JP7420520B2 - バーハンドル車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置に関する。
従来、自動二輪車等に用いられるバーハンドル車両用ブレーキ制御装置として特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1には、車両が走行しようとする路面を視覚センサでモニタリングして分析する技術が記載されている。特許文献1には、モニタリングした路面の情報に基づいたブレーキ制御の具体的な記載はない。
特許第5979752号公報
バーハンドル車両用ブレーキ制御装置で行われる一般的なアンチロックブレーキ制御では、予め設定されたブレーキ液圧の減圧レート(減圧量)に基づいたブレーキ液圧の減圧制御を行っている。このため、走行時の路面状況によっては、減圧レートが適正でないことに起因してスリップが生じるおそれがあった。従来、そのようなスリップが生じた場合には、実際の車輪速度の変化(スリップ率等)に基づいて、車輪がロックしないように減圧制御を行っている。したがって、減圧制御が受動的であり、路面状況に対応した能動的なブレーキ制御の実現が望まれていた。
本発明は、前記した課題を解決し、車両が走行しようとする路面状況を事前に検出して、その路面状況に対応したブレーキ制御を実行できるバーハンドル車両用ブレーキ制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置は、バーハンドル車両の車輪ブレーキの液圧を制御する制御部と、車両前方の路面を撮像する撮像部と、を備えている。また、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置は、前記撮像部によって撮像された撮像情報に基づいて路面状況を認識する路面状況認識部と、前記路面状況認識部によって認識された路面状況を記憶する記憶部と、を備えている。前記制御部は、前記路面状況認識部によって認識された車両前方の最新の路面状況が前記記憶部に記憶されている路面状況と異なる場合には、最新の路面状況および前記記憶部に記憶されている路面状況のどちらか一方に基づいて液圧の制御を実行する。
本発明では、車両前方の路面の撮像情報に基づいて認識した車両前方の最新の路面状況が現状(記憶部に記憶されている路面状況)と異なる場合に、最新の路面状況および記憶部に記憶されている路面状況のどちらか一方に対応する液圧の制御を実行できる。これにより、本発明では、車両前方の路面状況を事前に検出して、ブレーキ制御のフィードフォワード制御が可能である。これによって、車両の走行が安定する。
また、本発明のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置は、バーハンドル車両の車輪ブレーキの液圧を制御する制御部と、車両前方の路面を撮像する撮像部と、を備えている。また、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置は、前記撮像部によって撮像された撮像情報に基づいて路面状況を認識する路面状況認識部と、前記路面状況認識部によって認識された路面状況を記憶する記憶部と、を備えている。前記制御部は、前記路面状況認識部によって認識された最新の路面状況に対応する路面摩擦係数を、予め記憶された路面摩擦係数のテーブルを参照して推定し、推定した前記路面摩擦係数と前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数との差が所定値以上である場合に、推定した前記路面摩擦係数に基づいて液圧の制御を実行する。
本発明では、車両前方の路面の撮像情報に基づいて認識した最新の路面状況に対応する路面摩擦係数と現状(記憶部に記憶されている路面状況の路面摩擦係数)との差が所定値以上である場合に、最新の路面状況の路面摩擦係数に基づいて液圧の制御を実行できる。これにより、本発明では、車両前方の路面状況を事前に検出して、その路面状況に対応したブレーキ制御を実行できる。すなわち、本発明では、高μから低μにμジャンプするような路面、あるいは低μから高μにμジャンプするような路面を走行する場合に、これを事前に検出して、最新の路面状況に対応するようにブレーキ制御を実行できる。
また、本発明のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置は、バーハンドル車両の車輪ブレーキの液圧を制御する制御部と、車両前方の路面を撮像する撮像部と、を備えている。また、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置は、前記撮像部によって撮像された撮像情報に基づいて路面状況を認識する路面状況認識部と、前記路面状況認識部によって認識された路面状況を記憶する記憶部と、を備えている。前記制御部は、前記路面状況認識部によって認識された車両前方の最新の路面状況が前記記憶部に記憶された路面状況と異なる場合には、液圧制御時の減圧閾値を最新の路面状況に対応した減圧閾値に持ち替えて液圧の制御を実行する。
本発明では、車両前方の路面の撮像情報に基づいて認識した最新の路面状況が現状(記憶部に記憶されている路面状況)と異なる場合に、最新の路面状況に対応した減圧閾値に持ち替えて、最新の路面状況に対応する液圧の制御を実行できる。このように、本発明では、車両が走行しようとする路面状況を事前に検出して、ブレーキ制御のフィードフォワード制御が可能である。これによって、車両の走行が安定する。
