JP7419614B1 - 切削装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この切削装置は建設機械用のアームの先端に取付けられて、ビットの付いたドラムを備え、このドラムをコンクリート建造物の表面に当てつけてそのコンクリート表面を除去する(はつる)。
コンクリート表面の除去量(はつり深さ)を制御し、除去後のコンクリート表面を平坦にするため、ドラムの横に基準ガイドが備えられる。この基準ガイドはドラムのビットが描く円形軌跡に沿う円弧の外周を備える板状の部材である。
ドラムはブラケットを介して建設機械用のアームの先端に取付けられ、ブラケットに備えられた油圧装置によりドラムの位置(角度)はアームの先端に対して固定されている。
これにより、コンクリート表面は、基準面の深さで、かつドラムの幅で、平坦に除去される。この除去された平坦面を基準面として、残りのコンクリート表面の除去作業が続けられる。
この基準ガイドの外周の位置は任意に調整可能であるし、また、ドラムを挟むようにして基準ガイドの一対を配置することもできる。
この発明に関連する技術を開示する他の文献として、特許文献2を参照されたい。
しかしながら、コンクリート表面を平坦かつ均一の深さに除去するには、作業者に熟練が求められていた。建設機械用のアームの先端に対してその位置や角度が固定されたドラムをコンクリート表面に対して平行にするためには、アームの動作を微調整する必要があり、かつ、コンクリート表面に対してドラムを押し当てる力も一定に保たなければならないからである。
そこで、この発明の目的は、コンクリート表面を、容易に、平坦かつ均一の深さで除去することができる切削装置を提供することにある。
ドラム、
該ドラムをその軸方向において挟むように配置される基準ガイドとレベルガイドであって、前記ドラムの軸に対して垂直方向に配置される基準ガイドとレベルガイド、ここで、前記基準ガイドの先端は前記ドラムのビットの先端と同じレベルにあり、前記レベルガイドの先端は前記ドラムのビットよりも前記ドラムの軸側に位置する、
前記ドラム、前記基準ガイド及びレベルガイドを保持する下ブラケット、
建設機械用のアームに取り付けられる上ブラケット、及び
前記下ブラケットと前記上ブラケットとをつなぎ、前記建設機械用のアームからの力が前記基準ガイド及び前記レベルガイドに均等に加わるようにする加圧力調整部、を備えてなる切削装置。
このとき、建設機械用のアームの操作に多少のブレがあっても、加圧力調整部により、自動的に、基準ガイド及びレベルガイドに均一の力がかかる。均一の力がかかった状態で、基準ガイドを基準面に当接しながら移動させ、かつレベルガイドを被切削面に当接しながら移動させれば、仮に被切削面に凹凸があっても、この凹凸の影響を吸収して、両者の間にあるドラムはその周面が基準面の延長面(ドラム軸方向の面)に平行になるよう当てつけられる。よって、建設機械用のアームの操作が簡単になる。
第1局面で規定の切削装置において、前記加圧力調整部は前記下ブラケットと前記上ブラケットとを連結するチルト機構を備え、該チルト機構により、前記下ブラケットは前記上ブラケットに対して前記ドラムの軸方向に揺動する。
このように規定される第2局面の切削装置によれば、加圧力調整部のチルト機構により、下ブラケットがドラムの軸方向に揺動し、もって、被切削面の凹凸を吸収して、切削により表出する面を基準面の高さに合わせることができる。
第2局面に規定の切削装置において、前記チルト機構はヘリカルスプラインを備えた外歯車と該ヘリカルスプラインと歯合するヘリカルスプラインを備えた内歯車とを嵌合してなり、前記外歯車と前記内歯車の嵌合量が外力に応じて変化する。
このように規定される第2局面の切削装置によれば、上ブラケットと下ブラケットを繋ぐチルト機構として、ヘリカルスプライン機構を利用するので、部品点数が削減される。よって、加圧力調整部を安価に提供できるとともにそのメンテナンスも容易になる。
第1局面に規定の切削装置において、前記基準ガイド及び/又は前記レベルガイドはその先端と前記ドラムの軸との距離が可変である。
このように規定される第4局面の切削装置によれば、基準ガイド先端とレベルガイドの先端との距離が調整でき、もって、被切削面であるコンクリート表面の除去量(はつり深さ)を制御できる。
第2局面に規定の切削装置において、前記加圧調整部は前記上ブラケットに対する前記下ブラケットの角度を固定する角度固定部を更に備える。
