JP7424008B2 - 化粧シート、及び化粧材 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シート、及び化粧材に関する。
木質系基材からなる板張り用の床用化粧材としては、合板に突き板を貼り、木工機械にて溝加工して、溝部を着色した後、紫外線硬化型塗料を塗布し硬化させたものが知られている。しかしながら、突き板が天然木のため、色がばらついたり、壁や天井、家具との色調の調和が困難であった。
その他に、木質系基材の表面に凹状溝を設け、表面に導管着色用合成樹脂塗料を塗布し、凹状溝以外の塗料を除去した後、木目柄の導管凹部を形成し、凹状溝以外の木質系基材表面に透明合成樹脂塗料を塗布する方法も知られている。
一方、木質系基材上に、着色熱可塑性樹脂層、絵柄模様層、透明熱可塑性樹脂層をこの順に設けた熱可塑性樹脂化粧シートを積層した床用化粧材も知られているが、その床用化粧材は、主に居室用に使用され、素足や靴下、スリッパなどの歩行を想定していた。そのため、上記床用化粧材を、靴やヒールなどを想定した土足用途の床材として使用する場合は、耐傷性能等が劣り、床用化粧材表面に傷がつきやすいという問題点があった。また、硬さ性能を上げるために透明熱可塑性樹脂層と着色熱可塑性樹脂層の厚さをそれぞれ厚くしすぎると、木質系基材との連続ラミネート時にライン上でシートカットが困難なものとなり、加工性が悪いといった問題点もあった。なお、床用化粧材に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載した技術がある。
特開2014-188941号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、床材性能として必要な耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性をそれぞれ十分に備えた化粧シート及びその化粧シートを備えた化粧材を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る化粧シートは、着色熱可塑性樹脂基材シート上に、絵柄模様層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層がこの順に積層され、前記着色熱可塑性樹脂基材シートは、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含み、前記着色熱可塑性樹脂基材シートの厚さは、50μm以上200μm以下の範囲内であり、少なくとも前記透明熱可塑性樹脂層にはエンボスが形成されており、前記透明熱可塑性樹脂層の厚さは、70μm以上150μm以下の範囲内であり、前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成される。
また、本発明の別の態様に係る化粧シートは、着色熱可塑性樹脂基材シート上に、絵柄模様層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層がこの順に積層され、前記着色熱可塑性樹脂基材シートは、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含み、前記着色熱可塑性樹脂基材シートの厚さは、50μm以上200μm以下の範囲内であり、少なくとも前記透明熱可塑性樹脂層にはエンボスが形成されており、前記透明熱可塑性樹脂層は、ポリプロピレン樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成され、前記透明熱可塑性樹脂層の厚さは、70μm以上150μm以下の範囲内であり、前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含んでいる。
本発明の一態様に係る化粧シートであれば、床材性能として必要な耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性をそれぞれ十分に備えた化粧シート及びその化粧シートを備えた化粧材を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る化粧シートの構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る化粧材の構成を示す断面図である。
図面を参照して、本発明の実施形態を以下において説明する。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
(化粧シート20の構成)
以下、本発明の実施形態に係る化粧シート20の構成について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の化粧シート20の構造の例を図1に示す。化粧シート20は、木質系基材、無機質系基材、合成樹脂基材、金属系基材等々の基材へ貼り合わせるオレフィン系化粧シートまたはポリエステル系化粧シートであり、特に、耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性が求められる部分に使用される化粧シートである。以下、化粧シート20の構成について、具体的に説明する。
化粧シート20は、着色熱可塑性樹脂基材シート1上に、絵柄模様層2、第1接着剤層3、透明熱可塑性樹脂層6、及び表面保護層7がこの順に積層されている。
着色熱可塑性樹脂基材シート1は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含んでいる。また、着色熱可塑性樹脂基材シート1の厚さは、50μm以上200μm以下の範囲内である。
透明熱可塑性樹脂層6にはエンボスが形成されている。また、透明熱可塑性樹脂層6の厚さは、70μm以上150μm以下の範囲内である。また、透明熱可塑性樹脂層6は、ポリプロピレン樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成されていてもよい。
なお、透明熱可塑性樹脂層6は、絵柄模様層2側に形成され、第1の樹脂を含む第1の樹脂層4(透明熱可塑性樹脂層4)と、第1の樹脂層4上に形成され、第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含む第2の樹脂層5(透明熱可塑性樹脂層5)とを備えてもよい。さらに、第1の樹脂は、例えば、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、第2の樹脂は、例えば、透明ポリプロピレン樹脂であってもよい。また、第1の樹脂層4及び第2の樹脂層5の少なくとも一方は、ポリプロピレン樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成されていてもよい。
表面保護層7は、紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を含んでいる。また、表面保護層7は、電離放射線硬化型樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成されていてもよい。
以下、上記各層の詳細について説明する。
〔着色熱可塑性樹脂基材シート1〕
本実施形態の着色熱可塑性樹脂基材シート1としては、塩化ビニル樹脂以外の種々材質が可能であるが、例えば、無公害性、価格、性能、着色の容易さ等の点から考慮すると、充填剤と着色顔料とを添加したポリオレフィン系材料やポリエステル系材料が好適に使用できる。
着色熱可塑性樹脂基材シート1に用いる樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリプテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等のポリオレフィン系樹脂や、エチレン-酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物、エチレン-(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、共重合ポリエステル樹脂(代表的には1,4-シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である通称PET-G)等のポリエステル系樹脂や、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂や、6-ナイロン、6,6ナイロン、6,10ナイロン、12ナイロン等のポリアミド系樹脂や、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂や、セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素系樹脂や、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含塩素系樹脂や、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、またはこれらから選ばれる2種または3種以上の共重合体や混合物を用いることができる。
