以下、添付図面を参照して、本願の開示するヒューズボックスの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係るヒューズボックスの構成例を示す斜視図である。なお、図1においては、説明の便宜のために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向で規定される3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、図1および後述する図2A以降の図は、いずれも模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係るヒューズボックス1は、ヒューズ60,70のいずれをも収容することのできる略直方体状の筐体である。なお、図1に示すヒューズボックス1の形状は例示であって限定されるものではなく、例えば円筒状などその他の形状であってもよい。
かかるヒューズボックス1は、例えば図示しない自動車などの車両の適宜位置に配設される。なお、上記では、ヒューズボックス1を車両用としたが、これに限られず、例えば電機製品などその他の種類の製品等に配設されてもよい。
ヒューズボックス1は、例えば樹脂製とされ、本体部10と、蓋部40とを備える。本体部10は、中空状に形成され、Z軸正方向側の端部および負方向側の端部の両端で開口される(図1においてZ軸負方向側の開口は見えず)。
蓋部40は、本体部10のZ軸正方向側の端部付近にヒンジ部41を介して接続される。従って、蓋部40は、ヒンジ部41を曲げることで、本体部10のZ軸正方向側の開口(以下「上端開口」と記載する場合がある)を開放または閉止することができる。なお、図1では、蓋部40が本体部10の上端開口を開放している状態を示している。
上記した本体部10には、ヒューズ60,70のいずれか一方が収容される。以下では、ヒューズ60を「第1ヒューズ60」、ヒューズ70を「第2ヒューズ70」と記載する場合がある。
第1、第2ヒューズ60,70はともに、例えばブレード型のヒューズであるが、ブレード型のヒューズの中でもヒューズの種類は互いに異なっている。具体的には、複数種類あるブレード型のヒューズのうち、第1ヒューズ60は、例えば一般的な平型ヒューズより小型の所謂「ミニヒューズ」であり、第2ヒューズ70は第1ヒューズ60より高さ方向(図1ではZ軸方向)の長さが小さい所謂「低背ヒューズ」である。なお、上記した第1、第2ヒューズ60,70の種類は例示であって限定されるものではない。
上記した第1ヒューズ60は、第1ヒューズ本体部61と、第1ヒューズ側端子62a,62bとを備える。第1ヒューズ本体部61は、例えば略直方体状に形成されるとともに、樹脂製とされる。第1ヒューズ側端子62a,62bは、平板状に形成され、第1ヒューズ本体部61のZ軸負方向側の底面から延設される。なお、第1ヒューズ60の構成については図6A,6Bを用いて後述する。
第2ヒューズ70は、第2ヒューズ本体部71と、第2ヒューズ側端子72a,72bとを備える。第2ヒューズ本体部71は、例えば略直方体状に形成されるとともに、樹脂製とされる。第2ヒューズ側端子72a,72bは、平板状に形成され、第2ヒューズ本体部71のX軸方向の左右の側面に設けられる。なお、第2ヒューズ70の構成については図7A,7Bを用いて後述する。
このように、第1ヒューズ60と第2ヒューズ70とは、ヒューズの種類が異なっており、形状も互いに異なっている。
本実施形態に係るヒューズボックス1にあっては、上記のように、種類の異なる第1ヒューズ60および第2ヒューズ70のいずれをも収容可能に構成されるようにした。詳しく説明すると、ヒューズボックス1の本体部10は、一対の端子収容部11と、第2ヒューズ収容部12とを備える。
一対の端子収容部11は、本体部10内に形成される。具体的には、一対の端子収容部11は、本体部10内においてX軸方向の左右の側面付近に形成され、その内部に空間を有する。そして、一対の端子収容部11には、第1ヒューズ60および第2ヒューズ70と接続可能な一対のヒューズ接続用端子50がそれぞれ収容される。なお、このとき、ヒューズ接続用端子50は、先端部分が本体部10の上端開口付近に位置されて収容されるが、収容位置はこれに限られない。
