JP6712617B2 - 保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、保護装置に関する。
従来、電気自動車やハイブリッド車等の車両には、その駆動源となる回転機に対して給電を行ったり、その回転機で生成された回生電力を充電したりするための電池パックが搭載されている。その電池パックは、複数の電池セルが配列され且つ導電部材を介して電気的に接続された電池モジュールを備える。この種の車両では、電池モジュールの安定した充放電制御を行うべく、電池セルの電池状態(温度や電圧等)を監視している。電池状態検出用センサと電線は、保護具で保護及び保持されている。例えば、下記の特許文献1には、温度検出用のセンサとして、電池セルの温度を検出するサーミスタ(温度センサ)が開示されている。この特許文献1には、そのサーミスタを保護及び保持する保護具が開示されている。また、下記の特許文献2−4には、電線の保護具について開示されている。
特開2016−90286号公報 特開2015−154596号公報 特開2017−73963号公報 特開2017−63531号公報
ところで、電池パックにおいては、複数の電池モジュールが配列されており、その電池モジュール毎に電池状態検出用センサと電線と保護具とが設けられている。それぞれの電池モジュールに配索された電池状態検出用センサの電線は、最終的に1つの経路に纏められて、電池監視ユニット側に接続される。故に、隣り合う2つの電池モジュールの間にて、一方の電池モジュールの電線は、自らの保護具から抜け出して、他方の電池モジュールの保護具にも保護及び保持される。故に、隣り合う2つの保護具においては、その相互間の相対移動を抑えるべく連結部材で連結して、その相互間に亘って配策される電線の耐久性の低下を抑えればよい。しかしながら、電池パックにおいては、それぞれの電池モジュールの間で所定範囲内での相対移動や相対回転を許容している。従って、隣り合う2つの保護具と連結部材との間では、その2つの保護具の間で相対移動や相対回転が発生するのか否かに拘わらず、保持力を確保する必要がある。
そこで、本発明は、保護具と連結部材との間の保持力を確保することが可能な保護装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、本発明は、電線を配索し且つ保持することが可能な電線配索構造体を備える保護具と、隣り合う2つの前記保護具のそれぞれの前記電線配索構造体が有する被保持体同士を連結させる連結部材と、を備え、前記保護具は、前記電線が設けられている設置対象物毎に設け、前記連結部材は、隣り合う2つの前記保護具の配列方向に沿って並ぶ2つの前記被保持体毎に設け、前記被保持体との間で相互に保持し合うことが可能な保持体と、2つの前記保持体を連結させる連結体と、を有し、前記被保持体と前記保持体の内の一方は、凸状体として形成し、前記被保持体と前記保持体の内の他方は、前記配列方向に直交する挿抜方向での前記凸状体の挿抜が可能で、かつ、前記凸状体の挿入完了後の保持状態のときに前記配列方向で前記凸状体を挟み込む挟持体として形成し、前記凸状体は、前記配列方向に沿って互いに逆向きに突出させた第1係止部と、前記配列方向と前記挿抜方向とに対する直交方向で互いに間隔を空けて対向配置された第1及び第2の係止壁部と、を有し、前記挟持体は、前記配列方向に沿って互いに逆向きに突出させ、かつ、前記保持状態のときに前記第1係止部に対して前記挿抜方向の内の抜去方向に間隔を空けて対向配置させる第2係止部と、前記保持状態のときに前記直交方向で前記第1及び第2の係止壁部に各々間隔を空けて対向配置させる突出部と、を有することを特徴としている。
ここで、前記突出部は、前記保持状態のときに、前記第1係止部と前記第2係止部の係止状態を保ち得る範囲内で、前記直交方向で前記第1及び第2の係止壁部に各々間隔を空けて対向配置させることが望ましい。
また、前記凸状体は、前記配列方向で互いに間隔を空けて対向配置された第3及び第4の係止壁部を有し、前記突出部は、前記保持状態のときに前記配列方向で前記第3及び第4の係止壁部に各々間隔を空けて対向配置させることが望ましい。
また、前記突出部は、前記保持状態のときに、前記第1係止部と前記第2係止部の係止状態を保ち得る範囲内で、前記配列方向で前記第3及び第4の係止壁部に各々間隔を空けて対向配置させることが望ましい。
また、前記凸状体と前記挟持体の内の一方は、前記直交方向に沿って互いに逆向きに突出させた第3係止部を有し、前記凸状体と前記挟持体の内の他方は、前記保持状態のときに前記第3係止部に対して前記抜去方向に対向配置させる第4係止部を有することが望ましい。
また、前記設置対象物は、複数の電池セルを備えた電池モジュールであり、前記電線配索構造体は、前記電池セルの電池状態検出用の電池状態検出センサから引き出された前記電線を配索し且つ保持することが可能なものとして形成し、前記保護具は、前記電池状態検出センサを保持することが可能なセンサ保持体を備えることが望ましい。
本発明に係る保護装置は、隣り合う2つの設置対象物の相対移動や相対回転を許容しつつ、隣り合う2つの保護具と連結部材との間の保持力を確保することができる。
図1は、電池モジュールに組み付けられる前の保護装置を示す斜視図である。 図2は、電池モジュールに組み付けられた保護装置を示す斜視図である。 図3は、電池モジュールに組み付けられた保護装置を示す平面図である。 図4は、保護装置の分解斜視図である。 図5は、保護具の一方の連結部分を連結部材と共に拡大した分解斜視図である。 図6は、電池モジュールを筐体の開口側から見た平面図である。 図7は、温度検出具が組み付けられた保護具を別角度から見た斜視図である。 図8は、温度検出具が組み付けられる前の保護具の分解斜視図である。 図9は、温度センサとセンサ保持体とを説明する部分拡大図である。 図10は、図6のA部拡大図である。 図11は、幹線配索体と幹線カバー体とを説明する部分拡大図である。 図12は、ガイド配索体とガイドカバー体とを説明する部分拡大図である。 図13は、図9のB部拡大図である。 図14は、保護具の一方の連結部分を連結部材と共に拡大した斜視図である。 図15は、図14のX−X線断面図である。 図16は、図14のY−Y線断面図である。
