JP7419033B2 - 脂肪酸中和物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪酸中和物の製造方法に関する。
液体石鹸の製造では、脂肪酸配合液と塩基性水溶液とを混合して脂肪酸をアルカリ剤で中和することにより脂肪酸中和物を生成させる。そして、そのような液体石鹸の製造方法として、例えば、特許文献1には、脂肪酸配合液と塩基性水溶液とを接触させ、それから1秒以内に、それらを細孔に流通させて混合することが開示されている。また、脂肪酸中和物を生成させる固形石鹸の製造方法として特許文献2には、脂肪酸配合液と塩基性水溶液とを2流体混合ノズルに供給し、その2流体混合ノズルから、それらの混合液を、透孔を有する隔壁で仕切られた複数の部屋のそれぞれに軸回転する撹拌羽根が設けられた装置内に噴射することが開示されている。
特開2009-155529号公報 特開昭59-20399号公報
ところで、脂肪酸をアルカリ剤で中和して生成する脂肪酸中和物は、ゲル及びその凝集物を形成する。そして、この脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物を溶解するのに時間を要する。そのため、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成が、液体石鹸の製造効率を大きく下げる主要因となる。
本発明の課題は、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成が抑制される脂肪酸中和物の製造方法を提供することである。
本発明は、脂肪酸配合液と塩基性水溶液とを混合する混合ステップを有する脂肪酸中和物の製造方法であって、前記混合ステップにおいて、前記脂肪酸配合液を前記塩基性水溶液に噴流状態で吐出させるものである。
本発明によれば、脂肪酸配合液を塩基性水溶液に噴流状態で吐出させることにより、生成する脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成を抑制することができる。
実施形態1に係る脂肪酸中和物製造装置の構成を示す図である。 吐出ノズルの先端面の正面図である。 吐出ノズルの先端部の縦断面図である。 吐出ノズルの第1の変形例の先端面の正面図である。 吐出ノズルの第1の変形例の先端部の縦断面図である。 吐出ノズルの第2の変形例の先端面の正面図である。 吐出ノズルの第3の変形例の先端部の縦断面図である。 吐出ノズルの第4の変形例の先端面の正面図である。 吐出ノズルの第5の変形例の先端面の正面図である。 吐出ノズルの第6の変形例の先端面の正面図である。 脂肪酸配合液と塩基性水溶液との第1の混合態様を示す図である。 脂肪酸配合液と塩基性水溶液との第2の混合態様を示す図である。 脂肪酸配合液と塩基性水溶液との第3の混合態様を示す図である。 脂肪酸配合液と塩基性水溶液との第4の混合態様を示す図である。 脂肪酸配合液と塩基性水溶液との第5の混合態様を示す図である。 脂肪酸配合液と塩基性水溶液との第6の混合態様を示す図である。 実施形態2に係る脂肪酸中和物製造装置の構成を示す図である。 実施形態2に係る脂肪酸中和物製造装置の混合部の縦断面図である。 実施形態3に係る脂肪酸中和物製造装置の混合部の縦断面図である。 実施形態4に係る脂肪酸中和物製造装置の構成を示す図である。 その他の実施形態の脂肪酸中和物製造装置の構成を示す図である。
本発明は、脂肪酸配合液と塩基性水溶液とを混合する混合ステップを有する脂肪酸中和物の製造方法であって、前記混合ステップにおいて、前記脂肪酸配合液を前記塩基性水溶液に噴流状態で吐出させる脂肪酸中和物の製造方法である。
以下、各実施形態に共通して記載する。
本発明の脂肪酸中和物の製造方法では、まず、脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bを調製する。
脂肪酸配合液Aは、脂肪酸を含有する。脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、パーム核脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、純粋脂肪酸等が挙げられる。脂肪酸配合液Aは、これらのうちの1種又は2種以上の脂肪酸を含有することが好ましい。脂肪酸の炭素数は、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは12以上であり、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましく18以下、更に好ましくは16以下である。
脂肪酸配合液Aにおける脂肪酸の含有量は、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは80質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上であり、好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは98.5質量%以下である。
