JP7424895B2 - バッテリパック - Google Patents

Description

本発明は、バッテリパックに関し、特に、バッテリおよび高電圧部品を備えたバッテリパックに関する。

電気自動車やハイブリッド自動車には、車両に駆動力を与えるモータを回転させるために、モータに電力を供給する大容量の車両用バッテリが搭載されている。この車両用バッテリは、十分な連続走行距離を確保する為に、重量が大きく更に占有容積が大きい。従って、車両用バッテリは、例えばシートの下方やリアフロアの下方等に配置されている。

特許文献１には、車両の衝突時等における衝撃からバッテリを保護できるバッテリモジュールが記載されている。当該文献に記載されたバッテリモジュールは、バッテリモジュールを固定するための下枠体を備え、この下枠体はフロントフレーム、リアフレーム及びサイドフレームを有している。また、フロントフレームおよびサイドフレームは締結用フランジを有し、これらの締結用フランジを部分的に重ね合せ、車両側に共締め固定可能である。係る構成により、バッテリモジュールの保護効果を高めることができる。

特開２０１３－８９４４８号公報

しかしながら、特許文献１に記載された発明では、バッテリモジュールの保護効果を高めることができるものの、車両衝突事故が発生した際に、リレーなどの高圧部品等とバッテリモジュールとが不用意に接触することでショートしてしまう課題があった。特に、車体車幅方向における中間部にポール状の障害物が衝突するポール衝突が発生した場合、このような課題は顕著となる。

本発明は、このような問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、衝突事故が発生した際に電子部品とバッテリとを離間させることができるバッテリパックを提供することにある。

本発明のバッテリパックは、バッテリと、収納箱体と、高電圧部品と、を具備し、前記収納箱体は、前記バッテリが収納されると共に、衝突が発生した際に作用する荷重を伝達する荷重伝達部を有し、前記高電圧部品は、前記バッテリと電気的に接続されると共に、前記荷重伝達部と構造的に接続され、且つ、前記収納箱体の内部で前記バッテリよりも前側に配置され、前記収納箱体は、前記バッテリが載置されるバッテリパンと、前記バッテリを上方から塞ぐバッテリボックスカバーと、を有し、前記荷重伝達部は、前記収納箱体の上方部分に配置されたカバーフレームであり、前記カバーフレームは、前端側が前記収納箱体の前方端部に接合され且つ前記高電圧部品と構造的に接続され、後端側が前記収納箱体の後方端部に接合されることを特徴とする。

本発明のバッテリパックでは、前記収納箱体の後面の上方部分を後方に向かって突出させることで上部突出部を形成し、前記カバーフレームは、前記収納箱体の後面であって、前記上部突出部よりも上方側に接合し、前記バッテリパンの後面下部を後方に向かって突出させた下部突出部を、更に有することを特徴とする。

本発明のバッテリパックでは、前記上部突出部は、前記バッテリボックスカバーと前記バッテリパンとの間に配置された後部バッテリフレームを含むことを特徴とする。

本発明のバッテリパックでは、前記バッテリパンの内部の下方部分で、前記バッテリパンの後端側から前端側に向かって伸びる剛性部材である下部フレームを、更に具備することを特徴とする。

本発明のバッテリパックは、バッテリと、収納箱体と、高電圧部品と、を具備し、前記収納箱体は、前記バッテリが収納されると共に、衝突が発生した際に作用する荷重を伝達する荷重伝達部を有し、前記高電圧部品は、前記バッテリと電気的に接続されると共に、前記荷重伝達部と構造的に接続され、且つ、前記収納箱体の内部で前記バッテリよりも前側に配置され、前記収納箱体は、前記バッテリが載置されるバッテリパンと、前記バッテリを上方から塞ぐバッテリボックスカバーと、を有し、前記荷重伝達部は、前記収納箱体の上方部分に配置されたカバーフレームであり、前記カバーフレームは、前端側が前記収納箱体の前方端部に接合され且つ前記高電圧部品と構造的に接続され、後端側が前記収納箱体の後方端部に接合されることを特徴とする。本発明によれば、高圧電気部品と荷重伝達部とを構造的に接続することで、衝突事故が発生した際に、高電圧部品とバッテリとを離間させ、高電圧部品とバッテリとがショートすることを防止できる。更に、本発明によれば、カバーフレームが収納箱体の前端から後端まで伸びることで、衝突事故が発生した際に、高剛性の収納箱体でバッテリを保護することができる。更に、衝突事故発生時に、カバーフレームにより高電圧部品を前方に移動させて、高電圧部品をバッテリから離すことができる。