一対のヒューズ接続用端子50は、例えばメス端子であり、第1ヒューズ側端子62a,62bまたは第2ヒューズ側端子72a,72bがそれぞれ挿入されて接触するときに電気的に接続される。なお、ヒューズ接続用端子50は、端子の一例である。また、以下では、一対のヒューズ接続用端子50のうちの一方を「第1ヒューズ接続用端子50a」、他方を「第2ヒューズ接続用端子50b」と記載する場合がある。
第1ヒューズ接続用端子50aには第1ケーブル51aが接続され、第2ヒューズ接続用端子50bには第2ケーブル51bが接続される。そして、第1、第2ケーブル51a,51bは、本体部10のZ軸負方向側の開口(以下「下端開口」と記載する場合がある)から取り出され、図示しない車両に搭載された電装部品に電気回路を介して接続される。
なお、以下では、一対の端子収容部11のうち、第1ヒューズ接続用端子50aが収容される方を「第1端子収容部11a」、第2ヒューズ接続用端子50bが収容される方を「第2端子収容部11b」と記載する場合がある。
第2ヒューズ収容部12は、一対の端子収容部11の間に形成される。具体的には、第2ヒューズ収容部12は、X−Y平面視において第1端子収容部11aと第2端子収容部11bとの間に形成される(後述の図2A参照)。第2ヒューズ収容部12は、本体部10の内部に形成された凹部であり、かかる凹部によって区画される本体部10の内部空間は、例えば第2ヒューズ本体部71の一部または全部が入る大きさとされる。
これにより、第2ヒューズ収容部12は、第2ヒューズ70を一対のヒューズ接続用端子50に接続された姿勢(状態)で収容することとなる。言い換えると、第2ヒューズ収容部12は、第2ヒューズ70が一対のヒューズ接続用端子50に接続される場合に第2ヒューズ70(正確には、第2ヒューズ70の第2ヒューズ本体部71)を収容することが可能となる。
上記のように構成されたヒューズボックス1において、例えば第1ヒューズ60が収容される場合、第1ヒューズ60は先ず、矢印A1で示すように、第1ヒューズ側端子62a,62bがヒューズ接続用端子50に挿入されつつZ軸負方向へ移動させられる。
そして、第1ヒューズ60は、ヒューズ接続用端子50と接触して電気的に接続される状態まで移動させられ、かかる状態でヒューズボックス1に収容される。なお、第1ヒューズ60は、第1ヒューズ移動規制部14と当接することで、Z軸負方向への移動が規制されるが、これについては後述する。
他方、第2ヒューズ70がヒューズボックス1に収容される場合、第2ヒューズ70は先ず、矢印A2で示すように、第2ヒューズ側端子72a,72bがヒューズ接続用端子50に挿入されつつZ軸負方向へ移動させられる。
そして、第2ヒューズ70は、第2ヒューズ本体部71が第2ヒューズ収容部12に収容されつつ、ヒューズ接続用端子50と接触して電気的に接続される状態まで移動させられ、かかる状態でヒューズボックス1に収容される。なお、第2ヒューズ70は、第2ヒューズ移動規制部15と当接することで、Z軸負方向への移動が規制されるが、これについては後述する。
このように、本実施形態に係るヒューズボックス1は、第1ヒューズ60とは異なる種類の第2ヒューズ70をヒューズ接続用端子50に接続された姿勢で収容する第2ヒューズ収容部12を備えるようにした。これにより、ヒューズボックス1にあっては、種類の異なる第1ヒューズ60および第2ヒューズ70のいずれをも簡易な構成で収容することができる。
以下、図2A以降を参照してヒューズボックス1についてさらに詳しく説明する。図2A,2Bはヒューズボックス1の平面図であり、図3は、図2AのIII−III線断面図である。なお、図2Aは、ヒューズボックス1からヒューズ接続用端子50を取り外した状態を示し、図2Bは、ヒューズボックス1にヒューズ接続用端子50を取り付けた状態を示している。
図2Aに示すように、ヒューズボックス1は、上記した第1、第2端子収容部11a,11bおよび第2ヒューズ収容部12に加え、第1ヒューズ移動規制部14と、第2ヒューズ移動規制部15と、共通移動規制部16と、共通ガイド部18とをさらに備える。
第1ヒューズ移動規制部14は、本体部10の上端開口付近に複数個(例えば4個)設けられる。図4は、図2Bの第1ヒューズ移動規制部14付近を拡大して示す斜視図である。なお、図4等に示す第1ヒューズ移動規制部14の個数や位置は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