脂肪酸配合液Aは、非イオン性界面活性剤を含有していてもよい。非イオン性界面活性剤としては、例えば、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。脂肪酸配合液Aは、これらのうちの1種又は2種以上の非イオン性界面活性剤を含有していてもよく、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステルを含有することが好ましく、モノステアリン酸ポリエチレングリコールを含有することがより好ましい。脂肪酸配合液Aにおける非イオン性界面活性剤の含有量は、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%、更に好ましくは2質量%以下である。
脂肪酸配合液Aは、脂肪酸以外に、溶媒、清涼剤、保湿剤、酸化防止剤、電解質、非イオン性とせっけんを除く界面活性剤等を含有していてもよい。
塩基性原料水溶液Bは、アルカリ剤を含有する。アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン化合物等が挙げられる。塩基性原料水溶液Bは、これらのうちの1種又は2種以上のアルカリ剤を含有することが好ましい。塩基性原料水溶液Bにおけるアルカリ剤の含有量は、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは8.5質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
塩基性原料水溶液Bは、水溶性溶剤を含有していてもよい。水溶性溶剤は、水と相溶性を有する溶剤であれば使用可能であるが、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくはポリオールから選択される1種又は2種以上、より好ましくはグリセリン及びポリグリセリンから選ばれる1種又は2種以上、更に好ましくはグリセリンである。塩基性原料水溶液Bにおける水溶性溶剤の含有量は、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、更に好ましくは30質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは42質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
塩基性原料水溶液Bは、アルカリ剤及び水以外に、電解質、界面活性剤、キレート剤等を含有していてもよい。
脂肪酸配合液Aの脂肪酸のモル数の塩基性原料水溶液Bの塩基のモル数に対するモル比(脂肪酸配合液Aの脂肪酸のモル数/塩基性原料水溶液Bの塩基のモル数)は、脂肪酸中和物を生成する観点から、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上であり、同様の観点から、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。
本願における「噴流状態」とは、塩基性水溶液B中に配置された孔から、脂肪酸配合液Aが塩基性水溶液Bに充たされた広い領域に噴き出し、孔径より小さい液滴が形成し、孔から拡散することが目視で確認できる状態をいう。
また、この時の脂肪酸液滴径は、ゲル化及び凝集物を抑制する観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下であり、液滴の製造の容易性の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは5μm以上である。液滴径は、実施例記載の方法による測定することができる。
脂肪酸配合液Aの質量流量Xは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは0.5kg/min以上、より好ましくは0.7kg/min以上、更に好ましくは1kg/min以上であり、装置負荷を低減する観点から、好ましくは100kg/min以下、より好ましくは80kg/min以下、更に好ましくは60kg/min以下、更に好ましくは50kg/min以下である。
脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速Vは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは1m/s以上、より好ましくは2m/s以上、更に好ましくは2.4m/s以上、更に好ましくは2.8m/s以上であり、装置負荷を低減する観点から、好ましくは50m/s以下、より好ましくは35m/s以下、更に好ましくは30m/s以下である。ここで、本出願における「吐出方向の線速」とは、脂肪酸配合液Aの吐出方向の吐出する向きにおける液体の速度である。また、この脂肪酸配合液Aの線速Vの絶対値は、脂肪酸配合液Aの質量流量Xを脂肪酸配合液Aの密度で除し、更にそれを吐出孔の面積で除し、それを1秒当たりに換算することにより算出される。
脂肪酸配合液Aの吐出部において、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速から、脂肪酸配合液Aの吐出方向における塩基性水溶液Bの線速を減じた線速差で定義される脂肪酸相対線速ΔVは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは1m/s以上、より好ましくは2m/s以上、更に好ましくは2.4m/s以上、更に好ましくは2.8m/s以上であり、設備負荷を低減する観点から、好ましくは50m/s以下であり、より好ましくは35m/s以下、更に好ましくは30m/s以下である。
