形成する装置であって、第1金型穴21dを有し上壁W1の外壁面に対向する上型20、及び、第2金型穴31dを有し下壁W2の外壁面に対向する下型30と;貫通穴83を有する上中子80、及び、貫通穴93を有し上中子80に対してスライド自在に重ね合わされた下中子90と;上中子80及び下中子90を個別に、上型20及び下型30間に挿抜する中子駆動部100と;第1金型穴21d、貫通穴83、貫通穴93、第2金型穴31d、が同軸にある状態で、第1金型穴21dより挿抜されるバーリングパンチ61と;バーリングパンチ61を第1金型穴21dより挿抜させるパンチ駆動部62と;上型20及び下型30間の開閉動作、及び、上中子80に対する上型20及び下型30の、バーリングパンチ61の挿抜方向に沿った相対移動、を行う金型駆動部50と;中子駆動部100、パンチ駆動部62、及び金型駆動部50、のそれぞれを制御する制御部110と;を備え、貫通穴83及び貫通穴93が同軸をなすように上中子80及び下中子90を重ね合わせた状態で、少なくとも、上中子80及び下中子90の重ね合わせ方向における外形寸法の和が、上壁W1及び下壁W2間の隙間間隔よりも大きい。
金型駆動部50が、下型30を、上型20に向かって付勢するクッション40と;上型20を、クッション40の付勢力に抗して下型30に向かって押し付け可能な金型駆動部50と;を備えてもよい。
上中子80及び下中子90を互いに重ね合わせた状態で、貫通穴83及び貫通穴93の軸線を含んでかつ上中子80及び下中子90の挿抜方向に直交する断面での、上中子80及び下中子90を重ね合わせた外形の周長が、中間部品Wにおける第1下穴W1d及び第2下穴W2dの軸線を含んでかつ上中子80及び下中子90の挿抜方向に直交する断面での、中間部品Wの内周面における周長より長くてもよい。
図3に示したように、上型20(第1金型)及び下型30(第2金型)のそれぞれが、中間部品Wを受け入れる凹部の長手方向の端部に、上中子80及び下中子90を挿抜する第1開口を有してもよい。この第1開口は、図3に示す上開口20Aと下開口30Aとの組み合わせによって形成される。本第1実施形態のように、中間部品Wが管材からなる場合に、前記第1開口を出入り口として、中間部品Wの管端開口に上中子80及び下中子90を挿抜できる。
以上に説明した第1実施形態は一例であり、その趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態では、上中子80を中間部品Wより引き抜く際、中間部品Wの方を持ち上げるものとしたが、この形態のみに限られない。逆に、中間部品Wの高さ位置を固定した上で上中子80を降下させてから引き抜く構成も採用可能である。さらには、中間部品Wを持ち上げると同時に上中子80を降下させてから、上中子80を引き抜く構成も採用可能である。
また、図8に示すように、上中子80と下中子90とを一体に重ね合わせた際の相対的な位置ずれを防ぐために、キー溝を両者間に設けてもよい。図8の形態では、上中子80の下面に一対の凹溝84を形成し、下中子90の上面に一対の凸部94を形成している。各凸部94はそれぞれ凹溝84に嵌め込まれており、紙面垂直方向に沿って互いに相対移動自在となっている。なお、上中子80は、中間部品W内より引き抜かれる際に、中間部品W内での高さを出来るだけ低くする必要がある。そのため、上中子80の下面に一対の凸部94を形成し、下中子90の上面に一対の凹溝84を形成する組み合わせの場合よりも、図8に示す形態の方が好ましい。
上記第1実施形態では、下穴W1d,W2dとバーリング加工穴Wb1,Wb2とが円形である場合を例に説明したが、円形以外であってもよい。
また、上記実施形態では、下穴W1d,W2dが互いに同一の内径寸法を有し、バーリング加工穴Wb1,Wb2が互いに同一の内径寸法を有する場合について説明した。しかし、この形態のみに限らず、下穴W1d,W2dが互いに異なる内径寸法を有し、バーリング加工穴Wb1,Wb2が互いに異なる内径寸法を有してもよい。この場合、前記バーリングパンチ61の先端形状を先細りの円錐台形状としたり、大小の二段形状としたりすることで、内径寸法差を有するバーリング加工穴Wb1,Wb2を加工することができる。
中間部品Wは、バーリング加工後のものを製品として用いても良いし、または、さらなる加工を施した上で製品としてもよい。このような製品としては、例えば自動車のアーム(リンク)がある。
上記第1実施形態では、管材を加工して得た中間部品Wを準備してバーリング加工を行った。しかし、中間部品は管材のみに限らず、板材を加工して得たものを用いてもよい。図9に、板材からなる中間部品に対して上記第1実施形態で説明したバーリング加工方法を用いて製造したバーリング加工部品の一例を示す。