また、前記制御部は、最新の路面状況に対応する路面摩擦係数を推定し、推定した前記路面摩擦係数が前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数と異なる場合に、推定した前記路面摩擦係数および前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数のどちらか一方に基づいて液圧の制御を実行することが好ましい。このように構成することによって、最新の路面状況に対応する路面摩擦係数および前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数のどちらか一方に基づいた液圧の制御を実行できる。これにより、車両前方の路面状況を事前に検出して、その路面状況に対応したブレーキ制御を実行できる。
また、前記制御部は、最新の路面状況に対応して推定した路面摩擦係数と前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数との差が所定値以上である場合に、推定した前記路面摩擦係数に基づいて液圧の制御を実行することが好ましい。このように構成することによって、高μから低μにμジャンプするような路面、あるいは低μから高μにμジャンプするような路面を走行する場合に、これを事前に検出して、最新の路面状況に対応するようにブレーキ制御を実行できる。
また、本発明のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置は、バーハンドル車両の車輪ブレーキの液圧を制御する制御部と、車両前方の路面を撮像する撮像部と、を備えている。また、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置は、前記撮像部によって撮像された撮像情報に基づいて路面状況を認識する路面状況認識部と、前記路面状況認識部によって認識された路面状況を記憶する記憶部と、を備えている。前記制御部は、前記路面状況認識部によって認識された車両前方の最新の路面状況が、前記記憶部に記憶された路面状況と異なる場合に、路面状況に応じて予め設定された複数種類のブレーキ制御モードの中から最新の路面状況に応じた前記ブレーキ制御モードを選択する。
本発明では、車両前方の路面の撮像情報に基づいて認識した最新の路面状況が現状(記憶部に記憶されている路面状況)と異なる場合に、最新の路面状況に対応するブレーキ制御モードで液圧の制御を実行できる。したがって、本発明では、車両前方の路面状況を事前に検出して、ブレーキ制御のフィードフォワード制御が可能である。これによって、車両の走行が安定する。
また、前記制御部は、最新の路面状況に対応する路面摩擦係数を推定し、推定した前記路面摩擦係数が前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数と異なる場合に、最新の路面状況に応じた前記ブレーキ制御モードを選択することが好ましい。このように構成することによって、最新の路面状況に対応する路面摩擦係数に基づいて液圧の制御を実行できる。したがって、車両前方の路面状況を事前に検出して、ブレーキ制御のフィードフォワード制御が可能である。
また、複数種類の前記ブレーキ制御モードは、液圧制御時の減圧閾値が相互に異なる設定であることが好ましい。このように構成することによって、路面状況に対応したブレーキ制御を好適に実行できる。
また、前記路面状況認識部による路面状況の認識は、ディープラーニングにより作成された学習器を用いて行われることが好ましい。
本発明では、車両が走行しようとする路面状況を事前に検出して、その路面状況に対応したブレーキ制御を実行できるバーハンドル車両用ブレーキ制御装置が得られる。
本発明の第1実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ制御装置が搭載されたバーハンドル車両を示す模式側面図である。 本発明の第1実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ制御装置において、ブレーキ制御の介入を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ制御装置において、路面状況の例を示す模式説明図である。 本発明の1実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ制御装置において、路面状況の例を示す模式説明図である。 本発明の1実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ制御装置において、路面状況の例を示す模式説明図である。 本発明の1実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ制御装置において、路面状況の例を示す模式説明図である。 本発明の第1実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ制御装置において、路面状況に基づく車輪ブレーキの液圧の制御を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ制御装置において、路面状況に基づく車輪ブレーキの液圧の制御を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るバーハンドル車両用ブレーキ制御装置において、路面状況に基づくブレーキ制御モードの選択を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。以下の実施形態では、バーハンドル車両用ブレーキ制御装置を、自動二輪車の車両に適用した場合を例にして説明するが、搭載される車両を限定するものではない。例えば、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)等の車両にも搭載することができる。また、以下では、前輪の車輪ブレーキFおよび後輪の車輪ブレーキRに対応するブレーキ制御が可能なバーハンドル車両用ブレーキ制御装置Uを例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
バーハンドル車両用ブレーキ制御装置(以下、「ブレーキ制御装置」という)Uは、前輪の車輪ブレーキFおよび後輪の車輪ブレーキRに対してアンチロックブレーキ制御を実行可能である。
