以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報処理装置および情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
<情報処理方法の概要>
以下では先ず、第1の実施形態に係る情報処理方法の概要について図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る情報処理方法の概要を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る情報処理方法は、例えば情報処理システム1に含まれる情報処理装置10によって実行される。情報処理装置10は、イベント施設100に関する情報の処理やイベント施設100周辺に関する情報の処理など各種の処理を実行可能なサーバである。ここで、イベント施設100は、例えばスポーツの試合などのイベントが行われるスポーツ施設、コンサートや演劇などのイベントが開催される施設(会場)である。
イベント施設100(以下「施設100」と記載する場合がある)では、例えばイベントが終了すると、施設100を利用した利用者、すなわち観客が一斉に出てくる。そのため、施設100の周辺にあるタクシーやバスの乗り場、最寄りの駅などの交通機関乗り場110は混雑し、また、タクシーなどの交通機関に乗るまでに長い時間を要することがあった。
そこで、本実施形態に係る情報処理装置10にあっては、施設100における交通機関乗り場110の混雑を効率良く緩和させることができるような構成とした。
以下、情報処理装置10の処理について具体的に説明すると、情報処理装置10は先ず、施設100における交通機関乗り場110の混雑状況を示す乗り場混雑情報を取得する(ステップS1)。
乗り場混雑情報としては、交通機関乗り場110(以下、単に「乗り場110」と記載する場合がある)の混雑度の情報を用いることができる。なお、混雑度は、乗り場110での混雑状況の度合いを示す指標値であり、例えば乗り場110、あるいは乗り場110の周辺に滞留している人数(留まっている人数)等に応じた数段階のレベルで示される値である。
なお、乗り場混雑情報は、上記した混雑度に限定されるものではなく、例えば人の移動速度など乗り場110の人の流れを示す人流情報や、乗り場110に滞留している人数の情報などであってもよい。
なお、情報処理装置10は、上記した乗り場混雑情報を、例えば乗り場110、あるいは乗り場110周辺にいる人が所持する端末装置40(図2参照)の位置情報や、乗り場110周辺に設置された定点カメラ60(図2参照)のカメラ画像などに基づいて取得するが、これについては後述する。
次いで、情報処理装置10は、取得された乗り場混雑情報に基づいて、交通機関乗り場110とは異なるタクシーDの乗り場200を動的に設定する(ステップS2)。なお、タクシーDの乗り場200は、中継地点の一例である。また、以下では、タクシーDの乗り場200を「タクシー乗り場200」と記載する場合がある。
ここで、上記したタクシー乗り場200が設定される場所は、例えば施設100から少し離れた場所であり、詳しくは後述するように、バスCで移動するような場所である。また、タクシー乗り場200が設定される場所は、例えば施設100でイベントが開催されていないとき、あるいはイベント終了前、タクシー乗り場ではない場所、言い換えるとタクシー乗り場として機能していない場所とされる。
すなわち、タクシー乗り場200は、仮想的に設定される乗り場であり、例えばイベント終了後に新たに設定される乗り場である。具体的には、タクシー乗り場200は、施設100周辺の空き地、商業施設等の大規模駐車場、交通量の比較的少ない広い道路などに設定されるが、これらはあくまでも例示であって限定されるものではない。
なお、図1ではタクシー乗り場200が2カ所である例を示したが、これに限定されず、1カ所または3カ所以上であってもよい。以下、2カ所のタクシー乗り場200を「第1タクシー乗り場200a」、「第2タクシー乗り場200b」と記載する場合があるが、これらを特に区別せずに説明する場合には「タクシー乗り場200」と記載する。
また、タクシー乗り場200は、例えばタクシーDの行先ごとに設定されてもよい。一例として、第1タクシー乗り場200aは行先が「A方面」、第2タクシー乗り場200bは行先が「B方面」に設定される。なお、上記したA,Bは具体的な地名や地域名などである。このようなタクシー乗り場200の設定の詳細については、後述する。
次いで、情報処理装置10は、タクシー乗り場200が設定されると、施設100とタクシー乗り場200との間を運行するバスCの乗り場120を動的に設定する(ステップS3)。なお、以下では、バスCの乗り場120を「バス乗り場120」と記載する場合がある。
ここで、上記したバス乗り場120が設定される場所は、例えば施設100でイベントが開催されていないとき、あるいはイベント終了前、施設100周辺においてバス乗り場ではない場所、言い換えるとバス乗り場として機能していない場所とされる。すなわち、バス乗り場120は、施設100周辺において仮想的に設定される乗り場であり、例えばイベント終了後に新たに設定される乗り場である。
なお、バス乗り場120が設定される場所は、例えば施設100付近であるが、これに限られない。また、バス乗り場120は、タクシー乗り場200に対応するように設定される。すなわち、バス乗り場120は、タクシー乗り場200と同じ2カ所設定される。以下、2カ所のバス乗り場120を「第1バス乗り場120a」、「第2バス乗り場120b」と記載する場合があるが、これらを特に区別せずに説明する場合には「バス乗り場120」と記載する。
第1バス乗り場120aは、行先が第1タクシー乗り場200aであるバスCaの乗り場である。第2バス乗り場120bは、行先が第2タクシー乗り場200bであるバスCbのバス乗り場である。
なお、上記では、バス乗り場120とタクシー乗り場200とが1対1で対応するように設定されるが、これに限定されるものではない。すなわち、1つのバス乗り場120が第1タクシー乗り場200a行き、および、第2タクシー乗り場200b行きのバス乗り場であってもよいし、2つのバス乗り場120がともに第1タクシー乗り場200a行きのバス乗り場であってもよい。従って、図1ではバス乗り場120が2カ所である例を示したが、これに限られず、1カ所または3カ所以上であってもよい。
なお、バスCは、移動体の一例である。かかる移動体は、バスCに限られず、タクシーなどその他の交通機関であってもよい。また、タクシーDは、移動体とは異なる第2移動体の一例である。かかる移動体は、タクシーDに限られず、バスなどその他の交通機関であってもよい。
情報処理装置10は、上記したタクシー乗り場200が設定されると、例えばタクシー乗り場200の位置情報などを、タクシーDに搭載された車載装置50に通知してもよい。これにより、タクシーDは、タクシー乗り場200に到着して待機したり、タクシー乗り場200で乗客を乗せたりすることができる。
また、情報処理装置10は、上記したバス乗り場120が設定されると、例えばバス乗り場120およびタクシー乗り場200の位置情報などを、バスCに搭載された車載装置51に通知して、バスCの運行を開始してもよい。