上述した樹脂のうち、着色熱可塑性樹脂基材シート1を構成する樹脂としてはポリブチレンテレフタレート樹脂が最も好ましい。具体的には、着色熱可塑性樹脂基材シート1は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含んで構成されたシートであってもよいし、ポリブチレンテレフタレート樹脂のみで構成されたシートであってもよい。着色熱可塑性樹脂基材シート1がポリブチレンテレフタレート樹脂を含んで構成されたシートである場合、即ち、着色熱可塑性樹脂基材シート1がポリブチレンテレフタレート樹脂以外の樹脂を含む場合、ポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量は、着色熱可塑性樹脂基材シート1全体の質量の50質量%以上であればよく、80質量%以上であれば好ましく、95質量%以上であればさらに好ましい。ポリブチレンテレフタレート樹脂の含有量が着色熱可塑性樹脂基材シート1全体の質量の50質量%以上であれば、床材性能として必要な耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性をそれぞれ十分に備えた化粧シートとなる。
また、着色熱可塑性樹脂基材シート1の厚さは、50μm以上200μm以下の範囲内であればよく、80μm以上160μm以下の範囲内であれば好ましく、100μm以上130μm以下の範囲内であればより好ましい。着色熱可塑性樹脂基材シート1の厚さが上記数値範囲内であれば、床材性能として必要な耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性をそれぞれ十分に備えた化粧シートとなる。
着色熱可塑性樹脂基材シート1は、上記の樹脂成分に、着色顔料、充填剤、安定剤等を添加して分散均一化し、シート状に成形したものであってもよい。
〔絵柄模様層2〕
着色熱可塑性樹脂基材シート1の表面には、任意の絵柄が印刷された絵柄模様層2が設けられる。絵柄模様層2のなす絵柄の種類は特に限定されず、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、砂目柄、抽象柄、幾何学図形、文字又は記号、或いはそれらの組み合わせ等である。絵柄模様層2の形成に使用する印刷インキの種類は特に限定されず、化粧シート20の形成に使用されている公知の印刷インキを使用することができる。具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂系、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂系、ブチラール系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキド系、ポリアミド系等のバインダー樹脂に、有機又は無機の染料又は顔料や、必要に応じて体質顔料、充填剤、粘着付与剤、分散剤、消泡剤、安定剤その他の添加剤を適宜添加し、適当な希釈溶剤で所望の粘度に調整した印刷インキであってもよい。
絵柄模様層2の印刷方法としては、例えば、グラビア印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷法が用いられる。
〔第1接着剤層3〕
絵柄模様層2の上には第1接着剤層3が形成されている。第1接着剤層3は、絵柄模様層2の上に、第1接着剤層3を形成するための組成物を塗布して形成してもよい。第1接着剤層3に含まれる接着剤は、透明熱可塑性樹脂層6に含まれる透明熱可塑性樹脂との組み合わせに応じて、例えば、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系等の中から任意に選択可能である。
〔透明熱可塑性樹脂層6〕
透明熱可塑性樹脂層6は、エンボスが形成された層であって、例えば、複数層からなるシート状の層である。透明熱可塑性樹脂層6を構成する各層は、絵柄模様層2の絵柄が透けて見えるように、例えば透明な熱可塑性樹脂で形成される。透明熱可塑性樹脂層6に含まれる熱可塑性樹脂は、透明であればよく、例えば、塩化ビニル樹脂以外の種々の樹脂であってもよい。透明熱可塑性樹脂層6を構成する各層の樹脂の組み合わせは、目的とする特性により、様々な組合せが可能である。
透明熱可塑性樹脂層6に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)、エチレン-酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等の合成樹脂が挙げられる。
透明熱可塑性樹脂層6は、ポリプロピレン樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成された層であってもよい。
以下、この点について詳しく説明する。
<ポリプロピレン樹脂>
透明熱可塑性樹脂層6に用いるポリプロピレン樹脂は、柔軟性の高い、エチレンコンテンツを有するランダムポリプロピレン樹脂や、公知の非晶性ポリプロピレン樹脂をランダムポリプロピレン樹脂や結晶性の高いホモポリプロピレン樹脂に混合したものであってもよい。曲げ加工などの加工性をより重視する用途においては、高結晶性ホモポリプロピレン樹脂に対し、例えば、所定の範囲内でエチレンコンテンツを有するランダムポリプロピレン樹脂や公知の非晶性ポリプロピレン樹脂を混合することができる。
また、本実施形態においては、透明熱可塑性樹脂層6に用いるポリプロピレン樹脂として、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が95%以上のプロピレン単重合体である高結晶性ホモポリプロピレン樹脂を、全ポリプロピレン樹脂の質量に対して30質量%以上100質量%以下の範囲内で含むものを用いてもよい。高結晶性ホモポリプロピレン樹脂が30質量%未満の場合、結晶性が不足するため、十分な強度が得られないことがある。
ここで、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)とは、質量13の炭素C(核種)を用いた13C-NMR測定法(核磁気共鳴測定法)により、樹脂材料を所定の共鳴周波数にて共鳴させて得られる数値(電磁波吸収率)から算出されるものであり、樹脂材料中の原子配置、電子構造、分子の微細構造を規定するものである。そして、結晶性ポリプロピレン樹脂のペンタッド分率とは、13C-NMRにより求めたプロピレン単位が5個並んだ割合のことであって、結晶化度あるいは立体規則性の尺度として用いられる。ペンタッド分率は、主に表面の耐擦傷性を決定付ける重要な要因の一つであり、基本的にはペンタッド分率が高いほど結晶化度が高いことを表す。
また、本実施形態のポリプロピレン樹脂として、例えば、自由末端長鎖分岐を付与したポリプロピレン樹脂(a)と、自由末端長鎖分岐を付与していないポリプロピレン樹脂(b)との混合物で、その混合物の質量平均分子量/数平均分子量として定義される分子量分布Mw/Mnが1以上5以下の範囲内にあり、かつ、そのポリプロピレン樹脂(a)とポリプロピレン樹脂(b)の混合樹脂の、沸騰ヘプタン可溶残分率として規定されるアイソタクチック指数が、1%以上90%以下の範囲内にあるものを用いてもよい。これにより、化粧シート20を、例えば後述する木質基材層10に貼り合わせた後の折り曲げ加工において、白化や割れを抑制することができる。
ここで、分子量分布は、分子量Miの分子がNi個存在する場合に、数平均分子量Mn=Σ(Mi×Ni)/ΣNi、質量平均分子量Mw=Σ(Ni×Mi2)/Σ(Ni×Mi)の比、Mw/Mnとして定義される値である。1に近いほど分子量の分布が狭く、均一性が高くなる。この分子量分布が5以下になるようにすれば、分子量を必要十分な大きさに揃えることができ、白化や割れの抑制に寄与するようになる。一般的には、分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。
また、沸騰ヘプタン可溶残分率として規定されるアイソタクチック指数は、ポリプロピレン樹脂中の結晶化度を調べる指標として有用である。具体的には、試料を沸騰n-ヘプタンで一定時間抽出を行い、抽出されない部分の質量(%)を求めてアイソタクチックインデックスを算出する。詳しくは、円筒濾紙を110±5℃で2時間乾燥し、恒温恒湿の室内で2時間以上放置してから、円筒濾紙中に試料(粉体またはフレーク状)8g以上10g以下を入れ、秤量カップ、ピンセットを用いて精秤する。これをヘプタン約80ccの入った抽出器の上部にセットし、抽出器と冷却器を組み立てる。これをオイルバスまたは電機ヒーターで加熱し、12時間抽出する。加熱は、冷却器からの滴下数が1分間130滴以上であるように調節する。続いて、抽出残分の入った円筒濾紙を取り出し、真空乾燥器にいれて80℃、100mmHg以下の真空度で5時間乾燥する。乾燥後、恒温恒湿中に2時間放置した後、精秤し、(P/Po)×100によりアイソタクチック指数を算出する。ただし、Poは抽出前の試料質量(g)、Pは抽出後の試料質量(g)である。
アイソタクチック指数を90%以下にすることで、ポリプロピレン結晶起因によるシート剛性を抑制することができる。アイソタクチック指数を下げる方法としては、例えば、非晶質ポリプロピレン成分(シンジオタクチックポリプロピレンやアダクチックポリプロピレン等)を一部に使う方法や、エチレンやα-オレフィン等のオレフィンモノマーを1種類以上ランダム共重合させる方法、各種ゴム成分(例えばエチレン-プロピレンゴム(EPR)、エチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)等の成分)を添加する方法を用いることができる。