ブレーキ制御装置Uは、図1に示すように、車両の適宜の場所に取り付けられている。ブレーキ制御装置Uは、液圧ユニット10と、制御部20とを備えている。液圧ユニット10は、図示しない液圧回路を内部に備えている。液圧回路を構成する液路には、液路を開閉するための複数の電磁弁や機能部材が配置されている。
液圧回路は、前輪のブレーキ系統および後輪のブレーキ系統とに対応する液路を備えている。前輪のブレーキ系統には、フロントマスタシリンダMFと車輪ブレーキFとが備わる。フロントマスタシリンダMFは、図示しない配管で液圧ユニット10の入口ポートに繋がれている。また、車輪ブレーキFは、図示しない配管で液圧ユニット10の出口ポートに繋がれている。
前輪には、前輪車輪速度センサ11が取り付けられている。前輪車輪速度センサ11は、前輪の車輪速度を取得し制御部20に出力する。
後輪のブレーキ系統には、リアマスタシリンダMRと車輪ブレーキRとが備わる。リアマスタシリンダMRは、図示しない配管で液圧ユニット10の入口ポートに繋がれている。また、車輪ブレーキRは、図示しない配管で液圧ユニット10の出口ポートに繋がれている。
後輪には、後輪車輪速度センサ12が取り付けられている。後輪車輪速度センサ12は、後輪の車輪速度を取得し制御部20に出力する。
フロントマスタシリンダMFは、運転者が右手で操作するブレーキレバー13の操作量に応じた液圧を出力する装置である。一方、リアマスタシリンダMRは、運転者が右足で操作するブレーキペダル14の操作量に応じた液圧を出力する装置である。
車輪ブレーキFは、ディスクロータ31と、図示しないブレーキパッドと、ホイールシリンダとを主に備えている。ホイールシリンダは、フロントマスタシリンダMFから出力された液圧によりブレーキパッドをディスクロータ31に押し当ててブレーキ力(制動力)を発生する。
車輪ブレーキRは、ディスクロータ32と、図示しないブレーキパッドと、ホイールシリンダとを主に備えている。ホイールシリンダは、リアマスタシリンダMRから出力された液圧によりブレーキパッドをディスクロータ32に押し当ててブレーキ力(制動力)を発生する。
液圧ユニット10は、通常時、フロントマスタシリンダMFから出力された液圧を車輪ブレーキFに伝達し、リアマスタシリンダMRから出力された液圧を車輪ブレーキRに伝達する。また、液圧ユニット10は、車輪がロックしそうになったときに制御部20によりアンチロックブレーキ制御を実行する。
具体的に、液圧ユニット10は、前輪がロックしそうになったときに、制御部20により電磁弁が制御されることで、車輪ブレーキFに作用する液圧を減圧、保持、増圧する。また、液圧ユニット10は、後輪がロックしそうになったときに制御部20により電磁弁が制御されることで、車輪ブレーキRに作用する液圧を減圧、保持、増圧する。
制御部20は、主に、液圧ユニット10を制御することで、前輪、後輪のロックを抑制するアンチロックブレーキ制御を実行する装置である。制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入出力回路等を備えて構成されている。制御部20は、後記するカメラ30からの入力や、車輪速度センサ11,12からの入力、ROMに記憶されたプログラム、データなどに基づいて各種演算処理を行うことによって制御を実行する。
カメラ30は、撮像部として機能し、車両前方の路面RSを撮像する。カメラ30は、運転者のイグニッションONにより起動し撮像を開始する。カメラ30は、車両がこれから走行しようとする車両前方の路面RS、例えば、10m~15m先の路面RSを奥行きLをもって撮像する。カメラ30は、撮像した路面RSの画像データを制御部20に出力する。カメラ30の取付位置は、図1の位置に限定されない。例えば、フレーム、ハンドル、カウル、フェンダー等、車両前方の路面を撮像し得る位置であればよい。
なお、カメラ30は、単眼カメラでもよくステレオカメラでもよい。また、カメラ30に代えて、ミリ波レーダー、赤外線レーダ、レーザレーダ等を用いて路面RSの情報を取得してもよい。
図2に示すように、制御部20は、路面状況認識部201、スリップ率算出部210、操作検出部220、アンチロックブレーキ制御手段230、記憶部240および制御実行部250を備えている。
路面状況認識部201は、路面推定部202、路面摩擦係数推定部203、摩擦係数変化判定部204および減圧閾値設定部205を備えている。路面状況認識部201によって認識された路面状況は、路面摩擦係数(μn)や減圧閾値(Mn)として記憶部240に記憶される。
路面推定部202は、カメラ30が撮像した路面RSの画像データを入力し、画像データから車両前方の路面状況を推定する。具体的に、路面推定部202は、入力した画像データに対応する画像データを記憶部240に記憶されている路面の画像データから検索する。この場合、畳み込み処理等で画像の特徴を抽出し、その特徴に基づいて車両前方の路面状況を推定する。この場合、路面推定部202には、車両の移動とともに推移する複数の画像データが入力される。路面推定部202は、車両の移動とともに入力された複数の画像データから車両前方の路面状況を総合的に推定する。推定結果は、路面摩擦係数推定部203に出力される。
路面状況の例を図3A,3B、図4A,4Bに示す。各図において、符号RSは路面を示し、符号S1はセンターラインを示している。また、符号S2は路側帯を示し、符号Wはカメラ30で撮像される模式的な領域を示している。
図3Aに示す例は、カメラ30で撮像される車両前方の領域Wに、マンホールMAが存在しているものである。路面RSにマンホールMAが存在しているかどうかは、例えば、マンホールMAの丸形状(楕円形状)の有無で推定できる。路面RSにマンホールMAが存在していることを推定することで、マンホールMAの上を車両が通過する可能性を通過前に検知できる。一般に、マンホールMAの上は、雨天時に舗装路の路面摩擦係数(μ)に比べて路面摩擦係数(μ)が低くなっており、通過時に路面摩擦係数(μ)の変化を生じてスリップする可能性がある。