図3,4などに示すように、第1ヒューズ移動規制部14は、本体部10からZ軸正方向側へ突出するように設けられる。上記のように構成された第1ヒューズ移動規制部14は、第1ヒューズ60がヒューズ接続用端子50に接続される場合に、例えば第1ヒューズ60の第1ヒューズ本体部61の底面と当接することで、第1ヒューズ60の接続方向(Z軸負方向)への移動を規制するが、これについては図9を参照して後述する。
また、図4に示すように、第1ヒューズ移動規制部14は、第2ヒューズガイド部14aを備える。第2ヒューズガイド部14aは、第1ヒューズ移動規制部14のZ軸正方向側の端部に形成される。第2ヒューズガイド部14aは、第2ヒューズ70がヒューズ接続用端子50に接続される場合に第2ヒューズ70を接続方向(Z軸負方向)に沿ってガイドするが、これについては図11Aを参照して後述する。
また、第2ヒューズガイド部14aは、第2ヒューズ70の接続方向に対して傾斜する傾斜面である。これにより、第2ヒューズガイド部14aは、簡易な構成でありながら、第2ヒューズ70をガイドすることができる。
第2ヒューズ移動規制部15は、図3,4などに示すように、第2ヒューズ収容部12に形成される。詳しくは、第2ヒューズ移動規制部15は、第2ヒューズ収容部12を構成する凹部のZ軸負方向側の底面(平面)である。
従って、第2ヒューズ移動規制部15は、第2ヒューズ70がヒューズ接続用端子50に接続される場合に第2ヒューズ70(正確には第2ヒューズ本体部71の底面)と当接することとなる。そして、第2ヒューズ移動規制部15は、かかる当接によって第2ヒューズ70の接続方向への移動を規制するが、これについては図12を参照して後述する。
共通移動規制部16は、図2A〜図3に示すように、本体部10に形成される。詳しくは、共通移動規制部16は、図3に示すように、本体部10の上端開口付近にZ軸正方向へ突出するように複数個(例えば2個)設けられる。また、2個の共通移動規制部16は、本体部10のX軸方向の左右の側面付近にそれぞれ設けられる。換言すれば、2個の共通移動規制部16は、第1端子収容部11aおよび第2端子収容部11bの上方にそれぞれ設けられる。なお、図2A等に示す共通移動規制部16の個数や位置は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
上記のように構成された共通移動規制部16は、第1ヒューズ60および第2ヒューズ70に対して一対のヒューズ接続用端子50を結ぶ方向、言い換えると、第1ヒューズ60および第2ヒューズ70の接続方向に対して直交する方向(ここではX軸方向)への移動を規制する、共通の移動規制部であるが、これについては図10,12を参照して後述する。
共通ガイド部18は、図2Aに示すように、本体部10内に形成される。詳しくは、共通ガイド部18は、本体部10内であって、第1、第2端子収容部11a,11bの第2ヒューズ収容部12側に形成される、平面視L字状の切欠きである。
また、共通ガイド部18は、図2Bに示すように、メス端子であるヒューズ接続用端子50において第1ヒューズ60の第1ヒューズ側端子62a,62b等が挿通される隙間に対してX軸方向に並ぶような位置に設けられる。なお、図2Bにあっては、ヒューズ接続用端子50に接続された状態の第1ヒューズ側端子62a,62bまたは第2ヒューズ側端子72a,72bを想像線で示している。
従って、共通ガイド部18は、例えば第1ヒューズ60がヒューズ接続用端子50に挿入されて接続される場合に、第1ヒューズ60の第1ヒューズ側端子62a,62bと当接して、第1ヒューズ側端子62a,62bを接続方向に沿ってガイドするが、これについては図10を参照して後述する。なお、共通ガイド部18は、第2ヒューズ70についても、第1ヒューズ60と同様にガイドするが、これについては図12を参照して後述する。
なお、上記では、共通ガイド部18を切り欠きとしたが、これに限られず、第1ヒューズ側端子62a,62bや第2ヒューズ側端子72a,72bが挿通可能な溝などその他の形状であってもよい。
ヒューズボックス1の説明を続ける。図5は、図1に示すヒューズボックス1を背面側から見たときの斜視図である。なお、図5にあっては、ヒューズ接続用端子50などの図示を省略している。
