JP7421690B2 - 人形用眼球駆動機構 - Google Patents

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Description

本開示は、人形の視線の移動を可能にする人形用眼球駆動機構に関する。
例えば、特許文献1に開示されているように、人形の頭部の内部に左右の目をそれぞれ2種類収容しておき、外部からの操作によって一方から他方、他方から一方へ切替可能にすることが知られている。特許文献1の目動作装置では、中心角120度程度の扇状に形成された目保持体が上下方向に延びる軸周りに回動可能に、頭部の内部に支持されている。目保持体には、第1の左目及び第1の右目と、第2の左目及び第2の右目とが左から右へ順に形成されている。そして、目保持体を上記軸周りに回動させることにより、第1の左目及び第1の右目をそれぞれ左右の眼孔から露出させた状態と、第2の左目及び第2の右目をそれぞれ左右の眼孔から露出させた状態とに切替可能になっている。
特開2020-92792号公報
ところで、人形の視線はその人形の表情を作る上で極めて重要なものであることから、ユーザは人形の視線を変化させて表情を様々に変えたいというニーズを持っている。
しかしながら、特許文献1の目動作装置では、左右の目が第1の目と第2の目の2種類しかないので、切替操作によって変化する視線の種類は2種類しかない。加えて、目保持体の移動方向が左右方向に限定されているので、視線を上下方向に変えることは不可能である。よって、例えば第1の目でできる視線と第2の目でできる視線の間の視線を作ることや、第1の目または第2の目でできる視線から微妙にずらした視線を作ることは無理であり、表情の変化の自由度が低かった。
また、人形によっては、顔面に占める眼孔の開口面積が広くなっていて、大きな眼球を頭部の内部に収容しているものがある。このような人形において特許文献1の中心角120度程度の扇状の目保持体を回動可能に内蔵しようとすると、少なくとも4つの大きな眼球を左右方向に並ぶように目保持体に取り付ける必要があることから、目保持体が大きくなり、頭部の内部に収容することが困難になるおそれがある。
また、視線だけでなく、瞳孔の大きさ、角膜の色、虹彩の色や形状も別のものに変えることでさらなる表情の多様化を図ることが可能になるが、この場合、眼球を別の眼球に交換する必要がある。ところが、眼球ごとに作製者が異なるといった事情から、眼球の大きさは様々である。例えば、交換後の眼球の大きさが元の眼球に比べて小さいと、顔の眼孔の周縁部と眼球表面との隙間が大きくなり、見栄えが悪くなる。反対に、交換後の眼球の大きさが元の眼球に比べて大きいと、その眼球を組み込むこと自体が困難になる。
本開示は、かかる点に鑑みたものであり、その目的とするところは、大きさの異なる別の眼球への交換を見栄えを損なうことなく可能にするとともに、様々な方向の視線を簡単に作れるようにしながら、眼球駆動機構のコンパクト化を図ることにある。
上記目的を達成するために、本開示の一態様では、人形の頭部の内部に収容される人形用眼球駆動機構を前提とすることができる。人形用眼球駆動機構は、前記人形の顔に形成された左の眼孔から露出する左の眼球が取り付けられる左側眼球ベースと、前記人形の顔に形成された右の眼孔から露出する右の眼球が取り付けられる右側眼球ベースと、前記左側眼球ベース及び前記右側眼球ベースを前記左の眼孔及び前記右の眼孔の間隔に対応した間隔で、それぞれ上下方向に延びる軸周りに回動自在に支持する第1支持部材と、前記頭部の内部に取り付けられ、前記第1支持部材を上下方向に揺動自在に支持する第2支持部材と、前記第1支持部材を前方へ付勢する付勢部材とを備えている。
この構成によれば、第1支持部材によって支持された左側眼球ベース及び右側眼球ベースが左右方向に回動可能になるので、左の眼球及び右の眼球を左右方向に回動させて視線を左右方向に無段階に変えることができる。また、左側眼球ベース及び右側眼球ベースを支持する第1支持部材が上下方向に揺動自在となっているので、左の眼球及び右の眼球を上下方向に回動させて視線を上下方向に無段階に変えることができる。このように、頭部の内部に収容した1組の眼球を左右及び上下に回動させることで、従来例のように複数組の眼球を組み込む必要が無くなり、眼球駆動機構がコンパクトになる。
さらに、左側眼球ベース及び右側眼球ベースを支持する第1支持部材が前方へ付勢されているので、左右の眼球を別の眼球に変えた時に眼球が小さくなった場合には、第1支持部材が前方へ移動することで、左側眼球ベース及び右側眼球ベースが前方へ移動し、よって、小さくなった左右の眼球と眼孔の周縁部との隙間が所定の隙間で維持される。一方、左右の眼球を別の眼球に変えた時に眼球が大きくなった場合には、第1支持部材が後方へ移動することで、左側眼球ベース及び右側眼球ベースが後方へ移動し、よって、大きくなった左右の眼球を組み込むことが可能になる。
本開示の他の態様では、前記人形の左右方向に延びるとともに左端部及び右端部がそれぞれ前記左側眼球ベース及び前記右側眼球ベースに連結され、前記左側眼球ベース及び前記右側眼球ベースの一方の眼球ベースの回動力を他方の眼球ベースに伝達する伝達部材を備えていてもよい。
この構成によれば、左側眼球ベース及び右側眼球ベースのうち、一方の眼球ベースに回動力を与えると、その回動力が伝達部材を介して他方の眼球ベースに伝達されるので、左右の眼球を連動させることができる。
本開示の他の態様では、前記左側眼球ベース及び前記右側眼球ベースの一方の眼球ベースには、操作力を伝達するための操作部材の先端部が連結され、前記操作部材は、前記人形の頭部の外部へ延びていてもよい。
この構成によれば、頭部の外部から操作部材を引っ張ることにより、その引っ張り力を眼球ベースに伝達して視線を変えることができる。
本開示の他の態様では、前記左側眼球ベース及び前記右側眼球ベースの一方の眼球ベースに固定された従動歯車と、前記従動歯車に噛み合う駆動歯車と、前記駆動歯車を駆動するモーターとを備えていてもよい。
この構成によれば、モーターの回転力によって眼球ベースを回動させて視線を変えることができる。
本開示の他の態様では、前記左側眼球ベースの上部には、前記左の眼球の角膜部よりも上側部分を覆うように形成されたまぶた部材が取り付けられていてもよい。
この構成によれば、左側眼球ベースが下へ回動すると、まぶた部材も同方向に回動して左の眼孔内に配置される。これにより、左の眼球が眼孔から見えなくなり、目を閉じた様な状態になる。つまり、まぶた部材を左側眼球ベースの上部に取り付けておくことで、目を開けたり、閉じたりすることができ、より一層多様な表情を作ることができる。右側にも同様なまぶた部材を取り付けることができる。
以上説明したように、左側眼球ベース及び右側眼球ベースを左右方向に回動自在に第1支持部材によって支持し、この第1支持部材を上下方向に揺動自在に第2支持部材によって支持し、第1支持部材を付勢部材によって前方へ付勢するようにしたので、大きさの異なる別の眼球への交換が見栄えを損なうことなく行えるようになるとともに、様々な方向の視線が簡単に作れるようになり、しかも、眼球駆動機構のコンパクト化を図ることができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る人形用眼球駆動機構を備えた人形の頭部の正面図である。 図2は、図1におけるII-II線に相当する頭部の断面図と、人形用眼球駆動機構の側面図とを組み合わせて示す図である。 図3は、人形用眼球駆動機構を上方から見た斜視図である。 図4は、人形用眼球駆動機構の平面図である。 図5は、人形用眼球駆動機構の背面図である。 図6は、人形用眼球駆動機構の分解斜視図である。 図7は、目を閉じた状態を示す図2相当図である。 図8は、本発明の実施形態2に係る人形用眼球駆動機構の側面図である。 図9は、本発明の実施形態2に係る図3相当図である。 図10は、本発明の実施形態2に係る図4相当図である。 図11は、本発明の実施形態2に係る図5相当図である。 図12は、本発明の実施形態2に係る図6相当図である。 図13は、本発明の実施形態3に係る人形用眼球駆動機構を上方から見た斜視図であり、まぶたが開いている状態を示す。 図14は、枠型フレームから眼球支持ユニットを取り外した状態を示す斜視図である。 図15は、枠型フレームを上方から見た斜視図である。 図16は、枠型フレームの側面図である。 図17は、眼球支持ユニットの分解斜視図である。 図18は、支持部材の側面図である。 図19は、まぶたが閉じている状態を示す図13相当図である。 図20は、まぶたが開いている状態を示す後方から見た斜視図である。 図21は、まぶたが閉じている状態を示す後方から見た斜視図である。 図22は、まぶたが通常状態にある場合を示す図である。 図23は、眼球を動かさずにまぶただけが上へ回動した状態を示す右側面図である。 図24は、実施形態3の変形例に係り、まぶたが開いている状態を示す右側面図である。 図25は、実施形態3の変形例に係り、まぶたが閉じる途中の状態を示す右側面図である。 図26は、実施形態3の変形例に係り、まぶたが閉じている状態を示す右側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る人形用眼球駆動機構1を備えた人形の頭部100の正面図である。この実施形態の説明では、人形の前になる側を単に前といい、人形の後になる側を単に後といい、人形の左になる側を単に左といい、人形の右になる側を単に右というものとする。また、上及び下は、人形の上及び下に対応している。また、図1に示すう仮想線Hは髪である。