本発明のバッテリパックでは、前記収納箱体の後面の上方部分を後方に向かって突出させることで上部突出部を形成し、前記カバーフレームは、前記収納箱体の後面であって、前記上部突出部よりも上方側に接合し、前記バッテリパンの後面下部を後方に向かって突出させた下部突出部を、更に有することを特徴とする。本発明によれば、カバーフレームが、上部突出部よりも上方側のバッテリパンの側面に接続することで、衝突発生時にカバーフレームを前方に変位させることができ、高電圧部品を確実に前方側に移動させてバッテリから離すことができる。更に、衝突発生時に、下部突出部が変形することで衝撃を吸収することができる。また、下部突出部および荷重伝達部を介して、高電圧部品を前方に変位させ、高電圧部品をバッテリから離すこともできる。

本発明のバッテリパックでは、前記上部突出部は、前記バッテリボックスカバーと前記バッテリパンとの間に配置された後部バッテリフレームを含むことを特徴とする。本発明によれば、上部突出部を、バッテリボックスカバーおよびバッテリパンとは別部材である後部バッテリフレームで形成することで、簡易な構成で上部突出部の突出形状を実現できる。

本発明のバッテリパックでは、前記バッテリパンの内部の下方部分で、前記バッテリパンの後端側から前端側に向かって伸びる剛性部材である下部フレームを、更に具備することを特徴とする。本発明によれば、衝突発生時に、下部フレームが衝撃に対する応力を発揮することで、衝撃からバッテリを保護することができる。更に、下部フレームを介して荷重を前方に向かって伝達させることで、高電圧部品を前方に変位させ、高電圧部品をバッテリから離すこともできる。

本発明の実施形態に係るバッテリパックを備えた車両を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るバッテリパックを示す図であり、（Ａ）は断面図であり、（Ｂ）は分解断面図である。 本発明の実施形態に係るバッテリパックを示す分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るバッテリパックを示す図であり、（Ａ）、（Ｂ）および（Ｃ）は車両後部にポール衝突が発生した場合を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るバッテリパックを示す図であり、（Ａ）、（Ｂ）および（Ｃ）は車両後部にポール衝突が発生した場合を示す断面図である。

以下、本発明の実施形態に係るバッテリパック２０およびそれを備えた車両１０を、図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。

図１は、バッテリパック２０を搭載した車両１０を下方から見た斜視図である。車両１０は、例えば自動車や電車等であり、モータ等の様々な電装部品に電力を供給するための、後述するバッテリパック２０が搭載されている。車両１０は、例えば、ＥＶ（Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌ Ｖｅｈｉｃｌｅ）、ＨＥＶ（Ｈｙｂｒｉｄ Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌ Ｖｅｈｉｃｌｅ）またはＰＨＥＶ（Ｐｌｕｇ－ｉｎ Ｈｙｂｒｉｄ Ｅｌｅｃｔｒｉｃａｌ Ｖｅｈｉｃｌｅ）である。

車両１０は、車体１１と、車両１０の底面１３の近傍に規定されたバッテリ配置領域１２に配設された複数のバッテリパック２０と、バッテリパック２０から供給される電力により駆動される駆動モータ（図示せず）と、駆動モータの駆動力で回転するタイヤ（図示せず）と、を有している。

バッテリ配置領域１２には、後述するバッテリパック２０が、行列状に複数配設されている。バッテリパック２０は、例えば、略直方体形状である。そして、複数のバッテリパック２０が、バッテリ配置領域１２に効率良く配置されることで、車両１０の連続走行距離を伸ばすことができる。