以下に、本発明に係る保護装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係る保護装置の実施形態の1つを図1から図16に基づいて説明する。
図1から図5の符号1,2は、各々、本実施形態の保護装置と保護具とを示す。また、図1から図3の符号100は、本実施形態の保護装置1が設けられた電池パックを示す。
電池パック100は、後述するように電池モジュール110毎に電池状態検出具を備えている。保護装置1とは、その電池状態検出具が備える電線を少なくとも保護するものである。この保護装置1は、その電線を電池モジュール110毎の保護具2で保護すると共に、隣り合う電池モジュール110のそれぞれの保護具2に亘って配策された電線についても、それぞれの保護具2を後述する連結部材50で連結させることによって保護する。ここでは、この保護装置1を詳述する前に、電池パック100についての説明を行う。
電池パック100は、複数の電池モジュール110を備える(図1から図3)。そして、電池モジュール110は、少なくとも1組の電池セル群120と、電池セル群120を収容する筐体130と、を備える(図6)。この例示の電池モジュール110においては、複数組の電池セル群120が筐体130に収容されている。
電池セル群120は、正負それぞれの電極端子(図示略)を有する電池セル(図示略)の集合体であり、配列された複数の電池セルが導電部材125(図6)を介して電気的に接続されている。
電池セルは、例えば、直方体状又は円柱状に形成されたセル本体(図示略)を有する。直方体状の電池セルにおいては、例えば、セル本体の1つの壁面に正負それぞれの電極端子が配置されたり、セル本体の対向配置された2つの壁面に正負それぞれの電極端子が各々配置されたりしている。また、円柱状の電池セルにおいては、軸線方向における両端に正負それぞれの電極端子が各々配置されている。ここでは、円柱状の電池セルが用いられているものとする。
導電部材125は、金属等の導電性材料で成形する。例えば、導電部材125は、金属板を母材にして板状に成形されている。この導電部材125は、電池セル群120を成す複数の電池セルの電極端子同士を電気的に接続させる。例えば、この導電部材125と電極端子は、溶接等で互いを物理的且つ電気的に接続させる。
筐体130は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この例示の筐体130は、主体となる収容箱131を備える(図1から図3及び図6)。その収容箱131は、5つの壁体で略直方体状の箱体として成形されており、略矩形の開口131aを1つ有している(図1及び図6)。電池セル群120は、その開口131aから収容箱131の内方の空間に収容する。
この筐体130は、その開口131aの一部を残しつつ開口131aを塞ぐカバー132を備える(図1から図3及び図6)。つまり、この筐体130においては、カバー132で塞がれていない開口131aの一部が露出口131bになっている(図1及び図6)。この例示のカバー132は、略矩形の板状に成形する。そして、露出口131bは、そのカバー132の一辺に沿って配置する。ここでは、電池モジュール110の並列配置方向に対して直交する2つの辺部の内の一方に沿うように露出口131bを配置する。
この筐体130においては、開口131aの一部を残しつつ開口131aを塞ぐようにカバー132が収容箱131に組み付けられる。この筐体130には、収容箱131とカバー132との間に、その組付け状態を保つための保持機構(図示略)が設けられている。
この電池モジュール110を備える電池パック100は、電池セルの状態(所謂電池状態)を検出するための電池状態検出具を備える。電池状態検出具は、電池状態検出用のセンサ(以下、「電池状態検出センサ」という。)と、この電池状態検出センサから引き出された電線と、を備える。この電池状態検出具においては、検出対象となる電池状態に応じた電池状態検出センサが設けられている。この例示の電池パック100は、電池状態検出具として、電池セル又は電池セル群120の温度を検出するための温度検出具140(図1、図7及び図8)と、電池セル又は電池セル群120の電圧を筐体130の内方で検出するための電圧検出具150(図1及び図6)と、を備えている。その温度検出具140と電圧検出具150は、電池セルの電池状態を監視する電池監視ユニット(図示略)に接続され、この電池監視ユニットに検出情報を送信する。
電池モジュール110は、筐体130の内方において、電池セル又は電池セル群120の所定の場所が他の場所よりも高温になる。故に、電池モジュール110においては、その高温になる少なくとも1箇所を温度検出具140による測温位置として定める。
温度検出具140は、電池状態検出センサとして、電池セル又は電池セル群120の温度検出用の温度センサ141を備える(図7及び図8)。更に、この温度検出具140は、その温度センサ141から引き出された2本の電線142を備える(図7及び図8)。ここでは、温度の変化を抵抗値の変化に基づき検出するサーミスタを温度センサ141として利用する。
温度センサ141は、筐体130の内方の測温位置まで筐体130の外から挿入する。よって、筐体130は、その測温位置への温度センサ141の挿入が可能なセンサ挿入口132aを有する(図1及び図6)。そのセンサ挿入口132aは、カバー132に貫通孔として形成している。この例示では、センサ挿入口132aを略矩形に形成している。温度センサ141は、その測温位置で電池セル又は電池セル群120の温度を検出する。温度センサ141は、測温位置でセンサ本体141a(図9)を電池セルに接触させて測温する場合もあれば、測温位置で電池セルの雰囲気温度をセンサ本体141aに測温させる場合もある。