また、ポリプロピレン樹脂(a)とポリプロピレン樹脂(b)との混合樹脂の溶融張力(2.0mm径のノズルキャピラリーレオメーターを用い、温度条件230℃、60mm/分で押し出し、2mm/分で引き取るときの張力)は、100mN以上500mN以下の範囲内にあることが望ましく、300mN以上400mN以下の範囲内にあることがより望ましい。500mNを超えると、溶融粘度が高くなりすぎて、安定した成膜ができなくなる。また100mN以下では、長鎖分岐成分が不十分となり、所望の性能を得難い。
また、ポリプロピレン樹脂(a)とポリプロピレン樹脂(b)との混合物の、JIS-K6760にて規定される230℃におけるメルトフローレートが5g/10min以上50g/10min以下の範囲内にすることで、分子量をある一定値以上で、かつ安定的な製膜状態を保持することができる。より好適なメルトフローレートの範囲は、10g/10min以上30g/10min以下の範囲内であり、更に好ましくは10g/10min以上25g/10min以下の範囲内である。メルトフローレートが50g/10minを超えると、Tダイによる溶融押し出し時に、Tダイから溶融押し出しされた樹脂が、中央に集まろうとする効果(ネックイン)が大きくなり、Tダイから溶融押し出しされた樹脂の端部厚さが増大してしまう。端部の厚さ増大は冷却効率の低下と巾方向の厚さ安定性に影響を与えるため、安定した製膜がしづらくなる。また、5g/10minよりも低いと、溶融樹脂のドローレゾナンスが悪くなり、Tダイから出た直後の溶融樹脂の速度(初速)と冷却ロールに触れた直後の樹脂の速度とのギャップに溶融樹脂が対応できなくなってしまい、安定した製膜がしづらくなる。
<造核剤ベシクル>
透明熱可塑性樹脂層6はナノサイズの造核剤を含んでいてもよい。ナノサイズの造核剤は、単層膜の外膜を具備するベシクルに内包された、造核剤ベシクルの形でポリプロピレン樹脂に添加されて使用される。透明熱可塑性樹脂層6は造核剤を含むため結晶化度を向上でき、化粧シート20の耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性等を向上することができる。なお、本実施形態において、透明熱可塑性樹脂層6を構成する樹脂中の造核剤は、当該造核剤の一部を露出させた状態で、ベシクルに内包されていてもよい。
ナノサイズの造核剤は、平均粒径が可視光の波長領域の1/2以下であることが好ましく、具体的には、可視光の波長領域が400nm以上750nm以下の範囲内であるので、平均粒径が375nm以下であることが好ましい。
ナノサイズの造核剤は、粒径が極めて小さいため、単位体積当たりに存在する造核剤の数と表面積とが粒子直径の三乗に反比例して増加する。その結果、各造核剤粒子間の距離が近くなるため、ポリプロピレン樹脂に添加された一の造核剤粒子の表面から結晶成長が生じた際に、結晶が成長している端部が直ちに、一の造核剤粒子に隣接する他の造核剤粒子の表面から成長している結晶の端部と接触し、互いの結晶の端部が成長を阻害して各結晶の成長が止まる。このため、結晶性ポリプロピレン樹脂の結晶部における、球晶の平均粒径を小さく、例えば、球晶サイズを小さくして1μm以下とすることができる。この結果、結晶化度の高い高硬度の着色ポリプロピレンフィルムとすることができると共に、曲げ加工時に生じる球晶間の応力集中が効率的に分散されるため、曲げ加工時の割れや白化を抑制した着色ポリプロピレンフィルムを実現することができる。
ここで、造核剤を単純添加した場合は、ポリプロピレン樹脂中の造核剤が2次凝集することで粒径が大きくなると共に添加した造核剤量に対して結晶核の数が、造核剤ベシクルとして添加した場合よりも大幅に少なくなってしまうことがある。このため、ポリプロピレン樹脂の結晶部における球晶の平均粒径が大きくなってしまい、曲げ加工時の割れや白化が抑制できないことがある。よって、結晶化度を高めることによる弾性率向上と加工性が両立できないことがある。
本実施形態の化粧シート20を構成する透明熱可塑性樹脂層6は、主成分としてのポリプロピレン樹脂100質量部に対して造核剤添加量に換算して0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内で造核剤ベシクルが添加されていることが好ましく、0.1質量部以上0.3質量部以下の範囲内で造核剤ベシクルが添加されていることがより好ましい。造核剤ベシクルの添加量が0.05質量部未満の場合、結晶化度が十分に向上せず、必要な弾性率(硬度)に達しないおそれがある。また、造核剤ベシクルの添加量が0.5質量部を超える場合、結晶核が過多のため球晶成長が逆に阻害され、結果的に結晶化度が十分に向上せず、必要な弾性率(硬度)に達しないおそれがある。
また、造核剤をナノ化する手法としては、例えば、造核剤に対して主に機械的な粉砕を行ってナノサイズの粒子を得る固相法、造核剤や造核剤を溶解させた溶液中でナノサイズの粒子の合成や結晶化を行う液相法、造核剤や造核剤からなるガス・蒸気からナノサイズの粒子の合成や結晶化を行う気相法等の方法を適宜用いることができる。固相法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、ロッドミル、コロイドミル、コニカルミル、ディスクミル、ハンマーミル、ジェットミル等が挙げられる。また、液相法としては、例えば、晶析法、共沈法、ゾルゲル法、液相還元法、水熱合成法等が挙げられる。更に、気相法としては、例えば、電気炉法、化学炎法、レーザー法、熱プラズマ法等が挙げられる。
造核剤をナノ化する手法としては、超臨界逆相蒸発法が好ましい。超臨界逆相蒸発法とは、超臨界状態又は臨界点以上の温度条件下又は圧力条件下の二酸化炭素を用いて対象物質を内包したカプセル(ナノサイズのベシクル)を作製する方法である。超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度(30.98℃)及び臨界圧力(7.3773±0.0030MPa)以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味し、臨界点以上の温度条件下又は圧力条件下の二酸化炭素とは、温度だけ又は圧力だけが臨界条件を越えた条件下の二酸化炭素を意味する。
また、超臨界逆相蒸発法による具体的なナノ化処理としては、まず超臨界二酸化炭素と外膜形成物質としてのリン脂質と内包物質としての造核剤との混合流体中に水相を注入し、攪拌することによって、超臨界二酸化炭素と水相のエマルジョンを生成させる。次に、減圧することで、二酸化炭素が膨張・蒸発して転相が生じ、リン脂質が造核剤粒子の表面を単層膜で覆ったナノカプセル(ナノベシクル)を生成させる。この超臨界逆相蒸発法を用いることにより、造核剤粒子表面で外膜が多重膜となる従来のカプセル化方法とは異なり、容易に単層膜のカプセルを生成することができるので、より小径なカプセルを調製することができる。
なお、造核剤ベシクルは、例えば、Bangham法、エクストルージョン法、水和法、界面活性剤透析法、逆相蒸発法、凍結融解法、超臨界逆相蒸発法などによって調製することができる。その中でも特に超臨界逆相蒸発法が好ましい。
造核剤ベシクルを構成する外膜は例えば単層膜から構成される。またその外膜は、例えば、リン脂質等の生体脂質を含む物質から構成される。
本実施形態では、外膜がリン脂質のような生体脂質を含む物質から構成される造核剤ベシクルを、造核剤リポソームと称する。
外膜を構成するリン脂質としては、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオピン、黄卵レシチン、水添黄卵レシチン、大豆レシチン、水添大豆レシチン等のグリセロリン脂質、スフィンゴミエリン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等のスフィンゴリン脂質が挙げられる。
ベシクルの外膜となるその他の物質としては、例えば、ノニオン系界面活性剤や、これとコレステロール類もしくはトリアシルグリセロールの混合物などの分散剤が挙げられる。このうちノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリグリセリンエーテル、ジアルキルグリセリン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリブタジエン-ポリオキシエチレン共重合体、ポリブタジエン-ポリ2-ビニルピリジン、ポリスチレン-ポリアクリル酸共重合体、ポリエチレンオキシド-ポリエチルエチレン共重合体、ポリオキシエチレン-ポリカプロラクタム共重合体等の1種又は2種以上を使用することができる。コレステロール類としては、例えば、コレステロール、α-コレスタノール、β-コレスタノール、コレスタン、デスモステロール(5、24-コレスタジエン-3β-オール)、コール酸ナトリウム又はコレカルシフェロール等を使用することができる。
また、リポソームの外膜は、リン脂質と分散剤との混合物から形成するようにしてもよい。本実施形態の化粧シート20においては、造核剤ベシクルを、リン脂質を含む外膜を具備したラジカル捕捉剤リポソームとすることが好ましく、外膜をリン脂質で構成することによって、透明熱可塑性樹脂層6の主成分である樹脂材料とベシクルとの相溶性を良好なものとすることができる。
