JP7424652B2 - 自立膜、積層シート、及び自立膜の製造方法 - Google Patents

自立膜、積層シート、及び自立膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自立膜、積層シート、及び自立膜の製造方法に関する。
電子デバイスの性能は当該電子デバイスと回路基板との固体間の接合界面で律されることが多いため、固体間の界面を電気的、熱的、機械的に接合する熱界面接合材料(Thermal Interface Material:TIM)の性能が重要となる。従来、TIMとして、低融点の合金を用いた半田や、導電性と耐酸化性に優れる銀粒子(Ag粒子)を有機高分子と溶剤でスラリーとしたAgペーストが汎用されている。しかしながら、半田は、耐熱性が必然的に融点以下となる。Agペーストは、有機高分子がAg粒子間の接合を阻害するため電気的な抵抗が高く、また耐熱性が低い。
本発明者らは、これまでにAg箔を支持体とし、その両面にAgエアロゲル膜を形成した構造体を提案してきた(例えば非特許文献1、2)。
宗像ら、「ガス中蒸発・粒子堆積法によるAgエアロゲル膜の創製と熱界面材料応用」、公益社団法人 化学工学会、第84年会講演要旨集(2019)、PC253 Munakata, et al., APCChE2019, PD279, Sep. 24, 2019.
しかしながら、非特許文献1、2に開示されている構造体では、低電気抵抗、低熱抵抗、高力学強度、耐熱性を有するものの、Ag箔が硬いために柔軟性が損なわれ、TIM用途としては界面追従性に限界がある。また、Ag箔は高密度でありAgを多く必要とするため、製造コストの問題があり量産に不向きである。
そこで本発明は、低電気抵抗、低熱抵抗、高力学強度を発現し、耐熱性と柔軟性とに優れ、安価に量産できる自立膜、積層シート、及び自立膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る自立膜は、金属粒子の凝集体と空隙とからなる多孔質構造を有する。
本発明に係る積層シートは、上記の自立膜と、キャリア基材とを備える。
本発明に係る自立膜の製造方法は、10Torr以上300Torr以下の不活性ガス中で金属を蒸発させ、前記金属で構成された金属粒子を生成し、前記金属粒子を基材上に堆積させ、前記基材上に前記金属粒子の凝集体と空隙とからなる多孔質構造を有する自立膜前駆体を形成し、前記基材から前記自立膜前駆体を剥離する。
本発明によれば、低電気抵抗、低熱抵抗、高力学強度を発現し、耐熱性と柔軟性とに優れ、安価に量産できる自立膜、積層シート、及び自立膜の製造方法を提供することができる。
図1(a)は本発明を実施した自立膜を示す概略図であり、図1(b)は本発明を実施した自立膜をピンセットで持ち上げている様子をデジタルカメラで撮影した写真であり、図1(c)は本発明を実施した自立膜の表面を示すSEM像である。 界面接合材料用自立膜として使用する方法を説明する説明図である。 自立膜製造装置の要部を示す模式図である。 自立膜の製造方法を説明する説明図である。 不活性ガスの圧力と自立膜の特性との関係を説明する説明図である。 図6(a)は不活性ガスの圧力に対する加圧前後の膜厚と充填率を示すグラフであり、図6(b)は加圧前の充填率に対する加圧後の充填率と膜厚変形率を示すグラフである。 加圧前の充填率に対する熱抵抗を示すグラフである。 実施例及び比較例の熱抵抗を示すグラフである。 図9(a)は加圧時の温度に対する熱抵抗の変化を示すグラフであり、図9(b)は図9(a)のP1で表したポイントでの自立膜の断面を示すSEM像であり、図9(c)は図9(a)のP2で表したポイントでの自立膜の断面を示すSEM像である。 実施例及び比較例の耐熱性の試験結果を示す図である。 実施例及び比較例の電気抵抗を示すグラフである。 力学強度の試験結果を示すグラフである。 積層シート製造装置の一例を模式的に示す概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の例示の実施形態について詳細に説明する。以下の実施形態では、図面全体を通して、同一又は同様の構成要素には同一の符号を付している。
1.全体構成
