以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用されてもよい。
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技媒体:遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
上扉12aには、表示手段13、音出力手段14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。表示手段13は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、音出力手段14は、例えばスピーカであり、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、表示手段13や音出力手段14の他にランプ(LED)などの照明装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第1リール20aの中段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの中段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図2参照)が設けられている。
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて表示手段13および音出力手段14等の演出用の装置の制御を行う。
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づきナビ演出(補助演出)を行うか否かを決定する。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいはナビ演出を行うか否かの決定に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。すなわち、各乱数値には、1つの当選役が対応付けられているものと、複数の当選役が対応付けられているものとが存在する。したがって、内部抽選によって、1つの役が当選する場合と、複数の役が重複して当選する場合とが存在する。
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役、およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でボーナスに当選すると、ボーナスの当選フラグの当選状態を、ボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると内部抽選テーブルが、各設定に対応付けられた内部抽選テーブルに変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なるようにされている。
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
遊技状態制御手段49は、図3に示すように、通常状態、ボーナス成立状態およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
内部抽選手段42は、遊技状態に応じて複数の内部抽選テーブルのうちから内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、通常状態では、ボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、ボーナス成立状態では、ボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、ボーナス状態では、ボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
遊技状態は、初期状態においては、通常状態となっている。
また、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、通常状態においてボーナスが当選した場合に、遊技状態をボーナス成立状態へ移行させる。
ボーナス成立状態は、内部抽選でボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、ボーナスが入賞するまでボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。また、ボーナス状態では、ボーナス状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、定められた所定枚数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、ボーナス状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、ボーナス状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またボーナス状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典抽選手段82とを備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、内部抽選の結果が、打順に応じて払い出されるメダルの枚数が異なる所定の結果となった場合に、より多くのメダルの払い出しを受けることが可能な打順(遊技者に有利な打順)を報知して、より多くのメダルの払い出しを受けることができる役の入賞を補助する指示演出(ナビ演出)を行うか否かを決定する。指示機能制御手段51がナビ演出を行うと決定すると、演出制御手段100が、ナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させるようになっている。