この例示の温度センサ141は、センサ本体141aを支える支持部141bを有しており、かつ、その支持部141bに被係止部141cを有している(図9)。この温度センサ141においては、センサ挿入口132aからの挿入方向にて、先端側にセンサ本体141aが配置され、後端側に支持部141bが配置されている。電線142は、その支持部141bから挿入方向とは逆向きに引き出される。被係止部141cは、温度センサ141を保護具2に保持させるために利用する。この被係止部141cは、挿入方向に対する直交方向に向けて、支持部141bから爪状の係止体として突出させている。この温度センサ141においては、2つの被係止部141cを対向配置させている。
ここで、電池パック100においては、開口131aの向きを合わせて複数の電池モジュール110を並列配置させたり、複数の電池モジュール110の開口131aの向きを合わせた上で電池モジュール110の開口131a側に他の電池モジュール110を積層配置させたりする。よって、この電池パック100においては、同じ構成の電池モジュール110を配列したとしても、電池モジュール110毎に測温位置が異なる。故に、この電池パック100においては、電池モジュール110毎に温度センサ141の設置場所を変える必要がある。
そこで、本実施形態の電池モジュール110は、測温位置となり得る全ての場所に温度センサ141を設置することができるようにしておく。具体的に、筐体130のカバー132には、測温位置となり得る全ての場所に対応させてセンサ挿入口132aを形成しておく。これにより、電池パック100においては、測温位置に拘わらず電池モジュール110の共用化が可能になるので、測温位置毎に筐体が異なる電池モジュールを用意せずとも済む。
電圧検出具150は、電池状態検出センサとして、電池セル又は電池セル群120の電圧検出用の電圧検出端子151を備える(図6及び図10)。更に、この電圧検出具150は、その電圧検出端子151から引き出された電線152を備える(図6及び図10)。この例示の電圧検出端子151は、電池セル群120の導電部材125に対して電気的に接続させる電気接続部151a(図6及び図10)と、電線152の端末に対して電気的に接続させる電線接続部(図示略)と、を有する。電気接続部151aは、例えば、導電部材125に対して溶接等で物理的且つ電気的に接続する。電線接続部は、例えば、加締め等の圧着によって電線152の端末に対して電気的に接続する。この電圧検出具150においては、電圧検出端子151を複数箇所に設けており、この電圧検出端子151毎に電線152が設けられている。それぞれの電線152は、外装部材(図示略)又は保護テープ(図示略)等で一纏めに束ねられて電線群153を成している(図6及び図10)。
この電圧検出具150は、筐体130の内方にて、収容箱131の保持部(図示略)に保持部材(図示略)を介して保持される。
収容箱131の保持部は、露出口131bを開口として有しており、電圧検出具150の保持部材が載せ置かれる主壁と、この主壁の両端で互いに間隔を空けて対向配置された側壁と、を有する断面コの字の成形体である。その主壁と2つの側壁は、露出口131b(カバー132の一辺)に沿って延在させる。
電圧検出具150の保持部材は、その主壁と2つの側壁とに囲まれた収容箱131の保持部の内方の空間に収容される。この保持部材は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この例示の保持部材は、電気接続部151aを突出させつつ電圧検出端子151を収容する端子収容部と、電線群153の配索経路を規制するガイド部と、を有する。端子収容部は、電圧検出端子151毎に設けている。ガイド部は、電線群153の配索経路上の複数箇所に設けている。
続いて、保護装置1の説明を行う。
保護装置1は、電池モジュール110毎に設けた保護具2を備える(図1から図5)。保護具2は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この保護具2は、電池状態検出センサを保持することが可能なセンサ保持体10と、電池状態検出センサから引き出された電線を配索し且つ保持することが可能な電線配索構造体20と、を備える(図1から図3、図7及び図8)。ここで示す保護具2は、温度検出具140を保護するために設けている。よって、この例示の保護具2は、温度センサ141を保持することが可能なセンサ保持体10と、温度センサ141の電線142を配索し且つ保持することが可能な電線配索構造体20と、を備えている。この保護具2においては、センサ保持体10と電線配索構造体20とを一体成形している。
センサ保持体10は、センサ挿入口132aを塞ぐ開口閉塞部11と、温度センサ141を保持することが可能で且つセンサ挿入口132aから筐体130の内方に挿入されるセンサ保持部12と、を有する(図9)。
開口閉塞部11は、センサ挿入口132aの形状に合わせて形成する。この例示では、略矩形の板状の主体部分を有するように形成している。この開口閉塞部11は、主体部分における一方の平面11a(図9)がセンサ挿入口132aとの対向配置面又は合わせ面となるように、そのセンサ挿入口132aを塞ぐ。
センサ保持部12は、開口閉塞部11の一方の平面11aに立設させる(図9)。この例示のセンサ保持部12は、温度センサ141の被係止部141c毎に設けており、一方の平面11a上で対向配置されている。このセンサ保持部12は、一方の平面11aから互いに間隔を空けて突出させた2つの軸部12aと、その2つの軸部12aにおける突出方向側の端部同士を繋ぐ係止部12bと、を有する(図9)。このセンサ保持部12は、少なくとも軸部12aに可撓性を持たせている。
温度センサ141は、センサ挿入口132aからの挿入方向とは逆向きにセンサ保持体10に挿入していく。この温度センサ141は、それぞれの被係止部141cで係止部12bを押動しながらそれぞれのセンサ保持部12を撓ませる。それぞれのセンサ保持部12においては、それぞれの被係止部141cが係止部12bを乗り越えた際に撓みが解消され、温度センサ141がセンサ保持体10から外れないように、それぞれの係止部12bがそれぞれの被係止部141cに挿入方向で対向配置される。
ここで、先に示したように、この電池パック100においては、電池モジュール110の配列如何で測温位置が変わる。よって、センサ保持体10は、測温位置となり得る場所毎に設ける。