図1(a)において、自立膜1は、金属粒子2の凝集体3と空隙4とからなる多孔質構造を有する。本出願において、「多孔質構造」とは、粒子の凝集体が、数珠状に連なり3次元的なネットワークを構成した構造を意味する。本出願での「多孔質構造」は、特に、相互に繋がった固体粒子の連続相と液体の分散相からなるゲルに対し、相互に繋がった固体粒子の連続相と空気とからなる「エアロゲル構造」を含む。図1(b)は、自立膜1をピンセットで持ち上げている様子の写真である。自立膜1は、ピンセットで持ち上げても崩れることがなく、自立していることが分かる。図1(c)は、自立膜1のSEM(Scanning Electron Microscope)像である。
金属粒子2の体積平均粒径は0.1μm以上3μm以下である。金属粒子2の体積平均粒径は、0.5μm以上2μm以下であることが好ましく、0.6μm以上1.5μm以下であることがより好ましい。金属粒子2の体積平均粒径を算出する方法は特に限定されない。例えば、SEMを用いて自立膜1を観察し、取得したSEM像から複数の金属粒子2の粒径を測定し、測定した粒径分布に基づき体積平均粒径を算出しても良い。
金属粒子2は銀(Ag)により構成されている。自立膜1における単位面積当たりの銀の質量(面積載量とも言う)は、1mg/cm以上50mg/cm以下である。自立膜1の単位面積当たりの銀の質量は、3mg/cm以上30mg/cm以下であることが好ましく、5mg/cm以上20mg/cm以下であることがより好ましい。金属粒子2は、相互に繋がり連続相を構成していることが好ましい。
空隙4は、凝集体3を構成する複数の金属粒子2の間に形成されている。空隙4には気体が包含されている。気体は空気又は不活性ガスである。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、窒素ガス等が挙げられる。空隙4は、相互に繋がり連続相を構成していることが好ましい。
自立膜1の空隙率は50体積%以上99体積%以下である。空隙率は、自立膜1の総体積に占める空隙4の体積の割合であり、自立膜1における気体の体積割合である。空隙率は、80体積%以上95体積%以下であることが好ましく、85体積%以上90体積%以下であることがより好ましい。
自立膜1は、金属粒子2の凝集体3と空隙4とからなり、金属粒子2と空隙4以外を含まない。自立膜1は、金属の箔を含まない。金属粒子2が銀により構成される場合、自立膜1は、銀の粒子と空隙のみからなる。ここで、Ag箔の単位面積当たりの銀の質量は、厚さ30μmのAg箔で31.5mg/cmである。自立膜1は、Ag箔を含まないことにより、1mg/cm以上30mg/cm以下という、小さい値の単位面積当たりの銀の質量を達成できる。
図2に示すように、自立膜1は、互いに対向する2つの固体6,7間に配置され、加圧され、固体6,7同士の接続に使用される。加圧は、室温で、又は加熱しながら行われる。自立膜1は、高い空隙率を有し、金属の箔を含まないため、高い柔軟性と、界面に対する高い追従性とを有している。平坦な表面を有する固体でも、表面にはミクロな凹凸があるが、自立膜1は、加圧される際に、各固体6,7の表面の凹凸形状に追従して変形し、固体6,7の表面に密着する。自立膜1は、固体6,7同士を接合する界面接合材料用自立膜として使用される。
自立膜1は、金属粒子2と空隙4とからなり、有機高分子を含まないため、加圧により空隙4が潰されて減少し、固体6,7との間の隙間が複数の金属粒子2により埋められ、金属粒子2同士が直接接触し、熱抵抗、電気抵抗を低減できる。また、熱的に不安定な有機高分子を含まないため、熱的安定性に優れ、接合界面の耐熱性が向上する。
また、自立膜1は、加圧により、複数の金属粒子2が、シンタリングにより結合する。シンタリングとは、金属粒子2を溶融することなく固体のまま接合することである。自立膜1は、表面が清浄であり、かつ体積平均粒径0.1μm以上3μm以下の金属粒子2を含むナノ構造を有するため、銀の融点である962℃よりも遥かに低い200℃以下の温度で加圧した場合でも、シンタリングにより銀の粒子が結合し、粒径が大きくなり、バルク状となる。複数の金属粒子2により緻密なバルク状の接合部が構成されることにより、接合界面の熱抵抗、電気抵抗が低減され、バルク相当まで力学強度と耐熱性が向上する。なお、バルク状の構造となった場合でも加圧前の空隙4は残るため、接合界面は、熱応力、機械的応力に対する耐性も優れる。シンタリングは、自立膜1のナノ構造により、室温での加圧によっても起こる。