これにより、バスCは、施設100とタクシー乗り場200との間、正確にはバス乗り場120とタクシー乗り場200との間で、タクシーDを利用する人をピストン輸送する。具体的には、バスCaは、第1バス乗り場120aと第1タクシー乗り場200aとの間で運行し、第1バス乗り場120aの利用者を第1タクシー乗り場200aへ運ぶ。同様に、バスCbは、第2バス乗り場120bと第2タクシー乗り場200bとの間で運行し、第2バス乗り場120bの利用者を第2タクシー乗り場200bへ運ぶ。
このように、本実施形態にあっては、交通機関乗り場110とは異なる位置に、交通機関乗り場110とは異なる中継地点(ここでは仮想的なタクシー乗り場200)が動的に設定され、タクシー乗り場200に対応するバス乗り場120も動的に設定される。従って、交通機関乗り場110に滞留している人(観客)は先ず、白抜きの矢印で示すように、分散しながら第1、第2バス乗り場120a,120bへ移動し、そこからバスCで第1、第2タクシー乗り場200a,200bへ移動することとなる。これにより、本実施形態にあっては、施設100における交通機関乗り場110の混雑を緩和させることができる。
次いで、情報処理装置10は、タクシー乗り場200の混雑状況を示すタクシー乗り場混雑情報を取得する(ステップS4)。例えば、タクシー乗り場混雑情報には、タクシー乗り場200に並んでいる人の数や待ち時間、タクシー乗り場200の混雑度の情報が含まれるが、これに限定されるものではない。なお、ここでの混雑度は、タクシー乗り場200での混雑状況の度合いを示す指標値であり、例えばタクシー乗り場200に並んでいる人数等に応じた数段階のレベルで示される値である。
情報処理装置10は、上記したタクシー乗り場混雑情報を、例えば端末装置40から得られる位置情報に基づいて取得することができるが、これについては後述する。なお、タクシー乗り場混雑情報は、中継地点混雑情報の一例である。
次いで、情報処理装置10は、タクシー乗り場混雑情報に基づいて、施設100とタクシー乗り場200との間を運行するバスCの運行計画を設定する(ステップS5)。これにより、本実施形態にあっては、施設100における乗り場110の混雑を効率良く緩和させることができる。
具体的には、例えば仮に、第1タクシー乗り場200aに並んでいる人が比較的少ない場合、第1バス乗り場120aの人を第1タクシー乗り場200aへバスCで輸送しても、第1タクシー乗り場200aは混雑しにくい。そのため、情報処理装置10は、第1バス乗り場120aの人を比較的多く第1タクシー乗り場200aへ輸送するような運行計画を設定し、バスCを運行させる。
これにより、乗り場110周辺に滞留している人が、第1バス乗り場120a、第1タクシー乗り場200aへと流れやすくなり、よって施設100における乗り場110の混雑を効率良く緩和させることができる。
また、例えば仮に、第1タクシー乗り場200aに並んでいる人が比較的多い場合、第1バス乗り場120aの人を第1タクシー乗り場200aへバスCで輸送しても、第1タクシー乗り場200aがさらに混雑してしまう。そのため、情報処理装置10は、第1タクシー乗り場200aに並んでいる人が少なくなるまで、第1バス乗り場120aの人を第1タクシー乗り場200aへ輸送しないような運行計画を設定し、バスCを運行させる。これにより、第1タクシー乗り場200aでの混雑の発生を抑制しつつ、乗り場110の混雑を緩和させることが可能となる。
なお、情報処理装置10は、上記したように、タクシー乗り場混雑情報に基づいて運行計画を設定するが、例えば天候情報(後述)などその他の情報に基づいて設定してもよく、これについては後述する。
さらに、情報処理装置10は、乗り場110周辺に滞留している人やタクシー乗り場200に並んでいる人に対して、クーポンなどの特典を付与することで、乗り場110の混雑を緩和させることができるが、これについては後述する。
なお、上記では、イベント終了後を例に挙げて説明したが、これに限られず、イベント前であっても、乗り場110の混雑を緩和させることができる。すなわち、例えば、イベント前、情報処理装置10は、タクシー乗り場200とバス乗り場120とを動的に設定する。なお、イベント前、タクシー乗り場200は「タクシー降り場」かつ「バス乗り場」となり、バス乗り場120は「バス降り場」となる。
具体的には、施設100に来る来場者は、タクシー降り場(タクシー乗り場200)でタクシーから降りてバスCに乗る。そして、来場者はバス降り場(バス乗り場120)でバスCから降りて施設100へ向かう。
このように、タクシー降り場(タクシー乗り場200)やバス降り場(バス乗り場120)が設定されることで、上記した来場者は、イベント前、乗り場110を利用せずに施設100に行くことができる。これにより、乗り場110の利用者を減少させることができ、結果として乗り場110の混雑を緩和させることができる。
なお、上記では、中継地点の一例としてタクシー乗り場200を挙げ、タクシー乗り場200でタクシーD(第2移動体の一例)が乗客を乗せてA方面などの目的地へ向かう例を示したが、これに限定されるものではない。図示は省略するが、例えば中継地点は、乗り場混雑情報等に基づいてA方面や駅など行先ごとに設定される「バス乗り場」であってもよい。なお、かかるバス乗り場は、図1に示すバス乗り場120とは異なるバス乗り場(タクシー乗り場200に対応する乗り場)である。そして、バス乗り場(200)では、バス(第2移動体の一例)が乗客を乗せてA方面などの目的地へ向かうようにしてもよい。また、施設100に来る来場者は、バス降り場(200)でバスから降りてバスCに乗る。そして、来場者はバス降り場(バス乗り場120)でバスCから降りて施設100へ向かうことになる。
<情報処理システムの構成>
次に、本実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成について、図2を用いて説明する。図2は、情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理システム1は、上記した情報処理装置10と、端末装置40と、車載装置50,51と、定点カメラ60と、表示装置70,80とを含み、これらはインターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。なお、図2では、図示の簡略化のため、端末装置40、車載装置50,51、定点カメラ60および表示装置70,80をそれぞれ1つ示したが、複数であってもよい。
端末装置40は、施設100の利用者(観客)に所持されて使用される装置である。なお、端末装置40を使用する人を、以下では「ユーザ」と記載する場合がある。端末装置40としては、例えばスマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
端末装置40には、例えばGPS(Global Positioning System)衛星からの信号に基づいてユーザの位置(正確には端末装置40の位置)を示すユーザ位置情報を検出するGPS受信機などが含まれる。端末装置40は、検出したユーザ位置情報を情報処理装置10へ送信することができる。