図5および図2Aなどに示すように、ヒューズボックス1は、ケーブルクランプ21,22と、リブ31,32とをさらに備える。ケーブルクランプ21およびリブ31は、本体部10に形成される一方、ケーブルクランプ22およびリブ32は蓋部40に形成される。
以下では、ケーブルクランプ21およびリブ31について説明するが、ケーブルクランプ22およびリブ32はケーブルクランプ21およびリブ31と同様の構成であるため、以下の説明はケーブルクランプ22およびリブ32にも概ね妥当する。
ケーブルクランプ21およびリブ31は、本体部10においてY軸正方向側の側面に形成される。ケーブルクランプ21は、図2Aに示すように、可撓部21aと、屈曲部21bとを備える。なお、ケーブルクランプ21の可撓部21aおよび屈曲部21bは、蓋部40に形成されるケーブルクランプ22の可撓部22aおよび屈曲部22bと対応している。
可撓部21aは、平板状であり、本体部10の側面と平行または略平行な向き(例えばX軸方向)に延びるように形成される。また、可撓部21aは、Y軸方向に弾性変形可能に構成される。
屈曲部21bは、可撓部21aから連続して形成されるとともに、本体部10の側面側に鋭角に屈曲するように形成される。なお、かかる屈曲部21bの先端部分と本体部10の側面とは、例えば第1、第2ケーブル51a,51bの直径よりも小さい距離離間される。
これにより、ケーブルクランプ21にあっては、屈曲部21bの先端部分と本体部10の側面との隙間に第1、第2ケーブル51a,51bが通されると、可撓部21aが第1、第2ケーブル51a,51bによってY軸正方向へ押し上げられて弾性変形し、その後第1、第2ケーブル51a,51bは、可撓部21aと本体部10の側面との間に入り込むこととなる。これにより、第1、第2ケーブル51a,51bは、ケーブルクランプ21によって保持される(後述する図13参照)。
リブ31は、図2A,5に示すように、ケーブルクランプ21と対応する位置に設けられる、詳しくは例えば可撓部21aと本体部10の側面との間に位置するように設けられる。そして、リブ31は、ケーブルクランプ21の可撓部21aへ向けて突出するように形成される。かかるリブ31によって、ケーブルクランプ21によって保持された第1、第2ケーブル51a,51bが抜けにくくなるが、これについては図15,16を参照して後述する。
ここで、第1ヒューズ60、第2ヒューズ70およびヒューズ接続用端子50について説明しておく。先ず第1ヒューズ60について図6A,6Bを参照して説明する。図6Aは、第1ヒューズ60の正面図であり、図6Bは、第1ヒューズ60の底面図である。
図6A,6Bに示すように、第1ヒューズ60の第1ヒューズ側端子62a,62bは、第1ヒューズ本体部61の底面61aにおいてX軸方向の左右の端部付近からZ軸負方向側へ向けて延設される。
また、図示は省略するが、第1ヒューズ60の第1ヒューズ側端子62a,62b同士は、第1ヒューズ本体部61の内部において、定格以上の過電流が流れると溶断する可溶部を介して接続される。従って、第1ヒューズ60は、第1ヒューズ側端子62a,62bの間に過電流が流れると可溶部が溶けて、第1ヒューズ側端子62a,62bの間に流れる電流を遮断するように構成される。
次に、第2ヒューズ70について図7A,7Bを参照して説明する。図7Aは、第2ヒューズ70の正面図であり、図7Bは、第2ヒューズ70の底面図である。
図7A,7Bに示すように、第2ヒューズ70の第2ヒューズ本体部71において、X軸方向の側面には、Z軸方向に沿って延びる切欠き73が形成される。従って、第2ヒューズ本体部71には、切欠き73によって段差が形成されることとなる。
また、第2ヒューズ70の第2ヒューズ側端子72a,72bは、上記したように、第2ヒューズ本体部71のX軸方向の左右の側面に設けられることから、第2ヒューズ本体部71と高さ方向においてオーバラップする。なお、図7Aにおいてオーバラップする部分を破線の閉曲線Bで囲んで示す。また、第2ヒューズ側端子72a,72bは、先端部分が第2ヒューズ本体部71の底面からZ軸負方向側へ向けて突出するように設けられる。