遊技区間制御手段80は、図4に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典抽選手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態ではナビ演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限りナビ演出を行うことができるようになっている。
特典抽選手段82は、非有利区間においては、所定の役(当選エリア)の当選に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値が閾値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ(図示せず)の値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタの値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタへの加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタの記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタの値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタの値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタの値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタの値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタの値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初のナビ演出(打順を指示するナビ演出)を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
演出状態制御手段81は、図4に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態およびAT演出状態(ナビ演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよく、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
非有利区間演出状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典抽選手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。
通常演出状態においては、特典抽選手段82は、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、特典抽選手段82は、内部抽選の結果に基づいて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、AT抽選を行う。
なお、通常演出状態は、AT演出状態への移行確率が非有利区間演出状態よりも高く、非有利区間演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。また、通常演出状態は、ナビ演出が行われる頻度がAT演出状態よりも低く、ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
AT抽選に当選すると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させることを決定する。AT抽選に当選し、演出状態をAT演出状態へ移行させることを決定した場合、演出状態制御手段81は、記憶手段60のRAMに設けられたAT遊技数カウンタ67の記憶値に所定の値を設定し、演出状態をAT演出状態へ移行させる。本実施形態においては、AT遊技数カウンタ67には、例えば50回分の遊技に相当する値として「50」が設定される。また、AT演出状態においては、特典抽選手段82は、スイカ、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合に、AT演出状態での遊技回数を増加させるか否か決定する(AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選結果に基づいて決定された遊技の回数に相当する値がAT遊技数カウンタ67に加算される。
なお、AT演出状態の開始時にAT遊技数カウンタ67に設定される値は、抽選等により決定されるものであってもよい。
演出状態制御手段81は、AT演出状態において遊技が行われる毎に、AT遊技数カウンタ67の記憶値から、一回分の遊技回数に相当する値「1」を減算するデクリメント処理を行う。そして、AT遊技数カウンタ67の記憶値が閾値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件が成立したものと判断してAT演出状態を終了させ、演出状態を非有利区間演出状態に移行させる。