電線配索構造体20は、電線142を配索し且つ保持することが可能な複数の電線配索体を有する。この電線配索構造体20は、その電線配索体として、幹線を成す幹線配索体21と、この幹線配索体21から分岐してセンサ保持体10に連結させた支線配索体22と、を有している(図1、図7及び図8)。幹線配索体21は、この保護具2の保護対象となる全ての電線142を配索し且つ保持するものである。その全ての電線142は、外装部材(図示略)又は保護テープ(図示略)等で一纏めに束ねられている。以下においては、その一纏めに束ねられた全ての電線142のことを電線群143と称する。一方、支線配索体22は、自らが繋がるセンサ保持体10に保持されている温度センサ141の電線142を配索し且つ保持するものである。更に、電線配索構造体20は、幹線配索体21に配索及び保持されている電線群143を電池監視ユニットに向けて案内するガイド配索体23を備えている(図1、図7及び図8)。
幹線配索体21は、カバー132の一辺に沿わせて配置する。ここでは、電池モジュール110の並列配置方向に対して直交する2つの辺部の内の一方に沿って幹線配索体21を配置する。この幹線配索体21は、そのカバー132の一辺よりも長尺の直線状に形成し、両端を電池モジュール110から突出させるように配置する。
幹線配索体21は、開口131aに対向配置される主壁21aと、この主壁21aの延在方向に沿うように主壁21aの両端から各々突出させた側壁21bと、を有する(図11)。この幹線配索体21は、その主壁21aと2つの側壁21bとで囲まれた内方の空間に沿って電線群143を配索及び保持する。この幹線配索体21においては、2つの側壁21bにおける突出方向側の端部の間の開口が電線挿入口21cとなり(図11)、その電線挿入口21cから電線群143が挿入される。
この幹線配索体21には、その配索された電線群143を保持するための保持部21dを設けている(図11)。その保持部21dは、電線挿入口21cに設けている。この保持部21dは、2つの側壁21bの内の一方から他方に向けて突出させた片持ちの片体として形成している。この保持部21dは、自由端と他方の側壁21bとの間の隙間が電線群143の径方向における最小の大きさよりも狭くなるように形成する。その隙間は、電線群143の電線挿入口21cからの押し込み挿入を可能にすると共に外力無しでの電線群143の挿通が不能になるように設定する。また、保持部21dやその周辺の2つの側壁21bは、電線群143の押し込み挿入を行い易くするために、可撓性を持たせてもよい。保持部21dの数量は、幹線配索体21の長さに応じて決める。この例示では、複数箇所に保持部21dを設けている。
ガイド配索体23は、幹線配索体21の端部から直交方向に延在させる。この電線配索構造体20においては、幹線配索体21の両端から各々ガイド配索体23を同一方向に向けて突出させている。ここでは、それぞれのガイド配索体23が電池モジュール110の並列配置方向に沿って延在している。このガイド配索体23は、幹線配索体21と同様の主壁23aと2つの側壁23bと電線挿入口23cと保持部23dとを有している(図12)。このガイド配索体23の内方の空間は、幹線配索体21の内方の空間に連通している。
この保護具2は、その幹線配索体21の電線挿入口21cと2つのガイド配索体23の電線挿入口23cとを一纏めに塞ぐ第1電線カバー30を備える(図1、図7、図8、図11及び図12)。第1電線カバー30は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この第1電線カバー30は、幹線配索体21の電線挿入口21cの全体を塞ぐ幹線カバー体31と、ガイド配索体23の電線挿入口23cの全体又は一部を塞ぐガイドカバー体32と、を有する(図7及び図8)。ガイドカバー体32は、ガイド配索体23毎に設けている。
幹線配索体21と幹線カバー体31は、幹線配索体21の側壁21bに設けた爪状の被係止部21eと、幹線カバー体31に設け、電線挿入口21cの閉塞状態で被係止部21eに引っ掛ける係止片31aと、を用いた保持機構で互いに保持する(図11)。この保持機構は、複数箇所に設けている。また、ガイド配索体23とガイドカバー体32は、ガイド配索体23の側壁23bに設けた爪状の被係止部23eと、ガイドカバー体32に設け、電線挿入口23cの閉塞状態で被係止部23eに引っ掛ける係止片32aと、を用いた保持機構で互いに保持する(図12)。この保持機構は、複数箇所に設けている。
支線配索体22は、1つのセンサ保持体10に連結させるものであってもよく、複数のセンサ保持体10に連結させるものであってもよい。この支線配索体22は、幹線配索体21とセンサ保持体10との間の形状が如何様なものであってもよい。この例示では、1つのセンサ保持体10に連結させる支線配索体22Aを直線状に形成し、2つのセンサ保持体10に連結させる支線配索体22BをY字状に形成している(図1から図3、図7及び図8)。
支線配索体22は、開口131aに対向配置される主壁22aと、この主壁22aの延在方向に沿うように主壁22aの両端から各々突出させた側壁22bと、を有する(図9)。更に、この支線配索体22は、2つの側壁22bの間をこれらの延在方向に沿って間仕切りする仕切り壁22cを有する(図9)。支線配索体22A,22Bにおいては、一方の側壁22bと仕切り壁22cとにおける突出方向側の端部の間の開口及び他方の側壁22bと仕切り壁22cとにおける突出方向側の端部の間の開口が各々電線挿入口22dとなる(図9)。この支線配索体22A,22Bにおいては、一方の電線挿入口22dから温度センサ141の一方の電線142が挿入され、他方の電線挿入口22dから温度センサ141の他方の電線142が挿入される。
