JP7418321B2 - 少なくとも2種の炭素源を使用する、ラムノリピドの向上した生産 - Google Patents

少なくとも2種の炭素源を使用する、ラムノリピドの向上した生産 Download PDF

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Description

ラムノリピド(RL)を生産する改善された方法であって、ラムノリピド産生微生物を、少なくとも2種の炭素源、特にトリグリセリド含有油および甘味剤を含む培地中で培養するステップを含む方法が提供される。
環境への関心が高まっていることを理由に、バイオ界面活性剤は、世間および消費者に大きな注目を集めている。バイオ界面活性剤として最も需要のあるものの1つが、ラムノリピド(RL)であり、これは、ラムノリピドが、泡立ち、洗浄、分散、乳化および表面張力低下の能力が高いからである[1,2]。ラムノリピドは、炭水化物(ラムノース)と脂肪族酸(ヒドロキシ脂肪酸)とを含有する界面活性糖脂質である。ラムノリピドは、1個のラムノース単位(モノラムノシルリピド(monorhamnosylipid)またはモノラムノリピド)または2個のラムノース単位(ジラムノシルリピド(dirhamnosylipid)またはジラムノリピド)と、1個または2個(主に2個)の3-ヒドロキシ脂肪酸残基とを含有する。ラムノリピドは、主にシュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)の好気性発酵により生産される。その他のシュードモナス属(Pseudomonas)種および大腸菌(E.coli)もラムノリピドを産生すると報告されているが、それらの収率は、P.エルギノーサ(P.aeruginosa)よりも力価および生産率がはるかに低い[3]。
ラムノリピド(RL)で、石油系合成界面活性剤、例えばラウレス硫酸ナトリウム(SLES)およびラウリル硫酸ナトリウム(SLSまたはSDS)に競合するには、RLの製造コストを著しく低下させる必要がある。プロセスの最適化および発酵の性能が、主なコスト推進要因である。様々な供給原料、遺伝子組み換え株および発酵戦略を含む多くのアプローチが、RLの生産率および力価を向上させるために実施されてきた。Banat等[4]およびKaskatepe等[5]は、低コストの供給原料(すなわち、農業および様々な産業からの廃棄物流)を使用したバイオ界面活性剤の生産について、幅広い検討をしている。ラムノリピドはラムノース(糖)部分と3-ヒドロキシ脂肪酸テール部とを含有するため、幾人かの研究者は、糖蜜を単独の炭素供給原料として使用することを試みた。彼らのうち誰も、2~10%の糖蜜濃度で6g/L超のラムノリピド濃度を示していない[6~9]。他方で、植物油は、糖蜜供給原料に比べてより高い濃度でラムノリピドを生産するために使用されてきた。これまでに、RLの生産のために両方の供給原料を組み合わせた者はいない。植物油を用いたRLの生産についての発酵性能の要約が、表1に示される。
米国特許第5,501,966号明細書[10]では、11日(264時間)の発酵で112gRL/LのRLを生産するフェドバッチ法の特許を請求しており、したがって、計算されるRLの生産率は、僅か0.42gRL/L/時であり、これは低いと考えられる。生産率(gRL/L/時)は、ラムノリピドが特定の発酵容量からどの程度速く生産されるかを表すため、非常に重要なプロセスパラメーターである。RLの生産率が高いほど、RLの製造コストが安くなる。
甘味剤(例えば、未精製甘味剤または糖)を、中鎖もしくは長鎖トリグリセリド含有油(例えば、ココナッツ油または植物油)または2種の油の組合せに添加し、このようにして、脂肪酸からのラムノースのデノボ合成を低減することにより、ラムノリピドの製造を向上させる手段が提供される。これにより、発酵時間が短縮され、したがって、RLの生産率(gRL/L/時)が向上する。
1種または複数種のラムノリピド(RL)を含む複数の発酵物を生産する半連続方法であって、(a) ラムノリピド産生微生物を、少なくとも1種の炭素源が甘味剤でありかつ少なくとも1種の炭素源が中鎖または長鎖トリグリセリド含有油である少なくとも2種の炭素源、少なくとも1種の窒素源、少なくとも1種のリン源、少なくとも1種のマグネシウム源、少なくとも1種のカリウム源、少なくとも1種の硫黄源、少なくとも1種の塩化物源、および少なくとも1種のナトリウム源を含む培養培地中で、少なくとも約1日、より詳細には約1日~約4日、さらにより詳細には約1日~約3日、なおさらにより詳細には約1日~約2日にわたり培養して、少なくとも約1.5gRL/L/時、詳細には約1.7gRL/L/時、より詳細には少なくとも約1.8gRL/L/時、さらにより詳細には約1.8gRL/L/時~約3.0gRL/L/時、なおさらにより詳細には約1.8gRL/L/時~約2.7gRL/L/時の速度でRLを生成する、1種または複数種のラムノリピド(RL)と1種または複数種のラムノリピド産生微生物とを含む第1の発酵培地を得るステップと、(b) (a)で得られた前記第1の発酵培地の少なくとも約70%を除去するステップであり、特定の実施形態において、撹拌の間および空気流の維持の間に行われ、ここで特定の実施形態において、前記空気流が、酸素富化空気を用いて前記発酵培地を含有する容器内で維持される、ステップと、(c) (b)で除去した前記第1の発酵培地を、ステップ(a)に示される組成を有する培養培地と交換するステップと、(d) ステップ(a)~(c)を少なくとも1回繰り返して、ラムノリピドを含む次の発酵物を得るステップであり、前記ステップ(a)~(c)が、少なくとも約20日、より詳細には少なくとも約30日にわたり繰り返すことが可能である、ステップとを含む、方法も提供される。
一実施形態において、この方法は、1種または複数種の微量栄養素を、1日あたりの総発酵容量の0.1~0.2%v/vの濃度で含む組成物を添加するステップをさらに含んでいてもよい。なお別の特定の実施形態では、前記方法を使用して、少なくとも約40gRL/Lが得られる。なお別の特定の実施形態では、50gRL/Lが得られ、さらにより特定の実施形態では、少なくとも約55gRL/Lが得られ、なお別の特定の実施形態では、少なくとも約60gRL/Lが得られ、さらにより特定の実施形態では、少なくとも約65gRL/Lが得られ、なおさらにより特定の実施形態では、少なくとも約70gRL/Lが得られ、なおさらにより特定の実施形態では、少なくとも約80gRL/Lが得られ、なおさらにより特定の実施形態では、少なくとも約90gRL/Lが得られる。さらにより特定の実施形態では、約40gRL/L~110gRL/Lが得られる。