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がボーナス成立状態である場合にAT演出状態に移行し、通常状態やボーナス状態においてはAT演出状態に移行しないようになっていてもよい。換言すると、通常状態やボーナス状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がボーナス成立状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するボーナス状態の終了後に通常状態を経由して再びボーナス成立状態に移行するまでの間、AT演出状態(AT遊技数カウンタ67の更新)を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞するとナビ演出を止め、再びボーナス成立状態に移行するとナビ演出を再開させるようにしてもよい。
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が通常区間に移行する際に、ナビ演出に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化するナビ情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタの記憶値、ナビ演出に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)、AT遊技数カウンタ67の記憶値等を初期化する。すなわち、ナビ演出(指示機能)に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、所定の役の入賞を補助するナビ演出を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。
液晶ディスプレイ13は、その表示面に演出画像を表示させることにより、演出を実行する。また、液晶ディスプレイ13に表示される演出画像は、描画素材(素材画像)が配置された複数のレイヤを重ね合せて形成された合成画像となっている。図5は、各演出に対応する描画素材が配置されるレイヤの概念を示す図である。
液晶ディスプレイ13に表示される演出画面は、例えば1秒間が30コマ(以下、フレームという)で構成されている(いわゆる30fpsのフレームレート)。したがって、例えば1分間の長さを持った演出パターンの場合、その演出画面は全体で60秒×30フレームの計1800フレームにより成り立っている。図5には、その最小単位に当たる1つのフレームを構成するレイヤ構造が示されている。
各フレームの実体は、複数の描画素材が重ね合わせられた1つの合成画像である。各フレーム内には仮想的なレイヤがN枚存在し、各レイヤに各描画素材が配置される。重ね合わせられる個々の描画素材には優先度が設定されており、優先度のより低い描画素材が下位のレイヤに配置され、優先度のより高い描画素材が上位のレイヤに配置される。なお、各フレームを成す合成画像は、N枚全てのレイヤに描画素材を配置することにより最大N個の描画素材を重ね合わせて構成することが可能であるが、演出の内容に応じて各合成画像を構成する描画素材の数は変動し、必ずしもN個の描画素材から構成されるものではない。また、合成画像を構成する描画素材がN個に満たない場合に、レイヤが必ずしも空き番なく下位から詰めて使用されるとは限らず、フレーム画像の合成処理における効率等を考慮してレイヤが使用されるため、不使用のレイヤが中間部分に適宜発生し得る。
1つのフレームを描画する際には、優先度の低い描画素材から1つずつ順に相応のレイヤに描画される。例えば、1つのフレームが5個の描画素材で構成される場合には、まず優先度が最も低い(優先順位5位の)描画素材が最も下位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。次に優先度が2番目に低い(優先順位4位の)描画素材が、優先順位5位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。このようにして優先度に従い描画素材が次々と描画されていき、最後に優先度が最も高い(優先順位1位の)描画素材が優先順位2位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。全ての描画素材を各レイヤに描画し終えた段階で、これらのレイヤを上位側(前面側)からみた合成画像が、そのフレームに対応する合成画像として液晶ディスプレイ13に表示される。換言すると、合成画像を液晶ディスプレイ13で見た場合、下位のレイヤに配置された描画素材は、上位のレイヤに配置された描画素材に覆われた状態となる。さらに換言すると、上位側のレイヤほど、液晶ディスプレイ13における表示上の優先度が高いといえる。
なお、各合成画像の描画処理は、サブ側記憶手段92のVRAM内の1領域であるフレームバッファを用いて実行され、演出制御手段100が描画処理を行う。新たな描画素材を上位のレイヤに描画することは、新たな描画素材をフレームバッファにバッファされた画像の上に重ねて描画することを意味する。あるフレームを構成する描画素材を優先度の低い方から順にフレームバッファに描画していき、全ての描画素材を描画し終えると、フレームバッファ上に完成した合成画像が当該フレームの画像として液晶ディスプレイ13に表示されることとなる。なお、描画素材は、サブ側記憶手段92の描画素材記憶領域(ROM)に記憶されている。また、各描画素材は、静止画であってもよく、動画(ムービー)であってもよい。