このバーリング加工部品は、互いに対向する上壁W1及び下壁W2と、これら上壁W1及び下壁W2の両側縁間を接続する一対の側壁W3,W4とを備えている。側壁W3は、その高さ方向中央位置においてバーリング加工部品の長手方向に沿って形成された接合線wl1を境として、上側壁W31と下側壁W32とに分かれている。同様に、側壁W4も、その高さ方向中央位置においてバーリング加工部品の長手方向に沿って形成された接合線wl2を境として、上側壁W41と下側壁W42とに分かれている。そして、上壁W1の両側縁に対して上側壁W31,W41の各上縁が一体に連なっている。同様に、下壁W2の両側縁に対して下側壁W32,W42の各下縁が一体に連なっている。
このようなバーリング加工部品を製造する場合には、まず、平板素材(鋼板)から所定形状を持つ2枚の平板部品を型抜きする。この時、型抜きと同時に第1下穴W1d及び第2下穴W2dを形成してもよい。続いて、型抜きした2枚の平板部品それぞれをプレス加工して一対の分割部品SP1,SP2を製造する。これらのうち、一方が、上壁W1及び上側壁W31,W41を有する分割部品SP1であり、他方が、下壁W2及び下側壁W32,W42を有する分割部品SP2となる。このようにして得た一対の分割部品SP1,SP2を、接合線wl1,wl2において突き合わせた状態にアーク溶接等することで、板材からなる中間部品Wが得られる。なお、第1下穴W1d及び第2下穴W2dを型抜き時に形成する代わりに、溶接後に形成してもよい。
さらに、この中間部品Wに対して上述したバーリング加工方法を用いたバーリング工程を行うことで、図9に示すバーリング加工部品が得られる。なお、分割部品SP1,SP2間の溶接は、突き合わせ溶接のみに限らず、例えば図10に示す重ね溶接としてもよい。この重ね溶接では、上側壁W31の下端側面と下側壁W32の上端側面とを互いに重ね合わせた状態で溶接し、同様に、上側壁W41の下端側面と下側壁W42の上端側面とを互いに重ね合わせた状態で溶接する。これにより、板材からなる中間部品Wが得られる。この重ね溶接の場合、分割部品SP1,SP2間を溶接する際の両部品間の組み付け精度が、突き合わせ溶接の場合に比べて高いという利点がある。
[第2実施形態]
続いて、本発明のバーリング加工方法、バーリング加工部品製造方法、及びバーリング加工装置の第2実施形態について以下に説明する。以下の説明においては、上記第1実施形態との相違点を主に説明し、その他については上記第1実施形態と同じであるとしてその重複説明を省略する。
まず、図11を用いて本実施形態の中間部品W100を説明する。図11において、(a)がバーリング加工前の中間部品W100で、(b)がバーリング加工後に得られるバーリング加工部品を示す。
図11(a)に示すように、本実施形態の中間部品W100は、板材を所定形状に型抜きして平板部品を得た後、この平板部品を断面U字状に折り曲げて得たものである。中間部品W100は、同一のS字形状を有する上壁W101及び下壁W102と、これら上壁W101及び下壁W102間を繋ぐ側壁W103,W104とを備える。
上壁W101及び下壁W102は、それぞれ平板であり、互いに平行をなしている。上壁W101及び下壁W102のそれぞれに、互いに同軸をなすように一対の第1下穴W101d及び第2下穴W102dが形成されている。第1下穴W101d及び第2下穴W102dは、同一の内径を有している。上壁W101の長手方向に沿う両側縁のうちの一方と、下壁W102の長手方向に沿う両側縁のうちの一方とが、側壁W103を介して一体に連なっている。一方、上壁W101の長手方向に沿う両側縁のうちの他方と、下壁W102の長手方向に沿う両側縁のうちの他方との間は繋がっていない。したがって、中間部品W100をその長手方向に垂直な断面で見た場合の形状が、U字の開断面形状になっている。すなわち、中間部品W100は、その上壁W101及び下壁W102間が部分的に離間した開断面形状を有している。
上壁W101と、側壁W103,W104との間の各接続箇所は、鉛直断面で見て、それぞれ直角になっている。同様に、下壁W102と、側壁W103,W104との間の各接続箇所も、鉛直断面で見て、それぞれ直角になっている。また、側壁W103,W104間の接続箇所も、平断面視して直角になっている。
中間部品W100の長手方向両端のうちの一端側は、上壁W101及び下壁W102間が繋がっていない。中間部品W100の長手方向両端のうちの他端側は、上壁W101及び下壁W102間が側壁W104によって繋がっている。側壁W104は、上壁W101及び下壁W102のうちの一方に対しては一体に連なり、他方に対しては溶接により接続されている。側壁W104を備えることにより、バーリング加工部品となって負荷を受けた際の上壁W101及び下壁W102間の開きを防ぐことができるので、バーリング加工部品の機械的強度を上げることができる。