このように規定される第5局面の切削装置によれば、角度固定部で上ブラケットに対する下ブラケットの角度を固定することで、従来の切削装置と同様に扱える。例えば、最初の基準面を設けるとき、下ブラケットを傾けて固定し、即ち、ドラムを傾けた状態でコンクリート表面を切削する。
第1局面に規定の切削装置において、前記基準ガイド及び/又は前記レベルガイドの先端にはローラが取付けられ、該ローラは前記基準ガイド及び/又は前記レベルガイドに姿勢維持部を介して取付けられ、当接面に対してローラが垂直になる。
被切削面であるコンクリート表面はもとより、基準面からも完全に凹凸を排除することは困難である。そこで、この第6局面で規定するように、基準ガイドやレベルガイドにローラを取付け、姿勢維持部によりこのローラをコンクリート表面や基準面に対して常に垂直にする。これにより、既述の凹凸の影響を排除することができる。
第6局面に規定の切削装置において、前記姿勢維持部は球面ガイドである。
球面ガイドを採用することにより、姿勢維持部の構成がシンプルになる。よって、安価かつ耐久性に優れたものとなる。
第1~7局面のいずれか規定の切削装置がそのアームに取り付けられた建設機械。
かかる建設機械は、コンクリート建造物等の表面の除去作業に適したものとなる。
第1~7局面の何れかに記載の切削装置を用いて、
相手の表面を第1深さまで切削する第1工程と、
前記第1工程で表出した面を更に第2深さまで切削する、第2工程と、含む
平坦面の製造方法。
このように規定される第9局面の製造方法によれば、相手、例えばコンクリート建造物の表面を2段階に分けて切削するので、各段階においてコンクリート建造物の表面を切削するときに要する衝撃力が、一度の切削作業で行うときより小さくなる。
更には、第1~7局面に規定の切削装置は加圧力調整部を備えるので、各工程での切削時にかかる衝撃力も均等になる。換言すれば、想定をこえる大きな衝撃力が加えられることを防止できる。
よって、コンクリート建造物(相手)に与える影響を小さくすることができる。
切削装置1は、図1に示す通り、上部構造10、下部構造20及び上部構造10と下部構造20とを繋ぐパワーチルト部90から構成される。
上部構造10は基板11の上面に立設された一対の板状部材13にロッド15を架設してなる。基板11と板状部材13とで上ブラケットが構成される。ロッド15へ建設機械用のアームの先端部分が固定される。
ドラム30は、切削装置に汎用されるものであり、その周面にはビット31が取付られている。
この例では、ガイドプレート43を一対の板状部材として、その間にガイドローラ45を配置した。このガイドローラ45は、図6に示すように、接触面に対して垂直となるように姿勢が維持される。ガイドローラ45の姿勢を維持する姿勢維持部として、この例では、球面ガイド46を採用した(図5参照)。この球面ガイド46は、一対のガイドプレート43に架設される軸部に形成されたボール部46aと、このボール部46aと摺動するソケット部46bとから構成される。
基準ガイド40をこのレベルガイド50で取り換えることもできる。
一対の板状部材であるガイドプレート53の間にガイドローラ55を配置した。このガイドローラ55は、基準ガイド40のガイドローラ45と同じ構造を備え、被切削面に対して垂直となるように姿勢が維持される。
シリンダ55の油圧を制御することでロッド56の突出量を任意に設定できる。その結果、ガイドプレート53の外縁、即ちガイドローラ55の周面の位置(ドラムの軸からの距離)を任意に設定できる。
ここでパワーチルト部90として、ヘリカルスプラインを備えた外歯車と該ヘリカルスプラインと歯合するヘリカルスプラインを備えた内歯車とを嵌合した機構を採用した。
外歯車を持つ軸91に下ブラケット21の上縁が固定され、当該軸91の回転にともない、下ブラケット21はドラム30の軸方向に揺動する。
軸91の外歯車に歯合する内歯車を備えた筐体93は上部構造10の基板11下面の取付部17へ固定される。
従って、油圧制御部により、ヘリカルスプライン機構へ供給する油量を制御することで、下ブラケット21の角度を調整し、かつその位置で固定可能である。
即ち、油圧制御部とヘリカルスプライン機構とによって、角度固定部が構成される。
その結果、ドラム30の回転により被切削面に加わる衝撃力が均等に維持されることとなる。
図中の矢印は、建設機械用のアームからかけられる力の方向を示す。
図6Aにおいて、コンクリートからなる被切削面S1に、予め基準面S2が形成されているものとする。