優先度の低い描画素材は、その上から優先度のより高い描画素材が重ねて描画されることにより、その一部又は全部が視認できない場合がある。ただし、各描画素材には透過率の設定が可能であり、上位に重ねられる描画素材に設定された透過率が0%(完全に不透明)でない場合はこの限りではなく、透過率の度合いに応じてその下位側に隠れた描画素材の存在をフレーム画像で視認できる場合もある。加えて、さらに詳細に説明すると、描画素材は2次元のピクセルで構成されるとともに、各ピクセルはRGBA(RGB+A(アルファ値))で表現され、Aが透明度(不透明度)を示す。そして、例えば、Aが255(Aを8ビットで示す場合の上限値)に設定されたピクセルは透明となる。したがって、Aが所定値以上(例えば255)のピクセルの数によっては下位側の描画素材を確認できる。
通常演出状態において各レイヤに配置され得る画像について、図6~図8を参照しながら説明する。図6に、通常演出状態において各レイヤに配置される画像の種類(通常演出状態におけるレイヤと画像の種類との対応関係)を示す。通常演出状態において、演出制御手段100は、第1レイヤ~第5レイヤのそれぞれに各種画像を配置して各種の演出を行う。第1レイヤ~第5レイヤは、数字が大きいレイヤほど、上位の(優先度が高い)レイヤとなっている。
なお、ここでは第1レイヤ~第5レイヤの5個のレイヤに着目して説明するが、実際には演出制御手段100は、5個以上のレイヤを適宜使用して各種演出を行う。なお、各種演出に用いるレイヤは、5個未満であってもよい。
通常演出状態においては、第1レイヤには、所定の背景に関する画像としての第1背景画像が配置され得る。本実施形態では、第1背景画像として、晴れた街中や、晴れた海辺等の、風景の画像が用意されている(図7(a)参照)。第1背景画像は、液晶ディスプレイ13の表示領域よりも横長の画像となっている。すなわち、第1背景画像は、液晶ディスプレイ13の表示領域に比べ、縦方向の長さに対する横方向の長さの比率が高くなっている。
また、通常演出状態においては、第2レイヤには、所定の背景に関する画像としての第2背景画像が配置され得る。本実施形態では、第2背景画像として、第1背景画像と同じ場所(街中や海辺等)を描写するための画像であって、異なる状況(異なる天候あるいは異なる時刻等)を描写するための画像が用意されている。ここで、第2背景画像は、第1背景画像と組み合わせて使用されることで所定の場所の所定の状況(所定の天候あるいは所定の時刻等)の風景を表すようになっていてもよく、第1背景画像と組み合わせずに所定の場所の所定の状況(所定の天候あるいは所定の時刻等)の風景を表すようになっていてもよい。具体的には、例えば、所定の場所としての街中の、晴れた風景と雨の風景とをそれぞれ表したい場合に、第1背景画像としての晴れた街中を描写した画像(図7(a)参照)と、第2背景画像としての雨の街中を描写した画像(図7(b)参照)とをそれぞれ用意し、第1背景画像に代えて、あるいは第1画像の前面側に(第1背景画像の全体を覆うように)第2背景画像を表示させることで、雨の街中の風景を液晶ディスプレイ13に表示させることとしてもよい。また、例えば、第1背景画像としての晴れた街中を描写した画像(図7(a)参照)と、第2背景画像としての雨雲および雨粒を描写した画像(図7(c)参照)とをそれぞれ用意し、第1背景画像の空の部分等に第2背景画像としての雨雲および雨粒を描写した画像を重ね合わせることで、雨の街中の風景を液晶ディスプレイ13に表示させることとしてもよい。換言すると、第2背景画像は、第1背景画像に含まれるオブジェクト(例えば、街中の建物の表示)を一部利用して背景(風景)を表すものであってもよく、第1背景画像に含まれるオブジェクトを利用せずに背景(風景)を表すものであってもよい。なお、第2背景画像は、第1背景画像と同様に液晶ディスプレイ13の表示領域よりも横長の画像であってもよく、第1背景画像に比べ、縦方向の長さに対する横方向の長さの比率が低い画像等であってもよい。
また、通常演出状態においては、第3レイヤには、オブジェクト画像が配置され得る。ここで、オブジェクト画像は、所定のオブジェクトに関する(所定のオブジェクトが描写された)画像である。本実施形態では、オブジェクト画像として、モブキャラクタの画像が用意されている(図7(d)参照)。なお、オブジェクトとは、例えば、人物、動物、乗り物、建造物、自然物(例えば岩、木など)、文字、その他の表示物のことである。また、本実施形態では、1つのオブジェクト画像には、複数のオブジェクト(モブキャラクタ)が含まれている。
また、通常演出状態においては、第4レイヤには、主要オブジェクト画像が配置され得る。ここで、主要オブジェクト画像は、所定のオブジェクトに関する(所定のオブジェクトが描写された)画像である。具体的には、主要オブジェクト画像は、演出上メインとなるオブジェクト(主要オブジェクト)に関する画像である。換言すると、主要オブジェクト画像のオブジェクトは、第3レイヤに配置されるオブジェクト画像のオブジェクトよりも重要度が高く、目立つ(遊技者の目を引く)オブジェクトとなっている。本実施形態では、主要オブジェクト画像として、主要キャラクタの画像が用意されている。具体的には、主要オブジェクト画像として、主要キャラクタが歩く動作(第1アクション)をする第1主要オブジェクト画像(図8(e)参照)と、主要キャラクタが風に耐える動作(第2アクション:例えば帽子を押さえる動作)をする第2主要オブジェクト画像(図8(f)参照)と、主要キャラクタが振り返る動作(第3アクション)をする第3主要オブジェクト画像(図8(g)参照)と、が用意されている。
また、通常演出状態においては、第5レイヤには、差込画像が配置され得る。本実施形態では、差込画像として、風の画像(図8(h)参照)やチラシの画像(図8(i))等が用意されている。なお、差込画像は、所定のキャラクタの画像等であってもよい。