図2に示す固体6がIC(Integrated Circuit)チップ等の発熱体であり、固体7がヒートシンク等の放熱体である場合、自立膜1は、熱界面接合材料(Thermal Interface Material)用自立膜として使用され、発熱体としての固体6から放熱体としての固体7へ熱を効率的に移動させることができる。
2.製造方法
自立膜1の製造方法について、図3と図4を用いて以下に説明する。自立膜1は、ガス中蒸発・粒子堆積法を用いて製造することができる。
図3は、自立膜製造装置の要部を示す模式図である。この例では、ガス中蒸発・粒子堆積法を用いて自立膜1を製造する方法を具体的に説明する。
まず、図3に示すように、10Torr以上300Torr以下の不活性ガス(例えばアルゴンガス)中で金属11を蒸発させ、金属11で構成された金属粒子2を生成し、基材14上に金属粒子2を堆積させて多孔質構造(エアロゲル構造)の膜を形成する。具体的には、蒸着源である金属11(Ag)を蒸着用のボート12上に配置し、このボート12をチャンバ13内に配置し、図示しない真空発生装置でチャンバ13内を真空引きした後、チャンバ13内に不活性ガスを流し、チャンバ13内の圧力を10Torr以上300Torr以下に調整する。基材14の温度は室温で良いが、図示しないヒータ及び冷却機構により基材14の温度を調整して例えば0~300℃としても良い。そして、図示しない電源を用いた通電加熱によりボート12を昇温することにより、ボート12上に配置されている金属11を蒸発させる。例えば、5秒間で2000℃以上までボート12を昇温し、115秒間温度を保持することにより、Agの蒸発が完了する。
蒸発した金属11(Ag)の原子(Ag原子)は不活性ガスで冷却されて互いに衝突して合一することでAgナノ粒子が形成され、形成されたAgナノ粒子が不活性ガス中で互いに衝突して合一して金属粒子2(Ag粒子とも言う)が生成され、基材14上に金属粒子2が堆積する。不活性ガスの圧力が大きいほど、Ag原子とAgナノ粒子の平均自由行程が短くなり、Ag原子同士、Agナノ粒子同士、及びAg原子とAgナノ粒子が互いに衝突し、Agからなる金属粒子2が大きくなる。チャンバ13内に流す不活性ガスの圧力を調整することにより、金属粒子2の大きさを制御できる。図4に示すように、生成された金属粒子2が基材14上に堆積することにより、金属粒子2の凝集体3と空隙4とからなる多孔質構造を有する自立膜前駆体15が形成される。基材14上に金属粒子2を堆積させる回数は、図4に示す例では1回であるが、これに限定されず複数回としても良い。
自立膜前駆体15は、基材14上に所定の開口を有するマスクを配置し、所定の開口の大きさで堆積することができる。自立膜前駆体15の大きさは任意であるが、例えば1辺の長さが1cmの正方形状の開口が設けられたマスクを用いることで、1cm×1cmとすることができる。マスクの形状と開口の大きさを変更し、自立膜前駆体15の面積(膜厚方向と直交する面の面積)を例えば100cm以下とすることができる。
次に、基材14から自立膜前駆体15を剥離する。基材14から剥離したものが自立膜1である。バインダー等を使用せずにAg粒子のみで自立した膜を作製できるのは、製造過程において、数十~数百nmの粒径をもつAg粒子が基材14上に堆積し、熱輻射によりAg粒子同士が面直方向及び面内方向にシンタリングして結合し、3次元的なネットワークを構成するからである。図4に示す例では、基材14を上下反転した後に、基材14から自立膜前駆体15を剥離している。基材14は、金属11との濡れ性の悪い材料で形成しても良いが、金属11との濡れ性の悪い材料で形成された表面を有するものであれば良い。基材14の表面は、平滑面であることが好ましい。金属11がAgである場合、基材14としては、例えばSi基板を用いても良い。Si基板は、その表面に自然酸化膜ないし熱酸化膜を有するものが望ましい。
剥離は、例えば、ブロワーで空気を送りながらピンセットで剥離する方法、キャリア基材に転写する方法、自立膜前駆体15の一辺に平板の一辺を接触させて基材14の表面と平行な方向に自立膜前駆体15を押す方法、により行うことができる。剥離により、自立膜前駆体15と同じサイズの自立膜1が得られる。
3.作用及び効果