端末装置40は、タクシーを予約する処理を行うことができる。例えば、端末装置40は、ユーザの操作により、行先等が入力され、これらを予約情報として情報処理装置10へ送信する。なお、予約情報に含まれる行先は、「A方面」など方向を示す情報であってもよいし、具体的な降車予定位置の情報であってもよい。また、予約情報は、行先に加えて、あるいは代えて乗車予定人数などその他の情報が含まれてもよい。また、予約情報は、行先や乗車予定人数の情報を含まず、予約をする旨の情報のみであってもよい。情報処理装置10は、端末装置40から予約情報を受信すると、予約を受け付ける処理を実行するが、これについては後述する。
上記した予約処理は、例えば端末装置40に登録されたアプリケーション(以下、アプリ)によって行われるが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば図示しない外部装置(外部サーバ)から端末装置40に配信されるタクシー予約サイトを介して予約処理が行われ、予約情報が外部装置から情報処理装置10へ送信されるなど、その他の手法で予約処理が行われてもよい。
車載装置50は、上記したようにタクシーに搭載される装置である。車載装置50には、例えばGPS受信機が含まれ、GPS衛星からの信号に基づいてタクシーの位置を示す車両位置情報(タクシー位置情報)を検出する。車載装置50は、検出した車両位置情報を情報処理装置10へ送信することができる。
車載装置50は、上記した車両位置情報(タクシー位置情報)の他に、タクシーの稼働状態を示す稼働状態情報を情報処理装置10へ送信することができる。タクシーの稼働状態とは、例えば「空車」や「実車」などのタクシーの状態(動態)を意味する。なお、車載装置50において「空車」および「実車」の切り替えは、運転手の操作によって行われる。
車載装置50は、情報処理装置10から送信される配車指示(後述)を受信することができる。ここでは、配車指示は、タクシー乗り場200への配車指示である。車載装置50で配車指示が受信されると、タクシーは、タクシー乗り場200へ向かって移動し、タクシー乗り場200で乗客を乗せる。
車載装置51は、バスに搭載される装置である。車載装置51には、例えばGPS受信機が含まれ、GPS衛星からの信号に基づいてバスの位置を示す車両位置情報(バス位置情報)を検出する。車載装置51は、検出した車両位置情報を情報処理装置10へ送信することができる。
車載装置51は、情報処理装置10から送信される運行計画を受信することができる。ここでは、運行計画には、例えばバス乗り場120の出発時間、タクシー乗り場200への到着時間、タクシー乗り場200からバス乗り場120へ戻るときのタクシー乗り場200の出発時間、バス乗り場120への到着時間などの情報を含む。車載装置51で運行計画が受信されると、バスは、運行計画に従って施設100(正確にはバス乗り場120)とタクシー乗り場200との間で運行する、言い換えると、ピストン輸送する。
定点カメラ60は、交通機関乗り場110周辺に設定される。定点カメラ60は、交通機関乗り場110周辺を撮像し、撮像されたカメラ画像を情報処理装置10へ送信することができる。なお、定点カメラ60のカメラ画像は、動画データであるが、これに限られず、静止画データなどであってもよい。かかるカメラ画像は、情報処理装置10において乗り場混雑情報として取得されるが、これについては後述する。
なお、定点カメラ60は、乗り場110周辺の人を検知する人体検知センサであってもよい。人体検知センサとしては、例えば赤外線信号を用いた焦電センサなどを採用することができる。
なお、上記したように、情報処理装置10が、端末装置40の位置情報に基づいて乗り場混雑情報を取得する場合、言い換えると、定点カメラ60のカメラ画像が乗り場混雑情報として利用されない場合、定点カメラ60は除去されてもよい。
表示装置70は、タクシー乗り場200に設置可能に構成され、例えばタクシーの行先などタクシー乗り場200に関する情報が表示される。表示装置70としては、例えばデジタルサイネージを用いることができ、情報処理装置10などから通信ネットワークNを介して配信される各種の情報が表示される。なお、表示装置70については、図10を参照して後述する。
表示装置80は、バス乗り場120に設置可能に構成され、例えばバスの行先などバス乗り場120に関する情報が表示される。表示装置80も、表示装置70と同様、例えばデジタルサイネージを用いることができ、情報処理装置10などから配信される各種の情報が表示される。
<情報処理装置の構成>
次いで、情報処理装置10の構成について図3等を参照して具体的に説明する。図3は、情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。なお、図3のブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図3のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
図3に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、制御部20と、記憶部30とを備える。
通信部11は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、端末装置40、車載装置50,51、定点カメラ60および表示装置70,80等との間で情報の送受信を行う。
制御部20は、受付部21と、取得部22と、設定部23と、表示制御部24と、付与部25と、提供部26とを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20の受付部21、取得部22、設定部23、表示制御部24、付与部25および提供部26として機能する。
また、制御部20の受付部21、取得部22、設定部23、表示制御部24、付与部25および提供部26の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
また、記憶部30は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30には、乗り場混雑情報31、ユーザ情報32、バス乗り場情報33、タクシー乗り場情報34、特典情報35、天候情報36および各種プログラムなどが記憶される。
乗り場混雑情報31は、施設100における交通機関乗り場110の人の混雑状況を示す情報である。ここで、図4を用いて、乗り場混雑情報31について説明する。図4は、乗り場混雑情報31の一例を示す図である。
図4に示すように、乗り場混雑情報31には、「交通機関乗り場ID」、「交通機関名」および「混雑度」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
「交通機関乗り場ID」は、交通機関乗り場110を識別する識別情報である。「交通機関名」は、交通機関の名称を示す情報であり、具体的には、施設100の周辺にある既存のタクシーやバスの乗り場、最寄りの駅などの名称を示す情報である。なお、図4に示す例では、便宜上、「交通機関名」を「交通機関G1」といったように抽象的な記載とするが、「交通機関G1」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
「混雑度」は、上記した乗り場混雑情報であり、詳しくは乗り場110での混雑状況の度合いを示す情報である。乗り場混雑情報31には、「混雑度」に加えてあるいは代えて、上記した乗り場110周辺に滞留している人数や、人の移動速度など乗り場110周辺の人の流れを示す人流情報などが含まれてもよい。
