JP7422929B1 - 血液浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】返血時、血液の流路が閉塞又は狭窄した場合であっても、血液回路内に残存する血液を円滑に患者の体内に戻すことができるとともに、返血中に置換液の供給ラインを接続し直す必要が生じない血液浄化装置を提供する。【解決手段】血液回路に配設され、血液回路において患者の血液を体外循環させる血液ポンプと、血液回路における特定位置の流路の圧力を検出する圧力センサと、血液回路における特定位置の流路の流量を検出する流量検出部と、血液回路における流路が閉塞または狭窄したときの圧力変化及び流量に関するデータを複数蓄積した蓄積データを教師データとして、流路の閉塞位置を判定する機械学習を行って得られた学習モデルを用いて、圧力センサ及び流量検出部で検出された圧力変化及び流量に基づいて所定時間経過後の閉塞位置を推定する閉塞推定部とを有する血液浄化装置。【選択図】図15

Description

本発明は、患者の血液を体外循環させつつ浄化するための血液浄化装置に関するものである。
一般に、透析治療を行うための血液浄化装置は、患者の血液を体外循環させるための血液回路を構成する脱血側血液回路及び返血側血液回路と、血液回路にて体外循環する血液を浄化するための血液浄化器と、血液回路及び血液浄化器にて血液浄化治療させるための血液ポンプ等の種々の部品が配設された装置本体とを具備している。脱血側血液回路及び返血側血液回路の先端には、それぞれバスキュラーアクセスカテーテル、或いは穿刺針(脱血側穿刺針及び返血側穿刺針)が取り付け可能とされる。
そして、例えば脱血側穿刺針及び返血側穿刺針を患者に穿刺した後、血液ポンプを駆動させることにより、患者の血液が脱血側血液回路及び返血側血液回路を体外循環することとなり、その過程において血液浄化器にて血液浄化されるようになっている。さらに、血液浄化治療が終了した後、通常、血液回路に残存する血液を患者に戻すための返血が行われる。この返血は、例えば特許文献1にて開示されているように、生理食塩液などの置換液を血液回路に供給することにより、血液回路内に残存する血液を押し流して患者の体内に戻す工程から成る。
特開2009-131412号公報
従来の血液浄化装置は、血液回路(特に脱血側血液回路)において血液凝固などにより血液の流路が閉塞又は狭窄すると、返血時に血液ポンプを駆動させても血液及び置換液の流動が行われず、返血が困難になってしまう。そのため、返血を断念して残存する血液を血液回路と共に廃棄し、或いは閉塞位置より下流側に置換液供給ラインを接続し直して返血を継続させる必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、返血時、血液の流路が閉塞又は狭窄した場合であっても、血液回路内に残存する血液を円滑に患者の体内に戻すことができるとともに、返血中に置換液の供給ラインを接続し直す必要が生じない血液浄化装置を提供することにある。
本発明に係る一実施形態の血液浄化装置は、患者から脱血するための脱血側血液回路及び患者へ返血するための返血側血液回路を有し、血液を浄化する血液浄化器が前記脱血側血液回路及び返血側血液回路に接続された状態で患者の血液が体外循環される血液回路と、前記血液回路に配設され、前記血液回路において患者の血液を体外循環させる血液ポンプと、前記血液回路における特定位置の流路の圧力を検出する圧力センサと、前記血液回路における特定位置の流路の流量を検出する流量検出部と、前記血液回路における流路が閉塞または狭窄したときの圧力変化及び流量に関するデータを複数蓄積した蓄積データを教師データとして、流路の閉塞位置を判定する機械学習を行って得られた学習モデルを用いて、前記圧力センサ及び流量検出部で検出された圧力変化及び流量に基づいて所定時間経過後の前記閉塞位置を推定する閉塞推定部とを有する。
本発明によれば、置換液の供給ラインを脱血側置換液供給ライン及び返血側置換液供給ラインの一方から他方に切り替えるので、返血時、血液の流路が閉塞又は狭窄した場合であっても、血液回路内に残存する血液を円滑に患者の体内に戻すことができるとともに、返血中に置換液の供給ラインを接続し直す必要が生じない。特に、機械学習を行った学習モデルを用いて、圧力センサ及び流量検出部で検出された圧力変化及び流量に基づいて所定時間経過後の閉塞位置を推定するので、学習モデルを利用して将来的に生じる閉塞又は狭窄を精度よく推定することができる。
本発明の第1の実施形態に係る血液浄化装置を示す模式図 同血液浄化装置の血液回路を示す模式図 同血液浄化装置における主な構成部品の接続関係を示すブロック図 同血液浄化装置における返血時の制御を示すフローチャート 他の返血時の工程を示すフローチャート 本発明の第2の実施形態に係る血液浄化装置を示す模式図 同血液浄化装置における主な構成部品の接続関係を示すブロック図 同血液浄化装置における返血時の制御を示すフローチャート 他の返血時の工程を示すフローチャート 本発明の第3の実施形態に係る血液浄化装置を示す模式図 同血液浄化装置の血液浄化治療中における圧力変化及び流量を示すグラフ 同血液浄化装置による閉塞位置の判定方法を示す概念図 同血液浄化装置における主な構成部品の接続関係を示すブロック図 他の血液浄化装置における主な構成部品の接続関係を示すブロック図 本発明の第4の実施形態に係る血液浄化装置を示す模式図 同血液浄化装置の血液浄化治療中における圧力変化及び流量を示すグラフ 同血液浄化装置による閉塞位置の判定方法を示す概念図 同血液浄化装置における主な構成部品の接続関係を示すブロック図 他の血液浄化装置における主な構成部品の接続関係を示すブロック図
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係る血液浄化装置は、患者の血液を体外循環させつつ浄化するための血液透析装置(特に、持続的腎代替療法を実施する透析装置)に適用されたもので、図1、2に示すように、脱血側血液回路1a及び返血側血液回路1bを有する血液回路1と、脱血側血液回路1a及び返血側血液回路1bの間に接続されて血液回路1を流れる血液を浄化するダイアライザ2(血液浄化器)と、第1透析液導入ラインL1a及び第2透析液導入ラインL1bと、第1補液ラインL2a、第2補液ラインL2bと、脱血側置換液供給ラインとしての生理食塩液供給ラインLaと、返血側置換液供給ラインとしての前補液ラインL2c及び後補液ラインL2dと、第1排液排出ラインL3a及び第2排液排出ラインL3bと、血液ポンプP1と、透析液導入ポンプP2と、第1補液ポンプP3と、排液排出ポンプP4と、透析液移送ポンプP5と、補液移送ポンプP6と、排液移送ポンプP7と、第2補液ポンプP8と、補充液小分けチャンバK1、透析液小分けチャンバK2及び排液小分けチャンバK3と、重量計4と、閉塞特定部7と、判断部8と、報知部9と、操作部10と、制御部11とを具備して構成されている。
また、本実施形態に係る血液ポンプP1、透析液導入ポンプP2、第1補液ポンプP3、排液排出ポンプP4、透析液移送ポンプP5、補液移送ポンプP6、排液移送ポンプP7及び第2補液ポンプP8は、流路を構成する可撓性チューブをしごいて送液するしごき型ポンプ(蠕動型ポンプ)にて構成されている。
脱血側血液回路1a及び返血側血液回路1bには、それぞれの先端にコネクタが接続されており、当該コネクタを介して脱血側穿刺針及び返血側穿刺針(不図示)が接続可能とされている。また、脱血側血液回路1a及び返血側血液回路1bの先端部には、それぞれ電磁弁等のクランプ部V1、V2が取り付けられており、任意に流路を開閉可能とされている。そして、脱血側血液回路1aの先端に接続された脱血側穿刺針及び返血側血液回路1bの先端に接続された返血側穿刺針を患者に穿刺した状態で、クランプ部V1、V2を開状態とし、血液ポンプP1を駆動させると、血液回路1にて患者の血液を体外循環させ得るようになっている。
すなわち、脱血側穿刺針及び返血側穿刺針を患者に穿刺した状態において、血液ポンプP1を駆動させると、患者の血液は、脱血側血液回路1aを通ってダイアライザ2に至り、ダイアライザ2によって血液浄化が施された後、返血側血液回路1bを通って患者の体内に戻るようになっている。なお、本明細書においては、血液を脱血(採血)する穿刺針の側を「脱血側」と称し、血液を患者に戻す穿刺針の側を「返血側」と称しており、「脱血側」及び「返血側」とは、穿刺の対象となる血管が動脈及び静脈の何れかによって定義されるものではない。
また、返血側血液回路1bの途中には、エアトラップチャンバ3が接続されており、血液回路1にて体外循環する血液は、当該エアトラップチャンバ3にて気泡が取り除かれた後、患者に戻ることとなる。なお、脱血側穿刺針及び返血側穿刺針を患者の血管に穿刺する形態に代えて、ダブルルーメンカテーテルを患者の鎖骨下静脈或いは大腿静脈に挿入、或いは患者の腕の血管に挿入する等の形態であってもよい。