上記したオーバラップなどの構成により、第2ヒューズ70にあっては、Z軸方向の高さH2が第1ヒューズ60の高さH1(図6A参照)よりも小さくなる。なお、第2ヒューズ70のX軸方向の幅W2は、第1ヒューズ60の幅W1と同程度とされる。なお、図6A,7Aに示す第1、第2ヒューズ60,70の高さH1,H2や幅W1,W2は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
また、図示は省略するが、第2ヒューズ70も、第1ヒューズ60と同様に、第2ヒューズ本体部71の内部に可溶部を備えており、第2ヒューズ側端子72a,72bの間に過電流が流れると可溶部が溶けて、第2ヒューズ側端子72a,72bの間に流れる電流を遮断する。
次に、ヒューズ接続用端子50について図8を参照して説明する。図8は、図2BのVIII−VIII線断面図である。なお、図8においては、図の簡略化のため、ヒューズ接続用端子50の説明に必要な構成のみ示し、その他の構成は図示を省略した。また、以下では、ヒューズ接続用端子50のうち第1ヒューズ接続用端子50aについて説明するが、以下の説明は、第2ヒューズ接続用端子50bにも概ね妥当する。
図8および図2Bに示すように、第1ヒューズ接続用端子50aは、平板状の板状端子50a1と、板状端子50a1に向けて付勢されるばね端子50a2とを備える。そして、例えば第1ヒューズ60がヒューズボックス1に収容される場合、図8に破線で示すように、第1ヒューズ60の第1ヒューズ側端子62aが、板状端子50a1とばね端子50a2との間に挿通される。
これにより、ばね端子50a2は、Y軸負方向側(矢印C参照)へ弾性変形しつつ、第1ヒューズ側端子62aを板状端子50a1との間に挟み込むことで、第1ヒューズ側端子62aと第1ヒューズ接続用端子50aとが電気的に接続される。なお、第1ヒューズ接続用端子50aの板状端子50a1およびばね端子50a2は、第2ヒューズ接続用端子50bの板状端子50b1およびばね端子50b2と対応している。
次に、上記のように構成されたヒューズボックス1に対する、第1、第2ヒューズ60,70の収容について図9〜12を参照して詳しく説明する。なお、以下で説明する第1、第2ヒューズ60,70の収容は、例えば作業者によって行われるが、これに限定されるものではなく、ロボットなどの作業用機械によって行われてもよい。
先ず第1ヒューズ60の収容について図9,10を参照して説明する。図9は、図2BのIX−IX線端面図であり、図10は、図3と同様なヒューズボックス1の断面図であり、図9,10のいずれも第1ヒューズ60がヒューズボックス1に収容される様子を示している。
図9に示すように、第1ヒューズ60がヒューズボックス1に収容される場合、第1ヒューズ60は先ず、本体部10の上方に位置される。そして、第1ヒューズ60は、Z軸負方向へ移動させられる。
このとき、例えば図10に示すように、第1ヒューズ60が、所期の位置よりもX軸負方向(図10において左方向)にずれていた場合、第1ヒューズ60の第1ヒューズ側端子62aはヒューズボックス1に形成された共通移動規制部16に当接される。
詳しくは、共通移動規制部16には、接続方向たるZ軸方向に対して傾斜する傾斜面16aが形成され、かかる傾斜面16aに第1ヒューズ側端子62aが当接する。これにより、第1ヒューズ60は、矢印Dで示すように、第1ヒューズ側端子62aの当接によって、傾斜面16aに倣いつつ所期の位置へと戻されることとなる。
すなわち、共通移動規制部16は、一対のヒューズ接続用端子50を結ぶ方向、言い換えると、第1ヒューズ60の接続方向に対して直交する方向であるX軸負方向(図10において左方向)への移動を規制する。これにより、共通移動規制部16にあっては、第1ヒューズ60を所期の位置へと戻すことができる。
その後、第1ヒューズ60が、さらにZ軸負方向へ移動させられると、図9,10等に破線で示すように、ヒューズボックス1に形成された共通ガイド部18によって第1ヒューズ側端子62a,62bの先端部分がガイドされつつ、第1ヒューズ移動規制部14に当接される。第1ヒューズ移動規制部14は、上記したように、第1ヒューズ60の第1ヒューズ本体部61の底面と当接することで、第1ヒューズ60の接続方向への移動を規制する。