図4に示す例では、交通機関乗り場ID「F01」で識別される乗り場110のデータは、交通機関名が「交通機関G1」、混雑度が「混雑度H1」であることを示している。
図3の説明に戻ると、ユーザ情報32は、ユーザに関する情報である。ここで、図5を用いて、ユーザ情報32について説明する。図5は、ユーザ情報32の一例を示す図である。
図5に示すように、ユーザ情報32には、「ユーザID」、「ユーザ位置」、「予約」、「行先」および「属性」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
「ユーザID」は、端末装置40を使用するユーザを識別する識別情報である。「ユーザ位置」は、ユーザの位置を示すユーザ位置情報である。「予約」は、タクシーの予約の有無を示す情報である。
「行先」は、ユーザのタクシー乗り場200からの行先を示す情報である。例えば「行先」は、施設100でのイベント終了後におけるユーザの行先を示す情報である。具体的に「行先」には、端末装置40から送信される予約情報に含まれる行先の情報が登録される。
なお、行先の情報が予約情報に含まれていない場合、あるいは予約がなされていない場合、その他の情報から行先が推定され、推定された行先の情報が「行先」に登録されてもよい。すなわち、ユーザは、例えばイベントが終了すると、施設100へ行くときの経路とは逆の経路で帰ったり、施設100から自宅へ帰ったりすることが多い。そのため、例えば制御部20の取得部22(図3参照)は、端末装置40からユーザの行動履歴情報(具体的には施設100へ行くときの経路の情報)や自宅情報などを取得し、かかる行動履歴情報や自宅情報などに基づいて、イベント終了後におけるユーザの行先を推定することができる。そして、取得部22は、推定された行先の情報を、ユーザ情報32の「行先」として登録することができる。
「属性」は、バスやタクシーを利用する人の属性を示す属性情報である。「属性」には、例えば高齢者や妊婦、子供、車椅子等の利用者などの情報が含まれ、かかる情報に、例えば移動に関する情報が対応付けられる。具体的には、バス乗り場120等までの移動困難度に関する情報が対応付けられる。かかる移動困難度は、例えばバス等を利用する人が高齢者や車椅子の利用者等であったりして、段差や高低差の移動が困難となる度合いを示す指標値であり、数段階のレベルで示される値である。なお、「属性」には、バス等を利用する人の年齢、性別などその他の情報が含まれてもよい。
図5に示す例において、ユーザID「J01」で識別されるユーザのデータは、ユーザ位置が「位置K1」、予約が「あり」、行先が「A方面」、属性が「属性L1」であることを示している。
図3の説明に戻ると、バス乗り場情報33は、バス乗り場120に関する情報である。ここで、図6を用いて、バス乗り場情報33について説明する。図6は、バス乗り場情報33の一例を示す図である。
図6に示すように、バス乗り場情報33には、「バス乗り場ID」、「設定位置」、「バスの行先」および「運行計画」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
「バス乗り場ID」は、バス乗り場120を識別する識別情報である。「設定位置」は、設定されたバス乗り場120の位置(場所)を示す位置情報である。「バスの行先」は、バス乗り場120におけるバスの行先を示す情報である。
「運行計画」は、施設100とタクシー乗り場200との間を運行するバスの運行計画を示す情報である。「運行計画」には、上記したように、バス乗り場120の出発時間などの情報が含まれる。
図6に示す例において、バス乗り場ID「M01」で識別されるバス乗り場120のデータは、設定位置が「位置N1」、行先が「第1タクシー乗り場」、運行計画が「計画X1」であることを示している。
図3の説明に戻ると、タクシー乗り場情報34は、タクシー乗り場200に関する情報である。ここで、図7を用いて、タクシー乗り場情報34について説明する。図7は、タクシー乗り場情報34の一例を示す図である。
図7に示すように、タクシー乗り場情報34には、「タクシー乗り場ID」、「設定位置」、「タクシーの行先」、「乗り場人数」および「待ち時間」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
「タクシー乗り場ID」は、タクシー乗り場200を識別する識別情報である。「設定位置」は、設定されたタクシー乗り場200の位置(場所)を示す位置情報である。「タクシーの行先」は、タクシー乗り場200におけるタクシーの行先を示す情報である。
「乗り場人数」は、現在、タクシー乗り場200に並んでいる人の数を示す情報である。なお、上記した「タクシー乗り場200に並んでいる人」は、ユーザ位置情報などから推定される、タクシー乗り場200で実際に並んでいる人に限定されるものではなく、例えば予約情報などに基づいて推定された、タクシー乗り場200へバスで向かっている人、あるいはこれから向かう人を含んでもよい。
「待ち時間」は、対応するタクシー乗り場200に到着した人がタクシーの乗るまでの時間を示す情報である。なお、「乗り場人数」および「待ち時間」は、上記したタクシー乗り場混雑情報の一例である。
図7に示す例において、タクシー乗り場ID「P01」で識別されるタクシー乗り場200のデータは、設定位置が「位置Q1」、タクシーの行先が「A方面」、乗り場人数が「R1人」、待ち時間が「T1分」であることを示している。
図3の説明に戻ると、特典情報35は、クーポンなどの特典に関する情報である。ここで、図8を用いて、特典情報35について説明する。図8は、特典情報35の一例を示す図である。
図8に示すように、特典情報35には、「特典ID」、「付与対象」および「特典」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
「特典ID」は、特典を識別する識別情報である。「付与対象」は、特典を付与する対象を示す情報である。「特典」は、付与する特典の内容を示す情報である。上記した「付与対象」や「特典」は、例えばタクシー乗り場混雑情報(乗り場人数など)に基づいて設定されるが、これについては後述する。
図3の説明に戻ると、天候情報36は、施設100およびタクシー乗り場200の天候に関する情報である。天候情報36は、現在の天候情報に限られず、天候予測情報であってもよい。なお、天候情報36には、施設100およびタクシー乗り場200の天候の少なくともいずれかの天候に関する情報が含まれていればよい。
制御部20の受付部21は、通信部11を介して端末装置40からタクシーの予約情報を受信し、予約を受け付ける処理を実行する。例えば、受付部21は、予約情報に含まれる行先などの情報をユーザ情報32(図5参照)に登録する。また、受付部21は、予約を受け付けたことを示す内容を端末装置40へ通知することができる。
なお、端末装置40においてタクシーの予約処理が、タクシー予約サイトを介して行われた場合、受付部21は、タクシー予約サイトを配信する外部装置から予約情報を受信して予約を受け付ける処理を実行してもよい。
取得部22は、施設100における乗り場110の混雑状況を示す乗り場混雑情報を取得する。例えば、取得部22は、端末装置40の位置情報に基づいて、乗り場110周辺に滞留している人の数を計測し、計測された人数に応じた混雑度を記憶部30の乗り場混雑情報31(図4参照)に登録することができる。