ダイアライザ2は、血液を導入可能な血液導入ポート2aと、血液を導出可能な血液導出ポート2bと、透析液を導入可能な透析液導入ポート2cと、透析液を導出可能な透析液導出ポート2dと、血液導入ポート2a及び血液導出ポート2bに亘って延設されて血液を流通可能な血液流路(不図示)と、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dに亘って延設されて透析液を流通可能な透析液流路(不図示)と、血液流路と透析液流路との間に介在して当該血液流路を流通する血液を浄化し得る血液浄化膜(不図示)とを有している。
より具体的には、ダイアライザ2は、その筐体部に、血液導入ポート2a、血液導出ポート2b、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dが突出形成されており、このうち血液導入ポート2aには脱血側血液回路1aが、血液導出ポート2bには返血側血液回路1bがそれぞれ接続されるとともに、透析液導入ポート2cには第2透析液導入ラインL1bが、透析液導出ポート2dには第1排液排出ラインL3aがそれぞれ接続されるようになっている。
また、ダイアライザ2内には、複数の中空糸膜が収容されており、この中空糸が血液を浄化するための血液浄化膜を構成している。すなわち、中空糸を構成する血液浄化膜の内部が血液流路とされるとともに、筐体と中空糸との間の空間が透析液流路とされているのである。そして、血液浄化膜は、中空糸膜を形成しており、その外周面と内周面とを貫通した微小な孔(ポア)が多数形成され、当該中空糸該膜を介して血液流路を流通する血液中の不純物等が透析液流路を流通する透析液内に透過(濾過)し得るよう構成されている。
透析液導入ポート2cは、第1透析液導入ラインL1a、透析液小分けチャンバK2及び第2透析液導入ラインL1bを介して透析液収容バッグB1に接続されており、透析液導入ポンプP2及び透析液移送ポンプP5を駆動させることにより、透析液収容バッグB1に収容された透析液がダイアライザ2に導入可能とされている。なお、ダイアライザ2に導入される透析液は、加温器H1にて加温されるようになっている。
透析液導出ポート2dは、第1排液排出ラインL3aに接続されており、排液排出ポンプP4及び排液移送ポンプP7を駆動させることにより、ダイアライザ2から排出された排液を排液小分けチャンバK3及び第2排液排出ラインL3bを介して装置外部に排出し得るようになっている。なお、第1排液排出ラインL3aには、圧力センサPaが接続されており、ダイアライザ2から排出された排液の液圧を検出可能とされている。
さらに、補充液収容バッグB2には、所定量の補充液(置換液)が収容されており、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させることにより、第1補液ラインL2a、補充液小分けチャンバK1及び第2補液ラインL2bを介して血液回路1に補充液(置換液)を供給して補液(前補液又は後補液)可能とされている。なお、血液回路1に導入される補充液(置換液)は、加温器H2にて加温されるとともに、エアトラップチャンバ6にて除泡されるようになっている。また、エアトラップチャンバ6の上部には、圧力センサPbが取り付けられている。
より具体的には、第2補液ラインL2bの先端には、前補液ラインL2c及び後補液ラインL2dが接続されており、前補液ラインL2cは、脱血側血液回路1aにおける血液ポンプP1とダイアライザ2との間に接続されるとともに、後補液ラインL2dは、返血側血液回路1bにおけるエアトラップチャンバ3に接続されている。なお、前補液ラインL2cにおける脱血側血液回路1aとの接続部近傍、及び後補液ラインL2dにおけるエアトラップチャンバ3との接続部近傍には、それぞれ逆止弁が接続されている。
また、前補液ラインL2cには、第2補液ポンプP8が配設されており、第1補液ポンプP3と略同一の流動となるように第2補液ポンプP8を駆動させることにより、補充液小分けチャンバK1の補充液を脱血側血液回路1aに導入させて前補液することができるとともに、第1補液ポンプP3を駆動させつつ第2補液ポンプP8を停止させることにより、補充液小分けチャンバK1の補充液を返血側血液回路1bに導入させて後補液することができる。
さらに、第2補液ポンプP8を第1補液ポンプP3よりも低い送液量となるよう駆動させることにより、当該第2補液ポンプP8の流量に応じた割合で、脱血側血液回路1a及び返血側血液回路1bに補充液を導入させて前後補液することができるようになっている。なお、第1補液ポンプP3及び第2補液ポンプP8の送液量の比率を任意に変更するように第1補液ポンプP3及び第2補液ポンプP8を制御することによって、前補液量及び後補液量の比率を変更可能とされている。
一方、本実施形態に係る血液回路1の脱血側血液回路1aには、図2に示すように、返血時に血液回路1に置換液(本実施形態においては生理食塩液)を供給する生理食塩液供給ラインLa(脱血側置換液供給ライン)が接続されている。この生理食塩液供給ラインLaは、血液ポンプP1の配設位置E3より患者側に位置する上流位置(すなわち、脱血側血液回路1aの先端部E1と血液ポンプP1の配設位置E3との間の接続位置E2)に接続され、所定量の生理食塩液を収容した生理食塩液収容バッグB3が接続されるとともに、クランプ部V3にて流路が開閉可能とされている。
ここで、本実施形態に係る前補液ラインL2c及び後補液ラインL2dは、図2に示すように、血液回路1における上流位置とは異なる下流位置(すなわち、血液ポンプP1の配設位置E3と返血側血液回路1bの先端部E6との間の位置)に接続されており、返血時に脱血側血液回路1a又は返血側血液回路1bに置換液を供給可能とされている。具体的には、前補液ラインL2cは、血液ポンプP1の配設位置E3とダイアライザ2との間の接続位置E4に接続されるとともに、後補液ラインL2dは、ダイアライザ2と返血側血液回路1bの先端部E6との間の接続位置E5(本実施形態においてはエアトラップチャンバ3に形成された位置)に接続されている。
そして、血液浄化治療中においては、クランプ部V1、V2を開状態、且つ、クランプ部V3を閉状態とすることにより、血液回路1にて患者の血液を体外循環させつつダイアライザ2にて血液浄化治療を施すことができるとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させつつ第2補液ポンプP8を選択的に駆動させることにより、前補液ラインL2cから脱血側血液回路1aに補充液を供給して前補液し、或いは後補液ラインL2dから返血側血液回路1bに補充液を供給して後補液可能とされている。
さらに、血液回路1の所定部位には、圧力検知部としての圧力センサ(第1圧力センサS1、第2圧力センサS2及び第3圧力センサS3)が取り付けられており、血液回路1又はダイアライザ2における血液の流路の圧力(液圧)を検知可能とされている。第1圧力センサS1は、上流位置(脱血側血液回路1aの先端部E1と血液ポンプP1の配設位置E3との間の位置)の圧力を検知するとともに、第2圧力センサS2及び第3圧力センサS3は、下流位置(血液ポンプP1の配設位置E3と返血側血液回路1bの先端部E6との間の位置)におけるダイアライザ2の上流側及び下流側の圧力を検知するものとされている。
具体的には、第1圧力センサS1は、生理食塩液供給ラインLaの接続位置E2と血液ポンプP1の配設位置E3との間の位置、第2圧力センサS2は、血液ポンプP1の配設位置E3とダイアライザ2との間の位置、第3圧力センサS3は、ダイアライザ2と返血側血液回路1bの先端部E6との間の位置(エアトラップチャンバ3)にそれぞれ取り付けられており、血液の流路における各位置の圧力(液圧)を検知可能とされている。なお、第3圧力センサS3は、エアトラップチャンバ3の空気層の圧力を検知する静脈圧センサを流用して液圧を検出するものとされている。
閉塞特定部7は、図3に示すように、第1圧力センサS1、第2圧力センサS2及び第3圧力センサS3と電気的に接続されたマイコン等の演算部から成り、第1圧力センサS1、第2圧力センサS2及び第3圧力センサS3で検知された圧力に応じて血液回路1又はダイアライザ2における血液の流路の閉塞位置を特定するものである。この閉塞特定部7による閉塞位置の特定は、血液浄化治療中又は返血中の何れであってもよい。
例えば、第1圧力センサS1の検出値が上昇し、且つ、第2圧力センサS2の検出値が低下した場合、第1圧力センサS1と第2圧力センサS2との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定できるとともに、第2圧力センサS2の検出値が上昇し、且つ、第3圧力センサS3の検出値が正常値の場合、第2圧力センサS2とエアトラップチャンバ3との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定できる。なお、第1圧力センサS1~第3圧力センサS3の何れも検出値が正常値の場合、血液回路1に閉塞又は狭窄がないと判断できる。