通常演出状態においては、液晶ディスプレイ13には、図9に示す第1表示と第2表示と第3表示とを含む複数種類の表示がされる。第2表示および第3表示は、画面(場面)を第1表示から切り替えずに行う表示(背景(背景の少なくとも一部)の表示を第1表示から変えないで行う表示)であり、第2表示または第3表示を行う演出は差し込み演出ともいえる。本実施形態では、差し込み演出は、差込画像を差し込むことにより行われる。なお、差込画像は、遊技機の状態(遊技者に有利な状態)に関する所定の示唆(報知)を行う画像であってもよく、差し込み演出(第2表示または第3表示)は、当該示唆(報知)に係る表示であってもよい。例えば、差し込み演出においては、チラシの種類に応じて、所定の示唆(報知)がされるようになっていてもよい。換言するとチラシは、所定の示唆(報知)を行うオブジェクトであってもよい。具体的には、例えば、チラシの色によって役の示唆(当選した役あるいは入賞する役の示唆等)を行ってもよい。また、例えば、チラシの枚数(多い、少ない)によって、遊技者に有利な状態(有利な遊技状態あるいは有利な演出状態(例えばAT演出状態)等)に関する示唆(当該状態への移行の期待度や、滞在している状態に関する示唆等)を行ってもよい。また、風の強弱によって、これらの各種示唆を行ってもよい。また、風の強弱とチラシとの組み合わせによって、これらの各種示唆を行ってもよい。換言すると、第2表示と第3表示とは複合して実行され得るものであってもよい。
第1表示は、通常演出状態におけるデフォルト表示である。第1表示は、所定の背景上で(例えば晴れた街中の風景の中で)主要キャラクタが歩行する表示となっている。第1表示は、演出制御手段100が、第1レイヤに所定の背景の第1背景画像を配置(描画)し、第3レイヤにモブキャラクタのオブジェクト画像を配置(描画)し、第4レイヤに主要キャラクタの第1主要オブジェクト画像を配置(描画)することにより実現される。具体的には、演出制御手段100は、第4レイヤにおいて液晶ディスプレイ13の表示領域の左右方向中央部となる位置に第1主要キャラクタ画像を配置することで、液晶ディスプレイ13の表示領域の左右方向中央部において主要キャラクタが歩く動作(第1アクション:その場で左方向を向きながら足踏みをするような動作)をする表示を行う。また、演出制御手段100は、この主要キャラクタの歩く動作に合わせて第1レイヤの第1背景画像を左から右に移動(スクロール)させることで、第1背景画像によって表される風景が左から右に流れる表示を行う。すなわち、演出制御手段100は、第4レイヤにおける主要オブジェクト画像の表示座標を変えずに第1レイヤにおける第1背景画像の表示座標を変化させることで、第1背景画像によって表される背景上を主要オブジェクト画像によって表される主要オブジェクトが移動する表示(第1背景画像によって表される風景が移り変わる表示)を行う。換言すると、演出制御手段100は、主要オブジェクト画像の表示座標に対する第1背景画像の相対的な表示座標を変化させる(主要オブジェクト画像の表示座標と第1背景画像の表示座標との相対的な関係を変化させる)ことで、主要オブジェクトの移動を表現する。
第2表示は、第1表示がされている状態において所定の条件が成立した場合に実行される表示となっている。第2表示は、所定の背景上で(例えば晴れた街中の風景の中で)主要キャラクタが風に耐える表示となっている。第2表示は、演出制御手段100が、第1レイヤに第1表示と同様(同一)の第1背景画像を配置(描画)し、第4レイヤに主要キャラクタの第2主要オブジェクト画像を配置(描画)し、第5レイヤに風の差込画像を配置(描画)することにより実現される。具体的には、演出制御手段100は、第1レイヤを用いて所定の背景の表示を行い、第5レイヤを用いて風の表示を行うとともに、第4レイヤを用いて主要キャラクタが風に耐える動作(第2アクション)をする表示を行うことで、第2表示を実現する。
第3表示は、第1表示がされている状態において所定の条件が成立した場合に実行される表示となっている。第3表示は、所定の背景上で(例えば晴れた街中の風景の中で)主要キャラクタがチラシに視線を向ける表示となっている。第3表示は、演出制御手段100が、第1レイヤに第1表示と同様(同一)の第1背景画像を配置(描画)し、第4レイヤに主要キャラクタの第3主要オブジェクト画像を配置(描画)し、第5レイヤにチラシの差込画像を配置(描画)することにより実現される。具体的には、演出制御手段100は、第1レイヤを用いて所定の背景の表示を行い、第5レイヤを用いてチラシの表示を行うとともに、第4レイヤを用いて主要キャラクタが振り返る動作(第3アクション)をする表示を行うことで、第3表示を実現する。なお、チラシの表示とは、所定のオブジェクトとしてのチラシが液晶ディスプレイ13の表示領域に表示される表示となっている。そして、主要キャラクタの第3アクションでは、主要キャラクタがチラシの方を向くようにされている。なお、チラシは第1背景画像に対して相対的に動くようになっていてもよく、第3表示は、チラシが主要キャラクタの1部または全体を覆うような演出表現(例えば、最初に主要キャラクタがチラシの方を見た後、液晶ディスプレイ13の表示領域に占めるチラシの画像の割合が徐々に高まっていき(チラシが徐々に拡大され)、表示領域の略全体をチラシの画像が占めるようになる演出表現等)を含んでいてもよい。