塩基性水溶液Bが非流動状態にある場合、図7Aに示すように、塩基性水溶液Bの線速Vは0m/sであるので、この脂肪酸相対線速ΔVは、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速Vである。塩基性水溶液Bが、撹拌等により流動状態にある場合、脂肪酸配合液Aの吐出方向と塩基性水溶液Bの流動方向との関係により、脂肪酸相対線速ΔVは以下のようになる。図7Bに示すように、流速Vで吐出する脂肪酸配合液Aに対し、その吐出方向に直交する方向に塩基性水溶液Bが流速Vで流動する場合、塩基性水溶液Bの線速Vのうちの脂肪酸配合液Aの吐出方向における成分VBx=0m/sであるので、この脂肪酸相対線速ΔVも、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速Vである。
図7Cに示すように、流速Vで吐出する脂肪酸配合液Aに対し、その吐出方向に同一の向きに塩基性水溶液Bが流速Vで流動する場合、この脂肪酸相対線速ΔVは、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速Vから塩基性水溶液Bの線速Vを減じたものである。又は、図7Dに示すように、流速Vで吐出する脂肪酸配合液Aに対し、その吐出方向に反対の向きに塩基性水溶液Bが流速Vで流動する場合、この脂肪酸相対線速ΔVは、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速Vからに塩基性水溶液Bの線速Vを加算し減じたものである。
図7Eに示すように、流速Vで吐出する脂肪酸配合液Aに対し、その吐出方向に傾斜した方向の前方から塩基性水溶液Bが流速Vで流動する場合、又は、図7Fに示すように、流速Vで吐出する脂肪酸配合液Aに対し、その吐出方向に傾斜した方向の後方から塩基性水溶液Bが流速Vで流動する場合、この脂肪酸相対線速ΔVは、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速Vから、塩基性水溶液Bの線速Vのうち脂肪酸配合液Aの吐出方向における成分VBxを減じたものである。なお、これらの脂肪酸配合液Aの吐出方向及び吐出の向きは、吐出ノズル14の設置態様によって自在に設定することができる。
以下、実施形態について詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る脂肪酸中和物製造装置10を示す。
実施形態1に係る脂肪酸中和物製造装置10は、脂肪酸配合液Aを貯留するための脂肪酸槽11及び塩基性水溶液Bを貯留するための塩基槽12と、脂肪酸槽11の底部から延びて塩基槽12の上部に結合して差し入れられた脂肪酸供給配管13とを備える。なお、脂肪酸供給配管13は、塩基槽12の側部又は底部に結合して差し入れられていてもよい。脂肪酸槽11及び塩基槽12のそれぞれには、図示しない撹拌機構及び温調機構が設けられている。脂肪酸供給配管13には送液ポンプPが介設されているとともに、塩基槽12内に導入された脂肪酸供給配管13の先端には吐出ノズル14が取り付けられている。
図2A及びBは、吐出ノズル14の先端部を示す。吐出ノズル14の先端部は、円筒状の管端で構成されており、孔径φが管内径に等しい丸孔状の吐出孔15を有する。吐出孔15の孔径φは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは1mm以上であり、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下、更に好ましくは5mm以下、更に好ましくは2mm以下である。なお、吐出ノズル14の先端部は、図3A及びBに示すように、吐出孔15の孔径φが管内径よりも小さく縮小されていてもよい。この場合、吐出孔15は、先端面の中央ではなく、図4に示すように、偏心して設けられていてもよい。また、吐出ノズル14の先端部は、図5に示すように、半球状等に形成されていてもよい。さらに、吐出ノズル14の先端部における吐出孔15の孔形状は、図6Aに示すようなスリット状であってもよく、図6Bに示すような円弧孔状であってもよく、図6Cに示すような細長三角孔状であってもよい。このように吐出孔15の孔形状が非円形の場合、その孔径φは、吐出孔15の面積が同一の等価円の直径が相当する。
次に、実施形態1に係る脂肪酸中和物の製造方法について説明する。
実施形態1に係る脂肪酸中和物の製造方法は、脂肪酸配合液Aと塩基性水溶液Bとを混合する混合ステップを有する。前記混合ステップにおいて、前記脂肪酸配合液Aを前記塩基性水溶液Bに噴流状態で吐出させる。また、前記混合ステップを、塩基槽12内の塩基性水溶液B中に前記脂肪酸配合液Aを流動させて行う。
実施形態1に係る脂肪酸中和物の製造方法では、まず、脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bを前述のとおり調製する。
次いで、脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bを、それぞれ脂肪酸槽11及び塩基槽12に仕込む。このとき、塩基槽12では、吐出ノズル14が塩基性原料水溶液B中に配置されるようにする。脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bの液温は、例えば40℃以上90℃以下とする。脂肪酸槽11における脂肪酸配合液Aの液温は、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、装置負荷を低減する観点から、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下である。塩基槽12における塩基性原料水溶液Bの液温は、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上であり、装置負荷を低減する観点から、好ましくは90℃以下、より好ましくは60℃以下、更に好ましくは50℃以下である。これらの液温は、同一であっても、異なっていても、どちらでもよい。なお、塩基性原料水溶液は、脂肪酸配合液が混合されると組成が変化するので、本出願では、初期の塩基性原料水溶液及びそれに脂肪酸配合液を混合した液のいずれも含めて「塩基性水溶液」という。