判断部8は、図3に示すように、閉塞特定部7と電気的に接続されたマイコン等の演算部から成り、閉塞特定部7により閉塞位置が特定された場合、返血時、閉塞位置に応じて置換液(補充液)の供給ラインを脱血側置換液供給ライン(生理食塩液供給ラインLa)及び返血側置換液供給ライン(前補液ラインL2c及び後補液ラインL2d)の一方から他方に切り替えることを判断するものである。
例えば、閉塞特定部7により生理食塩液供給ラインLaの接続位置E2と血液ポンプP1の配設位置E3との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定された場合、判断部8は、生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給すると判断するとともに、閉塞特定部7により前補液ラインL2cの接続位置E4とダイアライザ2との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定された場合、判断部8は、生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cから後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給すると判断する。
報知部9は、判断部8と電気的に接続された出力装置から成り、置換液供給ラインの切り替えを判断部8が判断したとき、返血時、置換液の供給ラインの切り替え操作を報知するものである。この報知部9は、例えばモニタ等の表示装置により切り替えを促す画像表示を行うもの、スピーカ等の出力装置による切り替えを促す音声出力を行うもの、LED等の点灯装置により切り替えを促す点灯又は点滅を行うもの等から成る。
例えば、返血時、判断部8が生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給すると判断した場合、報知部9は、生理食塩液供給ラインLaからの置換液(生理食塩液)の供給に代えて前補液ラインL2cからの置換液(補充液)の供給を行うための操作を報知して促すとともに、判断部8が生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cから後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給すると判断した場合、報知部9は、生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cからの置換液の供給に代えて後補液ラインL2dからの置換液の供給を行うための操作を報知して促すようになっている。
操作部10は、返血時、報知部9が置換液の供給ラインの切り替え操作を報知したとき、その切替のための操作を行うためのもので、例えばクランプ部V1の開閉操作、種々ポンプの駆動又は停止操作を行うことができるよう構成されている。より具体的には、生理食塩液供給ラインLaからの置換液(生理食塩液)の供給に代えて前補液ラインL2cからの置換液(補充液)の供給を行わせるための操作として、クランプ部V1を閉状態として血液ポンプP1の駆動を停止させるとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させつつ第2補液ポンプP8を駆動させる操作が挙げられる。
また、前補液ラインL2cからの置換液(補充液)の供給に代えて後補液ラインL2dからの置換液(補充液)の供給を行わせるための操作として、クランプ部V1の閉状態及び血液ポンプP1の駆動の停止状態を維持するとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させつつ第2補液ポンプP8を停止させる操作が挙げられる。さらに、生理食塩液供給ラインLaからの置換液(生理食塩液)の供給に代えて後補液ラインL2dからの置換液(補充液)の供給を行わせるための操作として、クランプ部V1を閉状態として血液ポンプP1の駆動を停止させるとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させつつ第2補液ポンプP8を停止させる操作が挙げられる。
制御部11は、置換液の供給ラインを脱血側置換液供給ライン及び返血側置換液供給ラインの一方から他方に切り替えるものである。具体的には、本実施形態に係る制御部11は、図3に示すように、操作部10、血液ポンプP1、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6、及び第2補液ポンプP8とそれぞれ電気的に接続されたマイコン等から成り、報知部9の報知に応じて操作者が所定の操作を行ったことを条件として、置換液の供給ラインを脱血側置換液供給ライン(生理食塩液供給ライン)及び返血側置換液供給ライン(前補液ラインL2c又は後補液ラインL2d)の一方から他方に切り替えるものである。なお、操作部10は、例えば、閉塞特定部7、判断部8、及び報知部9等の全て又は一部と電気的に接続されてもよく、適宜の電気的な接続構成を採用され得る。
次に、第1の実施形態に係る血液浄化装置による返血時の制御内容について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
血液浄化治療が終了した後、返血が開始されると、ダイアライザ2に対する透析液の供給を停止させるとともに、クランプ部V3を開状態としつつ血液ポンプP1を停止させる。これにより、生理食塩液収容バッグB3内の生理食塩液が血液回路1内に供給され、ヘッド差による自重により脱血側血液回路1aにおける先端部E1と接続位置E2との間の流路が血液から置換液に置換され、その置換された血液が患者に返血される。
その後、クランプ部V1が閉状態とされるとともに、以下の工程を経ることにより、血液回路1における接続位置E2から返血側血液回路1bの先端部E6までの返血が行われる。すなわち、S1にて閉塞特定部7による閉塞位置の特定の有無について判定され、閉塞位置の特定がない(閉塞又は狭窄が検知されない)と判定されると、S7にて血液ポンプP1を駆動させ、S8にて返血量が規定量に達したか否か判定される。このとき、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6及び第2補液ポンプP8は停止状態とされる。そして、返血量が規定量に達するまで血液ポンプP1の駆動が継続され、規定量に達したと判断されると、返血を終了する。
一方、S1にて閉塞位置の特定があると判定されると、S2にて判断部8によって置換液供給ラインの切り替えが判断される。例えば、脱血側血液回路1aの先端部E1と血液ポンプP1の配設位置E3との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定された場合、判断部8は、生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給すると判断するとともに、閉塞特定部7により血液ポンプP1の配設位置E3とダイアライザ2との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定された場合、判断部8は、生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cから後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給すると判断する。
その後、S3にて報知部9により置換液供給ラインの切り替えが報知された後、S4にて報知部9による報知に従った切替操作が行われたか否か判定される。そして、S4にて報知部9による報知に従った操作者による切替操作が行われたと判定されると、S5に進み、操作部10に対する切替操作に基づいて、制御部11は、血液ポンプP1の停止状態を維持するとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させる。なお、切替操作においては、クランプ部V3を閉状態とする操作も行われることとなる。
