JP7421065B2 - 電子機器筐体内の線材引き回し構造及び引き回し方法 - Google Patents

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本発明は、電子機器筐体内の線材引き回し構造及び引き回し方法に関する。
従来から、電子機器の筐体がケース本体とその開口面を閉塞する蓋体(又はカバー)とから成る場合において、組み立て工程や修理時に、ケース本体又は蓋体内にリード線やケーブルなどの線材を引き回した状態で、ケース本体に蓋体を装着し閉塞する。その際に、ケース本体と蓋体などとの間に線材を噛み込み易い。そのような噛み込みを防止するために、ケース本体内部に、蓋体装着時に線材を一時的に退避させるための退避空間と、蓋体をケース本体に固定後、線材を保持する固定空間とを構成するといったことが提案されている(例えば特許文献1参照)。また、線材の引き回しのために機器筐体に設けたボスを用いて、組立て時に、作業者が手順書と機器実物とを見比べながら作業をすることも知られている。
特開2011-108379号公報
しかしながら、このような電子機器筐体内の線材引き回し構造にあっては、構成が複雑で高価となり、また、作業者が手順書を見ながら作業をするのは、作業能率が良くない。
そこで、本発明は、構成が簡素で、しかも作業能率の良い電子機器筐体内の線材引き回し構造及び引き回し方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電子機器筐体内の線材引き回し構造であって、電子機器筐体は、開口面を有するケース本体と蓋体とから成り、それら開口面同士が突き合わせて閉塞され、当該筐体内に、電子機器の回路基板と、前記回路基板に電気接続される前記線材とを内蔵し、前記蓋体又はケース本体の内壁に、互いに離間して列状に立設された複数のリブを備え、前記リブは、立設方向上方視で、前記線材を引き回し通過させる位置を示す矢印形状とされており、前記矢印形状は、線分形状と鏃形状を組み合わせた形状とされている、ものである。
上記線材引き回し構造によれば、作業者は手順書などを見ることなく一見して、線材引き回し通過位置を確認し、作業することができる。
上記線材引き回し構造において、前記複数のリブの少なくとも一部は、複数のリブ間を前記線材が蛇行状に引き回し通過されるように配置されている、ものとしてもよい。
この構成によれば、線材が複数のリブに確実に保持されるので、ケース本体と蓋体を閉塞させる作業が容易になる。
本発明は、電子機器筐体内の線材引き回し方法であって、開口面を有するケース本体と蓋体とから成る電子機器筐体内に電子機器の回路基板を内蔵させ、前記蓋体又はケース本体の内壁に、前記回路基板に電気接続される前記線材を引き回し通過させる位置を示す形状の複数のリブを、互いに離間して列状に立設させ、前記リブは、立設方向上方視で、前記線材を引き回し通過させる位置を示す矢印形状とされており、前記矢印形状は、線分形状と鏃形状を組み合わせた形状であり、前記リブの配列に合わせて前記線材を引き回し配置した後、前記ケース本体と前記蓋体の開口面同士を突き合わせて閉塞させる、ものである。
この方法によれば、上記線材引き回し構造と同等の効果が得られる。
本発明に係る電子機器筐体内の線材引き回し構造及び引き回し方法によれば、簡素な構成で、電子機器筐体内での線材の引き回し位置が直感的に分かり、作業が容易となり、作業能率が向上し、また、ケース本体と蓋体の開口面同士を突き合わせて閉塞させるときに線材を噛み込むことを防止できる。
本発明の電子機器筐体内の線材引き回し構造を実施した電子機器の一例である充電ホルダの斜視図である。 同充電ホルダに無線機を装着した状態の斜視図である。 同充電ホルダの蓋体を外してケース本体及び蓋体の開口面を上向きにした状態の平面図である。 同充電ホルダの蓋体内の線材引き回し構造及び引き回し方法を示す平面図である。 同充電ホルダの蓋体内の線材引き回し構造及び引き回し方法の他の例を示す平面図である。
本発明の一実施形態に係る電子機器筐体内の線材引き回し構造及び引き回し方法を充電ホルダ筐体に実施した例について図面を参照して説明する。電子機器としての充電ホルダは、バッテリ装填の無線機や携帯電話機などがセットされバッテリを充電するものであり、以下、充電ホルダとその筐体について説明した後、充電ホルダ筐体内の線材引き回し構造及び引き回し方法について説明する。
(電子機器筐体としての充電ホルダ筐体構成)