図11(a)に示す中間部品W100に対して本実施形態のバーリング加工方法を用いたバーリング加工を行うことにより、図11(b)に示すように、バーリング加工穴Wb101,Wb102を備えるバーリング加工部品が得られる。このバーリング加工は、図2に示したバーリング加工装置を用いて行われる。ただし、本実施形態では、上型20及び下型30の代わりに、図12に示す上型120及び下型130を用いる。また、上中子80及び下中子90の代わりに、図12に示す上中子(第1分割中子)180及び下中子(第2分割中子)190を用いる。
上型120は、中間部品W100の上半分の外形に合致する形状の凹部120aを有している。この凹部120aは、側部開口120bを除き、その周囲が側壁120cによって覆われている。側部開口120bに隣接するように、上型120の上壁120dには第1金型穴121dが形成されている。第1金型穴121dの内径は、バーリングパンチ61の外径とほぼ同じでかつ、中間部品W100の第1下穴W101d及び第2下穴W102dの内径よりも大きい。
下型130は、中間部品W100の下半分の外形に合致する形状の凹部130aを有している。この凹部130aは、側部開口130bを除き、その周囲が側壁130cによって覆われている。側部開口130bに隣接するように、下型130の下壁130dには第2金型穴131dが形成されている。第2金型穴131dの内径は、バーリングパンチ61の外径とほぼ同じでかつ、中間部品W100の第1下穴W101d及び第2下穴W102dの内径よりも大きい。
上型120と下型130は、中間部品W100を間に挟んで上下より合致することにより、凹部120a,130aによって形成される空間内に中間部品W100を収容して固定する。この時、中間部品W100の側方周囲は、側壁120c,130cによって覆われるが、側部開口120b,130bの組み合わせた開口が1箇所形成されている。この開口は、中間部品W100の側部開口に通じており、上中子180及び下中子190を挿入可能としている。このように、上型120及び下型130のそれぞれが、中間部品Wを受け入れる凹部120a,130aの長手方向に交差する方向に、上中子180及び下中子190を挿抜する側部開口(第2開口)120b,130bを有する。
上述のように、中間部品W100は、その一端が側壁W104によって閉じられているため、中間部品W100の長手方向に沿ってその中に上中子180及び下中子190を圧入することができない。そのため、本実施形態では、中間部品W100の側部開口を利用して上中子180及び下中子190を圧入できるよう、上型120及び下型130に側部開口120b,130bを形成している。
上中子180及び下中子190は、平面視した場合の形状と、これらを中間部品W100に圧入する際の挿入方向とが、上記第1実施形態の上中子80及び下中子90と異なっている。それ以外の構成は、上記第1実施形態の上中子80及び下中子90と同じである。上中子180は貫通穴(第1中子穴)183を有し、下中子190は貫通穴(第2中子穴)193を有する。貫通穴183及び貫通穴193は、互いに同じ内径寸法を有する。
本実施形態のバーリング加工部品製造方法では、板材を加工して図11に示した中間部品W100を得る準備工程の後、バーリング工程を実施する。
バーリング工程では、まず、中間部品W100を図12に示す上型120及び下型130間に挟み込んで固定する。
続いて、上中子180及び下中子190を、側部開口120b,130bを介して中間部品W100の側部開口内に圧入する。そして、第1金型穴121d、第1下穴W101d、貫通穴183、貫通穴193、第2下穴W102d、第2金型穴131dが、上からこの順に同軸をなすように、上中子180及び下中子190を配置する。
続いて、バーリングパンチ61を、第1金型穴121d、第1下穴W101d、貫通穴183、貫通穴193、第2下穴W102d、第2金型穴131dの順に貫通させる。その結果、第1下穴W101d及び第2下穴W102dにバーリング加工が施される。その後、バーリングパンチ61を上方に移動させて引き抜く。
続いて、下中子190を先に引き抜いてから、上中子180を上型120及び下型130に対して相対的に下方に移動させる。これにより、上中子180がバーリング加工穴から外れるので、上中子180を引き抜く。
最後に、上型120及び下型130間を開いてバーリング加工部品を取り出すことで、バーリング工程が終了する。
なお、中間部品W100としては、各角部が鉛直断面で見て直角である形態のみに限らず、例えば図13(a)に示すように、各角部に面取りr100を有してもよい。この場合、得られるバーリング加工部品も、図13(b)に示すように、各角部に面取りr100を有する。