図3Bに示す例は、カメラ30で撮像される車両前方の領域Wに、落ち葉Cが存在しているものである。路面RSに落ち葉Cが存在しているかどうかは、例えば、落ち葉Cの色(黄色、橙色等)の有無等を検出することで推定できる。路面RSに落ち葉Cが存在していることを推定することで、落ち葉Cの上を車両が通過する可能性を通過前に検知できる。一般に、落ち葉Cがある路面RSは、路面摩擦係数(μ)の高い乾燥路に比べて路面摩擦係数(μ)が低くなっており、通過時に路面摩擦係数(μ)の変化を生じてスリップする可能性がある。
図4Aに示す例では、カメラ30で撮像される車両前方の領域Wに、水溜りPが存在しているものである。路面RSに水溜りPが存在しているかどうかは、例えば、乾燥している路面RSとの光の反射の違い(画像明度の違い)があるか否かを検出することで推定できる。路面RSに水溜りPがあることを推定することで、水溜りPを車両が通過する可能性を通過前に検知できる。一般に、水溜りPのある路面RSは、路面摩擦係数(μ)の高い乾燥路に比べて路面摩擦係数(μ)が低くなっており、通過時に路面摩擦係数(μ)の変化を生じてスリップする可能性がある。水溜りPを検出することと同様に、濡れた路面RSであることを推定することができる。
図4Bに示す例では、カメラ30で撮像される車両前方の領域Wに、石畳路(ベルジャン路)Bが存在しているものである。路面RSが石畳路Bであるかどうかは、例えば、路面RSに凹凸があるか否か、また、石畳の隙間があるか否かを検出することで推定できる。路面RSが石畳路Bであることを推定することで、石畳路Bを車両が通過する可能性を通過前に検知できる。一般に、石畳路Bの存在している路面RSは、路面摩擦係数(μ)の高い乾燥した舗装路に比べて路面摩擦係数(μ)が低くなっており、通過時に路面摩擦係数(μ)の変化を生じてスリップする可能性がある。
なお、推定手法として、各種ニューラルネットワーク等のディープラーニングを用いることも可能である。例えば、多数の路面の画像を用いて機械学習を行い、入力画像から路面状況を推定する学習済みモデル(学習器)を作成し、この学習器を用いて路面状況を推定してもよい。また、画像から路面摩擦係数(μ)を推定してもよい。
ニューラルネットワークを利用した画像処理の流れでは、例えば、初めにフィルターを使用し、入力された路面RSの画像データの全体に対して畳み込み層でフィルター処理を行う。そして、畳み込み層で処理した画像をプーリング層に送る。プーリング層では、画像の解像度を下げる処理を行う。そして、プーリング層の結果を用いて全結合層で結合することで、路面RSの画像を認識し、認識された路面RSの画像から路面状況を推定可能である。なお、再学習過程を組み込んでニューラルネットワークを構築してもよい。
路面摩擦係数推定部203は、路面推定部202で推定された路面状況に基づいて、最新(更新候補)の路面摩擦係数(μn+1)を推定する。路面摩擦係数推定部203は、記憶部240に予め記憶されている路面摩擦係数のテーブルを参照して、今回推定された路面状況に関連付けられている路面摩擦係数を読み込み、これを更新候補の路面摩擦係数(μn+1)とする。
例えば、路面推定部202で推定された路面状況が、図3に示すマンホールMAがある路面RSである場合には、この路面状況に対応する路面摩擦係数を記憶部240から読み込み、これを更新候補の路面摩擦係数(μn+1)とする。路面摩擦係数推定部203は、推定した結果を摩擦係数変化判定部204に出力する。
摩擦係数変化判定部204は、路面摩擦係数推定部203から入力した更新候補の路面摩擦係数(μn+1)と前回設定され記憶部240に記憶された路面状況(現状の路面状況)の路面摩擦係数(μn)とが同じであるか否か(変化しているか)を判定する。現状の路面摩擦係数(μn)は、例えば、イグニッションON時である場合には、高μ路(乾燥路)の路面RSに相当する路面摩擦係数に設定されることが好ましい。
摩擦係数変化判定部204は、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)と現状の路面摩擦係数(μn)とが同じであると判定した場合には、現状の路面摩擦係数(μn)を維持し、その結果を減圧閾値設定部205に出力する。
また、摩擦係数変化判定部204は、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)と現状の路面摩擦係数(μn)とが異なっている(変化している)と判定した場合に、現状の路面摩擦係数(μn)から更新候補の路面摩擦係数(μn+1)に持ち替える。摩擦係数変化判定部204は、その結果を減圧閾値設定部205に出力する。
減圧閾値設定部205は、摩擦係数変化判定部204の判定結果に基づいてアンチロックブレーキ制御で使用される減圧閾値(アンチロックブレーキ制御における減圧制御の介入閾値)を設定する。減圧閾値設定部205は、アンチロックブレーキ制御が行われていない非制御時とアンチロックブレーキ制御が行われている制御時とで、減圧閾値の設定の仕方が異なっている。
アンチロックブレーキ非制御時において、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)と現状の路面摩擦係数(μn)とが同じであるとの判定結果が減圧閾値設定部205に入力された場合には、減圧閾値設定部205は、前回設定した現状の減圧閾値(Mn)を変更することなく維持する。
一方、アンチロックブレーキ非制御時において、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)と現状の路面摩擦係数(μn)とが異なっているとの判定結果が減圧閾値設定部205に入力された場合には、減圧閾値設定部205は、現状の減圧閾値(Mn)を更新候補の路面摩擦係数(μn+1)に対応した更新候補の減圧閾値(Mn+1)に持ち替える。この場合、減圧閾値設定部205は、記憶部240に予め記憶されている減圧閾値のテーブルを参照して、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)に関連付けられている減圧閾値を読み込み、これを更新候補の減圧閾値(Mn+1)とする。