このとき、制御部11は、前補液ラインL2cから置換液を供給する場合は、血液ポンプP1を停止させつつ第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させ、且つ、第2補液ポンプP8を駆動させる(このようにして、制御部11は、血液ポンプP1、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6、及び第2補液ポンプP8の駆動状態を変更することで、生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに置換液の供給ラインを切り替える。)。また、後補液ラインL2dから置換液を供給する場合は、血液ポンプP1を停止させつつ第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させ、且つ、第2補液ポンプP8を停止させる(上述の説明と同様に、制御部11は、血液ポンプP1、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6、及び第2補液ポンプP8の駆動状態を変更することで、生理食塩液供給ライン又は前補液ラインL2cから後補液ラインL2dに置換液の供給ラインを切り替える。)。
そして、S5にて補液ポンプの駆動(第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6の駆動及び第2補液ポンプP8の選択的駆動)が行われた後、S6にて返血量が規定量に達したか否か判定される。そして、返血量が規定量に達するまで補液ポンプの駆動(第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6の駆動及び第2補液ポンプP8の選択的駆動)が継続され、規定量に達したと判断されると、返血を終了する。この返血においては、閉塞特定部7による閉塞位置の特定を血液浄化治療の終盤に行うことができる。
次に、第1の実施形態に係る血液浄化装置による返血時の他の制御内容について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
血液浄化治療が終了した後、返血が開始されると、ダイアライザ2に対する透析液の供給を停止させるとともに、クランプ部V3を開状態としつつ血液ポンプP1を停止させる。これにより、生理食塩液収容バッグB3内の生理食塩液が血液回路1内に供給され、ヘッド差による自重により脱血側血液回路1aにおける先端部E1と接続位置E2との間の流路が血液から置換液に置換され、その置換された血液が患者に返血される。
その後、クランプ部V1が閉状態とされるとともに、以下の工程を経ることにより、血液回路1における接続位置E2から返血側血液回路1bの先端部E6までの返血が行われる。すなわち、S1にて血液ポンプP1が駆動された後、S2にて閉塞特定部7による閉塞位置の特定の有無について判定され、閉塞位置の特定がない(閉塞又は狭窄が検知されない)と判定されると、S8にて返血量が規定量に達したか否か判定される。このとき、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6及び第2補液ポンプP8は停止状態とされる。そして、返血量が規定量に達するまで血液ポンプP1の駆動が継続され、規定量に達したと判断されると、返血を終了する。
一方、S2にて閉塞位置の特定があると判定されると、S3にて判断部8によって置換液供給ラインの切り替えが判断される。例えば、生理食塩液供給ラインLaの接続位置E2と血液ポンプP1の配設位置E3との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定された場合、判断部8は、生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給すると判断するとともに、閉塞特定部7により前補液ラインL2cの接続位置E4とダイアライザ2との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定された場合、判断部8は、生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cから後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給すると判断する。
その後、S4にて報知部9により置換液供給ラインの切り替えが報知された後、S5にて報知部9による報知に従った切替操作が行われたか否か判定される。そして、S5にて報知部9による報知に従った操作者による切替操作が行われたと判定されると、S6に進み、操作部10に対する切替操作に基づいて、制御部11にて血液ポンプP1を停止させるとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させる。なお、クランプ部V3を閉状態とする操作も行われることとなる。
このとき、制御部11は、生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給する場合は、血液ポンプP1を停止させつつ第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させ、且つ、第2補液ポンプP8を駆動させる。また、制御部11は、生理食塩液供給ラインLa(前補液ラインL2c)から後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給する場合は、血液ポンプP1を停止させつつ第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させ、且つ、第2補液ポンプP8を停止させる。
そして、S6にて補液ポンプの駆動(第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6の駆動及び第2補液ポンプP8の選択的駆動)が行われた後、S7にて返血量が規定量に達したか否か判定される。そして、返血量が規定量に達するまで補液ポンプの駆動(第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6の駆動及び第2補液ポンプP8の選択的駆動)が継続され、規定量に達したと判断されると、返血を終了する。この返血においては、閉塞特定部7による閉塞位置の特定を返血開始直後に行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る血液浄化装置について説明する。
第2の実施形態に係る血液浄化装置は、患者の血液を体外循環させつつ浄化するための血液透析装置(特に、持続的腎代替療法を実施する透析装置)に適用されたもので、図6に示すように、血液回路1と、ダイアライザ2(血液浄化器)と、第1透析液導入ラインL1a及び第2透析液導入ラインL1bと、第1補液ラインL2a、第2補液ラインL2bと、脱血側置換液供給ラインとしての生理食塩液供給ラインLaと、返血側置換液供給ラインとしての前補液ラインL2c及び後補液ラインL2dと、第1排液排出ラインL3a及び第2排液排出ラインL3bと、血液ポンプP1と、透析液導入ポンプP2と、第1補液ポンプP3と、排液排出ポンプP4と、透析液移送ポンプP5と、補液移送ポンプP6と、排液移送ポンプP7と、第2補液ポンプP8と、補充液小分けチャンバK1、透析液小分けチャンバK2及び排液小分けチャンバK3と、重量計4と、閉塞特定部7と、判断部8と、制御部11とを具備して構成されている。なお、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
制御部11は、図7に示すように、判断部8、血液ポンプP1及び補液ポンプ(第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6及び第2補液ポンプP8)と電気的に接続されたマイコン等から成り、本実施形態においては、置換液の供給ラインを脱血側置換液供給ライン及び返血側置換液供給ラインの一方から他方に切り替えることを判断部8にて判断したとき、置換液の供給ラインを前記脱血側置換液供給ライン及び返血側置換液供給ラインの一方から他方に自動的に切り替えるよう構成されている。例えば、返血時、判断部8が生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給すると判断した場合、生理食塩液供給ラインLaからの置換液(生理食塩液)の供給に代えて前補液ラインL2cからの置換液(補充液)の供給に自動的に切り替えるとともに、判断部8が生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cから後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給すると判断した場合、生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cからの置換液の供給に代えて後補液ラインL2dからの置換液の供給に自動的に切り替えるようになっている。
次に、第2の実施形態に係る血液浄化装置による返血時の制御内容について、図8のフローチャートに基づいて説明する。