図２は、バッテリパック２０を示す図であり、図２（Ａ）は断面図であり、図２（Ｂ）は分解断面図である。ここでは、バッテリパック２０を構成する各部材は、溶接や締結により相互に接合されている。図３は、バッテリパック２０を示す分解斜視図である。

図２（Ａ）を参照して、バッテリパック２０は、バッテリ２１と、収納箱体１９と、高電圧部品３０と、を主に具備している。

バッテリ２１は、間隔を置いて前後方向に沿って配置された複数のバッテリセルを有する。バッテリセルは、例えば、ニッケル水素バッテリやリチウムイオンバッテリ等の２次バッテリであり、個々のバッテリセルは略板形状を呈している。

収納箱体１９は、バッテリ２１が収納されると共に、ポール衝突が発生した際に作用する荷重を前方に伝達する荷重伝達部を有している。この荷重伝達部は、例えば、後述するカバーフレーム２６、下部フレーム３５である。収納箱体１９の具体的構成は後述する。

高電圧部品３０は、バッテリ２１と電気的に接続されると共に、荷重伝達部と構造的に接続され、且つ、バッテリ２１よりも前側に配置される。高電圧部品３０は、ジャンクションボックスに収納され、バッテリ２１に充放電される高電圧の電流が通過する部品である。高電圧部品３０は、例えば、リレー、ヒューズ、レジスタ、高電圧用半導体等である。衝突事故発生時に高電圧部品３０がバッテリ２１と接すると、発煙、発火、漏電等が発生する恐れがある。本実施形態では、後述するように、衝突事故が発生した際に、高電圧部品３０をバッテリ２１から離すことで、発煙等が発生することを防止している。

収納箱体１９は、バッテリ２１が載置されるバッテリパン２２と、バッテリ２１を上方から塞ぐバッテリボックスカバー２５と、主要に有している。図３に示すように、バッテリボックスカバー２５は、バッテリパン２２の上面開口を塞ぐ。収納箱体１９は、図２（Ａ）に示すように、車体フロア２９の上面に配置されている。また、収納箱体１９の前端部であって、車両幅方向に於ける中央部は、バッテリボックスブラケット２８を介して、車体フロア２９に接続されている。

上部突出部２３は、収納箱体１９の後面の上方部分から後方に向かって突出させた部位である。図２（Ｂ）および図３に示すように、下方に向かって開口する湾曲形状に成形された後部バッテリフレーム２４により上部突出部２３は形成されている。また、上部突出部２３は収納箱体１９の後方部分に閉断面として形成されている。これにより、衝突時に於いて上部突出部２３が変形することで荷重を吸収することができる。更には、衝突時に於いて、上部突出部２３を介して、荷重をカバーフレーム２６に伝達することで、後述するように、高電圧部品３０を前方に待避させることができる。

下部突出部３４は、収納箱体１９の一部であるバッテリパン２２から、後方に向かって突出する部位である。下部突出部３４は、バッテリパン２２とは別部材から成り、閉断面を構成している。これにより、衝突時に於いて下部突出部３４が変形することで荷重を吸収することができる。更には、衝突時に於いて、下部突出部３４を介して、荷重を下部フレーム３５およびバッテリパン２２に伝達することで、後述するように、高電圧部品３０を前方に待避させることができる。

前部バッテリフレーム２７は、車体フロア２９の前端上部に形成された閉断面である。図２（Ｂ）に示すように、前部バッテリフレーム２７は、下方に開口を有するように曲折加工された部材から成り、バッテリボックスカバー２５およびバッテリパン２２とは別部材から成る。前部バッテリフレーム２７を有することで、衝突事故が発生した際に、前部バッテリフレーム２７が略平行四辺形状に変形することで、高電圧部品３０を前方に向かって更に好適に待避することができる。