アンチロックブレーキ制御時において、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)と現状の路面摩擦係数(μn)とが同じであるとの判定結果が減圧閾値設定部205に入力された場合には、減圧閾値設定部205は、現状の減圧閾値(Mn)を維持する。
一方、アンチロックブレーキ制御時において、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)と現状の路面摩擦係数(μn)とが異なっているとの判定結果が減圧閾値設定部205に入力された場合には、減圧閾値設定部205は、これらの差を算出する。
そして、減圧閾値設定部205は、算出した値の絶対値が所定値以上であるか否かを判定する。算出した値の絶対値が所定値以上であると判定した場合には、μジャンプが生じる可能性があると認定し、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)に対する更新候補の減圧閾値(Mn+1)を設定する。つまり、減圧閾値設定部205は、現状の減圧閾値(Mn)から更新候補の減圧閾値(Mn+1)に持ち替える。この場合にも、減圧閾値設定部205は、記憶部240に予め記憶されている減圧閾値のテーブルを参照して、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)に関連付けられている減圧閾値を読み込み、これを更新候補の減圧閾値(Mn+1)とする。
なお、μジャンプが生じる可能性がある場合とは、路面RSが高μから低μへμジャンプする可能性がある場合、あるいは低μから高μへμジャンプする可能性がある場合である。例えば、乾燥した高μな路面RSを車両が走行している状態で、図3A,3B、図4A,4Bに示すような低μの路面RSが車両前方に認識され、その路面RSを通過する場合が該当する。
一方、上記のように算出した値の絶対値が所定値未満であると判定した場合には、更新候補の減圧閾値(Mn+1)に持ち替えることなく、現状の減圧閾値(Mn)を維持する。
スリップ率算出部210は、前輪車輪速度センサ11および後輪車輪速センサ12から取得した前輪と後輪の車輪速度に基づいて公知の手法により車体速度を算出する。そして、車体速度と前輪の車輪速度との差を車体速度で割ることで、前輪のスリップ率を算出する。また、車体速度と後輪の車輪速度との差を車体速度で割ることで、後輪のスリップ率を算出する。スリップ率算出部210は、前輪のスリップ率および後輪のスリップ率をアンチロックブレーキ制御手段230に出力する。
なお、上記したスリップ率に代えて、同様の意味を持つスリップ量(車体速度と各車輪速度との差)を用いてもよい。
操作検出部220は、ブレーキレバー13が操作されたこと、およびブレーキペダル14が操作されたことを検出する。操作検出部220は、検出した結果をアンチロックブレーキ制御手段230に出力する。
アンチロックブレーキ制御手段230は、前輪の車輪ブレーキFおよび後輪の車輪ブレーキRに対して公知のアンチロックブレーキ制御を実行する機能を有している。アンチロックブレーキ制御手段230は、路面状況認識部201から出力された減圧閾値と、スリップ率算出部210から出力されたスリップ率と、操作検出部220の検出結果に基づいて制御を実行する。
アンチロックブレーキ制御手段230は、前輪(後輪)がロックしそうになったことを判定して、前輪の液圧制御を減圧制御に決定する。アンチロックブレーキ制御手段230は、前輪のスリップ率が、更新候補の減圧閾値(Mn+1)または現状の減圧閾値(Mn)以上になり、かつ、前輪減速度が0以下となった場合に、減圧制御に決定する。なお、以下では、更新候補の減圧閾値(Mn+1)と現状の減圧閾値(Mn)とから選択される制御用の減圧閾値を「減圧閾値(Mα)」ということがある。
同様に、アンチロックブレーキ制御手段230は、後輪のスリップ率が、制御用の減圧閾値(Mα)以上になり、かつ、後輪減速度が0以下となった場合に、後輪がロックしそうになったと判定して、後輪の液圧制御を減圧制御に決定する。なお、前輪(後輪)減速度は、前輪(後輪)加速度と同じ意味であり、負の値である場合には前輪(後輪)が減速していることを示し、正の値である場合には前輪(後輪)が加速していることを示す。
また、アンチロックブレーキ制御手段230は、前輪(後輪)減速度が0よりも大きいときに、前輪(後輪)の液圧制御を保持制御に決定する。さらに、アンチロックブレーキ制御手段230は、スリップ率が制御用の減圧閾値(Mα)未満となり、かつ、前輪(後輪)減速度が0以下であるときに、前輪(後輪)の液圧制御を増圧制御に決定する。
そして、アンチロックブレーキ制御手段230は、決定した液圧制御に基づく指示(減圧、保持または増圧の指示)を制御実行部250に出力する。
制御実行部250は、アンチロックブレーキ制御手段230から出力された液圧制御の指示に基づいて、液圧ユニット10を制御する機能を有している。具体的に、制御実行部250は、液圧ユニットの電磁弁を制御することによって、液圧回路の液路を開閉し、車輪ブレーキF,Rに作用する液圧を減圧、保持または増圧する。
次に、制御部20における処理について、図5,図6に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。なお、フローチャートの実行主体は制御部20のCPUである。フローチャートは、ミリセカンドオーダーの微小時間Δtで繰り返し実行される。
初めに、図5のステップST1において、路面推定部202が、カメラ30によって撮像された路面RSの画像データを読み込む。