これにより、ヒューズボックス1にあっては、例えば第1ヒューズ60に対し、共通ガイド部18によって第1ヒューズ側端子62a,62bを接続方向に沿ってガイドすることができる。また、第1ヒューズ移動規制部14により、例えば第1ヒューズ60がヒューズボックス1に対して過度に挿入されてしまうことを防止することができる。なお、図示は省略するが、第1ヒューズ60の第1ヒューズ側端子62a,62bは、図9に破線で示す状態において、ヒューズ接続用端子50と電気的に接続されているものとする。
次に、第2ヒューズ70の収容について図11A〜12を参照して説明する。図11A,11Bは、図2BのIX−IX線端面図であり、図12は、図3と同様なヒューズボックス1の断面図であり、図11A〜12のいずれも第2ヒューズ70がヒューズボックス1に収容される様子を示している。
第2ヒューズ70がヒューズボックス1に収容される場合、第2ヒューズ70は先ず、本体部10の上方に位置された後、Z軸負方向へ移動させられる。このとき、例えば図12に示すように、第2ヒューズ70が、所期の位置よりもX軸負方向(図12において左方向)にずれていた場合、第2ヒューズ70の第2ヒューズ側端子72aはヒューズボックス1に形成された共通移動規制部16の傾斜面16aに当接される。
これにより、第2ヒューズ70は、矢印Eで示すように、第2ヒューズ側端子72aの当接によって、傾斜面16aに倣いつつ所期の位置へと戻されることとなる。すなわち、共通移動規制部16は、一対のヒューズ接続用端子50を結ぶ方向、言い換えると、第2ヒューズ70の接続方向に対して直交する方向であるX軸負方向(図12において左方向)への移動を規制する。これにより、共通移動規制部16にあっては、第2ヒューズ70を所期の位置へと戻すことができる。
また、上記したように、共通移動規制部16は、第1ヒューズ60および第2ヒューズ70の両方に対して移動を規制することができる。すなわち、本実施形態にあっては、第1ヒューズ60および第2ヒューズ70の移動を規制する部位を共通化でき、よってヒューズボックス1の構成を簡素化することができる。
続いて、第2ヒューズ70が、さらにZ軸負方向へ移動させられるときに、例えば図11Aに示すように、所期の位置よりもY軸負方向(図11Aにおいて左方向)にずれていた場合がある。かかる場合、第2ヒューズ70は、例えば第2ヒューズ本体部71の切欠き73が、第1ヒューズ移動規制部14に形成された第2ヒューズガイド部14aに当接されることとなる。
これにより、第2ヒューズ70は、矢印Fで示すように、第2ヒューズガイド部14aとの当接によって、傾斜面たる第2ヒューズガイド部14aに倣いつつ所期の位置へと戻されることとなる。このように、第1ヒューズ移動規制部14は、第1ヒューズ60の移動の規制のみならず、第2ヒューズガイド部14aを備えることで、第2ヒューズ70の移動をガイドすることもできる。
その後、第2ヒューズ70が、さらにZ軸負方向へ移動させられると、図11Bおよび図12に破線で示すように、共通ガイド部18によって第2ヒューズ側端子72a,72bの先端部分がガイドされつつ、ヒューズボックス1に形成された第2ヒューズ移動規制部15に当接される。第2ヒューズ移動規制部15は、上記したように、第2ヒューズ70の第2ヒューズ本体部71の底面と当接することで、第2ヒューズ70の接続方向への移動を規制する。
これにより、ヒューズボックス1にあっては、例えば第2ヒューズ70に対し、共通ガイド部18によって第2ヒューズ側端子72a,72bを接続方向に沿ってガイドすることができる。また、第2ヒューズ移動規制部15により、例えば第2ヒューズ70が、ヒューズボックス1に対して過度に挿入されてしまうことを防止することができる。なお、図示は省略するが、第2ヒューズ70の第2ヒューズ側端子72a,72bは、図11Bまたは図12に破線で示す状態において、ヒューズ接続用端子50と電気的に接続されているものとする。
また、上記したように、第1ヒューズ移動規制部14と第2ヒューズ移動規制部15とは、ヒューズボックス1において別々の位置に形成される。これにより、形状の異なる第1、第2ヒューズ60,70であっても、確実に過度な挿入を防止することができる。
また、共通ガイド部18は、上記したように、第1ヒューズ60の第1ヒューズ側端子62a,62bの先端部分および第2ヒューズ70の第2ヒューズ側端子72a,72bの先端部分の両方をガイドする(図10,12参照)。すなわち、共通ガイド部18にあっては、第1ヒューズ60および第2ヒューズ70の移動をガイドする部位を共通化でき、よってヒューズボックス1の構成を簡素化することができる。