また、取得部22は、定点カメラ60(図2参照)のカメラ画像などに基づいて乗り場混雑情報を取得してもよい。例えば、取得部22は、定点カメラ60から送信されたカメラ画像を解析して乗り場110周辺に滞留している人の数を計測し、計測された人数に応じた混雑度を乗り場混雑情報31に登録してもよい。
また、取得部22は、端末装置40からユーザの位置情報および属性情報を取得し、記憶部30のユーザ情報32のユーザ位置情報、属性情報として登録してもよい。
また、取得部22は、タクシー乗り場200の混雑状況を示すタクシー乗り場混雑情報を取得する。例えば、取得部22は、タクシー乗り場200の乗り場人数の情報をタクシー乗り場混雑情報として取得することができる。例えば、取得部22は、端末装置40の位置情報(すなわちユーザ位置情報)に基づいて、タクシー乗り場200に並んでいる人の数を計測し、計測された人数を記憶部30のタクシー乗り場情報34(図7参照)に登録する。
また、取得部22は、例えば外部サーバから送信される天候情報を取得し、記憶部30に天候情報36として記憶させる。
設定部23は、記憶部30の乗り場混雑情報31を読み出し、乗り場混雑情報31に基づいて、乗り場110とは異なるタクシー乗り場(中継地点)200を動的に設定する。言い換えると、設定部23は、乗り場混雑情報31に基づいて位置や数が変化する動的なタクシー乗り場200を設定する。ここで、タクシー乗り場200の設定等について図9を参照しつつ説明する。図9は、設定部23等で行われる処理を説明する図である。
図9に示すように、例えば設定部23は、乗り場混雑情報に、乗り場110周辺において人が多く滞留していて混雑度が比較的高いことを示す情報が含まれる場合、乗り場110周辺の混雑を緩和させるため、仮想的なタクシー乗り場200(ここでは第1、第2タクシー乗り場200a,200b)を動的に設定する。
タクシー乗り場200の設定の一例としては、設定部23は、上記した施設100周辺の空き地や商業施設等の大規模駐車場など、予め設定された複数の乗り場候補場所の中から、乗り場混雑情報に基づき、タクシー乗り場200として使用可能であって、乗り場110周辺の混雑を緩和可能な場所を選択する。そして、設定部23は、選択された乗り場候補場所を、タクシー乗り場200として設定することができる。なお、図9では、商業施設である店舗210の大規模駐車場が第1タクシー乗り場200aとして設定された例を示している。
設定部23は、タクシー乗り場200が設定されると、タクシー乗り場200の設定位置などタクシー乗り場200に関する各種情報を記憶部30のタクシー乗り場情報34(図7参照)に登録する。
また、設定部23は、タクシー乗り場200が設定されると、仮想的なバス乗り場120(ここでは第1、第2バス乗り場120a,120b)を動的に設定する。設定部23は、バス乗り場120が設定されると、バス乗り場120の設定位置などバス乗り場120に関する各種情報を記憶部30のバス乗り場情報33(図6参照)に登録する。
設定部23は、タクシー乗り場200を設定した後、タクシー乗り場200の位置情報などを、タクシーの車載装置50に通知する配車処理を実行してもよい。例えば、設定部23は、タクシーの車載装置50から送信される稼働状態が空車のタクシーに対して、タクシー乗り場200へ向かうように配車指示を送信してもよい。
また、設定部23は、バス乗り場120を設定した後、例えばバス乗り場120およびタクシー乗り場200の位置情報などを、バスCに搭載された車載装置51に通知して、バス乗り場120およびタクシー乗り場200間のバスCの運行を開始してもよい。これにより、バスCは、施設100とタクシー乗り場200との間で、タクシーDを利用する人をピストン輸送する。
このように、本実施形態にあっては、乗り場110とは異なる、仮想的なタクシー乗り場200およびバス乗り場120を動的に設定したので、乗り場110に滞留している人は先ず、白抜きの矢印で示すように、分散しながら第1、第2バス乗り場120a,120bへ移動し、そこからバスCで第1、第2タクシー乗り場200a,200bへ移動することとなる。これにより、本実施形態にあっては、施設100における乗り場110の混雑を緩和させることができる。
また、設定部23は、タクシー乗り場混雑情報(中継地点混雑情報)に基づいて、バスCの運行計画を設定する。例えば、設定部23は、タクシー乗り場200に並んでいる人が所定人数以上とならないように、逆に言えば、タクシー乗り場200に並んでいる人が所定人数未満となるように、バスCの運行計画を設定することができる。
具体的には、タクシー乗り場200に並んでいる人が所定人数未満である場合、バス乗り場120の人をタクシー乗り場200へバスCで輸送しても、タクシー乗り場200は混雑しにくい。そのため、設定部23は、バス乗り場120の人をタクシー乗り場200へ輸送するような運行計画を設定し、バスCを運行させる。
これにより、乗り場110周辺に滞留している人が、バス乗り場120、タクシー乗り場200へと流れやすくなり、よって施設100における乗り場110の混雑を効率良く緩和させることができる。
なお、所定人数は、その値以上のときにタクシー乗り場200が混雑していると推定できるような値に設定されるが、これに限定されるものではない。
他方、タクシー乗り場200に並んでいる人が所定人数以上である場合、タクシー乗り場200は既に混雑しており、バス乗り場120の人をタクシー乗り場200へバスCで輸送しても、タクシー乗り場200がさらに混雑してしまう。そのため、設定部23は、バス乗り場120の人をタクシー乗り場200へ輸送しないようにし、タクシー乗り場200に並んでいる人が所定人数未満になった場合にバスCを運行させるような運行計画を設定する。
言い換えると、設定部23は、タクシー乗り場200に並んでいる人が所定人数未満になるまで、バスCをバス乗り場120に待機させるような運行計画を設定する。これにより、本実施形態にあっては、タクシー乗り場200での混雑の発生を抑制しつつ、乗り場110の混雑を緩和させることが可能となる。
また、設定部23は、記憶部30の天候情報36を読み出し、天候情報36に基づいて運行計画を設定してもよい。これにより、タクシー乗り場200においてスムーズなタクシーの乗車が可能になる。
すなわち、例えば、天候情報36に、タクシー乗り場200が雨の情報、あるいは雨の予報情報が含まれる場合、設定部23は、乗り場120からバスCに乗ってタクシー乗り場200に到着した人がすぐにタクシーDに乗り継げるような運行計画を設定する。
具体的には、設定部23は、タクシー乗り場混雑情報に基づき、タクシー乗り場200に並んでいる人がいなくなったとき、または、いなくなる直前のタイミングで、バスCがタクシー乗り場200に到着するような運行計画を設定する。タクシー乗り場200に到着した人が、タクシー乗り場200で雨の中待機する時間を可能な限り短くすることができ、よってタクシー乗り場200においてスムーズなタクシーの乗車が可能になる。
また、設定部23は、タクシーDの行先ごとにタクシー乗り場200を設定してもよい。図9の例では、行先「A方面」および「B方面」などタクシーDの行先別にタクシー乗り場200が設定される。また、設定部23は、バスCの行先ごとにバス乗り場120を設定してもよい。図9の例では、行先「第1タクシー乗り場」および「第2タクシー乗り場」などバスCの行先別にタクシー乗り場200が設定される。