このような面取りr100を各角部に持つ中間部品W100のバーリング加工に際しては、用いる上型120及び下型130、ならびに上中子180及び下中子190も、図14に示すように各角部に面取りr101を備えたものを用いることが好ましい。
上記第1実施形態で説明した形状と同一の形状を持つ中間部品Wに対し、上記実施形態で説明したバーリング加工方法によってバーリング加工穴Wb1,Wb2を形成した場合についての、バーリング加工穴Wb1,Wb2における歪みを数値解析により求めた。数値解析の条件は以下の通りである。
前記幅寸法wは60mm、前記高さ寸法hは16mm、肉厚2.6mmとした。また、中間部品Wの素管引張強度は780MPaとした。この中間部品Wに対して本実施形態のバーリング加工方法により、バーリング穴径BD=40.0mm及びバーリング高さBH(片側)=7.0mmを有するバーリング穴を形成するケースについて、FEM解析した。
解析により、バーリング加工穴Wb1,Wb2の内周面における周方向歪みを求めた結果、以下のことが判明した。
すなわち、バーリング加工穴Wb1,Wb2に生じる最大周方向ひずみは32.5%であった。この数値は中間部品Wの素材のλ値を下回っており、割れなく成形可能であると確認された。
この結果より、上記第1実施形態のバーリング加工方法によりバーリング加工穴Wb1,Wb2を高い加工精度で割れなく得られることがわかった。
20,120 上型(第1金型)
21d,121d 第1金型穴
30,130 下型(第2金型)
31d,131d 第2金型穴
40 クッション(付勢部)
50 金型駆動部(第3駆動機構)
61 バーリングパンチ
62 パンチ駆動部(第2駆動機構)
80,180 上中子(第1分割中子)
83,183 貫通穴(第1中子穴)
90,190 下中子(第2分割中子)
93,193 貫通穴(第2中子穴)
100 中子駆動部(第1駆動機構)
110 制御部
W,W100 中間部品
W1,W101 上壁(第1壁部)
W1d,W101d 第1下穴
W2,W102 下壁(第2壁部)
W2d,W102d 第2下穴
Wb1,Wb2,Wb101,Wb102 バーリング加工穴
102a,130a 凹部
20A 上開口(第1開口)
30A 下開口(第1開口)
120b,130b 側部開口(第2開口)

Claims (12)

  1. 互いに対向する第1壁部及び第2壁部を有する中間部品に対し、前記第1壁部に形成された第1下穴と前記第2壁部に形成されて前記第1下穴と同軸をなす第2下穴とのうち、前記第1下穴のみ、又は、前記第1下穴及び前記第2下穴の双方、に対してバーリング加工穴を形成する方法であって、
    第1金型穴を有し前記第1壁部の外壁面に当たる第1金型と、第2金型穴を有し前記第2壁部の外壁面に当たる第2金型との間に、前記第1金型穴、前記第1下穴、前記第2下穴、前記第2金型穴、が互いに同軸をなすように、前記第1壁部及び前記第2壁部を拘束する拘束工程と;
    第1中子穴を有する第1分割中子及び第2中子穴を有する第2分割中子を、前記第1中子穴と前記第2中子穴とが互いに同軸をなすように重ね合わせた状態で、前記第1中子穴及び前記第2中子穴が前記第1金型穴及び前記第2金型穴と同軸の位置に至るまで前記第1壁部及び前記第2壁部間に圧入することで、前記第1壁部が前記第1金型に密着し前記第2壁部が前記第2金型に密着するように、前記第1壁部及び前記第2壁部を弾性変形させる中子挿入工程と;
    前記第1金型穴よりバーリングパンチを通して、前記第1下穴のみ、又は前記第1下穴及び前記第2下穴の双方に、バーリング加工を施すバーリング工程と;
    前記第1分割中子を残したまま前記第2分割中子を前記第1壁部と前記第2壁部との間から引き抜き、
    前記第1分割中子と前記第1金型との間の相対位置をずらして、前記第1壁部に形成された前記バーリング加工穴から前記第1分割中子を離間させ、
    前記第1分割中子を前記第1壁部と前記第2壁部との間から引き抜く、
    中子外し工程と;
    を有することを特徴とするバーリング加工方法。
  2. 前記中子外し工程で前記相対位置をずらす際、前記第1分割中子の位置を固定し、前記第1金型及び前記第2金型の方を移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のバーリング加工方法。
  3. 前記中子挿入工程で、前記第1分割中子及び前記第2分割中子の挿入により、前記第1壁部及び前記第2壁部を、前記弾性変形を超えて塑性変形させる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のバーリング加工方法。
  4. 管材を加工して前記中間部品を得る準備工程と;