なお、第2表示や第3表示において、演出制御手段100は、主要オブジェクト画像の表示座標に対する第1背景画像の相対的な表示座標の変化を中断してもよく、続けてもよい。すなわち、例えば、第2主要キャラクタ画像が風に耐えながらも歩行を続ける画像である場合には、第2表示において主要キャラクタの歩く動作に合わせて第1レイヤの第1背景画像を左から右に移動させればよく、第2主要キャラクタ画像が歩行を止めて風に耐える画像である場合には、第2表示において主要キャラクタが歩行を止めるのに合わせて第1背景画像の左右方向への移動を止めればよい。
本実施形態においては、演出制御手段100は、第2表示の実行中および第3表示の実行中においても、第3レイヤにモブキャラクタのオブジェクト画像を配置(描画)している。一方で、演出制御手段100は、第2表示の実行中および第3表示の実行中においては、第3レイヤに配置されたオブジェクト画像のモブキャラクタが液晶ディスプレイ13の表示領域に表示されないように制御している。
まず、演出制御手段100は、第1表示の実行中においては、オブジェクト画像の透過率を0%とし、表示領域にモブキャラクタを表示させる。
また、演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13の表示を第1表示から第2表示に変更する場合に、オブジェクト画像の透過率を100%とし、表示領域にモブキャラクタが表示されないようにする。
また、演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13の表示を第1表示(あるいは第2表示)から第3表示に変更する場合に、オブジェクト画像の透過率を100%とし、表示領域にモブキャラクタが表示されないようにする。
すなわち、本実施形態では、オブジェクト画像に関する所定のパラメータ(描画に関するパラメータ)の設定を変えることにより、モブキャラクタの表示と非表示とを切り替えている。
液晶ディスプレイ13の表示が第1表示、第2表示および第3表示の間で変更される際の各レイヤに配置される画像および各画像に係る設定の遷移について、図10を参照しながら説明する。
演出制御手段100は、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として第2表示を行う。具体的には、第1表示がされている状態において、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として実行される所定の抽選で所定の結果が得られた場合(例えば、内部抽選の結果が所定の結果となった場合(所定の役(当選エリア)が当選した場合)、あるいは演出に係る抽選(第2表示を行うか否かを決定する抽選)で第2表示を行うことが決定された場合等)に、遊技開始操作を契機として、液晶ディスプレイ13の表示を第1表示から第2表示に更新する。
また、演出制御手段100は、ストップボタン26a~26cに対する第3停止操作を契機として第3表示を行う。具体的には、第1表示がされている状態において、スタートレバー24に対する遊技開始操作(あるいは第3停止操作)を契機として実行される所定の抽選で所定の結果が得られた場合(例えば、内部抽選の結果が所定の結果となった場合(所定の役(当選エリア)が当選した場合)、あるいは演出に係る抽選(第3表示を行うか否かを決定する抽選)で第3表示を行うことが決定された場合等)に、第3停止操作を契機として、液晶ディスプレイ13の表示を第1表示から第3表示に更新する。
また、演出制御手段100は、所定の遊技において第2表示または第3表示がされた場合に(換言すると第2表示または第3表示がされている状態において)、次遊技を開始させるためのスタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、第2表示または第3表示を終了し、液晶ディスプレイ13の表示を第1表示に更新する。換言すると、演出制御手段100は、第2表示または第3表示がされた以降に所定の条件が成立した場合に第1表示を実行する。
第1表示においては、演出制御手段100は、第1レイヤに第1背景画像を配置(描画)し、第3レイヤにモブキャラクタのオブジェクト画像を配置(描画)し、第4レイヤに主要キャラクタの第1主要オブジェクト画像を配置(描画)する。ここで、演出制御手段100は、オブジェクト画像の透過率が0%となるようにして、下位レイヤ(第1背景画像)(オブジェクト画像よりも下位のレイヤの描画素材の合成画像)の上に重ね合わせて合成画像を生成する。したがって、モブキャラクタが液晶ディスプレイ13の表示領域に表れることとなる。
また、液晶ディスプレイ13の表示を第1表示から第2表示に変更する場合に、演出制御手段100は、第1表示において使用していた第1背景画像の第1レイヤへの配置(描画)および第1表示において使用していたオブジェクト画像の第3レイヤへの配置(描画)を続けつつ、第4レイヤに配置(描画)する画像を第2主要オブジェクト画像に変更するとともに、第5レイヤに風の差込画像を配置(描画)する。ここで、演出制御手段100は、オブジェクト画像の透過率が100%となるようにして、下位レイヤ(第1背景画像)(オブジェクト画像よりも下位のレイヤの描画素材の合成画像)の上に重ね合わせて合成画像を生成する。したがって、モブキャラクタが液晶ディスプレイ13の表示領域に表れないこととなる。液晶ディスプレイ13の表示を第1表示から第3表示に変更する場合についても同様である。
また、液晶ディスプレイ13の表示を第2表示または第3表示から第1表示に変更する場合に、演出制御手段100は、第1レイヤへの第1背景画像の配置(描画)および第3レイヤへのオブジェクト画像の配置(描画)を続けつつ、第4レイヤに配置(描画)する画像を第1主要オブジェクト画像に変更するとともに、第5レイヤへの差込画像の配置(描画)を終了する(第5レイヤへの差込画像の配置(描画)を行わないようにする)。ここで、演出制御手段100は、オブジェクト画像の透過率が0%となるようにして、下位レイヤ(第1背景画像)(オブジェクト画像よりも下位のレイヤの描画素材の合成画像)の上に重ね合わせて合成画像を生成する。したがって、モブキャラクタが液晶ディスプレイ13の表示領域に表れることとなる。