この支線配索体22A,22Bには、その配索された電線142を保持するための保持部22eを設けている(図13)。その保持部22eは、それぞれの電線挿入口22dに設けている。一方の保持部22eは、仕切り壁22cから一方の側壁22bに向けて突出させた片持ちの爪状の係止体として形成している。他方の保持部22eは、仕切り壁22cから他方の側壁22bに向けて突出させた片持ちの爪状の係止体として形成している。それぞれの保持部22eは、自由端と側壁22bとの間の隙間が電線142の径方向における最小の大きさよりも狭くなるように形成する。その隙間は、電線142の電線挿入口22dからの押し込み挿入を可能にすると共に外力無しでの電線142の挿通が不能になるように設定する。保持部22eの数量は、支線配索体22A,22Bの長さに応じて決める。この例示では、複数箇所に保持部22eを設けている。
この保護具2においては、複数の支線配索体22の内の少なくとも1つに電線142が配索及び保持される。保護具2は、その電線142が配索及び保持されている支線配索体22の電線挿入口22dを塞ぐ第2電線カバー40を備える(図1及び図7から図9)。第2電線カバー40は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この第2電線カバー40は、支線配索体22の電線挿入口22dの全体又は一部を塞ぐことができるように形成する。ここでは、それぞれの支線配索体22A,22Bで共用可能な第2電線カバー40を形成する。故に、この例示の第2電線カバー40は、支線配索体22A,22Bの直線部分における電線挿入口22dを塞ぐように直線状に形成する。この第2電線カバー40は、支線配索体22A,22Bの複数箇所の直線部分に各々取り付ける。
支線配索体22と第2電線カバー40は、支線配索体22の側壁22bに設けた爪状の被係止部22fと、第2電線カバー40に設け、2つの電線挿入口22dを閉塞させている状態で被係止部22fに引っ掛ける係止部41と、を用いた保持機構で互いに保持する(図9)。この保持機構は、複数箇所に設けている。この例示では、どの支線配索体22に電線142が配策されたとしても第2電線カバー40を取り付けることができるように、それぞれの支線配索体22A,22Bの直線部分に被係止部22fを設けている。
このように構成している保護具2は、温度センサ141とセンサ保持部12を筐体130のカバー132のセンサ挿入口132aから挿入しつつ、そのカバー132に載せ置かれた状態で筐体130に保持される。尚、カバー132は、平面上に保護具2を載せ置くものであってもよく、保護具2を溝に嵌め込んで載せ置くものであってもよい。この例示のカバー132は、保護具2の支線配索体22の形状に沿う溝132b(図1及び図6)を形成しており、その溝132bにそれぞれの支線配索体22が嵌め込まれる(図2及び図3)。
先に示したように、電池モジュール110においては、筐体130に露出口131bが存在している。本実施形態の保護具2は、その露出口131bを塞ぐカバーとしても利用できるように構成する。この例示では、保護具2を電池モジュール110に組み付けるだけで、露出口131bを塞ぐことができるように構成する。
そこで、ここでは、電線配索構造体20を用いて露出口131bを塞ぐ。よって、その電線配索構造体20は、露出口131bを塞ぐように形成する。この例示の電線配索構造体20においては、その露出口131bを塞ぐように幹線配索体21を形成及び配置する(図2及び図3)。具体的には、その幹線配索体21の電線挿入口21cを塞ぐ第1電線カバー30の幹線カバー体31に、露出口131bを塞ぐカバーとしての機能を持たせる。幹線配索体21と幹線カバー体31は、露出口131bをその周縁部と共に覆うように形成及び配置されたものであってもよく、露出口131bから収容箱131の保持部に嵌め込まれるように形成及び配置されたものであってもよい。ここでは、後者を例示している。この保護具2は、幹線配索体21と幹線カバー体31とを収容箱131の保持部に嵌め込むと共に、支線配索体22を溝132bに嵌め込んで、電池モジュール110からの突出量を抑えることができるので、電池パック100の体格の大型化を抑えることができる。
ところで、隣り合う2つの電池モジュール110においては、それぞれの保護具2が隣り合わせに配置されている。その隣り合う2つの保護具2は、それぞれの電線配索構造体20同士を連結させている。保護装置1には、それぞれの電線配索構造体20が有する被保持体24(図1、図4、図5、図7、図8及び図14)同士を連結させる連結部材50が設けられている(図1から図5及び図14)。連結部材50は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
例えば、保護具2は、複数の電池モジュール110が並列配置される場合、電線142(電線群143)を外方に引き出して電池監視ユニット側に導くもの(保護具2A)と、それ以外のもの(保護具2B)と、に大別することができる(図1から図5及び図14)。それぞれの保護具2A,2Bにおいては、ガイド配索体23の形状を一部変えている。
保護具2Aのそれぞれのガイド配索体23A(図1から図4及び図7)は、各々、突出方向側の端部を電線142(電線群143)の保持部23A(図7)として形成している。この例示の保持部23Aは、2つの片体でL字状に形成し、電線142(電線群143)と共に結束バンド61で巻き付けられている。電線142(電線群143)は、その保持部23Aから外方に引き出されて、電池監視ユニット側に導かれる。故に、このガイド配索体23Aにおいては、その保持部23A側の端部で隣の保護具2に連結されることはない。よって、このガイド配索体23Aにおいては、その保持部23A側の端部とは逆側の端部のみに被保持体24を設けている。
一方、保護具2Bのそれぞれのガイド配索体23B(図1から図4)は、その両端で隣の保護具2に連結される可能性がある。よって、このガイド配索体23Bにおいては、両端に被保持体24を設けている(図1及び図4)。
この保護具2Bにおいては、自らの幹線配索体21の電線142(電線群143)が、自らのガイド配索体23Bを介して、隣の保護具2Aのガイド配索体23A又は隣の保護具2Bのガイド配索体23Bに案内される。先に示したように、この電池パック100では、隣り合う2つの電池モジュール110が互いに相対移動する可能性があり、その相対移動に連動して、隣り合う2つの保護具2についても互いに相対移動する。従って、保護装置1は、その相対移動の有無に拘わらず、隣り合う2つの保護具2の間に亘って配策される電線142(電線群143)を保護する必要がある。本実施形態の保護装置1は、その連結部分の電線142(電線群143)の保護も図れるように、被保持体24と連結部材50とを構成する。