次に、上記したケーブルクランプ21,22およびリブ31,32について図13を参照して説明する。図13は、ヒューズボックス1の斜視図である。なお、図13は、蓋部40が本体部10のZ軸正方向側の開口を閉止している状態を示している。
図13に示すように、第2ケーブル51bは、湾曲させられてケーブルクランプ21,22に保持される。これにより、第1ケーブル51aと第2ケーブル51bとを、Z軸方向に沿った直線状とすることができる。
ヒューズボックス1にあっては、上記のように構成されることで、第1、第2ケーブル51a,51bの2本とも同一方向(例えばZ軸負方向)から出る場合に比べて、車両等におけるケーブル配線の自由度を向上させることができる。また、第1ケーブル51aと第2ケーブル51bとが直線状となることで、例えば車両等にヒューズボックス1が配設されたときに占有するスペースを小型化することも可能となる。
なお、上記では、第2ケーブル51bを湾曲させてケーブルクランプ21,22に通すようにしたが、これは例示であって限定されるものではなく、例えば第1ケーブル51aを湾曲させてケーブルクランプ21,22に通してもよい。
また、ケーブルクランプ21,22によって保持されるケーブルは、第1ケーブル51aや第2ケーブル51bに限られない。図14は、変形例に係るヒューズボックス1の側面図である。図14に示すように、ケーブルクランプ21,22に、ヒューズボックス1の付近に配索される別のケーブル151を合わせて保持させるようにしてもよい。これにより、複数のケーブルを束ねて配索するような場合において、ヒューズボックス1を安定して保持させることができる。
図13の説明に戻ると、ヒューズボックス1は、リブ31,32を備えることで、第2ケーブル51bがケーブルクランプ21,22から抜けてしまうことを抑制することができる。これについて、図15,16を参照して説明する。
図15,16は、ケーブルクランプ21付近を拡大した図であり、ケーブルクランプ21に保持された第2ケーブル51bの動きを説明する図である。なお、図15は、リブ31を備えるヒューズボックス1を示し、図16は、リブ31を備えていない、従来のヒューズボックス100を示している。
図15,16に示すよう、例えば第2ケーブル51bがケーブルクランプ21に保持された状態で、第2ケーブル51bがケーブルクランプ21から抜ける向きの力Gが何らかの事象によって生じたとする。
図16に示すように、リブ31が無いヒューズボックス100の場合、上記した力Gが第2ケーブル51bに作用すると、第2ケーブル51bは、ケーブルクランプ21の隙間に向けて移動するため、ケーブルクランプ21,22からそのまま抜けてしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態においては、図15に示すように、ヒューズボックス1にリブ31が形成されているため、第2ケーブル51bは、リブ31を乗り越えて、破線で示すように、ケーブルクランプ21の屈曲部21bに入り込む方向へ移動することとなる。これにより、リブ31,32を備えるヒューズボックス1にあっては、第2ケーブル51bがケーブルクランプ21,22から抜けてしまうことを抑制することができる。
上述してきたように、実施形態に係るヒューズボックス1は、本体部10と、一対の端子収容部11と、第2ヒューズ収容部12とを備える。本体部10は、中空状に形成される。一対の端子収容部11は、本体部10内に形成されるとともに、第1ヒューズ60と接続可能な一対のヒューズ接続用端子(端子の一例)50をそれぞれ収容する。第2ヒューズ収容部12は、一対の端子収容部11の間に形成されるとともに、第1ヒューズ60とは異なる種類の第2ヒューズ70を一対のヒューズ接続用端子50に接続された姿勢で収容する。
これにより、種類の異なる第1ヒューズ60および第2ヒューズ70のいずれをも簡易な構成で収容することができる。
なお、上述した実施形態では、ヒューズボックス1は、第1、第2ヒューズ60,70の2種類のヒューズを収容するようにしたが、これは例示であって限定されるものではなく、例えば3種類以上のヒューズを収容するようにしてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。