そして、送液ポンプPを稼働させて脂肪酸槽11の脂肪酸配合液Aを脂肪酸供給配管13を介して塩基槽12に送り、脂肪酸配合液Aを吐出ノズル14の先端部の吐出孔15から塩基性水溶液Bに噴流状態で吐出させて、脂肪酸配合液Aと塩基性水溶液Bとを混合する(混合ステップ)。このとき、脂肪酸がアルカリ剤で中和されて脂肪酸中和物を生成することとなり、バッチ操作により脂肪酸中和物が製造される。
このような実施形態1に係る脂肪酸中和物の製造方法によれば、脂肪酸配合液Aと塩基性水溶液Bとを混合する混合ステップを含み、その混合ステップにおいて、脂肪酸配合液Aを塩基性水溶液Bに噴流状態で吐出させることにより、生成する脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成を抑制することができる。この脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制効果は、脂肪酸配合液Aが噴流状態で塩基性水溶液Bに吐出されると、脂肪酸配合液Aが塩基性水溶液B中に分散する液滴を形成することが関与しているものと推測される。ここで、噴流状態にするには、塩基性水溶液B中で、脂肪酸配合液Aを吐出する必要がある。
実施形態1や後述する実施形態2等では、バッチ操作により、塩基性水溶液B中に脂肪酸配合液Aを吐出することから、反応初期では、塩基性水溶液B中の塩基のモル数が、吐出される脂肪酸配合液A中の脂肪酸のモル数より過剰にあるため中和反応が進行し易いが、反応後期では、塩基性水溶液B中に脂肪酸中和物が生成し、塩基性水溶液B中の塩基のモル数が減少するため、反応が進行し難くなると考えられる。しかしながら、脂肪酸配合液Aが液滴を形成することで、反応が進み易くなり、ゲルの生成を抑制できたと推定される。尚、ゲルは、主として、未中和の脂肪酸が凝集したものと推定される。
脂肪酸配合液Aを吐出するとき、塩基性水溶液Bは、塩基槽12の撹拌機構を稼働させない非流動状態であっても、塩基槽12の撹拌機構を稼働させた流動状態であっても、どちらでもよい。
脂肪酸配合液Aの質量流量Xは、前述のとおりである。
脂肪酸配合液Aの吐出部、つまり、吐出ノズル14の先端部における吐出孔15の開口部において、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速Vは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは1m/s以上、より好ましくは2m/s以上、更に好ましくは2.4m/s以上、更に好ましくは2.8m/s以上、更に好ましくは10m/s以上、更に好ましくは20m/s以上、更に好ましくは25m/s以上であり、装置負荷を低減する観点から、好ましくは50m/s以下、より好ましくは35m/s以下、更に好ましくは30m/s以下である。
脂肪酸配合液Aの吐出部において、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速から、脂肪酸配合液Aの吐出方向における塩基性水溶液Bの線速を減じた線速差で定義される脂肪酸相対線速ΔVは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは1m/s以上、より好ましくは2m/s以上、更に好ましくは15m/s以上、更に好ましくは30m/s以上であり、設備負荷を低減する観点から、好ましくは50m/s以下であり、より好ましくは35m/s以下である。
(実施形態2)
図8は、実施形態2に係る脂肪酸中和物製造装置10を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は、実施形態1及び2と同一符号で示す。
実施形態2に係る脂肪酸中和物製造装置10は、脂肪酸配合液Aを貯留するための脂肪酸槽11及び塩基性水溶液Bを貯留するための塩基槽12と、塩基槽12の底部から延びて同じ塩基槽12の側部に結合して差し入れられた循環配管16と、循環配管16に介設された混合部17と、脂肪酸槽11から延びて混合部17に結合した脂肪酸供給配管13とを備える。なお、循環配管16は、塩基槽12の上部又は底部に結合して差し入れられていてもよい。脂肪酸槽11及び塩基槽12のそれぞれには、図示しない撹拌機構及び温調機構が設けられている。循環配管16における塩基槽12の底部から混合部17まで間の部分には第1の送液ポンプPが介設されている。脂肪酸供給配管13には第2の送液ポンプPが介設されている。
図9は、混合部17を示す。この混合部17は、循環配管16に脂肪酸供給配管13が結合するとともに差し入れられて同心状に設けられた二重管で構成されている。循環配管16の内径Φは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上、更に好ましくは20mm以上であり、好ましくは200mm以下、より好ましくは150mm以下、更に好ましくは110mm以下である。循環配管16の流路形状が非円形の場合、その内径Φは、流路面積が同一の等価円の直径が相当する。脂肪酸供給配管13の先端部は、実施形態1の吐出ノズル14の先端部と同様、円筒状の管端で構成されており、孔径φが脂肪酸供給配管13の内径に等しい丸孔状の吐出孔15を有する。