造核剤としては、樹脂が結晶化する際に結晶化の起点となる物質であれば特に限定するものではない。造核剤としては、例えば、リン酸エステル金属塩、安息香酸金属塩、ピメリン酸金属塩、ロジン金属塩、ベンジリデンソルビトール、キナクリドン、シアニンブルー及びタルク等が挙げられる。特に、ナノ化処理の効果を最大限に得るべく、非溶融型で良好な透明性が期待できるリン酸エステル金属塩、安息香酸金属塩、ピメリン酸金属塩、ロジン金属塩を用いることが好ましいが、ナノ化処理によって材料自体の透明化が可能な場合には、有色のキナクリドン、シアニンブルー、タルクなども用いることができる。また、非溶融型の造核剤に対して、溶融型のベンジリデンソルビトールを適宜混合して用いるようにしてもよい。
上述のように、本実施形態の化粧シート20の特徴(発明特定事項)の一つは、「透明熱可塑性樹脂層6が、ベシクルに内包された造核剤を含有する」ことにある。そして、造核剤をベシクルに内包させた状態で樹脂組成物に添加することで、樹脂材料中、すなわち透明熱可塑性樹脂層6中への造核剤の分散性を飛躍的に向上するという効果が奏するが、その特徴を、完成された化粧シート20の状態における物の構造や特性にて直接特定することは、状況により困難な場合も想定され、非実際的であるといえる。その理由は次の通りである。ベシクルの状態で添加された造核剤は、高い分散性を有して分散された状態になっていて、作製した化粧シート20の状態においても、造核剤は透明熱可塑性樹脂層6に高分散されている。しかしながら、透明熱可塑性樹脂層6を構成する樹脂組成物に造核剤をベシクルの状態で添加して透明熱可塑性樹脂層6を作製した後の、化粧シート20の作製工程においては、通常、積層体への圧縮処理や硬化処理などの種々の処理が施されるが、このような処理によって、造核剤を内包するベシクルの外膜が破砕や化学反応して、造核剤が外膜で包含(包皮)されていない可能性も高く、その外膜が破砕や化学反応している状態が化粧シート20の処理工程によってばらつくためである。そして、この造核剤が外膜で包含されていないなどの状況は、物性自体を数値範囲で特定することが困難であり、また破砕された外膜の構成材料が、ベシクルの外膜なのか造核剤とは別に添加された材料なのか判定が困難な場合も想定される。このように、本実施形態は、従来に比して、透明熱可塑性樹脂層6に対し、造核剤が高分散で配合されている点で相違があるものの、造核剤を内包するベシクルの状態で添加されたためなのかどうかが、化粧シート20の状態において、その構造や特性を測定に基づき解析した数値範囲で特定することが非実際的である場合も想定される。
ここで、上記構成の造核剤ベシクルは、後述する表面保護層7に含有させていてもよく、透明熱可塑性樹脂層6の場合と同様に、その特徴を、完成された化粧シート20の状態における物の構造や特性にて直接特定することは、状況により困難な場合も想定され、非実際的であるといえる。
また、上記構成の造核剤ベシクルは、表面保護層7にのみ含有されていてもよい。また、上記構成の造核剤ベシクルは、透明熱可塑性樹脂層6のうち、後述する第1の樹脂層(透明熱可塑性樹脂層)4及び第2の樹脂層(透明熱可塑性樹脂層)5の少なくとも一方に含有されていればよい。その場合には、透明熱可塑性樹脂層6を構成する第1の樹脂層4は、主成分としてのポリプロピレン樹脂100質量部に対して造核剤添加量に換算して0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内で造核剤ベシクルが添加されていることが好ましく、0.1質量部以上0.3質量部以下の範囲内で造核剤ベシクルが添加されていることがより好ましい。また、透明熱可塑性樹脂層6を構成する第2の樹脂層5は、主成分としてのポリプロピレン樹脂100質量部に対して造核剤添加量に換算して0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内で造核剤ベシクルが添加されていることが好ましく、0.1質量部以上0.3質量部以下の範囲内で造核剤ベシクルが添加されていることがより好ましい。
透明熱可塑性樹脂層6において、層の数は、4層以上も可能だが、押し出し機の構造が複雑化し作業の煩雑さが大きくなるため、3層までが好ましい。もちろん、2層であってもよいし、1層であってもよい。
透明熱可塑性樹脂層6に形成されるエンボスは、絵柄模様層2が木目の場合には、自然木の持つ導管を凹みで表現してもよく、木目以外の場合でも砂目や幾何学模様の凹凸で意匠性を高めることが可能である。このように、エンボスを形成することで、化粧シート20の表面に立体感を与え、意匠性を向上させることができる。また、エンボスは、透明熱可塑性樹脂層6のみに留まらず、他の層に及んでもよい。エンボスを形成する方法としては、各層を貼り合せた後に全体を加熱してエンボスロールを押し当てる後エンボス方法や、透明熱可塑性樹脂層6をTダイから押し出してエンボスロールに押し当てる押し出し同時エンボス法等を用いることができる。このように、エンボスは、表面保護層7を形成する前に形成したものでもよく、あるいは表面保護層7を形成した後に形成したものでもよい。
透明熱可塑性樹脂層6の厚さは、70μm以上150μm以下の範囲内であれば好ましく、100μm以上120μm以下の範囲内であればより好ましい。透明熱可塑性樹脂層6の厚さが上記数値範囲内であれば、エンボスによる凹凸を形成することに支障がないことのほか、耐衝撃性や耐キャスター性において十分な効果が得られる。あるいは、意匠性の面でも、透明熱可塑性樹脂層6の存在が絵柄模様層2と相俟って、より深みや奥行きを感じさせる効果を持つ。具体的には、透明熱可塑性樹脂層6の厚さが70μm未満であると、耐衝撃性や耐キャスター性の各性能が得られないことがある。一方、透明熱可塑性樹脂層6の厚さが150μmを超えると、製造時の生産性が劣りコスト的にも不利となることがある。
図1では、透明熱可塑性樹脂層6は、絵柄模様層2側から、予め定めた樹脂(以下、「第1の樹脂」とも呼ぶ)を含んで構成される第1の樹脂層4、及び第1の樹脂とは異なる樹脂(以下、「第2の樹脂」とも呼ぶ)を含んで構成される第2の樹脂層5の2層がこの順に積層されて形成されている。また、透明熱可塑性樹脂層6は、第1の樹脂層4及び第2の樹脂層5の2層のみで構成されていてもよい。
本実施形態において、第1の樹脂層4の厚さは、例えば、10μm以上であればよく、透明熱可塑性樹脂層6全体の厚さの20%以下であればよい。また、第1の樹脂層4の厚さは、50μm以上であれば好ましく、透明熱可塑性樹脂層6全体の厚さの10%以下であればより好ましい。第1の樹脂層4の厚さが10μm未満であれば、第1の樹脂層4の密着安定性が低下する傾向がある。また、第1の樹脂層4の厚さが透明熱可塑性樹脂層6全体の厚さの20%超であれば、化粧シート20全体の表面強度が低下する傾向がある。つまり、第1の樹脂層4の厚さが10μm以上であり、且つ透明熱可塑性樹脂層6全体の厚さの20%以下であれば、第1の樹脂層4の密着安定性を維持しつつ、化粧シート20全体の表面強度を維持することができる。また、第1の樹脂層4の厚さは、10μm以上であり、且つ第1の樹脂層4及び第2の樹脂層5の2層のみで構成された透明熱可塑性樹脂層6全体の厚さの20%以下であってもよく、その場合であっても第1の樹脂層4の密着安定性を維持しつつ、化粧シート20全体の表面強度を維持することができる。
また、第1の樹脂層4に対する透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の含有率(質量%)は、第2の樹脂層5に対する透明ポリプロピレン樹脂の含有率(質量%)より大きくてもよい。この場合であっても第1の樹脂層4の密着安定性を維持しつつ、化粧シート20全体の表面強度を維持することができる。具体的には、第1の樹脂層4に対する透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の含有率(質量%)は、80質量%以上であってもよく、第2の樹脂層5に対する透明ポリプロピレン樹脂の含有率(質量%)より大きくてもよい。
第1の樹脂層4と第2の樹脂層5とを備えた場合には、第1の樹脂層4が着色熱可塑性樹脂基材シート1との接着性を担保し、第2の樹脂層5が主要部分となって、その他の物性を担うなど、材料の設計の巾を広げることが可能となる。第1の樹脂層4に透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を含めることで、層間の接着性を向上させることができる。また、第2の樹脂層5を透明ポリプロピレン樹脂を含めた層とすることで、樹脂内部の耐脆化を低減することができる。
なお、第1の樹脂層4と第2の樹脂層5の2層からなる透明熱可塑性樹脂層6を形成する方法としては、2軸押し出し機を用いて第1の樹脂層4と第2の樹脂層5とを2層同時に押し出して貼り合わせる方法が好ましい。
また、第2の樹脂層5は、第2の樹脂である透明ポリプロピレン樹脂とともに、紫外線吸収剤及び光安定剤のいずれか一方を含んで構成される層であってもよい。
また、透明熱可塑性樹脂層6に添加する紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系等から適宜選定する。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール,2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール,2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を用いることができる。