路面推定部202は、ステップST2において、読み込んだ路面RSの画像データに基づいて、車両前方の路面状況を推定する。この場合、路面推定部202は、入力した画像データに対応する画像データを記憶部240に記憶されている路面の画像データから検索し、車両前方の路面状況を推定する。路面推定部202は、推定した路面状況を更新候補の路面(RSn+1)として設定する。
その後、ステップST3において、路面摩擦係数推定部203が更新候補の路面(RSn+1)に基づいて更新候補の路面摩擦係数(μn+1)を推定する。
その後、ステップST4において、摩擦係数変化判定部204が、更新候補の路面(RSn+1)の路面摩擦係数(μn+1)が現状の路面(RSn)の路面摩擦係数(μn)(記憶部240に記憶されている路面状況の路面摩擦係数)と同じであるか否かを判定する。ステップST4において、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)が現状の路面摩擦係数(μn)と同じであると判定した場合(ステップST4、Yes)には、ステップST5に移行する。ステップST5において、減圧閾値設定部205は、現状の路面(RSn)の減圧閾値(Mn)を維持する。また、ステップST5では、現状の減圧閾値(Mn)を制御用の減圧閾値(Mα)に設定するとともに、現状の路面摩擦係数(μn)を制御用の路面摩擦係数(μα)に設定する。
一方、ステップST4において、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)が現状の路面摩擦係数(μn)と同じではない(ステップST4、No)と判定した場合には、ステップST6に移行する。ステップST6において、更新候補の路面(RSn+1)に対する更新候補の減圧閾値(Mn+1)を制御用の減圧閾値(Mα)に設定するとともに、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)を制御用の路面摩擦係数(μα)に設定する。
その後、ステップST8では、減圧閾値設定部205が、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)と制御用の路面摩擦係数(μ)との差が所定値以上であるか否かを判定する。
ステップST8において、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)と現状の路面摩擦係数(μ)との差が所定値以上であると判定した場合(ステップST8、Yes)には、ステップST9に移行してμジャンプを生じる可能性があることを認定する。
その後、ステップST10において、減圧閾値設定部205が、更新候補の路面(RSn+1)に対する減圧閾値(Mn+1)を設定する。また、更新候補の減圧閾値(Mn+1)を制御用の減圧閾値(Mα)に設定する。その後、ステップST11に移行する。
また、ステップST8において、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)と制御用の路面摩擦係数(μα)との差が所定値未満であると判定した場合(ステップST8、No)には、ステップST11に移行する。
ステップST11において、操作検出部220が、ブレーキレバー13およびブレーキペダル14の少なくとも一方が操作されたか否かを判定する。ステップST11において、ブレーキレバー13およびブレーキペダル14のいずれもが操作されていないと判定した場合(ステップST11、No)には、ステップST1に戻り、以下のステップを繰り返す。
一方、ステップST11において、ブレーキレバー13およびブレーキペダル14の少なくとも一方が操作されたと判定した場合(ステップST11、Yes)には、ステップST12に移行する。ステップST12では、スリップが発生しているか否かを判定する。ステップST12では、スリップ率算出部210が、前輪車輪速センサ11および後輪車輪速センサ12から取得した前輪と後輪の車輪速度に基づいて公知の手法により車体速度を算出する。そして、車体速度と前輪(後輪)の車輪速度との差を車体速度で割ることで、前輪(後輪)のスリップ率を算出し、これに基づいてスリップが発生しているか否かを判定する。ステップST12において、スリップが発生していると判定した場合には、ステップST13に移行し、制御用の減圧閾値(Mα)に基づいてアンチロックブレーキ制御を実行する。
例えば、アンチロックブレーキ制御手段230は、前輪(後輪)のスリップ率が、制御用の減圧閾値(Mα)以上になり、かつ、前輪(後輪)減速度が0以下となった場合に、前輪(後輪)がロックしそうになったとして、減圧制御を開始する。
ステップST12において、前輪(後輪)にスリップが発生していないと判定した場合(ステップST12、No)には、ステップST11に戻り、以下のステップを繰り返す。
その後、ステップST14において、ブレーキ操作が終了したか否かを判定する。ブレーキ操作が終了したか否かの判定は、操作検出部220からアンチロックブレーキ制御手段230への検出信号の有無で行う。ステップST14において、ブレーキ操作が終了したと判定した場合(ステップST14、Yes)には、制御部20による制御を終了する。
一方、ステップST14において、ブレーキ操作が終了していないと判定した場合(ステップST14、No)には、ステップST1に戻り、以下のステップを繰り返す。
以上説明した本実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置Uは、車両前方の路面RSの撮像情報に基づいて認識した更新候補の路面状況が現状(記憶部240に記憶されている路面状況の路面摩擦係数μn)と異なる場合に、更新候補の路面状況に対応する液圧制御を実行できる。このように、本実施形態では、車両前方の路面状況を事前に検出して、ブレーキ制御のフィードフォワード制御が可能である。これによって、車両の走行が安定する。