1種または複数種のラムノリピドを生産する方法であって、ラムノリピド産生微生物を、少なくとも1種の炭素源が未精製甘味剤であり、かつ少なくとも1種の炭素源が植物油である少なくとも2種の炭素源、少なくとも1種の窒素源、少なくとも1種のリン源、少なくとも1種のマグネシウム源、少なくとも1種のカリウム源、少なくとも1種の硫黄源、少なくとも1種の塩化物源、少なくとも1種のナトリウム源、および任意で少なくとも1種の乳化剤を含む培養培地中で、少なくとも約1日にわたり培養し、それにより、少なくとも約40gRL/L、より詳細には少なくとも約50gRL/L、さらにより詳細には少なくとも約55gRL/L、なおさらにより詳細には少なくとも約60gRL/L、なおさらにより詳細には少なくとも約70gRL/L、なおさらにより詳細には少なくとも約80gRL/L、なおさらにより詳細には少なくとも約90gRL/L、もしくは約40gRL/L~約110gRL/Lの力価を得る、および/または少なくとも約1.5gRL/L/時の速度を得るステップを含む、方法も提供される。この方法は、前記ラムノリピド(複数可)を前記ラムノリピド含有発酵培地から単離するステップをさらに含んでいてもよい。特定の実施形態において、培養培地は微量栄養素を含まない。この培養培地は、半連続発酵、特に先に示される半連続方法で、またバッチおよびフェドバッチ発酵で使用されてもよい。ラムノリピドは、当技術分野において公知の方法を使用して単離および精製されてもよい(例えば、米国特許第9,884,883号明細書および2017年6月1日出願の米国特許出願第15611045号明細書を参照)。
定義
値の範囲を示す場合、文脈から明らかにそうでないと判断されない限り、その範囲の上限と下限の間の、下限の単位の10分の1までの各介在値、および記載範囲内のその他の記載値または介在値が、本発明に包含されると理解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、記載した範囲内で限界値が具体的に除外されることを前提として、このより小さな範囲内に独立的に含まれていてもよく、また本発明に包含される。記載した範囲が限界値の一方または両方を含む場合、これらの含まれる限界値の一方または両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての科学技術用語は、本発明が属する分野の当業者が通常理解する意味と同じ意味を有する。本明細書に記載したものと同様または等価のあらゆる方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することもできるが、これより、好ましい方法および材料を記載する。
本開示で引用されるあらゆる刊行物および特許を、その全体について参照により援用する。本明細書のいかなる記載も、本発明が先行発明によるそのような開示に先行できないと認めるものとして解釈されるべきではない。参照により援用された資料が本明細書と矛盾するか、またはこれと不適合である場合、そのような資料よりも本明細書が優先される。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈から明らかにそうでないと判断されない限り、複数の指示物を含むことに言及する必要がある。
特に定めのない限り、一連の要素の前に付く「少なくとも」という用語は、一連の各要素を指すと理解されるべきである。当業者であれば、本明細書に記載した本発明の特定の実施形態についての多数の等価物を認識するか、または日常実験だけを使用して確認することができるだろう。そのような等価物が本発明に包含されることが意図されている。文脈からそうでないと解釈されない限り、本明細書および以下の特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という語、ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの変化形は、記載された整数もしくはステップ、またはグループの整数もしくはステップを含むことを示唆しているが、その他の整数もしくはステップ、またはグループの整数もしくはステップを除外することを示唆してはいないと理解される。したがって、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」および「有する(having)」などの用語は、広い意味で、またはオープンエンドでかつ制限なしに読み取られるべきである。本明細書において使用される場合、「含む(comprising)」という用語は、「含有する(containing)」という用語で置き換えられてもよく、または本明細書において使用される場合往々にして、「有する(having)」という用語で置き換えられてもよい。
本明細書において定義されているように、「甘味剤」とは、食用品を甘くする物質である。
本明細書において定義されているように、「未精製甘味剤」とは、製糖の副産物として水および糖を含有するが、精製プロセスにかけられていない甘味剤である。これは、樹液、根(例えば、ジャガイモ、サツマイモ、ビート、特にテンサイ)、花蜜、花、葉、果実、茎、木、柄を含むものから直接抽出することができるが、これらに限定されてはいない。
本明細書において定義されているように、「精製された甘味剤」とは、当技術分野において公知の方法を使用して精製プロセスにかけられた甘味剤である。
本明細書において定義されているように、「乳化剤」とは、エマルション(非混和性流体の準安定混合物)を十分に分散させておくために典型的に使用される一種の界面活性剤である。乳化剤は典型的には、疎水性(水を嫌う)および親水性(水を好む)の部分を有する。油と水とを含むエマルションにおいて、乳化剤は、その疎水性部分を油に向けて油を囲み、したがって、油分子が融合できないように保護層を形成する。この作用は、分散相を小粒子に保つ助けになり、エマルションが維持される。乳化剤は、アニオン性であっても、非イオン性であっても、またはカチオン性であってもよい。
本明細書において定義されているように、「中鎖トリグリセリド」は、6~12個の炭素原子の脂肪族テール部を有する脂肪酸を含有する。
本明細書において定義されているように、「長鎖トリグリセリド」は、13個より多くの炭素原子の脂肪族テール部を有する脂肪酸を含有する。
本明細書において定義されているように、「植物油」は、植物またはその一部分に由来するトリグリセリドの混合物を含有する。