また、トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-イソ-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を用いることができる。
さらに、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、オクタベンゾンや変性物、重合物、誘導体等を用いることができる。イソシアネート添加による架橋による樹脂成分との結合を望めるため、紫外線吸収剤としては、特に、水酸基を有するものが適している。添加部数は、所望の耐候性に応じて設定すればよいが、樹脂固形分に対して0.1%以上50%以下の範囲内、好ましくは1%以上30%以下の範囲内とする。
また、透明熱可塑性樹脂層6に添加する光安定剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ポペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等を用いることができる。
添加部数は、所望の耐候性に応じて添加すればよいが、樹脂固形分に対して0.1質量%以上50質量%以下の範囲内、好ましくは1質量%以上30質量%以下の範囲内とする。
上記以外では、例えば、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤等を添加してもよい。熱安定剤としては、例えば、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3、5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]-プロピオネート、2、4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイトに代表される燐系酸化防止剤等やこれらの混合物、つまり、1種、または2種以上を組み合わせたものを用いることができる。
また、難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機系化合物や燐酸エステル系の難燃剤等を用いることができる。さらに、ブロッキング防止剤としては、例えば、珪酸アルミニウム、酸化珪素、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム等の無機系ブロッキング防止剤、脂肪酸アミド等の有機系ブロッキング防止剤等を用いることができる。
〔表面保護層7〕
表面保護層7は、化粧シート20の最表面にあって、化粧シート20に対する直接の外力、たとえば物がぶつかったり、移動の際に擦ったりといった外力に対して化粧シート20を保護する役割を果たす。つまり、表面保護層7は、化粧シート20の表面物性を向上させるものであり、化粧シート20表面に耐傷性や耐汚染性、滑り性等を付与し、艶、触感等に影響を与えるものである。
表面保護層7は、紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を含むことが好ましい。具体的には、表面保護層7の材料としては、例えば、熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂(UV硬化型樹脂)との混合物(ブレンド樹脂)が好ましい。このように、表面保護層7は、熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂、つまり、硬度が高い樹脂を含むため、表面に露出した表面保護層7によって、化粧シート20の耐傷性を向上できる。また、溶剤としては、酢酸エチル、酢酸nブチルを用いることができる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、化粧シート20の耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性等を考慮すれば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂を用いるのが好ましい。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂を用いることができる。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものであって、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールを用いることができる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることができる。多価イソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートを用いることができる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。なお、上記イソシアネートにおいて脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートは、耐候性、耐熱黄変性も良好にできる点で好ましく、例えば1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートを使用できる。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂を使用できる。
表面保護層7は、上述した電離放射線硬化型樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成された層であってもよい。表面保護層7は、主成分としての電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して造核剤添加量に換算して0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内で造核剤ベシクルが添加されていることが好ましく、0.1質量部以上0.3質量部以下の範囲内で造核剤ベシクルが添加されていることがより好ましい。造核剤ベシクルの添加量が0.05質量部未満の場合、結晶化度が十分に向上せず、必要な弾性率(硬度)に達しないおそれがある。また、造核剤ベシクルの添加量が0.5質量部を超える場合、結晶核が過多のため球晶成長が逆に阻害され、結果的に結晶化度が十分に向上せず、必要な弾性率(硬度)に達しないおそれがある。
また、電離放射線硬化型樹脂に添加する、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルは、リン脂質からなる外膜を備える造核剤リポソームであってもよいし、超臨界逆相蒸発法によって単層膜を具備するベシクルに前記造核剤を内包させてベシクル化したものであってもよい。
〔プライマー層8〕
着色熱可塑性樹脂基材シート1の絵柄模様層2側とは反対側の面には、プライマー層8が形成されている。
プライマー層8としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、これらの混合物等を使用することができる。更に、ポリオールとイソシアネートによる2液タイプにすることで、着色熱可塑性樹脂基材シート1とプライマー層8との密着性及びプライマー層8自体の凝集力が向上する。ポリオールとしては、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。また、イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′ジフェニルメタンジイソシアネートといった芳香族系、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートといった脂肪族系が挙げられる。反応性の早さの点、耐熱性の点で芳香族系のポリオールが好ましい。
プライマー層8の厚さは、1μm以上が好ましく、10μm以下が好ましい。プライマー層8の厚さは1μm未満となると接着剤の溶剤種によっては溶解してしまい、プライマー層8が消失することから密着性が向上しないことがある。
(化粧材21の構成)
以下、本発明の実施形態に係る化粧材21の構成について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の化粧材21の構造の例を図2に示す。本発明の実施形態に係る化粧材21は、本発明の実施形態に係る化粧シート20を構成する着色熱可塑性樹脂基材シート1と、木質基材層10とを、裏面接着剤層9を介して貼り合わせて形成されている。以下、化粧材21の構成する層について説明する。
〔裏面接着剤層9〕
着色熱可塑性樹脂基材シート1と木質基材層10との間には裏面接着剤層9が形成されている。裏面接着剤層9は、木質基材層10の上に、裏面接着剤層9を形成するための組成物を塗布して形成してもよいし、着色熱可塑性樹脂基材シート1の上に、裏面接着剤層9を形成するための組成物を塗布して形成してもよい。裏面接着剤層9に含まれる接着剤は、着色熱可塑性樹脂基材シート1に含まれる熱可塑性樹脂との組み合わせに応じて、例えば、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系等の中から任意に選択可能である。