被保持体24は、ガイド配索体23の端部に設けている。隣り合う2つの保護具2においては、その配列方向(以下、「第1方向」という。)D1に沿って各々の被保持体24が並べて配置されている(図5及び図14)。一方、連結部材50は、第1方向D1に沿って並ぶ2つの被保持体24毎に設け、その被保持体24との間で相互に保持し合うことが可能な保持体51と、2つの保持体51を連結させる連結体52と、を有している(図5及び図14)。
この例示の保護装置1は、2つの連結部材50(連結部材50A,50B)を備えている(図1から図4)。隣り合う2つの保護具2は、それぞれの幹線配索体21の延在方向における一端側を一方の連結部材50Aで連結し、それぞれの幹線配索体21の延在方向における他端側を他方の連結部材50Bで連結する。それぞれの連結部材50A,50Bは、保持体51の形状が同一である一方、各々の連結体52の形状を変えている。この例示では、その連結体52が如何様な形状のものであってもよい。よって、以下においては、連結部材50Aを例に挙げて、保持体51の説明を行う。
その被保持体24と保持体51の内の一方は、凸状体として形成する。また、被保持体24と保持体51の内の他方は、第1方向D1に直交する挿抜方向Dipでの凸状体の挿抜が可能で、かつ、その凸状体の挿入完了後の保持状態のときに第1方向D1で凸状体を挟み込む挟持体として形成する。この例示では、被保持体24を凸状体として形成し、保持体51を挟持体として形成している。よって、以下においては、被保持体24を「凸状体24」とも称し、保持体51を「挟持体51」とも称する。
凸状体24は、第1方向D1と挿抜方向Dipとに対する直交方向(以下、「第2方向」という。)D2に突出させる(図5及び図14)。この例示の凸状体24は、ガイド配索体23の端部における外方の側壁23bから突出させている。この例示の凸状体24は、自らの挿抜方向Dipを筒軸方向とする筒部24a(図5及び図14)を主体とし、第1方向D1に沿って互いに逆向きに突出させた第1係止部24b(図5及び図14)と、第2方向D2で互いに間隔を空けて対向配置された第1及び第2の係止壁部24a,24a(図5及び図15)と、を有する。また、この凸状体24には、第1方向D1で互いに間隔を空けて対向配置された第3及び第4の係止壁部24a,24aを設けてもよい(図16)。この例示の筒部24aは、角筒状に形成している。
筒部24aは、第1方向D1に対する2つの直交平面を各々外周壁24a,24aとして有している(図5及び図16)。それぞれの第1係止部24bは、その2つの外周壁24a,24aから各々爪状に突出させる。それぞれの第1係止部24bは、挿抜方向Dipの内の挿入方向Diに向かうに連れて、各々外周壁24a,24aからの突出量を徐々に減少させている。故に、この例示の凸状体24は、挿入方向Di側を先端とする矢尻の如き形状を成している。また、それぞれの第1係止部24bは、筒部24aよりも挿入方向Di側に突出させ、その先端側を第1方向D1で互いに間隔を空けて対向配置させている。
また、筒部24aは、第1方向D1に対する2つの直交平面と第2方向D2に対する2つの直交平面とを各々内周壁として有している。この凸状体24においては、第2方向D2に直交する2つの内周壁を各々第1及び第2の係止壁部24a,24aとして利用し、かつ、第1方向D1に直交する2つの内周壁を各々第3及び第4の係止壁部24a,24aとして利用する。
挟持体51は、挿抜方向Dipに対する直交平面を有する主壁51aと、この主壁51aから挿抜方向Dipの内の抜去方向Dpに向けて突出させ、かつ、第1方向D1で互いに間隔を空けて対向配置させた立壁51bと、を有する(図5及び図14)。この挟持体51は、その主壁51aと2つの立壁51bとが成す空間に凸状体24を挿入させ、その空間の挿入完了位置で凸状体24を保持する。この例示では、その主壁51aと立壁51bとを矩形の片体状に形成している。また、その内の少なくとも立壁51bについては、可撓性を持たせている。
この挟持体51は、第1方向D1に沿って互いに逆向きに突出させ、かつ、保持状態のときに第1係止部24bに対して抜去方向Dpに間隔を空けて対向配置させる第2係止部51c(図5、図14及び図16)と、保持状態のときに第2方向D2で第1及び第2の係止壁部24a,24aに各々間隔を空けて対向配置させる突出部51d(図5、図14及び図15)と、を有する。その突出部51dは、保持状態のときに第1方向D1で第3及び第4の係止壁部24a,24aに各々間隔を空けて対向配置させている。
第2係止部51cは、立壁51bの先端(自由端)側に設ける。この第2係止部51cは、爪状に形成する。
一方、突出部51dは、それぞれの立壁51bの間で、主壁51aから抜去方向Dpに向けて突出させる。この例示の突出部51dは、第2方向D2に対する直交平面を有する平板状で、かつ、抜去方向Dp側の先端が小さくなる凸型に形成する。この突出部51dは、凸状体24の挟持体51への挿入に連動して、凸型の矩形の先端部分を筒部24aの内方の空間に挿入させる。
第1係止部24bと第2係止部51cの挿抜方向Dipにおける間隔は、隣り合う2つの保護具2がその間で第1方向D1を軸にして相対回転したとしても、第1係止部24bと第2係止部51cとが互いの係止状態を保ち得る大きさとする。また、この間隔は、隣り合う2つの保護具2がその間で第2方向D2を軸にして相対回転したとしても、第1係止部24bと第2係止部51cとが互いの係止状態を保ち得る大きさとする。また、この間隔は、隣り合う2つの保護具2がその間で抜去方向Dpを軸にして相対回転したとしても、第1係止部24bと第2係止部51cとが互いの係止状態を保ち得る大きさとする。よって、この保護装置1においては、これらの相対回転が隣り合う2つの保護具2の間で生じたとしても、それぞれの保護具2を連結部材50で保持し続けることができる。