頭部100は、図示しない胴体に対して着脱可能に構成されており、この実施形態の説明では、頭部100のみを図示している。頭部100は、図2に一部の断面を示すように、顔から首の上までを構成する顔面部材101と、後頭部から首の後ろまでを構成する後側部材102と、頭頂部を構成する上側部材103とで構成されている。図2では、図1におけるII-II線断面で示した頭部100の断面図と、人形用眼球駆動機構1を右から見た側面図とを組み合わせて示すものである。
顔面部材101、後側部材102及び上側部材103は、例えば硬質樹脂材等で構成されている。顔面部材101の後端部に後側部材102の前端部を嵌合させることにより、顔面部材101と後側部材102とが一体化する。また、顔面部材101と後側部材102の上端部に上側部材103の下端部を嵌合させることにより、顔面部材101と後側部材102と上側部材103とが一体化する。顔面部材101、後側部材102及び上側部材103の嵌合構造は、例えば係合爪を用いた構造や、係合ピンを用いた構造等を挙げることができ、どのような構造であってもよい。
図1に示すように、顔面部材101の左側には左の眼孔101aが形成され、また、顔面部材101の右側には右の眼孔101bが形成されている。この人形の目は、一般的な人間の目に比べて大きく形成されており、よって、顔面に占める眼孔101a、101bの開口面積が一般的な人間のそれに比べて広くなっている。眼孔101a、101bの開口面積が広くなっていることに対応して、左の眼孔101aから露出する左の眼球2及び右の眼孔101bから露出する右の眼球3も大きなものになっている。また、図示しないが、眼孔101a、101bの下縁部には下まつげを付けてもよい。
図6にも示すように、左の眼球2及び右の眼球3は、半球状の部材で構成されている。左の眼球2及び右の眼球3を構成する部材は、例えば樹脂材からなるものであってもよいし、ガラスからなるものであってもよい。左の眼球2及び右の眼球3は前方へ向けて膨出するように形成されており、後端面は略円形状である。左の眼球2及び右の眼球3は、それぞれ角膜を模した角膜部2a、3aと、角膜部2a、3aを囲む結膜を模した結膜部2b、3bとを有している。図1に示すように、角膜部2a、3aが真正面に向いた状態で、角膜部2a、3aの全周に結膜部2b、3bが見えるように、眼孔101a、101bの大きさが設定されている。
人形用眼球駆動機構1は、人形の頭部100に収容されており、左右の眼球2、3を左右方向及び上下方向に無段階に動かすことで人形の視線を左右、上下の様々な方向に無段階に変えるためのものである。図3に示すように、人形用眼球駆動機構1は、左の眼球2が取り付けられる左側眼球ベース10と、右の眼球3が取り付けられる右側眼球ベース20と、左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20をそれぞれ上下方向に延びる軸周りに回動自在に支持する第1支持部材30と、第1支持部材30を上下方向に揺動自在に支持する第2支持部材40と、第1支持部材30を前方へ向けて付勢するための付勢部材50とを備えている。
図6にも示すように、左側眼球ベース10は、上下方向に延びる略円形板状の左側本体部11を備えている。左側本体部11は、左の眼孔101aから後方に離れ、当該眼孔101aの真後ろに配置される。左側本体部11の外径は、左の眼球2の後端面の外径と略一致している。左の眼球2の後端面が左側本体部11の前面に固定されている。左の眼球2の左側本体部11への固定方法は、例えば接着剤、両面テープ、爪嵌合等であってもよい。左の眼球2を取り外して別の眼球(図示せず)を左側本体部11に取り付けることもできる。
左側本体部11の上部には、上下方向に延びる軸挿入孔12が上方へ開放するように形成されている。軸挿入孔12の中心線に直交する方向の断面は略円形である。また、左側本体部11の下部には、上下方向に延びる下側支軸13が下方向へ突出するように形成されている。軸挿入孔12の中心線と、下側支軸13の中心線とは同一直線上に位置付けられている。
左側本体部11の後面には、被連結部14が後方へ向けて突出するように設けられている。被連結部14は、後方へ延びるとともに左右方向にも延びる板状部14aと、板状部14aの後端部から下方へ突出する連結軸部14bとを有している。連結軸部14bと下側支軸13とは略平行である。また、左側本体部11の後面には、被連結部14から下方向に離れた部位から後方へ向けて突出する操作用板部15が設けられている。操作用板部15は、板状部14aと略平行である。操作用板部15における連結軸部14bの下端部と対向する部分には、貫通孔15aが上下方向に貫通するように形成されている。
右側眼球ベース20は、左側眼球ベース10と同様に構成されている。すなわち、右側眼球ベース20は、右の眼球3が固定される右側本体部21と、軸挿入孔22と、下側支軸23と、被連結部24と、操作用板部25とを有している。右側本体部21は、右の眼孔101bの真後ろに配置される。また、被連結部24は、板状部24aと連結軸部24bとを有し、また、操作用板部25は貫通孔25aを有している。
第1支持部材30は、左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20を左の眼孔101a及び右の眼孔101bの間隔に対応した間隔で支持する部材であり、例えば硬質な樹脂材で構成されている。すなわち、第1支持部材30は、当該第1支持部材30の上端部において左右方向に延びる上側支持部31と、当該第1支持部材30の下端部において左右方向に延びる下側支持部32と、上側支持部31及び下側支持部32を繋ぐように上下方向に延びる一対の湾曲部33とを備えている。上側支持部31、下側支持部32及び湾曲部33は、樹脂材によって一体成形されているが、別部材を組み合わせて構成してもよい。
上側支持部31の左端部は前方向へ向けて突出しており、この左端部には、下方へ突出する上側軸部31aが形成されている。この左側の上側軸部31aは、左側眼球ベース10の軸挿入孔12に挿入された状態で相対的に回動可能になっている。上側支持部31の右端部も前方向へ向けて突出しており、この右端部には、下方へ突出する上側軸部31bが形成されている。この右側の上側軸部31bは、右側眼球ベース20の軸挿入孔22に挿入された状態で相対的に回動可能になっている。上側支持部31の左右方向中央部には、連結孔31cが形成されている。
また、下側支持部32の左端部には下側軸受孔32aが形成され、また、下側支持部32の右端部にも下側軸受孔32bが形成されている。下側軸受孔32aには、左側眼球ベース10の下側支軸13が挿入された状態で相対的に回動可能になっている。下側軸受孔32bには、右側眼球ベース20の下側支軸23が挿入された状態で相対的に回動可能になっている。下側支軸13、23を挿入する際には、樹脂材が有する弾性を利用して上側支持部31、下側支持部32、湾曲部33を弾性変形させればよい。上側支持部31及び下側支持部32の上下方向の間隔は、湾曲部33の上下方向の寸法によって設定されており、下側支軸13、23の抜け及び上側軸部31a、31bの抜けが阻止されるようになっている。