これにより、例えば乗り場110周辺に滞留している人は、自身の行先に応じて分散しながら第1、第2バス乗り場120a,120bへ移動し、そこから第1、第2タクシー乗り場200a,200bへ移動することとなる。そして、タクシー乗り場200では、タクシーDは乗車後、対応する行先に向けて出発すればよいため、タクシー乗り場200におけるスムーズな乗車が可能になる。以上から、タクシー乗り場200やバス乗り場120に人が滞留しにくくなり、よって乗り場110周辺の混雑をより効率良く緩和させることができる。
また、設定部23は、記憶部30のユーザ情報32を読み出し、ユーザ情報32の属性情報に基づいてタクシー乗り場200を設定してもよい。例えば、設定部23は、属性情報に、高齢者等の情報が含まれ、かかる情報に比較的高い移動困難度の情報が対応付けられている場合、当該属性を有する人が優先的にタクシーDに乗車できるタクシー乗り場200を設定してもよい。これにより、当該属性を有する人は、タクシー乗り場200においてスムーズなタクシーの乗車が可能になる。
例えば、設定部23は、属性情報において比較的高い移動困難度の情報が対応付けられている場合、段差や高低差、移動距離などが比較的少ない経路となるような場所に、タクシー乗り場200やバス乗り場120を設定してもよい。これにより、当該属性を有する人は、段差や移動距離等が比較的少ない経路を通って、タクシー乗り場200やバス乗り場120に行くことが可能となり、移動の負担を軽減することができる。
また、設定部23は、ユーザ情報32に基づいて、タクシーDを予約している人を優先的にタクシー乗り場200へ運ぶように、運行計画を設定してもよい。例えば、設定部23は、予約がある人を優先的にバスCに乗車させる運行計画を設定してもよい。また、設定部23は、予約がある人と予約のない人との間で運賃が異なるようにしたりする運行計画を設定してもよい。詳しくは、設定部23は、予約がある人の運賃が予約のない人の運賃より低くなるようにしてもよい。
このように、タクシーDを予約している人を優先的にタクシー乗り場200へ運ぶように運行計画が設定されることで、例えばアプリを用いた予約をユーザに対して促すことが可能になる。
また、設定部23は、運行計画に基づいて、施設100の周辺を走行する車両の経路を設定してもよい。ここで、施設100の周辺を走行する車両は、バスCやタクシーDを除く一般車両であるが、これに限定されるものではない。例えば、設定部23は、運行計画に基づいて、施設100の周辺においてバスCが走行予定の経路を通らないような経路を設定し、かかる経路の情報を一般車両の車載装置(図示せず)に対して通知することができる。
これにより、一般車両は、バスCが走行予定の経路を通らないため、バスCは走行予定の経路を優先的に走行することが可能となる。このため、バス乗り場120とタクシー乗り場200との間でバスCの走行がスムーズになることから、バス乗り場120やタクシー乗り場200に人が滞留しにくくなり、よって乗り場110周辺の混雑をより効率良く緩和させることができる。
ここで、バスCは、上記したように、バス乗り場120とタクシー乗り場200との間をピストン輸送する。そのため、バスCは、バス乗り場120からタクシー乗り場200へ移動する際、タクシーDの利用者が乗車するが、タクシー乗り場200からバス乗り場120へ戻るときは、乗客のいない状態(回送状態)となる。そこで、設定部23は、バス乗り場120へ戻るバスCを有効利用するようにしてもよい。
例えば、施設100の利用者(観客)には、自転車Zに乗って施設100に行くことを所望する人(以下、自転車利用者という)がいる。しかしながら、施設100には、駐輪場がないことがある。このような場合、設定部23は、タクシー乗り場200付近に、自転車を一時的に保管する保管場所(駐輪場)を設定する。なお、図9の例では、第2タクシー乗り場200bに保管場所が設定されるものとする。
上記を前提として説明を続けると、イベント前、自転車利用者は、第2タクシー乗り場200bまで自転車に乗って行き、保管場所に預ける。設定部23は、保管場所に自転車を預けた自転車利用者を、第2タクシー乗り場200bから第2バス乗り場120bへバスCbで運ぶ運行計画を設定する。
そして、イベント終了後、自転車利用者は、施設100で待機しておく。設定部23は、第2バス乗り場120bから第2タクシー乗り場200bへ移動する際、タクシーDの利用者をバスCbで運ぶ運行計画を設定する。
そして、設定部23は、第2タクシー乗り場200bから第2バス乗り場120bへ戻る際、図9に符号Zで示すように、保管場所に保管していた自転車ZをバスCbに積んで戻る運行計画を設定する。その後、施設100で待機していた自転車利用者は、バスCbから自転車を下ろし、自転車で帰ることができる。これにより、本実施形態にあっては、タクシー乗り場200からバス乗り場120へ戻るバスCを有効利用することができる。
図3の説明を続けると、表示制御部24は、タクシー乗り場200の表示装置70(図2参照)の表示を制御することができる。例えば、表示制御部24は、表示装置70が設置された場所が設定部23によってタクシー乗り場200として設定された場合、かかるタクシー乗り場200に対応するタクシーに関する情報を表示装置70に表示させる。
ここで、表示装置70について図10を用いて説明する。図10は、表示装置70を示す模式図である。図10に示すように、表示装置70は、各種の情報を表示可能な表示画面71を備える。表示装置70は、例えば施設100周辺の空き地や商業施設等の大規模駐車場など、予め設定された乗り場候補場所に設置される。
そして、表示制御部24は、表示装置70が設置された乗り場候補場所がタクシー乗り場200として設定された場合、タクシー乗り場200に対応するタクシーに関する情報を通信ネットワークN(図2参照)を介して表示装置70に配信する。これにより、表示装置70の表示画面71には、タクシー乗り場200のタクシーに関する情報が表示される。
なお、図10では、タクシーに関する情報が、タクシーの行先、待ち時間などである例を示したが、これらはあくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、例えばタクシーに関する情報は、タクシー乗り場200に配車されるタクシーの車種、タクシー乗り場200におけるタクシーの待機数などその他の情報であってもよい。
このように、タクシー乗り場200には、表示制御部24によって表示制御される表示装置70が設置されることで、タクシーの利用者は、タクシー乗り場200として設定された場所を容易に確認することができ、かかるタクシー乗り場200へスムーズに移動することが可能になる。
図3の説明に戻ると、表示制御部24は、バス乗り場120の表示装置80(図2参照)の表示を制御することができる。例えば、表示制御部24は、表示装置80が設置された場所が設定部23によってバス乗り場120として設定された場合、かかるバス乗り場120に対応するバスに関する情報を表示装置80に表示させる。バスに関する情報には、バスの行先が含まれるが、これに限られず、例えば待ち時間などその他の情報が含まれていてもよい。