図6Aでは、レベルガイド50側は浮いた状態である。この状態から更に矢印方向に力を加えれば、図6B、6C示すように、下部構造20は時計方向に揺動する。最終的には、図6Dに示すように、基準ガイド40が基準面S2に当接しかつレベルガイド50が被切削面S1に当接した状態となる。この状態において、基準ガイド40及びレベルガイド50に均等な力がかかっている。よって、ドラム30により、基準面S2を延長した平面(切削面S3)が形成される。
切削深さの制御が容易になったことから、所望深さの切削を行うとき、これを複数段階に分割して行うこともできる。
図7Aは上側の立壁の表面を除去する動作を示す。
図7Bは下側の立壁の表面を除去する動作を示す。
図7Cは床面を除去する動作を示す。
10 上部構造
20 下部構造
21 下ブラケット
30 ドラム
31 ビット
40 基準ガイド
50 レベルガイド
90 パワーチルト部
91 軸
100 建設機械
101 アーム
Claims (9)
- ドラム、
該ドラムをその軸方向において挟むように配置される基準ガイドとレベルガイドであって、前記ドラムの軸に対して垂直方向に配置される基準ガイドとレベルガイド、ここで、前記基準ガイドの先端は前記ドラムのビットの先端と同じレベルにあり、前記レベルガイドの先端は前記ドラムのビットよりも前記ドラムの軸側に位置する、
前記ドラム、前記基準ガイド及びレベルガイドを保持する下ブラケット、
建設機械用のアームに取り付けられる上ブラケット、及び
前記下ブラケットと前記上ブラケットとをつなぎ、前記建設機械用のアームからの力が前記基準ガイド及び前記レベルガイドに均等に加わるようにする加圧力調整部、を備えてなる切削装置。 - 前記加圧力調整部は前記下ブラケットと前記上ブラケットとを連結するチルト機構を備え、該チルト機構により、前記下ブラケットは前記上ブラケットに対して前記ドラムの軸方向に揺動する、請求項1に記載の切削装置。
- 前記チルト機構はヘリカルスプラインを備えた外歯車と該ヘリカルスプラインと歯合するヘリカルスプラインを備えた内歯車とを嵌合してなり、前記外歯車と前記内歯車の嵌合量が外力に応じて変化する、
請求項2に記載の切削装置。 - 前記基準ガイド及び/又は前記レベルガイドはその先端と前記ドラムの軸との距離が可変である、請求項1に記載の切削装置。
- 前記加圧力調整部は前記上ブラケットに対する前記下ブラケットの角度を固定する角度固定部を更に備える、請求項2に記載の切削装置。
- 前記基準ガイド及び/又は前記レベルガイドにローラが取付けられ、該ローラは前記基準ガイド及び/又は前記レベルガイドに姿勢維持部を介して取付けられ、当接面に対してローラが垂直になる、請求項1に記載の切削装置。
- 前記姿勢維持部は球面ガイドである、請求項6に記載の切削装置。
- 請求項1~7の何れかに記載の切削装置がそのアームに取り付けられた建設機械。
- 請求項1~7の何れかに記載の切削装置を用いて、
相手の表面を第1深さまで切削する第1工程と、
前記第1工程で表出した面を更に第2深さまで切削する、第2工程と、含む
平坦面の製造方法。
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Citations (5)
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JP2000336614A (ja) | 1999-05-28 | 2000-12-05 | Nippon Hodo Co Ltd | 路面切削機 |
JP2014077344A (ja) | 2012-10-08 | 2014-05-01 | Wirtgen Gmbh | 粉砕された表面の粉砕された体積又は面積の測定 |
WO2018096494A1 (en) | 2016-11-24 | 2018-05-31 | Simex Engineering S.R.L. | Equipment for machining surfaces, in particular solid surfaces, in particular for machining rumble strips |
JP2021098948A (ja) | 2019-12-20 | 2021-07-01 | ヒロサワ機械株式会社 | 剥離切削構造 |
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2023
- 2023-03-31 JP JP2023058985A patent/JP7419614B1/ja active Active
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