本明細書において定義されているように、「ラムノリピド」とは、1個または複数個の、典型的には直鎖状の、飽和または不飽和のβ-ヒドロキシカルボン酸部分を含む脂質部分と、1個または複数個のラムノース単位の糖部分とを有する糖脂質を指す。糖部分および脂質部分は、糖部分のラムノース部分の1-OH基と、脂質部分のβ-ヒドロキシカルボン酸の3-OH基との間のβ-グリコシド結合を介して結合されている。したがって、1個のカルボン酸部分のカルボキシル基によりラムノリピドの端部が画定される。1個より多くのラムノース部分がラムノリピドに含まれる場合、脂質部分に結合されていない各ラムノース部分は、1,4-β-グリコシド結合を介して別のラムノース部分に結合されている。2個以上のβ-ヒドロキシカルボン酸がラムノリピドに存在する実施形態において、β-ヒドロキシカルボン酸部分は、互いに独立して選択される。幾つかの実施形態において、それぞれ複数のβ-ヒドロキシカルボン酸部分のβ-ヒドロキシカルボン酸部分は、同一であってもよい。幾つかの実施形態において、これらは互いに異なる。
本明細書において定義されているように、「微量栄養素組成物」とは、約20mg/L以下の量で存在する微量栄養素を含む組成物である。
「培養培地」、「発酵培地」という用語は、同義語であり、同義で使用することができる。
糖蜜の添加を変更した場合および変更しない場合の発酵のpHの傾向を示すグラフである。
本明細書では、ラムノリピドを生産する改善された方法が提供される。特定の実施形態において、ラムノリピドは構造(I)を有していてもよい。
式中、m=2、1または0、特に1または0であり、n=1または0、または特に1であり、RおよびRは、互いに独立して、2~24個、好ましくは5~13個の炭素原子を有する同じまたは異なる有機基、特に、任意で分枝鎖状の、任意で置換された、特にヒドロキシル置換された、任意で不飽和の、特に任意で一不飽和、二不飽和または三不飽和アルキル基、好ましくは、ペンテニル、ヘプテニル、ノネニル、ウンデセニルおよびトリデセニル、ならびに(CH-CH(式中、o=1~23、好ましくは4~12)からなる群から選択されるものである。
主鎖および分枝鎖のどちらも、ヘテロ原子、例えば、N、O、S、SeもしくはSiをさらに含有していてもよく、または炭素原子が、これらのヘテロ原子のうちの1つにより置き換えられてもよい。脂肪族部分は、1種または複数種の官能基により置換されていても、または置換されていなくてもよい。置換基は、任意の官能基、例えば、アミノ、アミド、カルボニル、カルボキシル、ヒドロキシル、ニトロ、チオおよびスルホニルであってもよいが、これらに限定されることはない。
ラムノリピド産生微生物
先に言及したように、この方法は、ラムノリピド産生微生物を培養するステップを含む。ラムノリピド産生微生物は、ラムノリピドを産生する宿主細胞であり得る。ラムノリピドを産生する組換え宿主細胞は、RhlA遺伝子もしくはそのオルソログ、および/またはRhlB遺伝子もしくはそのオルソログ、および/またはRhlC遺伝子もしくはそのオルソログ、および/またはRhlR遺伝子もしくはそのオルソログ、および/またはRhlI遺伝子もしくはそのオルソログ、および/またはRhlG遺伝子もしくはそのオルソログなどを発現する宿主細胞、例えば細菌細胞であり得る。
あるいは、「ラムノリピド産生微生物」は、ラムノリピドを適切な条件下で合成/産生する能力を有する微生物、例えば細菌であってもよく、これとしては、アクチノバクテリア(Actinobacteria)、フィルミクテス(Fimicutes)およびプロテオバクテリア(Proteobacteria)門の細菌が挙げられるが、これらに限定されることはない。特定の実施形態において、ラムノリピド産生微生物は、ガンマプロテオバクテリア(Gammaproteobacteria)綱の細菌である。さらなる実施形態において、ラムノリピド産生微生物は、シュードモナス(Pseudomonadales)目の細菌である。なお別のさらなる実施形態において、ラムノリピド産生微生物は、シュードモナス(Pseudomonadacae)科の細菌である。さらにさらなる実施形態において、ラムノリピド産生微生物は、シュードモナス(Pseudomonas)属の細菌、例えば、P.アルカリゲネス(P.alcaligenes)、P.エルギノーサ(P.aeruginosa)、P.クロロラフィス(P.chlororaphis)、P.クレマンセア(P.clemancea)、P.コリエレア(P.collierea)、P.フルオレッセンス(P.fluorescens)、P.ルテオラ(P.luteola)、P.プチダ(P.putida)、P.スタッツェリ(P.stutzeri)、およびP.テシデア(P.teessidea)である。さらなる実施形態において、ラムノリピド産生微生物は、P.エルギノーサ(P.aeruginosa)である。
培養(発酵)培地
ラムノリピド含有微生物は、培養(発酵とも称される)培地中で培養される。前記培養培地は、少なくとも2種の炭素源、少なくとも1種の窒素源、少なくとも1種のリン源、少なくとも1種の硫黄源、少なくとも1種のナトリウム源、少なくとも1種のマグネシウム源、少なくとも1種のカリウム源、少なくとも1種の硫黄源、および少なくとも1種の塩化物源を含む。
特定の実施形態において、炭素源は、甘味剤、ならびに1種または複数種の中鎖および/または長鎖トリグリセリドを含む油(本明細書ではそれぞれ中鎖含有トリグリセリド油および長鎖トリグリセリド含有油とも称される)であってもよい。より特定の実施形態において、各甘味剤は、約0.1%~約2%w/vの量で存在していてもよく、および/または各油は、約3%~約15%w/w、特に約4%~約10%w/w、より詳細には約6%~約12%w/wの量で存在していてもよい。
甘味剤は、精製されていても、または未精製甘味剤であってもよい。精製された甘味剤の例としては、スクロース(グラニュー糖)およびステビアを挙げることができるが、これらに限定されることはない。未精製甘味剤は、製糖に由来していても、および/または樹液、1種もしくは複数種の根、果実、1種もしくは複数種の種子、1種もしくは複数種の花蜜、1種もしくは複数種の花、1種もしくは複数種の葉、1種もしくは複数種の木、1種もしくは複数種の柄、および/または1種もしくは複数種の動物に由来していてもよい。より特定の実施形態において、使用される前記未精製甘味剤は、糖蜜、米もしくは大麦麦芽シロップ、花蜜、ヤーコンシロップ、テンサイシロップ、コーンシロップ、ソルガムシロップ、メープルシロップ、ヤシ糖、またはジャガイモもしくはサツマイモに由来する甘味剤のうちの少なくとも1種であってもよい。最も特定の実施形態において、未精製甘味剤は糖蜜である。別の実施形態において、炭素源は、単糖類、例えば、グルコース、二糖類、例えば、スクロース、糖アルコール、例えば、グリセロール、長鎖アルカン、例えば、n-ヘキサデカン、脂肪酸、例えばカプリル酸(オクタン酸とも称する)またはそれらの混合物、有機酸(例えば、乳酸、酢酸、クエン酸、プロピオン酸)、アルコール(例えば、エタノール)、およびそれらの混合物をさらに含んでいてもよい。