吐出孔15の孔径φは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは1mm以上であり、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である。なお、脂肪酸供給配管13は、循環配管16に対して偏心して設けられていてもよい。また、脂肪酸供給配管13の先端部は、図3A及びB、図4、並びに図5に示す実施形態1の吐出ノズル14の先端部の変形例と同様の構成を有していてもよい。さらに、脂肪酸供給配管13の先端部における吐出孔15の孔形状も、図6A~Cに示す実施形態1の吐出ノズル14の先端部における吐出孔15の孔形状の変形例と同様の構成を有していてもよい。
次に、実施形態2に係る脂肪酸中和物の製造方法について説明する。
実施形態2に係る脂肪酸中和物の製造方法は、脂肪酸配合液と塩基性水溶液とを混合する混合ステップを有する。そして、前記混合ステップにおいて、前記脂肪酸配合液を前記塩基性水溶液に噴流状態で吐出させる。また、前記混合ステップを配管内で前記脂肪酸配合液及び前記塩基性水溶液のそれぞれを流動させて行う。
実施形態2に係る脂肪酸中和物の製造方法では、まず、脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bを調製し、それぞれ脂肪酸槽11及び塩基槽12に仕込む。
そして、第1の送液ポンプPを稼働させて塩基槽12に貯留された塩基性水溶液Bを、循環配管16に、塩基槽12の底部から流出して側部に戻るように循環させる。また、第2の送液ポンプPを稼働させて脂肪酸槽11の脂肪酸配合液Aを脂肪酸供給配管13を介して循環配管16内に送液し、混合部17において、脂肪酸配合液Aを脂肪酸供給配管13の先端部の吐出孔15から循環配管16内を流動する塩基性水溶液Bに噴流状態で吐出させて、脂肪酸配合液Aと塩基性水溶液Bとを混合する(混合ステップ)。したがって、循環配管16内で脂肪酸配合液A及び塩基性水溶液Bのそれぞれを流動させて混合ステップを行う。また、このとき、脂肪酸がアルカリ剤で中和されて脂肪酸中和物を生成することとなり、バッチ操作により脂肪酸中和物が製造される。
脂肪酸配合液Aの吐出部において、脂肪酸配合液Aの吐出孔15の孔径φに対する塩基性水溶液Bが流動する循環配管16の内径Φの比(Φ/φ)は、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5.5以上、更に好ましくは7以上であり、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは12以下である。
脂肪酸配合液Aの質量流量Xは、前述の通りである。
塩基性水溶液Bの質量流量Yは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは5kg/min以上、より好ましくは7kg/min以上、更に好ましくは8kg/min以上であり、装置負荷を低減する観点から、好ましくは1500kg/min以下、より好ましくは1000kg/min以下、更に好ましくは800kg/min以下である。
脂肪酸配合液Aの吐出部において、脂肪酸配合液Aの質量流量Xに対する塩基性水溶液Bの質量流量Yの比(Y/X)は、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは8以上であり、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。
脂肪酸配合液Aの質量流量Xに対する塩基性水溶液Bの質量流量Yの比(Y/X)は、経時において、変更してもよい。製造途中で、(Y/X)を1回以上増加させることが、ゲル化物の生成の抑制及び製造時間短縮の観点から好ましい。具体的には、全脂肪酸配合液量の好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上吐出させた後に、脂肪酸配合液Aの質量流量を減少させる、若しくは、塩基性水溶液Bの質量流量を増加させる、又は、その両方を行うことで、Y/Xを増加させることが、ゲル化物の生成の抑制及び製造時間短縮の観点から好ましい。Y/Xの増加量は、ゲル化物の生成の抑制及び製造時間短縮の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは5以上であり、装置負荷を低減する観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。
噴流場に供給される、単位時間当たりのモル比(塩基/脂肪酸)が大きくなるように、吐出する脂肪酸配合液Aの質量流量Xに対する、循環する塩基性水溶液Bの質量流量Yの比(Y/X)を増加させることで、反応が進行し易くなり、ゲル化物の生成も抑制される。