    前記中間部品に対して請求項1~3の何れか1項に記載のバーリング加工方法によるバーリング加工を行って、前記中間部品からバーリング加工部品を得るバーリング工程と;
    を有することを特徴とするバーリング加工部品製造方法。
  5. 前記中子挿入工程で、前記中間部品の長手方向の管端開口より、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を同軸に圧入する
    ことを特徴とする請求項4に記載のバーリング加工部品製造方法。
  6. 板材を加工して前記中間部品を得る準備工程と;
    前記中間部品に対して請求項1~3の何れか1項に記載のバーリング加工方法によるバーリング加工を行って、前記中間部品からバーリング加工部品を得るバーリング工程と;
    を有することを特徴とするバーリング加工部品製造方法。
  7. 前記準備工程で、前記第1壁部及び前記第2壁部間が部分的に離間した開断面形状を持つ前記中間部品を得て;
    前記バーリング工程で、前記第1壁部及び前記第2壁部間の離間部分より、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を圧入する
    ことを特徴とする請求項6に記載のバーリング加工部品製造方法。
  8. 互いに対向する第1壁部及び第2壁部を有する中間部品に対し、前記第1壁部に形成された第1下穴と前記第2壁部に形成されて前記第1下穴と同軸をなす第2下穴とのうち、前記第1下穴のみ、又は、前記第1下穴及び前記第2下穴の双方に対してバーリング加工穴を形成する装置であって、
    第1金型穴を有し前記第1壁部の外壁面に対向する第1金型、及び、第2金型穴を有し前記第2壁部の外壁面に対向する第2金型と;
    第1中子穴を有する第1分割中子、及び、第2中子穴を有し前記第1分割中子に対してスライド自在に重ね合わされた第2分割中子と;
    前記第1分割中子及び前記第2分割中子を、前記第1金型及び前記第2金型間に挿抜する第1駆動機構と;
    前記第1金型穴、前記第1中子穴、前記第2中子穴、前記第2金型穴、が同軸にある状態で、前記第1金型穴より挿抜されるバーリングパンチと;
    前記バーリングパンチを前記第1金型穴より挿抜させる第2駆動機構と;
    前記第1金型及び前記第2金型間の開閉動作、及び、前記第1分割中子に対する前記第1金型及び前記第2金型の、前記バーリングパンチの挿抜方向に沿った相対移動、を行う第3駆動機構と;
    前記第1駆動機構、前記第2駆動機構、及び前記第3駆動機構、のそれぞれを制御する制御部と;
    を備え、
    前記第1中子穴及び前記第2中子穴が同軸をなすように前記第1分割中子及び前記第2分割中子を重ね合わせた状態で、少なくとも、前記第1分割中子及び前記第2分割中子の重ね合わせ方向における外形寸法の和が、前記第1壁部及び前記第2壁部間の隙間間隔よりも大きい
    ことを特徴とするバーリング加工装置。
  9. 前記第3駆動機構が、
    前記第2金型を、前記第1金型に向かって付勢する付勢部と;
    前記第1金型を、前記付勢部の付勢力に抗して前記第2金型に向かって押し付け可能な金型駆動部と;
    を備えることを特徴とする請求項8に記載のバーリング加工装置。
  10. 前記第1分割中子及び前記第2分割中子を互いに重ね合わせた状態で、前記第1中子穴及び前記第2中子穴の軸線を含んでかつ前記第1分割中子及び前記第2分割中子の挿抜方向に直交する断面での、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を重ね合わせた外形の周長が、
    前記中間部品における前記第1下穴及び前記第2下穴の軸線を含んでかつ前記第1分割中子及び前記第2分割中子の挿抜方向に直交する断面での、前記中間部品の内周面における周長よりも長い
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載のバーリング加工装置。
  11. 前記第1金型及び前記第2金型のそれぞれが、前記中間部品を受け入れる凹部の長手方向の端部に、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を挿抜する第1開口を有する
    ことを特徴とする請求項8~10の何れか1項に記載のバーリング加工装置。
  12. 前記第1金型及び前記第2金型のそれぞれが、前記中間部品を受け入れる凹部の長手方向に交差する方向に、前記第1分割中子及び前記第2分割中子を挿抜する第2開口を有する
    ことを特徴とする請求項8~10の何れか1項に記載のバーリング加工装置。
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