高電圧部品ブラケット３１は、高電圧部品３０を、バッテリパン２２の前端側に固定する接続部材である。

本実施形態では、荷重伝達部として、カバーフレーム２６と下部フレーム３５とを主要に有している。ここで、荷重伝達部とは、ポール衝突時に高電圧部品３０を前方に待避させるべく、ポール衝突時に発生する衝撃エネルギである荷重を、後方から前方に向かって伝達させる構成部材である。

図３に示すように、カバーフレーム２６および下部フレーム３５は、前後方向に沿ってリブを形成する等により、バッテリパック２０を構成する他の部材よりも剛性が高くされている。また、カバーフレーム２６と下部フレーム３５の前端はバッテリ２１の前端よりも前方に配置され、カバーフレーム２６と下部フレーム３５の後端はバッテリ２１の後端よりも後方に配置されている。かかる構成により、ポール衝突発生時にバッテリ２１が荷重により潰れ変形することを防止できる。

カバーフレーム２６は、収納箱体１９を構成するバッテリパン２２およびバッテリボックスカバー２５よりも剛性が高い部材である。カバーフレーム２６は、図３に示すように、前後方向に細長く伸びる略板状の部材である。カバーフレーム２６は、バッテリボックスカバー２５とバッテリ２１との間に配置されている。図２（Ａ）を参照して、カバーフレーム２６の前端側は、収納箱体１９の前方端部に接続され且つ高電圧部品３０と構造的に接続されている。ここでは、カバーフレーム２６の前端側は、前部バッテリフレーム２７、バッテリパン２２の前端部および高電圧部品ブラケット３１を介して、高電圧部品３０の構造的に接続されている。カバーフレーム２６の後端側は、収納箱体１９の後方端部に接続される。具体的には、カバーフレーム２６の後端部は、バッテリボックスカバー２５の後端部と、後部バッテリフレーム２４の上面との間に接合されている。カバーフレーム２６は、収納箱体１９を構成する他部材、例えばバッテリボックスカバー２５やバッテリパン２２よりも剛性が高く、衝突事故発生時における前後方向に於ける変形量が小さい。よって、衝突時に後方から作用する荷重を、収納箱体１９の上方領域で高電圧部品３０側に伝達し、高電圧部品３０を前方側に待避させることができる。

下部フレーム３５は、バッテリパン２２の内部の下方部分で、バッテリパン２２の後端側から前端側に向かって伸びる剛性部材である。下部フレーム３５の前端は、バッテリパン２２の前端部に接合されている。また、下部フレーム３５の後端部は、バッテリパン２２の後面および下部突出部３４に接合されている。下部フレーム３５の前端部は、バッテリパン２２の前端部分および高電圧部品ブラケット３１を介して、高電圧部品３０と構造的に接合されている。下部フレーム３５は、収納箱体１９を構成する他部材、例えばバッテリボックスカバー２５やバッテリパン２２よりも剛性が高く、衝突事故発生時における前後方向に於ける変形量が小さい。また、図３に示すように、下部フレーム３５は、前後方向に伸びる３つの板状部材から構成されている。よって、下部フレーム３５により、衝突時に後方から作用する荷重を、収納箱体１９の下方領域で高電圧部品３０側に伝達し、高電圧部品３０を前方側に待避させることができる。

図４および図５を参照して、ポール衝突が発生した際のバッテリパック２０の挙動を説明する。図４（Ａ）から４図（Ｃ）、および、図５（Ａ）から図５（Ｃ）は、車両後部にポール衝突が発生した場合を示す断面図である。図４および図５では、衝突するポールの前面を一点鎖線で示している。

図４（Ａ）を参照して、バッテリパック２０およびその周辺の構成を説明する。バッテリパック２０の後方には、リアスカート３２が配置されている。また、リアスカート３２の更に後方にはバンパビーム３３が配置されている。ここで、ポール衝突が発生していない場合、高電圧部品３０とバッテリ２１との距離Ｌ１は、例えば、１０ｍｍである。