特定の一実施形態において、油は、市販の中鎖トリグリセリド油であり得る中鎖トリグリセリド含有油であり、これは、ココナッツ油、ヤシ油および/もしくはその他の中鎖トリグリセリド(例えば、カプリル酸を含有する)の混合物、ココナッツ油、またはヤシ油を含有していてもよい。長鎖トリグリセリドは、ダイズ油、キャノーラ油、ヒマワリ油、ベニハナ油、ラッカセイ油、ヘンプシード油、ジャトロファ油、カラバッシュ油、アマニ油、コーン油、ポピーシード油、イブニングプリムローズ油、オリーブ油であってもよい。一実施形態において、長鎖トリグリセリドは、13個より多くの炭素原子の脂肪族テール部を有する脂肪酸を含有し、特定の実施形態において、長鎖トリグリセリドは、13~21個の炭素原子の脂肪族テール部を有する脂肪酸を含有する。
特定の実施形態において、油は植物油であってもよい。植物油は、ダイズ油、ベニハナ油、ラッカセイ油、ヘンプシード油、キャノーラ油、ジャトロファ油、カラバッシュ油、アマニ油、コーン油、ポピーシード油、イブニングプリムローズ油、オリーブ油、パーム核油、ヤシ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマワリ油、グレープシード油、クルミ油、小麦胚芽油、または植物油の組合せであってもよい。
より特定の実施形態において、長鎖トリグリセリドは植物油であってもよく、甘味剤は未精製甘味剤であってもよい。
別の特定の実施形態において、中鎖または長鎖トリグリセリドは、コーン油、キャノーラ油もしくはダイズ油である植物油であってもよく、またはココナッツ油である中鎖トリグリセリドであってもよく、甘味剤は、糖蜜、テンサイシロップまたはソルガムシロップである未精製甘味剤である。
特定の実施形態において、培養培地は、少なくとも2種の炭素源が甘味剤でありかつ少なくとも1種の炭素源が中鎖または長鎖トリグリセリド含有油である少なくとも3種の炭素源を含んでいてもよい。さらにより特定の実施形態では、少なくとも2種の炭素源が未精製甘味剤であり、少なくとも1種の炭素源が中鎖トリグリセリド含有油、例えばココナッツ油である。
別の特定の実施形態において、培養培地は、少なくとも2種の炭素源が、中鎖または長鎖トリグリセリド含有油でありかつ少なくとも2種の炭素源が甘味剤である少なくとも4種の炭素源を含む。より特定の実施形態において、少なくとも1種の炭素源は、中鎖トリグリセリド含有油(例えばココナッツ油)であり、1種の炭素源は、長鎖トリグリセリド含有油(例えばキャノーラ油などの植物油)であり、少なくとも2種の炭素源は、未精製甘味剤(例えば、糖蜜、ソルガムシロップ、テンサイシロップ)である。
窒素源は、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、尿素、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、およびコーンスティープリカーであってもよい。特定の実施形態において、窒素源はNaNOである。なお別の実施形態において、窒素は、約5~20g/Lの量で存在していてもよい。
特定の実施形態において、リン源は、HPOまたはKHPOであってもよい。なお別の特定の実施形態において、前記リンは、約1~15g/Lの量で存在する。
特定の実施形態において、マグネシウムイオンは、MgSO・7HOおよび/またはMgClであってもよい。特定の実施形態において、マグネシウムは約0.2~2g/Lの量で存在する。
カリウムは、KClおよび/またはKOHであってもよい。特定の実施形態において、カリウムは、約0.1~約2g/Lの量で存在する。
ナトリウムは、NaCl、NaNOおよびNaOHであってもよい。特定の実施形態において、前記ナトリウムイオンは、約1~15g/Lの量で存在する。
塩化物は、KClおよびNaClであってもよい。特定の実施形態において、前記の塩化物イオンは、約0.1~1g/Lの量で存在する。
硫黄はHSOであってもよい。特定の実施形態において、前記硫黄イオンは、約0.1~1g/Lの量で存在する。
硫黄および塩化物源は、米国特許第9,884,883号明細書に記載された手順を使用して得られる水層廃液流に由来していてもよく、またはこれは、酸処理精製発酵ブロスの水性液相もしくは水相とも称される。特定の実施形態では、ラムノリピドが、酸処理精製発酵ブロスの溶液から沈殿し、固相および油性液相を底部に形成し、水性液相が、このステップに使用される容器の上部に生成される。水性液相は、当技術分野において公知の手順を使用し、特定の実施形態においては、先に示される方法(例えば、濾過、または遠心分離、またはデカントと組み合わせた沈降)を使用して除去される。先に参照した水性層は、硫黄または塩化物源(約1.5~2.5、優先的には約2.05~約2.15のこのpH調整の間に使用される酸の種類に応じる)であり、また微量栄養素源である。
培養培地は、乳化剤をさらに含んでいてもよい。特定の実施形態において、乳化剤としては、アラビアガム、グアーガムおよびラムノリピドを挙げることができるが、これらに限定されることはない。なお別の特定の実施形態において、前記培養培地中の炭素源に対する乳化剤の比は、約0.1%~約20%w/wである。なお別の特定の実施形態において、前記乳化剤は、約0.1~2重量%の量で存在していてもよい。
特定の実施形態において、培養培地または発酵培地は、当技術分野において公知の方法を使用して殺菌される。これらの方法は、濾過に基づいていても、熱に基づいていても、化学薬品に基づいていても、または紫外線に基づいていてもよい。特定の実施形態において、熱に基づく処理は、湿熱殺菌、特にオートクレーブ処理による処理であってもよい。
一実施形態において、培養培地(例えば発酵培地)は、先の手順のうちの1つにより殺菌されてもよい。別の実施形態において、発酵培地は、先に示される手順のうちの1つより多くにより殺菌されてもよく、これらの殺菌は、任意の順序であってもよい。これは、発酵において発酵の第1のサイクルで殺菌されてもよいが、次のサイクルにて別の容器内で殺菌されることが望ましい。
微量栄養素組成物
先に言及したように、前記方法は、微量栄養素の溶液または組成物を添加するステップをさらに含んでいてもよい。前記微量栄養素は、痕跡量のFe、Mn、Zn、Cu、Naであってもよい。特定の実施形態において、前記微量栄養素は、Fe、Mn、Zn、NaまたはCuの塩である。より特定の実施形態において、前記微量栄養素組成物は、Fe、Mn、Zn、NaおよびCuの塩を含む。この組成物は、濾過により殺菌されてもよい。