下側支軸13、23を下側軸受孔32a、32bにそれぞれ挿入し、かつ、上側軸部31a、31bを軸挿入孔12、22にそれぞれ挿入した状態で、左側眼球ベース10は、上下方向に延びる下側支軸13及び上側軸部31a周りに回動可能になり、また、右側眼球ベース20は、上下方向に延びる下側支軸23及び上側軸部31b周りに回動可能になる。
図5に示すように、一対の湾曲部33は、左右方向に互いに間隔をあけて設けられており、上側支持部31における上側軸部31a、32aの間の部分と、下側支持部32における下側軸受孔32a、32bの間の部分とを連結している。図2に示すように、各湾曲部33は、上下方向中央部が最も後に位置するように湾曲しており、従って、上端部に近づくほど及び下端部に近づくほど前に位置している。湾曲部33は、円弧状に湾曲していてもよい。
図3に示すように、人形用眼球駆動機構1は、伝達部材60を備えている。この伝達部材60も第1支持部材30と同様な樹脂材で構成されている。伝達部材60は湾曲部33の後方において左右方向に延びている。図6に示すように、伝達部材60の左端部には、左側眼球ベース10の連結軸部14bが挿入される連結孔60aが形成され、また、伝達部材60の右端部には、右側眼球ベース20の連結軸部24bが挿入される連結孔60bが形成されている。左側眼球ベース10の連結軸部14bが連結孔60aに挿入された状態で、両者は相対回動可能になっており、これにより、伝達部材60の左端部が左側眼球ベース10に連結される。また、右側眼球ベース20の連結軸部24bが連結孔60bに挿入された状態で、両者は相対回動可能になっており、これにより、伝達部材60の右端部が右側眼球ベース20に連結される。この連結状態では、左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20の一方の眼球ベースの回動力を伝達部材60によって他方の眼球ベースに伝達することができる。例えば、左側眼球ベース10を回動させると、その回動力が連結軸部14b、伝達部材60、連結軸部24bを介して右側眼球ベース20に伝達される。また、右側眼球ベース20を回動させると、その回動力が連結軸部24b、伝達部材60、連結軸部14bを介して左側眼球ベース10に伝達される。このように、伝達部材60によって左側眼球ベース10と右側眼球ベース20とを連動させることができるので、左右の眼球2、3を常に同じ方向に向けることができる。
第2支持部材40は、頭部100の内部に取り付けられ、第1支持部材30を上下方向に揺動自在に支持するための部材である。第2支持部材40は、前後方向に延びる棒状部材41と、板状部材42と、後端部材43とを備えている。棒状部材41は、頭部100の内部において左右方向中央部に配置されている。棒状部材41の長手方向に直交する方向の断面形状は、矩形状とされているが、円形であってもよい。棒状部材41の前端部には、係合部41aが前方へ突出するように設けられている。この係合部41aは、顔面部材101の裏面に形成された係合孔(図示せず)に挿入されるとともに、当該係合孔の内面に係合する部分である。また、棒状部材41の前端部には、前方へ突出するピン部41bも設けられている。ピン部41bは、顔面部材101の裏面に形成されたピン嵌入孔(図示せず)に嵌入されるようになっている。係合部41a及びピン部41bにより、棒状部材41の前端部を顔面部材101の裏面に着脱可能に取り付けることができる。
図4に示すように、棒状部材41は、左右の眼球2、3の間を通って左右の湾曲部33、33の間を経て当該湾曲部33、33よりも後方へ突出している。図2に示すように、棒状部材41の上下方向の寸法は、上側支持部31及び下側支持部32の上下方向の離間寸法よりも十分に短く設定されている。これにより、第1支持部材30の上下方向の揺動が棒状部材41によって阻害されない。
棒状部材41には、板状部材42が取り付けられるようになっている。図6に示すように、この板状部材42には、棒状部材41が挿通される挿通孔42aが形成されており、棒状部材41が挿通孔42aに挿通された状態で、板状部材42が棒状部材41に対して前後方向にスライド可能に取り付けられる。板状部材42の前面は、一対の湾曲部33、33の後面に摺接する面である。また、板状部材42の左右方向の寸法は、左側の湾曲部33から右側の湾曲部33に達するように設定されており、板状部材42の前面が両湾曲部33、33に摺接する際に板状部材42を安定させることができるようになっている。
後端部材43は、棒状部材41の後端部に取り付けられている。すなわち、棒状部材41の後端部には係合爪41cが形成される一方、後端部材43には棒状部材41の後端部が挿通する挿通孔43aが形成されている。図3に示すように、棒状部材41の後端部を挿通孔43aに挿通した状態で、係合爪41cが挿通孔43aの周縁部に係合して抜け止めとして機能する。
付勢部材50は、例えばコイルスプリングやゴム等の弾性部材で構成されており、この実施形態では、前後方向に伸縮する金属製のコイルスプリングで構成されている。後端部材43と板状部材42との間に付勢部材50は配設されている。すなわち、付勢部材50には、棒状部材41における板状部材42よりも後側の部分が挿通されている。付勢部材50の前端部は板状部材42の後面に当接し、付勢部材50の後端部は後端部材43の前面に当接している。
後端部材43の後面は、人形の頭部100を構成している後側部材102の内面に当接した状態で支持されるようになっている。したがって、付勢部材50による付勢力は、板状部材42を前方へ押す方向に作用する。板状部材42は棒状部材41に対して前後方向にスライド可能になっているので、板状部材42の付勢力は、一対の湾曲部33、33を前方へ押す方向に作用する。これにより、付勢部材50は板状部材42を介して第1支持部材30を前方へ付勢する。第1支持部材30が前方へ付勢されると、左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20が前方へ付勢されるので、左右の眼球2、3も前方へ付勢されることになる。よって、左右の眼球2、3は、それぞれ左右の眼孔101a、101bの周縁部に向けて付勢されるので、眼球2、3と眼孔101a、101bの周縁部との隙間は所定の隙間で保持される。
ここで、左右の眼球2、3を別の眼球(図示せず)に変更した場合について説明する。眼球2、3を別の眼球に変更すると、元の眼球2、3とは異なる大きさの眼球になることがある。例えば、左右の眼球2、3を別の眼球に変えた時に変更後の眼球が小さくなった場合には、付勢部材50の付勢力によって第1支持部材30が前方へ移動することで、左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20が前方へ移動し、よって、小さくなった左右の眼球と眼孔101a、101bの周縁部との隙間が所定の隙間で維持される。一方、左右の眼球2、3を別の眼球に変えた時に変更後の眼球が大きくなった場合には、付勢部材50の付勢力に抗して第1支持部材30が後方へ移動することで、左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20が後方へ移動し、よって、大きくなった左右の眼球を組み込むことが可能になる。
図3や図4に示すように、左側眼球ベース10の上部には、左の眼球2の角膜部2aよりも上側部分を覆うように形成されたまぶた部材61が取り付けられている。具体的には、まぶた部材61は、左の眼球2の上側部分に沿って湾曲する板状に形成されている。まぶた部材61の下縁部は、角膜部2aよりも上に位置しており、左右方向に延びている。まぶた部材61の上部が左側本体部11の上部に固定されており、これにより、まぶた部材61が左側本体部11と連動可能になる。右側眼球ベース20の上部にも左側と同様なまぶた部材62が取り付けられている。まぶた部材61、62は、上側支持部31の上側軸部31a、31bにそれぞれ固定してもよい。また、まぶた部材61、62は、眼球2、3と同様に例えば接着剤、両面テープ、爪嵌合等のように着脱可能に取り付けられている。また、図示しないが、まぶた部材61、62には、上まつげを取り付けることもできる。