図４（Ｂ）を参照して、ポール衝突が生じると、ポールがバンパビーム３３に当たり、変形したバンパビーム３３が前方に向かって変位する。ここでは、バンパビーム３３がリアスカート３２の直下まで変位している状況を示している。この時、バンパビーム３３は、ポール衝突により、後面部分が変形している。

図４（Ｃ）を参照して、この時点では、ポールがバッテリパック２０の後端近傍まで進入している。これに伴い、バンパビーム３３は、元々の断面形状を維持できず、一枚板のように変形している。また、リアスカート３２も、元々の断面形状を維持できず、一枚板のように変形している。この際、バッテリパック２０よりも後方に於いて、車体フロア２９の端部２９１が、上方に向かって「く」の字形状に曲折している。

図５（Ａ）を参照して、ポールが更に前方に向かって進行することで、上部突出部２３の断面まで進入する。この時点では既に、上部突出部２３は元の断面形状を維持していない。また、バッテリパック２０を構成する部材のうち、最も後方に伸びている部材は、上部突出部２３から後方に伸びる板状部３６（図４（Ｃ）参照）である。よって、ポール衝突が発生すると、下部突出部３４よりも先に、板状部３６（図４（Ｃ）参照）および上部突出部２３が変形し、上部突出部２３の変形に伴い作用する荷重は、バッテリボックスカバー２５およびカバーフレーム２６を介して、前方の前部バッテリフレーム２７まで伝達する。よって、この時点で既に、前部バッテリフレーム２７は平行四辺形状に変形している。また、図５（Ａ）に示す状態に於いて、ポールは下部突出部３４の後面に接触している。

図５（Ｂ）を参照して、ポールが更に前方に向かって進行することで、ポール衝突は下部突出部３４を前方に向かって押圧する。これにより、荷重は、下部突出部３４および下部フレーム３５を伝達して、収納箱体１９の前方部分に伝達する。その結果、収納箱体１９の前方下端部分は、ここでは図示しない車体構造体に当たった後、上方に向かってせり上がる。よって、収納箱体１９は、左方部分が上方に変位した傾斜状態を呈している。

図５（Ｃ）を参照して、ポールが更に前方に向かって進行すると、収納箱体１９の後方部分が変形する。即ち、バッテリパン２２およびバッテリボックスカバー２５の後方部分が変形する。また、カバーフレーム２６が更に前方に荷重を伝達することで、前部バッテリフレーム２７が前方に押し出される。これに伴い、前部バッテリフレーム２７、バッテリパン２２の前方部分および高電圧部品ブラケット３１を介して、カバーフレーム２６と構造的に接続された高電圧部品３０も、前方に向かって変位する。

また、収納箱体１９の下部では、ポールに押されることで、下部突出部３４のボックス断面が潰れている。更に、バッテリパン２２および車体フロア２９は、下部フレーム３５を介して前方に伝達された荷重により引っ張られることで、平たく伸ばされる。かかる変形によっても、高電圧部品ブラケット３１を介してバッテリパン２２の前端に取りつけられた高電圧部品３０を、前方側に待避させることができる。

上記のように、ポール衝突時に作用する荷重を、カバーフレーム２６や下部フレーム３５で前方に伝達させることで、高電圧部品３０をバッテリ２１から待避させることができる。ここでは、高電圧部品３０とバッテリ２１との距離Ｌ１が、例えば、１８．８ｍｍとなっており、図４（Ａ）に示したポール衝突が発生してない状態よりも、長く確保されている。従って、高電圧部品３０とバッテリ２１とが接触して不用意な短絡等が発生することを防止できる。

上記した本実施形態によれば、以下の主要な効果を奏することができる。

図５（Ｃ）を参照して、高電圧部品３０と荷重伝達部（カバーフレーム２６または下部フレーム３５）とを構造的に接続することで、衝突事故が発生した際に、高電圧部品３０とバッテリ２１とを離間させ、高電圧部品３０とバッテリ２１とがショートすることを防止できる。