血液浄化治療が終了した後、返血が開始されると、ダイアライザ2に対する透析液の供給を停止させるとともに、クランプ部V3を開状態としつつ血液ポンプP1を停止させる。これにより、生理食塩液収容バッグB3内の生理食塩液が血液回路1内に供給され、ヘッド差による自重により脱血側血液回路1aにおける先端部E1と接続位置E2との間の流路が血液から置換液に置換され、その置換された血液が患者に返血される。
その後、クランプ部V1が閉状態とされるとともに、以下の工程を経ることにより、血液回路1における接続位置E2から返血側血液回路1bの先端部E6までの返血が行われる。すなわち、S1にて閉塞特定部7による閉塞位置の特定の有無について判定され、閉塞位置の特定がない(閉塞又は狭窄が検知されない)と判定されると、S6にて血液ポンプP1を駆動させ、S7にて返血量が規定量に達したか否か判定される。このとき、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6及び第2補液ポンプP8は停止状態とされる。そして、返血量が規定量に達するまで血液ポンプP1の駆動が継続され、規定量に達したと判断されると、返血を終了する。
一方、S1にて閉塞位置の特定があると判定されると、S2にて判断部8によって置換液供給ラインの切り替えが判断される。例えば、閉塞特定部7により生理食塩液供給ラインLaの接続位置E2と血液ポンプP1の配設位置E3との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定された場合、判断部8は、生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給すると判断するとともに、閉塞特定部7により前補液ラインL2cの接続位置E4とダイアライザ2との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定された場合、判断部8は、生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cから後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給すると判断する。
その後、S3にて判断部8の判断に基づいて制御部11による切替制御が行われ、S4にて血液ポンプP1の停止状態を維持するとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させる。このとき、制御部11は、前補液ラインL2cから置換液を供給する場合は、血液ポンプP1を停止させつつ第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させ、且つ、第2補液ポンプP8を駆動させる制御を行う。また、制御部11は、後補液ラインL2dから置換液を供給する場合は、血液ポンプP1を停止させつつ第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させ、且つ、第2補液ポンプP8を停止させる制御を行う。ここで、切替制御は、血液ポンプP1、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6、及び第2補液ポンプP8等の駆動(アクチュエータの駆動状態)を切り替える制御であるが、これに限らず、置換液供給ラインを示すモード(血液浄化装置の内部状態)の切替制御でもよい。また、クランプ部V3を閉状態とする操作が切替制御で行われてもよい。
そして、S4にて補液ポンプの駆動(第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6の駆動及び第2補液ポンプP8の選択的駆動)が行われた後、S5にて返血量が規定量に達したか否か判定される。そして、返血量が規定量に達するまで補液ポンプの駆動(第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6の駆動及び第2補液ポンプP8の選択的駆動)が継続され、規定量に達したと判断されると、返血を終了する。この返血においては、閉塞特定部7による閉塞位置の特定を血液浄化治療の終盤に行うことができる。
次に、第2の実施形態に係る血液浄化装置による返血時の他の制御内容について、図9のフローチャートに基づいて説明する。
血液浄化治療が終了した後、返血が開始されると、ダイアライザ2に対する透析液の供給を停止させるとともに、クランプ部V3を開状態としつつ血液ポンプP1を停止させる。これにより、生理食塩液収容バッグB3内の生理食塩液が血液回路1内に供給され、ヘッド差による自重により脱血側血液回路1aにおける先端部E1と接続位置E2との間の流路が血液から置換液に置換され、その置換された血液が患者に返血される。
その後、クランプ部V1が閉状態とされるとともに、以下の工程を経ることにより、血液回路1における接続位置E2から返血側血液回路1bの先端部E6までの返血が行われる。すなわち、S1にて血液ポンプP1が駆動された後、S2にて閉塞特定部7による閉塞位置の特定の有無について判定され、閉塞位置の特定がない(閉塞又は狭窄が検知されない)と判定されると、S7にて返血量が規定量に達したか否か判定される。このとき、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6及び第2補液ポンプP8は停止状態とされる。そして、返血量が規定量に達するまで血液ポンプP1の駆動が継続され、規定量に達したと判断されると、返血を終了する。
一方、S2にて閉塞位置の特定があると判定されると、S3にて判断部8によって置換液供給ラインの切り替えが判断される。例えば、閉塞特定部7により生理食塩液供給ラインLaの接続位置E2と血液ポンプP1の配設位置E3との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定された場合、判断部8は、生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給すると判断するとともに、閉塞特定部7により前補液ラインL2cの接続位置E4とダイアライザ2との間で閉塞又は狭窄が生じていると特定された場合、判断部8は、生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cから後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給すると判断する。
その後、S4にて判断部8の判断に基づいて制御部11による切替制御が行われ、S5にて血液ポンプP1を停止させるとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させる。このとき、制御部11は、生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給する場合は、血液ポンプP1を停止させつつ第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させ、且つ、第2補液ポンプP8を駆動させる制御を行う。また、制御部11は、生理食塩液供給ラインLaから後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給する場合は、血液ポンプP1を停止させつつ第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させ、且つ、第2補液ポンプP8を停止させる制御を行う。ここで、切替制御は、血液ポンプP1、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6、及び第2補液ポンプP8等の駆動(アクチュエータの駆動状態)を切り替える制御であるが、これに限らず、置換液供給ラインを示すモード(血液浄化装置の内部状態)の切替制御でもよい。また、クランプ部V3を閉状態とする操作が切替制御で行われてもよい。
そして、S5にて補液ポンプの駆動(第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6の駆動及び第2補液ポンプP8の選択的駆動)が行われた後、S6にて返血量が規定量に達したか否か判定される。そして、返血量が規定量に達するまで補液ポンプの駆動(第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6の駆動及び第2補液ポンプP8の選択的駆動)が継続され、規定量に達したと判断されると、返血を終了する。この返血においては、閉塞特定部7による閉塞位置の特定を返血開始直後に行うことができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る血液浄化装置について説明する。