このように、バス乗り場120には、表示制御部24によって表示制御される表示装置80が設置されることで、バスの利用者は、バス乗り場120として設定された場所を容易に確認することができ、乗り場110からバス乗り場120へスムーズに移動することが可能になる。これにより、乗り場110周辺の混雑をより一層効果的に緩和させることができる。
なお、表示制御部24は、表示装置70,80が設置された場所がタクシー乗り場200やバス乗り場120として設定されない場合、タクシーやバスに関する情報を表示させないようにしてもよい。
また、表示装置70,80は、上記した乗り場候補場所に予め固定される固定式であってもよいし、乗り場候補場所、あるいは設定されたタクシー乗り場200やバス乗り場120に適宜なタイミングで移動させて設置される移動式であってもよい。また、図10では、一例として自立式の表示装置70(80)を示したが、これに限られず、壁掛け式、吊り下げ式などであってもよい。
付与部25は、施設100の利用者に対して特典を付与する。例えば、付与部25は、記憶部30の特典情報35等を読み出し、特典情報35等に基づいて、施設100の利用者に対して、タクシー乗り場200付近の店舗に関する特典を付与する。
なお、特典の一例としては、タクシー乗り場200付近の店舗で利用可能なクーポンであるが、これに限られず、店舗で利用可能なポイントなどその他の種類の特典であってもよい。また、上記したクーポンやポイントなどの特典は、例えば店舗での決済に利用することができるが、これに限定されるものではなく、サービスなどに利用してもよい。
図9を参照しつつ具体的に説明すると、例えば、付与部25は、施設100の利用者のうち、乗り場110の周辺に滞留している利用者(符号Jx1で示す)に対して、第1タクシー乗り場200a付近の店舗210のクーポンを付与する。正確には、付与部25は、利用者Jx1が所持する端末装置40に対して、店舗210のクーポンの情報を送信してクーポンを付与する。
このように、本実施形態にあっては、乗り場110周辺の利用者Jx1にクーポンを付与して店舗210に誘導する。これにより、利用者Jx1の乗り場110から第1バス乗り場120a、第1タクシー乗り場200aへの移動を促すことができ、よって乗り場110周辺の混雑をより一層効果的に緩和させることができる。
また、付与部25は、タクシー乗り場混雑情報(中継地点混雑情報)に基づいて、クーポンを付与してもよい。例えば、付与部25は、タクシー乗り場混雑情報に、第2タクシー乗り場200bの混雑度が比較的高いことを示す情報が含まれる場合、乗り場110の周辺に滞留している利用者Jx1に対して、店舗210のクーポンを付与してもよい。
これにより、利用者Jx1の乗り場110から第1バス乗り場120a、第1タクシー乗り場200aへの移動を促すことができる、言い換えると、第2タクシー乗り場200bへ移動しないように促すことができ、よって第2タクシー乗り場200bがさらに混雑することを抑制することができる。
また、付与部25は、タクシー乗り場混雑情報に、第1タクシー乗り場200aの混雑度が比較的高いことを示す情報が含まれる場合、第1タクシー乗り場200aに並んでいる利用者Jx2に対して、店舗210のクーポンを付与してもよい。
これにより、利用者Jx2の第1タクシー乗り場200aから店舗210への移動を促すことができ、よって第1タクシー乗り場200aの混雑を緩和させることが可能になる。
なお、上記では、付与部25による特典の付与で、混雑を緩和させるようにしたが、これに限られない。例えば、設定部23は、付与部25による特典の付与に加えてあるいは代えて、タクシー乗り場200付近の店舗210での各種イベントの開催を設定するようにしてもよい。
なお、イベントとしては、例えば店舗210でのバーゲンやタイムセールなどであるが、これらに限定されるものではなく、要は利用者を誘導可能なイベントであればよい。このように、タクシー乗り場200付近の店舗210でイベントを開催することでも、乗り場110やタクシー乗り場200の混雑を緩和させることが可能になる。
図3の説明に戻ると、提供部26は、記憶部30のユーザ情報32を読み出し、ユーザ情報32の属性情報に応じた交通機関に関する交通機関情報を、当該属性情報に対応する人に対して提供する。
具体的に説明すると、例えば属性情報に、高齢者等の情報が含まれ、かかる情報に段差の移動が困難であることを示す移動困難度の情報が対応付けられている場合、当該属性を有する人にとって、段差が比較的少ない交通機関で移動できることが好ましい。なお、ここでの交通機関には、上記したタクシー乗り場200からのタクシーDやバス乗り場120のバスCに限らず、施設100の周辺にあるタクシーやバスの乗り場、最寄りの駅なども含まれる。
提供部26は先ず、例えば段差や高低差の有無など交通機関の移動に関する情報を外部装置から取得する。続いて、提供部26は、交通機関の移動に関する情報と属性情報とに基づいて、複数の交通機関(例えばタクシー乗り場200からのタクシーDや最寄りの駅など)の中から、属性情報に応じた交通機関(ここでは段差が比較的少ない交通機関)を選択する。
そして、提供部26は、選択された交通機関に関する交通機関情報を、上記した属性情報に対応する人に対して提供する。これにより、当該属性を有する人は、段差が比較的少ない交通機関で移動することが可能となり、移動の負担を軽減することができる。
また、提供部26は、乗り場混雑情報31に基づいて交通機関を選択してもよい。例えば、複数ある交通機関乗り場110のうち、乗り場混雑情報31に、混雑度が比較的少ない情報が含まれ、かつ、交通機関の移動に関する情報に、段差が比較的少ない情報が含まれる交通機関乗り場110がある場合、提供部26は、かかる交通機関乗り場110の交通機関の情報を、当該属性を有する人に対して提供してもよい。これにより、当該属性を有する人は、混雑しておらず、また段差が比較的少ない交通機関で移動することが可能となり、移動の負担をより軽減することができる。
なお、上記では、中継地点をタクシーDの乗り場200としたが、これに限られない。すなわち、例えば中継地点を仮想的なカーシェアステーションとしてもよい。
<情報処理装置の制御処理>
次に、情報処理装置10における具体的な処理手順の一例について図11を用いて説明する。図11は、情報処理装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、情報処理装置10の制御部20は、施設100における乗り場の混雑状況を示す乗り場混雑情報を取得する(ステップS10)。次いで、制御部20は、乗り場混雑情報に基づいて、タクシー乗り場200およびバス乗り場120を動的に設定する(ステップS11)。
次いで、制御部20は、タクシーおよびバスの配車処理を実行する(ステップS12)。これにより、タクシー乗り場200にタクシーが配車され、タクシー乗り場200と施設100(正確にはバス乗り場120)との間でバスが運行する。
次いで、制御部20は、タクシー乗り場200の混雑状況を示すタクシー乗り場混雑情報を取得する(ステップS13)。次いで、制御部20は、タクシー乗り場混雑情報に基づいてバスの運行計画を設定する(ステップS14)。