特定の実施形態において、前記Cu塩は、CuCl・2HOおよびCuSO・5HOのうちの少なくとも1種であり、微量栄養素溶液1Lあたり約0.5~3g(約0.5~3g/L)の量で存在していてもよく、前記Mn塩は、MnSO・HOおよびMnCl・4HOのうちの少なくとも1種であり、微量栄養素溶液1Lあたり約0.1~2g(約0.1~2g/L)の量で存在していてもよく、前記Zn塩は、ZnSO・7HOまたはZnClであり、微量栄養素溶液1Lあたり約0.5~3g(約0.5~3g/L)の量で存在していてもよく、前記Fe塩は、FeCl・6HOまたはFeSOのうちの少なくとも1種であり、微量栄養素溶液1Lあたり約0.1~1g(約0.1~1g/L)の量で存在していてもよく、前記ナトリウム塩は、Na・2HOであり、微量栄養素溶液1Lあたり約1~5g(約1~5g/L)の量で存在していてもよい。
[実施例1]
未硫化サトウキビ廃糖蜜(unsulfured blackstrap sugar cane molasse)添加剤と、乳化剤としてアラビアガムとを用いる、ラムノリピドの6%ダイズ油半連続発酵
ラムノリピドの発酵を、7.5Lの作業容量を有する10Lの発酵槽(Labfors5、Infors HT、スイス)内で実施する。発酵培地は、残分としての脱イオン(DI)水中に、乳化された油と栄養素溶液とを含有する。まず、乳化剤として使用される0.8%のアラビアガムを有する8%の乳化されたダイズ油1.5Lを、キッチンブレンダーを使用して調製する。糖蜜の添加(硫黄を含まない廃糖蜜、Golden Barrel、アメリカ合衆国)では、糖蜜を、1%、0.5%または0.25%w/vで、121℃での50分にわたるオートクレーブ内での殺菌前に乳化された油に添加する。これを37℃に冷却した後に、9.69g/Lの85%HPO、5.21g/LのNaOH、1g/LのMgSO・7HO、1g/LのKCl、および15g/LのNaNOを含有する、0.2ミクロンの殺菌済の濾過された栄養素溶液を添加する。85%のHPOを除くすべての化学薬品が、少なくとも99%の純度である。2017年6月1日に出願された米国特許出願第15611045号明細書の実施例3から得られる2.5%のR4培養物を接種する前に、HSOを使用して発酵培地のpHを6.3に調整する。
発酵を、37℃、0.14vvmの空気供給速度、および300~650rpmの撹拌速度で実施して、溶存酸素(DO)を少なくとも15%に維持する。撹拌速度が650rpmに達しているものの、%DOがなおも15%未満である場合、純粋な酸素を空気とともに加えて、総気体流量を一定に保つ(0.14vvm)。米国特許出願公開第20160326561号明細書として公開されている米国特許出願第15/146,508号明細書に記載されている実施例2に従って調製されたおよそ20%の微量痕跡元素組成物を、ペリスルタティックポンプ(peristatic pump)を使用して、発酵器に80ml/日で連続的に添加する。ケイ素系消泡剤(Snapsil FD30、BRB、オランダ)を自動的に添加して、発酵の間に泡を除去する。pHが7.9を上回らない限り、発酵はpH制御なしで起こる。この時点で、25%のHSOを自動的に添加して、pHを7.9に制御する。
発酵が完了した後に、ポンプを使用して、%DOを15%に維持(すなわち、撹拌および気体供給がまだオンになっている)しながら、約77%の発酵ブロス(5.8L)を取り出す。この実施例の最初の段落で述べた、別個の容器内で調製された、殺菌したばかりの8%の乳化された油の培養培地5.8Lを、新たな供給原料として発酵器に供給する。「ドローアンドフィル(draw and fill)(DF)」と称されるこの方法は、米国特許出願公開第20160326561号明細書として公開されている米国特許出願第15/146,508号明細書に開示されている。接種後に発酵器から除去される第1の77%の発酵ブロスを、バッチDF0と称する。続いて、DF0の後に発酵器から抜き出される次の発酵ブロスを、DF1等と称する。
図1に示される、DF1(糖蜜なし)、DF5、6および7(0.5%の糖蜜添加)についての発酵の過程にわたるpHの傾向は、3相のパターンのpH変化を示す。第1に、pHは、発酵の開始時に迅速に上昇する。第2に、pHは、pHが再び上昇する第3相前に、安定を保つか、または僅かに低下する。第2相は、糖蜜の添加により短縮される。第3相では、pHが%DOの増加に伴って迅速に上昇し、その一方で撹拌および空気流は一定であり、これは、発酵が完了したことを示す。上部の油層を有しない透明な上清が、除去された発酵ブロスを、9500rpmで10分にわたり、または14,000rpmで5分にわたり遠心分離した後に得られる。その後、各DFから得られた透明なRL上清を、殺菌し、再び遠心分離して、清澄化されたブロス(CB)を得、これを、DI水で希釈する前に、材料の開始濃度に応じて少なくとも100~200回、0.2ミクロンで濾過する。その後、希釈した試料を、ラムノリピド定量化のためにHPLC-ELSDに注入する(詳細な方法論は実施例2に示される)。
様々な濃度の糖蜜添加による発酵の結果は、表2に示される。10Lの発酵槽を停止することなく使用して、この「ドローアンドフィル」法により発酵を18日間にわたり連続的に行い、65Lを超える発酵ブロスを生成した。表2中の結果は、糖蜜濃度にかかわらず、糖蜜を添加することにより、主に第2相のpH変化の間に、発酵時間が短縮され(図1)、それにより、糖蜜なしのものに比べて、RL生産率がより高くなることを明らかに示す。これは、gCDW/L(1Lあたりのg細胞乾燥重量)の列に示される細菌細胞質量の増加による可能性もある。
[実施例2]
ラムノリピド分析の定量化および構造
1290 Infinity蒸発光散乱検出器(ELSD)と、逆相カラムであるRestekのPinnacle DB C18(100×2.1mm、3ミクロン部分#9414312)とを備えるAgilent 1260 Infinity高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムを使用して、試料におけるラムノリピドの濃度を定量化する。カラム温度を40℃で一定に保つ。試料注入容量は25μLである。移動相は、同容量の5mMの酢酸アンモニウムおよびアセトニトリルを0.25ml/分で含有する。霧化物および蒸発器の温度は、1.7SLMの窒素で、40℃である。RL濃度は、希釈係数と、薄層クロマトグラフィーを使用してインハウスで得られた標準物の既知の濃度(すなわち、純粋なジラムノリピドおよび純粋なモノラムノリピドの較正曲線)とを使用して計算する。
ラムノリピドの構造は、Waters ZQ2000シングル四重極質量分析装置に接続されたWaters Corporation 2695セパレーションモジュールを使用してエレクトロスプレーイオン化(LC/MS)で分析する。LCカラムは、HPLCの構成で使用されるものと同じである。注入容量は5μLである。移動相は、5mMの酢酸アンモニウム(A)およびアセトニトリル(B)からなる。流速は0.2mL/分であり、A=60%(B=40%)を2分間、その後、15分で100%のBに勾配し、これを残りのLC処理にわたり保つ。試料を4℃に保ち、カラム温度を40℃で一定に保つ。ラムノリピドの検出についてのLC/MS条件は、以下の表3に記載されている。