眼球2、3を交換する際には、まぶた部材61、62を一旦取り外してから交換作業を行うことができる。また、例えば、眼球2、3を小さなものに交換すると、まぶた部材61、62と眼球2、3との間に隙間が形成されてしまうおそれがあるが、この実施形態では、まぶた部材61、62が着脱可能であることから、眼球2、3のサイズに合わせてまぶた部材61、62の取付位置を変更したり、眼球2、3のサイズに合ったまぶた部材61、62に交換することができる。これにより、眼球2、3を小さなものに交換しても、まぶた部材61、62と眼球2、3との間に隙間ができにくくなる。
また、顔面部材101の裏面には、左の眼孔101aの下縁部に沿うように左側サポート部材63が取り付けられ、また右の眼孔101bの下縁部に沿うように右側サポート部材64(図6に示す)が取り付けられている。
(手動操作用の操作部材)
図3にのみ示すが、人形用眼球駆動機構1は、眼球2、3を操作するための操作力を人形の頭部100の外部から内部へ伝達するための上操作部材70、下操作部材71、左操作部材72及び右操作部材73を備えている。上操作部材70、下操作部材71、左操作部材72及び右操作部材73は、それぞれ糸状、ワイヤー状の部材で構成されており、容易に屈曲したり、撓むようになっている。上操作部材70の先端部は、上側支持部31の連結孔31cに連結されている。下操作部材71の先端部は、下側支持部32の左右方向中央部に連結されている。左操作部材72の先端部は、左側眼球ベース10の貫通孔15aに連結されている。さらに、右操作部材73の先端部は、右側眼球ベース20の貫通孔25aに連結されている。
後端部材43の上部、下部、左端部及び右端部には、それぞれ上操作部材70、下操作部材71、左操作部材72及び右操作部材73が挿通される上挿通孔43b、下挿通孔43c、左挿通孔43d及び右挿通孔43eが形成されている。上挿通孔43bは、上側支持部31の連結孔31cよりも下に位置している。また、下挿通孔43cは、下側支持部32よりも下に位置している。左挿通孔43dは、左側眼球ベース10の貫通孔15aよりも右側に位置している。右挿通孔43eは、右側眼球ベース20の貫通孔25aよりも左側に位置している。
上操作部材70及び下操作部材71は、それぞれ上挿通孔43b及び下挿通孔43cに挿通された後、人形の頭部100の外部(後方)へ延びている。また、左操作部材72は、棒状部材41の前側部分に形成された左右方向に貫通する貫通孔41d(図2及び図3に示す)へ左側から挿通された後、右側へ出て、右挿通孔43eに挿通された後、人形の頭部100の外部(後方)へ延びている。また、右操作部材73は、棒状部材41の前側部分に形成された左右方向に貫通する貫通孔41d(図2及び図3に示す)へ右側から挿通された後、左側へ出て、左挿通孔43dに挿通された後、人形の頭部100の外部(後方)へ延びている。
上操作部材70、下操作部材71、左操作部材72及び右操作部材73は、例えば、後側部材102と上側部材103との一方を貫通して外部へ延びていてもよいし、後側部材102と上側部材103との間を通って外部へ延びていてもよい。
上操作部材70を引っ張ると、第1支持部材30の上側支持部31が後へ引っ張られるので、第1支持部材30は上方へ揺動する。このとき、板状部材42の前面が湾曲部33の後面を摺接するので、第1支持部材30の上方への揺動が許容される。これにより、左右の眼球2、3が共に上に回動して視線が上に向く。一方、下操作部材71を引っ張ると、第1支持部材30の下側支持部32が後へ引っ張られるので、第1支持部材30は下方へ揺動する。このときも板状部材42の前面が湾曲部33の後面を摺接するので、第1支持部材30の下方への揺動が許容される。これにより、左右の眼球2、3が共に下に回動して視線が下に向く。眼球2、3の上下方向の回動は無段階に行える。
図7に示すように、第1支持部材30を更に下へ揺動させると、左右のまぶた部材61、62が下へ向けて移動していき、左右の眼孔101a、101b内に配置される。これにより、左右の眼球2、3が眼孔101a、101bから見えなくなり、目を閉じた様な状態になる。つまり、まぶた部材61、62を左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20の上部に取り付けておくことで、目を開けたり、閉じたりすることができ、より一層多様な表情を作ることができる。
また、左操作部材72を引っ張ると、左側眼球ベース10の操作用板部15が右側へ引っ張られ、これにより、左側眼球ベース10に回動力が作用して右側眼球ベース20にもその回動力が伝達されて、左右の眼球2、3が左に回動して視線が左に向く。一方、右操作部材73を引っ張ると、右側眼球ベース20の操作用板部25が左側へ引っ張られ、これにより、右側眼球ベース20に回動力が作用して左側眼球ベース10にもその回動力が伝達されて、左右の眼球2、3が右に回動して視線が右に向く。眼球2、3の左右方向の回動は無段階に行える。以上のようにして眼球2、3を外部から手動操作することができる。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20を左右方向に回動自在に第1支持部材30によって支持し、この第1支持部材30を上下方向に揺動自在に第2支持部材40によって支持し、第1支持部材30を付勢部材50によって前方へ付勢するようにしたので、大きさの異なる別の眼球への交換を見栄えを損なうことなく可能にすることができるとともに、様々な方向の視線を簡単に作れるようにしながら、眼球駆動機構1のコンパクト化を図ることができる。
(モーター駆動)
左右の眼球2、3は、手動操作することなく、図示しないが電動操作してもよい。この場合、人形用眼球駆動機構1が、左側眼球ベース10の下側支軸13に固定された従動歯車と、従動歯車に噛み合う駆動歯車と、駆動歯車を駆動するモーターとを備えた構成とすることができる。モーターは、顔面部材101、後側部材102、上側部材103のいずれかに固定できる。モーターへの電力の供給は頭部100の外部または内部に設けた電池によって行うことができる。頭部100の外部から操作可能なスイッチを設けておくことで、モーターを任意のタイミングで任意の時間だけ正転または逆転させることができる。これにより、視線を左右方向に動かすことができる。
(実施形態2)
図8~図12は、本発明の実施形態2に係る人形用眼球駆動機構1を示すものである。この実施形態2では、左右の眼球2、3の支持構造が実施形態1のものとは異なっており、他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
図9や図10に示すように、左側眼球ベース10の左側本体部11には、一方の側面に第1の眼球2Aが取り付けられ、他方の側面に第2の眼球2Bが取り付けられている。第1の眼球2Aと第2の眼球2Bとは異なる眼球である。右側眼球ベース20の右側本体部21にも、一方の側面に第1の眼球3Aが取り付けられ、他方の側面に第2の眼球3Bが取り付けられている。
図12に示すように、左側本体部11の上部には、上方へ突出する上側支軸16が下側支軸13と同芯状に設けられている。また、右側本体部21の上部には、上方へ突出する上側支軸26が下側支軸23と同芯状に設けられている。
第1支持部材30は、上側支持部34、下側支持部35、左側湾曲部36及び右側湾曲部37が組み合わされて一体化されたものであり、これら34~37は互いに分離可能に構成されている。上側支持部34及び下側支持部35は、長手方向に直交する方向の断面形状が矩形状とされている。上側支持部34の左側には、2つの上側軸受孔34aが左右方向に並ぶように形成されている。上側支持部34の右側には、2つの上側軸受孔34bが左右方向に並ぶように形成されている。
下側支持部35の左側には、2つの下側軸受孔35aが左右方向に並ぶように形成されている。下側支持部35の右側には、2つの下側軸受孔35bが左右方向に並ぶように形成されている。
左側湾曲部36は後方へ湾曲している。左側湾曲部36の上部には、上側支持部34の左端部が嵌入する筒状に形成された嵌入部36aが形成されている。嵌入部36aには、上下方向に貫通する貫通孔36bが形成されている。貫通孔36bには、上側支軸16が下方から挿入されるようになっている。上側支軸16は、貫通孔36bと、2つの上側軸受孔34aのうちの一方とに回動可能に挿入され、この状態で、嵌入部36aよりも上方へ突出する。図11に示すように、上側支軸16における嵌入部36aよりも上方の部分には、抜け止め用のストッパ部材80が固定されている。