また、本実施形態では、車両前方の路面の撮像情報に基づいて認識した更新候補の路面状況が現状と異なる場合に、更新候補の路面状況に対応した更新候補の減圧閾値(Mn+1)に基づいて液圧制御を実行できる。したがって、本実施形態では、車両が走行しようとする路面状況を事前に検出して、ブレーキ制御のフィードフォワード制御が可能である。これによって、車両の走行が安定する。
また、制御部20は、更新候補の路面状況に対応する路面摩擦係数(μn+1)を推定し、推定した路面摩擦係数(μn+1)が現状の路面摩擦係数(μn)と異なる場合に、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)に基づいた液圧制御を実行できる。したがって、車両前方の路面状況を事前に検出して、ブレーキ制御のフィードフォワード制御が可能である。これによって、車両の走行が安定する。
また、制御部20は、更新候補の路面状況に対応して推定した路面摩擦係数(μn+1)と現状の路面摩擦係数(μn)との差が所定値以上である場合に、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)に基づいた液圧制御を実行できる。これによって、高μから低μにμジャンプするような路面RS、あるいは低μから高μにμジャンプするような路面RSを走行する場合に、これを事前に検出して、ブレーキ制御のフィードフォワード制御が可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置について説明する。本実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置Uが前記第1実施形態と異なるところは、複数種類のブレーキ制御モードを備えている点である。
ブレーキ制御モードは、路面状況に応じて記憶部240に予め複数種類設定されている。ブレーキ制御モードとしては、例えば、高μである乾燥した路面RSを走行する場合のブレーキ制御モードや、低μである濡れた路面RS、図3A,3B、図4A,4Bに示したような路面RSを走行する場合のブレーキ制御モードが挙げられる。なお、複数種類のブレーキ制御モードは、液圧制御時の減圧閾値(Mα)が相互に異なる設定である。
本実施形態では、カメラ30が撮像した路面RSの画像データから車両前方の路面状況を推定し、その推定した路面状況に応じたブレーキ制御モードを、制御部20が自動的に設定するようになっている。
具体的な制御部20における処理について、図7に示すフローチャートを参照して詳細に説明する。
図7に示すフローチャートにおいて、図5に示したフローチャートと同様の部分には、同じステップ番号を付してある。図7では、ステップST1~ST4が図5に示したフローチャートと同様である。
すなわち、ステップST1で、路面推定部202が、カメラ30によって撮像された路面RSの画像データに基づいて車両前方の路面状況を推定する。そして、ステップST2で、読み込んだ路面RSの画像データに基づいて車両前方の路面状況を推定する。その後、ステップST3で、路面摩擦係数推定部203が更新候補の路面(RSn+1)に基づいて更新候補の路面摩擦係数(μn+1)を推定する。そして、ステップST4で、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)が現状(記憶部240に記憶された路面状況)の路面摩擦係数(μn)と同じであるか否かを判定する。同じであると判定した場合(ステップST4、Yes)には、ステップST1に戻り以降のステップを繰り返す。
ステップST4において、更新候補の路面摩擦係数(μn+1)が現状の路面摩擦係数μnと異なると判定した場合(ステップST4、No)には、ステップST15に移行する。ステップST15において、制御部20は、ブレーキ制御モードを選択する。制御部20は、記憶部240に記憶されている複数種類のブレーキ制御モードを参照して、今回推定された路面状況としての更新候補の路面摩擦係数(μn+1)に関連付けられているブレーキ制御モードを読み込み、これを車両のブレーキ制御モードとして設定する。
なお、制御部20は、更新候補の路面状況に対応して推定した路面摩擦係数(μn+1)と現状の路面摩擦係数μnとの差が所定値以上である場合に、更新候補の路面状況に応じたブレーキ制御モードに切り替えるように構成してもよい。
以上説明した本実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置Uでは、車両前方の路面の撮像情報に基づいて認識した更新候補の路面状況が現状と異なる場合に、更新候補の路面状況に対応するブレーキ制御モードで液圧制御を実行できる。したがって、車両前方の路面状況を事前に検出して、ブレーキ制御のフィードフォワード制御が可能である。これによって、車両の走行が安定する。
また、制御部20は、更新候補の路面状況に対応する路面摩擦係数(μn+1)を推定し、推定した路面摩擦係数(μn+1)が現状の路面摩擦係数(μn)と異なる場合に、更新候補の路面状況に応じたブレーキ制御モードに切り替える。これによって、更新候補の路面状況に対応する路面摩擦係数(μn+1)に基づいた液圧の制御を実行できる。したがって、車両前方の路面状況を事前に検出して、ブレーキ制御のフィードフォワード制御が可能である。
また、複数種類のブレーキ制御モードは、液圧制御時の制御用の減圧閾値(Mα)が相互に異なる設定であるので、路面状況に対応したブレーキ制御を好適に実行できる。
なお、ブレーキ制御モードを手動で変更できるスイッチ等をハンドル等に設けて、自動で制御されるブレーキ制御モードと併用してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、制御用の減圧閾値(Mα)は、前輪と後輪とで異なる設定としてもよい。