裏面接着剤層9を形成するための組成物の塗布量は、3g/m以上20g/m以下の範囲内であることが好ましい。裏面接着剤層9を形成するための組成物の塗布量が3g/m未満であると、着色熱可塑性樹脂基材シート1と木質基材層10との間の密着性が全体的に不十分となる可能性がある。また、裏面接着剤層9を形成するための組成物の塗布量が20g/mを超えると、裏面接着剤層9を形成するための組成物の塗工が不均一となり、着色熱可塑性樹脂基材シート1と木質基材層10との間の密着性が不均一になる可能性がある。
〔木質基材層10〕
木質基材層10の材料としては、例えば、木材単板、木材合板、集成材、パーティクルボード、中密度繊維板、硬質繊維板を採用することができる。
(化粧シート20の製造方法)
以下、化粧シート20の製造方法について簡単に説明する。
まず、着色熱可塑性樹脂基材シート1上に、例えば、印刷によって絵柄模様層2を形成する。
その後、その絵柄模様層2上に、溶融した透明熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を多層押し出し機から押し出して形成した複数の層を積層することで、透明熱可塑性樹脂層6、即ち第1の樹脂層4及び第2の樹脂層5を形成する。次に、透明熱可塑性樹脂層6にエンボス加工を行う。最後に、エンボス加工が施された透明熱可塑性樹脂層6上に、例えば、ウレタン系樹脂に、硬化剤、紫外線吸収剤及び光安定剤を添加した樹脂組成物を塗布した後、その樹脂組成物を乾燥させて表面保護層7を形成する。こうして、本実施形態に係る化粧シート20を製造する。
なお、本実施形態に係る化粧シート20の製造方法では、絵柄模様層2と透明熱可塑性樹脂層6との間に第1接着剤層3を形成する工程を含んでもよい。
(化粧材21の製造方法)
以下、化粧材21の製造方法について簡単に説明する。
まず、上述した化粧シート20の着色熱可塑性樹脂基材シート1上に、裏面接着剤層9を塗工した後、ラミネータを用いて、化粧シート20と木質基材層10とを貼り合せて、化粧材21を製造する。
(本実施形態の効果)
本実施形態の化粧シート20は、着色熱可塑性樹脂基材シート1上に、絵柄模様層2、透明熱可塑性樹脂層6、及び表面保護層7がこの順に積層されている。また、着色熱可塑性樹脂基材シート1は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含み、着色熱可塑性樹脂基材シート1の厚さは、50μm以上200μm以下の範囲内である。また、少なくとも透明熱可塑性樹脂層6にはエンボスが形成されている。また、透明熱可塑性樹脂層6の厚さは、70μm以上150μm以下の範囲内である。また、表面保護層7は、電離放射線硬化型樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成された層である。
このような構成であれば、化粧シート及び化粧材に、床材性能として必要な耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性をそれぞれ付与することが可能となる。つまり、このような構成であれば、化粧シート及び化粧材に、床材性能として必要な耐傷性を付与しつつ、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性をそれぞれ付与することが可能となる。さらに、このような構成であれば、化粧シート及び化粧材に、床材性能として必要な耐傷性を付与しつつ、ロールtoロールの加工が可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
本実施形態の化粧シート20は、着色熱可塑性樹脂基材シート1上に、絵柄模様層2、透明熱可塑性樹脂層6、及び表面保護層7がこの順に積層されている。また、着色熱可塑性樹脂基材シート1は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含み、着色熱可塑性樹脂基材シート1の厚さは、50μm以上200μm以下の範囲内である。また、少なくとも透明熱可塑性樹脂層6にはエンボスが形成されている。また、透明熱可塑性樹脂層6の厚さは、70μm以上150μm以下の範囲内である。また、透明熱可塑性樹脂層6は、ポリプロピレン樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成された層である。また、表面保護層7は、紫外線硬化型樹脂を含んでいる。
このような構成であれば、化粧シート及び化粧材に、床材性能として必要な耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性をそれぞれ付与することが可能となる。つまり、このような構成であれば、化粧シート及び化粧材に、床材性能として必要な耐傷性を付与しつつ、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性をそれぞれ付与することが可能となる。さらに、このような構成であれば、化粧シート及び化粧材に、床材性能として必要な耐傷性を付与しつつ、ロールtoロールの加工が可能となり、生産性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の化粧シート20に備わる表面保護層7は、電離放射線硬化型樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成された層であってもよい。
このような構成であれば、表面保護層7に耐傷性、耐衝撃性、及び耐キャスター性をさらに付与することが可能となる。
また、本実施形態の化粧シート20に備わる造核剤ベシクルの添加量は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、造核剤ベシクル中の造核剤に換算して0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内であってもよい。
このような構成であれば、耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性の全てがさらに向上する。
また、本実施形態の化粧シート20に備わる造核剤ベシクルの添加量は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対し、造核剤ベシクル中の造核剤に換算して0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内であってもよい。
このような構成であれば、耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性の全てがさらに向上する。
また、本実施形態の化粧シート20に備わる造核剤ベシクルは、リン脂質からなる外膜を備える造核剤リポソームであってもよい。
このような構成であれば、耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性の全てがさらに向上する。
また、本実施形態の化粧シート20に備わる造核剤ベシクルは、超臨界逆相蒸発法によって単層膜を具備するベシクルに前記造核剤を内包させてベシクル化したものであってもよい。
このような構成であれば、耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性の全てがさらに向上する。
また、本実施形態の化粧シート20に備わる透明熱可塑性樹脂層6は、絵柄模様層2側に形成され、第1の樹脂を含んで形成される第1の樹脂層4と、第1の樹脂層4上に形成され、第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含んで形成される第2の樹脂層5とを備え、第1の樹脂は、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、第2の樹脂は、透明ポリプロピレン樹脂であってもよい。
このような構成であれば、層間密着性がさらに向上する。
また、本実施形態の化粧シート20に備わる着色熱可塑性樹脂基材シート1の絵柄模様層2側とは反対側の面に、プライマー層8を備えていてもよい。
このような構成であれば、加工性がより向上する。
また、本実施形態の化粧シート20に備わる着色熱可塑性樹脂基材シート1と、木質基材層10とを、接着剤を介して貼り合わせ、接着剤の塗布量は、3g/m以上20g/m以下の範囲内であってもよい。
このような構成であれば、加工性がさらに向上する。
(実施例)
〔実施例1〕
着色熱可塑性樹脂基材シート1として厚さ50μmのポリブチレンテレフタレート(PBT)シートを用い、表面側にグラビア印刷法によって木目模様を印刷して絵柄模様層2を形成した。
続いてこの絵柄模様層2上に、溶融した2層の透明熱可塑性樹脂を多軸エクストルーダーを用いてTダイで押し出して透明熱可塑性樹脂層6を70μmの厚さで形成した。第1の樹脂には、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂100質量部に、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.05質量部添加した樹脂を用い、第2の樹脂には、ポリプロピレン樹脂100質量部にフェノール系酸化防止剤を0.2質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を0.3質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.05質量部添加した樹脂を用いた。