[実施例3]
乳化剤としてラムノリピドを用いる、7.8%のダイズ油および0.5%の未硫化サトウキビ廃糖蜜のRL半連続発酵
発酵条件、培地および栄養素組成物は、実施例1から生産された精製されたラムノリピドを乳化剤として使用することを除いて、実施例1に示されるものと同じである。炭素供給原料は、0.5%の未硫化廃糖蜜を有する7.8%のダイズ油である。精製されたラムノリピドを、殺菌したばかりの培養培地を用いて、乳化剤として始めに培養培地に添加する。
ラムノリピド(RL)濃度および生産率は、表4に示される。RLは、DF0の場合は0.5%で、DF1~DF3の場合は0.1%で乳化剤として始めに培地に添加されるため、これらの量は差し引き、発酵から生じる実際のRL濃度を調整済RL(g/L)として報告する。
微生物は、LBブロスを含有する振とうフラスコからダイズ油を含有する発酵器へと新たな環境に適応する時間を必要とするため、DF0について発酵により長い時間がかかることは、言及する価値がある。示されるDF0のすべてのRL生産率は、DF1+から得られるRL生産率よりも低い。また、これは、RL生産率および発酵処理効率が第1の接種(DF0)後に増加するため、半連続発酵法の利点でもある。バッチ発酵法では、発酵を最初から開始する(すなわち、各バッチに新しく接種する)必要があるため、新たなバッチを開始する度に、この遅れが問題となる。
%炭素変換率は、ラムノリピド中の炭素に変換された、ダイズ油中に含有される炭素の量に基づいて計算される。LC/MSの結果により、ラムノリピド試料が、C10~C10およびC10~C12テール部を有するモノラムノースおよびジラムノースを主に含有することが示された。この結果に基づくと、ラムノリピド生産のためのダイズ油からの炭素変換率の計算値は、80%超である。
[実施例4]
0.5%の未硫化サトウキビ廃糖蜜を用いる、8.8%のコーン油のRL半連続発酵
発酵条件、培地および栄養素組成物は、乳化剤として実施例1から生産された精製されたラムノリピドを使用し、7.5mlの微量痕跡元素を毎日添加することを除いて、実施例1に示されるものと同じである。炭素供給原料は、0.5%の未硫化サトウキビ廃糖蜜を有する8.8%コーン油であり、精製されたラムノリピドを、DF0の始めにのみ0.1%で、乳化剤として培養培地に添加する。DF1~DF5については、乳化剤としてラムノリピドを添加しない。
コーン油の発酵から得られたRL生産率は、ダイズ油からのRL生産率と同程度に良好である。RL生産率は、2~2.3gRL/L/時の範囲にある。
[実施例5]
様々な濃度でテンサイおよびソルガムシロップを用いる振とうフラスコ実験
振とうフラスコ実験を、250mlのPyrexエルレンマイヤーバッフルフラスコ内で、MaxQ(商標)8000 Stackable Orbital Shakers(Thermo Scientific)を使用して、37℃にて250rpmで実施する。各フラスコは、実施例1に記載したものと同じ栄養素組成物を有するものの、微量痕跡元素は含まない8%のダイズ油を含有する40mlの培養培地を含んでいた。バッフルフラスコを、121℃で20分にわたりオートクレーブ処理し、室温に冷却した後、P.エルギノーサ(P.aeruginosa)培養物を用いて2.5%v/vで接種する。殺菌したピペットを使用して、68時間、92時間、および116時間で試料を採取する。試料を、14,000rpmで5分にわたり遠心分離して、透明な上清(油層なし)を得、その後、これを殺菌し、0.2ミクロンで濾過した後、HPLC/ELSDを使用したRL濃度分析のために、希釈する。
透明な上清なし(すなわち、上部に油層を有する)の試料は、「CBなし」と表示され、これは、試料中の油濃度が高過ぎるためにこれがHPLCに注入されなかったことを意味する。表6に示されるこれらの結果により、ラムノリピド生産が、テンサイシロップおよびソルガムシロップの添加によっても向上することが明らかに示される。
[実施例6]
8%のダイズ油と0.5%の未硫化サトウキビ廃糖蜜とを用いたRLバッチ発酵
発酵条件、培地および栄養素組成物は、これが、発酵がR4接種(時間=0)で開始し、発酵が完了したら発酵を停止し、洗浄することを意味するバッチ発酵であることを除いて、実施例4に示されるものと同じである。炭素供給原料は、0.5%の未硫化廃糖蜜を有する8%のダイズ油である。精製されたラムノリピドは、殺菌したばかりの培養培地を用いて、乳化剤として0.1%で培養培地に添加される。
発酵は、完了までに44時間かかる。ラムノリピド(RL)濃度は、44時間で88g/Lで得られ、したがって、RL生産率は、糖蜜が添加されない実施例1に示されるDF0で得られる1g/L/時に比べて、1.9g/L/時である。
[実施例7]
乳化剤としてラムノリピドを用いる、8%のココナッツ油および0.5%の未硫化サトウキビ廃糖蜜のRL半連続発酵
発酵条件、培地および栄養素組成物は、炭素供給原料が8%のココナッツ油であることを除いて、実施例3に示されるものと同じである。ラムノリピドは、DF0から生成されるため、DF1~DF4については乳化剤として添加しない。0.5%の糖蜜添加では、発酵時間は、32~36時間で一貫している。
[実施例8]
糖添加剤と組み合わせた8%のココナッツ油のRL発酵
発酵条件、培地および栄養素組成物は、糖添加剤が、未硫化サトウキビ廃糖蜜、ソルガムシロップおよびテンサイシロップであることを除いて、実施例7に示されるものと同じである。
[実施例9]
0.5%の未硫化サトウキビ廃糖蜜を用いる、中鎖および長鎖トリグリセリド油のRL発酵
発酵条件、培地および栄養素組成物は、それぞれ中鎖および長鎖トリグリセリド油を表す4%のココナッツ油および4%のキャノーラ油が、0.5%の糖蜜を有する供給原料として使用されることを除いて、実施例7に示されるものと同じである。発酵は、88g/LのRL濃度の場合、32時間で完了し、したがって、RL生産率は、2.8g/L/時である。
参考文献
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なお、本発明には、以下の実施形態が包含される。
[1]1種または複数種のラムノリピド(RL)を含む複数の発酵物を生産する半連続方法であって、