また、撮像された画像データからスリップする可能性の高いマンホールMA(図3A参照)等との距離感を考慮して、ブレーキ制御の介入タイミングを適宜設定するように構成してもよい。
また、色々な路面RSを車両が走行する過程で、路面状況のデータを収集するように構成して、これを路面状況の推定のために用いるように構成してもよい。
また、路面状況の推定のためのデータは、スタンドアロンで使用してもよいし、複数の車両間で共有してもよい。また、リンク可能なライブラリとして使用してもよい。
また、前記実施形態のブレーキ制御装置は、前輪および後輪のブレーキ制御を行うものであったが前輪または後輪のいずれかの系統のブレーキのみを制御するものであってもよい。
20 制御弁
30 撮像部
201 路面状況認識部
240 記憶部
F、R 車輪ブレーキ
U バーハンドル車両用ブレーキ制御装置

Claims (9)

  1. バーハンドル車両の車輪ブレーキの液圧を制御する制御部と、
    車両前方の路面を撮像する撮像部と、
    前記撮像部によって撮像された撮像情報に基づいて路面状況を認識する路面状況認識部と、
    前記路面状況認識部によって認識された路面状況を記憶する記憶部と、を備え、
    前記制御部は、前記路面状況認識部によって認識された車両前方の最新の路面状況が前記記憶部に記憶されている路面状況と異なる場合には、最新の路面状況および前記記憶部に記憶されている路面状況のどちらか一方に基づいて液圧の制御を実行することを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  2. バーハンドル車両の車輪ブレーキの液圧を制御する制御部と、
    車両前方の路面を撮像する撮像部と、
    前記撮像部によって撮像された撮像情報に基づいて路面状況を認識する路面状況認識部と、
    前記路面状況認識部によって認識された路面状況を記憶する記憶部と、を備え、
    前記制御部は、前記路面状況認識部によって認識された最新の路面状況に対応する路面摩擦係数を、予め記憶された路面摩擦係数のテーブルを参照して推定し、推定した前記路面摩擦係数と前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数との差が所定値以上である場合に、推定した前記路面摩擦係数に基づいて液圧の制御を実行することを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  3. バーハンドル車両の車輪ブレーキの液圧を制御する制御部と、
    車両前方の路面を撮像する撮像部と、
    前記撮像部によって撮像された撮像情報に基づいて路面状況を認識する路面状況認識部と、
    前記路面状況認識部によって認識された路面状況を記憶する記憶部と、を備え、
    前記制御部は、前記路面状況認識部によって認識された車両前方の最新の路面状況が前記記憶部に記憶された路面状況と異なる場合には、液圧制御時の減圧閾値を最新の路面状況に対応した減圧閾値に持ち替えて液圧の制御を実行することを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  4. 前記制御部は、最新の路面状況に対応する路面摩擦係数を推定し、推定した前記路面摩擦係数が前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数と異なる場合に、推定した前記路面摩擦係数および前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数のどちらか一方に基づいて液圧の制御を実行することを特徴とする請求項1に記載のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  5. 前記制御部は、最新の路面状況に対応して推定した路面摩擦係数と前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数との差が所定値以上である場合に、推定した前記路面摩擦係数に基づいて液圧の制御を実行することを特徴とする請求項に記載のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  6. バーハンドル車両の車輪ブレーキを液圧制御する制御部と、
    車両前方の路面を撮像する撮像部と、
    前記撮像部によって撮像された撮像情報に基づいて路面状況を認識する路面状況認識部と、
    前記路面状況認識部によって認識された路面状況を記憶する記憶部と、を備え、
    前記制御部は、前記路面状況認識部によって認識された車両前方の最新の路面状況が前記記憶部に記憶された路面状況と異なる場合には、路面状況に応じて予め設定された複数種類のブレーキ制御モードの中から最新の路面状況に応じた前記ブレーキ制御モードを選択することを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  7. 前記制御部は、最新の路面状況に対応する路面摩擦係数を推定し、推定した前記路面摩擦係数が前記記憶部に記憶された路面状況の路面摩擦係数と異なる場合に、最新の路面状況に応じた前記ブレーキ制御モードを選択することを特徴とする請求項に記載のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  8. 複数種類の前記ブレーキ制御モードは、液圧制御時の減圧閾値が相互に異なる設定であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
  9. 前記路面状況認識部による路面状況の認識は、ディープラーニングにより作成された学習器を用いて行われることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のバーハンドル車両用ブレーキ制御装置。
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