自立膜1は、金属粒子2と空隙4のみからなり、高い空隙率を有し、金属の箔を含まない。固体間に配置され加圧されることによって、空隙4が潰されて圧縮し、固体間の界面の形状に対し柔軟に追従する。自立膜1は、金属の箔を含まないことにより、柔軟性により優れ、固体間の界面の形状に対し柔軟に追従する。また、金属の箔を用いる場合と比べて製造コストが抑えられる。
自立膜1は、金属粒子2と空隙4のみからなる。有機高分子を含まないため、加圧により空隙4が潰されて減少し、固体6,7との間の隙間が複数の金属粒子2により埋められ、金属粒子2同士が直接接触し、熱抵抗、電気抵抗を低減できる。また、熱的に不安定な有機高分子を含まないため、熱的安定性に優れ、接合界面の耐熱性が向上する。
自立膜1は、表面が清浄な0.1μm以上3μm以下の体積平均粒径の金属粒子2と空隙4のみからなる。金属粒子2を構成する金属の融点未満の低い温度で加圧した場合でも、複数の金属粒子2が、シンタリングにより結合する。シンタリングにより複数の金属粒子2が結合し、粒径が大きくなり、緻密なバルク状の接合部が構成される。これによりバルクの特性が発現し、接合界面の熱抵抗、電気抵抗が低減され、力学強度と耐熱性が向上する。なお、バルク状の構造となった場合でも加圧前の空隙4は部分的に残るため、接合界面は、熱応力、機械的応力に対する耐性も優れる。シンタリングによる金属粒子2の結合は、室温での加圧でも起こる。
以上のように、自立膜1は、金属粒子2の凝集体3と空隙4とからなる多孔質構造を有することにより、低電気抵抗、低熱抵抗、高力学強度を発現し、耐熱性と柔軟性とに優れ、安価に量産できる。
金属粒子2の体積平均粒径が0.1μm未満であると、室温で時間とともに金属粒子2の間でシンタリングが進行し、柔軟性が損なわれて界面の形状に追従しなくなるため、低電気抵抗、低熱抵抗、高力学強度の特性が発現されない。金属粒子2の体積平均粒径が3μmを超えると、金属粒子2の表面積が小さくなり金属粒子2の間の接触面積が減少するため、自立した膜とすることが難しくなる。自立膜1は、金属粒子2の体積平均粒径が0.1μm以上3μm以下であることにより、低電気抵抗、低熱抵抗、高力学強度を発現し、耐熱性と柔軟性とに優れ、安価に量産できる。
空隙率が50体積%未満であると、固体の表面に追従して変形し難くなる。また、空隙率が99体積%を超えると、自立した膜とすることが難しくなる。自立膜1は、空隙率が50体積%以上99体積%以下であることにより、自立性を保ちつつ、柔軟性が向上する。
自立膜1は、金属粒子2が銀により構成されていることにより、耐熱性、熱伝導性、導電性に優れる。Ag箔を含まないことにより、1mg/cm以上30mg/cm以下という、小さい値の単位面積当たりの銀の質量であり、かつ、自立性を保つ自立膜1が実現できる。
4.実施例
<自立膜の製造>
1辺の長さが1cmの正方形状の開口が設けられたマスクを基材14上に配置し、不活性ガスをチャンバ13内に流し、不活性ガス中で金属11を蒸発させ、基材14上に金属粒子2を堆積して自立膜前駆体15を形成した。不活性ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを用いた。金属11としてAgを用いた。基材14としてSi基板を用いた。基材14の温度は室温とした。堆積時間は115秒とした。Arガスの圧力を10Torr、30Torr、90Torr、270Torrと変化させることにより、4つの自立膜を製造し、それぞれ実施例1~4とした。実施例1~4の自立膜は、ピンセットとブロワーを用いて基材14から自立膜前駆体15を剥離し、1辺の長さが1cmの正方形状の自立膜として回収した。
図5は、堆積時の不活性ガスの圧力と自立膜の特性との関係を説明する説明図である。図5に示すSEM像より、実施例1(10Torr)ではピラー状の構造、実施例2(30Torr)では粒子が堆積した構造、実施例3(90Torr)と実施例4(270Torr)では樹枝状の構造となり、実施例1~4のいずれも空隙の多い構造を有することが確認された。実施例1では、堆積時のAg原子及びAgナノ粒子の平均自由行程が長く、Ag原子同士、Agナノ粒子同士、及びAg原子とAgナノ粒子間の衝突による合一が進行しないため、Ag粒子の粒径が大きくなる前に、Ag粒子が基材14上に堆積し、直径0.4μm程度の不安定な表面が大きいAg粒子のシンタリングが進行し、ピラー状構造になったと考えられる。