(a) ラムノリピド産生微生物を、少なくとも1種の炭素源が甘味剤でありかつ少なくとも1種の炭素源が中鎖または長鎖トリグリセリド含有油である少なくとも2種の炭素源、少なくとも1種の窒素源、少なくとも1種のリン源、少なくとも1種のマグネシウム源、少なくとも1種のカリウム源、少なくとも1種の硫黄源、少なくとも1種の塩化物源、および少なくとも1種のナトリウム源を含む培養培地中で、任意で乳化剤の存在下で、少なくとも約1日にわたり培養して、1種または複数種のラムノリピド(RL)を含むラムノリピドと少なくとも1種のラムノリピド産生微生物とを含む第1の発酵培地を得るステップと、
(b) ステップ(a)で得られた前記第1の発酵培地の少なくとも約70%を除去するステップと、
(c) (b)で除去した前記第1の発酵培地を、ステップ(a)に示される組成を有する培養培地と交換するステップと、
(d) ステップ(a)~(c)を少なくとも1回繰り返して、ラムノリピドと少なくとも1種のラムノリピド産生微生物とを含む次の発酵培地を得るステップと
を含む、方法。
[2]前記培養するステップ(a)により少なくとも約1.7gRL/L/時が得られ、および/または前記方法により少なくとも約40gRL/Lが得られる、前記[1]に記載の方法。
[3]前記ラムノリピド産生微生物が、ステップ(a)で約1日~約4日にわたり培養される、前記[1]または[2]に記載の方法。
[4]1種または複数種の微量栄養素を微量栄養素溶液1Lあたり20mg以下の濃度で含む組成物を、ステップ(a)の前記培養培地に、1日あたりの総発酵容量の0.1%v/vで添加するステップをさらに含む、前記[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5]前記発酵培地が、ステップ(b)で、撹拌の間に空気流を維持しながら除去される、前記[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6]前記発酵培地が、ステップ(b)で、撹拌の間に酸素富化空気を用いて空気流を維持しながら除去される、前記[5]に記載の方法。
[7]ステップ(a)と(b)との間に沈降ステップがない、前記[1]から[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8]1種または複数種のラムノリピドを生産する方法であって、ラムノリピド産生微生物を、炭素源が甘味剤および中鎖または長鎖トリグリセリド含有油である少なくとも2種の炭素源、少なくとも1種の窒素源、少なくとも1種のリン源、少なくとも1種のマグネシウム源、少なくとも1種のカリウム源、少なくとも1種の硫黄源、少なくとも1種の塩化物源、少なくとも1種のナトリウム源、および任意で乳化剤を含む培養培地中で、少なくとも約1日にわたり培養して、少なくとも約40g/Lのラムノリピド力価を、および/または少なくとも約1.5gRL/L/時の速度で得るステップと、任意で前記1種または複数種のラムノリピドを前記培養培地から単離するステップとを含む、方法。
[9]前記培養培地が微量栄養素を含まない、前記[8]に記載の方法。
[10]前記培養するステップが、半連続発酵法、バッチ発酵法またはフェドバッチ発酵法を使用して実施される、前記[8]または[9]に記載の方法。
[11]培養するステップが、請求項1に記載の半連続発酵法を使用して実施される、前記[10]に記載の方法。
[12]前記ラムノリピド産生微生物が、シュードモナス属(Pseudomonas)微生物である、前記[8]から[11]のいずれか一項に記載の方法。
[13]前記培養培地が、約0.1~約2.0重量%w/vの各甘味剤を前記培養培地中に含み、および/または約3~15重量%の各油を前記培養培地中に含む、前記[10]に記載の方法。
[14]前記甘味剤が未精製甘味剤であり、および/または前記油が植物油である、前記[1]または[8]に記載の方法。
[15]前記未精製甘味剤が、樹液、1種もしくは複数種の根、果実、1種もしくは複数種の種子、1種もしくは複数種の木、または1種もしくは複数種の動物に由来する、前記[14]に記載の方法。
[16]前記甘味剤が、糖蜜、米もしくは大麦麦芽シロップ、花蜜、ヤーコンシロップ、テンサイシロップ、ソルガムシロップのうちの少なくとも1種であり、および/または前記油が、ダイズ油、ベニハナ油、ラッカセイ油、ヘンプシード油、ジャトロファ油、ココナッツ脂肪、カラバッシュ油、アマニ油、コーン油、ポピーシード油、イブニングプリムローズ油、オリーブ油、パーム核油、ヤシ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマワリ油、グレープシード油、クルミ油、小麦胚芽油、ココナッツ油もしくは中鎖トリグリセリド油のうちの少なくとも1種である、前記[1]または[8]に記載の方法。
[17]前記ラムノリピド産生微生物が、少なくとも3種の炭素源を含む培養培地中で培養され、少なくとも2種の炭素源が甘味剤であり、少なくとも1種の炭素源が中鎖または長鎖トリグリセリド含有油である、前記[1]または[8]に記載の方法。
[18]前記ラムノリピド産生微生物が、少なくとも3種の炭素源を含む培養培地中で培養され、少なくとも2種の炭素源が未精製甘味剤であり、少なくとも1種の炭素源が中鎖トリグリセリド含有油である、前記[1]または[8]に記載の方法。
[19]前記ラムノリピド産生微生物が、少なくとも4種の炭素源を含む培養培地中で培養され、少なくとも2種の炭素源が中鎖または長鎖トリグリセリド含有油であり、少なくとも2種の炭素源が甘味剤である、前記[1]または[8]に記載の方法。
[20]前記ラムノリピド産生微生物が、少なくとも4種の炭素源を含む培養培地中で培養され、少なくとも1種の炭素源が中鎖トリグリセリド含有油であり、1種の炭素源が長鎖トリグリセリド含有油であり、少なくとも2種の炭素源が未精製甘味剤である、前記[1]または[8]に記載の方法。

Claims (18)

  1. 1種または複数種のラムノリピド(RL)を含む複数の発酵物を生産する半連続方法であって、
    (a) ラムノリピド産生微生物を培養培地中で培養するステップであって、前記ラムノリピド産生微生物が、シュードモナス属(Pseudomonas)微生物であり、前記1種または複数種のラムノリピドが、少なくとも1.7gRL/L/時の速度で得られ、前記培養培地が、
    i.少なくとも2種の炭素源であって、第1の炭素源が、糖蜜、米シロップ、大麦麦芽シロップ、花蜜、ヤーコンシロップ、テンサイシロップ、およびソルガムシロップからなる群より選ばれる未精製甘味剤であり、第2の炭素源が中鎖または長鎖トリグリセリド含有植物油であり、前記培養培地中の前記未精製甘味剤の含有量が0.1~2.0重量%であり、前記培養培地中の前記植物油の含有量が3~15重量%である、少なくとも2種の炭素源;
    ii.少なくとも1種の窒素源;
    iii.少なくとも1種のリン源;
    iv.少なくとも1種のマグネシウム源;