第3の実施形態に係る血液浄化装置は、患者の血液を体外循環させつつ浄化するための血液透析装置(特に、持続的腎代替療法を実施する透析装置)に適用されたもので、図10に示すように、血液回路1と、ダイアライザ2(血液浄化器)と、第1透析液導入ラインL1a及び第2透析液導入ラインL1bと、第1補液ラインL2a、第2補液ラインL2bと、脱血側置換液供給ラインとしての生理食塩液供給ラインLaと、返血側置換液供給ラインとしての前補液ラインL2c及び後補液ラインL2dと、第1排液排出ラインL3a及び第2排液排出ラインL3bと、血液ポンプP1と、透析液導入ポンプP2と、第1補液ポンプP3と、排液排出ポンプP4と、透析液移送ポンプP5と、補液移送ポンプP6と、排液移送ポンプP7と、第2補液ポンプP8と、補充液小分けチャンバK1、透析液小分けチャンバK2及び排液小分けチャンバK3と、重量計4と、流量検出部Eと、閉塞位置判定部12と、切替報知部13と、操作部14と、実行部15とを具備して構成されている。なお、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
流量検出部Eは、血液回路1における特定位置の流路の流量を検出するもので、例えばプライミング時のプライミング液や血液浄化治療時の血液の流量を検出可能とされている。かかる流量検出部Eは、例えば血液ポンプP1等のポンプの駆動速度に基づいて流量を検出するもの、或いは直接、血液回路1内の液体の流量を検出するもの等、種々検出形態のものであってもよい。
閉塞位置判定部12は、例えばマイコンやメモリ等から成り、図13に示すように、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eとそれぞれ電気的に接続されるとともに、これら圧力センサ(S1~S3)で検出された圧力、及び流量検出部Eで検出された流量を受信可能とされている。なお、本実施形態に係る閉塞位置判定部12においては、血液回路1に配設された圧力センサ(S1~S3)に加え、第1排液排出ラインL3aに配設された圧力センサPaと接続され、当該圧力センサPaの圧力を検出可能とされているが、専ら圧力センサ(S1~S3)に接続されたものとしてもよい。
本実施形態に係る閉塞位置判定部12は、血液回路1における流路が閉塞または狭窄したときの圧力変化及び流量に関するデータを複数蓄積した蓄積データを教師データとして、流路の閉塞位置を判定する機械学習を行って得られた学習モデルを用いて、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eで検出された圧力変化及び流量に基づいて閉塞位置を判定するものである。機械学習とは、コンピュータが大量のデータを学習し、分類や予測などのタスクを遂行するアルゴリズムやモデルを自動的に構築する技術をいい、機械学習を機能させる技術やアルゴリズムとして、例えばニューラルネットワークを用いることができる。
本実施形態における具体的な機械学習について、図11、12に基づいて説明する。
予め、血液回路における流路が閉塞又は狭窄したときの圧力変化及び流量に関するデータをサーバ等の記憶装置に複数(多数)蓄積して蓄積データを作成する。例えば圧力センサS2の配設位置における流路が狭窄すると、図11に示すように、T1の時点から時間経過に伴って圧力及び流量が上昇し、その後、T0の時点で流路が閉塞すると、圧力が急降下しつつ流量が0となることが分かる。このような流路の圧力変化及び流量は、流路が閉塞又は狭窄しない場合の圧力変化及び流量と比較すると、圧力変化及び流量の変化が大きくなることが特徴とされる。
そして、このような血液回路における流路が閉塞又は狭窄したときの圧力変化及び流量に関するデータは、サーバ等の記憶装置に複数(大量に)蓄積された後、教師データとして機械学習のためのコンピュータに入力され、閉塞又は狭窄した特定の位置(閉塞位置)を判定するよう機械学習される。閉塞位置判定部12は、このような機械学習により得られた学習モデル(プログラム等)が記憶され、かかる学習モデルを用いて、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eで検出された圧力変化及び流量に基づいて時点T0における閉塞位置を判定する。
さらに、本実施形態に係る閉塞位置判定部12は、血液回路1における流路が閉塞または狭窄したときの圧力変化及び流量に関するデータに加え、閉塞位置を判定した場合に適正な置換液の供給ラインへの切り替えを示すデータを複数蓄積した蓄積データを教師データとして、閉塞位置の判定及びその場合の適正な置換液の供給ラインへの切り替えの機械学習を行って得られた学習モデルを用いて、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eで検出された圧力及び流量に基づく閉塞位置の判定、及び閉塞位置が判定された場合の適正な置換液の供給ラインへの切り替えを判定するよう構成されている。
切替報知部13は、閉塞位置判定部12と電気的に接続された出力装置から成り、閉塞位置が特定されるとともに、置換液供給ラインの切り替えを閉塞位置判定部12が判定したとき、返血時、置換液の供給ラインの切り替え操作を報知するものである。この切替報知部13は、例えばモニタ等の表示装置により切り替えを促す画像表示を行うもの、スピーカ等の出力装置による切り替えを促す音声出力を行うもの、LED等の点灯装置により切り替えを促す点灯又は点滅を行うもの等から成る。
例えば、返血時、閉塞位置判定部12が生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給すると判断した場合、切替報知部13は、生理食塩液供給ラインLaからの置換液(生理食塩液)の供給に代えて前補液ラインL2cからの置換液(補充液)の供給を行うための操作を報知して促すとともに、閉塞位置判定部12が生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cから後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給すると判断した場合、切替報知部13は、生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cからの置換液の供給に代えて後補液ラインL2dからの置換液の供給を行うための操作を報知して促すようになっている。
操作部14は、返血時、切替報知部13が置換液の供給ラインの切り替え操作を報知したとき、その切替のための操作を行うためのもので、例えばクランプ部V1の開閉操作、種々ポンプの駆動又は停止操作を行うことができるよう構成されている。より具体的には、生理食塩液供給ラインLaからの置換液(生理食塩液)の供給に代えて前補液ラインL2cからの置換液(補充液)の供給を行わせるための操作として、クランプ部V1を閉状態として血液ポンプP1の駆動を停止させるとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させつつ第2補液ポンプP8を駆動させる操作が挙げられる。
また、前補液ラインL2cからの置換液(補充液)の供給に代えて後補液ラインL2dからの置換液(補充液)の供給を行わせるための操作として、クランプ部V1の閉状態及び血液ポンプP1の駆動の停止状態を維持するとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させつつ第2補液ポンプP8を停止させる操作が挙げられる。さらに、生理食塩液供給ラインLaからの置換液(生理食塩液)の供給に代えて後補液ラインL2dからの置換液(補充液)の供給を行わせるための操作として、クランプ部V1を閉状態として血液ポンプP1の駆動を停止させるとともに、第1補液ポンプP3及び補液移送ポンプP6を駆動させつつ第2補液ポンプP8を停止させる操作が挙げられる。
実行部15は、置換液の供給ラインを脱血側置換液供給ライン及び返血側置換液供給ラインの一方から他方に切り替えるものである。具体的には、本実施形態に係る実行部15は、図13に示すように、操作部14、血液ポンプP1、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6、及び第2補液ポンプP8とそれぞれ電気的に接続されたマイコン等から成り、切替報知部13の報知に応じて操作者が所定の操作を行ったことを条件として、置換液の供給ラインを脱血側置換液供給ライン(生理食塩液供給ライン)及び返血側置換液供給ライン(前補液ラインL2c又は後補液ラインL2d)の一方から他方に切り替えるものである。