実施例2では、実施例1よりもAr圧力が高いため、堆積時のAg原子とAgナノ粒子の平均自由行程が短く、衝突による合一が進行する。このため、実施例2では、Ag粒子の粒径が大きくなり、直径0.3μm程度の小さなAg粒子に加えて直径1μm程度の安定なAg粒子が基材14上に堆積したと考えられる。実施例3と実施例4は、Ar圧力のさらなる増加によりさらに大きく成長したAg粒子が重力沈降して基材14に到達できず、直径0.6μm前後の中程度の粒径を持つAg粒子のみが基材14に堆積した結果、面積載量が低下するとともに、中程度の粒径を持つAg粒子が基材14上で部分的にシンタリングした粒界のない樹枝状構造になったと考えられる。
自立膜の金属粒子の粒径について、SEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S-4800)を用いて自立膜を10000倍で観察し、SEM像中の金属粒子を楕円で近似して長径と短径を測定し、測定した長径と短径の相乗平均を求め、金属粒子の粒径とした。この粒径の測定を50個の金属粒子に対して行い、粒径分布を求めるとともに、個数平均粒径及び体積平均粒径を算出した。粒径分布は、0.0~3.0μmの粒径の範囲を0.2μmごとに分割し、分割した粒径の区分ごとに金属粒子の数をカウントし、横軸を粒径、縦軸を各粒径の区分に対応する金属粒子の数としてヒストグラム化したものである。
自立膜の膜厚は、レーザ変位計(KEYENCE社製、LK-G30)を用いて測定した。膜厚は、堆積時のAr圧力が30Torrの実施例2で最も大きく165μmであり、堆積時のAr圧力が増加するとともに減少し、実施例4で44μmであった。なお、膜厚は、Ar圧力が高い条件でも、堆積時間を長くすることで、厚くすることが可能である。
単位面積当たりの銀の質量(図5において「面積載量」と示している)は、自立膜の質量を測定し、自立膜の面積で除することで算出した。面積載量は、堆積時のAr圧力が高くなるとともに単調減少し、最大値が実施例1の26.6mg/cmであり、最小値が実施例4の5.0mg/cmであった。
充填率は、面積載量を、膜厚に銀の密度を乗じた値で除した値([面積載量]/([膜厚]×[銀の密度]))に100を乗じて算出した。銀の密度は10.5g/cmとした。空隙率は、100-[充填率]で算出した。充填率は、堆積時のAr圧力が高くなるとともに単調減少し、空隙率は、堆積時のAr圧力が高くなるとともに単調増加した。空隙率は、最小値が実施例1の82.4%であり、最大値が実施例4の89.2%であった。堆積時のAr圧力が高くなるとともに、基板上に堆積するAg粒子の中に含まれる小さな粒子の割合が減少してシンタリングし難くなり、緻密化せずに空隙率が増加したと考えられる。
<加圧前後の膜厚と充填率>
実施例1~3の各自立膜をサンプルとして用いて、自立膜の加圧前後の膜厚と充填率を測定した。
上下に配置した2つの銅のブロック(Cuブロック)の間にサンプルを配置し、32℃、0.8MPaの条件で加圧した。加圧前後のサンプルの膜厚を測定するとともに、充填率を算出した。膜厚の測定方法と充填率の算出方法は上述した通りである。加圧後の膜厚を加圧前の膜厚で除して100を乗じて膜厚変形率を算出した。
図6(a)は、堆積時のAr圧力に対する加圧前後の膜厚と充填率を示すグラフである。図6(b)は、加圧前の充填率に対する加圧後の充填率と膜厚変形率を示すグラフである。図6(a)より、堆積時のAr圧力が10Torrの実施例1は、加圧前後で膜厚と充填率の変化が小さく、Ar圧力が30Torrの実施例2と90Torrの実施例3は、加圧により膜厚が減少し、充填率が増加することが確認できた。図6(b)より、膜厚変形率は、加圧前の充填率により大きく変化し、加圧前の充填率が小さいほど、膜厚変形率が大きく増加する。実施例1では加圧前の充填率が17.6%であり、膜厚変形率はほとんど0%であるが、実施例3では加圧前の充填率が13.1%であり、膜厚変形率は約35%と大きい。これは、充填率が小さい、すなわち空隙率が大きい自立膜ほど、加圧により空隙が潰されて減少し、膜厚が大きく減少することを示している。
<熱抵抗>