図12に示すように、左側湾曲部36の下部には、下側支持部35の左端部が嵌入する筒状に形成された嵌入部36cが形成されている。嵌入部36cには、上下方向に貫通する貫通孔36dが形成されている。貫通孔36dには、下側支軸13が上方から挿入されるようになっている。下側支軸13は、貫通孔36dと、2つの下側軸受孔35aのうちの一方とに回動可能に挿入される。これにより、左側眼球ベース10が上下方向に延びる軸まわりに回動可能に第1支持部材30によって支持された状態になる。
右側湾曲部37は、左側湾曲部36と同様に構成されている。すなわち、右側湾曲部37には、上側支持部34の右端部が嵌入する筒状に形成された嵌入部37a、上側支軸26が下方から挿入される貫通孔37b、下側支持部35の右端部が嵌入する筒状に形成された嵌入部37c及び下側支軸13が上方から挿入される貫通孔37dが設けられている。これにより、右側眼球ベース20が上下方向に延びる軸まわりに回動可能に第1支持部材30によって支持された状態になる。
この実施形態では、第1の眼球2Aが前に来るように左側眼球ベース10を回動させることで、第1の眼球2Aを左の眼孔101aから露出させることができる一方、第2の眼球2Bが前に来るように左側眼球ベース10を回動させることで、第2の眼球2Bを左の眼孔101aから露出させることができる。右側の眼球3A、3Bも同様である。
第2支持部材40は、ベース部材90と、左側支持部材91と、右側支持部材92とを備えている。ベース部材90には、頭部100の内部に固定される複数の被固定部90aが設けられている。各被固定部99aは、頭部100の内部に形成されている固定部(図示せず)に嵌合ないし嵌入することによって固定される。また、ベース部材90にはレール部90bが形成されている。レール部90bは、ベース部材90の左端部から右端部まで左右方向に延びている。
左側支持部材91は、本体部91aと、上側ローラ91bと、下側ローラ91cとを備えている。本体部91aは、左側湾曲部36の真後ろに配置されており、上部及び下部にそれぞれ、上側ローラ91b及び下側ローラ91cを回転可能に支持する上部軸受孔91d及び下部軸受孔91eが左右方向に延びるように形成されている。上側ローラ91b及び下側ローラ91cは、上部軸受孔91d及び下部軸受孔91eに回転可能に支持されており、外周面が左側湾曲部36の後面に接触するように配置される。また、本体部91aの上下方向中間部には、後方に向けて開放する開口部91fが形成されている。
左側支持部材91は、左側取付部材93によってベース部材90に固定される。左側取付部材93は、本体部91aの開口部91fに挿入された状態で一体化されている。例えば、左側取付部材93の前端部に爪を設けておき、この爪を本体部91aの前端部近傍に係合させることで、左側取付部材93が開口部91fから抜けなくなる。一方、左側取付部材93の開口部91fへの挿入方向への相対的な移動は許容されており、左側支持部材91を左側取付部材93に対して前後方向にストロークさせることができる。
左側取付部材93の後部には、右側へ向けて突出する突出板部93aが形成されている。この突出板部93aがベース部材90のレール部90bに左端部から差し込まれて係合する。突出板部93aは、ベース部材90に対して抜け止め片94によって固定される。突出板部93aは、ベース部材90に対して爪嵌合等の嵌合構造によって固定してもよい。
左側支持部材91の後面と、左側取付部材93の突出板部93aとの間には、ワッシャ95と付勢部材96とが配設されている。ワッシャ95は突出板部93aの前面に当接することによって後方から支持されている。付勢部材96は実施形態1と同様なコイルスプリングで構成されており、ワッシャ95と左側支持部材91の後面との間に配置されて左側支持部材91を前方へ向けて付勢している。付勢部材96の付勢力は、左側支持部材91の上側ローラ91b及び下側ローラ91cを介して左側湾曲部36に伝達され、左側湾曲部36を前方へ付勢する付勢力となる。
右側も同様に構成されている。すなわち、右側支持部材92は、本体部92aと、上側ローラ92bと、下側ローラ92cとを備えている。本体部92aは、右側湾曲部37の真後ろに配置されており、上部及び下部にそれぞれ、上側ローラ92b及び下側ローラ92cを回転可能に支持する上部軸受孔92d及び下部軸受孔92eが左右方向に延びるように形成されている。上側ローラ92b及び下側ローラ92cは、上部軸受孔92d及び下部軸受孔92eに回転可能に支持されており、外周面が右側湾曲部37の後面に接触するように配置される。また、本体部92aの上下方向中間部には、後方に向けて開放する開口部92fが形成されている。
右側支持部材92は、右側取付部材110によってベース部材90に固定される。右側取付部材110は、本体部92aの開口部92fに挿入された状態で一体化されており、右側支持部材92を右側取付部材110に対して前後方向にストロークさせることができる。
右側取付部材110の後部には、左側へ向けて突出する突出板部110aが形成されている。この突出板部110aがベース部材90のレール部90bに右端部から差し込まれて係合する。突出板部110aは、ベース部材90に対して抜け止め片111によって固定される。
右側支持部材92の後面と、右側取付部材110の突出板部110aとの間には、ワッシャ112と付勢部材113とが配設されている。付勢部材113は、右側支持部材92を前方へ向けて付勢している。付勢部材113の付勢力は、右側支持部材92の上側ローラ92b及び下側ローラ92cを介して右側湾曲部37に伝達され、右側湾曲部37を前方へ付勢する付勢力となる。
例えば、左の眼球2A、2Bを小さな眼球に変えた時には、左側支持部材91が前後方向にストローク可能になっているので、付勢部材96の付勢力によって左側湾曲部36が前方へ移動する。これにより、左側眼球ベース10が前方へ移動し、よって、小さくなった眼球と眼孔101aの周縁部との隙間が所定の隙間で維持される。一方、左の眼球2A、2Bを大きな眼球に変えた時には、付勢部材96の付勢力に抗して左側湾曲部36が後方へ移動することで、左側眼球ベース10が後方へ移動し、よって、大きくなった眼球を組み込むことが可能になる。右側の眼球を変えた時も同様である。
左のストッパ部材80における左右方向の中央部に上側支軸16が差し込まれており、ストッパ部材80は、左側眼球ベース10の上側支軸16に対して相対回動しないように固定されている。ストッパ部材80の左右両端部にはそれぞれ連結孔80a、80bが形成されている。図示しないが、連結孔80a、80bには、それぞれ、頭部100の外部から内部へ眼球2A(または眼球2B)の操作力を伝達するための操作部材の先端部が連結されている。左側の連結孔80aに連結された操作部材を後方へ引っ張ると、眼球2Aが左に回動する。一方、右側の連結孔80bに連結された操作部材を後方へ引っ張ると、眼球2Aが右に回動する。
また、右のストッパ部材81における左右方向の中央部に上側支軸26が差し込まれており、ストッパ部材81は、右側眼球ベース20の上側支軸26に対して相対回動しないように固定されている。ストッパ部材81の左右両端部にはそれぞれ連結孔81a、81bが形成されている。図示しないが、連結孔81a、81bには、それぞれ、頭部100の外部から内部へ眼球3A(または眼球3B)の操作力を伝達するための操作部材の先端部が連結されている。左側の連結孔81aに連結された操作部材を後方へ引っ張ると、眼球3Aが左に回動する。一方、右側の連結孔81bに連結された操作部材を後方へ引っ張ると、眼球3Aが右に回動する。
また、上側支持部34の左右方向中央部には、上側連結孔34cが形成されている。図示しないが、上側連結孔34cには、頭部100の外部から内部へ眼球2A、3A(または眼球2B、3B)の操作力を伝達するための操作部材の先端部が連結されている。上側連結孔34cに連結された操作部材を後方へ引っ張ると、眼球2A、3Aが上に回動する。このとき、上側ローラ91b及び下側ローラ91cが左側湾曲部36の後面を転動し、また、上側ローラ92b及び下側ローラ92cが右側湾曲部37の後面を転動する。
また、下側支持部35の左右方向中央部には、下側連結孔35cが形成されている。図示しないが、下側連結孔35cには、頭部100の外部から内部へ眼球2A、3A(または眼球2B、3B)の操作力を伝達するための操作部材の先端部が連結されている。下側連結孔35cに連結された操作部材を後方へ引っ張ると、眼球2A、3Aが下に回動する。このとき、上述したように上側ローラ91b及び下側ローラ91c、上側ローラ92b及び下側ローラ92cが転動する。尚、ベース部材90には、各操作部材が挿通する6つの挿通孔90cが形成されている。