また、第1表示から第2表示または第3表示に表示を変更する際に、オブジェクト画像の透過率は、0%から100%に一気に変更される。また、第2表示または第3表示から第1表示に表示を変更する際に、オブジェクト画像の透過率は、100%から0%に一気に変更される。すなわち、オブジェクト画像の透過率を変更する際には、透過率を段階的に変化(フェード)させるのではなく、透過率が瞬間的に切り替わるように(モブキャラクタがフェードアウトあるいはフェードインするのではなく、急に消えたり現れたりするように)制御する。換言すると、演出制御手段100は、透過率を0%から100%あるいは100%から0%に変更する際に、間の値(例えば1%~99%などの値)を介さずに変更する。
なお、演出制御手段100は、オブジェクト画像の透過率を変更する際に、透過率を段階的に変化(フェード)させてもよい。換言すると、演出制御手段100は、透過率を0%から100%あるいは100%から0%に変更する際に、間の値(例えば1%~99%などの値)を介して変更してもよい。
なお、演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13の表示が第2表示となっている状態において、第3停止操作を契機として液晶ディスプレイ13の表示を第2表示から第3表示に更新してもよい(図10(b)参照)。また、第3表示は、第2表示がされている状態において所定の条件の成立に基づいて実行される表示であってもよい。液晶ディスプレイ13の表示を第2表示から第3表示に変更する場合には、演出制御手段100は、第1レイヤへの第1背景画像の配置(描画)および第3レイヤへのオブジェクト画像の配置(描画)を続けつつ、第4レイヤに配置(描画)する画像を第3主要オブジェクト画像に変更するとともに、第5レイヤにチラシの差込画像を配置(描画)する。ここで、演出制御手段100は、オブジェクト画像の透過率が100%となるようにして、下位レイヤ(第1背景画像)(オブジェクト画像よりも下位のレイヤの描画素材の合成画像)の上に重ね合わせて合成画像を生成する。したがって、モブキャラクタが液晶ディスプレイ13の表示領域に表れないままとなる。なお、第3表示を第2表示から移行する表示とした場合に、第3表示において第4レイヤに配置される画像を第2主要オブジェクトのまま等としてもよい。また、第2表示における風の差込画像を、チラシが風に飛ばされる画像とし、第2表示中において第3停止操作がされると、チラシが液晶ディスプレイ13の表示領域に大きく表示されるような(例えば、チラシが主要キャラクタの1部または全体を覆うような)(チラシによって所定の示唆がされるような)第3表示がされることとしてもよい。
なお、オブジェクト画像は、所定のオブジェクトに関する(所定のオブジェクトが描写された)画像であればよく、第1背景画像に合わせたオブジェクトの動き(あるいは静止)が表現可能な画像であればよい。例えば、オブジェクト画像として、第1背景画像の動きに合わせた動きをするモブキャラクタの動画を用意し、この動画を第1背景画像の前面側で再生することとしてもよい。また、例えば、オブジェクト画像を第1背景画像の移動(スクロール)に合わせて移動(スクロール)させてもよい。また、例えば、オブジェクト画像を液晶ディスプレイ13の表示領域よりも横長の画像としてもよい。すなわち、オブジェクト画像を、第1背景画像と同様に、液晶ディスプレイ13の表示領域に比べ、縦方向の長さに対する横方向の長さの比率が高いものとし、第1背景画像の左右方向への移動(スクロール)に合わせてオブジェクト画像を左右方向へ移動(スクロール)させるなどしてもよい。また、オブジェクト画像のオブジェクトは、第1背景画像の動きに合わせて液晶ディスプレイ13の表示領域内で移動することで、背景内で止まっているように見える(第1背景画像の背景に対して相対的に移動しない)オブジェクト等であってもよい。
本実施形態の遊技機によれば、複数のレイヤを重ね合わせて構成される合成画像を表示領域に表示する表示手段13と、表示手段13での表示に関する制御を行う演出制御手段100と、を備え、演出制御手段100は、所定のレイヤに所定のオブジェクト(モブキャラクタ)に関する画像を配置し、所定のオブジェクト(モブキャラクタ)が表示領域に表示されるようにすることと、所定のレイヤに所定のオブジェクト(モブキャラクタ)に関する画像を配置しつつ、所定のオブジェクト(モブキャラクタ)が表示領域に表示されないようにすることと、が実行可能である。
所定のオブジェクトに関する画像を用意しておき、当該オブジェクトの表示/非表示を切り替える場合、通常は、所定のレイヤへの当該画像の配置(描画)をやめることで当該オブジェクトの非表示状態を実現する。しかし、このような手法による場合、他のレイヤの画像とのタイミングを合わせるための処理が複雑となってしまう場合がある。例えば、本実施形態において、第1表示中には、第1レイヤの第1背景画像をスクロールさせ、この第1背景画像に重ねてモブキャラクタを表示させるとともに、第2表示中にも、第1レイヤの第1背景画像をスクロール(表示)させることとする。このような構成においては、第2表示中においても第1背景画像のスクロール(表示)が続けられるため、第2表示から第1表示に戻る際には、第1表示から第2表示に切り替わったときよりも第1背景画像のスクロールが進んだ状態となる。