実施例1~3の各自立膜をサンプルとして用いて、熱抵抗を測定した。熱抵抗の測定は、定常法により行った。上下に配置した2つのCuブロックの間にサンプルを配置し、0.8MPaの条件で加圧しながら、上側のCuブロックをヒータで加熱して32℃とし、下側のCuブロックをチラーで冷却した。熱流束qをサンプルの面直方向に流して静置し、定常状態となるまで待った。定常状態の上下のCuブロックの温度を放射熱温度計で測定した。Cuブロックの温度プロファイルから、Cuブロックの端点、つまりサンプルの端点の温度にあたる点の温度を外挿し、温度差ΔTを求めた。そして、温度差ΔTを熱流束qで除して熱抵抗Rtotalを算出した。熱抵抗Rtotalの算出に用いる熱流束qは、上下のCuブロックの各熱流束の平均値である。
図7は、自立膜の加圧前の充填率に対する熱抵抗を示すグラフである。図7より、堆積時のAr圧力が大きく充填率が小さいほど、熱抵抗が減少することが分かる。充填率が小さく空隙率が大きいほど、自立膜が膜厚方向に変形し易くなり、Cuブロックとの界面において、Cuブロックの表面のミクロな凹凸に対する追従性が向上した結果と考えられる。
図8は、実施例及び比較例の熱抵抗を示すグラフである。実施例は、実施例3の自立膜を、2つのCuブロックの間に配置し、32℃、0.8MPaの条件で加圧し、熱抵抗を測定した。比較例1は、2つのCuブロックの間に何も配置せずに実施例と同じ条件で熱抵抗を測定した。比較例2は、膜厚100μmのインジウムシートを、2つのCuブロックの間に配置し、実施例と同じ条件で熱抵抗を測定した。比較例3は、膜厚50μmのAg箔の両面に実施例3と同じ条件で膜厚15~61μmのAg層を形成した膜を、2つのCuブロックの間に配置し、実施例と同じ条件で熱抵抗を測定した。図8中のNは熱抵抗の測定回数であり、グラフは測定値の平均値を示しており、エラーバーは標準偏差を示している。図8より、実施例の熱抵抗は16mmK/Wであり、比較例1の1/10程度の低い値が得られることが確認できた。また、比較例2,3よりも低い熱抵抗値が得られることが確認できた。インジウムシートや、Ag箔を有する膜に対し、実施例3の自立膜は、柔軟で膜厚方向に変形し易く、Cuブロックとの界面おいて、Cuブロックの表面のミクロな凹凸に対する追従性が向上した結果と考えられる。
次に、加熱温度に対する熱抵抗の変化を試験した結果を、図9(a)~(c)に示す。図9(a)は、横軸を加熱温度、縦軸を熱抵抗としたグラフである。実施例3の自立膜を2つのCuブロックの間に配置し、昇温と降温を繰り返す温度サイクルで加熱し、0.8MPaの加圧下で、熱抵抗の測定を行った。温度サイクルは、図9(a)に示すように、P1で表す測定開始時の温度を82℃とし、82℃→108℃→50℃→162℃→50℃→211℃→50℃→279℃とした。上記の温度サイクルの試験後、更に50℃→280℃→50℃のサイクルで熱抵抗の測定を2回行い、P2で表す50℃で終了した。
82.1℃で熱抵抗は11.3mmK/Wであり、108℃で8.7mmK/W、162℃で4.8mmK/W、211℃で2.9mmK/W、279℃で1.8mmK/Wとなり、高温になるほど熱抵抗が減少することが確認できた。また、一度高温で熱抵抗が減少したら、自立膜の温度を50℃に戻した際も低熱抵抗を維持し続けることが確認できた。特に279℃に加熱した後に50℃に戻した際(P2)は、熱抵抗が測定下限以下まで小さくなった。グラフには算出した値をそのままプロットしているが、マイナスの値をとることはなく、ほぼ0mmK/Wである。加熱により、自立膜が柔軟になり、Cuブロックとの界面追従性が向上し、接触熱抵抗が低減するとともに、Ag粒子間のシンタリングが進みバルク状となり、Cuブロック間が熱的に接合され、熱抵抗が低減したためと考えられる。
図9(b)は図9(a)のP1で表したポイント(温度サイクル開始時)での自立膜の断面を示すSEM像であり、図9(c)は図9(a)のP2で表したポイント(温度サイクル後)での自立膜の断面を示すSEM像である。温度サイクルにより、Ag粒子間のシンタリングが進み、粒子の径が大きくなり、数十~数百nmの銀の樹枝状構造が数μmまで肥大化していることが確認できる。
<耐熱性>
自立膜の耐熱性を試験した結果を、図10に示す。実施例3の自立膜を2つのCuブロックの間に配置し、300℃、100MPaの条件で加圧してサンプルを準備した。比較例として、膜厚100μmのインジウムシートを2つのCuブロックの間に配置し、150℃、100MPaの条件で加圧してサンプルを準備した。実施例及び比較例の各サンプルを加熱装置の内部に吊り下げるように配置し、大気雰囲気中で25℃から900℃まで昇温した。昇温速度は5℃/minとした。