脂肪酸配合液Aの吐出部、つまり、脂肪酸供給配管13の先端部における吐出孔15の開口部において、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速Vは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは1m/s以上、より好ましくは2m/s以上、更に好ましくは2.4m/s以上、更に好ましくは2.8m/s以上であり、装置負荷を低減する観点から、好ましくは50m/s以下、より好ましくは35m/s以下、更に好ましくは30m/s以下、更に好ましくは15m/s以下、更に好ましくは13m/s以下である。この脂肪酸配合液Aの線速Vの絶対値は、脂肪酸配合液Aの質量流量Xを脂肪酸配合液Aの密度で除し、更にそれを吐出孔15の面積で除し、それを1秒当たりに換算することにより算出される。
脂肪酸配合液Aの吐出部において、脂肪酸配合液Aの吐出方向における塩基性水溶液Bの線速Vは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは0.1m/s以上、より好ましくは0.2m/s以上、更に好ましくは0.3m/s以上、更に好ましくは0.4m/s以上であり、装置負荷を低減する観点から、好ましくは4m/s以下、より好ましくは2m/s以下、更に好ましくは1.5m/s以下である。この塩基性水溶液Bの線速Vの絶対値は、塩基性水溶液Bの質量流量Yを塩基性原料水溶液Bの密度で除し、更にそれを循環配管16の管内の面積から吐出孔15の面積を引いた流路面積で除し、それを1秒当たりに換算することにより算出される。
実施形態2に係る脂肪酸中和物の製造方法では、実施形態1における図7Cに示すのと同様、線速Vで流動する塩基性水溶液Bに対し、その流動方向に同一の向きに脂肪酸配合液Aを線速Vで吐出することとなる。したがって、脂肪酸相対線速ΔVは、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速Vから塩基性水溶液Bの線速Vを減じたものと等しい。この場合、脂肪酸相対線速ΔVは、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制の観点から、好ましくは1m/s以上、より好ましくは2m/s以上、更に好ましくは2.2m/s以上、更に好ましくは2.4m/s以上、更に好ましくは2.8m/s以上であり、設備負荷を低減する観点から、好ましくは50m/s以下、より好ましくは35m/s以下、更に好ましくは30m/s以下、更に好ましくは15m/s以下、更に好ましくは13m/s以下である。
その他の構成及び作用効果は実施形態1と同一である。
(実施形態3)
図10は、実施形態3に係る脂肪酸中和物製造装置10における混合部17を示す。なお、実施形態1及び2と同一名称の部分は、実施形態1と同一符号で示す。
この混合部17は、循環配管16に脂肪酸供給配管13が垂直に結合して構成されている。そして、循環配管16の内壁における脂肪酸供給配管13の開口が、孔径φが脂肪酸供給配管13の内径に等しい丸孔状の吐出孔15を構成している。なお、脂肪酸供給配管13の循環配管16への結合端部は、図3A及びBに示す実施形態1の吐出ノズル14の先端部の変形例と同様に吐出孔15の孔径φが脂肪酸供給配管13の内径よりも小さく縮小されていてもよい。また脂肪酸供給配管13の循環配管16への結合端部における吐出孔15の孔形状は、図6A~Cに示す実施形態1の吐出ノズル14の先端部における吐出孔15の孔形状の変形例と同様の構成を有していてもよい。その他の構成は、実施形態2に係る脂肪酸中和物製造装置10と同一である。
実施形態3に係る脂肪酸中和物の製造方法では、実施形態2の場合と同様、バッチ操作により脂肪酸中和物が製造される。このとき、実施形態1における図7Bに示すのと同様、線速Vで流動する塩基性水溶液Bに対し、その流動方向に直交する方向から脂肪酸配合液Aを吐出することとなるので、脂肪酸相対線速ΔVは、脂肪酸配合液Aの吐出方向の線速Vと等しい。
その他の構成及び作用効果は実施形態1及び2と同一である。好ましい数値範囲は、実施形態2と同一である。
(実施形態4)
図11は、実施形態4に係る脂肪酸中和物製造装置10を示す。なお、実施形態1及び2と同一名称の部分は、実施形態1及び2と同一符号で示す。
実施形態4に係る脂肪酸中和物製造装置10では、循環配管16における混合部17から塩基槽12の側部までの間の部分に剪断付与部18が設けられている。剪断付与部18は、循環配管16よりも流路面積が狭小な部分を有し、その部分に、混合部17で脂肪酸配合液Aが混合された塩基性水溶液Bを流通させて剪断を付与する。これにより、脂肪酸配合液Aと塩基性水溶液Bとの混合で生成する脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成抑制をより効果的に図ることができる。剪断付与部18は、多種の脂肪酸及びアルカリ剤の組み合わせに対応して、流路面積を自在に設定できるという観点から、バルブのような流路面積が可変である装置要素で構成されていることが好ましい。但し、剪断付与部18は、流路面積が固定された静止型混合器等で構成されていてもよい。
その他の構成及び作用効果は実施形態1及び2と同一である。なお、混合部17は、実施形態3の構成のものであってもよい。好ましい数値範囲は、実施形態2と同一である。
(その他の実施形態)