したがって、実施形態2に係る人形用眼球駆動機構1によれば、実施形態1のものと同様に、左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20を左右方向に回動自在に第1支持部材30によって支持し、この第1支持部材30を上下方向に揺動自在に第2支持部材40によって支持し、第1支持部材30を付勢部材96、113によって前方へ付勢するようにしたので、大きさの異なる別の眼球への交換を見栄えを損なうことなく可能にすることができるとともに、様々な方向の視線を簡単に作れるようにしながら、眼球駆動機構1のコンパクト化を図ることができる。
尚、図示しないが、実施形態2においても、実施形態1と同様に、人形の左右方向に延びるとともに左端部及び右端部がそれぞれ左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20に連結され、左側眼球ベース10及び右側眼球ベース20の一方の眼球ベースの回動力を他方の眼球ベースに伝達する伝達部材を備えていてもよい。
また、図示しないが、実施形態2においても、まぶた部材を設けることができる。
また、図示しないが、実施形態2においても、モーターによって眼球2A、3A(または眼球2B、3B)を駆動してもよい。
(実施形態3)
図13は、本発明の実施形態3に係る人形用眼球駆動機構1を示すものである。この実施形態3では、左右方向に延びる回動軸によって眼球2、3を上下方向に動かすことができるようにしている点で実施形態1とは異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
実施形態3に係る人形用眼球駆動機構1は、頭部100の内部に収容される枠型フレーム200と、眼球支持ユニット210と、左右のスプリング取付部材220とを備えており、眼球支持ユニット210が枠型フレーム200に対して左右方向に延びる軸まわりに回動可能になっている。また、スプリング取付部材220に取り付けられているスプリング221が付勢部材である。
図14に示すように、眼球支持ユニット210は枠型フレーム200から取り外すことができるようになっている。また、左右のスプリング取付部材220は枠型フレーム200とは別部材で構成されている。
図15に示すように、枠型フレーム200は、平面視で矩形枠状に形成された本体部201と、本体部201の前部における左右方向中央部から下方へ突出する中間突出部202と、中間突出部202の下部から後方へ突出する下部突出部203とを有している。本体部201の前部には、顔面部材101の内面における眼孔101a、101bよりも上方の部分に固定される複数の被固定部201aが左右方向に互いに間隔をあけて設けられている。被固定部201aが顔面部材101に固定されることで、枠型フレーム200は顔面部材101に対して変位しないように取り付けられる。また、図14に示すように、枠型フレーム200は、後部固定部材206も備えている。後部固定部材206は、上下方向に延びる板状をなしている。後部固定部材206の上部は、枠型フレーム200の本体部201の後部に固定され、また後部固定部材206の下部は、下部突出部203の後部に固定されている。
図16に示すように、下部突出部203の前部には、後方に開放されるとともに左右方向に開放された凹状部203aが形成されている。凹状部203aは、後述するように軸受部となる部分である。図15に示すように、下部突出部203の凹状部203aよりも後側の部分には、第1マグネット204がマグネット取付部材205によって取り付けれる。マグネット取付部材205は、下部突出部203の上面、右側面(または左側面)及び下面を囲むように形成されており、当該下部突出部203の前後方向の任意に位置に接着剤等によって固定される。マグネット取付部材205における下部突出部203の上面に重なる部分に、第1マグネット204が固定されている。つまり、第1マグネット204は下部突出部203の上方に配置される。
図15、図16に示すように、下部突出部203の後部には、上操作部材70が挿通する挿通孔203bが左右方向に貫通するように形成されている。
図13、図14に示す左右のスプリング取付部材220は枠型フレーム200の下方に配置され、顔面部材101の内面における下部に固定されている。各スプリング取付部材220には、引っ張りバネからなるスプリング221の一端部が取り付けられている。
図17に示すように、眼球支持ユニット210は、左の眼球2が取り付けられる左側眼球ベース211と、右の眼球3が取り付けられる右側眼球ベース212と、支持部材213と、まぶた形成部材230と、伝達部材60とを備えている。支持部材213は、左側眼球ベース211及び右側眼球ベース212を左の眼孔101a及び右の眼孔101bの間隔に対応した間隔で、それぞれ上下方向に延びる軸周りに回動自在に支持する第1支持部材である。一方、枠型フレーム200は、頭部100の内部に取り付けられ、支持部材213を上下方向に揺動自在に支持する第2支持部材である。
左側眼球ベース211は、上下方向に延びる板状の左側板部211aを備えている。左側板部211aの前面に左の眼球2の後端面が固定されている。左側板部211aの上部には、上側支軸211bが上方へ突出するように形成されている。また、左側板部211aの下部には、軸挿入孔211cが下方へ開放するように形成されている。上側支軸211bの中心線と、軸挿入孔211cの中心線とは同一直線上に位置付けられている。尚、図示しないが、左側板部211aの上部に軸挿入孔が上方に開放するように形成され、左側板部211aの下部に下側支軸が下方へ突出するように形成されていてもよい。
左側板部211aの後面には、被連結部211dが後方へ向けて突出するように設けられている。被連結部211dは、上方へ突出する連結軸部211eを有している。連結軸部211eと上側支軸211bとは略平行である。また、左側板部211aの後面には、被連結部211dから下方向に離れた部位から後方へ向けて突出する操作用板部211fが設けられている。操作用板部211fには、貫通孔211gが形成されている。貫通孔211gには、左操作部材(図示せず)の先端部が連結されている。左操作部材は、後部固定部材206の右端に形成されている後部挿通孔206cから後方へ延びるように配設される。
右側眼球ベース212は、左側眼球ベース211と同様に構成されている。すなわち、右側眼球ベース212は、右の眼球3が固定される右側板部212aと、上側支軸212bと、軸挿入孔212cと、被連結部212dと、操作用板部212fとを有している。被連結部212dは、連結軸部212eを有し、また、操作用板部212fは貫通孔212gを有している。貫通孔212gには、右操作部材(図示せず)の先端部が連結されている。右操作部材は、後部固定部材206の左端に形成されている後部挿通孔206dから後方へ延びるように配設される。
支持部材213は、左側眼球ベース211及び右側眼球ベース212を左の眼孔101a及び右の眼孔101bの間隔に対応した間隔で支持するとともに、上下方向に延びる軸周りに回動可能に支持する部材である。すなわち、支持部材213は、当該支持部材213の上端部において左右方向に延びる上側支持部214と、当該支持部材213の下端部において左方向に延びる左側支持部215と、当該支持部材213の下端部において右方向に延びる右側支持部216とを備えている。
上側支持部214の左端部は前方向へ向けて突出しており、この左端部には、上下方向に貫通する軸挿入孔214aが形成されている。左側支持部215には、軸挿入孔214aの直下方において上方へ突出する下側軸部215aが形成されている。左側眼球ベース211の上側支軸211bが軸挿入孔214aに挿入され、左側支持部215の下側軸部215aが左側眼球ベース211の軸挿入孔211cに挿入された状態で左側眼球ベース211が支持部材213に対して回動可能になっている。尚、図示しないが、左側板部211aの上部に軸挿入孔が形成されている場合には、支持部材213の上部に支軸を形成し、また、左側板部211aの下部に下側支軸が形成されている場合には、支持部材213の下部に軸挿入孔を形成すればよい。