図10に示すように、比較例は536℃で下側のCuブロックが分離して落下した。一方、実施例では、900℃まで上下のCuブロックの固定状態を維持し、冷却後も固定状態を維持した。自立膜は、表面が清浄で体積平均粒径0.1μm以上3μm以下のAg粒子を含むナノ構造を有するため、300℃、100MPaでの加圧により、Cuブロックが溶接され、高い界面安定性が得られたと考えられる。また、自立膜は熱的に不安定な有機高分子を含まないため、接合部の熱的安定性が優れ、接合界面の高い耐熱性が得られたと考えられる。
<電気抵抗>
電気抵抗を測定した結果を、図11に示す。実施例3の自立膜を実施例として用い、4端子法により自立膜の面直方向の電気抵抗を測定した。幅7mm、厚さ0.2mmの短冊状の銅板を直交させ、銅板間に自立膜を配置した。自立膜を銅板間に挟み、室温で0.8MPaの加圧状態で電気抵抗を測定した。また、自立膜を銅板間に挟み、それぞれ、100℃加熱、200℃加熱、300℃加熱の状態で100MPaで自立膜を加圧してシンタリングさせた後、室温で0.8MPaの加圧状態で電気抵抗を測定した。電気抵抗の測定は、マルチメータを用いて銅板間に電圧を印加し、銅板間に流れる電流値を計測した。使用したマルチメータは、デジタルマルチメータ(KEITHLEY社製、KEITHLEY2400)である。オームの法則により、電流-電圧直線の傾きから電気抵抗値を算出した。
比較例1として、2つの銅板を直交して接触させ、室温で0.8MPaで加圧しながら電気抵抗を測定した。比較例2として、2つの銅板を直交させ、有機分散剤と金属のフィラーとを含むAgペーストを銅板間に配置し、150℃加熱の状態で100MPaで加圧した後、室温で0.8MPaで加圧しながら電気抵抗を測定した。
図11に、温度条件が室温、100℃、200℃、300℃の場合の実施例、及び比較例1,2の電気抵抗値を示す。銅板同士を直接接触させた比較例1よりも、自立膜を挟んだ実施例の方が、電気抵抗が低いことが確認できた。柔軟な自立膜が銅板との界面に追従して変形し、自立膜と銅板との接触面積が増大したためである。温度条件が異なる実施例同士を比べると、温度が高いほど電気抵抗が低くなることが分かる。これは、温度が高くなるほど自立膜が柔軟になり、銅板に対する界面追従性が向上し、接触電気抵抗が低減するとともに、Ag粒子のシンタリングが進行しバルク状となり、銅板間が電気的に接合され、電気抵抗が低減したためと考えられる。また、温度条件が200℃と300℃の実施例では、Agペーストを用いた比較例2より低い電気抵抗を示した。Agペーストが有機高分子を含むのに対し、実施例の自立膜は有機高分子を含まないため、加圧により自立膜が圧縮され、Ag粒子同士が直接接触する接触点が増加し、Ag粒子による導電性の経路が形成されたためと考えられる。また、図示していないが、温度条件が200℃と300℃の実施例では銅板間が自立膜により機械的に固定された。
<力学強度>
自立膜の力学強度を評価するために引張試験を行った結果を、図12に示す。実施例3の自立膜を2つのCuブロックの間に配置し、300℃、100~1000MPaの条件で加圧してサンプルを準備した。引張試験は、島津製作所製「AUTOGRAPH AG-100kN」万能試験機を用いた。万能試験機にサンプルを配置し、引張応力140MPaの条件で引張試験を行った。
図12は、歪み値とゲージ長とから算出したストローク(伸び)(μm)を横軸とし、引張応力(MPa)を縦軸とし、自立膜による接合部(接合部)と、Cuブロック(非接合部)の、ストロークに対する引張応力を示したものである。図12において、接合部は〇記号でプロットし、非接合部は×記号でプロットしている。図12より、接合部は、140MPaの引張応力まで破断することがなく、接合部が引張応力を吸収して変位しており、高い力学強度を示すことが確認された。
本発明は上記の各実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