    v.少なくとも1種のカリウム源;
    vi.少なくとも1種の硫黄源;
    vii.少なくとも1種の塩化物源;および
    viii.少なくとも1種のナトリウム源
    を含み、
    前記培養培地中で、前記ラムノリピド産生微生物が、少なくとも1日にわたり培養されて、前記1種または複数種のラムノリピドと前記ラムノリピド産生微生物とを含む第1の発酵培地を得るステップと、
    (b) ステップ(a)で得られた前記第1の発酵培地の少なくとも70%を除去するステップと、
    (c) (b)で除去した前記第1の発酵培地を、ステップ(a)に示される組成を有する培養培地と交換するステップと、
    (d) ステップ(a)~(c)を少なくとも1回繰り返して、前記1種または複数種のラムノリピドと前記ラムノリピド産生微生物とを含む次の発酵培地を得るステップと
    を含み、
    前記方法により少なくとも60gRL/Lの力価が得られる、方法。
  2. 前記ラムノリピド産生微生物が、ステップ(a)で1日~4日にわたり培養される、請求項1に記載の方法。
  3. 20mg/L以下の濃度の微量栄養素組成物を、ステップ(a)の前記培養培地に、1日あたりの総発酵容量の0.1%v/vで添加するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記発酵培地が、ステップ(b)で、撹拌の間に空気流を維持しながら除去される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記発酵培地が、ステップ(b)で、撹拌の間に酸素富化空気を用いて空気流を維持しながら除去される、請求項4に記載の方法。
  6. ステップ(a)と(b)との間に沈降ステップがない、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 1種または複数種のラムノリピドを生産する方法であって、
    ラムノリピド産生微生物を、少なくとも2種の炭素源を含む培養培地中で培養するステップであって、前記ラムノリピド産生微生物が、シュードモナス属(Pseudomonas)微生物であり、前記炭素源が、糖蜜、米シロップ、大麦麦芽シロップ、花蜜、ヤーコンシロップ、テンサイシロップ、およびソルガムシロップからなる群より選ばれる未精製甘味剤および中鎖または長鎖トリグリセリド含有植物油である少なくとも2種の炭素源であり、前記培養培地中の前記未精製甘味剤の含有量が0.1~2.0重量%であり、前記培養培地中の前記植物油の含有量が3~15重量%である炭素源、少なくとも1種の窒素源、少なくとも1種のリン源、少なくとも1種のマグネシウム源、少なくとも1種のカリウム源、少なくとも1種の硫黄源、少なくとも1種の塩化物源、および少なくとも1種のナトリウム源を含む培養培地中で、少なくとも1日にわたり培養するステップを含み、
    前記1種または複数種のラムノリピドが、少なくとも1.7gRL/L/時の速度で得られ、
    前記方法により少なくとも60gRL/Lの力価が得られる、方法。
  8. 前記培養培地が微量栄養素を含まない、請求項7に記載の方法。
  9. 前記培養するステップが、半連続発酵法、バッチ発酵法、またはフェドバッチ発酵法を使用して実施される、請求項7または8に記載の方法。
  10. 培養するステップが、
    (a) シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)を培養培地中で培養するステップであって、前記培養培地中で、前記シュードモナス・エルギノーサが、少なくとも1日にわたり培養されて、前記1種または複数種のラムノリピドと前記シュードモナス・エルギノーサとを含む第1の発酵培地を得るステップと、
    (b) ステップ(a)で得られた前記第1の発酵培地の少なくとも70%を除去するステップと、
    (c) (b)で除去した前記第1の発酵培地を、請求項7に記載される組成を有する培養培地と交換するステップと、
    (d) ステップ(a)~(c)を少なくとも1回繰り返して、前記1種または複数種のラムノリピドと前記シュードモナス・エルギノーサとを含む次の発酵培地を得るステップと
    を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記植物油が、ダイズ油、ベニハナ油、ラッカセイ油、ヘンプシード油、ジャトロファ油、ココナッツ脂肪、カラバッシュ油、アマニ油、コーン油、ポピーシード油、イブニングプリムローズ油、オリーブ油、パーム核油、ヤシ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマワリ油、グレープシード油、クルミ油、小麦胚芽油、ココナッツ油、および中鎖トリグリセリド油からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または7に記載の方法。
  12. 前記ラムノリピド産生微生物が、少なくとも3種の炭素源を含む培養培地中で培養され、少なくとも2種の炭素源が前記未精製甘味剤であり、少なくとも1種の炭素源が中鎖または長鎖トリグリセリド含有植物油である、請求項1または7に記載の方法。
  13. 前記ラムノリピド産生微生物が、少なくとも3種の炭素源を含む培養培地中で培養され、少なくとも2種の炭素源が前記未精製甘味剤であり、少なくとも1種の炭素源が中鎖トリグリセリド含有植物油である、請求項1または7に記載の方法。
  14. 前記ラムノリピド産生微生物が、少なくとも4種の炭素源を含む培養培地中で培養され、少なくとも2種の炭素源が中鎖または長鎖トリグリセリド含有植物油であり、少なくとも2種の炭素源が前記未精製甘味剤である、請求項1または7に記載の方法。
  15. 前記ラムノリピド産生微生物が、少なくとも4種の炭素源を含む培養培地中で培養され、少なくとも1種の炭素源が中鎖トリグリセリド含有植物油であり、1種の炭素源が長鎖トリグリセリド含有植物油であり、少なくとも2種の炭素源が前記未精製甘味剤である、請求項1または7に記載の方法。
  16. 前記培養培地が、
    ix.乳化剤
    をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記培養培地が、乳化剤をさらに含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記1種または複数種のラムノリピドを前記培養培地から単離するステップをさらに含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
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