さらに、実行部15は、図14に示すように、閉塞位置判定部12、血液ポンプP1及び補液ポンプ(第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6及び第2補液ポンプP8)と電気的に接続されたマイコン等から成り、置換液の供給ラインを脱血側置換液供給ライン及び返血側置換液供給ラインの一方から他方に切り替えるとともに、閉塞位置判定部12で閉塞位置が判定され、適正な置換液の供給ラインへの切り替えが判定された場合、判定された適正な置換液の供給ラインに自動的に切り替えるものであってもよい。この場合、例えば、返血時、閉塞位置判定部12が生理食塩液供給ラインLaから前補液ラインL2cに切り替えて置換液を供給すると判断した場合、生理食塩液供給ラインLaからの置換液(生理食塩液)の供給に代えて前補液ラインL2cからの置換液(補充液)の供給に自動的に切り替えるとともに、判断部8が生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cから後補液ラインL2dに切り替えて置換液を供給すると判断した場合、生理食塩液供給ラインLa又は前補液ラインL2cからの置換液の供給に代えて後補液ラインL2dからの置換液の供給に自動的に切り替えることができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る血液浄化装置について説明する。
第4の実施形態に係る血液浄化装置は、患者の血液を体外循環させつつ浄化するための血液透析装置(特に、持続的腎代替療法を実施する透析装置)に適用されたもので、図15に示すように、血液回路1と、ダイアライザ2(血液浄化器)と、第1透析液導入ラインL1a及び第2透析液導入ラインL1bと、第1補液ラインL2a、第2補液ラインL2bと、脱血側置換液供給ラインとしての生理食塩液供給ラインLaと、返血側置換液供給ラインとしての前補液ラインL2c及び後補液ラインL2dと、第1排液排出ラインL3a及び第2排液排出ラインL3bと、血液ポンプP1と、透析液導入ポンプP2と、第1補液ポンプP3と、排液排出ポンプP4と、透析液移送ポンプP5と、補液移送ポンプP6と、排液移送ポンプP7と、第2補液ポンプP8と、補充液小分けチャンバK1、透析液小分けチャンバK2及び排液小分けチャンバK3と、重量計4と、流量検出部Eと、閉塞推定部16と、返血報知部17と、操作部14と、実行部15とを具備して構成されている。なお、第1、3の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。
閉塞推定部16は、例えばマイコンやメモリ等から成り、図18に示すように、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eとそれぞれ電気的に接続されるとともに、これら圧力センサ(S1~S3)で検出された圧力、及び流量検出部Eで検出された流量を受信可能とされている。なお、本実施形態に係る閉塞推定部16においては、血液回路1に配設された圧力センサ(S1~S3)に加え、第1排液排出ラインL3aに配設された圧力センサPaと接続され、当該圧力センサPaの圧力を検出可能とされているが、専ら圧力センサ(S1~S3)に接続されたものとしてもよい。
本実施形態に係る閉塞推定部16は、血液回路1における流路が閉塞または狭窄したときの圧力変化及び流量に関するデータを複数蓄積した蓄積データを教師データとして、流路の閉塞位置を判定する機械学習を行って得られた学習モデルを用いて、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eで検出された圧力変化及び流量に基づいて所定時間経過後の閉塞位置を推定するものである。なお、機械学習については、第3の実施形態の説明で記載した通りである。
本実施形態における具体的な機械学習について、図16、17に基づいて説明する。
予め、血液回路における流路が閉塞又は狭窄したときの圧力変化及び流量に関するデータをサーバ等の記憶装置に複数(多数)蓄積して蓄積データを作成する。例えば圧力センサS2の配設位置における流路が狭窄すると、図16に示すように、T1の時点から時間経過に伴って圧力及び流量が上昇し、その後、T0の時点で流路が閉塞すると、圧力が急降下しつつ流量が0となることが分かる。このような流路の圧力変化及び流量は、流路が閉塞又は狭窄しない場合の圧力変化及び流量と比較すると、圧力変化及び流量の変化が大きくなることが特徴とされる。
そして、このような血液回路における流路が閉塞又は狭窄したときの圧力変化及び流量に関するデータは、サーバ等の記憶装置に複数(大量に)蓄積された後、教師データとして機械学習のためのコンピュータに入力され、閉塞又は狭窄した特定の位置(閉塞位置)を判定するよう機械学習される。閉塞位置判定部12は、このような機械学習により得られた学習モデル(プログラム等)が記憶され、かかる学習モデルを用いて、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eで検出された圧力変化及び流量に基づいて時点T1から所定時間経過後(すなわち、このまま血液浄化治療を継続した場合に想定される時点T0における)の閉塞位置を推定する。
さらに、本実施形態に係る閉塞推定部16は、プライミングまたは血液浄化治療の過程において圧力センサ(S1~S3)で検出及び流量検出部Eで検出された圧力変化及び流量を教師データとして、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eで検出された圧力変化及び流量が所定範囲内であるか否かを学習し、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eで検出された現時点T1までの圧力変化及び流量の変化に基づいて所定時間経過後(時点T0)の閉塞位置を推定するよう構成されている。
返血報知部17は、閉塞推定部16と電気的に接続された出力装置から成り、閉塞推定部16によって所定時間経過後の閉塞位置が推定された場合、返血の開始を報知するものである。この返血報知部17は、例えばモニタ等の表示装置により返血の開始を促す画像表示を行うもの、スピーカ等の出力装置による返血の開始を促す音声出力を行うもの、LED等の点灯装置により返血の開始を促すよう点灯又は点滅を行うもの等から成る。
例えば、閉塞推定部16が所定時間経過後の時点T0において閉塞位置を推定した場合、返血報知部17は、現時点で行われている血液浄化治療を終了して返血を行うことを報知することができ、さらには、流路が閉塞または狭窄するまでの残り時間(現時点T1からT0までの時間)を報知することができる。返血を報知する場合、血液ポンプP1等の任意ポンプの駆動の制御(返血時の流量)について報知するようにしてもよい。
操作部14は、返血報知部17が返血の開始を報知したとき、返血のための操作を行うためのもので、例えばクランプ部V1の開閉操作、種々ポンプの駆動又は停止操作を行うことができるよう構成されている。例えば、返血報知部17が返血の開始を報知したとき、クランプ部V3を開状態としつつクランプ部V1を閉状態として血液ポンプP1を駆動させる操作が挙げられ、かかる操作により、生理食塩液供給ラインLaから置換液(生理食塩液)を供給して血液回路1内の血液と置換させて返血することができる。
実行部15は、返血を開始するためのもので、図18に示すように、操作部14、血液ポンプP1、第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6、及び第2補液ポンプP8とそれぞれ電気的に接続されたマイコン等から成り、返血報知部17の報知に応じて操作者が所定の操作を行ったことを条件として、置換液の供給ラインを開状態として返血を行わせるものである。
さらに、実行部15は、図19に示すように、閉塞推定部16、血液ポンプP1及び補液ポンプ(第1補液ポンプP3、補液移送ポンプP6及び第2補液ポンプP8)と電気的に接続されたマイコン等から成り、閉塞推定部16で所定時間後の閉塞位置が推定された場合、返血を自動的に切り替えるものであってもよい。この場合、閉塞推定部16が所定時間経過後に流路の閉塞又は狭窄を推定した場合、プライミング又は血液浄化治療を自動的に終了するとともに、置換液の供給を行って自動的に返血させることができる。
上記第1~第3の実施形態によれば、置換液の供給ラインを脱血側置換液供給ライン(生理食塩液供給ラインLa)及び返血側置換液供給ライン(前補液ラインL2c又は後補液ラインL2d)の一方から他方に切り替えるので、返血時、血液の流路が閉塞又は狭窄した場合であっても、血液回路1内に残存する血液を円滑に患者の体内に戻すことができるとともに、返血中に置換液の供給ラインを接続し直す必要が生じない。
特に、第1の実施形態によれば、置換液の供給ラインを脱血側置換液供給ライン(生理食塩液供給ラインLa)及び返血側置換液供給ライン(前補液ラインL2c又は後補液ラインL2d)の一方から他方に切り替えることを判断部8が判断したとき、置換液の供給ラインの切り替え操作を報知する報知部9を具備するので、置換液の供給ラインの切り替えを判断部8の判断通りに操作者に促すことができる。