したがって、第2表示から第1表示に戻り、モブキャラクタの表示を再開する場合には、このスクロールが進んだ状態の第1背景画像に合わせてモブキャラクタの表示を行う必要がある。このような構成において、第1表示から第2表示に変更する際に、第3レイヤへのオブジェクト画像の配置をやめてしまうと、第2表示から第1表示に戻りモブキャラクタの表示を再開する際に、第1背景画像の移動量(スクロールの進行具合)を考慮して、オブジェクト画像の表示座標、あるいは動画データとしてのオブジェクト画像をどの時点から再生するか等を算出し、モブキャラクタの表示を再開しなければならず、モブキャラクタの表示に係る処理が複雑あるいは困難なものとなってしまう。特に、第2表示や第3表示中においても背景画像のスクロールが続き、かつ本実施形態のように、第2表示や第3表示から第1表示に戻るタイミングが、次遊技の遊技開始操作の行われるタイミングに応じて異なる場合には、第1表示再開時の第1背景画像のスクロールの進行具合が毎回異なるものとなるため、モブキャラクタの表示を背景の表示に対して適切なものとすることが困難となる。また、このような問題は、第1背景画像がスクロールによって動く場合のみならず、第1背景画像が動画であって第1背景画像に含まれるオブジェクトが動く場合等にも起こり得る。換言すると、オブジェクト画像が配置されるレイヤ以外のレイヤに描かれるオブジェクトが、モブキャラクタの表示中および非表示中の両方において表示されるものであって、モブキャラクタの非表示中に液晶ディスプレイ13の表示領域内で動くものである場合には起こり得る。しかし、本実施形態によれば、第2表示中や第3表示中においても第3レイヤへのオブジェクト画像の配置(描画)が続けられ、第1背景画像のスクロールの進行に応じてオブジェクト画像の描画に関する処理が続けられるので、オブジェクトの表示/非表示の切り替えに係る処理を簡潔にすることができる。換言すると、本実施形態によれば、第2表示中や第3表示中において、液晶ディスプレイ13の表示領域にオブジェクトが表示されないようにしつつも、演出制御手段100によるオブジェクト画像の描画に関する処理(オブジェクト画像の再生(スクロール等を含む))を続けることができるので、オブジェクトの表示/非表示の切り替えに係る制御を簡潔にできる。また、通常の手法ではオブジェクトの非表示中に他のレイヤの画像(例えば、第1背景画像等)がどの程度動いたかなどを算出すること等が困難で実現が難しかった演出等を行うことが可能になり、様々な演出表現が可能となる。
また、本実施形態においては、オブジェクトの表示/非表示を切り替える際に、透過率を段階的に変化(フェード)させるのではなく、透過率が瞬間的に切り替わるようにしているので、オブジェクトの表示から非表示(あるいは非表示から表示)への変化に気づきにくくすることができる。
なお、各画像が配置されるレイヤの上下関係は、上述の通りでなくてもよい。例えば、差込画像が配置されるレイヤをオブジェクト画像が配置されるレイヤや主要オブジェクト画像が配置されるレイヤよりも下位のレイヤとしてもよい。また、例えば、オブジェクト画像が配置されるレイヤを、主要オブジェクト画像が配置されるレイヤよりも上位のレイヤとしてもよい。本実施形態では、第1表示中においてはモブキャラクタと主要キャラクタとが重なった表示となり得るが、第2表示や第3表示中においてはモブキャラクタを非表示としたことで、第2表示や第3表示中(主要キャラクタのアクション中)にモブキャラクタと主要キャラクタとが重なった表示となってしまうことを防止できるようになっている。ここで、オブジェクト画像が配置されるレイヤが、主要オブジェクト画像が配置されるレイヤよりも上位の場合、通常であれば主要キャラクタのアクションに係る表示等が阻害されてしまう可能性が特に高いところ、本実施形態によればこのようなレイヤ構成であっても、主要キャラクタのアクションに係る表示等を確実に遊技者に見せることができる。
なお、本実施形態においては、差込画像を差し込む差し込み演出の実行時にオブジェクト画像に関する透過率の設定を変更する等し、オブジェクト(モブキャラクタ)を非表示状態とすることとしたが、その他のタイミングにおいて、オブジェクト画像に関する透過率の設定を変更する等し、オブジェクトを非表示状態としてもよい。例えば、第2レイヤへの第2背景画像の配置(描画)を行う際に、オブジェクトを非表示状態とすることとしてもよい。換言すると、第2表示や第3表示を、第1表示と同じ場所(街中や海辺等)についての表示であって、異なる天候あるいは異なる時刻(昼、夕方、夜など)についての表示としてもよい。具体的には、例えば、第1背景画像を用いて晴れた街中の風景を液晶ディスプレイ13の表示領域に表示させているときにはモブキャラクタを表示状態(透過率0%)とし、第2背景画像を用いて雨の街中の風景を液晶ディスプレイ13の表示領域に表示させているときにはモブキャラクタを非表示状態(透過率100%)としてもよい。
なお、本実施形態では、オブジェクト画像に関する透過率の設定を変更することで、オブジェクト画像を所定のレイヤに配置したままでのオブジェクトの表示/非表示の切り替えを実現しているが、その他の方法により当該表示/非表示を切り替えることとしてもよい。例えば、第2表示や第3表示においては、主要オブジェクト画像が配置されるレイヤ(第4レイヤ)とオブジェクト画像が配置されるレイヤ(第3レイヤ)との間のレイヤに、第1背景画像または第2背景画像等を配置することでオブジェクト画像を覆い隠し、オブジェクト(モブキャラクタ)が表示されないようにしてもよい。なお、この場合に、第2表示や第3表示中においても、第1レイヤへの第1背景画像の配置を続けてもよく、中断してもよい。