図1は本実施形態に係る充電ホルダ10を示し、図2は充電ホルダ10に無線機50を装着した状態図を示す。これらの図において、右斜め下を前方、左斜め上を後方という。充電ホルダ10(電子機器)は、無線機50を挿入するためのポケット部201が上面に形成された筐体20(電子機器筐体)を備える。筐体20は、開口面を有するケース本体202と、この開口面を塞ぐ蓋体203とにより構成され、それら開口面同士を突き合わせて閉塞される。筐体20は、ポケット部201に挿入される無線機50を筐体20に位置決め固定できるように構成されている。
筐体20は、樹脂成型品で成り、内部に充電回路基板210(図3参照)などを内蔵している。ケース本体202は、ポケット部201の後方、側方及び上方を包囲するように構成され、ケース本体202の内部は空洞と成っている。ポケット部201内には、ポケット部201に挿入される無線機50の充電用端子に接触可能な接触端子301が突出して設けられている。
なお、筐体20の後面には、充電アダプタの出力プラグが差し込まれる電源入力端子205(図3参照)が配置されている。
無線機50は、筐体20のポケット部201に挿入され、位置決め固定される。筐体20は、無線機50を筐体20から取り外し操作するための空間206を有している。この空間206は、筐体20に取り付けられている状態の無線機50の上部背面側に対応する位置に設けられている。この空間206に手指を入れて、無線機50を容易に充電ホルダ10から取り外すことができる。ケース本体202のポケット部201の周辺の一側に設けられた突起部207は、ポケット部201に挿入される無線機50の位置決めに供するものである。
(ケース本体及び蓋体の各開口面)
図3は、充電ホルダ10の蓋体203を外してケース本体202及び蓋体203の各開口面を上向きにした状態を示す。ホルダ本体20の内部には、充電回路基板210などが配置され、蓋体203に設けられた電源入力端子205とホルダ本体20に設けられた充電回路基板210とは、ケーブルなどの線材213で接続されている。この線材213の蓋体203側は、蓋体203に立設した複数のリブ215を用いて引き回し保持され、線材213のケース本体202側は、充電回路基板210のコネクタ端子にソケット214により接続されている。
接触端子基板310には、そのコネクタ端子にソケット312が被着される。ソケット312には、充電回路基板210から導出されたリード線313の先端が結線されている。リード線313の他端は、充電回路基板210のコネクタ端子に被着されたソケット211に接続されている。
(線材引き回し構造及び引き回し方法)
図4は、充電ホルダの筐体20内における線材213の引き回し構造及び引き回し方法を示す。筐体20、すなわち、ケース本体202及び蓋体203内には、充電回路基板210(回路基板)や、この回路基板210に電気接続される線材213などが内蔵されている。この例の線材213は、ケース本体202側の回路基板210と蓋体203側の電源入力端子205とを跨って接続するケーブルである。線材213は、これに限られず、各種の基板や部品間を電気接続するリード線、ハーネスなどを含む。線材213をケース本体202及び蓋体203内に引き回した後、ケース本体202と蓋体203とは、各開口面同士を突き合わせて閉塞される。
蓋体203の開口面に臨む内壁203aは、線材213を引き回すための複数のリブ215(216,217,・・・221、総称してリブ215という)を備えている。これらリブ215は、蓋体203の内壁203aに互いに離間して列状に立設されており、線材213を引き回し通過させる位置を示す方向性を持つ形状とされている。これらリブ215は、蓋体203の成型時に一体に設けることができる。
リブ215の上記方向性を持つ形状としては、リブ215の立設方向上方視で、線材213を引き回し通過させる位置を示す矢印形状とすることができる。このような構成により、作業者は手順書などを見ることなく一見して、線材213の引き回し通過位置を確認でき、引き回し作業が容易となり、作業間違いも生じ難くなる。
この例では、リブ215の少なくとも一部は、複数のリブ間を線材213が蛇行状に引き回し通過されるように配置されている。ここに、連続するリブ217とリブ218とは、互いに矢印形状の向きが変わっており、リブ217とリブ218との間で線材213が一方側から他方側に移ることを示している。この構成によれば、線材213の撓み性乃至剛性により、線材213が複数のリブ215間に確実に保持されることになる。このため、ケース本体202と蓋体203を閉塞させるときに、線材213の噛み込みが起り難くなり、閉塞作業が容易になる。