具体的に、第1係止部24bと第2係止部51cの第1方向D1における掛かり代は、隣り合う2つの保護具2が第1方向D1に沿って相対移動したとしても、又は、隣り合う2つの保護具2がその間で第2方向D2若しくは抜去方向Dpを軸にして相対回転したとしても、第1係止部24bと第2係止部51cとが互いの係止状態を保ち得る大きさとする。例えば、このような掛かり代を得るべく、凸状体24における第1係止部24bの根元側の壁部(外周壁24a,24a)は、保持状態のときに、第1係止部24bと第2係止部51cの係止状態を保ち得る範囲内で、第1方向D1で第2係止部51cの突出方向側の端部に間隔を空けて対向配置させる。そして、挟持体51における第2係止部51cの根元側の壁部は、保持状態のときに、第1係止部24bと第2係止部51cの係止状態を保ち得る範囲内で、第1方向D1で第1係止部24bの突出方向側の端部に間隔を空けて対向配置させる。更に、第1係止部24bと第2係止部51cの第2方向D2における掛かり代は、隣り合う2つの保護具2が第2方向D2に沿って相対移動したとしても、又は、隣り合う2つの保護具2がその間で第1方向D1若しくは抜去方向Dpを軸にして相対回転したとしても、第1係止部24bと第2係止部51cとが互いの係止状態を保ち得る大きさとする。よって、この保護装置1においては、これらの相対移動や相対回転が隣り合う2つの保護具2の間で生じたとしても、それぞれの保護具2を連結部材50で保持し続けることができる。
ここで、第1及び第2の係止壁部24a,24aと突出部51dのそれぞれの第2方向D2における間隔は、隣り合う2つの保護具2が第2方向D2に沿って相対移動したとしても、又は、隣り合う2つの保護具2がその間で第1方向D1若しくは抜去方向Dpを軸にして相対回転したとしても、第1係止部24bと第2係止部51cとが互いの係止状態を保ち得る範囲内で、突出部51dを第1係止壁部24a又は第2係止壁部24aに係止させる大きさに設定してもよい。つまり、突出部51dは、保持状態のときに、第1係止部24bと第2係止部51cの係止状態を保ち得る範囲内で、第2方向D2で第1及び第2の係止壁部24a,24aに各々間隔を空けて対向配置させればよい。これにより、この保護装置1においては、これらの相対移動や相対回転が隣り合う2つの保護具2の間で生じたとしても、それぞれの保護具2を連結部材50で保持し続けることができる。
また更に、第3及び第4の係止壁部24a,24aと突出部51dのそれぞれの第1方向D1における間隔は、隣り合う2つの保護具2が第1方向D1に沿って相対移動したとしても、又は、隣り合う2つの保護具2がその間で第2方向D2若しくは抜去方向Dpを軸にして相対回転したとしても、第1係止部24bと第2係止部51cとが互いの係止状態を保ち得る範囲内で、突出部51dを第3係止壁部24a又は第4係止壁部24aに係止させる大きさに設定してもよい。つまり、突出部51dは、保持状態のときに、第1係止部24bと第2係止部51cの係止状態を保ち得る範囲内で、第1方向D1で第3及び第4の係止壁部24a,24aに各々間隔を空けて対向配置させればよい。これにより、この保護装置1においては、これらの相対移動や相対回転が隣り合う2つの保護具2の間で生じたとしても、それぞれの保護具2を連結部材50で保持し続けることができる。
以上の各パターンを纏めるならば、この保護装置1においては、そのような相対移動や相対回転が隣り合う2つの保護具2の間で生じた際に、連結部材50と2つの被保持体24との間の相対移動量を所期の設計値の範囲内に止めておくことができる。従って、この保護装置1は、隣り合う2つの保護具2の連結部分でその間に亘って配策される電線142(電線群143)の相対移動量を所期の設計値の範囲内に止めておくことができるので、その連結部分での電線142(電線群143)の保護を図ることもできる。尚、ここでいう所期の設計値とは、隣り合う2つの電池モジュール110の間で許容される相対移動量(所謂ガタ)を勘案した上で決められた値のことである。
ここで、この保護装置1は、凸状体24と挟持体51の内の一方に、第2方向D2に沿って互いに逆向きに突出させた第3係止部24cを設け、その内の他方に、保持状態のときに第3係止部24cに対して抜去方向Dpに対向配置させる第4係止部51eを設けてもよい。この例示では、凸状体24に第3係止部24cを設け、挟持体51に第4係止部51eを設けている(図15)。
この例示の凸状体24には、それぞれの第1係止部24bの先端側の間に、筒部24aから挿入方向Di側に突出させ、かつ、第2方向D2で互いに間隔を空けて配置した片部24dが形成されている(図15)。それぞれの片部24dには、可撓性を持たせる。ここでは、一方の片部24dを第1係止壁部24a側から突出させ、かつ、他方の片部24dを第2係止壁部24a側から突出させることで、それぞれの片部24dの間に保持状態で突出部51dが配置されるようにしている。第3係止部24cは、爪状に形成し、その片部24dの先端(自由端)に設ける。第4係止部51eは、突出部51dに設ける。ここでは、それぞれの片部24dが挿入される貫通孔51dを突出部51dに形成し(図5、図15及び図16)、その貫通孔51dの抜去方向Dp側の壁面を第4係止部51eとして利用する。故に、それぞれの片部24dの第2方向D2における間隔は、突出部51dの板厚よりも狭める。
このように、この保護装置1は、その第3係止部24cと第4係止部51eとを備えているので、連結部材50による隣り合う2つの保護具2の保持機能を高めることができる。
以上示したように、本実施形態の保護装置1は、隣り合う2つの電池モジュール110の相対移動を許容しつつ、隣り合う2つの保護具2と連結部材50との間の保持力を確保することができる。よって、この保護装置1は、保護具2が持つ温度センサ141や電線142(電線群143)の保護機能のみならず、その電線142(電線群143)において2つの保護具2に亘って配策されている部分の保護機能も得ることができる。