また、上側支持部214の右端部は前方向へ向けて突出しており、この右端部には、上下方向に貫通する軸挿入孔214bが形成されている。右側支持部216には、軸挿入孔214bの直下方において上方へ突出する下側軸部216aが形成されている。右側眼球ベース212の上側支軸212bが軸挿入孔214bに挿入され、右側支持部216の下側軸部216aが右側眼球ベース212の軸挿入孔212cに挿入された状態で右側眼球ベース212が支持部材213に対して回動可能になっている。
上側支持部214の左端部には、後述する左側まぶた部231が固定される左側まぶた固定部214cが上方へ突出するように設けられている。左側まぶた固定部214cには、左右方向に貫通する左側支持孔214eが形成されている。
また、上側支持部214の右端部には、後述する右側まぶた部232が固定される右側まぶた固定部214dが上方へ突出するように設けられている。右側まぶた固定部214dには、左右方向に貫通する右側支持孔214fが形成されている。
支持部材213の上部には、後方へ延出する延出部213aが形成されている。この延出部213aには、第2マグネット213bが固定されている。第2マグネット213bは、第1マグネット204の上方に配置され、両者が所定以上接近すると、第1マグネット204に吸着されるように、両マグネット213b、204の磁力が設定されている。
伝達部材60の左の連結孔60aには、左側眼球ベース211の連結軸部211eが挿入され、また、伝達部材60の右の連結孔60aには、右側眼球ベース212の連結軸部212eが挿入される。また、図示しないが、眼球2、3を左に動かすための左操作部材の先端部は、左側眼球ベース211の貫通孔211gに連結されており、左側のスプリング221の他端部も貫通孔211gに連結されている。さらに、眼球2、3を右に動かすための右操作部材の先端部は、右側眼球ベース212の貫通孔212gに連結されており、右側のスプリング221の他端部も貫通孔212gに連結されている。
まぶた形成部材230は、左のまぶたとなる左側まぶた部231と、右のまぶたとなる右側まぶた部232と、左側まぶた部231及び右側まぶた部232を連結する連結部233とを有しており、これらは樹脂材によって一体成形されている。左側まぶた部231は、左の眼球2の上方に配置され、当該眼球2よりも大きく湾曲した板状をなしている。左の眼球2は、左側まぶた部231とは別に回動可能である。同様に、右側まぶた部232は、右の眼球3の上方に配置され、当該眼球3よりも大きく湾曲した板状をなしている。右の眼球3も、右側まぶた部232とは別に回動可能である。左側まぶた部231及び右側まぶた部232の表面(外面)は、眼孔101a、101bから外部に臨む面であり、左側まぶた部231及び右側まぶた部232の表面には、塗装等によって各種装飾(例えば化粧に類似した装飾等)を施すことが可能になっている。
左側まぶた部231及び右側まぶた部232は、左右の眼球2、3の間隔に対応するように左右方向に所定の間隔をあけて配置される。この所定の間隔を維持するために、連結部233が設けられている。連結部233は、左側まぶた部231の右端部から右側まぶた部232の左端部まで左右方向に延びる円柱状または円形断面を有する棒状に形成されている。連結部233と、左側まぶた部231及び右側まぶた部232とは相対回動不能になっている。連結部233は左右方向に延びる軸であり、後述するが、左側まぶた部231及び右側まぶた部232を含む眼球支持ユニット210全体を回動させる際の回動軸となる部分である。
すなわち、図16に仮想線で示すように、連結部233は、枠型フレーム200の凹状部203aに対して後方から前方へ向けて挿入されるようになっている。連結部233は、凹状部203aに挿入された状態で、当該凹状部203aの内面により、枠型フレーム200に対して左右方向に延びる軸周りに回動可能に支持される。さらに、連結部233は、凹状部203aに挿入された状態で、当該凹状部203aの深さ方向(前後方向)に相対変位可能になっている。
左側まぶた部231の上部には、上側支持部214の左側まぶた固定部241cに固定される左側固定板部231aが形成されている。左側固定板部231aは、左側まぶた固定部241cに対して凹凸嵌合構造や爪嵌合構造等によって固定できる他、接着等によって固定してもよい。例えば左側固定板部231aと左側まぶた固定部241cとの一方に凹部や孔部(例えば左側支持孔214e)を形成し、他方に凸部を形成しておき、凸部を凹部や孔部に嵌合させることで、左側まぶた部231を上側支持部214に対して上下方向に回動可能に取り付けることができる。同様に、右側まぶた部232の上部には、上側支持部214の右側まぶた固定部241dに固定される右側固定板部232aが形成されており、右側まぶた部232を上側支持部214に固定できるようになっている。例えば右側固定板部232aと右側まぶた部232との一方に凹部や孔部(例えば右側支持孔214f)を形成し、他方に凸部を形成しておき、凸部を凹部や孔部に嵌合させることで、右側まぶた部232を上側支持部214に対して上下方向に回動可能に取り付けることができる。図22は、右側まぶた部232が通常状態にあり、図23は、右側まぶた部232を上方へ回動させた状態を示している。例えば図22に示す眼球3よりも大きな眼球(図示せず)を使用する場合には、図23に示すように右側まぶた部232を上方へ回動させることで、右側まぶた部232と眼球3との隙間が自動的に最小になり、大きな眼球3の使用が可能になる。また、右側まぶた部232の最前部が眼球支持ユニット210の前端となるため、マグネット取付部材205を任意の位置に接着したとき、眼球3の大きさが変わっても問題とならない。左側についても同様である。
例えば、眼球2、3が大きい場合には、眼球支持ユニット210を後方へ変位させて当該眼球2、3の大きさに対応させる必要があるが、このとき、連結部233を凹状部203a内で後方に移動させることで、眼球2、3の大きさに対応した距離だけ眼球支持ユニット210を後方へ変位させることができる。また、眼球2、3が小さい場合には、眼球支持ユニット210を前方へ変位させて当該眼球2、3の大きさに対応させる必要があるが、このとき、連結部233を凹状部203a内で前方に移動させることで、眼球2、3の大きさに対応した距離だけ眼球支持ユニット210を前方へ変位させることができる。
マグネット取付部材205は、眼球支持ユニット210の後方への移動を阻止するための部材である。具体的には、マグネット取付部材205は、下部突出部203に固定されているのであるが、そのマグネット取付部材205の前に、支持部材213の後面213c(図18にも示す)が配置されるようになっている。図17に示すように、後面213には、下部突出部203が下方から挿入可能となるように、下方に開放された切欠部231dが形成されている。眼球支持ユニット210を連結部233周りに下方向に回動させる際には、下部突出部203が切欠部231dに挿入されることで、その上下方向の回動範囲を広げることができる。また、下部突出部203が切欠部231dに挿入されることで、眼球支持ユニット210の左右方向の位置決めがなされるようになっている。
下部突出部203が切欠部231dに挿入された状態で、支持部材213の後面213cに対してマグネット取付部材205の前面が摺動可能に当接する。これにより、眼球支持ユニット210の後方への移動が阻止されるので、眼球2、3と、眼孔101a、101bとの奥行方向の距離を一定に保つことができる。眼球2、3の大きさが大きければ、マグネット取付部材205を後方にずらして下部突出部203に固定すればよく、また眼球2、3の大きさが小さければ、マグネット取付部材205を前方にずらして下部突出部203に固定すればよい。また、マグネット取付部材205の位置は、左側まぶた部231及び右側まぶた部232の大きさや形状によっても変えることができる。
左側まぶた部231の表面における左右両端部には、左側まぶた部231の外方へ向けて突出して連結部233の回動中心線(左右方向に延びる直線)周りに延びる一対の左側突条部231b、231bが形成されている。上記装飾は、左側まぶた部231の表面における一対の左側突条部231b、231bの間の部分に施される。左側突条部231bの突出方向先端部は、左側まぶた部231の回動時に顔面部材101の内面における左の眼孔101aの周囲に摺接するようになっている。これにより、左側まぶた部231の表面に施された装飾が顔面部材101の内面に接触することはないので、装飾部分の傷付きや損傷が抑制される。しかも、頭部100を正面から見たとき、左側まぶた部231の表面と眼孔101aの周縁部との奥行方向の距離が一定に保たれるので、まぶたを閉じた時に違和感のない表情を実現できる。同様に、右側まぶた部232の表面における左右両端部にも、一対の右側突条部232b、232bが形成されている。