上記実施形態1~4では、バッチ操作での脂肪酸中和物の製造方法を示したが、特にこれに限定されるものではなく、図12に示すような脂肪酸中和物製造装置10を用いた連続操作での脂肪酸中和物の製造方法であってもよい。具体的には、図12に示す脂肪酸中和物製造装置10では、脂肪酸槽11から延びる脂肪酸供給配管13a及び塩基槽12から延びる塩基供給配管13bがそれぞれ混合部17に結合し、混合部17から延びる回収配管19が回収槽20の上部に結合して差し入れられている。そして、脂肪酸槽11及び塩基槽12にそれぞれ脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bを仕込み、脂肪酸供給配管13a及び塩基供給配管13bのそれぞれに介設された送液ポンプPを稼働させると、混合部17において、脂肪酸配合液Aが塩基性水溶液Bに噴流状態で吐出され、それらが混合されて脂肪酸中和物を生成し、その脂肪酸中和物を含む反応液Cが回収配管19を介して回収槽20に連続的に回収される。好ましい数値範囲は、実施形態2と同一である。
(脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bの調製)
表1に示す配合で脂肪酸配合液Aを調製した。また、表2-1に示す配合で塩基性原料水溶液Bを調製した。
用いた原料は以下のとおりである。
ラウリン酸 ルナックL-98:花王社製
ミリスチン酸 ルナックMY-98:花王社製
パルミチン酸 ルナックP-95:花王社製
モノステアリン酸ポリエチレングリコール エマノーン3199VB:花王社製
48%水酸化カリウム液 液体苛性カリ(48%):旭硝子社製
グリセリン 化粧品用濃グリセリン:花王社製
Figure 0007419033000001
Figure 0007419033000002
(脂肪酸中和物の製造及び評価方法)
上記脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bを用いて次の実施例1~9及び比較例の脂肪酸中和物の製造を行った。それぞれの結果及び製造条件を、表3及び4に示す。
また、評価は、以下の方法で行った。
噴流状態の有無の確認は目視にて行った。
ゲルの有無は下記の基準で、目視にて行った。
無:脂肪酸中和物製造時に、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成は認められなかった。
少し有:少量の脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成が認められた。
有:脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成が明確に認められた。
実施例1については、脂肪酸液滴径を測定した。このとき、噴流時の脂肪酸の液滴径を測定するため、塩基性原料水溶液Bを、表2-2に示す水溶液Cに変更した。これは、塩基性原料水溶液Bを用いた場合、噴流により形成された脂肪酸液滴が中和の進行とともに消失するため、安定した液滴径の測定が困難なためである。水溶液Cは、グリセリンと精製水の質量比が、塩基性原料水溶液Bにおけるグリセリンと精製水の質量比と一致する組成である。また、形成した液滴径の安定化のため、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG-05C:三菱ケミカル社製)を1%添加した。
Figure 0007419033000003
脂肪酸配合液Aを水溶液Cに噴流状態で吐出し、形成された脂肪酸液滴を含む乳化液の一部を採取し、直ちにその液滴径を測定した。結果及び製造条件を表3に示す。
測定条件:
(1)測定装置:レーザー回折型粒径測定機「LA-960」(株式会社堀場製作所製)
(2)測定条件:測定用セルに水を加え、吸光度が適正範囲になる濃度で体積中位粒径(D50)を測定した。なお相対屈折率1.20、温度25℃、循環ポンプON、循環速度5とした。
<実施例1>
上記実施形態1と同一構成の脂肪酸中和物製造装置10であって、吐出ノズル14の吐出孔15が鉛直下向きに開口したものを用い、その脂肪酸槽11及び塩基槽12にそれぞれ上記脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bを仕込み、塩基槽12内で撹拌している塩基性水溶液B内に吐出ノズル14の吐出孔15から脂肪酸配合液Aを噴流状態で吐出させて脂肪酸中和物を製造した。したがって、脂肪酸配合液Aと塩基性水溶液Bとの混合態様は、図7Bに示すのと同様、撹拌により流動する塩基性水溶液Bに対し、その流動方向に直交する方向から脂肪酸配合液Aを吐出するものである。なお、脂肪酸配合液Aの脂肪酸のモル数の塩基性原料水溶液Bの塩基のモル数に対するモル比は1.01(脂肪酸/塩基)であった。
実施例1において、脂肪酸液滴径の測定を行った。上記塩基性水溶液Bを水溶液Cに変更した以外は、同じ条件で噴流した。脂肪酸液滴平均径は、14.1μmであった。
<実施例2、3>
上記実施形態2と同一構成の脂肪酸中和物製造装置10を用い、その脂肪酸槽11及び塩基槽12にそれぞれ上記脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bを仕込み、循環配管16を循環している塩基性水溶液B内に、二重管の混合部17で、吐出孔15から脂肪酸配合液Aを噴流状態で吐出させて脂肪酸中和物を製造した。したがって、脂肪酸配合液Aと塩基性水溶液Bとの混合態様は、図7Cに示すのと同様、流動する塩基性水溶液Bに対し、その流動方向に同一の向きに脂肪酸配合液Aを吐出するものである。なお、脂肪酸配合液Aの脂肪酸のモル数の塩基性原料水溶液Bの塩基のモル数に対するモル比は1.01(脂肪酸/塩基)であった。
<実施例4~8>