2層からなる透明熱可塑性樹脂層6を形成するのと同時に全層を導管エンボス版とゴムロールでニップして、図1に示したような着色熱可塑性樹脂基材シート1、絵柄模様層2、第1接着剤層3、及び透明熱可塑性樹脂層6からなる積層体を得た。ここで、第1の樹脂層4の厚さは10μmとし、第2の樹脂層5の厚さは60μmとした。
この積層体のエンボス面に表面処理を施した後、トップコート樹脂としてウレタン系樹脂100質量部に対して硬化剤を10質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を1質量部添加した樹脂組成物を、グラビアコートで乾燥後の塗布量が5g/mとなるように塗布し、直ちに紫外線を照射して硬化させて表面保護層7を形成した。
着色熱可塑性樹脂基材シート1の裏面に表面処理を施した後、この面にポリオール100質量部に対して、シリカを10質量部、イソシアネートを3質量部添加した樹脂組成物をプライマー塗工液として、グラビアコートで乾燥後の塗布量が3g/mとなるように塗布、乾燥してプライマー層8を形成した。
このような手順により、実施例1の化粧シート20を形成した。
なお、後述する裏面接着剤層9の塗布量は、2g/mとした。
〔実施例2〕
着色熱可塑性樹脂基材シート1として厚さ200μmのポリブチレンテレフタレート(PBT)シートを用い、第1の樹脂層4の厚さは23μmとし、第2の樹脂層5の厚さは127μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例3〕
第1の樹脂には、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂100質量部に、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.5質量部添加した樹脂を用い、第2の樹脂には、ポリプロピレン樹脂100質量部にフェノール系酸化防止剤を0.2質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を0.3質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.5質量部添加した樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例4〕
第1の樹脂には、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂100質量部に、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.5質量部添加した樹脂を用い、第2の樹脂には、ポリプロピレン樹脂100質量部にフェノール系酸化防止剤を0.2質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を0.3質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.5質量部添加した樹脂を用いた以外は、実施例2と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例5〕
着色熱可塑性樹脂基材シート1として厚さ50μmのポリブチレンテレフタレート(PBT)シートを用い、表面側にグラビア印刷法によって木目模様を印刷して絵柄模様層2を形成した。
続いてこの絵柄模様層2上に、溶融した2層の透明熱可塑性樹脂を多軸エクストルーダーを用いてTダイで押し出して透明熱可塑性樹脂層6を70μmの厚さで形成した。第1の樹脂には、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を用い、第2の樹脂には、ポリプロピレン樹脂100質量部にフェノール系酸化防止剤を0.2質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を0.3質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部添加した樹脂を用いた。
2層からなる透明熱可塑性樹脂層6を形成するのと同時に全層を導管エンボス版とゴムロールでニップして、図1に示したような着色熱可塑性樹脂基材シート1、絵柄模様層2、第1接着剤層3、及び透明熱可塑性樹脂層6からなる積層体を得た。ここで、第1の樹脂層4の厚さは10μmとし、第2の樹脂層5の厚さは60μmとした。
この積層体のエンボス面に表面処理を施した後、トップコート樹脂としてウレタン系樹脂100質量部に対して硬化剤を10質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を1質量部、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.05質量部添加した樹脂組成物を、グラビアコートで乾燥後の塗布量が5g/mとなるように塗布し、直ちに紫外線を照射して硬化させて表面保護層7を形成した。
着色熱可塑性樹脂基材シート1の裏面に表面処理を施した後、この面にポリオール100質量部に対して、シリカを10質量部、イソシアネートを3質量部添加した樹脂組成物をプライマー塗工液として、グラビアコートで乾燥後の塗布量が3g/mとなるように塗布、乾燥してプライマー層8を形成した。
このような手順により、実施例5の化粧シート20を形成した。
なお、後述する裏面接着剤層9の塗布量は、2g/mとした。
〔実施例6〕
着色熱可塑性樹脂基材シート1として厚さ200μmのポリブチレンテレフタレート(PBT)シートを用い、第1の樹脂層4の厚さは23μmとし、第2の樹脂層5の厚さは127μmとした以外は、実施例5と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例7〕
トップコート樹脂としてウレタン系樹脂100質量部に対して硬化剤を10質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を1質量部、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.5質量部添加した樹脂組成物を用いた以外は、実施例5と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例8〕
トップコート樹脂としてウレタン系樹脂100質量部に対して硬化剤を10質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を1質量部、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.5質量部添加した樹脂組成物を用いた以外は、実施例6と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例9〕
トップコート樹脂としてウレタン系樹脂100質量部に対して硬化剤を10質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を1質量部、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.05質量部添加した樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例10〕
トップコート樹脂としてウレタン系樹脂100質量部に対して硬化剤を10質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を1質量部、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.05質量部添加した樹脂組成物を用いた以外は、実施例2と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例11〕
トップコート樹脂としてウレタン系樹脂100質量部に対して硬化剤を10質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を1質量部、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.5質量部添加した樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例12〕
トップコート樹脂としてウレタン系樹脂100質量部に対して硬化剤を10質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5質量部、ヒンダードアミン系光安定剤を1質量部、単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを0.5質量部添加した樹脂組成物を用いた以外は、実施例4と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例13〕