図２（Ａ）を参照して、カバーフレーム２６が収納箱体１９の前端から後端まで伸びることで、衝突事故が発生した際に、高剛性の収納箱体１９でバッテリ２１を保護することが出来る。更に、衝突事故発生時に、カバーフレーム２６により高電圧部品３０を前方に移動させて、高電圧部品３０をバッテリ２１から離すことができる。

図２（Ａ）を参照して、カバーフレーム２６が、上部突出部２３よりも上方側のバッテリパン２２の側面に接続することで、衝突発生時にカバーフレーム２６を用いて荷重を前方に伝達することができ、高電圧部品３０を確実に前方側に移動させ、バッテリ２１から離すことができる。

図２（Ｂ）を参照して、上部突出部２３を、バッテリボックスカバー２５およびバッテリパン２２とは別部材である後部バッテリフレーム２４で形成することで、簡易な構成で上部突出部２３のボックス形状を実現できる。

図５（Ｂ）を参照して、高電圧部品ブラケット３１を介して高電圧部品３０をバッテリパン２２の前端側に配置することで、衝突発生時に、高電圧部品３０を前方に変位させることができる。

図５（Ｃ）を参照して、衝突発生時に、下部突出部３４が変形することで、衝撃を吸収することができる。更に、下部突出部３４および下部フレーム３５を介して、高電圧部品３０を前方に変位させ、高電圧部品３０をバッテリ２１から離すこともできる。

図５（Ｃ）を参照して、衝突発生時に、下部フレーム３５が衝撃に対する応力を発揮することで、衝撃からバッテリ２１を保護することができる。更に、下部フレーム３５を介して高電圧部品３０を前方に変位させ、高電圧部品３０をバッテリ２１から離すこともできる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、上記した各形態は相互に組み合わせることが可能である。

１０ 車両
１１ 車体
１２ バッテリ配置領域
１３ 底面
１９ 収納箱体
２０ バッテリパック
２１ バッテリ
２２ バッテリパン
２３ 上部突出部
２４ 後部バッテリフレーム
２５ バッテリボックスカバー
２６ カバーフレーム
２７ 前部バッテリフレーム
２８ バッテリボックスブラケット
２９ 車体フロア
２９１ 端部
３０ 高電圧部品
３１ 高電圧部品ブラケット
３２ リアスカート
３３ バンパビーム
３４ 下部突出部
３５ 下部フレーム
３６ 板状部

Claims (4)

1. バッテリと、収納箱体と、高電圧部品と、を具備し、
   前記収納箱体は、前記バッテリが収納されると共に、衝突が発生した際に作用する荷重を伝達する荷重伝達部を有し、
   前記高電圧部品は、前記バッテリと電気的に接続されると共に、前記荷重伝達部と構造的に接続され、且つ、前記収納箱体の内部で前記バッテリよりも前側に配置され、
   前記収納箱体は、前記バッテリが載置されるバッテリパンと、前記バッテリを上方から塞ぐバッテリボックスカバーと、を有し、
   前記荷重伝達部は、前記収納箱体の上方部分に配置されたカバーフレームであり、
   前記カバーフレームは、前端側が前記収納箱体の前方端部に接合され且つ前記高電圧部品と構造的に接続され、後端側が前記収納箱体の後方端部に接合されることを特徴とするバッテリパック。
2. 前記収納箱体の後面の上方部分を後方に向かって突出させることで上部突出部を形成し、
   前記カバーフレームは、前記収納箱体の後面であって、前記上部突出部よりも上方側に接合し、
   前記バッテリパンの後面下部を後方に向かって突出させた下部突出部を、更に有することを特徴とする請求項１に記載のバッテリパック。
3. 前記上部突出部は、前記バッテリボックスカバーと前記バッテリパンとの間に配置された後部バッテリフレームを含むことを特徴とする請求項２に記載のバッテリパック。
4. 前記バッテリパンの内部の下方部分で、前記バッテリパンの後端側から前端側に向かって伸びる剛性部材である下部フレームを、更に具備することを特徴とする請求項１から請求項３の何れかに記載のバッテリパック。

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