自立膜1とキャリア基材とにより積層シートを構成しても良い。積層シートにおいて、自立膜1は、キャリア基材上にパターン状に保持されていても良い。キャリア基材は、自立膜1を仮止めするためのものであり、自立膜1が剥離可能な材料で形成される。キャリア基材の材料としては、例えば、低粘着性の仮止めの粘着性フィルムや、熱リリーステープが挙げられる。キャリア基材は、例えば長尺の柔軟なテープなどで構成しても良い。積層シートは、自立膜1がキャリア基材に保持されているので輸送や保管に有効であり、かつ、キャリア基材から自立膜1を容易に剥離できるので自立膜1の取り扱い性に優れる。
図13は、積層シート製造装置の一例を模式的に示す概略図である。積層シート製造装置20は、周回可能な無端ベルト状の基材14と、金属11を蒸発させて生成した金属粒子2を基材14上に堆積させ、基材14上に金属粒子2の凝集体3と空隙4とからなる多孔質構造を有する自立膜前駆体15を形成する自立膜前駆体形成部21と、基材14から自立膜前駆体15を剥離して移動可能なキャリア基材24に転写する自立膜前駆体剥離部22と、基材14と自立膜前駆体形成部21と自立膜前駆体剥離部22とを収容するチャンバ13とを備える。
自立膜前駆体形成部21は、蒸着源である金属11と、金属11を収容するボート12と、金属11と基材14との間に設けられたマスク23とを有している。チャンバ13には真空発生装置26及び不活性ガスのガス源27が接続されている。
積層シート製造装置20は、10Torr以上300Torr以下の不活性ガス中で金属11を蒸発させ、金属11で構成された金属粒子2を生成し、周回する基材14上に金属粒子2を堆積させて多孔質構造(エアロゲル構造)の自立膜前駆体15を形成し、基材14からキャリア基材24へ自立膜前駆体15を転写させることにより、自立膜1とキャリア基材24とを備える積層シート25を製造する。基材14上から自立膜前駆体15を剥離することにより、自立膜1を製造することができる。すなわち、積層シート製造装置20は、自立膜1を製造する自立膜製造装置として用いることができる。図13に示す積層シート製造装置20では、マスク23を用いることにより、自立膜1がキャリア基材24上にパターン状に保持された積層シート25が製造される。
金属粒子2を構成する材料は、銀の他、金、銅、アルミニウム、亜鉛、インジウム、錫等の金属や、銀-銅合金、アルミニウム-ケイ素合金、錫-亜鉛合金、錫-銀合金、錫-銀-銅合金等の合金が挙げられる。
ボート12は、図3及び図13に示す例では、蒸着源である金属11を収容する坩堝としての機能と、金属11を加熱して蒸発させるヒータとしての機能とを兼ね備えているが、これに限定されない。例えば、ボート12は、蒸着源である金属11を収容する坩堝であり、別途設けたヒータで加熱されることにより昇温し、金属11を蒸発させるように構成しても良い。金属11を連続的にボート12に供給しても良い。
1 自立膜
2 金属粒子
3 凝集体
4 空隙

Claims (11)

  1. 金属粒子の凝集体と空隙とからなる多孔質構造である自立膜。
  2. 前記金属粒子の体積平均粒径は0.1μm以上3μm以下である請求項1に記載の自立膜。
  3. 空隙率は50体積%以上99体積%以下である請求項1又は2に記載の自立膜。
  4. 前記金属粒子は銀により構成されている請求項1~3のいずれか1項に記載の自立膜。
  5. 単位面積当たりの前記銀の質量は1mg/cm以上50mg/cm以下である請求項4に記載の自立膜。
  6. 蒸着膜である請求項1~5のいずれか1項に記載の自立膜。
  7. 界面接合材料用自立膜である請求項1~のいずれか1項に記載の自立膜。
  8. 熱界面接合材料用自立膜である請求項1~のいずれか1項に記載の自立膜。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の自立膜と、
    キャリア基材と
    を備える積層シート。
  10. 前記自立膜は、前記キャリア基材上にパターン状に保持されている請求項に記載の積層シート。
  11. 10Torr以上300Torr以下の不活性ガス中で金属を蒸発させ、前記金属で構成された金属粒子を生成し、
    前記金属粒子を基材上に堆積させ、前記基材上に前記金属粒子の凝集体と空隙とからなる多孔質構造である自立膜前駆体を形成し、
    前記基材から前記自立膜前駆体を剥離する自立膜の製造方法。
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