裏面接着剤層9の塗布量を3g/mとした用いた以外は、実施例1と同様にした。
〔実施例14〕
裏面接着剤層9の塗布量を3g/mとした用いた以外は、実施例5と同様にした。
〔実施例15〕
裏面接着剤層9の塗布量を20g/mとした用いた以外は、実施例1と同様にした。
〔実施例16〕
裏面接着剤層9の塗布量を20g/mとした用いた以外は、実施例5と同様にした。
〔実施例17〕
着色熱可塑性樹脂基材シート1として厚さ50μmのポリプロピレン(ポリオレフィン)シートを用いた以外は、実施例1と同様にして化粧シート20を形成した。
〔実施例18〕
着色熱可塑性樹脂基材シート1として厚さ50μmのポリプロピレン(ポリオレフィン)シートを用いた以外は、実施例5と同様にして化粧シート20を形成した。
〔比較例1〕
透明熱可塑性樹脂層6に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして化粧シート20を形成した。
〔比較例2〕
透明熱可塑性樹脂層6に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加しなかった以外は、実施例2と同様にして化粧シート20を形成した。
以上得られた20種類の化粧シートを、2液水性エマルジョン接着剤(中央理化工業(株)製「リカボンド」(「BA-10L」と「BA-11B」を100対5で混合))を用いて厚さ3.0mmのMDFに貼り合わせた。この貼り合わせにはラミネータを用いた。化粧シートとMDFとをそれぞれ貼り合わせた後、12時間養生した。そして、上述した化粧シートと化粧材を用いて以下の評価試験を実施した。耐衝撃試験については、作製した化粧材にさらに12mmのラワン合板を貼り合わせ、評価試験を実施した。
〔耐傷性〕
化粧材を、JIS K 5600に規定される鉛筆硬度試験にかけ、傷の付き方を確認した。
◎:5H以上で傷なし
○:2H~4Hで傷なし
△:HB~Hで傷なし
×:Bより軟らかいレベルで傷あり
なお、「△」以上の評価であれば実用可能レベルであるため、「合格」とした。
〔耐キャスター性〕
化粧材上で、ポリカーボネート製のダブルキャスター(直径40mm、1輪の幅9mm、2輪間の幅18mm)に25kgの重りで荷重をかけ(約245N)、1万回(1ストローク20cm以上、5千往復)、キャスターを速度20cm/秒で動かした。その後の痕について観察した。
◎:著しい変化なし
○:わずかに艶変化あり
△:わずかに艶変化あり、傷あり
×:著しい艶変化あり、傷あり
なお、「△」以上の評価であれば実用可能レベルであるため、「合格」とした。
〔耐衝撃性〕
デュポン式落球試験(JIS K 5600)に準拠して試験を行った。ただし、評価方法としては、高さ300mmから重り500gを化粧材上に落下させて、化粧材の凹み量の測定および表面の観察を行った。
◎:凹み量は2.0mm以下であり、表面に割れなし
○:凹み量は2.0mm以下であるが、わずかに表面に割れあり
△:凹み量は2.0mm以下であるが、割れあり
×:凹み量が2.0mm以上、または著しい割れあり
なお、「△」以上の評価であれば実用可能レベルであるため、「合格」とした。
〔加工性〕
化粧シートを化粧材に加工する際に選定可能な方法について確認した。
◎:インラインでのロールラミネート可能
○:インラインでのロールラミネート可能だが、加工にやや慎重性を要する
△:インラインでのロールラミネート可能だが、加工にかなりの慎重性を要する
×:ロールラミネート不可。枚葉での貼り合せのみ可能
なお、「△」以上の評価であれば実用可能レベルであるため、「合格」とした。
以上の評価結果を表1にまとめた。
Figure 0007424008000001
この結果から分かるように、本実施例に係る化粧シートは、床材性能として必要な耐傷性、耐衝撃性、耐キャスター性及び加工性をそれぞれ十分に備えている。
本実施形態の化粧シートは、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具、各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧、車両の内装等に用いる表面化粧用として利用が可能である。特に、本実施形態の化粧シートは、床材への利用が好ましい。
1:着色熱可塑性樹脂基材シート
2:絵柄模様層
3:第1接着剤層
4:透明熱可塑性樹脂層(第1の樹脂層)
5:透明熱可塑性樹脂層(第2の樹脂層)
6:透明熱可塑性樹脂層
7:表面保護層
8:プライマー層
9:裏面接着剤層
10:木質基材層
20:化粧シート
21:化粧材

Claims (10)

  1. 着色熱可塑性樹脂基材シート上に、絵柄模様層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層がこの順に積層され、
    前記着色熱可塑性樹脂基材シートは、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含み、
    前記着色熱可塑性樹脂基材シートの厚さは、50μm以上200μm以下の範囲内であり、
    少なくとも前記透明熱可塑性樹脂層にはエンボスが形成されており、
    前記透明熱可塑性樹脂層は、ポリプロピレン樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成され、
    前記透明熱可塑性樹脂層の厚さは、70μm以上150μm以下の範囲内であり、
    前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂に単層膜の外膜を具備するベシクルにナノサイズの造核剤が内包された造核剤ベシクルを添加して形成され
    前記造核剤ベシクルの添加量は、前記ポリプロピレン樹脂100質量部に対し、前記造核剤ベシクル中の造核剤に換算して0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内であり、且つ前記電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、前記造核剤ベシクル中の造核剤に換算して0.05質量部以上0.5質量部以下の範囲内であり、
    前記透明熱可塑性樹脂層における前記造核剤ベシクルの添加量は、前記表面保護層における前記造核剤ベシクルの添加量と同じであることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記造核剤ベシクルは、リン脂質からなる外膜を備える造核剤リポソームであることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記造核剤ベシクルは、超臨界逆相蒸発法によって単層膜を具備するベシクルに前記造核剤を内包させてベシクル化したものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記透明熱可塑性樹脂層は、前記絵柄模様層側に形成され、第1の樹脂を含んで形成される第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層上に形成され、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含んで形成される第2の樹脂層とを備え、
    前記第1の樹脂は、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、
    前記第2の樹脂は、透明ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記第1の樹脂層における前記造核剤ベシクルの添加量は、前記第2の樹脂層における前記造核剤ベシクルの添加量と同じであることを特徴とする請求項4に記載の化粧シート。
  6. 前記着色熱可塑性樹脂基材シートの前記絵柄模様層側とは反対側の面に、プライマー層を設けたことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 前記透明熱可塑性樹脂層に含まれる前記ポリプロピレン樹脂は、エチレンコンテンツを有するランダムポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の化粧シート。
  8. 前記透明熱可塑性樹脂層に含まれる前記ポリプロピレン樹脂は、自由末端長鎖分岐を付与した第一のポリプロピレン樹脂と、自由末端長鎖分岐を付与していない第二のポリプロピレン樹脂との混合物であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の化粧シート。
  9. 前記混合物の質量平均分子量/数平均分子量として定義される分子量分布Mw/Mnが1以上5以下の範囲内にあり、
    前記混合物の沸騰ヘプタン可溶残分率として規定されるアイソタクチック指数が1%以上90%以下の範囲内にあることを特徴とする請求項8に記載の化粧シート。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の化粧シートを構成する前記着色熱可塑性樹脂基材シートと、木質基材層とを、接着剤を介して貼り合わせ、
    前記接着剤の塗布量は、3g/m以上20g/m以下の範囲内であることを特徴とする化粧材。
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