更に、本実施形態の保護装置1は、第1係止部24bと第2係止部51cの挿抜方向Dipにおける間隔、第1及び第2の係止壁部24a,24aと突出部51dのそれぞれの第2方向D2における間隔、第3及び第4の係止壁部24a,24aと突出部51dのそれぞれの第1方向D1における間隔、第1係止部24bと第2係止部51cの第1方向D1における掛かり代、第1係止部24bと第2係止部51cの第2方向D2における掛かり代等を調整するだけで、隣り合う2つの電池モジュール110の相対移動に対応させることができる。即ち、この保護装置1は、隣り合う2つの電池モジュール110の間で許容する相対移動量(設計値)が変更されたとしても、それらの間隔や掛かり代を変更するだけで、新たな相対移動量に対応させることができる。従って、この保護装置1は、設計変更に容易に対応することができる。
先に示した例示では、隣り合う2つの保護具2A,2Bを連結部材50で連結させることで、隣り合う2つの電池モジュール110の温度検出具140を保護するものとして説明した。一方、この例示の電池パック100では、隣り合う2つの電池モジュール110の電圧検出具150と収容箱131の保持部と電圧検出具150の保持部材とについても、隣り合わせに並べて配置されている。故に、この電池パック100においては、その収容箱131の保持部と電圧検出具150の保持部材とが電圧検出具150の保護具となる。つまり、この電池パック100では、その保護具(収容箱131の保持部と電圧検出具150の保持部材)についても保護装置1の構成に含めることができる。そして、この電池パック100においては、例えば、隣り合う2つの保持部材(電圧検出具150の保持部材)の端部同士を筐体130の外で連結させる場合も考えられる。その場合には、隣り合う2つの保持部材の端部に先の例示の被保持体24を設けると共に、その被保持体24同士を先の例示の連結部材50で連結すればよい。従って、本実施形態の保護装置1は、隣り合う2つの保持部材の端部に亘って配策される電圧検出具150の電線152についても、温度検出具140の電線142と同じように保護することができる。
ところで、以上示した例示の保護装置1では保護具2の設置対象物として電池モジュール110を例に挙げたが、その設置対象物は、電線配索構造体20の配索対象で且つ保持対象としての電線が設けられているものであれば、如何様なものであってもよい。
1 保護装置
2,2A,2B 保護具
10 センサ保持体
20 電線配索構造体
23,23A,23B ガイド配索体
24 被保持体(凸状体)
24a 第1係止壁部
24a 第2係止壁部
24a 第3係止壁部
24a 第4係止壁部
24a,24a 外周壁
24b 第1係止部
24c 第3係止部
50,50A,50B 連結部材
51 保持体(挟持体)
51c 第2係止部
51d 突出部
51e 第4係止部
52 連結体
110 電池モジュール(設置対象物)
141 温度センサ(電池状態検出センサ)
142 電線
151 電圧検出端子(電池状態検出センサ)
152 電線

Claims (6)

  1. 電線を配索し且つ保持することが可能な電線配索構造体を備える保護具と、
    隣り合う2つの前記保護具のそれぞれの前記電線配索構造体が有する被保持体同士を連結させる連結部材と、
    を備え、
    前記保護具は、前記電線が設けられている設置対象物毎に設け、
    前記連結部材は、隣り合う2つの前記保護具の配列方向に沿って並ぶ2つの前記被保持体毎に設け、前記被保持体との間で相互に保持し合うことが可能な保持体と、2つの前記保持体を連結させる連結体と、を有し、
    前記被保持体と前記保持体の内の一方は、凸状体として形成し、
    前記被保持体と前記保持体の内の他方は、前記配列方向に直交する挿抜方向での前記凸状体の挿抜が可能で、かつ、前記凸状体の挿入完了後の保持状態のときに前記配列方向で前記凸状体を挟み込む挟持体として形成し、
    前記凸状体は、前記配列方向に沿って互いに逆向きに突出させた第1係止部と、前記配列方向と前記挿抜方向とに対する直交方向で互いに間隔を空けて対向配置された第1及び第2の係止壁部と、を有し、
    前記挟持体は、前記配列方向に沿って互いに逆向きに突出させ、かつ、前記保持状態のときに前記第1係止部に対して前記挿抜方向の内の抜去方向に間隔を空けて対向配置させる第2係止部と、前記保持状態のときに前記直交方向で前記第1及び第2の係止壁部に各々間隔を空けて対向配置させる突出部と、を有することを特徴とした保護装置。
  2. 前記突出部は、前記保持状態のときに、前記第1係止部と前記第2係止部の係止状態を保ち得る範囲内で、前記直交方向で前記第1及び第2の係止壁部に各々間隔を空けて対向配置させることを特徴とした請求項1に記載の保護装置。
  3. 前記凸状体は、前記配列方向で互いに間隔を空けて対向配置された第3及び第4の係止壁部を有し、
    前記突出部は、前記保持状態のときに前記配列方向で前記第3及び第4の係止壁部に各々間隔を空けて対向配置させることを特徴とした請求項1又は2に記載の保護装置。
  4. 前記突出部は、前記保持状態のときに、前記第1係止部と前記第2係止部の係止状態を保ち得る範囲内で、前記配列方向で前記第3及び第4の係止壁部に各々間隔を空けて対向配置させることを特徴とした請求項3に記載の保護装置。
  5. 前記凸状体と前記挟持体の内の一方は、前記直交方向に沿って互いに逆向きに突出させた第3係止部を有し、
    前記凸状体と前記挟持体の内の他方は、前記保持状態のときに前記第3係止部に対して前記抜去方向に対向配置させる第4係止部を有することを特徴とした請求項1から4の内の何れか1つに記載の保護装置。
  6. 前記設置対象物は、複数の電池セルを備えた電池モジュールであり、
    前記電線配索構造体は、前記電池セルの電池状態検出用の電池状態検出センサから引き出された前記電線を配索し且つ保持することが可能なものとして形成し、
    前記保護具は、前記電池状態検出センサを保持することが可能なセンサ保持体を備えることを特徴とした請求項1から5の内の何れか1つに記載の保護装置。
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