上述してきたように、第1の実施形態に係る情報処理装置10は、取得部22と、設定部23とを備える。取得部22は、イベント施設100における交通機関乗り場110の混雑状況を示す乗り場混雑情報を取得する。設定部23は、取得部22によって取得された乗り場混雑情報に基づいて、交通機関乗り場110とは異なるタクシー乗り場200(中継地点の一例)を動的に設定する。また、取得部22は、設定部23によって設定されたタクシー乗り場200の混雑状況を示すタクシー乗り場混雑情報(中継地点混雑情報)を取得する。また、設定部23は、取得部22によって取得されたタクシー乗り場混雑情報に基づいて、イベント施設100とタクシー乗り場200との間を運行するバス(移動体の一例)の運行計画を設定する。これにより、イベント施設100における交通機関乗り場110の混雑を効率良く緩和させることができる。
また、第2移動体(タクシー)の乗り場は、移動体(バス)によって中継地点(タクシー乗り場200)に移動した人が利用するタクシーの乗り場である。
これにより、乗り場110周辺に滞留する人をスムーズに、バス乗り場120、タクシー乗り場200へ分散させることが可能となり、よって乗り場110周辺の混雑を効率良く緩和させることができる。
(第2実施形態)
<第2の実施形態に係る情報処理装置>
次いで、第2の実施形態に係る情報処理装置10について説明する。図12は、第2の実施形態に係る情報処理装置10を説明する図である。なお、図12は、上段がイベント前の状態、下段がイベント後の状態を示している。また、以下においては、第1の実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図12の上段に示すように、施設100でのイベント前、第2の実施形態に係る設定部23(図3参照)は、中継地点として自転車Z1の駐輪場230を動的に設定する。すなわち、第2の実施形態では、第1の実施形態のタクシー乗り場200に代えて、駐輪場230が設定される。
なお、自転車Z1は、第3移動体の一例である。また、駐輪場230は、中継地点の一例であり、また、移動体(バス)とは異なる第3移動体(自転車)を保管する場所の一例である。
ここで、駐輪場230が設定される場所は、例えば施設100から少し離れた場所であり、バスCで移動するような場所である。また、駐輪場230が設定される場所は、例えば施設100でイベントが開催されていないとき、駐輪場ではない場所、言い換えると駐輪場として機能していない場所とされる。すなわち、駐輪場230は、仮想的に設定される駐輪場である。なお、図12では駐輪場230が1カ所である例を示したが、これに限定されず、2カ所以上であってもよい。
また、駐輪場230は、施設100の利用者(観客)のうち自転車利用者の自転車Z1を保管する。かかる自転車Z1は、例えばレンタサイクル店舗300でレンタルされた自転車であってもよいし、自転車利用者が所有する自転車であってもよい。
ここで、情報処理装置10の記憶部30のユーザ情報32には、駐輪場230に保管される自転車Z1がレンタルされた自転車であるか個人の所有する自転車であるかの情報が登録されてもよい。図13は、第2の実施形態に係るユーザ情報32の一例を示す図である。
図13に示すように、ユーザ情報32には、「ユーザID」、「ユーザ位置」および「自転車」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。「自転車」は、駐輪場230に保管する自転車Z1がレンタルか個人所有かを示す情報である。「自転車」の情報は、自転車利用者の操作によって端末装置40を介して登録されてもよいし、レンタサイクル店舗300の管理サーバにより登録されてもよい。
図13に示す例において、ユーザID「J11」で識別されるユーザのデータは、ユーザ位置が「位置K11」、自転車が「レンタル」であることを示している。
図12の説明に戻る。設定部23は、上記した駐輪場230が設定されると、例えば駐輪場230の位置情報などをバスCの車載装置51に通知して、バスCの運行を開始する。
これにより、自転車利用者は、まず駐輪場230まで自転車Z1に乗って行き、駐輪場230に自転車Z1を止める。設定部23は、駐輪場230にいる自転車利用者を施設100まで運ぶ運行計画を設定する。
このとき、設定部23は、ユーザ情報32(図12参照)に基づいて、駐輪場230の自転車Z1がレンタルである自転車利用者を優先的に施設100へ運ぶように、運行計画を設定してもよい。例えば、設定部23は、自転車Z1がレンタルである自転車利用者を優先的にバスCに乗車させる運行計画を設定してもよい。また、設定部23は、自転車Z1がレンタルである自転車利用者と個人所有である自転車利用者との間で運賃が異なるようにしたりする運行計画を設定してもよい。詳しくは、設定部23は、自転車Z1がレンタルである自転車利用者の運賃が個人所有である自転車利用者の運賃より低くなるようにしてもよい。
このように、自転車Z1がレンタルである自転車利用者を優先的に施設100へ運ぶように運行計画が設定されることで、例えばレンタサイクル店舗300で自転車Z1をレンタルすることを自転車利用者に対して促すことが可能になる。
そして、イベントが終了すると、図12の下段に示すように、設定部23は、バス乗り場120を動的に設置する。また、設定部23は、バス乗り場120の行先を駐輪場230に設定する。これにより、施設100から出た自転車利用者は、バス乗り場120へ移動する。
設定部23は、バス乗り場120にいる自転車利用者を駐輪場230まで運ぶ運行計画を設定する。これにより、自転車利用者は、バスCに乗って駐輪場230へ移動でき、駐輪場230に止めてある自転車Z1に乗って帰ることができる。なお、自転車Z1がレンタルである場合、自転車利用者は、自転車Z1をレンタサイクル店舗300へ返却する。
このように、第2の実施形態において、設定部23は、中継地点として自転車Z1の駐輪場230を動的に設定するようにした。
これにより、施設100の利用者(観客)のうち自転車利用者を、施設100と駐輪場230との間で効率良く運ぶことができ、よって施設100等の混雑を緩和させることができる。
なお、上記した第2の実施形態において、駐輪場230には自転車が止められるようにしたが、これに限られず、例えばキックスケータ、自動二輪車などその他の種類の移動体が止められるように構成してもよい。
なお、上記した第2の実施形態において、施設100と駐輪場230との間をバスCでピストン輸送するようにしたが、これに限定されず、例えば施設100と駐輪場230との間を徒歩で移動するような構成であってもよい。また、駐輪場230までを交通機関で移動し、施設100と駐輪場230との間を自転車で移動するような構成であってもよい。
また、上記した第1実施形態および第2の実施形態は、適宜に組み合わせることができる。すなわち、例えば、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせて、設定部23は、中継地点として、タクシー乗り場200および駐輪場230を動的に設定するように構成してもよい。
なお、情報処理システム1は、表示装置70,80を備えない構成であってもよい。すなわち、例えば情報処理装置10が、設定されたタクシー乗り場200やバス乗り場120の位置情報などをユーザに対して通知すれば(正確にはユーザ所有の端末装置40に送信する等すれば)、ユーザはバス乗り場120やタクシー乗り場200へ向かうことが可能になるため、情報処理システム1は表示装置70,80を備えない構成であってもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。