上記実施形態4と同一構成の脂肪酸中和物製造装置10であって、上記実施形態2と同一構成の二重管の混合部17と、バルブの剪断付与部18とを備えたものを用い、その脂肪酸槽11及び塩基槽12にそれぞれ上記脂肪酸配合液A及び塩基性原料水溶液Bを仕込み、バルブの剪断付与部18の開度と送液ポンプP2の出力により塩基性水溶液Bの質量流量Yを調整し、循環配管16を循環している塩基性水溶液B内に、二重管の混合部17で、吐出孔15から脂肪酸配合液Aを噴流状態で吐出させて脂肪酸中和物を製造した。なお、実施例4~6では、脂肪酸配合液Aの脂肪酸のモル数の塩基性原料水溶液Bの塩基のモル数に対するモル比は1.01(脂肪酸/塩基)であった。実施例7及び8では、脂肪酸配合液Aの脂肪酸のモル数の塩基性原料水溶液Bの塩基のモル数に対するモル比は1.02(脂肪酸/塩基)であった。
実施例3と実施例6とを比較すると、流量比のY/Xを除いてほぼ同じ条件で実施しているが、実施例3では得られた脂肪酸中和物にゲル凝集物が少し見られたのに対し、Y/Xが小さいにも関わらず、実施例6ではゲル凝集物が見られなかった。これは、実施例6の図11の装置が剪断付与部を有しているためと考えられる。
実施例4~6を比較すると、実施例4では得られた脂肪酸中和物にゲル凝集物が少し見られたが、これは流量比のY/Xが7.0と小さいためと考えられる。
<実施例9>
投入開始から所定投入量の80質量%を吐出するまでの間、脂肪酸配合液Aの質量流量を61.5kg/minとし、製造途中の所定投入量の80質量%を吐出した時点で、質量流量を40kg/minに変化させて脂肪酸中和物を製造し、塩基性水溶液Bの質量流量は常に800kg/minで一定とした以外は、実施例4と同様に脂肪酸中和物を製造した。なお、脂肪酸配合液Aの脂肪酸のモル数の塩基性原料水溶液Bの塩基のモル数に対するモル比は1.02(脂肪酸/塩基)であった。
噴流場に供給される、脂肪酸中和物の所定投入量の80質量%を吐出した際の、吐出する脂肪酸配合液Aの質量流量Xに対する塩基性水溶液Bの質量流量Yの比(Y/X)は、13であり、質量流量変更後の比は20であり、したがって、Y/Xの増加量は7であった。
実施例7~9を比較すると、得られた脂肪酸中和物に、いずれもゲル凝集物が見られなかったが、製造途中に流量比Y/Xを変更した実施例9は、製造時間が短くできた。即ち、反応開始直後は、ゲル凝集物は出来にくいため、脂肪酸流量を大きくしてY/Xを小さくし、反応後期に脂肪酸流量を小さくしてY/Xを大きくすることで、ゲル凝集物を抑制する方が、製造時間が短縮されることがわかる。尚、実施例7、8,9の製造時間は、それぞれ、15.0分、9.0分、8.1分であり、実施例7、実施例8と比較して、それぞれ46%、10%の時間短縮であった。
<比較例>
液槽に上記塩基性原料水溶液Bを仕込み、その液槽内で撹拌している塩基性原料水溶液B中に、管内径80mmの配管端から上記脂肪酸配合液Aを上面から注いで脂肪酸中和物を製造した。このとき、脂肪酸中和物のゲル及びその凝集物の形成が明確に認められた。なお、このときの脂肪酸配合液Aの質量流量Xは40kg/min及び線速は0.13m/sにそれぞれ相当する。
Figure 0007419033000004
Figure 0007419033000005
本発明は、脂肪酸中和物の製造方法の技術分野について有用である。
10 脂肪酸中和物製造装置
11 脂肪酸槽
12 塩基槽
13,13a 脂肪酸供給配管
13b 塩基供給配管
14 吐出ノズル
15 吐出孔
16 循環配管
17 混合部
18 剪断付与部
19 回収配管
20 回収槽
A 脂肪酸配合液
B 塩基性原料水溶液、塩基性水溶液
C 反応液
P,P,P 送液ポンプ

Claims (7)

  1. 脂肪酸の含有量が90質量%以上の脂肪酸配合液と、アルカリ剤の含有量が15質量%以下の塩基性水溶液とを混合する混合ステップを有する脂肪酸中和物の製造方法であって、
    前記混合ステップにおいて、前記脂肪酸配合液を前記塩基性水溶液に噴流状態で吐出させると共に、前記脂肪酸配合液の吐出部において、前記脂肪酸配合液の吐出方向の線速が1m/s以上であり、配管内で前記脂肪酸配合液及び前記塩基性水溶液のそれぞれを流動させて行う場合、前記脂肪酸配合液の吐出方向の線速から、前記脂肪酸配合液の吐出方向における前記塩基性水溶液の線速を減じた線速差で定義される脂肪酸相対線速が1m/s以上である脂肪酸中和物の製造方法。
  2. 前記噴流状態では、前記塩基性水溶液中に、脂肪酸の液滴が形成される、請求項1に記載の脂肪酸中和物の製造方法。
  3. 前記混合ステップを、前記塩基性水溶液中に前記脂肪酸配合液を流動させて行う、 請求項1又は2に記載された脂肪酸中和物の製造方法。
  4. 前記脂肪酸配合液の吐出部において、前記脂肪酸配合液の質量流量に対する前記塩基性水溶液の質量流量の比が5以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載された脂肪酸中和物の製造方法。
  5. 前記脂肪酸配合液の吐出部において、前記脂肪酸配合液の吐出孔の孔径に対する前記塩基性水溶液が流動する配管の内径の比が4以上である、請求項1乃至4のいずれかに記載された脂肪酸中和物の製造方法。
  6. 前記脂肪酸配合液の質量流量に対する前記塩基性水溶液の質量流量の比を増加させる、請求項1乃至5のいずれかに記載の脂肪酸中和物の製造方法。
  7. 前記脂肪酸配合液を60質量%以上吐出させた後に、前記脂肪酸配合液の質量流量に対する前記塩基性水溶液の質量流量の比を増加させる、請求項6に記載の脂肪酸中和物の製造方法。
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