また、第2の実施形態によれば、置換液の供給ラインを脱血側置換液供給ライン(生理食塩液供給ラインLa)及び返血側置換液供給ライン(前補液ラインL2c又は後補液ラインL2d)の一方から他方に切り替えることを判断部8が判断したとき、置換液の供給ラインを自動的に切り替える制御部11を具備するので、置換液の供給ラインの切り替えを判断部8の判断通りに自動的に行わせることができる。
さらに、第1及び第2の実施形態によれば、閉塞特定部7により閉塞位置が上流位置(脱血側血液回路1aの先端部E1と血液ポンプP1の配設位置E3との間の位置)にて特定された場合、判断部8は、返血時、脱血側置換液供給ライン(生理食塩液供給ラインLa)から返血側置換液供給ライン(前補液ラインL2c又は後補液ラインL2d)に切り替えて置換液の供給を行わせるので、血液ポンプP1を逆回転させることなく、返血を行わせることができる。
またさらに、第1及び第2の実施形態によれば、返血側置換液供給ラインは、血液回路1の返血側の領域に複数接続されるとともに、血液回路1の脱血側の位置の圧力を検知する第1圧力センサS1と、血液回路1の返血側の位置におけるダイアライザ2の脱血側及び返血側の圧力を検知する第2圧力センサS2及び第3圧力センサS3とを有し、第1圧力センサS1、第2圧力センサS2及び第3圧力センサS3で検知された圧力に応じて閉塞位置を特定し、脱血側置換液供給ラインから返血側置換液供給ライン(前補液ラインL2c又は後補液ラインL2d)の何れかに切り替えて置換液の供給を行わせるので、圧力部による圧力検知に基づいて精度よく閉塞位置を特定することができる。
加えて、第1及び第2の実施形態によれば、返血側置換液供給ラインは、脱血側血液回路1aに接続されて置換液を供給する前補液ラインL2cと、返血側血液回路1bに接続されて置換液を供給する後補液ラインL2dとを有するとともに、判断部8が脱血側置換液供給ライン(生理食塩液供給ラインLa)から前補液ラインL2c又は後補液ラインL2dに切り替えて置換液の供給を行わせることを判断するので、治療中に前補液又は後補液を行うための前補液ラインL2c又は後補液ラインL2dを流用して置換液を供給することができる。
また、第1及び第2の実施形態によれば、前補液ラインL2c又は後補液ラインL2dにて置換液を血液回路1に供給するしごき型の補液ポンプ(第2補液ポンプP8)を具備するので、返血時における置換液の供給量を精度よく把握することができるとともに、返血の終了時点を精度よく把握することができる。
しかるに、第3の実施形態によれば、機械学習を行った学習モデルを用いて、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eで検出された圧力変化及び流量に基づいて閉塞位置を判定するので、学習モデルを利用して閉塞位置を精度よく判定することができる。また、第4の実施形態によれば、機械学習を行った学習モデルを用いて、圧力センサ(S1~S3)及び流量検出部Eで検出された圧力変化及び流量に基づいて所定時間経過後の閉塞位置を推定するので、学習モデルを利用して将来的に生じる閉塞又は狭窄を精度よく推定することができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されず、脱血側置換液供給ラインを生理食塩液供給ラインLaとは異なる供給ラインとしてもよく、例えば第2透析液導入ラインL1bから分岐した供給ラインを接続位置E2に接続させたもの(この場合、返血時の置換液は透析液となる)、或いは第2補液ラインL2bから分岐した供給ラインを接続位置E2に接続させたもの(この場合、返血時の置換液は補充液となる)とすることができる。
また、本実施形態に係る返血側置換液供給ラインは、前補液ラインL2c及び後補液ラインL2dから成るものとされているが、これとは異なる供給ライン(但し、下流位置に接続された供給ライン)としてもよく、1本又は3本以上のラインから成るものでもよい。しかるに、返血側置換液供給ラインとして、ダイアライザ2(血液浄化器)に接続された第2透析液導入ラインL1b又は第1排液排出ラインL3aを流用してもよい。この場合、置換液としての透析液は、ダイアライザ2内の透析液流路から血液流路に逆濾過して供給されることとなる。
さらに、本実施形態においては、閉塞特定部7により閉塞位置が上流位置にて特定された場合、判断部8は、返血時、脱血側置換液供給ラインから返血側置換液供給ラインに切り替えて置換液の供給を行わせるよう構成されているが、これに代えて、閉塞特定部7により閉塞位置が下流位置にて特定された場合、判断部8は、返血時、返血側置換液供給ラインから脱血側置換液供給ラインに切り替えて置換液の供給を行わせるよう構成してもよい。
なお、本実施形態においては、持続的腎代替療法を実施する透析装置(CRRT)に適用しているが、慢性腎不全患者に対する透析装置や血液中の特定の成分を除去するアフェレシス装置等にも適用することができる。また、返血時に使用される置換液は、生理食塩液、透析液又は補充液の他、返血時の置換に適した他の液体(電解質を含有する液体)を用いることができる。
本発明と同様の趣旨であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
1 血液回路
1a 脱血側血液回路
1b 返血側血液回路
2 ダイアライザ(血液浄化器)
3 エアトラップチャンバ
4 重量計
5 加温バッグ
6 エアトラップチャンバ
7 閉塞特定部
8 判断部
9 報知部
10 操作部
11 制御部
12 閉塞位置判定部
13 切替報知部
14 操作部
15 実行部
16 閉塞推定部
17 返血報知部
K1 補充液小分けチャンバ
K2 透析液小分けチャンバ
K3 排液小分けチャンバ
B1 透析液収容バッグ
B2 補充液収容バッグ
B3 生理食塩液収容バッグ
L1a 第1透析液導入ライン
L1b 第2透析液導入ライン
L2a 第1補液ライン
L2b 第2補液ライン
L2c 前補液ライン(返血側置換液供給ライン)
L2d 後補液ライン(返血側置換液供給ライン)
L3a 第1排液排出ライン
L3b 第2排液排出ライン
La 生理食塩液供給ライン(脱血側置換液供給ライン)
P1 血液ポンプ
P2 透析液導入ポンプ
P3 第1補液ポンプ
P4 排液排出ポンプ
P5 透析液移送ポンプ
P6 補液移送ポンプ
P7 排液移送ポンプ
P8 第2補液ポンプ
H1 加温器
H2 加温器
S1 第1圧力センサ(第1検知部)
S2 第2圧力センサ(第2検知部)
S3 第3圧力センサ(第3検知部)
Pa、Pb 圧力センサ
V1~V3 クランプ部
E 流量検出部

Claims (5)

  1. 患者から脱血するための脱血側血液回路及び患者へ返血するための返血側血液回路を有し、血液を浄化する血液浄化器が前記脱血側血液回路及び返血側血液回路に接続された状態で患者の血液が体外循環される血液回路と、
    前記血液回路に配設され、前記血液回路において患者の血液を体外循環させる血液ポンプと、
    前記血液回路における特定位置の流路の圧力を検出する圧力センサと、
    前記血液回路における特定位置の流路の流量を検出する流量検出部と、
    前記血液回路における流路が閉塞または狭窄したときの圧力変化及び流量に関するデータを複数蓄積した蓄積データを教師データとして、流路の閉塞位置を判定する機械学習を行って得られた学習モデルを用いて、前記圧力センサ及び流量検出部で検出された圧力変化及び流量に基づいて所定時間経過後の前記閉塞位置を推定する閉塞推定部と、
    を有する血液浄化装置。
  2. 前記閉塞推定部は、プライミングまたは血液浄化治療の過程において前記圧力センサで検出及び前記流量検出部で検出された圧力変化及び流量を教師データとして、前記圧力センサ及び流量検出部で検出された圧力変化及び流量が所定範囲内であるか否かを学習し、前記圧力センサ及び流量検出部で検出された現時点までの圧力変化及び流量の変化に基づいて所定時間経過後の前記閉塞位置を推定する請求項1記載の血液浄化装置。
  3. 返血を開始する実行部と、
    前記閉塞推定部によって所定時間経過後の前記閉塞位置が推定された場合、返血の開始を報知する返血報知部と、
    を有する請求項1又は請求項2記載の血液浄化装置。
  4. 前記返血報知部は、前記閉塞推定部によって所定時間経過後の前記閉塞位置が推定された場合、流路が閉塞または狭窄するまでの残り時間を報知する請求項3記載の血液浄化装置。
  5. 返血を開始する実行部を具備するとともに、前記実行部は、前記閉塞推定部で所定時間経過後の閉塞位置が推定された場合、返血を自動的に行わせる請求項1又は請求項2記載の血液浄化装置。
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