図13は、まぶたが開いている状態、即ち、眼球支持ユニット210が連結部233周りに上方へ向けて回動した状態を示している。左右のスプリング221の付勢力により、眼球支持ユニット210は、上方へ向けて回動する方向へ常時付勢されているので、外力を加えなければ、図13に示すまで回動して停止する。また、スプリング221の付勢力により支持部材213が前方へ向けて付勢される。
図13に示す状態では、左右の眼球2、3が真正面を向いていて眼孔101a、101bから外部に臨む一方、左側まぶた部231及び右側まぶた部232は、その表面が上方に向いていて、大部分が眼孔101a、101bよりも頭部100内に入り、外部からは殆ど見えない。まぶたが開いている状態では、眼球支持ユニット210の第2マグネット213bが、枠型フレーム200に固定されている第1マグネット204に吸着される。これにより、眼球支持ユニット210のがたつきが抑制される。尚、第1マグネット204及び第2マグネット213bは省略してもよい。
支持部材213の左右方向中央部には、上操作部材70の先端部が連結される連結孔213dが形成されている。図20等に示すように、上操作部材70の中間部は、枠型フレーム200の上側の前部に固定された第1横棒材249と、その上方に固定された第2横棒材250に順に掛けられて当該第2横棒材250の上方から後方へ取り回される。第1横棒材249及び第2横棒材250は、連結部233よりも上方かつ前方に位置している。また、第1横棒材249は第2横棒材250よりも前に位置している。したがって、上操作部材70を後方へ引っ張ると支持部材213の連結部233よりも上側部分に対して前向きの力が作用する。この前向きの力が、スプリング221の付勢力と、第1マグネット204及び第2マグネット213bの吸着力よりも大きくなると、眼球支持ユニット210が連結部233周りに下方へ向けて回動する。この回動角度により、視線を下に向けることができる。
図19及び図21に示すように、眼球支持ユニット210の下方へ向けての回動角度を大きくすると、まぶたが閉じている状態になる。この状態では、左右の眼球2、3が下方を向いていて眼孔101a、101bよりも頭部100内に入り、外部からは殆ど見えない。一方、左側まぶた部231及び右側まぶた部232は、その表面が真正面を向いていて眼孔101a、101bから外部に臨む。これにより、まぶたが閉じているように見える。
上操作部材70の中間部には、他の部分よりも外径が大きな係合部70aを設けておくことができる。係合部70aは、例えば上操作部材70が糸の場合にはこぶ等で構成することができる。一方、後部固定部材206には、上操作部材70の中間部が挿通する挿通孔206aと、この挿通孔206aに連なるスリット206bとが形成されている。スリット206bの幅は、係合部70aの外径よりも狭く設定されている。また、まぶたが閉じるまで眼球支持ユニット210を回動させると、係合部70aが挿通孔206aから後方に出るように、係合部70aの形成位置が設定されている。挿通孔206aから後方に出た係合部70aをスリット206bに入れることで、上操作部材70を止めておくことができ、まぶたが閉じている状態を保持できる。
したがって、実施形態3に係る人形用眼球駆動機構1によれば、実施形態1のものと同様に、左側眼球ベース211及び右側眼球ベース212を左右方向に回動自在に支持部材213によって支持したので、様々な方向の視線を簡単に作ることができる。また、まぶた形成部材230を左右方向に延びる連結部233周りに回動させることができるので、まぶたを閉じた状態から開いた状態への切り替え、及びまぶたを開いた状態から閉じた状態への切り替えが簡単に行える。
(実施形態3の変形例)
図24~図26は、実施形態3の変形例に係る人形用眼球駆動機構1を示すものである。この変形例では、まぶた形成部材230の右側部にカム235が設けられている。まぶた形成部材230とカム235とは一体に回動するようになっている。カム235には径方向に突出する凸面部235aが形成されている。
一方、顔面部材101の内面には固定部材104が固定されている。固定部材104には、まぶた形成部材230が回動する際に凸面部235aが当接する当接面104aが形成されている。当接面104aは、上下方向に延びており、上へ行くほど前に位置するように傾斜している。図示しないが、左側も同様に構成されている。
図24は、まぶたが開いている状態を示しており、この時には凸面部235aが当接面104aの上下方向中央部よりも上側部分に当接している。図25は、開いていたまぶた閉じる途中の状態を示しており、この時には凸面部235aが当接面104aの上下方向中央部に当接する。これにより、まぶた形成部材230全体を後方へ移動させることができるので、左側まぶた部231及び右側まぶた部232がそれぞれ左の眼孔101a及び右の眼孔101bの下縁部に接触することはなく、スムーズに動作させることができる。
図26は、まぶたが完全に閉じた状態を示している。この状態では、凸面部235aが当接面104aの下端部に当接する。これにより、図25に示す場合に比べて、まぶた形成部材230全体が前方に移動することになるので、左側まぶた部231及び右側まぶた部232がそれぞれ左の眼孔101a及び右の眼孔101bに接近した状態になる。よって、左側まぶた部231及び右側まぶた部232の表面と、左の眼孔101a及び右の眼孔101bの周縁部との隙間が殆どできなくなる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る人形用眼球駆動機構は、人形の左右の眼球の駆動を可能にして表情の多様化を図る場合に利用することができる。
1 人形用眼球駆動機構
2、3 眼球
10 左側眼球ベース
20 右側眼球ベース
30 第1支持部材
40 第2支持部材
50 付勢部材
60 伝達部材
61、62 まぶた部材
70~73 操作部材
100 頭部
101a、101b 眼孔

Claims (5)

  1. 人形の頭部の内部に収容される人形用眼球駆動機構において、
    前記人形の顔に形成された左の眼孔から露出する左の眼球が取り付けられる左側眼球ベースと、
    前記人形の顔に形成された右の眼孔から露出する右の眼球が取り付けられる右側眼球ベースと、
    前記左側眼球ベース及び前記右側眼球ベースを前記左の眼孔及び前記右の眼孔の間隔に対応した間隔で、それぞれ上下方向に延びる軸周りに回動自在に支持する第1支持部材と、
    前記頭部の内部に取り付けられ、前記第1支持部材を上下方向に揺動自在に支持する第2支持部材と、
    前記第1支持部材を前方へ付勢する付勢部材とを備えている人形用眼球駆動機構。
  2. 請求項1に記載の人形用眼球駆動機構において、
    前記人形の左右方向に延びるとともに左端部及び右端部がそれぞれ前記左側眼球ベース及び前記右側眼球ベースに連結され、前記左側眼球ベース及び前記右側眼球ベースの一方の眼球ベースの回動力を他方の眼球ベースに伝達する伝達部材を備えている人形用眼球駆動機構。
  3. 請求項1に記載の人形用眼球駆動機構において、
    前記左側眼球ベース及び前記右側眼球ベースの一方の眼球ベースには、操作力を伝達するための操作部材の先端部が連結され、
    前記操作部材は、前記人形の頭部の外部へ延びている人形用眼球駆動機構。
  4. 請求項1に記載の人形用眼球駆動機構において、
    前記左側眼球ベース及び前記右側眼球ベースの一方の眼球ベースに固定された従動歯車と、
    前記従動歯車に噛み合う駆動歯車と、
    前記駆動歯車を駆動するモーターとを備えている人形用眼球駆動機構。
  5. 請求項1に記載の人形用眼球駆動機構において、
    前記左側眼球ベースの上部には、前記左の眼球の角膜部よりも上側部分を覆うように形成されたまぶた部材が取り付けられている人形用眼球駆動機構。
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