また、線材213を蓋体203の側壁203bに近接して引き回す場合は、側壁203bに複数の突出部231を設け、この突出部231に近接してリブ215を配置した構成とする。そのようなリブ215と蓋体203の突出部231との間に線材213を嵌め込む。このような簡単な構成でもって、線材213を蓋体203の側壁203bに確実に保持させることができる。
図5は、線材引き回し構造及び引き回し方法の他の例を示す。この例では、矢印形状の列状に設けられた複数のリブ215のうち、リブ216-219は、順次交互に方向性を異ならせている。このため、作業者は手順書などを見ることなく、リブ216-219の示す方向に合わせて線材213を引き回すだけで、線材213を蛇行上に引き回すことができる。これにより、線材213を蓋体203の内壁203aに、容易かつ確実に保持させることができる。また、蓋体203の側壁203bの近くに設けられたリブ221-223については、矢印形状が、側壁向きを示すリブ221、側壁とは反対向きを示すリブ222、側壁向きを示すリブ223とが、順次配置されている。このようなリブ221-223を用いれば、線材213を蓋体203の側壁203bに沿って保持させることが容易となる。
以上のように、本実施形態に係る電子機器筐体内の線材引き回し構造及び引き回し方法によれば、方向性を持つ形状のリブ215を用いて、電子機器筐体内での線材213の引き回し位置が直感的に分かり、従来に比し、簡素な構成で作業能率が向上し、しかも、ケース本体202と蓋体203の開口面同士を突き合わせて閉塞させるときに線材213を噛み込むことを容易に防止できる。
本発明は、上記実施形態の構成及び方法に限られず、種々の変形が可能であり、例えば、上記では、リブ215は、蓋体203の内壁203aに立設されている例を示したが、蓋体203の側壁203bやケース本体202の内壁や側壁に立設されるものであってもよく、そのようなものも技術的範囲に含む。また、引き回し通過させる位置を示すリブの形状が、矢印のみではなく、例えば三角形状や半楕円形状などであってもよい。また、電子機器としては、充電ホルダ10に限られず、任意の機器に適用可能である。
10 充電ホルダ(電子機器)
20 筐体(電子機器筐体)
201 ポケット部
202 ケース本体
203 蓋体
203a 内壁
203b 側壁
205 電源入力端子
206 空間
207 突起部
210 充電回路基板(回路基板)
211 ソケット
213 線材
214 ソケット
215 リブ
216-223 リブ
231 突出部
301 接触端子
310 接触端子基板
312 ソケット
313 リード線
50 無線機

Claims (3)

  1. 電子機器筐体内の線材引き回し構造であって、
    電子機器筐体は、開口面を有するケース本体と蓋体とから成り、それら開口面同士が突き合わせて閉塞され、当該筐体内に、電子機器の回路基板と、前記回路基板に電気接続される前記線材とを内蔵し、
    前記蓋体又はケース本体の内壁に、互いに離間して列状に立設された複数のリブを備え、
    前記リブは、立設方向上方視で、前記線材を引き回し通過させる位置を示す矢印形状とされており、
    前記矢印形状は、線分形状と鏃形状を組み合わせた形状である、電子機器筐体内の線材引き回し構造。
  2. 前記複数のリブの少なくとも一部は、複数のリブ間を前記線材が蛇行状に引き回し通過されるように配置されている、請求項1に記載の電子機器筐体内の線材引き回し構造。
  3. 電子機器筐体内の線材引き回し方法であって、
    開口面を有するケース本体と蓋体とから成る電子機器筐体内に電子機器の回路基板を内蔵させ、
    前記蓋体又はケース本体の内壁に、前記回路基板に電気接続される前記線材を引き回し通過させる位置を示す形状の複数のリブを、互いに離間して列状に立設させ、
    前記リブは、立設方向上方視で、前記線材を引き回し通過させる位置を示す矢印形状とされており、前記矢印形状は、線分形状と鏃形状を組み合わせた形状であり、
    前記リブの配列に合わせて前記線材を引き回し配置した後、前記ケース本体と前記蓋体の開口面同士を突き合わせて閉塞させる、電子機器筐体内の線材引き回し方法。
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